説明

漁礁ブロック及び藻場の形成方法

【課題】潮流によって流される可能性が低減された漁礁ブロック及び藻場の形成方法を提供する。
【解決手段】一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔12が形成された漁礁ブロック10において、貫通孔12の一方の側の第1の開口部12aの開口面積S1が他方の側の第2の開口部12bの開口面積S2よりも大きく、原材料としての骨材を水砕スラグとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底に設置される漁礁ブロック及び藻場の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンクリート製の人工魚礁が記載されている。この人工漁礁は、コンクリート又はコンクリートと肥料との混合物を充填してなる複数個の中空円筒柱を、支持枠上に配列して立体枠を形成させ、かつ中空円筒柱の内外表面を人為的に粗面にしたものである。特許文献1に記載の人工魚礁によれば、魚類の産卵場所、採餌場所及び逃避場所として好適な環境を作ることができる。
【0003】
ここで、コンクリートの骨材として、高炉スラグが用いられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭48−75383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、高炉スラグを骨材とした漁礁ブロック(高炉スラグブロック)は、高アルカリ特性を有し、水中生物の生育環境に悪影響を及ぼす恐れがあることから、潮の流れの速い場所に設置される。そのため、高炉スラグブロックは、潮流により設置場所から流される可能性がある。
本発明は、潮流によって流される可能性が低減された漁礁ブロック及び藻場の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る漁礁ブロックは、一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成された漁礁ブロックにおいて、
前記貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きく、
原材料としての骨材が、水砕スラグである。
【0007】
第1の発明に係る漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、醗酵畜糞を含有することが好ましい。
【0008】
第1の発明に係る漁礁ブロックにおいて、前記醗酵畜糞は、醗酵牛糞であることが好ましい。
【0009】
第1の発明に係る漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、食品添加物を更に含有することが好ましい。
【0010】
第1の発明に係る漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、酒類の製造工程にて生成された廃液を更に含有することが好ましい。
【0011】
第1の発明に係る漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、植物性添加物を更に含有することが好ましい。
【0012】
第1の発明に係る漁礁ブロックにおいて、前記貫通孔の内壁面に平面が含まれていることが好ましい。
【0013】
第1の発明に係る漁礁ブロックにおいて、前記水砕スラグは、一般廃棄物又は産業廃棄物から生成され、SiO、石灰分、酸化アルミニウム及び苦土分を含有することが好ましい。
【0014】
前記目的に沿う第2の発明に係る藻場の形成方法は、それぞれ、一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きい複数の漁礁ブロックを用いた藻場の形成方法において、
前記貫通孔の第1の開口部が潮流の上流側を向くよう、前記複数の漁礁ブロックを積み上げて海底に設置する工程を含む。
【0015】
前記目的に沿う第3の発明に係る藻場の形成方法は、それぞれ、一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きい複数の漁礁ブロックを用いた藻場の形成方法において、
前記貫通孔の開口方向が潮流に沿うよう、前記複数の漁礁ブロックを積み上げて海底に設置する工程を含む。
【0016】
前記目的に沿う第4の発明に係る藻場の形成方法は、それぞれ、一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きい複数の漁礁ブロックを用いた藻場の形成方法において、
前記複数の漁礁ブロックを前記貫通孔の開口方向を揃えて積み上げ、該複数の漁礁ブロックの周囲を覆う蛇籠を構成する工程と、
前記貫通孔の開口方向が潮流に沿うよう、前記蛇籠を海底に設置する工程とを含む。
【発明の効果】
【0017】
請求項1〜8記載の漁礁ブロックにおいては、貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きいため、潮流によって流される可能性が低減される。
【0018】
特に、請求項2記載の漁礁ブロックにおいては、原材料として、発育補助剤となる醗酵畜糞を含有しているため、藻の育成の栄養分を供給できる。
【0019】
請求項3記載の漁礁ブロックにおいては、原材料として、発育補助剤となる醗酵牛糞を含有しているため、藻の育成の栄養分を供給できる。
【0020】
請求項4記載の漁礁ブロックにおいては、原材料として、食品添加物を更に含有しているため、藻の育成の栄養分を供給できる。
【0021】
請求項5記載の漁礁ブロックにおいては、原材料として、酒類の製造工程にて生成された発育補助剤となる廃液を更に含有しているため、藻の育成の栄養分を供給できる。
