説明

滅菌放射線シールドドレープ、放射線シールドと放射線シールドのための滅菌ドレープとの組合せ、および滅菌ドレープを放射線シールドの周りに設ける方法

その上端の支持部から垂下して下部自由端まで延在する放射線シールドの周りに配置されるように構成された滅菌放射線シールドドレープが提供される。放射線シールドドレープは、上側端部と下側端部との間で延在する滅菌された外面と内面とを有する周方向に連続する壁を含む。この内面は、放射線シールドを収容するのに適した大きさのキャビティを周方向に囲む。上記上側端部は、この上側端部に沿って延在する少なくとも1つのポケットを提供する裏返された縁端部を有し、この上側端部に隣接して設けられた少なくとも1つの固定具をさらに含む。上記少なくとも1つの固定具は、周方向に連続する壁を、放射線シールドの周りで、取外し可能な状態で固定するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2010年1月18日に出願された米国仮出願第61/295,871号の優先権を主張し、その全体を本明細書に引用により援用する。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、概して医療処置において使用される滅菌されたドレープに関し、より具体的には、医療処置における放射線シールドを囲むように構成された、滅菌されたドレープ、およびその設置方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
2.関連技術
医療処置において使用される医療機器を滅菌されたドレープで覆うことによってその機器自体を滅菌する必要性をなくすことは、一般的に行なわれている。このドレープは外面が滅菌されているので、患者に対する汚染を回避し易い。滅菌されたドレープを多様な医療機器に用いることが望ましいものの、ドレープで医療機器を覆うことは、医療機器の構成およびドレープ自体の構成が原因で、困難であることがわかっており、さらに、ドレープで医療機器を覆っている間、ドレープの滅菌された外面を損なわないようにすることは難しいことがわかっている。加えて、ドレープは医療機器の動きを妨げるので、ドレープで医療機器を覆うと、この医療機器を十分に活用し実質的に自由に使用するのは困難になることがわかっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
その上端の支持部から垂下し下部自由端まで延在する放射線シールドの周りに配置されるように構成された滅菌放射線シールドドレープが提供される。放射線シールドドレープは、上側端部と下側端部との間で延在する滅菌された外面と内面とを有する周方向に連続する壁を含む。この内面は、放射線シールドを収容するのに適した大きさのキャビティを周方向に囲んでいる。上記上側端部は、この上側端部に沿って延在する少なくとも1つのポケットを提供する裏返された縁端部を有し、この上側端部に隣接して設けられた少なくとも1つの固定具をさらに含む。この少なくとも1つの固定具は、上記周方向に連続する壁を、放射線シールドの周りで、取外し可能な状態で固定するように構成される。
【0005】
本発明の別の局面に従うと、ドレープは上記壁に装着された少なくとも1つのフラップを有し、このフラップは、ドレープの上側端部に隣接する放射線シールドの一部を収容するように構成されたポケットを有する。
【0006】
本発明の別の局面に従うと、ドレープは、上側端部の向い合う面に、機能できる状態でドレープに装着されるように構成された、複数の固定具を有する。
【0007】
本発明のさらに別の局面に従うと、ドレープは、上側端部に、ドレープを放射線シールド上に配置し易くするためのポケットを提供する裏返された縁端部を有する。
【0008】
本発明のさらに別の局面に従うと、ドレープの下側端部は閉じられている。
本発明の別の局面に従うと、シールドの側部を折畳むことで、既知の直径を有する、周方向に折畳まれた構成にすることができ、かつ、この折畳まれた構成を外に向かって広げることで、既知の最大幅を有する、広げられた構成にすることができる。
【0009】
本発明の別の局面に従い、放射線シールドと組合された滅菌放射線シールドドレープが提供される。放射線シールドは対向する上端と下端とを含み、放射線シールドの対向する側部はこの上端と下端との間で延在する。放射線シールドドレープは、上側端部と下側端部との間で延在する滅菌された外面と内面とを有する周方向に連続する壁を含む。この内面は、放射線シールドを収容するのに適した大きさのキャビティを周方向に囲む。上側端部は、この上側端部に沿って延在する少なくとも1つのポケットを提供する裏返された縁端部を有する。少なくとも1つの固定具が、上記周方向に連続する壁の上側端部に隣接して設けられる。この少なくとも1つの固定具は、周方向に連続する壁を、放射線シールドの周りで、取外し可能な状態で固定するように構成される。
