溶融塩処理システム及び方法
溶融塩処理システム及び方法が、溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、パイプ又はシャフトを、該パイプ又はシャフトとの間の環状空間によって隔てた状態で内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、ガスを環状空間へ給送するように接続されている1つ又は複数のガス源とを含むことができる。システムは、オフガスを受け取るように溶融塩反応器オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、洗浄機構からの流出物を加熱するように構成されている第1の加熱機構と、加熱機構からの流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構とを含むことができる。オーバーフロー導管が、溶融塩反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されて、該溶融塩反応器オーバーフロー出口からの溶融塩を受け取ると共に溶融塩を塩回収容器へ排出することができ、ブロワー又は他のガスムーバーが、溶融塩反応器及び回収容器に接続されて、低温ガスがオーバーフロー出口を通して溶融塩反応器へ逆流することを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融塩処理システム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、溶融塩反応器への給送送達(feed delivery)、オフガス処理及び使用済み塩除去システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融塩処理システムは、有機化合物、例えば有機塩素材料を酸化させて二酸化炭素、水及び塩を形成するのに用いることができる。残念ながら、溶融塩処理システムの産業上の実用性は、該システムを大規模運転に有用であるほど十分に大きいサイズまで拡大する上での難しさによって制限されている。特に、酸化すべき給送材料を、給送ポートを詰まらせることなく反応器へ導入する上で、また、運転中に生成される塩(複数可)を、出口ポートを詰まらせることなく除去する上でかなりの困難が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、酸化及び他の目的のために大規模な溶融塩反応器を使用するという問題に対処する方法及び装置が有益であろう。
【0004】
一態様では、本発明は、
項目1:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容する容器を含む溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、該管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、該パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
を含む、溶融塩処理システムを提供する。
【0005】
前記1つ又は複数の管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0006】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目2:前記1つ又は複数の管状導管は、好ましくは反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で該溶融塩反応器に、好ましくはその側面に接続されている、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目3:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構、及び前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構をさらに備える、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目4:前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、項目3に記載の溶融塩処理システム。
項目5:前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、項目4に記載の溶融塩処理システム。
項目6:前記パイプ又はシャフトはストップリミットをさらに含む、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目7:前記ストップリミットは連結部を含む、項目6に記載の溶融塩処理システム。
項目8:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目9:前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、項目8に記載の溶融塩処理システム。
項目10:前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、項目9に記載の溶融塩処理システム。
項目11:前記パイプ又はシャフトはシャフトである、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目12:前記シャフトは、前記パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、項目11に記載の溶融塩処理システム。
項目13:前記管状導管の少なくとも1つはパイプを収容しており、少なくとも1つの他の管状導管はシャフトを収容している、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目14:前記ガスは空気を含む、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目15:前記1つ又は複数の管状導管の上流で該1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目16:前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、項目1に記載の溶融塩処理システム。
【0007】
別の態様では、本発明は、
項目17:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように該オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からの前記ガス状流出物を加熱するように構成されている加熱機構と、
前記加熱機構からの前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
を備える、溶融塩処理システムを提供する。
【0008】
前記オフガス出口は、反応器軸に対して実質的に長手方向に延在した状態で(すなわち、前記反応器軸に対して実質的に平行に)前記溶融塩反応器の上部に接続することができる。
【0009】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目18:前記洗浄機構は水スクラバーである、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目19:前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目20:前記加熱機構は直接加熱機構を含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目21:前記加熱機構はガスバーナーである、項目20に記載の溶融塩処理システム。
項目22:前記加熱機構は間接加熱機構を含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目23:前記加熱機構は熱交換器である、項目22に記載の溶融塩処理システム。
項目24:前記加熱機構は、前記ガス状流出物を、該ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱する、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目25:前記ろ過機構はバグハウスを含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
【0010】
別の態様では、本発明は、
項目26:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように該反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されていると共に、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができるガスムーバーと、
を備える、溶融塩処理システムを提供する。
【0011】
前記オーバーフロー導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0012】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目27:前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目28:前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目29:前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目30:高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている加熱機構をさらに備える、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目31:前記加熱機構は直接加熱機構を含む、項目30に記載の溶融塩処理システム。
項目32:前記直接加熱機構はガスバーナーである、項目31に記載の溶融塩処理システム。
項目33:前記加熱機構は間接加熱機構を含む、項目30に記載の溶融塩処理システム。
項目34:前記間接加熱機構は熱交換器である、項目33に記載の溶融塩処理システム。
項目35:前記反応器からの前記溶融塩を受け取り、該塩を水に溶解させ、かつ、該塩を前記塩回収容器に搬送するように流動可能に接続されている塩溶解機構をさらに備える、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目36:前記塩溶解機構は水路を含む、項目35に記載の溶融塩処理システム。
項目37:前記オーバーフロー導管から出る前記溶融塩に衝突して該溶融塩を破砕すると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように位置付けられる1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目38:前記ガスムーバーは、前記塩回収容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、項目26に記載の溶融塩処理システム。
【0013】
また別の態様では、本発明は、
項目39:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口及び反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、該管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、該パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように該オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からのガス状流出物を加熱するように構成されている第1の加熱機構と、
前記加熱機構によって加熱された前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されており、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができる、ガスムーバーと、
を含む、溶融塩処理システムを提供する。
【0014】
前記1つ又は複数の管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0015】
前記オフガス出口は、反応器軸に対して実質的に長手方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の上部に接続することができる。
【0016】
前記オーバーフロー導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0017】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目40:前記1つ又は複数の管状導管は、好ましくは反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で該溶融塩反応器に、好ましくはその側面に接続されている、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目41:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構、及び前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目42:前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、項目41に記載の溶融塩処理システム。
項目43:前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、項目42に記載の溶融塩処理システム。
項目44:前記管状導管は、該1つ又は複数の管状導管の一部にストップリミットをさらに含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目45:前記ストップリミットは連結部を含む、項目44に記載の溶融塩処理システム。
項目46:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目47:前記1つ又は複数のガス源は、前記溶融塩が前記管状導管へ逆流することを防止するのに十分な圧力で前記少なくとも1つの管状導管へガスを給送する、項目46に記載の溶融塩処理システム。
項目48:前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、項目46に記載の溶融塩処理システム。
項目49:前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、項目48に記載の溶融塩処理システム。
項目50:前記パイプ又はシャフトはシャフトである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目51:前記パイプ又はシャフトは、該パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、項目50に記載の溶融塩処理システム。
項目52:前記1つ又は複数の管状導管は、パイプを同心状に収容する少なくとも1つの管状導管と、シャフトを同心状に収容する少なくとも別の管状導管とを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目53:前記ガスは空気を含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目54:前記1つ又は複数の管状導管の上流で該1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目55:前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目56:前記洗浄機構は水スクラバーである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目57:前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目58:前記第1の加熱機構は直接加熱機構を含む、項目57に記載の溶融塩処理システム。
項目59:前記第1の加熱機構はガスバーナーを含む、項目54に記載の溶融塩処理システム。
項目60:前記第1の加熱機構は間接加熱機構を含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目61:前記第1の加熱機構は熱交換器である、項目60に記載の溶融塩処理システム。
項目62:前記第1の加熱機構は、前記ガス状流出物を、該ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することができる、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目63:前記ろ過機構はバグハウスを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目64:前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目65:前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目66:前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目67:高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている第2の加熱機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目68:前記第2の加熱機構は直接加熱機構を含む、項目67に記載の溶融塩処理システム。
項目69:前記第2の加熱機構はガスバーナーである、項目68に記載の溶融塩処理システム。
項目70:前記第2の加熱機構は間接加熱機構を含む、項目67に記載の溶融塩処理システム。
項目71:前記第2の加熱機構は熱交換器である、項目70に記載の溶融塩処理システム。
項目72:前記加熱機構からの前記溶融塩を受け取るように流動可能に接続されていると共に、溶解した塩を前記塩回収容器に搬送するように接続されている塩溶解機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目73:前記塩溶解機構は水路を含む、項目72に記載の溶融塩処理システム。
項目74:前記オーバーフロー導管からの前記溶融塩を受け取ると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように構成されている1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目75:前記ガスムーバーは、前記溶解容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
【0018】
また別の態様では、本発明は、
項目76:溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間内へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法を提供する。
【0019】
前記管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0020】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目77:前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、項目76に記載の方法。
項目78:前記溶剤は水である、項目77に記載の方法。
項目79:前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、項目78に記載の方法。
項目80:前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に該材料を加熱するステップをさらに含む、項目76に記載の方法。
項目81:前記ガスは空気を含む、項目76に記載の方法。
【0021】
さらなる態様では、本発明は、
項目82:溶融塩反応器からのオフガスを処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
を含む、方法を提供する。
【0022】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目83:前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、項目82に記載の方法。
項目84:前記固体粒子状物質は塩の粒子を含む、項目82に記載の方法。
項目85:前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、該流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、項目82に記載の方法。
項目86:前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、項目82に記載の方法。
【0023】
またさらなる態様では、本発明は、
項目87:溶融塩反応器から溶融塩を排出する方法であって、前記反応器は前記溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記溶融塩反応器から塩回収容器へ排出される溶融塩流を加熱するか又は該溶融塩流の温度を維持するステップであって、前記溶融塩流を溶融状態に維持する、加熱するか又は維持するステップと、
ガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法を提供する。
【0024】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目88:前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目89:前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、項目88に記載の方法。
項目90:前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目91:前記条件を生成するステップは、或る圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、項目87に記載の方法。
項目92:前記圧力を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記溶解物回収容器では低い圧力を生成し、かつ、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、項目87に記載の方法。
項目93:前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目94:前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目95:前記溶融塩反応器の出口に撥ねよけを保持することをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目96:前記溶融塩反応器から排出される流れを該溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、項目87に記載の方法。
【0025】
さらなる態様では、本発明は、
項目97:溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されており、該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記反応器に前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記管状導管又は前記パイプへ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
前記溶融塩を、前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管を通して前記反応器から塩回収容器へ排出するステップと、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されているガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記オーバーフロー導管を通した前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法を提供する。
【0026】
前記管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0027】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目98:前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目99:前記溶剤は水である、項目98に記載の方法。
項目100:前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、項目98に記載の方法。
項目101:前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に該材料を加熱するステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目102:前記管状導管の一部の気密を維持するステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目103:前記ガスは空気を含む、項目97に記載の方法。
