説明

漆器用の混合樹脂材料

【課題】 射出成形に際しての成形サイクルの高速化を実現しながら、耐熱性および機械強度の確保に有利な高度の結晶化状態を実現することができる漆器用の混合樹脂材料を提供する。
【解決手段】 難結晶性樹脂であるPET樹脂と、易結晶性樹脂であるPBT樹脂と、結晶化核剤とを所定の配合割合に混合することによって、PET樹脂の結晶化温度を引き下げる。PET樹脂の結晶化は金型内で実施し、PBT樹脂の結晶化は、離型後に多数個を取りまとめて所定温度の加熱炉等内において一挙に実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の漆器製品用途に使用する混合樹脂材料に係り、特に、耐熱性および機械強度を得る上で必要条件とされる樹脂材料の結晶化の程度を容易に高めることができるように配合割合を工夫した漆器用の混合樹脂材料に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済み樹脂製品の分別回収とリサイクル技術の改善とによって、再生樹脂材料が合理的な価格で市場に豊富に提供されるようになっている。しかし、一時期において再生樹脂材料の価格が未使用樹脂材料に比べて割高であったことや、日本人特有の潔癖感に起因して再生樹脂材料の用途、特に、食品関連産業分野への利用についてはいまだに限定的であるという問題がある。
【0003】
これは、食品関連製品については、特に安全性が重視されることから、再生樹脂材料を使用する場合においては、食品に使用することが認められている樹脂材料であっても、何らかの人体に有害な樹脂材料が混入してくるのではないかという懸念を払拭することができないからである。しかし、再生樹脂材料が供給されても利用面での進展がない限り、食品関連産業分野における資源の持続的循環利用が成立しない結果となる。
【0004】
本発明は、特に、食品関連産業における包装資材等の樹脂製品由来の再生PET樹脂および再生PBT樹脂材料を、より付加価値の高い漆器産業の分野に利用しようと企図するものであるが、このためには、使用する樹脂特性が漆器製造における特有の要求を充足するものであることが前提条件となる。具体的には、次のような要求事項が挙げられる。
【0005】
合成樹脂製の漆器は、一般家庭において一定の個数常備される日常家庭用品であり、したがって、製造段階においては、膨大な個数の大量生産となる。このことから、漆器用の生地の射出成形においては、成形サイクル時間を短縮しなければならない事情があり、短い成形時間内に安定な特性を有する生地を成形することができる樹脂材料であることが要求される。
【0006】
漆器は、いわゆる塗り物であることに特徴があり、したがって、天然漆または各種の合成樹脂塗料の付着性が良好であることが要求される。
【0007】
また、今日における漆器は、電子レンジ調理やオーブン調理、あるいは、食器洗浄器の使用に耐える程度の耐熱性を有するものであることが要求される。
【0008】
上記した要求事項は、漆器を製造する上での代表的要求事項であるが、これらの要求事項を単一の樹脂材料によって充足することは、一般的に困難である。例えば、結晶性樹脂であるPET樹脂は、十分に結晶化させることによって電子レンジ調理等に耐える高い耐熱性を発揮させることができるのであるが、結晶化の難易については、難結晶性であって、十分な結晶化状態を実現するためには、適切な結晶化核剤配合のもとに、高温の金型内に一定時間保圧しておく必要がある。このことは、射出成形における成形サイクルが長時間化するという問題を提起するとともに、塗料の付着性が劣悪であるという漆器用途にとって極めて不都合な問題をも有する。
【0009】
一方、PBT樹脂は、PET樹脂と同様に結晶性の樹脂材料であるが、結晶化の難易に関しては、易結晶性を示す点で異なり、溶融状態において結晶が解消され、固化させることによって容易に結晶化させることができる。したがって、成形サイクルが短く量産に適するが、耐熱性の面ではPET樹脂には及ばない。また、塗料の付着性は良好であり、この面において漆器用途に適する。
