説明

潮解性物質を含むフレグランス含有組成物

【課題】トップノートを形成するフレグランスが、皮膚への長い付着を有するエタノール性フレグランス組成物を提供すること。
【解決手段】
A) 組成物の合計重量を基準として、45〜99質量%のエタノール、
B) 一種以上のフレグランス、
C) 水、
D) (i)一種以上の潮解性物質
を含み、又はこれらからなる組成物により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特別なエタノール性フレグランス組成物(フレグランス混合物)、エタノール性フレグランス組成物で特別な効果を得るための潮解性物質の使用、本発明のエタノール性フレグランス組成物の調製方法、及びエタノール性フレグランス組成物(その中に、潮解性物質が使用されている)で特別な効果を得るための方法、並びにヒトの皮膚に香りを伝達、増進又は改良する方法に関する。本発明の特別な局面は皮膚及び/又は毛髪へのエタノール性フレグランス組成物の付着の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
特にファイン香料調合における、フレグランスセクタでは、エタノール性フレグランス組成物(特に香料、オードトワレ(EdT)等)が皮膚に適用される場合、一般に存在するエタノール及び/又は水の蒸発が特に易揮発性トップノートの損失をもたらし、一方、低揮発性ノートは皮膚への優れた付着を示し、皮膚から放出され、それ故、時間の長期にわたってそれらの香りに関して認められることが一般に知られている。トップノートの一層迅速な蒸発のために、その結果として、皮膚に適用されたエタノール性フレグランス組成物の香りプロフィールの経時の著しい変化がある。エタノール性フレグランス組成物が(ヒトの)毛髪に適用される場合に、同様の効果が生じる。これに関して、特にエタノール性フレグランス組成物(フレグランス混合物)がリーブ-オン製品として使用され、即ち、時間の延長された期間にわたって皮膚及び/又は毛髪に留まり、それらから放出されるべきである場合に、記載された不利な効果が問題として経験されることが注目されるべきである。(エタノール性)フレグランス組成物が短期の嗅覚効果を得るためにのみ使用される場合、特に易揮発性トップノートの損失は当然にそれ程問題ではない。
本明細書の範囲内で、付着、付着性及び直接性は皮膚及び毛髪へのフレグランスの付着、特にヒトの皮膚((口の)粘膜を除く)への付着であると理解される。それ故、本発明はまたエタノール性フレグランス組成物の適用に関して(口の)粘膜に関するが、局面皮膚((口の)粘膜を除く)及び/又は毛髪(特にヒトの皮膚)に関する本発明の重要性ははるかに大いに妥当であることが注目されるべきである。何とならば、エタノール性フレグランス組成物が(口の)粘膜に適用される場合、負の蒸発効果が洗い去り効果(口の粘膜の領域で、例えば、唾液の影響により支持される)により一般に失われ、支配されるからである。
【0003】
香料の通例では、多くの試みが特にヒトの皮膚におけるエタノール性フレグランス組成物のトップノートの特に付着性又は知覚性を延長し、それ故、或る種の嗅覚“プロフィール安定性”を得るために既になされていた。
例えば、所謂定着剤の使用、即ち、蒸発速度を低下するために一層易揮発性のフレグランス又はフレグランス混合物に添加される個々の物質又は(フレグランス)物質の組み合わせの使用が度々記載されている(米国特許第6,737,396号を参照のこと)。
IP.COM#000033581D(2005年1月に公表)に、ヒドロキシアルキル尿素誘導体、特にヒドロキシエチル尿素の使用が記載されており、それにより皮膚及び毛髪への化粧適用における香料、特に水性エタノール性製剤の付着性が延長される。
米国特許第3,939,099号は水/エタノール混合物に溶解し、フレグランス(混合物)と混和性であるフィルム形成剤の使用を記載している。挙げられている例は水溶性ポリマーのイオン誘導体及びノニオン誘導体、例えば、ポリビニルピロリドン誘導体、50,000から1,000,000までの範囲の分子量を有する四級ポリビニルピロリドン、カチオンのセルロース誘導体等を含む。エタノールの蒸発中に、フィルムが皮膚の上に形成し、そのフィルム中にフレグランスが埋め込まれている。
米国特許第6,210,688号は皮膚における無臭ポリマーフィルム(ビニルエーテルコポリマー、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリエステル、ポリフルオロカーボン、多糖をベースとする)の形成及び使用を記載しており、続いてそれに香料が適用される。皮膚との“反応”がそれにより抑制されると言われている。
【0004】
FR 2 747 306はポリマー状炭化水素(3000から30,000までの分子量を有するポリエチレン)の使用を記載している。このようなポリマーはエタノール/水に不溶性であるので、相当する製品、例えば、オーデコロン、EdT又はオーデパーヒュームは、濁っている。
WO 2004/098556は増大された表面張力又は適用後の減少された接触面積により区別され、有効量のポリマーの使用により得られる新規な噴霧可能かつ透明な香料製剤を記載している。一層小さい接触面積のために、エタノールの蒸発後に残る香料油が一層小さい面積で濃縮され、それからフレグランスが一層遅く蒸発する。
フィルム形成剤及び/又はポリマーはそれらがトップノートだけでなく、全てのその他の低揮発性フレグランスの蒸発速度を低下し、総合の強さの著しい低下をもたらすという欠点を有する。更に、フィルム形成剤は皮膚の上の粘着性又は張りの不快な感触を生じ得る。
EP 0 181 401及びEP 0 857 481は特に易揮発性フレグランスの拡散、ひいてはまた蒸発が減少されるゲル状香料製剤を記載している。しかしながら、提案されたゲル形成は特にファイン香料(ファインフレグランス)セクタに適さない。何となれば、このような製剤は噴霧可能ではないからである。加えて、ゲル状製剤は易揮発性フレグランス(トップノート)の蒸発だけでなく、低揮発性ベースノートの蒸発に影響し、これが総合で香り強さ(インパクト)の低下に認められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、本発明の主たる目的は、使用されるフレグランス、特に易揮発性フレグランス、特にかおりのトップノートを形成するフレグランスが、特に(ヒトの)皮膚(粘膜を除く皮膚を意味する)への長い(通常のフレグランス組成物と較べて延長された)付着を有する(オルタナチブ)エタノール性フレグランス組成物を提供することであった。従来知られていたフレグランス組成物の上記欠点がそれにより可能なかぎり回避される。
