説明

滅菌プロセス管理装置、及び方法

空間を画定する壁部を含む中実本体を含む滅菌プロセス管理装置であって、空間が滅菌インジケータ、及び少なくとも5cm、かつ1000cm2以下の体積の気体を完全に含むことができる、滅菌プロセス管理装置と、空間外へのいずれかの気体の流れ及び空間内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるような中実本体と関連する流量制限器であって、滅菌インジケータが物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、少なくとも0.3cmの厚さを有する流量制限器と、装置の使用方法と、装置を含むキットとが開示される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年5月5日に出願の米国特許仮出願第61/050513号、及び2008年11月6日に出願の米国特許仮出願番号第61/112149号の利益を主張し、その両方は、参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。
医療機器を含む様々な製品及び物品は、サンプル、生物、創傷部位などの微生物汚染を防ぐために使用前に滅菌されなくてはならない。製品又は物品を気体滅菌剤などの流体滅菌剤と接触させる工程を含む多くの滅菌プロセスが使用されている。このような滅菌剤の例としては、例えば、蒸気、エチレンオキシド、過酸化水素水などが挙げられる。
【0002】
製品及び物品は一般的に、滅菌剤は包装を通過することができるが、微生物は通過できないように包装される。滅菌剤は通過できるが、包装は滅菌剤が製品又は物品に移動することを制限する。更に、いくつかの製品及び物品は、制限された経路を通じて滅菌剤のみが到達し得る空間を内部に含む。例えば、内視鏡は多くの場合、内視鏡を滅菌するために滅菌剤が通過しなくてはならない、長く、細いチャネルを含む。滅菌される製品及び物品と関連するこれらの及び他の形態の制限は、滅菌を生じるために十分な期間にわたって製品又は物品の全ての表面が滅菌剤に暴露されるように、滅菌プロセスの利用時に考慮されなくてはならない。
【0003】
十分な滅菌のためのモニタリングは一般的に、滅菌される製品及び/又は物品と共に適切な滅菌インジケータを、滅菌チャンバ内に配置することによって実行される。生物学的インジケータ、及び化学的インジケータを含む様々な滅菌インジケータが既知であり、この目的のために使用される。しかしながら、様々な製品及び物品において生じる上記の制限を考慮し、滅菌インジケータは、長い複雑な経路を使用した、滅菌剤のインジケータへの流れを制限する抵抗装置内に配置されてきた。このような装置は有用であるが、これらは使用するのに常に便利であるわけではなく、及び/又はこれらは完全な滅菌の指示と、製品又は物品の実際の完全な滅菌との間の密接な相関関係を常には提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、使用が便利であり、完全な滅菌のインジケータと製品又は物品の実際の完全な滅菌との間のより確実な相関関係を提供する、抵抗装置に対する関心及び必要性が継続的に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータ、及び少なくとも5cm、かつ1000cm以下の体積の気体を完全に含むことができる、中実本体と、
空間外へのいずれかの気体の流れ及び空間内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータは物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部は滅菌剤に対して不透過性であり、壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する。
【0006】
滅菌インジケータも含む空間内に含まれる気体の体積は、滅菌剤に対する耐性を提供することが見出され、有効に制御、及び使用されて滅菌抵抗装置を提供し、様々な製品及び物品(かつ様々な数の)の滅菌と良好に相関し得る。更に、壁部によって画定される空間に滅菌剤が入るために開口部が提供される場所を除いて、その壁部が滅菌剤を吸収しないか、又はそれを通じて滅菌剤を拡散、若しくは透過させない中実本体は、滅菌インジケータが効果的な滅菌のために所望される温度に到達するために必要な時間を制御するように動作する。滅菌剤に対する耐性の更なる制御がまた、流量制限器によって提供される。これは、空気、窒素、二酸化炭素、又は他の非反応性の気体などの気体の、中実本体の壁部によって画定される空間の外への流れを制御することにより、一方向で達成される。この気体の置換は、滅菌剤が空間を満たし、インジケータに接触するために必要である。別の方法では、滅菌剤への耐性は、滅菌剤の空間への流れを制御することによって提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記装置は容器を更に具備し、中実本体は容器内に封止され、流量制限器は容器に取り付けられるか、又はその一部であり、容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れは流量制限器によって制限される。これらの実施形態のいくつかでは、中実本体の壁部によって画定される空間内に含まれる気体の体積に加えて、少なくとも5cmの気体の体積が容器内に含まれる。
【0008】
別の実施形態では、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータを完全に含むことができる中実本体と、
容器であって、中実本体が容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が容器内に含まれる容器と、
容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータが物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置が提供される。
【0009】
滅菌インジケータを有する空間内に含まれる気体の体積に関して上記したように、容器内の気体の体積は滅菌剤に耐性を提供する。インジケータと滅菌剤の有効な接触が生じ得る前に、滅菌剤によって置換されるこの気体の体積を含めることは、滅菌条件を達成するために有効な抵抗を提供することが判明している。
【0010】
別の実施形態では、滅菌プロセス管理装置によって提供される滅菌プロセスに対する耐性の水準を制御する方法が提供され、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータ、及び少なくとも5cmの体積の気体を完全に含むことができる、中実本体と、
空間外へのいずれかの気体の流れ及び空間内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータが、物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が、滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を調節して滅菌プロセスに対して目標水準の耐性を提供する工程であって、調節は、
壁部の厚さの調節、
中実本体の熱拡散率の調節、
気体の体積の調節、
中実本体の壁部によって画定される、空間外への気体の流れ及び空間内への滅菌気体の流れを増加、又は低減させるための、流量制限器の調節、
並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される工程を含む、滅菌プロセス管理装置を調節する工程とを含む。
【0011】
別の実施形態では、滅菌プロセス管理装置によって提供される滅菌プロセスに対する耐性の水準を制御する方法が提供され、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータを完全に含むことができる、中実本体と、
容器であって、中実本体が容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が容器内に含まれる容器と、
容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータが物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を調節して滅菌プロセスに対する目標水準の耐性を提供する工程であって、調節は、
壁部の厚さの調節、
中実本体の熱拡散率の調節、
気体の体積の調節、
中実本体の壁部によって画定される、空間外への気体の流れ及び空間内への滅菌気体の流れを増加、又は低減させるための調節、
並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される工程を含む、滅菌プロセス管理装置を調節する工程とを含む。
【0012】
別の実施形態では、物品を滅菌するための滅菌プロセスの有効性を決定する方法が提供され、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータ、及び少なくとも5cmの体積の気体を完全に含む、中実本体と、
空間外へのいずれかの気体の流れ及び空間内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータが物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を、物品を含む滅菌チャンバ内に配置する工程と、
滅菌プロセス管理装置、及び物品を滅菌剤に、及び高温に暴露する工程と、
滅菌インジケータが、物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において滅菌インジケータが滅菌剤と接触したことを示したかどうかを決定する工程とを含む、方法。
【0013】
別の実施形態では、物品を滅菌するための滅菌プロセスの有効性を決定する方法が提供され、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータを完全に含む中実本体と、
容器であって、中実本体が容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が容器内に含まれる容器と、
容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータが物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を、物品を含む滅菌チャンバ内に配置する工程と、
滅菌プロセス管理装置、及び物品を、滅菌剤に、高温で暴露する工程と、
滅菌インジケータが、物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において滅菌インジケータが滅菌剤と接触したことを示したかどうかを決定する工程とを含む、方法。
【0014】
別の実施形態では、上記の実施形態のいずれか1つ、又は下記のプロセス管理装置の実施形態のいずれか1つに記載の、少なくとも1つの滅菌プロセス管理装置と、同一又は異なる滅菌プロセスのための複数の滅菌インジケータとを具備するキットが提供される。
【0015】
定義
本明細書で使用するとき、「滅菌剤に対して透過性」とは、壁部によって画定される空間に滅菌剤を浸入させるために提供される開口部を除き、壁部が滅菌剤を吸収するか、又は通過させることがないことを意味する。例えば壁部は、多孔質材料でない連続的な材料を含む。
【0016】
本明細書で使用するとき、気体、又は滅菌剤のいずれかの流れに関して用語「制限された」とは、規定量の気体、又は滅菌剤が流れるための時間が増加し、それによって滅菌プロセス管理装置の滅菌条件に対する耐性が増加することを意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき「流量制限器」とは、気体の流れ及び/又は滅菌剤の流れが制限されることを可能にする、制限された経路を有する構造体である。このような構造体の例としては、小径開口部、多孔質材料、細い管、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「容器内に封止された」とは、中実本体が容器内に完全に含まれ、中実の本体の壁部によって画定される空間に浸入するように滅菌剤が容器に浸入することを意味する。
【0019】
用語「含んでいる」及びその変化形(例えば、含む(comprises)、含む(includes)などは、明細書及び特許請求の範囲内でこれらの用語が使用される場面において限定的な意味を有するものではない。
【0020】
本明細書で使用するとき「a」「an」「the」「少なくとも1つ」、及び「1つ以上」は、文脈によって他の用法が明確に示される場合を除き、互換可能に使用される。
【0021】
語句「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の環境において特定の利益を供し得る発明の実施形態を示す。しかしながら、同じ又は他の状況下において、他の実施形態もまた好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0022】
また本明細書において、限界点による数量的範囲の説明は、この範囲に含まれる全ての数字を含む(例えば、50〜500cmの体積は、50、63、75.5、500cmなどの体積を含む)。
【0023】
上記の本発明の概要は、本発明の開示した実施形態それぞれ又は全ての実現形態を説明することを意図したものではない。以下の説明は、説明に役立つ実施形態をより詳細に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】任意のインジケータ、及びインジケータの周囲を被服する吸収材が存在する、本発明による装置の分解斜視図。
【図1A】円筒形中実本体の平面図。
【図1B】代替的な形状の中実本体の平面図。
【図1C】別の代替的な形状の中実本体の平面図。
【図1D】別の代替的な形状の中実本体の平面図。
【図1E】調節可能な壁部厚さ、及び/又は調節可能な熱拡散率を有する中実本体の平面図。
【図1F】調節可能な壁部厚さを有する別の中実本体の平面図。
【図1G】代替的な構成の中実本体の斜視図。
【図2】容器のねじ付き領域内に流量制限器としての開口部を有する容器の斜視図。
【図3】容器のキャップ内の流量制限器としての開口部、及び更なる流量制限器としての多孔質ディスクを有する容器の斜視図。
【図4】流量制限器としてのねじ付き領域を有する中実本体の斜視図。
【図5】中実本体の別の実施形態の透視図。
【図5A】図5の中実本体の断面図。
【図6】中実本体の別の実施形態の斜視図。
【図7】調節可能な壁部厚さ、及び/又は調節可能な熱拡散率を有する中実本体の別の実施形態の斜視図。
【図8】任意の滅菌インジケータを有する別の中実本体の分解組み立て図。
【図9】調節可能な経路長さ流量制限器を有し、任意の滅菌インジケータを有する、別の中実本体の断面図。
【図10】可撓性壁部を有する容器を具備する、本発明による装置の別の実施形態の斜視図。
【図11】流量制限器が2つの圧力作動弁である、本発明による装置の別の実施形態の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
例示的な滅菌プロセス管理装置10が図1に例示される。中実本体20は、円筒形の壁部を有し円形であるが、別の形状も使用され得る。円筒形の壁部は空間25を画定し、これは中実本体20を通じて全体に延びるが、空間25は中実本体20を通じて部分的にのみ延びることができる。中実本体20は、容器30Aの第1部分、及び容器30Bの第2部分として図示される、例示される容器内にフィットする。30A、及び30Bの双方は、ねじ付き領域35A、及び35Bを有し、それによって30A、及び30Bは、ねじ付き領域35A、及び35Bを係合させることにより互いに結合させることができる。結合されたねじ付き領域は、容器外に流れ出る気体、及び容器内に流れ込む滅菌剤の、制限された経路を提供する。
【0026】
30A、及び30Bが係合すると、中実本体が、少なくとも5cmの体積の気体と共に、容器内に封止される。中実本体20を含む壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、好ましくは中実本体20の壁部は、20℃において、1×10−5/s以下の熱拡散率(α)を有する。
【0027】
図1では、紙などの繊維製材料であり得る任意の多孔質ディスク40が、スペーサーとして使用され、30Aと30Bを結合する際に容器内外への全ての流れを止めることを防ぐことができる。ディスク40はまた、流量制限器として機能することもできる。
【0028】
任意の滅菌インジケータ50がまた図1に例示される。本発明の滅菌プロセス管理装置は、インジケータ50を備えても備えなくてもよく、これは特定の滅菌プロセスにおいて利用される滅菌条件で使用されるように選択される。装置がインジケータ50を備えずに提供される場合、インジケータ50は滅菌プロセスにおける装置の使用前に、選択されて装置内に配置される。例えば、蒸気滅菌プロセスでは、蒸気滅菌インジケータがインジケータ50のために選択される。更に、インジケータ50は、インジケータ50が暴露が生じたことを指示するために必要な滅菌条件への暴露の程度に基づいて選択され得る。滅菌インジケータの選択はしたがって、滅菌プロセス管理装置の耐性を増減させるように使用され得る。
【0029】
図1はまた、インジケータ50周囲の任意の吸収性材料60を例示する。吸収性材料60が存在する場合、空間25はインジケータ、及び吸収性材料が空間25内にフィットすることを可能にする寸法である。吸収性材料は滅菌剤の凝縮を吸収して滅菌インジケータと接触し得る凝縮の量を防ぐか、又は低減し、それによって望ましくないインジケータの誤差を防ぐことができる。更に、インジケータ上での凝縮の形成を防ぐことは、滅菌剤からの熱伝導によって生じるインジケータの熱ゲインを低減する。例えば、蒸気滅菌では、吸収性材料が、そうでなければインジケータ上で凝結するであろう水を吸収する。好適な吸収性材料は、セルロース、又は他の吸収性繊維、例えば、吸収紙である。
【0030】
本明細書において記載される実施形態のいずれかにおいて、滅菌インジケータと共に吸収性材料が含まれる場合、滅菌プロセス管理装置の耐性は、吸収性材料を備えない場合と比較して、より高い場合がある。しかしながら、中実本体、及び流量制限器は、耐性においてより高い効果を有する。
【0031】
図1に図示されるように、吸収性材料は、インジケータの端部を超えて延びることができ、それによって空間25内に配置されて、内部で中央に合わせたときに、吸収性材料を引っ張ることによってインジケータを空間25から引き出すことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、インジケータ50が空間25内にあるとき、インジケータ50と中実本体20の壁部との間の間隔は、好ましくは5cm未満である。いくつかの実施形態では、間隔は2cm、1cm、0.75cm、又は0.5cm未満である。いくつかの実施形態では、インジケータ50は中実本体20の壁部に接触し得る。好ましくは、インジケータ50と中実本体20の壁部との間の間隔は、壁部とインジケータとの間に吸収性材料の層を可能にするために十分である。
【0033】
図1Aは中実本体20Aを例示し、これは図1に図示される中実本体20の平面図である。空間25Aは、円形の断面図を有するものとして例示される。しかしながら、他の断面図形状、例えば、正方形、矩形、楕円形、三角形などを、滅菌インジケータが空間内にフィットする限りにおいて使用することができ、いくつかの実施形態においては空間は少なくとも5cmの体積の気体を含む。中実本体20Aの壁部厚さは、中実本体20Aの半径から空間25Aの断面の半径を除したものである。
