説明

滅菌プロセスによって調製される食品組成物

【課題】滅菌、大粒子、小粒子、微粒子、不均質材料、および均質材料、ならびに充填剤を含む食品組成物における固体食品片のすべてにおいて、商業的に滅菌される食品組成物を提供する。
【解決手段】該食品組成物を加熱ユニットに移す工程と、該組成物に電流を通す工程と、該加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、流量を調節し加熱ユニットを出る該食品組成物の温度を約75℃〜約175℃に維持する工程と、該食品組成物を約5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は滅菌の方法によって調製される食品組成物に関する。さらに具体的には、無菌プロセスに使用するために設計された滅菌プロセスは、食品組成物を初期温度約1.5℃〜約100℃へ導入する工程と、該食品組成物を加熱ユニットへ移す工程と、該組成物に電流を通す工程と、該加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、流量を調節し加熱ユニットから出る該食品組成物の温度を約75℃〜約175℃に維持する工程と、該食品組成物を約5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、を含む。
【背景技術】
【0002】
酸度の低い食品の滅菌の従来の方法は、包装された食品製品の最低速の加熱ポイントまたはコールドスポットへ、包装物が浸透するのに十分な熱を必要とする。規定の時間の長さで包装物のコールドスポットが目標に達すると、滅菌が達成される。浸透に十分な熱は、蒸気飽和大気、蒸気水スプレー、蒸気および熱湯への浸漬を生じさせ包含するレトルトプロセスの使用によって供給されるが、これらに限定されない。レトルト食品滅菌プロセスのいくつかの不利点は、製品包装接合面がより高い熱への暴露、また包装のコールドスポットでより低い熱への暴露をもたらし、そのため不均質混合物および大きい粒子を有する食品の滅菌を妨げる不均質な熱の分配を生み出すことである。従来の加熱では、粒子が大きければ大きいほど、滅菌温度までその中心を加熱するためにはより多くの時間を必要とする。この不利点のために、大粒子、小粒子、不均質材料、および均質材料を含む食品のすべての粒子の熱プロセス(滅菌)は存在しない。
【0003】
無菌で滅菌される食品組成物を生産するために多くの努力がなされてきたが、食品の特性を依然として保存しつつ、内から外へ加熱する急速で迅速な製品加熱によって滅菌される大粒子、小粒子、不均質材料、および均質材料を包含する食品組成物への必要性が依然として残る。
【0004】
オーム加熱は、食品試料に交流電流を通す食品プロセス方法である。これは、結果として食品試料に熱の発生をもたらす。該プロセスは、組成物または粒子を均一に加熱するために組成物または粒子の異なる物理的特性を利用する。これは、食品に内的なエネルギーの発生をもたらす。オーム加熱は、食品製品を滅菌温度まで上げるのにかかる時間を劇的に減少することによって、熱への暴露を減少する。急速に加熱することに加え、オーム加熱は、同様の導電性特性を有するという条件で、粒子が大きいか小さいかに関わらず流体同様に迅速に加熱する。いくつかの例において、粒子はさらにより急速に加熱する。オーム加熱は、システム全体のよりさらなる加熱と、より大粒子を有する製品を配合するための機会を可能にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、滅菌、大粒子、小粒子、微粒子、不均質材料、および均質材料、ならびに充填剤を含む食品組成物における固体食品片のすべてにおいて、商業的に滅菌される、好ましくはオーム加熱の方法によって調製される、食品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、滅菌の方法によって調製される食品組成物に関する。さらに具体的には、無菌プロセスで使用するために設計された滅菌のプロセスは、食品組成物を初期温度約1.5℃〜約100℃へ導入する工程と、該食品組成物を加熱ユニットへ移す工程と、該組成物に電流を通す工程と、該加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、流量を調節し加熱ユニットから出る該食品組成物の温度を約75℃〜約175℃に維持する工程と、該食品組成物を約5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、を含む。
【0007】
本発明は、食品組成物を提供する工程と、該組成物に電流を通す工程と、電流を調節することによって加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対する電力を維持する工程と、を含み、該組成物が約0.85g/ml〜約1.15g/mlの密度を有し、該組成物が約0.5ジーメンス/m〜約9.0ジーメンス/mの導電性を有する、滅菌の方法によって調製される食品組成物にさらに関する。
【0008】
本発明は、食品組成物を提供する工程と、該組成物に電流を通す工程と、電流を調節することによって加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対する電力を維持する工程と、を含み、該組成物が、約0.5ジーメンス/m〜約9.0ジーメンス/mの導電性と、約0.01〜約1000Pa−sの稠度(K)を有する充填剤をさらに含む、滅菌の方法によって調製される食品組成物にさらに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、滅菌の方法によって調製される食品組成物を含む。より具体的には、食品組成物を初期温度約1.5℃〜約100℃へ導入する工程と、該食品組成物を加熱ユニットへ移す工程と、該組成物に電流を通す工程と、該加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、流量を調節し該加熱ユニットから出る前記食品組成物の温度を約75℃〜約175℃に維持する工程と、前記食品組成物を約5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、を含む、無菌プロセスで使用されるために設計された滅菌プロセスに関する。
【0010】
本発明の組成物および方法の他の制限事項、ならびに本明細書に使用するのに好適な任意成分の多くについては、以下で詳細に説明する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「使用に適した」とは、記載されたペットフード製品が、アメリカ飼料検査官協会(the American Association of Feed Control Officials)(AAFCO)の、ペット向けのペットフード製品を提供するための安全要件を、時折修正される場合に応じて満たすことができることを意味する。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「コンパニオンアニマル」は、好ましくは(例えば)イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ウサギ等を含む家畜を意味する。イエイヌおよびイエネコが特に好ましい。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「完全であり、栄養バランスがとれている(complete and nutritionally balanced)」とは、特に指定のない限り、すべての既知の必要な栄養素を適切な量でおよびペットの栄養の分野で認められている専門家の推奨に基づく割合で有するペットフード製品のことをいう。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「複合材料」とは、共に混合され、その結果固体の食品片を形成する、1つ以上の成分で構成される食品組成物を指す。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「充填剤」とは、食品組成物包装内の固体食品片周辺または片内の該容量を占めるために使用される固体、液体、またはガスを指す。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「完成品」とは、包装した食品組成物を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「不均質」とは、固体食品片の不均一な形、形状、サイズ、密度、質量、稠度、または他の物理的特性を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「均質」とは、固体食品片の均一な形、形状、サイズ、密度、質量、稠度、または他の物理的特性を意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「成分バッチ」とは、固体食品片を作るための既知の量、または比率で共に加えられた複合材料の1組をいう。この固体食品片は、食品組成物を作るために引き続き加工される。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「大粒子」とは、約2ml〜16mlの容量を有する固体食品片を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「混合システム」とは、液体成分および、液体と固体食品片との組み合わせが、食品組成物を作るために共に混合されるプロセスを指す。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「オーム加熱ユニット」とは、滅菌システムで使用される機器の特定の種類を指す。「オーム加熱ユニット」は、滅菌するために製品を通じて電流を通し、有効な細菌の死滅を達成するのに十分な熱を発生するために食品組成物の電気抵抗を利用する。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「包装滅菌」とは、包装のすべての面上の細菌の活動を少なくとも約6ログの削減を達成するように食品包含包装を処置するプロセスを指す。この処理は、化学的、熱的、放射線、光、または圧力処置であることができるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「微粒子」とは、約0.001ml〜約0.027mlの容量の固体食品片を指す。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「ペット組成物」とは、コンパニオンアニマルによって摂取されることができる食品組成物、コンパニオンアニマル用のサプリメント、ごちそう(treats)、ビスケット、チュー、およびそれらの組み合わせを意味する。