説明

溶融金属浴の温度を測定するための方法及び装置

【課題】光ファイバーによる溶融浴のパラメーターの測定を改善する。
【解決手段】本発明はカバーによって囲まれた光ファイバーの手段による溶融浴のパラメーターの測定方法に関する。本発明の光ファイバーは溶融浴中に浸漬され、溶融浴中の該光ファイバーによって吸収された放射線は検出器に供給され、前記光ファイバーは溶融浴中に浸漬されたときに加熱される。本発明の光ファイバーの加熱曲線は第1時間t0−Δtから時間tまでの時間間隔Δtに対する温度T0までの光ファイバーの温度上昇ΔT1がその後の時間tから第2時間t0+Δtまでの時間間隔Δtに対する光ファイバーの温度上昇ΔT2より小さい少なくとも1つの点P(t0,T0)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカバー(または、被覆物)によって囲まれた光ファイバーの手段によって溶融浴、特に溶融金属浴のパラメーター、特に温度を測定するための方法に関する。本発明の光ファイバーは溶融浴中に浸漬される。そして、溶融浴中の光ファイバーによって吸収された放射線は検出器に供給される。本発明の光ファイバーは溶融浴中に浸漬されたときに加熱される。また、本発明はそれに接続された検出器及びカバーを有する光ファイバーによって溶融浴、特に溶融金属浴のパラメーター、特に温度を測定するための装置に関する。本発明のカバーは複数の層とともに光ファイバーを囲む。本発明に関するパラメーターは、例えば浴の高さ及び組成、すなわち浴の成分の比率を含んでもよい。もちろん、本発明は溶融塩、溶融氷晶石等の溶融浴、またはガラス浴等の測定に使用することもできる。
【背景技術】
【0002】
この種の方法は特許文献1等に開示されている。この文献は溶融金属浴の温度の測定において、どのように光ファイバーが使用されるかを説明している。そこにおいて、光ファイバーはスプールから巻き戻され、供給パイプを介して溶融金属浴に供給される。光ファイバーによって吸収された放射線は検出器によって評価される。
【0003】
特許文献2には同様な光ファイバーが開示されている。この文献に開示されている光ファイバーは間隔を開けた状態で金属管(または、金属チューブ)によって囲まれている。この金属管の周りには断熱材で作製された管(または、チューブ)が配置され、それはさらに外側の金属管(または、金属チューブ)によって囲まれている。この構造は内側の金属チューブが急速に溶融することを防止する。断熱材で作製された管は炭素粒子を含んでいるので、溶融金属浴中に断熱材の管の対応する部分が浸漬されるまで内側の金属管は溶融しない。光ファイバーは溶融金属浴中に浸漬され、予め決められた速度で追跡または前進させられるので、光ファイバーの先端が破壊された後であっても測定を続けることが可能である。
特許文献3には温度測定のための同様な光ファイバーが開示されている。この文献において、光ファイバーはプラスチック材料の層によって囲まれた保護金属管によって囲まれている。
【0004】
さらに、ドーピング物質を選択的に溶融鋼浴中に導入するために製鋼所等で使用されている複数の層から成るワイヤーがこの分野において周知である(例えば、特許文献4〜7参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−118607号公報
【特許文献2】特開平10−176954号公報
【特許文献3】特開平7−151918号公報
【特許文献4】独国特許出願公開第19916235号明細書
【特許文献5】独国特許発明第3712619号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第19623194号明細書
【特許文献7】米国特許第6770366号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は光ファイバーによる溶融浴のパラメーターの測定を改善することである。
本発明の目的は請求の範囲の独立請求項及び以下の詳細な説明に記載されている特長によって達成される。本発明の好まれる構成は請求の範囲の従属請求項及び以下の詳細な説明に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