項目104:前記洗浄するステップは、水スクラバーで洗浄することを含む、項目97に記載の方法。
項目105:前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、項目97に記載の方法。
項目106:前記固体粒子状物質は塩を含む、項目97に記載の方法。
項目107:前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、該流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、項目97に記載の方法。
項目108:前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目109:前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目110:前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、項目109に記載の方法。
項目111:前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目112:前記条件を生成するステップは、或る圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、項目97に記載の方法。
項目113:前記条件を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記塩回収容器では低い圧力を、また、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、項目97に記載の方法。
項目114:前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目115:前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目116:前記溶融塩反応器から排出される流れを該溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、項目97に記載の方法。
【0028】
本発明は、上記の実施の形態と関連して、以下に記載のものも提供することができる:
項目117:前記溶融塩処理システムは、前記パイプに下流端のノズルをさらに含み、該ノズルは、該ノズルの上流端から前記パイプの内部へ通っていると共に該パイプの下流端付近で終端している複数の通路を含む、項目9に記載の溶融塩処理システム。
項目118:前記通路は内方へ捻る方向に向いている、項目9に記載の溶融塩処理システム。
項目119:前記容器の少なくとも一部を囲み、該容器との間に環状通気空間を画定するような位置及び形状であるシールドをさらに含む、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目120:可燃性のガス又は蒸気を前記溶融塩の表面の下方若しくは上方、又はその両方で前記反応器へ導入することをさらに含む、項目76に記載の方法。
【0029】
また別の態様では、本発明は、
項目121:溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記反応器に前記材料を送達するステップと、
溶融塩を、前記反応器からパイプを通して塩回収容器へ排出するステップであって、前記パイプは、前記反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されており、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、排出するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法を提供する。
【0030】
前記管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0031】
反応器軸は、この用語が本明細書において用いられる場合、好適には実質的に垂直である。
【0032】
本発明の溶融塩処理システムは全ての実施の形態において、表面(例えば地面)上に位置付けられるか又は表面に対して取り付けられる溶融塩反応器を備えるため、反応器軸は、本明細書において用いられる場合、好ましくはこの表面に対して実質的に垂直である。
【0033】
さらに、本明細書において規定及び記載される場合、溶融塩反応器は、前記表面と実質的に接触するベースと、該ベースから、該ベースに対して垂直の方向に延在する1つ又は複数の側面(溶融塩反応器の形状に応じて変わる)と、前記表面に対して遠位にある上部とを含むため、「ベース」、「側面」及び「上部」は本明細書においてその意味で用いられる。
【0034】
本発明の方法に従って処理することができる材料は、全ての実施の形態において、パイプを介して溶融塩反応器へ送達することができるという意味で流動可能であるのであれば、特に限定されない。材料は例えば、液体又は気体中の固体の懸濁物又はスラリー、及び液体の混合物を含め、固体、液体、気体とすることができる。しかし、本発明の方法は、気体以外の材料を処理するのに特に好適であり、そのため、材料は、有利には固体、液体、液体中の固体の懸濁物若しくはスラリー、又は液体の混合物である。処理することができる材料は以下でより詳細に記載する。
【0035】
本発明は、添付の図面と関連して読めば以下の詳細な説明から最もよく理解される。慣例に従って、図面の種々の特徴は一定の縮尺にはなっていないことを強調しておく。逆に、種々の特徴の寸法は、分かりやすくするために任意に拡大又は縮小されている。図面に含まれているのは以下の図であり、各図において同様の参照符号は同様の特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】本発明のいくつかの態様による溶融塩酸化処理システムの例示的な実施形態のブロック図である。
【図1B】本発明による溶融塩酸化処理システムの別の例示的な実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の例示的な態様による溶融塩酸化処理の送達システムの一実施形態の概略図である。
【図3】本発明のいくつかの態様による溶融塩酸化処理の送達システムのさらに別の例示的な実施形態の概略図である。
【図4A】本発明のいくつかの態様による例示的な送達機構の概略側面図である。
【図4B】本発明の例示的な実施形態による、管状導管内に位置決めされた例示的な給送ノズルの側断面図である。
【図4C】本発明の例示的な実施形態による例示的な給送ノズルの側面図である。
【図4D】図4Aの給送ノズルの線D−Dに沿った端部断面図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態による別の例示的な送達機構の概略側面図である。
【図6】本発明の一態様による溶融塩酸化処理の塩回収システムの例示的な実施形態の概略図である。
【図7】本発明の別の態様による溶融塩酸化処理のオフガス処理システムの例示的な実施形態の概略図である。
【図8】本発明の別の態様による溶融塩酸化処理のオフガス処理システムの別の例示的な実施形態の概略図である。
【図9】本発明のさらに別の態様による溶融塩酸化処理の塩回収システムの例示的な実施形態の概略図である。
【図10A】本発明のさらに別の態様による溶融塩酸化処理の塩回収システムの別の例示的な実施形態の概略図である。
【図10B】本発明の別の例示的な実施形態による溶融塩酸化処理の塩回収システムの概略断面図である。
【図10C】本発明のさらに別の例示的な実施形態による別の溶融塩酸化処理の塩回収システムの概略図である。
【図11】本発明の例示的な実施形態による溶融塩酸化反応器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明による溶融塩処理システムは、特に溶融塩酸化(MSO)反応器として用いることができる。MSO技術は、塩中に無機成分を保持しながらも混合廃棄物、有害廃棄物及びエネルギー物質の有機成分を破壊することができる熱処理である。
【0038】
溶融塩酸化は、液体又は固体の給送材料を過剰な空気又は酸素含有ガスと共に、炭酸ナトリウム(Na2CO3)及び塩化ナトリウム(NaCl)等の塩又は塩混合物を含有する溶融塩浴に加えるものとして説明することができる無炎熱処理(flameless thermal process)であり、この場合、有機材料が溶融塩中で酸化されて主に二酸化炭素及び水になる。通常、廃棄物流は、溶融塩の液位よりも下方へ導入されるが、液面よりも上方へ導入されることもできる。MSOシステムの塩の選択は、処理すべき給送材料(feed)の種類に大きく依存し、酸性ガスの処理が所望される場合、有機成分を酸化するのと同時に酸成分を中和することができるように、システム内に炭酸ナトリウム等の塩を含めることが望ましい。MSO反応器は、種々の温度で動作することができ、この温度は塩の組成に依存する。例えば、炭酸ナトリウム及び塩化ナトリウムの混合物を含むMSO反応器は、華氏約1500度超〜華氏約1800度の温度範囲で動作し、華氏約1500度を下回ると溶融塩は固化、すなわち凝固し始める可能性がある。したがって、MSO反応器の作動時又は冷却期間の後では、必要な熱の量は、塩を溶融させるか又は塩の表面上に形成される外皮を除去する通常動作の熱の量よりも高くなる。不揮発性成分が溶融塩溶液中に蓄積するが、この場合は別個に集めて処理することができる。
【0039】
MSO技術は、従来は小規模運転において使用されており、産業上の利用が限られていた。例えば、この方法は、石炭ガス化のために、また、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩素系溶剤、有機物質及び放射性物質の両方を含有する廃棄物、並びにエネルギー(爆発性)物質を含む有害有機物を破壊するために用いられてきた。そのような用途に用いられる反応器は通常、極めて小さく、多くの場合に直径が約6インチ(0.15m)未満である。そのような反応器の構成は通常、それらを拡大する場合に深刻な操作性の問題が生じるようなものである。本発明者らは今回、MSO反応器を、産業スケールの処理に好適なさらに高容量の動作に合わせて構成することができることを見出した。
【0040】
1つの好適なプロセスは、人口甘味料であるスクラロースを作製するのに使用されるプロセスからの廃棄物処理である。スクラロースを製造するプロセス中には、多くの副生成物が生成され、処理が必要な廃水流が生じる。廃水流を生じる主な副生成物の1つは、塩化ナトリウムの形態の無機塩である。これらの廃水流を生じる他の副生成物は、塩素化炭水化物を含む。これらは、無機塩及び有機塩と共に、生物学に基づく処理システムが最も一般的である従来の廃棄物処理技法では処理が難しいことが分かっている。加えて、生物学的システムは、構築及び動作が非常に高価である可能性がある。
【0041】
本発明は、MSO技術が、無機及び有機の廃棄物材料、例えばスクラロースの製造からの副生成物を効果的に処理するように適合されているシステム及び方法を含む。1つのそのような変更は、以前から既知であるMSO反応器よりも大幅に大きい容量を有する溶融塩反応器の使用である。例えば、MSO反応器の容器は、少なくとも6インチ(0.15m)、1フィート(0.3m)、3フィート(1m)、6フィート(2m)又はさらには少なくとも12フィート(4m)の内径を有することができる。MSO反応器の容器は、少なくとも3フィート(1m)、6フィート(2m)、18フィート(6m)、36フィート(12m)又はさらには75フィート(25m)を超える高さを有することができる。したがって、付随する廃棄物材料の送達、空気又は酸素の給送、使用済み塩の回収及びオフガス処理も、そのようなシステム及び方法の要件を満たすように変更しなければならない。しかしその一方で、MSO技術は、スクラロースの副生成物を処理するための複数の利点を提供する。例えば、この処理システムを構築するのに必要な資本金は、従来の廃棄物処理システムの資本金のおよそ1/3であると期待される。さらに、副生成物の廃棄物流中に存在する塩は、回収して、場合によっては、塩素、及び水酸化ナトリウム等の苛性物(caustic)からなる基本的なプロセス原料に変換し戻すことができる。廃棄物の有機部分の炭素の二酸化炭素への変換効率(conversion)は通常高く、所望であれば約90%〜99%超(+)である。
【0042】
廃棄物が、酸化プロセスによって破壊されない有価物質、例えば有価金属も含有する混合物の一部である場合、本発明のシステム及び方法はそのような物質の回収を容易にすることができることに留意されたい。より一般的には、本発明の装置及び方法は、本明細書では通常は酸化システムと称されるが、酸化を含むがこれに限定されない、高温処理が必要である全ての用途に使用することができる。簡略化のために、このシステムは、廃棄物処理のための溶融塩酸化に関して説明されるが、このシステムの使用は酸化プロセス又は廃棄物処理プロセスに限定されないこと、及び他の材料も処理することができることを理解されたい。例えば、本発明のシステム及び方法は、石炭ガス化プロセス、及び燃料又は燃料前駆体の高温処理を必要とする他のプロセスにおいて有用であり得ることが意図される。
【0043】
本発明は、例示目的で選択された本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面と関連して読めば、以下の詳細な説明から最もよく理解される。本発明は、一定の縮尺では描かれておらず、かつ設計図としては意図されない図面を参照して説明される。そのような図面は、限定ではなく例示的であることが意図されており、本発明の説明を容易にするために本明細書と共に含まれている。
【0044】
一実施形態では、本発明は、図1A及び図1Bに示されるようなMSO処理システムを提供する。このシステムは、MSO反応器200に流動可能に(flowably:流動送達可能に)接続されている給送システム100(又は100a、100b)を概して提供する。MSO反応器200は、オフガス回収システム300及び使用済み塩回収システム400に流動可能にさらに接続されている。任意選択的に、MSO処理システムは、溶融塩回収システム400に加えて又はその代わりに、塩除去システム100bによってMSO反応器200から溶融塩を除去するようにさらに接続されることができる。換言すると、本発明は、任意選択的に、塩除去システム100bに加えて又はその代わりに、溶融塩回収システム400を介して溶融塩を回収することができる。本発明の上記態様をそれぞれ以下でより詳細に説明する。
【0045】
図2に示されるように、給送システム100(又は100a、100b)は、MSO反応器200に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管101を含む。MSO反応器は、外側シェル203及び耐火部(refractory)204を有する耐火性の裏打ちがされた鋼容器又は反応器として構成することができる。反応器のシェルは、種々の材料、例えば二相ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、超オーステナイト系ステンレス鋼、高ニッケルオーステナイト系ステンレス鋼、又はニッケルベース合金から構成することができる。MSO反応器内に収容されている溶融塩は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)及び/又は塩化ナトリウム(NaCl)等の塩又は塩混合物を含む。
【0046】
図2に示されるように、1つ又は複数の管状導管101は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で反応器200の側面に接続することができる。
【0047】
管状導管101はそれぞれ、パイプ又はシャフト102を、環状空間104によって該管状導管101と隔てた状態で内部に同心状に収容している。給送システム100は、空気、酸素又は窒素等のガスを管状導管101のそれぞれに給送するように接続されている1つ又は複数のガス源106及び/又は108をさらに含む。ガスは、MSO反応器200内の燃焼をサポートするのに好適な他の酸素含有ガスも含むことができる。ガスは、廃棄物がMSO反応器200に給送されるときに約10psig〜約100psigの圧力で供給されることができる。本発明の一実施形態では、1つ又は複数のガス源106/108は、少なくとも1つの管状導管101への溶融塩の逆流を防止するのに十分な圧力で該管状導管101へガスを給送する。給送されるガスは、管状導管101及びパイプ又はシャフト102を冷却する働きもする。ガスの冷却作用は、あまり高価ではない構成材料の使用を可能にし、構成要素の寿命を延ばす。ガス若しくは廃棄物を給送するか又は給送システムの保守を行う場合、ポートを開いたままに保つ正のガス流が維持される。圧力及び流量センサー(図示せず)を、全ての危機的な流量及び圧力を監視するために含めることができ、またそのように設計することができる。
【0048】
図2に示されるように、1つ又は複数の管状導管101は、任意選択的に、MSO反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で、溶融塩酸化反応器200内の溶融塩201の液位よりも下方の位置、すなわち液面下で、例えば溶融塩反応器200の側面に接続されている。塩は、塩に埋設されている電気アークヒーター等の任意の既知の手段又は天然ガスバーナーの使用によって溶融状態に保つことができる。図2の実施形態に示される給送システムは、1つ又は複数の管状導管101の一部に気密チャンバーを含む。図2では、気密チャンバーは、管状導管101内の、1つ又は複数の管状導管101の上流位置にあるシール機構(device)103と、1つ又は複数の管状導管101の下流位置にある、開位置及び閉位置を有する弁105等の対応するシール機構との間に形成されている。「上流」という用語は、本明細書において用いる場合、流出元に最も近い相対的な位置を意味し、「下流」という用語は、流出元から最も遠い相対的な位置であることを意味する。ガス給送源106は、パイプ107を介してガスを供給し、気密チャンバーの圧力を維持する。ガスは、給送源108からパイプ109を介してシステムに給送される。気密チャンバーが維持される圧力は、導管が反応器に接続される場所、及びそれぞれの特定の導管アセンブリに何のプロセス構成が設定されているのかに依存する。例えば、給送システム100が、図4A〜図4Dに示される給送機構を用いて液体廃棄物を表面下に給送するのに用いられる場合、好ましくは気密圧力を約65psigの圧力に維持することができる。本発明において用いるのに好適な例示的なシール機構103は、高温パッキンから作製することができるパッキン押さえである。弁105は、パイプ又はシャフトを突き抜けさせる、すなわち貫通させることができなければならない。そのような弁の一例は、フルポートボール弁である。
【0049】
図3に示される別の実施形態では、液体又は固体の廃棄物は、塩の逆流の防止を助けると共に液体廃棄物の分散を助けるようにその後方からの空気圧を用いて管状導管の一方の管状導管101aに給送される。同時に、所望の酸化レベルを達成するのに十分な空気を提供するために、空気を他方の管状導管(複数可)101bに給送することができる。それらの導管が空気又は他のガスのみを(すなわち廃棄物は給送することなく)給送するために気密チャンバー内に維持される圧力は、約15psig〜約20psigの範囲に維持することができる。
【0050】
シャフト若しくはパイプ102、又はそれらの取付具を変える場合、その手順は、シール機構103を緩めて、パイプ又はシャフト102を、弁105の上流端まで完全に取り外されるまで後退させることを含む。次に、弁105を閉め、この時点で、所望であれば気密チャンバーを分解して再構成することができる。本発明の一実施形態では、ねじ式弁構成を、シール機構103の外部、すなわち上流に取り付けて、下流端に取り付けられているテーパ状のエンドピースを有する中実のシャフト102を、注入パイプ座部に徐々に可変に挿入及び後退させることができる。そのような構成の一例が図5に示されており、この図では、テーパ状のエンドピースは部品116として表記されている。ねじ式構成は、手動調整可能とすることも、又は自動調整可能とすることもできる。この設備アセンブリは、廃棄物を異なる導管アセンブリを通して給送する場合に空気流量制御の目的で使用される。この同じアセンブリを完全に挿入された位置において用いて、溶融塩への通路を開いたままに保ちながらも塩浴への空気の流れを最小限に抑えることもできる。これは、反応器へ給送される過剰な空気がシステムの排熱をするように作用し、反応器内の所望の化学物質に影響を与えることができるため、望ましい。換言すると、反応器を出るガス組成物は、MSO反応器へ給送される空気の量によって劇的に影響を受けることができる。
【0051】
任意選択的に、本発明の給送システムは、シャフト又はパイプ102に取着されているか又はこれらと一体的であるストップリミット(stop limit:移動止め)110を含むことができる。ストップリミット110は、パイプ又はシャフト102が、MSO反応器200、及びシール機構103と弁105との間に形成される気密チャンバーから押し出されないように又は引き抜かれないように保つ安全機構として働く。本発明において用いることができる例示的なストップリミットは、シャフト又はパイプ102にあるパイプフランジ又は連結部(coupling:継手)であるが、管状導管101を通るガス流をブロックするほどは大きくないことを条件とする。例えばスタッド、又はシャフト若しくはパイプ102から横方向に延在する他の突起等の、ストップリミットの目的を達成する他の機構も用いることができる。パイプ又はシャフト102上のストップリミット110の位置は、シール機構103と弁105との間に、パイプ又はシャフト102の下流端を弁105を越えて完全に後退させるのに利用可能な十分な距離又は長さがあるように設定するべきである。
【0052】
図2、図3及び図4Aに示されるような本発明のいくつかの実施形態では、給送装置100はパイプ102を含む。パイプは、材料をMSO反応器200に給送するための給送源111に接続されている。給送は、連続的であるか、又は中断を含むバッチ式とすることができる。給送源111は任意選択的に、1つ又は複数の管状導管101の上流で1つ又は複数の管状導管101に流動可能に接続されている蒸発機構を含む。これによって、水等の溶剤を給送流から除去し、給送流が導入されることによるMSO反応器200の過加圧を最小限に抑えるか又は防止することが可能になる。例えば、溶剤が水であり水含量が高すぎる場合、給送流を溶融塩浴に注入するときに爆発が起こる可能性がある。また、MSO反応器へ給送する前に溶剤を除去して、塩浴からの排熱を制限することが望ましい。MSO反応器へ給送する前の溶剤の除去は、これらの溶剤の回収及び再利用も可能にする。MSO反応器200へ給送される廃棄物流は、好ましくは十分に流動可能であるべきであるが、溶剤含量は低減されているべきである。しかし、溶剤含量がより高い廃棄物流もユニットに給送することができるが、流量が低ければ、MSO反応器において生成される付加的なガス負荷の余裕ができ、爆発の危険性を低減することができる。任意選択的には、上述したように、パイプ102は、窒素、空気又は何らかの他の酸素含有ガスをMSO反応器200内へ給送するように設計することができる。
【0053】
反応器に給送される材料は、種々の源からの複数の廃棄物を含むことができる。MSO処理プロセスは、特にハロゲン化廃棄物材料、より詳細には、例えば塩素化炭水化物又は他の有機塩素廃棄物材料、並びに酢酸ナトリウム、及びスクラロース製造プロセスからの副生成物である他の有機塩を処理する際に用いられる。本発明の一実施形態では、給送流は、約75%〜約80%以上の固体を有する粘性の廃棄物流を含むことができる。給送材料がスクラロース製造プロセスからの廃棄物である場合、給送材料は通常、給送材料が固化して給送ラインを詰まらせることを防止するために華氏約160度〜華氏約190度の温度に維持される。任意選択的には、固体廃棄物をMSO反応器システムに加えることができるが、ただし、それに応じて給送システムを変更する必要があるであろう。例えば、単純な封止オーガー型の機構をこのために用いることができる。
【0054】
代替的には、給送材料は中間材料を含むことができ、この中間材料から、価値の高い塩、又は金属等の他の不揮発性無機成分を、廃棄物材料として損失するのではなく回収することができる。
【0055】
給送システム100がMSO反応器200へ材料流を給送するために接続されているパイプ102を含む実施形態では、給送システムは、図4Aに示されるような噴霧給送ノズル112を有する給送ガンを含むことができる。ノズル112は、パイプ102の下流端に適用される。図4Aに示される実施形態によると、ノズル112は、カラーの形態でパイプ102の端部に溶接されている。図4Bにより詳細に示されるように、ノズル112には任意選択的に、管状導管101内の給送ノズル112を芯出しすると共に導管101からのパイプ102の偶発的な抜去を防止するために含まれているフィン118a、118b及び118c等の、図4Bに示される少なくとも1つのフィンが取り付けられている。
【0056】
図4Cの側断面図、及び線4D−4Dに沿った図4Dの端部断面図により詳細に示されるノズル112は、図示のように複数の通路115を含む。図4Dの図はノズル112の上流端のものである。8つの通路が示されているが、概して2つ以上の通路を用いるものとする。簡略化のために、図4Cには通路115を1つだけ示す。図示のように、通路115は、ノズル112の上流端からパイプ102の内部へ通って、その下流端付近で終端しているため、それらから出る液体廃棄物が霧化される。図4Dに示されるようないくつかの実施形態では、通路は、通路を通過する空気を内方へ捻る方向へ導くような向きである。これはパイプ102を出る廃棄物をせん断すると共に廃棄物に旋回運動を与える。
【0057】
