説明

溶融金属めっき設備の電磁石制振装置

【課題】空冷方式などのガス冷却方式を採用して、電磁石に対して十分な冷却性能を発揮することができる溶融金属めっき設備の電磁石制振装置を提供する。
【解決手段】電磁石22の表面の一部を利用して構成した冷却ガスノズル23と、冷却ガスノズル23から噴出された冷却ガスを、電磁石22の周囲に沿って流れるように案内する第1〜第3のガイド板21a,24,21bと、これらのガイド板21a,24,21bによって案内されてきた冷却ガスを排出する冷却ガス排出口25とを有する構成とする。更には、排気温度センサや表面温度センサの温度検出情報に基づいて、冷却ガスノズルへ流す冷却ガスの流量調整や電磁石に流す電流の調整を行なう構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁性材の帯板に金属めっきを施す溶融金属めっき設備において前記帯板の形状矯正及び制振を行なう電磁石制振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶融金属めっき設備では、磁性体のストリップ(鋼板などの帯板)を、ポット内に貯留されている溶融亜鉛や溶融アルミニウムなどの溶融金属中に連続的に浸漬させて、ストリップの表面に溶融金属を付着させた後、ストリップをポット内の溶融金属から上方へ引き上げる。そして、この上昇過程のストリップに対してワイピングノズルからワイピングガスを吹き付けることにより、ストリップの表面に付着している溶融金属の余剰分を除去して、溶融金属の付着量を調整する。
【0003】
しかし、ポット内の溶融金属からストリップの引き上げる動作やストリップに作用する張力などによって、ストリップに反りや振動が発生することがある。このような反りや振動がストリップに発生すると、ストリップとワイピングノズルの間隔が変化して、ストリップへのワイピングガスの吹き付け状態が均一にならず、ストリップに対する溶融金属の付着量が不均一になるおそれがある。
【0004】
このため、溶融金属めっき設備には電磁石制振装置が装備されているのが一般的であり、この電磁石制振装置によって前記上昇過程のストリップの反りの矯正(形状矯正)や制振を行なうにようになっている。
【0005】
図21は従来の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置の断面図である。同図に示すように、電磁石制振装置1は直方体状の筐体2の内部に電磁石3と位置センサ4とが設置された構成となっている。位置センサ4はストリップ6の位置を検出する。電磁石3は鉄心3aと、この鉄心3aに巻回されたコイル3bとを有して成るものである。従って電磁石3は、給電装置(図示省略)からの給電によってコイル3bに電流を流すと電磁力が発生し、この電磁力によってストリップ6の形状矯正及び制振を行なう。
【0006】
そして、このときに電磁石3の温度が許容温度以上に上昇するのを防止するため、電磁石制振装置1は、筐体2の裏面板2aに取り付けられたウォータジャケット5を有しており、冷却水供給装置(図示省略)からウォータジャケット5内に供給される冷却水7によって電磁石3を冷却する構成となっている。コイル3bは絶縁材によって被覆され、また、樹脂製のモールド材によってモールドされており、これらの絶縁材やモールド材は比較的熱に弱いため、電磁石3を冷却することが必要である。
【0007】
また、上記のような水冷方式だけでなく、図示は省略するが、空冷方式を採用した電磁石制振装置も従来から知られている。
なお、電磁石制振装置が開示されている先行技術文献としては、例えば下記のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−179834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、水冷方式を採用した従来の電磁石制振装置1では、ウォータジャケット5や給排水配管など設置が必要であるため、装置構成の複雑化や装置規模の増大化などを招き、且つ、冷却水が漏れた場合には当該漏洩水がポット内の溶融金属へも飛散して、災害の発生などを招くおそれもある。
【0010】
一方、空冷方式を採用すれば冷却水漏れなどの水冷方式の問題は発生しない。しかし、従来の空冷方式では冷却空気流路の工夫がなされておらず、単に冷却空気を筐体内に導入する程度の構成であるため、電磁石に対して十分な冷却性能を得ることができない場合があった。
【0011】
従って本発明は上記の事情に鑑み、空冷方式などのガス冷却方式を採用して上記のような水冷方式の問題点を解消し、且つ、電磁石に対して十分な冷却性能を発揮することができる溶融金属めっき設備の電磁石制振装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する第1発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置は、磁性材の帯板に金属めっきを施す溶融金属めっき設備に装備され、筐体内に設けられた電磁石の電磁力により前記帯板の形状矯正及び制振を行なう電磁石制振装置において、
前記電磁石の表面の一部を利用して構成した冷却ガスノズルと、
前記冷却ガスノズルから噴出された冷却ガスを、前記電磁石の周囲に沿って流れるように案内するガイド板と、
前記ガイド板によって案内されてきた前記冷却ガスを排出する冷却ガス排出口と、
を有することを特徴とする。
【0013】
また、第2発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置は、第1発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記冷却ガスノズルは、前記電磁石の4つの側面のうちの何れか1つの側面と、この1つの側面に沿って設けられたノズル部材とを有して成り、且つ、冷却ガス流入口が、前記電磁石の裏面側に位置し、冷却ガス噴出口が、前記電磁石の正面側に位置して前方向と両側方向の3方向へ冷却ガスを噴出する構成である一方、
前記ガイド板として、第1のガイド板と第2のガイド板と第3のガイド板を有し、
前記第1のガイド板は、前記冷却ガス噴出口から前記前方向へ噴出された冷却ガスを、前記電磁石の前記正面に沿って流れるように案内し、
前記第2のガイド板は、前記冷却ガス噴出口から前記両側方向へ噴出された冷却ガスを、前記電磁石の前記側面のうちの他の2つの側面に沿って流れるように案内し、
前記第3のガイド板は、前記第1のガイド板によって案内されてきた冷却ガスと前記第2のガイド板によって案内されてきた冷却ガスを、前記電磁石の前記側面のうちの他の1つの側面に沿って流れるように案内する構成であり、
前記冷却ガス排出口は、前記電磁石の裏面側に設けられ、前記第3のガイド板によって案内されてきた冷却ガスを排出する構成であることを特徴とする。
【0014】
また、第3発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置は、第2発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記第1のガイド板は、前記筐体の前面板であり、
前記第3のガイド板は、前記筐体の側面板であること、
を特徴とする。
【0015】
