説明

漢方薬送達用親水性粘着組成物

膨潤性粘着ポリマー、膨潤剤、漢方薬、および、場合により、凝集性感圧粘着組成物を形成するのに十分な量の改質ポリマーを含む親水性感圧粘着組成物。本組成物は、皮膚上に、または、皮膚を通しての、漢方薬および他の活性成分の送達材として有用である。本組成物の製造方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は漢方薬送達用親水性粘着組成物に関する。本発明は、また、その粘着組成物から作製された物品およびその粘着組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
主としてアジア諸国の製品であり、しばしば「伝統的な中国薬品」と呼ばれる漢方薬は、種々の成分を含むよう調合されており、消炎、痛みの抑制、痛みの除去といった所望の効能を生み出す活性成分を確認するために、広範な研究が行われてきた。多くの入手可能な漢方製剤において、1つまたは複数の活性成分も、それらの相互のまたは処置した表面との作用も、未だよく判っていない。しかしながら、これらの漢方薬成分は何世紀にもわたって使用されてきており、それらの有効性は広く認められている。
【0003】
殆どの漢方薬は経口投与されるが、局所的かつ経皮的な治療のために投与される漢方薬も多い。漢方薬中の活性薬剤が低濃度または低純度であるため、送達材中の含有濃度を高くして、治療の利益を得ようとすることがある。
【0004】
既存の漢方薬用送達材は、その殆どが天然ゴムベースの粘着剤からなるプラスターである。天然ゴムベースの粘着剤は疎水性であり、親水性の漢方薬成分とは相溶性が低い。天然ゴムベースの粘着剤はかなりの量で漢方薬成分と混合され、布または不織布バッキングに塗布される。漢方薬のプラスターは、刺激があり、粘着力が弱く、嵩高いうえに、最小摩耗時間が1日未満であるという望ましくない性質を有している。刺激を減らすために、伝統的な中国薬品に親水性ポリマーからなるヒドロゲルを使用し始めたのは最近のことであるが、依然として粘着性に乏しく、漢方薬成分に対する溶解能も低い。
【0005】
親水性粘着組成物の凝集性の増大は、ポリマー材を架橋することによってなされてきた。架橋は、物理的(熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーの場合には熱可逆的である)であってもよく、化学的(永久的である)であってもよい。選択したポリマー系にも依るが、架橋は粘着組成物の凝集性および粘着性の両面に影響を及ぼす。多官能価の架橋剤または放射線架橋を用いて製造される感圧粘着剤の凝集性および粘着性には幅がある。一般に、架橋剤濃度を最適化することにより凝集性および粘着性を増大させることができる。所定の系において最適濃度を越えて架橋剤を増加または減少させると、通常、凝集性および粘着性はともにさらに低下する。このような最適特性は、所定の用途における凝集性および粘着性の要求に対する適合性を制限することになる。
【0006】
添加剤の物理的特性もまた、粘着組成物の凝集性および粘着性に影響する。ヒドロゲル粘着剤を形成する架橋では、粘着性ゲル組成物に添加する添加剤の量を増加させることができたが、漢方薬に要求されるような多量の添加剤を添加すると、組成物の凝集性は許容レベルより低くなる。
【0007】
凝集性の向上に対する要求とバランスさせながらも、皮膚粘着剤として使用する親水性ポリマーの調製における生体親和性に対する関心は依然として高い。感圧粘着組成物は、皮膚に粘着しなければならないだけでなく、その粘着によって皮膚刺激、毒性反応またはポリマー組成物が生体組織に接触することによる他の有害な影響を引き起こしてもいけない。
【0008】
低い弾性率、なじみやすさ、および皮膚にやさしい粘着性を維持しながら、また、漢方薬または他の治療薬などの添加物の存在下での凝集性を保持しながら、親水性粘着組成物の凝集性および吸収膨潤能を増大させることが要求されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、最適な粘着性および凝集性を有する、親水性で薬品として有用な感圧粘着組成物を提供する。粘着組成物は、粘着ポリマー、膨潤剤、漢方薬、および場合により膨潤剤中で膨潤する改質ポリマーを含み、粘着性ポリマーは膨潤剤により膨潤すると感圧粘着剤となり、改質ポリマーと膨潤剤の組み合わせは、組成物の凝集性を増大させながら粘着性ポリマーの粘着性を調整する。殆どの実施形態において、膨潤性粘着ポリマーはポリ(N−ビニルラクタム)を含む。
【0010】
別の態様では、膨潤性粘着ポリマー、膨潤剤および漢方薬を含み、膨潤性粘着ポリマーは膨潤剤の存在下で感圧粘着剤となり、かつ、漢方薬は水単独より膨潤剤に高い溶解性を示す親水性粘着組成物が提供される。
【0011】
また、未架橋または部分的に架橋された膨潤性粘着ポリマーの前駆体を膨潤剤および改質ポリマーと混合すること、および膨潤性粘着ポリマーの前駆体にガンマ線を照射して前駆体を架橋させることを含む親水性粘着組成物の製造方法が提供される。代替の一実施態様においては、粘着組成物の製造方法は、膨潤性粘着ポリマーの前駆体にガンマ線を照射して前駆体を架橋させること、および架橋された膨潤性粘着ポリマーを膨潤剤および改質ポリマーと混合することを含む。
【0012】
本発明の別の態様では、膨潤剤の量を増加させることにより、漢方薬の活性物質を可溶化して成分の放出活性を増大させる能力を付与する。
【0013】
本発明の別の態様では、粘着組成物は、さらに、抗菌剤および/または治療薬を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
「固体」とは、ポリ(ビニルラクタム)を架橋するための照射の前に、ポリ(ビニルラクタム)をいかなる他の物質とも混合する必要がないことを意味する。本発明に有用な放射線架橋ポリ(ビニルラクタム)を調製するために、溶媒、膨潤剤または化学架橋剤と混合する必要がない。照射により架橋するためには、商業的に入手可能な未架橋のポリ(ビニルラクタム)は、粒子の形態で使用される。
【0015】
「本質的に未照射の」とは、固体の放射線架橋ポリ(N−ビニルラクタム)とともに使用される有用な添加剤が、そのような固体のポリ(N−ビニルラクタム)の架橋過程で照射されず、また、他の時にも添加剤を劣化させるような線量で照射されていないことを意味する。
【0016】
「膨潤剤」は、ポリマーを膨潤させることができる無毒の物質と定義される。
【0017】
「改質ポリマー」は、膨潤剤の存在下、凝集性を維持または増加させることができるポリマーと定義される。
【0018】
ここで使用されているように、「漢方薬」は、医学上または治療上の利益があると信じられ、推定され、または知られている漢方薬成分または混合物をいう。漢方薬成分には、植物、動物、鉱物および他のソースに由来する物質が含まれる。伝統的な中国薬品の成分は「漢方薬」の定義に含まれる。
【0019】
「感圧粘着剤」(PSA)は、当業者によく知られているように、次の特性:(1)強力で永久的な粘着力(tack)、(2)指の圧力以下での粘着、(3)被着体に対する十分な付着性能、および(4)被着体からきれいに剥がすことが可能な十分な凝集力、などの特性を有するものである。PSAとして良好に機能することが知られている材料としては、粘着力、引き剥がし粘着力および剪断保持力に関して所望のバランスが得られるよう、必要な粘弾特性を示すように設計され配合されたポリマーが挙げられる。
