潜熱回収型給湯機
【課題】 中和器の排水部に給湯排水管と風呂排水管とを接続した潜熱回収型給湯機を提供する。
【解決手段】 二次熱交換器4で発生したドレン水を排水パイプ23から中和器29へ流入し、中和部32に設置された中和剤30で中和して、排水部34の排水流路33から装置本体1の外へ排水する潜熱回収型給湯機において、給湯排水管24と風呂排水管26とを排水部34に接続したことで排水の経路がまとめられるので施工が簡易化されると共に、凍結防止用の電気ヒータ38を排水流路33のみに設置すれば凍結対策ができるのでコストが削減され、中和器29に形成した開口37によって中和器29内が大気圧に保たれていることで排水流路33の排水が中和器29の方向に逆流せず、混合した排水が給湯回路7や湯張り回路16に流入することを確実に防止できる。
【解決手段】 二次熱交換器4で発生したドレン水を排水パイプ23から中和器29へ流入し、中和部32に設置された中和剤30で中和して、排水部34の排水流路33から装置本体1の外へ排水する潜熱回収型給湯機において、給湯排水管24と風呂排水管26とを排水部34に接続したことで排水の経路がまとめられるので施工が簡易化されると共に、凍結防止用の電気ヒータ38を排水流路33のみに設置すれば凍結対策ができるのでコストが削減され、中和器29に形成した開口37によって中和器29内が大気圧に保たれていることで排水流路33の排水が中和器29の方向に逆流せず、混合した排水が給湯回路7や湯張り回路16に流入することを確実に防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、潜熱を回収する二次熱交換器を備えた潜熱回収型給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の潜熱回収型給湯機について、図3で示すようなものがあった。
101は燃料を燃焼する燃焼部102を備えた装置本体、103は燃焼部102で発生した燃焼ガスの顕熱で配管内の湯水を加熱する一次熱交換器、104は一次熱交換器103を通過した燃焼ガスの潜熱で配管内部の湯水を加熱する二次熱交換器、105は内部に中和剤106を封入した中和器、107は市水が流動する給水管、108は各熱交換器で加熱された温水が流動する給湯管、109は給水管107と二次熱交換器104と一次熱交換器103と給湯管108とを順次配管で接続した給湯回路、110は二次熱交換器104で発生したドレン水を中和器105に流入する排水パイプ、111は給湯回路109途中に設置され配管内の圧力上昇時に弁を開成して排水する過圧逃がし弁、112は過圧逃がし弁111に接続され排水を中和器105に流入する給湯排水管である。
【0003】
前記中和器105の上部に排水パイプ110と給湯排水管112が接続されることで、排水パイプ110から流入した強酸性のドレン水が給湯排水管112から流入した温水と混ざって希釈され、pH濃度を安定させてから装置本体101の外へ排水することができ、更に、排水経路を一つにまとめたことで施工を簡易にしたものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−61051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来のものでは、排水パイプ110から中和器105に流入するドレン水の量と給湯排水管112から中和器105に流入する温水の量は同等でないことから、ドレン水が温水で希釈される量は制限されてしまい、更に、温水を中和器105内に流入することで中和剤106が削られて体積が減少するため、ドレン水の中和作用が弱まる問題があった。
【0006】
また、断水などで給湯回路109の給水管107側が負圧になると、給湯排水管112内を流動する排水が逆流することから、中和器105内の十分に中和されていないドレン水が給湯排水管112から給湯回路109に流入するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、装置本体と、該装置本体内にあり燃料を燃焼する燃焼部と、該燃焼部で発生した燃焼ガスから顕熱を回収して湯水を加熱する一次熱交換器と、該一次熱交換器を通過した燃焼ガスから潜熱を回収して湯水を加熱する二次熱交換器と、該二次熱交換器で発生したドレン水が流入する中和器と、該中和器内に形成され中和剤が封入された中和部と、該中和部で中和されたドレン水を前記装置本体の外へ排水する排水部と、前記一次熱交換器と前記二次熱交換器とで加熱された湯水が流動する給湯回路と、該給湯回路に接続され給湯回路内が高圧の際に弁を開成して前記装置本体の外へ排水する加圧逃がし弁が設置された給湯排水管と、前記給湯回路に接続され浴槽へ送水する湯張り回路と、該湯張り回路に接続され弁を開成して湯張り回路内の湯水を前記装置本体の外へ排水する排水弁が設置された風呂排水管とを備えた潜熱回収型給湯機において、前記給湯排水管と前記風呂排水管とを前記中和器の前記排水部に接続したものである。
