説明

溶融紡糸されたモノフィラメントまたは弾性テープおよびプロセス

本発明は、熱可塑性プラスチックポリウレタン(TPU)組成物から、溶融紡糸された弾性テープ、重デニールモノフィラメント繊維(スパンデックス)および種々の断面の形状を作製するためのプロセスに関する。溶融紡糸され、モノフィラメント繊維デニールを重くしている弾性テープのような物品が、熱可塑性ポリウレタン(TPU)ポリマーから作製される。この物品を作製するプロセスは、溶融紡糸された物品を冷却するために、実質的に水平な冷却を使用する工程を包含する。好ましくは、この冷却は、水浴によって達成される。架橋剤は、この物品の弾性特性を高めるために、溶融されたTPUポリマーに添加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2003年6月30日に出願された仮出願番号60/483,826に準拠して出願し、そしてこれから優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、熱可塑性プラスチックポリウレタン(TPU)組成物から、溶融紡糸された弾性テープ、重デニールモノフィラメント繊維(スパンデックス)および種々の断面の形状を作製するためのプロセスに関する。このプロセスは、先行技術のプロセスに関して経済的利点を有し、そして非常に優れた製品を生み出す。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
熱可塑性プラスチックポリウレタン(TPU)から作製される弾性テープには、多くの用途(衣料品の適用(例えば、弾性のウェストバンド、ブラジャーのストラップなど)における用途を含む)がある。弾性テープを作製する先行技術の方法は、TPUの広いシートを押出す工程を包含し、この押出し工程は、このTPUの広いシートをロールへと巻き上げながら、この巻上げ機能を、この大きなシートが細長く切られて所望の限られた広さにスリットするスリッティング操作に移行しながら、押出す工程である。そしてこの限られたテープは、後の最終用途のために、個々のロールへと巻き上げられる。この先行技術の方法は、この弾性テープの値段を上げる複数の工程を包含する。
【0004】
この弾性テープを作製する別の先行技術の方法は、所望の寸法のテープへとTPUを押出すことである。この方法はまた、このテープが作製され得る速度に限界がある。上記弾性テープはまた、TPUを溶媒中に溶解させ、そしてこの溶液をテープに鋳造することにより、作製され得る。この方法は、溶媒を使用するという短所を有する。
【0005】
乾燥紡糸法または溶融紡糸法のいずれかにより、TPU繊維を産生することが公知である。この乾燥紡糸法は、今日商業的に使用されている最も一般的な方法である。上記乾燥紡糸法は、溶媒を必要とし、そしてこれには、莫大な初期資本投資の資金を有する。上記溶融紡糸法は、より環境に優しく、そしてより少ない資本投資を必要とする。乾燥紡糸プロセスおよび溶融紡糸プロセスの両方が、小さなデニールTPU繊維(通常は、10デニールサイズ〜70デニールサイズ)を作製する際に使用される。繊維サイズは、デニールで表現され、このデニールは、この繊維の9000メートル長のグラム単位の重さである。従って、20デニールの繊維は、9000メートル長の線維が20グラムの重さである繊維である。
【0006】
繊維の通常の溶融紡糸または乾燥紡糸においては、この線維がスピナレットを出た後、この繊維は、一連のローラーを通過(travel through)し、鉛直方向の花綱(vertical festoon)を形成してこの繊維を空冷し、その後、ボビンへと巻かれる。この方法は、小さなサイズの繊維に対して十分に機能する。より大きなデニール繊維(例えば、100〜10,000デニールの繊維)が、装置のこの型に基づいて生産される場合、この熱い繊維は、鉛直方向の花綱クーラーを通っている場合には、たるむかまたは曲がる。この繊維の重量は、曲げることなしには鉛直位置へと引っ張れない程大きく、そしてより大きなサイズの繊維は、冷却するのが遅く、従って、この問題を際立たせる。
【0007】
大きなデニールの線維が所望される場合、現在、小さいデニールの繊維のいくつかのフィラメントを一緒に巻いて大きなサイズを作ることにより、作製されており、例えば、撚糸またはロープについてなされている。このフィラメント鎖は、大きなデニール繊維を含む衣料品を縫う際に問題を発生し得る。
【0008】
弾性テープ、重デニールモノフィラメント繊維および他の種々の断面形態をTPUから生産するための溶融紡糸プロセスを有することが所望される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(発明の要旨)
熱可塑性ポリウレタンポリマーが弾性テープへと直接的に溶融紡糸され、これによってテープの作製の際のスリッティング工程を排除する新規の溶融紡糸プロセスにより、弾性テープを作製することが本発明の目的である。
【0010】
重デニールモノフィラメント溶融紡糸繊維をTPUポリマーから作製することは、本発明の別の目的である。
【0011】
TPUポリマーを溶融紡糸することにより種々の形態の物品を製造することは、本発明のさらなる目的である。
【0012】
これらの目的および他の目的は、以下の工程:
(a)好ましくは押し出し成形機を用いることにより、TPUポリマーを溶融する工程;
(b)上記溶融TPUポリマーに架橋剤を添加し、その弾性特性を増強する工程;
(c)上記溶融したTPUポリマーをマニホルドに供給する工程であって、上記マニホルドが上記TPUポリマー溶融物を複数の溶融流れへと分割する工程;
(d)上記複数の溶融流れの各々を、メルトポンプ(melt pump)を用いて複数のスピナレットに供給する工程であって、ここで、各スピナレットは、開口部を有し、この開口部では、上記溶融物が出て、所望の形態の物品を形成する、工程;
(e)実質的に水平方向の冷却工程、好ましくは水浴に上記物品を通すことにより、上記物品を冷却する工程;および
(f)上記物品をロールまたはボビンへと巻く、工程
を包含する溶融紡糸プロセスを用いることにより、達成される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明において使用されるTPUポリマーの型は、このTPUポリマーが十分な分子量を有する限り、当該分野において公知の任意の従来のポリマーであり得る。このTPUポリマーは、一般的に、ポリイソシアネートと中間体(例えば、ヒドロキシル末端を有するポリエステル、ヒドロキシル末端を有するポリエーテル、ヒドロキシル末端を有するポリカーボネートおよびこれらの混合物)を一種以上の鎖長延長剤と反応させることにより調製され、この鎖長延長剤の全ては、当業者に周知である。