【0020】
本発明は、膨潤剤によって膨潤すると感圧粘着剤を形成する架橋ポリ(ビニルラクタム)または他の膨潤性ポリマーと、漢方薬と、場合により、膨潤剤で膨潤するとヒドロゲルの凝集性を改質する改質ポリマーとをブレンドしたものを使用する。
【0021】
粘着組成物は、皮膚の上にまたは皮膚を通して、抗菌剤もしくは薬剤などの他の治療薬の送達にも使用することができる。局所的または経皮的送達用の医薬品または活性剤が所望されるときには、浸透促進剤または賦形剤を添加することができる。粘着組成物のpHを調整し、pHを緩衝させ、イオン強度を変化させる添加剤も、ゲルの不透明度、色、反射率または強度を変える顔料と同様、考慮される。
【0022】
膨潤性粘着ポリマー
本発明の粘着組成物は、膨潤して感圧粘着剤となる膨潤性ポリマーと、膨潤剤と、漢方薬と、場合により、凝集性の感圧粘着組成物を形成するのに十分な量の改質ポリマーとを含む。膨潤性ポリマーと混合する膨潤剤の量は、通常、組成物の約50〜約90質量パーセントの範囲である。したがって、組成物に添加される生体親和性物質および/または治療物質を除くと、膨潤性ポリマーの質量パーセントは約10〜約50質量パーセントである。膨潤性ポリマーがポリ(N−ビニルラクタム)であるとき、ポリ(N−ビニルラクタム)の質量パーセントは約15〜約45パーセントの範囲である。
【0023】
本発明の使用に適した膨潤性粘着ポリマーとしては、ポリエチレンオキシド、ポリ(N−ビニル)ラクタムポリマー、ポリアクリルアミド、無水マレイン酸−ビニルエーテルコポリマー、ポリアクリル酸、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリビニルアルキルピリジニウム、ポリメタクリル酸、並びに、それらのコポリマーおよび混合物が挙げられる。本発明の使用に適した他の親水性ポリマーは、米国特許第2,838,421号明細書(ソール(Sohl)ら)、米国特許第4,413,080号明細書(ブレイク(Blake)ら)、米国特許第3,865,770号明細書(ブレイク(Blake)ら);米国再発行特許第34279号明細書(ブレイク(Blake)ら)、米国特許第4,539,996号明細書(エンゲル(Engel)ら)、および米国特許第4,273,135号明細書(ラリモアー(Larimore)ら)に記載されている。ポリマーは、未架橋であっても、化学的に、放射線により、またはこの分野で知られている他の手段によって僅かに架橋されていてもよく、そのような架橋手段としては、米国特許第5,409,966号明細書(デュアン(Duan)ら)、米国特許第4,931,282号明細書(アスムス(Asmus)ら)および米国特許第4,539,996号明細書(エンゲル(Engel)ら)で記載されているものが挙げられる。
【0024】
いくつかの実施形態では、本発明の粘着組成物は、本質的に未照射の膨潤剤と、漢方薬と、場合により、凝集性の感圧粘着組成物を形成するのに十分な量の改質ポリマーとを組み合わせた、膨潤性架橋ポリ(N−ビニルラクタム)を含む。ポリ(N−ビニルラクタム)がポリ(N−ビニルピロリドン)であるとき、ポリ(N−ビニルピロリドン)の質量パーセントは、約15〜約45パーセントの範囲であり、好ましくは約18パーセント〜約35パーセントの範囲である。
【0025】
ポリ(N−ビニルラクタム)を使用する殆どの実施形態においては、膨潤性ポリ(N−ビニルラクタム)は放射線により架橋されるが、そのラクタムは固体の形態である。他の実施形態では、ポリ(N−ビニル)ラクタムは、N−ビニルラクタムモノマー、場合により他のモノマー、および米国特許第4,931,282号明細書に記載されているような架橋化合物を含有する前駆体を、バルクまたは溶液状態で、フリーラジカル重合することにより、架橋される。
【0026】
本発明に有用なポリ(N−ビニルラクタム)は、米国特許第4,931,282号明細書、米国特許第5,225,473号明細書および米国特許第5,389,376号明細書に記載されている固体形態のように、架橋が容易な形態であればいかなる形態であってもよい。固体形態の例としては、種々の形状の粒子、ペレット、シート、フレークおよびバルク品、並びに、種々の形状のコーティング品が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。ポリ(N−ビニルラクタム)は、典型的には、直径が約1cm未満、より典型的には約0.1ミクロン〜0.250cm、しばしば約10ミクロン〜約1000ミクロンの粒子の形態である。あるいは、ポリ(N−ビニル)ラクタムは、溶液で架橋することもできる。ポリ(N−ビニルラクタム)は、未架橋のホモポリマーであっても、N−ビニルラクタムモノマー単位を含む未架橋のコポリマーであってもよく、照射後、膨潤剤中で膨潤可能になり、哺乳類(例えばヒト)の皮膚に対し生体親和性を有する。殆どの実施形態において、生体親和性膨潤剤に溶解するポリ(N−ビニルラクタム)の未架橋のホモポリマーまたは未架橋のコポリマーが使用される。N−ビニルラクタムモノマーの例としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−バレロラクタム、N−ビニル−2−カプロラクタム、およびこれらの任意の混合物が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。好ましくは、N−ビニルラクタムはN−ビニル−2−ピロリドンである。典型的には、ポリ(N−ビニルラクタム)は、N−ビニル−2−ピロリドンのホモポリマーである。
【0027】
上記N−ビニルラクタムモノマーとともに使用されるコモノマーの例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸またはその塩、およびビニルアセテートが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。通常、N−ビニルラクタムモノマー単位は、固体状態のポリ(N−ビニルラクタム)中に存在するモノマー単位の約50質量パーセント以上である。典型的には、N−ビニルラクタムモノマー単位は、ポリマーの全モノマー単位の大半を占め、より典型的には、N−ビニルラクタムモノマー単位はポリ(N−ビニルラクタム)の70〜100質量パーセントであり、しばしばポリ(N−ビニルラクタム)の90〜100質量パーセントである。
【0028】
未架橋のN−ビニルラクタムホモポリマーおよびN−ビニル−ピロリドン/ビニルアセテートコポリマーは、商業的に入手可能である。本発明に有用なポリ(N−ビニル−ピロリドン)の商業的に可能な入手先としては、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee, Wisc.)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)、ニュージャージー州パーシッパニー(Parsippany,N.J.)のBASF、ニュージャージー州ウェイン(Wayne,N.J.)のISP(GAF)、バージニア州ダンビル(Danville,Va.)のダン・リバー・コーポレーション(Dan River Corporation)およびカリフォルニア州ガーデナ(Gardena,Calif)のスペクトラム・ケミカル・マニュファクチャリング・コーポレーション(Spectrum Chemical Manufacturing Corporation)が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。ポリ(N−ビニルラクタム)のフィケンチャー(Fikentscher)K値は、少なくともK−15であり、通常は、少なくともK−60であり、よりしばしばK−90であり、K−120のことさえある。他のフィケンチャー(Fikentscher)K値も可能である。フィケンチャー(Fikentscher)K値は、モリノー(Molyneaux)、「ウォーター・ソルブル・ポリマーズ:プロパティーズ・アンド・ビヘイビアー(Water−Soluble Polymers:Properties and Behavior)」、第1巻、CRCプレス(CRC Press)、1983年、p151−152に記載されている。
