説明

濾過装置

【課題】フィルタの交換頻度の少ない濾過装置を提供する。
【解決手段】編まれた伸縮性糸により伸縮自在に形成され濾過対象液Gに含まれる固体粒子Kを分離するための筒状フィルタ2と、筒状フィルタ2が内側または外側に装着される通過開口を具備するフィルタサポート3と、フィルタサポート3をその長さ方向を上下方向に向けて収容するためのフィルタケース4とを主として形成する。フィルタケース4は、ケース本体41と、ケース本体41の上部開口を覆う着脱自在な上蓋43と、フィルタサポート3を支持するサポート支持部44と、濾過対象液Gを内部に導くための流入口45と、流入口45よりも下方に設けられ濾液Eを外部に流出させるための流出口46と、流出口46よりも下方に設けられ固体粒子Kを外部に排出させるための排出口47とを設ける。排出口46には、常時は閉状態とされたバルブ48を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過対象液に含まれる固体粒子をフィルタにより分離するのに好適な濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、濾過対象液に含まれる固体粒子を袋状フィルタ(バッグフィルタ)を用いて分離する工業用の濾過装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この濾過装置は、例えば、工作機械における加工部分の冷却、潤滑、洗浄などに循環使用されるクーラント、切削油、研削液、洗浄液などの濾過対象液に含まれる切り粉、研磨粉などの加工粉(加工屑)からなる所定の大きさ以上の固体粒子を分離するのに用いられている。
【0004】
従来の濾過装置で濾過対象液の濾過を行うと、袋状フィルタの内側に分離された固体粒子が堆積して目詰まりするので、袋状フィルタが目詰まりして濾過機能を発揮できなくなったときには、袋状フィルタの交換を行うようになっている。
【0005】
このような従来の濾過装置においては、袋状フィルタが目詰まりするまでの期間である寿命(使用可能時間)が短く、しかも袋状フィルタの着脱に時間と労力を必要とし、袋状フィルタの着脱を作業者が容易に行うことができないという問題点があることが知られている。
【0006】
そこで、本出願人は、袋状フィルタの寿命が従来より長く、しかも袋状フィルタの着脱を作業者が容易に行うことができ、作業者による使い勝手のよい濾過装置を提案した(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−154213号公報
【特許文献2】特開2010−184170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年においては、従来のものよりフィルタの交換頻度のさらに少ない濾過装置が求められている。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、フィルタの交換頻度の少ない濾過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の濾過装置の特徴は、編まれた伸縮性糸により伸縮自在に形成され、濾過対象液に含まれる固体粒子を分離するための筒状フィルタと、前記筒状フィルタが装着される筒状に形成されたフィルタサポートと、前記筒状フィルタが装着された状態の前記フィルタサポートを、その長さ方向を上下方向に向けて収容するためのフィルタケースとを有しており、前記フィルタサポートは、前記筒状フィルタの一端部が折り返すように取り付けられる上取付リング部と、前記筒状フィルタの他端部が折り返すように取り付けられる下取付リング部と、前記上取付リング部と前記下取付リング部とを接続するとともに、前記筒状フィルタで濾過した後の濾液あるいは濾過対象液を通過させる複数の通過開口を具備する上下接続部とを有しており、前記フィルタケースは、前記フィルタサポートが上部開口を介して挿脱される筒状に形成されたケース本体と、前記ケース本体の上部開口を覆うために前記ケース本体に着脱自在に取り付けられる上蓋と、前記フィルタサポートを下方から支持するためにその長さ方向を上下方向に向けて前記ケース本体の内部に配設され筒状に形成されたサポート支持部と、濾過対象液を内部に導くための流入口と、前記流入口よりも下方に設けられ、前記筒状フィルタにより濾過した後の濾液を外部に流出させるための流出口と、前記流出口よりも下方に設けられ、常時は閉状態とされたバルブが接続され、前記筒状フィルタにより分離した固体粒子を外部に排出させるための排出口とを有している点にある。
【0011】
そして、このような構成を採用したことにより、筒状フィルタは、その編み目によって濾過対象液に含まれる所定の大きさ以上の固体粒子を分離することができる。また、編まれた伸縮性糸により伸縮自在に形成された筒状フィルタは、筒状フィルタの目詰まりの進行にともなって編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができるし、筒状フィルタの下端側から目詰まりが生じても、筒状フィルタの目詰まりしていない上端側により濾過機能が保持されるので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。さらに、フィルタサポートは、筒状フィルタを容易に着脱することができる。また、流入口は、フィルタケースの内部に濾過対象液を円滑かつ確実に流入させることができる。さらに、流出口は、筒状フィルタを通過した濾液を円滑かつ確実に流出させることができる。さらにまた、常時は閉状態とされたバルブに接続されている排出口は、常時は筒状フィルタにより分離した固体粒子をフィルタケースの内部に堆積させることができ、バルブを開状態とする簡便な操作により、フィルタケースの内部に堆積した固体粒子を排出口を介して外部に確実に排出させることができる。すなわち、フィルタケースから筒状フィルタを取り外すことなく、筒状フィルタにより分離して堆積した固体粒子を排出口を介して外部に排出することができるので、従来のものよりフィルタの交換頻度をさらに少なくすることができる。よって、フィルタの寿命を従来に比べて長くすることができるし、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1において、前記フィルタケースは、前記流出口よりも上方に設けられ、前記筒状フィルタの目詰まりを除去する洗浄流体を内部に導くための供給口を有している点にある。