【0008】
また、請求項2では、前記中和器の所定位置に開口を形成したものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、給湯排水管と風呂排水管とを排水部に接続したことで、給湯排水管と風呂排水管を流動する排水が中和器の中和部に封入された中和剤に接触せず装置本体の外へ排水されるので、中和剤消耗の早期化を防止することができる。
【0010】
また、請求項2によれば、中和器に大気開放となる開口を形成したことで、断水等で給湯回路が負圧になっても中和器内は大気圧に保たれるので、給湯排水管や風呂排水管へ中和器内のドレン水や排水部の排水が逆流して給湯回路や湯張り回路内に流入することを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施形態を示す潜熱回収型給湯機の概略構成図
【図2】同発明の中和器の構造を示す図
【図3】従来の潜熱回収型給湯機を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は灯油等の燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼部2を備えた装置本体、3は燃焼部2で発生した燃焼ガスの顕熱で配管内の湯水を加熱する一次熱交換器、4は一次熱交換器3を通過した燃焼ガスの潜熱で配管内の湯水を加熱する二次熱交換器である。
【0013】
5は二次熱交換器4と一端が接続され市水が流動する給水管、6は一次熱交換3と一端が接続され加熱された温水が流動する給湯管であり、給水管5と二次熱交換器4と一次熱交換器3と給湯管6とを順次配管で接続して給湯回路7が形成されている。
【0014】
8は給水管6から分岐した給水バイパス管、9は給湯管7途中に設置され給水バイパス管8に一端が接続された混合弁であり、使用者が設定した給湯温度や風呂温度となるよう混合弁9の開度を調節して湯水を混合し、給湯管7の下流側に送水する。
【0015】
10は浴室に備えられた浴槽、11は燃焼部2で発生した燃焼ガスで浴槽水を加熱する風呂熱交換器、12は浴槽10に貯められた浴槽水を風呂熱交換器11へ流入させる風呂往き管、13は風呂熱交換器11で加熱された浴槽水を浴槽10へ流入させる風呂戻り管であり、風呂往き管12、風呂熱交換器11、風呂戻り管13とで風呂循環回路14が形成される。
【0016】
15は風呂戻り管13途中に設置された循環ポンプであり、駆動することで浴槽10の浴槽水を循環させ、風呂熱交換器11で加熱して使用者が設定した設定温度に浴槽水を保温する。
【0017】
16は給湯管6と風呂往き管12とに接続され混合弁9で調節された温水を浴槽10へ送水する湯張り回路であり、湯張り電磁弁17、湯張りフローセンサ18、排水弁19、逆止弁20を2つ内蔵したホッパー21が配管途中に設置されている。
【0018】
22は二次熱交換器4で発生したドレン水を回収するドレン回収板、23はドレン回収板22に接続され回収したドレン水が流動する排水パイプである。
【0019】
24は給湯回路7途中に接続され、一次熱交換器3及び二次熱交換器4で加熱され膨張した湯水によって管内の圧力が上昇した際、過圧逃がし弁25を開成して排水する給湯排水管であり、配管内の圧力に応じて適宜過圧逃がし弁25を開成することで排水し、配管の損傷を防止する。
【0020】
26は排水弁19に接続され断水等で給湯回路7が負圧になった際、排水弁19を開成して湯張り回路16を逆流してきた浴槽水を排水する風呂排水管である。
【0021】
27は給水管5に設置された給水栓、28は給湯管6に設置され使用者が栓を操作することで設定温度の湯水が流出する給湯栓である。
【0022】
29は中和器であり、排水パイプ23内を流動するドレン水が流入する水封部31と、炭酸カルシウム等の中和剤30が封入された中和部32と、該中和部32で中和されたドレン水を中和器29から装置本体1の外に排水する排水流路33が形成された排水部34とで構成されている。
【0023】
排水部34に排水流路33へ配管内を流動する排水が直接流入するように給湯排水管24と風呂排水管26の端部を接続することで、中和部32で中和されたドレン水と共に排水経路33から装置本体1の外へ排水される。
【0024】
35は水封部31に設置され容器内に水が存在するか検知する水封検知電極、36は中和器29のメンテナンスや交換の際にキャップを外して水封部31内から排水する水抜き栓である。
【0025】
37は中和部32の上面に形成された開口であり、所定の大きさで大気開放状態にすることで中和器29内を大気圧と同等にする。
【0026】
38は中和器29の下部に設置された電気ヒータであり、外気温が低温の際に通電して中和器29内にあるドレン水の凍結を防止する。
【0027】
