説明

濾過装置

【課題】作業者による使い勝手の向上を容易に図ることのできる濾過装置を提供する。
【解決手段】伸縮性糸を編むことにより伸縮自在に形成された袋状フィルタ2と、網目を具備し筒状に形成されたフィルタ収容体3と、流入口11および流出口12を具備するケース本体4とを備える、ケース本体4は、透明樹脂によりフィルタ収容体3より大径かつ長尺に形成された筒状の内ケース13と、内ケース13を収納するための全体として有底筒状に形成された外ケース14と、外ケース14の開口を覆うために外ケース14の上端に着脱自在に取り付けられる上蓋15とを主として形成する。流出口12は外ケース14の底部に形成し、流入口11は上蓋15に形成する。上蓋15には、袋状フィルタ2を取り付けるためのフィルタ取付手段39を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過対象液に含まれる固体を袋状フィルタにより分離するのに好適な濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、濾過対象液に含まれる固体を袋状フィルタを用いて分離する工業用の濾過装置が知られている。この濾過装置は、例えば、工作機械における加工部分の冷却、潤滑、洗浄などに循環使用されるクーラント、切削油、研削液、洗浄液などの液体である濾過対象液に含まれる切り粉、研磨粉などの加工粉からなる所定の大きさ以上の固体を分離するのに用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図13は、従来の濾過装置を示すものであり、従来の濾過装置101は、ステンレスなどの金属により上部が開口している有底筒状に形成されたケース本体102を備えている。このケース本体102の内部には、金網により形成されたバスケット103が配置されており、このバスケット103の内側には、濾材としてのポリエステルやポリプロピレンなどにより形成された袋状フィルタ104(バッグフィルタ)が収容されている。また、ケース本体102の開口端には、ケース本体102の開口を塞ぐ上蓋105が図示しない取付ボルトによって着脱自在に取り付けられている。そして、ケース本体102の上蓋105の中央部には、上蓋105の内外を連通する流入口106が設けられており、ケース本体102の底部の中央部には、ケース本体102の内外を連通する流出口107が設けられている。また、ケース本体102の外部には、図示しない2つの圧力計が設けられており、袋状フィルタ104を通過する前後の液圧、すなわち、袋状フィルタ104によって濾過される前の濾過対象液の圧力と、袋状フィルタ104を通過した後の濾過された液体である濾液の圧力を検出することができるようになっている。
【0004】
このような構成からなる濾過装置101によれば、濾過対象液は、所定箇所からポンプによる圧送によって、流入口106を介してケース本体102の内部に供給される。そして、ケース本体102の内部に供給された濾過対象液が袋状フィルタ104を内側から外側に通過する際には、濾過対象液に含まれる所定の大きさ以上の固体が分離される。そして、濾過された後の濾液は、流出口107から排出されて所定箇所に送出されるようになっている。
【0005】
なお、従来の濾過装置101は、濾過対象液の濾過を行うと、袋状フィルタ104の内側に分離された固体である濾塊が堆積して目詰まりする。そこで、袋状フィルタ104が目詰まりして濾過機能を発揮できなくなったときには、袋状フィルタ104の交換を行うようになっている。なお、この袋状フィルタ104の交換時期は、袋状フィルタ104の前後の液圧を検出する2つの圧力計の圧力差を作業者が認識することにより行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−154213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年においては、濾過装置101として、袋状フィルタ104の交換時期を作業者が確実かつ容易に認識することができるとともに、袋状フィルタ104の着脱を作業者が容易に行うことのできる作業者による使い勝手の向上が求められている。
【0008】
また、濾過装置101に用いる袋状フィルタ104としては、目詰まりするまでの期間である寿命(使用可能時間)が従来より長いもの、すなわち、目詰まりを軽減し、交換頻度が低いもので、かつ、低コストのものが求められている。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることのできる濾過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の濾過装置の特徴は、濾過対象液に含まれる固体を分離するための袋状フィルタと、前記袋状フィルタを収容するための網目を具備し筒状に形成されたフィルタ収容体と、前記フィルタ収容体を収容するとともに、濾過対象液を前記袋状フィルタの内部に導く流入口および前記袋状フィルタで濾過した後の濾液を外部に流出する流出口を具備するケース本体とを有している濾過装置において、前記袋状フィルタは、伸縮性糸を編むことにより伸縮自在に形成されており、前記ケース本体は、透明樹脂により前記フィルタ収容体より大径かつ長尺に形成された筒状の内ケースと、前記内ケースを収納するための有底筒状に形成された外ケースと、前記外ケースの開口を覆うために前記外ケースの上端に取り付けられる上蓋とを有しており、前記流出口は、前記外ケースの底部に形成されており、前記流入口は、前記上蓋に形成されており、前記上蓋に、前記袋状フィルタを取り付けるためのフィルタ取付手段が設けられている点にある。
【0011】
そして、このような構成を採用したことにより、袋状フィルタは、その編み目によって濾過対象液に含まれる所定の大きさ以上の固体を分離することができる。また、袋状フィルタを伸縮性糸によって伸縮自在に形成することにより、分離した固体である濾塊により袋状フィルタが目詰まりしてきた場合にも、安定した濾過機能を長期間に亘って発揮することができる。すなわち、袋状フィルタの目詰まりの進行にともなって袋状フィルタが膨張するので、袋状フィルタの編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。さらに、袋状フィルタの編み目が拡大した場合であっても、袋状フィルタの内部に堆積した濾塊がフィルタとして機能するので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。また、濾過対象液に含まれる固体は、袋状フィルタの内部において先端側から順に目詰まりして堆積するので、袋状フィルタが目詰まりするにしたがって袋状フィルタが伸長するとともに径方向に広がって編み目が拡大し、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができるし、袋状フィルタの先端側に目詰まりが生じても、袋状フィルタの目詰まりしていない開口部側により濾過機能が保持されるので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。よって、袋状フィルタの寿命を従来に比べて長くすることができる。また、上蓋に形成された流入口は、袋状フィルタの内部に濾過対象液を円滑かつ確実に流入させることができる。さらに、外ケースの底部に形成された流出口は、袋状フィルタを通過した濾液を円滑かつ確実に流出することができる。さらにまた、フィルタ取付手段により、袋状フィルタを確実に上蓋に取り付けることができる。したがって、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1において、前記フィルタ取付手段は、筒状に形成され、その一端面が前記上蓋に固着された取付本体と、筒状に形成され、その一端面を覆うように前記袋状フィルタが着脱自在に取り付けられるフィルタ取付部材と、前記袋状フィルタを取り付けてなる前記フィルタ取付部材と前記取付本体とを着脱自在に接続する接続手段とを有しており、前記フィルタ取付状態の前記フィルタ取付部材を前記取付本体に接続したときに、前記取付本体と前記フィルタ取付部材との相互に対向する対向面間に前記袋状フィルタを押さえるように形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、フィルタ取付部材は、袋状フィルタを容易に着脱することができる。また、接続手段は、フィルタ取付状態のフィルタ取付部材を取付本体、ひいては上蓋に着脱自在に接続することができる。さらに、フィルタ取付部材は、フィルタ取付状態のフィルタ取付部材を取付本体に接続したときに、取付本体とフィルタ取付部材との相互に対向する対向面間に袋状フィルタを押さえるように形成されているから、袋状フィルタを確実に固定することができるとともに、袋状フィルタの交換を確実かつ容易に行うことができる。したがって、作業者による使い勝手の向上をより容易に図ることができる。