光ファイバーは本質的に、それが溶融浴に浸漬されたとき、またはそれが溶融浴または溶融浴(例えば、溶融鋼浴)の上のスラグ層に近づいたときに加熱される。加熱は特に、光ファイバーの先端または浸漬端に適用される。光ファイバーは通常、それの光伝達部材が石英ガラスであり、石英ガラスは溶融鋼浴等の温度に長時間耐えることができないので、特にその先端部は定期的に取り替えられなければならない。本発明に従った方法は特に、溶融浴または溶融浴の上のスラグ層に浸漬される光ファイバーの前端部に関する。本発明に従った光ファイバーの(時間tの関数として温度Tの増大を示す)加熱曲線は第1時間t0−Δtから時間tまでの時間間隔Δtに対する温度T0までの光ファイバーの温度上昇ΔT1がその後の時間tから第2時間t0+Δtまでの時間間隔Δtに対する光ファイバーの温度上昇ΔT2より小さい少なくとも1つの点P(t0,T0)を有する。
【0008】
この種の温度変化は原則的に、加熱曲線の時間に対して前方方向に対する特定の点が屈曲部(擬似不連続部)を有し、そこにおいてその後の加熱速度がそれ以前の加熱速度に対して大幅に増大することを意味する。そこにおいて、光ファイバーまたはそれに隣接する環境(または、隣接する部材)の機械的な動きが発生すること、及びそれの大きさが加熱速度の変化の大きさ及び対応する時間間隔の短さに依存することが判明した。加熱速度の変化が大きいほど、そして時間間隔Δtが短いほど、この加熱曲線の擬似不規則変化時における光ファイバーまたはそれに隣接する環境(または、隣接する部材)の機械的な動きが大きくなる。この動きは光ファイバーの溶融浴への浸漬及び光ファイバーの先端の置き換わりを補助するので(すなわち、光ファイバーの先端は特に、急激な動きの発生(振動)によって押し出されるので)、高温によって損傷されてないガラスファイバーの新規の端部が追跡または露出されることができる。
【0009】
第2時間t0+Δtまでの時間間隔Δtにおける温度Tの上昇ΔT2の大きさは第1時間t0−Δtからの時間間隔Δtにおける温度Tの上昇ΔT1の大きさの少なくとも5倍、好ましくは10倍、さらに好ましくは20倍である。この第2時間間隔の温度上昇はさらに好ましくは50倍であり、さらに好ましくは100倍である。2つの時間間隔の期間Δtの長さは最大500msであり、好ましくは最大200msである。
【0010】
2つの時間間隔の間の時間t0の点に割り当てられる光ファイバーの温度T0は最大600℃、好ましくは最大200℃、さらに好ましくは最大100℃であることが望ましい。狭義における実際の光ファイバーの温度、すなわち石英ガラスの温度もこれらの条件に考慮されなければならない。加熱速度の変化の基礎となるこの温度T0が低いほど、この変化はより強力かつ効果的なものとなり得る。
【0011】
本発明に従うと、光ファイバーが溶融金属浴に浸漬される、またはそれに供給されるときの速度はそれの先端の多様な構造が破壊される速度に相当するので、破壊されたファイバー構造によって生ずる放射線の損失を起こさずに放射線を受信及び伝送するために適した新規のガラスファイバー材料が連続的に供給される。
【0012】
本発明に従うと、本発明の光ファイバーによって溶融浴、特に溶融金属浴のパラメーター、特に温度を測定するための装置はカバー(または、被覆物)、及び光ファイバーに接続された検出器を備え、前記カバーが複数の層で光ファイバーを囲み、1つの層が金属管(または、金属チューブ)として構成され、該金属管の内側に配置される中間層が粒子、繊維、または粒状材料から形成され、該中間層の材料が複数の別個の部材として該光ファイバーを囲むことを特徴とする。本発明において、この中間層の材料が複数の別個の部材によって光ファイバーを囲むという特徴は動作状態において、すなわち測定する溶融浴への浸漬中または浸漬後に複数の部材による構造が存在することを意味する。この場合、温度は少なくとも1000℃、好ましくは1400℃である。この状態において、製造中に中間層の部材の間で使用されてもよい結合剤は溶融または燃焼されるので、個々の部材はこの段階において互いに、完全にまたは実質的に結合していない状態となる。これらの部材は光ファイバーの周りに配置された小さな粒子、または集成物またはシェル等の大きな凝集性単体を形成してもよい。したがって、中間層の材料は全体として剛性を有するものではなく、少なくともある程度のそれ自体に対する可動性を有するものである。
【0013】
