説明

潜熱蓄熱材処理設備

【課題】車両により熱供給側と熱利用側との間を移動し得るようにした潜熱蓄熱装置の蓄熱槽本体と熱供給側或は熱利用側の熱交換器との間を熱媒油が循環するようにした管路内に、熱媒油に同伴された潜熱蓄熱材が固化して溜まらないようにする。
【解決手段】車両24により熱供給側と熱利用側との間を搬送し得るようにした潜熱蓄熱槽3の潜熱蓄熱槽本体4と熱供給側或は熱利用側の熱交換器17との間を熱媒油が循環するように設置した管路19に、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31を設け、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31で加温装置により加温し融解した潜熱蓄熱材を潜熱蓄熱槽本体4へ戻す管路35を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、200℃以下の低温廃熱を潜熱蓄熱材(PCM:Phase Change Material)に蓄え、熱を必要としている施設へトラック等の車両でオフライン輸送し再利用するようにした潜熱蓄熱装置に適用される潜熱蓄熱材処理設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、未利用エネルギを活用した「エネルギの有効利用」として、例えば、発電プラントや化学プラント等の工場、下水汚泥焼却プラント、ごみ焼却炉プラント等の熱源から発生する200℃以下の低温廃熱を潜熱蓄熱材(PCM)に蓄え、熱を必要としている病院やオフィス、公共施設等へ車両でオフライン輸送し利用するようにした潜熱蓄熱装置が提案されており、斯かる潜熱蓄熱装置の従来の例としては、特許文献1に示すような潜熱蓄熱装置がある。而して、この特許文献1の潜熱蓄熱装置の概要は図5、図6に示されている。
【0003】
図5に示すように、潜熱蓄熱装置1は横置き型でコンテナ車等の車両に搭載された架台2に設置されており、潜熱蓄熱槽3を備えている。潜熱蓄熱槽3は、断面円筒形(正円)で長手方向両端を側板により閉塞された潜熱蓄熱槽本体4を備えており、潜熱蓄熱槽本体4内には、下部左右に位置して潜熱蓄熱槽本体4の軸線方向へ平行に延在する2本の熱媒油供給管路5が収納されていると共に、上部左右に位置して熱媒油供給管路5と平行に延在する2本の熱媒油回収管路6が収納されている(図6参照)。2本の熱媒油供給管路5は略同じ高さに位置しており、2本の熱媒油回収管路6も略同じ高さに位置している。
【0004】
熱媒油供給管路5の一端部は盲板により閉塞されていると共に、熱媒油供給管路5の下端には長手方向へ一定間隔で、複数の孔5aが穿設されており、熱媒油供給管路5の他端には管路7が接続されている。該管路7は上方へ向け立上がり、曲折して潜熱蓄熱槽本体4の一側の側板を貫通して潜熱蓄熱槽本体4の外部に延在している。
【0005】
熱媒油回収管路6の一端部は盲板により閉塞されていると共に、熱媒油回収管路6の天端には長手方向へ一定間隔で、複数の孔6aが穿設されており、熱媒油回収管路6の他端には水平な管路9が接続されている。該管路9は、潜熱蓄熱槽本体4の一側の側板を貫通して潜熱蓄熱槽本体4の外部に延在している。
【0006】
潜熱蓄熱槽本体4内には、境界面11が潜熱蓄熱槽本体4の略高さ方向中心近傍位置で且つ常時、熱媒油供給管路5の上方となるよう、潜熱蓄熱材12が収納されていると共に、上面13が熱媒油回収管路6の上端よりも常時上方となるよう、潜熱蓄熱槽本体4内の潜熱蓄熱材12の上部には熱媒油14が収納されている。
【0007】
又、熱媒油14の上面13と潜熱蓄熱槽本体4内周の天端との間には、潜熱蓄熱材12と熱媒油14との間で、蓄熱、放熱が行なわれて潜熱蓄熱材12、熱媒油14の温度が変化し、その結果、潜熱蓄熱材12と熱媒油14の比重が変化して、潜熱蓄熱材12の境界面11や熱媒油14の上面13が昇降し、高さが変化してもその変位が吸収可能なように、熱媒油14上面と潜熱蓄熱槽本体4内周の天端との間には、常時、空気層15が確保されるようになっている。
【0008】
潜熱蓄熱材12としては、例えば、酢酸ナトリウム三水化物(融点58℃)、水酸化バリウム(融点78℃)、塩化マグネシウム(融点116℃)があり、熱媒油としては、例えば、工業用白油がある。
【0009】