【0014】
このヒドロキシル末端を有するポリエステル中間体は、一般的に、約500〜約10,000、望ましくは約700〜約5,000、そして好ましくは約700〜約4,000の数平均分子量(Mn)を有する直線状ポリエステルであり、この直線状ポリマーエステルは、一般的に1.3未満、好ましくは0.8未満の酸価を有する。この分子量は、末端官能基のアッセイにより決定され、そして数平均分子量に関連する。このポリマーは、(1)一種以上のグリコールと一種以上のジカルボン酸もしくは無水物とのエステル化反応、または(2)トランスエステル化反応(すなわち、一種以上のグリコールとジカルボン酸エステルとの反応)により生成される。末端ヒドロキシル基の優位(preponderance)を有する直鎖を得るために、一般に、酸に対する一モル以上のグリコールの一般的に過剰なモル比が好まれる。適切なポリエステル中間体としてはまた、種々のラクトン(例えば、代表的には、ε−カプロラクトンから作製されるポリカプロラクトンおよび二官能性開始剤(例えば、ジエチレングリコール))が挙げられる。所望のポリエステルのジカルボン酸は、脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、またはこれらの組み合わせであり得る。単独でかまたは混合物中で使用され得る適切なジカルボン酸は、一般的に、合計4個〜15個の炭素原子を有し、そしてこれの例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオイック酸(dodecanedioic)、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸の無水物(例えば、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物など)もまた使用され得る。アジピン酸は、好ましい酸である。反応して所望のポリエステル中間体を形成するグリコールは、脂肪族、芳香族、またはこれらの組み合わせであり得、そして全部で2個〜12個の炭素原子を有し、これらとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、ドデカンメチレングリコールなどが挙げられ、1,4−ジブタンジオールが好ましいグリコールである。
【0015】
ヒドロキシル末端を有するポリエーテル中間体は、全部で2個〜15個の炭素原子を有する、ジオールまたはポリオールに由来するポリエーテルポリオール、好ましくは、2個〜6個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを含むエーテルと反応する、アルキルジオールまたはグリコール、代表的には、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドまたはこれらの混合物である。
例えば、ヒドロキシル官能ポリエーテルは、最初にプロピレングリコールとプロピレンオキシドとを反応させ、次いで、続いてエチレンオキシドと反応させることにより、生成され得る。エチレンオキシドから生じる第一級ヒドロキシル基は、第二級ヒドロキシル基より反応性であり、従って、第一級ヒドロキシル基が望ましい。市販されている有用なポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコールと反応するエチレンオキシドを含むポリ(エチレングリコール)、プロピレングリコールと反応するプロピレンオキシドを含むポリ(プロピレングリコール)、テトラヒドロフランと反応する水を含むポリ(テトラメチルグリコール)(PTMEG)が挙げられる。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)は、好ましいポリエーテル中間体である。ポリエーテルポリオールはさらに、アルキレンオキシドのポリアミド付加物を含み、そしてこれとしては、例えば、エチレンジアミンとプロピレンオキシドとの反応生成物を含むエチレンジアミン付加物、ジエチレントリアミンとプロピレンオキシドとの反応生成物を含むジエチレントリアミン付加物、および同様のポリアミド型のポリエーテルポリオールが挙げられ得る。コポリマーはまた、本発明において利用され得る。代表的なコポリエーテルとしては、THFとエチレンオキシドとの反応生成物またはTHFとプロピレンオキシドとの反応生成物が挙げられる。これらは、BASFより、ポリTHF−B(ブロックコポリマー)およびポリTHF R(ランダムコポリマー)として利用可能である。種々のポリエーテル中間体は、一般的に、末端官能基のアッセイにより決定されるように、約700より大きい平均分子量(例えば、約700〜約10,000、望ましくは約1000〜約5000、そして好ましくは約1000〜約2500)である数平均分子量(Mn)を有する。特定の望ましいポリエーテル中間体は、2個以上の別個の分子量ポリエーテルのブレンド(例えば、2000MのPTMEGと1000MのPTMEGとのブレンド)である。
【0016】
本発明の最も好ましい実施形態は、2個以上のポリエーテル中間体のブレンドを使用し、そして一方のポリエーテルは、他方のポリエーテルよりも高分子量である。この低分子量ポリエーテルは、700ダルトン〜1500ダルトンの分子量Mnを有し、その一方で、高分子量のポリエーテルは、約1500ダルトン〜約4000ダルトンのMn(好ましくは、約1800ダルトン〜約2500ダルトン)を有する。このブレンドは、1200ダルトンよりも大きな(好ましくは1500ダルトンよりも大きな)加重平均分子量(weighted average molecule weight)を有するはずである。例えば、2000Mのポリエーテル(70重量%)と1000Mのポリエーテル(30重量%)とのブレンドのサンプル1000グラムは、この1000グラムの混合物中に、加重平均M1538ダルトンの2成分を有する。この2000Mポリエーテル成分は、0.35モル(1000×0.7/2000)を有する。この1000Mポリエーテル成分は、0.3モル(1000×0.3/1000)を有する。この全モルは、1000グラムのサンプル中に、0.65(0.35+0.3)モルであり、そして(1000/0.65)の加重平均Mすなわち1538Mを有する。
【0017】
このブレンドにおける第一のポリエーテルヒドロキシル末端を有する中間体と第二のヒドロキシル末端中間体との重量比は、約60:40〜約90:10、好ましくは、約70:30〜90:10である。第一のポリエーテル中間体の量は、第二の中間体の量よりも大きい。
