説明

潤滑剤組成物とそれを用いた減速機ならびにそれを用いた電動パワーステアリング装置

【課題】長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられても、ちょう度が上昇して、潤滑基油が離油したり、離油した潤滑基油が漏れたりしない、新規な潤滑剤組成物と、前記潤滑剤組成物を用いた減速機、および電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】増ちょう剤として、リチウムステアレートを含む、少なくとも2種の増ちょう剤を併用した、混和ちょう度(25℃)が355以上の潤滑剤組成物と、微小粒子を含む前記潤滑剤組成物を充てんした減速機50と、前記減速機を組み込んだ電動パワーステアリング装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑剤組成物と、前記潤滑剤組成物を充填した減速機と、前記減速機を備えた電動パワーステアリング装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用の電動パワーステアリング装置(EPS)には、減速機が用いられる。例えば、コラム型EPSでは、電動モータの回転を、前記減速機において、ウォーム等の小歯車から、ウォームホイール等の大歯車に伝えることで、減速すると共に、出力を増幅した後、操舵軸に付与して、ステアリング操作をトルクアシストしている。前記小歯車と大歯車との噛み合いには、適度なバックラッシが必要である。しかし、例えば、前記両歯車の正逆回転時や、石畳み等の悪路を走行してタイヤからの反力が入力された際等に、バックラッシに起因して歯打ち音が発生する場合があり、それが、車室内に騒音として伝わると、運転者に不快感を与えることになる。
【0003】
そのため、従来は、適正なバックラッシとなるように、小歯車と大歯車との組み合わせを選別して減速機を組み立てる、いわゆる層別組み立てが採用されているが、層別組み立ての作業は手間がかかるため、減速機の生産性を向上できないという問題がある。また、ウォームホイールの軸の偏芯によって発生する操舵トルクのむらは、層別組み立てをしても、解消することができない。これらの問題は、電動パワーステアリング装置の減速機に限らず、小歯車と大歯車とを有する、一般の減速機においても存在する。
【0004】
そこで、特許文献1においては、ウォーム軸をウォームホイールヘ向けて偏倚可能に配設すると共に、前記ウォーム軸を、ばね体等の付勢手段を用いて、ウォームホイールヘ向けて偏倚させることで、実質的に、両者間のバックラッシを無くすようにした電動パワーステアリング装置の減速機が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、前記構成では、減速機の構造が複雑になり、製造コストがかさむという問題がある。
【0005】
減速機の構造には手を加えずに、歯打ち音を低減するため、前記減速機の、小歯車と大歯車の、少なくとも噛み合い部分を含む領域に、微小粒子を含む潤滑剤組成物を充てんすることが提案されている(特許文献2〜5参照)。例えば、特許文献2、3には、前記領域に、ゴム弾性を有するゴムや軟質樹脂によって形成された、微小粒子としての緩衝材粒子を含む潤滑剤組成物を充てんし、前記緩衝材粒子を、両歯車の歯面間に介在させて、緩衝材として機能させることで、歯打ち音を低減することが記載されている。
【0006】
また、特許文献4には、減速機の、共に金属で形成された歯面を有する小歯車と大歯車の、噛み合い部分を含む領域に、前記歯面を形成する金属より軟質の金属によって形成された、微小粒子としての軟質金属粉末を含む潤滑剤組成物を充てんし、前記軟質金属粉末を、小歯車と大歯車との噛み合いによって押し潰させて、両歯車の歯面に層状に付着させることで、両歯車間のバックラッシを適正化して、歯打ち音を低減することが記載されている。
【0007】
さらに、特許文献5には、減速機の、一方が樹脂、他方が金属で形成された歯面を有する小歯車と大歯車の、噛み合い部分を含む領域に、前記金属より軟らかく、かつ樹脂より硬い材料によって形成した微小粒子を含む潤滑剤組成物を充てんし、前記微小粒子の一部を、減速機を作動させた際の入力によって、自身より柔らかい樹脂製の歯面に食い込ませて、前記歯面に、微小粒子からなる多数の突起を形成することで、両歯車間のバックラッシを適正化して、歯打ち音を低減することが記載されている。
【特許文献1】特開2000−43739号公報(第0007欄〜第0009欄、図1)
【特許文献2】特開2003−214529号公報(請求項1、第0005欄〜第0006欄)
【特許文献3】特開2004−162018号公報(請求項1、第0009欄)
【特許文献4】特開2004−143263号公報(請求項1、第0006欄)
