漸次的に解像度を増加させて1以上の生物学的サンプルの観察及び分析のための方法及びその方法のための装置
【課題】解剖学的構造の少なくとも一部を分析及び/又は図示するための方法、装置、要素の提供。
【解決手段】例えば、当該部分に関連する第一情報を作成するために、この様な部分に光が当てられる。例えば、光は、対象の上から又は内部に提供され得る。第一情報が受容され、そして当該部分の少なくとも一部が、第二情報を作成するために、第一情報に基いて選択されうる。当該部分のディスプレイの倍率は、第二情報の関数として漸次的に変更されてもよい。
【解決手段】例えば、当該部分に関連する第一情報を作成するために、この様な部分に光が当てられる。例えば、光は、対象の上から又は内部に提供され得る。第一情報が受容され、そして当該部分の少なくとも一部が、第二情報を作成するために、第一情報に基いて選択されうる。当該部分のディスプレイの倍率は、第二情報の関数として漸次的に変更されてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漸次的に解像度を増加させて(with progressively increasing resolutions)1以上の生物学的サンプル及び解剖学的構造の観察及び分析するための方法及び要素(Arrangement)に関する。
【0002】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2005年9月29日に出願された米国仮特許出願第60/721,802号に基いており、そして当該出願の優先権を主張する。当該出願の全ての開示は本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
X線コンピューター断層撮影法(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)などの放射線技術及び超音波は、臓器のレベルで人の病変を非侵襲的に可視化することを可能にした。これらのモダリティは大規模な病変を同定することができるが、癌の診断は、慣用される造影技術の解像度を超える顕微構造の評価を必要とすることがある。結果として、生検及び組織病理学的試験が診断に必要とされる。前癌状態の増殖及び癌の初期段階は、顕微鏡スケールで生じることが多いため、同定及び診断にかなりの難題を提示しうる。これらの病変の慣用的なスクリーニング及び観察は、無誘導下の生検及びヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色されたスライドの形態学的分析に依っている。このアプローチは、顕微鏡診断の現在の標準と考えられているが、患者から組織を取り出すことを必要とし、そしてスライドを作成するためにかなりの処理時間を必要とする。さらに重要なことに、組織病理法は本質的に一点サンプリング技術であり;通常、病理組織のかなり小さい分画のみが切除され、そして生検サンプルの1%未満しか病理学者によって試験されないことも多い。
【0004】
生存しているヒト患者の臓器全体又は生物学的システムから顕微診断を得ることが好ましいこともある。しかしながら、適切な造影技術の欠如は、前-新生物条件(例えば、化生)及び異形成のスクリーニングについての選択肢をかなり制限する。さらに、in situで異形成及び癌腫の領域を同定することができないことは、前立腺、大腸、食道、及び膀胱などのランダム生検などのスクリーニング方法を招くことになり、これは、かなり不所望かつ無分別なものになりうる。凍結切片研究に供される多くの診断業務、例えば外科的腫瘍境界の描写は、顕微スケールで大きな組織容量を迅速に造影できる診断モダリティによって改善することができる。病理学と放射線学との間のギャップを満たすことができる技術は、患者の管理及び健康管理にかなり利点があるであろう。
【0005】
技術進歩が成されて、非侵襲的造影技術、例えばマイクロ-CT、マイクロ-PET、及び磁気共鳴映像(MRI)顕微検査などの解像度が増加した。これらの技術により、20μmの解像度が達成されたが、基本的な物理的制限によって患者への適用が妨げられることがある。in situで行なわれる顕微鏡光学生検技術は、近年、非切除病理組織学的診断へと進歩してきた。反射型共焦点顕微鏡(RCM)は、患者における非侵襲的な顕微法に特によく適していることもある。なぜなら、RCMは、組織と接触することなく微視的構造を計測することができ、そして外部からの造影剤の投与を必要としないからである。RCMは焦点から外れた光を受容せず、そして組織内の単一面から選択的に生じた後方散乱光子を検出する。RCMは、組織表面に平行な面において電磁照射の焦点化されたビームを迅速にスキャンすることによって実施されうる。RCMにおいて使用されうる高い開口数(NA)は、かなり高い空間的解像度(1〜2μm)をもたらし、細胞より小さい構造の可視化を可能にする。しかしながら、高NA造影は、非均一組織を通して光が伝播するにつれて生じる収差に対し特に影響をうける。また、RCMを用いた高解像度造影は、一般に約100〜400μmの深さに限定される。
【0006】
RCMは、皮膚組織について実施可能な造影技術として広く行なわれてきた。内視鏡的共焦点顕微鏡システムの開発は、少なくとも一部においてスキャン顕微鏡の小型化に関わる実際の技術的困難性のためさらに難しかった。共焦点顕微鏡の概念を内視鏡に直接適用することについての1の主要な障害は、小さい直径の可動プローブの遠位末端において焦点化された光線を迅速にラスタリングするメカニズムの設計である。この問題を解決するために様々なアプローチが提案されてきた。例えば、遠位微小電磁機械システム(MEMS)ビームスキャン装置(distal micro-electromechanical system beam scanning device)及びシングルモードファイバーバンドルの近位スキャンの使用である。また、RCMは、個別の位置においてのみ顕微鏡映像を提供する。つまり一点サンプリング技術である。現在実施されるように、一点サンプリングは、RCMに固有でありうる。なぜなら、RCMは、切除生検に匹敵するか又は切除生検よりも小さい限られた視野しか有さず、そして造影速度が、広範囲の大視野顕微鏡検査には遅すぎるからである。
【0007】
共焦点顕微鏡を内視鏡用途に適用する他の困難性として、光学断面化に使用されうる高NA対物レンズの小型化を挙げることができる。このような小型化は、例えば屈折率分布型レンズシステム、二軸式対物レンズ(dual-axis objectives)、又は小型化対物レンズのカスタムデザインを提供することにより達成されうる。例えば、子宮頸部上皮の形態の詳細な映像は、小型対物レンズに繋がれた光ファイバー束を用いてin vivoで得ることができ、そして蛍光に基く結腸病変の映像は、例えばOlympus Corp.及びPentax/Optiscanから販売される市販の装置を用いて達成することができる。
【0008】
これらの進歩にも関わらず、適時にかつ正確な様式で適切に解明できるように(例えば、細胞レベルで、構造上のレベルで、又はその両方であって、広い表面積、さらには場合により臓器全体から得ることができるレベルで提供される)データーを解析できる方法及び要素を提供する必要性がある。実際、このデーター量は大きく、そしてこの様なデーターを1回で観察することは難しく、そうしてこの様な方法及び要素は、その観察及び分析に有利であろう。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1の目的は、従来技術のシステム(例えば、上記のシステム)の欠点及び欠陥を克服することであり、そして1以上の生物学的サンプル及び解剖構造を漸次的に解像度を増加させて観察及び分析するための方法及び要素の代表的な実施態様を提供することである。この様な代表的な方法及び要素は、データーの視覚的検査とともに用いられるか、又は異常組織及び/又は非健康組織を含む可能性の最も高い領域の視覚化を導くデーターの自動化処理法により用いられる。
【0010】
従って、本発明の代表的な実施態様に従った方法、装置、及び要素が提供され、そしてこれらは、解剖学的構造の少なくとも1部を分析及び/又は図解することができる。例えば、このような代表的な実施態様では、光は、このような部分に進められて、当該部分に関連する第一情報を作成する。例えば、当該光は、対象の上から又は中で与えることができる。第一情報を受け取り、そして第二情報を作成するために当該部分の少なくとも一区分が、第一情報に基いて選択される。当該部分のディスプレーの倍率は、第二情報の関数として漸次的に変更され得る。
【0011】
本発明のさらなる代表的な実施態様では、当該少なくとも1の部分の位置及び/又は深さの表示は、(例えば、解剖学的構造の中で)変更することができる。第二情報は、この様な部分の中に提供される領域と関連することができるか、及び/又はユーザーが領域を選択することによって得ることができる。選別は、ユーザーの入力を伴わずに処理要素(processing arrangement)によって自動的に行なわれうる。少なくとも1の部分の中の異常領域を決定することができ、そして処理要素は、少なくとも1の異常区分を表示するように選択及び変更が行なわれうる。第三の情報を作成するための処理を用いて、異常領域を当該部分の中で決定することができ、そして当該選択は、ユーザーにより行なわれるか、及び/又は第三情報の関数としての処理要素によって行なわれうる。
【0012】
本発明のさらに別の代表的な実施態様では、第一情報は、当該部分の1次元、2次元、3次元、又は4次元以上の表示と関連することができる。さらに、当該部分は、1mm2及び/又は10mm2よりも大きい領域を有することもある。当該部分の表示区分は、1cm2、1mm2及び/又は100μm2未満の領域を有することができる。第一情報は、共焦点顕微鏡方法と関連し、スペクトルによりコードされた共焦点顕微鏡方法、光学コヒーレンス断層撮影法、及び/又は光周波数ドメイン干渉分光法と関連することがある。要素は、光を当該部分に提供するために、解剖構造内に配置できる。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と併せて、本発明の実施態様の以下の詳細な記載を参照した際に明らかになるであろう。
【0014】
図面の簡単な説明
本発明のさらなる対象、特徴、及び利点は、本発明の図による実施態様を示す添付の図面と合わせて上記の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、代表的なスペクトル符号化共焦点顕微鏡(SECM)システムの模式図である。
【図2】図2Aは、単一モード光源(single mode source)及び単一モード検出(single mode detection)(SM-MM)構成を用いて、組織表面から100μmの位置のex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。 図2Bは、単一モード光源及びマルチモード検出(SM-MM)構成を用いて得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。 図2Cは、ブタ腸上皮のSECM画像の拡大図である。
【図3】図3Aは、腸壁を圧迫した後に50μmの画像深度でex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。 図3Bは、腸壁を圧迫した後に100μmの画像深度でex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。
【図4】図4は、典型的なSECM装置の模式図である。
【図5】図5は、USAFチャートの典型的なSECM像である。
