説明

溶融点が600℃以上であるメルトからサンプル採取するためのサンプラー及びサンプル採取方法

【課題】メタルメルトまたは氷晶石メルトからのサンプル採取用サンプラーを改善し、サンプルのより高速な分析を実現することである。
【解決手段】上方外壁部分12の上側にキャリヤランス用の連結装置14が配置され、連結装置14はサンプル採取後、上方外壁部分12を上方冷却用胴部10と共に、または下方外壁部分12’及び下方冷却用胴部7を含むサンプルチャンバアセンブリ全体と共にさえ、キャリヤ管1を通して上方に抜き出し得る。連結装置14の長手方向軸内を通るガス流れチャネルがキャリヤランスを介して不活性ガス源に接続され得ると共に不活性ガスをサンプルチャンバアセンブリの中空空間15内に導通させ得、かくしてサンプルキャビティ9から下方冷却用胴部7を取り外すとサンプルは不活性ガスで包囲されるため酸化しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶融点が600℃以上であるメルト、詳しくは、メタルまたは氷晶石メルト、特には鉄またはスチールメルトからのサンプル採取用サンプラーにして、浸漬端を有するキャリヤ管と、該キャリヤ管の浸漬端上に配置したサンプルチャンバアセンブリとを有し、該アセンブリが入口開口及びメルト用のサンプルキャビティを有し且つ前記キャリヤ管内に少なくとも部分的に配置したサンプラーに関する。本発明はまた、当該サンプラー用のサンプルチャンバに関し、更には、当該サンプラーを使用するサンプル採取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特にメタルまたは氷晶石メルト用のサンプラーが数多く知られている。例えば、DE3233677C1にはメタル及びスラグ用サンプラーが記載される。当該サンプラーではキャリヤ管の浸漬端上にサンプルキャビティ用の入口開口が設けられ、これを保護キャップで覆っている。同様のサンプラーはEP1544591A2またはDE2504583A1にも記載される。
DE102005060492B3には、メタルまたはスラグのメルトにおける既知の測定用サンプラー及びセンサ組み合わせが記載される。当該組み合わせではセンサを収受する測定ヘッドが示され、その浸漬端上にはサンプルキャビティ用の入口開口も有する。
【0003】
通常これらサンプラーではサンプルキャビティを、メルトに浸漬させるキャリヤ管の浸漬端上に配置し、サンプル採取後にキャリヤ管をメルトから引き抜く際、浸漬端はサンプルキャビティと共にキャリヤ管から分離させ、次いでサンプルキャビティからサンプルを取り出し、分析装置に運ぶ。US6,113,669にはまた別の類似構成が記載される。
【0004】
キャリア管は中でもEP143498A2及びUS4,893,516に記載される。当該文献には測定またはサンプル採取用ランスにキャリア管を装着することも記載される。ランスは、サンプルキャビティまたはセンサを有するキャリア管の自動機械操作または手動操作上役立つ。ランスを使用してキャリア管をメタルメルトに浸漬させ、次いで抜き出す。サンプラーまたはセンサ機器を有するキャリヤ管は使い捨て性物品であり、1度使用すると廃棄されるがランス(キャリヤランスとも称される)は数回使用される。
【0005】
ランスはキャリヤ管を浸漬させるのみならず、ランスに通した信号ケーブルからの信号送信用にも使用される。ランスは所謂カップリングピースによりキャリヤ管に連結され、カップリングピースには信号ケーブルあるいはその他機能ユニットも一体化され得る。キャリヤランスを通しての信号送信を支援する相当する接点が、なかでもDE102005060492B3に示される。
【0006】
既知のサンプラーではキャリヤ管をメタルメルトから抜き出した直後にサンプルキャビティからサンプルを取り出すが、サンプルキャビティ内に配置したサンプルを取り出す際はキャリヤ管の浸漬端及びサンプルキャビティ自体を破壊する。この目的上、キャリヤ管はメルト容器に隣り合う床に単に落下され、かくして、浸漬プロセス中に何らかのダメージを受け、また一般に厚紙製であるキャリヤ管はバラバラになりサンプルが放出される。メタルメルト等のホットメルト用のサンプルキャビティの場合、当該キャビティを2区分型のサンプルチャンバアセンブリから形成し、2つの区分を個別に分離及びサンプル放出させることがある。特に、スチールメルト等の高温メルトの場合、サンプルキャビティを開放して周囲空気に露呈させるサンプルはそれ自体尚、非常に高温である。そのためサンプル表面が酸化して、分析に先立つサンプルの後処理が必要となる可能性がある。DE2504583A1では保護用ハウジングを通してサンプルチャンバを引き出すことも既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE3233677C1
【特許文献2】EP1544591A2
【特許文献3】DE2504583A1
【特許文献4】DE102005060492B3
【特許文献5】US6,113,669
【特許文献6】EP143498A2
【特許文献7】US4,893,516
