説明

濾過器、およびこれを備えた塗布装置

【課題】シート状のフィルタを用いた濾過器であって、フィルタ平面上において充分な濾過面積を確保し、フィルタの濾過精度を低下させることなく濾過流量を増やして送液に要する時間を短縮できる濾過器、およびこれを備えた塗布装置。
【解決手段】 流体の流入口およびこれに連通する流入室を有する流入ハウジング、
流体の流出口およびこれに連通する流出室を有する流出ハウジング、
ならびに、前記流入室と前記流出室を区画するよう配置されるシート状のフィルタを有する濾過器であって、
前記フィルタの流出側に、フィルタ側の面から流出側の面まで通じる複数の貫通口を有するフィルタ支持手段を配置し、
該フィルタ支持手段は、フィルタ側に配され、流体を前記フィルタに平行な方向に拡散するための拡散層、および流出側に配され、該拡散層を介してフィルタを支持するための支持層からなることを特徴とする濾過器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗液の濾過に適した濾過器、およびこれを備えた塗布装置に関するものであり、特に、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称することもある)、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(以下、LCMと略称することもある)、光学フィルター、プリント基板、集積回路、半導体等の製造に使用されるものであり、また、これらの分野に用いられる塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な方式で多様化するディスプレイの中で注目されているものの一つに、大型で薄型軽量化が可能なプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)がある。PDPは、前面板と背面板の間に形成された放電空間内で放電を生じさせ、この放電によりキセノンガスから波長147nmを中心とする紫外線が生じて、この紫外線が蛍光体を励起することによって表示が可能となる。赤(R)、緑(G)、青(B)に発光する蛍光体を塗り分けた放電セルを駆動回路によって発光させることにより、フルカラー表示に対応できる。
【0003】
このPDPにおいて、最近活発に開発が進められている交流(AC)型プラズマディスプレイは、表示電極/誘電体層/保護層を形成した前面ガラス板と、アドレス電極/誘電体層/リブ層/蛍光体層を形成した背面ガラス板とを貼り合わせ、ストライプ状あるいは格子状の隔壁で仕切られた放電空間内にHe−Xe、または、Ne−Xeの混合ガスを封入した構造を有している。R、G、Bの各蛍光体層は、粉末状の蛍光体粒子を主成分とする蛍光体ペーストが、背面板に形成された色毎に一方向に延びる隔壁、またはこのような隔壁とこれに直交する補助隔壁により形成された凹部に充填されてなる。このような構造のものを高い生産性と高品質で製造するには、蛍光体を一定のパターン状に塗り分ける塗布技術が重要となる。
【0004】
この蛍光体ペーストの塗布方法として、一般にスクリーン印刷法が用いられているが、近年は塗液の使用効率が高いことや安価で塗布が容易なことから、複数からなる微細な吐出開口部を有する塗布ヘッドを使用し、この塗布ヘッドを背面板と対向させ、相対的に移動させながら、塗液を凹部に充填する方法が提案、検討されている(特許文献1参照)。
【0005】
この塗布方法が用いられる塗布装置では、濾過器で異物を除去した後のペーストを塗布ヘッドに送り、基板に塗布することが一般に行われる。ペーストにおける異物の具体例としては、ペーストの製造工程や、塗布ヘッドへの送液過程で混入するパーティクル、凝集した蛍光体粒子や、ゲル化したバインダー樹脂などがあげられる。
【0006】
通常、蛍光体ペーストに限らず、塗液に混入した異物の除去に用いられるフィルタとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、四フッ化エチレン等の樹脂や、樹脂よりもヤング率が高いステンレス繊維を用いた焼結金属をシート状にした焼結フィルタ、またはそのシート状のものをさらにプリーツ状または巻き物状にしたもの、または、ステンレス繊維をシート状に織成したメッシュフィルタなどが挙げられる。
【0007】
それらの中でも、シート状のフィルタを用いた濾過器は構造が比較的簡単であり、少量の液体であっても濾過することができることから、塗液の濾過に好ましく用いられている。
このような濾過器は、例えば特許文献2に示すような、2つのハウジング部材と、これに挟み込まれるようにフィルタとフィルタを支持するスクリーンを下流側、もしくは、上流側と下流側の両方にフィルタに隣接して配置する構成が一般的となっている。
【0008】
近年、PDPをはじめLCMなど激化するディスプレイ業界のシェア競争により、様々な部分でコストダウンが求められている。
【0009】
コストダウンの手段としては、製造タクトの短縮が非常に有効である。しかし、製造タクトを短縮することは容易ではなく、例えば高粘度である蛍光体ペーストを塗布ヘッドに送液するだけでも非常に長い時間を要してしまい製造タクト短縮の大きな障害となっている。
【0010】
また高品質な製品を得るためには、異物の除去性能が極めて重要である。また、特許文献1に記載した塗布ヘッドの場合、微細な吐出開口部であるため異物による吐出開口部の詰まりが発生する問題がある。
【0011】
従って、目開きの大きいフィルタを用い、濾過精度を犠牲にして濾過流量を増やすことができない。よって、目開きの細かいフィルタを用いて濾過精度を維持したまま濾過流量を増やす必要があるが、この場合フィルタ自身の圧力損失が大きいので、濾過流量を増やすことが難しく、送液に要する時間を短縮することができない。よって、製造タクト短縮ができないという問題がある。さらには、高圧力で液送することで濾過流量を増やそうとすると、フィルタが高圧力により変形または破損するという問題がある。
【0012】
濾過流量を増やすため手段として、例えば、特許文献3に示すように、フィルタを支持するスクリーンの貫通口を段付にする提案がなされている。具体的には、貫通口の供給口側が径大に開口し、他面側が径小に開孔する段付貫通口からなり、フィルタ本体は径大に開口する多孔支持板側に配置されるので、非接触領域が比較的大きく採られることで、フィルタ本体の有効濾過面積が向上し量産性が向上するという手段が開示されている。
【0013】
しかしながら、特許文献3記載の方法では、フィルタ内部のペーストの流れに着目すると、依然として存在するフィルタと支持板との接触領域の範囲において、フィルタ内部ではペーストがしみこんで濡れてはいるもののペーストが流れていない滞留部を形成することになる。その結果、フィルタ平面上において充分な濾過面積を確保できず、極めて非効率であるため、濾過流量を増やすにも限界があった。
【0014】
つまり、フィルタ平面上における流体の流れは、流出側に配置したフィルタ支持手段の貫通口にあたる限定された面積しか実質的に流れておらず、フィルタ平面全域の濾過面積を有効活用できていないため、濾過流量を増やせないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平10−27543号公報
