説明

漏斗パーツ、漏斗パーツの製造方法、漏斗パーツを用いた包装容器及びパッケージ

【課題】詰め替え作業時に内容物をこぼすことなく、他の容器へ容易に詰め替えを行うことができる包装容器に用いるための漏斗パーツ及びその製造方法の提供する。
【解決手段】漏斗パーツ201は、内容物を保存容器に導くための漏斗220と、漏斗220狭口側開口内部に備えられるリブ228と、容器本体に接続される筒状の側壁230と、漏斗パーツ201を補強し保存容器の挿入量を規制する6つのリブ240とを備える。漏斗220には、詰め替え時に保存容器との位置関係を最適化するための誘導部225が設けられる。側壁230には、矩形状の複数の開口231を間欠的に形成することで、柱部232が間欠的に設けられる。漏斗パーツ201は、柱部232及びリブ240の各組の収縮度が同程度となるように一体的に射出成形される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒状または液状の材料を包装し、内容物を他の容器に移し替えるための包装容器に用いられる漏斗パーツ、漏斗パーツの製造方法、漏斗パーツを用いた包装容器及びパッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インスタントコーヒー等の粉末状の食品は、保存時の密閉性を保持できるように、一般に、キャップ付き瓶のような密閉性の高い包装容器に充填した状態で販売される。また、内容物を再充填して保存容器を再利用する目的で、内容物を簡易に包装した詰め替え用パッケージも知られている。このような詰め替え用パッケージの包装容器としては、例えばパウチやガゼット袋、カップ状容器が用いられている。
【0003】
また、特許文献1〜3には、軽量で廃棄が容易な紙製のカップ容器を補強するために、カップ容器の開口部に樹脂製の補強リングを取り付けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭63−24464号公報
【特許文献2】特開平8−58764号公報
【特許文献3】特開2002−264918号公報
【特許文献4】特許第2895556号公報
【特許文献5】特開2009−7072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パウチ等の従来の詰め替え用パッケージから保存容器への内容物の再充填は、例えば、開封した詰め替え用パッケージの開口部を保存容器の開口部に宛がい、内容物を徐々に保存容器内へと流し込むことによって行う。しかしながら、この詰め替え作業時には、内容物がこぼれて手や周囲を汚してしまう場合があり、使い勝手が良いとは言えなかった。
【0006】
それ故に、本発明は、詰め替え作業時に内容物をこぼすことなく、他の容器への内容物の詰め替えを容易に行うことができる包装容器に用いる漏斗パーツ及びその製造方法、さらには漏斗パーツを用いた包装容器及びパッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、本発明は、開放端と底部と側壁とを有する円筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成する漏斗パーツに関するものである。この漏斗パーツは、広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、漏斗の外面を取り囲んで漏斗に接続され、容器本体に嵌め込まれるの側壁とを備える。側壁には、矩形状の複数の開口が周方向に間欠的に設けられる。狭口側に位置する開口のコーナーは、角が取られた形状を有する。
【0008】
更に、本発明は、開放端と底部と側壁とを有する円筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成し、金型を用いた射出成型により形成される漏斗パーツに関するものである。この漏斗パーツは、広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、漏斗の外面を取り囲む円筒形状を有し、漏斗の周方向に等間隔で形成される矩形状の複数の開口と、周方向に隣接する一対の開口に挟まれる部分よりなる、開口と同数の柱部と含む側壁と、柱部の各々と漏斗の外面とを接続する、柱部と同数のリブとを備える。
【0009】
更に、本発明は、開放端と底部と側壁とを有する筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成する漏斗パーツに関するものである。この漏斗パーツは、広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、漏斗の狭口側の開口部の中心から放射状に延び、狭口側の開口部の内面の一部及び他の一部を架け渡す複数のリブとを備える。
【0010】
更に、本発明は、開放端と底部と側壁とを有する筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成する漏斗パーツに関するものである。この漏斗パーツは、広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、漏斗に接続される側壁と、漏斗の外面と側壁の内面または容器本体の内面とを接続する複数のリブとを備える。漏斗は、リブの狭口側の端部を含む平面よりさらに狭口側に、その外径が狭口側に向かって単調に狭まると共に、その外面の縦断面形状が弧状である誘導部を含む、漏斗パーツを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の漏斗パーツを用いると、容器本体内に収納された漏斗の開口部を他の容器内に挿入した状態で内容物の詰め替えを行うことができるので、内容部を外部にこぼすことなく、詰め替え作業ができる包装容器及びパッケージが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るパッケージの概略構成を示す斜視図