【図6】図6Aは、1倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Bは、4.5倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Cは、16.7倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Dは、50倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Eは、125倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。
【図7】図7は、5の異なる焦点位置でレンズペーパーサンプルから得られた典型的な連続のSECMデーターと、当該5の個々の画像においてデータを組み合わせることにより作成された重ね合わせ画像である。
【図8】図8Aは、1倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図8Bは、4倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図8Cは、20倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図8Dは、40倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。
【図9】図9Aは、in vivoでのブタ食道の顕微鏡画像の正面図及び側面図であり、本発明に記載される方法及び要素の代表的な実施態様を用いて、造影促進剤又は外部からの造影剤を伴うことなく粘膜下の血管ネットワークを示す。 図9Bは、図9Aに示される位置で食道壁を通した長手方向の断面の顕微鏡画像の側面図である。 図9Cは、図9Aに示された位置で開かれた横断面の側面図である。 図9Dは、図9Cに示される画像の選択された部分の拡大図の側面図である。 図9Eは、図9Dに示された画像に対応する解剖領域から得られた組織切片を示す典型的な画像である。
【図10】図10は、本発明の外科的構造の顕微鏡データーセットに対する漸次的に拡大させる方法の典型的な実施態様のフローチャートである。
【図11】図11は、光コヒーレンス断層映像法(OCT)技術を用いて得られる食道粘膜の典型的な一連の画像であり、バレット食道及び腺癌に比べて通常の扁平上皮粘膜を同定するための自動化処理法の典型的実施態様の実行を示す。
【図12】図12は、OCT技術を用いて得られたアテローム硬化性のプラークの代表的な画像セットであり、これは、マクロファージの密度を同定するように処理された。
【図13】図13は、高倍率で観察され得る目的の領域を自動的に同定するためのシグナル処理技術を介して得られる結果に基いて解剖学的構造の顕微鏡データーセットを漸次的に拡大する本発明に記載される方法の他の典型的な実施態様のフローチャートである。
【0016】
添付の図面を通して、他に記載がない限り、同じ参照番号及び特徴が、図示された実施態様の特徴、要素、構成を記載するために使用される。さらに、発明の対象が図面を参照して詳細に記載されているが、典型的な実施態様と併せてそのように記載されている。添付の特許請求の範囲により規定される発明の対象の範囲と本質から逸脱することなく、記載された実施態様に変更及び修飾が成され得るということが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の典型的な実施態様に従って、本発明の典型的実施態様に従った方法及び要素は、漸次的に解像度を増加させて、1以上の生物学的サンプル及び解剖学的構造の観察及び分析をするために提供され得る。このような典型的な方法及び要素は、データーの視覚検査を伴って使用されるか、又は異常及び/又は非健常組織を含む可能性の最も高い領域の可視化を導く自動化処理法によって使用されうる。
【0018】
代表的なSECM技術が図1に示される。プローブの遠位末端に位置しうる単一モード光ファイバー100からの出力は、コリメートレンズ110により並行化され、そして次に回折光学要素(例えば、透過回折格子120)に照射される。対物レンズ130が次に各回折波長を、試料内の区別される空間位置(distinct spatial location)に焦点化でき、特徴的な横線の焦点140をもたらし、ここで当該線上の各点が、特徴的な波長により特徴付けられてもよい。試料(生物学的組織であることもある)から反射させた後に、光シグナルは回折要素120により再構成することができ、そして単一モード光ファイバー100により回収され得る。単一モードファイバー100の中心開口は、焦点から外れた光を受容しない空間フィルタリングメカニズムを提供できる。プローブの外部で(及び場合によりシステムコンソール内で)返光(returned light)のスペクトルを計測でき、そして試料内の横方向の移動の関数として、共焦点反射率(confocal reflectance)に変換することができる。スペクトルのデコードは迅速に行なわれうる。こうして、線焦点に直行する方向にビームをスキャンすることにより作成される画像が、比較的ゆっくりかつ単純機械作動によって達成することができる。
【0019】
SECM技術は、内視鏡RCMの使用を可能にし、そしてハイスピードリニアCCDカメラを用いてかなり高い速度で画像データーを提供することができる。市販のリニアCCDアレイは、1秒あたり約6000万ピクセル以上の速度でデーターを得ることができる。SECM分光計に取り込まれた場合、これらのアレイは、一般的なビデオ速度の約10倍の速さであり、そして最大幾つかの内視鏡RCM技術の100倍の速度で共焦点画像を提供することができる。当該迅速な画像化速度及び一般的なSECMシステムの光ファイバー設計は、内視鏡プローブを通した包括的広範囲の顕微鏡検査を可能にすることができる。
【0020】
光コヒーレンス断層撮影法(OCT)及びその変法を用いた技術は、広範囲の構造上のスクリーニングに使用されてもよい。時間ドメインの代わりに波長ドメインのOCTシグナルを得ることは、優れた画像品質を維持する一方、画像化速度の数桁の改善を提供することができる。スペクトルドメインOCT(SD-OCT)技術を用いて、高解像度範囲は、組織サンプルとレファレンスとの間でスペクトルに分解された干渉を検出することにより生物組織において行なうことができる。SD-OCTシステムが、SECMシステムと同じ高速リニアCCDを用いることができるので、当該システムは、6000ピクセル/秒で画像を補足することができ、これは慣用される時間-ドメインOCT(TD-OCT)システムよりも約2桁早い。この獲得速度及び解像度で、SD-OCTシステムは、臨床環境での構造レベルで、広範囲の体積顕微鏡検査(volumetric microscopy)を提供できる。
【0021】
SD-OCT及びSECMシステムにより提供される情報は、広範囲に及び、そして両方の技術を用いるハイブリッドプラットフォームは、正確な診断に必須でありうる組織の構造及び細胞上の構造についての情報を提供することができる。異種の技術を組み合わせることは、通常かなりの工学技術を必要とし、そして性能を妥協することがあるが、SECMとSD-OCTシステムは主要な構成を共有することができ、そして高速マルチモダリティシステムは、個々のシステムの複雑さ又は費用を実質的に増加させることなく提供することができる。
【0022】
本発明の特定の典型的な実施態様に従って、SECMシステムは、1300nmの波長スイープ光源(wavelength-swept 1300 nm source)及び単一要素光検出器を利用してスペクトルにコード化された情報を時間の関数として得ることができる。このシステムでは、画像は、400μmの視野(FOV)に渡り、高い水平解像度(1.4μm)及び軸方向解像度(6μm)を有する最大で約30フレーム/秒の割合で得ることができる。新たに切除されたブタ十二指腸の画像を高速システムでex vivoで造影して、特別な腸上皮化生(SIM)、つまりBEの化生変化、において見ることができる細胞より小さい構造を同定するSECMシステムの能力を例示する。
【0023】
図2A-2Cは、2個の造影様式、及び対応するファイバーの構成:単一モード照射と単一モード検出(SM-SM)及び単一モード照射とマルチモード検出(SM-MM)を用いて、ex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像を図示する。図2AのSM-SM画像は、単一モード光源及び単一モード検出を用いて組織表面から100μmの上皮構造を示す。単一モード光源及びマルチモード検出(SM-MM)を中心:開口の比を1:4で用いることにより得られる図2Bに示される同じ組織領域の画像は、より滑らかに見え、そしてスペクトルノイズの低下のためより容易に解析することができる。図2Cは、あまり反射していないコア(例えば固有層、つまり「lp」)及びより高度に散乱している円柱上皮を含む柔毛の証拠を示す図2Bにおいて示される画像の拡大図である。核(矢印で示される)に相当する円柱細胞の基底で見られる明るい画像密度が図2Cにおいて明らかである。
【0024】
in vivoでOCT技術を用いて画像化される食道壁の厚さは、膨らまされたバルーンを用いて約二分の一に減少させることができる。図2A-2Cに示されるブタ腸サンプルを同じだけ減少させ、そしてSECM技術を用いて観察された細胞より小さい特徴はよく保存されていた。図3A及び3Bは、それぞれ50μm及び100μmの深さで得られた薄層化サンプルの画像を示す。
【0025】
市販の800nmの共焦点レーザー顕微鏡の透過深度は、1300nmSECMシステムで得られた結果に比べると約20%だけ減少することが観察された。この低下した透過性は、短い波長の光源の分散の増加の結果でありうる。こうして、840nmの光源を用いるSECMシステムが、例えば腸上皮の細胞より小さい構造を同定するために十分な透過性を提供しうる。
【0026】
広範囲のSECM画像を提供するように構成される本発明のある典型的な実施態様に従った要素は、図4に模式的に示される。この典型的な要素は、食道下部の凡その寸法である長さ2.5cm、そして直径2.0cmを有する円柱状サンプルから画像を得るような形にされる。800nmの中心波長及び45nmの帯域幅を有するファイバーに繋がれた2.0mWの高輝度ダイオード200(QSSL-790-2、qPhotonics、Chesapeake、 VA)を50/50単一モードファイバー光学ビームスプリッター405に照射するような構成にされた。スプリッターの1のポートを通して照射された光をコリメーター410により並行化し、そしてファイバー412を通して焦点化装置415に、そして格子420(1780lpmm, Holographix, LLC, Hudson, MA)及び350230-B非球面レンズ425(Thor Labs, Inc., Newton, NJ)(焦点距離、f、4.5mm、透明開口部、5.0mm、及びNA、0.55)を含む格子-レンズ対に照射した。この要素は、円柱サンプルの内表面上に焦点化されスペクトルにコード化されたスポット430の500μmの長軸方向の直線状配列、つまり線をもたらすことができた。格子-レンズ対を、ハウジング440によりモーター435のシャフト(1516SR、15mm直径、MicroMO Electronics, Inc., Clearwater, FL)に固定した。モーター435が回転するにつれ、スペクトルにコード化された線が、円柱状サンプルの内周をスキャンした。モーター435、ハウジング440、及び格子-レンズ対は、コンピューター制御されたリニア-ステージ445(Nanomotion II、2.5cmの範囲、Melles Griot, Rochester, NY)を用いて、モーター436が回転する間に円柱状サンプルの長軸に沿って平行移動させた。この方法は、円柱状サンプルの内表面全体のらせん状スキャンをもたらした。
【0027】