ペット組成物は湿潤状態のおよび/または乾燥状態であることができる。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「片形成作業」とは、固形食品片を形成するために1つ以上の成分を一緒に組み合わせるプロセスを指す。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「製品」とは、包装内または包装から独立した食品組成物のいずれか一方を指す。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「再循環」とは、確立された制御パラメータを超える、または達成されない、低温、低滞留時間、超過粒径、凝集等のようなプロセス誤差を検出する滅菌システムに続く食品プロセスシステムの構成要素を指す。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「再加工材料」とは、要求されるプロセス状態を超えるか、またはそれに満たないかのいずれかの食品組成物を指す。この再加工材料は、滅菌プロセスを完了するために滅菌プロセスを遡って再循環される。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「小さい粒子」とは、約0.027ml〜約2mlの容量の固体食品片を指す。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「滅菌システム」とは、細菌胞子活動または存続性における少なくとも約9ログ削減させることを達成するための食品組成物を熱処理するプロセスを指す。これは典型的に、食品業界内では「商業的滅菌」という。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「湿潤」食品組成物とは、湿ったおよび/またはやや湿った可能性のある食品組成物を意味する。
【0033】
すべての百分率、部および比率は、本明細書で用いるとき、特に指定がない限り、製品全体の重量による。列記された成分に関するこのような重量はすべて、活性レベルに基づくものであり、したがって特に指定しない限り、市販材料に含まれることのある溶媒または副産物を含まない。
【0034】
本発明の食品組成物および方法は、本明細書に記載するいかなる付加的、または任意成分、構成要素、または制限、ないしは、動物または人の消費を目的とした食品組成物において有用である、本明細書に記載する本発明の本質的な要素および制限を含み、それらから成り、または本質的にそれらから成ることができる。
【0035】
組成物形成
本発明の食品組成物は、ペット組成物および/またはヒト組成物の形であることができる。食品組成物は、複合材料を含むことができる。複合材料は、固体食品片を形成するために共に混合された1つ以上の成分を含むことができる。固体食品片は、大粒子、小粒子および/または微粒子であることができる。固体食品片は、不均質および/または均質であることができる。食品組成物は、付加的に充填剤を含むことができる。食品組成物は、インスタント食品、ベビーフード、スナック、ごちそう、食料、パテ、ホットドッグ、ソーセージ、ミートボール、およびそれらの組み合わせのような加工肉であることができる。食品組成物は、約0.85〜約1.25の比重を有することができる。
【0036】
固体食品片を含む複合材料を含む食品組成物は、立方体状、球形状、幾何学状、軸方向に細長い、長方形状、糸状、断片状、薄片状、フレーク状、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される形状を有することができる。
【0037】
食品組成物は、以下に記載する密度法によって測定されるとき、約0.85g/ml〜約1.15g/ml、約0.9g/ml〜約1.1g/ml、約0.95g/ml〜約1.05g/ml、約0.97g/ml〜約1.03g/mlの密度を有することができる。
【0038】
食品組成物は導電性を有することができる。導電性は、本明細書に記載する導電性法によって測定されるとき、約0.5ジーメンス/m〜約9.0ジーメンス/m、約0.7ジーメンス/m〜約7.0ジーメンス/m、約0.9ジーメンス/m〜約5.0ジーメンス/m、約1.0ジーメンス/m〜約2.4ジーメンス/m、約1.1ジーメンス/m〜約2.0ジーメンス/m、約1.2ジーメンス/m〜約1.7ジーメンス/mである。
【0039】
一つの実施形態において、食品組成物は湿潤ペットフード組成物の形状である。本発明の湿潤ペットフード組成物はやや湿ったペットフード組成物(すなわち、組成物の16重量%〜50重量%の総湿分含量を有するもの)、および/または湿ったペットフード組成物(すなわち、組成物の50重量%を超える総湿分含量を有するもの)であることができる。本明細書に記載がない限りは、やや湿ったペットフード組成物、および湿ったペットフード組成物は、その組成物または調製の方法によって限定されない。別の実施形態において、ペットフード組成物は乾燥状態(すなわち、組成物の16重量%未満の総湿分含量を有するもの)である。
【0040】
ペットフード組成物は、充填剤を含み得る連続的なマトリックスを含むことができる。
ペットフード組成物は、複合材料を含み得る非連続的なマトリックスを含むことができる。本明細書のペットフード組成物は、完全であり、栄養的にバランスを取ることができる。完全であり、栄養的にバランスがとれているペットフード組成物は、単独食料として与えられてもよく、水を除いていかなる付加的な物質を摂取することなく、生命を維持する、および/または繁殖を促進することができる。
【0041】
一つの実施形態において、食品組成物は、ベビーフード組成物の形状である。本発明のベビーフード組成物は、やや湿ったベビーフード組成物(すなわち、組成物の16重量%〜50重量%の総湿分含量を有するもの)、および/または湿ったベビーフード組成物(すなわち、組成物の50重量%を超える総湿分含量を有するもの)であることができる。
ベビーフード組成物は、充填剤を含み得る連続的なマトリックスを含むことができる。ベビーフード組成物は、複合材料を含み得る非連続的なマトリックスを含むことができる。
【0042】
複合材料
食品組成物は、複合材料を含むことができる。複合材料は、固体食品片を形成するために共に混合された1つ以上の成分を含むことができる。固体食品片は、大粒子、小粒子、および/または微粒子であることができる。固体食品片は、不均質および/または均質であることができる。複合材料は、以下に記載する容量法によって測定されるとき、約0.001ml〜約16ml、約0.008ml〜約12ml、約0.064ml〜約8ml、約0.125ml〜約4ml、約0.25ml〜約2mlの容量を有することができる。
【0043】
大粒子は、以下に記載する容量法によって測定されるとき、約2ml〜約16ml、約2.5ml〜約8ml、約3ml〜約4mlの容量を有する。
【0044】
小粒子は、以下に記載する容量法によって測定されるとき、約0.2ml〜約2ml、約0.3ml〜約1.5ml、約0.3ml〜約1ml、約0.4ml〜約0.8mlの容量を有する。
【0045】
微粒子は、以下に記載する容量法によって測定されるとき、約0.001ml〜約2ml、約0.01ml〜約0.175ml、約0.025ml〜約0.15ml、約0.064ml〜約0.125mlの容量を有する。
【0046】
複合材料は、以下に記載する密度法によって測定されるとき、約0.85g/ml〜約1.15g/ml、約0.9g/ml〜約1.1g/ml、約0.95g/ml〜約1.05g/ml、約0.97g/ml〜約1.03g/mlの密度を有することができる。
【0047】
固体食品片を含む複合材料は、立方体状、球形状、幾何学状、軸方向に細長い、長方形状、糸状、断片状、薄片状、フレーク状、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される形状を有することができる。
【0048】
複合材料は、動物性タンパク質、植物性タンパク質、デンプン質物質、野菜、果物、パン生地、脂質、油、結合剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0049】
動物性タンパク質は、例えば、筋繊維の食肉または食肉副産物を含む種々の動物性供給源のいかなるものに由来してもよい。動物性タンパク質の非限定例としては、例えば筋繊維の食肉、食肉副産物、肉粉、または魚粉を含む、牛肉、豚肉、鶏肉、子羊肉、カンガルー肉、貝、甲殻類、魚、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0050】
植物性タンパク質は、種々の植物供給源のいかなるものに由来してもよい。植物性タンパク質の非限定例としては、ルピナス(lupin)タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0051】
デンプン質物質は、種々のデンプン質物質供給源のいかなるものに由来してもよい。デンプン質物質の非限定例としては、米、トウモロコシ、ミロ、ソルガム、大麦、および小麦等のような穀物、パスタ(例えば、粉に挽いたパスタ)、パン粉(breading)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0052】
野菜は、種々の野菜供給源のいかなるものに由来してもよい。野菜の非限定例としては、エンドウマメ、ニンジン、トウモロコシ、ジャガイモ、豆類、キャベツ、トマト、セロリ、ブロッコリー、カリフラワー、およびリーキ(leeks)が挙げられる。
【0053】
果物は、種々の果物供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定例としては、トマト、リンゴ、アボカド、西洋ナシ、モモ、サクランボ、アプリコット、プラム、ブドウ、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、クランベリー、ラズベリー、ブルーベリー、スイカ、カンタロープ(cantelope)、マスクメロン、ハネデューメロン(honeydew melon)、イチゴ、バナナ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0054】
パン生地は、種々のパン生地供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定例としては、小麦パン生地、コーンパン生地、ジャガイモパン生地、大豆パン生地、米パン生地、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0055】
脂質は、種々の脂質供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定例としては、鶏脂、牛脂、豚脂、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
