説明

溶解液生成装置およびオゾン水生成装置、並びに、それを備えた衛生器具用洗浄装置

【課題】特定の物質が溶解した液体を生成する溶解液生成装置であって、気体状態の特定の物質が当該装置内に残留することが防止された溶解液生成装置およびオゾン水生成装置、並びに、それを備えた衛生器具用洗浄装置を提供する。
【解決手段】オゾン水生成装置100は、気体流路114と液体流路121とオゾン発生器120とエジェクタ130と気液分離部140と制御部とを備えている。制御部は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121からエジェクタ130に水を供給するように、且つ、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、液体流路121からエジェクタ130に、オゾン発生器120の作動が停止されてから所定時間水を供給し続けるように、液体流路121を流通する水の流量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶解液生成装置およびオゾン水生成装置、並びに、それを備えた衛生器具用洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開平2−174819号公報(以下、特許文献1という)に記載のオゾン水手洗装置、特開平3−154689号公報(以下、特許文献2という)に記載のオゾン水製造装置、または、特開平8−168787号公報(以下、特許文献3という)に記載のオゾン水生成装置のように、酸素または空気からオゾンガスを発生させ、且つ、発生したオゾンガスを水中に溶解させることにより、オゾンが溶解した水を生成するオゾン水生成装置が従来から知られている。特許文献1に係るオゾン水手洗装置、特許文献2に係るオゾン水製造装置、または、特許文献3に係るオゾン水生成装置は、特定の気体を発生させ、発生した特定の気体を液体中に溶解させることにより、特定の物質が溶解した液体を生成する装置の例である。
【0003】
特許文献1に係るオゾン水手洗装置、または、特許文献2に係るオゾン水製造装置は、純水を電気分解することによってオゾンガスを発生させるオゾナイザと、オゾンガスをオゾン水に変換するための反応筒と、反応筒内でオゾンガスと水とが接触且つ反応することによって得られるオゾン水を反応筒外に放出するためのオゾン水放出路と、オゾンガスと水との反応で余ったオゾンガスを反応筒外に追放するための空気通路と、空気通路の一端に接続されたエアーポンプと、反応筒から追放されるオゾンガスを流通させる排オゾン通路と、排オゾン通路に配置されたオゾンキラーとを備えている。
【0004】
特許文献1に係るオゾン水手洗装置と特許文献2に係るオゾン水製造装置とのうち、例えば特許文献2に係るオゾン水製造装置において、オゾンガスが水中に溶解したオゾン水の使用が一定時間以上行われないままである場合、つまり、オゾンガスが反応筒に供給された後に所定時間以上の時間が経過した場合には、エアーポンプから空気通路を介して反応筒内へ送り込まれる空気によって、オゾナイザから供給されたオゾンガスが、反応筒内から排オゾン通路を介してオゾンキラーに送出される。オゾンキラーによって分解され且つ無害化されたガスは、オゾン水手洗装置の系外に放出される。このようにして、特許文献1に係るオゾン水手洗装置、または、特許文献2に係るオゾン水製造装置は、反応筒内のオゾンガスの濃度を許容値に保持している。
【0005】
特許文献3に係るオゾン水生成装置は、酸素ガス中において放電を行うことによって酸素からオゾンガスを発生させるオゾンガス発生器と、水を外部から供給する液供給手段と、液供給手段から供給される水と、オゾンガス発生器から供給されるオゾンガスとを混合させる気液混合手段とを備えている。気液混合手段は、気液混合器と溶解槽とを有している。液供給手段から供給される水と、オゾンガス発生器から供給されるオゾンガスとは、気液混合器によって混合される。
【0006】
溶解槽は、内槽と外槽とからなる二重槽である。気液混合器から溶解槽に供給されたオゾンガスと水との混合物は、内槽内に噴出される。内槽内において、オゾンガスは水中に溶解される。オゾンガスが溶解した水は、内槽から外槽に溢れ出た後に、外槽に貯留される。
【0007】
また、特許文献3に係るオゾン水生成装置は、溶解槽の外槽の上部に通じる配管と、配管の途中に設けられた処理容器と、処理容器の内部に充填されてオゾンガスを酸素に分解する触媒と、処理容器の周囲に設けられて触媒を加熱するヒータとによって構成されたオゾンガス分解手段を備えている。溶解槽にて水に溶解されずに残留したオゾンガスは、オゾンガス分解手段の触媒によって分解されることにより、無害化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−174819号公報
【特許文献2】特開平3−154689号公報
【特許文献3】特開平8−168787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に係るオゾン水手洗装置と特許文献2に係るオゾン水製造装置とは、オゾン水の使用が停止されてから一定時間以上の時間が経過しない限り、反応筒内に残留したオゾンガスが、オゾンキラーによって分解され且つ無害化されたうえで当該装置の系外に放出されることがない。
【0010】
すなわち、特許文献1に係るオゾン水手洗装置と特許文献2に係るオゾン水製造装置とにおいては、オゾン水の使用が停止されてから一定時間以上の時間が経過するまで、少なくとも反応筒にオゾンガスが残留し続ける。そのため、反応筒を含むオゾンガスが残留する部分においては、オゾン水の使用が停止されてから一定時間以上の時間が経過するまで、当該部分とオゾンガスとの接触が継続する。
【0011】
また、特許文献3に係るオゾン水生成装置は、溶解槽に残留するオゾンガスを、系外へ強制的に送出する構成を備えていないため、系内にはオゾンガスが残留し易い。
【0012】
オゾンガスが残留する部分が、オゾンガスと接触し続ける場合には、当該部分がオゾンガスによって劣化する事態が発生するおそれがある。例えば特許文献3に係るオゾン水生成装置において、オゾンを発生させる放電電極付近にオゾンガスが残留し続ける場合には、放電電極が劣化することにより、オゾンの発生に悪影響が及ぼされる。
【0013】
なお、オゾンは、装置が供給する液体に積極的に混入且つ溶解されることにより、その物質が溶解された液体を装置の使用者が使用する際には有用な物質であって、装置の所定の部分に残留することによって悪影響を及ぼすおそれがある特定の物質の一例である。
【0014】
そこで、本発明の目的は、特定の物質が溶解した液体を生成する溶解液生成装置であって、気体状態の特定の物質が当該装置内に残留することが防止された溶解液生成装置およびオゾン水生成装置、並びに、それを備えた衛生器具用洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従った溶解液生成装置は、特定の物質が溶解された液体を生成する溶解液生成装置である。本発明に従った溶解液生成装置は、気体流路と、液体流路と、気体発生部と、気液混合部と、気液分離部と、制御部とを備えている。
【0016】
気体流路は、気体状態の特定の物質を流通させるためのものである。液体流路は、特定の物質が溶解される液体を流通させるためのものである。気体発生部は、気体状態の特定の物質を生成し且つ生成した気体を気体流路に供給するためのものである。気液混合部は、液体流路の一部を形成し、気体流路の一端が接続され、且つ、気体発生部から気体流路に供給される特定の物質を、液体流路を流通する液体に気体流路の一端から溶解させるためのものである。気液分離部は、液体流路のうちの気液混合部よりも液体の流れ方向の下流側の一部を形成し、気体流路の他端が接続され、液体流路を流通する液体から特定の物質の気泡を分離させ且つ特定の物質の一部を気体流路の他端から気体流路に排気するためのものである。
【0017】
制御部は、気体発生部が作動している間には、液体流路から気液混合部に液体を供給するように、且つ、気体発生部の作動が停止された場合には、液体流路から気液混合部に、気体発生部の作動が停止されてから所定時間液体を供給し続けるように、液体流路を流通する液体の流量を制御する。
【0018】
本発明によれば、気体発生部の作動が停止された場合に、気体発生部の作動が停止されてから、液体流路から気液混合部に液体が所定時間供給され続ける。これにより、気体発生部の作動が停止された後に、気液分離部に気液混合部から液体が供給される。そのため、気体流路に残留する特定の気体は、液体流路を流通する液体に気体流路から混入され且つ液体流路から外部に排出される。これにより、気体発生部の作動が停止された後に、気体状態の特定の物質が当該溶解液生成装置内に残留することが防止される。そのため、当該溶解液生成装置において気体状態の特定の物質が残留する部分が、特定の物質によって劣化する事態を防止することができる。
【0019】
したがって、本発明によれば、特定の物質が溶解された液体を生成する溶解液生成装置であって、気体状態の特定の物質が当該装置内に残留することが防止された溶解液生成装置を提供することができる。
【0020】