サンプルから反射された光を、光学システムを通して単一モードファイバー412へと逆送信し、そしてファイバー412によって、分光計450、並びに2048ピクセルを含み、かつ30kHzのライン速度を有するリニアCCD445(Basler L104K、Basler Vision Technologies, Exton, PA)へと提供された。分光計450及びCCD455により提供された画像データーを貯蔵、分析、及び表示するためにコンピューター460を用いた。モーターが(0.5Hz、又は30rpmで)回転するにつれ約60,000ポイントをデジタル化して、1.0μmの円周サンプリング密度を達成した。モーターの長手方向の速度は、0.25mm/sであり、そして円柱状サンプルの完全なスキャンに必要とされる時間は、100秒であった。
【0028】
格子-レンズ対上への平行化されたビームの1/e2直径は、4.0mmであった。結果として、この典型的な装置の有効NAは約0.4であり、これは約1.2μmの理論上のスポット直径及び約2.5μmの共焦点パラメーターに相当する。光学収差がないシステムでは、サンプル上での理論上のスペクトルの分解能は、0.8Åであり、これはスペクトルにコード化された線430に渡って、最大約630の分解能点(resolvable point)をもたらすことができる。検出腕の分光計450は、プローブの予期されたスペクトル分解能を超えるように設計された。
【0029】
この装置を用いて得られた1951USAF分解能チャートのSECMスキャンが図5に示される。2.2μm離されているこの図における最も小さいバーが分離される(resolved)。横線広がり関数半値全幅(FWHM)(a transverse line spread function full-width-half-maximum)及び焦点を通したミラースキャンを用いて得られる縦軸FWHM関数(an axial FWHM function obtained using a mirror scanned thorough the focus)は、それぞれ2.1μmと5.5μmと計測された。視野は、約500μmであると観察された。これらの計測は、対応する理論値よりもかなり低く、これは光路の収差に起因しうる。これらの実際のパラメーターにより、本明細書に記載される典型的な要素が、生物学的組織において共焦点顕微鏡検査に使用されるのに十分な分解能を提供することができるということが示唆される。
【0030】
2.5cmのファントム標本(phantom specimen)の完全なプルバックイメージ(pullback image)のSECMデーターを図6に示す。これらの表示画像を作成する前に、極座標を、直交座標へと変換した。ファントム標本を、2.1cmの内直径のTeflonチューブの内表面に固定されたレンズペーパーを用いて作成した。図6Aに示される低倍率の画像において、ペーパーのしわ及び隙間を含むペーパーの顕微構造を観察できる。眼に見える円周のストライプは、スペクトルによりコード化された線の末端又は末端付近に存在しうる低いスペクトルパワーとレンズ収差から生じた可能性がある。個々の繊維及び繊維の顕微構造が、図6B-6Eに示されるように高倍率のデーターセット領域において明らかに分離できる。
【0031】
図4Aの焦点化装置415を調節することにより、ファントムサンプルの円周上の二次元画像(2D)を120μmの幅にわたり5の別個の焦点深度で得た。次に図7に示されたこれらの5枚の画像710-750を合計して、重ね合わせ画像760を作成した。これは、ファントムサンプルの表面をほぼ完全にカバーした。
【0032】
本明細書に記載されるSECM要素を用いた生物学的サンプルの画像化は、光学スキャンヘッドのセンターリング装置(centering apparatus)がないことにより複雑化されうる。広範囲の顕微鏡画像及びデーターを作成するためのさらなる改善を提供するために、ブタ腸のサンプルを直径2.0cmの透明シリンダーの上に配置した。1秒で得られたこのサンプルの360°スキャンが図8Aに示される。画像化された組織は、円柱状スキャンの一区分にしか存在しない。なぜなら、当該プローブが中心に配置されず、そしてサンプルがシリンダーの周囲を完全に包んでいなかったためである。図8B-8Dは、当該組織サンプルの一連の拡大図を示す。図8Bに示される画像は、図8Aの点線で囲んだ長方形により囲まれる1.5cmの部分の拡大図である。同様に、図8Cの画像は、図8Bの長方形の拡大図を表し、そして図8Dの画像は、図8Cの長方形の拡大図を表す。図8Bの画像の組織の拡大図は、腺状構造を示唆している。図8C-8Dの拡大図は、図2及び3に示されるように、1300nmSECMシステムを用いて観察されたものに類似する柔毛及び核特徴を示す。図8AのSECMスキャンのほかの領域は、透明シリンダーからの正反射及び完全なシグナルの脱落を含む結果を示し、これらの両方ともが、焦点化SECMビームの不適切な位置取りから生じうるものである。
【0033】
患者において広範囲共焦点顕微鏡検査を実施することには、様々な技術的困難がある。この様な困難として、例えば、画像化速度の増加、光学プローブ並びにセンターリングメカニズムを包含する機械的構成の小型化、そして焦点面を動的に変化させる技術の実施などが挙げられる。
【0034】
SECMシステムの画像取得速度は、例えば、上で記載された典型的なシステムと比べて約2〜4倍に改善されうる。この様な改善は、ある変更を提供することにより認識されうる。例えば、高出力半導体光源(例えば、Superlumダイオード、T-840 HP:25mW、840nm、100nmスペクトルバンド長)は、スペクトルに分離された1000のポイントを提供することができる。光出力の増加は、感度を改善することができ、そして広い帯域幅は、視野を広げ、約2倍の速さでSECMビームをスキャンすることを可能にする。また例えば、OC-3-850(Optics For Research, Caldwell, NJ)などの光学サーキュレーターの使用は、当該プローブにデリバリーされる光及びプローブから回収された光の効率を増加することができる。2048ピクセル及び60kHz読み出し速度を有するAVIIVA M4-2048などのより感受性の高いリニアCCDは、画像データーを作成するために使用される波長範囲にわたり改善されたスペクトル応答及びデーター獲得スピードの2倍の増加を提供することができる。パフォーマンスは、例えば、記憶用のハードドライブアレイにカメラから約120MB/sの速度でデーターを伝達することができるカメラリンクインターフェースを使用することにより改善され得る。
【0035】
最も小さい検出可能な反射を指すと理解できる感受性は、共焦点画像品質及び侵入深度に影響しうるシステムパラメーターである。約10-4〜10-7でありうる入射光の画分は、近赤外RCM技術を用いた場合、最大で約300μmの深さの皮膚から反射されうる。本明細書に記載される本発明のある典型的な実施態様に従って典型的なシステムに使用される対物レンズのNA、並びに皮膚が非ケラチン化上皮粘膜より有意に光を減弱するという観察に基いて、本明細書に記載される典型的なSECMプローブ対物レンズは、組織の深部から反射された約3×10-4〜3×10-7の照射光を回収することができる。25mWの光源は、約1000の独立したビームへと分離されうる。最大の二回通過挿入損失(double pass insertion loss)は、約10dB(プローブから6dB、そして光ファイバー及び分光計から4dB)と見積もることができる。アレイ中の各ピクセルは、こうして、見積もりのパラメーターに基いて、各ライン統合期間(each line integration period)の間、約50〜50,000光子/ピクセルにより照射されうる。
【0036】
マルチモード検出技術を用い、10倍のシグナル上昇が達成され、この様な構成についてスキャンあたり、約500〜500,000光子/ピクセルをもたらしうる。Atmel AVIIVA M4カメラ上での単一ピクセルは、例えば、シグナルが、約240の光子で生じる暗電流変動を超える場合、信頼して光を検出することができる。この装置が、これらの波長において約50%の量子効果を有する場合、最大検出可能なシグナルは、スキャンあたり約480光子/ピクセルでもたらされうる。これらの近似に基いて、Atmelのカメラは、深い組織深度でのSECM造影を可能にする十分な感受性を有する可能性がある。予想される最小反射の量子ノイズに制限される検出は、集光用のマルチモードファイバーを用いることにより、又は光源出力を増加させることにより達成することができる。
【0037】
本発明の1の典型的な実施態様では、方法及び要素は、ナビゲート用に解剖学的構造からの大きな顕微鏡データーセットを分析し、そして表示するために提供されうる。
【0038】
図9A-9Eは、広範囲の顕微鏡、並びに本発明の方法及び要素の典型的な実施態様を用いてin vivoで得られたブタ食道の様々な画像を図示する。これらの典型的な画像は、図4に示されるコンピューター460(例えばパソコン、ミニコンなど)により作成されるか、又は図4のディスプレイ470又は他の出力装置にこの様な画像を(例えばソフトウェアにより)転送するように構成される別の処理要素によって作成されうる。さらに、コンピューター460は、図4の典型的なシステムの様々な要素(例えば、モーター435、リニア平行移動装置445、焦点化装置415)を制御することができ、自動的に、及び/又は外科的構造に付随する大きな顕微鏡データーセットのナビゲーション、分析、及び表示を可能にする手動のコントロールの下で、外科的構造の様々な領域に焦点をあてることができる。
【0039】
例えば、図9Aは、in vivoにおけるブタ食道の顕微鏡画像の正面図及び側面図900、905をそれぞれ示し、これは、当該方法及び要素のこのような典型的な実施態様を用いて、造影促進剤又は食道造影剤を用いないで粘膜下で血管網を提供する。実際、例えば、図9Aの14GBの体積データセットは、任意配向及び透視図における表示用にされ、そしてダウンサンプルされうる。このような造影促進剤又は食道造影剤を伴わずに粘膜下の血管網が示される。断面図は、このような典型的なタスク用に構成されたコンピューター460及び図4のシステムの他の要素を用いて、高解像度観察用の体積画像に基きうる。
【0040】
図9Bは、図9Aに示される位置で、食道の壁を通した長手断面の顕微鏡画像の側面図910を示す。例えば、画像910は、上皮を上側にし、水平方向を45mm、縦方向2.6mmに変換した。生データーでは、心臓の鼓動に対応する周期的な垂直方向のオフセットが観察できた。表面調心手順の代表的な実施態様は、90拍/分の心臓鼓動に対応する300μm(ミクロン)の周期で観察されうる残存垂直バンディング(residual vertical banding)以外のこのアーティファクトを低減するために使用することができる。隣接するAラインの間の典型的な長手方向のピッチを32μmとして示す。
【0041】
図9Cは、図9Aに示される位置で、開かれた横断面の側面図920(例えば、円柱座標r及びθがY軸及びX軸に位置付けられる)を示す。例えば、図示された例示の寸法は、以下の通りである:水平方向57mm、垂直方向2.6mm。図9Bと図9Cは両方とも、食道壁の全体に渡る画像を図示し、そして上皮(e)、固有層(lp)、粘膜筋層(mm)、粘膜下層(s)、及び筋固有層(mp)の同定を可能にすることができる。図9Dは、このような同定を手助けするために使用できる図9Cに図示される画像の選択部分の拡大図である側面図930を示す。図9Eは、図9Dに図示される画像に対応する解剖領域から得られる代表的な組織切片の典型的な画像を示す。
【0042】
例えば、図10は、図4に示されるコンピューター460を用いて実行されうる漸次的に増加された解像度でデーターセットを分析及び/又は観察するための本発明に記載される方法又は手法の典型的な実施態様を記載するフローチャートを示す。特に、ステップ1000では、10μm未満の分解能を有する顕微鏡データセットは、組織の広い領域にわたり、又は組織又はその中の器官から獲得されうる。当該データは次に、全データーセット又はデーターセットの一部の低倍率又は低出力を図示し得る表示で、フォーマットされうる(ステップ1010)。ステップ1020では、ユーザーは、データーセットを観察し、そしてコンピューターインターフェースを用いて、(a)長方形領域、(b)点、(c)任意の形の領域、及び/又は(d)高倍率観測を視覚化するための深度を選択することができる。新たな領域は、ステップ1020で視覚化でき、そしてユーザーは(a)別の領域を選択でき、(b)点を拡大でき、(c)縮小でき、(d)3次元で現在の視界を平行移動させることができ、及び/又は(e)データーセット内の視界の深度位置(depth location)を変化させることができる。