噴霧ノズル112は、完全に挿入されると、燃焼空気通路、すなわち管状導管101とパイプ102との間の環状空間104内で芯出しされる。図4Bに示されるように、管状導管101の下流端を、空気通路のサイズを制限するように内方へテーパ状にすることができる。噴霧ノズルの直径は、ノズル112と導管101との間の環状空間を最小限にするように設定される。これによって、源106/108から送達される空気又はガスが主に噴霧通路115を通って強制的に流される。ノズル112と導管101との間の環状空間が結果的に縮径していることにより、給送材料のための燃焼空気の高速中空円筒流がもたらされ、同時に、ノズル112の上流端からノズル112の下流端にかけて大きな圧力降下、例えば65psigの圧力降下がもたらされる。この高い差は、空気を噴霧通路115に強制的に通すのに使用される。通路を出る空気が与える旋回作用は、給送流がMSO反応器200の溶融塩浴201に入るときに給送流と燃焼空気との混合を最大にする。そのような噴霧ノズルの構成は、必要な燃焼空気の量を大幅に低減し、一酸化炭素(CO)の生成を十分に低く保つことが分かっている。
【0058】
本発明の代替的な実施形態では、パイプ又はシャフトは、例えば図5に示されるようなシャフト102である。シャフト102は、該シャフト102の下流端に取り付けられる、参照符号116によって示されるドリルビットを有することができる。本発明における使用が意図されるドリルビットは、MSO反応器200内で冷却及び固化されている溶融塩に穿孔することができる任意の好適な構成とすることができる。例えば、ドリルビットはダイアモンドチップ付きとすることができる。ドリルビット116が取り付けられたシャフト102は、溶融領域への経路に達するまで塩浴201に穴を開けることができる。この実施形態に従って操作する場合、システムは、ガスの速度を常に最小限に維持し、経路が空いてからの溶融塩の逆流を防止する。シャフト102が、該シャフト102に取り付けられる他の保守器具を含むことができることも意図される。
【0059】
この態様によるさらに別の実施形態では、本発明は、パイプ102に取り付けられる給送ノズル112を含む給送ガンを含む。この給送ガンは好ましくは取り外し可能である。給送ガンは、例えば、給送ガンの上流端に取着されるフレキシブルホースを用いて挿抜することができる。好ましくは、フレキシブルホースは、液体廃棄物が冷却及び固化することを防止するのに十分に高い温度を維持するように電気的にトレースされる。そのような実施形態における給送ガンは、使用されないときには給送システム100の外側にあるままであるように設計される。給送ノズル112は、詰まったシャフト102を取り外して、給送ノズル112を管状導管101に迅速に挿入すると共に再接続することによって設置され、流れを確立することができる。
【0060】
任意選択的に、2つ以上の管状導管101a及び101bが用いられる図3に示されるように、本発明は、例えばパイプ102aを収容する少なくとも1つの管状導管101aと、シャフト102bを収容する少なくとも別の管状導管101bとを含むことができる。
【0061】
この態様によるさらに別の実施形態では、図2、図3、図4A及び図6に示されるような給送システムを、1つ又は複数のパイプ102がMSO反応器200から溶融塩201を除去する溶融塩排出システムとして代わりに用いることができる。そのような実施形態では、パイプ102は、管状導管101に挿入されることができるか又はパイプ102に接続されることができるドレーンパイプであり、このパイプ102は、該パイプ102を塩回収容器117に接続するためにパイプ119にさらに接続されている。これは、ガス源106及び/又は108からのガス供給を低減することによって、又はそのようなガス供給を遮断することによって行うことができる。シール機構103と塩回収容器117との間のパイプ119は、好ましくは、任意選択的に鋼トラフに支持されている、電気的にトレースされる長いフレキシブルホースである。
【0062】
例示的な実施形態では、本発明は、パイプ102を内部に同心状に収容している管状導管101を含むことができる。パイプ102は、管状導管101を介するMSO反応器200へのガスの流れが低減されるか又は遮断されると、MSO反応器200から排出される溶融塩201を受け取って、この溶融塩を塩回収容器117へ排出するように接続されている。管状導管101は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で反応器200の側面に接続することができる。塩回収容器117は、例えば、MSO反応器200へ戻して再処理すること又は廃棄に備えて溶融塩を冷却及び固化させる開放孔又はピットとすることができる。代替的には、塩回収容器117は、塩を集めて水等の溶剤中に溶解させる塩溶解容器を含むことができる。好ましくは、塩を除去するこの実施形態は、システムがバッチモードで運転しているときに用いられるが、そのような運転は、システムが連続的に運転する場合にも用いることができることが意図される。任意選択的には、1つ又は複数のさらなる管状導管101も含めることができ、この場合、管状導管はそれぞれ、材料を給送するか又は廃棄物を除去するパイプ102及び/又はシャフト102を含む。
【0063】
概して、MSO反応器の運転は、空気又は酸素と廃棄物との最適な比を達成するように維持されるべきである。この比自体は処理すべき廃棄物に依存する。最適な比の決定は、処理すべき実際の給送材料を用いた(パイロットプラント又はフルスケールでの)実験の実行によって行うことができる。完全に運転可能なシステムを用いて、反応器のオフガス試料を、様々な酸素対廃棄物比で引き出して分析することができる。すなわち、オフガスは、一酸化炭素、窒素酸化物、メタン及び場合によっては他の化合物の濃度に関して分析され得る。次いで、これらの試験の結果を用いて、どの酸素対廃棄物比であれば最良に機能するのかを判断することができる。必要な給送システムの数は、所望の総流量目標及び必要な比に依存する。また、いくつかの異なる地点における空気の給送は、溶融塩床の攪拌又は混合を助けるように働くと考えられる。空気及び廃棄物の燃焼によって誘導される混合は、反応器の均一で一貫した運転を確実にするのを助けると考えられる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、MSO反応器システムは、システムの運転中に稼動する少なくとも4つの空気/廃棄物給送点を有するように設計される。好ましくは、給送(feeder)システムは、反応器の周囲に分散している。
【0065】
上述のシステムと関連して、本発明は、別の態様では、溶融塩酸化反応器システムにおいて廃棄物を処理する方法を含む。この方法は、溶融塩酸化反応器に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して液体材料を送達するステップと、空気等のガスを管状導管内に注入するステップとを含む。ガスは、溶融塩が溶融塩酸化反応器から出て管状導管又はパイプ内へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する。
【0066】
任意選択的に、この方法は、液体材料が運転条件下で溶融塩酸化反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤、例えば水を、液体材料から除去するステップを含む。溶剤が水であるこの態様による実施形態では、溶剤は、水を液体材料から蒸発させることによって除去される。
【0067】
この態様の実施形態に含めることができるさらなる任意選択的なステップは、溶融塩酸化反応器へ液体材料を送達する前に液体材料を加熱すること、及び管状導管の一部において気密を維持することを含む。
【0068】
別の態様では、本発明は、オフガス回収システム300を含む、図7に示されるような溶融塩酸化処理システムを提供する。この態様による実施形態では、システムは、MSO反応器200からの、塩等の捕捉された固体粒状材料を含有するオフガスを受け取るように、MSO反応器200のオフガス出口205に流動可能に接続されている洗浄(scrubbing:スクラビング)機構302を含む。図7及び図8に示されるように、オフガス出口205は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して長手方向に延在した状態で反応器200の上部に接続することができる。さらに、本発明は、洗浄機構302からのガス状流出物を加熱するように構成される加熱機構306と、加熱機構306からのガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構310とを提供する。
【0069】
図7に示されるように、MSO反応器200からの捕捉された塩を含有するオフガスは、オフガス出口205から排出されて、パイプ301を介して洗浄機構302に給送される。洗浄機構は、オフガスからの塩等の捕捉された固体粒状材料の急冷及び全体的な(gross)除去を提供する。水又は別の冷却液体が、液体源303からパイプ304を介して洗浄機構へ給送される。例示的な実施形態では、液体源は、他のプロセスから再循環された水、又は新鮮な水の供給源から提供された新鮮な水を供給することができる。例示的な洗浄機構は、約90%以上、より好ましくは約90%〜約99%、最も好ましくは99%超の量の範囲であることが予期される量の捕捉された固体粒子を除去するための水スクラバー及びベンチュリスクラバーを含む。
【0070】
代替的には、好適なオフガス処理システムは、単独で用いられるか又はベンチュリ水スクラバーと併用される静電集塵装置を含むことができることも意図され、ベンチュリ水スクラバーは静電集塵装置の上流又は下流に位置決めされる。ベンチュリスクラバーは、オフガス流を加速させて水等の洗浄液体を霧化させ、ガス液体接触を高める。ベンチュリスクラバー及び静電集塵装置と共に又はこれらの代わりに、他の種類の水スクラバーを用いることができることも意図される。そのようなスクラバーの動作及び設計は当業者には既知である。
【0071】
洗浄機構302からのガス状流出物、例えばいくらかの残留塩を含む水飽和ガス流は、雰囲気又は何らかの他のオフガス取扱システムへの排出に好適でなければならない。本発明者らは、雰囲気への直接的な排出は、排気筒の周りの不透明度の懸念事項に起因して、このガス流をさらに処理せずには不可能である場合があることを見出した。排出に好適なガス流を生成するために、システムを用いて、まず水飽和ガス流がもはや飽和しないように水飽和ガス流を加熱して、次いで雰囲気へ排出する前にガス流をろ過することができる。
【0072】
図7を参照すると、洗浄機構302からのガス状流出物、例えばいくらかの残留塩を含む水飽和ガス流は、ガス状流出物を加熱するためにパイプ305を介して加熱機構306へ給送される。洗浄機構からの流出物の加熱に使用するのに好適な加熱機構は、ガスバーナー等の直接加熱機構を含むことができる。加熱機構306が天然ガスバーナーとして示されている図8に示されるように、加熱機構306は、パイプ308を介してガスを、また、入口312を介して空気をガスバーナーへ給送するガス源307を含む。そのような直接加熱機構では、ガス状流出物は、例えば華氏約170度〜華氏約230度の温度へまで、バーナーからの燃焼ガスと直接接触することによって過熱される。代替的に、加熱機構306は、熱交換器等の間接加熱機構を含むことができ、この場合、ガス状流出物は、例えば加熱媒体とガス状流出物とを隔てる加熱機構の壁を通じた伝熱によって加熱される。加熱によって、ガス流の温度がその飽和点を超えて上昇し、ガスを微細フィルターに通して、残留する塩粒子を全て除去することが可能である。好ましくは、加熱機構306は、ガス状流出物を、ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱する。
【0073】
加熱されたガス状流出物は次いでパイプ309を介してろ過機構310へ給送される。好適なろ過機構の一例としては、好ましくは断熱されるバグハウスが挙げられるが、静電集塵装置等の他のろ過機構も用いることができる。ろ過されたガス状流出物は次いで、任意選択的にパイプ311を介して雰囲気へ通気されることができるか、又は代替的には、例えばパイプ311を介して回収されてさらなるプロセスにおいて再利用されることができる。オフガス処理システムの運転は最終的には、化学物質含量及び不透明度の要件を満たすことができるか又はこれらを超えるように設計することができる。
【0074】
上述のシステムに関連するさらに別の態様では、本発明は、溶融塩酸化反応器システムからのオフガスを処理する方法であって、溶融塩酸化反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを洗浄して水分含有ガス状流出物を生成するステップと、該水分含有ガス状流出物を例えばその露点を超えるまで加熱するステップと、流出物をろ過して捕捉されている固体粒子状物質を除去するステップとを含む、方法を提供する。この態様による一実施形態では、固体粒子状物質は塩である。
【0075】
洗浄するステップにおいて、洗浄は、水スクラバー、ベンチュリスクラバー等を用いて行うことができ、それらの詳細は前述した。
【0076】
水分含有ガスを加熱するステップにおいて、この方法は、水飽和ガス状流出物を、該流出物の飽和温度を超える温度まで加熱するステップをさらに含むことができる。
【0077】
この方法は、ガス状流出物を、ろ過ステップにおいてろ過した後で雰囲気へ通気させる任意選択的なステップも含むことができる。
【0078】
任意選択的な実施形態として、従来の水スクラバーを伴って又は伴うことなく湿式静電集塵装置を用いて、全体的な塩除去ステップを行うことができることも意図される。
【0079】
さらに別の態様では、本発明は、溶融塩が蓄積したときにMSO反応器200から溶融塩を除去することができる溶融塩酸化処理システムを提供する。MSO反応器200を連続的に運転する場合に特に有利には、このシステムは、溶融塩回収システム400を含む、図9に示されるような本発明の実施形態を含む。図9に示されるように、このシステムは、MSO反応器のオーバーフロー出口207からの溶融塩を受け取ると共に、溶融塩を塩回収容器406へ排出するために、オーバーフロー出口207に流動可能に接続されているオーバーフロー導管401を含む。図9及び図10Aに示されるように、オーバーフロー導管401は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で反応器200の側面に接続することができる。オーバーフロー導管401は好ましくは、溶融塩が該導管内で冷却及び固化されることを防止するために断熱される。溶融塩は、溶融塩201が溶融塩オーバーフロー地点206に達すると、オーバーフロー出口207を介してMSO反応器200から排出される。システムは、ライン409及びガス入口208を介してMSO反応器200に接続されているブロワー408と、塩回収容器406とをさらに含み、低温ガスが反応器へ逆流することを防止するためにMSO反応器200から出るガスの一方向の流れを維持するのに十分な条件を発生させるように構成される。そのような低温ガスの逆流は、塩をオーバーフロー導管で凝固させてしまう。溶融塩よりも実質的に低温であるいかなるガスも「低温ガス」である。例えば、蒸気であっても、十分に過熱されない限りは、溶融塩を凝固させる可能性がある。ブロワー408は、MSO反応器200から塩回収容器406までの一方向の流れを維持するためにガスムーバー(gas mover:ガス移送体)として作用することによって、オーバーフローシステムの詰まりを防止することを助ける。ブロワー408は、MSO反応器200から塩回収容器406の方向に高温ガスを強制的に流出させる。図10Aに関して以下でさらに説明するように、別の種類のガスムーバーは、一方向の流れを維持することを助ける過熱蒸気インジェクターを含むことができる。
【0080】
任意選択的に、このシステムの一実施形態は、高温ガスをオーバーフロー導管へ導入するように接続されている加熱機構402をさらに含む。図9に示されるように、オーバーフロー導管401からの溶融塩は、MSO反応器200から搬送されるときに溶融塩を加熱するか又は少なくともその温度を維持するために加熱機構402によって加熱される。この機能において使用するのに好適な例示的な加熱機構としては、天然ガスバーナー等の直接加熱機構、及び熱交換器又は熱トレーシング等の間接加熱機構が挙げられる。図10Aは、パイプ411を介してガスを、また、入口414を介して空気を加熱機構402へ給送するガス源410を有する、ガスバーナーとしての加熱機構402を示す実施形態を含む。
【0081】
溶融塩は任意選択的に、図9に示されるようにパイプ403を介して塩溶解機構404へ給送される。塩溶解機構404は、塩を冷却して水中に溶解させ、塩水溶液を形成する。塩水溶液は、塩溶解機構404からパイプ405を介して塩回収容器406へ搬送される。図10Aに示されるような好ましい実施形態では、塩溶解機構404は水路を含む。この実施形態では、水給送源(water feed)412からの水及び反応器からの溶融塩は、水路404へ同時に給送される。この実施形態では、パイプ405は、水路404(又はその延長部)と一体的であり、結果として生じる塩溶液を塩回収容器406へ運ぶ。塩溶解機構404内の溶融塩を溶解させるために水が給送され、塩水溶液又はスラリーを形成する。水は、水の温度上昇、したがって蒸気圧力を最小限に抑えるのに十分な量が給送される。
【0082】
水路を流れる水は、溶融塩を溶解させるために、また、塩を凝固させて回収システムライン(例えば401及び403)内に詰まらせるのに十分なほど塩オーバーフロー出口に逆流する可能性がある過剰な蒸気形成を低減するか又は防止するのに十分低い温度を保つために十分な水を提供することによって溶融塩を冷却する。換言すると、システムは、塩反応器と急冷タンクとの間のガスの差圧を制御することによって、塩オーバーフロー出口へ水蒸気が逆流しないようにする。そうでなければ、塩オーバーフローラインが、MSO反応器から水接触地点にかけて高温に保たれないままであり乾燥していれば、水蒸気の逆流によって塩を凝固させてラインを詰まらせる可能性がある。
【0083】
システムは、溶融塩をMSO反応器200から除去するように設計され、この場合、溶融塩流は通常は、華氏1500度以上の温度を有し、塩をあまりに急速に凝固させることなくほぼ華氏212度である水浴に入る。
【0084】
同様に図10Aに示されるように、例示的なガスムーバーは、パイプ407を介して塩回収容器406(例えば溶解物容器)に流動可能に接続されている低圧側と、パイプ409を介して溶融塩酸化反応器200に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワー408を含むことができる。
【0085】
任意選択的には、このシステムはまた、上記オーバーフロー導管401から出る溶融塩流に衝突して該溶融塩流を破砕すると共に、溶融塩を塩回収容器406へ方向付けるように構成される1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクター413をさらに含むことができる。これらの蒸気インジェクターは、低温ガスの反応器200への逆流を防止するため、ガスムーバーとしても作用する。
【0086】
ブロワー408を用いること、並びにブロワー408に任意選択的な加熱機構402、任意選択的な塩溶解機構404及び任意選択的な指向性蒸気インジェクター413をさらに補充することによって、MSO反応器200からのガスの流れが、塩回収容器406への一方向の流れに維持される。例えば、一実施形態では、塩回収容器406においてより低い圧力を発生させるためにブロワー408を用いること、溶融塩をガス燃焼バーナー402によって加熱すること、好ましくは水路404の上方で指向性蒸気インジェクター413を介して指向性ガス流を下方へ提供すること、及び蒸気の形成を最小限に抑えるために水路404内の冷媒/溶解水412の大量の流れを用いることによって、高温ガスが強制的にMSO反応器200から出される。これは、塩が溶融塩オーバーフロー回収システムのライン内で凝固してラインが詰まることを防止する。そのような動作は、低温ガスの溶融塩酸化反応器への逆流を防止するのに十分な温度条件及び圧力条件を生成する。
【0087】
さらに、図10Aに示される水路のような塩溶解機構404を、図6に示されるようなパイプ102を介する底流(underflow)溶融塩回収と併用することもできることが意図される。そのような例示的な実施形態では、本発明は、電気抵抗加熱を含むことができ、それによって、電流が導電性の溶融塩に通されて溶融塩が加熱され、溶融塩を溶融したままにすることができる。これは、塩を加熱して、溶融塩が冷却、したがって固化又は凝固することを防止するために、塩除去ラインにおいて電気アーク加熱を用いるように、2つの金属片が正の電気グリッド及び負の電気グリッドに接続されている流路を設定することを伴う。例示的な実施形態は、2つの金属片が正の電気グリッド及び負の電気グリッドに接続されている流路を設定することを伴う。そのような加熱機構は当業者には既知である。
【0088】
MSO反応器から溶融塩を除去する別の例示的な実施形態では、MSO反応器は、反応器の内部で、反応器のオーバーフロー出口207に位置決めされる堰等の塩オーバーフロー撥ねよけ(splash shield)を含む。図10Bに示されるように、撥ねよけ210は、乱流液面からオーバーフロー出口207に対して上方への撥ね返りを防止するように設計される。撥ねよけは、溶融塩のスラグが塩回収システム400に入ることを防止するために含まれている。撥ねよけ210は、図10Bでは内部オーバーフロー堰として示されている。図10Bに示されるように、撥ねよけ210は、オーバーフロー出口207の上部の真上の所定の高さ211に位置決めされる。撥ねよけ210は、好ましくは耐火性コーティングされた鋼材料から作製される。好ましい実施形態では、撥ねよけのベースは、オーバーフロー出口207の底部よりも例えば6インチ〜12インチ下の所定の高さのところに位置付けられる。溶融塩は、撥ねよけ210の周りに蓄積すると共に撥ねよけ210を迂回して、オーバーフロー出口207から流出すると考えられる。
【0089】
溶融塩をMSO反応器から除去するさらに別の例示的な実施形態では、MSO反応器は任意選択的に、図10Cに示されるような傾斜したオーバーフロー出口207と、ラインの加熱機構402を出たところにある任意選択的な制限ネック415とを含む。また、塩オーバーフロー出口207から制限ネック415を介して使用済み塩回収システム400の下流部分へ排出される流れを制限することによって、溶融塩のスラグを塩回収システム400に混入させる反応器内の塩の撥ね返りを回避することができる。さらに、オーバーフロー出口207の傾斜は、溶融塩酸化反応器200へ向かって後方に傾いていることで、塩回収システム400内の流れのスラグを生成する際の反応器内の溶融塩の撥ね返りの作用を低減するのを助けることができる。
【0090】
上述したシステムと関連して、またさらなる別の態様では、本発明は溶融塩を溶融塩酸化反応器から排出する方法を含む。この態様による実施形態では、この方法は、溶融塩酸化反応器から塩回収容器へ排出される溶融塩流を加熱するか又は該溶融塩流の温度を維持することであって、溶融塩流を溶融状態に維持する、加熱するか又は維持すること、及び低温ガスの溶融塩酸化反応器への逆流を防止するのに十分な圧力を生成することを含む。この方法では、圧力を生成するステップは、ブロワーを用いて、溶解物回収容器では低い圧力を、また、溶融塩酸化反応器では高い圧力を生成することを含むことができる。
【0091】
さらなるステップとして、この方法は、例えば水路内の水を用いて、溶融流を塩回収容器へ導入する前に溶融塩流を冷却及び溶解させるステップをさらに含むことができる。
【0092】
この方法の別のステップは、任意選択的に、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて溶融塩オーバーフロー流を塩回収容器へ方向付けるステップを含むことができる。
【0093】
この態様による方法は、溶融塩酸化反応器からの塩を、塩溶液として又は代替的には固体として回収することも含むことができる。
【0094】
さらに別の態様では、本発明は、反応器シェル203の過熱を防ぐために、反応器の底部を含むシェル203の周りの通気環状空間202を有するMSO反応器200を含む一実施形態を含む。図11は、激しい雨等、環境条件が変化する中での熱成長の一貫性のなさを低減する設計を示す。例えば、ユニットの一方の側が、雨又は風によってMSO反応器200の他方の側よりも冷却されると、シェル203の不均一な金属膨張が生じる可能性がある。この結果、シェル203の接合部がバラバラになる可能性がある。したがって、本発明の一実施形態では、MSO反応器は図11に示されるような、シェル203と外側温度シールド218との間の空隙202による、温度シールドを備えることができる。この設計は、MSO反応器200に組み込まれると、シェル203を均一に膨張及び収縮させることによってシェル203が最高最低気温に耐えることを可能にする。
【0095】
図11に示されるように、例示的なMSO反応器200は耐火部204及び外側シェル203を含む。図示の例示的な実施形態では、MSO反応器200は、反応器シェル203と外側温度シールド218との間に、給気口214及び216並びに通気口215及び217を有する環状空間202を有する。給気口214及び216を介して導入される空気は、空気ブロワー(図示せず)によって提供することができる。図11に示される実施形態では、MSO反応器200は、MSO反応器の上側部分、例えば図示のように反応器200の本体フランジ219の上方の、反応器シェル203と外側温度シールド218との間に介装されている断熱ブランケット213をさらに含むことができる。
【0096】
本発明によるシステムにおいて用いられる構成材料は、システム内の高温及びシステム内に存在する塩に起因して、鋼又はニッケル系合金であることが好ましいことに留意すべきである。材料が高温塩流又は塩水溶液流と接触することになる場合、インコネル又はハステロイ等の材料が通常は用いられる。
【0097】
本発明のさらに別の実施形態では、MSO反応器の蒸気空間(すなわち溶融塩の上方の領域)は、可燃性のガス又は蒸気、例えば他のプロセスからの通気ガスの熱酸化処理に用いることができる。2つの目的の役割でMSO反応器を用いることは、工場のエネルギー消費に大きな影響を与えることができることが意図される。例えば、それによって、これらの通気ガスの別個の熱酸化(oxidizer)システムの必要性をなくすことができる。加えて、そのような実施形態では、設備の監視しなければならない排出点の数を減らすこともできる。