【0018】
本発明のポリカーボネートベースのポリウレタン樹脂は、ジイソシアネートをヒドロキシル末端を有するポリカーボネートと鎖長延長剤とのブレンドと反応させることにより、調製され得る。このヒドロキシル末端を有するポリカーボネートは、グリコールをカーボネートと反応させることにより調製され得る。
【0019】
米国特許第4,131,731号は、ヒドロキシル末端を有するポリカーボネートおよびその調製の開示に関して、本明細書中に参考として援用される。このようなポリカーボネートは、直鎖であり、そして他の末端基を本質的に含まずに、末端ヒドロキシル基を有する。本質的な反応物は、グリコールおよびカーボネートである。適切なグリコールは、4個〜40個の炭素原子、好ましくは、4個〜12個の炭素原子を含む、脂環式ジオールおよび脂肪族ジオール、ならびに1分子あたり2個〜20個のアルコキシ基(各アルコキシ基が、2個〜4個の炭素原子を含む)を含むポリオキシアルキレングリコールから選択される。本発明において使用するために適切なジオールとしては、4個〜12個の炭素原子を含む脂肪族ジオール(例えば、ブタンジオール−1,4、ペンタンジオール−1,4、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール−1,6、2,2,4−トリメチルヘキサンジオール−1,6、デカンジオール−1,10、水素化ジリノレイルグリコール、水素化ジオレイルグリコール);ならびに脂環式ジオール(例えば、シクロヘキサンジオール−1,3、ジメチロールシクロヘキサン−1,4、シクロヘキサンジオール−1,4、ジメチロールシクロヘキサン−1,3、1,4−エンドメチレン−2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、およびポリアルキレングリコール)が挙げられる。この反応において使用されるジオールは、仕上げられる製品において望まれる特性に依存して、単一のジオールであっても、ジオールの混合物であってもよい。
【0020】
ヒドロキシル末端を有するポリカーボネート中間体は、当該分野において、そして文献において、一般的に公知のものである。適切なカーボネートは、以下の一般式:
【0021】
【化1】

を有する5〜7員環からなるアルキレンカーボネートから選択される。ここで、Rは、2個〜6個の直鎖炭素原子を含む、飽和の二価の基である。本明細書中で使用するために適切なカーボネートとしては、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−エチレンカーボネート、1,3−ペンチレンカーボネート、1,4−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、および2,4−ペンチレンカーボネートが挙げられる。
【0022】
また、本明細書中で適切なものは、ジアルキルカーボネート、脂環式カーボネート、およびジアリールカーボネートである。ジアルキルカーボネートは、2個〜5個の炭素原子を、各アルキル基において含み得、そしてジアルキルカーボネートの具体的な例は、ジエチルカーボネートおよびジプロピルカーボネートである。脂環式カーボネート、特に、ジ脂環式カーボネートは、4個〜7個の炭素原子を、各環式構造において含み得、そしてこのような構造の1つまたは2つが存在し得る。1つの基が脂環式である場合、他方は、アルキルまたはアリールのいずれかであり得る。これに対して、1つの基がアリールである場合、他方は、アルキルまたは脂環式であり得る。ジアリールカーボネート(これは、各アリール基において、6個〜20個の炭素原子を含み得る)の好ましい例は、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、およびジナフチルカーボネートである。
【0023】
この反応は、グリコールを、カーボネート(好ましくは、アルキレンカーボネート)と、10:1〜1:10のモル比であるが、好ましくは3:1〜1:3のモル比で、100℃〜300℃の温度で、そして0.1mmHg〜300mmHgの範囲の圧力で、エステル交換触媒の存在下または非存在下で、低沸点のグリコールを蒸留によって除去しながら反応させることによって、実施される。
【0024】
より具体的には、ヒドロキシル末端を有するポリカーボネートは、2段階で調製される。第一段階において、グリコールが、アルキレンカーボネートと反応して、低分子量のヒドロキシル末端を有するポリカーボネートを形成する。低沸点のグリコールが、100℃〜300℃、好ましくは、150℃〜250℃で、10mmHg〜30mmHg、好ましくは、50mmHg〜200mmHgの減圧下で、蒸留によって除去される。分取カラムを使用して、副生成物のグリコールを、反応混合物から分離する。この副生成物のグリコールは、このカラムの頂部に残され、そして未反応のアルキレンカーボネートおよびグリコール反応物は、潅流するにつれて、この反応容器に戻される。不活性気体または不活性溶媒の流れを使用して、副生成物のグリコールが形成する際に、この副生成物のグリコールの除去を容易にし得る。得られる副生成物のグリコールの量が、ヒドロキシル末端を有するポリカーボネートの2〜10の範囲の重合度を示す場合、その圧力を、0.1mmHg〜10mmHgまで次第に低下させ、そして未反応のグリコールおよびアルキレンカーボネートが除去される。このことは、反応の第二段階の開始の兆候であり、この第二段階の間に、所望の分子量のヒドロキシル末端を有するポリカーボネートが得られるまで、グリコールが形成される際に、100℃〜300℃、好ましくは、150℃〜250℃で、0.1mmHg〜10mmHgの圧力で、このグリコールを留去することによって、低分子量のヒドロキシル末端を有するポリカーボネートが縮合される。ヒドロキシル末端を有するポリカーボネートの分子量(Mn)は、約500〜約10,000まで変動し得るが、好ましい実施形態において、この分子量は、500〜2500の範囲である。
【0025】
本発明のTPUポリマーを作製するために必要な第二の成分は、ポリイソシアネートである。
【0026】