【図2】図1に示されるパッケージの分解斜視図
【図3】図1に示されるIII−IIIラインの断面図
【図4】図2に示されるメンブレンの平面図
【図5】図4に示されるV−Vラインの断面図
【図6】本発明に係るパッケージの使用状態を示す斜視図
【図7】図6に示されるVII−VIIラインの断面図
【図8】本発明の実施形態に係る漏斗パーツの斜視図
【図9】図8に示される漏斗パーツの正面図
【図10】図8に示されるA2−A2’ラインの断面図
【図11】図8に示される漏斗パーツを容器本体に取り付けた状態を示す斜視図
【図12】本発明の実施形態に係るパッケージの斜視図
【図13】図13に示されるB2−B2’ラインの断面図
【図14】漏斗の狭口側の開口内部に設けられるリブの他の一例を示す平面図
【図15】図13に示されるパッケージの使用状態を示す断面図
【図16】比較例に係る漏斗パーツを容器本体に取り付ける過程を示す模式図
【図17】本発明の実施形態に係る漏斗パーツを容器本体に取り付ける過程を示す模式図
【図18】本発明の実施形態に係る漏斗パーツと、射出成形時のゲート配置との関係を示す平面図
【図19】本発明に係る漏斗パーツの側壁形状の他の例を示す正面図
【図20】本発明に係る漏斗パーツの狭口側の開口部形状の他の例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(基本構成)
まず、図1〜7を参照しながら、本発明に係るパッケージの基本的な構成を説明する。
【0014】
図1は、本発明に係るパッケージの概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示されるパッケージの分解斜視図である。また、図3は、図1に示されるIII−IIIラインの断面図である。
【0015】
パッケージ1は、粉粒状または液状の材料を包装し、他の保存容器に内容物を再充填するための詰め替え用パッケージとして使用されるものであり、包装容器2と、包装容器2の内部に充填される内容物5と、包装容器2の開放端11を封止するメンブレン3とを備える。更に、包装容器2には、メンブレン3を保護するために、高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)等で形成したオーバーキャップ4が取り付けられている。内容物5は、流動性を有するものであれば特に限定されず、本発明に係る包装容器2は粉状、粒状、液状等の様々な材料に適用できる。
【0016】
包装容器2は、一端が開放された筒形状の容器本体10と、容器本体10の内部に収納された漏斗20を含む漏斗パーツ8とを備える。
【0017】
容器本体10は、側壁17と底部16と開放端11とを有する。本実施形態では、容器本体10は、矩形形状のシート材料を丸めて部分的に重ね合わせ、重なり部分を貼り合わせることによって筒状に形成されている。容器本体10の底部18は、円形状の底板19と、底板19の外周部を挟み込んで保持する折り返し部18とによって構成されている。一方、容器本体10の開放端11には、側壁17の一部を外方に折り曲げて環状に巻き込むことによって、カーリング12が形成されている。
【0018】
容器本体10の形成材料は特に限定されないが、容器の軽量化や廃棄の容易さ、省資源化を考慮して、紙を主体とする材料を用いることが好ましい。一例として、食品の包装用途では、容器本体10の内面となる側から順に、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム箔、紙を積層して形成され、高いガスバリア性(特に、酸素、水蒸気、芳香成分等の内容物由来の揮発成分を遮断する性質)を有するシート材料を利用できる。
【0019】
漏斗パーツ8は、一方端に向かって径の狭まる部分を有する漏斗と、これに一体化された部材からなる部品のことをいう。図1〜3に例示した漏斗パーツ8は、漏斗20と、漏斗パーツ8の広口部分に接続される円筒形状の側壁22とを備え、容器本体10の開放端11から内部へと挿入され、収納容器10に嵌め込まれている。後述するように、漏斗20は、他の容器への内容物5の詰め替えを容易にするために設けられているものであり、開放端11に向かって径が狭まるように配置されている。漏斗20のテーパー角αは、内容物の流動性に応じて適宜設定されるが、内容物が粉体の場合には、少なくとも20〜45°、より好ましくは20°に設定される。
【0020】
漏斗パーツ8は、例えば、HDPEやPP等の樹脂材料によって一体成型しても良いし、紙や樹脂、紙混合樹脂等を用いて別個に形成した漏斗20及び側壁22を互いに接続して構成しても良い。樹脂や紙混合樹脂を用いる場合、漏斗パーツ8は、例えば射出成形によって成形しても良い。漏斗20や漏斗パーツ8の形状や取り付け方法は、図1〜3の例に限らず、様々なバリエーションがある。
【0021】
図4は、図2に示されるメンブレンの平面図であり、図5は、図4に示されるV−Vラインの断面図である。
【0022】
メンブレン3は、包装容器2に材料を充填した後に、包装容器2の開放端11を封止するために用いられるものであり、包装容器2の用途に応じて、単一の層よりなるシート材料または複数層を積層したシート材料を利用できる。包装容器2の内容物が食品等の場合には、ガスバリア性を有する材料でメンブレン3を形成することが好ましい。
【0023】
具体的には、メンブレン3は、図5に示されるように、包装容器2にシールされるシーラント層31と、シーラント層31上に積層された樹脂層32と、接着剤層33を介して樹脂層32上に張り合わされた金属箔層34とから構成される。一例として、シーラント層31をポリエチレンで形成し、樹脂層32をポリエチレンテレフタラート(PET)で形成し、金属箔層34はアルミニウムで形成しても良い。メンブレン3を構成する層の積層数や積層方法は特に限定されず、任意で良い。