【0010】
本発明の別の側面に従い、滅菌面を吊下げられた放射線シールドの周りに設ける方法が提供される。この方法は、上側端部と下側端部との間に延在し周方向に連続する可撓性の壁を与えるステップを含み、この壁は、滅菌された外面と、吊下げられた放射線シールドを収容するのに適した大きさのキャビティを囲む内面とを有する。さらに、少なくとも1つの固定具を上記上側端部の隣に装着するステップを含む。またさらに、上記可撓性の壁の上側端部を、滅菌手術領域の中で、吊下げられた放射線シールドの下に置くステップと、可撓性の壁の上側端部を吊下げられた放射線シールドの周りで引上げることによって、吊下げられた放射線シールドを可撓性の壁のキャビティの中に配置するステップとを含む。次に、上記少なくとも1つの固定具を吊下げられた放射線シールドに対して固定することにより、可撓性の壁を、吊下げられた放射線シールドの周りで固定された関係で維持するステップを含む。
【0011】
本発明の上記およびそれ以外の局面、特徴、および利点は、現在好ましい実施の形態および最良の形態に関する以下の詳細な説明、それに続く請求項、および添付の図面とともに検討することによって理解し易くなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】放射線シールド上に配置された、本発明のある局面に従い構成された滅菌可能なドレープの背面図である。
【図2】図1の放射線シールド上に組立てられた滅菌可能なドレープの正面図である。
【図3】図2と同様の図であり、放射線シールド上に滅菌可能なドレープを配置したものをユーザが着用している状態を示す。
【図4】広げられ巻かれていない構成の放射線シールドを示す背面図である。
【図5】図4の放射線シールドの正面図である。
【図6】縦方向に折畳まれた構成の、図5の放射線シールドを示す正面図である。
【図7】滅菌されたドレープを折畳んで包装した状態から開いてゆく過程におけるさまざまな段階のうち1つを示す。
【図8】滅菌されたドレープを折畳んで包装した状態から開いてゆく過程におけるさまざまな段階のうち1つを示す。
【図9】滅菌されたドレープを折畳んで包装した状態から開いてゆく過程におけるさまざまな段階のうち1つを示す。
【図10】滅菌されたドレープを折畳んで包装した状態から開いてゆく過程におけるさまざまな段階のうち1つを示す。
【図11】滅菌されたドレープを折畳んで包装した状態から開いてゆく過程におけるさまざまな段階のうち1つを示す。
【図11A】滅菌されたドレープを折畳んで包装した状態から開いてゆく過程におけるさまざまな段階のうち1つを示す。
【図11B】図11の線11B−11Bにほぼ沿った断面図である。
【図12】最初に滅菌されたドレープを配置したときの放射線シールドの正面図である。
【図13】図12に続いて滅菌されたドレープを放射線シールド上に組立てる様子を示しており、ドレープは縦方向に折畳まれた構成のままである。
【図14】放射線シールドおよび滅菌されたドレープの部分図であり、滅菌されたドレープのフラップのポケット内に肩部拡張部分が配置されている様子を示す。
【図14A】図14の線14A−14Aにほぼ沿った断面図である。
【図15】これから放射線シールドの周りに配置するために置かれている状態の、本発明の別の局面に従い構成された滅菌されたドレープの部分図である。
【図16】図15の滅菌可能なドレープの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在好ましい実施の形態の詳細な説明
図面をより詳しく参照して、図1および図2はそれぞれ、本発明のある局面に従い構成された可撓性の滅菌放射線シールドドレープの背面図および正面図である。以下ドレープ10と呼ぶ可撓性の滅菌放射線シールドドレープは、以下シールド12と呼ぶ放射線シールドの上に配置されており、ここで示されているシールドは開いた状態である。図3に示されているシールド12は、ユーザの胴の周りを周方向に包む構成で巻かれており、ドレープ10は、シールド12の形状に沿った状態を保つことにより、ユーザの体の輪郭に沿ってまたは実質的に沿って延びている。ドレープ10は、シールド12の上に下から上に向かって設置するプロセスにおいて配置されるように構成されており、このプロセスによって、ドレープ10を、ドレープの滅菌された外面の滅菌状態を損なうことなく、シールド12の形状に沿わせるまたは実質的に沿わせることができる。このように、ドレープ10がシールド12の形状に沿っているので、ユーザは、ドレープ10に邪魔されることなく最大限の動きを確保することができる。さらに、ドレープ10が可撓性であるので、シールド12は、あたかもドレープ10が存在しないかのように、妨害されずに全可動域を維持できる。加えて、ドレープ10は一体型の組立品として提供されるので、シールド12の周りに滅菌バリヤを設けるために取扱わねばならない構成部品の数を最小に保つことができる。