【0043】
図10に図示される典型的なプロセス全体は、視覚化のために領域又は目的の領域が同定できるまで繰り返すことができる。ユーザーは、任意の倍率で異なる画像を選択することができるか、又は後の検査用に記憶するために一見することができる。各別個の視野の表示は、典型的なナビゲーション方法の間に行われうる。異なる倍率/位置での様々な領域/画像は、ユーザーが次のナビゲーション・セッションの間に同じ領域/画像に戻ることができるように、ブックマークが付される。図6A-6E、7及び9A-9Eは、広い領域の顕微鏡検査データーセットを観察する間における漸次的拡大の例を示す。
【0044】
本明細書に記載されるナビゲーション法の典型的な実施態様は、コンピューター460により実行され得るし、そしてサンプル、そしてその異なる部分及び領域を拡大及び観察するために、様々な領域を決定する点でユーザーを手助けする様々な処理技術を利用する。例えば、図11は、光コヒーレンス断層映像法(OCT)技術を用いて得られる食道粘膜の1連の典型的な画像を図示し、OCT画像空間周波数(OCT image spatial frequencies)の解析を介して、バレット食道及び腺癌に比べて、通常又は良性である扁平上皮粘膜を同定する自動処理方法の典型的な実施態様の実行を示す。
【0045】
図11に示される様に、異なる疾患状態のOCT画像1100、1110、及び1120、並びに空間周波数分布1105、1115、及び1125が示される。扁平上皮1100(SE)が垂直空間周波数を有し(パネル1105の矢印1007を参照のこと)、これはSIMには存在しない水平方向の層に対応する。広く分布する空間周波数分布が、腺癌(CA)の典型的なOCT画像において示され、そしてその対応する空間頻度1125は、SIMND1110と1115と比較される。図12は、通常の正規化標準偏差パラメーター(NSD)を決定することにより動脈硬化性プラーク1200のOCT画像から得られたマクロファージの含量1210の図を示す。マクロファージの密度を得ることができ、そして着色テーブル1220を用いて画像として表示することができる。
【0046】
これら及び他の典型的な造影処理分析法及びステップは、顕微鏡データーセットに適用でき、そして次の直接のナビゲーションのために潜在的な疾患の領域を強調表示するために利用される。図13は、顕微鏡画像データーセットをナビゲートし、そして評価するための本発明に記載される方法及び手法の典型的な実施態様のフローチャートを示す。この典型的な方法/手順では、顕微鏡データーセットは、ステップ1300で得ることができ、これは好ましくは10μm未満の解像度を有し、おそらく組織の広い領域にわたり得られるか又は組織若しくはその中の器官の体積から得られる。当該データーは、次にステップ1310の処理装置により(例えば、コンピューター460を用いて)自動的に処理されて、疾患の疑いのある領域を含むか、又は逆に疾患を含まないと考えられる領域(つまり、健常部分)を含む領域/位置を同定した。ステップ1320では、非健常領域は、色又は他のマーキング法を用いて表すことができ、そして次にステップ1330で顕微鏡データー体積の全体を低倍率で観察した。
【0047】
ユーザーはステップ1340において、その処理データー及び表示によりガイドされる診るべき領域を選択することができる。ユーザーは次に、データーセットを観察でき、そしてコンピューターインターフェースを用いて、(a)長方形領域、(b)点、(c)任意の形の領域、及び/又は(d)高倍率の視野を可視化するための深度を用いて選択することができる。新たな領域を観察することができ、そしてユーザー(又はコンピューター460)は、手動で又は自動的に(a)別の領域を選択でき、(b)ある点を拡大/縮小でき(ステップ1350)、(d)現在の視界を3次元で平行移動でき、及び/又は(e)データーセット内の視界の深度位置を変化させることができる。さらに、ステップ1360では、ユーザーは、新たに表示された領域を観察することができる。典型的な方法/手順は、目的の領域が視覚化に同定されるまで繰り返されてもよい。ユーザー又はコンピューター460は、任意の倍率で異なる画像を選択できるか、又は後の検査用に記憶するために一見することができる。各個体の標識は、典型的なナビゲーションプロセスの間に行なうことができる。異なる倍率/位置での領域/画像は、次のナビゲーションセッションにおいて同じ領域/画像に戻ることができるようにするためブックマークすることができ、そして記憶される。
【0048】
上野記載は本発明の原理を単に例示するのみである。記載された実施態様の様々な変更及び改変は、本明細書の教示の点で当業者に明らかである。実際、本発明の典型的な実施態様に従った要素、システム、及び方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD-OCTシステム、又は他の造影システム、例えば2004年9月8日に出願された国際特許出願PCT/US2004/029148に記載されるシステム及び2004年7月9日に出願された米国特許出願第10/501,276号に記載されるシステムで使用されうる。これらの開示は、その全てを本明細書に援用される。こうして、本明細書に明らかに示され又は記載されていないが、本発明の原理を具現化し、そして本発明の範囲と原理のなかである多くのシステム、要素、及び方法を当業者が考案できるということが認められる。さらに、従来技術知識の範囲が、明確に本明細書に援用されていないが、その全てを本明細書に明らかに援用される。本明細書に援用される全ての文献は、その全てを援用される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、漸次的に解像度を増加させて(with progressively increasing resolutions)1以上の生物学的サンプル及び解剖学的構造の観察及び分析するための方法及び要素(Arrangement)に関する。
【0002】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2005年9月29日に出願された米国仮特許出願第60/721,802号に基いており、そして当該出願の優先権を主張する。当該出願の全ての開示は本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
X線コンピューター断層撮影法(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)などの放射線技術及び超音波は、臓器のレベルで人の病変を非侵襲的に可視化することを可能にした。これらのモダリティは大規模な病変を同定することができるが、癌の診断は、慣用される造影技術の解像度を超える顕微構造の評価を必要とすることがある。結果として、生検及び組織病理学的試験が診断に必要とされる。前癌状態の増殖及び癌の初期段階は、顕微鏡スケールで生じることが多いため、同定及び診断にかなりの難題を提示しうる。これらの病変の慣用的なスクリーニング及び観察は、無誘導下の生検及びヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色されたスライドの形態学的分析に依っている。このアプローチは、顕微鏡診断の現在の標準と考えられているが、患者から組織を取り出すことを必要とし、そしてスライドを作成するためにかなりの処理時間を必要とする。さらに重要なことに、組織病理法は本質的に一点サンプリング技術であり;通常、病理組織のかなり小さい分画のみが切除され、そして生検サンプルの1%未満しか病理学者によって試験されないことも多い。
【0004】
生存しているヒト患者の臓器全体又は生物学的システムから顕微診断を得ることが好ましいこともある。しかしながら、適切な造影技術の欠如は、前-新生物条件(例えば、化生)及び異形成のスクリーニングについての選択肢をかなり制限する。さらに、in situで異形成及び癌腫の領域を同定することができないことは、前立腺、大腸、食道、及び膀胱などのランダム生検などのスクリーニング方法を招くことになり、これは、かなり不所望かつ無分別なものになりうる。凍結切片研究に供される多くの診断業務、例えば外科的腫瘍境界の描写は、顕微スケールで大きな組織容量を迅速に造影できる診断モダリティによって改善することができる。病理学と放射線学との間のギャップを満たすことができる技術は、患者の管理及び健康管理にかなり利点があるであろう。
【0005】
技術進歩が成されて、非侵襲的造影技術、例えばマイクロ-CT、マイクロ-PET、及び磁気共鳴映像(MRI)顕微検査などの解像度が増加した。これらの技術により、20μmの解像度が達成されたが、基本的な物理的制限によって患者への適用が妨げられることがある。in situで行なわれる顕微鏡光学生検技術は、近年、非切除病理組織学的診断へと進歩してきた。反射型共焦点顕微鏡(RCM)は、患者における非侵襲的な顕微法に特によく適していることもある。なぜなら、RCMは、組織と接触することなく微視的構造を計測することができ、そして外部からの造影剤の投与を必要としないからである。RCMは焦点から外れた光を受容せず、そして組織内の単一面から選択的に生じた後方散乱光子を検出する。RCMは、組織表面に平行な面において電磁照射の焦点化されたビームを迅速にスキャンすることによって実施されうる。RCMにおいて使用されうる高い開口数(NA)は、かなり高い空間的解像度(1〜2μm)をもたらし、細胞より小さい構造の可視化を可能にする。しかしながら、高NA造影は、非均一組織を通して光が伝播するにつれて生じる収差に対し特に影響をうける。また、RCMを用いた高解像度造影は、一般に約100〜400μmの深さに限定される。
【0006】
RCMは、皮膚組織について実施可能な造影技術として広く行なわれてきた。内視鏡的共焦点顕微鏡システムの開発は、少なくとも一部においてスキャン顕微鏡の小型化に関わる実際の技術的困難性のためさらに難しかった。共焦点顕微鏡の概念を内視鏡に直接適用することについての1の主要な障害は、小さい直径の可動プローブの遠位末端において焦点化された光線を迅速にラスタリングするメカニズムの設計である。この問題を解決するために様々なアプローチが提案されてきた。例えば、遠位微小電磁機械システム(MEMS)ビームスキャン装置(distal micro-electromechanical system beam scanning device)及びシングルモードファイバーバンドルの近位スキャンの使用である。また、RCMは、個別の位置においてのみ顕微鏡映像を提供する。つまり一点サンプリング技術である。現在実施されるように、一点サンプリングは、RCMに固有でありうる。なぜなら、RCMは、切除生検に匹敵するか又は切除生検よりも小さい限られた視野しか有さず、そして造影速度が、広範囲の大視野顕微鏡検査には遅すぎるからである。
【0007】
共焦点顕微鏡を内視鏡用途に適用する他の困難性として、光学断面化に使用されうる高NA対物レンズの小型化を挙げることができる。このような小型化は、例えば屈折率分布型レンズシステム、二軸式対物レンズ(dual-axis objectives)、又は小型化対物レンズのカスタムデザインを提供することにより達成されうる。例えば、子宮頸部上皮の形態の詳細な映像は、小型対物レンズに繋がれた光ファイバー束を用いてin vivoで得ることができ、そして蛍光に基く結腸病変の映像は、例えばOlympus Corp.及びPentax/Optiscanから販売される市販の装置を用いて達成することができる。
