説明

漁労装備投縄装置

【課題】別途動力源を備えずに筌を海中に投入できるだけでなく、全ての作業の自動システム化を図って経済性を改善した漁労装備投縄装置を提供すること。
【解決手段】幹縄をガイドするフライウィールと、フライウィールの一側に連結された駆動軸、及び減速機を含む動力伝達部と、減速機の出力端上部に回転可能に結合される作動円板、作動円板の上面縁に一定間隔に配置され、筌連結フックを装着して前記筌連結フックの開閉作動を誘導する複数の開閉手段、及び前記作動円板の上部に前記作動円板とともに回転するように備えられ、前記各々の筌連結フックと連結された複数の筌が安着される筌据え置き台を含む筌供給部と、前記幹縄の排出を案内する排出ロールが設けられたロープ排出部とを基本構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は漁労装備投縄装置(FISHING DEVICE THROWING MACHINE)に関するものであって、更に詳しくは、筌を含めた各種漁労装備の自動投擲が可能であり、作業量と作業人員を大幅減らすことができる漁労装備投縄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
漁労装備とは、一般的にウナギ、ワタリガニ、テナガダコ、ミズダコ、更にその他の海生物を取る時に使用される筌、壺、魚網などを指すものであって、本発明において、漁労装備は筌を例にして説明する。
【0003】
このような筌は、漁獲しようとする対象によって様々な形状や構造を有し、よく知られているように、筌はメインロープ(幹縄)に一定間隔に釣り下げて海底に沈降させ、一定の時間が経った後、引揚機で引き揚げ、メインロープから分離する。
【0004】
メインロープ(幹縄)に筌を一定間隔に釣り下げて海底に投入させる筌投縄作業においては、短い時間の間、多くの筌を幹縄に縛って海中に投入しなければならないため、一般的に多くの人が筌を縛る作業に投入されている実情である。
【0005】
更に、従来は前記筌を縛る作業以外にも筌を運搬し供給する人、筌を釣り下げた幹縄を海中に投入させる人など、多くの人力が筌投縄作業に投入しなければならなかったため、人件費が非常に高くなる問題があった。
【0006】
これにより、今まで筌投縄作業を自動化するための様々な開発がなされてきたが、設計上の困難さや高いコストの投入による問題で、開発が容易ではない問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、別途動力源を備えずに、自動に筌を海中に投入することができるだけでなく、全ての作業を自動システム化して作業人員を最小化することにより、経済性が高くなる漁労装備投縄装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的のために、本発明は、船舶が前進する速度を用いて幹縄が自動に海中にほぐれていくようにし、同時に幹縄がほぐれることによる引っ張り力を用いて筌供給部を駆動させるように構成される。
このようにして、本発明は別途動力源を備えずに筌供給部を作動させ、幹縄とともに筌を海中に投入することができるようになる。
【0009】
更に具体的に、本発明の漁労装備投縄装置は、船舶が前進する速度により幹縄が海中にほぐれていくことによる引っ張り力を動力源にし、前記ほぐれる幹縄をガイドするフライウィールと、前記フライウィールの一側に連結された駆動軸、及び前記駆動軸と作動上連結される減速機を含む動力伝達部と、前記減速機の出力端上部に回転可能に結合される作動円板、前記作動円板の上面縁に一定間隔に配置され、筌連結フックを装着して前記筌連結フックの開閉作動を誘導する複数の開閉手段、及び前記作動円板の上部に前記作動円板とともに回転するように備えられ、前記各々の筌連結フックと連結された複数の筌が安着される筌据え置き台を含む筌供給部からなる。
【0010】
前記開閉手段は、筌連結フックが装着されるフック装着溝と、前記フック装着溝の前方から前記筌連結フックのスリーブ部材を押圧する加圧台、及び前記フック装着溝の後方から前記筌連結フックの後端を支持する支持台を含み、前記加圧台は前記筌連結フックのスリーブ部材を押圧するために前記スリーブ部材のヘッド部が係止状態で安着される安着溝を備え、前記開閉手段の下端を通過して延びた加圧軸に連結されてバネに弾止された状態で保持され、前記加圧軸の他端に回転可能に備えられた回転ロールを含む構成である。
【0011】
前記作動円板の外側には、前記回転ロールと密着しながらその移動を案内するスライド部材が備えられ、前記スライド部材の内径は前記作動円板の中心との距離が段々と短くなるように形成し、前記回転ロールが進入する部分で前記距離が一番長く、前記回転ロールが抜け出る部分で前記距離が一番短いように形成し、前記作動円板と対応する前記スライド部材の外側には前記幹縄の排出を案内する排出ロールが設けられたロープ排出部を更に含み、前記排出ロールの中間部には幹縄が通過する通過溝が形成され、前記スライド部材の長さは前記通過溝の後方で終わるように構成することが望ましい。