油は、種々の油供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定例としては、魚油、コーン油、キャノーラ油、パーム油、キャノーラ油、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
結合剤は、種々の結合剤のいかなるものに由来してもよい。結合剤の非限定例としては、卵を原料とする材料(卵白、および好ましくは乾燥卵白を含む)、非変性タンパク質、食品等級の高分子接着剤、ゲル、ポリオール、デンプン(変性デンプンを含む)、ゴム、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
ポリオールの非限定例としては、二糖類および複合糖質のような糖アルコールが挙げられる。特定の複合糖質は、通常デンプンと呼ばれる。二糖類は、一般式C2n−2n−1を有する分子であり、ここで二糖類は、グリコシド結合により結合している2つの単糖ユニットを有する。このような式において、nは3以上の整数である。
【0059】
本明細書で用いてよい二糖類の非限定例には、スクロース、マルトース、ラクチトール、マルチトール、マルツロース、およびラクトースが挙げられる。
【0060】
複合糖質の非限定例としては、オリゴ糖および多糖類が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「オリゴ糖」は、3〜9個の単糖ユニットを有する分子を意味し、ここでそれらのユニットは、グリコシド結合により共有結合している。本明細書で使用するとき、用語「多糖類」は、9個を超える単糖ユニットを有する巨大分子を意味し、ここでそれらのユニットは、グリコシド結合により共有結合している。多糖類は、直鎖または分枝状であってよい。好ましくは、多糖類は、9〜約20個の単糖ユニットを有する。多糖類は、デンプン類を含んでよく、本明細書ではこれにデンプンと変性デンプンが含まれることが定義される。デンプンは、一般に、特定の植物種、例えば、トウモロコシ、小麦、米、タピオカ、ジャガイモ、エンドウマメなどのような穀物および塊茎に発生する炭水化物ポリマーである。デンプンは、結合しているα−D−グルコースユニットを包含する。デンプンは、主に直鎖構造(例えば、アミロース)または分枝状構造(例えば、アミロペクチン)のいずれかを有してよい。デンプンは、当業者に周知の方法を使用して、デンプン顆粒の過剰な膨潤を防止するために架橋により変性されてよい。デンプンのさらなる例には、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。市販されているデンプンの他の例としては、すべてニュージャージー州ブリッジウォーター(Bridgewater,NJ)の、ナチュラルスターチ・アンド・ケミカルカンパニー(National Starch and Chemical Company)から手可能なウルトラスパースM(ULTRA SPERSE M)(商標)、N−ライトLP(N-LITE LP)(商標)、およびテクストラ・プラス(TEXTRA PLUS)(商標)が挙げられる。
【0061】
好ましい複合糖質の非限定例には、ラフィノース、スタキオース、マルトトリオース、マルトテトラオース、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、ポリデキストロース、およびマルトデキストリンが挙げられる。
【0062】
充填剤
本発明の食品組成物は、充填剤を含み得る連続的なマトリックスを含むことができる。
充填剤は、固体、液体、または圧縮空気(packed air)であることができる。充填剤は、可逆的(例えば、ゼラチンが挙げられる熱可逆的なもの)および/または非可逆的(例えば、卵白が挙げられる熱非可逆的なもの)であることができる。充填剤の非限定例としては、グレイビー、ゲル、ゼリー、アスピック、ソース、水、ガス(例えば、窒素、二酸化炭素、および大気が挙げられる)、ブロス、抽出物、食塩水、スープ、蒸気、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
充填剤は、導電性を有することができる。導電性は、本明細書に記載する導電性法によって測定されるとき、約0.5ジーメンス/m〜約9.0ジーメンス/m、約0.7ジーメンス/m〜約7.0ジーメンス/m、約0.9ジーメンス/m〜約5.0ジーメンス/m、約1.0ジーメンス/m〜約2.4ジーメンス/m、約1.1ジーメンス/m〜約2.0ジーメンス/m、約1.2ジーメンス/m〜約1.7ジーメンス/mである。
【0064】
充填剤が液体の場合、稠度(K)は、以下に記載する粘度法によって測定されるように、約0.01〜約1000Pa−s、約0.02〜約600Pa−s、約0.1〜約400Pa−s、約0.2〜約100Pa−s、約0.3〜約13Pa−sである。
【0065】
充填剤が液体の場合、以下に記載する粘度法によって測定されるように、nが無次限である剪断指数(n)は、約0.001〜約4、約0.01〜約3、約0.1〜約2、約0.2〜約1である。
【0066】
充填剤は任意に、追加の成分をさらに含むことができる。追加の成分の非限定例としては、小麦タンパク質、大豆タンパク質、ルピナスタンパク質、タンパク質粉末(protein flour)、非平滑化(textured)小麦タンパク質、非平滑化大豆タンパク質、非平滑化ルピナスタンパク質、非平滑化野菜タンパク質、パン粉、挽肉、小麦粉、粉砕されたパスタ、パスタ、水、風味剤(flavorants)、デンプン、調味塩、着色剤、徐放性化合物、ミネラル、ビタミン、酸化防止剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、香気調整剤、風味調整剤(flavor modifiers)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
滅菌の方法
本発明の食品組成物は、無菌プロセスで使用されるように設計された滅菌プロセスによって好ましくは滅菌される。滅菌プロセスは、好ましくはオーム加熱であり、好ましくは1)食品組成物を初期温度約1.5℃〜約100℃へ導入する工程と、2)該食品組成物を加熱ユニットへ移す工程と、3)該組成物に電流を通す工程と、4)該加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、5)流量を調節し加熱ユニットから出る該食品組成物の温度を約75℃〜約175℃に維持する工程と、6)該食品組成物を約5℃〜約100℃の最終温度へ冷却する工程と、を含む。
【0068】
製品に移された熱の量は、以下の熱伝導方程式によって規定される。
【数1】

(式中、
Qは、製品に移された熱の量(kW)であり、
dは、密度(g/ml)であり、
(kJ/Kg℃)は、材料の熱容量であり、
outおよびTinは、加熱ユニットの入口温度および出口温度(℃)である。)
【0069】
先の方程式は、質量流量(kJ/kg)当たりの電力を評価するために以下の方程式に再配置されることができる。
【数2】

【0070】
この方程式の値は、材料の熱容量が既知であると仮定し、望ましい温度上昇を得るためにユニット質量ごとに所要のエネルギー導入量を直接計算するものである。質量流量の範囲に対する加熱ユニット電力は、上述の方程式を使用し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kg、約200キロジュール/kg〜約600キロジュール/kg、約300キロジュール/kg〜約500キロジュール/kg、および約350キロジュール/kg〜約460キロジュール/kgである。
【0071】
任意に、電流を維持し、ワット範囲を調節することができる。
【0072】
ワット範囲は、各加熱ユニットに対して、好ましくは約1KW〜約75KWである。
【0073】
図1を参照すると、方法100は、図1のブロック操作として図示する少なくとも6つの操作からなる。
【0074】
図2を参照すると、片形成操作200である。成分バッチ210では、固体食品片を形成するために複合材料が加えられ、混合操作と一体化し、そして乳化220される。複合材料は、含まれた気泡を減少するために真空化230される。成分バッチ210に加えられる前に、成分の平均温度に基づき、初期成分温度は1.5℃〜約100℃の範囲に及ぶ。一部の成分は依然凍ったまま加えられてもよいが、他の成分は成分バッチに加える前に加熱される場合があり、それにより初期成分温度の範囲を作る。稠度において液体からペーストまでの範囲に及ぶ可能性がある真空化バッチ230は、押出成形機240を通過し、そして固体食品片を形成するために一つまたは複数の蒸気トンネル250を通過する。
あるいは、押出された材料は、ベーキングオーブン(baking oven)、加熱された保持チューブ(heated hold-tube)、加熱された槽(heated bath)、フライヤー(fryer)のような他の加熱/調理機器を通過されてもよい。次に、固体食品片は、プロセスの次の工程への移動ライン261を介して運搬される前に冷却トンネル255とシェーパ(shaper)260を通過してもよい。風味補助剤(flavor aids)、スパイス、栄養素、ビタミン、または他の成分のような他の成分270は、別の運搬システム271を介してシステムに加えられることができる。
【0075】
図3を参照すると、温度制御されたケットル310で、充填剤、担体流体、グレイビー、またはソース成分のような液体成分のさらなる混合のために設計された混合システム300が図示されている。固体食品片のいくつかのバッチは、ライン261を介して別の温度制御されたケットル320で組み合わされることができる。さらに高いか、または低いかのいずれかの制御限界外で加工されたあらゆる再加工材料は、不適当に加工された再加工材料を保持することを特に目的とした再加工タンク330へ、ライン531を介して、混合操作に戻されることができる。液体、固体食品片、および再加工材料の組み合わせは、流量制御弁311、321、および331、ならびに容積式ポンプ312、322、および332を通じて仕上げられる。これより以下、食品組成物と称される液体、固体食品片、および再加工材料は、移動ライン340を介し、滅菌システムへ送られる。食品組成物は、約1Lpm〜1000Lpmの流量を有する3kPa〜300,000kPaの間の圧力で混合タンクから滅菌システムへ、ポンプで送り出されてもよい。
【0076】