【0022】
請求項6記載の漁礁ブロックにおいては、原材料として、植物性添加物を更に含有しているため、内部構造をポーラス状とすることができる。
【0023】
請求項7記載の漁礁ブロックにおいては、貫通孔の内壁に平面が含まれているので、貫通孔の内部に貝類が生息しやすい環境を提供できる。
【0024】
請求項8記載の漁礁ブロックにおいては、水砕スラグがSiO、石灰分、酸化アルミニウム及び苦土分を含有しているため、藻の育成の栄養分を供給できる。
【0025】
請求項9、10記載の藻場の形成方法においては、潮流によって流される可能性が低減された藻場を形成できる。
【0026】
請求項11記載の藻場の形成方法においては、複数の漁礁ブロックを覆う蛇籠を構成するので、藻の食害が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係る漁礁ブロックの設置状態を示す説明図である。
【図2】同漁礁ブロックの斜視図である。
【図3】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、同漁礁ブロックの背面図、平面図、正面図、右側面図である。
【図4】図3のA1−A1断面図である。
【図5】貫通孔の断面形状が円形状の変形例に係る漁礁ブロックの斜視図である。
【図6】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、同漁礁ブロックの背面図、平面図、正面図、右側面図である。
【図7】図6のA2−A2断面図である。
【図8】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の一実施の形態に係る漁礁ブロックの試料及び従来の材料を原材料とする漁礁ブロックの試料の藻の繁殖状況を示す写真である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれ、同漁礁ブロックの別の設置状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0029】
本発明の一実施の形態に係る漁礁ブロック10は、図1に示すように、海底にて複数段積み上げられて設置され、藻等を繁茂させることができる。
漁礁ブロック10の外形状は、図2、図3(A)〜(D)、図4に示すように、例えば直方体状である。なお、図3において、底面図は平面図と同一にあらわれ、左側面図は右側面図と同一にあらわれる。
漁礁ブロック10には、断面が四角形状の貫通孔12が一の面から反対の側の面へ長手方向に貫通して形成されている。この貫通孔12の一方の側の第1の開口部12aの面積は、他方の側の第2の開口部12bの面積よりも大きくなっている。貫通孔12は第1の開口部12aから第2の開口部12bへ向かうに従い、先細りとなっている。貫通孔12の断面積の変化は、第1の開口部12aから第2の開口部12bにかけて直線的となるように設定することが好ましい。
【0030】
漁礁ブロック10は、幅及び高さが、それぞれ例えば150〜300mm、長さが例えば200〜1000mmとすることができる。貫通孔12の第1の開口部12aの断面の大きさは、例えば、105mm×84mmとすることができ、第2の開口部12bの断面の大きさは、例えば、80×64mmとすることができる。貫通孔12の第1の開口部12aの面積S1と第2の開口部12bの面積S2との比k(=S1/S2)は、例えば、1.1〜3.0とすることができる。
また、作業者が漁礁ブロック10を設置する際に容易に搬送できるよう、漁礁ブロック10の質量を30kg以下に抑えることが好ましい。ただし、大型の魚のための漁礁ブロックについては、その質量が30kgを超える場合もある。
【0031】
各漁礁ブロック10は、図1に示すように、第1の開口部12aが潮の流れ(同図1に示す矢印参照)の上流側に、第2の開口部12bが下流側になるように、向きをそろえて配置される。
各漁礁ブロック10をこのように配置すると、第1の開口部12aから入った潮の流れは、下流側の第2の開口部12bから流速が速くなった状態で吐出する。従って、貫通孔12の内部の流れによって、漁礁ブロック10には潮の流れと反対向きの力が加えられる。そのため、漁礁ブロック10には、潮の流れに抗する力が発生し、漁礁ブロック10が潮流により設置場所から流される可能性が低減される。
【0032】
貫通孔の断面形状は、図5、図6(A)〜(D)、図7に示す漁礁ブロック20に形成された貫通孔13のように、円形状とすることも可能である。なお、図6において、底面図は平面図と同一にあらわれ、左側面図は右側面図と同一にあらわれる。
また、貫通孔の断面形状は、正方形状、星形状及び多角形状等、任意の形状としてもよい。ただし、貝類が生息しやすいという効果を奏するため、貫通孔の断面が例えば正方形状、星形状及び多角形状である場合のように、貫通孔の内壁面に平面が含まれていることがより好ましい。
また、貫通孔は、長手方向に複数形成することも可能である。
【0033】
次に、前述の漁礁ブロック10の原材料について説明する。
漁礁ブロック10は、原材料としての骨材、セメント及び水の混合物を型枠に流し込んで形成することができる。ここで、骨材は、水砕スラグである。この水砕スラグは、一般廃棄物又は産業廃棄物を1200℃以上の高温で溶融処理することにより発生する溶融物を水を用いて急速に破砕することにより得られる。
なお、漁礁ブロック10の原材料である水砕スラグ(骨材)、セメント及び水の配合は、例えば、水砕スラグ1653kg/m、セメント量551kg/m、水量198kg/mとすることができる。
【0034】
