説明

溶液自動供給装置

【課題】微量な溶液を測定する測定チップに対し、正確な量の測定対象溶液をより迅速に供給できるようにする。
【解決手段】第1試料導入路103の側方に配置された第2試料室105と、第2試料室105の上部に設けられた第2試料導入口106と、第2試料室105と第1試料室101とを連通し、この一方が第2試料室105の下部で開口する第2試料導出路107と、第2試料室105と第1試料室101とを連通し、この一方が第2試料室105の上部で開口する第2試料室連通路108と、第1試料導入路103の側方に配置された第3試料室109と、第3試料室109の上部に設けられた第3試料導入口110と、第3試料室109と第1試料室101とを連通し、この一方が第3試料室109の下部で開口する第3試料導出路111と、第3試料室109と第1試料室101とを連通し、この一方が第3試料室109の上部で開口する第3試料室連通路112とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細な流路に検出部を備えたフローセルに対して試料溶液を供給するための溶液自動供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
抗原抗体反応やDNA断片(DNAプローブ)とDNAとの結合などの高度な生体分子の識別機能を利用した測定は、臨床検査,生化学分野での測定,および環境汚染物質の測定で重要な技術となっている。例えば、マイクロTAS(Total Analysis Systems),マイクロコンビナトリアルケミストリー,化学IC,化学センサ,バイオセンサ,微量分析,電気化学分析,QCM測定,SPR測定(特許文献1,2参照),ATR測定などがある。このような測定の分野では、測定対象の試料は微量な液体(溶液)の場合が多く、微量な試料溶液を薄めることなく高感度で測定するために、微小な流路に検出領域を設けた測定チップを用いるようにしている。
【0003】
また、溶液に溶解または分散している検体の測定を行う場合、測定対象の試料溶液の測定結果と、参照溶液の測定結果との比較(差分)により、試料溶液中の検体を測定するようにしている。このような測定を、上述したような測定チップで行う場合、試料溶液用の系と参照溶液用の系とを同一チップ上に設けることが容易ではない。このため、一般には、1つの測定チップにおいて、まず、参照溶液の測定を行って参照溶液の1回目参照測定結果を求め、次に、試料溶液の測定を行って試料溶液測定結果を求め、この後、再度、参照溶液の測定を行って参照溶液の2回目参照測定結果を求め、1回目と2回目の参照測定結果の平均と、試料溶液測定結果との比較を行うようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−194298号公報
【特許文献2】特開2002−214131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような測定では、測定チップの微細な流路に対して微量な参照溶液および試料溶液を供給することになるので、所定の量の溶液を供給することが容易ではなく手間が掛かるという問題があった。また、溶液の供給に手間が掛かるので、複数の試料溶液を連続して測定するという一連の測定が迅速に行えずに時間間隔が大きくなり、例えば抗原抗体反応などを利用した測定では、測定の精度を低下させる場合もあった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、微量な溶液を測定する測定チップに対し、複数の微量な測定対象溶液をより迅速に供給できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る溶液自動供給装置は、第1試料導入口と、この第1試料導入口を上方として第1試料導入口より下方に延在する第1試料導入路と、この第1試料導入路の下方に配置され、第1試料導入路で第1試料導入口に連通する第1試料室と、この第1試料室の下方に設けられた試料供給口と、第1試料導入路の側方に配置された第2試料室と、この第2試料室の上部に設けられた第2試料導入口と、第2試料室と第1試料室とを連通し、この一方が第2試料室の下部で開口する第2試料導出路と、第2試料室と第1試料室とを連通し、この一方が第2試料室の上部で開口する第2試料室連通路と、第1試料導入路の側方に配置された第3試料室と、この第3試料室の上部に設けられた第3試料導入口と、第3試料室と第1試料室とを連通し、この一方が第3試料室の下部で開口する第3試料導出路と、第3試料室と第1試料室とを連通し、この一方が第3試料室の上部で開口する第3試料室連通路とを備え、第2試料導出路の第1試料室側の第2試料導出口,第2試料室連通路の第1試料室側の第2試料室連通口,第3試料導出路の第1試料室側の第3試料導出口,および第3試料室連通路の第1試料室側の第3試料室連通口は、それぞれ下方に向けて形成され、第2試料導出口は、第2試料室より下方に配置され、第3試料導出口は、第3試料室より下方に配置され、第2試料導出口および第2試料室連通口は、第3試料導出口および第3試料室連通口より上方に配置され、第2試料室連通口は、第2試料導出口と同じ高さもしくは第2試料導出口より上方に配置され、第3試料室連通口は、第3試料導出口と同じ高さもしくは第3試料導出口より上方に配置されているようにしたものである。