また、第4発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置は、第2又は第3発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記冷却ガス排出口から排出された冷却ガスを、前記電磁石に対応する位置で前記筐体の裏面板に沿って流れるように案内する第4のガイド板を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、第5発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置は、第1〜第4発明の何れか1つの溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記筐体内には前記帯板の位置を計測する位置センサが設けられており、
前記冷却ガス噴出口から噴出された冷却ガスの一部が、前記冷却ガス噴出口と前記第1のガイド板との間の隙間を通って、前記位置センサが設けられている空間に流入する構成であることを特徴とする。
【0017】
また、第6発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置は、第1〜第5発明の何れか1つの溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記冷却ガス排出口から排出された冷却ガスの温度を検出する排気温度センサを有し、
前記排気温度センサの温度検出情報に基づいて、前記冷却ガスノズルへ流す冷却ガスの流量調整、又は、前記電磁石に流す電流の調整、又は、前記冷却ガスの流量調整及び前記電流の調整を行なう構成としたことを特徴とする。
【0018】
また、第7発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置は、第1〜第6発明の何れか1つの溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記電磁石の表面の温度を検出する表面温度センサを有し、
前記表面温度センサの温度検出情報に基づいて、前記冷却ガスノズルへ流す冷却ガスの流量調整、又は、前記電磁石に流す電流の調整、又は、前記冷却ガスの流量調整及び前記電流の調整を行なう構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置によれば、磁性材の帯板に金属めっきを施す溶融金属めっき設備に装備され、筐体内に設けられた電磁石の電磁力により前記帯板の形状矯正及び制振を行なう電磁石制振装置において、前記電磁石の表面の一部を利用して構成した冷却ガスノズルと、前記冷却ガスノズルから噴出された冷却ガスを、前記電磁石の周囲に沿って流れるように案内するガイド板と、前記ガイド板によって案内されてきた前記冷却ガスを排出する冷却ガス排出口とを有することを特徴としているため、電磁石の表面の一部を利用した冷却ガスノズルによるガス冷却方式の実施により、冷却ガス配管設備を簡素化できて設備費用の軽減が可能となり、且つ、ガイド板によって冷却ガスが電磁石の周囲に沿って流れるように案内することにより、電磁石に対して十分な冷却性能を発揮することができる。しかも、ガス冷却方式であるため、冷却水漏れが発生しないことにより、冷却水漏れによる災害の発生を回避でき、安全性が向上する。
【0020】
第2発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置によれば、第1発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、前記冷却ガスノズルは、前記電磁石の4つの側面のうちの何れか1つの側面と、この1つの側面に沿って設けられたノズル部材とを有して成り、且つ、冷却ガス流入口が、前記電磁石の裏面側に位置し、冷却ガス噴出口が、前記電磁石の正面側に位置して前方向と両側方向の3方向へ冷却ガスを噴出する構成である一方、前記ガイド板として、第1のガイド板と第2のガイド板と第3のガイド板を有し、前記第1のガイド板は、前記冷却ガス噴出口から前記前方向へ噴出された冷却ガスを、前記電磁石の前記正面に沿って流れるように案内し、前記第2のガイド板は、前記冷却ガス噴出口から前記両側方向へ噴出された冷却ガスを、前記電磁石の前記側面のうちの他の2つの側面に沿って流れるように案内し、前記第3のガイド板は、前記第1のガイド板によって案内されてきた冷却ガスと前記第2のガイド板によって案内されてきた冷却ガスを、前記電磁石の前記側面のうちの他の1つの側面に沿って流れるように案内する構成であり、前記冷却ガス排出口は、前記電磁石の裏面側に設けられ、前記第3のガイド板によって案内されてきた冷却ガスを排出する構成であることを特徴としているため、電磁石の1つの側面を利用した冷却ガスノズルによるガス冷却方式の実施により、冷却ガス配管設備を簡素化できて設備費用の軽減が可能となり、且つ、第1のガイド板、第2のガイド板及び第3のガイド板によって冷却ガスが電磁石の周囲に沿って流れるように案内することにより、電磁石に対して十分な冷却性能を発揮することができる。しかも、ガス冷却方式であるため、冷却水漏れが発生しないことにより、冷却水漏れによる災害の発生を回避でき、安全性が向上する。
【0021】
第3発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置によれば、第2発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、前記第1のガイド板は、前記筐体の前面板であり、前記第3のガイド板は、前記筐体の側面板であることを特徴としているため、第1発明と同様の効果が得られ、しかも、筐体の前面板を第1のガイド板として利用し、筐体の側面板を第3のガイド板として利用することにより、装置構成を更に簡素化することができる。
【0022】
第4発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置によれば、第2又は第3発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、前記冷却ガス排出口から排出された冷却ガスを、前記電磁石に対応する位置で前記筐体の裏面板に沿って流れるように案内する第4のガイド板を設けたことを特徴としているため、第4のガイド板で案内する冷却ガスによって電磁石の裏面側も冷却することができ、冷却性能が更に向上する。
【0023】
第5発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置によれば、第1〜第4発明の何れか1つの溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、前記筐体内には前記帯板の位置を計測する位置センサが設けられており、前記冷却ガス噴出口から噴出された冷却ガスの一部が、前記冷却ガス噴出口と前記第1のガイド板との間の隙間を通って、前記位置センサが設けられている空間に流入する構成であることを特徴としているため、電磁石の冷却と同時に位置センサの冷却も行うことができる。
【0024】
第6発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置によれば、第1〜第5発明の何れか1つの溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、前記冷却ガス排出口から排出された冷却ガスの温度を検出する排気温度センサを有し、前記排気温度センサの温度検出情報に基づいて、前記冷却ガスノズルへ流す冷却ガスの流量調整、又は、前記電磁石に流す電流の調整、又は、前記冷却ガスの流量調整及び前記電流の調整を行なう構成としたことを特徴としているため、より確実に電磁石を許容温度以下に維持して、電磁石が過昇温により破損するのを防止することができる。また、冷却ガスを定量供給する場合に比べて、余剰冷却や冷却不足を招くおそれがないため、より確実且つ省エネルギーな冷却が可能になる。