【0024】
メンブレン3には、外部からの押圧によって張力が所定の大きさを超えたときに破断するように、中心から放射状に延びる6本の切断線30が形成されている。切断線30は、図4及び5に示されるように、メンブレン3の厚み方向においては、シーラント層31及び樹脂層32のみを切断し、かつ、メンブレン3の延伸方向においては、破線を描くように形成されている。
【0025】
切断線30は、メンブレン3の破断強度を調整するためのものであり、メンブレン3に加えられる押圧力に応じて、数やライン形状、切断箇所の長さ及び深さを任意に設定することができる。切断線30の理想的な数としては、中心から放射状に3〜10本の範囲で設けるのが望ましい。切断線30は、直線状でも良いし曲線状でも良い。また、メンブレン3の延伸方向において、切断線30は必ずしも破線状のミシン目である必要はなく、実線を描くように形成しても良い。
【0026】
図6は、本発明に係るパッケージの使用状態を示す斜視図であり、図7は、図6に示されるVII−VIIラインの断面図である。より特定的には、図6及び7において、(a)は、メンブレンの破断前の状態を示し、(b)は、メンブレンの破断後の状態を示す。
【0027】
パッケージ1内の内容物5を他の容器7に再充填する際には、まず、図6(a)及び7(a)に示すように、オーバーキャップを取り外した包装容器2を倒立させ、メンブレン3を保存容器7の開口部に当接させる。このとき、漏斗20の狭口側の開口部が保存容器7の開口の範囲内に配置するため、包装容器2の中心を保存容器7の中心とを合わせる。
【0028】
次に、パッケージ1の底部を図の矢印方向に押下する。このとき、メンブレン3は、包装容器2の押圧に伴って、漏斗20及び容器7の開口部から押圧力を受けるが、メンブレン3の張力が所定の破断強度を上回ると、図6(b)及び7(b)に示すように、メンブレン3が破断する。メンブレン3が破断すると、包装容器2に加えられた押圧力に従って、漏斗20は容器7の内部へと挿入され、破断したメンブレン3は、漏斗20と側壁22とで挟まれた空間内に折り込まれる。この結果、漏斗20の外方側の開口部が大きく開いた状態となるので、内容物5は、重力に従って、漏斗20のテーパーに沿って容器7の内部に流入する。
【0029】
以上説明したように、本発明に係る包装容器2及びこれを用いたパッケージ1によれば、メンブレン3と容器7の開口部とを突き合わせて、包装容器2を保存容器7に向かって押圧することにより、メンブレン3の破断とほぼ同時に漏斗20の開口部が保存容器7内に挿入される。包装容器2内の内容物5は漏斗20によって保存容器7の内部に誘導されるため、詰め替え作業時に内容物5が飛散したりこぼれたりするのを防止できる。よって、本実施形態に係る包装容器2及びパッケージ1によれば、内容物の詰め替えを容易に行うことが可能となる。
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る漏斗パーツ、これを用いた包装容器とパッケージ、及び製造方法を説明する。尚、以下で説明する図面においては、メンブレンを保護するためのオーバーキャップの図示を省略している。
【0031】
(実施形態)
図8は、本実施形態に係る漏斗パーツの斜視図であり、図9は、図8に示される漏斗パーツの正面図であり、図10は、図8に示されるA2−A2’ラインの断面図であり、図11は、図8に示される漏斗パーツを容器本体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0032】
漏斗パーツ201は、内容物を保存容器に導くための漏斗220と、漏斗220の開口部222の内部に設けられるリブ228と、容器本体に接続される円筒状の側壁230と、漏斗パーツ201を補強し保存容器の挿入量を規制する6つのリブ240とを備える。
【0033】
漏斗220は、広口側の開口部221と狭口側の開口部222とを備え、開口部221から開口部222にかけて、径が狭まる形状を有している。より詳細には、漏斗220は、広口側から順に、一定の割合で径が狭まるテーパー部223と、第一のストレート部224と、単調に径が狭まる形状を有する誘導部225と、第二のストレート部226とを有する。尚、本明細書において、弧状とは、円弧若しくは楕円弧または曲率の異なる円弧または楕円弧を組み合わせた曲線形状をいう。さらに漏斗220の外面には、リブ240の端面241と同一平面を構成し、漏斗220の外面から外方側に突出する突出部227が設けられる。
【0034】
誘導部225は、漏斗パーツ201を用いたパッケージの使用時(図6及び7)に、漏斗220を保存容器の開口部の中心に導くためのものである。また、突出部227は、漏斗パーツ201を用いたパッケージの使用時(図6及び7)に、保存容器の開口部と漏斗220との隙間を補助的に塞ぐために設けられるものである。
【0035】
リブ228は、狭口側の開口部222の中心から放射状に延び、開口部222の内面の各部同士を架け渡すように形成されている。各リブ228は開口部222の中心軸周りに均等に配置されており、隣接する一対のリブ228と開口部222の中心軸とで構成される中心角は一定である。また、リブ228の狭口側の端面が、漏斗220の開口部222の端面を含む平面より広口側に位置するように、リブ228の寸法及び位置が設定されている。これは、漏斗パーツ201でパッケージを構成した際に、リブ228がメンブレンに設けられる切断線と重なることを避け、容器本体の開放端部分に予期しない押圧力が加わった際でもメンブレンが破断しないように考慮したものである。
【0036】