【0008】
上記第2試料導出路は、第2試料室との接続部より上方に向かう流路を備えて上下に屈曲して形成され、第3試料導出路は、第3試料室との接続部より上方に向かう流路を備えて上下に屈曲して形成されている。また、試料供給口は、第2試料導出口および第3試料導出口と同径に形成されている。また、第1試料導入路,第1試料室,第2試料室,第2試料導出路,第2試料室連通路,第3試料室,第3試料導出路,および第3試料室連通路は、第1の板部材およびこの第1の板部材に対向して配置された第2の板部材に挟まれて形成され、第1の板部材は透明な材料から構成されているとよい。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、第1試料室と、これ接続する第1試料導入路の両脇に第2試料室および第3試料室を備え、第2試料室の第2試料導出口が、第3試料室の第3試料導出口より高い位置で、第1試料室に接続されているようにしたので、微量な溶液を測定する測定チップに対し、複数の微量の測定対象溶液をより迅速に供給できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。始めに、本実施の形態における溶液自動供給装置の構成例について、図1,図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における溶液自動供給装置の構成例を示す断面図、図2は、斜視図である。本実施の形態の溶液自動供給装置は、まず、第1試料導入口102と、第1試料導入口102を上方として第1試料導入口102より下方に延在する第1試料導入路103と、第1試料導入路103の下方に配置され、第1試料導入路103で第1試料導入口102に連通する第1試料室101と、第1試料室101の下方に設けられた試料供給口104とを備えている。
【0011】
また、この溶液自動供給装置は、第1試料導入路103の側方に配置された第2試料室105と、第2試料室105の上部に設けられた第2試料導入口106と、第2試料室105と第1試料室101とを連通し、この一方が第2試料室105の下部で開口する第2試料導出路107と、第2試料室105と第1試料室101とを連通し、この一方が第2試料室105の上部で開口する第2試料室連通路108と、第1試料導入路103の側方に配置された第3試料室109と、第3試料室109の上部に設けられた第3試料導入口110と、第3試料室109と第1試料室101とを連通し、この一方が第3試料室109の下部で開口する第3試料導出路111と、第3試料室109と第1試料室101とを連通し、この一方が第3試料室109の上部で開口する第3試料室連通路112とを備えている。本実施の形態では、各試料導出路および各連通路が、第1試料室101の側部に接続した状態となっている。
【0012】
図1では、第1試料導入路103を通る境界の左側に第2試料室105を配置し、右側に第3試料室109を配置し、各試料室、各流路が、ほぼ同一の平面上に配置された場合を例に示している。
【0013】
また、この溶液自動供給装置は、第2試料導出路107の第1試料室101側の第2試料導出口107a,第2試料室連通路108の第1試料室101側の第2試料室連通口108a,第3試料導出路111の第1試料室101側の第3試料導出口111a,および第3試料室連通路112の第1試料室101側の第3試料室連通口112aが、それぞれ下方に向けて形成されている。また、第2試料導出口107aは、第2試料室105より下方に配置され、第3試料導出口111aは、第3試料室109より下方に配置されている。
【0014】
また、この溶液自動供給装置においては、第2試料導出口107aおよび第2試料室連通口108aは、第3試料導出口111aおよび第3試料室連通口112aより上方に配置し、第2試料室連通口108aは、第2試料導出口107aと同じ高さもしくは第2試料導出口107aより上方に配置し、第3試料室連通口112aは、第3試料導出口111aと同じ高さもしくは第3試料導出口111aより上方に配置している。
【0015】