本発明のポリイソシアネートは、一般に、式R(NCO)を有する。この式において、nは、一般に、2〜4であり、上記組成物が熱可塑性である限り、2が非常に好ましい。従って、3個または4個の官能基を有するポリイソシアネートは、これらが架橋を引き起こす限り、非常に少量(例えば、全てのポリイソシアネートの総重量に基づいて、5重量%未満であり、そして望ましくは、2重量%未満)で利用される。Rは、芳香族、脂環式、および脂肪族、またはこれらの組み合わせであり得、一般に、合計2個〜20個の炭素原子を有する。適切な芳香族ジイソシアネートの例としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、H12MDI、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、フェニレン−1,4−ジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、およびジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート(TODI)が挙げられる。適切な脂肪族ジイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,6−ジイソシアナト−2,2,4,4−テトラメチルヘキサン(TMDI)、1,10−デカンジイソシアネート、およびトランス−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)が挙げられる。非常に好ましいジイソシアネートは、約3重量%未満のオルト−パラ(2,4)異性体を含むMDIである。
【0027】
本発明のTPUポリマーを作製するために必要な第三の成分は、鎖長延長剤である。適切な鎖長延長剤は、約2個〜約10個の炭素原子を有する、低級脂肪族グリコールまたは短鎖グリコールであり、そして例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキシルジメチロールのシス−トランス−異性体、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、および1,5−ペンタンジオールが挙げられる。芳香族グリコールもまた、鎖長延長剤として使用され得、そして高熱の適用のために好ましい選択肢である。ベンゼングリコール(HQEE)およびキシレングリコールは、本発明のTPUを作製する際に使用するために適切な鎖長延長剤である。キシレングリコールは、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンと、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンとの混合物である。ベンゼングリコールは、好ましい芳香族鎖長延長剤であり、そして具体的には、ヒドロキノン(すなわち、ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテルであり、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとしてもまた公知);レゾルシノール(すなわち、ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテルであり、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとしてもまた公知);カテコール(すなわち、ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテルであり、1,2−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとしてもまた公知);およびこれらの組み合わせが挙げられる。高い熱耐性繊維および弾性テープについては、ベンゼングリコール(HQEE)が、望ましい鎖長延長剤である。2種以上のグリコール鎖長延長剤のブレンドが、使用され得る。優れた結果は、HQEEを、HQEEの異性体(HER)と一緒に使用することによって、得られる。
【0028】
共鎖長延長剤を、上記鎖長延長剤と一緒に使用することが、好ましい。共鎖長延長剤は、鎖長延長剤として上に記載された物質のうちの1つであり得る。共鎖長延長剤は、好ましくは、TPUの結晶化速度を低下させ得、そしてTPUの高温融解ピークを除き得る材料から選択される。分枝鎖化合物(例えば、ジプロピレングリコールおよびネオペンチルグリコール)が、優れた共鎖長延長剤である。また、高温の適用については、HQEEの異性体(例えば、ヒドロキシルエチルレゾルシノール(HER))が、非常に効果的な共鎖長延長剤である。共鎖長延長剤が使用される場合、使用されるレベルは、鎖長延長剤と共鎖長延長剤との総モル数の、約2モル%〜約50モル%、好ましくは、10モル%〜30モル%である。
【0029】
上記3つの必須成分(ヒドロキシル末端を有する中間体、ポリイソシアネート、および鎖長延長剤)は、好ましくは、触媒の存在下で反応される。
【0030】
一般に、任意の従来の触媒が、ジイソシアネートをポリエーテル中間体または鎖長延長剤と反応させるために利用され得、そしてその触媒は、当該分野において、および文献から、周知である。適切な触媒の例としては、ビスマスまたはスズの、種々のアルキルエーテルまたはアルキルチオールエーテルであり、ここで、このアルキル部分は、1個〜約20個の炭素原子を有し、具体例としては、ビスマスオクトエート、ビスマスラウレートなどが挙げられる。好ましい触媒としては、種々のスズ触媒が挙げられ、例えば、第1スズオクトエート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレートなどである。このような触媒の量は、一般に、ポリウレタン形成モノマーの総重量に基づいて、約20ppm〜約200ppmのような、少量である。
【0031】
本発明のTPUポリマーは、当該分野において、および文献において周知である、従来の重合方法の任意のものによって、作製され得る。
【0032】
本発明の熱可塑性ポリウレタンは、好ましくは、「ワンショット」プロセスを介して作製され、このプロセスにおいて、全ての成分が、同時にかまたは実質的に同時に、加熱された押出成型機に一緒に添加され、そして反応して、ポリウレタンを形成する。ヒドロキシル末端を有する中間体とジオール鎖長延長剤との総当量に対する、ジイソシアネートの当量比は、一般に、約0.95〜約1.10であり、望ましくは、約0.97〜約1.03であり、そして好ましくは、約0.97〜約1.00である。形成されるTPUのShore A硬度は、仕上げられた物品の最も望ましい特性を達成するために、65A〜95A、そして好ましくは、約75A〜約85Aであるべきである。ウレタン触媒を利用する反応温度は、一般に、約175℃〜約245℃であり、そして好ましくは、約180℃〜約220℃である。熱可塑性ポリウレタンの分子量(Mw)は、ポリスチレン標準に対するGPCによって測定される場合、一般に、約100,000〜約800,000であり、そして望ましくは、約150,000〜約400,000であり、そして好ましくは、約150,000〜約350,000である。