提供されるエタノール性フレグランス組成物は所望の様式で(特に易揮発性の)フレグランスの付着に影響するが、それ以外にエタノール性フレグランス組成物の感覚特性に効果を有しないか、又は極めて小さく、それ故、耐えられる効果を有するにずぎない一種以上の添加剤を含むことが好ましい。
提供されるエタノール性フレグランス組成物は透明かつ/又は噴霧可能であることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その主たる目的は本発明によれば
A) 組成物の合計重量を基準として、45〜99質量%のエタノール、
B) 一種以上のフレグランス、
C) 水、
D) (i)一種以上の潮解性物質
を含み、又はこれらからなる組成物により達成される。本発明の組成物において、組成物中の成分A)、B)、C)及びD)の合計の比率は好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上である。
本発明の組成物は特に
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚(ここではまた(口の)粘膜ではないヒトの皮膚を意味する)への、特にトップノートの延長された付着、
−ヒトの皮膚への適用後の延長された期間にわたって殆ど一定に留まる香りの印象(これに関して下記の実施例を参照のこと)、
−ヒトの皮膚への適用後の一層大きい影響
により区別される。
本明細書の範囲内で、“潮解性物質”は、純粋な、固体状態で、十分な大気の水分で空気中で液化する物質であると理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
成分D)中で、(i)一種以上の潮解性物質が一種以上の塩である本発明の組成物が好ましい。
従って潮解性塩の使用が好ましい。潮解性塩は遊離の、固体状態で空気中で大気の水分の吸収により十分な大気の水分で液化する。
本発明の組成物において、成分A)(エタノール)及び成分D)の量は成分D)が濁らないで組成物に完全に溶解されるように選ばれることが好ましい。
成分D)(i)がグループGから選ばれた一種以上の潮解性塩を含み、
そのグループGが炭酸水素アンモニウム、三クエン酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、ギ酸アンモニウム、塩化アンモニウムマグネシウム、プロピオン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、ヨウ化バリウム、臭化バリウム、塩化バリウム、チオシアン酸バリウム、硝酸バリウム、ヨウ化セシウム、塩化セシウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、フッ化セシウム、臭化カルシウム、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、チオシアン酸カルシウム、二酢酸コバルト、二臭化コバルト、二塩素酸コバルト、二過塩素酸コバルト、二ヨウ化コバルト、二臭化銅、二塩素酸銅、二過塩素酸銅、フルオロケイ酸銅、二硝酸銅、塩素酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、サリチル酸リチウム、硫化リチウム、酢酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩素酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、二塩化マンガン、ヨウ化カリウム、ギ酸カリウム、水酸化カリウム、過塩素酸銀、過塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムフェノラート、次亜リン酸ナトリウム、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウム、チオ炭酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、四臭化チタン、三塩化チタン、過塩素酸亜鉛、塩化亜鉛及びチオシアン酸亜鉛からなる群である本発明の組成物が好ましい。
【0008】
好ましい潮解性塩(グループGからの)は炭酸水素アンモニウム、三クエン酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、ギ酸アンモニウム、塩化アンモニウムマグネシウム、プロピオン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、ヨウ化セシウム、塩化セシウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、フッ化セシウム、臭化カルシウム、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、チオシアン酸カルシウム、二硝酸銅、塩素酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、サリチル酸リチウム、硫化リチウム、酢酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩素酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、二塩化マンガン、ヨウ化カリウム、ギ酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、ナトリウムフェノラート、次亜リン酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素酸亜鉛、塩化亜鉛及びチオシアン酸亜鉛である。
特に好ましい潮解性塩(グループGからの)は炭酸水素アンモニウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウムマグネシウム、プロピオン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化セシウム、フッ化セシウム、臭化カルシウム、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、二硝酸銅、塩化リチウム、臭化リチウム、酢酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カリウム及び塩化亜鉛である。
最も好ましい潮解性塩(グループGからの)は塩化カルシウム、硝酸カルシウム、二硝酸銅、塩化リチウム及び塩化マグネシウム、特に塩化カルシウム及び硝酸カルシウムである。