【特許文献8】DE102005060492B3
【特許文献9】DE2504583A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする課題は、既知のサンプラー、詳しくは、メタルメルトまたは氷晶石メルト、特には鉄またはスチールメルトからのサンプル採取用サンプラーを改善し、サンプルのより高速な分析を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のサンプラーは特に、サンプルチャンバアセンブリが、キャリヤ管の内側に配置した、キャリヤランス連結用のカップリング装置をその外側表面上の一部に有すること及び、前記サンプルチャンバアセンブリが、サンプルキャビティ用の内壁(即ち、サンプルを入手するサンプルキャビティを直近で包囲する部分)と、該内壁からある距離を置いて該内壁を少なくとも部分的に包囲する外壁とを有し、かくして、外壁及び内壁間に中空空間を有する点を特徴とするものである。当該中空空間にはガス、詳しくは不活性ガスを充填し得、または真空とされ得る。従って、サンプルチャンバアセンブリ内には、内側チャンバがサンプルキャビティを形成し、内側チャンバを包囲する外側チャンバがガス空間(または真空空間)を形成する二重形式のチャンバが形成される。
【0010】
当該構成上、サンプルチャンバアセンブリはその全体または一部をキャリヤランスと共にキャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部から引き抜くことで、サンプル表面を露出させると共にサンプルに分析上アクセス可能となる。サンプル表面はキャリヤ管の内外の何れかに露呈され得るため、サンプルチャンバアセンブリ全体をキャリヤ管から取り外すとサンプルを制御下に分析に供し得る。サンプルは、分析に素早く且つ前準備無しで提供されるように取り出されまたは表面露出される。“サンプル分析”とは、判定装置、コンピューターその他に判定信号を送るところの分光器による、前記判定(及び信号判定)上必要な光信号の受信を意味するものとする。
【0011】
詳しくは、サンプルチャンバアセンブリは、サンプルキャビティを直接包囲する複数の且つ相互に脱着可能な部分から成る内壁を有し、これら部分の少なくとも1つがキャリヤ管内に配置されることが有益である。かくして、キャリヤランスを用いて少なくともこの部分をキャリヤ管を通してサンプルから除去し得る。サンプルチャンバアセンブリまたはその部分がキャリヤ管の浸漬端に配置した連結装置を有し、当該連結装置を有するサンプルチャンバアセンブリまたはその部分をキャリヤ管内部を通してキャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部から取り外し、次いでキャリヤ管から抜き出し得ることが更に好都合である。
【0012】
連結装置を有するサンプルチャンバアセンブリまたはその部分は、キャリヤ管の長手方向軸に直交するその断面が、キャリヤ管の長手方向軸に直交する当該キャリヤ管の内側の断面と少なくとも同等の大きさであることが好ましい。連結装置を有するサンプルチャンバアセンブリまたはその部分の断面はその輪郭(アウトラインエッジ)により特徴付けられるが、当該輪郭はキャリヤ管内側の断面にはみ出してはならない。なぜなら、そうでないとサンプルチャンバアセンブリまたはその部分をキャリヤ管を通して取り外せなくなる、または当該サンプルチャンバアセンブリまたはその部分をその長手方向軸に関して傾倒させた場合にのみ取り外し得るが、それでもうまく取り外せないかまたは相当努力しないと外せない。
【0013】
サンプルチャンバアセンブリは、相互にサンプルキャビティを包囲する第1及び第2の各部分を有し、キャリヤ管が、連結装置を格納する主要部分と、前記主要部分から脱着自在にその浸漬端上に配置した端部部分とを有し、サンプルチャンバアセンブリの前記第1部分が前記主要部分上に固定され前記第2部分がキャリヤ管の端部に固定されることが好ましい。かくして、サンプル採取後、サンプルチャンバアセンブリの各部分を相互に同時に取り外してキャリヤ管を容易且つ速やかに分解し、サンプル表面の一部を分析用に自由アクセス化させ得る。キャリヤ管は、主要部分と端部部分との連結点位置に所定の破断点を有するため、苦労して破壊分離または切断する必要がない。
【0014】
端部部分は押し嵌め連結またはネジ連結により主要部分に連結し得る。端部部分はクランプまたはステープルにより主要部分に連結し得ることが好ましい。かくして、サンプラーの移動及び使用上の連結の確実性が保証される一方、簡単なハンドルまたはツールを使用しての用意且つ迅速な分離が可能となる。サンプラーの浸漬端上に熱素子または電気化学的センサ等のセンサを追加する場合は、各センサの連結ワイヤをキャリヤ管の内部を通して引き回す。端部部分をキャリヤ管の主要部分から分離させる場合、それらの連結ワイヤもまた分離される。この場合、サンプルの被露出面、即ち、当該サンプル表面とサンプラーの浸漬端との間の露出面の下方で連結ワイヤを分離させる破断点または従来の分離機構を設け得る。かくして、連結ワイヤがサンプルの被分析表面上に来るまたは横断移動して分析を妨害する恐れが防止される。