【0014】
図4〜図6から最もよくわかるように、シールド12は、全体として14で示されている本体を有し、その対向する上端および下端はそれぞれ上側端部16および下側端部18とも呼ぶ。側方向に離れている側部20、22は端部16と端部18との間に延在している。本体14は、たとえば図示のように懸垂機構によって支持することができ、この懸垂機構は、機能できる状態で上側端部16に取付けられ、シールド12はこの端部からその下側の自由端18まで束縛されることなく垂下している。本体14は、たとえば鉛または鉛で覆われた材料など、放射線に対するバリヤとして機能できる任意の適切な材料で構成することができ、本明細書にその全体を引用により援用する2008年4月7日に出願された米国特許出願第12/099,077号に開示されているような内部フレーム構造を有することができる。シールド12のこの内部フレーム構造は、水平方向に(床面に対してほぼ平行に)延びる折畳み可能な複数の部材として設けられ、これらを希望に応じてユーザが容易に折畳んで側部20および22を互いに向かって周方向に巻くことによりユーザの体の側部をシールド12で包むまたは実質的に包むことができる。これら折畳み可能な部材を、それぞれの車軸関節での摩擦によって折畳まれた状態を保つように、構成することができる。このため、これら折畳み可能な部材を折畳んだときまたは旋回させたときには、折畳み可能な部材は、図1、図2、図4、および図5に示されているように折畳み可能な部材を意図的に動かして開かれて広げられた状態にする適切な外力が作用するまで、所望の折畳まれた状態の向きを保つ傾向がある。したがって、これら折畳み可能な部材を、ユーザの希望に応じて、互いに向かって内側に折畳み、互いから離れるように外側に折畳むことにより、選択的に、シールド12をユーザの周りに巻き、ユーザの周りに巻かれていたシールド12を開くことができる。
【0015】
図4から最もよくわかるように、シールド12は、下側の幅拡大領域26から上向きに延びる上側の幅縮小領域24を有する。図3に示されるように、上側の幅縮小領域24は、ユーザの胸部または胸骨に沿いユーザの首領域に向かって上側端部16の中央部まで延びており、これにより、たとえば外科的処置中に必要となり得る十分かつ自由な腕の動きをユーザが行なえるようにすることを、意図している。シールド12の下側の幅拡大領域26は、一例として、側部20、22、下側端部18、および上側端部16の外側の部分を境界とする概ね均一的な矩形の形状を有している。下側の幅拡大領域26は、上記のように、概ね一方の側部20から他方の側部22まで延びる上記折畳み可能な部材を有しているので、下側の領域26を、ユーザの体の周りに、少なくとも部分的に周方向に折畳むまたは巻くことができる。
【0016】
シールド12はさらに、肩部拡張部分28とも呼ぶ、少なくとも1つの、ここで示すのは一対の、側方向に距離を置いて設けられた肩部シールド部またはカバーを含んでいてもよい。限定ではなく一例として、肩部拡張部分28は、ここでは本体14から分離されて上記懸垂機構の支持フレーム部材30から垂下する状態で支持されている。肩部拡張部分28は、適所にあるときには、ユーザの肩領域を覆いながらも、ユーザが十分柔軟にかつ自由に動くことができる状態を維持できるようにする。これは、肩部拡張部分28が、ユーザの肩および腕の動きに合わせて自由に動くことができるからである。肩部拡張部分28は、限定ではなく一例として、概ね三角形の形状として示され、各拡張部分28の一つの端または側部32は、支持フレーム部材30を収容するための差込部または細長いポケット34(図1および図4)を有する。
【0017】
ドレープ10は、図1〜図3、図11、および図11Aから最もよくわかるように、シールド12の本体14を収容するように構成された、全体として36で示されている本体と、相応の数のフラップとを含む。ここで示すフラップは、一対の、側方向に距離を置いて設けられ、シールド12の肩部拡張部分28を収容するように構成されたフラップ38である。フラップ38は、シールド12上にある肩部拡張部分28の個数分を収容するために設けられている。したがって、ドレープ10を、要望に応じて、1つのフラップを設けて、またはフラップを設けずに、構成できることが理解されるはずである。さらに、取扱を容易にするために、フラップ38を特に、全体として77で示される、たとえば適切な接着剤、テープ、固定具(たとえば面ファスナー)、または溶接継手によって、本体36に取付けることにより、ドレープ10を1つの材料として取扱うことができる。
