説明

溶融金属試料採取プローブ

【課題】測定精度をより向上できる溶融金属試料採取プローブを提供せんとする。
【解決手段】金属製薄型採取容器60と該採取容器に隙間を介して外装される金属製外装体61とで溶融金属採取室を構成し、薄型採取容器60は、底部から高さ方向に沿って次第に薄肉となるテーパー状に構成し、熱電対8の測温部81が位置する高さでの肉厚tを2.0〜4.0mmとなるように設定した。また薄型採取容器60と金属製外装体61との間に全周にわたって紙製シート体62を介装し、薄型採取容器60の底部60bに紙製の筒状支持体9を同軸状に取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属のサンプルを取得して元素分析できるとともにカーボンの凝固温度測定を行うことのできる溶融金属試料採取プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の溶融金属試料採取プローブは、従来、試料流入口を備える筒状本体部内に金属製の溶融金属採取室と該溶融金属採取室内に試料流入口を通じて流入する溶融金属試料の凝固温度を測定するための熱電対を設けたものが種々提供されている(例えば、特許文献1、2参照。)。これら従来からの溶融金属試料採取プローブは、溶融金属が流入する採取室が上端開口した採取容器より構成され、上記凝固温度の測定とともに、該採取容器内で凝固したサンプルが後で取り出され元素分析等される。
【0003】
このサンプル取り出しに際し、とくに自動サンプル搬送装置が設置されている製鉄所においてはロボットハンドでプローブごと採取容器の位置を把持して固定し、上部を切断してプローブを逆転させることによりサンプルを取り出すが、このプローブ固定の際、採取容器の強度が不足していると採取室が押し潰され、中の凝固サンプルに圧力がかかり取り出せなくなる虞がある。また、採取容器自体、高温に耐える必要がある。よって、採取容器は最低限の厚さ寸法が維持されている。しかしながら、このような採取容器に流入した溶融金属の凝固温度を測定すると、後述する図5(b)のグラフに示すように凝固温度波形のフラット部分が短く不安定であり、測定精度の向上に一定の限界があった。
【0004】
【特許文献1】特開2000−214127号公報
【特許文献2】特開2000−28438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、測定精度をより向上できる溶融金属試料採取プローブを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前述の課題解決のために鋭意検討した結果、溶融金属採取室を構成している採取容器を薄型化することで、流入した溶融金属試料が冷め難くなり凝固温度波形のフラット部分を長く安定化させることが可能になるとともに、薄型化による採取容器の強度の低下については該容器を隙間を介した二重構造とすることで冷め難くさを維持しつつ強度を補強できる点を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、試料流入口を備える筒状本体部内に、金属製の溶融金属採取室を設けるとともに、先端測温部が前記溶融金属採取室内に位置され、該溶融金属採取室内に前記試料流入口を通じて流入する溶融金属試料の凝固温度を測定するための熱電対を設けた溶融金属試料採取プローブにおいて、前記溶融金属採取室を、内側の金属製薄型採取容器と、該採取容器に隙間を介して外装される金属製外装体とより構成したことを特徴とする溶融金属試料採取プローブである。
【0008】
ここで、前記金属製薄型採取容器を、底部から高さ方向に沿って次第に薄肉に形成し、前記熱電対の測温部が位置する高さでの肉厚を2.0〜4.0mmに設定することが好ましい。
【0009】
また、前記薄型採取容器と金属製外装体との間に、全周にわたって紙製シート体を介装したものが好ましい。
【0010】
また、前記金属製外装体を、該薄型採取容器の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する両端開放の筒状部材としたものが好ましい。
【0011】
