説明

濃縮乳タンパク質成分及びそれからプロセスチーズを調製するための方法

濃縮乳タンパク質成分を調製するための方法であって:
膜ろ過リテンテートであるκカゼイン含有乳タンパク質を有する溶液を提供し;当該タンパク質溶液の二価イオン含量を、凝乳酵素による処理後に実体的にゲルが形成されない所定のレベルに調節し;食品等級の凝乳酵素を、溶液を維持する間、前記κカゼインがパラκカゼインに転換するのに十分な反応条件下で加え;前記酵素を失活させる又は除去して前記転換を終結させ、そして前記溶液を濃縮する、
段階を含んで成る方法である。生じる乳タンパク質濃縮物成分はチーズの生産において使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、チーズ製造において有用な濃縮乳タンパク質成分を調製するための方法に関連する。そしてまたかかる成分をチーズ様ゲルを調製するため並びにチーズ及びプロセスチーズを製造することにおいて成分として使用することに関連する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
組換え技術を使用することで、ホエー又は過剰の液体の放出をすることのない、チーズ及びチーズ様産物を生産する多くの方法が知られている。かかる方法によって調製される産物は完全組換体として知られている。様々な濃縮タンパク質が組換えチーズ製造において成分として使用されている。限外ろ過された乳(リテンテート(retentate))、乳タンパク質(MPC)及びリテンテート粉末は、チーズ及び組換えチーズの製造において使用されている成分である。完全組換えチーズを調製するために使用される乾燥成分の特徴とは、当該成分が水を組み込みにくいこと及び脂肪を伴う安定なエマルションを提供することである。レンネット処理された乳タンパク質は、チーズ生成物の質感及び脂肪をタンパク質−水エマルション中へと組み込む能力に影響を与えることが知られている。
【0003】
チーズを生産する一つの伝統的な方法は、凝乳酵素を、ゲルを作るために使用することである。キモシン(レンネット)は典型的に選定の酵素として使用される。チーズ乳に対するレンネットの効果は複雑である。簡潔に、レンネットなどのタンパク質分解酵素はκカゼインを修飾してパラκカラーギナンを生み出す。ゲル又はカードは酵素処理した乳を約20℃超の温度へ加熱することによって形成することができる。ほぼ全ての実用的な濃度で酵素処理した乳は、濃縮過程を損うゲルの形成を伴わずに効率的に濃縮することが困難である不利益を被る。
【0004】
濃縮の間の酵素ゲル化問題を解決することに対する主な技術的障害とは、所望の最終産物を形成できるようにするために、ゲル化特性が最終的に誘導されるかあるいは回復されなければならない、即ち、ゲル化特性が成分を調製する間にスイッチオフになり、そしてチーズ製造において使用される場合に必要なときに回復することを可能にするある方法が発見されることが必要である。
【0005】
酵素の作用によって形成されたゲルの特性は、乳中のカルシウムイオンの濃度によって影響を受けることがチーズ製造の当業界で知られている。結果的に、塩化カルシウムが天然チーズの調製において許容されており且つそうしなければカードゲル強度が不十分であるだろう場合に使用される。
【0006】
乳中、カルシウムはセラム層における可溶性形態とミセル層における不溶性形態(例えば複合体カゼインリン酸塩化合物)の間で分割されることも知られている。この二つの間では平衡が生じる。ジアフィルトレーションと組み合わせた限外ろ過は、有意な量の可溶性カルシウムをミルクから除去することができる。方法は、膜濃縮の間、処理の前又は間に乳又はリテンテートを酸性化することによって、もしくは塩の添加によって、もしくはクエン酸塩などのカルシウムキレート剤の添加によって(Bastian,Collinge及びErnstrom, 1991)、可溶性カルシウムの除去を高めることが知られている。これらの試薬を使用することには実際上且つ経済上の限界があり、もし必要とされるなら、レンネットの添加によりゲル化を完全に抑制するためである。ジアフィルトレーション透過物の程度が増加するにつれて、ジアフィルトレーション浸透物の値、又は廃棄コストは増加し、そして特にカルシウムの除去を促すために加えられた剤との組み合わせた場合特に増加する。
【0007】
カゼイン酸ナトリウムの溶液がレンネットで処理された場合、ゲルが形成されないことが知られている。しかし、ゲルはカルシウムの添加及び熱の適用によって形成される(Varnam及びSutherland,1994)。少なくとも33%のコロイド状リン酸カルシウムを除去するために十分なカルシウム封鎖剤の例えば、クエン酸塩又はEDTAによるスキムミルクの処理は、レンネットがスキムミルクにゲルを形成させる能力を除去する。しかし、ゲルは、カルシウム塩の組み込みによって誘導されて良い(Udabaga, McKinnon及びAugstin, 2001)。
【0008】
Poarch(US4,202,907)はこれらの現象を利用する方法を開示する。レンネット化した乳タンパク質溶液におけるゲル形成を抑制する方法は、カルシウムの除去によって達成される。いくらか後の段階でカルシウムを組み込むことは、レンネット化した処理された乳タンパク質のゲル化特性を回復する。Poarchは、後の使用のための成分としてゲル化を伴わずに乾燥させたレンネット化カゼイン酸ナトリウムを生産した。この成分は水、可溶性ナトリウム塩及びひき肉(ソーセージバター)と混合された。加熱することにより、ソーセージ中で脂肪及び水分を維持するゲルが形成され且つ他は調理過程の間に肉生成物を形成した。