【特許文献2】特開2002−233710号公報
【特許文献3】特許第3144897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、シート状のフィルタを用いた濾過器であって、フィルタ平面上において充分な濾過面積を確保し、フィルタの濾過精度を低下させることなく濾過流量を増やして送液に要する時間を短縮できる濾過器、およびこれを備えた塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、
流体の流入口およびこれに連通する流入室を有する流入ハウジング、
流体の流出口およびこれに連通する流出室を有する流出ハウジング、
ならびに、前記流入室と前記流出室を区画するよう配置されるシート状のフィルタを有する濾過器であって、
前記フィルタの流出側に、フィルタ側の面から流出側の面まで通じる複数の貫通口を有するフィルタ支持手段を配置し、
該フィルタ支持手段は、フィルタ側に配され、流体を前記フィルタに平行な方向に拡散するための拡散層、
および流出側に配され、該拡散層を介してフィルタを支持するための支持層からなる
ことを特徴とする濾過器を提供する。
【0018】
また、前記拡散層は、少なくとも前記フィルタ支持手段のフィルタ側に複数の凹部を設け、前記凹部はフィルタに平行な方向に連通してなることが好ましい。
【0019】
また、前記拡散層が、メッシュであることが好ましい。
【0020】
また、前記フィルタが繊維状の濾材により構成され、前記メッシュを構成する繊維径が、前記フィルタを構成する繊維径より大きいことが好ましい。
【0021】
また、前記フィルタ部およびメッシュがいずれも金属製であることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、塗液を貯蔵する塗液容器とこれに連通する塗布ヘッドを有する塗布装置であって、前記塗液容器と前記塗布ヘッドの間に上述の濾過器を備えることを特徴とする塗布装置を提供する。
【0023】
また、前記塗布ヘッドは、少なくとも1つの吐出開口部を有し、該吐出開口部1つあたりの開口面積が0.04mm2以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
従来、フィルタ平面上における流体の流れは、流出側に配置したフィルタ支持手段の貫通口にあたる限定された面積しか実質的に流れておらず、フィルタ平面全域の濾過面積を有効活用できていなかった。
【0025】
一方、本発明によれば、
流体の流入口およびこれに連通する流入室を有する流入ハウジング、流体の流出口およびこれに連通する流出室を有する流出ハウジング、ならびに、前記流入室と前記流出室を区画するよう配置されるシート状のフィルタを有する濾過器であって、前記フィルタの流出側に、複数の貫通口を有するフィルタ支持手段を配置し、該フィルタ支持手段は、フィルタ側に配され、流体を前記フィルタに平行な方向に拡散するための拡散層、および流出側に配され、該拡散層を介してフィルタを支持するための支持層からなるので、貫通口の流入側で流体をフィルタに平行な方向に充分拡散することができる。その結果、拡散層の流入側に配置するフィルタでは、流体がフィルタ平面の略全域を流れることが可能となる。つまり、フィルタの濾過面積を有効活用することが可能となり、フィルタの濾過精度を低下させることなく濾過流量を増やすことができる。
【0026】
また、前記拡散層は、少なくとも前記フィルタ支持手段のフィルタ側に複数の凹部を設け、前記凹部はフィルタに平行な方向に連通してなることが好ましく、そうすることにより、フィルタに平行な方向に連通した拡散用の空間を形成し、貫通口の流入側で流体をフィルタに平行な方向に充分拡散することができる。その結果、拡散層の流入側に配置するフィルタでは、流体がフィルタ平面の略全域を流れることが可能となる。つまり、フィルタの濾過面積を有効活用することが可能となり、フィルタの濾過精度を低下させること無く濾過流量を増やすことができる。
【0027】
また、凹部以外でフィルタと接触している部分を介してフィルタを支持層で支持することが可能となるため、高圧力によりフィルタが変形または破損して濾過精度が低下することを抑制できる。
【0028】
また、前記拡散層はメッシュとすることも好ましい。メッシュとすることにより、フィルタに平行な方向に連通した拡散用の空間を容易に形成し、貫通口の流入側で流体をフィルタに平行な方向に充分することが拡散できる。その結果、拡散層の流入側に配置するフィルタでは、流体がフィルタ平面の略全域を流れることが可能となる。つまり、フィルタの濾過面積を有効活用することが可能となり、フィルタの濾過精度を低下させること無く濾過流量を増やすことができる。また、メッシュを構成する繊維の織り合わさる部分を介してフィルタを支持層で支持することが可能となるため、高圧力によりフィルタが変形または破損して濾過精度が低下することを抑制できる。また、前記メッシュを構成する繊維径が、前記フィルタを構成する繊維径より大きいことが好ましい。メッシュを構成する繊維径を、前記フィルタを構成する繊維径より大きくすることによって、拡散用の空間を適正に設定することができ、良好な拡散性を発現することができる。
【0029】
また、前記フィルタおよびメッシュは金属製であることが好ましい。金属とすることで、高圧力がかかっても圧縮変形しないことから拡散用の空間が圧縮されず、良好な拡散性を維持することができる。
【0030】
さらに、塗液を貯蔵する塗液容器とこれに連通する塗布ヘッドを有する塗布装置であって、前記塗液容器と前記塗布ヘッドの間に前記濾過器を備えることにより、濾過制度を維持しながら塗布ヘッドに塗液を供給する際、供給に要する時間を短縮できることから塗布装置の運転タクトタイムを短縮し、製造コストダウンを達成することができる。
【0031】
また、前記塗布ヘッドは、少なくとも1つの吐出開口部を有し、該吐出開口部1つあたりの開口面積が0.04mm以下であり、前述の濾過器を備えることで異物による吐出開口部のつまりが無く良好な塗布を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施態様に係る濾過器の断面図である。
【図2】本発明の一実施態様に係るフィルタ支持手段の、(a)拡大斜視図と、(b)拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施態様に係る好ましいフィルタ支持手段の、(a)拡大斜視図と、(b)拡大断面図である。
【図4】本発明のさらに他の一実施態様に係る好ましいフィルタ支持手段の、(a)拡大斜視図と、(b)拡大断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施態様に係る他の好ましいフィルタ支持手段の、(a)拡大斜視図と、(b)拡大断面図である。
【図6】(a)は拡散層を有していない従来のフィルタ支持手段を用いた場合の流れを示した模式図であり、(b)は、本発明のフィルタ支持手段を用いた場合の流れを示した模式図である。
【図7】拡散層を有していない従来のフィルタ支持手段の、(a)拡大斜視図と、(b)拡大断面図である。
【図8】本発明の濾過器を備えた塗布装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。
