説明

漂白組成物

本発明は漂白組成物中の触媒の保存に関する。漂白組成物はペルオキシジェンブリーチまたはペルオキシ基剤のもしくはペルオキシル発生性の漂白系を実質的に含まない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペルオキシル種を実質的に含まない漂白組成物の強化に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、しみ抜き用の漂白触媒の開発が進んでいる。最近では、ある種の触媒は添加したペルオキシルソースが存在しなくても有効に漂白作用を発揮できるという新しい知見が最近では注目を集めており、例えば、国際特許WO9965905、WO0012667、WO0012808、WO0029537、及び、WO0060045を生み出した。
【0003】
製品の保存期限は、製品が所望の品質を維持しながら保存できる時間的期間であると考えることができる。多くの場合に、十分な保存期限は商品を成功させるための極めて重大な要因である。保存期限の短い製品の場合には概して、製品を少量バッチで製造して速やかに消費者に販売する必要がある。また、保存期限の短い商品銘柄の所有者は、消費者が保存期限内に製品を使い切ることができなければ消費者は別の銘柄の同様の製品に切り替えたくなるであろうと心配する。対照的に、保存期限の長い同様の製品は大量バッチで製造され、在庫として長期間保存でき、消費者の手元で製品が保存される時間的期間は特定商品銘柄の所有者の大した心配の種にはならない。
【0004】
本発明の目的は改良された保存特性を有している空気漂白組成物を提供することである。
【発明の開示】
【0005】
我々は、いくつかの香料成分は時間の経過に伴って自然に分解し漂白触媒の活性を減少させることを知見した。我々は、ある種の香料成分を慎重に選択することによってペルオキシジェンブリーチまたはペルオキシ基剤のもしくはペルオキシル発生性の漂白系を実質的に含まない漂白組成物の安定性を改善できることを知見した。本発明は、顆粒状及び液体状の双方の配合物に応用できる。しかしながら本発明は液体漂白組成物に特に有用である。
【0006】
本発明は、本文中に記載のように作用する遷移金属触媒の活性を実質的に減少させない香料成分を含む漂白組成物を提供する。
【0007】
本発明は液体漂白組成物を提供する。
【0008】
本発明の液体漂白組成物は、
(a)空中酸素と共に基質を漂白する遷移金属錯体を形成する有機物質と、
(b)0.001−3重量/重量%の香料組成物と、
(c)全漂白組成物が100重量/重量%になるようなバランス量の担体及び補助成分と、
を含み、漂白組成物が水性媒体に添加されたときにペルオキシジェンブリーチまたはペルオキシ基剤のもしくはペルオキシル発生性の漂白系を実質的に含まない水性漂白媒体が形成され、
過酸化水素の存在下でアシッドブルー45に対して示された遷移金属触媒の漂白活性によって測定した液体漂白組成物の漂白活性が、37℃で14日間の保存期間後に、モル均等量のシトロネラルが香料組成物として存在する同じ漂白組成物に比較して少なくとも10倍に増加している。
【0009】
あるいは、触媒の活性を測定するモニターとしてベータ−カロテンを使用してもよい。遷移金属触媒が、添加されたペルオキシル種、より特定的には過酸化水素を伴うことなく空気だけによって測定可能な漂白活性を示す場合には、遷移金属触媒の相対的活性を測定するためにベータ−カロテンを使用し得る。
【0010】
倍率は少なくとも12、極めて好ましくは15である。
【0011】
好ましい香料成分は、アルファデマスコン、デルタデマスコン、ISO E super、シンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アルデヒドブチルシンナミック、ベンズアルデヒド、アニシックアルデヒド、リナロール、テトラヒドロリナロール、ウンデカヴェルトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、シトラール、オキシドドゥローズ、ゲラニルアセテート、シトロネリルアセテート、クマリン、リナリルアセテート、ゲラニルニトレート、シトロネリルニトリル、シンナモニトリル及びシトロニトリル、アルデヒドアミルシンナミック、メチルアントラニレート、ジ−エチル−アントラニレート、メチル−N−アセチルアントラニレート、ジフェニルオキシド、ヴェルドックス、ベンジルアセテート、ジオラ、オレンジクリスタル、ペオニル、クローナル、リモネン、カンファー、アントラニレート、ジ−イソブチル−アントラニレート、ヴェルディルアセテート、ピナン、ヴェルトーネ、アルファ−メチルイオノン及びダマスセノンから成るグループから選択される。