又、図5中、16aは、例えば、ごみ焼却プラント、下水汚泥焼却プラント、発電プラント、化学プラント、製鉄所等の熱源を備えた熱供給側、16bは、病院、オフィス、公共施設等の熱利用側を示している。而して、熱供給側16aや熱利用側16bには、熱交換器17、熱交換器17に管路19を介して接続される熱媒油ポンプ18、一端を熱媒油ポンプ18に接続され且つ他端をカップリング継手8を介して管路9に着脱可能に接続される管路20を備えている。又、熱供給側16a又は熱利用側16bは、一端を熱交換器17に接続され且つ他端をカップリング継手10を介して管路7に着脱可能に接続される管路21を備えている。なお、管路20,19,21の内部には、カップリング継手8,10が連結を解かれている際にも熱媒油が充填され、漏れたり、空気が入ったりしないようになっている。
【0010】
例えば、図5に示す状態で熱供給側16aにおいて、潜熱蓄熱槽本体4内の潜熱蓄熱材12に潜熱を蓄熱する場合は、熱媒油ポンプ18を駆動して、熱媒油14を、潜熱蓄熱槽本体4と熱交換器17との間に循環させ、熱供給側16aから発生する低温廃熱(蒸気、温水、高温空気、排ガス等の廃熱)を、熱交換器17を介して熱媒油14に伝える。
【0011】
すなわち、潜熱蓄熱槽本体4内から複数の孔6aを通して熱媒油回収管路6内へ回収された熱媒油14は、熱媒油回収管路6、管路9,20を通って熱媒油ポンプ18へ導入され、熱媒油ポンプ18から管路19を通り熱交換器17へ供給され、熱交換器17において熱エネルギを取得し、熱エネルギを得た熱媒油14は、管路21,7、熱媒油供給管路5を通って、熱媒油供給管路5の下端の複数の孔5aから固体状の潜熱蓄熱材12内に供給される。
【0012】
このため、熱媒油14は潜熱蓄熱材12との比重差により潜熱蓄熱材12内を上昇し、潜熱蓄熱材12を上昇する間に、熱媒油14は潜熱蓄熱材12との直接接触により熱交換して潜熱蓄熱材12に熱を付与する。而して、固体状の潜熱蓄熱材12は熱を与えられると徐々に液状化し、この相変化により潜熱蓄熱材12には潜熱が蓄熱される。
【0013】
比重差により上昇して潜熱蓄熱材12から分離し、潜熱蓄熱槽本体4内において潜熱蓄熱材12との境界面11よりも上方に位置する熱媒油14は、複数の孔6aから熱媒油回収管路6内へ回収されて再び熱交換器17へ供給され、熱交換器17において加熱され、前述した手順により循環する。而して、潜熱蓄熱材12全てが液状化した時点で潜熱蓄熱材12に対する蓄熱は完了する。
【0014】
熱利用側16bで放熱を行なう場合には、図5に示す状態で熱利用側16bにおいて熱媒油ポンプ18を駆動し、熱媒油14を、潜熱蓄熱槽本体4と熱交換器17との間に循環させ、潜熱蓄熱材12に蓄えられていた潜熱により熱媒油14を直接接触により加熱する。このため、熱を与えられた熱媒油14は、熱交換器17に供給されてその熱は熱利用側16bの熱媒体(水、空気、ガス等)に伝えられ、空調(暖房・冷房)・給湯用熱源として利用される。このときの熱媒油14の潜熱蓄熱槽本体4と熱交換器17との間の流れは熱供給側16aの場合と同様であるが、熱媒油14は潜熱蓄熱材12から熱を受ける点で、熱供給側16aの場合と異なる。潜熱蓄熱材12は、熱媒油14に潜熱を放出して温度降下すると共に固体化し、放熱を完了する。
【0015】
而して、図5、図6に示す潜熱蓄熱装置1は、潜熱蓄熱材12と熱媒油14とを直接接触熱交換を行っているため、従来の同様なシステムと比較して高出力であると共に、潜熱蓄熱材12の温度低下が少ないため、エネルギロスも少なく、潜熱蓄熱材12を利用しているため、高密度の蓄熱が可能であり、又、潜熱蓄熱材12と熱媒油14は直接接触であるため、両者を同一の潜熱蓄熱槽本体4に貯留でき、従って、潜熱蓄熱槽本体4の構造がシンプルである、等の利点がある。
【0016】
一方、未利用エネルギを活用した「エネルギの有効利用」として、例えば、発電プラントや化学プラント等の工場、下水汚泥焼却プラント、ごみ焼却プラント等の熱源から発生する低温廃熱(200℃)を、潜熱蓄熱材(PCM)に蓄え、熱を必要としている病院やオフィス、公共施設等へ車両でオフライン輸送し、利用することができる他の潜熱蓄熱装置の例としては、特許文献2、3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2007−183043号公報
【特許文献2】WO03/019099公報
【特許文献3】特開2008−170061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記図5、図6の潜熱蓄熱装置1の潜熱蓄熱槽本体4内における熱媒油14と潜熱蓄熱材12の挙動を図7〜図9により説明すると、蓄熱時においても放熱時においても、正常時には、図7に示すように、潜熱蓄熱材12と熱媒油14は、潜熱蓄熱槽本体4内において比重差によりきれいに分離しており、且つ、潜熱蓄熱材12の上面である境界面11は、熱媒油回収管路6の下面から離反した下方位置にある。このため、熱媒油供給管路5から潜熱蓄熱槽本体4に送出された熱媒油14が速度ベクトルAで潜熱蓄熱材12内を上昇しても、潜熱蓄熱材12と熱媒油14との比重差が保持される結果、潜熱蓄熱材12は熱媒油14に同伴されない。このため、潜熱蓄熱材12は熱媒油回収管路6に流入せず、潜熱蓄熱材12が熱媒油回収管路6内を通り、潜熱蓄熱槽本体4の外部に流出することはない。なお、図7中、Lは熱媒油回収管路6下端から潜熱蓄熱材12の境界面11までの熱媒油層の間隔である。