本発明に従った溶解液生成装置は、流入弁をさらに備えていることが好ましい。流入弁は、好ましくは、液体流路から気液混合部に流入する液体の流れを制限する。本発明に従った溶解液生成装置において、制御部は、判断部と、弁制御部と、タイマとを有していることが好ましい。判断部は、好ましくは、気体発生部の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する。
【0021】
弁制御部は、好ましくは、流入弁を制御する。弁制御部は、好ましくは、気体発生部が作動している間には、流入弁に液体流路を開放させ、且つ、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過した後に、流入弁に液体流路を閉塞させる。
【0022】
この構成によれば、気体発生部が作動している間には、液体流路が流入弁によって開放される。また、気体発生部の作動が停止された場合には、流入弁によって液体流路が、気体発生部の作動が停止された時点から所定時間開放される。このように、この構成によれば、気体発生部の作動が停止された時点から、液体流路から気液混合部に液体を所定時間供給し続けることができる。したがって、気体状態の特定の物質が当該溶解液生成装置内に残留することが防止される。そのため、当該溶解液生成装置において気体状態の特定の物質が残留する部分が、特定の物質によって劣化する事態を防止することができる。
【0023】
本発明に従った溶解液生成装置は、排気流路と、第1の弁と、第2の弁と、分解部とをさらに備えていることが好ましい。排気流路の一端は、気液混合部に接続されていることが好ましい。排気流路の他端は、気液分離部に接続されていることが好ましい。第1の弁は、好ましくは、気体流路において、気液分離部と気体発生部との間の部分を開閉する。第2の弁は、好ましくは、排気流路を開閉する。分解部は、好ましくは、気液分離部から排気流路に排出された特定の物質を所定の成分に分解するためのものである。
【0024】
本発明に従った溶解液生成装置において、弁制御部は、好ましくは、気体発生部が作動している間には、気液分離部と気体発生部との間の部分を第1の弁に開放させ且つ第2の弁に排気流路を閉塞させる。弁制御部は、好ましくは、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、気液分離部と気体発生部との間の部分を第1の弁に閉塞させ且つ第2の弁に排気流路を開放させる。
【0025】
この構成によれば、液体流路から気液混合部には、気体発生部の作動が停止された場合に、気体発生部の作動が停止されてから液体が所定時間供給され続ける。一方、気液分離部と気液混合部との間に延びる排気流路は、気体発生部が作動している間に、第2の弁によって閉塞されている。排気流路は、気体発生部の作動が停止された場合には、気体発生部の作動が停止された時点から、第2の弁によって所定時間開放される。これにより、気体発生部の作動が停止された場合に、気液混合部と気液分離部との間および排気流路を気体が所定時間流通し続ける。さらに、この所定時間内に、排気流路を流通する特定の物質は、分解部によって所定の成分に分解される。
【0026】
当該溶解液生成装置に残留する気体状態の特定の物質と、所定の成分に分解された物質とは、液体流路を流通する液体に気体流路から混入されることにより、液体流路から外部に排出される。このようにして、この構成によれば、気体発生部の作動が停止された後に、気体状態の特定の物質が当該溶解液生成装置内に残留することが防止される。そのため、当該溶解液生成装置において気体状態の特定の物質が残留する部分が、特定の物質によって劣化する事態を防止することができる。
【0027】
本発明に従った溶解液生成装置は、流入弁と、流出弁と、循環流路と、分解部と、ポンプとをさらに備えていることが好ましい。流入弁は、好ましくは、液体流路のうちの気液混合部よりも液体の流れ方向の上流側の部分を開閉する。流出弁は、好ましくは、液体流路のうちの気液分離部よりも液体の流れ方向の下流側の部分を開閉する。循環流路の一端は、好ましくは、液体流路のうちの流入弁と気液混合部との間に接続されている。循環流路の他端は、好ましくは、液体流路のうちの気液分離部と流出弁との間に接続されている。分解部は、好ましくは、気液分離部から気体流路に排出された特定の物質を所定の成分に分解するためのものである。ポンプは、好ましくは、循環流路に接続されている。
【0028】
本発明に従った溶解液生成装置において、制御部は、判断部と、弁制御部と、ポンプ制御部と、タイマとを有していることが好ましい。判断部は、好ましくは、気体発生部の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する。弁制御部は、好ましくは、流入弁および流出弁を制御する。ポンプ制御部は、好ましくは、ポンプを制御する。
【0029】
本発明に従った溶解液生成装置において、弁制御部は、好ましくは、気体発生部が作動している間には、流入弁に上流側の部分を開放させ且つ流出弁に下流側の部分を開放させる。弁制御部は、好ましくは、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、流入弁に上流側の部分を閉塞させ且つ流出弁に下流側の部分を閉塞させる。
【0030】
本発明に従った溶解液生成装置において、ポンプ制御部は、好ましくは、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部によって気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、ポンプを作動させる。
【0031】
この構成によれば、気体発生部が作動している間には、液体流路において流入弁が配置された位置と流出弁が配置された位置との間を液体が流通する。気体発生部の作動が停止された場合には、ポンプの作動により、液体流路の一部と循環流路との間を、気体発生部の作動が停止されてから所定時間液体が循環する。そのため、気体発生部の作動が停止された場合には、循環流路から気液混合部に、気体発生部の作動が停止されてから所定時間液体が供給され続ける。
【0032】
一方、気体は、気体発生部の作動が停止された場合に、液体流路のうちの気液混合部と気液分離部との間および気体流路を所定時間流通し続ける。当該溶解液生成装置に残留する気体状態の特定の物質は、この所定時間内に、液体流路の一部と循環流路との間を循環する液体に混入される。さらに、液体に混入された特定の物質は、この所定時間において循環流路を流通するときに、分解部によって所定の成分に分解される。このようにして、気体状態の特定の物質が当該溶解液生成装置内に残留することが防止される。そのため、当該溶解液生成装置において気体状態の特定の物質が残留する部分が、特定の物質によって劣化する事態を防止することができる。
【0033】
上記のいずれかの溶解液生成装置は、オゾンが溶解した水を生成するオゾン水生成装置であることが好ましい。本発明に従ったオゾン水生成装置において、気体発生部は、好ましくはオゾンを発生させる。
【0034】
本発明に従ったオゾン水生成装置は、当該オゾン水生成装置において気体状態のオゾンが残留する部分が、オゾンによって劣化する事態を防止することができる。
【0035】
本発明に従った衛生器具用洗浄装置は、上記のいずれかの溶解液生成装置を備えていることが好ましい。
【0036】
本発明に従った衛生器具用洗浄装置は、当該衛生器具用洗浄装置において気体状態の特定の物質が残留する部分が、特定の物質によって劣化する事態を防止することができる。
【発明の効果】
【0037】
以上のように、本発明によれば、特定の物質が溶解した液体を生成する溶解液生成装置であって、気体状態の特定の物質が当該装置内に残留することが防止された溶解液生成装置およびオゾン水生成装置、並びに、それを備えた衛生器具用洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係る溶解液生成装置を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る溶解液生成装置に含まれる制御部の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る溶解液生成装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る溶解液生成装置を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る溶解液生成装置に含まれる制御部の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る溶解液生成装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態に係る溶解液生成装置を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る溶解液生成装置に含まれる制御部の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る溶解液生成装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図10】衛生器具設備の一例としての便所を洗浄するためのオゾン水生成装置を備えた衛生器具用洗浄装置の一例を示す模式図である。