【0033】
熱可塑性ポリウレタンはまた、プレポリマープロセスを利用して、調製され得る。プレポリマー経路において、ヒドロキシル末端を有する中間体が、一般に、モル過剰の1種以上のポリイソシアネートと反応し、内部に遊離(すなわち、未反応)ポリイソシアネートを含むプレポリマー溶液を形成する。反応は、一般に、約80℃〜約220℃の温度で、そして好ましくは、約150℃〜約200℃で、適切なウレタン触媒の存在下で実施される。引き続いて、上記のような、選択的な型の鎖長延長剤が、イソシアネート末端基および任意の遊離すなわち未反応のジイソシアネート化合物とほぼ等しい、当量で添加される。従って、ヒドロキシル末端を有する中間体と鎖長延長剤との総当量に対する、全イソシアネートの全体の当量比は、約0.95〜約1.10であり、望ましくは、約0.98〜約1.05であり、そして好ましくは、約0.99〜約1.03である。鎖長延長剤に対する、ヒドロキシル末端を有する中間体の当量比は、65A〜95A、好ましくは、75A〜85AのShore硬度を与えるように、調整される。鎖長延長の反応温度は、一般に、約180℃〜約250℃であり、約200℃〜約240℃が、好ましい。代表的に、プレポリマー経路は、任意の従来のデバイス(押出成型機が好ましい)において、実施され得る。従って、ヒドロキシル末端を有する中間体は、過剰当量のジイソシアネートと、この押出成型機の第一の部分で反応して、プロポリマー溶液を形成し、そして引き続いて、鎖長延長剤が、下流の部分に添加され、そしてこのプレポリマー溶液と反応する。任意の従来の押出成型機が利用され得、押出成型機は、少なくとも20、好ましくは少なくとも25の、長さ対直径の比を有するバリアスクリューを備える。
【0034】
有用な添加剤が、適切な量で利用され得、そして必要に応じて、乳白化顔料、着色料、鉱物充填剤、安定化剤、潤滑剤、UV吸収剤、加工助剤、および他の添加剤が挙げられる。有用な乳白化顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、およびチタネートイエロー(titanate yellow)が挙げられ、一方で、有用な染色顔料としては、カーボンブラック、黄色の酸化物、褐色の酸化物、原料もしくは焼いた濃黄土もしくはアンバー、酸化クロムグリーン、カドミウム顔料、クロム顔料、ならびに他の混合された金属酸化物および有機顔料が挙げられる。有用な充填剤としては、珪藻土(非常に微細なもの(superfloss))、粘土、シリカ、滑石、雲母、ワロストナイト(wallostonite)、硫酸バリウム、および炭酸カルシウムが挙げられる。所望であれば、有用な安定化剤(例えば、酸化防止剤)が使用され得、そしてこれには、フェノール性酸化防止剤が挙げられる。一方で、有用な光重合開始剤としては、有機ホスフェート、および有機スズチオレート(メルカプチド)が挙げられる。有用な潤滑剤としては、金属ステアリン酸塩、パラフィン油およびアミドワックスが挙げられる。有用なUV吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシフェノール)ベンゾトリアゾールおよび2−ヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。
【0035】
可塑剤添加剤はまた、有利には、特性に影響を与えることなく、硬度を低下させるために利用され得る。
【0036】
溶融紡糸プロセスの間、上記TPUポリマーは、架橋剤で軽く架橋される。この架橋剤は、ヒドロキシル末端を有する中間体のプレポリマーであり、これは、ポリイソシアネートと反応した、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン、またはこれらの混合物である。ポリエステルまたはポリエーテルは、架橋剤を製造するために好ましい、ヒドロキシル末端を有する中間体である。この架橋剤であるプレポリマーは、約1.0より大きいイソシアネート官能性、好ましくは、約1.0〜約3.0のイソシアネート官能性、そしてより好ましくは、約1.8〜約2.2のイソシアネート官能性を有する。ヒドロキシル末端を有する中間体の両端が、イソシアネートでキャップされており、これによって、2.0のイソシアネート官能性を有する場合、特に好ましい。
【0037】
架橋剤を製造するために使用されるポリイソシアネートは、TPUポリマーを製造する際に上で記載されたものと同じである。ジイソシアネート(例えば、MDI)は、好ましいジイソシアネートである。
【0038】
この架橋剤は、約1,000ダルトン〜約10,000ダルトン、好ましくは、約1,200ダルトン〜約4,000ダルトン、そしてより好ましくは、約1,500ダルトン〜約2,800ダルトンの、数平均分子量(Mn)を有する。約1500Mより大きい架橋剤は、より良好な永久ひずみ特性を与える。
【0039】
TPUポリマーと一緒に使用される架橋剤の重量%は、約2.0%〜約20%、好ましくは、約8.0%〜約15%、そしてより好ましくは、約10%〜約30%である。使用される架橋剤の百分率は、TPUポリマーと架橋剤との総重量に基づく重量%である。
【0040】
TPUの重デニールのモノフィラメント繊維、弾性テープ、および他の種々の形状の物品を作製するための好ましい溶融紡糸プロセスは、予め形成されたTPUポリマーを押出し成型機に供給する工程、このTPUポリマーを溶融する工程、および架橋剤を、TPUの溶融物がこの押出成型機を出る地点の近くの下流で、またはこのTPU溶融物がこの押出成型機を出た後に、連続的に添加する工程を包含する。この架橋剤は、この溶融物がこの押出し成型機を出る前、またはこの溶融物がこの押出し成型機から出た後に、この押出し成型機に添加され得る。この溶融物がこの押出し成型機から出た後に添加される場合、この架橋剤は、スタティックミキサーまたはダイナミックミキサーを使用して、TPU溶融物と混合され、この架橋剤がこのTPUポリマー溶融物と適切に混合することを保証する必要がある。この押出成型機を出た後に、この溶融したTPUポリマーは、架橋剤と一緒に、マニホルドに流入する。このマニホルドは、この溶融物のストリームを、異なるストリームに分割し、ここで、各ストリームは、複数のスピナレットに供給される。通常、このマニホルドから流れる異なるストリーム各々に対する溶融物ポンプが存在し、各溶融物ポンプが、いくつかのスピナレットに供給する。このスピナレットは、小さい穴を有し、この穴を通って、溶融物が押し出され、そしてモノフィラメント繊維、弾性テープ、または他の形状の物品の形態で、このスピナレットを出る。このスピナレットの穴の大きさは、繊維またはテープの所望の大きさ(デニール)に依存する。