【0098】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に図示し説明したが、そのような実施形態は単なる例示として与えられていることが理解されるであろう。本発明の精神から逸脱することなく多くの変形、変更及び代替が当業者には想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内に入るそのような変形を全て包含することが意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融塩処理システム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、溶融塩反応器への給送送達(feed delivery)、オフガス処理及び使用済み塩除去システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融塩処理システムは、有機化合物、例えば有機塩素材料を酸化させて二酸化炭素、水及び塩を形成するのに用いることができる。残念ながら、溶融塩処理システムの産業上の実用性は、該システムを大規模運転に有用であるほど十分に大きいサイズまで拡大する上での難しさによって制限されている。特に、酸化すべき給送材料を、給送ポートを詰まらせることなく反応器へ導入する上で、また、運転中に生成される塩(複数可)を、出口ポートを詰まらせることなく除去する上でかなりの困難が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、酸化及び他の目的のために大規模な溶融塩反応器を使用するという問題に対処する方法及び装置が有益であろう。
【0004】
一態様では、本発明は、
項目1:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容する容器を含む溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、該管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、該パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
を含む、溶融塩処理システムを提供する。
【0005】
前記1つ又は複数の管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0006】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目2:前記1つ又は複数の管状導管は、好ましくは反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で該溶融塩反応器に、好ましくはその側面に接続されている、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目3:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構、及び前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構をさらに備える、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目4:前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、項目3に記載の溶融塩処理システム。
項目5:前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、項目4に記載の溶融塩処理システム。
項目6:前記パイプ又はシャフトはストップリミットをさらに含む、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目7:前記ストップリミットは連結部を含む、項目6に記載の溶融塩処理システム。
項目8:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目9:前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、項目8に記載の溶融塩処理システム。
項目10:前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、項目9に記載の溶融塩処理システム。
項目11:前記パイプ又はシャフトはシャフトである、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目12:前記シャフトは、前記パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、項目11に記載の溶融塩処理システム。
項目13:前記管状導管の少なくとも1つはパイプを収容しており、少なくとも1つの他の管状導管はシャフトを収容している、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目14:前記ガスは空気を含む、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目15:前記1つ又は複数の管状導管の上流で該1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目16:前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、項目1に記載の溶融塩処理システム。
【0007】
別の態様では、本発明は、
項目17:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように該オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からの前記ガス状流出物を加熱するように構成されている加熱機構と、
前記加熱機構からの前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
を備える、溶融塩処理システムを提供する。
【0008】
前記オフガス出口は、反応器軸に対して実質的に長手方向に延在した状態で(すなわち、前記反応器軸に対して実質的に平行に)前記溶融塩反応器の上部に接続することができる。
【0009】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目18:前記洗浄機構は水スクラバーである、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目19:前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目20:前記加熱機構は直接加熱機構を含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目21:前記加熱機構はガスバーナーである、項目20に記載の溶融塩処理システム。
項目22:前記加熱機構は間接加熱機構を含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目23:前記加熱機構は熱交換器である、項目22に記載の溶融塩処理システム。
項目24:前記加熱機構は、前記ガス状流出物を、該ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱する、項目17に記載の溶融塩処理システム。
項目25:前記ろ過機構はバグハウスを含む、項目17に記載の溶融塩処理システム。
【0010】
別の態様では、本発明は、
項目26:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように該反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されていると共に、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができるガスムーバーと、
を備える、溶融塩処理システムを提供する。
【0011】
前記オーバーフロー導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0012】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目27:前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目28:前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目29:前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目30:高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている加熱機構をさらに備える、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目31:前記加熱機構は直接加熱機構を含む、項目30に記載の溶融塩処理システム。
項目32:前記直接加熱機構はガスバーナーである、項目31に記載の溶融塩処理システム。
項目33:前記加熱機構は間接加熱機構を含む、項目30に記載の溶融塩処理システム。
項目34:前記間接加熱機構は熱交換器である、項目33に記載の溶融塩処理システム。
項目35:前記反応器からの前記溶融塩を受け取り、該塩を水に溶解させ、かつ、該塩を前記塩回収容器に搬送するように流動可能に接続されている塩溶解機構をさらに備える、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目36:前記塩溶解機構は水路を含む、項目35に記載の溶融塩処理システム。
項目37:前記オーバーフロー導管から出る前記溶融塩に衝突して該溶融塩を破砕すると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように位置付けられる1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、項目26に記載の溶融塩処理システム。
項目38:前記ガスムーバーは、前記塩回収容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、項目26に記載の溶融塩処理システム。
【0013】
また別の態様では、本発明は、
項目39:溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口及び反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、該管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、該パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように該オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からのガス状流出物を加熱するように構成されている第1の加熱機構と、
前記加熱機構によって加熱された前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されており、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができる、ガスムーバーと、
を含む、溶融塩処理システムを提供する。
【0014】
前記1つ又は複数の管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0015】
前記オフガス出口は、反応器軸に対して実質的に長手方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の上部に接続することができる。
【0016】
前記オーバーフロー導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0017】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目40:前記1つ又は複数の管状導管は、好ましくは反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で該溶融塩反応器に、好ましくはその側面に接続されている、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目41:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構、及び前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目42:前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、項目41に記載の溶融塩処理システム。
項目43:前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、項目42に記載の溶融塩処理システム。
項目44:前記管状導管は、該1つ又は複数の管状導管の一部にストップリミットをさらに含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目45:前記ストップリミットは連結部を含む、項目44に記載の溶融塩処理システム。
項目46:前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目47:前記1つ又は複数のガス源は、前記溶融塩が前記管状導管へ逆流することを防止するのに十分な圧力で前記少なくとも1つの管状導管へガスを給送する、項目46に記載の溶融塩処理システム。
項目48:前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、項目46に記載の溶融塩処理システム。
項目49:前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、項目48に記載の溶融塩処理システム。
項目50:前記パイプ又はシャフトはシャフトである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目51:前記パイプ又はシャフトは、該パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、項目50に記載の溶融塩処理システム。
項目52:前記1つ又は複数の管状導管は、パイプを同心状に収容する少なくとも1つの管状導管と、シャフトを同心状に収容する少なくとも別の管状導管とを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目53:前記ガスは空気を含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目54:前記1つ又は複数の管状導管の上流で該1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目55:前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に該溶融塩を塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目56:前記洗浄機構は水スクラバーである、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目57:前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目58:前記第1の加熱機構は直接加熱機構を含む、項目57に記載の溶融塩処理システム。
項目59:前記第1の加熱機構はガスバーナーを含む、項目54に記載の溶融塩処理システム。
項目60:前記第1の加熱機構は間接加熱機構を含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目61:前記第1の加熱機構は熱交換器である、項目60に記載の溶融塩処理システム。
項目62:前記第1の加熱機構は、前記ガス状流出物を、該ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することができる、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目63:前記ろ過機構はバグハウスを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目64:前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目65:前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目66:前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目67:高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている第2の加熱機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目68:前記第2の加熱機構は直接加熱機構を含む、項目67に記載の溶融塩処理システム。
項目69:前記第2の加熱機構はガスバーナーである、項目68に記載の溶融塩処理システム。
項目70:前記第2の加熱機構は間接加熱機構を含む、項目67に記載の溶融塩処理システム。
項目71:前記第2の加熱機構は熱交換器である、項目70に記載の溶融塩処理システム。
項目72:前記加熱機構からの前記溶融塩を受け取るように流動可能に接続されていると共に、溶解した塩を前記塩回収容器に搬送するように接続されている塩溶解機構をさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目73:前記塩溶解機構は水路を含む、項目72に記載の溶融塩処理システム。
項目74:前記オーバーフロー導管からの前記溶融塩を受け取ると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように構成されている1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、項目39に記載の溶融塩処理システム。
項目75:前記ガスムーバーは、前記溶解容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、項目39に記載の溶融塩処理システム。
【0018】
また別の態様では、本発明は、
項目76:溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間内へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法を提供する。
【0019】
前記管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0020】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目77:前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、項目76に記載の方法。
項目78:前記溶剤は水である、項目77に記載の方法。
項目79:前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、項目78に記載の方法。
項目80:前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に該材料を加熱するステップをさらに含む、項目76に記載の方法。
項目81:前記ガスは空気を含む、項目76に記載の方法。
【0021】
さらなる態様では、本発明は、
項目82:溶融塩反応器からのオフガスを処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
を含む、方法を提供する。
【0022】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目83:前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、項目82に記載の方法。
項目84:前記固体粒子状物質は塩の粒子を含む、項目82に記載の方法。
項目85:前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、該流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、項目82に記載の方法。
項目86:前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、項目82に記載の方法。
【0023】
またさらなる態様では、本発明は、
項目87:溶融塩反応器から溶融塩を排出する方法であって、前記反応器は前記溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記溶融塩反応器から塩回収容器へ排出される溶融塩流を加熱するか又は該溶融塩流の温度を維持するステップであって、前記溶融塩流を溶融状態に維持する、加熱するか又は維持するステップと、
ガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法を提供する。
【0024】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目88:前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目89:前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、項目88に記載の方法。
項目90:前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目91:前記条件を生成するステップは、或る圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、項目87に記載の方法。
項目92:前記圧力を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記溶解物回収容器では低い圧力を生成し、かつ、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、項目87に記載の方法。
項目93:前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目94:前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目95:前記溶融塩反応器の出口に撥ねよけを保持することをさらに含む、項目87に記載の方法。
項目96:前記溶融塩反応器から排出される流れを該溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、項目87に記載の方法。
【0025】
さらなる態様では、本発明は、
項目97:溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されており、該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記反応器に前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記管状導管又は前記パイプへ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
前記溶融塩を、前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管を通して前記反応器から塩回収容器へ排出するステップと、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されているガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記オーバーフロー導管を通した前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法を提供する。
【0026】
前記管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0027】
この態様によると、本発明は、以下に記載のものを提供することができる:
項目98:前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目99:前記溶剤は水である、項目98に記載の方法。
項目100:前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、項目98に記載の方法。
項目101:前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に該材料を加熱するステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目102:前記管状導管の一部の気密を維持するステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目103:前記ガスは空気を含む、項目97に記載の方法。
項目104:前記洗浄するステップは、水スクラバーで洗浄することを含む、項目97に記載の方法。
項目105:前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、項目97に記載の方法。
項目106:前記固体粒子状物質は塩を含む、項目97に記載の方法。
項目107:前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、該流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、項目97に記載の方法。