【図11】衛生器具の一例としての小便器を洗浄するためのオゾン水生成装置を備えた衛生器具用洗浄装置の一例を示す模式図である。
【図12】衛生器具の一例としての大便器を洗浄するためのオゾン水生成装置を備えた衛生器具用洗浄装置の一例を示す模式図である。
【図13】本発明に従った溶解液生成装置の一例であるオゾン水生成装置の一つの実施例において、オゾンの生成が停止されてから経過した時間と、オゾン水生成装置に残留する気体のオゾン濃度との関係、および、オゾンの生成が停止されてから経過した時間と、オゾン水のオゾン濃度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る溶解液生成装置の一例としてのオゾン水生成装置100を示す。オゾン水生成装置100は、オゾンが溶解した水を供給する装置である。オゾン水生成装置100は、気体流路114と、液体流路121と、気体発生部の一例としてのオゾン発生器120と、気液混合部の一例としてのエジェクタ130と、気液分離部140とを備えている。
【0041】
オゾン水生成装置100は、溶解液生成装置の一例であって、オゾンが溶解した水を生成する。溶解液生成装置は、特定の物質が溶解された液体を生成するものであればよい。液体に溶解される特定の物質は、溶解液生成装置が供給する液体に積極的に混入且つ溶解されることにより、その物質が溶解された液体を当該装置の使用者が使用する際には有用な物質である。ただし、特定の物質のうち、当該装置の所定の部分に当該物質が残留することによって悪影響を及ぼすおそれがあるものは、当該装置の内部に残留させておくことは好ましくない。
【0042】
オゾン水生成装置100は、当該装置の外部から気体を導入する気体導入部110を備えている。気体導入部110は、管路111と逆止弁112とを有している。管路111の一端は、酸素または空気を貯蔵したガスボンベ等と接続している。ただし、管路111の一端は、大気圧に開放されていてもよい。なお、管路111と気体流路114と液体流路121とは、一般的な配管によって形成されており、図示しない管状部材によって形成されている。
【0043】
管路111の他端は、接続部113を介して気体流路114に接続されている。気体流路114は、気体状態のオゾンを流通させるためのものである。気体流路114には、逆止弁115が配置されている。
【0044】
なお、管路111には、オゾンガスを還元する機能を有するオゾンフィルタ(図示せず)が配置されていてもよい。オゾンフィルタは、例えば、オゾンを分解するための触媒が、格子状に構成された紙またはアルミニウムに付着されたもの等、一般的なオゾンフィルタである。
【0045】
オゾン発生器120は、気体状態のオゾンを生成し且つ生成したオゾンを気体流路114に供給する。気体導入部110によって導入された空気または酸素等の気体は、管路111と気体流路114とを通ってオゾン発生器120に導入される。オゾン発生器120は、金属電極によって形成されたオゾン発生素子(図示せず)を有している。オゾン発生素子は、導入された空気または酸素を材料にしてオゾンガスを発生させる。なお、オゾン発生器120の構成は、特に限定されず、気体流路114から導入される空気または酸素等の気体からオゾンガスを生成するように構成されていればよい。オゾン発生器120としては、一般的なオゾン発生器を用いることが可能である。
【0046】
オゾン水生成装置100において、液体としての水は液体流路121を流通する。液体流路121は、オゾンが溶解される水を流通させる。液体流路121には、流入弁151が配置されている。流入弁151は、電子的に開閉が制御される電磁弁である。流入弁151は、オゾン水生成装置100の本体(図示せず)の外部に配置されたものであってもよく、本体の内部に収容されたものであってもよい。流入弁151は、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を開閉する。
【0047】
オゾン水生成装置100においては、気液混合部として、エジェクタ型のものが利用されている。気液混合部の一例としてのエジェクタ130は、液体流路121の一部を形成している。エジェクタ130には、気体の流入口133と液体の流入口131とオゾン水の流出口132とが形成されている。気体流路114の一端は、流入口133を介してエジェクタ130に接続されている。エジェクタ130の内部と気体流路114の内部とは、流入口133によって連通されている。
【0048】
オゾン発生器120から気体流路114に供給されるオゾンは、気体流路114の一端からエジェクタ130に導入される。エジェクタ130に導入されるオゾンは、液体流路121を流通する水に混合され、且つ、液体流路121の流れの圧力に基づいて水に溶解される。このようにして、エジェクタ130は、液体流路121を流通する水に、オゾン発生器120から気体流路114に供給される気体としてのオゾンを溶解させる。
【0049】
エジェクタ130よりも、液体流路121を流通する水の流れ方向の下流側には、気液分離部140が配置されている。気液分離部140は、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の下流側の一部を形成している。気液分離部140は、容器状の形状、つまり、内部に空間が形成された多角柱形状または略円柱形状を有している。気液分離部140の形状は、内部に空間が形成された多角錐形状または略円錐形状であってもよい。気液分離部140には、気体の流出口143とオゾン水の流入口141とオゾン水の流出口142とが形成されている。流出口143には、気体流路114の他端が接続されている。
【0050】
流入口141から気液分離部140の内部に流入したオゾン水には、オゾンの気泡が、水に溶解し切らずに残っている。気液分離部140において、オゾンの気泡と水中に含まれる空気等の気体とは、液体流路121を流通する水から分離された後に、流出口143から気体流路114に排出される。気液分離部140は、液体流路121を流通する水からオゾンの気泡を含む気体を分離させ且つオゾンの一部を気体流路114の他端から気体流路114に排出する。
【0051】
次に、オゾン水生成装置100の水の流れと、オゾンを含む気体の流れとを説明する。オゾン水生成装置100において、液体としての水は、液体流路121に流通する。液体流路121を流れる水は、流入弁151を通過した後に流入口131からエジェクタ130の内部に流入する。エジェクタ130の内部を流通した水は、流出口132からエジェクタ130の外部に流出する。
【0052】
エジェクタ130の内部には、オゾン発生器120が発生させた気体のオゾンが、流入口133から流入する。流入口133から流入した気体のオゾンは、液体流路121としてのエジェクタ130の内部を流通する水に混合される。水に混合されたオゾンの一部は、水流の圧力に基づいて水に溶解される。オゾンを含む水は、流出口132からエジェクタ130の外部に流出する。
【0053】
流出口132からエジェクタ130の外部に流出したオゾンを含む水は、流入口141から気液分離部140の内部に流入する。気液分離部140において水から分離された空気とオゾンの一部とは、流出口143から気体流路114に流出する。水に溶解されていないオゾンと空気とは、気体流路114に排出された後に流入口133からエジェクタ130の内部に再び流入する。エジェクタ130において水に溶解されなかったオゾンは、気体流路114と、エジェクタ130と気液分離部140との間に延びる液体流路121の一部とを循環する間に、液体流路121を流通する水に次第に溶解される。オゾンが溶解したオゾン水は、流出口142から気液分離部140の外部に排出された後に、吐水部160からオゾン水生成装置100の外部に供給される。
【0054】
図2には、オゾン水生成装置100が備える制御部180の構成の一例を示す。図2に示すように、制御部180は、タイマ181と判断部182とオゾン発生制御部183と弁制御部184とを有している。
【0055】
オゾン発生制御部183は、オゾン発生器120を制御する。オゾン発生制御部183は、オゾン発生器120の金属電極に接続された電源回路を制御することにより、金属電極に印加される電圧を制御する。制御部180には、スイッチ172を介して操作部171が電子的または電気的に接続されている。操作部171は、使用者が操作するためのものであって、オゾン水生成装置100の外部から操作部171を使用者が操作することができるような位置に配置されている。
【0056】
操作部171の操作に基づいて、スイッチ172のオンまたはオフが切り替えられる。スイッチ172のオンまたはオフのそれぞれに応じて、オゾン発生器120のオン状態またはオフ状態、つまり、作動状態または非作動状態が切り替えられる。オゾン発生器120の作動状態とは、オゾン発生器120がオゾンを発生させている状態のことであり、例えば、オゾン発生器120の金属電極(図示せず)に電圧が印加されている状態のことである。一方、オゾン発生器120の非作動状態とは、オゾン発生器120がオゾンの発生を停止している状態のことであり、例えば、オゾン発生器120の金属電極に電圧が印加されていない状態のことである。判断部182は、オゾン水生成装置100において制御に必要な判断を実行する。判断部182は、オゾン発生器120の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する。