【0015】
連結装置は、標準型キャリヤランスに簡単に連結させ得るよう、スナップまたはバヨネット、またはネジの各連結用に構成されるのが更に有益である。更には、サンプルチャンバアセンブリ特にはサンプルチャンバアセンブリの内壁内質量に対するサンプルキャビティ内の、メルト無しでのメルト採取質量の比が0.8未満、好ましくは最大0.1であることが好ましい。これにより、サンプルキャビティに流入するメルトが素早く冷却され、かくしてサンプル表面露呈時には既にメルトはその酸化が最大限において防止されるに十分冷却され、サンプル表面の後処理は不要となる。
【0016】
サンプルチャンバアセンブリはサンプルキャビティ用の内壁と外壁とを有し、外壁は内壁からある距離を置いて少なくとも部分的に当該内壁を包囲して中空空間を創出する。前記質量比はサンプルキャビティ用の内壁の材料に影響され得る。サンプルチャンバアセンブリの内壁は冷却効果を高めるべくその全体または一部を銅から作製し得る。内壁及び外壁間の部分的空間により生じる中空空間に不活性ガスを導入し、サンプルの直近環境に非酸化雰囲気を創出し得る。不活性ガスは、サンプルチャンバアセンブリの外壁を貫いて、または当該外壁まで配置された少なくとも1つのガスフローチャネルを持つ連結装置により供給されることが好ましい。
【0017】
上述した如きサンプラー用の本発明に従うサンプルチャンバアセンブリは、複数の部分から成る内壁により隣接位置で包囲されたサンプルキャビティを有し、また、当該サンプルキャビティ内に特にはスチールメルトであるメタルメルトまたは氷晶石メルトのサンプルを収受するべく当該サンプルキャビティに連結した入口管を有し、当該入口管は入口開口により当該サンプルキャビティ内に開口し、サンプルと内壁の材料との間の質量M(g)の比Vは式、
【数1】

で表される。
【0018】
ここで、mは内壁の質量(g)、cは比熱容量(J/kg・K)、λは内壁材料の熱伝導率(W/m・K)とする。比V<0.05であることが好ましい。それにより、流入メルトは1600℃以上(スチールメルトでの)の温度から200〜300℃に急冷され、かくして分析用の酸化のない表面を入手可能となる。サンプルは内壁用に好適な材料、例えば、中でもスチールまたは鉄、銅またはアルミニューム、の各サンプルであり得る。比V<0.3であっても尚、必要であれば有効サンプルを達成し得る。
【0019】
サンプルチャンバアセンブリはその内壁の2つの部分による平坦形状(例えば円形ディスク)を有し、内壁の一方の部分を外すと平坦で円滑なサンプル表面が露出される。内壁の、サンプルが最初に残る第2部分は、サンプルキャビティが充填されるとガスを通して逃がすための、または予めガスを吸引して真空を形成するための、そして必要であれば、もし流入メルトが余剰であれば当該余剰メルトをそこから排出させ得る開口を有し得る。当該開口を出たメルトはサンプル自体がそうである如く硬化して内壁の第2部分のサンプルを凝固させ、かくして分析用の供給がずっと容易化され得る。内壁の第1部分もまたサンプルキャビティを通気する開口を有し得る。
【0020】
通気を有効化するための、サンプルキャビティから当該サンプルキャビティの外側に通ずる通気用開口の全断面積(平方ミリでの)に対するサンプルキャビティのサンプル容積(立方ミリでの)の比は500mm未満、好ましくは100mm未満である。
サンプルチャンバアセンブリの壁の各部分はバネ、特には螺旋バネにより相互に押し付けられ、かくして相互保持され得る。
サンプルチャンバアセンブリは、サンプルチャンバを隣接位置で包囲する少なくとも2つの部分にして、相互着脱自在の各部分を有するのが有益である。
【0021】
入口管は入口開口位置でその断面が減少されることが好ましい。これにより、直径及び断面はその長さ方向全体ではほぼ一様であるが入口位置で断面が小さくなる管として構成される。メルトを入口管に流入させるための反対側の開口もまた断面が減少され得、当該断面はサンプルキャビティへの入口開口のそれより小さいことが好ましい。入口管の断面は円形であり、反対側の開口は直径約3mm、入口管はその長さ全体に渡り直径約8mm、サンプルキャビティへの入口開口は直径約6mmであることが好ましい。
【0022】
本発明に従えば、本発明に従うサンプラーを使用しての600℃以上の温度のメルト、特にはメタルメルトまたは氷晶石メルト、特には鉄またはスチールメルトのメルトからのサンプル採取方法であって、
キャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部を通してキャリヤランスをキャリヤ管に押し込み、
キャリヤランスをサンプルチャンバアセンブリの連結装置に連結し、
次いでキャリヤ管の浸漬端をメルトに浸漬させてサンプルチャンバアセンブリのサンプルキャビティにメルトを充填させ、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤランスを使用してキャリヤ管を通して引き、次いでキャリヤ管の、浸漬端とは反対側の端部から引き抜き、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤランスを引き抜いた後、サンプルチャンバアセンブリ内に配置されたサンプルの表面の一部を、サンプルチャンバアセンブリの周囲環境(またはサンプルチャンバアセンブリの内壁と外壁との間に配置された中空空間)との直接接触状況に持ち来し、