【0012】
“ペルオキシジェンブリーチまたはペルオキシ基剤のもしくはペルオキシル発生性の漂白系を実質的に含まない”という表現は、本発明の範囲内で解釈されるべきである。組成物に存在するペルオキシル種はできるだけ少ない含量であるのが好ましい。漂白配合物が過酸または過酸化水素またはそのソースを1重量/重量%の全濃度で含有するのが好ましい。好ましくは、漂白配合物が過酸または過酸化水素またはそのソースを0.3重量/重量%未満の全濃度で含有し、最も好ましくは漂白配合物が過酸または過酸化水素またはそのソースを含有しない。更に、本発明の配位子または錯体を含む漂白組成物中ではアルキルヒドロペルオキシドの存在量が最小値にとどまっているのが好ましい。
【0013】
本発明の範囲は、本発明の組成物による基質/布地の漂白方法に及ぶ。方法は、水性環境中の漂白組成物で基質を処理する段階と、基質をすすぐ段階と、基質を乾燥する段階とを含む。
【0014】
本発明の範囲はまた、その使用説明書を添付した包装商品に及ぶ。
【0015】
安定香料
漂白配合物中の“空気”漂白触媒の安定性に不利な影響を与えない香料成分を以下に挙げる:
【0016】
【化2】






【0017】
不安定香料
漂白配合物中の“空気”漂白触媒の安定性に不利な影響を与える香料成分を以下に挙げる:
【0018】
【化3】



【0019】
漂白触媒
漂白触媒自体は、広範囲の有機分子の遷移金属錯体(配位子)から選択し得る。典型的な洗浄組成物中の有機物質のレベルは、使用中のレベルが0.05μM−50mM、好ましくは家庭洗濯作業に使用中のレベルが1−100μMの範囲に維持されるようなレベルである。工業用布地漂白処理ではもっと高いレベルも使用でき、またそのようなレベルが望ましいこともある。漂白組成物中に異なる触媒の混合物を使用してもよい。
【0020】
錯体を形成する適当な有機分子(配位子)及びその錯体は例えば以下の文献に見出される:英国特許GB9906474.3;GB9907714.1;GB98309168.7,GB98309169.5;GB9027415.0及びGB9907713.3;ドイツ特許DE19755493;欧州特許EP999050;国際特許公開WO−A−9534628;欧州特許公開EP−A−458379;欧州特許EP0909809;米国特許4,728,455;国際特許公開WO−A−98/39098;WO−A−98/39406;国際特許WO9748787;WO0029537;WO0052124及びWO0060045。これらの文献に記載された錯体及び有機分子(配位子)、それらの前駆物質は参照によって本発明に含まれるものとする。好ましい触媒の一例は、MeN4Py配位子(N,N−ビス(ピリジン−2−イル−メチル)−1,1−ビス(ピリジン−2−イル)−1−アミノエタン)の遷移金属錯体である。
【0021】
配位子は1種または複数の遷移金属と共に錯体を形成する。後者の場合には例えば二核錯体が形成される。適当な遷移金属は例えば、酸化状態のマンガンII−V、鉄II−V、銅I−III、コバルトI−III、チタンII−IV、タングステンIV−VI、バナジウムII−V及びモリブデンII−VIを包含する。
【0022】
好ましい触媒の一例は、式(I):
【0023】
【化4】

を有している配位子のモノマー配位子またはその遷移金属触媒である。
【0024】
式中の、Rの各々は独立に、水素、F、Cl、Br、ヒドロキシル、C1−C4−アルキルO−、−NH−CO−H、−NH−CO−C1−C4−アルキル、−NH2、−NH−C1−C4−アルキル及びC1−C4−アルキルから選択され、
R1及びR2は独立に、
C1−C4−アルキル、
C6−C10−アリール、及び、
遷移金属に配位し得るヘテロ原子を含有している基、
から選択され、この場合、R1及びR2の少なくとも一方がヘテロ原子含有基であり、
R3及びR4は独立に、水素、C1−C8アルキル、C1−C8−アルキル−O−C1−C8−アルキル、C1−C8−アルキル−O−C6−C10−アリール、C6−C10−アリール、C1−C8−ヒドロキシアルキル、及び、−(CH2)C(O)OR5及びそれらの混合物から選択され、ここにR5は独立に、水素、C1−C4−アルキルから選択され、nは0−4の整数であり、