【0041】
一旦、溶融紡糸されたTPU物品(繊維、テープ、または他の形状)が、このスピナレットを得ると、このTPUは、実質的に水平な冷却装置(好ましくは、水浴)内で冷却される。この冷却装置が水平であることが好ましく、そして最も実用的であるが、物品のひずみを引き起こすほど高い傾斜ではない限り、わずかな角度(例えば、30°未満の傾斜、好ましくは、10°未満の傾斜)が、許容され得る。この浴中の水の温度は、約0℃〜約35℃である。通常の冷却塔の水、水道用水、または冷却された水が、使用され得る。物品が冷却されるまで実質的に水平位置に維持される限り、他の冷却媒体(例えば、空気)が使用され得る。この物品は、適切なロールに巻き取られるか、または繊維である場合、消費者による後の使用のために、ボビンに巻かれる。一旦、ポリマー溶融物がスピナレットを出ると、このポリマー溶融物は、可能な限り迅速に、この冷却媒体と接触させられる。このことは、冷却浴を、このスピナレットの出口の近くに配置させることによって、達成され得る。好ましくは、この冷却浴は、このスピナレットの出口から1.0インチ〜2.0フィート以内、より好ましくは、1.0フィート〜2.0フィート以内に位置する。この冷却する工程は、このプロセスが公知の繊維溶融紡績プロセスとは異なる点である。本発明におけるような重い物品の場合、通常の溶融紡糸された繊維の垂直冷却プロセスは、利用可能ではない。この重い物品は、この垂直冷却プロセスの結果としてゆがみ、そして通常の空冷プロセスから十分な冷却速度が得られない。
【0042】
このプロセスの別の重要な特徴は、このプロセスが実施され得る速い速度である。例えば、弾性テープを作製する際に、その速度は、1分間あたり200m〜800mであり、代表的な速度は、1分間あたり400mである。テープを製造するための溶融紡糸プロセスは、シートの押出成型よりずっと速く、そして本発明のプロセスを使用することによって、細長く切断する操作が回避される。
【0043】
このスピナレットの穴は、重デニールの繊維が製造される場合、円形の形状であり、そして弾性テープが製造される場合、矩形の形状である。この穴は、所望の最終製品の断面形状に依存して、任意の形状であり得る。弾性テープは、矩形の形状であり、そして通常、0.1インチ〜2.0インチの幅、好ましくは、0.2インチ〜1.0インチの幅を有し、0.25インチが、通常の大きさである。このテープの厚さは、0.001インチ〜0.010インチの厚さ、好ましくは、0.003インチ〜0.005インチの厚さであり、0.004インチの厚さが、通常の大きさである。
【0044】
重デニールのモノフィラメント繊維は、100デニール〜10,000デニールであり、好ましくは、140デニールより大きい。好ましいデニールサイズは、140デニール〜2000デニールである。非常に大きいデニール数の繊維(2000より大きい)が、このプロセスによって製造され得るが、このような極端に大きいサイズに対する商業的な適用は、制限される。本発明によって製造される重デニールのTPU繊維は、モノフィラメント繊維である。先行技術において、重デニールのTPU繊維は、モノフィラメントを大規模で製造するための公知のプロセスの制限に起因して、マルチフィラメント繊維である。マルチフィラメント繊維は、衣服に組み込まれた場合、いくらかの欠点を有する。
【0045】
繊維が本発明のプロセスによって製造される場合、粘着防止添加剤(例えば、仕上げ用油(finish oil)であり、これの一例は、シリコーン油である)が、通常、この繊維の表面に、冷却の後もしくは冷却中かつボビンに巻かれる直前に、添加される。この粘着防止添加剤はまた、冷却用の水浴に添加され得、そしてこの繊維がこの冷却浴を通って移動するにつれて、この繊維をコーティングする。
【0046】
この溶融紡糸プロセスの重要なお局面は、TPUポリマー溶融物と架橋剤との混合である。適切な均一な混合は、均一な繊維特性を達成するため、および繊維の破壊を受けない長い実施時間を達成するために、重要である。TPU溶融物と架橋剤との混合は、押出し流れ(すなわち、先入れ先出し)を達成する方法であるべきである。適切な混合は、ダイナミックミキサーまたはスタティックミキサーを用いて達成され得る。スタティックミキサーは、洗浄することがより困難である。従って、ダイナミックミキサーが好ましい。送りねじおよび混合ピンを有するダイナミックミキサーが、好ましいミキサーである。米国特許第6,709,147号(これは、本明細書中に参考として援用される)は、このような、回転し得る混合ピンを有するミキサーを記載する。これらの混合ピンはまた、固定された位置にあり得る(例えば、このミキサーのバレルに取り付けられ、そして送りねじの中心線の方へと延びる)。この混合送りねじは、ねじによって、この押出し成型機のねじに取り付けられ得、そしてこのミキサーのハウジングは、この押出し成型機械にボルトで止められ得る。このダイナミックミキサーの送りねじは、ポリマー溶融物を、非常に少ない逆混合しか伴わずに進行的な様式で移動させる設計であり得、この溶融物の押出し流れを達成する。ミキシングスクリューのL/Dは、3を超えて30未満、好ましくは、約7〜約20、そしてより好ましくは、約10〜約12であるべきである。
【0047】
TPUポリマー溶融物が架橋剤と混合される混合ゾーンの温度は、約200℃〜約240℃であり、好ましくは、約210℃〜約225℃である。これらの温度は、このポリマーを分解することなくこの反応を起こすために、必要である。
【0048】
形成したTPUは、溶融紡糸プロセスの間、架橋剤と反応して、約200,000〜約800,000、好ましくは、約250,000〜約500,000、より好ましくは、約300,000〜約450,000の分子量(Mw)の最終形態(例えば、繊維またはテープ)のTPUを与える。
【0049】
紡糸温度(スピナレット内のポリマー溶融物の温度)は、このポリマーの融点より高いべきであり、そして好ましくは、このポリマーの融点より約10℃〜約20℃高い。より高い紡糸温度を使用し得るほど、この紡糸がより良好になる。しかし、紡糸温度が高すぎる場合、このポリマーは、分解し得る。従って、TPUポリマーの融点より約10℃〜約20℃高い温度が、このポリマーを分解することなく良好な紡糸の釣り合いを達成するために、最適である。紡糸温度が低すぎる場合、ポリマーは、スピナレット内で固化し、そして繊維の破壊を引き起こし得る。本発明によって製造される、高温耐性の繊維またはテープについての紡糸温度は、200℃より高く、そして好ましくは、約205℃〜約220℃である。