更に、上記の好ましいグループGはまた夫々の場合の成分塩化リチウムが夫々の好ましいグループに含まれない場合に特に更に好ましい。
更に、フェノールスルホン酸亜鉛は本発明の範囲内の潮解性塩と見なされない。
【0009】
本発明の組成物(特に、好ましいと上記された形態の一つの)の調製のための本発明の方法において、
A) 45〜99質量%のエタノール、
B) 一種以上のフレグランス(特に易揮発性フレグランス)、
C) 水、
D) (i)一種以上の潮解性物質及び/又は(ii)一緒になって得られるコンパウンド中で潮解性物質をin situ生成する2種以上の化合物、及び
必要により更なる成分が混合される。質量%はここでは再度混合後に得られる組成物の合計重量を基準とする。
本明細書の範囲内で、“一緒になって得られるコンパウンド中で潮解性物質をin situ生成する2種以上の化合物”は本発明の組成物への混入中又は混入後に潮解性塩を一緒になって生成する化合物である。
それ故、別型(ii)によれば、例えば、in situで潮解性塩を生成する化合物、例えば、塩化アンモニウム及びプロピオン酸カルシウムを使用することが可能であり、これらは、成分A)、B)及びC)(及び必要により更なる成分(以下を参照のこと)、特に成分E)及びF))との混合後に、溶液中に存在し、それによりその溶液がその後に塩化カルシウムだけでなく、プロピオン酸アンモニウムを形式的に含むと解し得る。
成分D)は、特に潮解性塩が使用され、又はin situで生成される場合に、完全に溶解された形態で本発明の組成物中に存在することが好ましい。
【0010】
本発明者ら自体の知見によれば、本発明の組成物の成分D)の有効性(即ち、特に潮解性塩の有効性)は使用される一種以上の潮解性物質が純粋な、固体状態で如何に潮解性であるかに依存する。本発明者ら自体の研究によれば、成分D)の潮解性が顕著である程、本発明のエタノール性フレグランス組成物の記載された効果が顕著である。特に、潮解性が増大するにつれて、皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への次第に改良された付着(特にトップノートの)が観察された。
使用される潮解性物質(特に潮解性塩)の量と記載された効果の強さの間の比例関係がまた観察された。特に、添加された潮解性塩の量が2倍にされた場合、本発明の組成物の効果、特に皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚(即ち、(口の)粘膜ではない)への改良された付着(特にトップノートの)がまた殆ど2倍になることが見られた。
本発明の組成物(特に好ましいと上記された形態の一つの)において、成分D)は有効量、即ち、成分D)が
−特に本発明の組成物の適用直後の、フレグランス、特に易揮発性フレグランス(特にトップノート)の蒸発の減少;これは特に水性-エタノール性組成物の適用直後のエタノール/水の蒸発により通常運び去られる(易揮発性)フレグランスについて真である。低揮発性フレグランスの蒸発の認められる減少はこの効果と関連しない;これは水性-エタノール性組成物中の成分D)の不在下でさえも多少一定の蒸発を示すフレグランスについて真である;
−経時の香りプロフィールの安定化、即ち、少なくとも実質的に一定の香りプロフィールが延長された期間にわたって得られる;
−嗅覚の影響(香りの認められる強さ)の経時の増大又は安定化;これは嗅覚の影響(香りの認められる強さ)が時間の長い期間にわたって減少されず、又は認められる程に減少されないことを意味する;夫々の特別な場合に本発明の組成物中に使用される成分D)の濃度に応じて、その影響が時間の多少長い期間にわたって増大される;
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への、組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の付着の延長、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚における、組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の拡散性(空間効果)の増大又は延長、
−快適な皮膚の感覚の伝達
からなる効果の群から選ばれた一種以上の効果を組成物中でもたらす量で存在することが好ましい。
【0011】
本発明の組成物は皮膚及び/又は毛髪にフィルムを後に残さず、それ故、迷惑として経験されないことが好ましい。適用直後(即ち、乾燥後)に、本発明の組成物は一般に最早目視できない(例外:毛髪ケアー剤、例えば、ヘアースプレー(フィルム形成が望ましい))。
要するに、本発明の組成物は従ってフレグランス混合物のトップノートの特に良好な付着並びにトップノートの延長され、かつ/又は増進された影響、観察されないハートノート又はベースノートの少ないこと、又は認められる程度まで少なくとも観察されないことを有する組成物である。
A)50〜98.5質量%、好ましくは60〜95質量%の、エタノール、及び/又は
B)0.1〜35質量%、好ましくは0.5〜25質量%の、フレグランス混合物(2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含む)、及び/又は
C)0.5〜40質量%、好ましくは0.5〜25質量%の、水、及び/又は
D)0.5〜20質量%、好ましくは2〜12質量%、更に好ましくは3〜8質量%の、一種以上の潮解性塩
を含む、好ましくは好ましいと上記された形態の一つの、本発明の組成物が好ましい。
質量%は夫々の場合に組成物の合計重量を基準とする。成分A)、B)、C)及びD)について記載された好ましい質量%は同時に調節されることが好ましい。
本発明の組成物(特に好ましいと先に特徴づけられた形態の一つの)は付加的な成分として:
E)必要によりグリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、フタル酸ジエチル及び/又は6〜12個の炭素原子を有する直鎖アルカンジオールを含み得る。
【0012】
本発明の特に好ましい組成物は
A)60〜95質量%のエタノール、
B)1〜25質量%のフレグランス混合物(2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含む)、
C)1〜22質量%の水、
D)2〜12質量%、好ましくは3〜8質量%の、一種以上の潮解性塩(好ましくは、好ましいと先に特徴づけられた一種以上の塩)、及び
E)必要によりグリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、フタル酸ジエチル及び/又は6〜12個の炭素原子を有する直鎖アルカンジオール