【0013】
請求項3に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項2において、前記取付本体と前記フィルタ取付部材との相互に対向する対向面の少なくとも一方に、前記袋状フィルタを圧接する圧接部材が設けられている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、圧接部材は、フィルタ取付手段に袋状フィルタをより確実に押さえ付けることができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項2または請求項3において、前記フィルタ取付部材の他端部が前記フィルタ収容体の開口に挿入されるように形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、フィルタ取付部材からフィルタ収容体に負荷が加わることがないし、フィルタ収容体に対するフィルタ取付部材の位置決めを個別に設ける必要がない。
【0015】
請求項5に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記フィルタ収容体が樹脂により形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、軽量化を図ることができる。
【0016】
請求項6に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記外ケースの胴部に、前記内ケースを通して前記袋状フィルタを外部から視認できる内外を連通するのぞき窓が形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、のぞき窓により、袋状フィルタを外部から視認、すなわち、袋状フィルタを容易に可視化することができるので、袋状フィルタの目詰まりの具合が容易に分かる。その結果、作業者が袋状フィルタの目詰まりの具合を視認するという簡単な作業により、袋状フィルタの交換時期を容易に認識することができる。
【0017】
請求項7に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記上蓋と前記外ケースとが、少なくとも1つのキャッチクリップによりワンタッチで着脱自在に形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、作業者による外ケースに対する上蓋の着脱作業を簡単に行うことができる。その結果、作業者による使い勝手の向上をより図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る濾過装置によれば、袋状フィルタにより濾過対象液に含まれる固体を容易に分離することができる。また、伸縮自在な編み目を具備する弾性繊維により形成された袋状フィルタは、目詰まりの進行にともなって膨張するので、袋状フィルタの編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。その結果、袋状フィルタの寿命を従来に比べて長くすることができる。したがって、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る濾過装置の実施形態の要部を示す分解斜視図
【図2】本発明に係る濾過装置の実施形態の要部を示す正面図
【図3】図2の断面図
【図4】図2の平面図
【図5】図2の下面図
【図6】図2の要部を示す拡大断面図
【図7】接続手段の係止ピンが係止溝に挿入された状態を示す図6と同様の図
【図8】本発明に係る濾過装置の実施形態におけるフィルタ取付過程のフィルタ取付部材に袋状フィルタを取り付けたフィルタ取付状態を説明する拡大断面図
【図9】本発明に係る濾過装置の実施形態におけるフィルタ取付過程の図8に続くフィルタ取付状態のフィルタ取付部材に接続筒部材をセットしたセット状態を説明する図8と同様の図
【図10】本発明に係る濾過装置の実施形態におけるフィルタ取付過程の図9に続くフィルタ取付状態のフィルタ取付部材に接続筒部材をセットしたセット状の接続筒部材を上蓋の内面に取り付けられたリング取付体の下方に対向させた状態を説明する概略外観図
【図11】本発明に係る濾過装置の実施形態におけるフィルタ取付過程の図10に続く第1挿入溝を係止ピンへ挿入した状態を説明する図10と同様の図
【図12】本発明に係る濾過装置の実施形態におけるフィルタ取付過程の図11に続く第2挿入溝54bを係止ピン45へ挿入した状態を説明する図10と同様の図
【図13】従来の袋状フィルタを備えた濾過装置の一例を示す構造図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0021】
本実施形態の濾過装置は、工作機械のクーラント供給装置において循環使用される濾過対象液としてのクーラントの濾過に用いられるものを例示している。この濾過装置では、クーラントタンクに貯留されたクーラントがポンプにより配管の内部を圧送されて供給されるようになっている。そして、濾過装置では、クーラントに含まれる固体としての切り粉などの加工粉が濾材としての袋状フィルタにより捕捉され、濾過された濾液である切り粉が除去されたクーラントがクーラントタンクに戻るようになっている。
【0022】
図1から図3に示すように、本実施形態の濾過装置1は、濾過対象液としてのクーラントに含まれる固体としての切り粉などの加工粉を分離するための濾材としての袋状フィルタ2と、この袋状フィルタ2を収容するためのフィルタ収容体3と、このフィルタ収容体3を収容するためのケース本体4とを有している。
【0023】
前記袋状フィルタ2は、伸縮性糸により伸縮自在に形成されている。この伸縮性糸は、弾性ソックスや弾性ストッキングなどに用いられるものであり、弾性繊維(エラストマー繊維)に合成繊維を組み合わせて形成されたものである。
【0024】
例えば、弾性繊維としてのポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)に、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステルなどの合成繊維のフィラメント数の多いハイマルチタイプ(1フィラメントが1.45デニールより細い糸)をカバーリングしたシングルカバーリングヤーン(SCY20 WN 70/48)を挙げることができる。また、ポリウレタン弾性繊維に、2本の合成繊維の糸をカバーリングしたダブルカバーリングヤーン(DCY)であってもよい。なお、ポリウレタン弾性繊維のかわりにポリエーテルエステル弾性繊維を用いてもよい。また、ポリウレタン弾性繊維の糸を合成繊維の糸で被覆することにより、加工粉によって編み目の破損や損傷が短時間で発生するのを防止することができるようになっている。
【0025】
前記伸縮性糸は、靴下編み機であるハイゲージ丸編み機(4インチ:400針)により袋状の編地とされ、この編地により袋状フィルタ2が形成されている。なお、編地は、天笠(無地)編み、針抜き編みなどを単独もしくは組み合わせて編まれている。
【0026】
前記袋状フィルタ2の自由状態における長さは、フィルタ収容体3の長さの4/5程度に形成されている。この袋状フィルタ2は、後に詳しく述べるフィルタ取付部材42に取り付けた状態で用いられるようになっている(図6、図7)。なお、袋状フィルタ2の自由状態における長さは、設計コンセプトなどの必要に応じて設定すればよい。但し、フィルタ収容体3の長さより短くすることが好ましい。