この種の中間層は光ファイバーの溶融金属浴または溶融浴の上のスラグ層への浸漬中に加熱される。驚くべきことに、金属管及びそれの内側に配置される粒子、繊維、または粒状材料から作製される中間層の組み合わせは、加熱中に加熱曲線の特定の点から前方に向かう段階において、中間層のこの材料が気体の存在とともに急激に、大きく膨張することを生ずることが判明した。すなわち、金属管がその程度まで加熱されると、それは加熱による中間層の気体の膨張のために金属管の内側に生ずる圧力に耐えることができなくなる。この場合、金属管の内側に金属管を割る、または他の様式で金属管を破壊するまで応力が急速に発生し、光ファイバーのカバーが光ファイバーから実質的に爆発的に引き剥がされる。概略的に述べると、本発明に従った装置は金属管の破壊中または破壊後に中間層が急速に崩壊し、それの構成物が光ファイバーから引き剥がされる。この様式により、1つの側面において、光ファイバーはそれの浸漬端が非常に急速かつ急激に溶融金属浴に露出され、もう1つの側面において、光ファイバーの先端の溶融金属浴への前進が容易に行われる。中間層は好ましくは、二酸化珪素、酸化アルミニウム、または溶融鋼浴に対して耐火性または不活性の材料から形成される。中間層の材料はそれ自体で剛性を有さず、材料の個々の粒子は互いに移動可能である。それにより、1つの側面において、光ファイバーのカバーは可能な限り可撓性を有し、もう1つの側面において、この材料の爆発または解放の不規則的な特性を保証する。カバーは特に、亜鉛等の金属の、セラミック紙、厚紙、またはプラスチック材料の外側の層を有してもよい。
【0014】
カバー(または、被覆物)は好ましくは、光ファイバーからのカバー材料の解放、または光ファイバーの破壊された先端の除去(離脱)を促進させるために振動器を有する(または、振動器がカバーの隣に配置される)。振動器はまた、中間層と同じ材料から形成されてもよい。すなわち、中間層の材料の粒子は加熱されると互いに移動し、この動作は部分的に不規則に発生するので中間層内またはこの材料内に振動を発生する。
【0015】
振動器は100℃から1700℃の間で気体を発生する材料(例えば、この温度範囲で燃焼するまたは気体を放出するプラスチック材料または他の材料)から形成されてもよい。また、振動器とカバーの間には振動器の振幅よりも小さい中間空間が形成されてもよい。特に、振動器がカバーの外側に配置される場合、それはカバーに周期的に機械的な作用を与えるので、その振動はこれらの周期的作用によって最適な状態で伝達される。好ましい選択として、カバーの外側は軸方向に連続的に配置された不規則性を有してもよい。それにより、特に、カバーの隣に配置された、光ファイバーのガイド部品上の障害物は、光ファイバーが前進したときにその不規則性に作用し、振動を生ずる。
【0016】
さらに、光ファイバーは内側の層として金属スリーブによって囲まれてもよい。カバーの層は互いに直接的に接するように配置されてもよく、内側の層は好ましくは、光ファイバーに直接接するように配置される。特に、装置が溶融鋼浴または溶融鉄浴の測定のために使用される場合、カバーの金属管及び金属管スリーブは好ましくは鋼から作製される。一般に、金属管または金属管スリーブの材料の融点は測定される溶融金属浴の融点と等しくされるべきである。
【0017】
本発明に従った装置は概略的に、溶融金属浴への浸漬で不連続的に破壊される石英ガラスファイバーのためのカバー(または、被覆物)を有する。この様式により、本発明の光ファイバーは非常に低い温度で比較的長時間保持され、そして特定の温度に達した後、光ファイバーは溶融金属浴の平衡温度まで不規則的または不連続的に加熱されるので、溶融金属浴中の光ファイバーまたはそれの浸漬端が破壊される前に測定を非常に素早く行うことができる。光ファイバーの浸漬端が破壊される速度と同じ速度で光ファイバーを溶融浴中に連続的に追跡または前進させることにより、溶融金属浴中には常に測定のために利用可能なファイバー材料が存在する。光ファイバーの先端は連続的に破壊されるので、ファイバーの浸食面は実質的に静止した状態となる。これを行うために、ファイバーまたはそれの浸漬端はそれの崩壊が始まる瞬間に浴の温度に達する必要がある(それゆえ、この場合の、いわゆる臨界速度はファイバーの浸食面が移動する浸食速度と同じである)。浸食速度が臨界速度より小さい場合、ファイバーはそれが浴温度に達する前に破壊される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、付随する図面とともに本発明の実施例を説明する。