XはC=O、−[C(R6)−から選択され、ここに、Yは0−3であり、R6の各々は独立に水素、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ及びC1−C4−アルキルから選択される。
【0025】
遷移金属錯体は好ましくは一般式(AI):
[M]Y
を有しており、式中の、
Mは、Mn(II)−(III)−(IV)−(V)、Cu(I)−(II)−(III)、Fe(II)−(III)−(IV)−(V)、Co(I)−(II)−(III)、Ti(II)−(III)−(IV)、V(II)−(III)−(IV)−(V)、Mo(II)−(III)−(IV)−(V)−(VI)、及び、W(IV)−(V)−(VI)から成るグループ、好ましくはFe(II)−(III)−(IV)−(V)から選択された金属を表し、
Lは、配位子、好ましくはN,N−ビス(ピリジン−2−イル−メチル)−1,1−ビス(ピリジン−2−イル)−1−アミノエタンまたはそのプロトン付加または脱プロトン類似体を表し、
Xは、一価、二価または三価のアニオン、及び、一座、二座または三座の配位子として金属と配位できる中性分子から選択された配位種を表し、
Yは、配位しない対イオンを表し、
aは1−10の整数を表し、
kは1−10の整数を表し、
nは0であるかまたは1−10の整数を表し、
mは0であるかまたは1−20の整数を表す。
【0026】
バランス量の担体及び補助成分
これらは一般に、界面活性剤、ビルダー、発泡剤、消泡剤、溶媒及び酵素である。これらの成分は、経済性、環境要因及び漂白組成物の用途に従って漂白組成物の性能が発揮されるような用法及び用量で使用される。
【0027】
空気漂白触媒は、しみの漂白という目的に特に適した洗剤組成物に使用することができ、これが本発明の第二の目的を構成する。この範囲では組成物が界面活性剤と場合によっては他の慣用の洗剤成分とを含む。本発明の第二の目的は、全洗剤組成物を基準として0.1−50重量%の1種または複数の界面活性剤を含む酵素系洗剤組成物を提供することである。この界面活性剤系自体は0−95重量%の1種または複数のアニオン性界面活性剤と5−100重量%の1種または複数の非イオン性界面活性剤とを含み得る。界面活性剤系が更に、両性または双イオン性の洗浄化合物を含有してもよいが、これらは比較的コストが高いので通常は望ましくない。本発明の酵素系洗剤組成物は一般には水で約0.05−2%に希釈して使用されるであろう。
【0028】
一般に、界面活性剤系の非イオン性及びアニオン性の界面活性剤は、以下の文献に記載された界面活性剤から選択し得る:“Surface Active Agents”Vol.1,Schwartz & Perry,Interscience 1949,Vol.2,Schwartz,Perry & Berch,Interscience 1958,“McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents”の最新版、Manufacturing Confectioners Company発行、または、“Tenside−Taschenbuch”,H.Stache,2nd Edn.,Carl Hauser Verlag,1981。
【0029】
使用し得る適当な非イオン性洗浄化合物は、特に、疎水性基と反応性水素原子とを有している化合物、例えば、脂肪族アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールと、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド単独またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの反応生成物である。具体的な非イオン性洗浄化合物は、一般に5−25EO、即ち分子あたり5−25個のエチレンオキシド単位を有しているC−C22アルキルフェノール−エチレンオキシド縮合物、及び、線状または分枝状のC−C18の第一級または第二級脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの一般には5−40EOの縮合生成物である。