【0027】
前記フィルタ収容体3は、樹脂により網目を具備する円筒状に形成されている。このフィルタ収容体3の網目としては、例えば、線径が1mm程度で、ピッチが10−20mm程度に形成されている。なお、フィルタ収容体3の形状としては、全体として筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。また、フィルタ収容体3としては、上部が開口している有底筒状に形成されたものであってもよい。さらに、フィルタ収容体3の網目としては、フィルタ収容体3の内部に収納される袋状フィルタ2を外部から覗くことができるメッシュを用いることが肝要である。さらにまた、フィルタ収容体3としては、樹脂により一体に形成されたものであっても、矩形平板状に形成された網板の対向する2辺を融着あるいは接着などにより固着して筒状としたものであっても、さらに矩形平板状に形成された網板の対向する2辺を紐などの締結具により結合したものであってもよい。
【0028】
図3に示すように、前記ケース本体4は、袋状フィルタ2の内部にクーラントを導く流入口11と、袋状フィルタ2で濾過したクーラント、すなわちクーラントに含まれる加工粉を分離した後の濾液を外部に流出する流出口12とを有している。また、図1から図3に示すように、本実施形態のケース本体4は、濾液の流路を形成するための内ケース13と、この内ケース13を収納するための外ケース14と、この外ケース14の開口を覆うための上蓋15とを有している。
【0029】
前記内ケース13は、透明なアクリル樹脂(アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂)、透明なポリカーボネート樹脂、透明なABS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)などの透明樹脂によりフィルタ収容体3の外径より大径の円筒状に形成されている。そして、内ケース13の内周面と、フィルタ収容体3の外周面との間には、濾液を容易に流動させるための流動路としての隙間が形成されている。また、内ケース13の長さは、フィルタ収容体3の長さより長く形成されている。なお、内ケース13の形状としては、筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。
【0030】
図1および図2に示すように、前記内ケース13の外周面には、袋状フィルタ2の交換時期を認識させるための目印となるマーク16が設けられている。このマーク16は、例えば、内ケース13の長さ方向の中央部より上方、具体的には、内ケース13の外周面における下端から全長の2/3程度の高さ位置に、周方向に沿って赤色テープを環状に貼着することにより設けられている。
【0031】
図1から図3に示すように、前記外ケース14は、底部材17と、上部材18と、接続部材19とを有している。
【0032】
前記底部材17は、フィルタ収容体3および内ケース13のそれぞれの下端部を下方から支持するためのものである。この底部材17は、金属により内ケース13の外径より大径の円筒状に形成された外底胴部20と、この外底胴部20の下端の開口を閉塞するように金属板により円盤状に形成された外底板21とにより、全体として上部が開口している有底筒状に形成されている。また、外底板21には、図5に示すように、袋状フィルタ2を内側から外側に通過した濾過後の濾液を外部に流出させるための流出口12としての複数の流出用貫通孔12aが形成されている。すなわち、袋状フィルタ2を内側から外側に通過した濾液を外部に流出させるための流出口12が、外ケース14の底部に形成されている。なお、外底板21としては、予め厚さ方向に貫通する多数の孔が設けられた金属板であるパンチングメタルを用いることが、複数の流出用貫通孔12aを個別に形成する必要がなく、低コスト化を容易に図ることができるという意味で好ましい。
【0033】
図3に示すように、前記外底板21の図3の上方に示す上面、すなわち底部材17の底面の外周部分には、内ケース13の下端部を下方から弾性支持するための平板状に形成された複数の発泡体としての8つのスポンジ片22(図3に2つのスポンジ片22のみ図示)が接着剤、両面テープなどにより固着されている。これら8つのスポンジ片22は、外底板21の中心から等距離位置において隣位する2つのスポンジ片22の相互間の距離がほぼ等しくなるように等角度配置されている。また、これらのスポンジ片22は、ゴムあるいは樹脂などのエラストマにより形成されており、内ケース13が周方向に回転するのを防止する回り止めとしての機能も発揮する。なお、8つのスポンジ片22の代わりに、環状の平板状に形成されたスポンジを用いてもよい。
【0034】
前記外底板21の上面には、フィルタ収容体3の下端部の装着と、その位置決めを行うための装着壁23が設けられている。本実施形態における装着壁23は、フィルタ収容体3の下端部の外周面を取り囲むように円筒状に形成されており、その上端面は、外底胴部20の開口端より下方に配置されている。また、装着壁23の内孔は、フィルタ収容体3の下端部を着脱自在に装着することができるように、フィルタ収容体3の外径より大径に形成されている。なお、各スポンジ片22は、外底板21の上面において装着壁23の外側に配設されている。
【0035】
なお、装着壁23の形状は、フィルタ収容体3の形状に応じて設定すればよく、円筒状に限定されるものではない。例えば、フィルタ収容体3の下端部の外周面を取り囲むことができるように、全体として環状をなすように部分的に設けられたものであってもよいし、3つ以上の柱状突起を外底板21の中心から等距離位置において隣位する2つの柱状突起の距離が等しくなるように等角度配置する構成としてもよい。
【0036】
図1から図3に示すように、前記外底胴部20の外周面の長さ方向である上下方向のほぼ中央部には、環状に形成された取付フランジ24が設けられている。この取付フランジ24は、溶接によって外底胴部20の外周面の所定の位置に固着されている。そして、取付フランジ24の所定位置には、濾過装置1を図示しない取付板や取付架台などの取付対象物に取り付けるための複数の取付孔25が形成されている。これらの取付孔25は、図5に示すように、外底胴部20、ひいては外ケース14の軸心から等距離位置において隣位する2つの取付孔25の中心間距離が等しくなるように等角度配置されている。
【0037】
前記上部材18は、内ケース13の上端部の外周を径方向外側から支持するためのものである。この上部材18は、図1から図3に示すように、金属により円筒状に形成されている。また、上部材18の外径および内径のそれぞれのサイズは、外底胴部20の外径および内径と同一に形成されており、上部材18の内孔は、内ケース13の外径より大径に形成されている。すなわち、上部材18および外底胴部20の材料としては、同一サイズの金属管が用いられている。また、上部材18の上端面は、図3に示すように、内ケース13が外ケース14に装着された状態における内ケース13の上端面より若干上方となるように形成されている。
【0038】
図1から図3に示すように、前記上部材18の外周面には、金属により形成された位置決めパイプ26が設けられている。この位置決めパイプ26は、その長手方向が上部材18の長手方向と平行に延在するように配置されている。本実施形態の位置決めパイプ26は、溶接によって上部材18の外周面に固着されている。
【0039】
図3に示すように、前記位置決めパイプ26の上端面は、上部材18の上端面より下方に配置されており、位置決めパイプ26の下端面は、上部材18の下端面とほぼ面一に形成されている。また、位置決めパイプ26の上端部には、上部が開口しているU字状の2つの切欠き溝27が相互に対向するように形成されている。また、2つの切欠き溝27は、位置決めパイプ26の軸心を中心として点対称に配置されている。
【0040】