図1には、本発明の方法に従った、光ファイバーの溶融鋼浴への浸漬に対して示された温度/時間過程を図示している。カバー(または、被覆物)を備えた石英ガラスファイバーの溶融鋼浴への浸漬速度は破壊速度(浸食速度)に等しいので、浸食面は溶融金属浴内にて擬似的に静止状態にある。この速度は臨界速度に対応するので、破壊面上の光ファイバーは浴の温度に達する。
【0019】
カバーの内側の石英ガラスファイバー自体は長時間の間に非常に小さい温度の増大を有する。特定の時点において、それのカバーは急激に除去されるので、それの温度は、それが溶融鋼浴の平衡温度に達するまで短い時間で急激に増大する。
【0020】
図2には、鋼溶融浴2とともに溶融槽1が図示されている。光ファイバー構造3はこの鋼溶融浴に浸漬される。光ファイバー構造3は溶融金属浴の上側に、推進装置5による容易な推進のために利用される外側のカバー(または、被覆物)4を有する。カバー4の溶融鋼浴2に面している端部には振動器6が配置されている。振動器6は短い時間間隔でカバー4を連続的にたたくので、石英ガラスファイバーのカバーは、それが予め決められた温度に達すると、生成された振動によって急激に破壊される。この時点で、外側の鋼カバーの温度は非常に高く、石英ガラスファイバーと外側の鋼カバーの間に配置された粉末、または中間層に収容された気体は大幅に膨張し、振動器の機械的な効果による補助的な作用とともに熱機械応力の下にある鋼カバーを爆発させる。結果として、石英ガラスファイバーは溶融鋼浴の温度に直ちに露出されるので、それは平衡温度まで非常に急速に加熱される。中間層は二酸化珪素または酸化アルミニウムの粉末から形成されている。
【0021】
図3はそれの外側に縦方向に連続的に構成された不規則性を有するカバーを備える光ファイバー構造3を示している。光ファイバー構造3は内部に支持部材8を有するガイドスリーブ7によって誘導される。光ファイバー構造3は支持部材8に沿って誘導される。光ファイバー構造3の支持部材8の反対側において、ガイドスリーブ7は内側に向かって接線方向で曲げられており、その位置で障害物9を形成している。障害物9は不規則性にかみ合っているので、光ファイバー構造3はそれの前進運動中に連続的に振動させられる。
【0022】
図4aは光ファイバー構造3を示しており、そこにおいて石英ガラスファイバー10は鋼管11によって囲まれている。鋼管11の内側には酸化アルミニウムの粉末から作製された中間層12が配置されている。石英ガラスファイバー10は光ファイバーの浸漬端の反対側の端部で検出器13に接続されている。図4bには同様な構成が示されており、そこにおいて、石英ガラスファイバー10は金属スリーブ14によって囲まれている。金属スリーブ14を介して冷却気体が通されてもよく、冷却気体は光ファイバー構造3の検出器側端部で鋼管11の外部に誘導される。この構成により、石英ガラスファイバー10を付加的に冷却することができる。図4cは図4aの光ファイバー構造と同様な光ファイバー構造3を示している。鋼管11と石英ガラスファイバー10の間の中間空間は光ファイバー10に対して垂直方向に配置された厚紙ディスク15によって複数のチャンバーに分割されている。厚紙ディスク15は1つの側面において中間層を安定させるために利用される。それらは特に、縦軸方向に移動する光ファイバー構造3の破壊中に中間層12の粉末を安定化させる。もう1つの側面において、それは加熱によって起こる厚紙ディスク15の燃焼中に、付加的な不連続性/崩壊を生成し、石英ガラスファイバー10を溶融金属浴へ急速に露出させ、カバーの破壊の後、それが非常に急速に加熱することを促進する。
【0023】
図5a〜5dは石英ガラスファイバー10を光ファイバー構造3のカバーの中央に安定させるための複数の異なった構造を図示している。図5aにおいて、鋼管11は、それが1つの部材として同心状に配置された内側の管16を形成するように湾曲されている。内側の管16はカバーに沿って拡張するウェブ17によって外側の鋼管11に接続されている。外側の鋼管11は継ぎ目18で互いに溶接されており、約0.5mmの壁厚を有する。石英ガラスファイバー10は内側管16に配置される。図5bの実施例において、石英ガラスファイバー10は中間層12の材料の中央に配置されている。図5cは図5aに類似した、光ファイバー構造3のもう1つの実施例を示している。この実施例において、鋼管11は結合によって2つのウェブ17を形成している2つの部分から構成されており、それによって石英ガラスファイバー10は鋼管の中央に固定される。図5dの実施例も同様な実施例を示している。この実施例は付加的に、2つのシェルから形成されている鋼管11を一緒に保持する第2の外側の鋼管19を有している。2つの鋼管11、19の壁の厚さは他の実施例に比べて薄くてもよく、各々の厚さが約0.25mmであってもよい。この実施例においては、継ぎ目20において単一の溶接がなされている。