以上のように、中和器29の排水部34に給湯排水管24と風呂排水管26とを接続した構造にしたことで、装置本体1の外へ排水する流路が一つにまとめられ配管の施工が簡易になり、給湯排水管24と風呂排水管26内を流動する排水が排水流路33に直接流入するので、中和部32に封入された中和剤30に接触せず、中和剤30が消耗して中和能力が低下してしまうことを防止できる。
【0028】
また、断水等が発生して給湯回路7を構成する給水管5側が負圧になり、給湯排水管24及び風呂排水管26内の排水が逆流する方向へ流動しても、中和器29に形成した開口37によって中和器29内が大気圧に保たれているため、排水流路33内の排水が中和器29の方向に逆流せず、混合した排水が給湯回路7や湯張り回路16に流入するクロスコネクションを確実に防止できる。
【0029】
また、外気温が低温の際における排水の凍結防止対策が排水流路33のみに電気ヒータ38を設置することでおこなえるため、各排水管のそれぞれについて凍結防止対策をする必要がなくなり、設置コストを削減することができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、装置本体1内に設置された排水流路33の途中に給湯排水管24と風呂排水管26とを接続する構造であってもよく、排水の経路を一つにまとめたことで施工を簡易にし、凍結防止用の電気ヒータ38の設置個数を削減して、排水流路33途中からドレン水と共に装置本体1の外へ排水可能とするものである。
【符号の説明】
【0031】
1 装置本体
2 燃焼部
3 一次熱交換器
4 二次熱交換器
7 給湯回路
10 浴槽
16 湯張り回路
19 排水弁
23 排水パイプ
24 給湯排水管
25 過圧逃がし弁
26 風呂排水管
29 中和器
30 中和剤
32 中和部
33 排水流路
34 排水部
37 開口
【技術分野】
【0001】
この発明は、潜熱を回収する二次熱交換器を備えた潜熱回収型給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の潜熱回収型給湯機について、図3で示すようなものがあった。
101は燃料を燃焼する燃焼部102を備えた装置本体、103は燃焼部102で発生した燃焼ガスの顕熱で配管内の湯水を加熱する一次熱交換器、104は一次熱交換器103を通過した燃焼ガスの潜熱で配管内部の湯水を加熱する二次熱交換器、105は内部に中和剤106を封入した中和器、107は市水が流動する給水管、108は各熱交換器で加熱された温水が流動する給湯管、109は給水管107と二次熱交換器104と一次熱交換器103と給湯管108とを順次配管で接続した給湯回路、110は二次熱交換器104で発生したドレン水を中和器105に流入する排水パイプ、111は給湯回路109途中に設置され配管内の圧力上昇時に弁を開成して排水する過圧逃がし弁、112は過圧逃がし弁111に接続され排水を中和器105に流入する給湯排水管である。
【0003】
前記中和器105の上部に排水パイプ110と給湯排水管112が接続されることで、排水パイプ110から流入した強酸性のドレン水が給湯排水管112から流入した温水と混ざって希釈され、pH濃度を安定させてから装置本体101の外へ排水することができ、更に、排水経路を一つにまとめたことで施工を簡易にしたものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−61051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来のものでは、排水パイプ110から中和器105に流入するドレン水の量と給湯排水管112から中和器105に流入する温水の量は同等でないことから、ドレン水が温水で希釈される量は制限されてしまい、更に、温水を中和器105内に流入することで中和剤106が削られて体積が減少するため、ドレン水の中和作用が弱まる問題があった。
【0006】
また、断水などで給湯回路109の給水管107側が負圧になると、給湯排水管112内を流動する排水が逆流することから、中和器105内の十分に中和されていないドレン水が給湯排水管112から給湯回路109に流入するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、装置本体と、該装置本体内にあり燃料を燃焼する燃焼部と、該燃焼部で発生した燃焼ガスから顕熱を回収して湯水を加熱する一次熱交換器と、該一次熱交換器を通過した燃焼ガスから潜熱を回収して湯水を加熱する二次熱交換器と、該二次熱交換器で発生したドレン水が流入する中和器と、該中和器内に形成され中和剤が封入された中和部と、該中和部で中和されたドレン水を前記装置本体の外へ排水する排水部と、前記一次熱交換器と前記二次熱交換器とで加熱された湯水が流動する給湯回路と、該給湯回路に接続され給湯回路内が高圧の際に弁を開成して前記装置本体の外へ排水する加圧逃がし弁が設置された給湯排水管と、前記給湯回路に接続され浴槽へ送水する湯張り回路と、該湯張り回路に接続され弁を開成して湯張り回路内の湯水を前記装置本体の外へ排水する排水弁が設置された風呂排水管とを備えた潜熱回収型給湯機において、前記給湯排水管と前記風呂排水管とを前記中和器の前記排水部に接続したものである。