このように、水/セメント比が小さい(前述の例においては35.9%)ので、漁礁ブロック10はポーラス状となる。即ち、漁礁ブロック10の表面は荒れた状態となり、藻が着床しやすく、根が張り易くなると共に、栄養素としてのミネラル成分が藻に吸収され易くなる。なお、水セメント比は、例えば30〜40%とすることができる。
【0035】
水砕スラグは、ケイ酸分(SiO)、石灰分(CaO)、酸化アルミニウム(Al)及び苦土分(MgO)を含んでいる。特に、溶融処理する際に石灰分等の成分調整をする溶融スラグは、ケイ酸分と石灰分の成分割合が同程度であり、植物育成に効果的な可溶性ケイ酸、可溶性石灰分の割合が高く、藻の育成に好ましい。
【0036】
水砕スラグの成分は、例えば、以下の通りである。
<成分例>
(1)SiO(可溶性ケイ酸15〜25wt%を含む):35〜45wt%
(2)CaO(可溶性石灰15〜25wt%を含む):30〜40wt%
(3)Al:12〜18wt%
(4)MgO:0.4〜3.0wt%
(5)鉄分(金属鉄及び酸化鉄):0.3〜3.7wt%
なお、前述の単位wt%の基準となる全体の質量は、漁礁ブロック10が凝結する前の原材料全体の質量である(以下、同様)。
【0037】
以上説明したように、漁礁ブロック10は、前述の水砕スラグを原材料としているため、ミネラル成分を供給でき、藻場の形成を促進できる。
【0038】
ここで、漁礁ブロック10の原材料として、更に醗酵した畜糞(醗酵畜糞)、食品添加物及び植物性添加物のうち、少なくとも1つを添加することも可能である。
醗酵畜糞は、例えば、醗酵牛糞、醗酵豚糞又は醗酵鶏糞とすることができる。原材料として醗酵畜糞を添加することにより、藻の着床及び藻の育成効果を向上させることができる。
醗酵畜糞の添加量は、漁礁ブロック10を安定して形成するために、5.0wt%以下が好ましく、例えば、0.5〜5.0wt%とすることができる。
なお、醗酵畜糞は、繊維質を多く含むことから、醗酵牛糞とすることが好ましい。
【0039】
食品添加物は、アミノ酸群であり、例えば、グルタミン酸である。食品添加物の添加量は、0.1wt%以下とすることができる。原材料として、食品添加物を含有することにより、藻の着床及び藻の育成効果を向上させることができる。
【0040】
植物性添加物は、例えば、カルボキシメチルセルロースである。植物性添加物の添加量は、0.0〜0.1wt%とすることができる。原材料として、植物性添加物を含有することにより、漁礁ブロック10の内部構造をポーラス状とすることができる。また、原材料として醗酵畜糞が添加されている場合には、植物性添加物が醗酵畜糞を包み込み、栄養分が緩やかに溶解する。
【0041】
一方で、原材料としての水の一部又は全部の代わりに、例えば日本酒や焼酎等の酒類を製造する際に生成される廃液を用いることも可能である。これら廃液には、藻が育成するための栄養分が含まれている。従って、原材料として廃液を用いることにより、藻が育成するための栄養分を供給できる。
【0042】
次に、漁礁ブロック10の製造方法について説明する。
まず、コークスを用い、内部を還元雰囲気にして廃棄物を乾留ガス化させる方式の溶融炉にて、廃棄物(一般廃棄物又は産業廃棄物)を例えば、1200℃〜1800℃の温度で溶融処理する(工程A)。
次に、工程Aの溶融処理によって発生した溶融物を冷却する(工程B)。
次に、工程Bにより前記溶融物を破砕し、水砕スラグを生成する(工程C)。
次に、少なくとも水砕スラグ、セメント及び水が配合された混合液を生成する(工程D)。
次に、混合液を型枠(不図示)に流し込む(工程E)。
最後に、混合液を凝結させ、型枠から漁礁ブロック(ブロックの一例)10を取り出す(工程F)。
【0043】
このように、工程A〜工程Fを経て製造された漁礁ブロック10を、貫通孔12の第1の開口部12aが潮流の上流側を向くようにして(漁礁ブロック10の向きを揃えて)海底に複数設置して(例えば積み上げて)、藻場や漁礁を形成することができる。
漁礁ブロック10の設置場所は、砂地や岩地等、任意の場所とすることができる。但し、水深は、設置作業者が潜って漁礁ブロック10を設置できる深さが好ましい。また、水深は、漁礁ブロック10の表面で藻が育成することを考慮して、太陽光が届く深さが好ましい。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態の漁礁ブロック10は、貫通孔12の一方の側の第1の開口部12aの開口面積が他方の側の第2の開口部12bの開口面積よりも大きく形成されているので、潮流によって流される可能性が低減される。その結果、漁礁ブロック10を小型化し、設置作業性を向上できる。
また、本実施の形態に示した藻場形成用の構造体としてのブロック(例えば、漁礁ブロック10、根固めブロック、消波ブロック、及び藻場ブロック)の原材料である水砕スラグは、有害物質をほとんど含まず、藻に対して栄養分(ミネラル成分)を供給することができるため、藻の育成を促進し、漁礁を効果的に形成できる。
更に、ブロックは、設置から例え3〜5年で崩れて自然に戻るため、再度ブロックを設置して継続的に栄養分を供給できる。
【0045】
次に、本発明の一実施例について説明する。
前述の漁礁ブロック10と同成分の試料(平板)を海底に設置し、藻の繁殖状態を観察した。なお、この試料の原材料の配合は、水砕スラグ1653kg/m、セメント量551kg/m、水量198kg/mである。原材料に、植物性添加物及び醗酵畜糞は添加していない。
図8(A)、(B)に示すように、7日経過した時点での水砕スラグを原材料とする漁礁ブロック10の試料(図8(A)参照)は、水砕スラグを原材料とせずに山砂を原材料とした、従来の漁礁ブロックの試料(図8(B)参照)よりも、藻の繁殖状況が良好であった。即ち、漁礁ブロック10は、漁礁の形成に好適である。
【0046】