前記接続部材19は、底部材17と上部材18とを予め設定された間隔をもって接続するためのものである。この接続部材19は、金属により断面矩形状の角棒状に形成されており、図1および図2に示すように、下端部が外底胴部20の外周面の上端部側に溶接などによって固着されており、上端部が上部材18の外周面の下端部側に溶接などによって固着されている。すなわち、接続部材19は、その長手方向が外ケース14の軸心に沿って平行に配置されている。
【0041】
本実施形態において、6本の接続部材19が相互に平行に延在するように用いられている。これら6本の接続部材19は、外ケース14の軸心から等距離位置において隣位する2本の接続部材19の距離が等しくなるように間隔をおいて等角度配置されている。なお、接続部材19としては、丸棒状のものであってもよい。また、接続部材19としては、内外を径方向(厚さ方向)に貫通する複数の孔を備えた筒であってもよい。この場合、孔のサイズを、内部を容易に視認することのできるサイズとすることが肝要である。
【0042】
図2に示すように、前記外ケース14の底部材17と上部材18との相互間で、接続部材19が配置されていない箇所は、内外を連通する連通空間とされており、この連通空間により、本実施形態における内ケース13を通して袋状フィルタ2を外部から視認できるのぞき窓28が構成されている。すなわち、透明な内ケース13を通して袋状フィルタ2を外部から視認できる内外を連通するのぞき窓28が外ケース14の胴部に設けられている。勿論、外部とは濾過装置1の外側である。したがって、のぞき窓28は、袋状フィルタ2を容易に可視化することができるものである。
【0043】
前記上蓋15は、外ケース14の開口を覆うためのものである。この上蓋15は、図6および図7に詳示するように、金属により円筒状に形成された蓋胴部29と、この蓋胴部29の上端の開口を閉塞する金属板により環状に形成された蓋天板30とにより、全体として下部が開口している有底筒状に形成されている。そして、蓋胴部29の内孔は、上部材18の上端部、ひいては外ケース14の上端部の外周面を取り囲むことができるように、上部材18の外径より大径に形成されている。
【0044】
前記蓋天板30の中心には、蓋天板30の厚さ方向である上下方向に沿って管継手の一種であるソケットなどからなる流入管31が配設されている。この流入管31は、上蓋15の長さより長く形成されており、上端が蓋天板30の上面より上方に突出し、下端が蓋天板30の下方に突出するように配置されている。この流入管31の下端面は、蓋胴部29の開口端面とほぼ面一に形成されている。また、流入管31は、その外周面における長手方向の中央部が蓋天板30の中心に設けられた内孔である管取付孔32に挿通された状態で上蓋15の外側から溶接などにより隙間なく固着されており、流入管31の上端の開口は、袋状フィルタ2の内部にクーラントを導く流入口11とされている。すなわち、袋状フィルタ2の内部にクーラントを導く流入口11が、上蓋15の軸心部である中央部に形成されている。また、流入管31の内孔の少なくとも上端部には、圧送されるクーラントの供給配管との接続に用いるための雌ねじ31aが形成されている。
【0045】
前記蓋天板30の内面である下面の外周部分は、外ケース14の開口端面とわずかな隙間をもって対向するように形成されている。なお、蓋天板30の下面の外周部分は、外ケース14の開口端面と接触するように形成してもよい。また、前記蓋天板30の下面と外ケース14の開口端面との間にガスケットを配置する構成としてもよい。さらに、蓋胴部29の形状としては、筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。
【0046】
前記蓋天板30の下面には、円筒状に形成された内壁33が設けられている。この内壁33の長さは、蓋胴部29の軸方向の長さより長く形成されており、内壁33の下端面は、蓋胴部29の下端面より下方に突出されている。また、内壁33の内孔は、後述する接続筒部材51の外径より大径に形成されており、内壁33の外径は、内ケース13の内径より小径に形成されている。
【0047】
なお、内壁33の形状は、円筒状に限定されるものではない。例えば、全体として環状をなすように部分的に設けられたものであってもよいし、3つ以上の柱状突起壁を蓋天板30の中心から等距離位置において隣位する2つの柱状突起の距離が等しくなるように等角度配置する構成としてもよい。
【0048】
図1から図3に示すように、前記蓋胴部29の外周面には、上部材18の外周面に設けられた位置決めパイプ26に着脱自在に挿入される位置決め棒34の上部が溶接によって固着されている。この位置決め棒34の上端面は、蓋天板30の上面と面一に形成されている。また、位置決め棒34の長さは、外ケース14の長さの7/10程度に形成されている。そして、位置決めパイプ26に位置決め棒34を挿入することにより、少なくとも外ケース14に対する上蓋15の周方向に沿った回転止めと、外ケース14に対する上蓋15の周方向に沿った回転方向の位置決めとがなされている。
【0049】
前記位置決め棒34の下端から位置決めパイプ26の長さとほぼ同一の長さ程度の上方位置には、位置決め棒34の軸方向に対して直交する径方向に貫通するピン孔34aが形成されている。このピン孔34aには、上蓋15を外ケース14から外したときに、ピン孔34aの内径より小径に形成された円筒状のセットピン35がその両端をピン孔34aから突出するように挿脱自在、すなわち、ピン35をピン孔34aに差し込んだり、ピン孔34aに差し込んだピン35をピン孔34から抜き取ったりすることができるようにされている。また、セットピン35は、位置決め棒34のピン孔34aに取り付けられた状態で位置決め棒34の外周から突出した両端部が、位置決めパイプ26の上端に形成された2つの切欠き溝27の底部によって下方から支持することができるようになっている。
【0050】
したがって、上蓋15を外ケース14から外したときに、位置決め棒34のピン孔34aにセットピン35を取り付けてからセットピン35を切欠き溝27に上方から載置することにより、上蓋15を外ケース14の開口の上方に位置させた状態を保持することができるようになっている。
【0051】
なお、セットピン35の一端には所定長さの鎖36の一端が取り付けられており、この鎖36の他端は、位置決めパイプ26に隣位する接続部材19の上部に取り付けられている。
【0052】
図1から図4に示すように、前記上蓋15と外ケース14とは、締結金具としての周知のキャッチクリップ37によりワンタッチで着脱自在に取り付けられている。すなわち、上部材18の外周面には、周知の如く、2つで1組とされたキャッチクリップ37の一方、例えば掛合部、ばねおよび操作レバーを備えた操作側部材37aが取り付けられており、蓋胴部29の外周面には、キャッチクリップ37の他方、例えば、掛合部に掛けられる掛合片を備えた受け側部材37bが取り付けられている。
【0053】
本実施形態において、キャッチクリップ37の操作側部材37aと位置決めパイプ26とは、上部材18の軸線を中心として対向するように上部材18の外周面に配置されている。また、キャッチクリップ37の受け側部材37bと位置決め棒34とは蓋胴部29の軸線を中心として対向するように蓋胴部29の外周面に配置されている。
【0054】
なお、キャッチクリップ37の組数を2組以上の複数とする構成としてもよい。このような複数組のキャッチクリップ37を設ける場合には、ケース本体4の軸心から等距離位置において隣位する2つのキャッチクリップ37の中心間距離が等しくなるように等角度配置する構成が好ましい。
【0055】
したがって、上蓋15と外ケース14とは、少なくとも1つのキャッチクリップ37によりワンタッチで着脱自在に形成されていればよい。勿論、キャッチクリップ37の組数が多くなるほど操作に要する労力および時間が増加することになる。
【0056】
前記上蓋15は、外ケース14の開口を覆うために、外ケース14の上端に着脱自在に取り付けられていればよい。また、上蓋15と外ケース14とは、キャッチクリップ37の代わりに、ワンタッチジョイントなどの他の構成によりワンタッチで着脱自在に取り付けられていてもよい。なお、ワンタッチジョイントとしては、バイヨネット式、クランプ式、スライド式などの各種の構成のものから設計コンセプトなどの必要に応じて選択することができる。
【0057】