【0025】
第7発明の溶融金属めっき設備の電磁石制振装置によれば、第1〜第6発明の何れか1つの溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、前記電磁石の表面の温度を検出する表面温度センサを有し、前記表面温度センサの温度検出情報に基づいて、前記冷却ガスノズルへ流す冷却ガスの流量調整、又は、前記電磁石に流す電流の調整、又は、前記冷却ガスの流量調整及び前記電流の調整を行なう構成としたことを特徴としているため、表面温度センサの温度検出情報に基づいて冷却ガスの流量調整や電流調整を行なうことにより、電磁石の温度調整精度が向上し、冷却ガス量を更に低減することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態例1に係る電磁石制振装置が適用されている溶融金属めっき設備の概要図である。
【図2】前記電磁石制振装置の正面側の断面図(図3のA−A線矢視断面図)である。
【図3】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図2のB−B線矢視断面図)である。
【図4】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図2のC−C線矢視断面図)である。
【図5】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図2のD−D線矢視断面図)である。
【図6】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図2のE−E線矢視断面図)である。
【図7】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図2のF−F線矢視断面図)である。
【図8】前記電磁石制振装置の裏面図(図2のG方向矢視図)である。
【図9】本発明の実施の形態例2に係る電磁石制振装置の側面側の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態例3に係る電磁石制振装置の構成図である。
【図11】前記電磁石制振装置における冷却ガス流量と各部温度上昇量との関係を示すグラフである。
【図12】本発明の実施の形態例4に係る電磁石制振装置の構成図である。
【図13】前記電磁石制振装置における冷却ガス流量と各部温度上昇量との関係を示すグラフである。
【図14】本発明の実施の形態例5に係る電磁石制振装置の正面側の断面図(図15のH−H線矢視断面図)である。
【図15】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図14のI−I線矢視断面図)である。
【図16】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図14のJ−J線矢視断面図)である。
【図17】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図14のK−K線矢視断面図)である。
【図18】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図14のL−L線矢視断面図)である。
【図19】前記電磁石制振装置の側面側の断面図(図14のM−M線矢視断面図)である。
【図20】前記電磁石制振装置の裏面図(図15のN方向矢視図)である。
【図21】従来の電磁石制振装置の側面側の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
<実施の形態例1>
図1に示すように、溶融金属めっき設備10はポット12、シンクロール13、サポートロール14、ワイピングノズル15など備えており、更に本発明の実施の形態例1に係る電磁石制振装置16も備えている。
【0029】
ポット12内には、高温に保持された溶融亜鉛や溶融アルミニウムなどの溶融金属11が貯留されている。磁性体のストリップ(鋼板などの帯板)17は、斜め下方へと搬送されて、ポット12内の溶融金属11中に連続的に浸漬される。シンクロール13はポット12内に配設され、ポット12内の溶融金属11中に浸漬されたストリップ17が捲き掛けられており、当該ストリップ17を鉛直上方へ方向転換する。シンクロール13で方向転換されたストリップ17は、ポット12内に配設されたサポートロール14で支持され、ポット12内の溶融金属11から鉛直上方へと引き上げられる。ワイピングノズル15はポット12の上方に配設されており、上昇過程のストリップ17に対してワイピングガスを吹き付けることにより、ストリップ17の表面に付着している溶融金属11の余剰分を除去して、溶融金属11の付着量を調整する。
【0030】
そして、電磁石制振装置16はワイピングノズル15の上方に配設されており、上昇過程のストリップ17の反りの矯正(形状矯正)や制振を行なう。その結果、ストリップ17とワイピングノズル15の間隔が一定になって、ストリップ17へのワイピングガスの吹き付け状態が均一になるため、ストリップ17に対する溶融金属11の付着量が均一になる。
【0031】
以下、図2〜図8に基づき、電磁石制振装置16の構成について説明する。
【0032】
図2〜図8に示すように、電磁石制振装置16は直方体状の筐体21の内部に電磁石22と位置センサ29とが設置された構成となっている。位置センサ29は筐体21の裏面板21cに固定されており、前方のストリップ17(図3)の位置を検出する。
【0033】
電磁石22は鉄心22aとコイル22bとを有して成るものであり、筐体21の裏面板21cにボルト26で固定されている。鉄心22aはケイ素鋼板によって形成されたものであり、筐体21の上下方向に沿った後部22a−1と、後部22a−1から筐体21の前後方向(図2の左右方向)に沿って突出している凸部22a−2,22a−3,22a−4とを有して成るものであり、側面視(図3)の形状がE字状のものである。コイル22bは鉄心22aの中央の凸部22a−3に巻回され、凸部22a−2,22a−3間及び凸部22a−3,凸部22a−4間に嵌め込まれている。従って、電磁石22は、給電装置(図示省略)からの給電によってコイル22bに電流を流すことにより電磁力が発生し、この電磁力によってストリップ17の形状矯正や制振を行なう。
【0034】
そして、このときに電磁石22は発熱するが、コイル22bは絶縁材によって被覆され、また、樹脂製のモールド材によってモールドされており、これらの絶縁材やモールド材は比較的熱に弱いため、電磁石22を冷却することが必要である。
【0035】
従って、電磁石22の温度が許容温度(絶縁材やモールド材の耐熱温度)以上に上昇するのを防止するため、電磁石制振装置16ではガス冷却方式(空冷方式)によって電磁石22を冷却している。水冷方式の方が冷却能力は高いが、水冷方式には前述ような問題点があるため、本発明では空冷方式を採用し、且つ、ガス冷却方式(空冷方式)でも十分な冷却能力を発揮することはできるようにするため、以下に説明するような工夫を施している。
【0036】
即ち、電磁石制振装置16は、電磁石22の表面の一部を利用して構成した冷却ガスノズル23と、この冷却ガスノズル23から噴出された冷却ガス(冷却空気)を、電磁石22の周囲(表面)に沿って流れるように案内する第1〜第3のガイド板21a,24,21bと、前記ガイド板21a,24,21bによって案内されてきた冷却ガスを排出する冷却ガス排出口25とを有している。第1のガイド板21aは筐体21の前面板、第3のガイド板21bは筐体21の側面板である。
【0037】