【0029】
電離放射線の照射後は、ポリ(N−ビニルラクタム)は、米国特許第5,409,966号明細書に記載されているように、少なくとも約15、通常少なくとも約30、しばしば少なくとも約40の水中膨潤能を有する。
【0030】
膨潤性改質ポリマー
場合により、粘着組成物の凝集特性を向上させるために、粘着組成物に改質ポリマーが添加される。改質ポリマーは、粘着組成物中に存在して、粘着性を低下させるものの、凝集性を維持および/または増大させる。膨潤剤とともに加えられると、改質ポリマーは膨潤剤中に溶解または懸濁する。改質ポリマーと膨潤剤の比が1:9となるように膨潤剤と混合すると、通常、改質ポリマーは粘凋な溶液または粘凋なゲルを形成する。
【0031】
通常、膨潤剤を選択すると、粘着組成物の凝集性を維持または向上させることができる適当な改質ポリマーも決まってくる。ある膨潤剤中ではあまり溶解しない改質ポリマーが、本発明で使用する別の膨潤剤中では、大きく膨潤することがある。本発明に有用な改質ポリマーについては、同時に譲渡された同時係属中の特許出願「粘着組成物、それを使用した物品および製造方法(Adhesive Compositions,Articles Incorporating Same and Methods of Manufacture)」、米国特許出願第10/456,811号明細書にさらに記載されている。
【0032】
適切な膨潤性改質ポリマーの例としては、ポリサッカリド、ポリサッカリド誘導体、アクリレート誘導体、コラーゲン、コラーゲン誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、本発明で使用される膨潤性改質ポリマーは、ヒドロキシプロピルグアー、グアーゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースポリマーの第4級アンモニウム塩、ヒドロキシエチルセルロースと塩化ジアリルジメチルアンモニウムとのコポリマーおよびこれらの誘導体、並びに、これらの組み合わせである。
【0033】
膨潤剤
本発明の親水性の感圧粘着組成物は、膨潤剤を含有し、粘着ポリマーおよび改質ポリマーを膨潤させる膨潤剤を含有する。膨潤剤は、粘着ポリマーおよび改質ポリマーをともに膨潤させることができ、かつ、皮膚に対する生体適合性を有しているならば、いかなる膨潤剤であってもよい。
【0034】
粘着組成物のポリマーの膨潤に有用な膨潤剤の例としては、一価アルコール(例えば、エタノールおよびイソプロパノール)、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜600)およびグリセリン)、エーテルアルコール(例えば、グリコールエーテル)、皮膚刺激もしくは有毒反応を起こさない他のポリオール膨潤剤、および水が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0035】
粘着組成物に望まれる最終使用形態に応じて、不揮発性および/または揮発性の膨潤剤が使用される。1つの適切な膨潤剤は、グリセリンまたはポリエチレングリコールと水との混合物のように、揮発性膨潤剤と不揮発性膨潤剤を含む。いくつかの実施形態では、例えばグリセリンまたはポリエチレングリコールなどの不揮発性膨潤剤が、それらのみで使用される。同様に、本発明の組成物においては、水などの揮発性膨潤剤を単独で使用することができる。本発明において、「本質的に不揮発性」とは、本発明で使用される膨潤剤が、照射されたポリ(N−ビニルラクタム)のような粘着ポリマーに十分な凝集性および感圧粘着性を与えつつ、製造または貯蔵の条件に暴露した後の蒸発量が、使用した膨潤剤の体積の10パーセント(10%)未満であることを意味する。
【0036】
膨潤剤は、粘着組成物の約50〜約90質量パーセントの範囲の量を添加することができ、好ましくは約60〜約80質量パーセントである。一実施形態においては、本質的に不揮発性の膨潤剤であるグリセリンが、実質的に不揮発性の膨潤剤として選択される。殆どの実施形態において、不揮発性膨潤剤は、粘着組成物中に30%を越える量が含まれる。
【0037】
有用な膨潤剤の他の例としては、一価アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール)、多価アルコール(プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG−2〜PEG−45M、好ましくは分子量200〜600のもの)、グリセロール、ポリグリセロール(例えば、ジグリセリン、トリグリセロール、ポリグリセリン−3、ヘキサグリセロールおよびデカグリセロール)、ソルビトールおよび多価アルコールのエトキシレート(例えば、ソルベス−6、ソルベス−30、グリセレス−1〜グリセレス−31)、ポリエチレングリコールのメトキシド(メトキシPEG−2〜メトキシPEG−100)、多価アルコールのエトキシレートのメトキシド(例えば、グリセレス−7メトキシド)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
膨潤剤は、一般に、液体である。いくつかの実施形態においては、ソルビトールのような保湿剤タイプの固体膨潤剤も、溶解して液体状態を保つような膨潤助剤とともに使用することができる。膨潤剤あるいは膨潤助剤としても使用できる他の保湿剤としては、1,2,6−ヘキサントリオール、アセトアミドmea、水酸化アルミニウム、アルギニンpca、ブトキシプロパノール、ブチレングリコール、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルシラノールヒアルロナート、グリチルリチン酸ジカリウム、エリトリトール、エトキシジグリコール、フルクトース、グルカミン、グルコン酸、グルコース、グルタミン酸グルコース、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコーゲン、グリチルリチン酸、ヘイルムーアクレー(heilmoor clay)、ヘキサコシルグリコール、ヒスチジン、ヒアルロン酸、水素化蜂蜜、水素化スターチ、加水分解物、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、加水分解グリコサミノグリカン、加水分解ケラチン、加水分解絹、加水分解大豆タンパク、加水分解小麦タンパク、ヒドロキシエチルソルビトール、イノシトール、イノシトールヘキサ−pca、ラクトアミドmea、乳酸、ラクチトール、ラストース、リシンpca、マグネシウムpca、マルチトール、マンガンpca、マンニトール、mel(蜂蜜抽出物)、メンチルpca、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20、pca(ピドリックアシッド(Pidolic acid))、ラクトアミド、ポリデキストロース、ポリグルクロン酸、ポリグリセリルソルビトール、カリウムpca、ppg−20メチルグルコースエーテル、ppg−38−ブテス−37、サッカリドイソメレート、セリカ、絹アミノ酸、カルボキシルメチルキチンナトリウム、乳酸ナトリウム、マンヌロン酸ナトリウムメチルシラノール、ナトリウムpca、ナトリウムpcaメチルシラノール、ポリグルタミン酸ナトリウム、溶解性コラーゲン、ソルビトール、サッカロース、tea−乳酸塩、tea−pca、トレハロース、トリラクチン、尿素、キシリトール、トウモロコシ、亜鉛pca、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