図4を参照すると、滅菌システム400は、温度センサー420、流量メーター430を通じ、1つ以上のオーム加熱ユニット441、442、および443を包含する滅菌システム440へ食品組成物をポンプで送り出す、容積式ポンプ410で始まっている。これらの加熱ユニットは、1〜3つのオーム加熱器の貯蔵所である可能性がある。本発明の滅菌システムに使用することができるオーム加熱器の例は、イタリア、ピアツェンツァ(Piacenza, Italy)のエメピエームSRL(Emmepiemme SRL)製造の60kWオーム加熱ユニットである。各オーム加熱ユニットにおける滞留時間は、約1秒〜60秒の間であってもよい。各オーム加熱ユニットを通じた電流の流れは、約0.05アンプ〜約120アンプの範囲である可能性がある。各オーム加熱ユニットに対するワット数は、典型的に約1kW〜約75kWの範囲である可能性があり、電圧は、約5V〜約350Vの範囲であることができる。3つのオーム加熱ユニットの1番目に対する実例目標最終温度は、それぞれ、約50℃〜約80℃であることができ、2番目のオーム加熱ユニットに対しては、約70℃〜約110℃であることができ、3番目のオーム加熱ユニットに対しては、約130℃〜約150℃であることができる。
【0077】
別の実施形態において、これらのオーム加熱ユニットはまた、他の既知の加熱システムと置き換えられることもできる。実例としては、直蒸気加熱チャンバ、およびワイプ式薄膜熱交換器が挙げられるがこれらに限定されない。
【0078】
次に、食品組成物は、組成物が約140℃の目標温度に達したことを確認するために使用される第2の温度センサー450を貫流する。保持チューブ460は、滅菌プロセスを完了するための高温で、十分な時間を提供するために使用される。保持チューブの長さは、典型的に約100cm〜1,000cmで、温度は約120℃〜300℃の間に維持される。保持チューブにおける食品組成物の滞留時間は、典型的に5秒〜1,000秒の間である。次に、食品組成物は、食品組成物の温度を、好ましくは周囲温度近くまで、望ましい低い温度まで下げるように設計された1つ以上の熱交換器471、472、および473を包含する冷却プロセス470を貫流する。最終温度範囲は約5℃〜約100℃であり得るが、さらに典型的な最終温度範囲は約25℃〜約70℃の範囲である。望ましい出口温度へ製品を冷却するように設計された熱交換器の適した例は、APVクレパコ社(APV Crepaco,Inc.)製造のAPV表面掻き取り式熱交換器(APV scraped surface heat exchanger)である。この温度は、温度センサー480で測定される。この操作の最後に、食品組成物は、滅菌プロセス全体を通じて正圧を維持するために使用される背圧ポンプ(back-pressure pump)490を貫流し、移動ライン491を介し、分流操作へ運搬される。
【0079】
図5を参照すると、再循環システム500は、一連のセンサー510から始まっている。インラインプロセスセンサーの非限定的な例としては、温度、圧力、流量、および金属が挙げられる。滅菌プロセスの予め定められた所要の制御限度外であるセンサーを通過する食品組成物は、図3に示すように、容積式ポンプ530を介し流れ切替バルブ520を通じてポンプで送り出され、再加工タンク330へ移動パイプ531を通過する。設定されたプロセスの制御限度を満たす食品組成物は、流れ切替バルブ520を貫流し、ポンプ540を使用して、次のプロセス工程へパイプ541を通じて運搬される。制御パラメータの非限定的な例としては、容量0.001ml〜約16ml、温度(275℃〜350℃)範囲、および導電性(0.5ジーメンス/m〜9ジーメンス/m)が挙げられる。
【0080】
図6を参照すると、包装滅菌システム600は、包装ロールストック610から始まり、滅菌操作620の中を進み、そして正背圧下で滅菌環境へ入ることを示している。ロールストックは、形成プロセス630を介し、製品容器に成形または形成され、次の工程へコンベヤー631によって移動される。
【0081】
図7を参照すると、滅菌包装が、滅菌環境で滅菌製品で充填される、包装充填機器710を包含する包装充填システム700を示している。次に、包装は、封止のために包装封止機720へ移動される。封止の後、最終製品は、移動ライン721を介して滅菌環境を出て、その後パレタイザー(palletizer)730へ進む。完成した製品は、倉庫保管するために、また最終的には店へ分配するために移動システム731を介して発送するため、ケースに入れられ、パレットに積み重ねられる。
【0082】
食品キット
本発明はまた、食品キットも含むことができる。本発明の食品キットは、無菌プロセスにおいて使用されるために設計された滅菌プロセスによって、好ましくは滅菌された食品組成物を含むことができる。滅菌の方法で調製された食品組成物は、食品組成物を初期温度約1.5℃〜約100℃へ導入する工程と、該食品組成物を加熱ユニットへ移す工程と、該組成物に電流を通す工程と、該加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、流量を調節し該食品組成物の温度を約75℃〜約175℃に維持する工程と、該食品組成物を約5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、を含む。
【0083】
食品組成物は、1つの容器、別々の容器、二重の容器、およびそれらの組み合わせで包装されることができる。
【0084】
食品キットとしては、ペットキット(pet kit)、ベビーキット(baby kit)、ごちそうキット(treat kit)、ヒトキット(human kit)、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。食品キットは、実物大、サンプルサイズ、またはその両方である付加的な食品組成物をさらに含んでよい。食品キットは、容器内に含まれる食品組成物を調整する付加的な食品組成物をさらに含んでよい。
【0085】
例えば、容器に収容される食品組成物が乾燥ペットフードである場合、調整するペット組成物はグレイビーのためのものであってよい。その上、容器内の食品組成物がペット組成物である場合、調整するペット組成物は、プロバイオティック、ビタミン、生皮(raw hide)、ごちそう、またはチューであってよい。その上、容器内の食品組成物がペット組成物である場合、調整するペット組成物は充填剤であってよい。その上、容器内の食品組成物がベビー組成物(baby composition)である場合、調整するベビー組成物は、果物、野菜、またはジュースであってよい。食品キットは、クーポン券、割り戻し、または広告をさらに含んでよい。
【0086】
食品キットは、説明書の一式をさらに含んでよい。これらの説明書はまた、図を含んでもよい。
【0087】
商品
本発明は、商品を包含する。商品は、食品組成物を初期温度約1.5℃〜約100℃へ導入する工程と、該食品組成物を加熱ユニットへ移す工程と、該組成物に電流を通す工程と、該加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、流量を調節し該食品組成物の温度を約75℃〜約175℃に維持する工程と、該食品組成物を約5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、を含む滅菌の方法によって調製された食品組成物を収容する容器、を含む。
【0088】
本発明の効果は、使用説明書を理解し、それに従って製品を使用するための消費者の能力に関連され得る。商品は、本発明の方法を実行するために消費者を指示する容器と関連して、説明書の一式をさらに含むことができる。食品組成物を分配するための方法は、容器を開封するための説明書、容器からの食品組成物の移動、および容器の閉封を含む。これらの説明書は、図を含んでよい。さらに、食品組成物は、約0.001ml〜約16mlの粒子容量を有する複合材料を含む。
【0089】
食品組成物
乾燥食品組成物の非限定的な例は、乾燥体基準で、食品組成物の約1重量%〜約50重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約10重量%の補足的繊維(supplemental fiber)、および約1重量%〜約30重量%の水分を任意に含有してよい。あるいは、乾燥食品組成物は、乾燥体基準で、食品組成物の約5重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約2重量%〜約8重量%の補足的繊維、約2重量%〜約20重量%の水分を含有してよい。あるいは、乾燥食品組成物は、乾燥体基準で、食品組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最低タンパク質レベル、約8重量%〜約13重量%の最低脂肪レベル、約3重量%〜約8重量%の最低水分レベル、約3重量%〜約7重量%の最低補足的繊維レベルを包含する。乾燥動物組成物はまた、約3.5キロカロリー/gの最低代謝エネルギーレベルを有してもよい。
【0090】
やや湿った食品組成物の非限定的な例は、乾燥体基準で、食品組成物の約0.5重量%〜約50重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.5重量%〜約15重量%の補足的繊維、約30重量%〜約50重量%の水分を任意に含有してよい。あるいは、やや湿った食品組成物は、乾燥体基準で、食品組成物の約5重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約5重量%の補足的繊維、および約35重量%〜約45重量%の水分を含有してよい。あるいは、やや湿った食品組成物は、乾燥体基準で、食品組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最低タンパク質レベル、約8重量%〜約13重量%の最低脂肪レベル、約38重量%〜約42重量%の最低水分レベル、約2重量%〜約3重量%の最低補足的繊維レベルを有してよい。やや湿った食品組成物はまた、約14644キロジュール/gam(3.5キロカロリー/g)の最低代謝エネルギーレベル、約0.1%〜約20%のトネリコ、および約0.001%〜約5.0%のタウリンを有してもよい。
【0091】
湿った食品組成物の非限定的な例は、乾燥体基準で、食品組成物の約0.5重量%〜約50重量%の祖タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.01重量%〜約15重量%の補足的繊維、約50重量%〜約90重量%の水分を任意に含有してよい。あるいは、湿った食品組成物は、乾燥体基準で、食品組成物の約5重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.05重量%〜約5重量%の補足的繊維、および約60重量%〜約85重量%の水分を含有してよい。あるいは、湿った動物食品組成物は、乾燥体基準で、食品組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最低タンパク質レベル、約8重量%〜約13重量%の最低脂肪レベル、約65重量%〜約80重量%の水分レベル、約0.1重量%〜約3重量%の最低補足的繊維レベルを含有してよい。湿った食品組成物はまた、約4184ジュール/g(1.0キロカロリー/g)の最低代謝エネルギーレベル、約0.1%〜約20%のトネリコ、および約0.001%〜約5.0%のタウリンを有してもよい。