分光器を有するランスをキャリヤ管に押し込み、次いで該分光器の支援下に前記サンプルの表面を分析すること、を含む方法が提供される。
【0023】
本発明に従う他の様相において、本発明に従うサンプラーを使用しての600℃以上の温度のメルト、特にはメタルメルトまたは氷晶石メルト、特には鉄またはスチールメルトのメルトからのサンプル採取方法であって、
キャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部を通してキャリヤランスをキャリヤ管に押し込み、
キャリヤランスをサンプルチャンバアセンブリの連結装置に連結し、
次いでキャリヤ管の浸漬端をメルトに浸漬させてサンプルチャンバアセンブリのサンプルキャビティにメルトを充填させ、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤランスを使用してキャリヤ管を通して引き、次いでキャリヤ管の、浸漬端とは反対側の端部から引き抜き、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤ管から引き抜いた後、サンプルチャンバアセンブリ内に配置されたサンプルの表面の一部を、サンプルチャンバアセンブリの周囲環境(またはサンプルチャンバアセンブリの内壁と外壁との間に配置された中空空間)との直接接触状況に持ち来し、
把持部又は操作部を有するランスをキャリヤ管に押し込み、次いで該把持部又は操作部でサンプルを把持し、把持したサンプルをサンプルチャンバアセンブリから取り出してキャリヤ管を通して引いてキャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部から抜き出すこと、を含む方法が提供される。
【0024】
このようにサンプルは比較的良好に保護された環境内に比較的長時間止まり、サンプル表面が直ちに酸化しない温度に達するまでそこで冷却され得るため、当該サンプルをそれ以上処理せずに分析できる。メルト温度が1450℃以上である鉄またはスチールのメルトに関しては前記冷却温度幅は数百℃、例えば200〜300℃であるに過ぎない。かくして、分析は比較的保護された環境下において、サンプル自体をキャリヤ管から取り外すことなく実施される。これは、特に、サンプルチャンバアセンブリの、キャリヤランスで取り外さない一部を、種々の理由からキャリヤ管を破壊せずには取り外し得ないように当該キャリヤ管の浸漬端に固定する場合に有益であり得る。
キャリヤ管から抜き取ったサンプルチャンバは分析装置に送られるのが好ましい。
【0025】
また、連結装置を有するサンプルチャンバアセンブリの部分をキャリヤ管から抜き取った後、サンプルチャンバアセンブリ内のサンプルの表面の一部をサンプルチャンバアセンブリの周囲環境(またはサンプルチャンバアセンブリの内壁と外壁との間に位置付けられる中空空間)との直接接触状況に持ち来し、キャリヤ管の浸漬端からサンプルを取り外し、その際、サンプルを当該浸漬端を通して、あるいは浸漬端またはその一部をサンプルと共にキャリヤ管から取り出すのが有益であり得る。これは、構成または操作上の事情からキャリヤ管内で分析またはキャリヤ管を通しサンプルを取り出せない場合に有効である。サンプルをキャリヤ管の外側の分析装置に搬送するのが有益である。
【0026】
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの連結装置を有する部分をキャリヤ管から抜き出す前にキャリヤ管をメルトから引き出すのが更に有益である。また、サンプル採取中及び又はその後にサンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの中空空間内に不活性ガスを導通させるのが有益であり得る。これにより、サンプル中への酸素流入が防止されるので、高温下でもサンプルは酸化されず、サンプルを追加的な後処理無しで分析可能となる。
【発明の効果】
【0027】
既知のサンプラー、詳しくは、メタルメルトまたは氷晶石メルト、特には鉄またはスチールメルトからのサンプル採取用サンプラーが改善され、サンプルのより高速な分析が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に従うサンプラーの概略図である。
【図2】サンプル除去後のサンプラーの各部分図である。
【図3】分析前におけるサンプラーの各部分図である。
【図4】サンプルチャンバの部分図である。
【図5】キャリヤ管内部での分析状況を示す側面図である。
【図6】キャリヤ管内のサンプルの除去状況を示す側面図である。
【図7】サンプラーの浸漬端を分離させることによる分析準備状況を示す側面図である。
【図8】本発明に従う更に他のサンプラーの側面図である。
【図9】型からのサンプル取り出し中におけるサンプラーの更に他の部分の側面図である。