【0013】
そして、このような構成を採用したことにより、供給口は、ケース本体に上蓋を取り付けた状態で、目詰まりを除去する洗浄流体をフィルタケースの内部に容易かつ確実に供給することができる。また、フィルタケースの内部に供給された洗浄流体は、筒状フィルタの編み目に目詰まりした固体粒子を除去することができる。その結果、筒状フィルタの交換頻度をより少なくすることができるので、フィルタの寿命をより長くすることができるし、作業者による使い勝手をより向上することができる。
【0014】
請求項3に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1または2において、前記上蓋には、前記上蓋を上下方向に貫通する流入管が設けられ、この流入管の上端部に前記流入口が設けられ、前記流入管の下端部は、前記上取付リング部の内側に配置されており、前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通する流出管が設けられており、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、前記フィルタケースは、前記ケース本体の下部開口を閉塞するケース底部を有しており、前記サポート支持部は、その下部が前記ケース底部を貫通して前記ケース本体の下方に突出され、その下端部に前記排出口が設けられており、前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に外側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に外側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの内側に装着されており、前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを内側から外側に向かって通過するように形成されている点にある。
【0015】
そして、このような構成を採用したことにより、フィルタサポートの内側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの内側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの外側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの内側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができる。
【0016】
請求項4に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項3において、前記フィルタケースは、前記ケース本体の内側に装着される透明なプラスチックにより筒状に形成された内ケースを有しており、前記ケース本体には、前記内ケースを通して前記筒状フィルタを外部から視認できる内外を連通するのぞき窓が形成されている点にある。
【0017】
そして、このような構成を採用したことにより、のぞき窓により筒状フィルタを外部から視認することができるので、筒状フィルタの目詰まりの具合が容易に分かるし、筒状フィルタで分離した固体粒子の排出時期が容易に分かる。
【0018】
請求項5に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1または2において、前記上蓋には、前記上蓋を上下方向に貫通する流入管が設けられており、この流入管の上端部に前記流入口が設けられ、前記流入管の下端部は、前記上取付リング部の内側に配置されており、前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、前記フィルタケースは、前記ケース本体の下部開口を閉塞するケース底部を有しており、前記サポート支持部は、その下部が前記ケース底部を貫通して前記ケース本体の下方に突出され、その下端部に前記排出口が設けられており、前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に内側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に内側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの外側に装着されており、前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを内側から外側に向かって通過するように形成されている点にある。
【0019】
そして、このような構成を採用したことにより、フィルタサポートの外側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの内側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの外側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの内側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができる。
【0020】
請求項6に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項5において、前記ケース本体の内部には、前記筒状フィルタの膨張を規制するための筒状網体が少なくとも前記上下接続部を囲うように配置されている点にある。
【0021】
そして、このような構成を採用したことにより、筒状フィルタの編み目が拡大して固体粒子が通過する状態になるのを防止することができる。
【0022】