【特許文献5】特開2004−204044号公報(請求項1、第0006欄〜第0007欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
減速機用の潤滑剤としては、一般に、グリースが使用されることから、前記いずれかの微小粒子を含む潤滑剤組成物も、通常は、増ちょう剤を加えてグリース化して使用されることが多い。そして、微小粒子を含むグリース状の潤滑剤組成物においては、その流動性を向上させて、微小粒子を、小歯車と大歯車との噛み合い部分に、できるだけスムースに侵入させるために、通常のグリースよりも潤滑基油を多めに配合して、グリースの硬さの指標であるちょう度を、通常のグリースよりも高め(グリースを軟らかめ)に設定するのが一般的である。
【0009】
ところが、潤滑基油の配合量が多くなるほど、潤滑剤組成物から潤滑基油が離油したり、離油した潤滑基油が、減速機から漏れたりしやすくなるという問題がある。この問題は、微小粒子を含まない、通常の、グリース状の潤滑剤組成物のうち、ちょう度の高い潤滑剤組成物においても、同様に発生する。そこで、例えば、日本工業規格JIS K2220:2003「グリース」において規定される、25℃での混和ちょう度が355以上といった、ちょう度の高いグリース状の潤滑剤組成物においては、微小粒子を含む、含まないに拘らず、増ちょう剤として、潤滑基油の保持力に優れた、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤等を用いるのが一般的である。
【0010】
しかし、発明者が検討したところによると、前記カルシウムスルフォネート系増ちょう剤等を含む潤滑剤組成物は、例えば、前記潤滑剤組成物を充てんした減速機等を、繰り返し動作させることで、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられると、前記増ちょう剤による、潤滑基油を保持する機能が徐々に低下するため、ちょう度が上昇して、離油や漏れの問題を生じることが明らかとなった。本発明の目的は、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられても、ちょう度が上昇して、潤滑基油が離油したり、離油した潤滑基油が漏れたりしない、新規な潤滑剤組成物を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、微小粒子を含有した前記本発明の潤滑剤組成物を使用することによって、騒音が小さい上、潤滑基油が離油したり漏れたりしない減速機と、前記減速機を用いた電動パワーステアリング装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、潤滑基油と、増ちょう剤とを含む、混和ちょう度(25℃)が355以上の潤滑剤組成物であって、前記増ちょう剤として、リチウムステアレートを含む、少なくとも2種の増ちょう剤を併用したことを特徴とするものである。
【0013】
前記本発明において、リチウムステアレートは、潤滑剤組成物を減速機等に充てんする前の、初期の段階では、潤滑基油を保持するためには殆ど機能しないが、例えば、潤滑剤組成物を充てんした減速機等を、繰り返し動作させることで、繰り返し、応力が加えられると、徐々に、潤滑基油を保持するために機能するようになる。そのため、先に説明したように、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤等の、リチウムステアレートと併用される他の増ちょう剤による、潤滑基油を保持する機能が、前記応力を受けて、徐々に低下するのを補って、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、潤滑剤組成物のちょう度が上昇して、潤滑基油が離油したり、離油した潤滑基油が漏れたりするのを防止することができる。
【0014】
したがって、本発明によれば、減速機等に充てんする前の、初期の段階で、既に、混和ちょう度(25℃)が355以上という、高いちょう度を有しているにも拘らず、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられても、ちょう度が、前記初期値から上昇せず、離油や漏れの問題を生じない、新規な潤滑剤組成物を提供することができる。また、前記リチウムステアレートは、潤滑剤組成物の摺動特性を向上するためにも機能する。そのため、本発明の潤滑剤組成物によれば、減速機等を、繰り返し動作させた際に、摩擦による温度上昇を防止することもできる。
【0015】