漏斗220の開口部222の内部には、隣接するリブ228同士を接続し、リブ228のたわみを抑制する複数の横リブ229が更に設けられている。本実施形態においては、横リブ229は、開口部222と同心の円を構成する。図10に示すように、横リブ229の狭口側の端面と、横リブ229に囲まれた各リブ228の一部の狭口側の端面とは同一平面を構成している。また、本実施形態では、横リブ229の狭口側の端面も、漏斗220の開口部222の狭口側の端部より広口側に位置している。
【0037】
側壁230は、漏斗220を取り囲む円筒形状を有し、矩形状の6つの開口231が周方向に等間隔に形成されている。複数の開口231を形成することによって、側壁230には、隣接する一対の開口231に挟まれる柱部232と、柱部232に接続され漏斗220の狭口側の端面を含む帯状の取り付け部233とが構成される。
【0038】
漏斗220の狭口側に位置する開口231のコーナー234は、弧状に形状されている。このようにコーナー234を弧状に形成するのは、包装容器の組み立てを容易にするためであるが、その詳細は後述する。
【0039】
リブ240は、漏斗220の外面及び側壁230の柱部232内面に接続され、周方向に等間隔に配置されている。リブ240の狭口側の端面241は、開口部222を含む平面より広口側(すなわち、内方側)に位置する。漏斗220中心軸方向における開口部222を含む平面から端面241までの距離によって、保存容器のパッケージ内部への挿入量が規定されている。
【0040】
上述の構成を有する漏斗パーツ201は、射出成形により一体に形成できる。射出成型により製造する場合、リブ240と側壁230の柱部232との組を漏斗220の周方向に均等に配置した構造を採用すれば、樹脂の注入速度や冷却時の収縮度合いを一定にできる。各リブ240の収縮度合いが異なると、漏斗220の狭口側の開口形状が真円から大きくずれてしまうが、成型時に漏斗形状に影響する構造(リブ240及び柱部232)を等価な構造とし均等に配置することで、漏斗220中心軸方向から見て、漏斗パーツ201の形状を真円に近づけることが可能となる。この場合、さらに射出成形用金型に設けるゲート配置を考慮することが好ましいが、この点は後述する。
【0041】
図12は、本発明の実施形態に係るパッケージの斜視図であり、図13は、図12に示されるB2−B2’ラインの断面図である。
【0042】
パッケージ211は、漏斗パーツ201を取り付けた容器本体250に内容物260を充填し、容器本体250の開放端をメンブレン270で封止したものであり、上述したような使用方法(図6及び7)を想定しているため、メンブレン270にはその破断強度を調整するための切断線271が形成されている。
【0043】
パッケージ211が落下する等して、パッケージ211側面が地面に衝突した時には、パッケージ211側面にパッケージ211内部方向への押圧力が加わる。この押圧力によって、容器本体250の開放端部分が変形し、切断線271と交差する方向に所定以上の張力が加わると、メンブレン270が破断する可能性がある。
【0044】
本実施形態に係る漏斗パーツ201は、上述したリブ228及びこれを接続する横リブ229、側壁230と漏斗220とを接続するリブ240に撓みが抑制されているので、漏斗パーツ201を取り付けることによって容器本体250の開放端部分の強度を向上し、変形を抑制することができる。従って、容器本体250の変形に伴う予期しないメンブレン270の破断を防止することができる。
【0045】
更に、狭口側に位置するリブ228の端面及び横リブ229の端面を含む平面が、狭口側の開口部222を含む平面より広口側に位置するため、メンブレン270がリブ228や横リブ229に衝突することによるメンブレン270の直接の損傷を防止できる。
【0046】
尚、図8〜13では、開口部222内部にリブ228の撓みを防止する横リブ229を設けた例を示したが、図14に示す構成を採用しても良い。
【0047】
図14は、漏斗の狭口側の開口内部に設けられるリブ228の他の一例を示す平面図である。
【0048】
図14の例では、狭口側の漏斗220の開口内部に、開口部222の中心から放射状に伸びる複数のリブ228のみが設けられている。漏斗220に対して図の矢印方向に押圧力が加わると、この押圧力を受けるリブ228の中央部分が撓みやすい。ただし、狭口側の開口部222の径が比較的小さい場合は、リブ228の撓みも小さいので、狭口側の開口部222の補強効果を十分に発揮することができる。したがって、図14に示すリブ228を備える漏斗パーツ201を用いた場合でも、容器本体の開放端部分の変形を抑制し、メンブレンの破断を防止できる。
【0049】
図15は、図13に示されるパッケージの使用状態を示す断面図である。さらに特定すると、図15(a)は、保存容器開口部のパッケージへの挿入途中の状態を示す断面図であり、(b)は、保存容器開口部のパッケージへの挿入が完了した状態を示す断面図である。
【0050】
本発明に係るパッケージ211の使用時(図6及び7)には、パッケージ211の中心軸と保存容器280との中心軸とが完全に一致しない場合がある。そのような場合でも、両者の中心軸が一致した状態へとパッケージ211を誘導するために、漏斗220には誘導部225が設けられている。
【0051】
例えば、パッケージ211の中心軸が保存容器280の中心軸から水平方向に偏芯している場合において、保存容器280の開口部281がメンブレン270を破断してパッケージ211内部に挿入されると、図15(a)に示すように、開口部281は漏斗220の誘導部225の外面に当接する。
【0052】