【0019】
しかし、図8に示すように、熱媒油供給管路5から送出された、潜熱蓄熱材12内を上昇する熱媒油14の流量が何等かの原因で変化して流量が異常に上昇し、熱媒油14の速度ベクトルがA(図7参照)から上昇してA’になると、潜熱蓄熱材12と熱媒油14との比重差による分離が崩れる結果、潜熱蓄熱材12は熱媒油14に同伴されて熱媒油回収管路6から潜熱蓄熱槽本体4の外部へ流出する虞がある。
【0020】
又、図9に示すように、熱媒油供給管路5に閉塞部Bが形成されて熱媒油供給管路5のいくつかの孔5a(図5、図6参照)が詰まると、詰まっていない孔5aから流出して潜熱蓄熱槽本体4内の潜熱蓄熱材12を上昇する熱媒油14の速度ベクトルAが局所的に上昇し、この場合にも、潜熱蓄熱材12と熱媒油14との比重差による分離が崩れる結果、潜熱蓄熱材12は熱媒油14に同伴されて熱媒油回収管路6から潜熱蓄熱槽本体4の外部へ流出する虞がある。
【0021】
而して、潜熱蓄熱槽本体4内において熱媒油回収管路6へ流入し、熱媒油回収管路6から管路19へ流出した潜熱蓄熱材12は、管路19〜管路21を流れている間に温度が低下して固体化し、管路19〜管路21に滞留する虞がある。
【0022】
この状態を図10〜図12をも参照しつつ説明する。なお、図中、22,23は温度検出器、24は潜熱蓄熱槽3が設置された架台2を搭載した車両である。すなわち、上述のごとく、熱供給側16aにおいて、潜熱蓄熱装置1と熱交換器17との間において熱媒油14を循環させ、潜熱蓄熱材12へ蓄熱が完了すると、熱媒油ポンプ18を停止させ、カップリング継手8,10の部分で、潜熱蓄熱装置1の管路9,7を熱供給側16aの管路20,21から切り離す(図10、図11参照)。
【0023】
而して、潜熱蓄熱装置1は車両24により熱供給側16aから熱利用側16bへ輸送され、カップリング継手8,10を介して、管路9,7を熱利用側16bの管路20,21に連結し、上述したように潜熱蓄熱槽本体4内の熱媒油14を潜熱蓄熱装置1と熱利用側16bの熱交換器17との間に循環させて、潜熱蓄熱材12の熱を熱交換器17へ与え、所定の放熱が終了したら、カップリング継手8,10を介して管路9,7を熱利用側16bの管路20,21から切り離して、潜熱蓄熱装置1を熱利用側16bから再び分離し、熱供給側16aへ戻って、カップリング継手8,10を介し管路9,7を熱供給側16aの管路20,21に再び接続し、上述した手順により潜熱蓄熱材12へ次回の蓄熱を行う(図12参照)。
【0024】
而して、例えば、熱供給側16aで蓄熱終了直後に熱媒油14に同伴されて潜熱蓄熱材12が熱供給側の管路19,20,21側へ流出した場合、管路19,20,21内は潜熱蓄熱材12の融点以上の温度であるため、流出した潜熱蓄熱材12は液状である。この場合、次回の蓄熱開始時に管路19,20,21内の温度が潜熱蓄熱材12の融点以上であれば、潜熱蓄熱材12は液状のままであるため、熱媒油ポンプ18の駆動により、潜熱蓄熱材12は、潜熱蓄熱装置1の潜熱蓄熱槽本体4と熱供給側16aの熱交換器17との間で循環が可能である。
【0025】
しかし、大気への放散熱等により、管路19,20,21内が融点以下になってしまうと、管路19,21のU字状部19a,21a等に沈降した潜熱蓄熱材12は、固体状になって閉塞部Bが生じるため、次回の蓄熱を行うに際し、管路19,21等が閉塞し、熱媒油14が循環できなくなって蓄熱不能になる虞がある。斯かる事情は特許文献1の潜熱蓄熱装置だけではなく、特許文献2,3の潜熱蓄熱装置においても同様である。
【0026】
又、熱利用側16bの熱交換器17で放熱後の熱媒油14の温度は低下して融点未満であるため、熱媒油14に同伴して潜熱蓄熱槽本体4外へ流出した潜熱蓄熱材12は固体状となる。従って、管路19,21のU字状部19a,21a等に固体状の潜熱蓄熱材12が徐々に沈積し、管路19,20,21等が閉塞して放熱できなくなる虞がある。なお、図10〜図12においては、蓄熱する場合について説明しているが、放熱の場合も潜熱蓄熱装置と熱交換器との間の姿は図11〜図12に示すようになる。
【0027】