【0034】
図1B、1C、及び1Dは、中実本体20B、20C、及び20Dの平面図を例示し、これは図示されるように別の断面形状を有する。空間25B、25C、及び25Dは、図1Aに記載されるようなものである。中実本体20B、20C、及び20Dの壁部厚さは、空間25B、25C、及び25Dから半径方向に変化する。これらそれぞれの壁部厚さは、平均壁部厚さとして決定することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、好ましくは、これらの中実本体内の任意の位置において壁部厚さは少なくとも0.3cmである。
【0035】
図1Eは、空間25Eを有し、3つの層を含む中実本体20Eを例示するが、2つの層、又は4つ以上の層が使用されてもよい。中実本体20Eは、中実本体層21E、22E、及び23Eの1つ以上を取り除くことによって壁部厚さを調節することができ、これによって滅菌条件への装置の耐性を低減させる。図示されないが、1つ以上の追加的な中実本体層を追加して中実本体20Eの壁部厚さを増加させ、これによって装置の滅菌条件への耐性を増加させることができる。更に、中実本体層21E、22E、及び23Eは、同一又は異なる熱拡散率を有し、中実本体20Eの熱拡散率を特定の滅菌プロセスに調節することを可能にする。中実本体20E、及び層21E、22E、及び23E、及び空間25Eが、断面図において円形で図示される。しかしながら、他の断面形状が上記のように使用され得る。加えて、中実本体層21E、22E、及び23Eの厚さは、同じであるか、又は異なる場合があり、これによって滅菌条件への装置の耐性を調節する一定の追加的な能力を提供する。
【0036】
図1Fは、空間25F、及び複数の空間26を有する中実本体20Fを例示し、これは気体によって満たされ、中実本体に含まれる気体の体積に寄与し得る。あるいは、空間26は中実本体20Fと同じ材料、又は1つ以上の異なる材料で満たされて、望ましい合成熱拡散率、及び平均壁部厚さを達成してもよい。したがって中実本体20Fは、壁部厚さ、及び熱拡散率を調節可能である。中実本体20F、空間25F、及び複数の空間26は、断面図において円形で図示される。しかしながら、他の断面形状が上記のように使用され得る。
【0037】
図1Gは、空間25Gを有する中実本体20Gを例示する。中実本体20Gは、任意のシーム90を有するものとして図示され、それによって中実本体20Gは上部、及び下部を含む。しかしながら、中実本体20Gは、シームを有さない単一部分であり得る。二部分中実本体の場合、20Gは、ある熱拡散率を有する上部、及び異なる熱拡散率を有する下部を使用することによって熱拡散率を調節することができる。
【0038】
図2は、第1部分130A、及び第2部分130Bを有する容器130を例示する。130A、及び130Bの双方は、ねじ付き領域135A、及び135Bを有し、それによって130A、及び130Bは、ねじ付き領域135A、及び135Bを係合させることにより互いに結合させることができる。結合されたねじ付き領域は、容器外に流れ出る気体、及び容器内に流れ込む滅菌剤の、制限された経路を提供する。開口部170は、気体、及び滅菌剤のための制限された経路であり、係合したねじ付き領域と共に開口部170は流量制限器となる。
【0039】
図3は、第1部分230A、及び第2部分230Bを有する容器230を例示する。230A、及び230Bの双方は、ねじ付き領域235A、及び235Bを有し、それによって230A、及び230Bは、ねじ付き領域235A、及び235Bを係合させることにより互いに結合させることができる。結合されたねじ付き領域は、容器外に流れ出る気体、及び容器内に流れ込む滅菌剤の、制限された経路を提供し得る。開口部270は、気体、及び滅菌剤の流れのための制限された経路であり、230Bに図示されるが、これは同じく230A上のどの場所に位置してもよい。任意の多孔質ディスク240が含まれて、開口部270を通じた気体、及び滅菌剤の流れを更に制限することができる。係合したねじ付き領域と共に、開口部270、及び多孔質ディスク240は流量制限器である。230A、及び230Bは、容器230を封止するためのねじ山を有するものとして図示されるが、圧着、接着剤による封止、230Bの溝と230Aのリップの係合の使用などの、容器を封止するための他の既知の手段が使用され得る。一実施例が、欧州特許番号第0419282号の図1に図示される。
【0040】
図4は、空間425を有し、第1部分430A、及び第2部分430Bを有する中実本体420を例示する。430A、及び430Bの双方は、ねじ付き領域435A、及び435Bを有し、それによって430A、及び430Bは、ねじ付き領域435A、及び435Bを係合させることにより互いに結合させることができる。結合されたねじ付き領域は、容器外に流れ出る気体、及び容器内に流れ込む滅菌剤の、制限された経路を提供し得る。生じる流量制限器は、ねじ付き領域435A、及び435Bをより多く、又はより少なく係合させることによって、より高い、又はより低い割合で経路を制限するように調節することができる。中実本体420は、容器内に配置せずに滅菌プロセス管理装置として使用されてもよく、又は滅菌プロセス装置を提供するために、例えば、本明細書において記載されるいずれか1つの容器内に配置されてもよい。中実本体420は、滅菌インジケータを受容するための任意の陥没領域480を含み、これによってインジケータが実質的に空間425の中央に合わされた状態に維持する。
【0041】
図5は、空間525を有し、シーム590で互いに係合する第1部分527、及び第2部分528を有する中実本体520を例示する。シーム590は、気体、及び滅菌剤の流れのための、制限された経路を提供する。シーム590によって提供される流量制限器は、シーム590の長さを変えることによって調節することができる。中実本体520は、容器内に配置せずに滅菌プロセス管理装置として使用されてもよく、又はこれは、滅菌プロセス装置を提供するために、例えば、本明細書において記載されるいずれか1つの容器内に配置されてもよい。
【0042】
図5Aは、空間525を有し、シーム590で互いに係合する第1部分527、及び第2部分528を有する中実本体520を断面図で例示する。
【0043】
図6は、空間625を有し、シーム690で互いに係合する第1部分627、及び第2部分628を有する中実本体620を例示する。シーム690は、気体、及び滅菌剤の流れのための、制限された経路を提供する。中実本体620は、容器内に配置せずに滅菌プロセス管理装置として使用されてもよく、又はこれは、滅菌プロセス装置を提供するために、例えば、本明細書において記載されるいずれか1つの容器内に配置されてもよい。
【0044】
図7は、空間725を有し、中実層721、722、723、及び724を有する中実本体720を断面図で例示する。中実本体層721、722、723、及び724は互いに係合してシーム790を形成し、これは気体、及び滅菌剤の流れのための制限された経路を提供する。中実本体720は、4つの層を含む壁部を有するものとして図示されるが、より少ない、又は多い層が使用され得る。中実本体720は、中実本体層721、722、723、及び724の1つ、2つ、又は3つを取り除くことによって壁部厚さを調節し、これによって滅菌条件に対する装置の耐性を低減させることができる。図示されないが、1つ以上の追加的な中実本体層を追加して中実本体720の壁部厚さを増加させ、これによって装置の滅菌条件への耐性を増加させることができる。更に、中実本体層721、722、723、及び724は、同一又は異なる熱拡散率を有し、中実本体720の熱拡散率を特定の滅菌プロセスに調節することを可能にする。中実本体720、及び層721、722、723、及び724、並びに空間725は、円筒形、箱形、又は別の形状であってよく、ただし層721、722、723、及び724は互いに係合してシーム790を形成する。あるいは、中実本体層721、722、723、及び724の厚さは、同じであるか、又は異なる場合があり、これによって装置の滅菌条件への耐性を調節するか、又は微調整する一定の追加的な能力を提供する。
【0045】
図7は、気体、又は滅菌剤の流れのための制限された経路として機能し得る任意の開口部795を例示する。図示されるように、開口部795は、層724、及び722を経て空間725に直接通じている。あるいは、開口部795は、層724を経て層722、又は別の層でオフセットされ、それによって開口部795を通る流れは、空間725に入る前に一定の距離にわたり、シーム790を通じて移動しなくてはならない。
【0046】
中実本体720は、容器内に配置せずに滅菌プロセス管理装置として使用されてもよく、又はこれは、滅菌プロセス装置を提供するために、例えば、本明細書において記載されるいずれか1つの容器内に配置されてもよい。
【0047】
図8は、空間825を有し、シーム890で互いに係合する第1部分830A、及び第2部分830Bを有する中実本体820を例示する。シーム890は、気体、及び滅菌剤の空間825への流れのための制限された経路を提供することができ、又は別の方法として830A、及び830Bはガスケット(不図示)と互いに係合することができる。開口部895、及びマニホールド896は、気体、及び滅菌剤の流れのための制限された経路を提供する。開口部895、及びマニホールド896によって提供される流量制限器は、マニホールドの一部を開放、又は封止することによって調節することができる。中実本体820は、容器内に配置せずに滅菌プロセス管理装置として使用することができ、又は滅菌プロセス装置を提供するために、例えば、本明細書に記載されるいずれか1つの容器内に配置することができる。
【0048】
任意の滅菌インジケータ850がまた、図8に記載される。本発明の滅菌プロセス管理装置は、インジケータ850を備えても備えなくてもよく、これは特定の滅菌プロセスにおいて利用される滅菌条件と共に使用されるように選択される。装置がインジケータ850を備えずに提供される場合、インジケータ850は滅菌プロセスにおける装置の使用前に、選択されて装置内に配置される。図示されないが、インジケータ850は、紙、又は布地などの多孔質材料で被服され得る。いくつかの実施形態では、インジケータ850は、多孔質材料の2つ以上の層の間に挟まれる。いくつかの実施形態では、好ましくは多孔質材料が滅菌剤の凝縮を吸収する。
【0049】
図9は、空間925を備え、かつシーム990で互いに係合する第1部分930A、及び第2部分930Bを備える中実本体920の断面図を例示する。好ましくは、シーム990は気体、又は滅菌剤を流れさせない。第2部分930Aは、気体、及び滅菌剤の空間925への流れのための、制限された経路995を含む。開口部996は、取り外し可能な封止部997で封止される。1つ以上の開口部996を備える制限された経路995によって提供される流量制限器は、1つ以上の取り外し可能な封止部997を取り除くことによって調節され得る。
【0050】
中実本体920は、インジケータ950を空間925内で実質的に中央に合わせ、又は望ましい位置に維持するために、任意のバッフル931の間の任意のインジケータ950を備えるものとして図示される。
【0051】
図10に例示される滅菌プロセス管理装置1010は、本明細書に記載されるプロセス管理装置の別の実施形態である。装置1010は2枚のシートから構成される容器1030を含み、それぞれ可撓性材料であり、それぞれ壁部を形成し、封止部1040で互いに熱封止されて内部に熱伝導調節本体1020が存在する空間を画定し、2つの壁部の一方に流量制限器として開口部1050を備える。中実本体1020は、プロセスインジケータ1080を囲むが封入はしない。インジケータ1080がこれを通して挿入される本体1020の開口部を除き、本体1020は滅菌剤に対して不透過性であり得る。本体1020は、滅菌プロセスへのより高い耐性のために、より厚く、及び/又はより低い熱拡散率を有するか、又はより低い耐性のためにより薄く、及び/又はより高い熱拡散率を有する本体1020の壁部を備える選択される滅菌プロセスのために、選択され得る。
【0052】
図11に例示される滅菌プロセス管理装置1110は、本明細書において記載されるプロセス管理装置の別の実施形態である。装置1110は、容器1140の壁部1145と外側壁部との間に位置付けられる中実本体1115を含む。本体1115は、壁部1145によって画定される空間1150の内部に位置付けられるプロセスインジケータ1180を囲むものとして例示される。あるいは、いくつかの実施形態では、本体1115はインジケータ1180を部分的にのみ囲み得る。封止部1160は、任意の気体、及び/又は液体の、空間1150、及び本体1115が存在する空間の内外への漏れを低減するか、又は排除する。ポペット型逆止弁として例示される2つの圧力作動弁が、インジケータ1180の下の空間1150の基部に例示される。しかしながら、他の既知の弁設計が使用され得る。容器1140の外側壁部の外部の圧力が、空間1150内の圧力よりも高い場合に、弁の1つが作動される。空間1150内の圧力が、容器1140の外側壁部の外部よりも高い場合に、他方の弁が作動される。弁は、特定の圧力、例えば、68.95Pa(10psi)の圧力で作動するように選択され得る。弁は、同じ圧力、又は異なる圧力で作動するように選択され得る。2つの圧力作動弁の一方が、空間1150内への滅菌剤の浸入を調節し、他方の圧力作動弁が気体、及び/又は液体の空間1150外への浸出を調節する。十分な高圧、又は十分な低圧で弁が動作するように選択、又は調節することにより、空間1150内に含まれるプロセスインジケータはそれぞれ、滅菌条件が達成されたことを示すために、滅菌プロセス中においてより長い、又はより短い時間を必要とする。1つの代替として、いくつかの実施形態では複合弁が使用され得る。このような弁は、滅菌剤の浸入、並びに気体、及び/又は液体の浸出の両方を調節するために使用され得る。
【0053】
上記で示されるように、中実本体の壁部によって画定される空間は、少なくとも5cmの体積を含む。中実本体の上記の実施形態のいずれか1つを含む、いくつかの実施形態では、中実本体の壁部によって画定される空間内に含まれる気体の体積は、少なくとも10、25、又は50cmである。中実本体の上記の実施形態のいずれか1つを含む、いくつかの実施形態では、中実本体の壁部によって画定される空間内に含まれる気体の体積は1000cm、500cm、250cm、125cm、又は75cmである。
【0054】
上記のように、中実本体が容器内に封止される場合、少なくとも5cmの気体の体積が同様に容器内に含まれる。中実本体が容器内に封止される上記の実施形態のいずれか1つを含むいくつかの実施形態では、容器内に含まれる気体の体積は、少なくとも10、25、又は50cmである。中実本体が容器内に封止される上記の実施形態のいずれか1つを含むいくつかの実施形態では、容器内に含まれる気体の体積は、1000cm、500cm、250cm、125cm、又は75cm以下である。いくつかの実施形態では、容器内の気体の体積は、中実本体の壁部によって画定される空間内に含まれる、任意の体積の気体を含む。いくつかの実施形態では、容器内の気体の体積は、中実本体の壁部によって画定される空間内に含まれる、任意の体積の気体に追加される。
【0055】
上記のように、本明細書において記載される中実本体のいずれか1つを含む壁部は、少なくとも0.3cmの厚さを有する。上記の実施形態のいずれか1つを含むいくつかの実施形態では、厚さは好ましくは少なくとも約0.5cmである。これらの実施形態のいくつかでは、厚さは少なくとも0.6cm、0.75cm、1cm、1.25cm、又は2.5cmである。いくつかの実施形態では、厚さは最大10cm、又は5cmである。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書において記載される中実本体のいずれか1つを含む壁部は、20℃において1×10−5/s以下の熱拡散率(α)を有する。中実本体の壁部のための好適な材料は、例えば、ステンレス鋼(α=0.405×10−5/s)、ポリプロピレン、DELRIN、ナイロン(α=1.3×10−7/s)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン(α=1.1×10−7/s)などが挙げられる。これらの実施形態のいくつかでは、熱拡散率は20℃において、5×10−7/s以下である。これらの実施形態のいくつかでは、熱拡散率は20℃において、2×10−7/s以下である。材料の熱拡散率は、材料がその温度を、その周囲の温度にどれだけ早く一致させるかを示す。例えば、滅菌チャンバなどの高温の環境において、比較的低い熱拡散率を有する材料は、より高い熱拡散率を有する材料よりもゆっくりと熱くなる。熱拡散率は熱伝導分析において使用され、以下のように、熱伝導率と体積熱容量の比である。
【0057】
α=κ/ρC
式中κは熱伝導率(W/mK)、ρは密度(kg/m)、及びCは比熱容量(J/kgK)である。したがって、これらのパラメーターを使用して、中実本体の壁部のための、好適な材料、又は材料の組み合わせが、滅菌プロセスにおいて使用される滅菌条件への望ましい耐性を達成するために選択され得る。例えば、特定の熱拡散率を有する材料は、中実本体の壁部のために使用することができるか、又は中実本体の壁部は2つ以上の層を含むことができ、少なくとも層の2つが異なる熱拡散率を有し、壁部に複合的な熱拡散率を提供する。
【0058】
図2の170、図3の270、図7の795、図8の895、及び図9の996などの開口部は、流量制限器、又は流量制限器の一部である。このような開口部は小さい。気体、又は滅菌剤の流れのための開口部を含む、上記の実施形態のいずれか1つを含むいくつかの実施形態では、開口部は0.02cm以下の直径を有する。これらの実施形態のいくつかでは、直径は0.20cm、又は0.40cm以下である。これらの実施形態のいくつかでは、直径は少なくとも0.01cm、又は0.10cmである。
【0059】
本明細書において記載される滅菌プロセス管理装置において使用され得る滅菌インジケータは既知であり、生物学的インジケータ、及び化学的インジケータを含む。生物学的インジケータの例としては、ATTEST 1292 Rapid Biological Indicators(3M Company,St.Paul,MNから入手可能)が挙げられ、米国特許番号第6,623,955号に記載されるものが使用され得る。化学的インジケータの例としては、COMPLY STERIGAGE 1243 Steam Chemical Integrator(3M Companyから入手可能)が挙げられ、米国特許第5,916,816号に記載されるものが使用され得る。
【0060】
上記のように、滅菌インジケータは、滅菌プロセス管理装置の、滅菌条件に対する耐性を増加、又は低減させるように選択され得る。化学的インジケータは、異なる状態値(すなわち、その可否を示す、時間、温度、又は滅菌気体濃度条件)で選択され得る。状態値は、ANSI/AAMI/ISO 11140−1:2005,Sterilization of health care products−Chemical indicatorsに定義される。生物学的インジケータは、例えば、ANSI/AAMI/ISO 11138−1:2006,Sterilization of health care products−Biological indicatorsに記載されるように、異なる耐性値(すなわち、胞子数、D値、又はZ値)で選択され得る。
【0061】
以下は、本発明の代表的な実施形態の一覧である。
【0062】
1.
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータ、及び少なくとも5cm、かつ1000cm以下の体積の気体を完全に含むことができる、中実本体と、