生体適合性および/または治療上の添加物
本発明の親水性感圧粘着組成物の使い方により、他の各種の生体適合性および/または治療上の物質を本組成物に含有させることができる。
【0040】
本発明の親水性感圧粘着組成物は、局所的または経皮的薬物送達システムと同様に、皮膚にまたは皮膚を通して他の薬剤を送達するためにも使用できる。薬剤または他の活性成分は、ポリ(N−ビニルラクタム)が放射線架橋された後、粘着組成物と混合することができる、これにより、ポリ(N−ビニルラクタム)を架橋するのに十分な線量の電離放射線と薬剤または他の活性成分との間で起こり得る有害な相互作用を最小限に抑えることができる。
【0041】
親水性感圧粘着組成物は、また、傷口閉鎖材やテープなどの治療用皮膚カバーにも使用できる。皮膚カバーの使用においては、漢方薬に加えて他の生物学的に活性な物質を本発明の組成物に添加することができる。そのような生物学的に活性な物質の例としては、患者の皮膚または皮膚開口部で、感染の危険を最小限にするため細菌の量を低減させたり、あるいは、感染結果を治療することが要求される、広いスペクトルを有する抗菌剤が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。広いスペクトルを有する抗菌剤は、米国特許第4,310,509号明細書に開示されている。
【0042】
敏感な哺乳動物の皮膚組織に使用するために組成物のpHを緩衝させて刺激のないpHとするか、さもなければ抗菌活性を最大にする化合物といった、他の生体適合性および/または治療上の物質を本組成物に添加することができる。また、局所的または経皮的送達用の薬剤または他の活性物質にとって必要ならば、浸透促進剤または賦形剤も本組成物に加えることができる。
【0043】
ポリ(N−ビニルラクタム)の照射による架橋
ポリ(N−ビニルラクタム)は、任意の固体の形態で、高エネルギー源からの電離放射線に供される。電離放射線の例としては、アルファ、ベータ、ガンマ、電子線およびx線が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの電離放射線源の中で、電子線およびガンマ線が好ましい。電子線源は商業的に入手可能であり、エナジー・サイエンシズ・インコーポレーティッド(Energy Sciences Inc.)のモデル CB−150 エレクトロカーテン エレクトロン ビーム プロセッサー(Model CB−150 Electrocurtain Electron Beam Processor)が挙げられる。ガンマ線源は、アトミック・エナジー・オブ・カナダ・インコーポレーティッド(Atomic Energy of Canada, Inc.)から商業的に入手可能であり、これはコバルト−60の高エネルギー源を使用している。
【0044】
電離放射線の線量はメガラド(mRad)またはキログレイ(kGy)で測定される。電離放射線の線量は、所望のレベルの電離放射線を1回の照射で与えるようにしてもよく、または、所望のレベルの電離放射線まで複数回の照射で与えるようにしてもよい。電離放射線の線量は、累積値で約25kGy〜約400kGyの範囲であり、好ましくは約25kGy〜約200kGyの範囲である。電離放射線の累積線量が100kGy(10mRad)を越えたときには、電離放射線によるポリ(N−ビニルラクタム)の架橋が所望のレベルに達していることが好ましい。
【0045】
ポリ(N−ビニルラクタム)は、温度、雰囲気および他の反応パラメータを制御できるパッケージまたは容器内で、固体の状態で、電離放射線が照射される。本発明のポリ(N−ビニルラクタム)に対する照射方法の1つは、米国特許第5,409,966号明細書に記載されている。照射条件の制御に応じて、ポリ(N−ビニルラクタム)はバッチ法または連続法で照射される。
【0046】
漢方薬を含む親水性粘着組成物の調製方法
本発明の感圧粘着組成物の調製方法は、架橋ポリ(N−ビニルラクタム)を膨潤剤、改質ポリマーおよび漢方薬と、やや揮発性の溶媒中で、周囲温度またはそれより高い温度で混合することを含む。通常、膨潤剤、改質ポリマーおよび漢方薬は、本質的に未照射の状態にある。適切な揮発性溶媒の例としては、水、エタノール、メタノールおよびイソプロパノールが挙げられる。得られた懸濁液の一定量を、その後、剥離性ライナーまたはバッキング材などの基材の表面に展延し、さらに、保存する。基材上に凝集性の感圧粘着組成物を形成するために、マイクロ波エネルギーもしくは赤外線エネルギーの利用または空気の対流などによる加熱によって揮発性溶剤を蒸発させる。蒸発の工程では、約65℃に加熱した乾燥機がしばしば使用される。場合により、組成物を汚染させないために、その露出表面を製品剥離性ライナーでラミネートしてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、基材表面に粘着組成物をコーティングすることができる。溶剤揮発後の乾燥コーティングの厚さを約0.05mm〜約0.38の範囲内とするためには、湿った状態でのコーティングの厚さは、約0.125mm〜約1.25mmの範囲が適当である。そのようなコーティングは、基材の粘着層として機能するよう種々の基材表面に適用することができ、低い断面形状を持った粘着組成物を提供することができる。
【0048】
本発明の組成物を調製する方法は、バッチ法であってもよく、連続ライン法であってもよい。連続法で調製する場合は、ライナーの積層体、凝集性の感圧粘着組成物体および基材は、バルクのパッケージングおよびその後の工程のためにロールに巻きとったり、あるいは、当業者に知られるダイスを使用して個々のユニットに裁断される。
【0049】
漢方薬の経皮送達
本発明の粘着組成物が、様々な漢方薬に適合することが明らかになっており、粘着力と凝集力をともに維持しながら、漢方薬成分を有効に溶解する。粘着組成物に含まれる改質ポリマーは、特に、草、粒子または粉末コンシステンシーの漢方薬成分に対して、粘着性ポリマーのみを用いて形成したヒドロゲルより大きな凝集性を付与する。さらに言えば、漢方薬成分が膨潤剤に溶解することによって、同じ効能を得るのに必要な漢方薬成分の量を低減することができる。こうして漢方薬成分の量が低減されると、これに対応して効能を減ずることなく粘着組成物の量を少なくすることができる。あるいは、漢方薬成分の量を低減させなければ、より大きな効能を得ることができる。