【0092】
本発明の一つの実施形態において、食品組成物は、乾燥体基準で、食品組成物の約5重量%〜約50重量%、あるいは20重量%〜約50重量%の動物由来成分を含む、乾燥しているか、湿っているか、ないしはやや湿っている食品組成物である。動物由来成分の非限定例としては、鶏肉、牛肉、豚肉、子羊の肉、七面鳥の肉(または他の動物)のタンパク質もしくは脂肪、卵、魚粉などが挙げられる。
【0093】
食品組成物がグレイビーの形状である場合、該組成物は少なくとも10%のブロス、またはストックを含んでよく、その非限定的な例としては野菜牛肉(vegetable beef)、鶏肉、またはハムストック(ham stock)が挙げられる。典型的なグレイビー組成物は、乾燥体基準で、約0.5%〜約5%の粗タンパク質、および約2%〜約5%の粗脂肪を含んでよい。
【0094】
食品組成物がビスケット、チュー、および他のごちそうのようなサプリメント組成物の形状である場合、該サプリメントは、乾燥体基準で、サプリメント組成物の約20重量%〜約60重量%のタンパク質、約22重量%〜約40重量%のタンパク質を含有してよい。別の例として、サプリメント組成物は、乾燥体基準で、該サプリメント組成物の約5重量%〜約35重量%の脂肪、または約10重量%〜約30重量%の脂肪を含んでよい。食品およびサプリメント組成物は、当該技術分野において一般的に既知である猫または犬のような動物によって使用されることを目的とする。
【0095】
図1〜図7に説明するシステムを使用して加工される食品組成物の付加的な実施形態は、食品組成物の約40〜約60重量%の肉または複合材料、約0〜約15重量%の野菜、約0〜約30重量%の非平滑化植物性タンパク質、および約0〜約15重量%のパスタまたは穀物グレインを含んでよい。食物組成物は、乾燥体基準で、約65%〜約99%の総湿分含量、約1%〜約5%の脂肪、約8%〜約20%のタンパク質、および1〜約2.5%の炭水化物を有する。
【0096】
任意成分
本発明の食品組成物は、広範囲の他の任意成分をさらに含むことができる。
【0097】
任意成分の非限定的な例としては、小麦タンパク質、大豆タンパク質、ルピナスタンパク質、タンパク質粉末、非平滑化小麦タンパク質、非平滑化大豆タンパク質、非平滑化ルピナスタンパク質、非平滑化野菜タンパク質、パン粉、挽肉、小麦粉、粉砕されたパスタ、パスタ、水、風味剤、デンプン、調味塩、徐放性化合物、ミネラル、ビタミン、酸化防止剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、香気調整剤、風味調整剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0098】
1つ以上の着色剤もまた、任意成分として、本明細書で有用である。着色剤の非限定例としては、合成または天然の着色剤、およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。着色剤は、茶色用の麦芽、白色用の二酸化チタン、または赤色用のトマト抽出物(例えば、リコピン)、緑色用のアルアルファ(例えば、クロロフィル)、緑色用の藻類粉、茶色用のカラメル、黄−橙色周辺用のアンナット抽出物(例えば、ビクシン、トランスビクシン、およびノルビクシン、ならびにそれらの組み合わせ)、赤−紫色周辺用の脱水されたビート、青−緑色周辺用のウルトラマリンブルー、橙色周辺用のβ−カロチン、橙色周辺用のマンジュギク(例えば、ルテイン)、黄色周辺用のターメリック、黄色周辺用のターメリックオレオレジン、黄色周辺用のサフラン、黄色周辺用のトウモロコシグルテン粉、赤色周辺用のパプリカ、橙−赤色周辺用のパプリカオレオレジン、黒色周辺用の黒酸化鉄、茶色周辺用の茶酸化鉄、赤色周辺用のベンガラ、黄色周辺用の黄酸化鉄、赤−紫色周辺用の赤キャベツ、黒色周辺用のカーボンブラック、赤色周辺用のコチニール抽出物、黄色周辺用のニンジン油、緑−青色周辺用の食品、医薬品および化粧品用青色1号(ブリリアントブルー)、藍色周辺用の食品、医薬品および化粧品用青色2号(インジゴチン)、青−緑色周辺用の食品、医薬品および化粧品用緑色3号(ファストグリーン)、青−赤色周辺用の食品、医薬品および化粧品用赤色3号(エリトロシン)、黄−赤色周辺用の食品、医薬品および化粧品用赤色40号(アルラレッド)、レモン色−黄色周辺用の食品、医薬品および化粧品用黄色5号(タルトラジン)、赤−黄色周辺用の食品、医薬品および化粧品用黄色6号(サンセットイエロー)、固有の色用の果汁濃縮物(例えば、橙色周辺用のオレンジジュース濃縮物)、赤−青色用のブドウ色抽出物、緑色周辺用のキサントフィル(例えば、ブロッコリーから抽出される)、固有の色用の野菜ジュース(例えば、赤−紫色用のビートジュース)、緑−黄色周辺用のリボフラビン、橙色周辺用のオレンジB、ならびに黒色周辺用のタコおよびイカの墨であることができる。
コーティングされたペットフード製品は、その製品の約0.00001重量%〜約10重量%の該着色剤を含む。好ましくは食品組成物は、組成物の約0.0001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約重量1%、さらにより好ましくは重量0.005%〜約0.1重量%の該着色剤を含む。
【0099】
方法
密度法
この方法は、食品組成物、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の密度を測定する。密度は、例えば、メトラー−トレド社(Mettler-Toledo, Inc.)(米国オハイオ州コロンバス(Columbus, OH., USA.))から入手可能な密度測定キット(Density Determination Kit)を用いて、21.5℃の蒸留水中への浸漬によって評価される。
【0100】
流体への浸漬を介する、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の密度を測定するための装置を、以下に記載する。少なくとも0.001gまでの精度の化学てんびんは、上皿てんびん皿(top loading balance pan)を取り外してある。そのてんびん皿上にフレームを取り付けてある。その化学てんびんに皿の周囲に沿ったガードが備えられている場合、てんびんロードセル上での皿およびフレームの設置を妨害しないようにそのガードを取り外す。皿およびフレームアセンブリーをてんびんロードセル上に置く。皿をまたいで、フレームまたは皿に触れないように基盤(platform)を設置する。
ビーカー(例えば、500ml)を21.5℃の蒸留水(例えば、500ml)で満たす。フレームに触れないような方法で、ビーカーおよび水を基盤上に好ましくは中央に置く。この工程では2つの試料ステージが用いられる。上方試料ステージ(上方ステージ)は、フレームの上部の中央で水平の部分に取り付けられる。下方試料ステージ(下方ステージ)は、試料がその下方ステージ上に置かれた場合にその試料が完全に沈むのに十分な深さまで沈められるべきである。ビーカーの内壁に沿って温度計を取り付ける。平衡後、温度計による蒸留水の温度を記録する。化学てんびんの風袋を計る。
【0101】
必要な場合、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子重量および異なるサイズに対してビーカーサイズ、尺度サイズ、および水の深さを調節することができる。
【0102】
i.非浮遊複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子
複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子重量は、各ステージ位置に置かれたときに決定される。最小限の把持力でピンセットを使用して、不均質および/または均質の粒子を上方試料ステージに置く。重量を、大気(A)中の複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の重量として記録する。最小限の把持力でピンセットを使用して、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子を上方試料ステージから取り除き、化学てんびんの風袋を計り、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子が完全に沈み、下方試料ステージ上に束縛を受けずに静止するように、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子を下方試料ステージに置く。下方試料ステージによってすべての重量が伝わるように、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子を、下方試料ステージ上に束縛を受けずに静止するように配置する。複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子が下方試料ステージ上にとどまると、蒸留水(W)中の複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の重量を記録する。
【0103】
ii.浮遊複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子
複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子が表面へ浮遊する場合、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子を蒸留水から取り除く。下方試料ステージを、浮揚体試料ステージ(buoyant body sample stage)と交換する。浮揚体試料ステージを、捕捉された空気が水の表面へ浮遊するように穿孔するが、その穿孔は複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子よりも小さい。複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の浮力が浮揚体試料ステージの重量よりも大きい場合、浮揚体試料ステージは、浮揚体試料ステージ、重量を有する上方ステージ、およびフレームが可動部を有しない1ユニットとしての役割を果たすように、上方ステージの上面に付加的な重量を置くことによって加重されなければならない。てんびんの風袋を計り、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子に対して上記(i)のように密度測定を実行する。新しい複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子を選択し、該工程を繰り返して、上方試料ステージ上の大気(A)中での複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の重量を割り出し、記録し、てんびんを風袋計り、次にそれに続く浸漬した重量(W)(ここではWは負の数字である)を同様に記録する。