【0009】
凝乳酵素の添加後にゲル化しない乾燥チーズ成分を形成することが望ましく、それは効率的に乾燥され且つカルシウムイオンの添加が有無で、加熱を伴い水を添加することによって、ゲルを形成するように再構築されて良い。
【0010】
本発明の目的は、この特に必要な事項を達成すること又は少なくとも公共上有用な選択を提供することである。
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
本発明の一つの観点は、濃縮乳タンパク質成分を調製するための方法であって:
膜ろ過リテンテートであるκカゼイン含有乳タンパク質を有する溶液を提供し;
当該タンパク質溶液の二価イオン含量を、凝乳酵素による処理後に実体的にゲルが形成されない所定のレベルに調節し;
食品等級の凝乳酵素を、溶液を維持する間、前記κカゼインがパラκカゼインに転換するのに適切な反応条件下で加え;
前記酵素を失活させる又は除去して前記転換を終結させ、そして
前記溶液を濃縮する、
段階を含んで成る方法である。
【0012】
一つの実施態様において、他のタンパク質が前記タンパク質溶液に加えられるかあるいは存在する。
【0013】
好適に、前記他のタンパク質は、前記二価イオン含有物を調節する前に、前記乳タンパク質溶液に加えられる。
【0014】
好適に、前記二価イオンはカルシウムイオンである。
【0015】
好適に、前記二価イオン含量は、食品等級の陽イオン交換体を使用する陽イオン交換によって調節される。
【0016】
代わりに、前記二価イオン含量は、食品等級の一価陽イオン源の添加によって調節される。
【0017】
好適に、前記一価陽イオンは、カリウム、ナトリウム又は水素である。
【0018】
好適に、前記食品等級酵素はレンネットである。
【0019】
一つの実施態様において、前記二価陽イオン含量は、スキムミルクにおける量から少なくとも25%減っている。
【0020】
他の実施態様において、前記二価イオン含量は、スキムミルクにおける量から少なくとも30、40、50、60、70、80、90又は100%減っている。
【0021】
好適に、前記κカゼインは、パラκカゼインへpH4.5〜7.5の範囲において0〜70℃の範囲の温度で転換される。
【0022】
他の実施態様において、前記転換は10、20、30、40、50又は60℃の温度である。
【0023】
一つの実施態様において、脂肪又は食用油は前記乳タンパク質溶液に加えられる。
【0024】
一つの実施態様において、前記脂肪はクリームである。
【0025】
他の実施態様において、前記脂肪は乳脂肪である。
【0026】
他の実施態様において、前記乳は前乳である。
【0027】
他の実施態様において、前記方法はバッチ方法である。
【0028】
他の実施態様において、前記方法は連続方法である。
【0029】
更なる実施態様において、前記方法はバッチ方法と連続方法の組み合わせである。
【0030】
一つの実施態様において、前記方法は、プロセスチーズを形成するために濃縮溶液を加熱する更なる段階を含む。
【0031】
他の実施態様において、前記方法は前記濃縮溶液とチーズ製造成分を、前記加熱段階の前又は間に組み合わせる段階を含む。
【0032】
他の実施態様において、前記方法は、前記濃縮乳タンパク質溶液を乾燥する更なる段階を含む。
【0033】
前記方法は、前記乾燥溶液を熱水で再水和させそして混合してチーズを形成する更なる段階を含みうる。
【0034】
一つの実施態様において、前記水は混合前に加熱される。
【0035】
代わりの実施態様において、前記水は混合の間又は後に加熱される。
【0036】
一つの実施態様において、前記水は30℃〜100℃に加熱される。
【0037】
一つの実施態様において、前記再水和水はカルシウムを含む。
【0038】
本発明は、上記方法によって調製された成分からもなる。
【0039】
本発明の他の実施態様は、上記成分から調製されたチーズである。
【0040】
一つの実施態様において、前記チーズはプロセスチーズである。
【0041】
他の実施態様において、前記プロセスチーズはチーズスプレッドである。
【0042】
他の実施態様において本発明の方法は、乳を膜ろ過に委ね且つそれによって形成された膜タンパク質リテンテートを回収する一次段階を含む。
【0043】
一つの実施態様において、前記膜ろ過は限外ろ過である。
【0044】
他の実施態様において、前記限外ろ過はジアフィルトレーションを含む。
【0045】
本発明は、言及される所定の部分、要素及び特徴において成立するために又は適用の詳細において、個別に又は正確に示すためそして2以上の部分、要素、又は特徴は任意又は全ての組み合わせを示すために幅広く述べられて良く、そしてここで本発明が関連する従来技術に等しいことが知られている特異的な整数が述べられており、かかる公知の同等物は、本明細書中個別に開示されているように組み込まれるとみなされる。
【0046】
本発明は、上記の内容からなり且つ以下の例を与える実施態様を描く。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