冷却ガスノズル23は、電磁石22の4つの側面22c,22d,22e,22fのうちの1つの側面22cと、この1つの側面22cに沿って設けられたノズル部材27a,27bとを有して成るものである。なお、前記側面22cは鉄心22a(凸部22a−4)の側面である。前記側面22d,22eは電磁石22の左右両側の面、即ちコイル22bの左右両側の面である。前記側面22fは鉄心22a(凸部22a−2)の側面である。
【0038】
ノズル部材27aは平板状のものであり、電磁石22の側面22cと平行に水平に配設されており、後端部が筐体21の裏面板21cに固定される一方、先端27a−1が第1のガイド板(筐体21の前面板)21aの近傍に位置している。ノズル部材27aの先端27a−1と第1のガイド板(筐体21の前面板)21aとの間には、幅δの隙間28が設けられている。一対のノズル部材27bは細長い板状のものであり、電磁石22の側面22cとノズル部材27aとの間に介設され、且つ、筐体21の幅方向(図1の左右方向)に間隔を有している。従って、これらのノズル部材27a,27bと電磁石22の側面22cとによって、断面形状が矩形状の流路を有する冷却ガスノズル23が形成されている。
【0039】
冷却ガスノズル23の冷却ガス流入口23aは、筐体21の裏面板21cに形成され、電磁石22の裏面側に位置している。
【0040】
図2,図3,図4及び図6には、電磁石制振装置16の各部における冷却ガスの流れを、点線の矢印で示している。
【0041】
冷却ガス供給装置(図示省略)から供給される冷却ガス(冷却空気)は、冷却ガス流入口23aから冷却ガスノズル23内に流入し、冷却ガスノズル23内を電磁石22の側面22cに沿って流通する。
【0042】
一方、冷却ガスノズル23の冷却ガス噴出口23bは、電磁石22の正面側に位置しており、且つ、冷却ガスノズル23内を流通してきた冷却ガスを、前方向と両側方向の3方向へ噴出する構成となっている。詳述すると、ノズル部材27bの先端27b−1は、ノズル部材27aの先端27a−1から距離lだけ手前に位置している。従って、冷却ガスノズル23の冷却ガス噴出口23bは、前方向(第1のガイド板21aの方向)に開口しているだけでなく、左右の両側方向(左右の第2のガイド板24の方向)にも開口しているため、冷却ガスを前方向だけでなく、両側方向にも噴き出す。なお、前方向と両側方向の噴出量の割合は、距離lの長さ調整によって、調整することができる。
【0043】
第1のガイド板(筐体21の前面板)21aは、冷却ガスノズル23の冷却ガス噴出口23bから前方向へ噴出された冷却ガスを、電磁石22の正面(コイル22bの正面)22gに沿って流れるように案内する。このとき、第1のガイド板21aによって案内される冷却ガスにより、電磁石22の正面22g側が冷却される。
【0044】
一対の第2のガイド板24は何れも、電磁石22(コイル22b)の両側面22d,22eが湾曲しているのに合わせて湾曲しており、端部がノズル部材27aの両端部にそれぞれ固定されている。そして、第2のガイド板24は、冷却ガスノズル23の冷却ガス噴出口23bから両側方向へ噴出された冷却ガスをそれぞれ、電磁石22の左右2つの側面(コイル22bの左右両側の面)22d,22eに沿って流れるように案内する。このとき、第2のガイド板24によって案内される冷却ガスにより、電磁石22の両側面22d,22e側が冷却される。
【0045】
第3のガイド板(筐体21の側面板)21bは、第1のガイド板(筐体21の前面板)21aによって案内されてきた冷却ガスと第2のガイド板24によって案内されてきた冷却ガスを、電磁石22の側面22f、即ち鉄心22a(凸部22a−2)の側面22fに沿って流れるように案内する。このとき、第3のガイド板21bによって案内される冷却ガスにより、電磁石22の側面22f側が冷却される。
【0046】
冷却ガス排出口25は、筐体21の裏面板21cに形成されており、電磁石22の裏面側に位置している。第3のガイド板(筐体21の側面板)21bによって案内されてきた冷却ガスは、この冷却ガス排出口25から筐体21の外へ排出されて大気中へ放出される。
【0047】
また、冷却ガスノズル23の冷却ガス噴出口23bから噴出された冷却ガスの一部は、冷却ガス噴出口23b(冷却ガスノズル23の先端)と第1のガイド板(筐体21の前面板)21aとの間の隙間28を通って、位置センサ29が設けられている空間30に流入する。従って、この空間30に流入してきた冷却ガスにより、位置センサ29が冷却される。その後、この冷却ガスは再び隙間28を通って空間30から流出する。
【0048】
以上のように、本実施の形態例1の電磁石制振装置16によれば、電磁石22の表面の一部(側面22c)を利用して構成した冷却ガスノズル23と、冷却ガスノズル23から噴出された冷却ガスを、電磁石22の周囲に沿って流れるように案内する第1〜第3のガイド板21a,24,21bと、これらのガイド板21a,24,21bによって案内されてきた冷却ガスを排出する冷却ガス排出口25とを有することを特徴としているため、電磁石22の表面の一部を利用した冷却ガスノズル23によるガス冷却方式の実施により、冷却ガス配管設備を簡素化できて設備費用の軽減が可能となり、且つ、第1〜第3のガイド板21a,24,21bによって冷却ガスが電磁石22の周囲に沿って流れるように案内することにより、電磁石22に対して十分な冷却性能を発揮することができる。しかも、ガス冷却方式であるため、冷却水漏れが発生しないことにより、冷却水漏れによる災害の発生を回避でき、安全性が向上する。
【0049】
しかも、筐体21の前面板を第1のガイド板21aとして利用し、筐体21の側面板を第3のガイド板21bとして利用することにより、更に装置構成を簡素化することができる。
【0050】
また、冷却ガスノズル23の冷却ガス噴出口23bから噴出された冷却ガスの一部が、冷却ガス噴出口23bと第1のガイド板21aとの間の隙間28を通って、位置センサ29が設けられている空間30に流入する構成であるため、電磁石22の冷却と同時に位置センサ29の冷却も行うことができる。
【0051】
<実施の形態例2>
図9に基づき、本発明の実施の形態例2に係る溶融金属めっき設備の電磁石制振装置41について説明する。なお、図9において、上記実施の形態例1の電磁石制振装置16と同様部分については、同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。また、溶融金属めっき設備の構成に関しては図1と同様であり、電磁石制振装置16に代えて電磁石制振装置41を設置した構成となる。
【0052】
図9に示すように、本実施の形態例2の電磁石制振装置41は、筐体21の裏面板21cに固定された第4のガイド板42を有している。第4のガイド板42は箱状のものであり、電磁石22に対応する位置で筐体21の裏面板21cに沿って設けられ、冷却ガス排出口25を覆う一方、端部に冷却ガス排出口42aが形成されている。
【0053】
従って、第4のガイド板42は、筐体21の冷却ガス排出口25から排出された冷却ガス(冷却空気)を、電磁石22に対応する位置で筐体21の裏面板21cに沿って流れるように案内し、冷却ガス排出口42aから排出する。このとき、第4のガイド板42によって案内される冷却ガスにより、電磁石22の裏面側が冷却される。
【0054】
なお、本実施の形態例2の電磁石制振装置41の他の構成については、上記実施の形態例1の電磁石制振装置16と同様である。
【0055】