空間外へのいずれかの気体の流れ及び空間内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータは物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部は滅菌剤に対して不透過性であり、壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置。
【0063】
2.容器を更に含み、中実本体が容器内に封止され、流量制限器が容器に取り付けられるか、又はその一部であり、容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが流量制限器によって制限される、実施形態1に記載の装置。
【0064】
3.少なくとも5cmの気体の体積が、中実本体の壁部によって画定される空間内に含まれる気体の体積に加えて容器内に含まれる、実施形態2に記載の装置。
【0065】
4.
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータを完全に含むことができる中実本体と、
容器であって、中実本体が容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が容器内に含まれる容器と、
容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータは物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部は滅菌剤に対して不透過性であり、壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置。
【0066】
5.容器が少なくとも1つの可撓性の壁部を具備する、実施形態3、又は4に記載の装置。
【0067】
6.容器の内側と外側との間の圧力差が変化するに伴い、気体の体積が少なくとも10%変化する、実施形態5に記載の装置。
【0068】
7.容器の内側と外側との間の圧力差が変化するに伴い、気体の体積が少なくとも50%変化する、実施形態6に記載の装置。
【0069】
8.滅菌プロセス管理装置によって提供される滅菌プロセスへの耐性の水準を制御する方法であって、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータ、及び少なくとも5cmの体積の気体を完全に含むことができる、中実本体と、
空間外へのいずれかの気体の流れ及び空間内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータは物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部は滅菌剤に対して不透過性であり、壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を調節して滅菌プロセスに対して目標水準の耐性を提供する工程であって、調節は、
壁部の厚さの調節、
中実本体の熱拡散率の調節、
気体の体積の調節、
中実本体の壁部によって画定される、空間外への気体の流れ及び空間内への滅菌気体の流れを増加、又は低減させるための調節、
並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される工程を含む、滅菌プロセス管理装置を調節する工程とを含む、方法。
【0070】
9.滅菌プロセス管理装置によって提供される滅菌プロセスへの耐性の水準を制御する方法であって、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータを完全に含むことができる中実本体と、
容器であって、中実本体が容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が容器内に含まれる容器と、
容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータは物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を調節して滅菌プロセスに対する目標水準の耐性を提供する工程であって、調節は、
壁部の厚さの調節、
中実本体の熱拡散率の調節、
気体の体積の調節、
中実本体の壁部によって画定される、空間外への気体の流れ及び空間内への滅菌気体の流れを増加、又は低減させるための、流量制限器の調節、
並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される工程を含む、滅菌プロセス管理装置を調節する工程とを含む、方法。
【0071】
10.滅菌剤が中実本体の壁部によって画定される空間内に流れたときに、中実本体上に滅菌剤凝縮が形成される、実施形態8に記載の方法。
【0072】
11.滅菌剤が容器内に流れたときに、中実本体上に滅菌剤凝縮が形成される、実施形態9に記載の方法。
【0073】
12.滅菌気体凝縮の少なくとも一部が滅菌インジケータと接触することを防ぐことにより、滅菌プロセス管理装置を修正する工程を更に含む、実施形態10、又は11に記載の方法。
【0074】
13.物品を滅菌するために滅菌プロセスの有効性を決定する方法であって、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータ、及び少なくとも5cmの体積の気体を完全に含む、中実本体と、
空間外へのいずれかの気体の流れ及び空間内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータは物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を、物品を含む滅菌チャンバ内に配置する工程と、
滅菌プロセス管理装置、及び物品を滅菌剤に、及び高温に暴露する工程と、
滅菌インジケータが、物品を滅菌するために十分な時間及び温度において滅菌インジケータが滅菌剤と接触したことを示したかどうかを決定する工程とを含む、方法。
【0075】
14.物品を滅菌するために滅菌プロセスの有効性を決定する方法であって、方法は、
空間を画定する壁部を具備する中実本体であって、空間は滅菌インジケータを完全に含む中実本体と、
容器であって、中実本体が容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が容器内に含まれる容器と、
容器外へのいずれかの気体の流れ及び容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが制限されるように、容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
滅菌インジケータは物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、滅菌インジケータが滅菌剤と接触したかどうかを示し、
中実本体の壁部が滅菌剤に対して不透過性であり、壁部が少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程と、
滅菌プロセス管理装置を、物品を含む滅菌チャンバ内に配置する工程と、
滅菌プロセス管理装置、及び物品を、滅菌剤に、高温で暴露する工程と、
滅菌インジケータが、物品を滅菌するために十分な時間、及び温度において滅菌インジケータが滅菌剤と接触したことを示したかどうかを決定する工程とを含む、方法。
【0076】
15.中実本体の壁部によって画定される空間が滅菌インジケータを完全に含むように、滅菌インジケータを中実本体内に配置する工程を更に含む、実施形態13、又は14に記載の方法。
【0077】
16.容器が、可撓性である少なくとも1つの壁部を具備する、実施形態9、14、及び15のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
17.容器の内側と外側との間の圧力差が変化するに伴い、気体の体積が少なくとも10%変化する、実施形態16に記載の装置。
【0079】
18.容器の内側と外側との間の圧力差が変化するに伴い、気体の体積が少なくとも50%変化する、実施形態17に記載の装置。
【0080】
19.実施形態1〜7のいずれか一項に記載の、少なくとも1つの滅菌プロセス管理装置と、同一又は異なる滅菌プロセスのための複数の滅菌インジケータとを具備するキット。
【0081】
20.少なくとも1つの滅菌プロセス管理装置の中実本体に加え、少なくとも1つの中実本体を更に含む、実施形態19に記載のキット。
【0082】
21.少なくとも1つの中実本体が同一又は異なる熱拡散率、並びに同一又は異なる壁部厚さを有する、複数の中実本体である、実施形態20に記載のキット。
【0083】
22.中実本体を含む壁部の厚さが調節可能である、実施形態19、20、及び21のいずれか一項に記載のキット。
【0084】
23.厚さが、少なくとも1つの壁層を加えるか、又は取り除くことによって調節可能であり、少なくとも1つの壁層が、加えた後、又は取り除く前に別の壁層と入れ子になっており、中実本体を含む壁部の厚さを提供する、実施形態22に記載のキット。
【0085】
24.同一又は異なる大きさの、複数の容器を更に具備する、実施形態19〜23のいずれか一項に記載の、ただし実施形態1に従属する、キット。
【0086】
25.滅菌インジケータが、中実本体の壁部によって画定される空間に完全に含まれる、実施形態1〜7のいずれか一項に記載の装置、又は実施形態8〜11のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜24のいずれか一項に記載のキット。
【0087】
26.滅菌インジケータが滅菌プロセスに目標水準の耐性を提供するために、滅菌プロセス管理装置と組み合わせて選択される、実施形態1〜7、及び25のいずれか一項に記載の装置、又は実施形態8〜15、及び25のいずれか一項に記載の方法、実施形態19〜25のいずれか一項に記載のキット。
【0088】
27.インジケータが蒸気滅菌インジケータであり、滅菌剤が蒸気である、実施形態1〜7、25、及び26のいずれか一項に記載の装置、又は実施形態8〜15、25、及び26のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜26のいずれか一項に記載のキット。
【0089】
28.滅菌剤の凝縮を吸収する材料の層が滅菌インジケータ、及び中実本体の壁部を分離する、実施形態1〜7、25、26、及び27のいずれか一項に記載の装置、又は実施形態8〜15、25、26、及び27のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜27のいずれか一項に記載のキット。
【0090】
29.滅菌インジケータ及び中実本体の壁部が、2cm以下の距離で分離されている、実施形態1〜7、及び25〜28のいずれか一項に記載の装置、又は実施形態8〜15、及び25〜28のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜28のいずれか一項に記載のキット。
【0091】
30.中実本体が20℃において、1×10−5/s以下の熱拡散率を有する、実施形態1〜7、及び25〜29のいずれか一項に記載の装置、又は実施形態8〜15、及び25〜29のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜29のいずれか一項に記載のキット。
【0092】
31.熱拡散率が20℃において、5×10−7/s以下である、実施形態30の装置、又は実施形態30の方法、又は実施形態30のキット。
【0093】
32.中実本体の壁部の厚さが調節可能である、実施形態1〜7、及び25〜31のいずれか一項に記載の装置、又は実施形態8〜15、及び25〜31のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
33.中実本体の壁部が2つ以上の層を含み、各層の熱拡散率が同じであるか、又は異なる、実施形態1〜7、及び25〜32のいずれか一項に記載の装置、実施形態8〜15、及び25〜32のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜31のいずれか一項に記載のキット。
【0095】
34.少なくとも1つの加えた、又は取り除いた層を加える前、又は取り除いた後に中実本体の少なくとも1層とは異なる熱拡散率を有する少なくとも1つの層を加えるか、又は取り除くことによって、中実本体の熱拡散率が調節され得る、実施形態33の装置、又は実施形態33の方法、又は実施形態33のキット。
【0096】
35.容器内に含まれる気体の体積が、50〜500cmである、実施形態3、4、及び25〜34のいずれか一項に記載の、ただし実施形態1、若しくは2に従属する装置、又は実施形態8〜15、及び25〜34のいずれか一項に記載の、ただし実施形態1、若しくは2に従属する方法、実施形態19〜31、33、及び34に記載の、ただし実施形態1、若しくは2に従属するキット。
【0097】
36.流量制限器が、少なくとも1つの圧力作動弁を含む、実施形態1〜7、及び25〜35のいずれか一項に記載の装置、実施形態8〜15、及び25〜35のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜31、33、34、及び35のいずれか一項に記載のキット。
【0098】
37.少なくとも1つの圧力作動弁が複合弁である、実施形態1〜7、及び25〜36のいずれか一項に記載の装置、実施形態8〜15、及び25〜36のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜31、及び33〜36のいずれか一項に記載のキット。
【0099】
38.少なくとも1つの圧力作動弁がバルブの両側に圧力差が存在する場合に作動される、実施形態1〜7、及び25〜37のいずれか一項に記載の装置、実施形態8〜15、及び25〜37のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜31、及び33〜37のいずれか一項に記載のキット。
【0100】
39.少なくとも1つの圧力作動弁が少なくとも2つの圧力作動弁である、実施形態1〜7、及び25〜37のいずれか一項に記載の装置、実施形態8〜15、及び25〜37のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態19〜31、及び33〜37のいずれか一項に記載のキット。
【0101】
40.少なくとも2つの圧力作動弁が弁の両側に圧力差が存在する場合にそれぞれ別々に作動される、実施形態39に記載の装置、実施形態39に記載の方法、又は実施形態39に記載のキット。
【0102】
41.第1圧力作動弁が滅菌剤の流れを調節し、第2圧力作動弁が滅菌剤の流れと反対方向の気体、及び/又は液体の流れを調節する、実施形態39に記載の装置、実施形態39に記載の方法、又は実施形態39に記載のキット。
【0103】
42.第1圧力作動弁、及び第2圧力作動弁が弁の両側に圧力差が存在する場合にそれぞれ別々に作動される、実施形態41に記載の装置、実施形態41に記載の方法、又は実施形態41に記載のキット。
【0104】
43.少なくとも1つの圧力作動弁が作動される圧力差が調節され得る、実施形態38、40、及び42のいずれか一項に記載の装置、実施形態38、40、及び42のいずれか一項に記載の方法、実施形態38、40、及び42のいずれか一項に記載のキット。
【0105】
44.圧力差が少なくとも6.895kPa(1psi)である、実施形態38、40、42、及び43のいずれか一項に記載の装置、実施形態38、40、42、及び43のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態38、40、42、及び43のいずれか一項に記載のキット。
【0106】
45.圧力差が、345kPa(50psi)以下である、実施形態38、40、42、43、及び44のいずれか一項に記載の装置、実施形態38、40、42、43、及び44のいずれか一項に記載の方法、又は実施形態38、40、42、43、及び44のいずれか一項に記載のキット。
【0107】
46.圧力差が172.4kPa(25psi)以下である、実施形態45に記載の装置、実施形態45に記載のキット、又は実施形態45に記載の方法。
【0108】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0109】
(実施例1)
ATTEST 1292 Rapid Biological Indicators (ATTEST BIs)、及びCOMPLY STERIGAGE 1243 Steam Chemical Integrator(STERIGAGE)(双方とも3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能)が、異なる大きさ、及び形状で機械加工されたDELRIN中実本体の内部に配置された。図1A、1C、及び1D参照。DELRINは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delawareから入手可能である。DELRIN挿入物が、例えば、図1に図示されるような、138cm(4.6オンス)アルミニウムスクリューキャップ缶の内部に配置された。缶は、Elemental Container,Inc.Union,New Jerseyから市販されている。図1に多孔質ディスク40として図示される、3つの紙製ライナーが、キャップと缶本体ねじ山との間に複雑な経路の滅菌剤アクセスを提供するために、キャップの下に配置された。紙製ライナーは、0.051〜0.056cm(20〜22ミル)の平均キャリパー、10〜20秒/100cmの平均多孔率、及び(43.18cm×55.88cm(17インチ×22インチ)/500枚シート)40〜44.5kg(88〜98lbs)の坪量を有する吸取紙で作製された。紙は、Monadnock Paper Mills,Inc.Bennington,New Hampshireから市販されている。完全なアセンブリが図1に例示されるが、ただし、1つではなく3つの多孔質ディスク40が使用され、吸収性材料60は使用されなかった。
【0110】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶はキャップをして垂直位置で、直立にして2、4、6、8、及び10分間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm(10インチ)の水銀圧力(Hg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)(ポンド/平方インチゲージ)の圧力パルスを使用した。
【0111】
暴露後、STERIGAGE化学的インテグレーターを読み取り、可動前部指示染料が、インジケータの不合格、又は合格区域に移動したかどうかを決定した。不合格区域内の染料は、滅菌の失敗を示す。ATTEST BIが、内側アンプルを圧搾し、ATTEST Model 290 Autoreaders(3M Company,St.Paul,Minnesota)内のインジケータをインキュベートすることによって活性化され、このインジケータは、増殖培地内の酵素基質の酵素的分解によって生じる蛍光発光を検出する。3時間のインキュベーションの後、Autoreaderが許容可能な滅菌サイクルを示す緑色のライトを点灯するか、赤色のライトが点灯されて蛍光剤の陽性指示、及び滅菌サイクルの失敗を示す。インジケータは、60℃において合計48時間インキュベートし続け、残存する胞子を増殖させ、増殖培地における紫色から黄色への可視の色の変化を生じさせる。黄色への色の変化は滅菌の失敗を示す。
【0112】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表1に示される。3つのSTERIGAGE、及びATTEST BIが、表中に掲載される各装置構成で試験された。
【0113】
【表1】