【0024】
図6はファイバーの断面を詳細に示している。石英ガラスファイバー10は鋼ケーシング21によって最小の距離で囲まれているので、2つの材料の加熱による膨張が異なる場合であっても、石英ガラスファイバー10は安定した状態で保持される。鋼ケーシング21と鋼管11の間には酸化アルミニウム粒子から作製された中間層12が配置されている。鋼管11はシート状の金属を丸め、折り目23で閉じることによって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】上述の発明の開示において説明した本発明の加熱曲線の特徴を有する、本発明の1つの実施例に従った方法に対する加熱曲線を示している。
【図2】本発明の1つの実施例に従った装置の概略図である。
【図3】本発明の装置の機械的振動器部分を図示している。
【図4】検出器を備えた、本発明の異なった実施例に従った装置の概略図である。
【図5】本発明の装置のための、カバーを有する光ファイバーの多様な実施例の断面図である。
【図6】光ファイバーの詳細な断面図を示している。
【符号の説明】
【0026】
1 溶融槽
2 鋼溶融浴
3 光ファイバー構造
4 カバー
5 推進装置
6 振動器
7 ガイドスリーブ
8 支持部材
9 障害物
10 石英ガラスファイバー
11 鋼管
12 中間層
13 検出器
14 金属スリーブ
15 厚紙ディスク
16 内側管
17 ウェブ
18 継ぎ目
19 外側の鋼管
20 継ぎ目
21 鋼ケーシング
23 折り目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーによって囲まれた光ファイバーの手段による溶融浴のパラメーターの測定方法であって、前記光ファイバーは溶融浴中に浸漬され、溶融浴中の該光ファイバーによって吸収された放射線は検出器に供給され、前記光ファイバーは溶融浴中に浸漬されたときに加熱され、前記光ファイバーの加熱曲線は第1時間t0−Δtから時間tまでの時間間隔Δtに対する温度T0までの光ファイバーの温度上昇ΔT1がその後の時間tから第2時間t0+Δtまでの時間間隔Δtに対する光ファイバーの温度上昇ΔT2より小さい少なくとも1つの点P(t0,T0)を有する溶融浴のパラメーターの測定方法。
【請求項2】
前記パラメーターが温度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶融浴が溶融金属浴を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第2時間t0+Δtまでの時間間隔における温度Tの上昇ΔT2の大きさが第1時間t0−Δtからの時間間隔における温度Tの上昇ΔT1の大きさの少なくとも5倍である、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
第2時間t0+Δtまでの時間間隔における温度Tの上昇ΔT2の大きさが第1時間t0−Δtからの時間間隔における温度Tの上昇ΔT1の大きさの少なくとも10倍である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2時間t0+Δtまでの時間間隔における温度Tの上昇ΔT2の大きさが第1時間t0−Δtからの時間間隔における温度Tの上昇ΔT1の大きさの少なくとも20倍である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2時間t0+Δtまでの時間間隔における温度Tの上昇ΔT2の大きさが第1時間t0−Δtからの時間間隔における温度Tの上昇ΔT1の大きさの少なくとも50倍である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2時間t0+Δtまでの時間間隔における温度Tの上昇ΔT2の大きさが第1時間t0−Δtからの時間間隔における温度Tの上昇ΔT1の大きさの少なくとも100倍である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記時間間隔Δtが最大500msである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記時間間隔Δtが最大200msである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記2つの時間間隔の間の時点に割り当てられた光ファイバーの温度T0が最大600℃である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記2つの時間間隔の間の時点に割り当てられた光ファイバーの温度T0が最大200℃である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