図6および図7に詳示するように、上蓋15には、上蓋15に袋状フィルタ2を取り付けるためのフィルタ取付手段39が設けられている。
【0058】
本実施形態のフィルタ取付手段39は、上蓋15に固着された取付本体41と、この取付本体41と対向配置され袋状フィルタ2の袋口としての開口端部が着脱自在に取り付けられるフィルタ取付部材42と、袋状フィルタ2を取り付けたフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42と取付本体41とを着脱自在に接続する接続手段43とを有している。
【0059】
前記取付本体41は、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの樹脂により円筒状に形成されており、その上端面が接着剤などの接合部材によって上蓋15の軸心と取付本体41の軸心とが一致するように蓋天板30の下面に固着されている。また、取付本体41の内孔は、蓋天板30と対向する上端側に配置された大径孔41aと、下端側に配置された小径孔41bとが段部41cによって接続された段付き孔とされている。そして、大径孔41aの内径は、流入管31の外径より大径に形成されており、大径孔41aの長さは、流入管31の蓋天板30下面から下方に突出する部分の長さより長く形成されており、流入管31の蓋天板30の下面から下方に突出する部分が大径孔41aの内部に挿入されている。また、小径孔41bには、クーラントが小径孔の内部を下方に向かって通過する際に、クーラントに含まれる加工粉の接触により発生する摩耗を防止するための金属筒44が取り付けられている。
【0060】
前記取付本体41の外径は、前記上蓋15の内壁33より小径に形成されている。また、取付本体41の長さは、取付本体41の下端面が上蓋15に設けられた内壁33の先端である下端より下方に突出するとともに、外ケース14の一部を構成する上部材18の上端面より下方で、かつ、フィルタ収容体3の上部の開口端より上方となるように設定されている。
【0061】
前記取付本体41の外周面の下端部近傍には、取付本体41の外周面から径方向外側に向かって突出する複数の係止体としての円柱状に形成された2つの係止ピン45が取付本体41の軸心を中心として点対称に設けられている。これら2つの係止ピン45の先端を結ぶ仮想外径は、上蓋15の内壁33の内径より小径に形成されており、係止ピン45が内壁33と干渉しないようにされている。また、両係止ピン45のそれぞれは、後述する接続筒部材51に設けられた係止溝54に着脱自在に挿入可能とされている。
【0062】
なお、係止ピン45の数を3つ以上としてもよい。このように係止ピン45の数を3つ以上とする場合には、取付本体41の軸心から等距離位置において隣位する2つの係止ピン45の中心間距離が等しくなるように等角度配置することが好ましい。また、係止ピン45としては、円筒状のものであってもよい。さらにまた、係止体としては、係止ピン45に限定されるものではなく、平板状の係止片であってもよい。
【0063】
前記取付本体41の下端面の外周近傍には、袋状フィルタを圧接する圧接部材としてのOリング46が配設されている。このOリング46は、取付本体41の下端面に形成された環状溝47に取り付けられている。
【0064】
なお、圧接部材としては、サイズの異なる複数のOリング46を同心円状に配置するようにしてもよい。また、圧接部材としては、Oリング46に限定されるものではなく、Dリング、Xリング、角リングなどの既存のものを使用することができる。さらに、圧接部材としては、取付本体41の下端面に環状突起を一体に設ける構成としたり、取付本体41の下端面に複数の突起を一体に設ける構成としたりすることができる。
【0065】
なお、圧接部材は、後述するフィルタ取付部材42の上端面に配設してもよい。
【0066】
すなわち、袋状フィルタ2を圧接する圧接部材は、取付本体41とフィルタ取付部材42との相互に対向する対向面の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0067】
なお、圧接部材は、取付本体41とフィルタ取付部材42との相互に対向する対向面の両方、すなわち、取付本体41の下端面とフィルタ取付部材42の上端面とのそれぞれに配設する場合、それぞれの圧接部材が対向しないように異なる位置に設けることが肝要である。
【0068】
また、圧接部材は、必ず設ける必要はなく、設計コンセプトなどの必要に応じて設ければよい。
【0069】
前記フィルタ取付部材42は、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの樹脂により形成されている。このフィルタ取付部材42は、その外径が取付本体41の外径より小径にされるとともに、内孔が取付本体41の金属筒44の内孔より大径に形成された筒状基体48と、この筒状基体48の外周面の上端部に、径方向外側に向かって延出形成された環状の平板からなる環状鍔部49とを有しており、全体として円筒状に形成されている。また、環状鍔部49の外径は、取付本体41の外径とほぼ同一とされている。さらに、フィルタ取付部材42の筒状基体48の外周面の下端部近傍には、袋状フィルタ2の開口端部が装着される装着用環状凹溝50が周方向に沿って形成されている。また、フィルタ取付部材42の軸方向に沿った長さは、筒状基体48の下端部がフィルタ収容体3の上部の開口内に挿入されるように設定されている。
【0070】
前記フィルタ取付部材42には、袋状フィルタ2の開口端部分が外側に折り返すようにして着脱自在に取り付けられており、袋状フィルタ2を取り付けたフィルタ取付状態においては、フィルタ取付部材42の環状鍔部49の上面を含む平坦な上端面が袋状フィルタ2により覆われている。そして、フィルタ取付部材42は、フィルタ取付状態において袋状フィルタ2により覆われた上端面が取付本体41の下端面と対向配置されている。すなわち、袋状フィルタ2を介してフィルタ取付部材42の上端面と取付本体41の下端面とが対向するように形成されている。
【0071】
前記取付本体41の外周には、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの樹脂により形成された接続筒部材51が配設されている。この接続筒部材51は、その外径が内壁33の内径より小径にされるとともに、接続筒部材51の内孔は、取付本体41の外径、および、フィルタ取付状態における袋状フィルタ2を含むフィルタ取付部材42の環状鍔部49の外径、すなわち、環状鍔部49の外径に袋状フィルタ2の厚さの2倍を加算したサイズの両者より大径に形成された接続基体52と、この接続基体52の内孔の下端部に、径方向中心側に向かって延出形成された環状の平板からなる環状内鍔部53とを有しており、全体として円筒状に形成されている。そして、環状内鍔部53の内径は、フィルタ取付状態における袋状フィルタ2を含むフィルタ取付部材42の筒状基体48の外径、環状鍔部49の外径、すなわち、筒状基体48の外径に袋状フィルタ2の厚さの2倍を加算したサイズより大径に形成されている。また、環状内鍔部53の上面は、袋状フィルタ2を介してフィルタ取付部材42の環状鍔部49の下面と対向するように配置されている。
【0072】
前記接続筒部材51には、取付本体41に配設された2つの係止ピン45のそれぞれが挿入可能な2つの係止溝54が形成されている。これら2つの係止溝54は、接続筒部材51の軸心を中心として点対称に設けられている。また、2つの係止溝54のそれぞれは、接続筒部材51の上端面から下方に向かって形成され係止ピン45が挿入可能な内外を径方向に貫通する第1挿入溝54aと、この第1挿入溝54aの底部から接続筒部材51の周方向に沿って形成され係止ピン45が挿入可能な内外を径方向に貫通する第2挿入溝54bとを有している。
【0073】
なお、係止溝54の数としては、係止ピン45の数と同様に3つ以上としてもよい。このように係止溝54の数を3つ以上とする場合には、接続筒部材51の軸心から等距離位置において隣位する2つの係止溝54の中心間距離が等しくなるように等角度配置することが好ましい。
【0074】