【0050】
本発明の1つの実施形態では、粘着組成物は、架橋ポリn−ビニルピロリジノン、改質ポリマーのヒドロキシプロピルグアー、膨潤剤としてのグリセリン、水および漢方薬を含む。粘着組成物中に高濃度でグリセリンが存在すると、漢方薬として使用されている多くの種類の親水性漢方薬成分を効果的に溶解することができる。このように粘着剤中の溶解能力が増大すると、漢方薬成分の含有量を増大させることができる。
【0051】
溶解性の検討
種々の割合で混合したグリセリンと水における漢方薬成分(中国チベットのチェー・ツェング・チベタン・メディスン・グループ(Chee Zheng Tibetan Medicine Group,Tibet,China)から入手可能)の溶解度を、表1に示す。10mLのグリセリン/水に0.1gの漢方薬を加えた。この混合物を8時間振盪した。溶液をアジレント(Agilent)1100液体クロマトグラフ(デラウェア州ウィルミントンのアジレント・テクノロジーズ(Agilent technologies,Wilmington,DE))を用いて分析した。HPLC分析のピークから、水における溶解度をグルセリン/水混合物における溶解度で除して溶解度比を算出した。
【0052】
【表1】

【0053】
結果は、グリセリンまたはグリコールの化合物またはオリゴマーが存在すると、漢方薬の溶解度は増大し、特に漢方薬が粘着組成物中に高濃度で添加されていた場合に増大することを示した。
【0054】
溶解度が増大すると、漢方薬の活性成分はより効率的に抽出され、送達材からのより良好な放出能を示す。グリセロール中の漢方薬の漢方放出能は、図3〜5に示されており、下記実施例で論ずる。粘着組成物の放出能が増大すれば、嵩の減少に関してはより低い断面形状を持ち、通気性により優れ、使用者にとってはより快適な漢方薬含有送達材または被覆材を開発することが可能になる。
【0055】
改質ポリマーの添加は、粘着組成物の凝集性維持の助けとなる。漢方薬成分を添加すると、通常、その物理特性や量に基いて、凝集性が低下する。漢方薬成分を粘着組成物に加える際に、改質ポリマーを添加すると、粘着性に与える影響を最小限に抑えつつ、ヒドロゲルの凝集性を維持することができる。
【0056】
本発明においては、種々の漢方薬を広く使用することができ、そのようなものとしては、アストラグディ ラディックス(Astragdi Radix)、ビャクジュツ、ボウフウ(Ledebourellae Radix)、プレパラータ レヒマニアエ ラディックス(Preparata Rehimanniae Radix)、ジャショウシ、サンヤク(Dioscoreae rhizomma)、タクシャ、ボタンヒ、ブクリョウ、ジオウ、サンヤク、クコシ、サンシュユ、センゴシツ、トシシ、ロッカクコウ、キバンコウ、ホンダワラの葉状体、サルビア、野生のアコナイト根、フランキンセンス、ミルチ、ホミカ、カッシア、テヌイフォリア、ボウフウ、コウカヒ、コツサイホ、ヘキカンゾウ、ナツズイセンの地下茎、ショウガ、ビャクジュツおよび米国特許第6,004,969号明細書に記載されている他の生薬が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。漢方薬のより包括的な一覧は、チャイニーズ・ハーバル・メディシン−マテリア・メディカ(Chinese Herbal Medicine−Materia Medica)、(改訂版、1993年)およびザ・ファーマコロジー・オブ・チャイニーズ・ハーブズ(The Pharmacology of Chinese Herbs)、(第2版、1999年)に記載されている。本発明においては、殆どの実施形態で、漢方薬の含有量は60体積%までである。ある特定の実施形態では、漢方薬成分は、組成物の全質量の5〜30質量パーセントの量が添加される。
【0057】
図1に、バッキング材12と、バッキング材32上にコーティングされた本発明の感圧粘着組成物からなる層14を有する医療用被覆材10の上面図を示す。医療用被覆材10は、通常、使用されるまで剥離性ライナーで保護されており、場合により、さらに担体送達システムを含む。粘着組成物12は、被覆材10の中心に位置するように示されているが、適当ないかなる形状であってもよく、および/または、必要に応じて被覆材10の中心から離れた位置にあってもよい。さらに、粘着組成物14はバッキング材12の表面を覆ってもよい。
【0058】
本発明における使用に適した被覆材の構成は、米国特許第6,436,432号明細書(ハイネッケ(Heinecke)ら)、米国特許第6,264,976号明細書(ハイネッケ(Heinecke)ら)、米国特許第5,976,117号明細書(ダンシー(Dunshee)ら)および米国特許出願公開第2003/0007999号明細書(ブラッチフォード(Blatchford)ら)に開示されている。
【0059】
医療用テープ、被覆材および包帯などの用途には、粘着層14を、透湿性の高い数種のバッキング材から選択されるバッキング材12の層の上にコーティングする。適切なバッキング材としては、米国特許第3,645,835号明細書および米国特許第4,595,001号明細書に開示されているものが挙げられる。押出成型可能なポリマーとして商業的に入手できる各種フィルムの他の例としては、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のイー・アイ・デュポン・ド・ネムール・アンド・カンパニー(E.I.DuPont de Nemours and Company)から入手できる「ハイトレル(Hytrel)(登録商標)4056」および「ハイトレル(Hytrel)(登録商標)3548」という商品名のポリエステルエラストマー、オハイオ州クリーブランド(Cleveland,Ohio)のビー・エフ・グッドリッチ(B.F.Goodrich)から入手できる「エステイン(Estane)」という商品名のポリウレタン、またはマサチューセッツ州マルデン(Malden,Mass)のケイ・ジェイ・クィン・アンド・カンパニー(K.J.Quinn & Co.)から入手できる「キュー−セイン(Q−thane)」という商品名のポリウレタンが挙げられる。
【0060】
図2は、ヒトの皮膚に貼付される前の、特定の実施形態の被覆材10の側面図を示す。粘着組成物12は、粘着組成物12と比較して軽くて柔軟な、なじみの良いバッキング14の上に配置される。殆どの実施形態で、バッキング材14の一方の主面18上に第2の感圧粘着剤(PSA)16が設けられ、バッキング材14の他方の主面22上に低粘着性のコーティング(低粘着性の背面すなわちLAB)20が設けられる。
【0061】
主面18は時にバッキング14の「底面」または「第1の主面」と称されることがあり、また、主面22は時にバッキング14の「上面」または「第2の主面」と称されることがある。剥離性ライナー24は、バッキング14の底面18上の露出したPSA表面16に貼付される。剥離性ライナー24は、消費者が被覆材10を使用する準備ができるまで、PSA16および粘着組成物12を覆っている。剥離性ライナー24は、1枚の剥離性ライナーであってもよく、複数枚の剥離性ライナーであってもよい。また、被覆材を収容しているパッケージ(示さず)の一部であってもよく、パッケージにラミネートされていてもよい。あるいは、被覆材10とともにパッケージ内に単に収められているだけでもよい。
【0062】