項目108:前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目109:前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目110:前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、項目109に記載の方法。
項目111:前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目112:前記条件を生成するステップは、或る圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、項目97に記載の方法。
項目113:前記条件を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記塩回収容器では低い圧力を、また、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、項目97に記載の方法。
項目114:前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目115:前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、項目97に記載の方法。
項目116:前記溶融塩反応器から排出される流れを該溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、項目97に記載の方法。
【0028】
本発明は、上記の実施の形態と関連して、以下に記載のものも提供することができる:
項目117:前記溶融塩処理システムは、前記パイプに下流端のノズルをさらに含み、該ノズルは、該ノズルの上流端から前記パイプの内部へ通っていると共に該パイプの下流端付近で終端している複数の通路を含む、項目9に記載の溶融塩処理システム。
項目118:前記通路は内方へ捻る方向に向いている、項目9に記載の溶融塩処理システム。
項目119:前記容器の少なくとも一部を囲み、該容器との間に環状通気空間を画定するような位置及び形状であるシールドをさらに含む、項目1に記載の溶融塩処理システム。
項目120:可燃性のガス又は蒸気を前記溶融塩の表面の下方若しくは上方、又はその両方で前記反応器へ導入することをさらに含む、項目76に記載の方法。
【0029】
また別の態様では、本発明は、
項目121:溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、該方法は、
前記反応器に前記材料を送達するステップと、
溶融塩を、前記反応器からパイプを通して塩回収容器へ排出するステップであって、前記パイプは、前記反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されており、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、排出するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法を提供する。
【0030】
前記管状導管は、反応器軸に対して実質的に横断方向に延在した状態で前記溶融塩反応器の側面に接続することができる。
【0031】
反応器軸は、この用語が本明細書において用いられる場合、好適には実質的に垂直である。
【0032】
本発明の溶融塩処理システムは全ての実施の形態において、表面(例えば地面)上に位置付けられるか又は表面に対して取り付けられる溶融塩反応器を備えるため、反応器軸は、本明細書において用いられる場合、好ましくはこの表面に対して実質的に垂直である。
【0033】
さらに、本明細書において規定及び記載される場合、溶融塩反応器は、前記表面と実質的に接触するベースと、該ベースから、該ベースに対して垂直の方向に延在する1つ又は複数の側面(溶融塩反応器の形状に応じて変わる)と、前記表面に対して遠位にある上部とを含むため、「ベース」、「側面」及び「上部」は本明細書においてその意味で用いられる。
【0034】
本発明の方法に従って処理することができる材料は、全ての実施の形態において、パイプを介して溶融塩反応器へ送達することができるという意味で流動可能であるのであれば、特に限定されない。材料は例えば、液体又は気体中の固体の懸濁物又はスラリー、及び液体の混合物を含め、固体、液体、気体とすることができる。しかし、本発明の方法は、気体以外の材料を処理するのに特に好適であり、そのため、材料は、有利には固体、液体、液体中の固体の懸濁物若しくはスラリー、又は液体の混合物である。処理することができる材料は以下でより詳細に記載する。
【0035】
本発明は、添付の図面と関連して読めば以下の詳細な説明から最もよく理解される。慣例に従って、図面の種々の特徴は一定の縮尺にはなっていないことを強調しておく。逆に、種々の特徴の寸法は、分かりやすくするために任意に拡大又は縮小されている。図面に含まれているのは以下の図であり、各図において同様の参照符号は同様の特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】本発明のいくつかの態様による溶融塩酸化処理システムの例示的な実施形態のブロック図である。
【図1B】本発明による溶融塩酸化処理システムの別の例示的な実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の例示的な態様による溶融塩酸化処理の送達システムの一実施形態の概略図である。
【図3】本発明のいくつかの態様による溶融塩酸化処理の送達システムのさらに別の例示的な実施形態の概略図である。
【図4A】本発明のいくつかの態様による例示的な送達機構の概略側面図である。
【図4B】本発明の例示的な実施形態による、管状導管内に位置決めされた例示的な給送ノズルの側断面図である。
【図4C】本発明の例示的な実施形態による例示的な給送ノズルの側面図である。
【図4D】図4Aの給送ノズルの線D−Dに沿った端部断面図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態による別の例示的な送達機構の概略側面図である。
【図6】本発明の一態様による溶融塩酸化処理の塩回収システムの例示的な実施形態の概略図である。
【図7】本発明の別の態様による溶融塩酸化処理のオフガス処理システムの例示的な実施形態の概略図である。
【図8】本発明の別の態様による溶融塩酸化処理のオフガス処理システムの別の例示的な実施形態の概略図である。
【図9】本発明のさらに別の態様による溶融塩酸化処理の塩回収システムの例示的な実施形態の概略図である。
【図10A】本発明のさらに別の態様による溶融塩酸化処理の塩回収システムの別の例示的な実施形態の概略図である。
【図10B】本発明の別の例示的な実施形態による溶融塩酸化処理の塩回収システムの概略断面図である。
【図10C】本発明のさらに別の例示的な実施形態による別の溶融塩酸化処理の塩回収システムの概略図である。
【図11】本発明の例示的な実施形態による溶融塩酸化反応器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明による溶融塩処理システムは、特に溶融塩酸化(MSO)反応器として用いることができる。MSO技術は、塩中に無機成分を保持しながらも混合廃棄物、有害廃棄物及びエネルギー物質の有機成分を破壊することができる熱処理である。
【0038】
溶融塩酸化は、液体又は固体の給送材料を過剰な空気又は酸素含有ガスと共に、炭酸ナトリウム(Na2CO3)及び塩化ナトリウム(NaCl)等の塩又は塩混合物を含有する溶融塩浴に加えるものとして説明することができる無炎熱処理(flameless thermal process)であり、この場合、有機材料が溶融塩中で酸化されて主に二酸化炭素及び水になる。通常、廃棄物流は、溶融塩の液位よりも下方へ導入されるが、液面よりも上方へ導入されることもできる。MSOシステムの塩の選択は、処理すべき給送材料(feed)の種類に大きく依存し、酸性ガスの処理が所望される場合、有機成分を酸化するのと同時に酸成分を中和することができるように、システム内に炭酸ナトリウム等の塩を含めることが望ましい。MSO反応器は、種々の温度で動作することができ、この温度は塩の組成に依存する。例えば、炭酸ナトリウム及び塩化ナトリウムの混合物を含むMSO反応器は、華氏約1500度超〜華氏約1800度の温度範囲で動作し、華氏約1500度を下回ると溶融塩は固化、すなわち凝固し始める可能性がある。したがって、MSO反応器の作動時又は冷却期間の後では、必要な熱の量は、塩を溶融させるか又は塩の表面上に形成される外皮を除去する通常動作の熱の量よりも高くなる。不揮発性成分が溶融塩溶液中に蓄積するが、この場合は別個に集めて処理することができる。
【0039】
MSO技術は、従来は小規模運転において使用されており、産業上の利用が限られていた。例えば、この方法は、石炭ガス化のために、また、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩素系溶剤、有機物質及び放射性物質の両方を含有する廃棄物、並びにエネルギー(爆発性)物質を含む有害有機物を破壊するために用いられてきた。そのような用途に用いられる反応器は通常、極めて小さく、多くの場合に直径が約6インチ(0.15m)未満である。そのような反応器の構成は通常、それらを拡大する場合に深刻な操作性の問題が生じるようなものである。本発明者らは今回、MSO反応器を、産業スケールの処理に好適なさらに高容量の動作に合わせて構成することができることを見出した。
【0040】
1つの好適なプロセスは、人口甘味料であるスクラロースを作製するのに使用されるプロセスからの廃棄物処理である。スクラロースを製造するプロセス中には、多くの副生成物が生成され、処理が必要な廃水流が生じる。廃水流を生じる主な副生成物の1つは、塩化ナトリウムの形態の無機塩である。これらの廃水流を生じる他の副生成物は、塩素化炭水化物を含む。これらは、無機塩及び有機塩と共に、生物学に基づく処理システムが最も一般的である従来の廃棄物処理技法では処理が難しいことが分かっている。加えて、生物学的システムは、構築及び動作が非常に高価である可能性がある。
【0041】
本発明は、MSO技術が、無機及び有機の廃棄物材料、例えばスクラロースの製造からの副生成物を効果的に処理するように適合されているシステム及び方法を含む。1つのそのような変更は、以前から既知であるMSO反応器よりも大幅に大きい容量を有する溶融塩反応器の使用である。例えば、MSO反応器の容器は、少なくとも6インチ(0.15m)、1フィート(0.3m)、3フィート(1m)、6フィート(2m)又はさらには少なくとも12フィート(4m)の内径を有することができる。MSO反応器の容器は、少なくとも3フィート(1m)、6フィート(2m)、18フィート(6m)、36フィート(12m)又はさらには75フィート(25m)を超える高さを有することができる。したがって、付随する廃棄物材料の送達、空気又は酸素の給送、使用済み塩の回収及びオフガス処理も、そのようなシステム及び方法の要件を満たすように変更しなければならない。しかしその一方で、MSO技術は、スクラロースの副生成物を処理するための複数の利点を提供する。例えば、この処理システムを構築するのに必要な資本金は、従来の廃棄物処理システムの資本金のおよそ1/3であると期待される。さらに、副生成物の廃棄物流中に存在する塩は、回収して、場合によっては、塩素、及び水酸化ナトリウム等の苛性物(caustic)からなる基本的なプロセス原料に変換し戻すことができる。廃棄物の有機部分の炭素の二酸化炭素への変換効率(conversion)は通常高く、所望であれば約90%〜99%超(+)である。
【0042】
廃棄物が、酸化プロセスによって破壊されない有価物質、例えば有価金属も含有する混合物の一部である場合、本発明のシステム及び方法はそのような物質の回収を容易にすることができることに留意されたい。より一般的には、本発明の装置及び方法は、本明細書では通常は酸化システムと称されるが、酸化を含むがこれに限定されない、高温処理が必要である全ての用途に使用することができる。簡略化のために、このシステムは、廃棄物処理のための溶融塩酸化に関して説明されるが、このシステムの使用は酸化プロセス又は廃棄物処理プロセスに限定されないこと、及び他の材料も処理することができることを理解されたい。例えば、本発明のシステム及び方法は、石炭ガス化プロセス、及び燃料又は燃料前駆体の高温処理を必要とする他のプロセスにおいて有用であり得ることが意図される。
【0043】
本発明は、例示目的で選択された本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面と関連して読めば、以下の詳細な説明から最もよく理解される。本発明は、一定の縮尺では描かれておらず、かつ設計図としては意図されない図面を参照して説明される。そのような図面は、限定ではなく例示的であることが意図されており、本発明の説明を容易にするために本明細書と共に含まれている。
【0044】
一実施形態では、本発明は、図1A及び図1Bに示されるようなMSO処理システムを提供する。このシステムは、MSO反応器200に流動可能に(flowably:流動送達可能に)接続されている給送システム100(又は100a、100b)を概して提供する。MSO反応器200は、オフガス回収システム300及び使用済み塩回収システム400に流動可能にさらに接続されている。任意選択的に、MSO処理システムは、溶融塩回収システム400に加えて又はその代わりに、塩除去システム100bによってMSO反応器200から溶融塩を除去するようにさらに接続されることができる。換言すると、本発明は、任意選択的に、塩除去システム100bに加えて又はその代わりに、溶融塩回収システム400を介して溶融塩を回収することができる。本発明の上記態様をそれぞれ以下でより詳細に説明する。
【0045】
図2に示されるように、給送システム100(又は100a、100b)は、MSO反応器200に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管101を含む。MSO反応器は、外側シェル203及び耐火部(refractory)204を有する耐火性の裏打ちがされた鋼容器又は反応器として構成することができる。反応器のシェルは、種々の材料、例えば二相ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、超オーステナイト系ステンレス鋼、高ニッケルオーステナイト系ステンレス鋼、又はニッケルベース合金から構成することができる。MSO反応器内に収容されている溶融塩は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)及び/又は塩化ナトリウム(NaCl)等の塩又は塩混合物を含む。
【0046】
図2に示されるように、1つ又は複数の管状導管101は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で反応器200の側面に接続することができる。
【0047】
管状導管101はそれぞれ、パイプ又はシャフト102を、環状空間104によって該管状導管101と隔てた状態で内部に同心状に収容している。給送システム100は、空気、酸素又は窒素等のガスを管状導管101のそれぞれに給送するように接続されている1つ又は複数のガス源106及び/又は108をさらに含む。ガスは、MSO反応器200内の燃焼をサポートするのに好適な他の酸素含有ガスも含むことができる。ガスは、廃棄物がMSO反応器200に給送されるときに約10psig〜約100psigの圧力で供給されることができる。本発明の一実施形態では、1つ又は複数のガス源106/108は、少なくとも1つの管状導管101への溶融塩の逆流を防止するのに十分な圧力で該管状導管101へガスを給送する。給送されるガスは、管状導管101及びパイプ又はシャフト102を冷却する働きもする。ガスの冷却作用は、あまり高価ではない構成材料の使用を可能にし、構成要素の寿命を延ばす。ガス若しくは廃棄物を給送するか又は給送システムの保守を行う場合、ポートを開いたままに保つ正のガス流が維持される。圧力及び流量センサー(図示せず)を、全ての危機的な流量及び圧力を監視するために含めることができ、またそのように設計することができる。
【0048】
図2に示されるように、1つ又は複数の管状導管101は、任意選択的に、MSO反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で、溶融塩酸化反応器200内の溶融塩201の液位よりも下方の位置、すなわち液面下で、例えば溶融塩反応器200の側面に接続されている。塩は、塩に埋設されている電気アークヒーター等の任意の既知の手段又は天然ガスバーナーの使用によって溶融状態に保つことができる。図2の実施形態に示される給送システムは、1つ又は複数の管状導管101の一部に気密チャンバーを含む。図2では、気密チャンバーは、管状導管101内の、1つ又は複数の管状導管101の上流位置にあるシール機構(device)103と、1つ又は複数の管状導管101の下流位置にある、開位置及び閉位置を有する弁105等の対応するシール機構との間に形成されている。「上流」という用語は、本明細書において用いる場合、流出元に最も近い相対的な位置を意味し、「下流」という用語は、流出元から最も遠い相対的な位置であることを意味する。ガス給送源106は、パイプ107を介してガスを供給し、気密チャンバーの圧力を維持する。ガスは、給送源108からパイプ109を介してシステムに給送される。気密チャンバーが維持される圧力は、導管が反応器に接続される場所、及びそれぞれの特定の導管アセンブリに何のプロセス構成が設定されているのかに依存する。例えば、給送システム100が、図4A〜図4Dに示される給送機構を用いて液体廃棄物を表面下に給送するのに用いられる場合、好ましくは気密圧力を約65psigの圧力に維持することができる。本発明において用いるのに好適な例示的なシール機構103は、高温パッキンから作製することができるパッキン押さえである。弁105は、パイプ又はシャフトを突き抜けさせる、すなわち貫通させることができなければならない。そのような弁の一例は、フルポートボール弁である。
【0049】
図3に示される別の実施形態では、液体又は固体の廃棄物は、塩の逆流の防止を助けると共に液体廃棄物の分散を助けるようにその後方からの空気圧を用いて管状導管の一方の管状導管101aに給送される。同時に、所望の酸化レベルを達成するのに十分な空気を提供するために、空気を他方の管状導管(複数可)101bに給送することができる。それらの導管が空気又は他のガスのみを(すなわち廃棄物は給送することなく)給送するために気密チャンバー内に維持される圧力は、約15psig〜約20psigの範囲に維持することができる。
【0050】
シャフト若しくはパイプ102、又はそれらの取付具を変える場合、その手順は、シール機構103を緩めて、パイプ又はシャフト102を、弁105の上流端まで完全に取り外されるまで後退させることを含む。次に、弁105を閉め、この時点で、所望であれば気密チャンバーを分解して再構成することができる。本発明の一実施形態では、ねじ式弁構成を、シール機構103の外部、すなわち上流に取り付けて、下流端に取り付けられているテーパ状のエンドピースを有する中実のシャフト102を、注入パイプ座部に徐々に可変に挿入及び後退させることができる。そのような構成の一例が図5に示されており、この図では、テーパ状のエンドピースは部品116として表記されている。ねじ式構成は、手動調整可能とすることも、又は自動調整可能とすることもできる。この設備アセンブリは、廃棄物を異なる導管アセンブリを通して給送する場合に空気流量制御の目的で使用される。この同じアセンブリを完全に挿入された位置において用いて、溶融塩への通路を開いたままに保ちながらも塩浴への空気の流れを最小限に抑えることもできる。これは、反応器へ給送される過剰な空気がシステムの排熱をするように作用し、反応器内の所望の化学物質に影響を与えることができるため、望ましい。換言すると、反応器を出るガス組成物は、MSO反応器へ給送される空気の量によって劇的に影響を受けることができる。
【0051】
任意選択的に、本発明の給送システムは、シャフト又はパイプ102に取着されているか又はこれらと一体的であるストップリミット(stop limit:移動止め)110を含むことができる。ストップリミット110は、パイプ又はシャフト102が、MSO反応器200、及びシール機構103と弁105との間に形成される気密チャンバーから押し出されないように又は引き抜かれないように保つ安全機構として働く。本発明において用いることができる例示的なストップリミットは、シャフト又はパイプ102にあるパイプフランジ又は連結部(coupling:継手)であるが、管状導管101を通るガス流をブロックするほどは大きくないことを条件とする。例えばスタッド、又はシャフト若しくはパイプ102から横方向に延在する他の突起等の、ストップリミットの目的を達成する他の機構も用いることができる。パイプ又はシャフト102上のストップリミット110の位置は、シール機構103と弁105との間に、パイプ又はシャフト102の下流端を弁105を越えて完全に後退させるのに利用可能な十分な距離又は長さがあるように設定するべきである。
【0052】
図2、図3及び図4Aに示されるような本発明のいくつかの実施形態では、給送装置100はパイプ102を含む。パイプは、材料をMSO反応器200に給送するための給送源111に接続されている。給送は、連続的であるか、又は中断を含むバッチ式とすることができる。給送源111は任意選択的に、1つ又は複数の管状導管101の上流で1つ又は複数の管状導管101に流動可能に接続されている蒸発機構を含む。これによって、水等の溶剤を給送流から除去し、給送流が導入されることによるMSO反応器200の過加圧を最小限に抑えるか又は防止することが可能になる。例えば、溶剤が水であり水含量が高すぎる場合、給送流を溶融塩浴に注入するときに爆発が起こる可能性がある。また、MSO反応器へ給送する前に溶剤を除去して、塩浴からの排熱を制限することが望ましい。MSO反応器へ給送する前の溶剤の除去は、これらの溶剤の回収及び再利用も可能にする。MSO反応器200へ給送される廃棄物流は、好ましくは十分に流動可能であるべきであるが、溶剤含量は低減されているべきである。しかし、溶剤含量がより高い廃棄物流もユニットに給送することができるが、流量が低ければ、MSO反応器において生成される付加的なガス負荷の余裕ができ、爆発の危険性を低減することができる。任意選択的には、上述したように、パイプ102は、窒素、空気又は何らかの他の酸素含有ガスをMSO反応器200内へ給送するように設計することができる。
【0053】
反応器に給送される材料は、種々の源からの複数の廃棄物を含むことができる。MSO処理プロセスは、特にハロゲン化廃棄物材料、より詳細には、例えば塩素化炭水化物又は他の有機塩素廃棄物材料、並びに酢酸ナトリウム、及びスクラロース製造プロセスからの副生成物である他の有機塩を処理する際に用いられる。本発明の一実施形態では、給送流は、約75%〜約80%以上の固体を有する粘性の廃棄物流を含むことができる。給送材料がスクラロース製造プロセスからの廃棄物である場合、給送材料は通常、給送材料が固化して給送ラインを詰まらせることを防止するために華氏約160度〜華氏約190度の温度に維持される。任意選択的には、固体廃棄物をMSO反応器システムに加えることができるが、ただし、それに応じて給送システムを変更する必要があるであろう。例えば、単純な封止オーガー型の機構をこのために用いることができる。
【0054】
代替的には、給送材料は中間材料を含むことができ、この中間材料から、価値の高い塩、又は金属等の他の不揮発性無機成分を、廃棄物材料として損失するのではなく回収することができる。
【0055】
給送システム100がMSO反応器200へ材料流を給送するために接続されているパイプ102を含む実施形態では、給送システムは、図4Aに示されるような噴霧給送ノズル112を有する給送ガンを含むことができる。ノズル112は、パイプ102の下流端に適用される。図4Aに示される実施形態によると、ノズル112は、カラーの形態でパイプ102の端部に溶接されている。図4Bにより詳細に示されるように、ノズル112には任意選択的に、管状導管101内の給送ノズル112を芯出しすると共に導管101からのパイプ102の偶発的な抜去を防止するために含まれているフィン118a、118b及び118c等の、図4Bに示される少なくとも1つのフィンが取り付けられている。
【0056】
図4Cの側断面図、及び線4D−4Dに沿った図4Dの端部断面図により詳細に示されるノズル112は、図示のように複数の通路115を含む。図4Dの図はノズル112の上流端のものである。8つの通路が示されているが、概して2つ以上の通路を用いるものとする。簡略化のために、図4Cには通路115を1つだけ示す。図示のように、通路115は、ノズル112の上流端からパイプ102の内部へ通って、その下流端付近で終端しているため、それらから出る液体廃棄物が霧化される。図4Dに示されるようないくつかの実施形態では、通路は、通路を通過する空気を内方へ捻る方向へ導くような向きである。これはパイプ102を出る廃棄物をせん断すると共に廃棄物に旋回運動を与える。
【0057】
噴霧ノズル112は、完全に挿入されると、燃焼空気通路、すなわち管状導管101とパイプ102との間の環状空間104内で芯出しされる。図4Bに示されるように、管状導管101の下流端を、空気通路のサイズを制限するように内方へテーパ状にすることができる。噴霧ノズルの直径は、ノズル112と導管101との間の環状空間を最小限にするように設定される。これによって、源106/108から送達される空気又はガスが主に噴霧通路115を通って強制的に流される。ノズル112と導管101との間の環状空間が結果的に縮径していることにより、給送材料のための燃焼空気の高速中空円筒流がもたらされ、同時に、ノズル112の上流端からノズル112の下流端にかけて大きな圧力降下、例えば65psigの圧力降下がもたらされる。この高い差は、空気を噴霧通路115に強制的に通すのに使用される。通路を出る空気が与える旋回作用は、給送流がMSO反応器200の溶融塩浴201に入るときに給送流と燃焼空気との混合を最大にする。そのような噴霧ノズルの構成は、必要な燃焼空気の量を大幅に低減し、一酸化炭素(CO)の生成を十分に低く保つことが分かっている。
【0058】