以上のように、本実施の形態例2の電磁石制振装置41によれば、冷却ガス排出口25から排出された冷却ガスを、電磁石22に対応する位置で筐体21の裏面板21cに沿って流れるように案内する第4のガイド板42を設けたことを特徴としているため、第4のガイド板42で案内する冷却ガスによって電磁石22の裏面側も冷却することができ、冷却性能が更に向上する。
【0056】
<実施の形態例3>
図10及び図11に基づき、本発明の実施の形態例3に係る溶融金属めっき設備の電磁石制振装置51について説明する。なお、図10において、上記実施の形態例1の電磁石制振装置16と同様部分については、同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。また、溶融金属めっき設備の構成に関しては図1と同様であり、電磁石制振装置16に代えて電磁石制振装置51を設置した構成となる。
【0057】
図10に示すように、本実施の形態例3の電磁石制振装置51では、給電装置54からの給電によって電磁石22のコイル22bに電流が流れることにより電磁力が発生し、この電磁力によってストリップ17の形状矯正や制振を行なう。
【0058】
また、冷却ガスノズル23に対しては、冷却ガス供給装置55から冷却ガス(冷却空気)が供給される。冷却ガス供給装置55は、冷却ガス供給タンク56と、冷却ガス供給ライン57と、この冷却ガス供給ライン57に設けられた流量調整弁58とを有している。冷却ガス供給タンク56にはコンプレッサ(図示省略)で圧縮された高圧の冷却ガス(冷却空気)が貯留されており、この冷却ガスが冷却ガス供給ライン57を介して冷却ガスノズル23へ供給され、冷却ガス流入口23aから冷却ガスノズル23内に流入する。このとき、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガスの流量は、流量調整弁58によって調整される。
【0059】
そして、これらの給電装置54及び冷却ガス供給装置55を制御するため、本実施の形態例3の電磁石制振装置51には、冷却ガス排出口25に設置された熱電対などの排気温度センサ52と、コントローラ53とが装備されている。
【0060】
排気温度センサ52では、冷却ガス排出口25から排出された冷却ガス(冷却空気)の温度Tgを検出し、この冷却ガスの温度(排出口ガス温度)Tgの検出信号を、温度検出情報としてコントローラ53へ出力する。コントローラ53では、排気温度センサ52の温度検出情報に基づいて、給電装置54と、冷却ガス供給装置55の流量調整弁58とを制御することにより、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガスの流量調整と、電磁石22(コイル22b)に流す電流の調整とを行なう。
【0061】
詳述すると、例えば、電磁石22(コイル22b)に流す電流値iがi=3.5(A)のとき、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガス流量Q(m3/min)と、電磁石制振装置51の各部の温度上昇量ΔT(℃)との関係は、図11に例示するような関係になる。図11は電磁石1個あたりについて示している。
図11には冷却ガス流量Qに応じた電磁石許容温度上昇量ΔTmaxの変化と、排出口ガス温度上昇量ΔTgの変化とを示している。電磁石許容温度上昇量ΔTmaxは、電磁石許容温度Tmaxと、電磁石制振装置51の周囲の温度Taと差(Tmax−Ta)である。排出口ガス温度上昇量ΔTgは、排出口ガス温度Tgと周囲温度Taとの差(Tg−Ta)である。
【0062】
電磁石許容温度上昇量ΔTmaxと排出口ガス温度上昇量ΔTgは何れも、電流値iの二乗i2に比例し、冷却ガス流量Qにも比例する。従って、事前に試験やシミュレーション計算などを実施して、各電流値iにおける冷却ガス流量Qと各部温度上昇量ΔTの関係を把握しておく。そして、この把握した各電流値iにおける冷却ガス流量Qと各部温度上昇量ΔTの関係に基づいて、冷却ガス流量Qと電流値iを調整することにより、電磁石22が許容温度上昇量ΔTmax以下になるように調整する。
【0063】
図11の例では、例えば電磁石許容温度上昇量ΔTmaxがΔTmax1(300℃)の場合、排出口ガス温度上昇量ΔTgがΔTg1(50℃)以下になるように電流値iや冷却ガス流量Qを調整すればよい。
【0064】
従って、コントローラ53では、例えば排出口ガス温度上昇量ΔTg1(50℃)に相当する排出口ガス温度の値を目標温度とし、排気温度センサ52による排出口ガス温度Tgの検出値が前記目標温度となるように電磁石22(コイル22b)に流す電流値iの最大値を制限する。即ち、排気温度センサ54からの温度検出情報に基づいて排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも高いと判断した場合には、給電装置54から電磁石22へ流す電流値iの最大値を小さくする。前記温度検出情報に基づいて検出排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも低いと判断した場合には、給電装置54から電磁石22へ流す電流値iの最大値を大きくする。
【0065】
また、コントローラ53では、排気温度センサ52による排出口ガス温度Tgの検出値が前記目標温度となるように流量調整弁58の開度を制御することにより、冷却ガス流量Qを調整する。即ち、排気温度センサ52からの温度検出情報に基づいて排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも高いと判断した場合には、流量調整弁58の弁開度を大きくすように制御して、冷却ガス流量Qを増加させるように調整し、前記温度検出情報に基づいて検出排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも低いと判断した場合には、流量調整弁58の弁開度を小さくすように制御して、冷却ガス流量Qを減少させるように調整する。
【0066】
なお、冷却ブロアなどの送風機によって冷却ガス(冷却空気)を冷却ガスノズル23に供給する場合には、排気温度センサ52の温度検出情報に基づいて、前記送風機の出力を制御することにより、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガスの流量調整をすればよい。
【0067】
本実施の形態例3の電磁石制振装置51の他の構成については、上記実施の形態例1の電磁石制振装置16と同様である。
【0068】
以上のように、本実施の形態例3の電磁石制振装置51によれば、冷却ガス排出口25から排出された冷却ガスの温度を検出する排気温度センサ52を有し、この排気温度センサ52の温度検出情報に基づいて、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガスの流量調整、及び、電磁石22に流す電流の調整を行なう構成としたことを特徴としているため、より確実に電磁石22を許容温度以下に維持して、電磁石22が過昇温により破損するのを防止することができる。また、冷却ガスを定量供給する場合に比べて、余剰冷却や冷却不足を招くおそれがないため、より確実且つ省エネルギーな冷却が可能になる。
【0069】
<実施の形態例4>
図12及び図13に基づき、本発明の実施の形態例4に係る溶融金属めっき設備の電磁石制振装置61について説明する。なお、図12において、上記実施の形態例1,3の電磁石制振装置16,51と同様部分については、同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。給電装置54及び冷却ガス供給装置55に関しても上記実施の形態例3と同様である。また、溶融金属めっき設備の構成に関しては図1と同様であり、電磁石制振装置16に代えて電磁石制振装置61を設置した構成となる。