また、前記薄型採取容器の底部に、外側面が前記金属製外装体の外側面と略面一となる紙製の筒状支持体を取り付け、該筒状支持体の前記薄型採取容器底部より外方に突出しているフランジ部分で前記薄型採取容器に装着した金属製外装体を係止するものが好ましい。
【0012】
特に、前記薄型採取容器の外側面より底部側に延びる金属製薄板を単又は複数設け、該金属製薄板に対して前記筒状支持体を固定したものが好ましい。
【0013】
更に、前記筒状支持体を、外側面が前記薄型採取容器の外側面と略面一となる筒状の内側支持体と、該内側支持体に外装され、外側面が前記金属製外装体の外側面と略面一となる外側支持体とより二重筒構造に構成し、前記金属製薄板をこれら内側支持体と外側支持体の間に挟み込んで固定したものが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上にしてなる本願発明に係る溶融金属試料採取プローブは、内側の金属製薄型採取容器と該採取容器に隙間を介して外装される金属製外装体とで溶融金属採取室を構成したので、薄型の採取容器内に流入した溶融金属を冷め難くし、カーボン凝固温度のフラット部分(波形平衡部)が長く安定するようにして測定精度を著しく向上させることができると同時に、その外側に金属製外装体を設けているので、薄型化した溶融金属採取室の機械的強度を確実に補強し、ロボットハンドで把持しても変形せずに凝固したサンプルをスムーズに取り出すことができる。また、両者間には隙間が存在するため薄型採取容器から金属製外装体への熱伝導を防止でき、上記溶融金属の冷め難くい現象をそのまま維持でき、金属製外装体の伝熱による変形も防止できる。
【0015】
また、金属製薄型採取容器を底部から高さ方向に沿って次第に薄肉に形成し、前記熱電対の測温部が位置する高さでの肉厚を2.0〜4.0mmに設定したので、最低限の強度を維持しつつ少なくとも熱電対の測温部付近の溶融金属が冷め難くなる。
【0016】
また、薄型採取容器と金属製外装体との間に全周にわたって紙製シート体を介装したので、薄型採取容器と金属製外装体の直接接触が避けられ、接触による熱伝導によって溶融金属が冷めてしまうことを防止できるとともに、薄型採取容器及び金属製外装体が熱変形することも防止できる。
【0017】
また、金属製外装体を薄型採取容器の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する両端開放の筒状部材としたので、隙間を維持して熱伝導や金属製外装体の変形を回避できるとともに装着容易であり、試料採取後の取り外しも容易である。また、筒状部材で構成したので薄型採取容器を全周にわたり確実に補強することができる。
【0018】
また、薄型採取容器の底部に外側面が前記金属製外装体の外側面と略面一となる紙製の筒状支持体を取り付け、該筒状支持体の前記薄型採取容器底部より外方に突出しているフランジ部分で前記薄型採取容器に装着した金属製外装体を係止したので、薄型採取容器底部からの伝熱が遮断でき、先端測温センサのリード線に伝熱してその測定を乱すことを防止できるとともに、金属製外装体を係止し、軸方向へのズレ落ちを防止できる。
【0019】
また、薄型採取容器の外側面より底部側に延びる金属製薄板を単又は複数設け、該金属製薄板に対して前記筒状支持体を固定したので、筒状支持体を簡単な構造で確実に固定でき、熱伝導も金属製薄板を介した最小限の伝熱となる。
【0020】
また、筒状支持体を外側面が前記薄型採取容器の外側面と略面一となる筒状の内側支持体と、該内側支持体に外装され、外側面が前記金属製外装体の外側面と略面一となる外側支持体とより二重筒構造に構成し、前記金属製薄板をこれら内側支持体と外側支持体の間に挟み込んで固定したので、筒状支持体を容易且つ確実に固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る溶融金属試料採取プローブ1の概略構成を示す要部断面図であり、図1〜4は代表的実施形態を示し、図中符号1は溶融金属試料採取プローブ、2は筒状本体部、3はサブスリーブ、4は中軸管、5はカーボンセンサ、6は溶融金属採取室をそれぞれ示している。
【0023】