【0057】
弁制御部184は、流入弁151を制御する。弁制御部184は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121のうちのエジェクタ130(図1参照)よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁151に開放させる。弁制御部184は、判断部182によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部182によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過した後に、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁151に閉塞させる。例えばオゾン水生成装置100においてオゾン水が生成されているときに液体流路121に供給されている単位時間当たりの水量と同じ単位時間当たりの水量の水が、オゾン発生器120の作動が停止されてからも引き続き液体流路121に供給されている。
【0058】
次に、オゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられた場合に実行されるオゾン水生成装置100の制御の一例について、フローチャートを用いて説明する。図3に示すように、ステップS11において、オゾン発生器120の作動が停止されたか否かが判定される。ステップS11においてオゾン発生器120の作動が停止されたことが判定される場合には、ステップS12に進む。
【0059】
ステップS12では、オゾン発生器120の作動が停止された時点から経過する時間のカウントが開始される。オゾン発生器120の作動が停止された時点から経過する時間は、タイマ181(図2参照)によって数えられる。ステップS13では、オゾン発生器120の作動が停止された時点から、所定の時間が経過したか否かが判定される。ステップS13において、所定の時間が経過したことが判定される場合には、ステップS14に進む。
【0060】
ステップS14では、流入弁151が液体流路121を閉塞するように、弁制御部184によって流入弁151が制御される。これにより、オゾン発生器120の作動が停止された時点から、所定の時間が経過したときに、流入弁151によって液体流路121を流通する水の流れが停止されるため、エジェクタ130に水が流入しなくなる。このように、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、オゾン発生器120の作動が停止されてから、液体流路121からエジェクタ130には、所定時間だけ水が供給され続ける。
【0061】
言い換えると、制御部180(図2参照)は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121(図1参照)からエジェクタ130に水を供給するように、且つ、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、オゾン発生器120の作動が停止されてから、液体流路121からエジェクタ130に水を所定時間供給し続けるように、液体流路121を流通する水の流量を制御する。
【0062】
以上のように、第1実施形態のオゾン水生成装置100は、オゾンが溶解された水を生成する溶解液生成装置である。オゾン水生成装置100は、気体流路114と、液体流路121と、オゾン発生器120と、エジェクタ130と、気液分離部140と、制御部180とを備えている。
【0063】
気体流路114は、気体状態のオゾンを流通させる。液体流路121は、オゾンが溶解される水を流通させる。オゾン発生器120は、気体状態のオゾンを生成し且つ生成したオゾンを気体流路114に供給する。エジェクタ130は、液体流路121の一部を形成している。気体流路114の一端がエジェクタ130に接続されている。エジェクタ130は、オゾン発生器120から気体流路114に供給されるオゾンを、液体流路121を流通する水に気体流路114の一端から溶解させる。気液分離部140は、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の下流側の一部を形成している。気体流路の他端が気液分離部140に接続されている。気液分離部140は、液体流路121を流通する水からオゾンの気泡と空気等との気体を分離させ且つオゾンを気体流路114の他端から気体流路114に排気する。
【0064】
制御部180は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121からエジェクタ130に水を供給するように、且つ、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、液体流路121からエジェクタ130に、オゾン発生器120の作動が停止されてから所定時間水を供給し続けるように、液体流路121を流通する水の流量を制御する。
【0065】
オゾン水生成装置100によれば、オゾン発生器120の作動が停止された場合に、オゾン発生器120の作動が停止されてから、液体流路121からエジェクタ130に水が所定時間供給され続ける。これにより、オゾン発生器120の作動が停止された後に、気液分離部140にエジェクタ130から水が供給される。そのため、気体流路114に残留するオゾンは、液体流路121を流通する水に気体流路114から混入され且つ液体流路121から外部に排出される。これにより、オゾン発生器120の作動が停止された後に、気体状態のオゾンがオゾン水生成装置100内に残留することが防止される。そのため、オゾン水生成装置100において気体状態のオゾンが残留する部分が、オゾンによって劣化する事態を防止することができる。
【0066】
このようにすることにより、特定の物質としてのオゾンが溶解された水を生成する溶解液生成装置であって、気体状態のオゾンが当該装置内に残留することが防止されたオゾン水生成装置100を提供することができる。
【0067】
オゾン水生成装置100は、流入弁151を備えている。流入弁151は、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を開閉する。オゾン水生成装置100において、制御部180は、判断部182と、弁制御部184と、タイマ181とを有している。判断部182は、オゾン発生器120の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する。
【0068】
弁制御部184は、流入弁151を制御する。弁制御部184は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121を流入弁151に開放させ、且つ、判断部182によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部182によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過した後に、液体流路121を流入弁151に閉塞させる。
【0069】
オゾン水生成装置100によれば、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分が流入弁151によって開放される。また、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、流入弁151によって、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分が、オゾン発生器120の作動が停止された時点から、所定時間開放される。このように、オゾン水生成装置100によれば、オゾン発生器120の作動が停止された時点から、液体流路121からエジェクタ130に水を所定時間供給し続けることができる。したがって、気体状態のオゾンがオゾン水生成装置100内に残留することが防止される。そのため、オゾン水生成装置100において気体状態のオゾンが残留する部分が、オゾンによって劣化する事態を防止することができる。
【0070】
なお、気体導入部110は、オゾン水生成装置100の外部から内部に気体を導入させることが可能であるように構成されていればよい。例えば、気体導入部110の構成は、逆止弁112の代わりにオゾン発生器120に供給される気体量を制御することが可能な開閉バルブまたは電磁弁等を備えていてもよい。あるいは、気体導入部110は、逆止弁112を備えていなくてもよく、接続部113に三方向弁が配置されたような構成であってもよい。この三方向弁は、例えば、電子的に制御されるものであって、制御部180によって制御される。
【0071】
接続部113の位置は、気体流路114のうち、オゾン発生器120とエジェクタ130との間であってもよい。つまり、管路111は、気体流路114のうち、オゾン発生器120とエジェクタ130との間を延びる部分に接続されていてもよい。
【0072】