それに接続された検出器及びカバーを有する光ファイバーによる溶融浴のパラメーターの測定装置であって、前記カバーが複数の層とともに光ファイバーを囲んでおり、1つの層が金属を備え、該金属層の内側に配置される中間層が粒子、繊維、または粒状材料を備え、該中間層の材料が複数の部分によって該光ファイバーを囲んでいる溶融浴のパラメーターの測定装置。
【請求項14】
前記パラメーターが温度である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記溶融浴が溶融金属浴を備える、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記中間層が不活性材料、二酸化珪素、酸化アルミニウム、または溶融浴に対して耐火性の材料を備える、請求項13、14、または15に記載の装置。
【請求項17】
外側の層が金属、セラミック紙、厚紙、またはプラスチック材料を備える、請求項13〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記金属が亜鉛を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記カバーが振動器を備えるか、または前記カバーの隣に配置された振動器をさらに備える、請求項13〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記振動器が100℃から1700℃の間で気体を発生する材料を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記振動器と前記カバーの間に前記振動器の振幅よりも小さい中間空間が配置される、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記カバーの外側が軸方向に連続的に配置された不規則性を有し、それにより前記カバーの隣に配置された、光ファイバーのガイド部品上の障害物が光ファイバーが前進したときに該不規則性にかみ合う、請求項19、20、または21に記載の装置。
【請求項23】
前記光ファイバーが内側の層である金属スリーブによって囲まれている、請求項13〜22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記カバーの層が互いに直接的に接して配置されている、請求項13〜23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
内側の層が前記光ファイバーに直接的に接するように配置されている、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
図1〜6のいずれかへの参照とともに本願で説明されている、溶融浴のパラメーターの測定方法。
【請求項27】
図2〜6のいずれかへの参照とともに本願で説明された様式で構成されている、溶融浴のパラメーターの測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−309932(P2007−309932A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126744(P2007−126744)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(598083577)ヘレーウス エレクトロ−ナイト インターナシヨナル エヌ ヴイ (37)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Electro−Nite International N.V.
【住所又は居所原語表記】Centrum Zuid 1105, B−3530 Houthalen,Belgium
【Fターム(参考)】