【0008】
これらの進歩にも関わらず、適時にかつ正確な様式で適切に解明できるように(例えば、細胞レベルで、構造上のレベルで、又はその両方であって、広い表面積、さらには場合により臓器全体から得ることができるレベルで提供される)データーを解析できる方法及び要素を提供する必要性がある。実際、このデーター量は大きく、そしてこの様なデーターを1回で観察することは難しく、そうしてこの様な方法及び要素は、その観察及び分析に有利であろう。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1の目的は、従来技術のシステム(例えば、上記のシステム)の欠点及び欠陥を克服することであり、そして1以上の生物学的サンプル及び解剖構造を漸次的に解像度を増加させて観察及び分析するための方法及び要素の代表的な実施態様を提供することである。この様な代表的な方法及び要素は、データーの視覚的検査とともに用いられるか、又は異常組織及び/又は非健康組織を含む可能性の最も高い領域の視覚化を導くデーターの自動化処理法により用いられる。
【0010】
従って、本発明の代表的な実施態様に従った方法、装置、及び要素が提供され、そしてこれらは、解剖学的構造の少なくとも1部を分析及び/又は図解することができる。例えば、このような代表的な実施態様では、光は、このような部分に進められて、当該部分に関連する第一情報を作成する。例えば、当該光は、対象の上から又は中で与えることができる。第一情報を受け取り、そして第二情報を作成するために当該部分の少なくとも一区分が、第一情報に基いて選択される。当該部分のディスプレーの倍率は、第二情報の関数として漸次的に変更され得る。
【0011】
本発明のさらなる代表的な実施態様では、当該少なくとも1の部分の位置及び/又は深さの表示は、(例えば、解剖学的構造の中で)変更することができる。第二情報は、この様な部分の中に提供される領域と関連することができるか、及び/又はユーザーが領域を選択することによって得ることができる。選別は、ユーザーの入力を伴わずに処理要素(processing arrangement)によって自動的に行なわれうる。少なくとも1の部分の中の異常領域を決定することができ、そして処理要素は、少なくとも1の異常区分を表示するように選択及び変更が行なわれうる。第三の情報を作成するための処理を用いて、異常領域を当該部分の中で決定することができ、そして当該選択は、ユーザーにより行なわれるか、及び/又は第三情報の関数としての処理要素によって行なわれうる。
【0012】
本発明のさらに別の代表的な実施態様では、第一情報は、当該部分の1次元、2次元、3次元、又は4次元以上の表示と関連することができる。さらに、当該部分は、1mm2及び/又は10mm2よりも大きい領域を有することもある。当該部分の表示区分は、1cm2、1mm2及び/又は100μm2未満の領域を有することができる。第一情報は、共焦点顕微鏡方法と関連し、スペクトルによりコードされた共焦点顕微鏡方法、光学コヒーレンス断層撮影法、及び/又は光周波数ドメイン干渉分光法と関連することがある。要素は、光を当該部分に提供するために、解剖構造内に配置できる。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と併せて、本発明の実施態様の以下の詳細な記載を参照した際に明らかになるであろう。
【0014】
図面の簡単な説明
本発明のさらなる対象、特徴、及び利点は、本発明の図による実施態様を示す添付の図面と合わせて上記の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、代表的なスペクトル符号化共焦点顕微鏡(SECM)システムの模式図である。
【図2】図2Aは、単一モード光源(single mode source)及び単一モード検出(single mode detection)(SM-MM)構成を用いて、組織表面から100μmの位置のex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。 図2Bは、単一モード光源及びマルチモード検出(SM-MM)構成を用いて得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。 図2Cは、ブタ腸上皮のSECM画像の拡大図である。
【図3】図3Aは、腸壁を圧迫した後に50μmの画像深度でex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。 図3Bは、腸壁を圧迫した後に100μmの画像深度でex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像である。
【図4】図4は、典型的なSECM装置の模式図である。
【図5】図5は、USAFチャートの典型的なSECM像である。
【図6】図6Aは、1倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Bは、4.5倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Cは、16.7倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Dは、50倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図6Eは、125倍の倍率で表示されたレンズペーパーサンプルから得られたデーターに基く典型的なSECM画像である。
【図7】図7は、5の異なる焦点位置でレンズペーパーサンプルから得られた典型的な連続のSECMデーターと、当該5の個々の画像においてデータを組み合わせることにより作成された重ね合わせ画像である。
【図8】図8Aは、1倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図8Bは、4倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図8Cは、20倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。 図8Dは、40倍の倍率で表示されたブタ腸組織断片からとられたデーターに基く典型的なSECM画像である。
【図9】図9Aは、in vivoでのブタ食道の顕微鏡画像の正面図及び側面図であり、本発明に記載される方法及び要素の代表的な実施態様を用いて、造影促進剤又は外部からの造影剤を伴うことなく粘膜下の血管ネットワークを示す。 図9Bは、図9Aに示される位置で食道壁を通した長手方向の断面の顕微鏡画像の側面図である。 図9Cは、図9Aに示された位置で開かれた横断面の側面図である。 図9Dは、図9Cに示される画像の選択された部分の拡大図の側面図である。 図9Eは、図9Dに示された画像に対応する解剖領域から得られた組織切片を示す典型的な画像である。
【図10】図10は、本発明の外科的構造の顕微鏡データーセットに対する漸次的に拡大させる方法の典型的な実施態様のフローチャートである。
【図11】図11は、光コヒーレンス断層映像法(OCT)技術を用いて得られる食道粘膜の典型的な一連の画像であり、バレット食道及び腺癌に比べて通常の扁平上皮粘膜を同定するための自動化処理法の典型的実施態様の実行を示す。
【図12】図12は、OCT技術を用いて得られたアテローム硬化性のプラークの代表的な画像セットであり、これは、マクロファージの密度を同定するように処理された。
【図13】図13は、高倍率で観察され得る目的の領域を自動的に同定するためのシグナル処理技術を介して得られる結果に基いて解剖学的構造の顕微鏡データーセットを漸次的に拡大する本発明に記載される方法の他の典型的な実施態様のフローチャートである。
【0016】
添付の図面を通して、他に記載がない限り、同じ参照番号及び特徴が、図示された実施態様の特徴、要素、構成を記載するために使用される。さらに、発明の対象が図面を参照して詳細に記載されているが、典型的な実施態様と併せてそのように記載されている。添付の特許請求の範囲により規定される発明の対象の範囲と本質から逸脱することなく、記載された実施態様に変更及び修飾が成され得るということが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の典型的な実施態様に従って、本発明の典型的実施態様に従った方法及び要素は、漸次的に解像度を増加させて、1以上の生物学的サンプル及び解剖学的構造の観察及び分析をするために提供され得る。このような典型的な方法及び要素は、データーの視覚検査を伴って使用されるか、又は異常及び/又は非健常組織を含む可能性の最も高い領域の可視化を導く自動化処理法によって使用されうる。
【0018】
代表的なSECM技術が図1に示される。プローブの遠位末端に位置しうる単一モード光ファイバー100からの出力は、コリメートレンズ110により並行化され、そして次に回折光学要素(例えば、透過回折格子120)に照射される。対物レンズ130が次に各回折波長を、試料内の区別される空間位置(distinct spatial location)に焦点化でき、特徴的な横線の焦点140をもたらし、ここで当該線上の各点が、特徴的な波長により特徴付けられてもよい。試料(生物学的組織であることもある)から反射させた後に、光シグナルは回折要素120により再構成することができ、そして単一モード光ファイバー100により回収され得る。単一モードファイバー100の中心開口は、焦点から外れた光を受容しない空間フィルタリングメカニズムを提供できる。プローブの外部で(及び場合によりシステムコンソール内で)返光(returned light)のスペクトルを計測でき、そして試料内の横方向の移動の関数として、共焦点反射率(confocal reflectance)に変換することができる。スペクトルのデコードは迅速に行なわれうる。こうして、線焦点に直行する方向にビームをスキャンすることにより作成される画像が、比較的ゆっくりかつ単純機械作動によって達成することができる。
【0019】
SECM技術は、内視鏡RCMの使用を可能にし、そしてハイスピードリニアCCDカメラを用いてかなり高い速度で画像データーを提供することができる。市販のリニアCCDアレイは、1秒あたり約6000万ピクセル以上の速度でデーターを得ることができる。SECM分光計に取り込まれた場合、これらのアレイは、一般的なビデオ速度の約10倍の速さであり、そして最大幾つかの内視鏡RCM技術の100倍の速度で共焦点画像を提供することができる。当該迅速な画像化速度及び一般的なSECMシステムの光ファイバー設計は、内視鏡プローブを通した包括的広範囲の顕微鏡検査を可能にすることができる。
【0020】
光コヒーレンス断層撮影法(OCT)及びその変法を用いた技術は、広範囲の構造上のスクリーニングに使用されてもよい。時間ドメインの代わりに波長ドメインのOCTシグナルを得ることは、優れた画像品質を維持する一方、画像化速度の数桁の改善を提供することができる。スペクトルドメインOCT(SD-OCT)技術を用いて、高解像度範囲は、組織サンプルとレファレンスとの間でスペクトルに分解された干渉を検出することにより生物組織において行なうことができる。SD-OCTシステムが、SECMシステムと同じ高速リニアCCDを用いることができるので、当該システムは、6000ピクセル/秒で画像を補足することができ、これは慣用される時間-ドメインOCT(TD-OCT)システムよりも約2桁早い。この獲得速度及び解像度で、SD-OCTシステムは、臨床環境での構造レベルで、広範囲の体積顕微鏡検査(volumetric microscopy)を提供できる。
【0021】
SD-OCT及びSECMシステムにより提供される情報は、広範囲に及び、そして両方の技術を用いるハイブリッドプラットフォームは、正確な診断に必須でありうる組織の構造及び細胞上の構造についての情報を提供することができる。異種の技術を組み合わせることは、通常かなりの工学技術を必要とし、そして性能を妥協することがあるが、SECMとSD-OCTシステムは主要な構成を共有することができ、そして高速マルチモダリティシステムは、個々のシステムの複雑さ又は費用を実質的に増加させることなく提供することができる。