【0114】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
Full、及びFull−L=4.14cmの外形、1.27cmの空間の直径、及びFullにおいては5.74cm、Full−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1Aの中実本体。
【0115】
R−60、R−60−L、R−50、及びR−50−L=4.14cmの最大外形、0.51cmの最小壁部厚さ、及びR−60及びR−50においては5.74cm、R−60−L、及びR−50−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1D(R−60、及びR−60−L)、及び図1C(R−50、及びR−50−L)の中実本体。
【0116】
滅菌装置内での暴露後のインジケータは、中実本体内で集まった凝縮により非常に湿潤であった。STERIGAGEの結果とATTESTの結果との間の相関は期待される程良好ではなく、凝縮はインジケータの反応と干渉しているようである。
【0117】
(実施例2)
吸収材で包まれたインジケータ
ATTEST 1292 Rapid Biological Indicators(ATTEST BIs)、及びCOMPLY STERIGAGE 1243 Steam Chemical Integrator(STERIGAGE)(双方とも3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能)が、図1A、1C、及び1Dに図示されるように異なる大きさ、及び形状で機械加工されたDELRIN中実本体の内部に配置された。DELRINは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delawareから入手可能である。実施例1で試験されるものと同じ中実本体、及び3つの追加的な挿入物が、この試験に含まれた。第1の新しい挿入物(中実本体)は、図1Dで図示されるような、機械加工されたDELRIN部分であり、「R−80」として特定された。第2の挿入物(中実本体)は、図1Aで図示されるような、機械加工されたDELRIN部分であり、「1層」として特定された。「紙」として記載される第3の新しい挿入物は、紙タオルに巻かれたSTERIGAGE、及びATTEST BIに加えて、缶内部でインジケータの周囲に詰めた2枚の追加的な紙タオル(およそ28×13cm(11×5.1インチ))からなる。DELRIN挿入物が、図1に図示されElemental Container,Inc.Union,New Jerseyから市販されている、138cm(4.6オンス)アルミニウムスクリューキャップ缶の内部に配置された。3つの紙製ライナーが実施例1に示されるように、キャップの下に配置された。この実施例で使用される新しい挿入物に加えて、STERIGAGE、及びATTESTが、およそ14×13cm(5.5×5.1インチ)の吸収性紙タオルの内部で一緒に巻かれた。紙タオルは、KLEENEX PREMIERE(Kimberly−Clark,Roswell,Georgia)として市販されている。図1は、吸収性材料60を使用したアセンブリを例示する。
【0118】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶はキャップをして垂直位置で、直立にして2、4、6、8、10、及び12分間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0119】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表2に示される。3つのSTERIGAGE、及びATTEST BIが、表中に掲載される各装置構成で試験された。
【0120】
【表2】