【0030】
使用し得る適当なアニオン性洗浄化合物は通常は、約8−約22個の炭素原子を含有しているアルキルラジカルを有している有機スルフェート及びスルホネートの水溶性アルカリ金属塩である。使用したアルキルという用語は、高級アシルラジカルのアルキル部分を含意する。適当な合成アニオン性洗浄化合物の例は、アルキル硫酸ナトリウム及びカリウム、特に、例えばタロウもしくはココヤシ油から製造されたC−C18高級アルコールの硫酸化によって得られた塩、アルキルC−C20ベンゼンスルホン酸ナトリウム及びカリウム、特に線状第二級アルキルC10−C15ベンゼンスルホン酸ナトリウム;及び、アルキルグリセリルエーテル硫酸ナトリウム、特に、タロウまたはココヤシ油に由来の高級アルコール及び石油に由来の合成アルコールとのこれらのエーテルである。好ましいアニオン性洗浄化合物は、C11−C15アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びC12−C18アルキル硫酸ナトリウムである。また、欧州特許公開EP−A−328177(Unilever)に記載されているような塩析抵抗性を示す界面活性剤、欧州特許公開EP−A−070074に記載のアルキルポリグリコシド界面活性剤、及び、アルキルモノグリコシドも使用できる。
【0031】
好ましい界面活性剤系は、アニオン性洗浄有効成分と非イオン性洗浄有効成分との混合物である。より特定的には、欧州特許公開EP−A−346995(Unilever)に示されているアニオン性及び非イオン性の界面活性剤のグループ及び実施例である。特に好ましい界面活性剤系はC16−C18第一級アルコールスルフェートのアルカリ金属塩とC12−C15第一級アルコール3−7EOエトキシレートとの混合物である。
【0032】
非イオン性洗剤は好ましくは界面活性剤系の10重量%を上回る量、例えば25−90重量%の量で存在する。アニオン性界面活性剤は界面活性剤系の例えば約5−約40重量%の範囲の量で存在できる。
【0033】
偶発的な何らかのペルオキシル種が組成物中に存在するかもしれないが、本発明の漂白組成物に存在するペルオキシル種が1%未満、好ましくは0.1%未満、最も好ましくは0.01%未満であるのが好ましいことは当業者に理解されよう。これらの偶発的なペルオキシルは主として界面活性剤の自然酸化によって形成されたアルキルヒドロペルオキシドである。
【0034】
組成物が国際特許公開WO01/00768A1、15頁、15行から19頁、29行に見出されるような追加の酵素を含有してもよい。該特許の記載内容は参照によって本発明に含まれるものとする。
【0035】
国際特許WO0060045に見出されるようなビルダー、ポリマー及びその他の酵素が任意成分として存在してもよい。
【0036】
また国際特許WO0034427に見出されるような適当な洗浄力ビルダーが任意成分として存在してもよい。
【0037】
本発明の組成物は、洗濯物の洗浄、硬質表面の洗浄(洗面所、厨房の作業面、床の洗浄、機械による食器洗浄などを含む)に使用し得る。業界で周知のように、漂白組成物は廃水処理、製紙中のパルプ漂白、皮革の製造、移染防止、食品加工、デンプン漂白、滅菌、口腔衛生調製品の増白、及び/または、コンタクトレンズの殺菌にも使用される。
【0038】
本発明の文脈で、漂白は、基質に付着または結合したしみまたはその他の物質の脱色全般に関係すると理解されたい。しかしながら、基質に付着しているかまたはその他の方法で基質に結合した悪臭またはその他の望ましくない成分を酸化性漂白反応によって除去及び/または中和する必要が生じた場合にも本発明の使用を考えることができる。更に本発明の文脈では漂白が光の存在または光による活性化を必要としない漂白メカニズムまたはプロセスに限定されると理解されたい。
【0039】
漂白配合物
本発明は液体配合物に特に有用である。何故なら、不均質な固体混合物と対照的に、液体配合物では個々の成分間の接触がより緊密であり、従って成分の相互作用による分解が生じ易いからである。
【0040】
洗剤、リンスコンディショナーまたはその他の液体製品として多くの市販液体配合物が存在しており、液体配合物に漂白能力を与えることによってこれらの製品が強化され得る。当業者には明らかであろうが、本発明は公知の液体配合物及び今後開発される液体配合物に使用し得る。
【0041】