【0012】
前記筌据え置き台は、中央の支持軸を中心としてその周りに形成された一つ以上のプレートからなり、前記中央の支持軸が前記作動円板の中心軸を通して前記減速機の出力端と連結され前記作動円板と同時に回転可能に構成する。
好ましくは、前記プレートは前記支持軸を中心として上下の複数が備えられ、各プレートの外周先端には筌を据え置くための複数の差込凹部が一定間隔に離隔されて形成され、下部のプレートを上部のプレートより大きく形成して据え置かれた各々の筌が傾斜した状態をなすように構成する。
更に好ましくは、前記筌は所定長さを有する円筒型のウナギ筌であって、これらの各々の筌はひっくり返されて前記筌連結フックと連結された状態で前記差込凹部に据え置かれる。
【0013】
本発明の漁労装備投縄装置の他の実施例であって、前記筌据え置き台は各々の開閉手段の上部に結合され、また前記筌据え置き台は両方側方向に保護壁を形成し、前後方向には筌の転がり防止のための係止凸を形成して、その内側に筌が安着される空間部を形成した構成で提供する。
【0014】
好ましくは、前記筌は直径が大きく高さが低い円筒型のワタリガニ筌であって、前記筌据え置き台の空間部に立てられた状態に据え置かれる。
【発明の効果】
【0015】
以上のような構成から、本発明の漁労装備投縄装置は、別途動力手段を備えずに筌の投縄が可能となり、更に、作業システムが殆ど自動化されるため、作業量と人件費を大幅節減することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の漁労装備投縄装置の構造を更に詳しく説明する。
【0017】
[実施例]
図1は、本発明の漁労装備投縄装置の分解斜視図であり、図2は、図1の漁労装備投縄装置の組立て及び設置状態図であり、図3は、図1に示した筌供給部の組立て状態を示した平面図である。
【0018】
本発明の漁労装備投縄装置は、幹縄がほぐれていくことによる引っ張り力を動力源にし、このような引っ張り力は動力伝達部100を経て筌供給部200に伝達される。
本発明において動力伝達部100は幹縄1をガイドするフライウィール110と、前記フライウィールに連結される駆動軸120、及び前記駆動軸と作動上連結される減速機130を含む。
【0019】
駆動軸120と減速機130の連結は、前記駆動軸120の出力端に備えられる駆動ギア121と前記減速機130の入力端に備えられる被動ギア131とが噛み合わされてなる。
前記減速機130の上部出力端132には前記筌供給部200が回転可能に備えられる。
【0020】
筌供給部200の回転は、次のような過程で行われる。
【0021】
まず、フライウィール100を通して案内される幹縄1の引っ張り力により、前記フライウィール110が回転して駆動軸120を回転させ、駆動軸120の回転力は前記噛み合わされた駆動ギア121と被動ギア131とを通して減速機130を経た後、筌供給部200を回転させるようになる。
【0022】
図2において、未説明の符号102はギアケーシングを示す。
【0023】
フライウィール110は、その縁部に幹縄1を案内するガイド溝112が形成され、幹縄1は前記ガイド溝112に嵌合された状態で排出される。
【0024】
また、駆動軸120と対応する前記フライウィール110の他側方向には、ロープ排出部300が設けられる。
ロープ排出部300は幹縄1を海に排出させる排出ロール310が上部に設けられ、幹縄1の円滑な供給のために前記フライウィール110の入口側に幹縄掛け台320が備えられ、出口側には上部の排出ロール310に向かって幹縄1を案内する案内ロール330が備えられる。
【0025】
幹縄掛け台320は、図1乃至図2に示すように、幹縄1を掛けやすいよう、一側が開放された輪状に構成することが望ましい。
また、排出ロール310は中間部の縁面に幹縄1が通過する通過溝311が形成されることが望ましい。
【0026】
図1と図3によると、筌供給部200は、筌連結フック10の開閉作動を誘導する複数の開閉手段210と、このような開閉手段が回転方向に順番に設けられる作動円板220を含む。
各々の開閉手段210は筌連結フック10が装着されるフック装着溝211を中心としてその前方に前記筌連結フック10のスリーブ部材11を押圧する加圧台212が備えられ、後方には前記筌連結フック10のシャフト12の後端を支持する支持台213が備えられる。
加圧台212の上部にはスリーブ部材11を押圧するために前記スリーブ部材11のヘッド部が係止状態に安着される安着溝212aが備えられる。