発明を実施する態様
図1に示される方法の記載
乳の、スキムミルク又は全乳のいずれかは、新鮮供給物を供給源とするかあるいはスキムミルク又はバター乳、例えば、リテンテート粉末、又はその組み合わせから飲用溶媒により再生されて良い。好適な飲用溶媒は、水及び乳である。バター乳は、ある割合の出発乳を置換することにおいて使用されて良い。
【0048】
乳の脂肪含有量は、クリーム又は脂肪を組み込む又は抽出することを伴う、当業者に公知の方法によって調整されて良い。非乳性脂肪又は植物油が加えられて良い。ホモジザイズはかかる脂肪又は油添加物を分散させるために使用されて良い。任意に、出発乳は、乳リテンテート又はホエーリテンテートにより強化されて良い。
【0049】
調製された乳は殺菌されて良い。殺菌は当業者に公知である。
【0050】
乳は、リテンテートを生産するために膜濃縮技術により濃縮されて良い。好適に、ジアフィルトレーションは、ラクトース及び鉱物濃縮物に対してタンパク質濃縮を増強するために限外ろ過との組み合わせにおいて使用されて良い。限外ろ過及びジアフィルトレーションは当業界で公知の方法である。限外ろ過及びジアフィルトレーションの実施は、食品等級の酸又は一般の塩を添加することによって任意に操作されて良い。
【0051】
好適な実施態様において、最終リテンテートは、約42%〜95%のタンパク質:固体非脂肪率を有する。
【0052】
用語「乳タンパク質溶液」は本明細書中で使用された場合、乳タンパク質懸濁を含む。
【0053】
任意に、限外ろ過の前又は後に、カゼイン及び可溶性タンパク質は、それらの濃度をコントロール又は変えるために処理されて良い。好適に、イオン交換、クロマトグラフィー、pH及び温度処理は、選定のタンパク質又はタンパク質画分を除去又は修飾するために使用されて良い。任意に、タンパク質が加えられて良い。かかるタンパク質は、乳性あるか又は非乳性でありうる。
【0054】
任意に、限外ろ過の前又は後に、カゼイン及び可溶性タンパク質は、それらの相互作用をコントロール又は修飾するために処理されて良い。好適な実施態様において、可溶性タンパク質は、部分的な又は完全にカゼインに対して結合するかあるいは化学的に結合するようになりうる。かかる処理は、熱、化学(例えば、pH)、物理−化学(例えば圧力)又は酵素修飾を伴いうる。
【0055】
リテンテートの生産の前又は後のいずれかにおいて、選択的に二価イオンの例えばカルシウム及びマグネシウムを除去し且つこれらのイオンを一価陽イオンの例えば、ナトリウム、カリウムもしくは水素、もしくはそれらの組み合わせと置換するために使用されて良い。典型的なウシ乳において、カルシウム濃度は約30mMであり、それは総二価陽イオン含量の約85%である。カルシウム含量を変更する本発明の処理条件は、存在する全ての二価陽イオンに対する対応する変化を及ぼす。
【0056】
十分な二価陽イオンが、レンネット又はκカゼインをパラκカゼインへ変換することができる類似する食品等級の酵素、又は所望の量の二価陽イオンの存在下でカゼイン溶液のゲルを生じる剤を加えることによるカード、凝集又はゲルの形成予防するために除去される。好適に、イオン交換体は、所望の量の二価陽イオンを除去するために使用される。任意に、最終的な二価陽イオンの所望量は、処理流と未処理流の部分を混合することによって達成されうる。
【0057】
二価陽イオン濃度の調整の後、キモシン(レンネット)又はκカゼインをパラκカゼインに転換できる類似の食品等級の酵素が加えられる。レンネット溶液は、酵素をκカゼインと反応せしめるある時間に渡り維持されて良い。任意に、この反応は熱を溶液に適用することによって促進されて良い。任意に、κカゼイン転換反応の程度は、選定の転換の程度において終結されて良い。反応を終結させるための好適な方法は、酵素を失活させるために熱を使用することである。この反応時間が完了するときにゲルが形成することはない。
【0058】
本明細書中で使用された場合、「凝乳酵素」とは、κカゼインをパラκカゼインに転換することができる酵素を意味する。
【0059】
任意に、タンパク質の挙動は、クエン酸及び/又はリン酸の一価陽イオン塩の添加によって調整されて良い。
【0060】
任意に、タンパク質を修飾するために使用される剤は処理流の一部へ適用されて良い。未処理部分は、後に処理部分と混合されて良い。
【0061】
溶液pHは、酸又は塩基として作用する剤を添加することによって、タンパク質を修飾する任意の処理の前又は後に調整されて良い。任意に、この溶液は、アルカリ処理段階しかる後の酸処理段階又はその逆の間のpHにおいて循環される。好適に、pHを低下させることは、許容される食品等級の酸又は溶液中で加水分解し許容される食品等級の酸になる前駆体の直接添加によって達成されて良い。好適な食品等級の酸は、乳酸でありそして好適な乳酸前駆体は、グルコノ−δ−ラクトン(GDL)又は乳酸無水物(ラクチド)である。好適な塩基は、苛性ソーダである。好適に、pH調整剤は、溶液へ加える前に希釈される。この温度は何らかのpH調整の直前又は直後に調整されて良い。
【0062】
任意に、前記処理流は方法の間の任意の都合の良い段階でホモジナイズされて良い。
【0063】
代替的に、酸性物質は、酸生産微生物(スターター培養物)を処理される溶液に加え、そして存在するある割合のラクトースを発酵させることによって必要な酸を調製することによって調製されて良い。