更に、図5、図6に示す特許文献1の場合は勿論、特許文献2、3においても、潜熱蓄熱装置は、熱供給側と熱利用側との間において車両により、輸送する必要がある。しかるに、道路には重量制限があり、1台の潜熱蓄熱槽によりできるだけ多量の潜熱を運搬したいとすると、潜熱蓄熱槽本体内にはできるだけ多量の潜熱蓄熱材を充填し、熱媒油の充填量を少量にする必要がある。しかるに、図8、図9で説明したように、潜熱蓄熱槽本体4内の潜熱蓄熱材12は、熱媒油14に同伴されて熱媒油回収管路6から潜熱蓄熱槽本体4外部へ流出する虞があるため、潜熱蓄熱槽本体4内における熱媒油回収管路6下端から潜熱蓄熱材12の境界面11までの熱媒油層の間隔L(図7参照)を十分に採る必要がある。従って、潜熱蓄熱材12の潜熱蓄熱槽本体4に対する充填量を十分にできないうえ、潜熱蓄熱材12の潜熱蓄熱槽本体4からの流出により、潜熱蓄熱槽本体4内の潜熱蓄熱材12の蓄熱容量が低下する。
【0028】
更に又、特許文献1〜3においては、何れも、潜熱蓄熱槽本体から潜熱蓄熱材が外部に流出するのを防止する手段は設けてはいるが、熱媒油の潜熱蓄熱材内の上昇速度が異常に大きくなった場合、流出を完全に防止することはできず、何等かの原因で潜熱蓄熱材が潜熱蓄熱槽本体外へ流出した場合には、上記した問題が生じる虞がある。
【0029】
本発明は上記実情に鑑み、熱供給側における蓄熱時や、熱利用側における放熱時に関係なく、熱媒油循環のために潜熱蓄熱装置の潜熱蓄熱槽と熱供給側或は熱利用側の熱交換器を接続する管路内に固体状の潜熱蓄熱材が沈積しないようにすること、潜熱蓄熱槽本体内に充填される潜熱蓄熱材の熱容量をできるだけ多量にすることを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の請求項1の潜熱蓄熱材処理設備は、
車両により熱供給側と熱利用側との間を輸送し得るようにした潜熱蓄熱装置の、内部に潜熱蓄熱材及び熱媒油を貯留し得るようにした潜熱蓄熱槽本体と、
該潜熱蓄熱槽本体からの熱媒油を加熱する熱供給側、或は、前記潜熱蓄熱槽本体からの熱媒油により加熱される熱利用側に設けられた熱交換手段と、
前記潜熱蓄熱槽本体内の熱媒油回収管路及び熱媒油供給管路と熱交換手段とを、カップリング継手を介して内部に熱媒油が循環するよう接続された潜熱蓄熱槽外の管路と、
該管路の所定位置に設けられた潜熱蓄熱材捕集加温融解装置と、
該潜熱蓄熱材捕集加温融解装置に接続されて加温により融解された液状の潜熱蓄熱材を前記潜熱蓄熱槽本体に戻す、潜熱蓄熱材送給手段を有する管路と、
を備えたものである。
【0031】
本発明の請求項2の潜熱蓄熱材処理設備においては、
潜熱蓄熱材捕集加温融解装置は、
下部に熱媒油が導入されるようにした管路が接続されると共に、上部に熱媒油が導出されるようにした管路が接続された槽本体と、
該槽本体の下部に接続した熱媒油を導入するための管路よりも下方において槽本体に捕集された潜熱蓄熱材を加温する加温装置とを備え、
槽本体の下部には、熱媒油に同伴されて槽本体に捕集され加温により融解した液状の潜熱蓄熱材を導出して潜熱蓄熱槽本体へ戻すための管路が接続されているものである。
【0032】
本発明の請求項3の潜熱蓄熱材処理設備は、
槽本体に捕集された潜熱蓄熱材の上面を検出するレベル検出器と、
前記槽本体に捕集された潜熱蓄熱材の温度を検出する温度検出器と、
レベル検出器で検出された潜熱蓄熱材の面が所定の高さになったら加温装置にオンの指令を与え、温度検出器で検出された潜熱蓄熱材の温度が所定の温度に達したら潜熱蓄熱材送給手段に起動指令を与える制御器を備えている。
【0033】
本発明の請求項4の潜熱蓄熱材処理設備は、
槽本体に捕集された潜熱蓄熱材の上面を検出するレベル検出器を備え、
レベル検出器で検出された潜熱蓄熱材の面が所定の高さになったら加温装置にオンの指令を与え、加温装置がオンになって所定時間経過したら潜熱蓄熱材送給手段に起動指令を与える制御器を備えたものである。
【0034】
請求項5の潜熱蓄熱材処理設備においては、潜熱蓄熱材送給手段は潜熱蓄熱材ポンプであり、請求項6の潜熱蓄熱材処理設備においては、加温装置は、電気ヒータジャケツト、蒸気ヒータジャケット、投げ込みヒータのうち任意の一つ或は二つ以上の組み合わせとする。
【発明の効果】
【0035】
本発明の請求項1〜6記載の潜熱蓄熱材処理設備によれば、熱供給側における蓄熱や熱利用側の放熱に関係なく、熱媒油循環のために潜熱蓄熱槽本体内の熱媒油回収管路及び熱媒油供給管路と熱供給側或は熱利用側の熱交換器手段とを接続する管路内に固体状の潜熱蓄熱材が溜まらないようにすることができると共に、管路内等に固体状の潜熱蓄熱材が滞留している場合でも、この潜熱蓄熱材を融解して潜熱蓄熱槽本体内に戻すことができるため、潜熱蓄熱槽本体内に充填される潜熱蓄熱材が減少することを防止でき、延いては潜熱蓄熱材の熱容量の減少を防止することができて、経済的にも有利である、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の潜熱蓄熱材処理設備の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の設備に適用する潜熱蓄熱材捕集加温融解装置の斜視図である。