図3によると、各々の開閉手段210において、フック装着溝211と加圧台212、そして支持台213は、作動円板220の円周左方に位置することが望ましい。
【0027】
加圧台212は、前記開閉手段210の下部に延びた加圧軸214の前端にバネ215によって弾支された状態で備えられ、加圧軸214は前記開閉手段210の下部を通過し、他端に回転ロール216が設けられる。
この回転ロール216に対応して前記作動円板220の外側には前記回転ロール216と密着しながらその移動を案内するスライド部材230が備えられる。
【0028】
前記スライド部材230は、作動円板220とは別に、本発明装置の底に固定した状態で提供され、前記作動円板220と対向する内面は、所定の曲率を有するように構成される。
好ましくは、前記スライド部材230は作動円板220の中心から偏心して設けられ、これにより前記作動円板220の中心との距離が段々と短くなって、回転ロール216の進入部で距離t2が一番大きく、回転ロール216が抜け出る端部で距離t1が一番短いように構成される(図5参照)。
一方、スライド部材230の端部は幹縄1が通過する排出ロールの通過溝311の後方に位置することが望ましい。
【0029】
スライド部材230の上記のような配置は、前記作動円板220の回転とともに回転ロール216がスライド部材230の進入部から端部方向に移動できるように、前記スライド部材230の内径により回転ロール216が作動円板220の中心方向に段々と引っ張られるようにし、加圧軸214に連結された加圧板212は筌連結フック10のスリーブ部材11を押圧することができるようになる。
【0030】
筌供給部200はまた、回転方向に複数の筌20が安着される筌据え置き台240を含む。
図2に示された筌据え置き台240は本発明の一実施例であって、ウナギ取り用の筌20を据え置くようにした構造である。
図面によると、前記筌据え置き台240は、ウナギ筌20を据え置くために中央の支持軸241を中心として上下離隔された複数のプレート242,243を備えて、これれの上下プレートの外周先端には、前記筌20を据え置くために一定間隔に複数の嵌め凹部244,245が形成される。
【0031】
図2の筌据え置き台240において、ウナギ筌20はひっくり返され、筌連結フック10と連結された状態に据え置かれる。
更に安定的に据え置くために、好ましくは、下部のプレート243を上部のプレート242より大きく形成してウナギ筌20が傾斜をなすようにする。
【0032】
本発明において、筌据え置き台240は支持軸241の下端を前記作動円板220の中心軸221に嵌めて固定することができる。
【0033】
ロープ排出部300は、幹縄1に連結された筌連結フック10を前記開閉手段210から引き出すための持ち上がり台315を更に備える。
このような持ち上がり台315は、作動円板220の回転方向に沿って旋回する前記筌連結フック10の端部が当って上方向に持ち上げられるように傾斜して構成され、前記作動円板220の円周方向に、前記開閉手段210の外側に位置されることが望ましい。
更に望ましくは、前記持ち上がり台315は、幹縄1の排出とともに筌連結フック10の引き出しが円滑に行われるよう、前記幹縄1が排出されるロープ排出側に位置される。
【0034】
図2において、未説明の符号2は連結紐を示し、未説明の符号246は傾斜支持台を示す。
【0035】
次に上記のような構成を有する本発明の漁労装備投縄装置の作動を説明する。
【0036】
図4は、図1による漁労装備投縄装置の設置及び使用状態図であり、図5は、図2による筌供給部の作動過程を示す図面である。
【0037】
上述したように、本発明の漁労装備投縄装置は、船舶の前進により幹縄が自然にほぐれる力を用いるものであって、図4によると、本発明の漁労装備投縄装置において、幹縄1はフライウィール110のガイド溝112に沿って案内され、案内ロール330と排出ロール310とを経て海中に投入される。
この際、船舶が前進する速度によって幹縄1上には海側に引っ張られる強力な力が作用し、このような力はフライウィール110を回転させ、駆動軸120と減速機130を通して筌供給部200を作動させるようになる。
【0038】
筌供給部200は、作動円板220の上面に円周方向に複数の開閉手段210が装着され、筌据え置き台240には複数の筌20が据え置かれて提供される。
また、前記各開閉手段210には筌20と連結された筌連結フック10が装着された状態に提供される。
【0039】
前記駆動軸120と減速機130とを通して筌供給部200に伝達された力は、作動円板220を回転させるようになり、前記作動円板220の回転によって、前記開閉手段210の下部に位置した回転ロール216はスライド部材230の内径に沿って進入する。
【0040】