【0018】
本体36は、概ね筒型で可撓性の壁40を有する。壁40は、滅菌された外面41と、シールド本体14を収容するのに適した大きさのキャビティ42を周方向に囲む滅菌された内面43とを有する。よって、壁40は、正面44とその反対の裏面46とを有し、これらを、継ぎ目がなく周方向に連続する1つの材料として一体的に形成してもよく、または、別々の材料を、たとえば、上側端部52と下側端部54との間に延び側方向に距離を置いて位置する側部48、50と、下側端部54とに沿って、互いに取付けてもよい。このように、正面44と裏面46は、最初に別々の材料として構成し、その後、たとえば熱溶接または適切な接着剤などを介して互いに装着されることによって、一続きの本体36を形成してもよい。さらに、要望に応じて、壁40を一枚の材料として構成し、これを折り曲げて両端を突き合わせた後綴じてもよいことが理解されるはずである。図11および図11Aから最もよくわかるように、ドレープ10をシールド12上に配置し易くするために、上側端部52は、最大限または実質的に最大限まで広げた状態でシールド12を収容するのに適した大きさの開口56を有する。この開口56は、上側端部52全体にわたって一方の側部48から他方の側部50まで延びている。ドレープ10をシールド12の周りに、取外しができる状態でかつ機能できる状態で固定するのを容易にするために、たとえば面ファスナーを構成するフックとループのうちの一方などの固定具55を複数、上側端部52の隣に取付ける。図示のように、たとえばこのような固定具55を5個、正面44の内側の部分に沿って取付け、このような固定具55を5個、裏面46の内側部分に沿って取付ける。固定具55に、取外しできる状態で取付けられるように構成された、対応する数の固定具または1つの細長い固定具57、たとえば面ファスナーを構成するフックとループのうちの他方が、シールド12の上端16の隣に設けられることが理解されるはずである。この固定具57は、シールド12上に直接設けてもよく、および/またはシールド12を支持するフレーム部材30上に設けてもよい。
【0019】
フラップ38は、肩部拡張部分28の形状と一致するまたは実質的に一致するよう、概ね三角形の形状を有するように構成される。フラップ38は、閉じた端部58とその反対側の開いた端部60とを有する概ね袋の形状である。開いた端部60は、肩部拡張部分28を収容するのに適した大きさの開口を提供する。
【0020】
ドレープ10を、下から上に向かって設置するプロセスにおいて、シールド12の上に配置し、ドレープ10の下側端部54をドレープの外面の中央部分から外すことによって、容易にシールド12を周方向に開いてシールド12の側部20、22をドレープ10の側部48、50と合わせるまたは実質的に合わせることができる。さらに、その後、図13に示されるように、シールド12を折畳んだ状態に保つクリップ68を解除することによって、シールド12を縦方向最大の長さまで開くことができる。このクリップ68は、ドレープ10で覆われているものの、クリップ68の操作によって簡単に外すことができる。
【0021】
図15および図16からわかるように、本発明の別の局面に従い構成されたドレープ110が示されている。ここでは同じ参照番号に100を加えたものを用いて同様の特徴を示す。ドレープ110は壁140を有し、上側の幅縮小領域70は、下側の幅拡大領域72から上に向かって延びている。上側の幅縮小領域70の形状は、シールド12の幅縮小領域24と一致または実質的に一致し、下側の幅拡大領域58の形状は、シールド12の幅拡大領域26と一致または実質的に一致している。開口160は、幅縮小領域56の上側端部152全体または実質的に全体にわたって延びているが、下側の幅拡大領域58の上側端部152にわたっては延びていない。このため、下側の幅拡大領域58の上側端部152は、本体136の正面144を裏面に装着することによって封止されたまたは閉じられた状態を保つ。このように、開口160を除いて、本体136の内側のキャビティ142は、外部環境から遮断されている。よって、シールド12を開口160を通してキャビティ142の中に配置するためには、開口160の幅がシールド12の幅拡大部分よりも小さいので、シールド12を折畳むことで巻いた構成にすることにより、シールド12を開口160を通して配置するようにしなければならない。このため、シールド12をキャビティ142内で配置する際には、シールド12を開き、広げた形にすることによって、シールド12をドレープ110の形状と一致させる。したがって、先のドレープ10の場合はドレープ材料がシールド12の幅縮小領域24と幅拡大領域25との間の接合部に形成された凹部を超えて延びるが、これとは異なり、ドレープ110はシールド12のこの領域においてシールド12の輪郭に沿うまたは実質的に沿う。他の点では、ドレープ110の上側端部116の構成がドレープ10の上側端部16と異なる点を除き、ドレープ110は上記ドレープ10とほぼ同じである。
