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潤滑グリース組成物
説明

潤滑グリース組成物

【課題】 摩擦係数が低く、優れた潤滑特性を有する潤滑グリース組成物を提供すること。
【解決手段】 基油と増ちょう剤を含む潤滑グリース組成物において、該増ちょう剤が、(a)炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩、及びヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の金属塩、及び(b)炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、銅塩、ヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、及び銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第2の金属塩を含むことを特徴とする潤滑グリース組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑グリース組成物に関し、特に金属部材同士の潤滑箇所に使用するのに適した潤滑グリース組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
部材同士の可動部、特に金属部材同士の可動部の接触面において、部材同士の摩擦力の低下や摩耗を防止する目的で潤滑グリース組成物が使用されている。
グリース組成物には、より優れた摩擦低減効果が常に求められており、従来は基油の選定、極圧剤や油性剤等の摩擦力低減効果を有する添加剤が使用されている(例えば、非特許文献1)。
また、増ちょう剤としてリチウム石けんを使用したグリース組成物が多数知られている(例えば、非特許文献2)。しかし、リチウム石けん以外の金属石けんとしては、ナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん等が挙げられるが、鉄石けん、銅石けんを増ちょう剤として使用したグリース組成物は知られていない。鉄石けんを潤滑性向上剤として使用した例は報告されているが(例えば、特許文献1)、リチウム石けんに、鉄石けん、銅石けんを併用した例は報告されていない。
【0003】
【特許文献1】米国特許第2375650号
【非特許文献1】潤滑グリースと合成潤滑油、星野道男、渡嘉敷通秀、藤田稔、幸書房
【非特許文献2】Manufacture and application of LUBRICATING GREASES、C.J.BONER、REIHOLD PUBLISHING CORPORATION
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、摩擦係数が低く、優れた潤滑特性を有する潤滑グリース組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の潤滑グリース組成物を提供するものである。
1.基油と増ちょう剤を含む潤滑グリース組成物において、該増ちょう剤が、
(a)炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩、及びヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の金属塩、及び
(b)炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、銅塩、ヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、及び銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第2の金属塩を含むことを特徴とする潤滑グリース組成物。
2.第1の金属塩:第2の金属塩のモル比が、97:3〜50:50である上記1記載の潤滑グリース組成物。
3.第1の金属塩が、ステアリン酸リチウム又はヒドロキシステアリン酸リチウムである上記1又は2記載の潤滑グリース組成物。
4.第2の金属塩が、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、ヒドロキシステアリン酸鉄又はヒドロキシステアリン酸銅である上記1〜3のいずれか1項記載の潤滑グリース組成物。
5.金属部材同士の潤滑箇所に使用される上記1〜4のいずれか1項記載の潤滑グリース組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の潤滑グリース組成物は、摩擦係数が低く、特に金属部材同士の潤滑に好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のグリース組成物に使用される基油は、特に制限されない。通常グリースの基油として使用される合成油、鉱油、動植物油等が使用できる。
合成油としては、ジエステル、ポリオールエステルに代表されるエステル系合成油、ポリαオレフィン、ポリブテンに代表される合成炭化水素油、アルキルジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールに代表されるエーテル系合成油、シリコーン油、フッ素化油など各種合成油が挙げられる。
【0008】
本発明のグリース組成物に使用される増ちょう剤は、(a)炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩、及びヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の金属塩、及び(b)炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、銅塩、ヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、及び銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第2の金属塩を含む。炭素原子数10以上の脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が、ヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸としては、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシラウリル酸、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシベヘン酸、ヒドロキシリグノセリン酸等が挙げられる。
第1の金属塩対第2の金属塩のモル比は、好ましくは97:3〜50:50であり、さらに好ましくは95:5〜70:30である。第2の金属塩の割合が上記範囲より少ないと本発明の所期の摩擦低減効果の発現が不充分な傾向があり、上記範囲より多いとグリースに求められる適切な硬さが得られず、漏れやすくなるため、簡単なシール機構では使用できないという傾向がある。
【0009】
本発明のグリース組成物には必要に応じて種々の添加剤を添加することが出来る。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、錆止め剤、金属腐食防止剤、油性剤、耐摩耗剤、極圧剤、固体潤滑剤等が挙げられる。
本発明のグリース組成物は、上記各成分及びその他の添加剤を所望の配合割合で混合することにより容易に製造することができる。
【実施例】
【0010】
〔実施例1〜3、比較例1〜3〕
容器に基油(ペンタエリスリトール:40℃の動粘度33.2mm/s)と所定量の12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び第2の金属塩(ステアリン酸鉄又はステアリン酸銅)を入れ、230℃まで加熱して溶解させた後、室温まで冷却した。さらに適量のポリオールエステルを加えてちょう度を調整し、得られた混合物を、三段ロールミルにて、均一に分散してグリース組成物を得た。
【0011】
これらのグリースにつき、図1に示す玉−平面型滑り接触試験機を用い、以下の条件で摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
上部試験片 SUJ2軸受鋼球(HV780)
下部試験片 鋼:S45C焼きなまし材(HV:180)
銅:(HV:105.9)
アルミニウム:(HV:66.9)
荷重 19.6N
温度 100℃、150℃
測定時間 10分
滑り速度 3.1mm/s(境界潤滑条件下)
【0012】
【表1】

【0013】
Li-(12OH)St:12−ヒドロキシステアリン酸リチウム
Fe-St3:ステアリン酸鉄
Cu-St2:ステアリン酸銅
括弧内の数字はモル比を表す。
【0014】
12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに、ステアリン酸鉄又はステアリン酸銅を併用した実施例1〜3のグリース組成物は、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム単独の比較例1と比較して、摩擦係数が顕著に低減していることがわかる。なお、ステアリン酸鉄又はステアリン酸銅を単独で使用した比較例2及び3ではグリースとして漏れない程度の硬さが得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】玉−平面型滑り接触試験機の概略を示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基油と増ちょう剤を含む潤滑グリース組成物において、該増ちょう剤が、
(a)炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩、及びヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸のリチウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の金属塩、及び
(b)炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、銅塩、ヒドロキシル基を有する炭素原子数10以上の脂肪酸の鉄塩、及び銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の第2の金属塩を含むことを特徴とする潤滑グリース組成物。
【請求項2】
第1の金属塩:第2の金属塩のモル比が、97:3〜50:50である請求項1記載の潤滑グリース組成物。
【請求項3】
第1の金属塩が、ステアリン酸リチウム又はヒドロキシステアリン酸リチウムである請求項1又は2記載の潤滑グリース組成物。
【請求項4】
第2の金属塩が、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、ヒドロキシステアリン酸鉄又はヒドロキシステアリン酸銅である請求項1〜3のいずれか1項記載の潤滑グリース組成物。
【請求項5】
金属部材同士の潤滑箇所に使用される請求項1〜4のいずれか1項記載の潤滑グリース組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2006−16459(P2006−16459A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194128(P2004−194128)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年4月16日、トライボロジー会議予稿集 東京2004−5に掲載 平成16年5月10日、日本トライボロジー会議2004春東京で発表
【出願人】(000162423)協同油脂株式会社 (165)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】