本発明の潤滑剤組成物が、先に説明した各種の微小粒子を含有している場合には、前記潤滑剤組成物を、例えば減速機に使用することで、小歯車と大歯車との間で発生する歯打ち音に起因する、車室内での騒音を、低減することができる。前記微小粒子を含む、本発明の潤滑剤組成物における、リチウムステアレートの含有量は、先に説明した、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、潤滑剤組成物のちょう度が上昇して離油や漏れが発生するのを防止する効果や、潤滑剤組成物の摺動特性を向上させる効果を、より一層、良好に発揮させることを考慮すると、潤滑剤組成物の総量の0.5質量%以上であるのが好ましい。また、リチウムステアレートの含有量は、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、前記リチウムステアレートによる、潤滑基油を保持する働きが強くなりすぎて、潤滑剤組成物の混和ちょう度(25℃)が355未満になるのを防止することを考慮すると、潤滑剤組成物の総量の3質量%以下であるのが好ましい。
【0016】
リチウムステアレートと併用される、他の増ちょう剤としては、減速機等に充てんする前の、初期の段階での混和ちょう度(25℃)が355以上という、高いちょう度を有する潤滑剤組成物において、潤滑基油の保持力に優れるため、前記潤滑剤組成物を減速機等に充てんして使用を開始した直後から、リチウムステアレートによる、潤滑基油を保持する機能が十分に発揮されるまでの間、潤滑基油を保持して、離油や漏れが発生するのを防止する機能に優れた、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤が好ましい。
【0017】
本発明の減速機は、小歯車と大歯車とを備え、前記両歯車の噛み合い部分を含む領域に、微小粒子を含む本発明の潤滑剤組成物を充てんしたものであるため、バックラッシに起因する歯打ち音等の騒音を小さくできると共に、潤滑基油の離油や漏れを生じない点で好ましい。また、本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータの出力を、前記減速機を介して舵取機構に伝えるものであるため、車室内での騒音を、コスト安価に低減できる点で好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〈潤滑剤組成物〉
本発明の潤滑剤組成物は、潤滑基油と、増ちょう剤とを含む、混和ちょう度(25℃)が355以上の潤滑剤組成物であって、前記増ちょう剤として、リチウムステアレートを含む、少なくとも2種の増ちょう剤を併用したことを特徴とするものである。また、本発明の潤滑剤組成物は、例えば、減速機に使用した際に、小歯車と大歯車との間で発生する歯打ち音に起因する、車室内での騒音を、低減するための、微小粒子を含有しているのが好ましい。
【0019】
本発明で言う混和ちょう度とは、先に説明した、日本工業規格JIS K2220:2003「グリース」において規定される、測定温度25℃での混和ちょう度のことであり、前記混和ちょう度(25℃)が355以上に限定されるのは、混和ちょう度(25℃)が355以下の、潤滑基油が少ない、硬い潤滑剤組成物は、前記潤滑剤組成物を充てんした減速機等を、繰り返し動作させることで、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられても、潤滑基油が離油したり、離油した潤滑基油が漏れたりするおそれが殆どないためである。混和ちょう度(25℃)の上限は、特に限定されず、前記JIS K2220で規定される上限値である475まで含みうるが、潤滑基油の離油と、離油した潤滑基油の漏れとを、より確実に防止することを考慮すると、前記の範囲内でも、特に、430以下であるのが好ましい。
【0020】
(潤滑基油)
潤滑基油としては合成炭化水素油(例えばポリαオレフィン油)が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や、鉱油等を用いることもできる。潤滑基油の動粘度は5〜200mm2/s(40℃)、特に、20〜100mm2/s(40℃)であるのが好ましい。
【0021】
(増ちょう剤)
本発明においては、先に説明したように、増ちょう剤として、リチウムステアレート(ステアリン酸リチウム)を含む、少なくとも2種の増ちょう剤が併用される。増ちょう剤として、リチウムステアレートを含む、少なくとも2種の増ちょう剤を併用することによって、先に説明したように、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、潤滑剤組成物のちょう度が上昇して離油や漏れが発生するのを防止すると共に、潤滑剤組成物の摺動特性を向上して、減速機等を、繰り返し動作させた際に、摩擦による温度上昇を防止することができる。
【0022】