【0104】
NIST化学ウェブブック(NIST Chemistry WebBook)、NIST標準参照データベース番号69(NIST Standard Reference Database Number 69)、P.J.リンストーム(P.J. Linstrom)およびW.G.マラード(W.G. Mallard)編、2003年3月、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology)、ゲイサーズバーグMD(Gaithersburg MD)、第20899号(http://webbook.nist.gov)における、E.W.レモン(E.W. Lemmon)、M.O.マクリンデン(M.O. McLinden)およびD.G.フレンド(D.G. Friend)の「流体系の熱物理学特性(Thermophysical Properties of Fluid Systems)」から、1気圧の基準圧力条件に基づき、21.5℃で蒸留水の密度は0.99788g/mlである。
【0105】
複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の密度を以下のように計算する。
複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の密度(g/ml)=蒸留水の密度×[(A)/(A−W)]
【0106】
容量法
容量を、密度および質量に対する第一原理関係に基づいて計算する。前述した密度法から得られた値を使用して、密度法に記載するように、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の容量を計算することができる。
【0107】
容量を、以下のように計算する。
複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の容量(ml)=(A)(g)/複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の密度(g/ml)
【0108】
導電性法
導電性は、電気を通す能力を割り出す、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子および充填剤を含む食品組成物の物理的特性であり、メーターごとのジーメンス(ジーメンス/m)で表される。この物理的特性は温度に依存しており、所定の食品組成物に対する温度における伝導度の相互依存を割り出すために、温度の範囲にわたって測定されなければならない。導電性を割り出すためには、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子および充填剤を、5℃〜85℃の範囲の特定の温度まで加熱する。以下に記載する手順に従い、正確な温度、電圧、および電流(アンプ)を記録する。伝導度を、以下に記載する方程式に従い、電圧、電流、および試料寸法に基づいて計算し、その後、温度曲線に対する伝導度を生成するために記録された温度に対してプロットする。食品組成物の導電性を割り出すための適した実験的な方法および測定機器の例を以下に記載する(タルシアン・P(Tulsiyan, P.)、M.S.論文(M.S.Dissertation)、オハイオ州立大学(Ohio State University)、オハイオ州コロンブス(Columbus, Ohio)、2005年)。
【0109】
オーム加熱ユニット(441、442、および443)を使用する導電性測定機器800を図8に示す。アセタールから作られた基部810を、10個の電極815が収容される中に構成した。電極をチタンで作り、プラチナでコーティングした。アルミニウムで構成された上部820は、10個の電極825を包含する。オーム加熱ユニット835を、(GEプラスチック社(GE Plastics)、米国マサチューセッツ州ピッツフィールド)の非晶質熱可塑性ポリエーテルイミド、ウルテム(Ultem)(商標)で構成する。これらのユニット835は、基部810と上部電極825との間に挟まれ得る、それらの中心を通る円筒型の試料チャンバ830を有する。熱電対開口部840は、温度測定を可能にするようにユニット835の中心で提供される。アクリルプレキシグラス(商標)サイドバー845を、アルミニウム上部820を支持するようにアセタール基部810にねじで留める。
【0110】
概略配線図900を図9に示す。固体食品片の幾何学的中心で、または、充填剤の場合は加熱ユニット835の幾何学的中心で試料の温度を測定するために、熱電対910(クリーブランド電気研究所(Cleveland Electric Laboratories)、米国オハイオ州ツインズバーグ(Twinsburg, OH, USA))を使用した。電源925に連結されているリレースイッチ920に、オームユニット835を連結し、ユニット835を加熱する順序を制御する。試料にわたる電圧、および試料を通じた電流の流れを測定するために、電圧930(オハイオ・セミトロニクス(Ohio Semitronics)、米国オハイオ州ヒリアード(Hilliard, OH, USA))および電流935(ケイスリー・インストルメント社(Keithley Instruments Inc.)、米国オハイオ州クリーブランド(Cleveland, OH, USA))変換器を使用した。一定の時間間隔で電圧、電流および温度のデータを得るために、コンピュータ945に接続しているデータ・ロガー940(data logger 940)(キャンプベル・サイエンティフック社(Campbell Scientific Inc.)、米国ユタ州ローガン(Logan, UT, USA))を使用した。この方法において、上記の大気圧で10個の食品試料が操作されることができ、滅菌温度下で導電性を測定することができる。
【0111】
円筒型固体試料を、スライサーおよび1組の穿孔器を使用して調製した。試料を、試料チャンバと同じ寸法の長さ0.79mm、直径0.78mmに切断した。試料を、順に電極との接触を失わせ得る、オーム加熱の間の縮みを避けるため、防縮加工をするために7分間100℃の水に湯通しした。試料を加熱ユニット内の試料チャンバに置き、電極間に挟んだ。次に、熱電対を熱電対ポートを通じてユニットへ挿入し、各試料を、60Hzの交流と概して15V〜25V間の電圧とを使用して140℃まで加熱した。一部の例において、必要とされる温度に達するためにはより高い電圧が必要とされる。この要件は、試料の通常の伝導度よりも高いことによる。温度、電圧、および電流は、コンピュータに接続されるデータ・ロガーを使用して連続的に測定され、記録される。
【0112】
充填剤、グレイビー、ブロス、および油のような液体試料は、固体試料と同様の手順を使用して、オーム加熱を介し、140℃まで伝導度を試験するために試料チャンバへ注がれる。
【0113】
試料の導電性を、以下の式を使用し、ユニットの寸法、電圧、および電流を使用して計算した。
σ=LI/AV
(式中、
σ=試料の導電性(S/m)
L=試料の長さ(m)
I=試料を通じた電流の流れ(A)
A=試料の断面積(m
V=試料にわたる電圧(V)である。)
【0114】
導電性を、その導電性温度曲線をもたらすために温度に対してプロットした。構成成分のすべての試料の曲線を、その導電性に関与する変化量を理解するために同じグラフにプロットした。各電極の精度もまた、3つの異なる較正食塩水(米国イリノイ州バーノンヒル(Vernon Hills, IL, USA)のオークトン・インストルメント(Oakton Instruments)、伝導度基準溶液0.8974S/m、1.2880S/m、および1.5000S/m)の導電性を計算することによって試験した。任意の加熱セルに対する測定値と参照値との間の最大差は、約8.5%である。試料の中心での温度は、代表的な値として使用され、試料の小さいサイズのため、空間的に均一と仮定される。
【0115】
熱伝導度/抵抗率
熱伝導度は、その熱を伝導する能力を割り出す食品組成物の物理的特性であり、ワット/メーター℃で表される。
【0116】
複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の熱伝導度(K)および抵抗率(R)を、基準条件下で、デカゴン機器熱特性メーター(Decagon Devices Thermal Property Meter)(米国ワシントン州プルマン(Pullman, WA, USA))、モデルKD2を使用して測定した。KD2は、1度の測定で同時に熱伝導度および抵抗率を測定する。
【0117】
KD2のセンサー針は、複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子のそれぞれに完全に挿入される。このセンサー針は、試料の温度を監視するための加熱素子およびサーミスタの両方を包含する。コントローラーモジュールは、バッテリー、16ビットマイクロコントローラ/AD変換器、および電力制御回路を包含する。該機器を稼動すると、試料の温度安定性を確実するために最初に30秒間平衡化される。平衡化の後、機器は、機器のマイクロプロセッサによって制御される30秒の加熱周期を自動的に開始する。加熱周期が終了した後、直ちに30秒の冷却/監視周期に入る。KD2は30秒の冷却周期の間に変化する温度を測定し、マイクロプロセッサ内にデータを記録する。冷却周期の最後に、メーターは複合材料、固体食品片、大粒子、小粒子および/または微粒子の熱伝導度抵抗率を計算し、このデータが記録される。
【0118】
KD2メーターは、1列の熱源からの熱の損失を監視することによって熱伝導度(K)および抵抗率(R)の値を自動的に計算する。熱伝導度を、以下の方程式によって計算することができる。
K=Q×L/(A×ΔT)
(式中、
K=熱伝導度(Wm−1−1)、
Q=熱流量(W)、
L=距離(m)、
A=領域(m)、
ΔT=温度差異(℃)である。)
【0119】
熱抵抗率(R)は、熱伝導の逆数であり、以下の方程式によって示される。
R=l/k
(式中、
R=熱抵抗率(mC/W)、
l=材料の厚み(m)を表し、
K=材料の伝導度(W/mC)を表す。)
【0120】
KD2によって使用される正確な方程式論理は、熱特性分析器ユーザマニュアル(Thermal Properties Analyzer User’s Manual)1.7版(デカゴン・デバイス(Decagon Devices)、2006年、P17〜20)に見ることができ、以下に基づく。
K=q/4πm
(式中、
K=媒質の熱伝導度(Wm−1C−1)、
q=加熱器に供給される既知の電力、
m=温度における変化の傾斜(℃)である。)
【0121】
粘度法
