説明

濾過装置の洗浄方法

【課題】 濾過フィルター又は分離膜に堆積した堆積物を確実に且つ極めて効率よく剥離除去できる濾過装置の洗浄方法を提供する。
【解決手段】 本発明の濾過装置の洗浄方法は、濾過フィルター又は分離膜を備えた濾過装置を洗浄する方法であって、濾過装置の濾過水側に設けたエアチャンバーに気体を満たしておき、原水供給ポンプにより超微細気泡を含有する原水を濾過装置に供給して濾過水を得る濾過運転状態から、濾過水流出口側バルブを閉止して、原水供給ポンプ吐出側から濾過水流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原水側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜の堆積物を原水側に剥離させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は濾過装置の洗浄方法、より詳しくは、濾過フィルター又は分離膜を備えた濾過装置において、濾過フィルター又は分離膜に堆積した堆積物を効果的に剥離できる濾過装置の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
濾過フィルター又は分離膜を備えた濾過装置を長期間運転すると、濾過フィルター又は分離膜に、原水中の濁質物質が付着、堆積し、濾過フィルターや分離膜の濾過能力が低下する。このような濾過能力が低下した濾過フィルターや分離膜の濾過性能を回復させる方法として、例えば、原水の通水の断続、原水フラッシング、エアバブリング、膜の機械的振動、膜表面堆積物の物理的擦り落とし、あるいは水又は気体を濾過時とは逆方向に膜透過させる逆圧洗浄(以下、「逆洗」と称する場合がある)等の方法が知られている。
【0003】
例えば、特開昭63−111995号公報には、原水タンクと、中空糸型限外濾過モジュールと、原水を前記モジュールに供給するポンプを備えた無菌水製造装置において、自動フラッシング機構を組み込んだ無菌水製造装置が開示されている。この装置では、モジュール流出透過水ラインのバルブ開放、モジュール流出濃縮液フラッシングラインのバルブ閉止の状態から、タイマーのタイムアップの信号によりモジュール流出濃縮液フラッシングラインのバルブ閉止とし、モジュール流入水の圧力が上昇し所定の圧力となるとスイッチが作動して、モジュール流出濃縮液フラッシングラインのバルブ開放とし、一挙に放圧することにより、所定時間フラッシングが行われる。しかし、この方法では、原水が主に原水供給側分離膜表面に並行に流れるので、分離膜に堆積した濁質物質の除去効果は十分なものとはいえない。
【0004】
特開昭60−197206号公報には、透過膜モジュールの透過水側を、その透過水側に予めガス体を満たして密閉し、所定時間原水側の原水圧力を上昇させ、しかる後原水側の原水圧力を降下させて透過膜の蓄積物を原水側に剥離させる透過膜モジュールの洗浄方法が開示されている。そして、この方法によれば、透過水が透過側から原水側へ、透過側で圧縮されていたガス体の膨張力により流れ、逆洗が行われるため、膜面上に堆積していた微小懸濁物が膜表面から浮かび上がり、原水側の流れにのって系外に排出され、膜面が洗浄されると記載されている。しかし、この方法では、膜面上の堆積物はかなり剥離するが、全面的ではなく、必ずしも十分満足できる方法とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−111995号公報
【特許文献2】特開昭60−197206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、濾過フィルター又は分離膜に堆積した堆積物を確実に且つ極めて効率よく剥離除去できる濾過装置の洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、濾過装置の濾過水側にエアチャンバーを設け、このエアチャンバーに気体を満たしておき、原水供給ポンプにより超微細気泡を含有する原水を濾過装置に供給する濾過運転状態から、濾過水流出口側バルブを閉止して、濾過装置内をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原水側圧力を急激に降下させると、濾過フィルター又は分離膜表面に堆積した堆積物が極めて効率よく且つ確実に、また微細に粉砕された状態で原水側に剥離することを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、濾過フィルター又は分離膜を備えた濾過装置を洗浄する方法であって、濾過装置の濾過水側に設けたエアチャンバーに気体を満たしておき、原水供給ポンプにより超微細気泡を含有する原水を濾過装置に供給して濾過水を得る濾過運転状態から、濾過水流出口側バルブを閉止して、原水供給ポンプ吐出側から濾過水流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原水側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜の堆積物を原水側に剥離させることを特徴とする濾過装置の洗浄方法を提供する。
【0009】
この濾過装置の洗浄方法において、超微細気泡を含有する原水は、原水中に気体を混合して得られる気液混合流体を、原水供給ポンプによる高圧により縮小部・最挟部・拡大部を有する流路を流通させ、流路内で形成される気液混合流体の高速せん断流の流速と圧力を変化させて超微細気泡を発生させることにより得られる超微細気泡含有原水であってもよい。
【0010】
なお、本明細書では、濾過フィルターを通過した濾過水及び分離膜を通過した透過水を「濾過水」と総称する。また、濾過フィルター及び分離膜を「膜」、濾過フィルターによる濾過及び分離膜による濾過を「膜濾過」と総称する場合がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の濾過装置の洗浄方法によれば、濃縮液排出口側バルブを開にして原水側圧力を急激に降下させた際の圧力の急激な変動によって濾過フィルター又は分離膜が受ける衝撃と、エアチャンバー内の気体の急激な膨張による濾過水の濾過水側から原水側への急激な流れ(逆流)と、濁質物質の堆積物内にしみ込んだ原水中の超微細気泡の急激な膨張による堆積物の破砕との相乗的な効果により、濾過フィルター又は分離膜表面の堆積物を極めて効率よく且つ確実に、また細かく粉砕した状態で剥離、除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の濾過装置の洗浄方法の一例を示す概略説明図(概略フロー図)である。
【図2】本発明の方法で使用される送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)の一例を示す部分断面図(送液分散部の断面図)である。
【図3】図2の超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプの収納室の部分拡大図(断面図)である。
【図4】本発明の方法で使用される送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)の他の例を示す断面図である。