この状態で、図の矢印方向に、更にパッケージ211を押し込むと、開口部281に当接する誘導部225が開口部281上を滑らかに移動して、パッケージ211の中心軸を保存容器280の中央に誘導する。この結果、図15(b)に示すように、漏斗220の狭口側部分が保存容器280の開口部に挿入され、パッケージ211と保存容器280との軸心が一致し、かつ、開口部281がリブ240の端面241及び突出部227が構成する平面に当接した状態となる。このような誘導部225を設けることで、容易かつ速やかに漏斗220の位置決め及び挿入を行うことができる。
【0053】
また、図15(b)に示す状態では、漏斗220の外面と保存容器280の開口部281との隙間が突出部227の端面によって塞がれている。この隙間が塞がれていない場合、内容物260の保存容器280への流入に伴って押し出された空気共に内容物(特に粉末の内容物)がこの隙間を通じて飛散する可能性がある。本実施形態では、この隙間を塞ぐことによって、内容物260の飛散を抑制することができる。
【0054】
また、開口部281の内径寸法が多少バラツキを有している場合でも、漏斗220が第一のストレート部224を備えているため、開口部281の内面が第一のストレート部224の領域のいずれかの部分に接触することで、保存容器280とパッケージ211との接続部分の隙間を埋めることができる。
【0055】
破断したメンブレン270は、開口部281によって二つ折りにされて、漏斗220と側壁230とで挟まれる空間に押し込まれる。この押し込み量は、漏斗220中心軸方向におけるリブ240の端面241から開口部222を含む平面までの距離Dによって決まる。
【0056】
開口部222の直径がWの場合、開口部の中心で破断したメンブレン270を二つ折り状態でパッケージ211内に押し込んで、開口部222を完全に開放するためには、寸法Dが1/4W以上であることが必要となる。
【0057】
寸法Dの値の上限値は特に限定されないが、寸法Dの値が1/2Wであれば、破断したメンブレン270の全部をパッケージ211内に押し込むことができる。寸法Dの値が1/2Wを超えると、漏斗220の挿入量が大きくなるので、漏斗パーツ201の設計に制約が生じるが、パッケージ211の形状や用途に応じてDの値を決定すれば良い。
【0058】
図16は、比較例に係る漏斗パーツを容器本体に取り付ける過程を示す模式図であり、図17は、本発明の実施形態に係る漏斗パーツを容器本体に取り付ける過程を示す模式図である。さらに特定的には、図16及び17の(a)は、各々の漏斗パーツを容器本体に取り付ける過程の正面図であり、(b)は、(a)に示す容器本体及び漏斗パーツの上面図であり、(c)は、漏斗パーツを容器本体に嵌め込んだ状態を示す上面図である。
【0059】
容器本体250に対する漏斗パーツ201の位置決めを容易にし、取り付け状態を確実にするため、漏斗パーツ201の側壁230の外径は容器本体250の内径より少し大きく設定される。さらに、容器本体250の開放端にカーリングを形成する場合には、容器本体250の開放端側の内径が、他の部分の内径に比べて小さくなり易い。そのため、漏斗パーツ201を容器本体250に挿入すると、容器本体250の開放端付近の側面によって、柱部232が漏斗220側に向かって押し込まれる。
【0060】
ここで、図16の比較例に係る漏斗パーツは、側壁に設けた開口のコーナー234が直角に形成されている。図16(a)に示すように、コーナー234が容器本体250の開放端付近に到達するまで漏斗パーツを差し込むと、柱部232が漏斗220側に押し込まれる。このとき、コーナー234付近の強度が弱いため、図16(b)に示すように、隣接する柱部232の間に位置する取り付け部233が径方向外側に向かって膨らみ、漏斗パーツ201の中心軸方向から見て六角形状に変形する。
【0061】
取り付け部233は、隣接する柱部232の中央部分で最も大きく外方に膨らみ、上方から見たときに、容器本体250の開放端より外側に突出しているため、開放端面に当接し、漏斗パーツを容器本体250へ挿入する際の妨げとなる。
【0062】
また、漏斗パーツを容器本体250に完全に挿入した後も、コーナー234部分において取り付け部233が変形し易く、図16(c)に示すように、取り付け部233の一部が漏斗220側に迫り出すように湾曲する。
【0063】
図16(c)の状態では、漏斗222及び取り付け部233の間に、漏斗パーツを容器本体250に接合するための装置や治具を挿入することが困難となり、容器本体250と漏斗パーツとの接合ができなかったり、仮に接合したとしても、接合不良の原因となる。
【0064】
一方、図17に示す、本実施形態に係る漏斗パーツ201のコーナー234は弧状に形成されており、コーナー234の強度が、直角の場合に比べて高くなっている。
【0065】
そのため、コーナー234が容器本体250開放端付近に位置するまで漏斗パーツ201を容器本体250に挿入した場合でも、図17(b)に示すように、漏斗パーツ201は中心軸方向から見て真円に近い形状を保っている。
【0066】
従って、漏斗パーツ201を容器本体250に挿入する際に、側壁230が引っ掛かることなく、円滑に差し込むことができ、図17(c)に示すように、容器本体250内部に漏斗パーツ201の側壁230が沿った状態となる。
【0067】
図18は、本発明の実施形態に係る漏斗パーツと、射出成形時のゲート配置との関係を示す平面図である。
【0068】
本実施形態に係る漏斗パーツ201は、6つの柱部232が周方向に等間隔に設けられ、柱部232の内側と漏斗220の外壁とを接続する6つのリブ240が配置される。上述したように、回転方向に柱部232及びリブ240の組が均等に設けられることで、漏斗パーツ201は、その中心軸方向から見て真円に近い形状を有している。この漏斗パーツ201の射出成型時には、3つのゲート290を漏斗220中心軸に対して回転対象、かつ隣接する一対の柱部232の中間に配置させて射出成形することで、更なる真円度の向上を実現している。
【0069】