なお、液体流路121には、使用者が図示しない水道蛇口を開放することにより、原水としての水道水が供給される。ただし、原水は、水道水に限定されず、井戸水、または、河川水等であってもよい。
【0073】
なお、気液混合部の構成は、エジェクタ型のものに限定されず、気体流路114から導入されたオゾンと液体流路121を流通する水とを混合させ、且つ、オゾンを水に溶解させる構成を有していればよい。
【0074】
液体流路121において流入弁151の位置は、特に限定されない。流入弁151は、液体流路121からエジェクタ130に流入する水の流れを制限させることができるような位置に配置されていればよい。流入弁151は、液体流路121においてエジェクタ130よりも水の流れ方向の下流側に配置されていてもよい。
【0075】
オゾン水生成装置100は、逆止弁115を備えていなくてもよい。気体流路114を流通するオゾンの一部を含む気体の圧力に応じて、オゾン水生成装置100は、流出口143から接続部113を経てエジェクタ130の内部まで気体を流通させることができる。
【0076】
吐水部160の構成は、特に限定されない。吐水部160は、オゾンが溶解した水をオゾン水生成装置100の外部に排出または吐出することが可能であるように構成されていればよく、例えば図示しない電磁弁を有しているものであってもよい。吐水部160の電磁弁の開閉は、例えば制御部180によって制御される。吐水部160の電磁弁は、流入弁としての機能を有していてもよい。
【0077】
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係るオゾン水生成装置200について、図4〜図6を用いて説明する。オゾン水生成装置200は、衛生器具用洗浄装置に用いることができる。なお、以下において、第1実施形態に係るオゾン水生成装置100の構成と同様の機能を有する構成には同符号を付し、その説明を省略する。
【0078】
図4に示すように、オゾン水生成装置200が第1実施形態に係るオゾン水生成装置100と異なる点は、オゾン水生成装置200は、排気流路216と、電磁弁211と、電磁弁212と、紫外線照射部220とを備えている。電磁弁212は、排気流路216を開閉する。電磁弁211は、気体流路114を開閉する。紫外線照射部220は、気液分離部140から排気流路216に排出されたオゾンに紫外線を照射することにより、オゾンを無害成分の物質に分解する。紫外線照射部220は、分解部の一例である。
【0079】
排気流路216の一端は、接続部117によって気体流路114に接続されている。これにより、排気流路216の一端は、気体流路114を介してエジェクタ130に接続されている。排気流路216の他端は、接続部116によって気体流路114に接続されている。これにより、排気流路216の他端は、気体流路114を介して気液分離部140に接続されている。なお、管路111と気体流路114と液体流路121と排気流路216とは、一般的な配管によって形成されており、図示しない管状部材によって形成されている。
【0080】
第1の弁の一例としての電磁弁211は、気体流路114において、気液分離部140とオゾン発生器120との間の部分を開閉する。第2の弁の一例としての電磁弁212は、排気流路216を開閉する。
【0081】
図5には、オゾン水生成装置200が備える制御部280の構成を示す。図5に示すように、制御部280は、タイマ281と判断部282とオゾン発生制御部283と弁制御部284と紫外線制御部285とを有している。
【0082】
オゾン発生制御部283は、オゾン発生器120を制御する。判断部282は、オゾン水生成装置200において制御に必要な判断を実行する。判断部282は、オゾン発生器120の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する。
【0083】
紫外線制御部285は、紫外線照射部220を制御する。紫外線制御部285は、紫外線照射部220の光源(図示せず)に接続された電源回路(図示せず)を制御することにより、例えば、光源の発光または消光を切り替え、光源から照射される紫外線量を調節する。紫外線照射部220の光源は、特に限定されず、光源が発する光に紫外線が含まれていればよい。
【0084】
弁制御部284は、流入弁151と電磁弁211と電磁弁212とを制御する。弁制御部284は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁151に開放させる。弁制御部284は、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過した後に、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁151に閉塞させる。
【0085】
弁制御部284は、オゾン発生器120が作動している間には、気液分離部140とオゾン発生器120との間の部分を電磁弁211に開放させ且つ排気流路216を電磁弁212に閉塞させる。また、弁制御部284は、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、気液分離部140とオゾン発生器120との間の部分を電磁弁211に閉塞させ且つ排気流路216を電磁弁212に開放させる。
【0086】
紫外線制御部285は、オゾン発生器120が作動している間には、紫外線照射部220が紫外線を発しないように紫外線照射部220を制御する。紫外線制御部285は、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、排気流路216を流通するオゾンを含む気体に紫外線が照射されるように、紫外線照射部220を制御する。
【0087】
次に、オゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられた場合に実行されるオゾン水生成装置200の制御の一例について、フローチャートを用いて説明する。図6に示すように、ステップS21において、オゾン発生器120の作動が停止されたか否かが判定される。ステップS21においてオゾン発生器120の作動が停止されたことが判定される場合には、ステップS22に進む。
【0088】
ステップS22では、オゾン発生器120の作動が停止された時点から経過する時間のカウントが開始される。オゾン発生器120の作動が停止された時点から経過する時間は、タイマ281(図5参照)によって数えられる。
【0089】
続いてステップS23では、電磁弁211が気体流路114を閉塞するように、弁制御部284によって電磁弁211が制御される。また、電磁弁212が排気流路216を開放するように、弁制御部284によって電磁弁212が制御される。
【0090】
ステップS24では、紫外線制御部285(図5参照)によって紫外線照射部220が制御されることにより、紫外線の照射が開始される。これにより、気液分離部140から排気流路216に排気されたオゾンに、紫外線が照射される。なお、ステップS22とS23とS24とは、並行したステップであってもよく、それぞれの順が入れ替わっていてもよい。
【0091】
ステップS25では、オゾン発生器120の作動が停止された時点から、所定の時間が経過したか否かが判定される。ステップS25において、所定の時間が経過したことが判定される場合には、ステップS26に進む。
【0092】
ステップS26では、流入弁151が液体流路121を閉塞するように、弁制御部284によって流入弁151が制御される。ステップS27では、紫外線の照射が停止される。
【0093】
このように、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、オゾン発生器120の作動が停止されてから、液体流路121からエジェクタ130には、所定時間だけ水が供給され続ける。また、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、オゾン水生成装置200に残留するオゾンを含む気体のうち、液体流路121を流通する水から分離されたオゾンを含む気体に、オゾン発生器120の作動が停止されてから所定時間だけ紫外線が照射される。
【0094】
以上のように、第2実施形態に係るオゾン水生成装置200は、気体流路114と、液体流路121と、オゾン発生器120と、エジェクタ130と、気液分離部140と、排気流路216と、電磁弁211と、電磁弁212と、紫外線照射部220とを備えている。排気流路216の一端は、接続部117によって気体流路114に接続されることにより、エジェクタ130に接続されている。排気流路216の他端は、接続部116によって気体流路114に接続されることにより、気液分離部140に接続されている。電磁弁211は、気体流路114において、気液分離部140とオゾン発生器120との間の部分を開閉する。電磁弁212は、排気流路216を開閉する。紫外線照射部220は、気液分離部140から排気流路216に排出されたオゾンを所定の成分に分解することによって無害化する。
【0095】