【0022】
本発明の特定の典型的な実施態様に従って、SECMシステムは、1300nmの波長スイープ光源(wavelength-swept 1300 nm source)及び単一要素光検出器を利用してスペクトルにコード化された情報を時間の関数として得ることができる。このシステムでは、画像は、400μmの視野(FOV)に渡り、高い水平解像度(1.4μm)及び軸方向解像度(6μm)を有する最大で約30フレーム/秒の割合で得ることができる。新たに切除されたブタ十二指腸の画像を高速システムでex vivoで造影して、特別な腸上皮化生(SIM)、つまりBEの化生変化、において見ることができる細胞より小さい構造を同定するSECMシステムの能力を例示する。
【0023】
図2A-2Cは、2個の造影様式、及び対応するファイバーの構成:単一モード照射と単一モード検出(SM-SM)及び単一モード照射とマルチモード検出(SM-MM)を用いて、ex vivoで得られたブタ腸上皮の典型的なSECM画像を図示する。図2AのSM-SM画像は、単一モード光源及び単一モード検出を用いて組織表面から100μmの上皮構造を示す。単一モード光源及びマルチモード検出(SM-MM)を中心:開口の比を1:4で用いることにより得られる図2Bに示される同じ組織領域の画像は、より滑らかに見え、そしてスペクトルノイズの低下のためより容易に解析することができる。図2Cは、あまり反射していないコア(例えば固有層、つまり「lp」)及びより高度に散乱している円柱上皮を含む柔毛の証拠を示す図2Bにおいて示される画像の拡大図である。核(矢印で示される)に相当する円柱細胞の基底で見られる明るい画像密度が図2Cにおいて明らかである。
【0024】
in vivoでOCT技術を用いて画像化される食道壁の厚さは、膨らまされたバルーンを用いて約二分の一に減少させることができる。図2A-2Cに示されるブタ腸サンプルを同じだけ減少させ、そしてSECM技術を用いて観察された細胞より小さい特徴はよく保存されていた。図3A及び3Bは、それぞれ50μm及び100μmの深さで得られた薄層化サンプルの画像を示す。
【0025】
市販の800nmの共焦点レーザー顕微鏡の透過深度は、1300nmSECMシステムで得られた結果に比べると約20%だけ減少することが観察された。この低下した透過性は、短い波長の光源の分散の増加の結果でありうる。こうして、840nmの光源を用いるSECMシステムが、例えば腸上皮の細胞より小さい構造を同定するために十分な透過性を提供しうる。
【0026】
広範囲のSECM画像を提供するように構成される本発明のある典型的な実施態様に従った要素は、図4に模式的に示される。この典型的な要素は、食道下部の凡その寸法である長さ2.5cm、そして直径2.0cmを有する円柱状サンプルから画像を得るような形にされる。800nmの中心波長及び45nmの帯域幅を有するファイバーに繋がれた2.0mWの高輝度ダイオード200(QSSL-790-2、qPhotonics、Chesapeake、 VA)を50/50単一モードファイバー光学ビームスプリッター405に照射するような構成にされた。スプリッターの1のポートを通して照射された光をコリメーター410により並行化し、そしてファイバー412を通して焦点化装置415に、そして格子420(1780lpmm, Holographix, LLC, Hudson, MA)及び350230-B非球面レンズ425(Thor Labs, Inc., Newton, NJ)(焦点距離、f、4.5mm、透明開口部、5.0mm、及びNA、0.55)を含む格子-レンズ対に照射した。この要素は、円柱サンプルの内表面上に焦点化されスペクトルにコード化されたスポット430の500μmの長軸方向の直線状配列、つまり線をもたらすことができた。格子-レンズ対を、ハウジング440によりモーター435のシャフト(1516SR、15mm直径、MicroMO Electronics, Inc., Clearwater, FL)に固定した。モーター435が回転するにつれ、スペクトルにコード化された線が、円柱状サンプルの内周をスキャンした。モーター435、ハウジング440、及び格子-レンズ対は、コンピューター制御されたリニア-ステージ445(Nanomotion II、2.5cmの範囲、Melles Griot, Rochester, NY)を用いて、モーター436が回転する間に円柱状サンプルの長軸に沿って平行移動させた。この方法は、円柱状サンプルの内表面全体のらせん状スキャンをもたらした。
【0027】
サンプルから反射された光を、光学システムを通して単一モードファイバー412へと逆送信し、そしてファイバー412によって、分光計450、並びに2048ピクセルを含み、かつ30kHzのライン速度を有するリニアCCD445(Basler L104K、Basler Vision Technologies, Exton, PA)へと提供された。分光計450及びCCD455により提供された画像データーを貯蔵、分析、及び表示するためにコンピューター460を用いた。モーターが(0.5Hz、又は30rpmで)回転するにつれ約60,000ポイントをデジタル化して、1.0μmの円周サンプリング密度を達成した。モーターの長手方向の速度は、0.25mm/sであり、そして円柱状サンプルの完全なスキャンに必要とされる時間は、100秒であった。
【0028】
格子-レンズ対上への平行化されたビームの1/e2直径は、4.0mmであった。結果として、この典型的な装置の有効NAは約0.4であり、これは約1.2μmの理論上のスポット直径及び約2.5μmの共焦点パラメーターに相当する。光学収差がないシステムでは、サンプル上での理論上のスペクトルの分解能は、0.8Åであり、これはスペクトルにコード化された線430に渡って、最大約630の分解能点(resolvable point)をもたらすことができる。検出腕の分光計450は、プローブの予期されたスペクトル分解能を超えるように設計された。
【0029】
この装置を用いて得られた1951USAF分解能チャートのSECMスキャンが図5に示される。2.2μm離されているこの図における最も小さいバーが分離される(resolved)。横線広がり関数半値全幅(FWHM)(a transverse line spread function full-width-half-maximum)及び焦点を通したミラースキャンを用いて得られる縦軸FWHM関数(an axial FWHM function obtained using a mirror scanned thorough the focus)は、それぞれ2.1μmと5.5μmと計測された。視野は、約500μmであると観察された。これらの計測は、対応する理論値よりもかなり低く、これは光路の収差に起因しうる。これらの実際のパラメーターにより、本明細書に記載される典型的な要素が、生物学的組織において共焦点顕微鏡検査に使用されるのに十分な分解能を提供することができるということが示唆される。
【0030】
2.5cmのファントム標本(phantom specimen)の完全なプルバックイメージ(pullback image)のSECMデーターを図6に示す。これらの表示画像を作成する前に、極座標を、直交座標へと変換した。ファントム標本を、2.1cmの内直径のTeflonチューブの内表面に固定されたレンズペーパーを用いて作成した。図6Aに示される低倍率の画像において、ペーパーのしわ及び隙間を含むペーパーの顕微構造を観察できる。眼に見える円周のストライプは、スペクトルによりコード化された線の末端又は末端付近に存在しうる低いスペクトルパワーとレンズ収差から生じた可能性がある。個々の繊維及び繊維の顕微構造が、図6B-6Eに示されるように高倍率のデーターセット領域において明らかに分離できる。
【0031】
図4Aの焦点化装置415を調節することにより、ファントムサンプルの円周上の二次元画像(2D)を120μmの幅にわたり5の別個の焦点深度で得た。次に図7に示されたこれらの5枚の画像710-750を合計して、重ね合わせ画像760を作成した。これは、ファントムサンプルの表面をほぼ完全にカバーした。
【0032】
本明細書に記載されるSECM要素を用いた生物学的サンプルの画像化は、光学スキャンヘッドのセンターリング装置(centering apparatus)がないことにより複雑化されうる。広範囲の顕微鏡画像及びデーターを作成するためのさらなる改善を提供するために、ブタ腸のサンプルを直径2.0cmの透明シリンダーの上に配置した。1秒で得られたこのサンプルの360°スキャンが図8Aに示される。画像化された組織は、円柱状スキャンの一区分にしか存在しない。なぜなら、当該プローブが中心に配置されず、そしてサンプルがシリンダーの周囲を完全に包んでいなかったためである。図8B-8Dは、当該組織サンプルの一連の拡大図を示す。図8Bに示される画像は、図8Aの点線で囲んだ長方形により囲まれる1.5cmの部分の拡大図である。同様に、図8Cの画像は、図8Bの長方形の拡大図を表し、そして図8Dの画像は、図8Cの長方形の拡大図を表す。図8Bの画像の組織の拡大図は、腺状構造を示唆している。図8C-8Dの拡大図は、図2及び3に示されるように、1300nmSECMシステムを用いて観察されたものに類似する柔毛及び核特徴を示す。図8AのSECMスキャンのほかの領域は、透明シリンダーからの正反射及び完全なシグナルの脱落を含む結果を示し、これらの両方ともが、焦点化SECMビームの不適切な位置取りから生じうるものである。
【0033】
患者において広範囲共焦点顕微鏡検査を実施することには、様々な技術的困難がある。この様な困難として、例えば、画像化速度の増加、光学プローブ並びにセンターリングメカニズムを包含する機械的構成の小型化、そして焦点面を動的に変化させる技術の実施などが挙げられる。
【0034】
SECMシステムの画像取得速度は、例えば、上で記載された典型的なシステムと比べて約2〜4倍に改善されうる。この様な改善は、ある変更を提供することにより認識されうる。例えば、高出力半導体光源(例えば、Superlumダイオード、T-840 HP:25mW、840nm、100nmスペクトルバンド長)は、スペクトルに分離された1000のポイントを提供することができる。光出力の増加は、感度を改善することができ、そして広い帯域幅は、視野を広げ、約2倍の速さでSECMビームをスキャンすることを可能にする。また例えば、OC-3-850(Optics For Research, Caldwell, NJ)などの光学サーキュレーターの使用は、当該プローブにデリバリーされる光及びプローブから回収された光の効率を増加することができる。2048ピクセル及び60kHz読み出し速度を有するAVIIVA M4-2048などのより感受性の高いリニアCCDは、画像データーを作成するために使用される波長範囲にわたり改善されたスペクトル応答及びデーター獲得スピードの2倍の増加を提供することができる。パフォーマンスは、例えば、記憶用のハードドライブアレイにカメラから約120MB/sの速度でデーターを伝達することができるカメラリンクインターフェースを使用することにより改善され得る。
【0035】
最も小さい検出可能な反射を指すと理解できる感受性は、共焦点画像品質及び侵入深度に影響しうるシステムパラメーターである。約10-4〜10-7でありうる入射光の画分は、近赤外RCM技術を用いた場合、最大で約300μmの深さの皮膚から反射されうる。本明細書に記載される本発明のある典型的な実施態様に従って典型的なシステムに使用される対物レンズのNA、並びに皮膚が非ケラチン化上皮粘膜より有意に光を減弱するという観察に基いて、本明細書に記載される典型的なSECMプローブ対物レンズは、組織の深部から反射された約3×10-4〜3×10-7の照射光を回収することができる。25mWの光源は、約1000の独立したビームへと分離されうる。最大の二回通過挿入損失(double pass insertion loss)は、約10dB(プローブから6dB、そして光ファイバー及び分光計から4dB)と見積もることができる。アレイ中の各ピクセルは、こうして、見積もりのパラメーターに基いて、各ライン統合期間(each line integration period)の間、約50〜50,000光子/ピクセルにより照射されうる。