【図3】本発明の潜熱蓄熱材処理設備の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図4】図3の設備に適用するを示す潜熱蓄熱材捕集加温融解装置の概略側面図である。
【図5】従来の潜熱蓄熱装置の一般的な例を示す概略側面図である。
【図6】図5のVI−VI方向矢視図である。
【図7】図5の潜熱蓄熱装置の潜熱蓄熱槽本体内における熱媒油と潜熱蓄熱材の挙動の状態を説明するための概念図で、熱媒油の上昇が正常な場合の概念図である。
【図8】図5の潜熱蓄熱装置の潜熱蓄熱槽本体内における熱媒油と潜熱蓄熱材の挙動の状態を説明するための概念図で熱媒油の上昇が異常な場合の概念図である。
【図9】図5の潜熱蓄熱装置の潜熱蓄熱槽本体内における熱媒油と潜熱蓄熱材の挙動の状態を説明するための概念図で、潜熱蓄熱槽本体内における熱媒油供給管路に詰りが生じた場合の概念図である。
【図10】一般的な潜熱蓄熱装置を設けて蓄熱或は放熱を行なう場合の概要を示す側面図である。
【図11】図10に示す潜熱蓄熱装置の蓄熱終了後或は放熱終了後に車両に搭載された架台に設置された潜熱蓄熱装置が熱供給の熱交換器から切り離された場合の概要を示す側面図である。
【図12】一般的な潜熱蓄熱装置を設けて次回の蓄熱或は放熱を行なう場合の概要を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【実施例1】
【0038】
以下、本発明の潜熱蓄熱材処理設備の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1、図2は本発明の実施の形態の一例であり、図中、図5等に示す符号と同一のものには同一の符号を付してある。本実施の形態においては、基本的な構成は図5に示すものと略同様な構成で、管路系統も基本部分は図5の場合と略同様である。又、潜熱蓄熱槽本体4の内部の配置も図5の場合と同様である。而して、本実施の形態において特長とするところは、熱供給側16a或は熱利用側16bの熱交換器17と熱媒油ポンプ18とに接続された管路19の中途部に、熱媒油14に同伴されて熱媒油回収管路6から流出した潜熱蓄熱材12を捕集して、加温し、液状にした潜熱蓄熱材12を潜熱蓄熱槽本体4(図5参照)へ戻すための潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31を設けたことである。
【0039】
潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31は、円筒状の槽本体32と、槽本体32の下部外周に装着されて槽本体32所定高さまで延在する電気ヒータジャケット、蒸気ヒータジャケット等の加温装置33を備えている。又、管路19は中途部で分割され、分割された管路19のうち潜熱蓄熱材送給方向Dに対して上流側の管路19の潜熱蓄熱材送給方向D下流側端部は、加温装置33の上端部よりも若干上方の位置において、槽本体32の側部に接続されている。更に、分割された管路19のうち、潜熱蓄熱材送給方向D下流側の管路19の潜熱蓄熱材送給方向D上流側端部は、槽本体32の上端位置近傍において、槽本体32の下方外周に接続された前記上流側の管路19の接続部に対して平面視で180度位相が異なるよう、槽本体32の外周に接続されている。
【0040】
更に、槽本体32の下部外周には、加温装置33を貫通して、中途部に潜熱蓄熱材ポンプ34が設けられた管路35が接続されている。又、図1に点線で示すように、潜熱蓄熱槽3の潜熱蓄熱槽本体4内における下部には、熱媒油供給管路5と同様の構造で、長手方向へ所定の間隔で底面に潜熱蓄熱材12戻し用の孔が形成された潜熱蓄熱材戻し管路36が設置されている。又、潜熱蓄熱材戻し管路36の端部には、上方へ立ち上がる管路37が接続されている。更に、38は管路35の潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31から離反した側の先端と、管路37とを接続するフレキシブル管であり、フレキシブル管路38と管路37の接続及びフレキシブル管路38と管路35との接続は、カップリング継手39,40により行い得るようになっている。