【図10】サンプルチャンバアセンブリの内壁の上方部分の例示図である。
【図11】サンプルチャンバアセンブリの内壁の下方部分の例示図である。
【図12】内壁及び外壁を有するサンプルチャンバアセンブリの側面図である。
【図13】型から取り出した、内壁及び外壁を有するサンプルチャンバアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1にはサンプラーの浸漬端の側方断面が示される。メタルメルトサンプル用の入口管2と、熱素子3とがキャリヤ管1の浸漬端位置で開放される。入口管2はメタルキャップ4で保護される。メタルキャップと外側保護キャップ5とは金属製であり、それら部材の搬送中の損傷及び、スラグ層へのサンプラー差し込みに際しての、メタルメルト、例えばスチールメルト浸漬後に入口管2の開口が自由開放される以前における損傷を防止する。熱素子3及び入口管2は耐火性胴部6内に固定される。入口管2は下方冷却用胴部7内に開口し、当該胴部の通過開口8を通してメタルメルトがサンプルキャビティ9内に入る。サンプルキャビティはその上側(浸漬方向から見て)が上方冷却用胴部10により閉鎖される。冷却用胴部7及び10は銅製とされ得、かくして捕捉したサンプルからの排熱が早まり、サンプルが素早く冷却される。下方冷却用胴部7及び上方冷却用胴部10は共にサンプルチャンバアセンブリの内壁から構成される。サンプルキャビティ9それ自体は厚さ約2mm、直径約28mmである。
【0030】
冷却用胴部7及び10の質量に対する、サンプルキャビティ9に流入するスチールメルトの質量比は、メタルメルトが約200℃の温度に極めて急速に冷却されて硬化するよう0.1未満であるのが好ましい。冷却用胴部7及び10は銅製である。各図に示す相対寸法において、前記質量比Vは約0.0167である。上方冷却用胴部10は螺旋バネにより下方冷却用胴部7に押し付けられ、かくしてサンプルキャビティ9がシールされる。螺旋バネ11の対向表面はサンプルチャンバアセンブリの上方外壁部分12及び下方外壁部分12’で構成される。下方外壁部分12’は入口管2用の通し開口を有すると共に、螺旋バネ11及び冷却用胴部7、10に対する下方の対向面を形成する。冷却用胴部7及び10はサンプルチャンバアセンブリの内壁を構成する。上方外壁部分12及び下方外壁部分12’から成る2つの部分は相互固定され且つシール13によりシールされる。
【0031】
上方外壁部分12の上側には図示しないキャリヤランス用の連結装置14が配置される。連結装置14はキャリヤランスを固定するスナップ式連結体として構成され、サンプル採取後、上方外壁部分12を上方冷却用胴部10と共に、または下方外壁部分12’及び下方冷却用胴部7を含むサンプルチャンバアセンブリ全体と共にさえ、キャリヤ管1を通して上方に抜き出し得る。サンプルチャンバアセンブリ全体を抜き出す場合、サンプルチャンバアセンブリの下方部分に固定した入口管2も抜き出し得る。
【0032】
連結装置14は、当該連結装置の長手方向軸内を本来通るガス流れチャネルを有し、当該チャネルはキャリヤランスを介して不活性ガス源に接続され得ると共に、前記不活性ガスをサンプルチャンバアセンブリの中空空間15内に導通させ得、かくして、サンプルキャビティ9から下方冷却用胴部7を取り外すとサンプルは不活性ガスで包囲されるため酸化しない。熱素子3は既知の如く、浸漬端とは反対側の端部位置に略示する電気接点を有し、同様に既知の如く、外部の評価装置に熱素子の電気信号を送信するようキャリヤランスに連結され得る。
【0033】
図2には、上方外壁部分12、上方冷却用胴部10、螺旋バネ11、を含むサンプルチャンバアセンブリの上方部分を、メタルメルトを充填したサンプルキャビティ9、下方冷却用胴部7、下方外壁部分12’、を含むサンプルチャンバアセンブリの下方部分から取り外す状況が示される。前記下方部分をサンプルチャンバアセンブリの上方部分から分離させた後、当該下方部分をキャリヤ管1の浸漬端から抜き出し、かくしてサンプルキャビティ9内の且つその間冷却されたサンプルを分析用に分光器16(図3参照)に搬送し得る。
図4には、サンプルチャンバアセンブリ全体の、入口管2を含む下方部分を耐火性胴部6から取り外す状況が示される。
【0034】
サンプルチャンバアセンブリの上方部分をキャリヤランス1を通して取り外す状況が図5に示される。図5ではサンプルチャンバアセンブリの上方部分を取り外し、サンプルキャビティ9内のサンプルの表面が露出された後、分光器16’が分光器ランス17の支援下にキャリヤ管1内をサンプルキャビティ9まで挿通され、かくしてキャリヤ管1内でサンプル分析を実施し得る。ここで、“サンプル分析”とは、判定装置、コンピューターその他に判定信号を送るところの分光器16、16’による、前記判定(及び信号判定)上必要な光信号の受信を意味するものとする。
図6にはサンプル分析の他の実施例が示される。当該実施例は図5のそれとは異なり、サンプルチャンバアセンブリの上方部分の取り外し後、グリップ−ランス18をキャリヤ管内に導入し、当該グリップ−ランスの支援下にグリップ19でサンプル20を把持し、把持したサンプルをキャリヤ管1を通して抜き出し、かくしてサンプル20をグリップ−ランス18の支援下に分光器16に搬送し得る。