【0008】
また、請求項2では、前記中和器の所定位置に開口を形成したものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、給湯排水管と風呂排水管とを排水部に接続したことで、給湯排水管と風呂排水管を流動する排水が中和器の中和部に封入された中和剤に接触せず装置本体の外へ排水されるので、中和剤消耗の早期化を防止することができる。
【0010】
また、請求項2によれば、中和器に大気開放となる開口を形成したことで、断水等で給湯回路が負圧になっても中和器内は大気圧に保たれるので、給湯排水管や風呂排水管へ中和器内のドレン水や排水部の排水が逆流して給湯回路や湯張り回路内に流入することを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施形態を示す潜熱回収型給湯機の概略構成図
【図2】同発明の中和器の構造を示す図
【図3】従来の潜熱回収型給湯機を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は灯油等の燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼部2を備えた装置本体、3は燃焼部2で発生した燃焼ガスの顕熱で配管内の湯水を加熱する一次熱交換器、4は一次熱交換器3を通過した燃焼ガスの潜熱で配管内の湯水を加熱する二次熱交換器である。
【0013】
5は二次熱交換器4と一端が接続され市水が流動する給水管、6は一次熱交換3と一端が接続され加熱された温水が流動する給湯管であり、給水管5と二次熱交換器4と一次熱交換器3と給湯管6とを順次配管で接続して給湯回路7が形成されている。
【0014】
8は給水管6から分岐した給水バイパス管、9は給湯管7途中に設置され給水バイパス管8に一端が接続された混合弁であり、使用者が設定した給湯温度や風呂温度となるよう混合弁9の開度を調節して湯水を混合し、給湯管7の下流側に送水する。
【0015】
10は浴室に備えられた浴槽、11は燃焼部2で発生した燃焼ガスで浴槽水を加熱する風呂熱交換器、12は浴槽10に貯められた浴槽水を風呂熱交換器11へ流入させる風呂往き管、13は風呂熱交換器11で加熱された浴槽水を浴槽10へ流入させる風呂戻り管であり、風呂往き管12、風呂熱交換器11、風呂戻り管13とで風呂循環回路14が形成される。
【0016】
15は風呂戻り管13途中に設置された循環ポンプであり、駆動することで浴槽10の浴槽水を循環させ、風呂熱交換器11で加熱して使用者が設定した設定温度に浴槽水を保温する。
【0017】
16は給湯管6と風呂往き管12とに接続され混合弁9で調節された温水を浴槽10へ送水する湯張り回路であり、湯張り電磁弁17、湯張りフローセンサ18、排水弁19、逆止弁20を2つ内蔵したホッパー21が配管途中に設置されている。
【0018】
22は二次熱交換器4で発生したドレン水を回収するドレン回収板、23はドレン回収板22に接続され回収したドレン水が流動する排水パイプである。
【0019】
24は給湯回路7途中に接続され、一次熱交換器3及び二次熱交換器4で加熱され膨張した湯水によって管内の圧力が上昇した際、過圧逃がし弁25を開成して排水する給湯排水管であり、配管内の圧力に応じて適宜過圧逃がし弁25を開成することで排水し、配管の損傷を防止する。
【0020】
26は排水弁19に接続され断水等で給湯回路7が負圧になった際、排水弁19を開成して湯張り回路16を逆流してきた浴槽水を排水する風呂排水管である。
【0021】
27は給水管5に設置された給水栓、28は給湯管6に設置され使用者が栓を操作することで設定温度の湯水が流出する給湯栓である。
【0022】
29は中和器であり、排水パイプ23内を流動するドレン水が流入する水封部31と、炭酸カルシウム等の中和剤30が封入された中和部32と、該中和部32で中和されたドレン水を中和器29から装置本体1の外に排水する排水流路33が形成された排水部34とで構成されている。
【0023】
排水部34に排水流路33へ配管内を流動する排水が直接流入するように給湯排水管24と風呂排水管26の端部を接続することで、中和部32で中和されたドレン水と共に排水経路33から装置本体1の外へ排水される。
【0024】
35は水封部31に設置され容器内に水が存在するか検知する水封検知電極、36は中和器29のメンテナンスや交換の際にキャップを外して水封部31内から排水する水抜き栓である。
【0025】
37は中和部32の上面に形成された開口であり、所定の大きさで大気開放状態にすることで中和器29内を大気圧と同等にする。
【0026】