この時、ゲート290の数は、リブ240及び柱部232の数に対して同じ或いは半分であれば、リブ240及び柱部232に対して周方向に均等に配置することができる。
【0070】
このような漏斗パーツ201を成形するための金型は、漏斗パーツ201を構成する漏斗220、側壁230、リブ240に対応する各々のキャビティ及び3点のゲート290を備えている。
【0071】
リブ240及び柱部232に対応するキャビティは、漏斗220の周方向に等間隔に配置されている。ゲート290は、周方向に等間隔で、かつ、隣接する一対のリブ240及び柱部232に対応するキャビティの中間位置であって、漏斗220の裏側表面に対応するキャビティ端面に設けられている。このようにゲート290を配置することで、射出成形時に各リブ240や柱部232に対応するキャビティへの均一充填が可能となる。
【0072】
金型は、通常に射出成形で用いられるもので良く、例えば、合金工具鋼で形成したキャビティを炭素鋼で形成した母型に組み込んで構成されるものであれば好適に使用できる。
【0073】
本実施形態に係る金型を用いると、各ゲート290から充填された樹脂は、漏斗部、側壁部及びリブ部に対応するキャビティ全てに行き渡り、漏斗パーツ201を一体的に射出成形することができる。ゲート290から充填された樹脂はキャビティ端面に接触し、熱を奪われつつ、充填末端部へと流動する。このため樹脂充填過程において、樹脂充填圧力の損失及び樹脂温度の低下が発生する。それ故、ゲートから樹脂が流動する距離に応じて、樹脂温度や樹脂圧力が異なる。具体的には、充填末端の樹脂の方がゲート付近の樹脂に比べて、温度及び圧力ともに低くなる。
【0074】
本実施形態の金型では、ゲート290からの樹脂の流動距離が等しい地点にリブ240及び柱部232に対応するキャビティを配置することで、各キャビティ間に充填される樹脂温度及び樹脂圧力を均一に近づけることができる。これによって、各リブ240及び柱部232は、同じように収縮するため、より真円に近い形状をもった漏斗パーツ201を製造することが可能となる。
【0075】
上記の例では、漏斗パーツの側壁を円柱状に形成すると共に、狭口側の開口部をストレート状に形成した例を説明したが、漏斗パーツの側壁及び狭口側の開口部は、以下のように形成しても良い。
【0076】
図19は、本発明の実施形態に係る漏斗パーツの側壁形状の他の例を示す図である。
【0077】
本実施形態に係る漏斗パーツ201の側壁230は漏斗220を取り囲む円筒形状を有しているが、図19(a)に示すように、周方向に間欠的にスリットを設けることによって周方向に非連続な側壁230を形成しても良い。また、図19(b)に示すように、漏斗220の狭口側の開口部222と反対側に延びるように側壁230を形成しても良い。図19(b)の場合でもまた、図19(a)に示すようなスリットを複数設けて、周方向に非連続な形状としても良い。また、図19(b)の形状を採用する場合、漏斗220の外面に接続されるリブの外方端部は、容器本体内面に当接または接続すれば良い。
【0078】
図20は、本発明の実施形態に係る漏斗の狭口側の開口部形状の他の例を示す図である。
【0079】
漏斗220の狭口側の開口部222には、図20(a)に示すように、端縁部分を外側に折り曲げられた折り曲げ部245を設けても良い。また、折り曲げ部245は、端縁部分を内側に曲げて形成しても良い。この時、折り曲げ部245の外面とストレート部226の外面とのなす角度βについては任意に設定可能である。βが0〜90度の場合は外側に折り返され、βが90〜180度の場合は外側に折り返されかつ外方に向かって広がり、βが180〜270度の場合は内側に折り返されかつ外方に向かって狭まり、βが270〜360度の場合は内側に折り返される形状を有する。またβが90度の場合は、図20(a)に示すように外側に直角に折曲がり、βが270度の場合は内側に直角に折曲がる。更には、図20(b)に示すように、外側に巻き込んだカーリング部246を設けても良い。この場合も、カーリング部246は、内側に巻き込んだ形状でも良い。狭口側の開口部222をこのような形状にすることで、パッケージとして用いた場合に、開口部222がメンブレンに当接する面積が大きくなり、内容物が漏斗220の外側に漏れ出すことを防止する効果が高くなる。更には輸送時等の衝撃による意図しないメンブレンの破断が発生しにくくなる効果も発揮される。
【0080】
尚、上記の実施形態では、テーパー部と、第一及び第二のストレート部と、誘導部とを備える漏斗を構成しているが、漏斗の形状については、広口側から狭口側へと内容物を導くことができるものであれば特に限定されない。例えばストレート部を設けず、テーパー部と誘導部のみからなる漏斗や、テーパー部の途中にさらにストレート部を設けた漏斗を構成しても良い。また、漏斗外面の突出部は任意であり、必ずしも設ける必要はない。
【0081】
また、上記の実施形態では、狭口側の漏斗内部に設けられるリブは、狭口側の漏斗の変形を抑制し、内容物の通過を極度に妨げない形状であれば良い。リブの断面形状も特に限定されず、矩形状や円形状等任意の横断面形状を採用できる。また、狭口側の開口部の中心から曲線を描くように形成しても良い。リブの本数は、2本以上あれば良い。また、リブは周方向に均等に設けることが好ましいが、均等ではなく隣接するリブが異なる中心角を形成するように設けても良い。
【0082】
リブ同士を接続する横リブは、円形である必要はなく、例えば直線状の横リブで隣接するリブ同士を繋いだ多角形でも良い。また、横リブの漏斗狭口側に位置する端面が同一平面上になくても良い。
【0083】
更に、上記の実施形態では、側壁に設ける開口を、漏斗広口側に位置する側壁の端まで広げ、側壁下部を省略しても良く、開口の数についても複数であれば任意である。また開口は周方向において等間隔に形成しなくても良いが、この場合は、射出成形された漏斗パーツの中心軸方向から見た真円度が低下することに注意が必要である。開口のコーナーは、弧状である必要はなく、例えば平面(C面)で角を取っても良く、また開口の4隅全ての角を取っても良い。