溶融金属試料採取プローブ1は、図1に示すように、筒状本体部2の先端側にセラミックヘッド10を介して測温センサ11のカバー部材13が突設され、基端側に中軸管4が内嵌接合されるとともに、この中軸管4に外嵌接合し且つ後方の図示しないホルダーに連結するサブスリーブ3が設けられている。筒状本体部2の紙製外管20の内部には、熱電対8よりなるカーボンセンサ5、溶融金属採取室6、アルミニウム等のキル材70を有する脱酸室7などが設けられており、外管20の脱酸室7に対応する位置には流入口21が開設されている。流入口21から流入した溶融金属は、脱酸室7内のキル材70で脱酸された後、溶融金属採取室6内に流入し、カーボンセンサ5により凝固温度が測定されるとともに凝固したサンプルが元素分析されることとなる。
【0024】
本発明では特に、溶融金属採取室6が内側の金属製薄型採取容器60と該採取容器60に隙間を介して外装される金属製外装体61とで構成され、溶融金属採取室の溶融金属を冷め難くして熱電対8で測定されるカーボン凝固温度の波形平衡部を安定化させることができると同時に、薄型採取容器60の機械的強度を確実に補強してロボットハンドによる把持でも採取室が変形せずにサンプルの取り出しを可能とし、隙間を介したことで金属製外装体への熱伝導及びそれによる外装体の変形も防止できることを特徴としている。
【0025】
測温センサ11は、鉄製のカバー部材13で覆われた内部に、図示しないアーチ状の石英保護管付き熱電対を配設したものであり、その頂点付近に熱電対の測温接点を有した測温部を備えている。またカバー部材13はさらに紙キャップ12で覆われている。熱電対によって測定される測温値は、溶融金属の温度変化をリアルタイムに測温する為の手段として利用される。
【0026】
またカーボンセンサ5は、先端の測温部81が溶融金属採取室6内の深さ方向略中央に位置される熱電対8より構成されており、この熱電対8は脱酸室7でサポータ80により固定されている。溶融金属採取室6内に溶融金属が流入すると、熱電対8によりその凝固温度が測定され、後方に位置する測定器により溶鋼中の炭素濃度が算出される。
【0027】
溶融金属採取室6を構成している薄型採取容器60は、図2に示すように底部から高さ方向に沿って次第に薄肉となるテーパー状に構成されており、具体的には熱電対8の測温部81が位置する高さでの肉厚tは2.0〜4.0mmとなるように設定され、少なくとも測温部81にて溶融金属の冷却速度が遅くなるようにされている。2.0mmよりも薄いと強度が不足し、4.0mmよりも厚いと冷却速度が速くなり凝固温度波形に安定した平衡部が得られなくなる。肉厚tは、より好ましくは2.5〜3.0mm、更に好ましくは2.7〜2.8mmに設定される。
【0028】
ただし、溶融金属採取室の全体の容量は従来と同じに設定され、側壁が薄くなった分、底壁の厚みは従来より厚く設定されている。このように底壁が厚くなると底壁に接する底部分から先に冷却され、サンプル切断分析位置に引け巣(サンプル分析不良の原因となる)が生じにくくなるメリットがある。尚、側壁を上記のようなテーパー状とせず、高さ方向に沿って均一な肉薄構造とすることも可能である。
【0029】
薄型採取容器60の外側に装着される金属製外装体61は、薄型採取容器60の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する両端開放の筒状部材で構成されており、内部の溶融金属が冷め難くい薄型の採取容器を採用しつつ金属製外装体61を断熱性の高い空気層の隙間を介して外周に配置することで、断熱効果を維持するとともに金属製外装体61自体の熱変形も防止し、薄型採取容器60の機械的強度を確実に補強している。この隙間は、例えば1mm以下とされ、本例では0.75mm程度の隙間が維持されている。このように外側の金属製外装体61はロボットハンドによる把持によっても採取室が変形しないように補強するための部材であり、金属製の構造用強化パイプが用いられ、内側の薄型採取容器60と略同じ高さに設定されている。符号65は上端部において両者の隙間を封止するシール材である。
【0030】
本例では金属製外装体61を構造用強化パイプを切断した一体の筒状体で構成されているが、本発明はこのような外装体の構造に何ら限定されず、例えば図4(a)に示すように半割状等の分割部材61A,61Bを組み合わせて構成したものや、図中(b)に示すように長手方向に亘るスリット61dを設けて断面視略C字状に構成したもの、或いは図中(c)に示すように長手方向に延びるスリット61dを周方向に複数設けたもの等、補強目的に適うものであれば種々の構造を採用できる。