但し、本発明はこれに限定させるものではなく、流体を扱う様々な分野において適用することも可能である。
【0034】
図1に、本発明の一実施態様に係る濾過器の断面図を示す。図1に示す濾過器1は、流入ハウジング6と流出ハウジング7にて、異物を捕捉するシート状のフィルタ8と、これに隣接して配置したプレート状のフィルタ支持手段9を挟み込んで流入室と流出室を区画するようにして構成している。また同時に、液漏れを防止するOリング10を、流入ハウジング6、流出ハウジング7、およびフィルタ8に接するよう装着している。流入ハウジング6は、流入口2と流入室4を有する。流入口2は、濾過前の被濾過流体が濾過器1内に流入するための入口であり、流入室4は略円筒形状であり、流入口2と連通し、フィルタ8と接触する。流出ハウジング7は、流出口3と流出室5を有する。流出口3は、濾過後の被濾過流体が濾過器1外に流出するための出口であり、流出室5は略円筒形状であり、流出口3と連通し、フィルタ8と接する。濾過器1の流入口2および流出口3の位置はフィルタ8中央の垂線上にあり、またそれらの向きはフィルタ8と垂直方向になっている。濾過器を設置する向きは、図1に示すように流入口2を下側、流出口を上側にすることで流入室や流出室、またはフィルタ内部やフィルタ支持手段の貫通口などに溜まった気泡が上側(流出側)に浮上しやすくなり、気泡が濾過器から排出されやすので好ましいが、扱う被濾過流体の特性などによってはこの限りではなく、逆向きに設置することも可能である。
【0035】
流入ハウジング6と流出ハウジング7に挟み込まれるように配置するシート状のフィルタ8として使用可能なものは、ポリプロピレン、ポリエチレン、四フッ化エチレン、グラスファイバー等の樹脂の織布、不織布や、多孔質セラミック、ステンレス繊維を用いた焼結フィルタや線材を織成してなるメッシュフィルタ等があるが、被濾過流体の特性や、濾過器1の使用条件により選定すればよく、ここに示した以外のものを使用してもよい。
【0036】
図2(a)に本発明の一実施態様に係るフィルタ支持手段の拡大斜視図、図2(b)に図2(a)のフィルタ支持手段の拡大断面図を示す。フィルタ8は複数のフィルタを積層して使用することができ、被濾過流体の特性や、濾過器1の使用条件により選定すればよく、例えば図2のように焼結フィルタ11とメッシュフィルタ12の組み合わせや、異なる目開きのメッシュフィルタを複数積層してもよい。また、フィルタ8の濾過精度は、被濾過流体より除去したい異物の粒径により選定すればよく、特に制限はない。
【0037】
図1に示す濾過器1において、被濾過流体が濾過器1に流入してから流出するまでのおおまかな流れを説明する。図8は、本発明の濾過器を備えた塗布装置の概略構成図である。図8において被濾過流体を貯蔵する容器62は、その上部に空間部を有している。容器62内における配管は、容器62の底部近傍まで延長されており被濾過流体の液中に漬かっている。容器62の被濾過流体は、容器62の上部の空間部に圧力を加えることで送液され、図1に示す濾過器1の流入口2より流入した後、流入室4内に充満してフィルタ8と接触する。そして、フィルタ8を通過するときに、フィルタ8にて異物が除去される。異物除去後の被濾過流体は、フィルタ支持手段9の貫通口を通過し、流出室5内に充満した後に流出口3に流れ、流出口3を通じて濾過器1より流出する。
【0038】
送液の圧力は、1MPa以下であることが好ましい。これを超えると、濾過器1や容器62、開閉バルブ69等付随する設備の耐圧を向上させるために大型化する必要が生じることがあり、高価なものとなる場合が多い。より好ましくは、0.5MPa以下であり、このようにすることで一般的な圧力設計で対応が可能となる。また、送液の際、流出側を負圧にすることで濾過器1内に溜まる気泡を効率よく排出できる場合もあり、その場合は流入側との圧力差が1MPa以下になるよう設定すればよい。
【0039】
図1に示す濾過器1には、フィルタ8に隣接して、多数の貫通口を設けたプレート状のフィルタ支持手段9を配置している。これは送液の際、フィルタ8にかかる圧力でフィルタ8自身が変形するのを防ぐものである。よって、圧力に耐えうる強度を維持できるのであればその材質や形状は特に制限は無く、材質は樹脂、セラミックまたは、チタンやステンレス等の金属から選定してもよいし、形状としては多数の棒状部材により構成した支持部材であってもよいが、製作のしやすさやコストを考慮すると、ステンレスなどの金属からなるプレート状のフィルタ支持手段であることが好ましい。
【0040】
フィルタ支持手段9の厚みや貫通口の大きさ、および貫通口の開口率は、付与する圧力やフィルタ支持手段9の許容できる変形量、濾過流量の兼ね合いにより適宜決定すればよい。なお、開口率は、開口面積/(開口面積+非開口部面積)により求められる値である。一般的には、厚みを0.1〜10mm、貫通口13を直径0.1〜10mm、開口率10〜80%の範囲からなるよう構成することが多く、このようにすることで濾過器1やフィルタ8の大きさ、取り回しの容易さ、コストの面で好ましい。
【0041】
図2に示す例においてフィルタ支持手段9は、プレート状であり複数の丸穴形状の貫通口13を有している。フィルタ支持手段9は、フィルタ側に配され、被濾過流体をフィルタに平行な方向に拡散するための拡散層14と、流出側に配され、拡散層14を介してフィルタ8を支持するための支持層15からなる。
【0042】
拡散層14はフィルタ支持手段9のフィルタ側の面に位置し、複数の凹部16が形成されており、それぞれの凹部16がフィルタに平行な方向において互いに連通されているので、被濾過流体は凹部16に沿ってフィルタに平行な方向に充分拡散し、その後、貫通口13に到達し、流出室5へと流れる。
【0043】
貫通口13は、丸穴以外の形状であってもよく小判形や四角形など被濾過流体がスムーズに流れる形状であればいかなる形状であっても良い。また、濾過流量を増やすために、拡散層14側における貫通口13の合計開口面積は、大きいことが好ましい。
【0044】
なお、フィルタ8は拡散層14に形成される複数の接触領域17と接触することで、流出側に位置する支持層15からフィルタ8を支持し、送液による圧力を受けてフィルタ8が変形することを防止している。接触領域17の数や形状は特に限定されるものではないが、接触領域17が大きすぎると、フィルタ8内部ではペーストがしみこんで濡れてはいるもののペーストが流れていない滞留部を形成することにつながるので、小さい接触領域17を多数設けることが好ましい。
【0045】
凹部16は、貫通口13の中心を基準として任意の角度で放射線状に配置し、貫通口13と連通した溝状として形成している。凹部16の深さと幅は、被濾過流体がスムーズに流れるような大きさであれば特に制限はない。被濾過流体の特性などにより適宜決定すればよいが、フィルタ8の圧力損失よりも小さい圧力損失となるように設計することが好ましく、目安としては、例えば、拡散層14に平行な方向における凹部16の合計面積はフィルタ8の開口面積と少なくとも略同等、凹部16の深さは、少なくともフィルタ8を構成する繊維径および/または、フィルタ8の厚みのいずれか一方より大きくすることが好ましい。
【0046】