【図5】図4の超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプの部分拡大図(断面図)である。
【図6】本発明の方法で使用される送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の方法で使用される超微細気泡発生装置の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の方法で洗浄の対象となる濾過装置は濾過フィルター又は分離膜を備えている。濾過フィルターとしては、特に限定されず、例えば孔径1μm以上25μm未満程度の種々の材質、形状の濾過フィルターを使用できる。濾過フィルターの材質としては、例えば、金属(金網)、プラスチック、紙などが挙げられる。濾過フィルター(エレメント)の形状としては、例えば、円筒型、プレート&フレームタイプエレメントなどが挙げられる。濾過フィルター(濾材エレメント)の内容積としては、例えば、50〜5000mL、好ましくは100〜2000mL程度である。また、濾過フィルター(濾材エレメント)の濾過面積は、例えば0.001〜1m2、好ましくは0.005〜0.5m2程度である。
【0014】
分離膜としては、特に限定されず、限外濾過膜、精密濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜などが挙げられる。限外濾過(UF)膜とは分子量500〜30万の物質(分子サイズとして0.001〜0.03μm程度)を分離対象とする分離膜であり、通常のナノ濾過膜の範疇も含む。精密濾過(MF)膜は粒径0.02〜2μmの粒子を分離対象とする分離膜である。従って、限外又は精密濾過膜の孔径は0.001〜2μmであるが、より好ましくは、0.01〜1μmである。また、逆浸透(RO)膜は塩類や分子量500程度までの物質を分離対象とする分離膜(分子サイズとして1Å〜0.001μm程度)であり、例えば海水の淡水化に使用される。また、限外濾過膜の透過水を逆浸透膜に通すこともある。
【0015】
分離膜の材質としては、一般的なもの、例えば、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、芳香族ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セラミックなどを使用できる。これらの中でも、限外濾過膜の材質としては酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、芳香族ポリアミドが好ましく、精密濾過膜の材質としてはポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、セラミックが好ましい。逆浸透膜の材質としては、酢酸セルロース、芳香族ポリアミドなどが好ましい。
【0016】
分離膜を備えた濾過装置として、膜モジュールが挙げられる。膜モジュールとしては、中空糸型濾過膜モジュール、平板モジュール、チューブラーモジュール、スパイラルモジュール等の何れであってもよいが、逆洗が比較的容易に行える点から、中空糸型濾過膜モジュールが好ましい。中空糸型濾過膜モジュールにおける中空糸膜の内径は、中空糸膜の内側に気泡径50μm以下の微細気泡を効果的に通過させるとともに、汚染物質の閉塞の防止、中空糸充填率の向上という観点から、0.1〜2.0mm程度の範囲が好ましく、0.5〜1.0mmの範囲がさらに好ましい。
【0017】
中空糸膜としては、酢酸セルロース系中空糸膜、ポリスルホン系中空糸膜、ポリアクリロニトリル系中空糸膜、ポリフッ化ビニリデン中空糸膜等を挙げることができるが、これらの中でも、低い膜間圧力で運転することができ、膜のファウリングも抑制しやすいことから、酢酸セルロース系中空糸膜が好ましい。また、外表面側の細孔より内表面側の細孔の方が小さい孔径のものが内圧式としては好適である。
【0018】
なお、濾過装置に供する原水としては、特に限定されず、淡水(河川水、湖沼水等)、海水などが挙げられる。原水としては、濾過装置を経て得られる濃縮液の循環水を混合したものを用いることもできる。
【0019】
本発明では、濾過装置の濾過水側に設けたエアチャンバー(エアホールドタンク)に気体を満たしておき、原水供給ポンプ(「送水ポンプ」と称する場合がある)により超微細気泡を含有する原水を濾過装置に供給して濾過水を得る濾過運転状態から、濾過水流出口側バルブを閉止して、原水供給ポンプ吐出側から濾過水流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原水側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜の堆積物を原水側に剥離させる。
【0020】
エアチャンバーの形状、材質、大きさとしては、特に限定されず、濾過装置の大きさ、洗浄操作の操作性、安全性等を考慮して適宜選択できる。エアチャンバーの形状としては、例えば、円筒状、バルーン状(内部が空洞の球状、楕球状等)等の何れであってもよい。エアチャンバーの材質としては、例えば、金属(ステンレス、チタン等)、ガラス、プラスチック等の何れであってもよい。エアチャンバーの大きさとしては、円筒状の場合、直径は、例えば5mm〜200mm、好ましくは10mm〜100mm程度、内部空間の高さ(長さ)は、例えば10mm〜1000mm、好ましくは20mm〜500mm程度である。
【0021】
エアチャンバーの内容積は、例えば20mL〜30L、好ましくは25mL〜1L、さらに好ましくは25mL〜500mL程度である。エアチャンバーの内容積が小さすぎると、フィルター又は分離膜の表面の堆積物の剥離性が低下しやすくなり、大きすぎると、排水削減面やコスト面で無駄が増大してゆく。
【0022】
エアチャンバーの取付け位置としては、濾過装置の濾過水側であって、エアを貯留できる箇所であればよいが、濾過運転時において濾過水の水面より上方に取り付けるのが好ましい。
【0023】
エアチャンバーに満たす気体としては、空気、窒素、アルゴンなどが挙げられるがこれらに限定されない。本発明では、濾過装置の濾過水側にエアチャンバーを設けるので、洗浄時、濾過装置内の圧力を急激に降下させる際、濾過フィルター又は分離膜に強い衝撃を与えるとともに、圧力降下時の気体の膨張は水に比して著しく大きいため、二次側(濾過水側)の水を一次側(原水側、濃縮液側)に押し出すキャパシティアップの効果が得られる。
【0024】
次に、超微細気泡を含有する原水について説明する。
【0025】
本明細書において、超微細気泡とは、発生時において気泡径50μm以下の気泡をいう。気泡径は、発生時において50μm以下が好ましく、更に好ましくは発生時において気泡径10μm以下である。超微細気泡は、発生時において例えば10μm程度であっても時間とともに徐々に小さくなる現象がある。本発明においては、濾過装置に流入させる超微細気泡含有原水中に含まれる気泡径2〜50μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)は、20〜30℃において、例えば100個/mL以上、好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上であり、特に2000個/mL以上が好ましい。なお、膜モジュールに流入させる超微細気泡含有原水には、気泡径50μm以上の気泡が含有されていてもよい。