本発明の代替的な実施形態では、パイプ又はシャフトは、例えば図5に示されるようなシャフト102である。シャフト102は、該シャフト102の下流端に取り付けられる、参照符号116によって示されるドリルビットを有することができる。本発明における使用が意図されるドリルビットは、MSO反応器200内で冷却及び固化されている溶融塩に穿孔することができる任意の好適な構成とすることができる。例えば、ドリルビットはダイアモンドチップ付きとすることができる。ドリルビット116が取り付けられたシャフト102は、溶融領域への経路に達するまで塩浴201に穴を開けることができる。この実施形態に従って操作する場合、システムは、ガスの速度を常に最小限に維持し、経路が空いてからの溶融塩の逆流を防止する。シャフト102が、該シャフト102に取り付けられる他の保守器具を含むことができることも意図される。
【0059】
この態様によるさらに別の実施形態では、本発明は、パイプ102に取り付けられる給送ノズル112を含む給送ガンを含む。この給送ガンは好ましくは取り外し可能である。給送ガンは、例えば、給送ガンの上流端に取着されるフレキシブルホースを用いて挿抜することができる。好ましくは、フレキシブルホースは、液体廃棄物が冷却及び固化することを防止するのに十分に高い温度を維持するように電気的にトレースされる。そのような実施形態における給送ガンは、使用されないときには給送システム100の外側にあるままであるように設計される。給送ノズル112は、詰まったシャフト102を取り外して、給送ノズル112を管状導管101に迅速に挿入すると共に再接続することによって設置され、流れを確立することができる。
【0060】
任意選択的に、2つ以上の管状導管101a及び101bが用いられる図3に示されるように、本発明は、例えばパイプ102aを収容する少なくとも1つの管状導管101aと、シャフト102bを収容する少なくとも別の管状導管101bとを含むことができる。
【0061】
この態様によるさらに別の実施形態では、図2、図3、図4A及び図6に示されるような給送システムを、1つ又は複数のパイプ102がMSO反応器200から溶融塩201を除去する溶融塩排出システムとして代わりに用いることができる。そのような実施形態では、パイプ102は、管状導管101に挿入されることができるか又はパイプ102に接続されることができるドレーンパイプであり、このパイプ102は、該パイプ102を塩回収容器117に接続するためにパイプ119にさらに接続されている。これは、ガス源106及び/又は108からのガス供給を低減することによって、又はそのようなガス供給を遮断することによって行うことができる。シール機構103と塩回収容器117との間のパイプ119は、好ましくは、任意選択的に鋼トラフに支持されている、電気的にトレースされる長いフレキシブルホースである。
【0062】
例示的な実施形態では、本発明は、パイプ102を内部に同心状に収容している管状導管101を含むことができる。パイプ102は、管状導管101を介するMSO反応器200へのガスの流れが低減されるか又は遮断されると、MSO反応器200から排出される溶融塩201を受け取って、この溶融塩を塩回収容器117へ排出するように接続されている。管状導管101は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で反応器200の側面に接続することができる。塩回収容器117は、例えば、MSO反応器200へ戻して再処理すること又は廃棄に備えて溶融塩を冷却及び固化させる開放孔又はピットとすることができる。代替的には、塩回収容器117は、塩を集めて水等の溶剤中に溶解させる塩溶解容器を含むことができる。好ましくは、塩を除去するこの実施形態は、システムがバッチモードで運転しているときに用いられるが、そのような運転は、システムが連続的に運転する場合にも用いることができることが意図される。任意選択的には、1つ又は複数のさらなる管状導管101も含めることができ、この場合、管状導管はそれぞれ、材料を給送するか又は廃棄物を除去するパイプ102及び/又はシャフト102を含む。
【0063】
概して、MSO反応器の運転は、空気又は酸素と廃棄物との最適な比を達成するように維持されるべきである。この比自体は処理すべき廃棄物に依存する。最適な比の決定は、処理すべき実際の給送材料を用いた(パイロットプラント又はフルスケールでの)実験の実行によって行うことができる。完全に運転可能なシステムを用いて、反応器のオフガス試料を、様々な酸素対廃棄物比で引き出して分析することができる。すなわち、オフガスは、一酸化炭素、窒素酸化物、メタン及び場合によっては他の化合物の濃度に関して分析され得る。次いで、これらの試験の結果を用いて、どの酸素対廃棄物比であれば最良に機能するのかを判断することができる。必要な給送システムの数は、所望の総流量目標及び必要な比に依存する。また、いくつかの異なる地点における空気の給送は、溶融塩床の攪拌又は混合を助けるように働くと考えられる。空気及び廃棄物の燃焼によって誘導される混合は、反応器の均一で一貫した運転を確実にするのを助けると考えられる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、MSO反応器システムは、システムの運転中に稼動する少なくとも4つの空気/廃棄物給送点を有するように設計される。好ましくは、給送(feeder)システムは、反応器の周囲に分散している。
【0065】
上述のシステムと関連して、本発明は、別の態様では、溶融塩酸化反応器システムにおいて廃棄物を処理する方法を含む。この方法は、溶融塩酸化反応器に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して液体材料を送達するステップと、空気等のガスを管状導管内に注入するステップとを含む。ガスは、溶融塩が溶融塩酸化反応器から出て管状導管又はパイプ内へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する。
【0066】
任意選択的に、この方法は、液体材料が運転条件下で溶融塩酸化反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤、例えば水を、液体材料から除去するステップを含む。溶剤が水であるこの態様による実施形態では、溶剤は、水を液体材料から蒸発させることによって除去される。
【0067】
この態様の実施形態に含めることができるさらなる任意選択的なステップは、溶融塩酸化反応器へ液体材料を送達する前に液体材料を加熱すること、及び管状導管の一部において気密を維持することを含む。
【0068】
別の態様では、本発明は、オフガス回収システム300を含む、図7に示されるような溶融塩酸化処理システムを提供する。この態様による実施形態では、システムは、MSO反応器200からの、塩等の捕捉された固体粒状材料を含有するオフガスを受け取るように、MSO反応器200のオフガス出口205に流動可能に接続されている洗浄(scrubbing:スクラビング)機構302を含む。図7及び図8に示されるように、オフガス出口205は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して長手方向に延在した状態で反応器200の上部に接続することができる。さらに、本発明は、洗浄機構302からのガス状流出物を加熱するように構成される加熱機構306と、加熱機構306からのガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構310とを提供する。
【0069】
図7に示されるように、MSO反応器200からの捕捉された塩を含有するオフガスは、オフガス出口205から排出されて、パイプ301を介して洗浄機構302に給送される。洗浄機構は、オフガスからの塩等の捕捉された固体粒状材料の急冷及び全体的な(gross)除去を提供する。水又は別の冷却液体が、液体源303からパイプ304を介して洗浄機構へ給送される。例示的な実施形態では、液体源は、他のプロセスから再循環された水、又は新鮮な水の供給源から提供された新鮮な水を供給することができる。例示的な洗浄機構は、約90%以上、より好ましくは約90%〜約99%、最も好ましくは99%超の量の範囲であることが予期される量の捕捉された固体粒子を除去するための水スクラバー及びベンチュリスクラバーを含む。
【0070】
代替的には、好適なオフガス処理システムは、単独で用いられるか又はベンチュリ水スクラバーと併用される静電集塵装置を含むことができることも意図され、ベンチュリ水スクラバーは静電集塵装置の上流又は下流に位置決めされる。ベンチュリスクラバーは、オフガス流を加速させて水等の洗浄液体を霧化させ、ガス液体接触を高める。ベンチュリスクラバー及び静電集塵装置と共に又はこれらの代わりに、他の種類の水スクラバーを用いることができることも意図される。そのようなスクラバーの動作及び設計は当業者には既知である。
【0071】
洗浄機構302からのガス状流出物、例えばいくらかの残留塩を含む水飽和ガス流は、雰囲気又は何らかの他のオフガス取扱システムへの排出に好適でなければならない。本発明者らは、雰囲気への直接的な排出は、排気筒の周りの不透明度の懸念事項に起因して、このガス流をさらに処理せずには不可能である場合があることを見出した。排出に好適なガス流を生成するために、システムを用いて、まず水飽和ガス流がもはや飽和しないように水飽和ガス流を加熱して、次いで雰囲気へ排出する前にガス流をろ過することができる。
【0072】
図7を参照すると、洗浄機構302からのガス状流出物、例えばいくらかの残留塩を含む水飽和ガス流は、ガス状流出物を加熱するためにパイプ305を介して加熱機構306へ給送される。洗浄機構からの流出物の加熱に使用するのに好適な加熱機構は、ガスバーナー等の直接加熱機構を含むことができる。加熱機構306が天然ガスバーナーとして示されている図8に示されるように、加熱機構306は、パイプ308を介してガスを、また、入口312を介して空気をガスバーナーへ給送するガス源307を含む。そのような直接加熱機構では、ガス状流出物は、例えば華氏約170度〜華氏約230度の温度へまで、バーナーからの燃焼ガスと直接接触することによって過熱される。代替的に、加熱機構306は、熱交換器等の間接加熱機構を含むことができ、この場合、ガス状流出物は、例えば加熱媒体とガス状流出物とを隔てる加熱機構の壁を通じた伝熱によって加熱される。加熱によって、ガス流の温度がその飽和点を超えて上昇し、ガスを微細フィルターに通して、残留する塩粒子を全て除去することが可能である。好ましくは、加熱機構306は、ガス状流出物を、ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱する。
【0073】
加熱されたガス状流出物は次いでパイプ309を介してろ過機構310へ給送される。好適なろ過機構の一例としては、好ましくは断熱されるバグハウスが挙げられるが、静電集塵装置等の他のろ過機構も用いることができる。ろ過されたガス状流出物は次いで、任意選択的にパイプ311を介して雰囲気へ通気されることができるか、又は代替的には、例えばパイプ311を介して回収されてさらなるプロセスにおいて再利用されることができる。オフガス処理システムの運転は最終的には、化学物質含量及び不透明度の要件を満たすことができるか又はこれらを超えるように設計することができる。
【0074】
上述のシステムに関連するさらに別の態様では、本発明は、溶融塩酸化反応器システムからのオフガスを処理する方法であって、溶融塩酸化反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを洗浄して水分含有ガス状流出物を生成するステップと、該水分含有ガス状流出物を例えばその露点を超えるまで加熱するステップと、流出物をろ過して捕捉されている固体粒子状物質を除去するステップとを含む、方法を提供する。この態様による一実施形態では、固体粒子状物質は塩である。
【0075】
洗浄するステップにおいて、洗浄は、水スクラバー、ベンチュリスクラバー等を用いて行うことができ、それらの詳細は前述した。
【0076】
水分含有ガスを加熱するステップにおいて、この方法は、水飽和ガス状流出物を、該流出物の飽和温度を超える温度まで加熱するステップをさらに含むことができる。
【0077】
この方法は、ガス状流出物を、ろ過ステップにおいてろ過した後で雰囲気へ通気させる任意選択的なステップも含むことができる。
【0078】
任意選択的な実施形態として、従来の水スクラバーを伴って又は伴うことなく湿式静電集塵装置を用いて、全体的な塩除去ステップを行うことができることも意図される。
【0079】
さらに別の態様では、本発明は、溶融塩が蓄積したときにMSO反応器200から溶融塩を除去することができる溶融塩酸化処理システムを提供する。MSO反応器200を連続的に運転する場合に特に有利には、このシステムは、溶融塩回収システム400を含む、図9に示されるような本発明の実施形態を含む。図9に示されるように、このシステムは、MSO反応器のオーバーフロー出口207からの溶融塩を受け取ると共に、溶融塩を塩回収容器406へ排出するために、オーバーフロー出口207に流動可能に接続されているオーバーフロー導管401を含む。図9及び図10Aに示されるように、オーバーフロー導管401は、溶融塩反応器200の垂直軸に対して横断方向に延在した状態で反応器200の側面に接続することができる。オーバーフロー導管401は好ましくは、溶融塩が該導管内で冷却及び固化されることを防止するために断熱される。溶融塩は、溶融塩201が溶融塩オーバーフロー地点206に達すると、オーバーフロー出口207を介してMSO反応器200から排出される。システムは、ライン409及びガス入口208を介してMSO反応器200に接続されているブロワー408と、塩回収容器406とをさらに含み、低温ガスが反応器へ逆流することを防止するためにMSO反応器200から出るガスの一方向の流れを維持するのに十分な条件を発生させるように構成される。そのような低温ガスの逆流は、塩をオーバーフロー導管で凝固させてしまう。溶融塩よりも実質的に低温であるいかなるガスも「低温ガス」である。例えば、蒸気であっても、十分に過熱されない限りは、溶融塩を凝固させる可能性がある。ブロワー408は、MSO反応器200から塩回収容器406までの一方向の流れを維持するためにガスムーバー(gas mover:ガス移送体)として作用することによって、オーバーフローシステムの詰まりを防止することを助ける。ブロワー408は、MSO反応器200から塩回収容器406の方向に高温ガスを強制的に流出させる。図10Aに関して以下でさらに説明するように、別の種類のガスムーバーは、一方向の流れを維持することを助ける過熱蒸気インジェクターを含むことができる。
【0080】
任意選択的に、このシステムの一実施形態は、高温ガスをオーバーフロー導管へ導入するように接続されている加熱機構402をさらに含む。図9に示されるように、オーバーフロー導管401からの溶融塩は、MSO反応器200から搬送されるときに溶融塩を加熱するか又は少なくともその温度を維持するために加熱機構402によって加熱される。この機能において使用するのに好適な例示的な加熱機構としては、天然ガスバーナー等の直接加熱機構、及び熱交換器又は熱トレーシング等の間接加熱機構が挙げられる。図10Aは、パイプ411を介してガスを、また、入口414を介して空気を加熱機構402へ給送するガス源410を有する、ガスバーナーとしての加熱機構402を示す実施形態を含む。
【0081】
溶融塩は任意選択的に、図9に示されるようにパイプ403を介して塩溶解機構404へ給送される。塩溶解機構404は、塩を冷却して水中に溶解させ、塩水溶液を形成する。塩水溶液は、塩溶解機構404からパイプ405を介して塩回収容器406へ搬送される。図10Aに示されるような好ましい実施形態では、塩溶解機構404は水路を含む。この実施形態では、水給送源(water feed)412からの水及び反応器からの溶融塩は、水路404へ同時に給送される。この実施形態では、パイプ405は、水路404(又はその延長部)と一体的であり、結果として生じる塩溶液を塩回収容器406へ運ぶ。塩溶解機構404内の溶融塩を溶解させるために水が給送され、塩水溶液又はスラリーを形成する。水は、水の温度上昇、したがって蒸気圧力を最小限に抑えるのに十分な量が給送される。
【0082】
水路を流れる水は、溶融塩を溶解させるために、また、塩を凝固させて回収システムライン(例えば401及び403)内に詰まらせるのに十分なほど塩オーバーフロー出口に逆流する可能性がある過剰な蒸気形成を低減するか又は防止するのに十分低い温度を保つために十分な水を提供することによって溶融塩を冷却する。換言すると、システムは、塩反応器と急冷タンクとの間のガスの差圧を制御することによって、塩オーバーフロー出口へ水蒸気が逆流しないようにする。そうでなければ、塩オーバーフローラインが、MSO反応器から水接触地点にかけて高温に保たれないままであり乾燥していれば、水蒸気の逆流によって塩を凝固させてラインを詰まらせる可能性がある。
【0083】
システムは、溶融塩をMSO反応器200から除去するように設計され、この場合、溶融塩流は通常は、華氏1500度以上の温度を有し、塩をあまりに急速に凝固させることなくほぼ華氏212度である水浴に入る。
【0084】
同様に図10Aに示されるように、例示的なガスムーバーは、パイプ407を介して塩回収容器406(例えば溶解物容器)に流動可能に接続されている低圧側と、パイプ409を介して溶融塩酸化反応器200に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワー408を含むことができる。
【0085】
任意選択的には、このシステムはまた、上記オーバーフロー導管401から出る溶融塩流に衝突して該溶融塩流を破砕すると共に、溶融塩を塩回収容器406へ方向付けるように構成される1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクター413をさらに含むことができる。これらの蒸気インジェクターは、低温ガスの反応器200への逆流を防止するため、ガスムーバーとしても作用する。
【0086】
ブロワー408を用いること、並びにブロワー408に任意選択的な加熱機構402、任意選択的な塩溶解機構404及び任意選択的な指向性蒸気インジェクター413をさらに補充することによって、MSO反応器200からのガスの流れが、塩回収容器406への一方向の流れに維持される。例えば、一実施形態では、塩回収容器406においてより低い圧力を発生させるためにブロワー408を用いること、溶融塩をガス燃焼バーナー402によって加熱すること、好ましくは水路404の上方で指向性蒸気インジェクター413を介して指向性ガス流を下方へ提供すること、及び蒸気の形成を最小限に抑えるために水路404内の冷媒/溶解水412の大量の流れを用いることによって、高温ガスが強制的にMSO反応器200から出される。これは、塩が溶融塩オーバーフロー回収システムのライン内で凝固してラインが詰まることを防止する。そのような動作は、低温ガスの溶融塩酸化反応器への逆流を防止するのに十分な温度条件及び圧力条件を生成する。
【0087】
さらに、図10Aに示される水路のような塩溶解機構404を、図6に示されるようなパイプ102を介する底流(underflow)溶融塩回収と併用することもできることが意図される。そのような例示的な実施形態では、本発明は、電気抵抗加熱を含むことができ、それによって、電流が導電性の溶融塩に通されて溶融塩が加熱され、溶融塩を溶融したままにすることができる。これは、塩を加熱して、溶融塩が冷却、したがって固化又は凝固することを防止するために、塩除去ラインにおいて電気アーク加熱を用いるように、2つの金属片が正の電気グリッド及び負の電気グリッドに接続されている流路を設定することを伴う。例示的な実施形態は、2つの金属片が正の電気グリッド及び負の電気グリッドに接続されている流路を設定することを伴う。そのような加熱機構は当業者には既知である。
【0088】
MSO反応器から溶融塩を除去する別の例示的な実施形態では、MSO反応器は、反応器の内部で、反応器のオーバーフロー出口207に位置決めされる堰等の塩オーバーフロー撥ねよけ(splash shield)を含む。図10Bに示されるように、撥ねよけ210は、乱流液面からオーバーフロー出口207に対して上方への撥ね返りを防止するように設計される。撥ねよけは、溶融塩のスラグが塩回収システム400に入ることを防止するために含まれている。撥ねよけ210は、図10Bでは内部オーバーフロー堰として示されている。図10Bに示されるように、撥ねよけ210は、オーバーフロー出口207の上部の真上の所定の高さ211に位置決めされる。撥ねよけ210は、好ましくは耐火性コーティングされた鋼材料から作製される。好ましい実施形態では、撥ねよけのベースは、オーバーフロー出口207の底部よりも例えば6インチ〜12インチ下の所定の高さのところに位置付けられる。溶融塩は、撥ねよけ210の周りに蓄積すると共に撥ねよけ210を迂回して、オーバーフロー出口207から流出すると考えられる。
【0089】
溶融塩をMSO反応器から除去するさらに別の例示的な実施形態では、MSO反応器は任意選択的に、図10Cに示されるような傾斜したオーバーフロー出口207と、ラインの加熱機構402を出たところにある任意選択的な制限ネック415とを含む。また、塩オーバーフロー出口207から制限ネック415を介して使用済み塩回収システム400の下流部分へ排出される流れを制限することによって、溶融塩のスラグを塩回収システム400に混入させる反応器内の塩の撥ね返りを回避することができる。さらに、オーバーフロー出口207の傾斜は、溶融塩酸化反応器200へ向かって後方に傾いていることで、塩回収システム400内の流れのスラグを生成する際の反応器内の溶融塩の撥ね返りの作用を低減するのを助けることができる。
【0090】
上述したシステムと関連して、またさらなる別の態様では、本発明は溶融塩を溶融塩酸化反応器から排出する方法を含む。この態様による実施形態では、この方法は、溶融塩酸化反応器から塩回収容器へ排出される溶融塩流を加熱するか又は該溶融塩流の温度を維持することであって、溶融塩流を溶融状態に維持する、加熱するか又は維持すること、及び低温ガスの溶融塩酸化反応器への逆流を防止するのに十分な圧力を生成することを含む。この方法では、圧力を生成するステップは、ブロワーを用いて、溶解物回収容器では低い圧力を、また、溶融塩酸化反応器では高い圧力を生成することを含むことができる。
【0091】
さらなるステップとして、この方法は、例えば水路内の水を用いて、溶融流を塩回収容器へ導入する前に溶融塩流を冷却及び溶解させるステップをさらに含むことができる。
【0092】
この方法の別のステップは、任意選択的に、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて溶融塩オーバーフロー流を塩回収容器へ方向付けるステップを含むことができる。
【0093】
この態様による方法は、溶融塩酸化反応器からの塩を、塩溶液として又は代替的には固体として回収することも含むことができる。
【0094】
さらに別の態様では、本発明は、反応器シェル203の過熱を防ぐために、反応器の底部を含むシェル203の周りの通気環状空間202を有するMSO反応器200を含む一実施形態を含む。図11は、激しい雨等、環境条件が変化する中での熱成長の一貫性のなさを低減する設計を示す。例えば、ユニットの一方の側が、雨又は風によってMSO反応器200の他方の側よりも冷却されると、シェル203の不均一な金属膨張が生じる可能性がある。この結果、シェル203の接合部がバラバラになる可能性がある。したがって、本発明の一実施形態では、MSO反応器は図11に示されるような、シェル203と外側温度シールド218との間の空隙202による、温度シールドを備えることができる。この設計は、MSO反応器200に組み込まれると、シェル203を均一に膨張及び収縮させることによってシェル203が最高最低気温に耐えることを可能にする。
【0095】
図11に示されるように、例示的なMSO反応器200は耐火部204及び外側シェル203を含む。図示の例示的な実施形態では、MSO反応器200は、反応器シェル203と外側温度シールド218との間に、給気口214及び216並びに通気口215及び217を有する環状空間202を有する。給気口214及び216を介して導入される空気は、空気ブロワー(図示せず)によって提供することができる。図11に示される実施形態では、MSO反応器200は、MSO反応器の上側部分、例えば図示のように反応器200の本体フランジ219の上方の、反応器シェル203と外側温度シールド218との間に介装されている断熱ブランケット213をさらに含むことができる。
【0096】
本発明によるシステムにおいて用いられる構成材料は、システム内の高温及びシステム内に存在する塩に起因して、鋼又はニッケル系合金であることが好ましいことに留意すべきである。材料が高温塩流又は塩水溶液流と接触することになる場合、インコネル又はハステロイ等の材料が通常は用いられる。
【0097】
本発明のさらに別の実施形態では、MSO反応器の蒸気空間(すなわち溶融塩の上方の領域)は、可燃性のガス又は蒸気、例えば他のプロセスからの通気ガスの熱酸化処理に用いることができる。2つの目的の役割でMSO反応器を用いることは、工場のエネルギー消費に大きな影響を与えることができることが意図される。例えば、それによって、これらの通気ガスの別個の熱酸化(oxidizer)システムの必要性をなくすことができる。加えて、そのような実施形態では、設備の監視しなければならない排出点の数を減らすこともできる。
【0098】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に図示し説明したが、そのような実施形態は単なる例示として与えられていることが理解されるであろう。本発明の精神から逸脱することなく多くの変形、変更及び代替が当業者には想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内に入るそのような変形を全て包含することが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容する容器を含む溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、当該管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、前記パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数の管状導管は、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で前記溶融塩反応器に接続されている、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項3】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構と、