弁制御部284は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁151に開放させ、気液分離部140とオゾン発生器120との間の部分を電磁弁211に開放させ、且つ、電磁弁212に排気流路216を閉塞させる。また、弁制御部284は、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過した後に、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁151に閉塞させる。
【0096】
さらに、弁制御部284は、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、気液分離部140とオゾン発生器120との間の部分を電磁弁211に閉塞させ且つ電磁弁212に排気流路216を開放させる。
【0097】
一方、紫外線制御部285は、オゾン発生器120が作動している間には、紫外線照射部220の発光を停止させている。紫外線制御部285は、判断部282によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部282によってオゾン発生器120の作動が停止されてから、排気流路216を流通するオゾンを含む気体に紫外線が所定時間照射されるように、紫外線照射部220を制御する。
【0098】
オゾン水生成装置200によれば、液体流路121からエジェクタ130には、オゾン発生器120の作動が停止された場合に、オゾン発生器120の作動が停止された時点から水が所定時間供給され続ける。一方、気液分離部140とエジェクタ130との間に延びる排気流路216は、オゾン発生器120が作動している間に、電磁弁212によって閉塞されている。排気流路216は、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、オゾン発生器120の作動が停止された時点から、電磁弁212によって所定時間開放される。これにより、オゾン発生器120の作動が停止された場合に、エジェクタ130と気液分離部140との間および排気流路216を気体が所定時間流通し続ける。さらに、この所定時間内に、排気流路216を流通するオゾンは、紫外線照射部220が発する紫外線によって無害化される。
【0099】
無害化された物質と、オゾン水生成装置200に残留するオゾンとは、液体流路121を流通する水に気体流路114から混入されることにより、液体流路121から外部に排出される。このようにして、オゾン発生器120の作動が停止された後に、オゾン水生成装置200内にオゾンが残留することが防止される。そのため、オゾン水生成装置200においてオゾンが残留する部分が、オゾンによって劣化する事態を防止することができる。
【0100】
なお、紫外線照射部220は、電磁弁212よりも、排気流路216を流れる気体の流れ方向の上流側に配置されていてもよい。なお、分解部の例は、紫外線照射部220に限定されない。分解部の別の例は、気液分離部140から排気流路216に排出されたオゾンを含む気体を加熱することにより、オゾンを無害成分の物質に分解するヒータであってもよい。
【0101】
分解部のさらに別の例は、活性炭を有し且つ排気流路216に配置されたフィルタ槽であってもよく、排気流路216を形成する管状部材の内部に収容された金属触媒等であってもよい。さらに、分解部は、上記の活性炭を収容したフィルタ槽、ヒータ、金属触媒、および、紫外線照射部220の何れかまたは全ての組み合わせによって構成されていてもよい。
【0102】
オゾン水生成装置200が紫外線照射部220を備えておらず、ヒータを備えている場合には、オゾン水生成装置200が実行する制御(図6参照)のうち、ステップS24において「紫外線の照射を開始する」は、「排気流路216を流通する気体の加熱を開始する」と読み替え、且つ、ステップS27において「紫外線の照射を停止する」は、「排気流路216を流通する気体の加熱を停止する」と読み替えるものとする。
【0103】
紫外線照射部220またはヒータをオゾン水生成装置200が備えておらず、活性炭を収容したフィルタ槽が配置されている構成または管状部材の内部に金属触媒が収容された構成をオゾン水生成装置200が有している場合には、オゾン水生成装置200が実行する制御のうち、ステップS24とステップS27とが省略される。
【0104】
排気流路216の一端は、気体流路114を介さずに、エジェクタ130に接続されていてもよい。この場合には、気体の流入口133の他に別の流入口がエジェクタ130に形成されていてもよく、あるいは、流入口133が、エジェクタ130の内部と気体流路114および排気流路216とを連通させるものであってもよい。排気流路216の他端は、気体流路114を介さずに、気液分離部140に接続されていてもよい。この場合には、気体の流出口143の他に別の流出口が気液分離部140に形成されていてもよく、あるいは、流出口143が、気液分離部140の内部と気体流路114および排気流路216とを連通させるものであってもよい。
【0105】
(第3実施形態)
以下では、第3実施形態に係るオゾン水生成装置300について、図7〜図9を用いて説明する。オゾン水生成装置300は、衛生器具用洗浄装置に用いることができる。なお、以下において、第1実施形態に係るオゾン水生成装置100の構成と同様の機能を有する構成には同符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
図7に示すように、オゾン水生成装置300が第1実施形態に係るオゾン水生成装置100と異なる点は、オゾン水生成装置300は、流入弁153と流出弁304と循環流路301と紫外線照射部320とポンプ310とを備えている。
【0107】
流入弁153は、電子的に開閉が制御される電磁弁である。流入弁153は、オゾン水生成装置300の本体(図示せず)の外部に配置されたものであってもよく、本体の内部に収容されたものであってもよい。流入弁153は、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を開閉する。
【0108】
流出弁304は、電子的に開閉が制御される電磁弁である。流出弁304は、液体流路121のうちの気液分離部140よりも水の流れ方向の下流側の部分を開閉する。循環流路301の一端は、液体流路121のうちの流入弁153とエジェクタ130との間に、接続部303によって接続されている。循環流路301の他端は、液体流路121のうちの気液分離部140と流出弁304との間に、接続部302によって接続されている。なお、管路111と気体流路114と液体流路121と循環流路301とは、一般的な配管によって形成されており、図示しない管状部材によって形成されている。
【0109】
紫外線照射部320は、気液分離部140から気体流路114に排出されたオゾンに紫外線を照射することにより、オゾンを無害成分の物質に分解する。紫外線照射部320は、分解部の一例である。ポンプ310は、循環流路301に接続されている。
【0110】
図8には、オゾン水生成装置300が備える制御部380の構成を示す。図8に示すように、制御部380は、タイマ381と判断部382とオゾン発生制御部383と弁制御部384と紫外線制御部385とポンプ制御部386とを有している。
【0111】
オゾン発生制御部383は、オゾン発生器120を制御する。判断部382は、オゾン水生成装置300において制御に必要な判断を実行する。判断部382は、オゾン発生器120の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する。紫外線制御部385は、紫外線照射部320の光源(図示せず)に接続された電源回路(図示せず)を制御することにより、例えば、光源の発光または消光を切り替え、光源から照射される紫外線量を調節する。紫外線照射部320の光源は、特に限定されず、光源が発する光に紫外線が含まれていればよい。
【0112】
ポンプ制御部386は、ポンプ310を制御する。ポンプ制御部386は、ポンプ310に接続された電源回路(図示せず)を制御することにより、例えば、ポンプ310の作動のオンまたはオフを切り替え、ポンプ310の出力を調節する。
【0113】
弁制御部384は、流入弁153と流出弁304とを制御する。弁制御部384は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁153に開放させ且つ液体流路121のうちの気液分離部140よりも水の流れ方向の下流側の部分を流出弁304に開放させる。また、弁制御部284は、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁153に閉塞させ且つ液体流路121のうちの気液分離部140よりも水の流れ方向の下流側の部分を流出弁304に閉塞させる。
【0114】
ポンプ制御部386は、オゾン発生器120が作動している間には、ポンプ310の作動を停止させる。ポンプ制御部386は、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、ポンプ310を作動させる。
【0115】
紫外線制御部385は、オゾン発生器120が作動している間には、紫外線照射部320が紫外線を発しないように紫外線照射部320を制御する。紫外線制御部385は、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、循環流路301を流通するオゾンを含む水に紫外線が照射されるように紫外線照射部320を制御する。