リチウムステアレートの含有量は、潤滑剤組成物の総量の0.5〜3質量%であるのが好ましい。含有量が、前記範囲未満では、リチウムステアレートによる、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、潤滑剤組成物のちょう度が上昇して離油や漏れが発生するのを防止する効果や、潤滑剤組成物の摺動特性を向上させる効果が、十分に得られないおそれがある。また、含有量が、前記範囲を超える場合には、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、前記リチウムステアレートによる、潤滑基油を保持する働きが強くなりすぎて、潤滑剤組成物の混和ちょう度(25℃)が355未満になるおそれがある。
【0023】
なお、リチウムステアレートの含有量は、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、潤滑剤組成物のちょう度が上昇して離油や漏れが発生するのを防止する効果や、潤滑剤組成物の摺動特性を向上させる効果を、さらに向上させることを考慮すると、前記範囲内でも、特に、1質量%以上であるのが好ましい。また、長期間に亘って、繰り返し、応力が加えられた際に、前記リチウムステアレートによる、潤滑基油を保持する働きが強くなりすぎて、潤滑剤組成物の混和ちょう度(25℃)が355未満になるのを、より確実に防止することを考慮すると、前記範囲内でも、特に、2質量%以下であるのが好ましい。
【0024】
リチウムステアレートと併用される、他の増ちょう剤としては、減速機等に充てんする前の、初期の段階での混和ちょう度(25℃)が355以上という、高いちょう度を有する潤滑剤組成物において、潤滑基油の保持力に優れるため、前記潤滑剤組成物を減速機等に充てんして使用を開始した直後から、リチウムステアレートによる、潤滑基油を保持する機能が十分に発揮されるまでの間、潤滑基油を保持して、離油や漏れが発生するのを防止する効果に優れた、種々の増ちょう剤が、いずれも使用可能であり、特に、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤が好ましい。カルシウムスルフォネート系増ちょう剤は、潤滑剤組成物中で生成される繊維状粒子が非常に小さいことから、前記初期の段階での、潤滑基油の保持力に、特に優れている。
【0025】
カルシウムスルフォネート系増ちょう剤としては、例えば、カルシウムスルフォネートを必須成分とし、それに、(i) 炭酸カルシウム、(ii) カルシウム・ジベヘネート、カルシウム・ジステアレート、カルシウム・ジヒドロキシステアレート等の高級脂肪酸カルシウム塩、(iii) 酢酸カルシウム等の低級脂肪酸カルシウム塩、および(iv) ホウ酸カルシウム等から選択される少なくとも1種のカルシウム塩を組み合わせたものが挙げられる。
【0026】
カルシウムスルフォネート系増ちょう剤の含有量は、潤滑剤組成物の総量の、0.3〜10質量%であるのが好ましい。含有量が、前記範囲未満では、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤による、潤滑剤組成物を減速機等に充てんして使用を開始した直後から、リチウムステアレートによる、潤滑基油を保持する機能が十分に発揮されるまでの間、潤滑基油を保持して、離油や漏れが発生するのを防止する効果が、十分に得られないおそれがある。また、含有量が、前記範囲を超える場合には、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤による、潤滑基油を保持する働きが強すぎて、潤滑剤組成物を、減速機等に充てんする前の、初期の段階での混和ちょう度(25℃)が355未満になるおそれがある。
【0027】
なお、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤の含有量は、リチウムステアレートによる、潤滑基油を保持する機能が十分に発揮されるまでの間、潤滑基油を保持して、離油や漏れが発生するのを防止する効果を、さらに向上させることを考慮すると、前記範囲内でも、特に、0.5質量%以上であるのが好ましい。また、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤による、潤滑基油を保持する働きが強すぎて、潤滑剤組成物を、減速機等に充てんする前の、初期の段階での混和ちょう度(25℃)が355未満になるのを、より確実に防止することを考慮すると、前記範囲内でも、特に、7質量%以下であるのが好ましい。増ちょう剤としては、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、前記2種以外の他の金属石けん系の増ちょう剤や、あるいは無機系、有機系の非石けん系増ちょう剤を少量、併用してもよい。
【0028】
(微小粒子)
微小粒子としては、減速機の、小歯車と大歯車との噛み合い部分に介在することで、減速機の騒音を低減する機能を有する、種々の微小粒子を用いることができる。前記微小粒子は、小歯車と大歯車の材質の組み合わせによって、下記の3種に分類される。
(1) 両歯車の一方が樹脂、他方が金属である場合に用いる緩衝材粒子。