また、第2試料導出路107は、第2試料室105との接続部より上方に向かう流路を備えて上下に屈曲して形成され、第3試料導出路111は、第3試料室109との接続部より上方に向かう流路を備えて上下に屈曲して形成されている。加えて、試料供給口104は、第2試料導出口107aおよび第3試料導出口111aと同径に形成されている。
【0016】
上述した本実施の形態の溶液自動供給装置は、例えば、図2に示すように、各試料室や各流路となる空間(領域)が形成された枠部201と、枠部201を両側から挟む板部材202および板部材203から構成することができる。例えば、板部材202の所定箇所に開口部を形成することで、第1試料導入口102,第2試料導入口106,および第3試料導入口110とすることができる。なお、板部材202および板部材203は、枠部201の側方(側面)において、枠部201に形成された空間部を密閉するように形成されていればよく、枠部201の外形全域に設けられている必要はない。また、板部材202および板部材203の一方が、ガラスなどの透明材料から構成されていると、収容されいてる試料溶液の状態が、目視で確認可能となる。
【0017】
次に、上述した本実施の形態における溶液自動供給装置を用いた溶液の供給について、図3(a)〜図3(f)を用いて説明する。以下では、溶液自動供給装置を、試料供給口104を大地の側に配置し、これより上方に第1試料導入口102が配置された状態で用いるものとする。なお、図中、ハッチング(斜線)の部分が、第1試料溶液を示し、クロスハッチングの部分が第2試料溶液を示し、グレーの部分が第3試料溶液を示している。
【0018】
まず、図3(a)に示すように、第1試料室101に第1試料溶液が収容され、第2試料室101に第2試料溶液が収容され、第3試料室101に第3試料溶液が収容された状態とする。ここで、第1試料溶液の液面(上方の空間との界面)は、第2試料室連通口108aより高い位置とする。また、第2試料溶液は、第2試料導出口107aにまで到達し、第3試料溶液は、第3試料導出口111aにまで到達した状態とする。
【0019】
このように各試料溶液を導入した状態で、第1試料導入口102,第2試料導入口106,および第3試料導入口110が閉じられた状態とする。例えば、所定の栓を用いて各口を塞げばよい。この状態では、第2試料導出口107a,第2試料室連通口108a,第3試料導出口111a,および第3試料室連通口112aは、第1試料室101に収容されている第1試料溶液中に埋没し、塞がれた状態となっている。
【0020】
なお、第2試料室105における第2試料溶液の液面は、屈曲している第2試料導出路107の最上端以下の位置とされている方がよい。液面が第2試料導出路107の最上端より上にあると、第1試料溶液の液面が第2試料室連通口108aより高く、これを塞いだ状態としていても、第2試料室105中の第2試料溶液が、第2試料導出口107aより第1試料室101に流出し、第1試料室101の第1試料溶液が、第2試料室連通口108aより第2試料室連通路108に浸入する可能性がある。第3試料室109における第3試料溶液についても同様である。
【0021】
次に、上述したように各試料溶液を収容した溶液自動供給装置の試料供給口104が、目的とするセンサチップの供給口に接続された状態とする。この状態で、第1試料導入口102を開放すると、第1試料溶液が、試料供給口104より吐出され、センサチップの供給口に供給されるようになる。このようにして、第1試料溶液が第1試料室101より排出されると、第1試料溶液の液面は、徐々に下降する。
【0022】
ここで、第1試料溶液の液面が第2試料室連通口108aより上にある間は、第2試料室連通口108aが塞がれているために、第2試料室連通口108aを通して空気が第2試料室105に入り込むことがない。また、第2試料導出路107が上下に屈曲して形成されている。これらのことにより、第1試料溶液の液面が第2試料室連通口108aより上にある間は、第2試料溶液が、第1試料室101に流入することが抑制された状態となっている。
【0023】
この後、図3(b)に示すように、下降する第1試料溶液の液面が第2試料導出口107aに到達し、第2試料室連通口108aが開放すると、第2試料室105に収容されている第2試料溶液が、第2試料導出口107aより第1試料室101に流出すことが可能となる。なお、第2試料室連通孔108aが、第2試料導出口107aと同じ高さに形成されていても同様である。
【0024】
この結果、図3(c)に示すように、第1試料室101においては、試料供給口104の側(下側)の第1試料溶液の上に、第2試料溶液が配置される状態となる。ここで、試料供給口104と、第2試料導出口107aとは、例えばほぼ同径であり、試料供給口104からの流出量と第2試料導出口107aからの流出量とは、ほぼ等しくなり、第1試料室101における第2試料溶液の液面の上下位置は、全ての第2試料溶液が第1試料室101に流れ込むまで変化しない。