【0116】
次に、オゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられた場合に実行されるオゾン水生成装置300の制御の一例について、フローチャートを用いて説明する。図9に示すように、ステップS31において、オゾン発生器120の作動が停止されたか否かが判定される。ステップS31においてオゾン発生器120の作動が停止されたことが判定される場合には、ステップS32に進む。
【0117】
ステップS32では、オゾン発生器120の作動が停止された時点から経過する時間のカウントが開始される。オゾン発生器120の作動が停止された時点から経過する時間は、タイマ381(図8参照)によって数えられる。
【0118】
続いてステップS33では、流入弁153が液体流路121を閉塞するように、弁制御部384によって流入弁153が制御される。また、流出弁304が液体流路121を閉塞するように、弁制御部384によって流出弁304が制御される。
【0119】
ステップS34では、ポンプ制御部386(図8参照)によってポンプ310が制御されることにより、ポンプ310の作動が開始される。これらステップS33とS34とにより、接続部303と接続部302との間の液体流路121の一部と、循環流路301との間を水が循環する。なお、液体流路121において、水は接続部303から接続部302に向かって流れる。また、循環流路301において、水は接続部302から接続部303に向かって流れる。
【0120】
ステップS35では、紫外線制御部385(図8参照)によって紫外線照射部320が制御されることにより、紫外線の照射が開始される。これにより、循環流路301を流通し、且つ、気液分離部140から気体流路114に排気されたオゾンが含まれる水に、紫外線が照射される。なお、ステップS32とS33とS34とS35とは、並行したステップであってもよく、それぞれの順が入れ替わっていてもよい。
【0121】
ステップS36では、オゾン発生器120の作動が停止された時点から、所定の時間が経過したか否かが判定される。ステップS36において、所定の時間が経過したことが判定される場合には、ステップS37に進む。
【0122】
ステップS37では、ポンプ310の作動が停止される。このように、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、液体流路121からエジェクタ130には、オゾン発生器120の作動が停止されてから所定時間だけ水が供給され続ける。
【0123】
ステップS38では、紫外線の照射が停止される。このように、オゾン発生器120の作動が停止された場合には、液体流路121を流通する水から分離されたオゾンを含む気体に、オゾン発生器120の作動が停止されてから所定時間だけ紫外線が照射される。
【0124】
以上のように、オゾン水生成装置300は、気体流路114と、液体流路121と、オゾン発生器120と、エジェクタ130と、気液分離部140と、流入弁153と、流出弁304と、循環流路301と、紫外線照射部320と、ポンプ310とを備えている。流入弁153は、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を開閉する。流出弁304は、液体流路121のうちの気液分離部140よりも水の流れ方向の下流側の部分を開閉する。循環流路301の一端は、液体流路121のうちの流入弁153とエジェクタ130との間に接続されている。循環流路301の他端は、液体流路121のうちの気液分離部140と流出弁304との間に接続されている。紫外線照射部320は、気液分離部140から気体流路114に排出されたオゾンを所定の成分に分解することによって無害化する。ポンプ310は、循環流路301に接続されている。
【0125】
制御部380は、判断部382と、弁制御部384と、ポンプ制御部386と、タイマ381とを有している。判断部382は、オゾン発生器120の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する。弁制御部384は、流入弁153および流出弁304を制御する。ポンプ制御部386は、ポンプ310を制御する。
【0126】
弁制御部384は、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121のうちのエジェクタ130よりも水の流れ方向の上流側の部分を流入弁153に開放させ且つ液体流路121のうちの気液分離部140よりも水の流れ方向の下流側の部分を流出弁304に開放させる。また、弁制御部384は、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、流入弁153にエジェクタ130の上流側の部分を閉塞させ且つ流出弁304にエジェクタ130の下流側の部分を閉塞させる。
【0127】
ポンプ制御部386は、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、ポンプ310を作動させる。
【0128】
一方、紫外線制御部385は、オゾン発生器120が作動している間には、紫外線照射部320の発光を停止させている。紫外線制御部385は、判断部382によってオゾン発生器120が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、判断部382によってオゾン発生器120の作動が停止されてから、循環流路301を流通するオゾンを含む水に紫外線が所定時間照射されるように、紫外線照射部320を制御する。
【0129】
オゾン水生成装置300によれば、オゾン発生器120が作動している間には、液体流路121において流入弁153が配置された位置と流出弁304が配置された位置との間を水が流通する。オゾン発生器120の作動が停止された場合には、ポンプ310の作動により、水は、液体流路121の一部と循環流路301との間を、オゾン発生器120の作動が停止されてから所定時間循環する。そのため、気体発生部の作動が停止された場合に、エジェクタ130には、オゾン発生器120の作動が停止されてから、循環流路301から水が所定時間供給され続ける。
【0130】
一方、オゾンを含む気体は、オゾン発生器120の作動が停止された場合に、液体流路121のうちのエジェクタ130と気液分離部140との間および気体流路114を所定時間流通し続ける。オゾン水生成装置300に残留する気体状態のオゾンは、この所定時間内に、液体流路121の一部と循環流路301との間を循環する水に混入される。さらに、水に混入されたオゾンは、この所定時間において循環流路301を流通するときに、紫外線照射部320が発する紫外線によって無害化される。このようにして、オゾン水生成装置300内にオゾンが残留することが防止される。そのため、オゾン水生成装置300においてオゾンが残留する部分が、オゾンによって劣化する事態を防止することができる。
【0131】
なお、紫外線照射部320は、ポンプ310よりも、循環流路301を流れる水の流れ方向の上流側に配置されていてもよい。なお、分解部の例は、紫外線照射部320に限定されない。分解部の別の例は、ヒータであってもよい。ヒータは、気液分離部140から気体流路114に排出されたオゾンを含む気体が混入された水を、循環流路301において加熱することにより、オゾンを無害成分の物質に分解する。
【0132】
分解部のさらに別の例は、活性炭を有し且つ循環流路301に配置されたフィルタ槽であってもよく、循環流路301を形成する管状部材の内部に収容された金属触媒等であってよい。さらに、分解部は、上記の活性炭を収容したフィルタ槽、ヒータ、金属触媒、および、紫外線照射部320の何れかまたは全ての組み合わせによって構成されていてもよい。
【0133】
オゾン水生成装置300が紫外線照射部320を備えておらず、ヒータを備えている場合には、オゾン水生成装置300が実行する制御(図9参照)のうち、ステップS35において「紫外線の照射を開始する」は、「循環流路301を流通する水の加熱を開始する」と読み替え、且つ、ステップS38において「紫外線の照射を停止する」は、「循環流路301を流通する水の加熱を停止する」と読み替えるものとする。
【0134】
紫外線照射部320またはヒータをオゾン水生成装置300が備えておらず、活性炭を収容したフィルタ槽が配置されている構成または管状部材の内部に金属触媒が収容された構成をオゾン水生成装置300が有している場合には、オゾン水生成装置300が実行する制御のうち、ステップS35とステップS38とが省略される。
【0135】
なお、ステップS36(図9参照)とステップS37との間に、流出弁304に液体流路121を開放させるステップが実行されていてもよい。このステップによれば、オゾン水生成装置300に残留したオゾンを、オゾン水生成装置300の外部により効果的に排出することができる。
【0136】
なお、オゾン水生成装置100,200,300のいずれかは、衛生器具用洗浄装置に用いることができる。衛生器具には、例えば、便所、洗面所、または、浴室に用いられた大小便器、手洗い器、洗面器、または、浴槽等が含まれる。つまり、オゾン水生成装置100を備えた衛生器具用洗浄装置は、例えば、便所、洗面所、もしくは、浴室に用いられる器具、または、便所、洗面所、もしくは、浴室を洗浄するための装置である。