前記取付本体41に配設された2つの係止ピン45および前記2つの係止溝54を備えた接続筒部材51により、本実施形態の袋状フィルタ2を取り付けたフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42と取付本体41とを着脱自在に接続する接続手段43が構成されている。
【0075】
なお、接続手段43としては、袋状フィルタ2を取り付けたフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42と取付本体41とを直接あるいは間接的に着脱自在に接続するものであればよく、例えば、袋状フィルタ2を取り付けたフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42と取付本体41とを直接接続することのできるバイヨネット式、クランプ式、スライド式などの各種のワンタッチジョイントや、螺着する構成などを用いることができる。
【0076】
本実施形態において、袋状フィルタ2を取り付けたフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42と取付本体41とを接続手段43で接続した接続状態における袋状フィルタ2は、取付本体41の下端面に配設されたOリング46とフィルタ取付部材42の上端面との相互間に圧接されて押さえられている。
【0077】
すなわち、袋状フィルタ2は、取付本体41の下端面とフィルタ取付部材42の上端面との相互間に間接的に押さえられている。
【0078】
なお、環状溝47の深さを深くしたり、Oリング46の硬さを低くすることなどにより、取付本体41の下端面とOリング46との両者を袋状フィルタ2に圧接させる構成としてもよい。
【0079】
また、圧接部材を設けない構成とした場合には、袋状フィルタ2は、取付本体41とフィルタ取付部材42との相互に対向する対向面間に直接圧接されて押さえられることになる。
【0080】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0081】
説明の便宜上、まず、濾過装置1における袋状フィルタ2の取付方法について説明する。
【0082】
本実施形態の濾過装置1における袋状フィルタ2の取付け方法は、フィルタ取付部材42に袋状フィルタ2の開口端部分を外側に折り返すようにして取り付ける。この時、袋状フィルタ2の開口端部を、装着用環状凹溝50の内部に装着する。このように袋状フィルタ2の開口端部を装着用環状凹溝50の内部に装着することにより、フィルタ取付部材42の外周面における袋状フィルタ2の開口端部の位置決めを容易に行うことができる。このフィルタ取付部材42に袋状フィルタ2を取り付けたフィルタ取付状態を図8に示す。なお、袋状フィルタ2にフィルタ取付部材42を接着剤あるいは融着などによって固定することも可能である。この場合、袋状フィルタ2を交換する際に、袋状フィルタ2およびフィルタ取付部材42の両者を交換することになる。
【0083】
ついで、袋状フィルタ2が取り付けられたフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42に接続筒部材51をセットする。この接続筒部材51のセットは、袋状フィルタ2の先端を先頭にして接続筒部材51の接続基体52の上端部の開口内に挿通して、袋状フィルタ2を介してフィルタ取付部材42の環状鍔部49の下面が接続筒部材51の環状内鍔部53の上面と対向させることにより行う。このフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42に接続筒部材51をセットしたセット状態を図9に示す。なお、接続筒部材51にフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42をセットしてもよい。
【0084】
ついで、フィルタ取付状態のフィルタ取付部材42に接続筒部材51をセットしたセット状の接続筒部材51を上蓋の内面に取り付けられたリング取付体の下方に対向させる。このフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42に接続筒部材51をセットしたセット状の接続筒部材51を上蓋の内面に取り付けられたリング取付体の下方に対向させた状態を図10に示す。
【0085】
ついで、セット状態の接続筒部材51を上蓋15の内面に固着された取付本体41の下方に対向させてから、接続筒部材51の第1挿入溝54aを取付本体41に設けられた係止ピン45に下方から挿入する。この第1挿入溝54aを係止ピン45へ挿入した状態を図11に示す。
【0086】
ついで、第1挿入溝54aの係止ピン45への挿入を終了したら、接続筒部材51を周方向に回転する。この接続筒部材51の周方向に回転により第2挿入溝54bに係止ピン45を挿入する。この第2挿入溝54bを係止ピン45へ挿入した状態を図12に示す。なお、図10から図12は、要部のみ符号を付してある。
【0087】
前記第2挿入溝54bに係止ピン45を挿入すると、係止ピン42に係止溝54が係止され、接続筒部材51によりフィルタ取付状態のフィルタ取付部材42を取付本体41に接続した接続状態となる。この接続状態においては、図6および図7に詳示するように、フィルタ取付部材42の環状鍔部49の上面と取付本体41の下端面との間でOリング46を介して袋状フィルタ2を押さえるとともに、フィルタ取付部材42の環状鍔部49の下面と接続筒部材51の環状内鍔部53の上面との間で袋状フィルタ2を押さえることになる。この時、Oリング46は、上下方向に圧縮された弾性変形状態で袋状フィルタ2に密接する。
【0088】
なお、上蓋15に袋状フィルタ2を取り付けるのは、キャッチクリップ37の操作レバーを操作して操作側部材37aのフックを受け側部材37bから取り外して外ケース14への上蓋15の締結を解除した後、上蓋15を上方に移動し、位置決め棒34のピン孔34aにセットピン35を取り付けてからセットピン35を切欠き溝27に上方から載置することにより、上蓋15を外ケース14の上方に位置させた状態を保持した状態としてから行う。これにより、上蓋15に袋状フィルタ2を取り付ける作業時に、作業者の両手を使用することができるので、上蓋15を一方の手で保持して残りの手で上蓋15に袋状フィルタ2を取り付けるという煩雑な作業を行う必要がない。その結果、作業者による作業性が格段に向上するし、作業中に上蓋15が作業者の手から落下するのを確実に防止することができる。
【0089】
このようにフィルタ取付部材42の環状鍔部49の上下両面側で袋状フィルタ2を押さえる構成とすることにより、濾過中において、袋状フィルタ2の内部に堆積した濾塊の重さによって袋状フィルタ2の開口端部がフィルタ取付手段39から抜けるのを確実に防止することができる。また、接続筒部材51の回転操作を行わない限りにおいては、上蓋15に袋状フィルタ2を取り付けた状態を確実に保持することができる。
【0090】
なお、Oリング46を設けない構成とした場合には、フィルタ取付部材42の環状鍔部49の上面と取付本体41の下端面との間で袋状フィルタ2を押さえるとともに、フィルタ取付部材42の環状鍔部49の下面と接続筒部材51の環状内鍔部53の上面との間で袋状フィルタ2を押さえることになる。
【0091】
つぎに、本実施形態の濾過装置1におけるクーラントの濾過動作について説明する。
【0092】
前記クーラントタンクに貯留されたクーラントは、ポンプなどにより配管の内部を圧送されて流入口11から袋状フィルタ2の内部に流入する。そして、袋状フィルタ2の内部に流入したクーラントは、袋状フィルタ2を内側から外側に向かって通過する。このクーラントが袋状フィルタ2を通過する際に、クーラントに含まれる所定の大きさ以上の固体としての加工粉が濾過作用によって分離される。すなわち、クーラントが袋状フィルタ2を通過する際に、クーラントに含まれる所定の大きさ、例えば20μm以上の加工粉が袋状フィルタ2の編み目によって捕捉される。そして、袋状フィルタ2を通過した濾液は、内ケース13の内部を流下して流出口12から外部に流出し、その後クーラントタンクに戻される。
【0093】