【0010】
ところで、樹脂材料は、ポリマーアロイ化技術または特定の添加物の採用によって製品用途ごとの要求特性に適合する新しい特性を有する樹脂材料とすることが可能であり、漆器用の樹脂材料についてもこのような観点から、最適な樹脂材料の模索がなされている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−121371号公報
【特許文献2】特開2001−149196号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】日本工業規格 プラスチック製容器(JIS S2029)
【非特許文献2】日本工業規格 電子レンジ用プラスチック製容器(JIS S2033)
【0013】
例えば、上記、特許文献1に示される技術においては、PET樹脂、PBT樹脂、メタクリル樹脂および石英等の無機フィーラを配合することによって、各配合成分が有する固有の特性を相乗的、相補的または総和的に発揮させようとしている。しかし、無機フィーラのような高耐熱性添加物に依存して必要とされる耐熱性を達成する場合においては、他の一般的なリサイクル樹脂材料に対する添加物の影響が懸念されることにより、その製品のリサイクル使用が困難になるという問題が発生する。
【0014】
上記、特許文献2に示される技術は、多目的であってPET樹脂の射出成形適応性の改善、結晶化温度の低温化、塗料の付着性の改善等を目的とするものであり、そのための手段として、PET樹脂とPBT樹脂とアクリルニトリル樹脂とのポリマーアロイ化手段および結晶化核剤の添加手段を採用している。
【0015】
一般にアロイ樹脂材料は、単一ポリマー樹脂材料に比べて塗料の種類に対する親和性の範囲が拡大されるため、塗料の付着性が改善されることは容易に推測することができる。また、PBT樹脂は、PET樹脂に比べて成形性が良好であって結晶化温度もより低温領域にあるため、アロイ樹脂材料全体としても成形性が改善されるとともに、低温領域での結晶化が可能になることは容易に推測することができる。したがって、同特許文献2において水冷方式の低温度の金型内で実用的な結晶化を促すことができる旨、およびPBT樹脂の配合割合は、30重量%が上限である旨が記載されている。
【0016】
すなわち、従来、結晶性樹脂材料の結晶化は、上記のように金型内で行われている。このこと自体は、何ら指摘すべき欠点あるいは問題点ではない。しかし、樹脂材料の結晶化は、溶融状態の樹脂材料が固化する途中の特定の温度領域において、一定の結晶化所要時間を要して漸進的に進行する高分子鎖の整列運動によって生起する現象であるため、結晶化を金型内で実施している限り、射出成形サイクルを高速化することには自ずと限界がある。つまり、成形サイクルを速める目的で溶融樹脂を金型内に射出した後、早急に高温の金型から製品を排出する場合には、高分子鎖の整列に必要な時間が与えられない結果となり、所望の結晶化状態が得られないとともに、急激な温度変化によるひけやそりのほか、ばりが発生する原因となる。
【0017】
また、漆器製品における塗料の乾燥工程は、上記特許文献2に示されるように、80℃ないし140℃、好ましくは100℃ないし120℃の温度範囲が示されている。ただし、この温度範囲は、高温に過ぎると思われる。実際には、100℃以下の温度で時間をかけて乾燥させる方が安定な塗膜が形成される。高温で短時間内に仕上げようとすると、塗料の厚みによっては塗膜表面と塗膜内部の乾燥状態に格差が発生し、表面荒れやしわの原因となるからである。
【0018】
上記非特許文献1,2には、品質、材料について規定されており、たとえば、衛生製については食品衛生法に適合し、外観では、ひけマーク、ウェルドマーク、フローマーク、ばり等の熱可塑性樹脂の成形加工で発生しやすい欠陥を目立たないことを要求している。そしてその外観は、各項目に適合しなければならないとも規定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、技術手段的には、PET樹脂とPBT樹脂とのポリマーアロイ化手段を活用するものであり、したがって、上記特許文献に記載の技術の延長線上に位置付けられる。しかし、ポリマーアロイ化手段に対しての着目点およびその目的とするところは大きく異なる。
