説明

滅菌手袋付広告紙

【課題】商品の販売促進を目指した従来の広告用紙において、更に、ファーストフード店などの飲食店において紙ナプキン等が使用される量を削減することに有効で、環境保護に適し、利便性、安全性が高められていて、広告・宣伝機能も向上している広告用紙を提供する。
【解決手段】広告が掲載されている広告用紙において、薄膜素材からなる透明な手袋が当該広告用紙の表面又は裏面に剥離可能に貼り付けられていることを特徴する広告用紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は飲食店などの宣伝・広告に用いられる広告紙に関し、特に、宣伝・広告効果を有すると共に、衛生的で、利便性、安全性、環境保全に適した広告紙に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店などの飲食店が消費者に向けて作成・頒布する広告紙は、当該広告紙を受け取った消費者が当該広告紙に印刷(掲載)されている広告内容に対してより興味・関心をいだき、当該広告紙の発行元である飲食店に当該広告紙及び、当該広告紙に印刷(掲載)されている広告をきっかけにして来店する機会がより多くなるように創意工夫が凝らされている。
【0003】
例えば、飲食店などで販売している商品の販売促進のために、通常価格から割り引いた価格で商品を購入できる割引券(クーポン券)が付属された広告紙などが作成・配布されている。この広告紙を入手した消費者は、付属の割引券(クーポン券)を広告から切り離し、当該割引券(クーポン券)を利用することで割引券(クーポン券)に記載された商品を、割引券(クーポン券)に記載された割引価格で購入することができる。あるいは、割引券(クーポン券)に記載されたサービスの提供を、割引券(クーポン券)に記載された割引価格で受け取ることができる。このようにすることによって、広告紙を受け取った消費者が当該広告紙に印刷(掲載)されている広告内容に対してより興味・関心をいだき、当該広告紙の発行元である飲食店に当該広告紙及び、当該広告紙に印刷(掲載)されている広告をきっかけにして来店する機会が増えるように工夫しているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−163845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した割引券(クーポン券)が付属された広告紙などのように、広告紙を受け取った消費者が当該広告紙に印刷(掲載)されている広告内容に対してより興味・関心をいだき、当該広告紙の発行元である飲食店に当該広告紙及び、当該広告紙に掲載されている広告をきっかけにして来店する機会を増やすようにする工夫は従来から行われている。
【0006】
一方、ファーストフード店などの飲食店における店内での飲食、あるいはテイクアウトして飲食する際に使用する紙ナプキンや、飲食後の手に付着した汚れを拭き取る紙ナプキン等の使用量が増加してしまう問題に関しては、特に、有効な対策は提案されていなかった。
【0007】
紙ナプキン等の使用量の増加はコストの増大や環境への悪影響に繋がるので、紙ナプキン等の使用量を削減できる有効な提案が望まれていた。
【0008】
そこで、本発明は、商品の販売促進を目指した従来の広告紙において、更に、ファーストフード店などの飲食店において紙ナプキン等が使用される量を削減することに有効で、環境保護に適し、衛生的で、利便性、安全性が高められていて、広告・宣伝機能も向上している広告用紙を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的の達成を目指して本願が提案する請求項1記載の発明は、
広告が印刷されている広告紙において、薄膜素材からなる透明で、滅菌処理がほどこされている滅菌手袋が当該広告紙の表面又は裏面に剥離可能に貼り付けられていることを特徴する滅菌手袋付広告紙
である。
【0010】
請求項2記載の発明は、
前記広告紙の表面及び/又は裏面には滅菌処理がほどこされていることを特徴とする請求項1記載の滅菌手袋付広告紙
である。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記滅菌処理は、ガンマ線滅菌処理であることを特徴とする請求項1又は2記載の滅菌手袋付広告紙
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品の販売促進を目指した従来の広告紙において、更に、ファーストフード店などの飲食店において紙ナプキン等が使用される量を削減することに有効で、環境保護に適し、衛生的で、利便性、安全性が高められていて、広告・宣伝機能も向上している広告紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)本発明の一実施形態に係る広告紙に剥離可能に貼り付けられる合成樹脂製の薄膜素材からなる透明な滅菌手袋を示す平面図、(b)本発明の一実施形態に係る広告紙の表面を示す平面図。