【0036】
マルチモード検出技術を用い、10倍のシグナル上昇が達成され、この様な構成についてスキャンあたり、約500〜500,000光子/ピクセルをもたらしうる。Atmel AVIIVA M4カメラ上での単一ピクセルは、例えば、シグナルが、約240の光子で生じる暗電流変動を超える場合、信頼して光を検出することができる。この装置が、これらの波長において約50%の量子効果を有する場合、最大検出可能なシグナルは、スキャンあたり約480光子/ピクセルでもたらされうる。これらの近似に基いて、Atmelのカメラは、深い組織深度でのSECM造影を可能にする十分な感受性を有する可能性がある。予想される最小反射の量子ノイズに制限される検出は、集光用のマルチモードファイバーを用いることにより、又は光源出力を増加させることにより達成することができる。
【0037】
本発明の1の典型的な実施態様では、方法及び要素は、ナビゲート用に解剖学的構造からの大きな顕微鏡データーセットを分析し、そして表示するために提供されうる。
【0038】
図9A-9Eは、広範囲の顕微鏡、並びに本発明の方法及び要素の典型的な実施態様を用いてin vivoで得られたブタ食道の様々な画像を図示する。これらの典型的な画像は、図4に示されるコンピューター460(例えばパソコン、ミニコンなど)により作成されるか、又は図4のディスプレイ470又は他の出力装置にこの様な画像を(例えばソフトウェアにより)転送するように構成される別の処理要素によって作成されうる。さらに、コンピューター460は、図4の典型的なシステムの様々な要素(例えば、モーター435、リニア平行移動装置445、焦点化装置415)を制御することができ、自動的に、及び/又は外科的構造に付随する大きな顕微鏡データーセットのナビゲーション、分析、及び表示を可能にする手動のコントロールの下で、外科的構造の様々な領域に焦点をあてることができる。
【0039】
例えば、図9Aは、in vivoにおけるブタ食道の顕微鏡画像の正面図及び側面図900、905をそれぞれ示し、これは、当該方法及び要素のこのような典型的な実施態様を用いて、造影促進剤又は食道造影剤を用いないで粘膜下で血管網を提供する。実際、例えば、図9Aの14GBの体積データセットは、任意配向及び透視図における表示用にされ、そしてダウンサンプルされうる。このような造影促進剤又は食道造影剤を伴わずに粘膜下の血管網が示される。断面図は、このような典型的なタスク用に構成されたコンピューター460及び図4のシステムの他の要素を用いて、高解像度観察用の体積画像に基きうる。
【0040】
図9Bは、図9Aに示される位置で、食道の壁を通した長手断面の顕微鏡画像の側面図910を示す。例えば、画像910は、上皮を上側にし、水平方向を45mm、縦方向2.6mmに変換した。生データーでは、心臓の鼓動に対応する周期的な垂直方向のオフセットが観察できた。表面調心手順の代表的な実施態様は、90拍/分の心臓鼓動に対応する300μm(ミクロン)の周期で観察されうる残存垂直バンディング(residual vertical banding)以外のこのアーティファクトを低減するために使用することができる。隣接するAラインの間の典型的な長手方向のピッチを32μmとして示す。
【0041】
図9Cは、図9Aに示される位置で、開かれた横断面の側面図920(例えば、円柱座標r及びθがY軸及びX軸に位置付けられる)を示す。例えば、図示された例示の寸法は、以下の通りである:水平方向57mm、垂直方向2.6mm。図9Bと図9Cは両方とも、食道壁の全体に渡る画像を図示し、そして上皮(e)、固有層(lp)、粘膜筋層(mm)、粘膜下層(s)、及び筋固有層(mp)の同定を可能にすることができる。図9Dは、このような同定を手助けするために使用できる図9Cに図示される画像の選択部分の拡大図である側面図930を示す。図9Eは、図9Dに図示される画像に対応する解剖領域から得られる代表的な組織切片の典型的な画像を示す。
【0042】
例えば、図10は、図4に示されるコンピューター460を用いて実行されうる漸次的に増加された解像度でデーターセットを分析及び/又は観察するための本発明に記載される方法又は手法の典型的な実施態様を記載するフローチャートを示す。特に、ステップ1000では、10μm未満の分解能を有する顕微鏡データセットは、組織の広い領域にわたり、又は組織又はその中の器官から獲得されうる。当該データは次に、全データーセット又はデーターセットの一部の低倍率又は低出力を図示し得る表示で、フォーマットされうる(ステップ1010)。ステップ1020では、ユーザーは、データーセットを観察し、そしてコンピューターインターフェースを用いて、(a)長方形領域、(b)点、(c)任意の形の領域、及び/又は(d)高倍率観測を視覚化するための深度を選択することができる。新たな領域は、ステップ1020で視覚化でき、そしてユーザーは(a)別の領域を選択でき、(b)点を拡大でき、(c)縮小でき、(d)3次元で現在の視界を平行移動させることができ、及び/又は(e)データーセット内の視界の深度位置(depth location)を変化させることができる。
【0043】
図10に図示される典型的なプロセス全体は、視覚化のために領域又は目的の領域が同定できるまで繰り返すことができる。ユーザーは、任意の倍率で異なる画像を選択することができるか、又は後の検査用に記憶するために一見することができる。各別個の視野の表示は、典型的なナビゲーション方法の間に行われうる。異なる倍率/位置での様々な領域/画像は、ユーザーが次のナビゲーション・セッションの間に同じ領域/画像に戻ることができるように、ブックマークが付される。図6A-6E、7及び9A-9Eは、広い領域の顕微鏡検査データーセットを観察する間における漸次的拡大の例を示す。
【0044】
本明細書に記載されるナビゲーション法の典型的な実施態様は、コンピューター460により実行され得るし、そしてサンプル、そしてその異なる部分及び領域を拡大及び観察するために、様々な領域を決定する点でユーザーを手助けする様々な処理技術を利用する。例えば、図11は、光コヒーレンス断層映像法(OCT)技術を用いて得られる食道粘膜の1連の典型的な画像を図示し、OCT画像空間周波数(OCT image spatial frequencies)の解析を介して、バレット食道及び腺癌に比べて、通常又は良性である扁平上皮粘膜を同定する自動処理方法の典型的な実施態様の実行を示す。
【0045】
図11に示される様に、異なる疾患状態のOCT画像1100、1110、及び1120、並びに空間周波数分布1105、1115、及び1125が示される。扁平上皮1100(SE)が垂直空間周波数を有し(パネル1105の矢印1007を参照のこと)、これはSIMには存在しない水平方向の層に対応する。広く分布する空間周波数分布が、腺癌(CA)の典型的なOCT画像において示され、そしてその対応する空間頻度1125は、SIMND1110と1115と比較される。図12は、通常の正規化標準偏差パラメーター(NSD)を決定することにより動脈硬化性プラーク1200のOCT画像から得られたマクロファージの含量1210の図を示す。マクロファージの密度を得ることができ、そして着色テーブル1220を用いて画像として表示することができる。
【0046】
これら及び他の典型的な造影処理分析法及びステップは、顕微鏡データーセットに適用でき、そして次の直接のナビゲーションのために潜在的な疾患の領域を強調表示するために利用される。図13は、顕微鏡画像データーセットをナビゲートし、そして評価するための本発明に記載される方法及び手法の典型的な実施態様のフローチャートを示す。この典型的な方法/手順では、顕微鏡データーセットは、ステップ1300で得ることができ、これは好ましくは10μm未満の解像度を有し、おそらく組織の広い領域にわたり得られるか又は組織若しくはその中の器官の体積から得られる。当該データーは、次にステップ1310の処理装置により(例えば、コンピューター460を用いて)自動的に処理されて、疾患の疑いのある領域を含むか、又は逆に疾患を含まないと考えられる領域(つまり、健常部分)を含む領域/位置を同定した。ステップ1320では、非健常領域は、色又は他のマーキング法を用いて表すことができ、そして次にステップ1330で顕微鏡データー体積の全体を低倍率で観察した。
【0047】
ユーザーはステップ1340において、その処理データー及び表示によりガイドされる診るべき領域を選択することができる。ユーザーは次に、データーセットを観察でき、そしてコンピューターインターフェースを用いて、(a)長方形領域、(b)点、(c)任意の形の領域、及び/又は(d)高倍率の視野を可視化するための深度を用いて選択することができる。新たな領域を観察することができ、そしてユーザー(又はコンピューター460)は、手動で又は自動的に(a)別の領域を選択でき、(b)ある点を拡大/縮小でき(ステップ1350)、(d)現在の視界を3次元で平行移動でき、及び/又は(e)データーセット内の視界の深度位置を変化させることができる。さらに、ステップ1360では、ユーザーは、新たに表示された領域を観察することができる。典型的な方法/手順は、目的の領域が視覚化に同定されるまで繰り返されてもよい。ユーザー又はコンピューター460は、任意の倍率で異なる画像を選択できるか、又は後の検査用に記憶するために一見することができる。各個体の標識は、典型的なナビゲーションプロセスの間に行なうことができる。異なる倍率/位置での領域/画像は、次のナビゲーションセッションにおいて同じ領域/画像に戻ることができるようにするためブックマークすることができ、そして記憶される。
【0048】
上野記載は本発明の原理を単に例示するのみである。記載された実施態様の様々な変更及び改変は、本明細書の教示の点で当業者に明らかである。実際、本発明の典型的な実施態様に従った要素、システム、及び方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD-OCTシステム、又は他の造影システム、例えば2004年9月8日に出願された国際特許出願PCT/US2004/029148に記載されるシステム及び2004年7月9日に出願された米国特許出願第10/501,276号に記載されるシステムで使用されうる。これらの開示は、その全てを本明細書に援用される。こうして、本明細書に明らかに示され又は記載されていないが、本発明の原理を具現化し、そして本発明の範囲と原理のなかである多くのシステム、要素、及び方法を当業者が考案できるということが認められる。さらに、従来技術知識の範囲が、明確に本明細書に援用されていないが、その全てを本明細書に明らかに援用される。本明細書に援用される全ての文献は、その全てを援用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的構造の少なくとも1の部分の分析又は図示のうちのいずれか一を行う方法であって、以下の:
上記少なくとも1の部分に関連する第一情報を作成するために、当該少なくとも1の部分に光を進め、ここで当該光が対象上に又は対象内に提供され;
上記第一情報を受容し、そして第二情報を作成するために、当該第一情報に基いて上記少なくとも1の部分の少なくとも1の区分を選択し;そして
上記第二情報の関数として、上記少なくとも1の部分の表示倍率を漸次的に変更する