なお、フィルタ8が複数枚積層されたもので構成されている場合は、フィルタ8のうち最も拡散層14側に位置するメッシュフィルタ12を上記目安に当てはめて考えることが好ましい。なお、凹部16の深さと幅の最大値はフィルタ支持手段9の強度を確保できる範囲であれば特に制限はない。
【0047】
また、凹部16を含めフィルタ支持手段9はエッチングで製作すると微細な形状を容易に形成できるので好ましい。また、拡散層14と支持層15を別々に製作し、拡散接合でそれぞれを接合して製作することも可能である。
【0048】
図3(a)に、本発明の他の実施態様に係るフィルタ支持手段の拡大斜視図、図3(b)に図3(a)のフィルタ支持手段の拡大断面図を示す。貫通口13は図3に示すように流入側において貫通口13の径を大きくしたすり鉢状としてもよい。このようにすることで、接触領域17をさらに小さくすることができると同時に流れもスムーズとなる。貫通口13は、丸穴以外の形状であってもよく小判形や四角形など被濾過流体がスムーズに流れる形状であればいかなる形状であっても良い。また、濾過流量を増やすために、拡散層14に平行な方向における貫通口13の合計開口面積は、大きいことが好ましい。
【0049】
なお、フィルタ8は拡散層14に形成される複数の接触領域17と接触することで、流出側に位置する支持層15からフィルタ8を支持し、送液による圧力を受けてフィルタ8が変形することを防止している。接触領域17の数や形状は特に限定されるものではないが、接触領域17が大きすぎると、フィルタ8内部ではペーストがしみこんで濡れてはいるもののペーストが流れていない滞留部を形成することにつながるので、小さい接触領域17のものを多数設けることが好ましい。
【0050】
凹部16は、貫通口13の中心を基準として任意の角度で放射線状に配置し、貫通口13と連通した溝状として形成している。凹部16の深さと幅は、被濾過流体がスムーズに流れるような大きさであれば特に制限はない。被濾過流体の特性などにより適宜決定すればよいが、フィルタ8の圧力損失よりも小さい圧力損失となるように設計することが好ましく、目安として、例えば、拡散層14に平行な方向における凹部16の合計面積はフィルタ8の開口面積と少なくとも略同等、凹部16の深さは、少なくともフィルタ8を構成する繊維径および/または、フィルタの厚みのいずれか一方より大きくすることが好ましい。
【0051】
なお、フィルタ8が複数枚積層されたもので構成されている場合は、フィルタ8のうち最も拡散層14側に位置するメッシュフィルタ12を上記目安に当てはめて考えることが好ましい。なお、凹部16の深さと幅の最大値はフィルタ支持手段9の強度を確保できる範囲であれば特に制限はない。
【0052】
また、凹部16を含めフィルタ支持手段9はエッチングで製作すると微細な形状を容易に形成できるので好ましい。また、拡散層14と支持層15を別々に製作し、拡散接合でそれぞれを接合して製作することも可能である。
【0053】
次に本発明の濾過器に配置するフィルタ支持手段のさらに他の好ましい形態について説明する。図4(a)に、本発明のさらに他の実施態様に係るフィルタ支持手段の拡大斜視図、図4(b)に図4(a)のフィルタ支持手段の拡大断面図を示す。
【0054】
図4においてフィルタ支持手段9は、プレート状であり複数の丸穴形状の貫通口13を有している。貫通口13は、丸穴以外の形状であってもよく小判形や四角形など被濾過流体がスムーズに流れる形状であればいかなる形状であっても良い。また、濾過流量を増やすために、拡散層14に平行な方向における貫通口13の合計開口面積は、より大きくすることが好ましい。
【0055】
フィルタ支持手段は、被濾過流体をフィルタに平行な方向に拡散するための拡散層14と拡散層14を介してフィルタを支持するための支持層15からなる。拡散層14はフィルタ支持手段のフィルタ側の面に位置し、複数の凹部16が形成されており、それぞれの凹部16がフィルタに平行な方向において互いに連通されているので、被濾過流体は凹部16に沿ってフィルタに平行な方向に充分拡散し、その後、貫通口13に到達し、支持層15の貫通口13を通過して流出室へと流れる。
【0056】
なお、フィルタは拡散層14に形成される複数の接触領域17と接触することで、流出側に位置する支持層15からフィルタを支持し、送液による圧力を受けてフィルタが変形することを防止している。接触領域17の数や形状は特に限定されるものではないが、フィルタ内部の流れや送液によるフィルタの変形を考慮すると、小さい接触領域17のものを多数設けることが好ましい。
【0057】
図4に示す例において、凹部16は、複数の溝を格子状に配置したものであり、貫通口13と連通している。凹部16の深さと幅は、被濾過流体がスムーズに流れるような大きさであれば特に制限はない。被濾過流体の特性などにより適宜決定すればよいが、流入側のフィルタの圧力損失よりも小さい圧力損失となるように設計することが好ましく、目安として、例えば、拡散層14に平行な方向における凹部16の合計面積はフィルタの開口面積と少なくとも略同等、凹部16の深さは、少なくともフィルタを構成する繊維径および/または、フィルタの厚みのいずれか一方より大きくすることが好ましい。なお、フィルタ8が複数枚積層されたもので構成されている場合は、フィルタ8のうち最も拡散層14側に位置するメッシュフィルタ12を上記目安に当てはめて考えることが好ましい。また、凹部16の深さの最大値はフィルタ支持手段の強度を確保できる範囲であれば特に制限はない。
【0058】
また、凹部16を含めフィルタ支持手段はエッチングで製作すると微細な形状を容易に形成できるので好ましい。また、拡散層14と支持層15を別々に製作し、拡散接合でそれぞれを接合して製作することも可能である。
【0059】
本発明の濾過器に配置するフィルタ支持手段のさらに他の好ましい形態について説明する。
【0060】
図5(a)に、本発明のさらに他の実施態様に係るフィルタ支持手段の拡大斜視図、図5(b)に図5(a)のフィルタ支持手段の拡大断面図を示す。
【0061】
図5においてフィルタ支持手段は、プレート状であり複数の丸穴形状の貫通口13を有した支持層15と、被濾過流体をフィルタに平行な方向に拡散するためのメッシュ19からなる拡散層14で構成されており、メッシュ19からなる拡散層14はフィルタ支持手段9のフィルタ側に位置する。
【0062】
メッシュ19は、線材を織成して形成されるものであり、その構造から、線材が折り合わさる部分をフィルタとの接触領域17とすることができ、目開き81部分ならびに線材が折り合わさっていない空間部82をフィルタに平行な方向に連通した空間として機能させることができる。
【0063】
メッシュ19の材質は、金属や樹脂などを用いることができ、特に限定されるものではないが送液の際、圧力によって空間が圧縮されないようにステンレスなどの金属を用いて剛性を高くすることが好ましい。
【0064】
また、メッシュ19の織成形態としては、フィルタに平行な方向に連通した空間を形成できるのであれば、平織、綾織、平畳織、綾畳織など様々な織成形態を選定することができる。
【0065】
拡散層14は、目開き部分81および線材が折り合わさっていない空間部82がフィルタに平行な方向に連通しているので被濾過流体はこの連通した空間部82に沿ってフィルタに平行な方向に充分拡散し、その後、支持層15の貫通口13を通過して流出室5へと流れる。
【0066】