【0035】
図7には図2に示す特定実施例の別態様が示される。サンプルチャンバアセンブリの下方部分を耐火性胴部6と共にキャリヤ管の浸漬端から下方に抜き出すのに代えて、サンプルチャンバアセンブリの上方部分をキャリヤランスを用いてキャリヤ管1を通して取り外した後、キャリヤ管1の浸漬端21をサンプルキャビティ9の略高さ位置のマーキング22に沿ってキャリヤ管1の残余部分から分離させ得る。図7に略示した従来のカッティングツール23を当該分離用に使用し得る。この場合でも、サンプルはその後分析のために分光器16に送達され得る。
【0036】
浸漬端切り離しに代えて、当該浸漬端をもその他の何らかの方法で破壊してサンプルを取り出し、分析用に送達させ得る。この場合でも、サンプルはキャリヤ管1から取り出す以前に冷却用胴部7、10により充分冷却される。浸漬端21を分離し、サンプルチャンバの下方部分を取り外した後は、分析のためのサンプルへのアクセス性が無いため、サンプルの被分析表面を露呈させ、必要であれば不活性雰囲気内で“清浄化”する。
【0037】
図8には図1の実施例の別態様または図1の実施例における好ましい態様のサンプラー実施例が示される。当該サンプラーのサンプルチャンバアセンブリの内部構造は図1に示す特定実施例のそれと同様である。冷却用胴部7、10は銅製とされる。図示例の相対寸法上の比Vは約0.0167である。
入口管2は直径約8mm、その入口開口23は直径約6mm、反対側の開口24の直径は約3mmである。脱酸素剤25としてのアルミニュームが入口管2内に配置される。また、入口管2にはその耐火性胴部6に熱素子3が固定されると共に、熱素子ワイヤ22により測定エレクトロニクスユニットに接続される。
厚紙製のキャリヤ管1はその浸漬端上に厚紙管26を有する。当該キャリヤ管は連結管27によりキャリヤ管1に連結され、連結管はキャリヤ管1及び厚紙管26の接触端を相互連結する。連結管27の外側円周部はキャリヤ管1及び厚紙管26と略面一位置で終端する。キャリヤ管1内には内側連結管27’が配置され、当該内側連結管が厚紙管26及びキャリヤ管1間の連結点を架橋し、その内側部分をサンプルチャンバの上方外壁部分12に接触させて当該上方外壁部分を固定する。
【0038】
キャリヤ管1、厚紙管26、連結管27、27’はクランプ28、28’により相互連結される。当該相互連結は簡単な機械的作用を介して容易に脱着され、その際、キャリヤ管1を厚紙管26から取り外すとサンプルチャンバアセンブリの外壁12の、内側連結管27’でキャリヤ管1に連結した上方部分がキャリヤ管1上に残り、下方外壁部分12’は厚紙管26上に固定されてそこに残り、かくして上方及び下方の各外壁部分12、12’が相互脱着される。
【0039】
本実施例では連結管27は大型クランプ28と共にキャリヤ管1及び内側連結管27’に連結され、他方、厚紙管26は小型クランプ28’と共に内側連結管27’に連結される。小型クランプ28’との当該連結は、例えば、図9に示す如く、キャリヤ管1を厚紙管26に関して回転させることで脱着される。この場合、センサの連結ワイヤ、即ち、熱素子ワイヤ22も分離される。分離は、例えば図9に示す如く、当該分離中に露呈されるサンプルの被分析表面の下方、即ち、被分析表面とサンプラーの浸漬端との間で生じるため、分離された熱素子ワイヤが被分析表面の正面に来て分析を妨害する恐れはない。
【0040】
冷却用胴部10が既に取り外されて円滑で平坦なサンプル表面が露出されていることから、サンプルと共に分離された後サンプルキャビティ9は分析用のアクセス性を有する。下方冷却用胴部7内に配置した開口29がサンプルキャビティを、内壁の冷却用胴部7と外壁の下方外壁部分12’との間に形成された中空空間15に連結する。サンプルキャビティからの余剰メルトは、サンプルキャビティの円周方向に開口するよう円形に一様に配置した開口29から排出され得、かくして気泡のないサンプルが入手される。排出されたメルトは硬化し、かくしてサンプルチャンバアセンブリの当該部分内でサンプルを固定状態で保持するため、サンプルをサンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの一部、即ち、浸漬端に面する下方部分と共に分析用に送達し得る。
【0041】
図10には上方冷却用胴部10の断面及びその平面図が示される。上方冷却用胴部はその上側に、縁部30を有する流器部分を有する。縁部30上には螺旋バネ11が固定される。上方冷却用胴部10の反対側下部にはサンプルキャビティ9の上方部分31が配置される。横方向の円形通気開口32はガス循環、または中空空間15からのガスを緩く供給または放出させるために使用される。
図11には下方冷却用胴部7の断面及びその平面図が示される。下方冷却用胴部内には、メタルメルト用の通し開口8のみならず、入口管2用の受け33も位置される。ガスはサンプル採取前あるいはその間、通気開口35を通してサンプルキャビティ9から逃出させ得る。通気開口35は開口29に接続され、余剰メルトはサンプルキャビティの下方部分34から排出され得る。