被覆材10は、バッキング14が実質的に粘着組成物12の外、通常、粘着組成物12の外周全体で外に延出していることから、時に「島被覆材(island dressing)」と称されることがある。キャリヤーフレーム26は、低粘着性のコーティング20上のバッキング14の上面22に貼付されている。キャリヤーフレーム26は、バッキング14の外周全体で外に延出するとともに、粘着組成物12を覆うバッキング14の一部を露出させる窓28を形成しており、バッキング14はフレーム26と粘着組成物12の間に挟まれた状態になっている。
【0063】
通常、漢方薬25は、バッキング材14へのコーティングの前に、実質的に未照射の膨潤剤または組成物に添加することにより、層12内に含有させる。あるいは、層12は、米国特許第4,931,282号明細書(アスマス(Asmus)ら)における封止性シーラントとして使用される。
【0064】
本発明の親水性感圧粘着組成物は、同時に譲渡された同時係属中の米国特許出願第07/458,246号明細書に記載されているような、医療の用途に有用な2相の複合体を形成するため、連続した感圧性粘着剤マトリックス中に分散した離散ゲル粒子として使用することができる。
【0065】
粘着層34は、直接コーティング、ラミネーションおよびホットラミネーションなどの種々の方法で、バッキング層32上にコーティングされる。剥離性ライナー36は、その後、直接コーティング、ラミネーションおよびホットラミネーションにより設けられる。
【0066】
ラミネーションおよびホットラミネーション法には、それぞれ圧力、または熱および圧力を、バッキング材層14側から粘着層12上に加えることが含まれる。ホットラミネーションにおける温度は、約50℃〜約250℃の範囲であり、ラミネーションおよびホットラミネーションに適用される圧力は、0.1Kg/cm2〜約50Kg/cm2の範囲である。
【0067】
使用に際しては、剥離性ライナー24を除去し、医療用テープ、創傷用被覆材、汎用医療用包帯または吸湿性を有するその他の医療材の一部として、粘着組成物12を患者の皮膚に貼付する。患者に貼付後、キャリヤーフレーム26を取り除く。
【0068】
本発明の親水性感圧粘着組成物を使用し、場合により抗菌性および他の生物学的活性を有する薬剤を含有する他の医療用皮膚カバーは、皮膚の開口部または傷の治療に有用で、感染の危険性を低減することができる。生物学的に活性な薬剤は、当業者に知られ、かつ、患者の皮膚に局所的に、または患者の皮膚を通して経皮的もしくはイオン導入的に送達されると認められた治療上、活性な物質であればいかなるものであってもよい。経皮的送達材に有用な治療薬の例としては、局所的または経皮的に使用される活性薬物もしくはそれらの薬物の塩、または傷の治癒の促進に使用されている成長因子があげられるが、特にこれらに限定されるものではない。薬物または薬理学的に活性な物質として認められている他の治療薬は、米国特許第4,849,224号明細書、米国特許第4,855,294号明細書および国際公開第89/07951号パンフレットに開示されている。
【0069】
賦形剤または浸透促進剤もまた当業者に知られている。浸透促進剤の例としては、エタノール、ラウリル酸メチル、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピルおよびグリセロールモノラウレートが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。当業者に知られた他の浸透促進剤は、米国特許第4,849,224号明細書、米国特許第4,855,294号明細書および国際公開第89/07951号パンフレットに開示されている。
【0070】
以下の実施例において、本発明をさらに説明する。特に断らない限り、数値はすべて重量パーセントを示す。
【実施例】
【0071】
【表2】

【表3】

【0072】
実施例1〜6
表1に示す成分と量を用いて、漢方薬−ヒドロゲル組成物を調製した。実施例2〜6は、漢方薬粉末CZ(実施例2〜4)または漢方薬BY(実施例5〜6)と脱イオン水とを予め混合することによって調製した。他の成分を秤量し、均一なペーストが形成されるまで、室温において容器中で混合した。実施例1は、漢方薬成分を含有させない以外は同様にして調製した。ペーストを2枚の剥離性ライナーの上に注ぎ、それらの間を0.5mmのゲージ厚さとして約5分間プレスした。
【0073】
【表4】

【0074】
実施例1〜6は、TA−XT2iテクスチャー分析計(TA−XT2i Texture Analyzer)(ニューヨーク州スカーズデール(Scarsdale,New York)のテクスチャー・テクノロジーズ・コーポレーション(Texture Technologies Corp.)から商業的に入手可能)を使用して機械的特性を評価した。ステンレス鋼プローブ TA57R(直径=10mm)を圧縮モードにして室温で使用した。圧縮力および引張り力を測定し、グラムで記録した。結果を表2に示す。
【0075】
【表5】

【0076】
アジレント1100液体クロマトグラフ(Agilent 1100 liquid chromatograph)(アジレント・テクノロジーズ、ウィルミントン、デラウェア州(Agilent technologies,Wilmington,DE))を用いて漢方薬放出プロファイルを評価した。分析にはアセトニトリル/水を移動相とするゾルバックス シアノ カラム(Zorbax cyano column)(150×4.6mm内径)上の逆相分離法を使用した。ACN勾配(gradient)は、流量1mL/minにおいて40分で5〜65%である。検知は50μLである。保持時間約25分で現れるピークを用いてCZ漢方薬の放出を算出した。約16分で現れるピークの面積を用いてBY漢方薬の放出を算出した。
【0077】
0.4gの物質をジャー中の水に沈めた。ジャーを振盪器に設置した。アジレント1100液体クロマトグラフ(Agilent 1100 liquid chromatograph)(アジレント・テクノロジーズ、ウィルミントン、デラウェア州(Agilent technologies,Wilmington,DE))を使用して、種々の時間間隔で水溶液を分析した。分析には、アセトニトリル/水を移動相とするゾルバックス シアノ カラム(Zorbax cyano column)(150×4.6mm内径)上の逆相分離法を使用した。ACN勾配(gradient)は、流量1mL/minにおいて40分で5〜65%である。検知は50μLである。保持時間約25分で現れるピークを用いてCZ漢方薬の放出を算出した。約16分で現れるピークの面積を用いてBY漢方薬の放出を算出した。
【0078】
本発明の粘着組成物に対するCZおよびBYの漢方薬放出プロファイルを図3および図4に示す。放出カーブは0.5〜1.0時間後にプラトーに達しており、これは漢方薬成分が比較的急速にヒドロゲル組成物から放出されることを示している。また、漢方薬成分と粘着組成物との間に、重大な干渉または相互作用は認められなかった。
【0079】
比較例7
比較例Aは、商業ブランドのプラスターである中国雲南省(Yun−Nan,China)のユン−ナン・バイ−ヤオ・グループ・カンパニー・リミティッド(Yun−Nan Bai−Yiao Group Co.,LTD)製のユン−ナン バイ−ヤオ(Yun−Nan Bai−Yiao)(BY)プラスターである。このプラスターは漢方薬成分を10%混合したゴムベースの感圧粘着剤で作られている。実施例1〜6と同様にして、比較例7について、漢方薬放出プロファイルを算出した。図4は、実施例5および6の親水性ゲル粘着剤からの親水性漢方薬の放出と、比較例7の疎水性粘着剤からのそれとの比較を示したものである。