【0064】
任意に、発酵及び直接酸添加の組み合わせは必要とされる酸性化を達成するために使用されて良い。
【0065】
所望の最終pHへと調節された処理された溶液、又は発酵物は好適に熱蒸発を使用することで濃縮される。ゲル化(即ち、チーズ製造の分野で理解されているカード形成)が前記濃縮段階の間に生じないことは、本発明の重要な性質である。
【0066】
任意に、濃縮物は、プロセスチーズクッカーにおいて成分として直接使用されて良い又はチーズもしくはプロセスチーズ及びプロセスチーズ様生成物の調製において成分として使用されて良い。
【0067】
代替的に、濃縮後、濃縮物は湿気含有物と乾燥され周囲温度での棚寿命安定産物が得られる。乾燥粉末中、好適な水分含量は15%未満である。好適な乾燥方法は噴霧乾燥である。
【0068】
任意に、噴霧乾燥前の任意の段階において、溶液は、タンパク質を変性させるために熱処理されて良い。好適な熱処理範囲は、60〜140℃で5秒〜1時間である。
【0069】
一つの観点において、殺菌されたクリーム、乳脂肪、又は非乳脂肪もしくは植物油は、乾燥前、方法の様々な段階において産物の、乾物中脂肪含量を調整するために加えられて良い。好適に、混合物は、脂肪又は油の添加の後にホモジナイズされる。
【0070】
任意に、二価陽イオンを含有する溶液は、この条件が、乾燥の間に成分のゼラチン化をもたらさないように、乾燥前又は乾燥プロセスの間に濃縮物へ加えられて良い。
【0071】
代わりに、二価陽イオンを含有する粉末塩は、乾燥の間又は後に当該粉末へ加えられて良い。任意に、粉末形態の脂肪、クリーム、酸味物質又は香料が、パッキングの前に混合されて良い。
【0072】
乾燥粉末がすぐに使用されない場合、それはパッケージングされる。好適なパッケージとしては、バックもしくはビンもしくは最大で2年以内に渡り成分の安定な周囲保存を可能にするパッケージング系を含む。
【0073】
粉末状チーズ成分は、食用チーズへと、水和させて熱を適用して混合することによって転換されて良い。撹拌は、粉末を溶液中へと分散させることを促すために使用されて良い。添加されて良い任意の成分は、チーズ、脂肪乳、クリーム、非乳脂肪又は油、スキムミルク粉末(SMP)、乳タンパク質濃縮物(MPC)、カゼイン、全乳タンパク質CTMP(登録商標)、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、植物性タンパク質、親水コロイド又は多糖類、香料、着色剤、クエン酸及びリン酸及び食品上承認されている酸の塩が挙げられる。
【0074】
もし必要とされれば、混合物はpH調整されて良い。当該混合物の加熱(クッキング)される前の好適な最終pHは、5.0〜8.0の間である。もし必要とされれば、調理前に、スターター培養物が加えられそして酸が発酵により生じることが可能になる。代わりに、酸は直接加えられても良い。好適な酸味物質は、乳酸、グルコノ−デルタ−ラクトース(GDL)、無水乳酸(ラクチド)、クエン酸、酢酸及びリン酸である。もし必要とされれば、塩基はクッキングpHを達成するために加えられて良い。
【0075】
混合物は熱の導入によって調理されて良い。ゲルの形成のための好適な温度は30℃以上である。一層好適な温度は72℃以上である。好適な処理時間は、処理温度との逆の関係を有し且つ30秒〜1時間である。
【0076】
任意に、カルシウム塩は前記混合物を加熱する前に加えられて良い。
【0077】
任意に、クッキング期間の一部を通じて、pHは5.0〜8.0に調節されて良い。
【0078】
任意に、ゲル化された混合物は冷却されて良い。冷却の間又は後、前記リストに由来する熱感受性成分が加えられて良い。冷却する好適な方法は、スクラップ表層熱交換機、ウォータージャケット冷却又は真空洗浄冷却である。
【0079】
任意に、これらのチーズ生成物は、パッケージングする前にせん断力に委ねられて良い。
【0080】
任意に、香料前駆体もクッキング前、クッキング後又はパッケージング前に加えられて良い。かかる香料前駆体としては、パッケージングされた生成物が時間の経過と共に風味を放つ、生存する生物又は酵素が挙げられる。
【0081】
調理された混合物はパッケージングされる。パッケージングされた商品は、保存においてさらに冷却されて良い。保存条件は、生成物が成熟して風味が生じることを可能にするように維持されて良い。
【0082】
チーズ生成物は、好適にパッケージングされ且つ最終的に使用される前に冷蔵で保たれる。
【0083】
代わりの実施態様において、乾燥したチーズ成分はプロセスチーズクッカーに配置され且つプロセスチーズ及びプロセスチーズ様生成物を調製することにおける成分として使用される。
【0084】
他の実施態様において、乾燥チーズ成分は、菓子商品、栄養バー(nutrition bar)などの処方において使用されて良い。高タンパク質含量と、エマルション化及び水和特性の増加組合せは、溶媒和のための水の量が往々にして限定されるかかる生成物において有利なように使用されて良い。
【0085】
本発明の調製実施態様の詳細な例は以下のとおりである。
【実施例】
【0086】
本発明の例
実施例1:低脂肪低カルシウム及びレンネット成分の製造
市販の乳タンパク質濃縮物(MPC85、ALAPRO(登録商標)4850)の25kgバッグ3つを、50℃の水中9%総固体へと再生した。この再生溶液を10℃に冷却した。次いで、この溶液を3%乳酸溶液でpHを5.85に調整した。