【0026】
本発明では、超微細気泡を含有する原水を用いるため、洗浄時に濾過装置内の圧力を急激に降下させる際、濾過面の堆積物にしみ込んだ原水中の超微細気泡が急激に膨張して、堆積物を細かく粉砕する。このため、濾過フィルター又は分離膜の濾過面を極めて効率よく清浄化できる。なお、超微細気泡は、濾過面の汚れをはぎ取り且つ粉砕するだけでなく、静電気的な作用によるためか、一旦剥離した汚れを再び膜表面に付着させない働きをする。
【0027】
超微細気泡を含有する原水は、超微細気泡源としての気体を原水中に混入させた気液混合流体に高速せん断を与えたり、或いは該気液混合流体を間隙の変化する流路を流通させ、流路間隙の変化によって該気液混合流体の流速と圧力を変化させて、主に50μm以下のサイズの気泡を発生させる超微細気泡発生装置(例えば、発生する全気泡の70%以上が気泡径50μm以下の気泡である超微細気泡発生装置)により調製することができる。超微細気泡発生方法としては、一般に、薬品を用いる方法、気体を過飽和に溶解させてから圧力低下させて発生させる方法、流体に気体を混合させて高速せん断を与える方法、気液混合流体の流路間隙を変化させて該気液混合流体の流速と圧力を変化させる方法などがある。超微細気泡の発生方法が異なると、発生した超微細気泡の性質は大きく異なることが一般に知られている(大成博文:マイクロバブルのすべて、日本実業出版 p1−285、2006)。
【0028】
超微細気泡の発生方法としては、原水中に気体を混入させて高速せん断を与える方法や、気液混合流体の流路間隙を変化させて該気液混合流体の流速と圧力を変化させる方法が好ましい。高速せん断を与える方法としては、液体と気体を円筒形状の中で超高速旋回させることによって気泡を発生させる方法、気液混合流体を高速で環状スリットに通過させて気泡を発生させる方法などがある。特に、気液混合流体を環状スリットに通過させて噴出させることにより、液中に超微細気泡を発生させる環状スリットを備えた装置が好適である。この環状スリットは、内径側から外径側に向かって間隙最小部から拡大するように設けられた流路拡大部を備えているのが好ましい(この場合、気液混合流体は内径側から外径側に向かって流れる)。なお、環状スリットは、外径側から内径側に向かって間隙最小部から拡大するように設けられた流路拡大部を備えているものであってもよい(この場合、気液混合流体は外径側から内径側に向かって流れる)。気液混合流体を環状スリットに通過させて噴出させる際、遠心翼を備えた回転体の高速回転で発生する高圧を利用して環状スリットを通過させてもよい。また、気液混合流体の流路間隙を変化させることにより該気液混合流体の流速と圧力を変化させる方法としては、例えば、気液混合流体を高圧により縮小部・最挟部・拡大部を有する流路(例えば、環状スリット)を流通させる方法などが挙げられる。
【0029】
本発明では、原水供給ポンプでの加圧後(より具体的には原水供給ポンプのポンプインペラの回転による加圧後)において、超微細気泡を発生させつつ、前記原水供給ポンプによる加圧膜濾過を行ってもよい。原水供給ポンプにより圧力が高められた状態で発生した超微細気泡は、膜を通過する際の圧力降下により膨張するとともに、高圧下で溶解した気体が膜(ならびに膜孔)を流通する際の圧力降下により極めて多数の超微細気泡が発生する。濾過フィルターを用いる場合、原水供給ポンプの吐出側の圧力(すなわち、膜濾過時の濾過圧力)は、例えば0.01MPa(ゲージ圧)以上[例えば、0.01〜0.5MPa(ゲージ圧)]である。限外又は精密濾過膜モジュールを用いる場合、原水供給ポンプの吐出側の圧力(すなわち、膜濾過時の濾過圧力)は、例えば0.01MPa(ゲージ圧)以上[例えば、0.01〜0.1MPa(ゲージ圧)]、好ましくは0.02MPa(ゲージ圧)以上[例えば、0.02〜0.08MPa(ゲージ圧)]である。膜モジュールとして逆浸透膜モジュールを用いる場合には、水供給ポンプの吐出側圧力は、限外又は精密濾過膜モジュールの場合の100倍程度高いため、水供給ポンプの吐出側の圧力は、例えば1MPa以上[例えば、1〜7MPa(ゲージ圧)]であり、高圧ポンプが必要である。
【0030】
超微細気泡源となる気体(空気等)の導入位置(気体供給手段の設置箇所)は、濾過装置及び超微細気泡を発生させる装置(超微細気泡発生装置)の上流側であれば特に制限はないが、導入された気体と原水とを原水供給ポンプの回転羽根などで効率よく混合できる点で、前記原水供給ポンプの上流側(ポンプインペラの回転による加圧前)であるのが好ましく、特に、前記原水供給ポンプの直前(ポンプインペラの回転による加圧直前)であるのが好ましい。気体の供給量は、原水供給ポンプの吐出流量1m3/hあたり、例えば0.005〜0.50L/min(標準状態)、好ましくは0.03〜0.30L/min(標準状態)、さらに好ましくは0.05〜0.30L/min(標準状態)である。気体の供給量は、少なすぎれば超微細気泡の数が少なくなり、多すぎれば超微細気泡の大きさが50μm以上のものの割合が多くなり、いずれも濾過装置の汚れや目詰まりを効果的に防止できなくなる。なお、気体の供給量が少なくても、超微細気泡が発生すれば、ある程度の効果が得られる。
【0031】
また、超微細気泡の発生を原水タンク内で行ってもよい。この場合は、原水タンク内に超微細気泡発生装置を備え付けることにより、超微細気泡を含有する原水を調製することができる。
【0032】
濾過運転において、膜濾過方式は、濾過装置の構造等に応じて適宜選択でき、全量濾過方式、クロスフロー濾過方式の何れであってもよいが、膜供給水中の懸濁物質やコロイドが膜面に堆積する現象を抑制できる点で、内圧式のクロスフロー濾過方式が特に好ましい。クロスフロー濾過方式の場合、原水の膜面線速が大きいほど膜面への付着物質の堆積が抑制されるので高い濾過流束(フラックス)が得られ、膜汚染防止の点で好ましいが、高膜面線速となるほどランニングコストが増加することになる。クロスフロー濾過方式における原水の膜面線速(クロスフロー速度)は、例えば0.02m/s以上0.5m/s未満であり、好ましくは0.05m/s以上0.2m/s未満である。
【0033】
濾過運転においては、通常、膜面への付着物質の堆積を防止し、長期間膜濾過運転を行うため、濾過装置に対し、該濾過装置からの濾過水又は別途供給される清浄水により間欠的にあるいは定期的に逆洗を施す。この逆洗として、本発明の洗浄方法を採用することにより、濾過装置の洗浄を極めて効率よく行うことができる。また、本発明の洗浄方法を採用することにより、従来行われてきた逆洗の回数を大幅に減らすことができる。
【0034】
本発明の濾過装置の洗浄方法について、以下、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の濾過装置の洗浄方法の一例を示す概略説明図(概略フロー図)である。なお、図中、8はバルブ、9は流量調整バルブ、28は圧力計、29は流量計を示す。
【0035】