【0080】
実施例5および6では約4時間で全漢方薬放出量の40〜45%のピークに達したが、比較例7では8時間後でも全漢方薬放出量の2%に達したに過ぎなかった。この結果は、実施例5および6の親水性ゲルすなわち粘着剤は、比較例7の疎水性粘着剤に比べて、親水性漢方薬のより良好な貯蔵体であり、かつ、より良好に漢方薬を放出することを示している。
【0081】
実施例8〜11
表3に示す成分と量を用いて、漢方薬組成物を調製した。実施例8〜11は、漢方薬粉末YPFSをグリセリンおよび脱イオン水と予め混合することによって調製した。ポリマー材をHVブレードを備えたロス ダブル プラナリー ミキサー(Ross double plannary mixer)に仕込み、真空中で5分間撹拌した。漢方薬溶液をミキサーに加え、真空中で15分間撹拌した。ペーストを2枚の剥離性ライナーの間に注ぎ、0.5mmのゲージ厚さで3分間、プレスにより圧力を加えた。
【0082】
【表6】

【0083】
漢方組成物の粘着特性を評価した。スィング−アルバート EJA−マテリアル テスター(Thwing−Albert EJA−Material Tester)(ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia, Pennsylvania)のスィング−アルバート・カンパニー(Twang−Albert Co.)から商業的に入手可能)を使用して、引き剥がし粘着力試験およびT−剥離試験を実施した。引き剥がし粘着力試験では、ヒドロゲルを2.54cm×5.08cmのストリップ状に切断し、アルミフォイルの間に挟み、2kgのローラを手で操作してラミネートした。24時間後にこれらのストリップを剥がした。
【0084】
T−剥離試験では、ヒドロゲルストリップを、まず、2枚のスクリム紙に挟んでラミネートした。その後、スクリム紙の裏面にマスキングテープをラミネートした。18時間後、12インチ/minすなわち30.48cm/minのクロスヘッド速度でサンプルを試験した。結果をグラム/2.54cmで表4に示す。
【0085】
【表7】

【0086】
表4の結果は、第2の改質ポリマーであるHPG量が増すと、粘着組成物の引き剥がし粘着力は減少するが、凝集力は著しく増大することを示している。
【0087】
実施例12
実施例10で得られた材料について漢方薬放出活性を分析した。アジレント1100液体クロマトグラフ(Agilent 1100 liquid chromatograph)(アジレント・テクノロジーズ、ウィルミントン、デラウェア州(Agilent technologies,Wilmington,DE))を用いて漢方薬放出プロファイルを評価した。分析にはアセトニトリル/水を移動相とするゾルバックス シアノ カラム(Zorbax cyano column)(150×4.6mm内径)上の逆相分離法を使用した。ACN勾配(gradient)は、流量1mL/minにおいて40分で5〜65%である。検知は50μLである。5.7、6.3、67、6.9および13分のピークを使用した。結果は、図5に示すように、漢方薬成分が容易に放出されることを示した。また、漢方薬成分と改質ポリマーを含有する粘着組成物との間に、重大な干渉または相互作用は認められなかった。
【0088】
実施例13〜15
表5に示す成分と量を用いて、漢方薬−ヒドロゲル組成物を調製した。実施例13〜15は、予め漢方薬BYを脱イオン水と予め混合することによって調製した。他の成分は秤量し、均一なペーストが形成されるまで、室温において容器中で混合した。ペーストを2枚の剥離性ライナー上に注ぎ、それらの間を0.5mmのゲージ厚さとして約5分間プレスした。
【0089】
【表8】

【0090】
実施例13〜15について機械的特性を評価した。結果を表6に示す。
【0091】
【表9】

【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の粘着組成物を含有する医療用被覆材の上面図である。
【図2】本発明の粘着組成物を含有する医療用被覆材の側面図である。
【図3】ポリマーを使用して調製した本発明の粘着組成物からの漢方薬の放出を示すグラフである。
【図4】ポリマーを使用して調製した本発明の粘着組成物に種々の量で含有させた漢方薬の放出を、商業的に入手可能な漢方プラスターからの漢方薬の放出と比較したグラフである。
【図5】ポリマーを使用して調製した本発明の粘着組成物からの漢方薬の放出を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨潤性粘着ポリマー、
膨潤剤、および
漢方薬
を含む親水性粘着組成物であって、
膨潤性粘着ポリマーは、膨潤剤の存在下で感圧粘着剤を形成し、かつ、
漢方薬は、水単独より膨潤剤に高い溶解性を示す親水性粘着組成物。
【請求項2】
改質ポリマーをさらに含む粘着組成物であって、改質ポリマーと膨潤剤は組成物の凝集性を少なくとも維持する請求項1に記載の粘着組成物。
【請求項3】
治療薬をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
膨潤性粘着ポリマーは、ポリ(N−ビニルラクタム)、ポリエチレンオキシド、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリアクリルアミド、無水マレイン酸−ビニルエーテルコポリマー、ポリアクリル酸、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、ポイエチレンイミン、ハロゲン化ポリビニルアルキルピリジニウム、ポリメタクリル酸およびこれらのブレンド物からなる群より選択されるポリマーまたはコポリマーを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
膨潤性粘着ポリマーは、ポリ(N−ビニルラクタム)を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ポリ(N−ビニルラクタム)は、ポリN−ビニル−2−ピロリドン、ポリN−ビニル−2−バレロラクタム、ポリN−ビニル−2−カプロラクタムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
膨潤剤は、一価アルコール、多価アルコール、グリセロール、ポリグリセロール、ソルビトール、多価アルコールエトキシレート、ポリエチレングリコールのメトキシド、多価アルコールエトキシレートのメトキシドおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
一価アルコールは、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールおよびこれらの組み合わせからなる請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
多価アルコールは、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびこれらの組み合わせからなる請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