【0087】
イオン交換
この冷却したpHを調整したMPC85溶液を、カルシウム濃度を下げるために、100LのRHOM&HAASイオン交換樹脂SR1LNaが入っているカラムへ通過させた。90%以上のカルシウムを除去した後、196kg(脂肪40%)のクリームを、イオン交換したMPC85溶液に加えた。この混合物の、タンパク質に対するカルシウムの比は3320mg/kg(表1に基づいて1300mg/kg)であった。これは、出発乳中に存在したカルシウムの約90%が除去されたことに対応する。
【0088】
冷レンネット化
この混合物をレンネット冷却した。Australian Double Strengthを、レンネット:タンパク質比0.25%で加えてカルシウムを減少させ、クリームがMPC85を強化しそして10℃で12時間に渡り反応を進ませた。
【0089】
乾燥
レンネット混合物を蒸発させ(50〜55℃)て約40%の総固体にし、ホモジナイズしてそれを噴霧乾燥させた。
【0090】
実施例2:レンネット化の効率(比較)
レンネット溶液(実施例1に由来する)を50℃に加熱して1時間に渡り維持して確実に反応を完了に向かわせた。ゲルの沈殿又は形成のサインは確認されなかった。第二のサンプルに対して、塩化カルシウム溶液を、タンパク質が沈殿するのに十分な量において加えた。沈殿を熱水(50℃)中で加熱することにより、沈殿は、固まって伸縮性のあるモツァレラ型の堅さになり、イオン交換したリテンテートは、十分なカルシウム及び熱は不在であるが、十分なレンネット化(実施例1の方法)を受けてチーズゲルを形成することを示す。レンネット化しなかったイオン交換リテンテートについて同じ試験を行った場合、形成された沈殿は細かく、非凝集性であり且つゲル様の質感を有さなかった。
【0091】
実施例3:熱レンネット化
乳は、バッチ方法の際、共通してレンネットにより処理されるが、チーズ製造において共通して使用される上記高温での有効なレンネット化により、レンネット化、濃縮及び所望のプロセスの乾燥段階のために連続プロセスが使用されることが可能になる。
【0092】
市販の中程度にカルシウムが減少したMPC85粉末(NZMP4861)(約12,800mg Ca/kg粉末、即ち、カルシウムの約50〜60%が除去されている)の20%(w/w)の溶液を、水中でこの粉末をオーバーヘッドスターラーにより30分に渡り50℃で混合することによって再生した。この溶液のタンパク質に対するカルシウムの割合は15,100mg/kgであった。
【0093】
再生溶液のサンプルを採取して塩化カルシウム溶液を、タンパク質が沈殿する十分な量において迅速に加えた。この沈殿を、熱水(50℃)中ですぐに洗浄した。洗浄後、この沈殿の質感は、微細で、凝集性がなく且つゲル様構造を有していなかった。
【0094】
溶液(50℃)の残りに対して、Australian Double Strengthレンネットを、レンネット:タンパク質の割合が0.25%において加えた。
【0095】
サンプルを最初の2分間に渡り15秒後ごとに採取し、そして30分に渡り5分ごとに採取した。各サンプルに対して、塩化カルシウム溶液を、タンパク質を沈殿させるために十分な量において加え、そしてこの沈殿を熱水(50℃)中で直ぐに洗浄した。洗浄後の全沈殿の質感は、堅い伸縮性のあるゲル様特性を有し、カルシウムは不在であるが、タンパク質がレンネットによって迅速に、チーズ様凝集体を形成することができる状態へと転換されていることを示す。
【0096】
これは、50℃の温度及び適切なレンネット濃度において、カゼインとの反応は迅速であり且つもし十分なカルシウムが除去されれば、完全にレンネット化した乳タンパク質溶液は50℃以上の温度でゲルではないだろう。
【0097】
実施例4:中程度のカルシウム(medium culcium)熱処理及びレンネット化した成分の製造
乾燥ベースで85%のタンパク質を含むスキムミルクリテンテート(約16%固体)は、Hautapu site of Fonterra Co-Operative Group Limitedに由来する。このリテンテートを脱鉱物水で1:1の割合に希釈した。予め、120LのSR1LNa樹脂を、Bronson and Jacobs PTY Ltd., Auckland, New Zealandによって供給された医薬等級の塩化カリウムを使用することでカリウム形態へと転換した。600Lの希釈したリテンテートを360Lと240Lの2部に分けた。リテンテートの360Lバッチを、クエン酸を使用することで約5.9のpHにし、そしてイオン交換カラムを通過させカルシウムを除去してそれをカルシウムで置換した。交換した溶液は約6.8のpHを有した。120Lのイオン交換したリテンテートを180Lのイオン交換していないリテンテートと混合して、中程度カルシウムリテンテートを、タンパク質に対するカルシウムが16,330mg/kgを伴い(表1において生成物ベースで13,500mg/kg)且つ出発乳中のカルシウムの約50%の量の除去を伴い生産した。このリテンテートを加熱処理してホエータンパク質を変性させた。この熱処理は約4分に渡り120℃であった。
【0098】
レンネットをこの熱処理した溶液に加え、そして50℃で約30分後、この溶液を蒸発させて約20%の固体にして噴霧乾燥して粉末を生産した。この溶液は蒸発濃縮法の間にゲルを形成しなかった。