前記袋状フィルタ2の内部に捕捉された所定の大きさ以上の加工粉である濾塊は、袋状フィルタ2の内部において先端側(下端側)から目詰まりして堆積する。この時、袋状フィルタ2が弾性繊維によって伸縮自在に形成されているので、濾塊の堆積の進行にともなって、袋状フィルタ2は、その長さ方向に順次伸長するとともに、濾塊の堆積部分が拡径する。この袋状フィルタ2が拡径することにより、クーラントから分離した加工粉である濾塊により袋状フィルタ2が目詰まりしてきた場合にも、袋状フィルタ2が膨張して袋状フィルタ2の編み目が拡大するので、袋状フィルタ2は、濾過機能を維持する。なお、袋状フィルタ2の最大伸長は、その下端が底部材17の底面により規制され、最大拡径は、フィルタ収容体3により規制される。
【0094】
本実施形態の濾過装置1における袋状フィルタ2の交換方法について説明する。
【0095】
本実施形態の濾過装置1における袋状フィルタ2を交換する際には、キャッチクリップの操作レバーを操作して操作側部材37aを受け側部材37bから取り外して外ケース14への上蓋15の締結を解除した後、上蓋15を上方に移動する。そして、上蓋15の上方への移動の途中、すなわち、位置決め棒34のピン孔34aが位置決めパイプ26の上方に露出したら、ピン孔34aにセットピン35をその両端がピン孔34aから突出するように挿通した後、上蓋15を下方に移動する。すると、セットピン35の両端部が位置決めパイプ26の上端部に形成された切欠き溝27によって下方から支持される。これにより、上蓋15が外ケース14の上方に移動した状態が保持され、作業者の両手が自由になる。また、上蓋15を移動する作業中に、袋状フィルタ2が上蓋15から脱落することもない。すなわち、上蓋15を移動する作業中に、袋状フィルタ2が上蓋15から脱落するのを防止できる。
【0096】
ついで、接続筒部材51を第1挿入溝54aの底部に向かって取付時とは逆方向に回転させることにより、係止ピン45を第2挿入溝54bから離脱させて外した後、接続筒部材51を取付本体41から離れる下方に向かって取付時とは逆方向に移動させることにより、係止ピン45を第1挿入溝54aから離脱させて接続筒部材51を取付本体41から引き抜くように取り外す。
【0097】
ついで、接続筒部材51を取付本体41から取り外した後、フィルタ取付部材42から濾塊が堆積した袋状フィルタ3を取り外し、その後、前述したように、新たな袋状フィルタ2をフィルタ取付部材42に取り付けてから、前述した袋状フィルタ2の取付け方法、すなわち、接続筒部材51の挿入操作とこれに続く回転操作により、フィルタ取付状態のフィルタ取付部材42を接続筒部材51により取付本体41に接続して、袋状フィルタ2を上蓋15の内面に取り付ける。
【0098】
この時、上蓋15が外ケース14の上方に移動した状態が保持されているので、袋状フィルタ2の取り付けを容易に行うことができる。
【0099】
ついで、袋状フィルタ2を上蓋15の内面に取り付けたら、上蓋15を上方に移動してセットピン35を切欠き溝27から離脱させた後、位置決め棒34のピン孔34aからセットピン35を抜き取る。その後、上蓋15を下方に移動して外ケース14の開口を上蓋15で塞いだ後、上蓋15と外ケース14をキャッチクリップ37で締結することにより袋状フィルタ2の交換が終了する。
【0100】
なお、袋状フィルタ2の交換時期は、フィルタ収容体3の内部に収容された袋状フィルタ2の濾塊により膨らんだ部位が、内ケース13の外周面に設けられたマーク16に重なる位置に到達したことを外部から視認することにより判定できる。
【0101】
このように、本実施形態の濾過装置1によれば、袋状フィルタ2は、その編み目によって濾過対象液としてのクーラントに含まれる所定の大きさ以上の固体である加工粉を分離することができる。
【0102】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の目詰まりの進行にともなって袋状フィルタ2が膨張するので、袋状フィルタ2の編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。
【0103】
さらに、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の編み目が拡大した場合であっても、袋状フィルタ2の内部に堆積した濾塊がフィルタとして機能するので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。
【0104】
さらにまた、本実施形態の濾過装置1によれば、クーラントに含まれる加工粉は、袋状フィルタ2の内部において先端側(下端側)から順に目詰まりして堆積するので、袋状フィルタ2が目詰まりするにしたがって袋状フィルタ2が伸長するとともに径方向に広がって編み目が拡大し、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができるし、袋状フィルタ2の先端側に目詰まりが生じても、袋状フィルタ2の目詰まりしていない開口部側により濾過機能が保持されるので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。
【0105】
したがって、本実施形態の濾過装置1によれば、安定した濾過機能を長期間に亘って発揮することができる。
【0106】
よって、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の寿命を従来の濾過装置101に比べて長くすることができる。
【0107】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、流入口11が上蓋15に形成されているので、袋状フィルタ2の内部にクーラントを円滑かつ確実に流入させることができる。
【0108】
さらに、本実施形態の濾過装置1によれば、流出口12が外ケース14の底部に形成されているので、袋状フィルタ2を通過した濾液を外部に円滑かつ確実に流出させることができる。
【0109】
さらにまた、本実施形態の濾過装置1によれば、上蓋15に、袋状フィルタ2を着脱自在に取り付けるためのフィルタ取付手段39が設けられているから、袋状フィルタ2を上蓋15に容易かつ確実に取り付けることができるとともに、袋状フィルタ2の交換を容易に行うことができる。
【0110】
したがって、本実施形態の濾過装置1によれば、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができる。
【0111】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、フィルタ取付部材42は、袋状フィルタ2を容易に着脱することができる。また、接続手段43は、フィルタ取付状態のフィルタ取付部材42を取付本体41、ひいては上蓋15に着脱自在に接続することができる。さらに、フィルタ取付状態のフィルタ取付部材42を取付本体41に接続したときに、取付本体41とフィルタ取付部材42との相互に対向する対向面間に袋状フィルタを押さえるように形成されているから、フィルタ取付手段39に袋状フィルタ2を確実に固定することができるとともに、袋状フィルタ2の交換を確実かつ容易に行うことができる。したがって、作業者による使い勝手の向上をより容易に図ることができる。
【0112】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、接続手段43が取付本体41に配設された2つの係止ピン45および2つの係止溝54を備えた接続筒部材51により形成されているから、接続筒部材51の挿入操作および回転操作という簡単な操作により袋状フィルタ2を上蓋15に接続することができるし、接続筒部材51の逆回転操作および離脱操作という簡単な操作により袋状フィルタ2を上蓋15から外すことができる。
【0113】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、圧接部材としてのOリング46は、フィルタ取付状態のフィルタ取付部材42を取付本体41、ひいては上蓋15に接続した際に、袋状フィルタ2に弾性変形状態で密接するので、フィルタ取付手段39に袋状フィルタ2をより確実かつ容易に押さえ付けることができるし、袋状フィルタ2の内部を通過する切り粉を含むクーラントがフィルタ取付手段39を介して外部に漏れるのを防止するのに十分なシール性を容易に得ることができる。
