説明

漬物の製造方法及び漬物具。

【課題】容器の強度、大きさに制約のない漬物の製造方法及び漬物具を提供する。
【解決手段】漬物素材毎に圧縮圧力を掛けて容器内で貯蔵と熟成をさせる方式であって、形状変形可能な軟質系樹脂袋に素材を入れ、該袋の外側から漬物素材に圧力を掛け、その状態で保存及び熟成をさせる。漬物具は、巻き簾7の一端方向に溝付穴4をほぼ均等に4ヶ所設け、溝付穴を通して巻きつけ圧縮ようの伸縮紐5を具備し、該紐の両端と中間位置に止め球8を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は漬物製造関する。
【背景技術】
【0002】
従来の漬物製造にあっては容器に重しをする方式であった。その重しの設置の仕方にあっては、重いものを素材の上に乗せることを基本とし、代替としてはバネの力を利用するもの、ネジにより重しをするもの及び両方を組み合わせたもの等があった。
【特許文献1】特開2003−219797。
【特許文献2】特開2007−117012。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の方式では容器とセットにして漬物に圧縮圧力を掛けるので容器が先にありきで作らなければならないので、容器の強度、大きさに制約があった。漬物を作る場合に家庭用冷蔵庫内等で作るには容器が大きすぎて場所を取り過ぎる欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決すべく、漬物素材毎に圧縮圧力を掛けた状態で、貯蔵と熟成をさせる方式を構築した。具体的内容は伸縮性のある紐を利用する事で圧力の継続を確保する。伸縮紐に付いては樹脂の進歩により食品の安全性と伸縮性と非劣化性が確保されたので採用する事が出来るようになった、通常のゴムは臭い等が出るので不可とする。
【0005】
用語の定義に付いて曖昧な部分があるので説明をすると、容器とは側壁と底板は変形しない物としてこの発明では定義する。軟質系樹脂袋は容器と解釈する場合もあるのでこの発明では分けて説明している。漬物素材に直接圧力を掛けて貯蔵する所は同じであるが保存の観点の見解が分かれるので記載した。更に事例を使って説明をすると、樹脂製の袋に漬物素材を入れて縦方向に積み上げたような場合はどうかとなるが漬物素材毎に圧力を掛けた事にはならないので本発明とは違う思想となる。
【発明の効果】
【0006】
漬物素材毎に直接圧力を掛けた状態で熟成させるので容器の強度や形状に制約が無くなる。素材毎に圧縮圧力が掛けてあるので容器の大きさによって制約を受けない点が挙げられる。容器に付いてはビニル袋等でも出来ることが特筆される。少量の漬物を作る場合や冷蔵庫内熟成には最適である。当然、各素材毎に圧縮圧力が掛けてあるので少量の製造であっても漬物が美味しく出来上がる。近年漬物が減塩傾向に有る事にも対応出来る。分類上は漬物ではあるが新しい形のサラダとも言える美味しさがある。特筆すべき効果として、流通時の陳列等において高級感と流通時においても圧力のかかった状態で保存されるので味の変化を最小限する効果がある。むしろ、未成熟の状態で出荷し販売の時に丁度良い加減になる段取りを取れる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の漬物用巻き簾の漬物具の斜視図である。
【図2】 本発明の漬物用の樹脂性一体型巻き簾の漬物具の斜視図である。
【図3】 本発明の漬物用の矩形の板2枚の漬物具の斜視図である。
【図4】 本発明の漬物用の矩形の板1枚の漬物具の斜視図である。
【図5】 本発明の漬物用の円形の漬物具の斜視図である。
【発明を実施するための形態1】
【0008】
請求項1では漬物を作る場合において、重しの替りに漬物素材毎に圧力を掛け、その状態でビニル袋等や容器に入れ保存し、熟成を早め美味しく作るものである。少量の漬物を作る場合にはこの方法が最適である。作り方としては塩分を調整し圧力を掛けて熟成させて良い加減で取り出して食べる。
【発明を実施するための形態2】
【0009】
請求項2では漬物を作る場合において、形状変形可能な軟質系樹脂袋に素材を入れ該袋の外側から漬物素材に圧力を掛け、その状態で保存及び熟成をさせる。請求項1と共通する技術思想ではあるがニュアンスが容器内で圧力を掛けるか、軟質系の樹脂袋の上から圧力を掛けるかの違いが有るので別請求項とした。
【発明を実施するための形態3】
【0009】
請求項3では請求項1に記載の方法を具現化する為の道具であって、図1を用いて説明すると、構成は巻き簾(7)の一端方向に溝付穴(4)をほぼ均等に4ヶ所設け、溝付穴を通して巻きつけ圧縮用の伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端と中間位置に止め球(8)を設ける。止め球とは収縮紐を膨らませたものではあるが結び目を作ってそれを利用する事も出来る。使い方は、巻き簾に素材を載せて、巻き簾で巻いて伸縮紐を張った状態でぐるぐるっと巻きつけ、空いている溝付穴を通して紐を固定する。巻き簾の材質は竹や檜や樹脂の棒であって、それを糸で編んだものとする。但し、糸は単線の樹脂製のものが推奨される。巻き簾の最終部位巻き簾棒(7b)は大きくして力の耐えうるようにする。巻き簾が一枚の樹脂製の場合は図2で示すように、巻き簾棒(7a)の部分と巻き簾の撓み部分(7c)を交互に配置する。素材としてはポリプロピレン等がある。作図上、板の部分は厚さを誇大に書いている。概略寸法は幅100mm〜200mm長さは150mm〜300mm程度を想定している。
【発明を実施するための形態4】
【0010】