本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。例えば、前述の実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて発明を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
前述の実施の形態の漁礁ブロック10を用いた藻場の形成方法において、潮の流れの向きが時間によって反対向きに変化する場合には、図9(A)に示すように、例えば積み上げる段によって、貫通孔12の第1の開口部12aが向く方向を反対向きにして(漁礁ブロック10の向きを反対向きにして)漁礁ブロック10を設置することも可能である。また、図9(B)に示すように、例えば隣り合う漁礁ブロック10が互いに反対を向くように配置することも可能である。
このように、貫通孔の開口方向が潮流に沿うように漁礁ブロック10を積み上げることにより、潮の流れの向きが時間によって変化する場合であっても、各漁礁ブロック10が潮流から受ける力が分散され、漁礁ブロック10が流される可能性が低減される。
【0047】
また、複数積み上げた漁礁ブロック10の周りを、例えば金属枠やネットで覆った蛇籠を構成し、この蛇籠を貫通孔の開口方向が潮流に沿うように海底に設置することも可能である。漁礁ブロック10を用いた蛇籠を海底に設置することにより、藻が発育する際の食害を抑制できる。
【符号の説明】
【0048】
10:漁礁ブロック、12:貫通孔、12a:第1の開口部、12b:第2の開口部、13:貫通孔、20:漁礁ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成された漁礁ブロックにおいて、
前記貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きく、
原材料としての骨材が、水砕スラグであることを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項2】
請求項1記載の漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、醗酵畜糞を含有することを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項3】
請求項2記載の漁礁ブロックにおいて、前記醗酵畜糞は、醗酵牛糞であることを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項4】
請求項3記載の漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、食品添加物を更に含有することを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項5】
請求項4記載の漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、酒類の製造工程にて生成された廃液を更に含有することを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項6】
請求項5記載の漁礁ブロックにおいて、前記原材料として、植物性添加物を更に含有することを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の漁礁ブロックにおいて、前記貫通孔の内壁面に平面が含まれていることを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項8】
請求項7記載の漁礁ブロックにおいて、前記水砕スラグは、一般廃棄物又は産業廃棄物から生成され、SiO、石灰分、酸化アルミニウム及び苦土分を含有することを特徴とする漁礁ブロック。
【請求項9】
それぞれ、一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きい複数の漁礁ブロックを用いた藻場の形成方法において、
前記貫通孔の第1の開口部が潮流の上流側を向くよう、前記複数の漁礁ブロックを積み上げて海底に設置する工程を含むことを特徴とする藻場の形成方法。
【請求項10】
それぞれ、一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きい複数の漁礁ブロックを用いた藻場の形成方法において、
前記貫通孔の開口方向が潮流に沿うよう、前記複数の漁礁ブロックを積み上げて海底に設置する工程を含むことを特徴とする藻場の形成方法。
【請求項11】
それぞれ、一の面から反対の側の面へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔の一方の側の第1の開口部の開口面積が他方の側の第2の開口部の開口面積よりも大きい複数の漁礁ブロックを用いた藻場の形成方法において、
前記複数の漁礁ブロックを前記貫通孔の開口方向を揃えて積み上げ、該複数の漁礁ブロックの周囲を覆う蛇籠を構成する工程と、
前記貫通孔の開口方向が潮流に沿うよう、前記蛇籠を海底に設置する工程とを含むことを特徴とする藻場の形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−17462(P2013−17462A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155953(P2011−155953)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(306022513)新日鉄住金エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(510042024)株式会社エヌジェイ・エコサービス (4)
【Fターム(参考)】