【0031】
薄型採取容器60と金属製外装体61との間には、図2に示すように全周にわたって紙製シート体62が介装され、両者間の直接接触による熱伝導を回避している。紙製シート体62は、図3に示すように薄型採取容器60の外周部分に紙製テープを巻回したものであり、その巻回厚みは薄型採取容器60と金属製外装体61の隙間よりも薄く、且つ少なくとも後述の金属製薄板63よりも厚く設定され、金属製薄板63が金属製外装体61の内周面に直接接触して該薄板を介して熱伝導が生じないようにされている。本例では薄型採取容器60と金属製外装体61との間の隙間(約0.75mm)に対して紙製シート体62の厚みを1/4〜1/3程度(約0.2mm)とし、接触を回避しつつ十分な空気層の厚みが維持されている。
【0032】
紙製シート体62としては、このように紙製テープを巻回すること以外に、紙製筒体を薄型採取容器60の外周面に装着するものや、その他の構成でもよい。また、紙製シート体62は必ずしも必須の部材ではなく、例えば薄型採取容器60の外周面上に突起部を周方向に複数設け、金属製外装体61との接触を該突起部のみで最小限に抑える構造も好ましい。
【0033】
薄型採取容器60の底部60bには紙製の筒状支持体9が同軸状に取り付けられ、該筒状支持体9の薄型採取容器底部60bよりも外方に突出しているフランジ部分9cで該薄型採取容器底部60bに外装される金属製外装体61の下端部が係止されている。筒状支持体9の外側面9aは係止している金属製外装体61の外側面61aと略面一となるように設定されているが、これはプローブ内に装着しやすいように考慮されたものであり、特に限定されるものではない。
【0034】
筒状支持体9は、筒状の内側支持体90とこれに外装される同じく筒状の外側支持体91とよりなる二重筒構造とされており、内側支持体90の外側面は薄型採取容器60の外側面と略面一に設定され、外側支持体91の外側面は上述のとおり金属製外装体61の外側面と略面一に設定されている。そして、薄型採取容器60の外側面上の180°対向する位置に溶接等でそれぞれ底部側に向けて金属製薄板63,63が延設され、該金属製薄板63,63をこれら内側支持体90と外側支持体91の間に挟み込み、外側支持体91の外側方から打ち込んだステープル64を介して内側支持体90及び外側支持体91が金属製薄板63,63に対して一体的に固定されている。
【0035】
尚、筒状支持体9はこのように二重筒構造とすることなく金属製薄板63を差し込む等により薄型採取容器60の底部に固定することも可能である。また、金属製薄板63を介することなく直接接着等により固定してもよい。更に、ステープル以外にネジやリベット、釘等を用いて固定することも可能である。
【0036】
筒状支持体9の内部には、溶融金属採取室6の熱が底部60bから測温センサ11側に伝わることを遮断するセラミック製のフィルタ92(綿状の部材)が設置されており、これにより測温センサ11のリード線に伝熱してその測定を乱すことが防止される。
【0037】
中軸管4は、測温センサ11及びカーボンセンサ5から導出されるリード線を接続したコネクタ40が内部に設けられており、サブスリーブ3の図示しない電気接点と接続して各センサからの信号を外部に伝送するように構成されている。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、例えば測温センサがないものや他のセンサを併設したものなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【実施例】
【0039】
図1に示した溶融金属試料採取プローブのサンプル(実施例1)、該プローブの薄型採取容器及び金属製外装体の代わりに、従来からの厚肉の採取容器を装着したサンプル(比較例1)を作製し、これらサンプル(実施例1、比較例1)を用いて同一条件下で転炉内の溶鋼温度および凝固温度を測定した。なお、カーボンセンサの温接点位置は、実施例1が採取室底面より31.5mmの位置、比較例1が採取室底面より34mmの位置にあり、各位置での採取容器の側壁厚みは、実施例1が2.77mm、比較例1が4.95mmであった。
【0040】