を含み、又はこれらからなる。質量%は夫々の場合に組成物の合計重量を基準とする。
任意の一種以上の成分E)グリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、フタル酸ジエチル及び/又は6〜12個の炭素原子を有する直鎖アルカンジオール(特に1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール及び1,2-オクタンジオール並びにこれらの混合物)は、6質量%までの量で、特に本発明の組成物の例としてのアフターシェーブ中に、存在し得る。任意の一種以上の成分E)グリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール及び/又は1,2-オクタンジオールは可溶化剤として作用することができ、その結果、望ましくない濁り及び/又は分離が抑制される。
本発明の組成物は噴霧し得る(噴霧可能な)透明な、真の溶液からなる群からの性質の一つ、二つ又は全てを有することが好ましい。それ故、本発明の組成物は透明であり、かつ/又は真の溶液であり、かつ/又は噴霧し得る(噴霧可能である)ことが好ましい。
本発明の組成物(特に好ましいと先に特徴づけられた形態の一つの)の成分B)はアルファ-ピネン、ベータ-ピネン、リモネン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、オクタナール、ユーカリプトール(1,8-シネオール)、ローズオキサイド、3-ヘキセノール、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メントン、イソメントン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、3-ヘキセニルメチルカーボネート、ベンズアルデヒド、リナロオール、リナリルアセテート、カリオフィレン、エチルリナロオール、シトラール、ネラール、ゲラニアール、ベンジルアルコール、p-アニスアルデヒド、メントール、ヘキシルアセテート、シトロネロール、ネロール、ゲラニオール及び2-フェニルエチルアルコールからなる群からの一種以上のフレグランスを含むことが好ましい。記載されたフレグランスが使用される場合、上記効果が特に顕著である。
【0013】
成分B)の記載された好ましいフレグランスは、適当な場合には、それらの夫々のジアステレオ異性体、鏡像体及び/又は二重結合異性体の形態であってもよい。例えば、それらは(E)/(Z)異性体の形態、鏡像体のあらゆる所望の混合物の形態、特にラセミ体の形態、又は相当するジアステレオ異性体のあらゆる所望の混合物の形態であってもよい。
本発明の好ましい組成物は成分B)として、
i) 夫々が1.333Pa以上の25℃における蒸気圧を有する一種以上のフレグランスを含み、又はそれらからなるトップノート
を含み、又はそれからなる、2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含むフレグランス混合物を含む。
それ故、本発明の組成物の成分B)は特に易揮発性(1.333Pa以上の25℃における蒸気圧)であり、トップノートを形成し、又はトップノートの成分である少なくとも一種のフレグランスを含むことが好ましい。本明細書の範囲内で、易揮発性フレグランスは一般に1.333Pa(これは約0.01トルに相当する)以上の25℃における蒸気圧を有する知覚活性物質であると理解されるが、トップノート又はトップノートの成分として、2.000Pa(これは約0.015トルに相当する)以上の蒸気圧を有する易揮発性フレグランスを使用すること、特に2.666Pa(これは約0.02トルに相当する)以上の蒸気圧(夫々の場合に25℃における)を有するフレグランスを使用することが頻繁に有利である。
以下に記載される、フレグランス、又はこれらの混合物が使用された場合、上記効果が特に顕著であり、それ故、これらのフレグランスが本発明の範囲内で最も好ましい:
アルファ-ピネン、D-リモネン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、オクタナール、ユーカリプトール(1,8-シネオール)、シス-ローズオキサイド、トランス-ローズオキサイド、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、d-メントン、l-メントン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、(Z)-3-ヘキセニルメチル-カーボネート、リナロオール、リナリルアセテート、シトラール、ネラール、ゲラニアール、l-メントール、ラセミのメントール、酢酸ヘキシル、シトロネロール及び2-フェニルエチルアルコール。
【0014】
成分B)が
i) 夫々が1.333Pa以上の25℃における蒸気圧を有する一種以上のフレグランスを含み、又はそれらからなるトップノート、及び
ii) 夫々が1.333Pa未満の25℃における蒸気圧を有する一種以上のフレグランス
を含み、又はそれらからなる、2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含むフレグランス混合物である本発明の組成物が好ましい。
それ故、本発明の特に好ましい組成物において、低揮発性フレグランスがトップノートに加えて存在する。
成分B)が
i) 夫々が1.333Pa以上の25℃における蒸気圧を有する2、3、4、5、6種又はそれ以上のフレグランスを含み、又はそれらからなるトップノート、及び
ii) 夫々が1.333Pa未満の25℃における蒸気圧を有する2、3、4、5、6種又はそれ以上のフレグランス
を含み、又はそれらからなる、2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含むフレグランス混合物である本発明の組成物が好ましい。
成分A)、B)、C)、D)及び必要によりE)に加えて、本発明の組成物は付加的な成分として、即ち、成分A)、B)、C)、D)及びE)に関する上記定義のもとに包括し得ない成分として、
F) 酸化防止剤(例えば、BHT(p-tert.-ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(p-tert.-ブチルヒドロキシアニソール)、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェリルアセテート)、スキンケアー物質(アルファ-ビスアボロール、アラントイン、アロエベラ、パンテノール、カモミルエキス)、クエン酸、ビタミンC、UVフィルター、乳化剤、脂肪アルコール、C8-C30-脂肪酸アルキルエステル、着色剤からなる群からの一種以上の物質を更に含み得る。