【0137】
例えば、図10に示すように、小便器901,902,903を洗浄するための衛生器具用洗浄装置950が便所900に設置されている。便所900は、衛生器具設備の一例である。衛生器具用洗浄装置950は、小便器901,902,903を含む便器に水を供給するための配管910に接続されている。衛生器具用洗浄装置950は、オゾン水生成装置100,200,300のうち、例えばオゾン水生成装置100を備えている。配管910を流通する水が衛生器具用洗浄装置950を通過するときに水にオゾンが溶解されることにより、オゾン水が生成される。衛生器具用洗浄装置950を通過した後に配管910を流通するオゾン水は、小便器901,902,903を含む便器に供給される。
【0138】
また例えば、図11に示すように、小便器920は、衛生陶器921を洗浄するための衛生器具用洗浄装置922を備えている。小便器920は、衛生器具の一例である。衛生器具用洗浄装置922は、小便器920の上部に配置されている。衛生器具用洗浄装置950は、オゾン水生成装置100,200,300のうち、例えばオゾン水生成装置100を備えている。
【0139】
さらに例えば、図12に示すように、大便器940は、洗浄便座930を備えている。洗浄便座930は、オゾン水生成装置100,200,300のうち、例えばオゾン水生成装置100を備えた洗浄ユニット934と、便座カバー933と、便座932とを有する。洗浄ユニット934は、衛生陶器931を洗浄するための衛生器具用洗浄装置の一例である。大便器940は、衛生器具の一例である。
【0140】
以上のように、例えばオゾン水生成装置100を備えた衛生器具用洗浄装置920が設置された便所900においては、オゾン水生成装置100、または、オゾン水生成装置100から小便器901,902,903を含む便器にオゾン水を供給する配管910等において気体状態のオゾンが残留する部分が、オゾンによって劣化する事態を防止することができる。
【0141】
(実施例)
実施例では、第1実施形態に係るオゾン水生成装置100(図1参照)を用いて、液体流路121からエジェクタ130に、オゾン発生器120の作動が停止されてから所定時間水を供給し続けることにより、オゾン水生成装置100に残留するオゾンの量として、オゾン水生成装置100に残留する気体に含まれるオゾンガスの濃度の経過時間に対する変化と、オゾン水に含まれるオゾンの濃度の経過時間に対する変化とを調べた。
【0142】
オゾン水生成装置100に残留する空気のオゾン濃度については、オゾン水生成装置100のオゾン発生器120とエジェクタ130の流入口133との間の部分の気体のオゾン濃度を測定した。オゾン水のオゾン濃度については、オゾン水生成装置100の気液分離部140の流出口142から吐出部160との間の部分を流通するオゾン水のオゾン濃度を測定した。オゾン発生器120の作動が停止されてから、液体流路121に供給される水の量は、約2L/minであった。
【0143】
オゾン発生器120の作動が停止されてから経過した時間としては、0秒(つまり、オゾン水生成直後)、30秒、60秒、90秒、120秒、150秒、および、180秒を設定した。図13に示すように、オゾン発生器120の作動が停止されてから、時間が経過するに従って、気体のオゾン濃度とオゾン水のオゾン濃度とが低下する。
【0144】
図13に基づけば、本発明に係るオゾン水生成装置によって、オゾン水生成装置内のオゾンの残留を防止することができることがわかる。
【0145】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0146】
100,200,300:オゾン水生成装置、114:気体流路、120:オゾン発生器、121:液体流路、130:エジェクタ、140:気液分離部、151:流入弁、180:制御部、211:電磁弁、212:電磁弁、220,320:紫外線照射部、310:ポンプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の物質が溶解された液体を生成する溶解液生成装置であって、
気体状態の前記特定の物質を流通させるための気体流路と、
前記特定の物質が溶解される液体を流通させるための液体流路と、
気体状態の前記特定の物質を生成し且つ生成した前記気体を前記気体流路に供給するための気体発生部と、
前記液体流路の一部を形成し、前記気体流路の一端が接続され、且つ、前記気体発生部から前記気体流路に供給される前記特定の物質を、前記液体流路を流通する液体に前記気体流路の一端から溶解させるための気液混合部と、
前記液体流路のうちの前記気液混合部よりも液体の流れ方向の下流側の一部を形成し、前記気体流路の他端が接続され、前記液体流路を流通する液体から前記特定の物質の気泡を分離させ且つ前記特定の物質の一部を前記気体流路の他端から前記気体流路に排気するための気液分離部と、
前記気体発生部が作動している間には、前記液体流路から前記気液混合部に液体を供給するように、且つ、前記気体発生部の作動が停止された場合には、前記液体流路から前記気液混合部に、前記気体発生部の作動が停止されてから所定時間液体を供給し続けるように、前記液体流路を流通する液体の流量を制御する制御部とを備えた、溶解液生成装置。
【請求項2】
前記液体流路から前記気液混合部に流入する液体の流れを制限する流入弁をさらに備え、
前記制御部は、前記気体発生部の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する判断部と、前記流入弁を制御する弁制御部と、タイマとを有し、
前記弁制御部は、前記気体発生部が作動している間には、前記流入弁に前記液体流路を開放させ、且つ、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から所定時間が経過した後に、前記流入弁に前記液体流路を閉塞させる、請求項1に記載の溶解液生成装置。
【請求項3】
一端が前記気液混合部に接続され、他端が前記気液分離部に接続された排気流路と、
前記気体流路において、前記気液分離部と前記気体発生部との間の部分を開閉する第1の弁と、
前記排気流路を開閉する第2の弁と、
前記気液分離部から前記排気流路に排出された特定の物質を所定の成分に分解するための分解部とをさらに備え、
前記弁制御部は、前記気体発生部が作動している間には、前記第1の弁に前記部分を開放させ且つ前記第2の弁に前記排気流路を閉塞させ、且つ、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から前記所定時間が経過するまでの間に、前記第1の弁に前記部分を閉塞させ且つ前記第2の弁に前記排気流路を開放させる、請求項2に記載の溶解液生成装置。
【請求項4】
前記液体流路のうちの前記気液混合部よりも液体の流れ方向の上流側の部分を開閉する流入弁と、
前記液体流路のうちの前記気液分離部よりも液体の流れ方向の下流側の部分を開閉する流出弁と、
前記液体流路のうちの前記流入弁と前記気液混合部との間に一端が接続され、前記液体流路のうちの前記気液分離部と前記流出弁との間に他端が接続された循環流路と、
前記気液分離部から前記気体流路に排出された特定の物質を所定の成分に分解するための分解部と、
前記循環流路に接続されたポンプとをさらに備え、
前記制御部は、前記気体発生部の作動状態から非作動状態への切り替えを判断する判断部と、前記流入弁および前記流出弁を制御する弁制御部と、前記ポンプを制御するポンプ制御部と、タイマとを有し、
前記弁制御部は、前記気体発生部が作動している間には、前記流入弁に前記上流側の部分を開放させ且つ前記流出弁に前記下流側の部分を開放させ、且つ、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から前記所定時間が経過するまでの間に、前記流入弁に前記上流側の部分を閉塞させ且つ前記流出弁に前記下流側の部分を閉塞させ、
前記ポンプ制御部は、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された場合には、前記判断部によって前記気体発生部が作動状態から非作動状態に切り替えられたことが判断された時点から前記所定時間が経過するまでの間に、前記ポンプを作動させる、請求項1に記載の溶解液生成装置。
【請求項5】
前記気体発生部は、オゾンを発生させ、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の溶解液生成装置は、オゾンが溶解した水を生成する、オゾン水生成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の溶解液生成装置を備えた、
衛生器具用洗浄装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−94696(P2013−94696A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237391(P2011−237391)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】