説明

濃縮甘酒及び粉末果実・野菜入り甘酒液の製造方法

【課題】二層分離しにくい高品質の濃縮甘酒を工業的に製造する方法及びその濃縮甘酒原料を用いた甘酒液及び粉末果実・野菜入り甘酒液の製造方法を提供する。
【解決手段】もち米を十分洗米し6時間以上浸米後15分以上の水切後蒸し上げ、餅付機にて柔らかな餅に仕上げたもち米培養原料に、もち米原料30%に米麹を加えた米麹と混合仕上げし、柔らかさを維持した状態で15時間以上保温器で熟成することで甘酒液と米(飯)粒の分離がしにくい濃縮甘酒を製造する方法。また、真空凍結乾燥加工で作られた、粉末の野菜や果実を数%混合した粉末果実・野菜入り甘酒液の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮甘酒及び粉末果実・野菜入り甘酒液の製造方法に関するものである。本発明は、粥もちの一層と米麹の二層を混合し熟成後甘酒仕上がり後、容易に二層分離しにくい濃縮甘酒原料を有する高品質の濃縮甘酒を工業的に製造する方法及びその濃縮甘酒原料を用いた粉末果実・野菜入り甘酒液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
甘酒は米の飯と米麹とを混ぜて醸した甘い飲料で、アルコールを含まない飲料である。甘酒の製造方法は、米の穀物を精白する時に出来た糠などに麹カビなどの食品醗酵に有効なカビや微生物を繁殖させた醗酵食品を製造する時に用いる麹菌胞子である種菌を蒸した米に麹菌を繁殖させたもので、米の澱粉を糖化させる事ができる「米麹」を用い、麹カビ菌の酵素の働きを利用し米麹と水分を多めに柔らかく炊いた米を保温し12時間以上かけて発酵させ澱粉を糖化し甘味を得る飲料でアルコールを含まない飲料であり古くは夏の飲み物であった。
原料にこだわった甘酒に関する以下のような特許が有る。
(1)米と小豆を併用し甘味を引出す為に少量のもち米を併用するもの(特開2003−189829)
(2)白米半分と甘味を強くする為にもち米を半分併用するもの(特開平−252081)
(3)精白米以外で着色や味をを引出すには古代米などの着色になる蒸し米を併用するもの(特開2005−34011)
更に、果汁、果実のすり下ろしあるいはココアなどを加える事により、様々な種類の味付けをした(特開2008−109919)が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、甘酒を製造する基本過程で米麹と混合し製造する甘酒製造方法の場合、研ぎ終えた米を水に浸し付けておき、炊き上げた蒸し米と米麹を混合することにより米麹が米の澱粉質を糖化させる麹カビ菌の酵素の働きを利用し、甘い飲料にしたのが甘酒です。 この水分を多くした蒸し米と麹菌を混ぜ合わせて作られた一般的な甘酒の原料を一定量の個包装の例えば殺菌可能な強度の高い袋を用いた個包装に入れて商品保存なども考量した、輸送管理などにも十分耐えさらに、商品の高級なデザイン包装されて展示されている。
(イ)一般的な甘酒は、個包装(透明度が有る袋)の中で、分離した状態で置かれてあるゆえに、製品完成度としてかんばしい状態の商品と言えない。
(ロ)上記商品購入後は、商品を飲料する時には良く降って混ぜるようにしてから飲料するように説明などの表示がなされています。振り方においては、十人十色の消費者にとっては、十分に混ざらないなどで、本来の甘酒を賞味出来ないおそれがあった。
(ハ)このように分離された甘酒が飾られた商品は購買者にとって、購買力を落とす商品となる。