【0020】
本発明は、PET樹脂のような難結晶化樹脂と、PBT樹脂のような易結晶化樹脂とのポリマーアロイ樹脂においては、難結晶化樹脂の結晶化温度がより低温領域に移行する点に着目するとともに、上記のように、漆器製品における塗料の乾燥工程がかなりの高温度で実施される点に着目し、ポリマーアロイを構成する樹脂成分中の難結晶化樹脂であるPET樹脂については、従来どおり金型内での結晶化を実施するとともに、易結晶化樹脂であるPBT樹脂の結晶化については、多数個を同時にバッジ処理する方式で実施することができる塗料の乾燥工程中に行うことの可能性について検討したものである。
【0021】
すなわち、本発明は、高速の成形サイクルを設定した場合においてもそりやひけの発生を抑制することができる低温の金型温度を設定しながら、PET樹脂の結晶化とPBT樹脂の結晶化とを別工程で行うことを可能とし、最終的に配合した樹脂材料全体について高度の結晶化状態を実現することができる漆器用の混合樹脂材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目的を達成するための手段として本発明は、次のような構成を採用する。
【0023】
本発明の漆器用の混合樹脂材料は、PET樹脂40〜45重量%、PBT樹脂40〜45重量%、結晶化核剤15〜20重量%の配合割合からなり射出成形に際しての金型内においてPET樹脂成分の結晶化を促進するとともに、離型後に85〜100℃の温度範囲の高温雰囲気内に静置することによってPBT樹脂成分の結晶化を可能とすることを特徴とする。
【0024】
上記漆器用の混合樹脂材料の構成は、製品生地を射出成形した後、塗装をしない場合の構成である。漆器製品においてもデザイン意図的に塗装をしない場合があるためである。上記配合割合によって混合されたPET樹脂に対してPBT樹脂の方が相対的に結晶化温度が低く、したがって、PET樹脂が結晶化開始する温度領域ではPBT樹脂は、未だ高度の流動性を有する状態である。このため、PET樹脂が結晶化するに際しての高分子鎖の整列運動は、流動性が高いPBT樹脂内を自在に泳動する状態できわめて円滑に進行することとなり、このことによってPET樹脂の結晶化温度を引き下げることができるのである。したがって、PET樹脂のみの場合に比べて十分に低い温度の金型内においてPET樹脂を結晶化させることが可能であり、PET樹脂が結晶化した時点で、金型を開いて製品生地を排出することができる。したがって、成形サイクルを大幅に高速化することができるのである。
【0025】
すなわち、結晶性樹脂においては、ガラス転移点から溶融点までの温度範囲、つまり結晶化した部分は溶融していないが、非結晶化部分は溶融している状態の温度範囲内においては、機械強度は十分ではないものの射出成形された製品の外形が維持されることが知られている。したがって、混合樹脂材料中のPET樹脂成分が結晶化していればPBT樹脂成分が未だ結晶化していない状態であっても離型は可能である。
【0026】
また、混合樹脂材料中のPBT樹脂成分は、離型した多数個の製品生地を取りまとめて85〜100℃の温度範囲の高温雰囲気内に静置することによって、十分な結晶化時間を与えながら固化させることができる。
【0027】
上記構成におけるPET樹脂およびPBT樹脂は、使用済み樹脂製品由来のものであってもよく、この場合には、使用済みPET樹脂製品の破砕粒40〜45重量%と、使用済みPBT樹脂製品の破砕粒40〜45重量%と、15〜20重量%の結晶化核剤とを混合撹拌して粒状の混合樹脂材料とすることができる。
【0028】