【0022】
本発明の別の局面に従い、滅菌ドレープを、吊下げられた放射線シールドの周りに設ける方法が提供される。この方法は、上記参照番号で示された特徴を参照すると、図7〜図11に示されるように、滅菌されたドレープ10、110を滅菌パッケージから取出し、ドレープ10、110の一部を開くことを含む。最初にドレープ10、110を開く際、ユーザは、自身の手をポケット73の中に入れ腕を側方向に広げることによって、ドレープ10、110を幅方向に開く。このポケット73は、たとえば、上側端部52の周りで周方向に延びる壁40の裏返された自由端75によって与えられたものであって、対向する側部48、50の隣にあり、手のマーク76で明確に示されている。上側端部52は、全体的に79で示されている適切な接着剤または溶接継手などの固定機構を介して、その裏返された構成を保つ。次に、ドレープ10、110の上側端部52、152を、縦に折畳まれた状態のシールド12の下側端部の下に置く。ドレープ110を用いる場合、シールド12は周方向にも折畳まれて巻かれた構成である。次に、開口56、156をシールドの下側端部18と位置合わせした状態で、ドレープ10、110を引上げ、その上側の部分を長さ方向に開く。この上側の部分は、たとえば固定具74よりも上で延在する、ドレープ10、110の長さの約2分の1の部分である。固定具74は、ドレープ10、110の下側端部54、154を、上側の端部52と下側の端部54との間に位置するドレープ本体14、114のほぼ中央の部分または領域に、取外すことができる状態で、固定する。同時に、ドレープ10、110の下側の部分は、固定具74を対向する側部48、50上に配置することによって、長さ方向に折畳まれた状態で維持する。したがって、ドレープ10、110をシールド12の周りで組立てている間、ドレープ10、110の折畳まれた下側端部54、154を、滅菌手術領域の中で保持するのは容易である。この滅菌手術領域は一般的に、手術台の高さから上の領域であり、この手術台よりも下のゾーンは一般的には滅菌されていないと考えられる。次に、ドレープ10、110の上側の端部52、152をシールド12の周りに引上げ、それぞれの固定具55、57を互いに固定することによって、上側端部52、152を、シールド12の上側端部16の周りの所望の固定場所で維持する。
【0023】
次に、ドレープ10、110を固定具55、57によってシールド12の周りの適所で保持した状態で、固定具74、174を、たとえば固定具を引き剥がすことなどによって外すことにより、下側端部54、154を、その折畳まれた位置から解放する。そうすると、下側端部54、154が、広げたときの最大の長さまで自然に垂れ下がることによって、残りの、滅菌状態のままの滅菌外面41を開く。次に、クリップ68を外すことによってシールド12をその全長まで開くことにより、シールド12の下側端部18がドレープ10、110の完全に閉じられた下部分の中に垂れ下がるようにする。
【0024】
次に、図14から最もよくわかるように、シールド12に肩部拡張部分28が設けられている場合は、この部分を、ドレープ10、110の対応するフラップ38内に配置する。
【0025】
上記教示に照らせば本発明には数多くの修正例および変形例があることは明らかである。したがって、続く請求項の範囲の中で、具体的に記載されたのと異なるやり方で本発明を実施し得ることが理解されるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上端の支持部から垂下して下部自由端まで延在する放射線シールドの周りに配置されるように構成された滅菌放射線シールドドレープであって、前記放射線シールドドレープは、
上側端部と下側端部との間で延在する滅菌された外面と内面とを有する周方向に連続する壁を備え、前記内面は、前記放射線シールドを収容するのに適した大きさのキャビティを周方向に囲み、前記上側端部は、前記上側端部に沿って延在する少なくとも1つのポケットを提供する裏返された縁端部を有し、