【図2】広告用紙の裏面に滅菌手袋が貼り付けられる状態を説明する斜視図。
【図3】裏面に滅菌手袋が貼り付けられている本発明の一実施形態に係る広告紙を表す裏面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0015】
本発明の広告紙1は、宣伝・広告が印刷(掲載)されている広告紙1aの表面1bあるいは裏面1cに薄膜素材からなる透明な滅菌手袋3が剥離可能に貼り付けられているものである。
【0016】
広告紙1aの表面1bあるいは裏面1c、若しくはこれらの双方には、広告紙1aにより宣伝・広告を行うファーストフード店などの飲食店の広告6が掲載されている。
【0017】
図2、図3図示の実施形態では、広告紙1の裏面1cに滅菌手袋3を剥離可能に貼り付けているが、滅菌手袋3は透明であるので、広告紙1の頒布を受けた消費者は、透明な滅菌手袋3を介して広告紙1の裏面1cに印刷(掲載)されている広告の内容を視認できる。
【0018】
合成樹脂などの薄膜素材からなる透明な滅菌手袋3は、ファーストフード店などの飲食店店内での飲食の際、あるいはテイクアウトして飲食する際に使用されるものである。消費者は滅菌手袋3を本発明の広告紙1から引きはがし、手に滅菌手袋3を装着してフライドチキンや、ハンバーガーなどの食品を、手を汚すことなく、また、紙ナプキンなどの使用量を大幅に少なくして飲食できる。
【0019】
従来、紙ナプキンを使用して食品をつまむ場合、紙ナプキンが食品(例えば、チキンなど)の表面に付着することがあるが、本発明の滅菌手袋3を装着している手で食品をつまむことにより、食品の表面に紙ナプキンが付着することを防止できる。また、食品からの油などが手につかなくなるので、滅菌手袋3を装着していた手に油などが付着してギトギト感が手に残ることがなくなる。
【0020】
このように、本発明の広告紙1によれば、消費者が、ファーストフード店などの飲食店店内で飲食する際、あるいはテイクアウトして飲食する際に使用する紙ナプキンなどの使用量や、飲食後の手に付着した汚れを拭き取る紙ナプキン等の使用量を大幅に減らすことができる。そこで、飲食店のコスト削減に寄与することができ、また、このような宣伝広告方法、使用方法を実施することによって木材資源などの消費削減に貢献し、全体として環境の保護、保全に貢献することができる。
【0021】
合成樹脂などの薄膜素材からなる透明な滅菌手袋3の広告紙1aの表面1bあるいは裏面1cへの剥離可能な貼り付け方法については特に限定はない。合成樹脂などの薄膜素材からなる透明な滅菌手袋3が広告紙1aの表面1bあるいは裏面1cに剥離可能に貼り付けられていればよい。
【0022】
透明な滅菌手袋3は従来公知の合成樹脂製の薄膜素材から形成しておくことができる。また、滅菌処理は、医療用の手袋などの使い捨て手袋において従来から採用されているガンマ線滅菌処理により行うことができる。
【0023】
前述したように、合成樹脂製の透明な滅菌手袋3は、消費者が手に装着し、フライドチキンや、ハンバーガーなどの食品をつまんで飲食する際に使用するものである。そこで、ガンマ線滅菌処理をほどこして滅菌した合成樹脂製の透明な滅菌手袋3を用いることが望ましい。
【0024】
そこで、広告紙1aの表面1b、又は、裏面1c、あるいは表面1bと裏面1cとの双方にも、滅菌処理を施しておくことが望ましい。ここでも、ガンマ線滅菌処理を採用できる。
【0025】
このようにすると、ファーストフード店などの飲食店が本発明の広告紙1を宣伝・広告媒体とする上で、衛生管理などに適切な配慮を払っていることを消費者に対して訴求することができる。
【0026】
本発明によれば、滅菌手袋3を用いることにより、消費者が、直接、食品(例えば、チキン、フライドポテトなど)に手で触れることを無くして衛生環境を向上できるだけでなく、滅菌処理(例えば、ガンマ線滅菌処理)された滅菌手袋3を用い、更に、滅菌手袋3が剥離可能に貼り付けられている広告紙1aも滅菌処理(例えば、ガンマ線滅菌処理)しておくことにより、衛生環境を向上できる。
【0027】
滅菌手袋3を貼り付けておく広告紙1aの一面、例えば、広告紙1aの裏面1cに滅菌手袋3を剥離可能に貼り付けておく場合、裏面1cに「この広告紙はガンマ線滅菌処理済です。」と表示すると共に、「手袋はガンマ線滅菌処理済です。○○をつまんで食べる際に、広告紙から引きはがし、手にはめてご使用ください。」と表示しておくことにより、衛生面での安全性を伝えることができる。