ポリエチレングリコールは、分子量が200〜600である請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ポリグリセロールは、ジグリセリン、トリグリセロール、ポリグリセリン−3、ヘキサグリセロール、デカグリセロールおよびこれらの組み合わせからなる請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
多価アルコールエトキシレートは、ソルベス−6、ソルベス−30、グリセレス−1〜グリセレス−31からなる請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
ポリエチレングリコールのメトキシドは、メトキシポリエチレングリコール−2〜メトキシポリエチレングリコール−100からなる請求項7に記載の組成物。
【請求項14】
多価アルコールエトキシレートのメトキシドは、グリセレス−7メトキシドである請求項7に記載の組成物。
【請求項15】
膨潤剤は、本質的に不揮発性である請求項1に記載の粘着組成物。
【請求項16】
膨潤剤は、組成物中に30%を超えて含まれている請求項15に記載の粘着組成物。
【請求項17】
改質ポリマーは、ポリサッカリド、ポリサッカリド誘導体、アクリレート、アクリレート誘導体、コラーゲン、コラーゲン誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせを含む請求項2に記載の粘着組成物。
【請求項18】
改質ポリマーは、ヒドロキシプロピルグアー、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースポリマーの第4級アンモニウム塩、ヒドロキシエチルセルロースと塩化ジアリルジメチルアンモニウムとのコポリマーおよびこれらの誘導体、並びに、これらの組み合わせからなる群より選択される請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
組成物中に、膨潤性粘着ポリマーが10質量%〜50質量%含まれ、膨潤剤が少なくとも55質量%含まれ、かつ、改質ポリマーが0.1質量%〜40質量%含まれる請求項2に記載の組成物。
【請求項20】
漢方薬は、10質量%まで含有されている請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
膨潤性粘着ポリマーがポリN−ビニル−2−ピロリドンであり、膨潤剤がグリセリンであり、かつ、改質ポリマーが、ヒドロキシプロピルグアー、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースポリマーの第4級アンモニウム塩、ヒドロキシエチルセルロースと塩化ジアリルジメチルアンモニウムとのコポリマーおよびこれらの誘導体、並びに、これらの組み合わせからなる群より選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項22】
バッキング層および請求項1に記載の粘着組成物を含む医療用物品。
【請求項23】
改質ポリマーをさらに含む医療用物品であって、改質ポリマーと膨潤剤は組成物の凝集性を少なくとも維持する請求項22に記載の医療用物品。
【請求項24】
(a)未架橋または部分的に架橋した膨潤性粘着ポリマーの前駆体を膨潤剤および改質ポリマーと混合すること、および
(b)膨潤性粘着ポリマーの前駆体にガンマ線を照射して前駆体を架橋させ、請求項2に記載の組成物を提供すること
を含む請求項2に記載の粘着組成物の製造方法。
【請求項25】
(a)膨潤性粘着ポリマーの前駆体にガンマ線を照射して前駆体を架橋させること、および
(b)架橋した膨潤性粘着ポリマーを膨潤剤および改質ポリマーと混合して、請求項2に記載の組成物を提供すること
を含む請求項2に記載の粘着組成物の製造方法。
【請求項26】
膨潤剤は、組成物の全質量の50%を超えている請求項1に記載の粘着組成物。
【請求項27】
膨潤剤は、グリセリンを含む請求項1に記載の粘着組成物。
【請求項28】
バッキング層は、フィルム、基材、または、弾性、多孔性もしくは通気性を有する織布もしくは不織布材料を含む請求項22に記載の医療用物品。
【請求項29】
物品は、医療用テープ、創傷用被覆材、包帯または医療用皮膚カバーを含む請求項22に記載の医療用物品。
【請求項30】
皮膚に接触する粘着層およびバッキング層を含む経皮的送達材であって、粘着層はバッキング層に付着していて、かつ、請求項1に記載の粘着組成物を含んでいる経皮的送達材。
【請求項31】
粘着層は、局所的、経皮的またはイオン導入的治療薬をさらに含む請求項30に記載の送達材。
【請求項32】
粘着層は、賦形剤、溶媒または浸透促進剤をさらに含む請求項30に記載の送達材。
【請求項33】
ポリ(N−ビニルラクタム)が、ポリ(N−ビニルピロリドン)であり、膨潤剤の含有量が、組成物の約60〜約80質量パーセントの範囲である請求項4に記載の組成物。
【請求項34】
ポリ(N−ビニルラクタム)が、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)ホモポリマーである請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
ポリ(N−ビニルラクタム)が、N−ビニル−2−ピロリドンモノマーと、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルアセテートおよび2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸またはその塩からなる群より選択されるN−ビニルラクタム非含有コモノマーとのコポリマーであり、そのコポリマーは、N−ビニル−2−ピロリドンモノマー単位をポリ(N−ビニルラクタム)の約50質量パーセント以上含む請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
コポリマーが、N−ビニル−2−ピロリドンモノマー単位をポリ(N−ビニルラクタム)の約70〜約100質量パーセント含む請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
架橋ポリ(N−ビニルラクタム)は、放射線架橋ポリ(N−ビニルラクタム)1グラム当たり少なくとも15ミリリットルの水の膨潤能を有している請求項34に記載の組成物。
【請求項38】
架橋ポリ(N−ビニルラクタム)は、固体状態で放射線架橋されている請求項4に記載の組成物。
【請求項39】
漢方薬、改質ポリマーおよび膨潤剤は、未照射の形態で組成物中に存在している請求項2に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−526636(P2006−526636A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514949(P2006−514949)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/016391
【国際公開番号】WO2005/013943
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】