原水供給ライン(原水補充ライン)1から原水タンク3に送水貯留された原水(被処理水)は、原水供給ライン4から超微細気泡発生ポンプ(送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置)6により濾過装置11に供給される。超微細気泡発生ポンプ6には空気を原水中に導入するエア吸引口(気体供給手段;空気供給口)5が設けられている。エア吸引口5はポンプインペラによる加圧前、加圧後の何れに設けられていてもよいが、自吸できる点からは、ポンプインペラによる加圧前に設けられているのが好ましい。原水供給ライン4は複数設けてもよい。原水の夾雑物を除去する目的で適宜な位置にプレフィルターを取り付けてもよい。超微細気泡発生ポンプ6としては、後述のものを使用できる。
【0036】
超微細気泡発生ポンプ6により原水中に超微細気泡が多数生成する。超微細気泡発生ポンプ6で調製された超微細気泡含有原水は、バルブV−4(原水入口バルブ)及び流量調整バルブFCVを経て、縦置きに設置された濾過装置11の側部に設けられた超微細気泡含有原水供給口10から濾過装置11に供給される。
【0037】
濾過装置11は、円筒状のハウジング内に円筒状の濾過フィルター26が収容されたものであり、超微細気泡含有原水供給口10、濾過水流出口18、濃縮液排出口12を有している。超微細気泡含有原水供給口、濾過水流出口は少なくとも1つ備えていればよい。なお、超微細気泡眼油原水供給口は濃縮液排出口を兼ねていてもよい。濾過フィルター26には焼結金網製円筒型エレメント等の濾材エレメントが収容されている。
【0038】
濾過装置11において、所定条件下で膜濾過された濾過水は、濾過水流出口18、バルブV−6(濾過水流出口バルブ)を経て、濾過水及び濃縮液排水ライン16より回収される。
【0039】
濾過運転時には、濾過能力を維持するために、定期的に本発明の洗浄方法により逆圧洗浄を行う。すなわち、濾過装置11の濾過水側に設けたエアチャンバー14に気体を満たしておき、超微細気泡発生ポンプ(原水供給ポンプ)6により超微細気泡を含有する原水を濾過装置11に供給して濾過水を得る濾過運転状態から、V−6(濾過水出口バルブ)を閉止して、原水供給ポンプ吐出側からV−6(濾過水出口バルブ)までの流路をポンプ吐出圧[例えば0.01MPa(ゲージ圧)以上(例えば、0.01〜0.5MPa(ゲージ圧))、好ましくは0.05MPa(ゲージ圧)以上(例えば、0.05〜0.5MPa(ゲージ圧))]まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、V−7及びV−8(濃縮液出口バルブ)を開にして原水側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜の堆積物を原水側に剥離させる。
【0040】
本発明の方法では、濾過装置内が加圧密閉された状態から、濃縮液排出側バルブを開くことで、濾過装置内圧力が一気に降下する。この急激な圧力降下が起こる際に、濾過装置内部(特に、濾過フィルターの濾材エレメントや分離膜に蓄積した濁質の内部)にしみ込んだ原水中に存在する超微細気泡が膨張し、濁質が破砕する。これに加えて、原水側(一次側)より圧力降下が生じるため、濾過水側(二次側)の圧力も一次側へ逃げることから、濾過水の逆流が生じ、破砕された濁質は濾材又は分離膜表面から流れに沿って引き離される。このため、濾過面は効率よく且つ確実に清浄化されることになる。
【0041】
なお、膜濾過運転を長期間行うことにより蓄積された濁質の排出については、本発明の洗浄方法と、以下の方法とを兼用してもよい。すなわち、定期的に、濾過水をバルブV−9側より濾過水ライン20を通じて濾過水タンク21へ貯留した後、バルブV−1とV−2を切り替え、バルブV−7,V−8を開の状態にして、濾過水を超微細気泡発生ポンプ6を用いて、濾過フィルター又は分離膜26へ送液することで、フィルター又は分離膜内部の一次側(濃縮液側)の水を更新して、フィルター又は分離膜内部の原水の過剰な濁質濃度上昇を防止する。濾過水を濾過フィルター又は分離膜26へ送液する経路については、V−4側から送り込むフラッシング方式とV−5側から送り込む逆流方式の2つの方式を使い分けることができる。
【0042】
次に、超微細気泡発生ポンプについて詳しく説明する。
【0043】
図2は、送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ或いは超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)の一例を示す部分断面図(送液分散部の断面図)である。図3は、図2の送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置の収納室の部分拡大図(断面図)である。
【0044】
この超微細気泡発生ポンプは、液体中に供給された気体を超微細気泡として分散させるものであり、キャンドモータと送液分散部とを備えている。図2ではキャンドモータ部は省略されている。30はキャンドモータの回転軸であり、31は前部軸受箱(前部の軸受収納固定部位)である。
【0045】
筐体34は、前部軸受箱31にボルト42にて液密に締結固定されている。筐体34と前部軸受箱31は、収納室35を画定する。筐体34には、液体供給口39及び液体流出口38が設けられてる。液体供給口39は、キャンドモータの回転子の回転軸30の延在位置に設けられ、液体流出口38は、筐体34の回転軸30に対し交差する方向に位置する面に設けられている。
【0046】
収納室35内には、インペラ(ポンプインペラ)43が収納される。インペラ43は、キャンドモータの回転軸30の先端にボルト44により締結される。図2に示すように、インペラ43は、クローズタイプの遠心インペラで構成され、インペラ本体部45内部に、インペラ本体部の一部を構成する円板の表面に送液用の遠心羽根46を備えた構成となっている。また、インペラ本体部45の裏面側には、循環羽根47が設けられている。循環羽根47は、遠心羽根46に比較して大径に構成されている。
【0047】
インペラ43は、収納室35内において、前部軸受箱31のインペラ本体部45の対向面32とインペラ43との間に隙間が生じるように構成されている。インペラ本体部45によって、収納室35内は、送液空間36と循環空間37に区画される。送液空間36は、インペラ43の遠心羽根46によって、収納室35内の流体を液体流出口38側に搬送し、循環空間37では、供給された液体が、インペラ43の遠心羽根46及び循環羽根47によって生じた圧力差によって、インペラ本体部45の遠心方向及び求心方向に循環する。
【0048】
前部軸受箱31のインペラ本体部45の対向面32とインペラ43との間の隙間には、分散部48が設けられる。分散部48は、前部軸受箱31の対向面32に当接して配置される。分散部48は、図3に示すように、2枚の円盤49,50で構成された分散部本体を備え、これら円盤49,50間には、円盤49,50の(ほぼ)全周にわたって分散流路51(環状スリット)が形成されている。
【0049】
2枚の円盤49,50がそれぞれ対向する側の対向面には、図3に示すように、内径側から外径側に向かって拡開するようにテーパー部が対向して形成されており、流路51には、外径側から内径側に向かうに従って流路51の間隙が縮小していく流路縮小部51aが設けられる。また、この流路縮小部51aの内径側で流路51の隙間が外径側から内径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部51bが形成され、これら流路縮小部51aと流路拡大部51bとの間に流路51の間隙が最も小さくなる間隙最小部51cが設けられている。このように、環状スリットは、外径側から内径側に向かって間隙最小部から拡大するように設けられた流路拡大部を備えているのも好ましい。