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記変更ステップが、前記少なくとも1の部分の位置の表示を変更することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変更ステップが、前記解剖学的構造内の前記少なくとも1の部分の深さの表示を変更することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第二情報が、前記少なくとも1の部分の中に提供される領域に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第二情報が、ユーザーが前記領域を選択することにより得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記選択ステップが、ユーザーからの入力を伴わずに処理要素により自動的に行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1の部分の中の異常領域を決定することをさらに含み、そして当該処理集成配置が、当該異常の少なくとも1の区分を表示するために、選択及び変更ステップを行なう、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第三情報を作成するために、処理要素を用いて前記少なくとも1の部分の中で異常領域を決定することをさらに含み、そして当該選択ステップが、当該第三情報の関数としてユーザーにより行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第三情報を作成するために、処理要素を用いて前記少なくとも1の部分の中で異常領域を決定することをさらに含み、そして当該選択ステップが、当該第三情報の関数として処理要素により行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第一情報が、前記少なくとも1の部分の二次元表示に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第一情報が、前記少なくとも1の部分の三次元表示に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第一情報が、3次元超を有する前記少なくともの部分の表示と関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1の部分が、1mm2より大きい領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1の部分が、10mm2より大きい領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1の部分の表示された区分が、1cm2未満である領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1の部分の表示された区分が、1mm2未満である領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1の部分の表示された区分が、100μm2未満である領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第一情報が、以下の:
共焦点顕微鏡法、
スペクトルによりコードされた共焦点顕微鏡方法、
光コヒーレンス断層撮影法、及び
光周波数ドメイン干渉分光法
うちの少なくとも1と関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記光を前記少なくとも1の部分に提供するために、解剖学的構造内に要素を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
解剖学的構造の少なくとも1の部分の分析又は図示のうちの少なくとも1を行なうための装置であって、以下の:
上記少なくとも1の部分に関連する第一情報を作成するために、少なくとも1の部分に光を進めるように構成される少なくとも1の第一要素;
上記第一情報を受容するように構成され、そして第二情報を作成するために上記第一情報に基く少なくとも1の部分の少なくとも1の区分を選択する少なくとも1の第二要素;そして
上記第二情報の関数として上記少なくとも1の部分の表示倍率を漸次的に変更するように構成される少なくとも1の第三要素
を含む、前記装置。
【請求項21】
解剖学的構造の少なくとも1の部分の分析又は図示のうちの少なくとも1を行なうための要素であって、以下の:
処理要素により行なわれる場合に、上記少なくとも1の部分に進められる光に応答して作成される上記少なくとも1の部分に関連する第一情報を受容する処理要素を構成する第一指令セット;
処理要素により行なわれる場合に、上記第一情報を受容するように当該処理要素を構成し;そして第二情報を作成するために、少なくとも1の処理要素又はユーザーが当該第一情報に基いて少なくとも1の部分の少なくとも1の区分を選択することを許容する第二指令セット;
処理要素により実行される場合に、上記第二情報の関数として上記少なくとも1の部分の表示倍率を漸次的に変更するように処理要素を構成する第三指令セット
を含む、前記要素。
【請求項1】
解剖学的構造の少なくとも1の部分の分析又は図示のうちのいずれか一を行う方法であって、以下の:
上記少なくとも1の部分に関連する第一情報を作成するために、当該少なくとも1の部分に光を進め、ここで当該光が対象上に又は対象内に提供され;
上記第一情報を受容し、そして第二情報を作成するために、当該第一情報に基いて上記少なくとも1の部分の少なくとも1の区分を選択し;そして
上記第二情報の関数として、上記少なくとも1の部分の表示倍率を漸次的に変更する
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記変更ステップが、前記少なくとも1の部分の位置の表示を変更することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変更ステップが、前記解剖学的構造内の前記少なくとも1の部分の深さの表示を変更することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第二情報が、前記少なくとも1の部分の中に提供される領域に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第二情報が、ユーザーが前記領域を選択することにより得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記選択ステップが、ユーザーからの入力を伴わずに処理要素により自動的に行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1の部分の中の異常領域を決定することをさらに含み、そして当該処理集成配置が、当該異常の少なくとも1の区分を表示するために、選択及び変更ステップを行なう、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第三情報を作成するために、処理要素を用いて前記少なくとも1の部分の中で異常領域を決定することをさらに含み、そして当該選択ステップが、当該第三情報の関数としてユーザーにより行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第三情報を作成するために、処理要素を用いて前記少なくとも1の部分の中で異常領域を決定することをさらに含み、そして当該選択ステップが、当該第三情報の関数として処理要素により行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第一情報が、前記少なくとも1の部分の二次元表示に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第一情報が、前記少なくとも1の部分の三次元表示に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第一情報が、3次元超を有する前記少なくともの部分の表示と関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1の部分が、1mm2より大きい領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1の部分が、10mm2より大きい領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1の部分の表示された区分が、1cm2未満である領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1の部分の表示された区分が、1mm2未満である領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1の部分の表示された区分が、100μm2未満である領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第一情報が、以下の:
共焦点顕微鏡法、
スペクトルによりコードされた共焦点顕微鏡方法、
光コヒーレンス断層撮影法、及び
光周波数ドメイン干渉分光法
うちの少なくとも1と関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記光を前記少なくとも1の部分に提供するために、解剖学的構造内に要素を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
解剖学的構造の少なくとも1の部分の分析又は図示のうちの少なくとも1を行なうための装置であって、以下の:
上記少なくとも1の部分に関連する第一情報を作成するために、少なくとも1の部分に光を進めるように構成される少なくとも1の第一要素;
上記第一情報を受容するように構成され、そして第二情報を作成するために上記第一情報に基く少なくとも1の部分の少なくとも1の区分を選択する少なくとも1の第二要素;そして
上記第二情報の関数として上記少なくとも1の部分の表示倍率を漸次的に変更するように構成される少なくとも1の第三要素
を含む、前記装置。
【請求項21】
解剖学的構造の少なくとも1の部分の分析又は図示のうちの少なくとも1を行なうための要素であって、以下の:
処理要素により行なわれる場合に、上記少なくとも1の部分に進められる光に応答して作成される上記少なくとも1の部分に関連する第一情報を受容する処理要素を構成する第一指令セット;
処理要素により行なわれる場合に、上記第一情報を受容するように当該処理要素を構成し;そして第二情報を作成するために、少なくとも1の処理要素又はユーザーが当該第一情報に基いて少なくとも1の部分の少なくとも1の区分を選択することを許容する第二指令セット;
処理要素により実行される場合に、上記第二情報の関数として上記少なくとも1の部分の表示倍率を漸次的に変更するように処理要素を構成する第三指令セット
を含む、前記要素。
【図1】
【図10】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−64743(P2013−64743A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−246293(P2012−246293)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2008−533727(P2008−533727)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246293(P2012−246293)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2008−533727(P2008−533727)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
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