【0121】
【表3】

【0122】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
Full、及びFull−L=4.14cmの外形、1.27cmの空間の直径、及びFullにおいては5.74cm、Full−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1Aの中実本体。
【0123】
R−80、R−80−L、R−60、R−60−L、R−50、及びR−50−L=4.14cmの最大外形、1.27cmの空間の直径、0.51cmの最小壁部厚さ、及びR−80、R−60、及びR−50において5.74cm、R−80−L、R−60−L、及びR−50−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1D(R−80、R−80−L、R−60、及びR−60−L)、及び図1C(R−50、及びR−50−L)の中実本体。
【0124】
1−La=「1層」、2.69cmの外形、1.27cmの空間の直径、及び6.35cmの中実本体高さを有する図1Aの中実本体。
【0125】
Pap=「紙」
凝縮は、STERIGAGE、及びATTEST BIの周囲に巻かれた紙タオルによって吸収された。これは、STERIGAGEとATTEST BIの蛍光発光、及び増殖結果との間の相関を有意に改善した。加えて、ATTEST BIを不活性化、又は滅菌するまでの時間が、有意に増加した。実施例1では、ATTEST BIは、132℃での8分間の暴露の後に全て不活性化された。この実施例では、多数のATTEST BIが、12分の暴露の後に依然として蛍光発光し、増殖が陽性であった。この実施例はまた、挿入物の寸法、及び形状が、インジケータを不活性化するまでの時間にどのように影響し得るかを示した。より多くの材料が中実本体に加えられる程、インジケータを不活性化するまでの時間が増加した。「紙製」挿入物を有する装置は、DELRIN中実本体を備える、暴露されたインジケータよりも遥かに早く不活性化された。
【0126】
(実施例3)
滅菌装置内の垂直位置
実施例2が繰り返されたが、ただし、装置は滅菌装置内で水平に暴露され、暴露時間は、2、4、6、8、及び10分間であった。
【0127】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表3に示される。各構成において試験される装置の数が、表中で、「試験された数」の下に掲載される。
【0128】
【表4】