剪断指数(n)および稠度(K)は既知であり、指数法則モデルを使用して、適用される剪断速度により変わる粘度を有する液体の粘度特性を報告するために認められている手段である。この方法は、グレイビー、ソース、油、ブロス、融解油脂、および不可逆性ゲル溶液として含む充填剤の粘弾性的特徴に適合する。
【0122】
粘度(η)は、剪断応力を適用し、TAインスツルメンツAR2000(TA Instruments AR2000)(米国デラウェア州ニューキャッスル(New Castle,DE,USA)19720のTAインスツルメンツ)のようなレオメーターを使用して剪断速度を測定することにより測定することができる。粘度は、異なる剪断速度で、以下の方法により測定される。
【0123】
試料は以下のように食品組成物から得られる:i)室温での充填剤について、充填剤の一部は、組成物がUS#20ふるい(A.S.T.M.E.規格、850mm平方の開口部)を通過するときに分離される。US#20ふるいを通る充填剤を捕らえるために、US#20ふるいと皿(硬い非穿孔のフルハイトの皿)との間にプラスチック袋をゆるく取り付ける。US#20ふるいを使用した分離を促進するためには、最小限の力が好ましいが、粘稠な充填剤(25℃、および0.2秒の逆数(inverse seconds)(1/秒)の剪断速度で、1Pa.s超過)については、ロータップ(Ro-Tap)(上記の表面剥離試験)による1分周期が採用される。充填剤を、US#20ふるいの下のプラスチックバッグが内側に張られた皿に集め、充填剤とともにプラスチックバッグを取り除き、湿分の損失を防ぐように封止する。
【0124】
測定について、0.25mmより大きい成分が存在しない限り、1.25mmの間隙を有する40mm直径平行プレート構造を使用し、存在する場合には、2.5mmの間隙を使用する。へらを使用し、試料を25℃であるレオメーター基板上へ載せ、間隙を確保し、上部測定構造の外側の過剰な充填剤試料を取り除き、過剰な試料を除去する間に上部プレート位置を固定する。充填剤試料を、基板温度で2分間平衡化する。50秒の逆数(1/秒)の剪断速度での15秒間の剪断を含む事前剪断工程を実行する。当業者に既知であるように、平行プレート構造での剪断速度は、縁部における剪断速度として表され、これは最大剪断速度でもある。事前剪断工程後に測定が実行され、これは応力を0.01Paから1,000Paまで、25℃で5.0分間隔にわたり漸増させながら、均等の間隔の直線的進行で125の粘度データ点を収集することを含む。試験で少なくとも300 1/秒の剪断速度を得るか、またはより高い最終応力値を有する同じ構成成分の新しい充填剤試料で、単位時間当たりの増加する応力の同じ速度を維持しながら、測定期間中に少なくとも300 1/秒の剪断速度が得られるまで、試験が繰り返される。測定の間は、試料を観察して、上部平行プレート下の領域が、いずれの位置においても、測定中に試料がなくならないことを確認するか、または、試験の持続時間中、試料が残るまで、測定を繰り返す。結果は、10〜300 1/秒の剪断速度の間のデータポイントのみ、Pa−sの粘度、1/秒の剪断速度を選択することにより、ならびに指数法則の方程式に従ったKおよびnの値を得るために粘度の対数対剪断速度の対数の最小二乗回帰を使用することで、指数法則のモデルに適合される。
η=K(γ’)(n−1)
【0125】
log〜logの傾斜について得られた値は(n〜1)であり、nが剪断指数(無次限)、Kについて得られた値は、Pa−sで表される稠度である。
【0126】
総湿分含量方法
該方法は、食品組成物の総湿分含量の分析に関する。分析は、AOAC法930.15およびAACC法44〜19に概説されている手順に基づく。
【0127】
食品組成物試料は、例えば組成物の375グラム、1つのユニット容量を取得し、ペーストのような均一な稠度にフードプロセッサで均質化することによって調製される。375グラムよりも大きい食品組成物は、その全体を等しく代表的な画分が生成されるように再分割して、375グラムの試料が得られるようにする。
【0128】
食品組成物のペーストを、100ml未満または同等の容量で3倍にそれぞれ試料化し、100mlナスコ・ワールパック(Nasco Whirl-Pak)(登録商標)(フォート・アトキンソン(Fort Atkinson)WI53538−0901)にそれぞれ密封し、配置する。
ワールパック(登録商標)密封のプロセスの間、過剰な空気を、まさに最終的な密閉の前に容器から手動で抜き、それにより容器のヘッドススペースを最小限にする。ワールパック(登録商標)をメーカーの指示に従い密閉する−バッグを3度きつく折り畳み、タブを180度曲げる。
【0129】
すべての試料は、湿分分析の前に48時間未満の間、6℃で冷蔵される。
【0130】
総湿分分析のために、各湿分用スズ缶(moisture tin)および蓋の自重を0.0001gまで記録する。湿分用スズ缶および蓋は、乾燥した清潔なピンセットを用いて扱われる。湿分用スズ缶および蓋は、密閉されたデシケータ内の乾燥剤上で、乾燥した状態で保たれる。試料を包含するワールパック(登録商標)を開き、2.0000+/−0.2000グラムの試料を覆われていない湿分用スズ缶中へと秤量する。湿分用スズ缶中の試料の重量を記録する。エアオーブンでの乾燥中、湿分を失わせるがすべての他の材料は収容されるように、開いた状態の湿分用スズ缶の上部に蓋を置く。蓋、および試料が充填された湿分用スズ缶を、135℃で作動しているエアオーブン内に6時間置く。カウントダウンタイマーを用いて時間を監視する。
【0131】
乾燥後、オーブンからスズ缶を取り出し、乾燥された蓋をピンセットを用いてスズ缶の上部に置く。乾燥された試料を有する覆われた湿分用スズ缶を直ぐにデシケータに入れて冷却する。密閉されたデシケータに、ステージの下まで活性乾燥剤を満たす。室温まで冷却したら、乾燥された試料を有する覆われた湿分用スズ缶を0.0001gまで秤量し、重量を記録する。各試料の総湿分含量を、以下の式を用いて計算する。
総湿分含量(%)=100−(スズ缶、蓋、および乾燥後の試料の重量−空のスズ缶および蓋重量)×100/初期試料重量
【実施例】
【0132】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態をさらに記載し実証する。これら実施例は、説明の目的のためのみに提示するものであって、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であるので、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【表1】

【表2】

【0133】
(実施例1〜5および9〜12)
実施例1〜6および9〜12は、以下の方法で作製することができる。タイプ(X)のすべての成分は、従来の乾式混合により、乾燥バッチとして調製できる。タイプ(Y)の動物性タンパク質(鮭肉、カンガルー肉、牛肉、鶏肉)成分は、使用まで冷凍しておくことができ、また従来のミートグラインダを使用して直径9.5mm穴のグラインディングプレートを通して挽くことができる。タイプ(Y)のすべての成分は、従来の混合によって、混合中の温度が0℃を超えないようにして、湿潤バッチとして調製することができる。従来の混合技術を使用してタイプ(X)の乾燥バッチとすべてのタイプ(Z)成分をタイプ(Y)の湿潤バッチへ混合するが、温度は混合中、0℃を超えない。以下、食肉スラリーとは、このX+Y+Z混合物のことである。
【0134】
食肉スラリーは、押出ダイプレートおよび15.8mm×15.8mmの寸法のオリフィスを有する押出成形機を用いて、15.8mm×15.8mm×1000mmの寸法のロープを形成するように成形されることができる。押出成形装置(セロ・フード・テクノロジーB.V.(Selo Food Technology B.V.)(オランダ)、または同等品)は、逐次連続的な使用のために、ベルト装備スチームトンネル(セロ・フード・テクノロジーB.V.(オランダ)、または同等品)と一体化されることができる。
【0135】
実施例1、2、3、4、および5は、不均質粒子を含むために種々の動物性および植物性タンパク質供給源を使用することができる。さらなる実施例2は、不均質粒子において野菜を使用することができる。
【0136】
実施例6、7、および8は、均質または不均質粒子を含むことができるがこれらに限定されない、様々な成分を使用することができる。この方法およびこれらの成分の調製は、これらの成分を供給する業界には一般的である。
【0137】
実施例9〜12は、不均質粒子における湿分含量を管理するためのヒドロコロイドおよび/またはゴム系を使用することができ、これらの系またはそれらの組み合わせは非限定的である。
【0138】
(実施例6〜8、13〜15)
実施例6、7、8、13、14、および15は、均質または不均質粒子として、動物性タンパク質の商品供給源を使用することができる。サバ、牛肉、または鶏肉を、2mlの容量を有する固体食品片へ市販のスライス/ダイス機器を使用してダイスカットする。
【0139】
(実施例16〜24)
【表3】

【0140】
実施例16、19、および22は、複合材料が最大量の鶏肉を含む、食品片を含んでいる複合材料を含んでいる本発明の組成物を作製するために使用されることができる物理的特性である。
【0141】
実施例17、20、および23は、複合材料が最大量の牛肉を含む、食品片を含んでいる複合材料を含んでいる本発明の組成物を作製するために使用されることができる物理的特性である。
【0142】
実施例18、21、および24は、複合材料が最大量の魚を含む、食品片を含んでいる複合材料を含んでいる本発明の組成物を作製するために使用されることができる物理的特性である。
【0143】
天然のpHは、鶏肉ベースの製品については約5.5〜6.4におよび、牛肉ベースの製品については約5.3〜6.2におよび、魚ベースの製品については約6.1〜8.2に及ぶ。しかしながら、安定性、風味、質感などを増すための方法として製品のpHを低くするために酸性材料を使用することは珍しくない。他の成分も製品のpHに影響する場合があり、天然のpHを有する傾向がある果物および野菜は以下のようなものが挙げられる;ニンジンで約4.9〜6.3、トマトで約3.9〜4.7、ビートで約4.9〜5.8である。
【表4】

【表5】

【0144】
実施例25〜27は、実施例1〜24に記載される食品組成物を滅菌するために使用されることができる典型的な条件の例である。
【0145】
本明細書を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定が、そのようなより小さい数値限定を本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にある、あらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0146】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、および請求の範囲におけるすべての部、比、および百分率は重量基準であり、すべての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0147】