【0099】
実施例5:成分粉末の保存
実施例1に記載のようにして調製した粉末状チーズ成分のサンプルを保存に配置した。この成分の保存安定性を、色及び過酸化物の量について、30℃及び40℃で20週に渡り研究した。白さ指数における一単位よりも大きな違いを目によって確認可能であった。この成分は30℃における保存の際に色については安定であるが、40℃での保存した場合には安定ではなかった。全ての過酸化物値(PV)が下の通りであり、官能検出に関する閾値は、成分における脂肪が良質のものであることを示している。この試験は、成分が保存されて市場に移され、そして乳供給の源から適切な時に取り出されて配置されそしてチーズの調製において都合の良い場所と時間において使用されて良いことを示唆する。
【0100】
【表1】

【0101】
実施例6:ゲルの再水和及び形成
方法:
1.330gの低脂肪カルシウムレンネット化成分(実施例1の、表1)をフードプロセッサーに配置して242gの沸騰水を加えて高速で撹拌した。意外にも、融解したプロセスチーズに類似して脂肪分離を伴わず良好なチーズ様エマルションが迅速に形成された。
2.1分後、この混合物を型の中へと注いでそのままセットした。一度室温に冷却すれば、チーズ様ゲルを微細にスライスし、そして加熱した場合に融解してモツァレラチーズのように引き伸ばすことができた。
【0102】
意外にも、これにより、有用なチーズ生成物が、単に水の添加及び加熱だけによって低カルシウムレンネット乳タンパク質成分から調製されて良いことが示された。
【0103】
実施例7:フードプロセッサー型の混合機において(カルシウム添加を伴わずに)製造した無脂肪、中程度カルシウム、レンネット化、加熱処理成分を使用する比較生成物例
方法:
1.152gの無脂肪、中程度カルシウム、レンネット化、加熱処理成分(実施例4の、表1)及び178gのAMFをフードプロセッサー中に配置してそれらがペーストを形成するまで刻んだ。
2.242gの沸騰水を加え、そして高速で撹拌した。脂肪がこの段階で分離してエマルションが容易に形成しなかった。
3.この混合物をマイクロオーブン中に配置し1分に渡り強力設定で加熱した。
4.この混合物をフードプロセッサーに戻しそしてエマルションが形成されるまで高速で撹拌した。
5.この混合物を型に注いでセットした。
【0104】
チーズ様生成物は、一度室温に冷却すると、加熱した場合に延びることがないもろい質感を有した。
【0105】
チーズ塊における質感の違いに加え、チーズは個別の粉砕特性を示す。無脂肪、中程度カルシウム、レンネット化、熱処理した成分(実施例7)と比較して、高脂肪、低カルシウム、レンネット成分(実施例6)から製造したチーズは、異なる融解、伸縮性及び膨潤特性を有した。
【0106】
実施例6及び7は、多彩な質感及び融解特性を有するある範囲のチーズ様生成物は、生成物形成段階でカルシウムを加える必要なく生産されて良いことを示す。
【0107】
実施例8:プロセスチーズスライスの調製
低せん断、ツインスクリューBlentech CC45ミキサー/クッカー(Blentech Corporation, Ronnhert)に、粉砕した、高固体状新鮮(young)チェダー(4500g)、粉砕チェダー40%FDM(1350g)、粉砕成熟チェダー(800g)、サルトバター(810g)、高脂肪レンネット低カルシウム粉末(実施例1の、表1)(2350g)、塩(67g)、クエン酸三ナトリウム(334g)、リン酸三ナトリウム(83g)、水(1596g)及びソルビン酸(11g)を加えた。この混合物を熱の適用を伴わず、クエン酸(48g)を添加する前に5分に渡り130rpmで混合した。この混合物を更なる分に渡り混合して温度を7分に渡り直接スチーム注入を使用することで87℃に上昇させた。一度標的温度が達成されれば、熱生成物を、融解塊(molten mass)を冷したテーブル(cold table)上でスライスへと成形する前に、1分に渡り混合した。この冷蔵生成物は、プロセスチーズスライスの典型的な組成及び質感(pH5.77、水分39.9%)を有した。
【0108】
意外にも、カルシウムを減らした、レンネット化、脂肪含有成分(実施例1の)は迅速に水和し且つ塊又は不溶性粒子を形成することなくエマルションへと分散した。対照的に、常用の乳タンパク質濃縮物粉末(リテンテート粉末)はプロセスチーズ融解物中で使用した場合、不都合な、緩慢又は乏しい水和の性質、分散に対する抵抗並びに塊又は小未導入粒子を有する生成物を生産する傾向を示さないだろうことが期待された。
【0109】
実施例9:スプレッドの質感
本発明の成分を使用することによって調製したプロセスチーズスプレッドの質感を測定して標準的なMPC70成分及びカルシウム減少MPC70を使用することで調製したコントロールと比較した。質感を、生じる生成物のサンプルの弾性係数、G’を測定することによって評価した。弾性係数をLee S.K.&Klostermeyer H.,Lebensm-Wiss.U-Technol.,34,288〜292(2001)によって記載された方法を使用することで20℃において質感分析装置TAAR2000血流計(TA Instruments−Waters LLC,New Castle,USA)を使用することで0.1Hzで獲得した(弾性係数の記載は、(Ferry, J.D.,(著), Viscoelastic Properties of Polymers, 第3版. New York. John Wiley & Sons. 1980)に詳説されている)。ゲルの堅さの観察は、生成物の同じバッチから採取した異なるサンプル(異なるボトル)から取った反復測定であった。