【0028】
図3に図示されている広告紙1では、広告紙1aの下部に切取線5を介して切り離し可能な切取片部4a、4b、4c、4d、4eを設けている。切取片部4a、4b、4c、4d、4eは、ファーストフード店などの飲食店における商品を通常の価格よりも割引された価格で購入できる割引券(クーポン券)であり、例えば、切取片部4aは商品のセットについての割引券(クーポン券)、切取片部4bはドリンクについての割引券(クーポン券)とすることができる。
【0029】
本発明の広告紙1によれば、薄膜素材からなる透明な滅菌手袋3を広告紙1aの表面1bあるいは裏面1cに貼り付けているので、滅菌手袋3を広告紙1から引きはがして使用する直前まで滅菌手袋3は手に装着しやすい、使用し易い状態に保たれている。
【0030】
また、広告紙1aの表面1bあるいは裏面1cに滅菌手袋3が貼り付けられている状態で、手を滅菌手袋3に挿入するようにすれば、一瞬で、滅菌手袋3を手に装着することができ、簡便性に優れている。
【0031】
更に、薄膜素材からなる透明な滅菌手袋3を用いて手を汚さずに飲食することができるので、広告紙1による宣伝・広告効果を従来の広告紙よりもさらに高めることができる。
【0032】
例えば、消費者が本発明の広告紙1の配布を受けた場合、従来の一般的な広告紙の頒布を受けた場合よりも、広告紙1にて宣伝・広告が行われている店舗を訪問し、滅菌手袋3を使用して飲食を行おうと考える可能性が高まることが期待される。
【0033】
すなわち、薄膜素材からなる透明な滅菌手袋3が、広告紙1aの表面1bあるいは裏面1cに貼り付けられていることから、従来の広告紙では引き起こされなかった新たな興味、関心を消費者に引き起こし、広告紙1に掲載されている広告内容が透明な滅菌手袋3を介して消費者の目に入る可能性を高め、透明な滅菌手袋3が貼り付けられている広告紙1による宣伝・広告に応じて当該宣伝・広告を行っている店舗に消費者が来店する可能性が高まることが期待できる。
【0034】
また、滅菌手袋3を使用する簡便性、利便性、衛生性、安全性に惹かれた消費者が、本発明の広告紙1を複数枚持ち出して、他の店舗(広告紙1に宣伝・広告を印刷(掲載)している飲食店とは異なる他の企業が経営している飲食店など)に広告紙1を持参して、広告紙1に貼り付けられている滅菌手袋3を使用することが考えられる。このようになれば、広告紙1に宣伝・広告を印刷(掲載)している飲食店の宣伝・広告が、他の店舗(広告紙1に宣伝・広告を印刷(掲載)している飲食店とは異なる他の企業が経営している飲食店など)で飲食している消費者の目に触れることになり、宣伝・広告効果をより高めることができる。
【0035】
本発明の広告紙1を当該広告紙1によって宣伝・広告を行っているファーストフード店などの飲食店に持参し、飲食品を購入する祭、店内での飲食かテイクアウトかを選択するが、いずれの場合においても、広告紙1から滅菌手袋3を剥離して、手に装着して用い、手を汚さすに飲食することができる。そこで、手袋を使用せずに飲食する場合に比較して、飲食する際に使用する紙ナプキンなどの量を大幅に削減することができる。また、飲食後の手に付着した汚れを拭き取る紙ナプキン等を使用する必要が大幅に減少するので、従来のように多量に使用していた紙ナプキン等の使用量を大幅に削減することができる。
【0036】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 本発明の広告紙
1a 広告紙
1b 広告紙の表面
1c 広告紙の裏面
3 滅菌手袋
4a、4b、4c、4d、4e 切取片部
5 切取線
6 広告

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告が印刷されている広告紙において、
薄膜素材からなる透明で、滅菌処理がほどこされている滅菌手袋が当該広告紙の表面又は裏面に剥離可能に貼り付けられている
ことを特徴する滅菌手袋付広告紙。
【請求項2】
前記広告紙の表面及び/又は裏面には滅菌処理がほどこされていることを特徴とする請求項1記載の滅菌手袋付広告紙。
【請求項3】
前記滅菌処理は、ガンマ線滅菌処理であることを特徴とする請求項1又は2記載の滅菌手袋付広告紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−88789(P2013−88789A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232448(P2011−232448)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(511256945)株式会社東京美容機 (1)
【Fターム(参考)】