【0015】
本発明の好ましい組成物において、成分F)は組成物の合計重量を基準として、わずかに2質量%以下の量で存在することが好ましい。
本発明の組成物は多くの香料入りの製品、特に化粧製品中に使用し得る。
本発明の組成物中に使用されることが好ましいフレグランスの幾つか、例えば、メントール、メントン、ユーカリプトール、リナロオール、アルファ-ピネンは通常のアルコール性の口のケアー製品(口の衛生製品)中で知覚活性物質として使用されることが注目されるべきである。しかしながら、本発明の主たる目的は、特に、フレグランス組成物が皮膚及び/又は毛髪から洗い去られない、リーブ-オン条件下で、皮膚及び/毛髪へのフレグランス混合物のトップノートの付着を改良することであったので、本発明の組成物は口のケアー製品(口の衛生製品)ではないことが好ましいことが理解されるであろう。こうして、例えば、下記の塩が通常の口の衛生製品中に頻繁に使用され、これらの塩は本発明の組成物中に存在しないことが好ましく、又は口の衛生製品で通常ではない濃度で存在する:
モノフルオロリン酸ナトリウム、二フッ化スズ、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ピロリン酸スズ、二塩化スズ、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、Cu塩、アルカリフッ化物、例えば、フッ化Na、アルカリ土類フッ化物、フッ化アンモニウム。
本発明の組成物はスズ塩及び/又は亜鉛塩及び/又は銅塩(二硝酸銅を除く)及び/又はアルカリフッ化物及び/又はアルカリ土類フッ化物を完全に含まないことが特に好ましい。記載された塩のいずれもが本発明の組成物中に存在しないことが特に好ましい。
加えて、口の衛生組成物は風味料、例えば、メントール、メントン及びユーカリプトールの存在のためにペパーミント、スペアミント又はユーカリの香り及び/又は味を頻繁に有する。本発明の好ましい組成物はこのような香り及び/又は味を有しない。
本発明の組成物はペパーミントオイル、スペアミントオイル及び/又はユーカリオイルを含まないことが好ましい。
【0016】
本発明の組成物は、エキス、オーデパーヒューム、オードトワレ、オーデコロン(夫々の場合に99質量%まで)、スプラッシュコロン、アフターシェーブ、デオドラント製剤、ヘアーセッティングローション、ヘアースプレー、ヘアーゲル(夫々の場合に50質量%まで)、フェースローション(70質量%まで)、ヘアーローション(75質量%まで)、手の消毒剤(99質量%まで)、フレッシェニングワイプのための液体及びエマルション(90質量%まで)からなる群から選ばれることが好ましい(好ましい最大エタノール含量が夫々の場合に括弧中に示される)。
本発明の組成物は所謂“リーブ-オン”製品、即ち、皮膚及び/又は毛髪に留まり、一般に洗い去られない製品であることが好ましい。それらは特にオーデパーヒューム、オードトワレ、オーデコロン及びアフターシェーブを含む。
加えて、本発明の組成物はまた、例えば、下記の(それ程好ましくないが)形態:デオドラントスプレー、ロール-オンデオドラント、ヘアースプレーの一つであってもよい。これらは“リーブ-オン”製品のようである。
本発明はまた
−特に適用直後の、エタノール性フレグランス組成物中のフレグランス、特に易揮発性フレグランスの蒸発を減少し、
−経時のエタノール性フレグランス組成物の香りプロフィールを安定化し、
−エタノール性フレグランス組成物の嗅覚の影響(香りの認められる強さ)を経時に増大又は安定化し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への、エタノール性フレグランス組成物のフレグランス、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の付着を延長し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚における、エタノール性フレグランス組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の拡散性(空間効果)を増大又は延長し、かつ/又は
−エタノール性フレグランス組成物の快適な皮膚の感覚を伝達又は増進するための薬剤としての潮解性物質(先に定義されたような、好ましくは特に好ましいと上記された潮解性物質)の使用に関する。
【0017】
本発明はまた
−特に適用直後の、エタノール性フレグランス組成物中のフレグランス、特に易揮発性フレグランスの蒸発を減少し、
−経時のエタノール性フレグランス組成物の香りプロフィールを安定化し、
−エタノール性フレグランス組成物の嗅覚の影響(香りの認められる強さ)を経時に増大又は安定化し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への、エタノール性フレグランス組成物のフレグランス、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の付着を延長し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚における、エタノール性フレグランス組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の拡散性(空間効果)を増大又は延長し、かつ/又は
−エタノール性フレグランス組成物の快適な皮膚の感覚を伝達又は増進するための方法であって、
下記の工程:
A) 45〜99質量%のエタノール、
B) 一種以上のフレグランス、
C) 水、及び必要により更なる成分とともに
D) (i)一種以上の潮解性物質及び/又は(ii)一緒になって得られる組成物中で潮解性物質をin situ生成する2種以上の化合物、及び
必要により更なる成分
(質量%は混合後に得られる組成物の合計重量を基準とする)
を混合することを含むことを特徴とする上記方法に関する。
【0018】
本発明の組成物は簡単な様式で成分A)、B)、C)及びD)だけでなく、必要によりE)及びF)、又は成分A)〜D)だけでなく、必要によりE)及びF)、或いは必要により予備混合されてもよい成分A)、B)、C)及びD)だけでなく、必要によりE)及びF)の個々の成分を混合することにより調製し得る。個々の成分が互いに接触される順序は重要ではなく、変化し得る。
本発明はまた