【0110】
スプレッド生成物の処方
タンパク質濃縮物粉末を、更なる脂肪を含まないスキムミルクから調製した。
【0111】
コントロール1を標準的な70%乳タンパク質濃縮物(ALAPRO4700)を使用することで調製し、コントロール2をカルシウム減少70%乳タンパク質濃縮物を使用することで調製し、成分1はタンパク質含量が70%である実施例1に従い調製した乳タンパク質化合物であり、成分2は、当該成分2が実施例4の熱処理によって与えられたことを除いて、成分1と類似する。
【0112】
タンパク質成分組成
使用したタンパク質成分は表2に示すような組成を有した。
【0113】
【表2】

【0114】
スプレッドサンプルを表3の処方を使用することで調製した。
【0115】
【表3】

【0116】
スプレッド調製
スプレッドを容量2LのVorwerk Thermomix TM 21ブレンダークッカー(Vorwerk Australia Pty.Ltd., Granville, N.S.W.,Australia)を使用することで調製した。タンパク質成分の例えば、MPC70(70%タンパク質(乾燥ベース)乳タンパク質濃縮粉末(ALAPRO4700,Fonterra Co-Operative Group Limited, Auckland))を塩溶液(13.28gのクエン酸三ナトリウム(Jungbunzlauer Gmb H,Perhofen,Austria)、3.35gのクエン酸(Jungbunzlauer Gmb H,Perhofen,Austria)、6.0gの塩化ナトリウム(Pacific Salt,Christchurch, New Zealand)及び200gの水)中で水和させた。この混合物を4℃で一晩水和させた。
【0117】
ダイズ油(AMCO,Goodman Feilder, Auckland New Zealnad)を100にセットした温度で1分に渡り加熱してスピードを1にセットした(これは油の温度を60℃にする)。
【0118】
水和MPC70、ラクトース及び残りの水(97.6g)を油に加えた。混合物を85℃で7分に渡り4にセットしたスピード(2000rpm)でクッキングした。各時間の最後に、スピードを「ターボ」(12,000rpm)にセットし3秒に渡り完全にエマルションを混合し並びに当該エマルションの焼け及びクッカーの壁に対する粘着を防止した。この熱エマルションをプラスティックスクリューキャップボトルに注ぎ、反転して、そして4℃で保存した。このスプレッドの最終pHを5.75±0.05にした。
【0119】
保存したエマルションの質感を、質感分析装置TAAR2000(TA Instruments Waters LLC New Castle,USA)を使用して1週齢において測定した。小系統振動弾性係数(G'測定)の条件は、20℃、0.1Hz及び0.005の系統であった。
【0120】
エマルションの組成
スプレッドは、51.0%の水分、31.4%の脂肪、10.0%のタンパク質、5.9%のラクトース及び残りは1.7%の他の物質の公称組成を有した。
【0121】
質感
G’として測定したスプレッドの質感を表4に示している。
【0122】
【表4】

【0123】
本発明の成分は、未処理のコントロールと比べて増強された質感(堅さ)を提供した。
【0124】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の好適な実施態様の略フロー図であり、それは任意の段階を含み、本発明はこの添付の図1を参照することにより一層完全に理解されて良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃縮乳タンパク質成分を調製するための方法であって:
膜ろ過リテンテートであるκカゼイン含有乳タンパク質を有する溶液を提供し、
当該タンパク質溶液の二価イオン含量を、凝乳酵素による処理後に実質的なゲルの形成がない所定のレベルに調整し、
食品等級の凝乳酵素を、溶液を維持しながら当該κカゼインをパラκカゼインに転換するのに適切な反応条件下で加え、
前記酵素を失活させるかあるいは除去して前記反応を終結させ、そして
前記溶液を濃縮する、
段階を含んで成る方法。
【請求項2】
他のタンパク質を、前記乳タンパク質溶液に加るかあるいはその中に存在させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記他のタンパク質を前記乳タンパク質溶液へ、前記二価イオン含量を調整する前に加える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記二価陽イオンがカルシウムイオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記二価イオン含量を、食品等級の陽イオン交換体を使用する陽イオン交換によって調整する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記二価イオン含量を、食品等級の一価陽イオンの源を加えることによって