【0129】
【表5】

【0130】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
Full、及びFull−L=4.14cmの外形、1.27cmの空間の直径、及びFullにおいては5.74cm、Full−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1Aの中実本体。
【0131】
R−80、R−80−L、R−60、R−60−L、R−50、及びR−50−L=4.14cmの最大外形、1.27cmの空間の直径、0.51cmの最小壁部厚さ、及びR−80、R−60、及びR−50においては5.74cm、R−80−L、R−60−L、及びR−50−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1D(R−80、R−80−L、R−60、及びR−60−L)、及び図1C(R−50、及びR−50−L)の中実本体。
【0132】
1層=2.69cmの外形、1.27cmの空間の直径、及び6.35cmの高さを有する図1Aの中実本体。
【0133】
実施例2の垂直位置と比較して、水平位置における装置の暴露は、インジケータを不活性化するための時間を低減させた。例えば、実施例2の「完全な(Full)」挿入物を有する、試験される全てのインジケータは、滅菌装置内で垂直位置で暴露される際、12分間の暴露後に滅菌の失敗を示した。実施例3で水平に暴露された際、ATTEST BI全てが不活性化され、STERIGAGEの1つのみが滅菌の失敗を示した。この実施例は、この装置では滅菌装置内の方向は、滅菌抵抗を調節するために使用され得る別の変数であることを例示する。
【0134】
(実施例4)
滅菌剤アクセスが、缶本体内の穴によって提供される。
【0135】
実施例2で試験される装置が再試験されたが、ただし、図2に図示されるように、アルミニウム缶のねじ付き領域内に穴をあけることによってアルミニウム缶内の滅菌剤アクセスが提供された。キャップを缶の上にねじ込むと、キャップのねじ山と缶との間に複雑な経路が形成される。穴の2つの位置が、生じる滅菌剤経路の長さにおける差異が、インジケータを不活性化するための時間に影響したかどうかを決定するために評価された。1つの構成では、缶の上縁部付近に穴が開けられ、34.3cmの推定経路長さを有した。他の構成では、ねじ山の中央に穴が開けられて、21.6cmの推定経路長さを有した。0.2cm、及び0.41cm直径の孔の大きさも比較された。凝縮を吸収するために、同じ挿入物、及びインジケータが紙タオルに包まれた。
【0136】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶は、表4に掲載される暴露時間にわたり、垂直位置で暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0137】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表4に示される。各構成において試験される装置の数が、表中で、「試験された数」の下に掲載される。穴の大きさ、及び位置の結果を比較するために、2、4、6、8、及び10分間の暴露における増殖陽性の合計数、及びパーセント陽性が計算された。パーセント増殖陽性が、以下の表5に要約された。
【0138】
【表6】

【0139】
【表7】

【0140】
【表8】

【0141】
【表9】

【0142】
【表10】

【0143】
【表11】

【0144】
【表12】

【0145】
【表13】

【0146】
【表14】

【0147】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
NT=未試験
Full、及びFull−L=4.14cmの外形、1.27cmの空間の直径、及びFullにおいては5.74cm、Full−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1Aの中実本体。
【0148】
R−80、R−80−L、R−60、R−60−L、R−50、及びR−50−L=4.14cmの最大外形、1.27cmの空間の直径、0.51cmの最小壁部厚さ、及びR−80、R−60、及びR−50においては5.74cm、R−80−L、R−60−L、及びR−50−Lにおいては7.62cmの高さを有する図1D(R−80、R−80−L、R−60、及びR−60−L)、及び図1C(R−50、及びR−50−L)の中実本体。
【0149】
1層=2.69cmの外形、1.27cmの空間の直径、及び6.35cmの高さを有する図1Aの中実本体。
【0150】
【表15】

【0151】
データは、孔の大きさ、及び滅菌アクセス穴の位置は、ATTEST BIを非活性化するための時間に有意な影響を有さなかったことを示した。
【0152】
(実施例5)
ポリプロピレン挿入物
ATTEST 1292 Rapid Biological Indicators(ATTEST BIs)、及びCOMPLY STERIGAGE 1243 Steam Chemical Integrator(STERIGAGE)(双方とも3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能)が、異なる大きさ、及び形状で機械加工されたポリプロピレン挿入物の内部に配置された。挿入物は、図1A、1C、及び1Dに図示され、前の実施例で使用されるものと同じ大きさ、及び形状であるが、ただし、これらの挿入物はDELRINの代わりにポリプロピレンから機械加工された。ポリプロピレン挿入物は、図1の138cm(4.6オンス)アルミニウムスクリューキャップ缶の内部に配置された。
【0153】
STERIGAGE、及びATTEST BIが、実施例2の吸収性紙タオルの内部に一緒に巻かれた。
【0154】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。装置は、滅菌装置内で2、4、6、8、10、及び12分間にわたって水平に暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0155】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表6に示される。3つのSTERIGAGE、及びATTEST BIが、表中に掲載される各装置構成で試験された。
【0156】
【表16】

【0157】
【表17】

【0158】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
ポリプロピレン挿入物での結果は、実施例3でDELRIN挿入物を使用して得られた結果と同様であった。
【0159】
(実施例6)
アルミニウム容器の大きさを、138cm(4.6オンス)から187cm(6.3オンス)まで増加させた。
【0160】
実施例3が繰り返されたが、ただし、アルミニウム容器の大きさを138cm〜187cmに増加させた。
【0161】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表7に示される。各構成において試験される装置の数が、表中で、「試験された数」の下に掲載される。
【0162】
【表18】

【0163】
【表19】

【0164】
【表20】

【0165】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
缶の大きさを138cmから187cmに増加させることは、蒸気滅菌プロセスへの耐性を有意に増加させた。例えば、138(4.6オンス)缶、及び完全な挿入物を使用する実施例2では、ATTEST BIは、10分間の暴露時間の後に不活性化された。この実施例では、より大きい187cm(6.3オンス)の完全な挿入物は、ATTEST BIを不活性化するために14分間を必要とし得る。
【0166】
(実施例7)
アルミニウム缶の大きさを、138cm(4.6オンス)、及び187cm(6.3オンス)から262cm(8.8オンス)に増加させた。
【0167】
この実施例は、実施例6と同じであるが、ただし、缶の大きさは、187cm(6.3オンス)から262cm(8.8オンス)に増加させた。アルミニウム缶は図1に例示される。
【0168】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶は、6、8、10、12、14、及び16分間にわたって水平に暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0169】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表8に示される。各構成において試験される装置の数が、表中で、「試験された数」の下に掲載される。
【0170】
【表21】

【0171】
【表22】

【0172】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
缶の大きさを187cm(6.3オンス)から262cmに(8.8オンス)に増加させることは、蒸気滅菌プロセスへの耐性を有意に増加させた。例えば、完全な挿入物を有する187(6.3オンス)缶を使用する実施例6では、ATTEST BIは、14分間の暴露時間の後に不活性化された。この実施例では、より大きい262cm(8.8オンス)の完全な挿入物は、ATTEST BIを不活性化するために16分間を必要とし得る。
【0173】
表9は、138cm(4.6オンス)、及び187cm(6.3オンス)から262cm(8.8オンス)缶のインジケータにおける結果を、Full、及びFull−L挿入物を有する場合において比較している。
【0174】
【表23】

【0175】
【表24】

【0176】
【表25】

【0177】
【表26】

【0178】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
NT=未試験
データは、滅菌プロセスに暴露されるインジケータの耐性に対する缶の大きさの影響を示す。
【0179】
(実施例8)
滅菌剤アクセス−キャップ内の0.2cm穴、及び1ライナー
実施例2が繰り返されたが、ただし、図3に図示されるようにキャップの0.2cm(0.081インチ)直径の穴、及びキャップの下の1つの紙製ライナーを使用して、滅菌剤アクセスが提供された。
【0180】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶は垂直位置で、2、4、6、8、10、及び12分間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0181】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表10に示される。3つの装置が、表に掲載される各構成に関して試験された。
【0182】
【表27】

【0183】
【表28】

【0184】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
結果は実施例2と同様であり、滅菌剤アクセスがいくつかの方法によって提供され得ることを示している。
【0185】
(実施例9)
滅菌剤アクセス−キャップ中の2つの0.41cmの穴、及び1ライナー
実施例8が繰り返されたが、ただし、図3に例示されるように、2つの0.41cm(0.161インチ)直径の穴が、キャップ中に開けられ、1つの紙製ライナーがキャップ中で使用された。装置は、この実施例では水平に暴露された。
【0186】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶は垂直位置で、2、4、6、8、及び10分間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0187】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表11に示される。3つの装置が、表に掲載される各構成に関して試験された。
【0188】
【表29】

【0189】
【表30】

【0190】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
この実施例は、缶に滅菌剤アクセスを提供する別の方法を更に示している。
【0191】
(実施例10)
調節可能な複雑な経路装置
試作品は、ステンレス鋼から、図4に例示されるように作製された。試作品は、上部(キャップ)、及び下部構成要素からなり、これらは瓶と蓋のように、ねじ接続によって接続される。キャップが下部構成要素に接続されると、2つの構成要素内のねじ山の間に複雑な経路が形成される。この経路は、生物学的、及び化学的インジケータが位置するハウジング内の空気の漏出、及びここへの蒸気の浸透に対する抵抗をもたらす。経路長さは、キャップが下部構成要素へと回転係合される、回転数を増加させることによって調節され得る。経路長さを増加させることは、インジケータを不活性化させるまでの時間を増加させる。滅菌プロセスへの追加的な耐性は、DELRIN挿入物を試作品の内部に加えることによって更に増加され得る。試作品は、DELRIN、TEFLON(登録商標)、他の熱可塑性樹脂、アルミニウム、及びステンレス鋼など、異なる材料から構成され得る。
【0192】
3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能な、ATTEST 1292 Rapid Biological Indicatorsが、複雑経路装置内に配置された、又は機械加工されたDELRIN挿入物の内部に配置された。図1Aに記載されるFull XL、及び図1Fに記載される低減された挿入物が評価された。DELRINは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delawareから入手可能である。
【0193】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。装置はキャップをして垂直位置で、直立させて、表12に掲載される暴露時間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.28MPa(26psig)圧力パルスを使用した。
【0194】
ATTEST BI蛍光発光、及び増殖の結果が、試験された異なる構成に関して、表12に示される。
【0195】
【表31】

【0196】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
キャップ5回転(12.A)では、ATTEST BIは3分後に不活性化された。回転数を10(12.B)に増加させることにより、不活性化時間は5分間に増加した。5回転、及び完全な挿入物(12.C、及び12.D)では、ATTEST BIは、16分後まで不活性化されなかった。挿入物(12.C、及び12.D)内部のBIの方向は、不活性化時間に影響しなかった。完全な挿入物の使用、及び回転数の10(12.E)への増加は、不活性化時間を20分間に増加させた。挿入物(12.F)の断熱特性の低減は、不活性化時間を10分間に低減させた。
【0197】
(実施例11)
材料比較
異なる材料で作製された完全な挿入物(図1A)が、138cm(4.6オンス)の缶を使用して比較された。缶は3つのキャップライナーを使用して通気口を開けられ、図1のように組み立てられたが、ただし1つではなく、3つのライナーを使用した。挿入物は、DELRIN、ポリプロピレン、アルミニウム、ステンレス鋼(316)、オーク、及びポリエステルから作製された。
【0198】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶は垂直位置で、2、4、6、8、10、及び12分間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0199】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表13に示される。3つの装置が、表に掲載される各構成に関して試験された。
【0200】
【表32】