−ヒトの皮膚に香りを伝達、増進又は改良し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への、エタノール性フレグランス組成物のフレグランス、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の付着を延長し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚における、エタノール性フレグランス組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の拡散性(空間効果)を増大又は延長し、かつ/又は
−エタノール性フレグランス組成物の快適な皮膚の感覚を伝達又は増進するための方法であって、
下記の工程:
−ヒトの皮膚への本発明の組成物(好ましくは、好ましいと上記された組成物)の適用
を含むことを特徴とする上記方法に関する。
下記の実施例中の部数及び%は夫々の場合に重量基準である。
【実施例】
【0019】
実施例1:使用される成分B)として本発明に従って使用されるトップノート
【0020】
【表1】

【0021】
実施例2
皮膚からの個々のフレグランスの蒸発速度のヘッドスペース分析
試験組成物
【0022】
【表2】

【0023】
マイクロリットルシリンジにより、香料製剤P1及びRef1(本発明によらない)夫々50μlを試験対象の前腕の特定面積(2.5x2.5cm)に適用した。
適用5分後に、個々のフレグランスの蒸発速度を動的ヘッドスペース方法により測定した。空気の特定の流れを前腕に取り付けられたベルジャーに通し、フレグランスを活性炭を含むサンプリングチューブへの吸着により濃縮した。濃縮を合計5時間行なった。サンプリングチューブを10分、15分、25分、40分、1時間、2時間、3時間、4時間及び5時間後に交換し、個々に分析した。
濃縮されたフレグランスをジエチルエーテルで溶離し、標準物質の添加後にGC/MSにより定量した。
【0024】
図1〜8中、時間の関数(時間、x軸)としての試験された夫々のフレグランスの絶対量(空気1リットル当りのμg数、y軸)をグラフ形態で示す。y軸は対数目盛を表わすことがこれらの図で注目されるべきである。本発明の組成物に関する結果を夫々の場合に●によりマークし、基準サンプルに関する結果を▲によりマークする。
図1〜5は例として本発明の組成物(P1)及び基準サンプル(Ref1)の適用後の、易揮発性フレグランスローズオキサイド(図1)、ユーカリプトール(図2)、メントン(図3)、リナロオール(図4)及びジヒドロミルセノール(図5)(これらは本発明に従って使用されることが好ましい)に関する蒸発曲線を示す。
図6〜8は例として低揮発性、即ち、不揮発性の、フレグランスシナムブラン(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフトール〔2,1-b〕フラン)(図6)、8-シクロヘキサデセノン(図7)及びセドロール(図8)に関する蒸発曲線を示す。
本発明の好ましい組成物(図1〜5)について、結果は全期間にわたって易揮発性フレグランス(トップノート)について著しく高いヘッドスペース濃度を示し、一方、低揮発性フレグランス(図6〜8)(これらの蒸発速度は全適用サイクルにわたって殆ど一定である)は、殆ど影響されないままである。
それ故、本発明の組成物において、特に易揮発性フレグランスの知覚性が延長され、増進される。
実施例3:オーデコロン
【0025】
【表3】

【0026】
組成物Ref2は比較例であり、本発明によらない。
強さの感覚評価
適用サイクル中の本発明の組成物P2及び相当する基準Ref2の強さを感覚パネルにより評価した。この目的のために、本発明の組成物P2を含むディスペンサーからの2回のスプレーを試験対象の一つの前腕に適用し、基準Ref2の2回のスプレーを別の前腕に適用した。
夫々の場合の香料(組成物)の強さを1時間、2時間、3時間及び4時間後に16人の訓練を受けたパネリストにより評価した。
表1は夫々の組成物の嗅覚の強さに関する16人のパネリストの評価を示す。




表1:
【0027】
【表4】

【0028】
実施例F1:デオドラントポンプスプレー
【0029】
【表5】

【0030】
クレモフォーRH40:ポリオキシエチレングリコールトリ-ヒドロキシステアレート40,ポリ(オキシエチレン)-40-水添ヒマシ油(BASF AG)
香料ベースB1は11質量%の酢酸ベンジル、5質量%の酢酸シクロヘキシル、3質量%のデカノール、4質量%のアミルシンナムアルデヒド、1質量%の3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト〔2,1-b〕-フラン(シナムブラン(DPG中10%))、9質量%のローズウッドオイル、4質量%のアリルカプロエート、10質量%のゲラニオール、4質量%の8-シクロヘキサデセノン、4質量%のオイゲノール、10質量%のメチルジヒドロジャスモネート(ヘジオン(登録商標))、12質量%のジャスミンアブソリュート、4質量%のイラン-イラン油、3質量%の2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール(リリアール(登録商標))、5質量%の2-メチル-5-フェニルペンタノール(ロザフェン)、4質量%の2-ヘプチルシクロペンタノン、3質量%のエチレンブラシレート、2質量%のジヒドロクマリン、1質量%のバニリンからなっていた。
実施例F2:エアロゾールポンプスプレー








【0031】
【表6】

【0032】
示された成分を均一にし、次いでその混合物60質量部をジメチルエーテル(噴射剤)40質量部を含むスプレー缶に導入した。
実施例F3:特に強い保持を有する非エアロゾールヘアースプレー
【0033】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】易揮発性フレグランスローズオキサイドに関する蒸発曲線を示す。
【図2】易揮発性フレグランスユーカリプトールに関する蒸発曲線を示す。
【図3】易揮発性フレグランスメントンに関する蒸発曲線を示す。
【図4】易揮発性フレグランスリナロオールに関する蒸発曲線を示す。
【図5】易揮発性フレグランスジヒドロミルセノールに関する蒸発曲線を示す。
【図6】低揮発性フレグランスシナムブラン(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフトール〔2,1-b〕フラン)に関する蒸発曲線を示す。
【図7】低揮発性フレグランス8-シクロヘキサデセノンに関する蒸発曲線を示す。
【図8】低揮発性フレグランスセドロールに関する蒸発曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A) 組成物の合計重量を基準として、45〜99質量%のエタノール、