調整する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記一価陽イオンがカリウム、ナトリウム又は水素である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記食品等級の酵素がレンネットである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記二価陽イオン含量を、スキムミルクにおける量から少なくとも25%減らす、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記二価陽イオン含量をスキムミルクにおける量から少なくとも30、40、50、60、70、80、90又は100%減らす、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記κカゼインをパラκカゼインへと、0〜70℃の温度範囲において4.5〜7.5のpH範囲で転換する請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記転換を10、20、30、40、50又は60℃で行う、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記脂肪又は食用油を前記乳タンパク質溶液へ加える、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記脂肪がクリームである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記脂肪が乳脂肪である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記乳タンパク質を全乳から作る、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
バッチ方法として行う、1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
連続方法として行う、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
バッチ方法と連続方法の組み合わせとして行う、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記濃縮溶液を、プロセスチーズを形成するために加熱する更なる段階を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記濃縮溶液とチーズ製造成分を、前記加熱段階の前又は後に組み合わせる段階を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記濃縮乳タンパク質溶液を乾燥させる更なる段階を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記乾燥溶液を熱水で再水和させて混合してチーズを形成させる更なる段階を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記水を混合する前に加熱する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記水を混合の間又は後に加熱する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記水を30℃〜100℃に加熱する、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記再水和水がカルシウムを含有む、請求項23〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
請求項1〜19、22及び23のいずれか1項に記載の方法によって調製した成分。
【請求項29】
請求項28に記載の成分から調製したチーズ。
【請求項30】
プロセスチーズである、請求項29に記載のチーズ。
【請求項31】
チーズスプレッドである、請求項29に記載のチーズ。
【請求項32】
乳を膜ろ過してそれによって形成された当該乳タンパク質リテンテートを回収する予備段階を含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記膜ろ過が限外ろ過である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記限外ろ過がジアフィルタレーションを含む、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−528487(P2006−528487A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521034(P2006−521034)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【国際出願番号】PCT/NZ2004/000154
【国際公開番号】WO2005/009138
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(504214246)フォンテラ コ−オペレイティブ グループ リミティド (17)
【Fターム(参考)】