このように、蒸し米と米麹が二層に分離して、甘酒液と飯粒が分離しても甘酒の品質は殺菌をはじめ高度なパッケージで飲料の安全には問題はありませんが、現代の食の品質にこだわる消費者が増えている現状では、ストレートに美味しい甘酒を提供する必要が有り、分離していてもよく振って混ぜ合わせて飲んで下さいでは、本来の甘酒のもつ魅力を半減してしまう恐れがあった、従って分離された甘酒製品では消費者の購買力を伸ばす事はできない等の問題があった。本発明は、これらの問題点を解決する為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は蒸し米の米と米麹の混合の製造過程において、また製品貯蔵管理および流通時ならびに商品店鋪販売期間中に甘酒液と米(飯)粒の分離が発生しにくくして消費者の購買力を落とさない分離を防止した商品価値の高い甘酒の提供をするとともに、甘酒の旨味成分をさらに向上させることができる濃縮甘酒の製造方法を提供する。請求項1の発明は、精白米や古代米またその他の玄米等を精米した蒸し米と米麹と混合し熟成し甘酒ができるがしかし従来の製造方法では甘酒液と米粒が分離して飲料するときに、十分に製品撹拌するなどしないと作られたときの美味しい甘酒を堪能出来ない、また展示の時にも製品価値が良くないなどの問題がある。請求項1記載の発明の解決しようとする課題は、蒸し米に100%のもち米穀類を培養原料とし、もち米を十分洗米し6時間以上浸米後15分以上の水切後蒸し上げる、このとき従来ではすぐに蒸し米と米麹を混合して保温器で熟成をかければ、通常の甘酒が仕上がるが、一工程多くなるが、蒸し上げたもち米を一旦餅付機にて柔らかな餅に仕上げ、もち米原料30%に米麹を加えた米麹と混合仕上げして55℃〜60℃の温度で粥の柔らかさを維持した状態で15時間以上保温器で熟成することで甘酒液と米(飯)粒の分離がしにくく上がる。以上を特徴とした濃縮甘酒である。え、
【0005】
請求項2の発明は上記を達成した分離しにくい甘酒原料の単品製品に創作したもので、その解決しようとする課題は、甘酒の培養原料に用いたお米甘酒の単品製品の味の概念を広める為に、甘酒の持つ必須アミノ酸や必須ビタミン類にさらに真空凍結乾燥加工で作られた、粉末に仕上げられた果実や野菜などの光合成にて得られた自然の植物から作られた人間の身体では作る事が出来ない必須栄養分をもった植物パウダー(粉末)の栄養と味覚などを数%(約3%〜5%)混合することにより多様な野菜や果実いりの甘酒が出来る。以上を特徴とした粉末果実・野菜入り甘酒液の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明は、炊いたもち米100%を、一気にもち付機にてやわらかな餅を作るように仕上げた餅米培養原料にもち米原料30%に米麹を加えた米麹と混合仕上げし柔らかさを維持した状態で15時間以上保温器で熟成することで甘酒液と米(飯)粒の分離がしにくく濃縮甘酒が仕上がる。分離しにくい甘酒原料は透明個包装の商品仕上げに置かれた商品棚において、消費者に美味しさを十分アピールする事が出来、商品差別効果の相乗効果も働き、甘酒液と米(飯)粒の分離がしにくいため、飲料時の混ぜ合わせる従来商品の品質ばらけ(混ぜ合わせの不具合からくる品質差)もなく、工場内で作られた時の品質の良さを持った旨さをそのまま維持することができるため開封後ストレートで飲料する事が出来、本来の甘酒の持つ成分効果を十分に引出す事が出来る。また濃縮でありながら、ストレートのまま飲料が出来また濃縮甘酒なので半分の湯などに割っても甘酒が薄くならず、半濃縮甘酒を維持し小さなお子さまから御年配の方達まで広い客層にも趣向で切る甘酒であり、味・風味等においても用途の広い甘酒を提供出来極めて新しい現代甘酒を品質等の安定にも繋がる濃縮甘酒である。
【0007】
請求項2の発明は、真空凍結乾燥加工で作られた、パウダーに仕上げられた果実や野菜などの栄養と品質を持ったパウダー原料は濃縮甘酒に容易に添加して混合する事ができるため、単品の甘酒の旨さに野菜や果実の持つ味覚と色合いなど、多品種な甘酒を提供出来る為、消費者に対し新しいユニークな甘酒を提供出来、甘酒消費に話題を広める事に繋がり、甘酒消費ブームを引き起こす事ができ、甘酒購買を高める事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の甘酒は以下の手順で製造する、もち米原料30%に米麹を加えた米麹を作る。
【0009】