(2) 同じく両歯車の一方が樹脂、他方が金属である場合に用いる、金属製の歯面より軟らかく、かつ樹脂製の歯面より硬い材料からなる微小粒子。
(3) 両歯車がともに金属である場合に用いる、金属製の歯面より軟質の金属からなる軟質金属粉末。
【0029】
このうち(1)の、小歯車と大歯車との噛み合い部分に介在して、両歯車の歯面同士の衝突を緩衝することによって、歯打ち音を減少させる機能を有する緩衝材粒子としては、ゴム弾性を有する種々の、ゴムや軟質樹脂からなるものが、いずれも使用可能であり、前記ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム(U)等が挙げられる。また、軟質樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等が挙げられる。また、例えばオレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系等の耐油性の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
【0030】
緩衝材粒子の平均粒径D1は、50μm<D1≦300μmであるのが好ましい。平均粒径D1が50μm以下では、小歯車と大歯車との噛み合いの衝撃を緩衝して歯打ち音を低減する効果に限界があり、車室内での騒音を、大幅に低減できないおそれがある。また、平均粒径D1が300μmを超える場合には、電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生したりするおそれがある。なお、緩衝材粒子の平均粒径は、歯打ち音を低減する効果を、さらに向上させることを考慮すると、前記範囲内でも、特に、100μm以上であるのが好ましい。また、操舵トルクの上昇や摺動音の発生を、より確実に防止することを考慮すると、前記範囲内でも、特に、200μm以下であるのが好ましい。
【0031】
緩衝材粒子の含有量は、潤滑剤組成物の総量の、5〜50質量%であるのが好ましい。含有量が、前記範囲未満では、緩衝材粒子による、小歯車と大歯車との噛み合い部分に介在して衝撃を吸収し、それによって歯打ち音を減少させることで、車室内での騒音を低減する効果が、十分に得られないおそれがある。また、含有量が、前記範囲を超える場合には、電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生して、却って、車室内での騒音が大きくなったりするおそれがある。なお、緩衝材粒子の含有量は、歯打ち音を低減する効果を、さらに向上することを考慮すると、前記範囲内でも、特に、20質量%以上であるのが好ましい。また、操舵トルクの上昇や摺動音の発生を、より確実に防止すること考慮すると、前記範囲内でも、特に、40質量%以下であるのが好ましい。
【0032】
(2)の微小粒子は、減速機を作動させると、その入力によって、一部が、小歯車と大歯車のうち、自身より軟らかい樹脂製の歯面に食い込んで、歯面から一部を突出させた状態で固定されることによって、前記歯面に、多数の突起を形成する。そして、この突起によってバックラッシを適正化して、歯打ち音を減少させることで、車室内での騒音を低減する働きをする。前記微小粒子としては、組み合わせる金属製の歯面より軟らかく、かつ、樹脂製の歯面より硬い、有機および無機の種々の材料によって形成したものを用いることができる。しかし、微小粒子からなる突起と、金属製の歯面との衝突時に騒音が発生したり、突起が、金属製の歯面を傷つけたり、あるいは、突起が簡単に割れたり潰れたりするのを防止することを考慮すると、微小粒子は、特に、弾性や靭性に優れた樹脂によって形成するのが好ましい。
【0033】
例えば、樹脂製の歯面を、樹脂歯車の材料として一般的な、ポリアミド系の樹脂(未強化品)によって形成する場合は、微小粒子を、前記ポリアミド系の樹脂よりも硬く、しかも、金属製の歯面よりも軟らかい樹脂によって形成すればよい。その具体例としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の、いわゆるエンジニアリングプラスチック類や、熱硬化性樹脂の硬化物等が挙げられる。なお、硬さは、例えば、ロックウェル硬さによって規定することができる。
【0034】
微小粒子の平均粒径は、10〜200μmであるのが好ましい。平均粒径が、前記範囲未満では、樹脂製の歯面に形成される突起の高さが低すぎて、バックラッシを適正化する効果が、十分に得られないおそれがあり、逆に、前記範囲を超える場合には、微小粒子が、潤滑剤組成物から分離しやすくなって、均一な潤滑剤組成物が得られないおそれがある。
【0035】