【0070】
図12に示すように、本実施の形態例4の電磁石制振装置61には、排気温度センサ52でけでなく、熱電対などの表面温度センサ62も設置されている。表面温度センサ62は電磁石22の表面(図示例ではコイル22bの表面)に設置されており、電磁石22の表面温度を検出し、この表面温度Tnの検出信号を、温度検出情報としてコントローラ53へ出力する。
【0071】
コントローラ53では、排気温度センサ52及び表面温度センサ62の温度検出情報に基づいて、給電装置54と、冷却ガス供給装置55の流量調整弁58とを制御することにより、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガスの流量調整と、電磁石22(コイル22b)に流す電流の調整とを行なう。
【0072】
詳述すると、例えば、電磁石22(コイル22b)に流す電流値iがi=3.5(A)のとき、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガス流量Q(m3/min)と、電磁石制振装置51の各部の温度上昇量ΔT(℃)との関係は、図13に例示するような関係になる。図13は電磁石1個あたりについて示している。
図13には図11と同様に冷却ガス流量Qに応じた電磁石許容温度上昇量ΔTmaxの変化と、排出口ガス温度上昇量ΔTgの変化とを示しており、更に冷却ガス流量Qに応じた電磁石表面温度上昇量ΔTnの変化も示している。電磁石表面温度上昇量ΔTnは、電磁石表面温度Tnと周囲温度Taとの差(Tn−Ta)である。
【0073】
電磁石許容温度上昇量ΔTmaxと電磁石表面温度上昇量ΔTnと排出口ガス温度上昇量ΔTgは何れも、電流値iの二乗i2に比例し、冷却ガス流量Qにも比例する。従って、事前に試験やシミュレーション計算などを実施して、各電流値iにおける冷却ガス流量Qと各部温度上昇量ΔTの関係を把握しておく。そして、この把握した各電流値iにおける冷却ガス流量Qと各部温度上昇量ΔTの関係に基づいて、冷却ガス流量Qと電流値iを調整することにより、電磁石22が許容温度上昇量ΔTmax以下になるように調整する。
【0074】
図13の例では、例えば電磁石許容温度上昇量ΔTmaxがΔTmax1(300℃)の場合、電磁石表面温度上昇量ΔTnがΔTn1(200℃)以下となり、排出口ガス温度上昇量ΔTgがΔTg1(50℃)以下になるように電流値iや冷却ガス流量Qを調整すればよい。
【0075】
従って、コントローラ53では、例えば排出口ガス温度上昇量ΔTg1(50℃)に相当する排出口ガス温度の値を目標温度とし、排気温度センサ52による排出口ガス温度Tgの検出値が前記目標温度となるように電磁石22(コイル22b)に流す電流値iの最大値を制限する。即ち、排気温度センサ52からの温度検出情報に基づいて排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも高いと判断した場合には、給電装置54から電磁石22へ流す電流値iの最大値を小さくし、前記温度検出情報に基づいて検出排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも低いと判断した場合には、給電装置54から電磁石22へ流す電流値iの最大値を大きくする。
【0076】
また、コントローラ53では、排気温度センサ52による排出口ガス温度Tgの検出値が前記目標温度となるように流量調整弁58の開度を制御することにより、冷却ガス流量Qを調整する。即ち、排気温度センサ52からの温度検出情報に基づいて排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも高いと判断した場合には、流量調整弁58の弁開度を大きくすように制御して、冷却ガス流量Qを増加させるように調整し、前記温度検出情報に基づいて検出排出口ガス温度Tgの検出値が、前記目標温度よりも低いと判断した場合には、流量調整弁58の弁開度を小さくすように制御して、冷却ガス流量Qを減少させるように調整する。
【0077】
そして更に、コントローラ53では、例えば電磁石表面温度上昇量ΔTn1(200℃)に相当する電磁石表面温度Tnの値を目標温度とし、表面温度センサ62による電磁石表面温度Tnの検出値が前記目標温度となるように電磁石22(コイル22b)に流す電流値iの最大値を制限する。即ち、表面温度センサ62からの温度検出情報に基づいて電磁石表面温度Tnの検出値が、前記目標温度よりも高いと判断した場合には、給電装置54から電磁石22へ流す電流値iの最大値を小さくし、前記温度検出情報に基づいて電磁石表面温度Tnの検出値が、前記目標温度よりも低いと判断した場合には、給電装置54から電磁石22へ流す電流値iの最大値を大きくする。
【0078】
また、コントローラ53では、表面温度センサ62による電磁石表面温度Tnの検出値が前記目標温度となるように流量調整弁58の開度を制御することにより、冷却ガス流量Qを調整する。即ち、表面温度センサ62からの温度検出情報に基づいて電磁石表面温度Tnの検出値が、前記目標温度よりも高いと判断した場合には、流量調整弁58の弁開度を大きくすように制御して、冷却ガス流量Qを増加させるように調整し、前記温度検出情報に基づいて電磁石表面温度Tnの検出値が、前記目標温度よりも低いと判断した場合には、流量調整弁58の弁開度を小さくすように制御して、冷却ガス流量Qを減少させるように調整する。
【0079】
なお、冷却ブロアなどの送風機によって冷却ガス(冷却空気)を冷却ガスノズル23に供給する場合には、排気温度センサ52や表面温度センサ62の温度検出情報に基づいて、前記送風機の出力を制御することにより、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガスの流量調整をすればよい。
【0080】
また、排気温度センサ52の温度検出情報に基づく電流値iや冷却ガス流量Qの調整量と、表面温度センサ62の温度検出情報に基づく電流値iや冷却ガス流量Qの調整量とが異なる場合には、何れか電流値iが小さくなる方の調整量及び冷却ガス流量Qが大きくなる方の調整量を選択する。或いは、例えば排気温度センサ52の温度検出情報に基づく電流値iや冷却ガス流量Qの調整量と、表面温度センサ62の温度検出情報に基づく電流値iや冷却ガス流量Qの調整量との平均値を、実際の冷却ガス流量Qの調整量としてもよい。
【0081】
また、排気温度センサ52と表面温度センサ62の両方の温度検出情報に基づくのではなく、表面温度センサ62の温度検出情報だけに基づいて、電流値iや冷却ガス流量Qの調整を行うようにしてもよい。
【0082】
本実施の形態例4の電磁石制振装置61の他の構成については、上記実施の形態例1,3の電磁石制振装置16,51と同様である。
【0083】
以上のように、本実施の形態例4の電磁石制振装置61によれば、排気温度センサ52だけでなく、電磁石22の表面の温度を検出する表面温度センサ62を有しており、この表面温度センサ62の温度検出情報に基づいて、冷却ガスノズル23へ流す冷却ガスの流量調整、及び、電磁石22に流す電流の調整を行なう構成としたことを特徴としているため、表面温度センサ62の温度検出情報に基づいて冷却ガスの流量調整や電流調整を行なうことにより、電磁石22の温度調整精度が向上し、冷却ガス量を更に低減することも可能になる。
【0084】
<実施の形態例5>
図14〜図20に基づき、本発明の実施の形態例5に係る溶融金属めっき設備の電磁石制振装置71について説明する。本実施の形態例5は電磁石と位置センサが別個の筐体に収容される場合の例を示している。この場合、位置センサについては電磁石とは別個の冷却ガス系統によって冷却する。なお、溶融金属めっき設備の構成に関しては図1と同様であり、電磁石制振装置16に代えて電磁石制振装置71を設置した構成となる。