【0084】
更に、上記の実施形態では、側壁と漏斗との間に接続されるリブについては、複数個設ければその数は任意である。また周方向に等間隔に設けなくても良いが、この場合は、射出成形された漏斗パーツの中心軸方向から見た真円度が低下することに注意が必要である。
【0085】
リブの端面と狭口側の開口部を含む平面との距離も、必ずしも狭口側の開口部の直径の1/4以上かつ1/2以下でなくても良い。メンブレン270が破断され、内容物260を保存容器に詰め替えることが可能であり、パッケージ211に充填される内容物260の種類に応じて、適宜選択したものであれば特に制限されない。
【0086】
更に、上記の実施形態では、リブ及び柱部は6つである必要はなく、複数のリブ及び柱部を漏斗周方向に等間隔に配置したものであれば、真円度が良好な射出成形品が得られる。
【0087】
また、射出成形によって漏斗パーツの真円度を高めるために用いる金型としては、リブ及び柱部に対応する複数のキャビティを、漏斗周方向に等間隔に配置させ、さらにゲートを周方向に等間隔、かつ、隣接する一対のリブ及び柱部に対応するキャビティの中間における、漏斗の裏側表面に対応するキャビティ端面に設けるものであれば、各キャビティやゲートの数は任意である。例えば柱部及びリブ部の数と同数のゲートを設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、フリーズドライコーヒーや粉ミルク等の食品や、複写機やレーザープリンター用のトナーなど、粉状・顆粒状・液状の流動性を有する材料を保存容器に移し替えるための漏斗パーツ及びこれを用いた包装容器とパッケージに利用できる。
【符号の説明】
【0089】
1 パッケージ
2 包装容器
3 メンブレン
5 粉体
7 容器
8 漏斗パーツ
10 容器本体
11 開放端
17 側壁
20 漏斗
201 漏斗パーツ
210 包装容器
211 パッケージ
220 漏斗
221、222 開口部
223 テーパー部
224 第一のストレート部
225 誘導部
226 第二のストレート部
227 突出部
228 リブ
229 横リブ
230 側壁
231 開口
232 柱部
233 取り付け部
234 コーナー
240 リブ
241 リブ端面
245 折り曲げ部
246 カーリング部
250 容器本体
260 内容物
270 メンブレン
280 保存容器
281 開口部
290 ゲート位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放端と底部と側壁とを有する円筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成する漏斗パーツであって、
広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、
前記漏斗の外面を取り囲んで前記漏斗に接続され、前記容器本体に嵌め込まれる円筒形状の側壁とを備え、
前記側壁には、矩形状の複数の開口が周方向に間欠的に設けられ、
前記狭口側に位置する前記開口のコーナーは、角が取られた形状を有する、漏斗パーツ。
【請求項2】
狭口側に位置する前記開口のコーナーが弧状に形成される、請求項1に記載の漏斗パーツ。
【請求項3】
前記複数の開口は、前記側壁の周方向において等間隔に形成される、請求項1または2に記載の漏斗パーツ。
【請求項4】
前記漏斗の狭口側の開口部が、前記側壁の狭口側の端面を含む平面より突出する、請求項1〜3に記載の漏斗パーツ。
【請求項5】
粉粒状または液状の材料を包装し、前記材料を保存容器に移し替えるための包装容器であって、
開放端と底部とを有する円筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開放端に嵌め込まれる請求項1に記載の漏斗パーツとを備える、包装容器。
【請求項6】
内容物を保存容器に移し替えるためのパッケージであって、
開放端と底部とを有する円筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開放端に嵌め込まれる請求項1に記載の漏斗パーツと、
前記容器本体内部に充填される粉粒状または液状の材料と、
前記容器本体の開放端を封止し、外部からの押圧によって破断するメンブレンとを備える、パッケージ。
【請求項7】
開放端と底部と側壁とを有する円筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成し、金型を用いた射出成型により形成される漏斗パーツであって、
広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、
前記漏斗の外面を取り囲む円筒形状を有し、前記漏斗の周方向に等間隔で形成される矩形状の複数の開口と、周方向に隣接する一対の開口に挟まれる部分よりなる、前記開口と同数の柱部とを含む側壁と、
前記柱部の各々と前記漏斗の外面とを接続する、前記柱部と同数のリブとを備える、漏斗パーツ。
【請求項8】
m箇所(ただし、mは2以上の整数)のゲートを有する前記金型を用いる場合、前記開口の数と、前記柱部の数と、前記リブの数とがいずれもmまたは2mである、請求項7に記載の漏斗パーツ。
【請求項9】
広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、前記漏斗の外面を取り囲む円筒形状を有し、前記漏斗の周方向に等間隔で形成される矩形状の複数の開口と、周方向に隣接する一対の開口に挟まれる部分よりなる、前記開口と同数の柱部とを含む側壁と、前記柱部の各々と前記漏斗の外面とを接続する、前記柱部と同数のリブとを有する漏斗パーツを射出成型するための漏斗パーツ成形用金型であって、