また、微小粒子は、組み合わせる小歯車と大歯車とのバックラッシのばらつきに、柔軟に対応することや、樹脂製の歯面に固定されなかった余剰の微小粒子によって、小歯車と大歯車との噛み合い部分を隙間なく埋めて、歯打ち音を低減すること等を考慮すると、粒径の分布が単分散でなく、ある程度の粒度分布を有していることが好ましい。すなわち、減速機の作動による入力によって、微小粒子のうち、比較的粒径の大きいものは、樹脂製の歯面に食い込んで、突起を形成するが、粒径の小さいものは、固定されずに、形成された突起の隙間を埋めて、歯打ち音をさらに低減する働きをする。
【0036】
微小粒子の形状は、種々、選択できるが、樹脂製の歯面への食い込みやすさや、食い込んだ後の突起の形状、あるいは、潤滑剤組成物の流動性等を考慮すると、特に、球状または粒状であるのが好ましい。微小粒子の含有量は、潤滑剤組成物の総量の5〜50質量%であるのが好ましい。含有量が、前記範囲未満では、微小粒子による、突起を形成してバックラッシを適正化する効果が、十分に得られないおそれがあり、逆に、前記範囲を超える場合には、潤滑剤組成物の流動性が低下して、潤滑剤として機能できなくなるおそれがある。
【0037】
(3)の軟質金属粉末は、潤滑初期には、小歯車と大歯車との噛み合い部分に、あらかじめ、介在することによって、また、それ以降は、小歯車と大歯車との噛み合いによって押しつぶされて、両歯車の金属製の歯面に、層状に付着することによって、それぞれ、バックラッシを適正化して、減速機の騒音を低減する働きをする。前記軟質金属粉末としては、組み合わせる金属製の歯面よりも軟質である、種々の金属や合金からなるものを、用いることができる。その具体例としては、例えば、歯面が、鉄、鋼等である場合、青銅、銅、錫、亜鉛、銀、金、アルミニウム等の粉末が挙げられる。軟質金属粉末は、電解法、粉砕法、アトマイズ法等の、従来公知の種々の方法によって、製造することができる。
【0038】
軟質金属粉末の平均粒径は、5〜150μmであるのが好ましい。平均粒径が、前記範囲未満では、特に、潤滑初期に、小歯車と大歯車との噛み合い部分に介在して、バックラッシを適正化する効果が、十分に得られないおそれがあり、逆に、150μmを超える場合には、軟質金属粉末が、潤滑剤組成物から分離しやすくなって、均一な潤滑剤組成物が得られないおそれがある。
【0039】
軟質金属粉末の含有量は、潤滑剤組成物の総量の5〜50質量%であるのが好ましい。含有量が、前記範囲未満では、軟質金属粉末による、潤滑初期に、小歯車と大歯車との噛み合い部分に介在して、バックラッシを適正化する効果や、その後、金属製の歯面に層状に付着して、バックラッシを適正化する効果が、いずれも十分に得られないおそれがあり、逆に、前記範囲を超える場合には、潤滑剤組成物の流動性が低下して、潤滑剤として機能できなくなるおそれがある。
【0040】
本発明の潤滑剤組成物には、必要に応じて、固体潤滑剤(二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等)、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤等を添加してもよい。
【0041】
〈減速機および電動パワーステアリング装置〉
図1は、本発明の、一実施形態にかかる電動パワーステアリング装置の、概略断面図である。また、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図1を参照して、この例の電動パワーステアリング装置においては、ステアリングホイール1を取り付けている入力軸としての第1の操舵軸2と、ラックアンドピニオン機構等の舵取機構(図示せず)に連結されている、出力軸としての第2の操舵軸3とが、トーションバー4を介して、同軸的に連結されている。
【0042】
第1および第2の操舵軸2、3を支持するハウジング5は、例えば、アルミニウム合金からなり、車体(図示せず)に取り付けられている。ハウジング5は、互いに嵌め合わされるセンサハウジング6と、ギヤハウジング7とによって構成されている。具体的には、ギヤハウジング7は、筒状をなし、その上端の環状縁部7aが、センサハウジング6の下端外周の環状段部6aに嵌め合わされている。ギヤハウジング7には、減速機構としてのウォームギヤ機構8が収容され、センサハウジング6には、トルクセンサ9、制御基板10等が収容されている。ギヤハウジング7にウォームギヤ機構8を収容することで、減速機50が構成されている。
【0043】
ウォームギヤ機構8は、第2の操舵軸3の軸方向中間部に、一体回転可能で、かつ、軸方向移動が規制されたウォームホイール12と、このウォームホイール12と噛み合わされていると共に、電動モータMの回転軸32に、スプライン継手33を介して連結されているウォーム軸11(図2参照)とを備えている。このうち、ウォームホイール12は、第2の操舵軸3に、一体回転可能に結合された、環状の芯金12aと、芯金12aの周囲を取り囲んで外周面部に歯が形成された、合成樹脂部材12bとを備えている。芯金12aは、例えば、合成樹脂部材12bの樹脂成形時に、金型内にインサートされる。そして、このインサートした状態での樹脂成形によって、芯金12aと合成樹脂部材12bとが結合、一体化されている。第2の操舵軸3は、ウォームホイール12を軸方向の上下に挟んで配置される、第1および第2の転がり軸受13、14によって、回転自在に支持されている。