【0050】
繊維および弾性テープは、種々の衣服において、他の繊維(天然繊維と合成繊維との両方であり、例えば、綿およびポリエステル)と組み合わせられ得る。TPU繊維は、代表的に、織ることまたは編むことによって、他の繊維と組み合わせられる。得られる布は、通常、5%〜40%のTPU繊維を含み、そして残りの部分は、他の代表的な繊維である。使用されるTPU繊維のレベルは、最終使用用途に依存する。弾性テープは、ブラジャーの肩ひも、ウエストバンド、襟、衣類(例えば、下着、セーター、運動着など)の足の折り返しおよび袖口における使用に適切である。弾性TPUテープおよび重デニールの繊維は、加硫ゴムとは異なり、布に熱シールされ得るという利点を有する。
【0051】
本発明は、以下の実施例を参照することによって、よりよく理解される。
【実施例】
【0052】
実施例1は、TPUポリマーから製造された、溶融紡糸された弾性テープを示すために提供される。実施例2は、TPUから製造された、溶融紡糸された重デニールのモノフィラメント繊維を示すために提供される。これらの実施例において使用したTPUポリマーを、120℃に予熱された混合物(分子量(M)2000の54.8968重量部のポリエーテル中間体(PTMEG)、分子量(M)1000の23.5272重量部のポリエーテル中間体(PTMEG)、8.2149重量部のベンゼングリコール(HQEE)鎖長延長剤、0.3重量部の酸化防止剤、および0.3重量部のUV安定化剤)を、200℃の温度で、21.5760重量部のMDIおよび0.4重量部の潤滑剤と、40mmの共回転二軸スクリュー押出し機において、50ppmのオクタン酸スズ(触媒として作用する)の存在下で反応させることによって、製造した。得られたポリマーを、水中でペレット化し、そして105℃に加熱したサイロ内に収集して、その生成物を乾燥させた。得られたTPUは、150,000ダルトンの分子量(M)を有し、そして実施例1および実施例2において、溶融紡糸された弾性テープ(実施例1)および溶融紡糸された重デニール繊維(実施例2)を作製するために使用した。
【0053】
(実施例1)
上記TPUのペレットを、24より大きいL/Dを有するスクリューを備える一軸スクリュー押出し機に供給し、そしてこの押出し成型機内で溶融した。この溶融したTPUを、ダイナミックミキサーに供給し、ここで、(使用する場合)架橋剤(Hyperlast 5196)を、TPUと混合した。次いで、このTPUを、マニホルドに供給し、ここで、ストリームを分割し、そしてこれらの分割したストリームを、溶融物ポンプを使用することによって、複数のスピナレットに供給した。この溶融物を、0.25インチ(6mm)の幅および0.005インチ(0.12mm)の厚さを有する弾性テープへと紡糸した。このテープをすぐに、18℃と20℃との間の温度に維持された水平水浴中で冷却した。このテープを、ロールに巻いた。0重量%、4重量%、6重量%および8重量%の架橋剤(Hyperlast 5196)を含むテープの物理的特性を、市販のTPUテープと一緒に試験した。これらの結果を、以下の表Iに示す。
【0054】
【表1】

*日本の日清紡より製造された市販のテープ
表に示される結果から、TPUと混合された架橋剤を有するテープが、架橋剤なしのテープTPUより改善された(より低い)%永久ひずみおよび市販の(先行技術)テープよりも低い%永久ひずみを与えることが認められ得る。また、本発明のテープは、架橋剤なしのテープおよび市販のテープよりも高い引っ張り強さおよびより高い弾性率を有する。
【0055】
(実施例II)
実施例1において使用されるTPUを、この実施例において使用した。12重量%の架橋剤を使用した(Hyperlast 5196)。この同じプロセスは、スピナレットが、1400デニールのモノフィラメント繊維を与えるダイを使用したことを除いて、実施例1と同様に使用した。この繊維の特性を表IIに示す。
【0056】
【表2】

このデータは、弾性のテープおよび重いデニールの弾性モノフィラメントの両方が、優れた特性を有することを示す。
【0057】
特許法に従って、最良の形態および好ましい実施形態が、記載されてきたが、本発明の範囲は、これらに限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲によって限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を生成するための溶融紡糸プロセスであって、該プロセスは、以下:
(a)TPUポリマーを溶融混合機に供給する工程;
(b)該TPUポリマーを溶融して、溶融したTPUポリマーを形成する工程;
(c)架橋剤を該溶融したTPUポリマーに添加する工程;
(d)該架橋剤と該溶融したTPUポリマーとを混合する工程;
(e)該溶融したTPUポリマーをマニホルドに供給する工程;
(f)該マニホルドを使用することによって、該溶融したTPUポリマーを複数の溶融したストリームに分ける工程;
(g)該複数の溶融したストリームの各々を、メルトポンプを使用することによって複数のスピナレットに供給する工程であって、ここで各スピナレットは、該溶融物が該物品の望ましい形状を形成するために出る開口部を有する、工程;
(h)該形作られた物品を実質的に水平な冷却浴を通すことによって、該物品を冷却する工程;ならびに
(i)該物品をロールまたはボビンに巻き付ける工程、
を包含する、プロセス。
【請求項2】
前記物品は、弾性テープである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記テープは、約0.001インチ〜約0.10インチの厚みおよび約0.1インチ〜約2.0インチの幅を有する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記テープは、約0.003インチ〜約0.005インチの厚みおよび約0.2インチ〜約1.0インチの幅を有する、請求項3に記載プロセス。
【請求項5】