貫通口13は、丸穴以外の形状であってもよく小判型や四角など被濾過流体がスムーズに流れる形状であればいかなる形状であっても良い。
【0067】
なお、フィルタ8はメッシュ19の線材が折り合わさる部分である複数の接触領域17と接触することで、流出側に位置する支持層15からフィルタ8を支持し、送液による圧力を受けてフィルタ8が変形することを防止している。接触領域17の数や形状は、メッシュ19を構成する繊維径と適用する目開き、織成形態により一義的に決定される。
接触領域17は、フィルタ内部の流れや送液によるフィルタ8の変形を考慮すると、小さい接触領域17のものを多数設けることが好ましい。フィルタ8内部のペーストの流れに着目すると、例えば接触領域17が大きい場合、接触領域17の範囲において、フィルタ8内部ではペーストがしみこんで濡れてはいるもののペーストが流れていない滞留部を形成することになる。その結果、フィルタ平面上において充分な濾過面積を確保できず、極めて非効率であるため、濾過流量を増やすにも限界があるわけであるが、メッシュ19のように線材を適用することで接触領域17を略線接触とすることができ、極めて小さくできることでフィルタ平面全域の濾過面積を有効活用でき、その結果、滞留部はほとんど形成されない。よって、滞留部で発生しやすいペーストの凝集がなくなりフィルタの濾過能力低下やフィルタの寿命低下を防止できる。
【0068】
また、メッシュ19は、切削などの機械加工によって拡散層14を得るものではなく、線材を織成するため、メッシュ19を構成する線材の繊維径および目開きを適宜決定することで、容易に空間部82を有する拡散層14を得ることができる点で好ましい。以上の観点から、繊維径の小さいメッシュを適用すれば、接触領域17を小さくできる。しかし、繊維径が小さすぎると拡散層14の空間部も小さくなることで圧力損失が大きくなり、被濾過流体が空間部82に沿って流れにくくなることで充分拡散しない場合がある。したがって、メッシュ19は、フィルタ8の圧力損失よりも小さい圧力損失となるよう設計することが好ましく、目安としては、例えば、メッシュ19の繊維径は、フィルタ8を構成する繊維径および/または、フィルタ8の厚みの少なくともいずれか一方より大きくすることが好ましい。例えばメッシュ19の繊維径がメッシュフィルタ12を構成する繊維径より大きいと、メッシュフィルタ12より大きな空間部82を得ることができることから圧力損失が小さくなり、被濾過流体がメッシュ19の空間部82を容易に流れて充分拡散することが可能となる。また、メッシュ19の厚みがフィルタ8の厚みより大きいと、同様にメッシュフィルタ12より大きな空間部82を得ることができることから圧力損失が小さくなり、被濾過流体がメッシュ19の空間部82を容易に流れて充分拡散することが可能となる。メッシュ19の目開き81は、大きすぎると送液による圧力でフィルタ8が変形し、メッシュ19の目開き81部分にフィルタ8が落ち込み、その結果フィルタ8が局所的に伸ばされ、フィルタ8自身の目開きが開き濾過精度の悪化から異物がすり抜け製品上に塗布される欠点を招く場合がある。
【0069】
また、図8に示す塗布ヘッド65の吐出開口部66が、例えば0.04mmと小さい場合は、すり抜けた異物が吐出開口部66を塞ぐ可能性もある。よって、フィルタ8が送液による圧力で変形して落ち込まない範囲でメッシュ19の目開き81を決定することが好ましく、例えば目開き81の一つ分について、目開き81の距離でフィルタ8を両端支持すると仮定し、フィルタ8の厚みやヤング率、許容するフィルタ8の変形量(撓み量)、送液の圧力値などから撓み計算を行い、メッシュ19の目開き81のおよその値を決定することが可能である。
【0070】
また、図5(b)に示すとおり、メッシュ19は支持層15の貫通口13の部分でフィルタ8を支持する役割も備えており、フィルタ8が貫通口13へ落ち込むのを防いでいる。よって、メッシュ19の目開き81は、最大でも貫通口13の大きさより小さくすることで貫通口13の部分でもフィルタ8を支持できるようにすることが好ましく、フィルタ8の目開きを抑制できるので好ましい。また、メッシュ19の開口面積は、被濾過流体がスムーズに流れるよう、フィルタの開口面積と少なくとも略同等であることが好ましい。なお、フィルタ8が複数枚積層されたもので構成されている場合は、フィルタ8のうち拡散層14側に位置するメッシュフィルタ12を上記目安に当てはめて考えることが好ましい。
【0071】
また、メッシュ19の織成形態について、平織もしくは綾織は、平畳織や綾畳織より、空間部が大きく取れる場合があるので好ましい。
【0072】
また、被濾過流体の特性などによっては、メッシュ19を複数枚積層した拡散層14として、空間部を稼いで圧力損失を下げることが可能な場合もある。
【0073】
なお、フィルタ8については、異物を除去する役割があることから焼結フィルタ11または、メッシュフィルタ12は基本的に目開きの細かいものを積層して用いる場合が多い。しかし、除去したい異物の大きさや、被濾過流体の特性などによっては、例えば前述した好ましい範囲でメッシュフィルタ12を選定し、拡散層14の役割を果せることも可能な場合がある。
【0074】
なお、フィルタ支持層15の厚みは送液による耐圧強度を確保できる範囲であれば特に制限はないが、一般的には厚くし過ぎると貫通口13で圧力損失が大きくなることから、耐圧強度を確保できる範囲で薄くする方が良い場合が多い。また、支持層15はエッチングで製作すると微細な形状を容易に形成できるので好ましい。
【0075】
以上より、例えばフィルタ8として、繊維径直径0.025mm、目開き0.0258mm、開口率25.6%の#500メッシュフィルタを用い、支持層15の貫通口13を直径3mmの丸穴とした場合、メッシュ19は直径0.14mm、目開き0.283mm、開口率44.8%の#60メッシュを用いることができる。
【0076】
なお、メッシュ19を構成する繊維の断面形状は、略円形状であったり略角形状や幾何学形状のいずれであってもよく、その場合、繊維径は断面形状に外接する円の直径で判断すれば良い。また、メッシュ19は焼結されていてもよく、この場合、織り合わさった部分が強固に接合されるので、変形がおきにくい。
【0077】
また、メッシュ19と支持層15を焼結させてもよい。同様に強固に接合されるし、取り扱いも容易となる場合がある。この場合、フィルタ8も一緒に焼結させておくことも可能である。また、例えばより高い洗浄度を求めるならば、メッシュ19と支持層15、フィルタ8は焼結等させずに個別に取り扱う方が好ましい場合がある。例えば、これらを焼結した場合、焼結の際、周囲の環境によっては異物が付着する危険がある。そのまま、焼結を行うと、各部材間で異物が挟み込まれてしまう。そして、いったい焼結構成されたものを使用前に洗浄したとしても異物が落ちにくいし、またそれが使用中に突発的に排出される恐れもある。よって、フィルタ8、メッシュ19、支持層15を個別に洗浄して付着異物を落とし、高いクリーン度の環境でハウジング内に組み合わせることで異物付着の無い良好なフィルタシステムを提供することが可能となる場合がある。また、メッシュ19については使用後、洗浄を行い再利用しても良いし、使い捨てしてもよい。
【0078】