【0041】
なお、図1の図示例では、管路20,21の潜熱蓄熱槽3側は、管路9,7との連結を容易に行ない得るよう、フレキシブルなものとしている。又、図2中、41は槽本体32内に溜まった潜熱蓄熱材12の高さを検出するためのレベル検出器、41a,41bはレベル検出器41のセンサ本体、42は槽本体32内底部近傍の温度を測定する温度検出器、43はレベル検出器41及び温度検出器42からの信号により、潜熱蓄熱材ポンプ34に起動停止指令を与えると共に、加温装置33にオン・オフ指令を与える制御器である。更に、レベル検出器41により検出されるのは潜熱蓄熱材12の液面、つまり境界面であり、熱媒油14の液面は検出されないが、これは潜熱蓄熱材12の比重より軽く、且つ熱媒油14の比重より重いフロートであるレベル検出センサを用いるためである。
【0042】
以下、本図示例の作動について、図5をも参照しつつ説明する。
例えば、熱供給側16aにおいて潜熱蓄熱材12に潜熱を蓄熱する場合は、図1に示すように、カップリング継手10を介して管路7と管路21のフレキシブル部を連結し、カップリング継手8を介して管路9と管路20のフレキシブル部を連結し、カップリング継手39を介して管路37とフレキシブル管路38を連結し、継手40を介してフレキシブル管路38と管路35を連結する。
【0043】
この状態で、図5において説明したように、熱供給側16aにおいては、熱媒油ポンプ18を駆動して、熱媒油14を、潜熱蓄熱槽本体4と熱交換器17との間に循環させ、熱供給側16aから発生する低温廃熱(蒸気、温水、高温空気、排ガス等の廃熱)を、熱交換器17を介して熱媒油14に伝える。
【0044】
すなわち、潜熱蓄熱槽本体4内から複数の孔6aを通して熱媒油回収管路6内へ回収された熱媒油14は、熱媒油回収管路6、管路9,20を通って熱媒油ポンプ18へ導入され、熱媒油ポンプ18から管路19、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31、管路19を通り熱交換器17へ供給され、熱交換器17おいて熱エネルギを取得し、熱エネルギを得た熱媒油14は、管路21,7、熱媒油供給管路5を通って、熱媒油供給管路5の下端の複数の孔5aから潜熱蓄熱材12内に供給される。
【0045】
このため、熱媒油14は潜熱蓄熱材12との比重差により潜熱蓄熱材12内を上昇し、潜熱蓄熱材12を上昇する間に、熱媒油14は潜熱蓄熱材12との直接接触により熱交換して潜熱蓄熱材12に熱を付与する。而して、固体状の潜熱蓄熱材12は熱を与えられると徐々に液状化し、この相変化により潜熱蓄熱材12には潜熱が蓄熱される。
【0046】
比重差により上昇して潜熱蓄熱材12から分離し、潜熱蓄熱槽本体4内において潜熱蓄熱材12との境界面11よりも上方に位置する熱媒油14は、複数の孔6aから熱媒油回収管路6内へ回収されて再び熱交換器17へ供給され、熱交換器17において加熱され、前述した手順により循環する。而して、潜熱蓄熱材12全てが液状化した時点で潜熱蓄熱材12に対する蓄熱は完了する。
【0047】
蓄熱時に熱媒油14が潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31の槽本体32に導入される際には、当該熱媒油14は熱媒油14入側の下部に接続されている管路19から槽本体32内下部近傍に水平方向へ向けて導入され、急激に流路を拡大されることにより線速度が低下して上昇流となり、槽本体32の上部に接続されている管路19から熱交換器17へ送給される。
【0048】
潜熱蓄熱槽本体4内の熱媒油回収管路6から管路9,20,19を通り、槽本体32に導入された熱媒油14に何等かの原因により潜熱蓄熱材12が同伴されている場合には、潜熱蓄熱材12は、槽本体32内へ水平方向から導入された熱媒油14が急激に動圧偏重から静圧増加に変換され、つまり流速を低速に変えて上昇流となる際に、熱媒油14から比重差により分離されて槽本体32に捕集される。すなわち、潜熱蓄熱材12と熱媒油14とには比重差があり、且つ、潜熱蓄熱材12の比重は熱媒油14の比重よりも大きいため、槽本体32内において熱媒油14が上昇流になる際に、潜熱蓄熱材12は熱媒油14と同伴している際の速度エネルギが低下することで比重差が勝ってその結果沈降分離され、槽本体32の底部に捕集される。
【0049】
而して、潜熱蓄熱材12が槽本体32の底部に所定量捕集されて、図2の仮想線イに示すように、潜熱蓄熱材12の上面が槽本体32の熱媒油14入側に接続された管路19の下端近傍位置まで上昇すると、レベル検出器41のセンサ本体41aがオンになって信号が制御器43に与えられる。このため、制御器43からの指令により加温装置33がオンになって槽本体32底部に捕集されている潜熱蓄熱材12の加温が開始される。