前記上側端部に隣接する少なくとも1つの固定具をさらに備え、前記少なくとも1つの固定具は、前記周方向に連続する壁を、前記放射線シールドの周りで、取外し可能な状態で固定するように構成される、滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項2】
前記周方向に連続する壁の前記下側端部は閉じられている、請求項1に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項3】
前記周方向に連続する壁は複数の前記ポケットを有する、請求項1に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項4】
前記裏返された縁端部は、その裏返された構成の状態で、前記周方向に連続する壁の前記外面に固定される、請求項1に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項5】
前記周方向に連続する壁の前記下側端部を、前記上側端部と前記下側端部との間に位置する前記外面の領域に、取外し可能な状態で固定する、少なくとも1つの固定具をさらに備える、請求項1に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項6】
前記周方向に連続する壁の前記上側端部に隣接して装着された少なくとも1つのフラップをさらに備え、前記フラップは、前記キャビティから外に向かって延在し、前記放射線シールドの肩部シールド部分を収容するように構成されたポケットを提供する、請求項1に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフラップは、前記周方向に連続する壁の対向する側部に沿って延在する1対の前記フラップを含む、請求項6に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項8】
前記上側端部は第1の幅を有し前記下側端部は第2の幅を有し、前記第1の幅は前記第2の幅よりも小さい、請求項1に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項9】
前記第1の幅は前記放射線シールドの幅よりも小さい、請求項8に記載の滅菌放射線シールドドレープ。
【請求項10】
放射線シールドと滅菌放射線シールドドレープとの組合せであって、前記放射線シールドは対向する上端と下端とを有し、前記放射線シールドの対向する側部が前記上端と前記下端との間で延在し、前記放射線シールドドレープは、
上側端部と下側端部との間で延在する滅菌された外面と内面とを有する周方向に連続する壁を備え、前記内面は、前記放射線シールドを収容するのに適した大きさのキャビティを周方向に囲み、前記上側端部は、前記上側端部に沿って延在する少なくとも1つのポケットを提供する裏返された縁端部を有し、
前記上側端部に隣接する少なくとも1つの固定具をさらに備え、前記少なくとも1つの固定具は、前記周方向に連続する壁を、前記放射線シールドの周りで、取外し可能な状態で固定するように構成される、組合せ。
【請求項11】
前記周方向に連続する壁の前記下側端部は閉じられている、請求項10に記載の組合せ。
【請求項12】
前記周方向に連続する壁は複数の前記ポケットを有する、請求項10に記載の組合せ。
【請求項13】
前記裏返された縁端部は、その裏返された構成の状態で、前記周方向に連続する壁の前記外面に固定される、請求項10に記載の組合せ。
【請求項14】
前記周方向に連続する壁の前記下側端部を、前記上側端部と前記下側端部との間に位置する前記外面の領域に、取外し可能な状態で固定する、少なくとも1つの固定具をさらに備える、請求項10に記載の組合せ。
【請求項15】
前記周方向に連続する壁の前記上側端部に隣接して装着された少なくとも1つのフラップをさらに備え、前記フラップは、前記キャビティから外に向かって延在し、前記放射線シールドの肩部シールド部分を収容するように構成された、前記キャビティとは別のポケットを提供する、請求項10に記載の組合せ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのフラップは、前記周方向に連続する壁の対向する側部に沿って延在する1対の前記フラップを含む、請求項15に記載の組合せ。
【請求項17】
前記周方向に連続する壁の前記上側端部は第1の幅を有し前記周方向に連続する壁の前記下側端部は第2の幅を有し、前記第1の幅は前記第2の幅よりも小さい、請求項10に記載の組合せ。
【請求項18】
前記第1の幅は前記放射線シールドの最大幅よりも小さい、請求項17に記載の組合せ。
【請求項19】