上記粒状の混合樹脂材料は、そのまま射出成形機の可塑化シリンダに供給し、任意の漆器製品生地として射出成形することができる。この際、PET樹脂成分については上記と同様に金型内において結晶化を進行させるとともに、PBT樹脂成分については、離型後に85〜90℃の温度範囲で50〜120分間実施する漆器製品生地に対する塗装の乾燥工程中において結晶化させることができる。したがって、PET樹脂を結晶化させるための独立の工程を要しないという大きな利点がある。
【0029】
上記使用済み樹脂製品由来の粒状の混合樹脂材料は、溶融混練した後、ペレット状に再生した構成としてもよい。予めブレンダーを使用して溶融混練処理を完了しておくことによって、可塑化シリンダ内において混練不十分による材料むらが発生する事態を確実に防止することができる。
【0030】
上記各漆器用の混合樹脂材料におけるPET樹脂40〜45重量%と、PBT樹脂40〜45重量%と、結晶化核剤15〜20重量%による配合割合については、PET樹脂がこの範囲を下回る場合には、離型直後の製品生地の機械強度が不足し、この範囲を上回る場合には、金型温度を下げることが困難となる。PBT樹脂は、PET樹脂と相補的に機能しており、したがって、PBT樹脂の割合が上記範囲を超える場合には、相対的にPET樹脂の割合が少なくなることから、離型直後の製品強度が不足し、PBT樹脂の割合が上記範囲を下回る場合には、金型温度を下げることが困難となる。なお、結晶化核剤の使用割合は、一般的な割合であるが、結晶化核剤の目的樹脂は、PET樹脂であることから上記配合割合内でPET樹脂の使用量に応じて加減することができる。ただし、結晶化核剤は、易結晶性のPBT樹脂に対しても機能する。
【発明の効果】
【0031】
本発明の漆器用の混合樹脂材料は、難結晶性のPET樹脂と易結晶性のPBT樹脂とを適量の結晶化核剤の添加のもとに配合したことにより、溶融状態におけるPET樹脂の高分子鎖の結晶化運動を円滑化し、より低温度の金型内においてPET樹脂の結晶化を促進することができるので、成形サイクルを高速化し、高能率で漆器製品の生地を射出成形することができるとともに、また、PET樹脂に対して結晶化温度が低いPBT樹脂については、離型後において高温度雰囲気を使用する塗料の乾燥工程中において独立の結晶化工程を要することなく多数個を一挙に結晶化処理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の漆器用の混合樹脂材料の実施の形態を使用方法と併せて説明する。
【0033】
漆器用の混合樹脂材料は、PET樹脂40〜45重量%、PBT樹脂40〜45重量%と、結晶化核剤15〜20重量%とからなる。
【0034】
使用するPET樹脂およびPBT樹脂は、未使用のペレット形態で供給されているものであってもよく、使用済み製品由来の破砕粒または再生ペレットとして供給されているものであってもよい。樹脂の用途が漆器製品であり、また、単一の樹脂材料として用いるものではなく、ポリマーアロイとして使用することから個々の種類の樹脂の規格や純度についての要求度が低いからである。ただし、食品安全衛生関係の要求には適合するものであることが必要である。
【0035】
また、使用する結晶化核剤については、一般的に使用されるものでよく、例えば、炭酸カルシウム、滑石、ケイ灰石、粘土、雲母、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等から1種または2種以上を適宜に選択して用いることができる。
【0036】
PET樹脂、PBT樹脂、結晶化核剤を上記配合割合となるように計量し、ミキサーにかけて十分に混合したものを、射出成形機の可塑化シリンダに供給する。射出成形機の形式は、プリプラ式であってもスクリュインライン式のものであってもよい。射出成形機の射出条件設定は、融点が高いPET樹脂を基準として設定することとなるが、シリンダ温度は、PET樹脂用の標準的温度範囲のうち最も低い値に設定することが好ましい。例えば、290℃ほどである。シリンダ温度が高すぎると融点が低いPBT樹脂の流動性が過剰になり、ばり等が発生する原因となるからである。
【0037】