図5において、スライド部材230は回転ロール216が進入する進入部から端部方向に行くほど、作動円板220の中心からスライド部材230の内径までの距離が段々と短くなる構造であるため、回転ロール216がスライド部材230の内径に沿って進行する間、開閉手段210の下部に位置した加圧軸214を段々と引っ張るような作用をする。
また、前記回転ロール216が継続的に進行してスライド部材230の端部に至った時、前記距離t1は一番短い状態にあり、前記加圧軸214を引っ張る作用は最大となる。
【0041】
図6は、図5に示された筌供給部の第1作動状態図であって、スライド部材230の進入部における開閉手段及び筌連結フックの作動状態を示したものである。
図6によると、前記回転ロール216がスライド部材230の進入部に位置した状態では、加圧軸214を引っ張る作用が発生せず、開閉手段に装着された筌連結フックの状態にも何ら変化がない。
【0042】
図7は、図5に示した筌供給部の第2作動状態図であって、スライド部材230の端部における開閉手段及び筌連結フックの作動状態を示したものである。
図7によると、前記回転ロール216がスライド部材230の端部に位置した状態では、加圧軸214を引っ張る力が最大に作用し、加圧板212が筌連結フック10のスリーブ部材11を押圧して前記スリーブ部材230が完全に後進する。
この際、筌連結フック10は、シャフト12のヘッド部13は完全に露出され、前記ヘッド部13に形成された輪溝14に幹縄が嵌められる状態となる。
【0043】
図8は、図7の作動段階以後に行われる筌供給部における筌連結具の排出過程を示したものであって、図7に引き続き、筌供給部200で作動円板220は回転を続き、回転ロール216がスライド部材230の端部を離脱すると、前記加圧軸214を引っ張って筌連結フック10のスリーブ部材11を押圧していた力は解除される。
この際、前記スリーブ部材11は、図6の状態に再び前進し、筌連結フック10が図8aに示したように幹縄1に連結される。
このように、幹縄1に連結された筌連結フック10は、作動円板220が回転を続くことにより、前記シャフト12のヘッド部13がロープ排出側に位置していた持ち上がり台315に沿ってスライディングして持ち上げられて、図8bに示したように各々の開閉手段210から引き出され、それと同時に筌連結フック10は幹縄1に引っ張られて海中に排出される。
【0044】
一方、幹縄1は、連結された筌連結フック10の流動間隔を提供するためにその表面に複数の結び目部1aを所定間隔に形成することができ、各々の筌連結フック10は、好ましくは、このような結び目部1aの間隔内で自由に流動するよう、前記幹縄1に連結される。
これは、幹縄1が筌連結フック10の輪溝14を自由に通過するように連結され、前記結び目部1aは前記筌連結フック14の輪溝14を通過できず、掛かることを意味する。
【0045】
従って、海中に投入される幹縄1は、前記結び目部1aが掛かることによって各々の開閉手段210から筌連結フック10を引き出すことができるようになり、前記各々の結び目部1aが互いに間隔をおいて離隔されているため、作動円板220の回転速度に合わせた筌連結フック10の円滑な排出のためには、ロープ排出側に前記のような持ち上がり台315を設けることが望ましい。
【0046】
図9は、図1の漁労装備投縄装置に備えられるフライウィール110の構成と組み立て構造を示したものであって、本発明においてフライウィール110は駆動軸120の一端部に着脱可能に備えられる。
また、フライウィール110は内板113と外板114とに分離可能な構造でなり、前記内板113と外板114との間には、相異した厚さの間隔部材115を選択的に介在し、前記内板113と外板114との間のガイド溝112の幅を調整できるように構成する。
このようにガイド溝112の幅を調整して、前記幹縄1に連結される筌連結フック10の設置間隔を調節することができるのである。
【0047】
図9a及び図9bにおいて未説明の符号111はフランジを示す。
また、未説明の符号111a,111b,113a,113b,114a,114b,115a及び115bは、各々ボルト孔を示し、符号116a,116bは締結ボルトを示す。
【0048】
[他の実施例]
図10は、本発明の漁労装備投縄装置の他の実施例を示した斜視図であり、図11は、図10による漁労装備投縄装置の組み立て状態を示した平面図である。
【0049】
図10及び図11に示した漁労装備投縄装置は、ワタリガニ用筌30を使用するための構造を例示したものであって、本実施例において動力伝達部100’及びロープ排出部300は図1及び図2に示したものと基本的に同一な構成を有する。但し、ワタリガニ用筌30の場合、ウナギ用筌より大きいため、動力伝達部100’において駆動軸120の長さが多少長くなる点で差異がある。
【0050】
従って、前記図1及び図2に示した構成要素と同一な部分に対しては同一な符号を付与して説明し、以下には筌供給部200の構造上の差異と作動関係を中心に説明する。