【0201】
【表33】

【0202】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
PP=ポリプロピレン
Alum=アルミニウム
SS=ステンレス鋼(316)
DELRIN、及びポリプロピレン挿入物内のATTEST BIは、12分間の暴露の後に不活性化されなかった。アルミニウム挿入物内では、BIは2分後に不活性化された。ステンレス鋼挿入物は、8分後に不活性化され、ポリエステル挿入物内のBIは、BIを不活性化するために10分間の暴露を必要とした。オーク挿入物内のBIは、4分後に不活性化された。
【0203】
(実施例12)
大きな挿入物
より大きな直径のDELRIN挿入物が、452cm(15.3オンス)のアルミニウム缶内で評価された。挿入物は、1A、1C、1D、1E、1F、及び1Gに図示される。
【0204】
図1Eに図示される入れ子状の設計は、DELRINから機械加工された、3つの円筒、又は層を有する。各層は異なる内径、及び外形を有する。内径、及び外形は、最も小さな円筒が2番目に大きな円筒の内部にフィットすることを可能にし、2番目に大きな円筒が最も大きな円筒内にフィットし得るような大きさである。滅菌抵抗は、円筒を追加するか、又は取り除くことによって容易に修正することができる。
【0205】
切り欠き下部(図1Gの中実本体の上部)、及び切り欠き中央部(図1G)は、インジケータの向き、及び位置を除いて、Full XL挿入物(図1A)と同様であった。
【0206】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶は垂直位置で、10、12、14、16、18、及び20分間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0207】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表14に示される。
【0208】
【表34】

【0209】
【表35】

【0210】
圧搾された缶
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
完全な、R−60、及びR−50挿入物のデータは、インジケータを不活性化する時間が、インジケータを囲む材料を低減させることにより低減し得ることを示す。同じ効果が入れ子状の挿入物に関し、インジケータを囲む円筒、又は層の数を取り除くことによって、示された。切り欠き挿入物は、容器内のインジケータの向き、及び位置の効果を示す。切り欠き挿入物と共に暴露されるインジケータは、完全な挿入物の内部におけるよりも早く不活性化された。
【0211】
(実施例13)
小さな直径を大きな直径の挿入物と比較する。
【0212】
この実施例では、同じ壁部厚さを有するが、異なる内径を有する2つの挿入物が試験されて、滅菌インジケータと近接する断熱本体を有することの効果を示す。1.27cm(0.5インチ)の内径を有する1層挿入物(図1A)が、2.8cm(1.09インチ)(図1A)の内径を有する1層挿入物(図1A)と比較された。
【0213】
ATTEST 1292 Rapid Biological Indicators(ATTEST BIs)、及びCOMPLY STERIGAGE 1243 Steam Chemical Integrator(STERIGAGE)(双方とも3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能)が、図1Aに記載される機械加工されたDELRIN挿入物の内部に配置された。
【0214】
STERIGAGE、及びATTEST BIが、およそ14×13cm(5.5×5.1インチ)の吸収性紙タオルの内部で一緒に巻かれた。紙タオルは、Kleenex(登録商標)Premiere(登録商標)(Kimberly−Clark,Roswell,Georgia)として市販されている。図1は、アセンブリを例示する。挿入物が、図1に図示され、Elemental Container,Inc.Union,New Jerseyから市販されている262cm(8.8オンス)アルミニウムスクリューキャップ缶の内部に配置された。図1に図示されるように、3つの紙製ライナーが、キャップと缶本体ねじ山との間に複雑な経路の滅菌剤アクセスを提供するために、キャップの下に配置された。紙製ライナーは、0.0508〜0.0559cm(20〜22ミル)の平均キャリパー、10〜20秒/100cmの平均多孔率、及び(43.18cm×55.88cm(17インチ×22インチ)/500枚シート)40〜44.5kg(88−98lbs)の坪量を有する吸取紙で作製された。紙は、Monadnock Paper Mills,Inc.Bennington,New Hampshireから市販されている。完全なアセンブリが図1に例示されるが、ただし1つではなく、3つのライナーが使用された。
【0215】
装置は、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。缶は、滅菌装置内で4、6、8、及び10分間にわたって水平に暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。
【0216】
滅菌の失敗を検出するインジケータの番号が表15に示される。3つのSTERIGAGE、及びATTEST BIが、表中に掲載される各装置構成で試験された。
【0217】
【表36】

【0218】
SB=中実本体
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
滅菌インジケータを保持するための、大きな内径を有する挿入物は、インジケータの近位にあった小さい半径の挿入物と同じ熱保護を提供しなかった。ATTEST BIは、小さい直径の挿入物において、8分間の暴露で全て活性であったのと比較して、大きな直径の挿入物では8分後に全て不活性化された。
【0219】
挿入物の重量
上記の実施例で言及された挿入物は、以下の表16に示される重量を有した。
【0220】
【表37】

【0221】
(実施例14)
ATTEST Rapid 5 Test Pack Plus(3M Company,St.Paul,MNから入手可能)が、図8に図示されるように、機械加工されたDELRINケースに配置されたが、ただしケースは、図8に図示されるように、3つのマニホールド896を含み、マニホールド896の空間825への3つのマニホールド入口ではなく、空間825への1つのマニホールド入口をマニホールドに備える。DELRINは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delawareから入手可能である。DELRINケースは、上部(830B)、及び下部(830A)を一緒に堅く保持するために、6つのボルト(図8には図示されない)で堅く締められた。一度上部、及び下部が互いに固定されると、6組のねじを使用して複雑な経路が修正され、1つが各3つのマニホールド896と関連する各開口部895内にあり、これらは試験パックチャンバ内への浸入を遮断する。ねじの組は、Teflonテープで開口部895を被服することによって完全に封止され得る。これらのねじの組、及びテープの操作は、ケースを、10分間、又は20分間いずれかの132℃(270°F)4パルス前真空滅菌サイクルで使用することを可能にした。
【0222】
ATTEST Rapid 5 Test Pack Plusを有するケースが、132℃(270°F)4パルス前真空滅菌装置、AMSCO(登録商標)Eagle Model 3013 Sterilizer,Steris Corporation,Mentor,Ohio内に暴露された。ケースは、4、5、及び10分間にわたって暴露された。各サイクルにおける、真空、及び圧力パルスには、25.4cm水銀圧力(10インチHg)の真空水準、及び0.2MPa(16psig)圧力パルスを使用した。ケースはまた、サイクルの真空相中において、チャンバ内への25mmHg/分超の空気漏入をチャンバ内に導入することによって、滅菌装置故障状態で評価された。空気漏入は、前真空蒸気滅菌装置において、一般的な故障モードである。
【0223】
暴露後、試験パックからのSTERIGAGE化学的インテグレーターを読み取り、可動前部指示染料が、インジケータの不合格、又は合格区域に移動したかどうかを決定した。ATTEST BIが、内側アンプルを圧搾し、ATTEST Model 290 Autoreaders,(3M Company,St.Paul,Minnesota)内のインジケータをインキュベートすることによって活性化され、このインジケータは、増殖培地内の酵素基質の酵素的分解によって生じる蛍光発光を検出する。3時間のインキュベーションの後、Autoreaderが許容可能な滅菌サイクルを示す緑色のライトを点灯するか、赤色のライトが点灯されて蛍光剤の陽性指示、及び滅菌サイクルの失敗を示す。インジケータは、60℃において合計48時間インキュベートし続け、残存する胞子を増殖させ、増殖培地における紫色から黄色への可視の色の変化を生じさせる。黄色への色の変化は滅菌の失敗を示す。
【0224】
結果を表17に示す。データは、気体、及び滅菌剤の試験パックへの制限された流れを変えることによって、ケースを修正できることを示す。サイクル6〜10では、6組のねじの0〜4組までが取り除かれ、滅菌インジケータは、4〜5分間の暴露時間で、5サイクルの内4サイクルにおける滅菌の失敗を示した。サイクル11では、ねじの組の全てが取り除かれ、インジケータは、5分間の滅菌時間で、許容可能な滅菌プロセスを示した。サイクル1〜3のインジケータは、全てのねじの組がテープで被服されて、ケースへの流れを更に低減させた場合に、10分間の滅菌時間において滅菌の失敗を示した。サイクル4、及び5では、ねじの組を被服するためのテープは使用されず、滅菌インジケータは許容可能な滅菌サイクルを示した。ケース内部のインジケータは、サイクル12の空気漏入故障条件での、滅菌の失敗を示した。
【0225】
【表38】