本発明の「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において、参照することにより本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味または定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味または定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味または定義を適用するものとする。
【0148】
本発明のさらなる態様によれば、以下の(1)〜(14)が提供される。
(1)食品組成物を調製する方法であって、
(a)食品組成物を初期温度1.5℃〜100℃の滅菌システム(440)へ導入する工程と、
(b)前記食品組成物を1つ以上の加熱ユニット(441、442、443)へ移す工程と、
(c)前記組成物に電流を通す工程と、
(d)前記加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、約125キロジュール/kg〜約750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、
(e)前記流量を調節し、前記食品組成物の温度を75℃〜175℃に維持する工程と、
(f)前記食品組成物を5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、
を含む、方法。
(2)前記初期温度が、1.5℃〜75℃、好ましくは2.0℃〜50℃、好ましくは3.0℃〜30℃、好ましくは4.0℃〜25℃、好ましくは5.0℃〜15℃である、(1)に記載の方法。
(3)前記加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対する前記電力が、125キロジュール/kg〜750キロジュール/kg、好ましくは200キロジュール/kg〜600キロジュール/kg、好ましくは300キロジュール/kg〜500キロジュール/kg、好ましくは350キロジュール/kg〜460キロジュール/kgである、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記流量が、1Lpm〜1000Lpmである、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の方法。
(5)前記組成物が、0.85〜1.25の比重を有する、(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法。
(6)食品組成物を調製する方法であって、
(a)食品組成物を提供する工程と、
(b)前記組成物に電流を通す工程と、
(c)前記電流を調節することによって加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し電力を維持する工程と、を含み、
前記組成物は、0.85g/ml〜1.15g/mlの密度を有し、
前記組成物は、0.5ジーメンス/m〜9.0ジーメンス/mの導電性を有する、方法。
(7)前記組成物が、0.9g/ml〜1.10g/ml、好ましくは0.95g/ml〜1.05g/mlの密度を有する、(6)に記載の方法。
(8)前記組成物が、0.7ジーメンス/m〜7.0ジーメンス/m、好ましくは0.9ジーメンス/m〜5.0ジーメンス/m、好ましくは1.0ジーメンス/m〜2.4ジーメンス/m、好ましくは1.1ジーメンス/m〜2.0ジーメンス/m、好ましくは1.2ジーメンス/m〜1.7ジーメンス/mの導電性を有する、(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方法。
(9)充填剤をさらに含み、前記充填剤は導電性を有し、前記充填剤はグレイビー、ゲル、ゼリー、アスピック、水、ソース、ブロス、ガス、抽出物、食塩水、スープ、蒸気、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方法。
(10)前記組成物が、0.001ml〜16mlの容量を有する複合材料をさらに含む、(1)〜(9)のいずれか一つに記載の方法。
(11)前記複合材料が、固体食品片、大粒子、小粒子、微粒子およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、(1〜10のいずれか一つに記載の方法。
(12)前記複合材料が、動物性タンパク質、植物性タンパク質、デンプン質物質、野菜、果物、パン生地、脂質、油、結合剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、(1)〜(11)のいずれか一つに記載の方法。
(13)食品組成物を調製する方法であって、
a.食品組成物を提供する工程と、
b.前記組成物に電流を通す工程と、
c.前記電流を調節することによって加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し電力を維持する工程と、を含み、
前記組成物は、0.5ジーメンス/m〜9.0ジーメンス/mの導電性、および0.01〜1000Pa−sの稠度(k)を有する充填剤をさらに含む、方法。
(14)前記組成物が、風味剤、調味料、塩、着色剤、徐放性化合物、ミネラル、ビタミン、酸化防止剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、香気調整剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む、(1)〜(13)のいずれか一つに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】食品組成物を滅菌する全体的な方法のブロック図。
【図2】図1の混合システムのブロック図。
【図3】図1の肉成形システムのブロック図。
【図4】図1の滅菌システムのブロック図。
【図5】図1の再循環システムのブロック図。
【図6】図1の包装システムのブロック図。
【図7】図1の無菌充填システムのブロック図。
【図8】導電性測定機器の表面を一部切り取った図。
【図9】導電性測定機器の電気概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品組成物を調製する方法であって、
(a)食品組成物を初期温度1.5℃〜100℃の滅菌システム(440)へ導入する工程と、
(b)前記食品組成物を1つ以上の加熱ユニット(441、442、443)へ移す工程と、
(c)前記組成物に電流を通す工程と、
(d)前記加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し、125キロジュール/kg〜750キロジュール/kgに電力を維持する工程と、
(e)前記流量を調節し、前記食品組成物の温度を75℃〜175℃に維持する工程と、
(f)前記食品組成物を5℃〜100℃の最終温度へ冷却する工程と、
を含む、方法であって、
(e)で得られる食品組成物を、センサを備える再循環システム(500)に移す工程をさらに含んでなり、ここで、
前記(e)で得られる食品組成物が、前記センサに予め設定された滅菌パラメーターの制御限度を満たさない場合には、前記(e)で得られる食品組成物を(a)の工程に移し、
前記(e)で得られる食品組成物が、前記センサに予め設定された滅菌パラメーターの制御限度を満たす場合には、前記(e)で得られる食品組成物を(f)の工程に移す、方法。
【請求項2】
前記初期温度が、1.5℃〜75℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対する前記電力が、200キロジュール/kg〜600キロジュール/kgである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記流量が、1Lpm〜1000Lpmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、0.85〜1.25の比重を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
食品組成物を調製する方法であって、
(a)食品組成物を提供する工程と、
(b)前記組成物に電流を通す工程と、
(c)前記電流を調節することによって加熱ユニットを通る質量流量の範囲に対し電力を維持する工程と、
(d)(c)で得られる食品組成物を、センサを備える再循環システムに移し、
(c)で得られる食品組成物の滅菌パラメーターが、前記センサに予め設定された滅菌パラメーターの制御限度を満たさない場合には、食品組成物を(a)の工程に移す工程と、
を含み、
前記組成物は、0.85g/ml〜1.15g/mlの密度を有し、
前記組成物は、0.5ジーメンス/m〜9.0ジーメンス/mの導電性を有する、方法。
【請求項7】
前記組成物が、0.9g/ml〜1.10g/mlの密度を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が、0.7ジーメンス/m〜7.0ジーメンス/mの導電性を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
充填剤をさらに含み、前記充填剤は導電性を有し、前記充填剤はグレイビー、ゲル、ゼリー、アスピック、水、ソース、ブロス、ガス、抽出物、食塩水、スープ、蒸気、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、0.001ml〜16mlの容量を有する複合材料をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記複合材料が、動物性タンパク質、植物性タンパク質、デンプン質物質、野菜、果物、パン生地、脂質、油、結合剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−63085(P2013−63085A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−268112(P2012−268112)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2010−293708(P2010−293708)の分割
【原出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(506203512)ザ アイムス カンパニー (16)
【氏名又は名称原語表記】The IAMS Company
【Fターム(参考)】