【0050】
前部軸受箱31を貫通する管路として設けられた気体供給流路40は、循環空間37の回転軸30の近接位置に開口する。
【0051】
次に、図2、図3を用いて超微細気泡発生ポンプの動作を説明する。
【0052】
キャンドモータの回転軸30が回転すると、インペラ43も一体に回転し、液体を液体供給口39より取り入れる。インペラ43が回転することにより、液体が回転軸から遠心方向に送られ、一部が液体流出口38から流出する。
【0053】
インペラ43の回転により収納室35内において圧力分布が生じる。圧力分布は、回転軸30から離れるにつれて圧力が高くなり、図3に示すように、回転軸30から遠い側の領域A2の方が、回転軸30に近い側の領域A1よりも高圧になる。
【0054】
液体流出口38から流出しなかった液体は、インペラ43の循環空間37へ移動する。循環空間37では、気体供給流路40から取り込まれた空気と液体とが存在している。循環空間37の圧力は、回転軸30近傍の流体の領域A3の圧力よりも高いため流体は回転軸に近づくように移動する。このとき、気液混合物は、分散部48の分散流路51に設けられた流路縮小部51aおよび流路拡大部51bを順に通過して回転軸30に近づく方向に移動する。そして、気液混合物が流路縮小部51aを経て流路拡大部51bを通るとき、流路隙間の変化により気液混合物は流速が変化して圧力が変化し、気体が微細化され、超微細気泡が発生する。すなわち、ポンプのインペラ43での加圧後において、超微細気泡が発生する。
【0055】
この気体微細化は、主として、液体の流速、気体の量、間隙最小部51cおよび流路拡大部51bの隙間寸法などによって決定される。例えば、気体の流速がある閾値以下であると、気泡の径が小さくならず十分な微細化が行われない。この場合、微細化される気泡の径は、主として、間隙最小部51cおよび流路拡大部51bの隙間寸法によって調整することができる。一方、液体の流速が閾値以上になると、気泡の径は小さくなって十分な微細化が行われる。分散流路51に設けられた流路拡大部51bがベンチュリ管と同様の効果を呈し、気体を伴った液体が分散部48の流路51内を通過することにより、気体を微細化することができる。分散流路(環状スリット)51の流路拡大部51bにおける拡がり角度(断面での拡がり角度)は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部51aにおける縮小角度(断面での縮小角度)より小さくすることが多いが、前記拡がり角度は前記縮小角度と同じか又はそれより大きくてもよい。
【0056】
インペラ本体部45の裏面側に設けられた循環羽根47は、放射流を発生させ、循環空間37内の気液分散流体を回転軸30側から遠心方向に移動させる。上記の通り、循環空間37内の回転軸近傍には、分散部48を通過して微細化された気液分散流体が存在しているため、この流体が回転軸30側から遠心方向に移動する。
【0057】
また、循環羽根47の回転により、回転軸30に近傍の領域A3と循環羽根47の外側領域A4における流体の圧力が高くなるため、インペラ本体部45の循環空間37内の流体が遠心方向及び求心方向へ循環流動する。また、循環羽根の回転による遠心圧力場の形成により、気体供給流路40の出口は負圧になり、空気の自吸が促進される。
【0058】
なお、本実施形態では、循環空間37内の流体の循環を促進するため、分散部48のインペラに近い側に設けられている円盤50には、回転軸側へ伸びる仕切り部50aが設けられている。円盤50によって、循環空間37内を仕切ることにより(37a、37b)、仕切り部50aを含む円盤50とインペラの本体部に対する対向面との空間、すなわち、分散流路51では、流体は求心方向へ移動しやすくなり、また、循環羽根47が位置するインペラの本体部45と円盤50との空間では、流体が遠心方向へ移動しやすくなる。このような構成を採用することにより、循環空間37内の流体の循環が促進され、また、流体が分散部48をより効率よく通過することとなるため、超微細気泡の発生を促進することができる。
【0059】
本実施形態にかかる超微細気泡発生ポンプは、収納室35内で遠心羽根46によって加圧された流体の一部が遠心羽根46の背後で循環流を起こす機構を有している。また、循環流路に空気を自吸させることができ、その自給させた空気を遠心羽根46の流れに合流させて、液体流出口38から流出させることができる。また、循環流の途中に分散部を備え、気泡の微細化を行うことができるため、液体の搬送と微細気泡の生成とを1つの装置で行うことができる。また、収納室35内に循環羽根47を備えることで、加圧条件下での使用であっても、差圧を発生させることができ、気泡の微細化を行うことができる。
【0060】
なお、上記の例では、循環羽根47が2つの円盤49,50で区画された領域の外側に設けられているが、循環羽根47を2つの円盤49,50で区画された領域の内側に設けるとともに、2つの円盤49,50で区画された領域内に流体が流入する流路を設けることもできる。このような実施形態では、上記の例とは逆に、2つの円盤49,50で区画された領域内に流入した流体(ポンプのインペラ43で加圧された流体)が分散流路(環状スリット)を、流路縮小部、間隙最小部、流路拡大部の順に通過して、前記領域の外側に(遠心方向に)噴出し、超微細気泡が発生する。
【0061】
また、上記の例では、分散部48がインペラ43の近傍に設けられているが、インペラ43で加圧された後に気液混合物中に超微細気泡を発生させる(例えば、環状スリットを通過させることにより)機構を有する限り、分散部48はインペラ43から離隔した位置に設けられていてもよい。
【0062】
図4は本発明の方法で使用される送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ;超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)の他の例を示す断面図である。図5は、図4の超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプのポンプ部及び分散部(超微細気泡発生部)の部分拡大図(断面図)である。図4、図5において、矢印は液体、気液混合物の流れ方向を示す。図4において、「MB発生部」とは分散部(超微細気泡発生部)を意味する。
【0063】
この超微細気泡発生ポンプは、液体中に供給された気体を超微細気泡として分散させるものであり、モータ部(キャンドモータ部)とポンプ部と超微細気泡発生部とからなっている。230はキャンドモータの回転軸である。
【0064】
ポンプ部には、液体供給口239、気体供給流路240及びエア抜きバルブ260が設けられてる。液体供給口239は、キャンドモータの回転子の回転軸230の延在位置に設けられ、エア抜きバルブ260は、回転軸230に対し交差する方向に位置する面に設けられている。259はバルブである。
【0065】