【0226】
3h=3時間のインキュベーション後
G=増殖
SG=STERIGAGE
本明細書で引用した全ての参考文献及び公報、又はその部分は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。本発明の代表的な実施形態が論じられ、そして本発明の範囲内で可能ないくつかの変形が参照されている。本発明におけるこれら及び他の変形及び変更は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者にとって明らかであり、そして本発明が本明細書で明示された代表的な実施形態の組み合わせに限定されないことは理解されるべきである。したがって、本発明は、以下に提供されている請求項及びその同等物によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を画定する壁部を含む中実本体であって、前記空間は滅菌インジケータ及び少なくとも5cm〜1000cm以下の体積の気体を完全に含むことができる、中実本体と、
前記空間外への前記気体のいずれかの流れ及び前記空間内への滅菌剤のいずれかの流れが制限されるように、前記中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
前記滅菌インジケータは、物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したかどうかを示し、
前記中実本体の前記壁部は、前記滅菌剤に対して不透過性であり、前記壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置。
【請求項2】
容器を更に具備し、前記中実本体が前記容器内に封止され、前記流量制限器が前記容器に取り付けられるか、又はその一部であり、前記容器外へのいずれかの気体の流れ及び前記容器内へのいずれかの滅菌剤の流れが、前記流量制限器によって制限される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも5cmの体積の気体が、前記中実本体の前記壁部によって画定される前記空間内に含まれる気体の体積に加えて前記容器内に含まれる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
空間を画定する壁部を含む中実本体であって、前記空間は滅菌インジケータを完全に含むことができる中実本体と、
容器であって、前記中実本体が前記容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が前記容器内に含まれる容器と、
前記容器外への前記気体のいずれかの流れ及び前記容器内への滅菌剤のいずれかの流れが制限されるように、前記容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置であって、
前記滅菌インジケータは、物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したかどうかを示し、
前記中実本体の前記壁部は、前記滅菌剤に対して不透過性であり、前記壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、滅菌プロセス管理装置。
【請求項5】
前記容器が、可撓性である少なくとも1つの壁部を具備する、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記容器の内側と外側との間の圧力差が変化するに伴い、前記気体の体積が少なくとも10%変化する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記容器の内側と外側との間の前記圧力差が変化するに伴い、前記気体の前記体積が少なくとも50%変化する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
滅菌プロセス管理装置によって提供される滅菌プロセスへの耐性の水準を制御する方法であって、当該方法は、
空間を画定する壁部を含む中実本体であって、前記空間は滅菌インジケータ及び少なくとも5cmの体積の気体を完全に含むことができる、中実本体と、
前記空間外への前記気体のいずれかの流れ及び前記空間内への滅菌剤のいずれかの流れが制限されるように、前記中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程であって、
前記滅菌インジケータは、物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したかどうかを示し、
前記中実本体の前記壁部は、前記滅菌剤に対して不透過性であり、前記壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、工程と、
前記滅菌プロセスに対する耐性の目標水準を提供するために前記滅菌プロセス管理装置を調節する工程であって、当該工程は、
前記壁部の前記厚さを調節すること、
前記中実本体の熱拡散率を調節すること、
前記気体の前記体積を調節すること、
前記中実本体の前記壁部によって画定される前記空間外への前記気体の前記流れ及び前記空間内への前記滅菌気体の前記流れを増加させる又は減少させるために調節すること、並びに
これらの組み合わせからなる群から選択されるステップを含む、工程とを含む、方法。
【請求項9】
滅菌プロセス管理装置によって提供される滅菌プロセスへの耐性の水準を制御する方法であって、当該方法は、
空間を画定する壁部を含む中実本体であって、前記空間は滅菌インジケータを完全に含むことができる中実本体と、
容器であって、前記中実本体が前記容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が前記容器内に含まれる容器と、
前記容器外への前記気体のいずれかの流れ及び前記容器内への滅菌剤のいずれかの流れが制限されるように、前記容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程であって、
前記滅菌インジケータは、物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したかどうかを示し、
前記中実本体の前記壁部は、前記滅菌剤に対して不透過性であり、前記壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、工程と、
前記滅菌プロセスに対する耐性の目標水準を提供するために前記滅菌プロセス管理装置を調節する工程であって、当該工程は、
前記壁部の前記厚さを調節すること、
前記中実本体の熱拡散率を調節すること、
前記気体の前記体積を調節すること、
前記中実本体の前記壁部によって画定される前記空間外への前記気体の前記流れ及び前記空間内への前記滅菌気体の前記流れを増加させる又は減少させるために調節すること、並びに
これらの組み合わせからなる群から選択されるステップを含む、工程とを含む、方法。
【請求項10】
滅菌剤が前記中実本体の前記壁部によって画定される前記空間内に流れたときに、前記中実本体上に滅菌剤凝縮が形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
滅菌剤が前記容器内に流れたときに、前記中実本体上に滅菌剤凝縮が形成される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記滅菌気体凝縮の少なくとも一部が前記滅菌インジケータと接触することを防ぐことにより、前記滅菌プロセス管理装置を修正する工程を更に含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
物品を滅菌するために滅菌プロセスの有効性を決定する方法であって、当該方法は、
空間を画定する壁部を含む中実本体であって、前記空間は滅菌インジケータ及び少なくとも5cmの体積の気体を完全に含む、中実本体と、
前記空間外への前記気体のいずれかの流れ及び前記空間内への滅菌剤のいずれかの流れが制限されるように、前記中実本体と関連する流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程であって、
前記滅菌インジケータは、物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したかどうかを示し、
前記中実本体の前記壁部は、前記滅菌剤に対して不透過性であり、前記壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、工程と、
前記滅菌プロセス管理装置を、前記物品を含む滅菌チャンバ内に配置する工程と、
前記滅菌プロセス管理装置及び前記物品を、前記滅菌剤及び高温に暴露する工程と、
前記滅菌インジケータが、前記物品を滅菌するために十分な時間及び温度において当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したことを示したかどうかを決定する工程とを含む、方法。
【請求項14】
物品を滅菌するために滅菌プロセスの有効性を決定する方法であって、前記方法は、
空間を画定する壁部を含む中実本体であって、前記空間は滅菌インジケータを完全に含む、中実本体と、
容器であって、前記中実本体は前記容器内に封止され、少なくとも5cmの体積の気体が前記容器内に含まれる容器と、
前記容器外への前記気体のいずれかの流れ及び前記容器内への滅菌剤のいずれかの流れが制限されるように、前記容器に取り付けられるか、又はその一部である、流量制限器とを具備する、滅菌プロセス管理装置を提供する工程であって、
前記滅菌インジケータは、物品を滅菌するために十分な時間及び温度において、当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したかどうかを示し、
前記中実本体の前記壁部は、前記滅菌剤に対して不透過性であり、前記壁部は少なくとも0.3cmの厚さを有する、工程と、
前記滅菌プロセス管理装置を、前記物品を含む滅菌チャンバ内に配置する工程と、
前記滅菌プロセス管理装置及び前記物品を、前記滅菌剤に、かつ高温で暴露する工程と、
前記滅菌インジケータが、前記物品を滅菌するために十分な時間及び温度において当該滅菌インジケータが前記滅菌剤と接触したことを示したかどうかを決定する工程とを含む、方法。
【請求項15】
前記中実本体の前記壁部によって画定される前記空間が前記滅菌インジケータを完全に含むように、前記滅菌インジケータを前記中実本体内に配置する工程を更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記容器が、可撓性である少なくとも1つの壁部を具備する、請求項9、14、及び15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記容器の内側と外側との間の圧力差が変化するに伴い、前記気体の体積が少なくとも10%変化する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記容器の内側と外側との間の前記圧力差が変化するに伴い、前記気体の前記体積が少なくとも50%変化する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の、少なくとも1つの滅菌プロセス管理装置と、同一又は異なる滅菌プロセスのための複数の滅菌インジケータとを具備するキット。
【請求項20】
前記少なくとも1つの滅菌プロセス管理装置の前記中実本体に加え、少なくとも1つの中実本体を更に具備する、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記少なくとも1つの中実本体が、同一又は異なる熱拡散率、及び同一又は異なる壁部厚さを有する複数の中実本体である、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
前記中実本体を含む前記壁部の前記厚さが調節可能である、請求項19、20、及び21のいずれか一項に記載のキット。
【請求項23】
前記厚さが、少なくとも1つの壁層を加えるか、又は取り除くことによって調節可能であり、前記中実本体を含む前記壁部の前記厚さを提供するために、前記少なくとも1つの壁層は、加えられた後又は取り除かれる前に別の壁層と入れ子になっている、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
同一又は異なる大きさの複数の容器を更に具備する、請求項1に従属する場合を除いた請求項19〜23のいずれか一項に記載のキット。
【請求項25】
前記滅菌インジケータが、前記中実本体の前記壁部によって画定される前記空間に完全に含まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜24のいずれか一項に記載のキット。
【請求項26】
前記滅菌プロセスに耐性の目標水準を提供するために、前記滅菌インジケータが、前記滅菌プロセス管理装置と組み合わせて選択される、請求項1〜7、及び25のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜25のいずれか一項に記載のキット。
【請求項27】
前記インジケータが蒸気滅菌インジケータであり、前記滅菌剤が蒸気である、請求項1〜7、25、及び26のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、25、及び26のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜26のいずれか一項に記載のキット。
【請求項28】
前記滅菌剤の凝縮を吸収する材料の層が、前記滅菌インジケータ及び前記中実本体の前記壁部を分離する、請求項1〜7、25、26、及び27のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、25、26、及び27のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜27のいずれか一項に記載のキット。
【請求項29】
前記滅菌インジケータ及び前記中実本体の前記壁部が、2cm以下の距離で分離されている、請求項1〜7、及び25〜28のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜28のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜28のいずれか一項に記載のキット。
【請求項30】
前記中実本体が20℃において、1×10−5/s以下の熱拡散率を有する、請求項1〜7、及び25〜29のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜29のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜29のいずれか一項に記載のキット。
【請求項31】
前記熱拡散率が20℃において、5×10−7/s以下である、請求項30に記載の装置、又は請求項30に記載の方法、又は請求項30に記載のキット。
【請求項32】
前記中実本体の前記壁部の前記厚さが調節可能である、請求項1〜7、及び25〜31のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記中実本体の前記壁部が2つ以上の層を含み、各層の前記熱拡散率が同一であるか、又は異なる、請求項1〜7、及び25〜32のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜32のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜31のいずれか一項に記載のキット。
【請求項34】
少なくとも1つの加えられた又は取り除かれた層を、加える前又は取り除いた後の前記中実本体の少なくとも1層とは異なる熱拡散率を有する、少なくとも1つの前記層を加えるか、又は取り除くことによって、前記中実本体の前記熱拡散率が調節され得る、請求項33に記載の装置、又は請求項33に記載の方法、又は請求項33に記載のキット。
【請求項35】
前記容器内に含まれる前記気体の前記体積が、50〜500cmである、請求項1若しくは請求項2に従属する場合を除いた、請求項3、4、及び25〜34のいずれか一項に記載の装置、又は請求項1若しくは請求項2に従属する場合を除いた、請求項8〜15、及び25〜34のいずれか一項に記載の方法、又は請求項1若しくは請求項2に従属する場合を除いた、請求項19〜31、33、及び34に記載のキット。
【請求項36】
前記流量制限器が、少なくとも1つの圧力作動弁を具備する、請求項1〜7、及び25〜35のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜35のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜31、33、34、及び35のいずれか一項に記載のキット。
【請求項37】
前記少なくとも1つの圧力作動弁が複合弁である、請求項1〜7、及び25〜36のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜36のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜31、及び33〜36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項38】
前記少なくとも1つの圧力作動弁が、該圧力作動弁にわたって圧力差が存在するときに作動する、請求項1〜7、及び25〜37のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜37のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜31、及び33〜37のいずれか一項に記載のキット。
【請求項39】
前記少なくとも1つの圧力作動弁が少なくとも2つの圧力作動弁である、請求項1〜7、及び25〜37のいずれか一項に記載の装置、又は請求項8〜15、及び25〜37のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19〜31、及び33〜37のいずれか一項に記載のキット。
【請求項40】
前記少なくとも2つの圧力作動弁が、該圧力作動弁にわたって圧力差が存在するときにそれぞれ別々に作動する、請求項39に記載の装置、請求項39に記載の方法、又は請求項39に記載のキット。
【請求項41】
第1圧力作動弁が滅菌剤の流れを調節し、第2圧力作動弁が前記滅菌剤の流れと反対方向の気体及び/又は液体の流れを調節する、請求項39に記載の装置、請求項39に記載の方法、又は請求項39に記載のキット。
【請求項42】
前記第1圧力作動弁及び前記第2圧力作動弁が、前記弁にわたって圧力差が存在するときにそれぞれ別々に作動する、請求項41に記載の装置、請求項41に記載の方法、又は請求項41に記載のキット。
【請求項43】
前記少なくとも1つの圧力作動弁が作動する前記圧力差を調節することができる、請求項38、40、及び42のいずれか一項に記載の装置、請求項38、40、及び42のいずれか一項に記載の方法、又は請求項38、40、及び42のいずれか一項に記載のキット。
【請求項44】
前記圧力差が少なくとも6.895kPa(1psi)である、請求項38、40、42、及び43のいずれか一項に記載の装置、請求項38、40、42、及び43のいずれか一項に記載の方法、又は請求項38、40、42、及び43のいずれか一項に記載のキット。
【請求項45】
前記圧力差が、345kPa(50psi)以下である、請求項38、40、42、43、及び44のいずれか一項に記載の装置、請求項38、40、42、43、及び44のいずれか一項に記載の方法、又は請求項38、40、42、43、及び44のいずれか一項に記載のキット。
【請求項46】
前記圧力差が172.4kPa(25psi)以下である、請求項45に記載の装置、請求項45に記載のキット、又は請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−519680(P2011−519680A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508589(P2011−508589)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/042790
【国際公開番号】WO2009/137442
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】