【0085】
図14〜図20に示すように、電磁石制振装置71は直方体状の筐体72の内部に電磁石73が設置された構成となっている。
【0086】
電磁石73は鉄心73aとコイル73bとを有して成るものであり、筐体72の裏面板72aにボルト74で固定されている。鉄心73aはケイ素鋼板によって形成されたものであり、筐体72の上下方向に沿った後部73a−1と、後部73a−1から筐体72の前後方向(図15の左右方向)に沿って突出している凸部73a−2,73a−3,73a−4とを有して成るものであり、側面視(図15)の形状がE字状のものである。コイル73bは鉄心73aの中央の凸部73a−3に巻回され、凸部73a−2,73a−3間及び凸部73a−3,73a−4間に嵌め込まれている。従って、電磁石73は、給電装置(図示省略)からの給電によってコイル73bに電流を流すことにより電磁力が発生し、この電磁力によってストリップ17(図15)の形状矯正や制振を行なう。
【0087】
そして、このときに電磁石73は発熱するが、コイル73bは絶縁材によって被覆され、また、樹脂製のモールド材によってモールドされており、これらの絶縁材やモールド材は比較的熱に弱いため、電磁石73を冷却することが必要である。
【0088】
従って、電磁石73の温度が許容温度(絶縁材やモールド材の耐熱温度)以上に上昇するのを防止するため、電磁石制振装置71ではガス冷却方式(空冷方式)によって電磁石73を冷却している。水冷方式の方が冷却能力は高いが、水冷方式には前述ような問題点があるため、本発明では空冷方式を採用し、且つ、ガス冷却方式(空冷方式)でも十分な冷却能力を発揮することはできるようにするため、以下に説明するような工夫を施している。
【0089】
即ち、電磁石制振装置71は、電磁石73の表面の一部を利用して構成した冷却ガスノズル75と、この冷却ガスノズル75から噴出された冷却ガス(冷却空気)を、電磁石73の周囲(表面)に沿って流れるように案内する第1〜第3のガイド板72b,76a,76bと、前記ガイド板72b,76a,76bによって案内されてきた冷却ガスを排出する冷却ガス排出口77とを有している。第1のガイド板72bは筐体72の前面板である。第2のガイド板76aと第3のガイド板76bは一体のものである。
【0090】
冷却ガスノズル75は、電磁石73の4つの側面73c,73d,73e,73fのうちの1つの側面73cと、この1つの側面73cに沿って設けられたノズル部材78a,78bとを有して成るものである。なお、前記側面73cは鉄心73a(凸部73a−4)の側面である。前記側面73d,73eは電磁石73の左右両側の面、即ちコイル73bの左右両側の面である。側面73fは鉄心73a(凸部73a−2)の側面である。
【0091】
ノズル部材78aは平板状のものであり、電磁石73の側面73cと平行に水平に配設されており、後端部が支持部材79を介して筐体72の裏面板72aに固定される一方、先端27a−1が第1のガイド板(筐体21の前面板)21aの近傍に位置している。一対のノズル部材78bは細長い板状のものであり、電磁石73の鉄心73a(凸部73a−4)とノズル部材73aとに固定され、且つ、筐体72の幅方向(図1の左右方向)に間隔を有している。従って、これらのノズル部材73a,73bと電磁石73の側面73cとによって、断面形状が矩形状の流路を有する冷却ガスノズル75が形成されている。
【0092】
冷却ガスノズル75の冷却ガス流入口75aは、筐体72の裏面板72aに形成され、電磁石73の裏面側に位置している。
【0093】
図14,図5,図16及び図18には、電磁石制振装置71の各部における冷却ガスの流れを、点線の矢印で示している。
【0094】
冷却ガス供給装置(図示省略)から供給される冷却ガス(冷却空気)は、冷却ガス流入口75aから冷却ガスノズル75内に流入し、冷却ガスノズル75内を電磁石73の側面73cに沿って流通する。
【0095】
一方、冷却ガスノズル75の冷却ガス噴出口75bは、電磁石73の正面側に位置しており、且つ、冷却ガスノズル75内を流通してきた冷却ガスを、前方向と両側方向の3方向へ噴出する構成となっている。詳述すると、ノズル部材78bの先端78b−1は、ノズル部材78aの先端78a−1から距離lだけ手前に位置している。従って、冷却ガスノズル75の冷却ガス噴出口75bは、前方向(第1のガイド板72bの方向)に開口しているだけでなく、左右の両側方向(左右の第2のガイド板76aの方向)にも開口しているため、冷却ガスを前方向だけでなく、両側方向にも噴き出す。なお、前方向と両側方向の噴出量の割合は、距離lの長さ調整によって、調整することができる。
【0096】
第1のガイド板(筐体72の前面板)72bは、冷却ガスノズル75の冷却ガス噴出口75bから前方向へ噴出された冷却ガスを、電磁石73の正面(コイル73bの正面)73gに沿って流れるように案内する。このとき、第1のガイド板72bによって案内される冷却ガスにより、電磁石73の正面73g側が冷却される。
【0097】
一対の第2のガイド板76aは何れも、電磁石73(コイル73b)の両側面73d,73eが湾曲しているのに合わせて湾曲している部分であり、端部がノズル部材78aの両端部にそれぞれ固定されている。そして、第2のガイド板76aは、冷却ガスノズル75の冷却ガス噴出口75bから両側方向へ噴出された冷却ガスをそれぞれ、電磁石73の左右2つの側面(コイル22bの左右両側の面)73d,73eに沿って流れるように案内する。このとき、第2のガイド板76aによって案内される冷却ガスにより、電磁石73の両側面73d,73e側が冷却される。
【0098】
第3のガイド板76bは電磁石73の側面(鉄心73aの側面)73fに平行な平板状の部分であり、第1のガイド板(筐体72の前面板)72bによって案内されてきた冷却ガスと第2のガイド板76aによって案内されてきた冷却ガスを、電磁石73の側面73fに沿って流れるように案内する。このとき、第3のガイド板76bによって案内される冷却ガスにより、電磁石73の側面22f側が冷却される。
【0099】
冷却ガス排出口77は、筐体72の裏面板72aに形成されており、電磁石73の裏面側に位置している。第3のガイド板76bによって案内されてきた冷却ガスは、この冷却ガス排出口77から筐体72の外へ排出されて大気中へ放出される。
【0100】
以上のように、本実施の形態例5の電磁石制振装置71によれば、電磁石73の表面の一部(側面73c)を利用して構成した冷却ガスノズル75と、冷却ガスノズル75から噴出された冷却ガスを、電磁石73の周囲に沿って流れるように案内する第1〜第3のガイド板72b,76a,76bと、これらのガイド板72b,76a,76bによって案内されてきた冷却ガスを排出する冷却ガス排出口77とを有することを特徴としているため、電磁石73の表面の一部を利用した冷却ガスノズル75によるガス冷却方式の実施により、冷却ガス配管設備を簡素化できて設備費用の軽減が可能となり、且つ、第1〜第3のガイド板72b,76a,76bによって冷却ガスが電磁石73の周囲に沿って流れるように案内することにより、電磁石73に対して十分な冷却性能を発揮することができる。しかも、ガス冷却方式であるため、冷却水漏れが発生しないことにより、冷却水漏れによる災害の発生を回避でき、安全性が向上する。
【0101】
また、筐体72の前面板を第1のガイド板72bとして利用することにより、更に装置構成を簡素化することができる。
【0102】