ポンプ部内には、インペラ(ポンプインペラ)243が収納される。インペラ243は、キャンドモータの回転軸230の先端に取り付けられている。図4、図5に示すように、インペラ243は、クローズタイプの遠心インペラで構成され、インペラ本体部内部に、インペラ本体部の一部を構成する円板の表面に送液用の遠心羽根246を備えた構成となっている。インペラ243の高速回転により、液体供給口239付近は負圧となり、空気が気体供給流路240から自吸される。
【0066】
液体供給口239及び気体供給流路240からポンプ部内に流入した液体と気体(空気)は遠心羽根246により混合され、遠心方向に移行した後、ポンプ部とモータ部の間に設けられた超微細気泡発生部に流入する。超微細気泡発生部は、図5に示すように、2枚の円盤249,250で構成された分散部本体を備え、これら円盤249,250間には、その周縁部において、円盤249,250の(ほぼ)全周にわたって分散流路251(環状スリット)が形成されている。また、2枚の円盤249,250で区画された領域内において、回転軸230に回転体252が設けられており、回転体252は円盤252aと複数の遠心翼252bにより構成されている。
【0067】
2枚の円盤249,250がそれぞれ対向する側の対向面には、図5に示すように、内径側から外径側に向かって拡開するようにテーパー部が対向して形成されており、流路251には、内径側から外径側に向かうに従って流路251の間隙が縮小していく流路縮小部251aが設けられる。また、この流路縮小部251aの外径側で流路251の隙間が内径側から外径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部251bが形成され、これら流路縮小部251aと流路拡大部251bとの間に流路251の間隙が最も小さくなる間隙最小部251cが設けられている。
【0068】
次に、図4、図5を用いて超微細気泡発生ポンプの動作を説明する。
【0069】
キャンドモータの回転軸230が回転すると、インペラ243も一体に回転し、液体を液体供給口239から、気体(空気)を気体供給流路240から取り入れる。インペラ243が回転することにより、気液混合物が回転軸から遠心方向に送られ、さらに超微細気泡発生部に移動する。
【0070】
超微細気泡発生部では、回転軸230の高速回転により、気液混合物は2枚の円盤249,250で区画された領域内に流入し、回転体252の遠心翼252bの回転により、分散部248の分散流路251に設けられた流路縮小部251aおよび流路拡大部251bを順に通過する。そして、気液混合物が流路縮小部251aを経て流路拡大部251bを通るとき、流路隙間の変化により気液混合物は流速が変化して圧力が変化し、気体が微細化され、超微細気泡が発生する。すなわち、ポンプのインペラ243での加圧後において、超微細気泡が発生する。
【0071】
この気体微細化は、前述したように、主として、液体の流速、気体の量、間隙最小部251cおよび流路拡大部251bの隙間寸法などによって決定される。分散流路(環状スリット)251の流路拡大部251bにおける拡がり角度(断面での拡がり角度)は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部251aにおける縮小角度(断面での縮小角度)より小さくすることが多いが、前記拡がり角度は前記縮小角度と同じか又はそれより大きくてもよい。
【0072】
図6は本発明の方法で使用される送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ;超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)のさらに他の例を示す断面図である。図6において、矢印は液体、気液混合物の流れ方向を示す。また、「MB発生部」とは分散部(超微細気泡発生部)を意味する。
【0073】
この超微細気泡発生ポンプは、液体中に供給された気体を超微細気泡として分散させるものであり、モータ部(キャンドモータ部)とポンプ部と超微細気泡発生部とからなっている。330はキャンドモータの回転軸である。ポンプ部と超微細気泡発生部はモータ部を挟んでその両側に設けられている。
【0074】
ポンプ部には、液体供給口339、気体供給流路340が設けられてる。液体供給口339は、キャンドモータの回転子の回転軸330の延在位置に設けられいる。359はバルブである。
【0075】
ポンプ部内には、インペラ(ポンプインペラ)343が収納される。インペラ343は、キャンドモータの回転軸330の先端に取り付けられている。図6に示すように、インペラ343は、クローズタイプの遠心インペラで構成され、インペラ本体部内部に、インペラ本体部の一部を構成する円板の表面に送液用の遠心羽根346を備えた構成となっている。インペラ343の高速回転により、液体供給口339付近は負圧となり、空気が気体供給流路340から自吸される。
【0076】
液体供給口339及び気体供給流路340からポンプ部内に流入した液体と気体(空気)は遠心羽根346により混合され、その一部はキャンドモータの冷却用として用いられ(冷却ラインを循環した後、ポンプ部に戻る)、残りは遠心方向に移行した後、中間配管370を通って超微細気泡発生部に流入する。超微細気泡発生部は、図6に示すように、2枚の円盤349,350で構成された分散部本体を備え、これら円盤349,350間には、その周縁部において、円盤349,350の(ほぼ)全周にわたって分散流路351(環状スリット)が形成されている。また、2枚の円盤349,350で区画された領域内において、回転軸330に回転体352が設けられており、回転体352は円盤352aと複数の遠心翼352bにより構成されている。
【0077】
2枚の円盤349,350がそれぞれ対向する側の対向面には、図6に示すように、内径側から外径側に向かって拡開するようにテーパー部が対向して形成されており、流路351には、内径側から外径側に向かうに従って流路351の間隙が縮小していく流路縮小部351aが設けられる。また、この流路縮小部351aの外径側で流路351の隙間が内径側から外径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部351bが形成され、これら流路縮小部351aと流路拡大部351bとの間に流路351の間隙が最も小さくなる間隙最小部351cが設けられている。なお、超微細気泡発生部には、エア抜きバルブ360が、回転軸330に対し交差する方向に位置する面に設けられている。
【0078】
次に、図6を用いて超微細気泡発生ポンプの動作を説明する。
【0079】
キャンドモータの回転軸330が回転すると、インペラ343も一体に回転し、液体を液体供給口339から、気体(空気)を気体供給流路340から取り入れる。インペラ343が回転することにより、気液混合物が回転軸から遠心方向に送られ、中間配管370を通ってMB発生部に移動する。
【0080】
MB発生部では、回転軸330の高速回転により、気液混合物は2枚の円盤349,350で区画された領域内に流入し、回転体352の遠心翼352bの回転により、分散部348の分散流路351に設けられた流路縮小部351aおよび流路拡大部351bを順に通過する。そして、気液混合物が流路縮小部351aを経て流路拡大部351bを通るとき、流路隙間の変化により気液混合物は流速が変化して圧力が変化し、気体が微細化され、超微細気泡が発生する。すなわち、ポンプのインペラ343での加圧後において、超微細気泡が発生する。