次に、被濾過流体の流れについて説明する。図6(a)は、例えば拡散層を有していないフィルタ支持手段を用いた場合の流れを示した模式図である。図6(b)は、本発明の濾過器に配置するフィルタ支持手段の他の好ましい形態である図5のフィルタ支持手段を用いた場合の流れを示した模式図である。
【0079】
拡散層を有していない従来のフィルタ支持手段を用いた場合の流れを示した模式図である図6(a)においては、拡散層が無いため、フィルタ8に流入してくる被濾過流体は、流線83に示すとおり、フィルタ平面全域の濾過面積を通過することができない。つまり、接触領域17の範囲において、フィルタ8内部では被濾過流体がしみこんで濡れてはいるものの流れていない滞留部を形成することになる。その結果、フィルタ平面上において十分な濾過面積を確保できず、濾過流量を増やすことが困難であることがわかる。また、送液による圧力がフィルタ8にかかると、接触領域17ではフィルタ8の変形が生じないが、例えば貫通口13が極めて大きいと、フィルタ8が圧力により貫通口13に落ち込み、フィルタ8の目開きが開くという欠点がある。
【0080】
本発明のフィルタ支持手段を用いた場合の流れを示した模式図である図6(b)においては、配置した拡散層14があるので、被濾過流体が拡散層14に平行な方向に拡散できるのでフィルタ8に流入してくる被濾過流体は、流線83に示すとおり、フィルタ平面全域の濾過面積を通過することができるので、容易に濾過流量を増やすことができる。また、送液による圧力がフィルタ8にかかっても、メッシュ19の接触領域17を支持層15で支持しているためフィルタ8の変形が生じない。また、貫通口13においては、例えば貫通口13が極めて大きい場合でも、メッシュ19が存在するため、貫通口13部分でもフィルタ8を支持でき、落ち込みが発生しない。
【0081】
次に図1〜5に示した濾過器1の形状について説明する。濾過器1は、流入ハウジング6が有する流入室4内には第1の支持保持具20を、流出ハウジング7が有する流出室5内には第2の支持保持具25を具備していてもよい。
【0082】
ここで、流入室4および流出室5がフィルタ8と接するフィルタの領域を有効濾過領域とする。流入室4は、図1に示す濾過器1においては略円筒形状であるが、流入口2から流入した被濾過流体が滞留することなく流れ、かつフィルタ8の有効濾過領域まで円滑に拡げられるような形状であれば良い。例えば、流入口2から濾過有効領域にむかって徐々に拡がるような略円錐台状であってもよく、図1に示すような限りではない。ここで、有効濾過領域とは、濾過器1内で、被濾過流体を濾過することのできる領域を指し、フィルタ8の流入ハウジング6と流出ハウジング7に挟み込まれている部分は含まない。そのため、流入室4と流出室5とで、フィルタ8と接するフィルタの領域が異なる場合、それらの接するフィルタ8の領域の小さいほうの領域が有効濾過領域となる。しかし、この場合、被濾過流体は流入室4内または流出室5内で滞留する可能性があるため、流入室4および流出室5がフィルタ8と接触するフィルタ8の領域は略同一であることが好ましい。なお、被濾過流体とは、濾過の対象となる流体のことであり、例えば、塗液や血液、汚泥等のことであるが、これに限られたものではない。
【0083】
流出室5は、図1に示す濾過器1においては略円筒形状であるが、フィルタ8を通過した直後の有効濾過領域にある被濾過流体が滞留することなく流れ、かつ流出口3に向かって円滑に狭められるような形状であれば良い。例えば、濾過有効領域から流出口3にむかって徐々に狭まるような略円錐台状であってもよく、図1に示すような限りではない。
【0084】
流入口2および流出口3の位置や向きは、濾過器1への他の機器や配管との接続によりいずれであっても構わないが、被濾過流体が滞留しないようにすることが良い。例えば、流入室4や流出室5が略円錐台状である場合、流入口2や流出口3は、流入室4や流出室5のフィルタ8と最も離れた位置に連通することが好ましいが、ここに示す限りではない。
【0085】
濾過器1は、液漏れを防止するためにOリング10を使用している。このような液漏れ防止用のOリングには、例えば、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴムなどの材質が使用されるが、被濾過流体の特性や、濾過器1の使用条件により選定すればよく、ここに示した以外のものを使用してもよい。また、濾過器1は、液漏れ防止用にOリング10を用いているが、漏れを防止することが可能であれば、他の液漏れ防止材や、封止材などを用いてもよく、特に制限はない。
【0086】
次に、本発明に係る濾過器を備えた塗布装置について、図面を参照して説明する。図8は、本発明の濾過器を備えた塗布装置の概略構成図である。図8に示す塗布装置は、たとえば、プラズマディスプレイパネル用部材における蛍光体塗布工程に特に好ましく適用することができるものである。すなわち、R(赤)、G(緑)、B(青)の3種類のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストをプラズマディスプレイパネル用の凹凸基板に塗布する際に好適に用いることができる。
【0087】
図8に示す塗布装置60は、本発明に係る濾過器1と、蛍光体ペーストなどの塗液を貯蔵する塗液容器62と、基板63を固定するテーブル64と、基板63に塗液61を塗布する塗布ヘッド65と、テーブル64と塗布ヘッド65とを3次元的に相対移動させる移動手段(図示しない)とを備える。
【0088】
塗布する基板がプラズマディスプレイの背面板の場合、塗布ヘッドは、基板上に形成された所望の全ての溝に対して1回、または複数回の塗布動作で塗布を完了するために、吐出開口部が略一直線状に配列して設けられていることが好ましい。プラズマディスプレイの背面板の場合、R、G、Bいずれか1色の蛍光体粉末を含んだ塗液を塗布することが好ましく、その場合、塗布ヘッドには塗布回数と、塗布する溝に対応した数、ピッチで吐出開口部66が設けられる。
【0089】
吐出開口部66の形状は特に限定されるものではなく、凹凸基板に安定して塗布できるのであれば丸穴形状や長穴形状などであってもよい。なお、プラズマディスプレイパネル用の凹凸基板の場合、溝の寸法や溝に充填する蛍光体ペーストの量を考慮すると、吐出開口部66の1つあたりの開口面積が0.04mm2以下であることが好ましい。
【0090】
塗布ヘッド65は内部に塗液61を溜めるマニホールド部67を有し、塗液61を供給するための配管68が接続され、この配管68の反対側先には、本発明に係る濾過器1、および塗液の供給をコントロールする開閉バルブ69を介して塗液容器62が接続される。また、塗布ヘッド65には、吐出開口部66から塗液61を吐出させるための加圧気体を供給する配管70が接続され、この配管70の反対側先は加圧気体の切換バルブ71を介して、一方は所望圧力の加圧気体源73に接続され、他の一方は大気に開放されている。
【0091】
塗液容器62には、塗布ヘッド65に塗液61を供給するための加圧気体を供給する配管70が接続され、この配管70の反対側先は加圧気体の切換バルブ72を介して、一方は所望圧力の加圧気体源73に接続され、他の一方は大気に開放されている。
【0092】