【0051】
図10及び図11によると、筌供給部200’は筌連結フック10の開閉作動を誘導する複数の開閉手段210と、このような開閉手段が回転方向に順番に設けられる作動円板220’を含む。
各々の開閉手段210は筌連結フック10が装着されるフック装着溝211を中心として、その前方に前記筌連結フック10のスリーブ部材11を押圧する加圧台212が備えられ、後方には前記筌連結フック10のシャフト12の後端を支持する支持台213が備えられる。
加圧台212の上部には、スリーブ部材11を押圧するために前記スリーブ部材11のヘッド部が係止状態に安着される安着溝212aが備えられる。
【0052】
前記加圧台212は、前記開閉手段210の下部に延びた加圧軸214の前端にバネ215により弾止された状態で備えられ、加圧軸214は前記開閉手段210の下部を通過して他端に回転ロール216が設けられる。
【0053】
この回転ロール216に対応して前記作動円板220’の外側には、前記回転ロール216と密着しながらその移動を案内するスライド部材230が図1及び図2のように備えられ、それにより回転ロール216がスライド部材230の進入部から端部方向に移動するほど、スライド部材230の内径により回転ロール216が段々と引っ張られるような作用がなされ、加圧軸214により連結された加圧板212は筌連結フック10のスリーブ部材11を押圧することができるようになる。
【0054】
本実施例において、各々の開閉手段210の上部には、筌30が安着される筌据え置き台240’が結合される。
図10及び11によると、ワタリガニ用筌30は相対的に直径が大きく高さが低い形態の円筒構造であって、本実施例において筌据え置き台240はワタリガニ用筌30が転がって排出されるよう、立てて据え置く。
これに、前記筌据え置き台240’は立てられたワタリガニ用筌30の側方向に保護壁247を形成し、前後方向には転がり防止のための係止凸248を形成し、内部に筌のたけの安着空間249を形成する。
【0055】
図12は、図10の筌連結具供給台を備えた本発明による筌投縄装置の設置及び使用状態を示した正面図である。
【0056】
図10及び図11のような構成を有する本発明の漁労装備投縄装置において、幹縄1は船舶の前進速度によりフライウィール110のガイド溝112に沿って案内され、案内ロール330と排出ロール310を経て海中に投入される。
この際、船舶が前進する速度により、幹縄1上には海側に引っ張られる強力な力が作用し、このような力はフライウィール110を回転させ、駆動軸120と減速機130とを通して筌供給部200’を作動させる。
【0057】
筌供給部200’は、作動円板220の上面に円周方向に複数の開閉手段210が装着され、各々の開閉手段210の上部には筌据え置き台240’が結合され、筌30が据え置かれた状態に提供される。
また、各々の開閉手段210には、前記筌30と連結された筌連結フック10が装着された状態に提供される。
【0058】
前記駆動軸120と減速機130とを通して筌供給部200’に伝達された力は、作動円板220’を回転させるようになり、前記作動円板220’の回転によって、前記開閉手段210の下部に位置した回転ロール216がスライド部材230の内径に沿って進入する。
回転ロール216の進行による開閉手段210の作動は、図5乃至図7に対する説明部分と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0059】
一方、前記回転ロール216がスライド部材230の端部に至ると、加圧板212が筌連結フック10のスリーブ部材230を後進させ、筌連結フック10のシャフト12のヘッド部13が露出され、前記ヘッド部13に形成された輪溝14に幹縄が嵌められる。
引き続いて作動円板220’が回転することにより前記回転ロール216はスライド部材230の端部から離脱し、スリーブ部材230が再び前進して前記筌連結フック10が幹縄1を留める。
【0060】
この際、筌30は海に投入される幹縄1に引っ張られて筌据え置き台240’から外され、幹縄1とともに海中に投入される。
【0061】
以上説明したように、本発明の漁労装備投縄装置は、船舶が前進する速度によって幹縄が海中に投入されることによる引っ張り力を用いるものであって、このような幹縄の引っ張り力がフライウィールを回転させ、駆動軸と減速機とを経て筌供給部を作動させることになる。
【0062】
従って、本発明は別途動力手段を備えずに筌の投縄が可能となり、更に、作業システムが殆ど自動化されるため、作業量と人件費を大幅節減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の漁労装備投縄装置の構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1の漁労装備投縄装置の組立て及び設置状態を示した斜視図である。