B) 一種以上のフレグランス、
C) 水、
D) (i)一種以上の潮解性物質
を含み、又はこれらからなる組成物。
【請求項2】
組成物中の成分A)、B)、C)及びD)の合計の比率が95質量%以上、好ましくは98質量%以上である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分D)中の(i)一種以上の潮解性物質が一種以上の塩である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
成分D)(i)がグループGから選ばれた一種以上の潮解性塩を含み、
グループGが炭酸水素アンモニウム、三クエン酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、ギ酸アンモニウム、塩化アンモニウムマグネシウム、プロピオン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、ヨウ化バリウム、臭化バリウム、塩化バリウム、チオシアン酸バリウム、硝酸バリウム、ヨウ化セシウム、塩化セシウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、フッ化セシウム、臭化カルシウム、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、チオシアン酸カルシウム、二酢酸コバルト、二臭化コバルト、二塩素酸コバルト、二過塩素酸コバルト、二ヨウ化コバルト、二臭化銅、二塩素酸銅、二過塩素酸銅、フルオロケイ酸銅、二硝酸銅、塩素酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、サリチル酸リチウム、硫化リチウム、酢酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩素酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、二塩化マンガン、ヨウ化カリウム、ギ酸カリウム、水酸化カリウム、過塩素酸銀、過塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムフェノラート、次亜リン酸ナトリウム、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウム、チオ炭酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、四臭化チタン、三塩化チタン、過塩素酸亜鉛、塩化亜鉛及びチオシアン酸亜鉛からなる群である、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
グループGが塩化カルシウム、硝酸カルシウム、二硝酸銅、塩化リチウム及び塩化マグネシウムからなる群である、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
成分D)が組成物中に完全に溶解されている、請求項1から5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
成分D)が有効量で組成物中に存在し、有効量は、成分D)が
−特に適用直後の、フレグランス、特に易揮発性のフレグランスの蒸発の減少、
−経時の香りプロフィールの安定化、
−嗅覚の影響(香りの認められる強さ)の経時の増大又は安定化、
−皮膚(即ち、(口の)粘膜ではない)及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への、組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の付着の延長、
−皮膚(即ち、(口の)粘膜ではない)及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚における、組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の拡散性(空間効果)の増大又は延長、
−快適な皮膚の感覚の伝達
からなる効果の群から選ばれた一種以上の効果を組成物中で奏する量である、請求項1から6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
A)50〜98.5質量%、好ましくは60〜95質量%の、エタノール、及び/又は
B)0.1〜35質量%、好ましくは0.5〜25質量%の、フレグランス混合物(2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含む)、及び/又は
C)0.5〜40質量%、好ましくは0.5〜25質量%の、水、及び/又は
D)0.5〜20質量%、好ましくは2〜12質量%、更に好ましくは3〜8質量%の、一種以上の潮解性塩、及び
E)必要によりグリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、フタル酸ジエチル及び/又は6〜12個の炭素原子を有する直鎖アルカンジオール
(質量%は組成物の合計重量を基準とする)
を含む、請求項1から7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
A)60〜95質量%のエタノール、
B)1〜25質量%のフレグランス混合物(2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含む)、
C)1〜22質量%の水、
D)2〜12質量%、好ましくは3〜8質量%の、一種以上の潮解性塩、及び
E)必要によりグリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、フタル酸ジエチル及び/又は6〜12個の炭素原子を有する直鎖アルカンジオール
(質量%は組成物の合計重量を基準とする)
を含み、又はこれらからなる請求項1から8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
組成物が噴霧し得る(噴霧可能な)、透明な、真の溶液からなる群からの性質の一つ、二つ又は全てを有する、請求項1から9のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