【0025】
ここで、第2試料溶液の液面が第3試料室連通口112aより上にある間は、第3試料室連通口113aが塞がれているために、第3試料室連通口113aを通して空気が第3試料室109に入り込むことがない。また、第3試料導出路111が上下に屈曲して形成されている。これらのことにより、第2試料溶液の液面が第3試料室連通口112aより上にある間は、第3試料溶液が、第1試料室101に流入することが抑制された状態となっている。
【0026】
次に、全ての第2試料溶液が第1試料室101に流れ込み、図3(d)に示すように、第1試料室101における第2試料溶液の液面が下降して第3試料導出口111aに到達すると、第3試料室連通口112aが開放し、第3試料室109に収容されている第3試料溶液が、第3試料導出口111aより第1試料室101に流出し始める。なお、第3試料室連通孔112aが、第3試料導出口111aと同じ高さに形成されていても同様である。
【0027】
このように、第1試料室101に、第2試料溶液および第3試料溶液が順次に流入する中で、試料供給口104より、全ての第1試料溶液が流出すると、試料供給口104からは、第2試料溶液が流出し始め、センサチップの供給口には、第1試料溶液の後に、第2試料溶液が供給されるようになる。このようにして、第1試料溶液および第2試料溶液と、順次に各試料溶液が試料供給口104より流出していき、第1試料室101においては、図3(e)に示すように、第2試料溶液の上に、第3試料溶液が配置される状態を経て、全ての第2試料溶液が試料供給口104より流出すると、図3(f)に示すように、第3試料溶液が試料供給口104より流出する。
【0028】
以上のことにより、センサチップの供給口には、第1試料溶液の後に、第2試料溶液が供給され、第2試料溶液の後に、第3試料溶液が供給されるようになる。また、これら各試料溶液は、時間を空けずに順次に供給されることになる。また、供給する各試料溶液を、予め正確に計量して各試料室に用意することは容易であるので、上述した本実施の形態における溶液自動供給装置によれば、微量な溶液を測定する測定チップに対し、正確な量の複数の測定対象溶液を、各々迅速に供給できるようになる。
【0029】
次に、上述した本実施の形態の溶液自動供給装置で試料溶液を供給する対処となるセンサチップ(測定チップ)について、この一例を簡単に説明する。センサチップは、図4に示すように、透明なガラスからなる基板401と、カバー部402と、カバー部402に形成された供給口403と、カバー部402に形成された流路404と、カバー部402に形成された液溜まり405と、基板401の上に形成された金属膜406と備えている。金属膜406は、例えば金(Au)から構成され、基板401のカバー部402の側に形成され、流路404の一部において、金属膜406の表面が露出している。この金属膜406の露出面には、例えば、所定の抗体が固定されて検出領域を構成している。
【0030】
このように構成されたセンサチップは、基板401の側と、後述するSPR(surface plasmon resonance:表面プラズモン共鳴)測定装置のチップ載置面とが対向するように載置する。この状態で、供給口403より供給された試料液体は、流路404を流れて液溜まり405に到達する過程で、検出領域の金属膜406の上に接触して通過する。このとき、試料液体に抗原が含まれており、この抗原が上記抗体に特異的なものであれば、抗原抗体反応により抗原が抗体に結合し、検出領域における屈折率が変化する。この屈折率の変化が、SPR測定装置により測定される。
【0031】
次に、SPR測定装置について、簡単に説明する。SPR測定装置による測定では、図5に示すように、光源501から出射された光を入射側レンズ502で集光し、この集光した光を半円柱状のプリズム503の曲面部の側に入射させ、プリズム503の平坦面側の測定面504に密着させているセンサチップ505の測定領域に照射する。前述したように、センサチップ505の測定領域にはAuの薄膜が形成されており、このAuの薄膜の表面に検体を接触させた状態で置き、Auの薄膜の裏面に、センサチップ505を透過してきた集光光が照射される。このようにして照射された集光光は、Auの薄膜の裏面で反射し、いわゆるCCDイメージセンサなどの撮像素子よりなる光検出部506で強度(光強度)が測定され、図6に示すように、上記共鳴が起こる角度で反射率が低くなる谷が観測される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態における溶液自動供給装置の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における溶液自動供給装置の構成例を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態における溶液自動供給装置を用いた溶液の供給につい説明する説明図である。