もち米100%を十分洗米し6時間以上浸米後15分以上水切をし蒸米をホッパー投入して、餅付機にて餅状態に仕上げ、もち付きの釜の湯温を92℃(内釜容器温度91℃で維持)で維持し、もちを仕上げもち付きの釜にもち米原料の80%の温水投入して、柔らかくした粥もち状態にした粥もちを作り60℃〜65℃に冷却する。
【0010】
冷却した粥もちと米麹を混合機に投入し柔らかさを維持しながら、十分に混合し保温器で55℃〜60℃の温度を維持し15時間以上熟成をかける。
【0011】
保温器で熟成された甘酒はもち米100%の粘質力の効果を発揮し濃縮した甘酒の濃縮熟成甘酒の製造方法で得られる。
【0012】
上述した、熟成甘酒と真空凍結乾燥加工で作られた、乾燥果実および乾燥野菜の粉末化したパウダーを混合機に投入し各種(乾燥果実および乾燥野菜)パウダー入り(粉末)濃縮甘酒の製造方法で得られる。
【0013】
濃縮甘酒並びに各種(真空凍結乾燥加工した果実・野菜)パウダー入り(粉末)濃縮甘酒を真空袋などに充填し、高温殺菌85〜90℃以上・15分以上かけた後、水冷とうで冷却し終えて製品の仕上がりとなる。
【0014】
本発明の一実施例は上述のごとき構成からなるものであるから、その飲料の仕方は濃縮のストレートのままでも美味しく飲料できます。
【0015】
上述の濃縮甘酒を、湯の半分で溶いて飲料しても適度な濃度を維持している為お徳用の甘酒として提供出来る為、消費者には低コストにも繋がる。
【0016】
濃縮甘酒は、適度に氷温してシャーベットにして食しても濃縮な甘酒の為適度に凍り新しい甘酒シャーベット菓子ができた。
以上のように、濃縮に仕上がった濃縮甘酒は従来なかった新しい甘酒の提供で季節を問わないで、楽しめる甘酒の提供とともに、各種(乾燥果実および乾燥野菜)パウダー入り(粉末)濃縮甘酒は地産地消の野菜・果実を提供出来る為、豊富な甘酒を提供出来ると共に、甘酒の持つ身体の栄養源となる必須アミノ酸やビタミン、ブドウ糖などと植物から光合成で作られた各種ビタミンを持つ果実や野菜のもつ栄養を容易に取り入れられる濃縮甘酒を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本考案の工程表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
もち米原料30%に米麹を加え、もち米原料を洗米し6時間以上浸したもち米洗米を十分に水切りし炊飯器にて蒸米仕上げ後、米麹と混合をしないで、餅付き機ホッパーへ蒸米(もち米)を投入し餅付き機械で餅付きし、餅付き機運転数分後柔らかもち仕上げににする為、もちつき釜内へもち米原料の80%の温水を投入して柔らかもちに仕上げ出来上がった柔らか餅を、もち米釜の湯温92℃、内釜容器温度91℃で維持し、粥状の粥もちを作り、粥状になった粥もちを60℃〜65℃に冷やし冷却した粥もちと、もち米原料30%に米麹を加えた米麹を投入し混合することにより、蒸し米のもち原料(粥もちの保持水液も含む)の一層と米麹の二層は容易に二層分離しにくい柔らかさを維持する濃縮甘酒原料に仕上がる。次に二層分離しにくい柔らかさを維持した熟成前の濃縮甘酒原料を保温器で55℃〜60℃を維持させ、15時間以上熟成をかけたことを特徴とした濃縮甘酒の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の熟成後に粥もちの一層と米麹の二層は容易に二層分離しにくい濃縮甘酒に真空凍結乾燥機で仕上げられた粉末(パウダー)果実・野菜等を約3%〜5%混合したことを特徴とした濃縮甘酒からなる粉末果実・野菜入り甘酒液の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−99058(P2010−99058A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298752(P2008−298752)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(508346158)
【Fターム(参考)】