測定結果の一例を図5のグラフに示す。図中(a)のグラフは実施例1、図中(b)のグラフは比較例1のサンプルによる測定結果を示し、横軸は経過時間(秒;sec)を示している。図5の測定結果より、実施例1では比較例1に比べて溶鋼温度が高くないのに、凝固温度波形の波形平衡部sがより高温域で現われ、且つ2倍程度の長く安定したものとなり、測定精度を著しく向上できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の代表的実施形態に係る溶融金属試料採取プローブの概略構成を示す要部断面図。
【図2】同じく溶融金属試料採取プローブの溶融金属採取室を構成する各部材を示す断面図。
【図3】薄型採取容器、金属製外装体及び筒状支持体の分解斜視図。
【図4】(a)〜(c)は金属製外装体の変形例を示す斜視図。
【図5】転炉内の溶鋼温度および凝固温度を測定した結果のグラフであり、(a)は実施例1、(b)は比較例1のグラフ。
【符号の説明】
【0042】
1 溶融金属試料採取プローブ 2 筒状本体部
3 サブスリーブ 4 中軸管
5 カーボンセンサ 6 溶融金属採取室
7 脱酸室 8 熱電対
9 筒状支持体 9a 外側面
9c フランジ部分 10 セラミックヘッド
11 測温センサ 12 紙キャップ
13 カバー部材 20 紙製外管
21 流入口 40 コネクタ
60 薄型採取容器 60b 底部
61 金属製外装体 61a 外側面
61d スリット 61A,61B 分割部材
62 紙製シート体 63 金属製薄板
64 ステープル 65 シール材
70 キル材 80 サポータ
81 測温部 90 内側支持体
91 外側支持体 92 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料流入口を備える筒状本体部内に、金属製の溶融金属採取室を設けるとともに、先端測温部が前記溶融金属採取室内に位置され、該溶融金属採取室内に前記試料流入口を通じて流入する溶融金属試料の凝固温度を測定するための熱電対を設けた溶融金属試料採取プローブにおいて、前記溶融金属採取室を、内側の金属製薄型採取容器と、該採取容器に隙間を介して外装される金属製外装体とより構成したことを特徴とする溶融金属試料採取プローブ。
【請求項2】
前記金属製薄型採取容器を、底部から高さ方向に沿って次第に薄肉に形成し、前記熱電対の測温部が位置する高さでの肉厚を2.0〜4.0mmに設定してなる請求項1記載の溶融金属試料採取プローブ。
【請求項3】
前記薄型採取容器と金属製外装体との間に、全周にわたって紙製シート体を介装してなる請求項1又は2記載の溶融金属試料採取プローブ。
【請求項4】
前記金属製外装体を、該薄型採取容器の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する両端開放の筒状部材とした請求項1〜3の何れか1項に記載の溶融金属試料採取プローブ。
【請求項5】
前記薄型採取容器の底部に、外側面が前記金属製外装体の外側面と略面一となる紙製の筒状支持体を取り付け、該筒状支持体の前記薄型採取容器底部より外方に突出しているフランジ部分で前記薄型採取容器に装着した金属製外装体を係止してなる請求項1〜4の何れか1項に記載の溶融金属試料採取プローブ。
【請求項6】
前記薄型採取容器の外側面より底部側に延びる金属製薄板を単又は複数設け、該金属製薄板に対して前記筒状支持体を固定してなる請求項5記載の溶融金属試料採取プローブ。
【請求項7】
前記筒状支持体を、外側面が前記薄型採取容器の外側面と略面一となる筒状の内側支持体と、該内側支持体に外装され、外側面が前記金属製外装体の外側面と略面一となる外側支持体とより二重筒構造に構成し、前記金属製薄板をこれら内側支持体と外側支持体の間に挟み込んで固定してなる請求項6記載の溶融金属試料採取プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−121822(P2009−121822A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292727(P2007−292727)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(390007755)ヘレウス・エレクトロナイト株式会社 (11)
【Fターム(参考)】