前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構と、
をさらに備える、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項4】
前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、請求項3に記載の溶融塩処理システム。
【請求項5】
前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、請求項4に記載の溶融塩処理システム。
【請求項6】
前記パイプ又はシャフトはストップリミットをさらに含む、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項7】
前記ストップリミットは連結部を含む、請求項6に記載の溶融塩処理システム。
【請求項8】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項9】
前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、請求項8に記載の溶融塩処理システム。
【請求項10】
前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、請求項9に記載の溶融塩処理システム。
【請求項11】
前記パイプ又はシャフトはシャフトである、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項12】
前記シャフトは、前記パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、請求項11に記載の溶融塩処理システム。
【請求項13】
前記管状導管の少なくとも1つはパイプを収容しており、少なくとも1つの他の管状導管はシャフトを収容している、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項14】
前記ガスは空気を含む、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項15】
前記1つ又は複数の管状導管の上流で、前記1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項16】
前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項17】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように前記オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からの前記ガス状流出物を加熱するように構成されている加熱機構と、
前記加熱機構からの前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項18】
前記洗浄機構は水スクラバーである、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項19】
前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項20】
前記加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項21】
前記加熱機構はガスバーナーである、請求項20に記載の溶融塩処理システム。
【請求項22】
前記加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項23】
前記加熱機構は熱交換器である、請求項22に記載の溶融塩処理システム。
【請求項24】
前記加熱機構は、前記ガス状流出物を、前記ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱する、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項25】
前記ろ過機構はバグハウスを含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項26】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を塩回収容器へ排出するように前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されていると共に、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができるガスムーバーと、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項27】
前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項28】
前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項29】
前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項30】
高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている加熱機構をさらに備える、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項31】
前記加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項30に記載の溶融塩処理システム。
【請求項32】
前記直接加熱機構はガスバーナーである、請求項31に記載の溶融塩処理システム。
【請求項33】
前記加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項30に記載の溶融塩処理システム。
【請求項34】
前記間接加熱機構は熱交換器である、請求項33に記載の溶融塩処理システム。
【請求項35】
前記反応器からの前記溶融塩を受け取り、前記塩を水に溶解させ、かつ、前記塩を前記塩回収容器に搬送するように流動可能に接続されている塩溶解機構をさらに備える、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項36】
前記塩溶解機構は水路を含む、請求項35に記載の溶融塩処理システム。
【請求項37】
前記オーバーフロー導管から出る前記溶融塩に衝突して前記溶融塩を破砕すると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように位置付けられる1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項38】
前記ガスムーバーは、前記塩回収容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項39】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口及び反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、前記管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、前記パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように前記オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からのガス状流出物を加熱するように構成されている第1の加熱機構と、
前記加熱機構によって加熱された前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を塩回収容器へ排出するように前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されており、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができる、ガスムーバーと、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項40】
前記1つ又は複数の管状導管は、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で前記溶融塩反応器に接続されている、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項41】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構と、
前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構と、
をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項42】
前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、請求項41に記載の溶融塩処理システム。
【請求項43】
前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、請求項42に記載の溶融塩処理システム。
【請求項44】
前記管状導管は、前記1つ又は複数の管状導管の一部にストップリミットをさらに含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項45】
前記ストップリミットは連結部を含む、請求項44に記載の溶融塩処理システム。
【請求項46】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項47】
前記1つ又は複数のガス源は、前記溶融塩が前記管状導管へ逆流することを防止するのに十分な圧力で前記少なくとも1つの管状導管へガスを給送する、請求項46に記載の溶融塩処理システム。
【請求項48】
前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、請求項46に記載の溶融塩処理システム。
【請求項49】
前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、請求項48に記載の溶融塩処理システム。
【請求項50】
前記パイプ又はシャフトはシャフトである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項51】
前記パイプ又はシャフトは、前記パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、請求項50に記載の溶融塩処理システム。
【請求項52】
前記1つ又は複数の管状導管は、パイプを同心状に収容する少なくとも1つの管状導管と、シャフトを同心状に収容する少なくとも別の管状導管とを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項53】
前記ガスは空気を含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項54】
前記1つ又は複数の管状導管の上流で、前記1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項55】
前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を前記塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項56】
前記洗浄機構は水スクラバーである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項57】
前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項58】
前記第1の加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項57に記載の溶融塩処理システム。
【請求項59】
前記第1の加熱機構はガスバーナーである、請求項54に記載の溶融塩処理システム。
【請求項60】
前記第1の加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項61】
前記第1の加熱機構は熱交換器である、請求項60に記載の溶融塩処理システム。
【請求項62】
前記第1の加熱機構は、前記ガス状流出物を、前記ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することができる、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項63】
前記ろ過機構はバグハウスを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項64】
前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項65】
前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項66】
前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項67】
高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている第2の加熱機構をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項68】
前記第2の加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項67に記載の溶融塩処理システム。
【請求項69】
前記第2の加熱機構はガスバーナーである、請求項68に記載の溶融塩処理システム。
【請求項70】
前記第2の加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項67に記載の溶融塩処理システム。
【請求項71】
前記第2の加熱機構は熱交換器である、請求項70に記載の溶融塩処理システム。
【請求項72】
前記加熱機構からの前記溶融塩を受け取るように流動可能に接続されていると共に、溶解した塩を前記塩回収容器に搬送するように接続されている塩溶解機構をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項73】
前記塩溶解機構は水路を含む、請求項72に記載の溶融塩処理システム。
【請求項74】
前記オーバーフロー導管からの前記溶融塩を受け取ると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように構成されている1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項75】
前記ガスムーバーは、前記溶解容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項76】
溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間内へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法。
【請求項77】
前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記溶剤は水である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に前記材料を加熱するステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記ガスは空気を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項82】
溶融塩反応器からのオフガスを処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
を含む、方法。
【請求項83】
前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記固体粒子状物質は塩の粒子を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、前記流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
溶融塩反応器から溶融塩を排出する方法であって、前記反応器は前記溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記溶融塩反応器から塩回収容器へ排出される溶融塩流を加熱するか又は前記溶融塩流の温度を維持するステップであって、前記溶融塩流を溶融状態に維持する、加熱するか又は維持するステップと、
ガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法。
【請求項88】
前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
前記条件を生成するステップは、圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
前記圧力を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記溶解物回収容器では低い圧力を、また、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項93】
前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項94】
前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項95】
前記溶融塩反応器の出口に撥ねよけを保持することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項96】
前記溶融塩反応器から排出される流れを、前記溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項97】
溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、前記容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されており、当該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記反応器に前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記管状導管又は前記パイプへ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
前記溶融塩を、前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管を通して前記反応器から塩回収容器へ排出するステップと、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されているガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記オーバーフロー導管を通した前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法。
【請求項98】
前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記溶剤は水である、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に、前記材料を加熱するステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
前記管状導管の一部の気密を維持するステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項103】
前記ガスは空気を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
前記洗浄するステップは、水スクラバーで洗浄することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項105】
前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項106】
前記固体粒子状物質は塩を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項107】
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、前記流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項108】
前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項109】
前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に、前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項110】
前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項112】
前記条件を生成するステップは、圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項113】
前記条件を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記塩回収容器では低い圧力を、また、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項114】
前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項115】
前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項116】
前記溶融塩反応器から排出される流れを、前記溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項117】
前記溶融塩処理システムは、前記パイプの下流端にノズルをさらに含み、前記ノズルは、前記ノズルの上流端から前記パイプの内部へ通っていると共に前記パイプの下流端付近で終端している複数の通路を含む、請求項9に記載の溶融塩処理システム。
【請求項118】
前記通路は、内方へ捻る方向に向いている、請求項9に記載の溶融塩処理システム。
【請求項119】
前記容器の少なくとも一部を囲み、前記容器との間に環状通気空間を画定するような位置及び形状であるシールドをさらに含む、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項120】
可燃性のガス又は蒸気を前記溶融塩の表面の下方若しくは上方、又はその両方で前記反応器へ導入することをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項121】
溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記反応器に前記材料を送達するステップと、
溶融塩を、前記反応器からパイプを通して塩回収容器へ排出するステップであって、前記パイプは、前記反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されており、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、排出するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法。
【請求項1】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容する容器を含む溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、当該管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、前記パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数の管状導管は、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で前記溶融塩反応器に接続されている、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項3】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構と、
前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構と、
をさらに備える、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項4】
前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、請求項3に記載の溶融塩処理システム。
【請求項5】
前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、請求項4に記載の溶融塩処理システム。
【請求項6】
前記パイプ又はシャフトはストップリミットをさらに含む、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項7】
前記ストップリミットは連結部を含む、請求項6に記載の溶融塩処理システム。