【図4】溶液自動供給装置が適用されるセンサチップの構成例を示す構成図である。
【図5】SPR測定装置の構成例を示す構成図である。
【図6】SPR測定装置により測定される反射率の状態を示す特性図である。
【符号の説明】
【0033】
101…第1試料室、102…第1試料導入口、103…第1試料導入路、104…試料供給口、105…第2試料室、106…第2試料導入口、107…第2試料導出路、107a…第2試料導出口、108…第2試料室連通路、108a…第2試料室連通口、109…第3試料室、110…第3試料導入口、111…第3試料導出路、111a…第3試料導出口、112…第3試料室連通路、112a…第3試料室連通口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1試料導入口と、
この第1試料導入口を上方として前記第1試料導入口より下方に延在する第1試料導入路と、
この第1試料導入路の下方に配置され、前記第1試料導入路で前記第1試料導入口に連通する第1試料室と、
この第1試料室の下方に設けられた試料供給口と、
前記第1試料導入路の側方に配置された第2試料室と、
この第2試料室の上部に設けられた第2試料導入口と、
前記第2試料室と前記第1試料室とを連通し、この一方が前記第2試料室の下部で開口する第2試料導出路と、
前記第2試料室と前記第1試料室とを連通し、この一方が前記第2試料室の上部で開口する第2試料室連通路と、
前記第1試料導入路の側方に配置された第3試料室と、
この第3試料室の上部に設けられた第3試料導入口と、
前記第3試料室と前記第1試料室とを連通し、この一方が前記第3試料室の下部で開口する第3試料導出路と、
前記第3試料室と前記第1試料室とを連通し、この一方が前記第3試料室の上部で開口する第3試料室連通路と
を備え、
前記第2試料導出路の前記第1試料室側の第2試料導出口,前記第2試料室連通路の前記第1試料室側の第2試料室連通口,前記第3試料導出路の前記第1試料室側の第3試料導出口,および前記第3試料室連通路の前記第1試料室側の第3試料室連通口は、それぞれ下方に向けて形成され、
前記第2試料導出口は、前記第2試料室より下方に配置され、
前記第3試料導出口は、前記第3試料室より下方に配置され、
前記第2試料導出口および前記第2試料室連通口は、前記第3試料導出口および前記第3試料室連通口より上方に配置され、
前記第2試料室連通口は、前記第2試料導出口と同じ高さもしくは前記第2試料導出口より上方に配置され、
前記第3試料室連通口は、前記第3試料導出口と同じ高さもしくは前記第3試料導出口より上方に配置されている
ことを特徴とする溶液自動供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の溶液自動供給装置において、
前記第2試料導出路は、前記第2試料室との接続部より上方に向かう流路を備えて上下に屈曲して形成され、
前記第3試料導出路は、前記第3試料室との接続部より上方に向かう流路を備えて上下に屈曲して形成されている
ことを特徴とする溶液自動供給装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の溶液自動供給装置において、
前記試料供給口は、第2試料導出口および第3試料導出口と同径に形成されている
ことを特徴とする溶液自動供給装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶液自動供給装置において、
前記第1試料導入路,前記第1試料室,前記第2試料室,前記第2試料導出路,前記第2試料室連通路,前記第3試料室,前記第3試料導出路,および前記第3試料室連通路は、
第1の板部材およびこの第1の板部材に対向して配置された第2の板部材に挟まれて形成され、
前記第1の板部材は透明な材料から構成されている
ことを特徴とする溶液自動供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−162636(P2009−162636A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1068(P2008−1068)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】