図8に示す塗布装置60において、塗布ヘッド65への塗液供給は、切換バルブ71を大気開放にした状態で切換バルブ72を加圧気体源73に接続して塗液容器62内を加圧し、開閉バルブ69を開くことにより行われる。塗液容器62より流れ出た塗液は、配管68を通じて濾過器1内に流入し、捕捉したい異物の粒径に応じて選定されたフィルタ8により、異物が除去される。このとき、図2〜図5に示した本発明に係る濾過器内では、フィルタ平面全域にわたって流入した塗液が流出側に流れる。そして、拡散層14では空間部がフィルタに平行な方向に連通しているので被濾過流体はこの連通した空間部に沿ってフィルタに平行な方向に充分拡散し、その後、貫通口13に到達して流出室5へと流れる。したがって、フィルタ8内部は、塗液の滞留なくフィルタ平面全域の濾過面積を有効活用することが可能となる。
【0093】
また、フィルタ8は複数の接触領域17と接触することで、流出側に位置する支持層15からフィルタを支持し、送液による圧力を受けてフィルタ8が変形することを防止できる。そして、濾過器1を流出した塗液は、塗布ヘッド65内に、塗布ヘッド65のマニホールド部67上部に空間を残す形で所定量が貯えられる。
【0094】
塗布装置60において、塗液61の塗布は、塗液容器62から塗布ヘッド65のマニホールド部67内に塗液61を所定の量に達するまで供給した後に、塗布ヘッド65の下方で基板63を積載したテーブル64を所定の方向に移動、または基板63の上方で、塗布ヘッド65を所定の方向に移動させて、その間に、塗布ヘッド65から塗液61を吐出し、基板63上に塗液61を塗布する。
【0095】
塗液61の吐出および停止は、開閉バルブ69を閉じた状態で切換バルブ71を加圧気体源73に切り換えて、マニホールド部67上部の空間に加圧気体を供給することにより行われる。
【0096】
なお通常、PDP蛍光体塗布工程に用いられる蛍光体ペーストは、数千〜十数万mPa・sと、非常に高粘度であるが、そのような高粘度の塗液を使用しても問題はない。
【0097】
以上のように、本発明に係る濾過器、およびこれを備えた塗布装置は、フィルタ平面上において充分な濾過面積を確保し、フィルタの濾過精度を低下させることなく容易に濾過流量を増やして送液に要する時間を短縮できる。
【実施例】
【0098】
次に、本発明の実施の形態に従って、プラズマディスプレイ背面版に塗液を塗布した場合の実施例を示す。
【0099】
実施例1
被塗布材は、サイズ990×600mm、被塗布材面には高さ0.12mmで頂部の幅0.05mmのリブが、ピッチ0.3mm(溝幅0.25mm)で3097本形成されたものを用いた。また、塗液は粘度50Pa・sの赤色の蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストを使用した。
【0100】
本発明の塗布装置として、図8に示す塗布装置60、塗布ヘッド65(ステンレス製のもの)を用いた。塗布ヘッド65は、孔径0.1mm(開口面積0.00785mm)の貫通口が1030個、略一直線上に配置された吐出開口部66を有している。
【0101】
濾過器1は、図1に示す形状を有するものを用い、フィルタ8やフィルタ支持手段9は図2に示すものを用いた。流入室4は略円筒形状であって、内径122mm、高さ13mmであり、流出室5は略円筒形状であって、内径122mm、高さ8.5mmであった。なお、流入室4および流出室5の内面は平滑であり、略円筒形状の端部は滑らかに湾曲している。流入口2および流出口3は、内径15mmである。また、流入ハウジング6および流出ハウジング7の材料は、SUS304である。これに挟み込まれるフィルタ8は、積層構成とし、材料がSUS316の焼結フィルタ11で、直径141mm、濾過精度0.04mmを流入側に、線径0.025mm、目開き0.0258mmの#500メッシュフィルタ12を流出側に配置し、焼結フィルタ11の脱落繊維を補足するよう構成した。
また、フィルタ8はそれぞれを焼結せずに個別に超音波洗浄し、個々の洗浄度を上げたものをクリーンルーム内で組み付けた。
また、フィルタ8に隣接するフィルタ支持手段9は、厚さ0.5mm、孔径3mmの孔が4mmピッチ千鳥配置、多数開口し開口率約50%となるようにし、その材料はSUS304である。さらに、Oリング10は、JIS B2401(2005年度)の呼び番号P132で、材料はシリコンである。
フィルタ支持手段9においては、拡散層14として0.25mmの厚みを利用する。
つまり、凹部16の深さが0.25mmとした。また凹部16の幅は0.3mmとし、貫通口13を中心として45°ピッチで8箇所形成した。結果として、拡散層14では凹部16と貫通口13が連通した状態となる。製作はエッチングにて行った。
【0102】
塗液の塗布はまず、塗布ヘッド65に塗液を供給する。塗液の供給は、0.45MPaの圧力をかけた塗液容器62から送り出されて、開いた開閉バルブ69を通過し、濾過器1で異物を除去した塗液が、塗布ヘッド65のマニホールド部67内に吐出開口部66からの液面高さが25mmになるまで行う。それから、開閉バルブ69を閉じ、塗布ヘッド65内に0.7MPaの圧力を付与することで、塗布ヘッド65から塗液61を吐出して、基板63に塗布した。これを1000回繰り返したときの塗液の供給時間を平均したものを表1に示す。塗液の供給時間は平均6.4secであった。吐出開口部66は異物により1孔も詰まることなく、また、塗布後の基板63に異物が混入することもなく塗布できた。
【0103】
この蛍光体ペーストを塗布した基板63を乾燥すると、隔壁により形成された凹部に蛍光体層が形成され、プラズマディスプレイ背面板が完成した。
【0104】
この塗布工程で供給に許される時間は7.0sec以下であり、充分目標を達成できることを確認した。
【0105】
実施例2
フィルタ支持手段を図4に示す拡散層14を有する形状とし、それ以外は実施例1と同様にした。
【0106】
凹部16は、複数の溝を格子状に配置したものであり、貫通口13と連通している。凹部16の深さは0.25mmとした。また凹部16の幅は0.3mmとして、溝と溝のピッチは0.5mmとした。結果として、拡散層14では凹部16と貫通口13が連通した状態となる。製作はエッチングにて行った。
【0107】
結果は、表1に示すとおり6.1secであった。吐出開口部66は異物により1孔も詰まることなく、また、塗布後の基板63に異物が混入することもなく塗布することができた。
【0108】
この蛍光体ペーストを塗布した基板63を乾燥すると、隔壁により形成された凹部に蛍光体層が形成され、プラズマディスプレイ背面板が完成した。
【0109】
この塗布工程で供給に許される時間は7.0sec以下であり、充分目標を達成できることを確認した。
【0110】
実施例3
フィルタ支持手段を図5に示す拡散層14を有する形状とし、それ以外は実施例1と同様にした。
【0111】
拡散層14として線径0.14mm、目開き0.283mm、開口率44.8%の平織りの#60メッシュ、用いた。
【0112】
支持層15は0.5mmの厚さ、孔径3mmの孔が4mmピッチ千鳥配置、多数開口し開口率約50%となるようにし、その材料はSUS304である。
【0113】
線材が織り合わさった部分である接触領域17を支持層15が支持することでフィルタ8を支持した。
【0114】
結果は、表1に示すとおり6.0secであった。吐出開口部66は異物により1孔も詰まることなく、また、塗布後の基板63に異物が混入することもなく塗布することができた。
【0115】