【0114】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、フィルタ取付部材42は、その軸方向の一端部たる下端部がフィルタ収容体3の開口に挿入されるから、フィルタ収容体3の開口の位置決めを容易に行うことができる。
【0115】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、フィルタ収容体3が樹脂により形成されているから、軽量化を図ることができる。
【0116】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、透明樹脂により形成された内ケース13を通して袋状フィルタ2を外部から視認できる内外を連通するのぞき窓28が形成されているから、袋状フィルタ2を外部から視認、すなわち、袋状フィルタ2を容易に可視化することができるので、袋状フィルタ2の目詰まりの具合が容易に分かる。その結果、作業者が袋状フィルタ2の目詰まりの具合を視認するという簡単な作業により、袋状フィルタ2の交換時期を容易に認識することができる。
【0117】
さらに、本実施形態の濾過装置1によれば、内ケース13の外周面に、袋状フィルタ2の交換時期を認識させるための目印となるマーク16が設けられているから、袋状フィルタ2の拡径部分が袋状フィルタ2の先端側である下方から上方に広がってマーク16に到達したことを作業者が視認するという簡単な作業により、袋状フィルタ2の交換時期をより容易かつ確実に認識することができる。
【0118】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の交換時期を外部から視認するという簡単な作業により判別することができるので、従来の濾過装置1における袋状フィルタ2の交換時期を判別するための2つの圧力計を設ける必要がないので、低コスト化を図ることができるし、袋状フィルタ2の交換時期を判別するのに必要な作業者による労力および時間を低減することができる。
【0119】
したがって、本実施形態の濾過装置1によれば、作業者による使い勝手のさらなる向上を容易に図ることができる。
【0120】
さらに、本実施形態における濾過装置1によれば、ケース本体4が、透明樹脂により形成された内ケース13と、のぞき窓28の形成された外ケース14と、上蓋15とを有しているので、従来の金属により有底筒状に形成されたケース本体4に比較して、軽量化を図ることができる。この軽量化によって、作業者による設置作業およびフィルタ交換作業などの作業性を向上することができる。
【0121】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、上蓋15と外ケース14とが、キャッチクリップ37によりワンタッチで着脱自在に形成されているから、上蓋15と外ケース14との着脱をより容易かつ確実に行うことができる。
【0122】
さらにまた、本実施形態における濾過装置1によれば、位置決めパイプ26および位置決め棒34が設けられているので、上蓋15をケース本体4に取り付ける際に、位置決めパイプ26に位置決め棒34を挿入することにより、外ケース14に対する上蓋15の周方向に沿った回転を阻止することができる。その結果、キャッチクリップ37の操作側部材37aと受け側部材37bとの相互間の周方向における位置合わせを容易かつ確実に適正にすることができる。これにより、キャッチクリップ37の操作性が向上する。
【0123】
またさらに、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2を構成する伸縮性糸が弾性ソックスや弾性ストッキングなどに使用されるものであるから、既存の糸を使用することができるので、袋状フィルタ2の低コスト化を容易に図ることができる。
【0124】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、濾過対象液の流量が多い場合には、複数の濾過装置を並列配置して用いることができる。
【符号の説明】
【0125】
1 濾過装置
2 袋状フィルタ
3 フィルタ収容体
4 ケース本体
11 流入口
12 流出口
13 内ケース
14 外ケース
15 上蓋
16 マーク
26 位置決めパイプ
28 のぞき窓
31 流入管
34 位置決め棒
37 キャッチクリップ
39 フィルタ取付手段
41 取付本体
42 フィルタ取付部材
43 接続手段
45 係止ピン
46 Oリング
51 接続筒部材
54 係止溝
54a 第1挿入溝
54b 第2挿入溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過対象液に含まれる固体を分離するための袋状フィルタと、前記袋状フィルタを収容するための網目を具備し筒状に形成されたフィルタ収容体と、前記フィルタ収容体を収容するとともに、濾過対象液を前記袋状フィルタの内部に導く流入口および前記袋状フィルタで濾過した後の濾液を外部に流出する流出口を具備するケース本体とを有している濾過装置において、
前記袋状フィルタは、伸縮性糸を編むことにより伸縮自在に形成されており、
前記ケース本体は、透明樹脂により前記フィルタ収容体より大径かつ長尺に形成された筒状の内ケースと、前記内ケースを収納するための有底筒状に形成された外ケースと、前記外ケースの開口を覆うために前記外ケースの上端に取り付けられる上蓋とを有しており、
前記流出口は、前記外ケースの底部に形成されており、
前記流入口は、前記上蓋に形成されており、
前記上蓋に、前記袋状フィルタを取り付けるためのフィルタ取付手段が設けられていることを特徴とする濾過装置。
【請求項2】
前記フィルタ取付手段は、
筒状に形成され、その一端面が前記上蓋に固着された取付本体と、
筒状に形成され、その一端面を覆うように前記袋状フィルタが着脱自在に取り付けられるフィルタ取付部材と、
前記袋状フィルタを取り付けてなる前記フィルタ取付部材と前記取付本体とを着脱自在に接続する接続手段と、
を有しており、
前記フィルタ取付状態の前記フィルタ取付部材を前記取付本体に接続したときに、前記取付本体と前記フィルタ取付部材との相互に対向する対向面間に前記袋状フィルタを押さえるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項3】
前記取付本体と前記フィルタ取付部材との相互に対向する対向面の少なくとも一方に、前記袋状フィルタを圧接する圧接部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の濾過装置。
【請求項4】
前記フィルタ取付部材の他端部が、前記フィルタ収容体の開口に挿入されるように形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の濾過装置。
【請求項5】
前記フィルタ収容体が、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項6】
前記外ケースの胴部に、前記内ケースを通して前記袋状フィルタを外部から視認できる内外を連通するのぞき窓が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項7】
前記上蓋と前記外ケースとが、少なくとも1つのキャッチクリップによりワンタッチで着脱自在に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−115733(P2011−115733A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276354(P2009−276354)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(505001616)リックステクノサービス株式会社 (4)
【出願人】(502224814)株式会社 ユメックス (7)
【Fターム(参考)】