前記漏斗と、前記側壁と、前記リブとに対応するキャビティと、前記キャビティに樹脂を注入するための複数のゲートとを有し、
前記漏斗に対応するキャビティの中心軸上から見たときに、前記ゲートの各々が隣接する一対の前記柱部に対応する一対のキャビティの中間に位置すると共に、前記中心軸に対して回転対称に配置される、漏斗パーツ成形用金型。
【請求項10】
前記開口の数と、前記柱部の数と、前記リブの数とがいずれも2n(ただし、nは1以上の整数)である場合、n箇所の前記ゲートが設けられる、請求項9に記載の漏斗パーツ成形用金型。
【請求項11】
広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、前記漏斗の外面を取り囲む円筒形状を有し、前記漏斗の周方向に等間隔で形成される矩形状の複数の開口と、周方向に隣接する一対の開口に挟まれる部分よりなる、前記開口と同数の柱部と含む側壁と、前記柱部の各々と前記漏斗の外面とを接続する、前記柱部と同数のリブとを有する漏斗パーツの製造方法であって、
前記漏斗と、前記側壁と、前記リブとに対応するキャビティと、複数のゲートとを有する金型に樹脂を注入して、前記漏斗と前記側壁と前記リブとを一体的に射出成型する工程を有し、
前記漏斗に対応するキャビティの中心軸上から見たときに、前記ゲートの各々が隣接する一対の前記柱部に対応する一対のキャビティの中間に位置すると共に、前記中心軸に対して回転対称に配置され、
前記樹脂は、前記複数のゲートから同時に注入される、漏斗パーツの製造方法。
【請求項12】
開放端と底部と側壁とを有する筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成する漏斗パーツであって、
広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、
前記漏斗の狭口側の開口部の中心から放射状に延び、狭口側の開口部の内面の一部及び他の一部を架け渡す複数のリブとを備える、漏斗パーツ。
【請求項13】
隣接する一対のリブは、同一の中心角を形成する、請求項12に記載の漏斗パーツ。
【請求項14】
隣接する一対のリブ同士を接続する複数の横リブを更に備える、請求項12または13に記載の漏斗パーツ。
【請求項15】
前記複数の横リブは、前記漏斗の狭口側の開口部と同心円を構成する、請求項14に記載の漏斗パーツ。
【請求項16】
前記複数の横リブの前記狭口側の端面が同一平面を構成する、請求項15に記載の漏斗パーツ。
【請求項17】
前記複数の横リブの前記狭口側の端面と、前記リブのうち、前記複数の横リブによって構成される円に含まれる部分の前記狭口側の端面とが、同一平面を構成する、請求項15記載の漏斗パーツ。
【請求項18】
前記リブの前記狭口側の端面が、前記漏斗の狭口側の端面を含む平面より前記広口側に位置する、請求項12〜17に記載の漏斗パーツ。
【請求項19】
粉粒状または液状の材料を包装し、前記材料を保存容器に移し替えるための包装容器であって、
開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開放端に嵌め込まれる請求項12に記載の漏斗パーツとを備える、包装容器。
【請求項20】
内容物を保存容器に移し替えるためのパッケージであって、
開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開放端に嵌め込まれる請求項12に記載の漏斗パーツと、
前記容器本体内部に充填される粉粒状または液状の材料と、
前記容器本体の開放端を封止し、外部からの押圧によって破断するメンブレンとを備える、パッケージ。
【請求項21】
開放端と底部と側壁とを有する筒形状の容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成する漏斗パーツであって、
広口側から狭口側に向かって径が狭まる漏斗と、
前記漏斗に接続される側壁と、
前記漏斗の外面と前記側壁の内面とを接続する複数のリブとを備え、
前記漏斗は、前記リブの前記狭口側の端面を含む平面より前記狭口側に、その外径が前記狭口側に向かって単調に狭まると共に、その外面の縦断面形状が弧状である誘導部を含む、漏斗パーツ。
【請求項22】
前記漏斗パーツは、前記誘導部の前記広口側に接続され、その外径が一定のストレート部を更に含む、請求項21に記載の漏斗パーツ。
【請求項23】
前記リブの前記狭口側の端面と同一平面を構成し、前記漏斗の外面から外方側に突出する突出部を更に備える、請求項21または22に記載の漏斗パーツ。
【請求項24】
粉粒状または液状の材料を包装し、前記材料を保存容器に移し替えるための包装容器であって、
開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開放端に嵌め込まれる請求項21に記載の漏斗パーツとを備える、包装容器。
【請求項25】
内容物を保存容器に移し替えるためのパッケージであって、
開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開放端に嵌め込まれる請求項21に記載の漏斗パーツと、
前記容器本体内部に充填される粉粒状または液状の材料と、
前記容器本体の開放端を封止し、外部からの押圧によって破断するメンブレンとを備える、パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−254326(P2010−254326A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104946(P2009−104946)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】