この蛍光体ペーストを塗布した基板63を乾燥すると、隔壁により形成された凹部に蛍光体層が形成され、プラズマディスプレイ背面板が完成した。この塗布工程で供給に許される時間は7.0sec以下であり、充分目標を達成できることを確認した。
【0116】
比較例1
従来の濾過器として、フィルタ支持手段9を図7に示す形状とし、それ以外は実施例1と同様にした。拡散層14は設けず、フィルタ支持手段9のみである。
【0117】
フィルタ支持手段9は0.5mmの厚さ、孔径3mmの孔が4mmピッチ千鳥配置、多数開口し開口率約50%となるようにし、その材料はSUS304である。結果は、表1に示すとおり8.0secも要してしまった。しかし、吐出開口部66は異物により1孔も詰まることなく、また、塗布後の基板63に異物が混入することもなく塗布することができた。
【0118】
この蛍光体ペーストを塗布した基板63を乾燥すると、隔壁により形成された凹部16に蛍光体層が形成され、プラズマディスプレイ背面板が完成した。
【0119】
この塗布工程で供給に許される時間は7.0sec以下であり、供給時間が1.0secオーバーしたため、後工程にプラズマディスプレイ背面板を必要数供給することができず、目標未達となった。
【0120】
比較例2
従来の濾過器として、フィルタ支持手段9の貫通口13を特許文献3に記載された段付形状とし、それ以外は実施例1と同様にした。拡散層14は設けず、フィルタ支持手段9の貫通口13が大径側の直径5mm、小径側の直径3mmとした。フィルタ支持手段は0.5mmの厚さ、貫通口13を4mmピッチ千鳥配置、多数開口し、小径側で開口率約50%となるようにし、その材料はSUS304である。
果は、表1に示すとおり7.6secも要してしまった。また、塗布後の基板63に異物が混入していた。
【0121】
この蛍光体ペーストを塗布した基板63を乾燥すると、隔壁により形成された凹部に蛍光体層が形成され、プラズマディスプレイ背面板が完成した。
【0122】
この塗布工程で供給に許される時間は7.0sec以下であり、供給時間が0.6secオーバーしたため、後工程にプラズマディスプレイ背面板を必要数供給することができず、目標未達となった。
【0123】
大径側を設けて接触領域17を小さくはしたものの、貫通口13と貫通口13の間で塗液が分断されフィルタ平面全域を有効濾過面積として活用できていないことが伺える結果となった。また、混入していた異物を分析すると焼結フィルタ11の脱落繊維であることが判明した。大径部で脱落繊維補足用#500メッシュフィルタが落ち込み目開きしたため、脱落繊維が製品上に塗布されたことが原因であると推定される。
【0124】
比較例3
従来の濾過器として、フィルタ支持手段9を図7に示す形状で、貫通口13を大きくし、それ以外は実施例1と同様にした。拡散層14は設けず、フィルタ支持手段9のみを用いた。フィルタ支持手段9は0.5mmの厚さ、孔径5mmの孔が4mmピッチ千鳥配置、多数開口し開口率約62%となるようにし、その材料はSUS304である。
結果は、表1に示すとおり7.4secも要してしまった。また、塗布後の基板63に異物が混入しており、かつ、吐出開口部66が2孔詰まっていた。
【0125】
この蛍光体ペーストを塗布した基板63を乾燥すると、隔壁により形成された凹部に蛍光体層が形成され、プラズマディスプレイ背面板が完成した。
【0126】
この塗布工程で供給に許される時間は7.0sec以下であり、供給時間が0.4secオーバーしたため、後工程にプラズマディスプレイ背面板を必要数供給することができず、目標未達となった。大径の貫通口13を設けて接触領域17を小さくはしたものの、貫通口13と貫通口13の間で塗液が分断されフィルタ平面全域を有効濾過面積として活用できていないことが伺える結果となった。
また、混入していた異物と吐出開口部66を詰まらせていた異物を分析すると焼結フィルタ11の脱落繊維であることが判明した。
大径部で脱落繊維補足用#500メッシュフィルタが落ち込み目開きしたため、脱落繊維が製品上に塗布されたことが原因であると推定される。
【0127】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの塗布装置に好適に用いられる他、液晶ディスプレイ用カラーフィルターの塗布装置など、高度な濾過精度が求められる分野に応用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 濾過器
2 流入口
3 流出口
4 流入室
5 流出室
6 流入ハウジング
7 流出ハウジング
8 フィルタ
9 フィルタ支持手段
10 Oリング
11 焼結フィルタ
12 メッシュフィルタ
13 貫通口
14 拡散層
15 支持層
16 凹部
17 接触領域
19 メッシュ
20 第1の支持保持具
25 第2の支持保持具
60 塗布装置
61 塗液
62 容器
63 基板
64 テーブル
65 塗布ヘッド
66 吐出開口部
67 マニホールド部
68 配管
69 開閉バルブ
70 配管
71 切換バルブ
72 切換バルブ
73 加圧気体源
81 目開き部分
82 空間部
83 流線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流入口およびこれに連通する流入室を有する流入ハウジング、
流体の流出口およびこれに連通する流出室を有する流出ハウジング、
ならびに、前記流入室と前記流出室を区画するよう配置されるシート状のフィルタを有する濾過器であって、
前記フィルタの流出側に、フィルタ側の面から流出側の面まで通じる複数の貫通口を有するフィルタ支持手段を配置し、
該フィルタ支持手段は、フィルタ側に配され、流体を前記フィルタに平行な方向に拡散するための拡散層、および流出側に配され、該拡散層を介してフィルタを支持するための支持層からなることを特徴とする濾過器。
【請求項2】
前記拡散層は、少なくとも前記フィルタ支持手段のフィルタ側に複数の凹部を設け、前記凹部はフィルタに平行な方向において連通してなることを特徴とする請求項1に記載の濾過器。
【請求項3】
前記拡散層が、メッシュであることを特徴とする請求項1に記載の濾過器。
【請求項4】
前記フィルタが繊維状の濾材により構成され、前記メッシュを構成する繊維径が、前記フィルタを構成する繊維径より大きいことを特徴とする請求項3に記載の濾過器。
【請求項5】
前記フィルタおよびメッシュがいずれも金属製であることを特徴とする請求項3または4に記載の濾過器。
【請求項6】
塗液を貯蔵する塗液容器とこれに連通する塗布ヘッドを有する塗布装置であって、前記塗液容器と前記塗布ヘッドの間に請求項1〜5のいずれかに記載の濾過器を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項7】
前記塗布ヘッドは、少なくとも1つの吐出開口部を有し、該吐出開口部1つあたりの開口面積が0.04mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−173054(P2011−173054A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38260(P2010−38260)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】