38は中和器29の下部に設置された電気ヒータであり、外気温が低温の際に通電して中和器29内にあるドレン水の凍結を防止する。
【0027】
以上のように、中和器29の排水部34に給湯排水管24と風呂排水管26とを接続した構造にしたことで、装置本体1の外へ排水する流路が一つにまとめられ配管の施工が簡易になり、給湯排水管24と風呂排水管26内を流動する排水が排水流路33に直接流入するので、中和部32に封入された中和剤30に接触せず、中和剤30が消耗して中和能力が低下してしまうことを防止できる。
【0028】
また、断水等が発生して給湯回路7を構成する給水管5側が負圧になり、給湯排水管24及び風呂排水管26内の排水が逆流する方向へ流動しても、中和器29に形成した開口37によって中和器29内が大気圧に保たれているため、排水流路33内の排水が中和器29の方向に逆流せず、混合した排水が給湯回路7や湯張り回路16に流入するクロスコネクションを確実に防止できる。
【0029】
また、外気温が低温の際における排水の凍結防止対策が排水流路33のみに電気ヒータ38を設置することでおこなえるため、各排水管のそれぞれについて凍結防止対策をする必要がなくなり、設置コストを削減することができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、装置本体1内に設置された排水流路33の途中に給湯排水管24と風呂排水管26とを接続する構造であってもよく、排水の経路を一つにまとめたことで施工を簡易にし、凍結防止用の電気ヒータ38の設置個数を削減して、排水流路33途中からドレン水と共に装置本体1の外へ排水可能とするものである。
【符号の説明】
【0031】
1 装置本体
2 燃焼部
3 一次熱交換器
4 二次熱交換器
7 給湯回路
10 浴槽
16 湯張り回路
19 排水弁
23 排水パイプ
24 給湯排水管
25 過圧逃がし弁
26 風呂排水管
29 中和器
30 中和剤
32 中和部
33 排水流路
34 排水部
37 開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、該装置本体内にあり燃料を燃焼する燃焼部と、該燃焼部で発生した燃焼ガスから顕熱を回収して湯水を加熱する一次熱交換器と、該一次熱交換器を通過した燃焼ガスから潜熱を回収して湯水を加熱する二次熱交換器と、該二次熱交換器で発生したドレン水が流入する中和器と、該中和器内に形成され中和剤が封入された中和部と、該中和部で中和されたドレン水を前記装置本体の外へ排水する排水部と、前記一次熱交換器と前記二次熱交換器とで加熱された湯水が流動する給湯回路と、該給湯回路に接続され給湯回路内が高圧の際に弁を開成して前記装置本体の外へ排水する加圧逃がし弁が設置された給湯排水管と、前記給湯回路に接続され浴槽へ送水する湯張り回路と、該湯張り回路に接続され弁を開成して湯張り回路内の湯水を前記装置本体の外へ排水する排水弁が設置された風呂排水管とを備えた潜熱回収型給湯機において、前記給湯排水管と前記風呂排水管とを前記中和器の前記排水部に接続したことを特徴とする潜熱回収型給湯機。
【請求項2】
前記中和器の所定位置に開口を形成したことを特徴とする請求項1記載の潜熱回収型給湯機。
【請求項1】
装置本体と、該装置本体内にあり燃料を燃焼する燃焼部と、該燃焼部で発生した燃焼ガスから顕熱を回収して湯水を加熱する一次熱交換器と、該一次熱交換器を通過した燃焼ガスから潜熱を回収して湯水を加熱する二次熱交換器と、該二次熱交換器で発生したドレン水が流入する中和器と、該中和器内に形成され中和剤が封入された中和部と、該中和部で中和されたドレン水を前記装置本体の外へ排水する排水部と、前記一次熱交換器と前記二次熱交換器とで加熱された湯水が流動する給湯回路と、該給湯回路に接続され給湯回路内が高圧の際に弁を開成して前記装置本体の外へ排水する加圧逃がし弁が設置された給湯排水管と、前記給湯回路に接続され浴槽へ送水する湯張り回路と、該湯張り回路に接続され弁を開成して湯張り回路内の湯水を前記装置本体の外へ排水する排水弁が設置された風呂排水管とを備えた潜熱回収型給湯機において、前記給湯排水管と前記風呂排水管とを前記中和器の前記排水部に接続したことを特徴とする潜熱回収型給湯機。
【請求項2】
前記中和器の所定位置に開口を形成したことを特徴とする請求項1記載の潜熱回収型給湯機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2013−64533(P2013−64533A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202841(P2011−202841)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
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