【図3】図1による筌供給部の組立て状態を示した平面図である。
【図4】図1の漁労装備投縄装置の設置及び使用状態を示した正面図である。
【図5】図2による筌供給部の作動過程を示した平面図である。
【図6】図5による筌供給部の第1作動状態を示した側面図である。
【図7】図5による筌供給部の第2作動状態を示した側面図である。
【図8a】図7の状態以後に行われる筌供給部における筌連結具の排出過程を示した状態図である。
【図8b】図7の状態以後に行われる筌供給部における筌連結具の排出過程を示した状態図である。
【図9a】図1の漁労装備投縄装置に備えられるフライウィールの構成と組み立て構造を示した断面図である。
【図9b】図1の漁労装備投縄装置に備えられるフライウィールの構成と組み立て構造を示した断面図である
【図10】図1に示した筌供給部の他の実施例を示した斜視図である。
【図11】図10による筌供給部の組み立て状態を示した平面図である。
【図12】図10の筌供給部を有する本発明による漁労装備投縄装置の設置及び使用状態を示した正面図である
【符号の説明】
【0064】
100,100’:動力伝達部
110:フライウィール
112:ガイド溝
113:内板
114:外板
115:間隔部材
120:駆動軸
121:駆動ギア
130:減速機
131:被動ギア
210:開閉手段
211:フック装着溝
212:加圧台
212a:安着溝
213:支持台
214:加圧軸
215:バネ
216:回転ロール
200、200’:筌供給部
220、220’:作動円板
221:中心軸
230:スライド部材
240、240’:筌据え置き台
242、243:プレート
244、245:差込凹部
246:傾斜支持台
247:保護壁
248:係止凸
249:安着空間
300:ロープ排出部
310:排出ロール
311:通過溝
315:持ち上がり台
320:幹縄掛け台
330:案内ロール
1:幹縄
2:連結紐
10:筌連結フック
11:スリーブ部材
12:シャフト
13:ヘッド部
14:輪溝
20、30:筌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転動力を伝達する駆動軸を含む動力伝達部と、
前記伝達された回転動力により旋回して筌が連結された各々の筌連結フックの開閉作動を誘導する複数の開閉手段を含む筌供給部とを備えた漁労装備投縄装置。
【請求項2】
前記動力伝達部は、海中に投入される幹縄をガイドし、前記幹縄の引っ張り力から回転力を発生させるフライウィールを含むことを特徴とする請求項第1項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項3】
前記筌供給部は、前記駆動軸の一側に回転可能に連結される作動円板を更に含み、前記複数の開閉手段は、前記作動円板の上面縁に一定間隔に配置されたことを特徴とする請求項第2項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項4】
前記駆動軸の一端に前記フライウィールが備えられ、他端に前記駆動軸と作動上連結される減速機が備えられたことを特徴とする請求項第3項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項5】
前記フライウィールの縁端部に前記幹縄が嵌合され案内されるガイド溝が形成されたことを特徴とする請求項第4項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項6】
前記ガイド溝は、相互分離可能な内板及び外板からなり、前記駆動軸に着脱可能に結合され、前記内板と外板との間に相異した厚さの間隔部材を選択的に介在して前記ガイド溝の幅を調整することによって、前記幹縄に対する筌連結フックの設置間隔が調節されるようにしたことを特徴とする請求項第5項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項7】
前記作動円板の上部に、前記各々の筌を装着し、前記作動円板とともに回転するように結合された筌据え置き台を更に含むことを特徴とする請求項第6項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項8】
前記作動円板は、前記減速機の上部に引き出された回転出力端に連結されることを特徴とする請求項第7項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項9】
前記複数の開閉手段は、筌連結フックが装着されるフック装着溝と、前記フック装着溝の前方から前記筌連結フックのスリーブ部材を押圧する加圧台、及び前記フック装着溝の後方から前記筌連結フックの後端を支持する支持台を含み、