なお、上記実施の形態例1〜5の構成は適宜組み合わせてもよい。即ち、例えば実施の形態例3,4,5において、実施の形態例2のような第4のガイド板を備えた構成にしてもよく、実施の形態例5において、実施の形態例3のような冷却ガス流量及び電流の調整機構や、実施の形態例4のような冷却ガス流量及び電流の調整機構を備えた構成にしてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態例1〜5では筐体内に電磁石が1つ設けている場合の例を示したが、これに限定するものではなく、本発明は筐体内に複数の電磁石が並設されている場合にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は溶融金属めっき設備の電磁石制振装置に関するものであり、この電磁石制振装置の電磁石を冷却空気などの冷却ガスによって冷却する場合に適用して有用なものである。
【符号の説明】
【0105】
10 溶融金属めっき設備
11 溶融金属
12 ポット
13 シンクロール
14 サポートロール
15 ワイピングノズル
16 電磁石制振装置
17 ストリップ(帯板)
21 筐体
21a 第1のガイド板(筐体の前面板)
21b 第3のガイド板(筐体の側面板)
21c 筐体の裏面板
22 電磁石
22a 電磁石の鉄心
22a−1 鉄心の後部
22a−2,22a−3,22a−4 鉄心の凸部
22b 電磁石のコイル
22c,22d,22e,22f 電磁石の側面
22g 電磁石の正面
23 冷却ガスノズル
23a 冷却ガス流入口
23b 冷却ガス噴出口
24 第2のガイド板
25 冷却ガス排出口
26 ボルト
27a,27b ノズル部材
27a−1,27b−1 ノズル部材の先端
28 隙間
20 位置センサ
30 空間
41 電磁石制振装置
42 第4のガイド板
42a 冷却ガス排出口
51 電磁石制振装置
52 排気温度センサ
53 コントローラ
54 給電装置
55 冷却ガス供給装置
56 冷却ガス供給タンク
57 冷却ガス供給ライン
58 流量調整弁
61 電磁石制振装置
62 表面温度センサ
71 電磁石制振装置
72 筐体
72a 筐体の裏面板
72b 第1のガイド板(筐体の前面板)
73 電磁石
73a 電磁石の鉄心
73a−1 鉄心の後部
73a−2,73a−3,73a−4 鉄心の凸部
73b 電磁石のコイル
73c,73d,73e,73f 電磁石の側面
73g 電磁石の正面
74 ボルト
75 冷却ガスノズル
75a 冷却ガス流入口
75b 冷却ガス噴出口
76a 第2のガイド板
76b 第3のガイド板
77 冷却ガス排出口
78a,78b ノズル部材
78a−1,78b−1 ノズル部材の先端
79 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材の帯板に金属めっきを施す溶融金属めっき設備に装備され、筐体内に設けられた電磁石の電磁力により前記帯板の形状矯正及び制振を行なう電磁石制振装置において、
前記電磁石の表面の一部を利用して構成した冷却ガスノズルと、
前記冷却ガスノズルから噴出された冷却ガスを、前記電磁石の周囲に沿って流れるように案内するガイド板と、
前記ガイド板によって案内されてきた前記冷却ガスを排出する冷却ガス排出口と、
を有することを特徴とする溶融金属めっき設備の電磁石制振装置。
【請求項2】
請求項1に記載する溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記冷却ガスノズルは、前記電磁石の4つの側面のうちの何れか1つの側面と、この1つの側面に沿って設けられたノズル部材とを有して成り、且つ、冷却ガス流入口が、前記電磁石の裏面側に位置し、冷却ガス噴出口が、前記電磁石の正面側に位置して前方向と両側方向の3方向へ冷却ガスを噴出する構成である一方、
前記ガイド板として、第1のガイド板と第2のガイド板と第3のガイド板を有し、
前記第1のガイド板は、前記冷却ガス噴出口から前記前方向へ噴出された冷却ガスを、前記電磁石の前記正面に沿って流れるように案内し、
前記第2のガイド板は、前記冷却ガス噴出口から前記両側方向へ噴出された冷却ガスを、前記電磁石の前記側面のうちの他の2つの側面に沿って流れるように案内し、
前記第3のガイド板は、前記第1のガイド板によって案内されてきた冷却ガスと前記第2のガイド板によって案内されてきた冷却ガスを、前記電磁石の前記側面のうちの他の1つの側面に沿って流れるように案内する構成であり、
前記冷却ガス排出口は、前記電磁石の裏面側に設けられ、前記第3のガイド板によって案内されてきた冷却ガスを排出する構成であることを特徴とする溶融金属めっき設備の電磁石制振装置。
【請求項3】
請求項2に記載する溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記第1のガイド板は、前記筐体の前面板であり、
前記第3のガイド板は、前記筐体の側面板であること、
を特徴とする溶融金属めっき設備の電磁石制振装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載する溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記冷却ガス排出口から排出された冷却ガスを、前記電磁石に対応する位置で前記筐体の裏面板に沿って流れるように案内する第4のガイド板を設けたことを特徴とする溶融金属めっき設備の電磁石制振装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載する溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記筐体内には前記帯板の位置を計測する位置センサが設けられており、
前記冷却ガス噴出口から噴出された冷却ガスの一部が、前記冷却ガス噴出口と前記第1のガイド板との間の隙間を通って、前記位置センサが設けられている空間に流入する構成であることを特徴とする溶融金属めっき設備の電磁石制振装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載する溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記冷却ガス排出口から排出された冷却ガスの温度を検出する排気温度センサを有し、
前記排気温度センサの温度検出情報に基づいて、前記冷却ガスノズルへ流す冷却ガスの流量調整、又は、前記電磁石に流す電流の調整、又は、前記冷却ガスの流量調整及び前記電流の調整を行なう構成としたことを特徴とする溶融金属めっき設備の電磁石制振装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載する溶融金属めっき設備の電磁石制振装置において、
前記電磁石の表面の温度を検出する表面温度センサを有し、
前記表面温度センサの温度検出情報に基づいて、前記冷却ガスノズルへ流す冷却ガスの流量調整、又は、前記電磁石に流す電流の調整、又は、前記冷却ガスの流量調整及び前記電流の調整を行なう構成としたことを特徴とする溶融金属めっき設備の電磁石制振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−1795(P2012−1795A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140316(P2010−140316)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(502251784)三菱日立製鉄機械株式会社 (130)
【Fターム(参考)】