【0050】
又、温度検出器42により検出された槽本体32下部の温度は信号として制御器43に与えられており、潜熱蓄熱材12が所定の温度に達すると制御器43から潜熱蓄熱材ポンプ34に指令信号が与えられて潜熱蓄熱材ポンプ34が駆動される。
【0051】
このため、槽本体32底部で加温されて融解した液状の潜熱蓄熱材12は、槽本体32から管路35へ導出され、潜熱蓄熱材ポンプ34により加圧されて管路35、フレキシブル管路38、潜熱蓄熱槽本体4内の管路37を経て、潜熱蓄熱材戻し管路36へ送給され、潜熱蓄熱材戻し管路36の底部に設けられている図示してない孔から、潜熱蓄熱槽本体4内に貯留されている潜熱蓄熱材12内に戻される。
【0052】
槽本体32に捕集されている潜熱蓄熱材12の面が下降し、この面がセンサ本体41aの下方に設置したセンサ本体41bにより検出されると、制御器43からの指令により、潜熱蓄熱材ポンプ34は停止し、加温装置33はオフとなる。
【0053】
蓄熱の際は、熱媒油14は高温であり、熱媒油14に潜熱蓄熱材12が同伴されても当該潜熱蓄熱材12は液状ではあるが、その比重は熱媒油14より大きいことに変わりはない。このため、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31の槽本体32の底部に潜熱蓄熱材12が捕集されるが、熱媒油14からの熱供給で液状の状態を維持され、その結果、加温装置33による加温は不要な場合があるが、これは温度検出器42の温度信号により制御されたヒータのオン・オフにより液状を確保できれば良い。しかし、蓄熱終了後、潜熱蓄熱装置1を熱利用側16bへ輸送するため、潜熱蓄熱槽3が、熱供給側16aにおいて、カップリング継手8,10,39等を解除することにより熱供給側16a側から離反された場合は、熱供給側16aの管路19,20,21,35等に残存した潜熱蓄熱材12は冷却して固化する。しかし、再び蓄熱を行なう際には、上記したように、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31の槽本体32内において、潜熱蓄熱材12を融解させて潜熱蓄熱槽本体4へ戻すことができるため、次回以降の蓄熱の際にも、支障なく円滑に蓄熱を行なうことができる。
【0054】
蓄熱の終了した潜熱蓄熱装置1が車両24により熱利用側16bに輸送された場合も、蓄熱の場合と同様な配置により、図5で説明したと同様、熱媒油ポンプ18を駆動して熱媒油14を潜熱蓄熱槽3と熱交換器17との間で循環することにより、熱媒油14は熱交換器17において放熱を行なうことができる。而して、放熱は熱媒油14が所定の温度に下降するまで継続される。
【0055】
又、図8、図9等において説明したように、何等かの原因により潜熱蓄熱材12が熱媒油14に同伴されて潜熱蓄熱槽本体4から外部へ導出された場合も、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31では固化した潜熱蓄熱材12を捕集して加温し、融解させて液化させ、液化された潜熱蓄熱材12は、潜熱蓄熱材ポンプ34により潜熱蓄熱槽本体4内に戻すことができるため、運転に支障が生じることを防止することができる。更に、放熱終了後に潜熱蓄熱装置1が熱利用側16bから離反させられた場合も、次回の放熱時に潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31で潜熱蓄熱材12の捕集、加温、融解を行ない、潜熱蓄熱材ポンプ34により潜熱蓄熱槽本体4に戻すことができるため、この場合も、運転には何等支障は生じない。
【0056】
本図示例によれば、蓄熱や放熱とは関係なく、熱媒油14循環のために潜熱蓄熱槽本体4と熱供給側16a側或は熱利用側16bの熱交換器17とを継ぐ管路19,20,21内に固体状の潜熱蓄熱材12が滞留しないようにすることができると共に、管路35の上流端に21に潜熱蓄熱材12の溜りとなる槽本体32を有する潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31を設けて潜熱蓄熱材12を槽本体32に溜め、加温することできる。このため、この潜熱蓄熱材12を融解して潜熱蓄熱槽本体4内に戻すことができると共に、潜熱蓄熱槽本体4内に充填される潜熱蓄熱材12が減少することを防止でき、延いては潜熱蓄熱材12の熱容量の減少を防止することができるため、経済的にも有利である。
【0057】