市販の漂白組成物中の触媒のレベルは、0.0001−0.6重量/重量%、好ましくは0.001−0.15重量/重量%、最も好ましくは0.01−0.1重量/重量%である。我々は、市販の漂白組成物中の触媒の最適レベルが0.03−0.09重量/重量%であることを知見した。
【0042】
本発明の範囲は等方性及び複合性の液体組成物及び配合物に及ぶ。これらについて以下に簡単に説明する。ある種の等方性配合物は“マイクロエマルジョン”液体と呼ばれており、透明であって特定された温度範囲で熱力学的に安定である。“マイクロエマルジョン”配合物は油中水型エマルジョンまたは水中油型エマルジョンであろう。ある種の液体配合物は透明でない等方性のマクロエマルジョンである。エマルジョンは準安定性であると考えられる。布柔軟化有効成分を含有している透明な濃縮組成物は、いずれもProcter & Gamble所有の国際特許WO98/08294及びWO98/4799に開示されている。このような組成物は生物分解性の布コンディショナーを含む。しかしながら、双方の特許は、油中水型マイクロエマルジョンを形成しない水混和性溶媒を開示している。また、透明な布コンディショニング組成物は欧州特許EP730023(Colgate Palmolive)、国際特許WO96/19552(Colgate Palmolive)、WO96/33800(Witco Co.)、WO97/03170(Procter & Gamble)、WO97/03172(Procter & Gamble)、WO97/03169(Procter & Gamble)、米国特許US5492636(Quest Int.)及びUS5427697(Procter & Gamble)に開示されている。本発明の液体配合物は、例えば、モノエトキシ第四化合物(quat)類;AQA類及びビス−AQA類;カチオン性アミド類;カチオン性エステル類;アミノ/ジアミノ第四化合物(quat)類;グルカミド;アミンオキシド類;エトキシル化ポリエチレンイミン類;線状アミン基剤ポリマーの形態の強化ポリマー類、例えば、ビス−ヘキサメチレントリアミン;ポリアミン類、例えば、TETA、TEPAまたはPEIポリマーを含有し得る。
【0043】
国際特許WO02/068577に見出されるように液体が小袋に収容されていてもよい。
【0044】
以下は、空中酸素と共に基質を漂白するために遷移金属錯体を形成する有機物質を、選択された安定な香料成分と共に添加し得る液体漂白組成物の一例である。
【0045】
【表1】

【0046】
以下は、本発明を組込むことができる商業用液体配合物の別の例である:WiskTMリキッド USA,1999、OMOTMリキッド NL、1999、OMO−liquidoTM Brazil、1999、及び、リンスコンディショナー(RobijnTM−NL)。この場合、当該触媒は選択された安定な香料成分と共に添加される。
【0047】
以下は、選択された安定な香料成分と共に触媒を添加することによって本発明を組込むことができる商業用液体配合物の別の例である。商業用液体配合物はpH7を有している。
【0048】
【表2】

【0049】
触媒が液体組成物中に存在するとき、それにかかわりなく液体組成物が7以下のpHを有しているのが極めて好ましい。
【0050】
以下の触媒を実験に使用した。9,9−ジヒドロキシ−2,4−ジ−(2−ピリジル)−3−メチル−7−(ピリジン−2−イルメチル)−3,7−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−1,5−ジカルボキシレート。二塩化鉄(II)はHeidi Borzel,Peter Comba,Karl S.Hagen、Yaroslaw D.Lampeka,Achim Lienke,Gerald Linti,Michael Merz,Hans Pritzkow,Lyudmyla V.TsymbalによってInorganica Chimica Acta 337(2002)407−419に記載されたようにして調製した。国際特許WO0248301は同様の化合物の合成を詳細に記載している。
【0051】
0.03重量/重量%の漂白成分と0.06重量/重量%の個々の香料成分とを含有している液体組成物をガラスバイアルに入れ37℃のキャビネットで14日間保存する。
【0052】