前記加圧台は、前記筌連結フックのスリーブ部材を押圧するために前記スリーブ部材のヘッド部が係止状態で安着される安着溝を備え、前記開閉手段の下端を通過して延びた加圧軸に連結されてバネにより弾止された状態で保持され、前記加圧軸の他端に回転可能に備えられた回転ロールを含み、
前記作動円板の外側には、前記回転ロールと密着しながらその移動を案内するスライド部材が備えられたことを特徴とする請求項第8項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項10】
前記スライド部材の内径は前記作動円板の中心との距離が段々と短くなるように形成し、前記回転ロールが進入する部分で前記距離が一番長く、前記回転ロールが抜け出る部分で前記距離が一番短いことを特徴とする請求項第9項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項11】
前記作動円板と対応する前記スライド部材の外側には前記幹縄の排出を案内する排出ロールが設けられたロープ排出部を更に含み、前記排出ロールの中間部には幹縄が通過する通過溝が形成され、前記スライド部材の長さは前記通過溝の後方で終わることを特徴とする請求項第10項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項12】
前記ロープ排出部は、前記幹縄に連結された筌連結フックを前記開閉手段から持ち上げて引き出すように上方向に傾斜した持ち上がり台を備えることを特徴とする請求項第11項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項13】
前記持ち上がり台は、前記幹縄の排出方向に対応して前記作動円板の円周方向に前記開閉手段の外側に位置することを特徴とする請求項第12項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項14】
前記幹縄は、その表面に所定間隔に複数の結び目部が形成され、前記筌連結フックは前記結び目部の間隔内で自由に流動するように前記幹縄に連結されたことを特徴とする請求項第13項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項15】
前記筌据え置き台は、中央の支持軸を中心としてその周りに形成されたプレートからなり、前記中央の支持軸が前記作動円板を通して前記減速機の出力端に連結され、前記作動円板とともに回転するようになったことを特徴とする請求項第7項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項16】
前記プレートは、前記支持軸を中心として上下の複数が備えられ、各プレートの外周先端には筌を据え置くための複数の差込凹部が一定間隔に離隔されて形成されたことを特徴とする請求項第15項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項17】
前記筌据え置き台は、下部のプレートを上部のプレートより大きく形成して据え置かれた各々の筌が傾斜した状態をなすようにし、前記各々の筌はひっくり返されて前記筌連結フックと連結された状態に前記差込凹部に据え置かれることを特徴とする請求項第16項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項18】
前記筌は、所定長さを有する円筒型のウナギ筌であることを特徴とする請求項第17項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項19】
前記筌据え置き台は、前記各開閉手段の上部に結合されることを特徴とする請求項第7項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項20】
前記筌据え置き台は、両方側方向に保護壁を形成し、前後方向には筌の転がり防止のための係止凸を形成して、その内側に筌が安着される空間部を形成したことを特徴とする請求項第19項に記載の漁労装備投縄装置。
【請求項21】
前記筌は、直径が大きく高さが低い円筒型のワタリガニ筌であって、前記筌据え置き台の空間部に立てられた状態に据え置かれることを特徴とする請求項第20項に記載の漁労装備投縄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−81871(P2010−81871A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254253(P2008−254253)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(505436221)
【Fターム(参考)】