組成物の成分B)がアルファ-ピネン、ベータ-ピネン、リモネン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、オクタナール、ユーカリプトール(1,8-シネオール)、ローズオキサイド、3-ヘキセノール、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メントン、イソメントン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、3-ヘキセニルメチルカーボネート、ベンズアルデヒド、リナロオール、リナリルアセテート、カリオフィレン、エチルリナロオール、シトラール、ネラール、ゲラニアール、ベンジルアルコール、p-アニスアルデヒド、メントール、ヘキシルアセテート、シトロネロール、ネロール、ゲラニオール及び2-フェニルエチルアルコールからなる群からの一種以上のフレグランスを含む、請求項1から10のいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
成分B)が
i) 夫々が1.333Pa以上の25℃における蒸気圧を有する一種以上のフレグランスを含み、又はそれらからなるトップノート
を含み、又はそれからなる、2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含むフレグランス混合物である、請求項1から11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
成分B)が
i) 夫々が1.333Pa以上の25℃における蒸気圧を有する一種以上のフレグランスを含み、又はそれらからなるトップノート、及び
ii) 夫々が1.333Pa未満の25℃における蒸気圧を有する一種以上のフレグランス
を含み、又はそれらからなる、2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含むフレグランス混合物である、請求項1から12のいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
成分B)が
i) 夫々が1.333Pa以上の25℃における蒸気圧を有する2、3、4、5、6種又はそれ以上のフレグランスを含み、又はそれらからなるトップノート、及び
ii) 夫々が1.333Pa未満の25℃における蒸気圧を有する2、3、4、5、6種又はそれ以上のフレグランス
を含み、又はそれらからなる、2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のフレグランスを含むフレグランス混合物である、請求項1から13のいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
F) 酸化防止剤、BHA、トコフェロール、スキンケアー物質、クエン酸、ビタミンC、UVフィルター、乳化剤、脂肪アルコール、C8-C30-脂肪酸アルキルエステル及び着色剤からなる群からの一種以上の物質を更に含む、請求項1から14のいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
成分F)が組成物の合計重量を基準として、2質量%以下の量で存在する、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
組成物がエキス、オーデパーフューム、オードトワレ、オーデコロン、スプラッシュコロン、アフターシェーブ、デオドラント製剤、ヘアーセッティングローション、ヘアースプレー、ヘアーゲル、フェースローション、ヘアーローション、手の消毒剤、液体及びフレッシェニングワイプのためのエマルションからなる群から選ばれる、請求項1から16のいずれか1項記載の組成物。
【請求項18】
−特に適用直後の、エタノール性フレグランス組成物中のフレグランス、特に易揮発性フレグランスの蒸発を減少し、
−経時のエタノール性フレグランス組成物の香りプロフィールを安定化し、
−エタノール性フレグランス組成物の嗅覚の影響(香りの認められる強さ)を経時に増大又は安定化し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への、エタノール性フレグランス組成物のフレグランス、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の付着を延長し、
−皮膚及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚における、エタノール性フレグランス組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の拡散性(空間効果)を増大又は延長し、かつ/又は
−エタノール性フレグランス組成物の快適な皮膚の感覚を伝達又は増進するための薬剤としての潮解性物質の使用。
【請求項19】
−請求項1から17のいずれか1項記載の組成物を調製し、
−特に適用直後の、エタノール性フレグランス組成物中のフレグランス、特に易揮発性フレグランスの蒸発を減少し、
−経時のエタノール性フレグランス組成物の香りプロフィールを安定化し、
−エタノール性フレグランス組成物の嗅覚の影響(香りの認められる強さ)を経時に増大又は安定化し、
−皮膚(即ち、(口の)粘膜ではない)及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚への、エタノール性フレグランス組成物のフレグランス、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の付着を延長し、
−皮膚(即ち、(口の)粘膜ではない)及び/又は毛髪、特にヒトの皮膚における、エタノール性フレグランス組成物、特に易揮発性フレグランス(トップノート)の拡散性(空間効果)を増大又は延長し、かつ/又は
−エタノール性フレグランス組成物の快適な皮膚の感覚を伝達又は増進するための方法であって、
下記の工程:
A) 45〜99質量%のエタノール、
B) 一種以上のフレグランス、
C) 水、
D) (i)一種以上の潮解性物質及び/又は(ii)一緒になって得られる組成物中で潮解性物質をin situ生成する2種以上の化合物、及び
必要により更なる成分
(質量%は混合後に得られる組成物の合計重量を基準とする)
を混合することを含むことを特徴とする上記方法。
【請求項20】
ヒトの皮膚上で、香りを伝達、増進又は改良するための方法であって、
下記の工程:
−ヒトの皮膚への請求項1から17のいずれか1項記載の組成物の適用
を含むことを特徴とする上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−1700(P2008−1700A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162562(P2007−162562)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】