【0081】
この気体微細化は、前述したように、主として、液体の流速、気体の量、間隙最小部351cおよび流路拡大部351bの隙間寸法などによって決定される。分散流路(環状スリット)351の流路拡大部351bにおける拡がり角度(断面での拡がり角度)は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部351aにおける縮小角度(断面での縮小角度)より小さいのが好ましい。
【0082】
図2〜図6で示される送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置を用いた場合、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡含有原水を得ることができ、気泡径2〜5μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)が、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡混合液を得ることができる。
【0083】
上記の例では、送水ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ;超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)を用いているが、送水ポンプと超微細気泡発生装置とを別々の機器、装置として用いることもできる。例えば、通常の送水ポンプの下流側(吐出側)に超微細気泡発生装置7を設けてもよい。この場合、気体(空気)を原水中に導入するエア吸引口(気体供給手段;空気供給口)を、適宜な箇所、例えば、送水ポンプの上流側に設ける。
【0084】
超微細気泡発生装置7について、以下に詳しく説明する。
【0085】
図7は超微細気泡発生装置7の一例を示す断面図である。この例では、超微細気泡発生装置7は、直径と比較して高さの低い円筒状の筐体71と、該筐体71の内部に水平に設置されている上下2つの円盤74,75とで構成されている。筐体71の下部には気液混合物流入口72が設けられており、上部には気液混合物流出口73が設けられている。2つの円盤のうち下に位置する円盤74はドーナッツ状であり、筐体71の内部の底面に設置されている。2つの円盤のうち上に位置する円盤75は円盤74とほぼ同径の円板状であり、円盤74を覆うように設置されている。円盤74と円盤75の対向面周縁部の周方向には、送水ポンプ6により圧力がかけられた気液混合物を通過させて外方向に噴出させる環状スリットが形成されている。気液混合物の噴出方向は、気液混合物流入口から円盤74と円盤75とで区画される領域に流入する気液混合物の流入方向に対して直交する方向である。圧力がかけられた気液混合物が環状スリットを通過する際、超微細気泡が多数生成し、この超微細気泡を含んだ気液混合物(超微細気泡混合液)が気液混合物流出口73から流出し、膜モジュール11に供給される。図7中の矢印は気液混合物の流れを示す。気液混合物流出口73が筐体71の上部に設けられているため、気体が滞留せず、超微細気泡混合液がスムーズに膜モジュール6に供給される。
【0086】
超微細気泡発生装置7では、例えば環状スリットの構造、気液混合物の環状スリットにおける通過速度、気体と液体の供給割合等を調整することにより、超微細気泡混合液中の(超)微細気泡の気泡径、気泡径分布、及び気泡の個数を制御することができる。気泡の個数、気泡径、気泡径の分布等は、前記のように、パーティクルカウンターを用いて測定することができる。
【0087】
環状スリットは、内径側から外径側に向かって間隙最小部77から拡大するように設けられた流路拡大部78を備えているのが好ましい。環状スリットがこのような構造を有すると、気液混合物が高速で通過して噴出することにより、流路間隙の変化によって、気液混合物中に超微細気泡が発生する。これは、気液混合物が内径側から外径側に向かって間隙最小部77から連続的に拡大する流路(流路拡大部78)を通過する際に、気液混合物の流速が変化して圧力が変化するためである。
【0088】
上記好ましい環状スリットの構造においては、少なくとも内径側から外径側に向かって間隙最小部77から拡大するように設けられた流路拡大部78を備えている限り特に限定されず、例えば、間隙最小部77の内径側に、間隙最小部に向かって連続的に流路が縮小する流路縮小部76を有していてもよい。また、環状スリットは、内径側から外径側に向かって段階的に流路断面積が増える構造、内径側から外径側に向かって段階的に流路断面積が減少する構造、内径側から外径側に向かって連続的に流路断面積が増える構造、内径側から外径側に向かって連続的に流路断面積が減少する構造を有していてもよい。本発明では、超微細気泡を効率よく発生させる観点から、環状スリットは、内径側から外径側に向かって間隙最小部から連続的に流路断面積が増える流路拡大部を備えることが好ましい。
【0089】
環状スリットの流路拡大部78における拡がり角度(断面での拡がり角度)θ2は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部76における縮小角度(断面での縮小角度)θ1より小さくする場合が多いが、θ2はθ1と等しいか又はそれより大きくてもよい。
【0090】
上記のような構造を有する超微細気泡発生装置7を用いることにより、気泡径2〜50μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)が、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡含有原水を得ることができる。また、上記のような構造を有する超微細気泡発生装置7を用いた場合、気泡径2〜5μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)が、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡混合液を得ることができる。
【0091】
本発明の濾過装置の洗浄方法は、内部に濾過フィルター又は分離膜を備え、原水流入口、濾過水流出口及び濃縮液排出口を有する濾過装置と、該濾過装置に原水を供給するための原水供給ポンプと、濾過装置に供給される原水中に超微細気泡を発生させる超微細気泡発生装置と、前記濾過装置の濾過水側に設けられたエアチャンバーとを備えた水浄化装置に適用できる。原水供給ポンプと超微細気泡発生装置は一体化していてもよい。
【0092】
この水浄化装置における超微細気泡発生装置としては、原水中に気体を混合して得られる気液混合流体を、原水供給ポンプによる高圧により縮小部・最挟部・拡大部を有する流路を流通させ、流路内で形成される気液混合流体の高速せん断流の流速と圧力を変化させて超微細気泡を発生させる装置であるのが好ましい。
【実施例】
【0093】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0094】
実施例1