【0042】
各図の例示構成におけるサンプルキャビティの容積(mm3での)の、通気用開口の全断面積(mm2)に対する比は約72mmであり、この場合のサンプルキャビティ9の容積は1230mm3、円形通気開口32、35の全断面積は約17mm2である。
図12及び図13には、夫々組み立て状態(図12)及び型から取り外した状態(図13)での、内壁及び外壁を有するサンプルチャンバアセンブリが示される。上方外壁部分12及び下方外壁部分12’はアルミニューム製である。これら外壁部分は、螺旋バネ11により相互押圧され且つサンプルキャビティ9で包囲される冷却用胴部7、10を把持する。明瞭に図示される如く、入口管2は減径された2つの端部、入口開口23及びその反対側の開口24、を有する。外壁の上方外壁部分12のガス流れチャネル36も示される。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0043】
1 キャリヤ管
2 入口管
3 熱素子
4 メタルキャップ
5 外側保護キャップ
6 耐火性胴部
7 下方冷却用胴部
8 通し開口
9 サンプルキャビティ
10 上方冷却用胴部
11 螺旋バネ
12 上方外壁部分
13 シール
14 連結装置
15 中空空間
16 分光器
17 分光器ランス
18 グリップ−ランス
19 グリップ
20 サンプル
21 浸漬端
22 熱素子ワイヤ
23 カッティングツール
24 開口
25 脱酸素剤
26 厚紙管
27 連結管
28 大型クランプ
29 開口
30 縁部
31 上方部分
32 円形通気開口
34 下方部分
35 通気開口
36 チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
600℃以上のメルトポイントを有するメルト、特にメタルまたは氷晶石メルトからのサンプル採取用のサンプラーであって、
浸漬端を有するキャリヤ管と、キャリヤ管の浸漬端上に配置されたサンプルチャンバアセンブリとを含み、
該サンプルチャンバアセンブリがメルト用の入口開口及びサンプルキャビティを有し、
前記サンプルチャンバアセンブリがキャリヤ管の少なくとも部分的に内側に配置され、
前記サンプルチャンバアセンブリが、キャリヤランスに連結するべくキャリヤ管内部に配置した連結装置をその外側表面の一部上に有し、
前記サンプルチャンバアセンブリが、サンプルキャビティのための内壁と、ある距離を置いて該内壁を少なくとも部分的に包囲して該内壁との間に中空空間を創出する外壁とを有するサンプラー。
【請求項2】
前記サンプルチャンバアセンブリが、サンプルキャビティを直接包囲し且つ相互脱着自在の複数の部分を有し、該複数の部分の少なくとも1つがキャリヤ管の内部に配置される請求項1に記載のサンプラー。
【請求項3】
前記サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの連結装置を有する部分が、当該サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの連結装置を有する部分がキャリヤ管の内側を通して該キャリヤ管の、浸漬端とは反対側の端部に可動であり且つキャリヤ管を出るように可動である請求項1または2に記載のサンプラー。
【請求項4】
前記サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの連結装置を有する部分が、キャリヤ管の長手方向軸に直交する断面を有し、該断面が、前記キャリヤ管の内側の、該キャリヤ管の長手方向軸に直交する断面と同等の大きさである請求項1〜3の何れかに記載のサンプラー。
【請求項5】
前記サンプルチャンバアセンブリが、相互にサンプルキャビティを包囲する第1部分及び第2部分を有し、キャリヤ管が、連結装置を格納する主部分と、キャリヤ管の浸漬端位置に配置した端部分にして、前記主部分から脱着自在の端部分とを有し、前記サンプルチャンバアセンブリの第1部分が前記主部分上に固定され、サンプルチャンバアセンブリの前記第2部分がキャリヤ管の端部分上に固定される請求項2に記載のサンプラー。
【請求項6】
前記端部分が押し嵌め連結またはネジ連結により主部分に連結される請求項5に記載のサンプラー。
【請求項7】
前記端部分がクランプまたはステープルにより主部分に連結される請求項5または6に記載のサンプラー。
【請求項8】
前記連結装置が、スナップ連結部またはバヨネット連結部またはネジ連結部として構成される請求項1〜7の何れかに記載のサンプラー。
【請求項9】
メルトのない状態でのサンプルチャンバアセンブリの質量に対するサンプルキャビティ内に収受されるメルトの質量が0.8未満であり、好ましくは最大で0.1である請求項1〜8の何れかに記載のサンプラー。
【請求項10】
連結装置が少なくとも1つのガスフローチャネルを有し、該ガスフローチャネルが、サンプルチャンバアセンブリの外壁を貫いて、または前記外壁まで配置された請求項1〜9の何れかに記載のサンプラー。
【請求項11】