請求項4では請求項1又は請求項2に記載の方法を具現化する為の道具であって、図3を使って説明すると、構成は矩形板(6)を2枚用意し、各板の四隅には溝付穴(4)を設け、板の長手方向両側には凹凸(3)を設け、2枚の板を締め付けようの伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端と中間位置に数個止め球(8)を設ける。止め球とは収縮紐を膨らませたものではあるが結び目を作ってそれを利用する事も出来る。使い方は板の間に素材を挟んで伸縮紐を張った状態でぐるぐるっと巻きつけもう片方の溝付穴を通して紐を固定する。板の穴から穴へ通して縛る方法でも良い、素材によって選択される。板の材質を透明樹脂とし、伸縮紐も透明とすると見栄えも良く高級感が演出できる。板の概略寸法は幅80mm〜200mm長さは150mm〜350mm厚さは5mm〜30mm程度を想定している。請求項2の場合においては袋に入れたものを多層に積んでその上から伸縮紐を掛ける事も可能である。この場合には漬物素材の違うものや日にちをずらして順番に漬け込むことが出来るメリットがある。
【発明を実施するための形態5】
【00011】
請求項5では請求項1又は請求項2に記載の方法を具現化する為の道具であって、構成は図4を使って説明すると矩形の板(1)の4隅に両端溝付穴(4)を設け、板の長手方向両側には切り込み溝(2)を設け、溝付穴を通して巻きつけ圧縮をする伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端には止め球(8)を設ける。止め球とは収縮紐を膨らませたものではあるが結び目を作ってそれを利用する事も出来る。使い方は野菜等を板に並べ伸縮紐を張った状態で切り込みを介して巻きつけるか折り返して次の切り込みに進めて最終的には溝付穴を通して紐を固定する。板の概略寸法は幅80mm〜200mm長さは150mm〜350mm厚さは5mm〜30mm程度を想定している。図4の2点鎖線は取付けの一例を示した。請求項2の場合においては袋に入れたものを多層に積んでその上から伸縮紐を掛ける事も可能である。この場合には漬物素材の違うものや日にちをずらして順番に漬け込むことが出来るメリットがある。
【発明を実施するための形態6】
【00012】
請求項6では請求項1又は請求項2に記載の方法を具現化する為の道具であって、構成は図4を使って説明すると、円板(9)を設け、該円板の周囲には溝付穴(4)と切込み溝(2)を交互に外側に向かって設け、溝付穴を通して巻きつけ圧縮をする伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端には止め球(8)を設ける。使い方は板の上に野菜等を載せ、伸縮紐を張った状態で切り込みと穴を対抗する近くで巻きつけて最終的には溝付穴を通して紐を固定する。以降塩分等を調整して容器の中で熟成させる。板の概略寸法は径80mm〜200mm厚さは5mm〜30mm程度を想定している。板の形状は楕円等の不等中心円であっても良い。図5の2点鎖線は取付の一例を示した。当然、円板二枚を使い円板間に野菜等挟んで漬物を作る事も有る。請求項2の場合においては袋に入れたものを多層に積んでその上から伸縮紐を掛ける事も可能である。この場合には漬物素材の違うものや日にちをずらして順番に漬け込むことが出来るメリットがある。板の材質を透明樹脂にした場合は、伸縮紐も透明とすると見栄えも良く高級感が演出できる。
【符号の説明】
【0013】
1 矩形の板
2 切込み溝
3 凹凸
4 溝付穴
5 伸縮紐
6 矩形の板
7 巻き簾
8 止め玉
9 円板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
漬物を作る場合において、重しの替りに漬物素材毎に圧力を掛け、その状態で容器内に保存及び熟成をさせる、事を特徴とする漬物の製造方法。
【請求項2】
漬物を作る場合において、形状変形可能な軟質系樹脂袋に素材を入れ、該袋の外側から漬物素材に圧力を掛け、その状態で保存及び熟成をさせる、事を特徴とする漬物の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法を具現化する為の道具であって、巻き簾(7)の一端方向に溝付穴(4)をほぼ均等に4ヶ所設け、溝付穴を通して巻きつけ圧縮ようの伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端と中間位置に止め球(8)を設ける、以上のように構成される事を特徴とする漬物具。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の方法を具現化する為の道具であって、矩形の板(6)を2枚用意し、各板の四隅には溝付穴(4)を設け、板の長手方向両側には凹凸を設け、2枚の板を締め付けようの伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端と中間位置に止め球(8)を設ける、以上のように構成される事を特徴とする漬物具。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の方法を具現化する為の道具であって、矩形板(1)の4隅に両端溝付穴(4)を設け、板の長手方向両側には切り込み溝(2)を設け溝付穴を通して巻きつけ圧縮をする伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端には止め球(8)を設ける、以上のように構成される事を特徴とする漬物具。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の方法を具現化する為の道具であって、円板(9)を設け、該円板の周囲には溝付穴(4)と切込み溝(2)を外側に向かって設け、溝付穴を通して巻きつけ圧縮をする伸縮紐(5)を具備し、該紐の両端には止め球(8)を設ける、以上のように構成される事を特徴とする漬物具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−65640(P2012−65640A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230969(P2010−230969)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(598041197)
【Fターム(参考)】