前記シールドの前記側部は、互いに向かって周方向に巻くことで既知の直径を有する巻かれた構成にすることができ、かつ、前記巻かれた構成を外に向かって広げることで前記側部と側部の間で延在する既知の最大幅を有する広げられた構成にすることができ、前記周方向に連続する壁の前記上側端部は、前記放射線シールドが前記巻かれた構成の状態のときに前記放射線シールドを通して収容するのに適した大きさの開口を有する、請求項18に記載の組合せ。
【請求項20】
滅菌面を吊下げられた放射線シールドの周りに設ける方法であって、
上側端部と下側端部との間に延在し周方向に連続する可撓性の壁を与えるステップを含み、前記壁は、滅菌された外面と、前記吊下げられた放射線シールドを収容するのに適した大きさのキャビティを囲む内面とを有し、
少なくとも1つの固定具を前記上側端部の隣に装着するステップと、
前記可撓性の壁の前記上側端部を、滅菌手術領域の中で、前記吊下げられた放射線シールドの下に置くステップと、
前記可撓性の壁の前記上側端部を前記吊下げられた放射線シールドの周りで引上げることによって、前記吊下げられた放射線シールドを前記可撓性の壁の前記キャビティの中に配置するステップと、
前記少なくとも1つの固定具を前記吊下げられた放射線シールドに対して固定することにより、前記可撓性の壁を、前記吊下げられた放射線シールドの周りで固定された関係で維持するステップとを含む、方法。
【請求項21】
前記可撓性の壁の前記上側端部に隣接して前記上側端部に沿って延在する少なくとも1つのポケットを提供する裏返された縁端部を形成するステップと、前記可撓性の壁を、前記少なくとも1つのポケットに手を入れることによって引上げるステップとをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記可撓性の壁の前記下側端部を前記滅菌手術領域の中で維持しながら前記吊下げられた放射線シールドを前記可撓性の壁の前記キャビティの中に配置するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記吊下げられた放射線シールドを前記キャビティの中に配置する前に、前記可撓性の壁の前記下側端部を、前記上側端部と前記下側端部との間に位置する前記外面の領域に、固定具によって、取外し可能な状態で固定するステップと、前記固定具を、前記少なくとも1つの固定具を前記吊下げられた放射線シールドに対して固定した後、外すステップとをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ポケットを有する少なくとも1つのフラップを、前記可撓性の壁の前記上側端部の隣に装着するステップと、前記放射線シールドの肩部シールド部分を前記ポケットの中に配置するステップとをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
第1の幅を有する前記可撓性の壁の前記上側端部を与えるステップと、第2の幅を有する前記可撓性の壁の前記下側端部を与えるステップとをさらに含み、前記第1の幅は前記第2の幅よりも小さい、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記放射線シールドの幅よりも小さい前記第1の幅を与えるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記放射線シールドの対向する側部を互いに向かって巻くことにより、前記放射線シールドが、前記可撓性の壁の前記上側端部の開口を通るようにするステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記放射線シールドを前記可撓性の壁の前記キャビティの中に配置した後、前記放射線シールドの前記対向する側部を開くステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図14A】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2013−517070(P2013−517070A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549149(P2012−549149)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2011/021516
【国際公開番号】WO2011/088445
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512186759)コンター・ファブリケーターズ・インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CONTOUR FABRICATORS, INC.