H2O2含有NaH2PO4.H2O pH7バッファ中、アシッドブルー45(CAS No.2861−02−1)を基質とし、以下のプロトコルを使用して40℃で活性を測定した。
【0053】
70mgの液体サンプルを10.00mlのMilliQ水に希釈した。45μlのこの溶液を20mMのH2O2、75μMのアシッドブルー45及び54mMのNaH2PO4.H2O pH7バッファを含む230μLのアッセイに加えた。
【0054】
溶液を混合し、40℃で1分間プレインキュベートした。分光光度計を使用し、600nmの吸光度の変化を40℃で8分間測定した。吸光度の絶対変化を新しく調製した校正サンプルで得られた活性に相関させた。測定した活性をμMol/l/として表す。
【0055】
表1:37℃で2週間保存後の0.03重量/重量%の遷移金属触媒の残留活性
【0056】
【表3】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
漂白組成物が、
(a)空中酸素と共に基質を漂白する遷移金属錯体を形成する有機物質と、
(b)0.001−3重量/重量%の香料組成物と、
(c)全漂白組成物が100重量/重量%になるようなバランス量の担体及び補助成分と、
を含み、漂白組成物が水性媒体に添加されたときにペルオキシジェンブリーチまたはペルオキシ基剤のもしくはペルオキシル発生性の漂白系を実質的に含まない水性漂白媒体が形成され、
過酸化水素の存在下でアシッドブルー45に対して示された遷移金属触媒の漂白活性によって測定するかまたはペルオキシル種の非存在下でベータ−カロテンに対して示された漂白活性によって測定した液体漂白組成物の漂白活性が、37℃で14日間の保存期間後に、モル均等量のシトロネラルが香料組成物として存在する同じ漂白組成物に比較して少なくとも10倍に増加している漂白組成物。
【請求項2】
漂白組成物が少なくとも15倍に増加した漂白活性を有している請求項1に記載の漂白組成物。
【請求項3】
香料が、アルファデマスコン、デルタデマスコン、ISO E super、シンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アルデヒドブチルシンナミック、ベンズアルデヒド、アニシックアルデヒド、リナロール、テトラヒドロリナロール、ウンデカヴェルトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、シトラール、オキシドドゥローズ、ゲラニルアセテート、シトロネリルアセテート、クマリン、リナリルアセテート、ゲラニルニトレート、シトロネリルニトリル、シンナモニトリル及びシトロニトリル、アルデヒドアミルシンナミック、メチルアントラニレート、ジ−エチル−アントラニレート、メチル−N−アセチルアントラニレート、ジフェニルオキシド、ヴェルドックス、ベンジルアセテート、ジオラ、オレンジクリスタル、ペオニル、クローナル、リモネン、カンファー、アントラニレート、ジ−イソブチル−アントラニレート、ヴェルディルアセテート、ピナン、ヴェルトーネ、アルファ−メチルイオノン及びダマスセノンから成るグループから選択される請求項1に記載の漂白組成物。
【請求項4】
0.05−2重量/重量%の香料組成物を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の漂白組成物。
【請求項5】
漂白組成物が10以下のpHを有している請求項1から4のいずれか一項に記載の液体漂白組成物。
【請求項6】
液体漂白組成物が6−9の範囲のpHを有している請求項5に記載の液体漂白組成物。
【請求項7】
有機物質が、
【化1】

の形態を有している請求項1から6のいずれか一項に記載の漂白組成物。
【請求項8】
水性環境中の請求項1から7のいずれか一項に記載の漂白組成物で基質を処理する段階と、基質をすすぐ段階と、基質を乾燥する段階とを含む布地のしみを漂白する方法。

【公表番号】特表2007−533784(P2007−533784A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529987(P2006−529987)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010324
【国際公開番号】WO2005/033256
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】