【0044】
第1の転がり軸受13の外輪15は、センサハウジング6の下端の筒状突起6b内に設けられた軸受保持孔16に嵌め入れられて、保持されている。また、外輪15は、その上端面が、環状の段部17に当接されることで、センサハウジング6に対する軸方向上方への移動が規制されている。一方、第1の転がり軸受13の内輪18は、第2の操舵軸3に、締まりばめによって嵌め合わされている。また、内輪18の下端面は、ウォームホイール12の芯金12aの上端面に当接されている。
【0045】
第2の転がり軸受14の外輪19は、ギヤハウジング7の軸受保持孔20に嵌め入れられて、保持されている。また外輪19は、その下端面が、環状の段部21に当接されることで、ギヤハウジング7に対する、軸方向下方への移動が規制されている。一方、第2の転がり軸受14の内輪22は、第2の操舵軸3に、一体回転可能で、かつ、軸方向の相対移動が規制された状態で、取り付けられている。また、内輪22は、第2の操舵軸3の段部23と、第2の操舵軸3のねじ部に締め込まれるナット24との間に挟持されている。
【0046】
トーションバー4は、第1および第2の操舵軸2、3を貫通している。トーションバー4の上端4aは、連結ピン25により、第1の操舵軸2と一体回転可能に連結され、下端4bは、連結ピン26により、第2の操舵軸3と一体回転可能に連結されている。第2の操舵軸3の下端は、図示しない中間軸を介して、先に説明したように、ラックアンドピニオン機構等の舵取機構に連結されている。連結ピン25は、第1の操舵軸2と同軸に配置される第3の操舵軸27を、第1の操舵軸2と一体回転可能に連結している。第3の操舵軸27は、ステアリングコラムを構成するチューブ28内を貫通している。
【0047】
第1の操舵軸2の上部は、例えば、針状ころ軸受からなる第3の転がり軸受29を介して、センサハウジング6に回転自在に支持されている。第1の操舵軸2の下部の縮径部30と、第2の操舵軸3の上部の孔31とは、第1および第2の操舵軸2、3の相対回転を、所定の範囲に規制するように、回転方向に所定の遊びを設けて、嵌め合わされている。
【0048】
図2を参照して、ウォーム軸11は、ギヤハウジング7によって保持される第4および第5の転がり軸受34、35によって、それぞれ、回転自在に支持されている。第4および第5の転がり軸受34、35の内輪36、37は、ウォーム軸11の、対応するくびれ部に嵌合されている。外輪38、39は、ギヤハウジング7の軸受保持孔40、41に、それぞれ保持されている。ギヤハウジング7は、ウォーム軸11の周面の一部に対して、径方向に対向する部分7bを含んでいる。
【0049】
ウォーム軸11の一端部11aを支持する第4の転がり軸受34の外輪38は、ギヤハウジング7の段部42に当接して位置決めされている。一方、内輪36は、ウォーム軸11の位置決め段部43に当接されることによって、他端部11b側への移動が規制されている。また、ウォーム軸11の、他端部11b(継手側端部)の近傍を支持する第5の転がり軸受35の内輪37は、ウォーム軸11の位置決め段部44に当接されることによって、一端部11a側への移動が規制されている。
【0050】
外輪39は、予圧調整用のねじ部材45によって、第4の転がり軸受34側へ付勢されている。ねじ部材45は、ギヤハウジング7に形成されるねじ孔46にねじ込まれることで、一対の転がり軸受34、35に予圧を付与すると共に、ウォーム軸11を、軸方向に位置決めしている。47は、予圧調整後のねじ部材45を止定するため、当該ねじ部材45に係合されるロックナットである。
【0051】
ギヤハウジング7内において、ウォーム軸11とウォームホイール12の噛み合い部分Aを少なくとも含む領域には、先に述べた微小粒子を分散した、本発明の潤滑剤組成物が充てんされる。すなわち、潤滑剤組成物は、噛み合い部分Aのみに充てんされてもよいし、噛み合い部分Aとウォーム軸11の周縁全体に充てんされてもよいし、ギヤハウジング7内全体に充てんされてもよい。
【0052】
なお、本発明は、図1、2の実施形態には限定されない。例えば、前記実施形態では、微小粒子として、(1)の緩衝材粒子、または(2)の微小粒子を使用するため、先に説明したように、金属製のウォーム軸11と、合成樹脂部材12bの外周面部に歯を形成したウォームホイール12とが、組み合わせて使用されていたが、(3)の軟質金属粉末を使用する場合は、その全体が金属で形成されたウォームホイール12が、金属製のウォーム軸11と組み合わせて使用される。また、本発明の減速機の構成は、電動パワーステアリング装置以外の他の装置用の、減速機に適用することができる等、本発明の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で、種々の変形を施すことができる。