複数の部分から成る内壁により直接包囲されるサンプルキャビティと、該サンプルキャビティ内の、特にはスチールメルトであるメタルメルトまたは氷晶石メルトのサンプルを収受するべく該サンプルキャビティに連結した入口管とを含み、前記入口管が入口開口においてサンプルキャビティ内に開口し、サンプルと、前記内壁の材料との間の質量Mの比Vが式、
【数1】

で表され、
前記mは内壁の質量(g)、cは比熱容量(J/kg・K)、λは内壁材料の熱伝導率(W/m・K)である請求項1〜10の何れかに記載のサンプラー用のサンプルチャンバアセンブリ。
【請求項12】
前記比Vが<0.05である請求項11に記載のサンプラー用のサンプルチャンバアセンブリ。
【請求項13】
通気用開口の全断面積に対するサンプルキャビティの容積の比が500mm未満、好ましくは100mm未満である請求項11または12に記載のサンプラー用のサンプルチャンバアセンブリ。
【請求項14】
サンプルキャビティを直接包囲する、相互に着脱自在の少なくとも2つの部分を有する請求項11〜13の何れかに記載のサンプラー用のサンプルチャンバアセンブリ。
【請求項15】
入口管の断面はその入口開口位置で低減される請求項11〜14の何れかに記載のサンプラー用のサンプルチャンバアセンブリ。
【請求項16】
請求項1〜10の何れかに記載のサンプラーを使用しての、600℃以上のメルトポイントを有するメルト、特にメタルまたは氷晶石メルトからのサンプル採取方法であって、
キャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部を通してキャリヤランスをキャリヤ管に押し込み、
キャリヤランスをサンプルチャンバアセンブリの連結装置に連結し、
次いでキャリヤ管の浸漬端をメルトに浸漬させてサンプルチャンバアセンブリのサンプルキャビティにメルトを充填させ、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤランスを使用してキャリヤ管を通して引き、次いでキャリヤ管の、浸漬端とは反対側の端部から引き抜き、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤランスを引き抜いた後、サンプルチャンバアセンブリ内に配置されたサンプルの表面の一部を、サンプルチャンバアセンブリの周囲環境と直接接触する状況に持ち来し、
分光器を有するランスをキャリヤ管に押し込み、次いで該分光器の支援下に前記サンプルの表面を分析すること、を含む方法。
【請求項17】
請求項1〜10の何れかに記載のサンプラーを使用しての、600℃以上のメルトポイントを有するメルト、特にメタルまたは氷晶石メルトからのサンプル採取方法であって、
キャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部を通してキャリヤランスをキャリヤ管に押し込み、
キャリヤランスをサンプルチャンバアセンブリの連結装置に連結し、
次いでキャリヤ管の浸漬端をメルトに浸漬させてサンプルチャンバアセンブリのサンプルチャンバのサンプルキャビティにメルトを充填させ、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤランスを使用してキャリヤ管を通して引き、次いでキャリヤ管の、浸漬端とは反対側の端部から引き抜き、
サンプルチャンバアセンブリまたはサンプルチャンバアセンブリの、連結装置を有する部分をキャリヤ管から引き抜いた後、サンプルチャンバアセンブリ内に配置されたサンプルの表面の一部を、サンプルチャンバアセンブリの周囲環境と直接接触する状況に持ち来し、
把持部を有するランスをキャリヤ管に押し込み、次いで該把持部でサンプルを把持し、把持したサンプルをサンプルチャンバアセンブリから取り出してキャリヤ管を通して引いてキャリヤ管の浸漬端とは反対側の端部から抜き出すこと、を含む方法。
【請求項18】
キャリヤ管から抜き出したサンプルを分析装置に送ることを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
サンプル採取中及び又は採取後、サンプルチャンバアセンブリまたは該サンプルチャンバアセンブリの中空空間内に不活性ガスを導通させる請求項16〜18の何れかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−242396(P2012−242396A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113600(P2012−113600)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(598083577)ヘレーウス エレクトロ−ナイト インターナシヨナル エヌ ヴイ (37)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Electro−Nite International N.V.
【住所又は居所原語表記】Centrum Zuid 1105, B−3530 Houthalen,Belgium
【Fターム(参考)】