前記物品は、約100デニールより大きなサイズを有する、モノフィラメント繊維である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記物品は、約140デニールより大きなサイズを有するモノフィラメント繊維である、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記物品は、約140〜約10,000デニールのサイズを有するモノフィラメント繊維である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記添加される架橋剤の量は、前記物品の最終重量の約2.0重量%〜約20.0重量%である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記添加された架橋剤の量は、前記物品の最終重量の約8.0重量%〜約15.0重量%である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記添加された架橋剤の量は、前記物品の最終重量の約10.重量%〜約13.0重量%である、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記架橋剤は、約1,000〜約10,000ダルトンの数平均分子量(M)を有する、請求項8に記載のプロセス。
【請求項12】
前記架橋剤は、約1,500〜約2,800ダルトンのMを有する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記架橋剤は、前記溶融したTPUポリマーとダイナミックミキサーまたはスタティックミキサーと混合される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
前記TPUポリマーは、約150,000〜約350,000ダルトンのMを有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記物品は、約65A〜約95AのショアA硬度を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記溶融混合機は、押し出し成形機である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
前記実質的に水平な冷却浴は、水浴である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
前記水浴は、前記スピナレットの出口から、約1.0インチ〜約2.0フィートまで位置する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
100デニールより大きなサイズを有する、溶融紡糸TPUモノフィラメント繊維または弾性テープであって、ここで該繊維または該テープは、以下:
(a)少なくとも1種のヒドロキシル末端を有する中間体;
(b)少なくとも1つの鎖長延長剤;
(c)少なくとも1種のポリイソシアネート;および
(d)少なくとも1種の架橋剤、
の反応生成物を含む、溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項20】
前記ヒドロキシル末端を有する中間体は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン、またはこれらの混合物からなる群より選択される、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項21】
前記ヒドロキシル末端を有する中間体は、ポリエーテルである、請求項20に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項22】
前記ヒドロキシル末端を有する中間体は、前記ポリエーテルは異なるMを有する少なくとも2種のポリエーテルのブレンドである、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項23】
前記2種のポリエーテルは、1500ダルトンより大きい加重平均Mを有する、請求項22に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項24】
前記繊維または前記テープは、約200,000〜約800,000ダルトンのMを有する、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項25】
前記繊維または前記テープは、約300,000〜約450,000ダルトンのMを有する、請求項24に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項26】
前記鎖長延長剤は、ベンゼングリコール(HQEE)である、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項27】
前記鎖長延長剤は、ベンゼングリコール(HQEE)およびヒドロキシエチルレゾルシノール(HER)のブレンドである、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項28】
前記ポリイソシアネートは、ジイソシアネートである、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項29】
前記架橋剤は、約1,000〜約10,000ダルトンのMを有する、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項30】
前記架橋剤は、約1,500〜約2,800ダルトンのMを有する、請求項29に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。
【請求項31】
前記繊維は、約100デニールより大きいサイズを有する、請求項19に記載の溶融紡糸繊維。
【請求項32】
前記繊維は、約140デニールより大きいサイズを有する、請求項31に記載の溶融紡糸繊維。
【請求項33】
前記繊維は、約140〜約10,000デニールのサイズを有する、請求項32に記載の溶融紡糸繊維。
【請求項34】
前記テープは、約0.001インチ〜約0.10インチの厚みおよび約0.1インチ〜約2.0インチの幅を有する、請求項19に記載の溶融紡糸テープ。
【請求項35】
前記架橋剤は、約2.0〜約20.0重量%の前記繊維または前記テープのレベルで使用される、請求項19に記載の溶融紡糸繊維またはテープ。

【公表番号】特表2007−521415(P2007−521415A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517832(P2006−517832)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/021263
【国際公開番号】WO2005/005697
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(506347528)ノベオン, インコーポレイテッド (74)
【Fターム(参考)】