【実施例】
【0053】
〈実施例1〉
潤滑基油としての合成炭化水素油〔PAO8グレード、動粘度48mm2/s(40℃)〕と、緩衝材粒子としての、平均粒径150μmのポリウレタン樹脂の粒子と、増ちょう剤としての、リチウムステアレート、およびカルシウムスルフォネート系増ちょう剤とを配合し、加熱下で混合した後、冷却してゲル化させ、さらにミリング処理して、潤滑剤組成物を調製した。カルシウムスルフォネート系増ちょう剤としては、石油系スルホン酸カルシウムスルフォネートと、炭酸カルシウム、カルシウム・ジヒドロキシステアレート、酢酸カルシウム、およびホウ酸カルシウムの4種のカルシウム塩とのコンプレックスを用いた。
【0054】
潤滑剤組成物の総量中の、各成分の含有量は、ポリウレタン樹脂の粒子が30質量%、リチウムステアレートが2質量%、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤が5質量%、残量が合成炭化水素油であった。また、先に説明した、日本工業規格JIS K2220:2003「グリース」に所載の測定方法によって測定した、潤滑剤組成物の混和ちょう度(25℃)は400であった。
【0055】
〈比較例1〉
リチウムステアレートを配合せず、その分だけ、合成炭化水素油の配合量を増加させたこと以外は、実施例1と同様にして、潤滑剤組成物を調製した。潤滑剤組成物の混和ちょう度(25℃)は400であった。
【0056】
〈評価試験〉
実施例1、比較例1で調製した潤滑剤組成物を、図1、2に示す電動パワーステアリング装置の減速機50に充てんした。減速機50のウォームギヤ機構8としては、鉄系の金属製のウォーム軸11と、合成樹脂部材12bがポリアミド樹脂系の樹脂で形成されたウォームホイール12とを組み合わせたものを用いた。
【0057】
そして、電動パワーステアリング装置を動作させながら、前記電動パワーステアリング装置に連結したステアリングホイール1を、正位置から左へ540°回転させた後、正位置に戻し、次いで、正位置から右へ540°回転させた後、正位置に戻す操作を1サイクルとして、連続して、10万サイクル繰り返す耐久試験を行った。
【0058】
前記耐久試験後に、減速機50から潤滑剤組成物を取り出して、前記と同様にして、潤滑剤組成物の混和ちょう度(25℃)を測定したところ、比較例1は、混和ちょう度(25℃)が450まで上昇しており、離油も確認された。しかし、実施例1は、混和ちょう度(25℃)が、逆に385まで低下しており、離油も確認されなかった。また、前記耐久試験後に、減速機50のハウジング5の温度を測定したところ、比較例1は、60℃まで上昇していたが、実施例1は45℃までしか上昇していなかった。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の、一実施形態にかかる電動パワーステアリング装置の、概略断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0060】
A 噛み合い部分
M モータ
11 ウォーム軸(小歯車)
12 ウォームホイール(大歯車)
50 減速機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑基油と、増ちょう剤とを含む、混和ちょう度(25℃)が355以上の潤滑剤組成物であって、前記増ちょう剤として、リチウムステアレートを含む、少なくとも2種の増ちょう剤を併用したことを特徴とする潤滑剤組成物。
【請求項2】
微小粒子を含有している請求項1記載の潤滑剤組成物。
【請求項3】
リチウムステアレートの含有量が、潤滑剤組成物の総量の0.5〜3質量%である請求項2記載の潤滑剤組成物。
【請求項4】
リチウムステアレートと、カルシウムスルフォネート系増ちょう剤とを併用した請求項2記載の潤滑剤組成物。
【請求項5】
小歯車と大歯車とを備え、前記両歯車の噛み合い部分を含む領域に、請求項2記載の潤滑剤組成物を充てんしたことを特徴とする減速機。
【請求項6】
操舵補助用のモータの出力を、請求項5記載の減速機を介して減速して、舵取機構に伝えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−145952(P2007−145952A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340579(P2005−340579)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【出願人】(000162423)協同油脂株式会社 (165)
【Fターム(参考)】