図1に示す水浄化システム(設備)において、濾過装置11の洗浄を行った。濾過装置11内の濾過フィルター26として、SUS特殊焼結金網製円筒型エレメント(セントラルフィルター工業社製、商品名「PM−A−C65*40*250−GL」、濾材寸法Φ65/Φ40×250L、濾過面積0.05m2、エレメント内容積829cc)を円筒状のハウジング内に充填したものを用いた。エアチャンバー14として、内容積88ccのステンレス製のシリンダー(直径1インチ、長さ100mm)を取り付けた。超微細気泡発生ポンプ6として図6に示すポンプ(超微細気泡発生装置内蔵送水ポンプ)を用いた。また、原水として、水に生化学用カオリン(和光純薬工業社製)(擬似汚泥)を100重量ppm添加したものを用いた。濾過圧力は0.2MPa(ゲージ圧)である。濾過フィルターの洗浄の手順は以下の通りである。なお、洗浄前の濾過フィルターの濾過面は一面に疑似汚泥のケークが堆積した状態となっている。
(1)予め濾過装置11の濾過水側に設けたエアチャンバー14に空気を満たしておき、超微細気泡発生ポンプ6により超微細気泡を含有させた原水を、バルブV−4(原水入口バルブ)側から濾過フィルター26内の特殊エレメントで濾過し、バルブV−6(濾過水出口バルブ)より濾過水を取得する(バルブV−2、V−5、V−7、V−8は閉)[濾過運転]。この濾過運転を所定時間行った。
(2)濾過運転の状態で、バルブV−6を閉止することで、濾過フィルター26内部をポンプ吐出圧まで昇圧する[加圧工程]。
(3)昇圧完了後、バルブV−4(原水入口バルブ)を閉止し、濾過フィルター26を加圧状態のまま、密閉する[圧力保持工程]。
(4)バルブV−7及びV−8(濃縮液出口バルブ)を一気に開け、濾過フィルター26内部の圧力を一次側(濃縮液排水側)方向へ脱圧し、特殊エレメント洗浄を行う[脱圧工程]。
上記の操作を行った後、濾過フィルターを取り出し、擬似汚泥の剥離状況を目視観察した。その結果、疑似汚泥のケークは非常に細かく粉砕され、濾過面は極めてきれいに更新されていた。
【0095】
実施例2
エアチャンバー14として、内容積約29ccのステンレス製のシリンダー(直径1インチ、長さ60mm)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
洗浄後、濾過フィルターを取り出し、擬似汚泥の剥離状況を目視観察したところ、疑似汚泥のケークは細かく粉砕され、濾過面はきれいに更新されていた。
【0096】
比較例1
エアチャンバー14を取り付けず、また、原水供給ポンプとして超微細気泡発生ポンプの代わりに通常の送水ポンプを用いた(超微細気泡を含有しない原水を供給した)こと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
洗浄後、濾過フィルターを取り出し、擬似汚泥の剥離状況を目視観察したところ、疑似汚泥のケークは濾過面から浮き上がってはいるが、剥離はほとんどなく、これを再度濾過装置に取り付けて再運転すると、浮き上がったケークはポンプ圧力により濾過面に押しつけられて洗浄前とほとんど変わらない状態となった。
【0097】
比較例2
エアチャンバー14を取り付けなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
洗浄後、濾過フィルターを取り出し、擬似汚泥の剥離状況を目視観察したところ、疑似汚泥のケークは砕け、濾過面のケークは剥離していたが、一部ケークが残存している箇所があった。また、剥離したケークは鱗片状であり、細かく粉砕された状態ではなかった。
【0098】
比較例3
原水供給ポンプとして超微細気泡発生ポンプの代わりに通常の送水ポンプを用いた(超微細気泡を含有しない原水を供給した)こと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
洗浄後、濾過フィルターを取り出し、擬似汚泥の剥離状況を目視観察したところ、擬似ケークはかなりな部分で剥離していたが、全面的ではなく、また、剥離したケークは板状であり、細かく粉砕された状態ではなかった。
【符号の説明】
【0099】
1 原水供給ライン(原水補充ライン)
3 原水タンク
4 原水供給ライン
5 エア吸引口
6 超微細気泡発生ポンプ(原水供給ポンプ)
7 超微細気泡発生装置
8 バルブ
9 流量調整バルブ
10 原水流入口(超微細気泡含有原水供給口)
11 濾過装置
12 濃縮液排出口
13 濃縮液排水ライン
14 エアチャンバー
16 濾過水及び濃縮液排水ライン
17 濾過水循環ライン
18 濾過水流出口
20 濾過水ライン
21 濾過水タンク
26 濾過フィルター(又は分離膜)
27 原水戻りライン
28 圧力計
29 流量計
30,230,330 キャンドモータの回転軸
31 前部軸受箱
32 前部軸受箱のインペラ本体部45の対向面
33 潤滑液排出口
34 筐体
35 収納室
36 送液空間
37 循環空間
38,238,338 液体流出口
39,239,339 液体供給口
40,240,340 気体供給流路
41 潤滑液管路
42 ボルト
43,243,343 インペラ
44 ボルト
45 インペラ本体部
46,246,346 遠心羽根
47 循環羽根
48,248,348 分散部
49,249,349 円盤
50,250,350 円盤
50a 仕切り部
51,251,351 分散流路
51a,251a,351a 流路縮小部
51b,251b,351b 流路拡大部
51c,251c,351c 間隙最小部
259,359 バルブ
260,360 エア抜きバルブ
370 中間配管
71 筐体
72 気液混合物流入口
73 気液混合物流出口
74 円盤
75 円盤
76 流路縮小部
77 間隙最小部
78 流路拡大部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過フィルター又は分離膜を備えた濾過装置を洗浄する方法であって、濾過装置の濾過水側に設けたエアチャンバーに気体を満たしておき、原水供給ポンプにより超微細気泡を含有する原水を濾過装置に供給して濾過水を得る濾過運転状態から、濾過水流出口側バルブを閉止して、原水供給ポンプ吐出側から濾過水流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原水側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜の堆積物を原水側に剥離させることを特徴とする濾過装置の洗浄方法。
【請求項2】
超微細気泡を含有する原水が、原水中に気体を混合して得られる気液混合流体を、原水供給ポンプによる高圧により縮小部・最挟部・拡大部を有する流路を流通させ、流路内で形成される気液混合流体の高速せん断流の流速と圧力を変化させて超微細気泡を発生させることにより得られる超微細気泡含有原水である請求項1記載の濾過装置の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−104488(P2011−104488A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260413(P2009−260413)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(595140114)セントラルフィルター工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】