一方、金型温度については、融点が低いPBT樹脂を使用する際の標準的温度範囲内の最も低い値よりさらに10℃ないし20℃低い値に設定することが好ましい。例えば、40℃程度である。この点が、本発明の混合樹脂材料を使用する際の最も特徴的な設定であるといえる。その理由としては、本発明においては金型内でPBT樹脂の結晶化を期待しないからである。つまり、本発明としては、金型内においてはPET樹脂が結晶化すればよく、PBT樹脂は、結晶化することなく直ちに固化しても支障ないのである。金型内に射出された溶融樹脂中のPET樹脂成分は、射出温度から金型温度にまで温度低下する間に結晶化核剤との相互作用によって結晶化することとなる。
【0038】
射出後、金型から成形された製品生地を取り出す。この際、金型温度が低く設定されていることから、室温との差が少なく、急激な温度差に起因する製品生地のそりやひけの発生が効果的に抑制される。
【0039】
成形した製品生地に所定の塗装を施し、熱風炉等による乾燥工程に移行する。この際の熱風炉等の温度設定は、85℃ないし90℃程度の範囲に設定し、乾燥時間は、50分以上120分以内に設定する。製品生地中のPET樹脂成分は、この温度設定においては、全く軟化しない。PET樹脂成分は既に結晶化していることにより耐熱性が飛躍的に高まっているためである。
【0040】
一方、製品生地中のPBT樹脂成分は、結晶化していないため上記温度によって軟化する。ただし、結晶化したPET樹脂成分が成形品の骨格を形成しているため、製品生地が変形するような事態にはならない。軟化することによってPBT樹脂成分の高分子鎖は、所定の分子運動をしながら十分な時間をかけて結晶化する。また、結晶化したPBT樹脂成分は、結晶化することによって耐熱温度が格段に高まった状態となって固化する。したがって、再度この温度に晒しても軟化しなくなり、最終的に、製品生地全体として電子レンジ使用に適合することができる140℃程度の耐熱温度を獲得することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PET樹脂40〜45重量%、PBT樹脂40〜45重量%、結晶化核剤15〜20重量%の配合割合からなり、
射出成形に際しての金型内においてPET樹脂成分の結晶化を促進するとともに、離型後に85〜100℃の温度範囲の高温雰囲気内に静置することによってPBT樹脂成分の結晶化を可能としてなる漆器用の混合樹脂材料。
【請求項2】
使用済みPET樹脂製品の破砕粒40〜45重量%と、使用済みPBT樹脂製品の破砕粒40〜45重量%と、15〜20重量%の結晶化核剤とを混合撹拌して粒状の混合樹脂材料としてなり、
該混合樹脂材料を用いた漆器製品生地の射出成形に際しての金型内においてPET樹脂成分の結晶化を促進するとともに、離型後に85〜90℃の温度範囲で50〜120分間実施する漆器製品生地に対する塗装の乾燥工程中において、製品生地に含まれるPBT樹脂成分の結晶化を可能としてなる請求項1に記載の漆器用の混合樹脂材料。
【請求項3】
使用済みPET樹脂製品の破砕粒40〜45重量%と、使用済みPBT樹脂製品の破砕粒40〜45重量%と、15〜20重量%の結晶化核剤とを溶融混練した混合樹脂材料をペレット状に成形してなり、
該混合樹脂材料を用いた漆器製品生地の射出成形に際しての金型内においてPET樹脂成分の結晶化を促進するとともに、離型後に85〜90℃の温度範囲で50〜120分間実施する漆器製品生地に対する塗装の乾燥工程中において、製品生地に含まれるPBT樹脂成分の結晶化を可能としてなる請求項1に記載の漆器用の混合樹脂材料。

【公開番号】特開2011−6522(P2011−6522A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149245(P2009−149245)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(592058876)株式会社タカノ (8)
【Fターム(参考)】