【請求項8】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項9】
前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、請求項8に記載の溶融塩処理システム。
【請求項10】
前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、請求項9に記載の溶融塩処理システム。
【請求項11】
前記パイプ又はシャフトはシャフトである、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項12】
前記シャフトは、前記パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、請求項11に記載の溶融塩処理システム。
【請求項13】
前記管状導管の少なくとも1つはパイプを収容しており、少なくとも1つの他の管状導管はシャフトを収容している、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項14】
前記ガスは空気を含む、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項15】
前記1つ又は複数の管状導管の上流で、前記1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項16】
前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項17】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように前記オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からの前記ガス状流出物を加熱するように構成されている加熱機構と、
前記加熱機構からの前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項18】
前記洗浄機構は水スクラバーである、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項19】
前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項20】
前記加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項21】
前記加熱機構はガスバーナーである、請求項20に記載の溶融塩処理システム。
【請求項22】
前記加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項23】
前記加熱機構は熱交換器である、請求項22に記載の溶融塩処理システム。
【請求項24】
前記加熱機構は、前記ガス状流出物を、前記ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱する、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項25】
前記ろ過機構はバグハウスを含む、請求項17に記載の溶融塩処理システム。
【請求項26】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を塩回収容器へ排出するように前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されていると共に、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができるガスムーバーと、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項27】
前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項28】
前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項29】
前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項30】
高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている加熱機構をさらに備える、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項31】
前記加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項30に記載の溶融塩処理システム。
【請求項32】
前記直接加熱機構はガスバーナーである、請求項31に記載の溶融塩処理システム。
【請求項33】
前記加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項30に記載の溶融塩処理システム。
【請求項34】
前記間接加熱機構は熱交換器である、請求項33に記載の溶融塩処理システム。
【請求項35】
前記反応器からの前記溶融塩を受け取り、前記塩を水に溶解させ、かつ、前記塩を前記塩回収容器に搬送するように流動可能に接続されている塩溶解機構をさらに備える、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項36】
前記塩溶解機構は水路を含む、請求項35に記載の溶融塩処理システム。
【請求項37】
前記オーバーフロー導管から出る前記溶融塩に衝突して前記溶融塩を破砕すると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように位置付けられる1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項38】
前記ガスムーバーは、前記塩回収容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、請求項26に記載の溶融塩処理システム。
【請求項39】
溶融塩処理システムであって、
溶融塩を収容することが可能な容器を含む溶融塩反応器であって、前記容器はオフガス出口及び反応器オーバーフロー出口に流動可能に取着されている、溶融塩反応器と、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている1つ又は複数の管状導管であって、前記管状導管はそれぞれ、対応するパイプ又はシャフトを、前記パイプ又はシャフトとの間に環状空間を形成するように内部に同心状に収容している、1つ又は複数の管状導管と、
前記管状導管の少なくとも1つにある前記環状空間を通して前記反応器へガスを給送するように接続されている1つ又は複数のガス源と、
前記オフガス出口からの捕捉された塩を含有するオフガスを受け取るように前記オフガス出口に流動可能に接続されている洗浄機構と、
前記洗浄機構からのガス状流出物を加熱するように構成されている第1の加熱機構と、
前記加熱機構によって加熱された前記ガス状流出物を受け取るように流動可能に接続されているろ過機構と、
前記反応器オーバーフロー出口からの前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を塩回収容器へ排出するように前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管と、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されており、低温ガスが前記オーバーフロー導管を通って前記溶融塩反応器へ逆流することを防止することができる、ガスムーバーと、
を備える、溶融塩処理システム。
【請求項40】
前記1つ又は複数の管状導管は、前記溶融塩反応器内の前記溶融塩の液位よりも下の位置で前記溶融塩反応器に接続されている、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項41】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つの上流位置にある第1のシール機構と、
前記少なくとも1つの管状導管の下流位置にある第2のシール機構と、
をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項42】
前記第2のシール機構は、開位置及び閉位置を有する弁である、請求項41に記載の溶融塩処理システム。
【請求項43】
前記第1のシール機構はパッキン押さえを含む、請求項42に記載の溶融塩処理システム。
【請求項44】
前記管状導管は、前記1つ又は複数の管状導管の一部にストップリミットをさらに含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項45】
前記ストップリミットは連結部を含む、請求項44に記載の溶融塩処理システム。
【請求項46】
前記1つ又は複数の管状導管の少なくとも1つにおいて、前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器へ材料を給送するように給送源に接続されているパイプである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項47】
前記1つ又は複数のガス源は、前記溶融塩が前記管状導管へ逆流することを防止するのに十分な圧力で前記少なくとも1つの管状導管へガスを給送する、請求項46に記載の溶融塩処理システム。
【請求項48】
前記材料はハロゲン化廃棄物材料を含む、請求項46に記載の溶融塩処理システム。
【請求項49】
前記材料は、スクラロース製造プロセスからの塩素化廃棄物材料を含む、請求項48に記載の溶融塩処理システム。
【請求項50】
前記パイプ又はシャフトはシャフトである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項51】
前記パイプ又はシャフトは、前記パイプ又はシャフトの下流端に取り付けられているドリルビットを含む、請求項50に記載の溶融塩処理システム。
【請求項52】
前記1つ又は複数の管状導管は、パイプを同心状に収容する少なくとも1つの管状導管と、シャフトを同心状に収容する少なくとも別の管状導管とを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項53】
前記ガスは空気を含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項54】
前記1つ又は複数の管状導管の上流で、前記1つ又は複数の管状導管に流動可能に接続されている蒸発機構をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項55】
前記パイプ又はシャフトは、前記溶融塩反応器から排出される前記溶融塩を受け取ると共に前記溶融塩を前記塩回収容器へ排出するように接続されているパイプである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項56】
前記洗浄機構は水スクラバーである、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項57】
前記洗浄機構はベンチュリスクラバーを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項58】
前記第1の加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項57に記載の溶融塩処理システム。
【請求項59】
前記第1の加熱機構はガスバーナーである、請求項54に記載の溶融塩処理システム。
【請求項60】
前記第1の加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項61】
前記第1の加熱機構は熱交換器である、請求項60に記載の溶融塩処理システム。
【請求項62】
前記第1の加熱機構は、前記ガス状流出物を、前記ガス状流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することができる、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項63】
前記ろ過機構はバグハウスを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項64】
前記ガスムーバーは過熱蒸気インジェクターを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項65】
前記溶融塩反応器は、前記オーバーフロー導管に位置決めされている撥ねよけをさらに含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項66】
前記オーバーフロー導管は、前記溶融塩反応器に向かって後方に傾斜している、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項67】
高温ガスを前記オーバーフロー導管へ導入するように接続されている第2の加熱機構をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項68】
前記第2の加熱機構は直接加熱機構を含む、請求項67に記載の溶融塩処理システム。
【請求項69】
前記第2の加熱機構はガスバーナーである、請求項68に記載の溶融塩処理システム。
【請求項70】
前記第2の加熱機構は間接加熱機構を含む、請求項67に記載の溶融塩処理システム。
【請求項71】
前記第2の加熱機構は熱交換器である、請求項70に記載の溶融塩処理システム。
【請求項72】
前記加熱機構からの前記溶融塩を受け取るように流動可能に接続されていると共に、溶解した塩を前記塩回収容器に搬送するように接続されている塩溶解機構をさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項73】
前記塩溶解機構は水路を含む、請求項72に記載の溶融塩処理システム。
【請求項74】
前記オーバーフロー導管からの前記溶融塩を受け取ると共に、前記溶融塩を前記塩回収容器に方向付けるように構成されている1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターをさらに備える、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項75】
前記ガスムーバーは、前記溶解容器に流動可能に接続されている低圧側と前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている高圧側とを有するブロワーを含む、請求項39に記載の溶融塩処理システム。
【請求項76】
溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間内へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法。
【請求項77】
前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記溶剤は水である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に前記材料を加熱するステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記ガスは空気を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項82】
溶融塩反応器からのオフガスを処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
を含む、方法。
【請求項83】
前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記固体粒子状物質は塩の粒子を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、前記流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
溶融塩反応器から溶融塩を排出する方法であって、前記反応器は前記溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記溶融塩反応器から塩回収容器へ排出される溶融塩流を加熱するか又は前記溶融塩流の温度を維持するステップであって、前記溶融塩流を溶融状態に維持する、加熱するか又は維持するステップと、
ガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法。
【請求項88】
前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
前記条件を生成するステップは、圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
前記圧力を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記溶解物回収容器では低い圧力を、また、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項93】
前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項94】
前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項95】
前記溶融塩反応器の出口に撥ねよけを保持することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項96】
前記溶融塩反応器から排出される流れを、前記溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項97】
溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、前記容器は反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されており、当該方法は、
前記溶融塩反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されているパイプを介して前記反応器に前記材料を送達するステップであって、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、送達するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記管状導管又は前記パイプへ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
前記溶融塩反応器から排出される固体粒子状物質を含有するオフガスを水流で洗浄するステップであって、前記粒子状物質の少なくとも一部を除去すると共に水分含有ガス状流出物を生成する、洗浄するステップと、
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップと、
前記流出物をろ過するステップであって、残りの捕捉されている固体粒子状物質を除去する、ろ過するステップと、
前記溶融塩を、前記反応器オーバーフロー出口に流動可能に接続されているオーバーフロー導管を通して前記反応器から塩回収容器へ排出するステップと、
前記溶融塩反応器及び前記塩回収容器に流動可能に接続されているガスムーバーを動作させるステップであって、低温ガスの前記オーバーフロー導管を通した前記溶融塩反応器への逆流を防止する、動作させるステップと、
を含む、方法。
【請求項98】
前記材料が運転条件下で前記溶融塩反応器内へ導入されるときに過加圧を防止するのに十分な量の溶剤を前記材料から除去するステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記溶剤は水である、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記溶剤を除去するステップは、前記水を前記材料から蒸発させることを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
前記材料を前記溶融塩反応器に送達する前に、前記材料を加熱するステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
前記管状導管の一部の気密を維持するステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項103】
前記ガスは空気を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
前記洗浄するステップは、水スクラバーで洗浄することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項105】
前記洗浄するステップは、ベンチュリスクラバーで洗浄することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項106】
前記固体粒子状物質は塩を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項107】
前記水分含有ガス状流出物を加熱するステップは、水飽和ガス状流出物を、前記流出物の飽和温度を超える温度まで加熱することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項108】
前記ガス状流出物を雰囲気へ通気させることをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項109】
前記塩を前記塩回収容器へ導入する前に、前記溶融塩流を水中に溶解させることをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項110】
前記溶融塩オーバーフロー流を溶解させるステップは、前記溶融塩を水路内の水に溶解させることを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記溶融塩オーバーフロー流を、1つ又は複数の指向性過熱蒸気インジェクターを用いて前記塩回収容器へ方向付けるステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項112】
前記条件を生成するステップは、圧力、温度又はそれらの組み合わせを生成して、低温ガスの前記溶融塩反応器への逆流を防止することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項113】
前記条件を生成するステップは、ブロワーを用いて、前記塩回収容器では低い圧力を、また、前記溶融塩反応器では高い圧力を生成することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項114】
前記溶融塩反応器からの塩を塩溶液として回収することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項115】
前記溶融塩反応器からの塩を固体として回収することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項116】
前記溶融塩反応器から排出される流れを、前記溶融塩反応器の下流の制限ネックによって制限することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項117】
前記溶融塩処理システムは、前記パイプの下流端にノズルをさらに含み、前記ノズルは、前記ノズルの上流端から前記パイプの内部へ通っていると共に前記パイプの下流端付近で終端している複数の通路を含む、請求項9に記載の溶融塩処理システム。
【請求項118】
前記通路は、内方へ捻る方向に向いている、請求項9に記載の溶融塩処理システム。
【請求項119】
前記容器の少なくとも一部を囲み、前記容器との間に環状通気空間を画定するような位置及び形状であるシールドをさらに含む、請求項1に記載の溶融塩処理システム。
【請求項120】
可燃性のガス又は蒸気を前記溶融塩の表面の下方若しくは上方、又はその両方で前記反応器へ導入することをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項121】
溶融塩反応器内で材料を処理する方法であって、前記反応器は溶融塩を収容する容器を含み、当該方法は、
前記反応器に前記材料を送達するステップと、
溶融塩を、前記反応器からパイプを通して塩回収容器へ排出するステップであって、前記パイプは、前記反応器に流動可能に接続されている管状導管内に同心状に収容されており、前記パイプ及び前記導管は間に環状空間を形成する、排出するステップと、
ガスを前記環状空間内に注入するステップであって、前記ガスは、前記溶融塩が前記溶融塩反応器から前記環状空間へ逆流することを防止するのに十分な圧力を有する、注入するステップと、
を含む、方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【公表番号】特表2012−513886(P2012−513886A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542898(P2011−542898)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002964
【国際公開番号】WO2010/076559
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(509178806)テート アンド ライル テクノロジー リミテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002964
【国際公開番号】WO2010/076559
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(509178806)テート アンド ライル テクノロジー リミテッド (17)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]