図3、図4は本発明の潜熱蓄熱材処理設備の実施の形態の他の例であり、図1、図2に示す例と異なるところは、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置31の槽本体32に適用する加温装置33を、槽本体32内下部に装備するようにした、ジャケットの代わりの電気式等の投げ込みヒータとした点である。斯かる構成とした場合の運転の手順は、図1、図2の場合と同様であり、作用効果も図1、図2の場合と同様である。
【0058】
なお、本発明の潜熱蓄熱材処理設備においては、潜熱蓄熱材捕集加温融解装置の槽本体には温度検出器を設ける場合について説明したが、温度検出器は設けず、例えば制御器にタイマを内蔵しておき、レベル検出器のセンサ本体がオンになって加温装置がオンになり、且つ、潜熱蓄熱材の加温が開始されて所定時間経過した後に、潜熱蓄熱材ポンプを起動するようにもできること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
4 潜熱蓄熱槽本体
5 熱媒油供給管路
6 熱媒油回収管路
12 潜熱蓄熱材
14 熱媒油
16a 熱供給側
16b 熱利用側
17 熱交換器(熱交換手段)
19 管路
20 管路
21 管路
24 車両
31 潜熱蓄熱材捕集加温融解装置
32 槽本体
33 加温装置
34 潜熱蓄熱材ポンプ(潜熱蓄熱材送給手段)
35 管路
41 レベル検出器
43 制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両により熱供給側と熱利用側との間を輸送し得るようにした潜熱蓄熱装置の、内部に潜熱蓄熱材及び熱媒油を貯留し得るようにした潜熱蓄熱槽本体と、
該潜熱蓄熱槽本体からの熱媒油を加熱する熱供給側、或は、前記潜熱蓄熱槽本体からの熱媒油により加熱される熱利用側に設けられた熱交換手段と、
前記潜熱蓄熱槽本体内の熱媒油回収管路及び熱媒油供給管路と熱交換手段とをカップリング継手を介して内部に熱媒油が循環するよう接続された潜熱蓄熱槽外の管路と、
該管路の所定位置に設けられた潜熱蓄熱材捕集加温融解装置と、
該潜熱蓄熱材捕集加温融解装置に接続されて加温により融解された液状の潜熱蓄熱材を前記潜熱蓄熱槽本体に戻す、潜熱蓄熱材送給手段を有する管路と、
を備えたことを特徴とする潜熱蓄熱材処理設備。
【請求項2】
潜熱蓄熱材捕集加温融解装置は、
下部に熱媒油が導入されるようにした管路が接続されると共に、上部に熱媒油が導出されるようにした管路が接続された槽本体と、
該槽本体の下部に接続した熱媒油を導入するための管路よりも下方において槽本体に捕集された潜熱蓄熱材を加温する加温装置とを備え、
槽本体の下部には、熱媒油に同伴されて槽本体に捕集され加温により融解した液状の潜熱蓄熱材を導出して潜熱蓄熱槽本体へ戻すための管路が接続されている請求項1に記載の潜熱蓄熱材処理設備。
【請求項3】
槽本体に捕集された潜熱蓄熱材の上面を検出するレベル検出器と、
前記槽本体に捕集された潜熱蓄熱材の温度を検出する温度検出器と、
レベル検出器で検出された潜熱蓄熱材の面が所定の高さになったら加温装置にオンの指令を与え、温度検出器で検出された潜熱蓄熱材の温度が所定の温度に達したら潜熱蓄熱材送給手段に起動指令を与える制御器を備えた
請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材処理設備。
【請求項4】
槽本体に捕集された潜熱蓄熱材の上面を検出するレベル検出器を備え、
レベル検出器で検出された潜熱蓄熱材の面が所定の高さになったら加温装置にオンの指令を与え、加温装置がオンになって所定時間経過したら潜熱蓄熱材送給手段に起動指令を与える制御器を備えた請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材処理設備。
【請求項5】
潜熱蓄熱材送給手段は潜熱蓄熱材ポンプである請求項1乃至4の何れかに記載の蓄熱材処理設備。
【請求項6】
加温装置は、電気ヒータジャケット、蒸気ヒータジャケツト、投げ込みヒータのうち任意の一つ或は二つ以上の組み合わせである請求項1乃至5の何れかに記載の潜熱蓄熱材処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−112567(P2012−112567A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261181(P2010−261181)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(591043581)東京都 (107)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)