請求項7に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1または2において、前記ケース本体の上部には、前記ケース本体を貫通する流入管が設けられ、この流出管の先端に前記流入口が設けられており、前記サポート支持部は、その下部開口を閉塞するサポート底壁部を有しており、前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通して前記サポート支持部の内部に連通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、前記ケース本体の下端部には、上下方向に沿って延在する排出管の上端部が接続され、この排出管の下端部に前記排出口が設けられており、前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に内側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に内側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの外側に装着されており、前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを外側から内側に向かって通過するように形成されている点にある。
【0023】
そして、このような構成を採用したことにより、フィルタサポートの外側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの外側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの内側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの外側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができる。
【0024】
請求項8に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項3ないし7のいずれか1項において、前記上蓋の下面には、前記上蓋を前記ケース本体に取り付けたときに、前記上取付リング部との間で前記筒状フィルタを挟持するゴム様弾性体により形成された押圧リングが設けられている点にある。
【0025】
そして、このような構成を採用したことにより、上蓋をケース本体に取り付けるという簡単な操作により、筒状フィルタを上取付リング部と押圧リングとの間で容易かつ確実に挟持することができる。
【0026】
請求項9に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1または2において、前記フィルタケースは、前記ケース本体の上端部および前記上蓋の外周部のそれぞれに設けられた連結用フランジ部と、前記両連結フランジ部の対向面間に配置されたガスケットと、前記両連結フランジ部を着脱自在に締結するための締結部材とを有しており、前記上蓋には、前記上蓋を上下方向に貫通する第1流入管がその下部開口を前記フィルタサポートの上部開口と対向するように設けられ、この第1流入管の上端部に前記流入口が設けられており、前記ケース本体は、その内面の開口端側に、前記上取付リング部を位置決め支持するための環状上支持部を有しており、前記ケース本体の上部開口と前記環状上支持部との間には、前記ケース本体を貫通する第2流入管が設けられ、この第2流入管の上端部にも前記流入口が設けられており、前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、前記ケース本体は、その下部開口を閉塞するケース底部を有しており、前記サポート支持部は、その下部が前記ケース底部を貫通して前記ケース本体の下方に突出され、その下端部に前記排出口が設けられており、前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に外側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に外側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの内側に装着されており、前記第1流入管に設けられた前記流入口および前記第2流入管に設けられた前記流入口の一方が選択使用可能とされており、前記フィルタケースは、前記締結部材をもって前記ケース本体の連結用フランジ部と前記上蓋の連結用フランジ部とを締結することにより前記ケース本体に前記上蓋を取り付けるとともに、前記ケース本体と前記上蓋との間を前記ガスケットでシールすることにより、濾過対象液を前記フィルタケースの内部に吸引可能に形成されており、前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを内側から外側に向かって通過するように形成されている点にある。
【0027】
そして、このような構成を採用したことにより、フィルタサポートの内側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの内側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの外側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの内側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができる。さらに、上蓋とケース本体との2箇所に流入口が設けられているので、2つの流入口を配管仕様により使い分けすることができる。例えば、流入口に接続する配管が可撓性を有していない場合には、ケース本体に設けられた流入口を使用することで、上蓋の着脱を容易にできる。さらにまた、ケース本体と上蓋との間をガスケットでシールすることができるから、濾過対象液をフィルタケースの内部に吸引して濾液を強制的に流出させることができ、濾過効率の向上を容易に図ることができる。
【0028】
請求項10に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項1または2において、前記フィルタケースは、前記ケース本体の上端部および前記上蓋の外周部のそれぞれに設けられた連結用フランジ部と、前記両連結フランジ部の対向面間に配置されたガスケットと、前記両連結フランジ部を着脱自在に締結するための締結部材とを有しており、前記ケース本体は、その内面の上部開口側に、前記上取付リング部を位置決め支持するための環状上支持部を有しており、前記ケース本体の前記環状上支持部より下方には、前記ケース本体を貫通する流入管が設けられ、この流出管の先端部に前記流入口が設けられており、前記サポート支持部は、その下部開口を閉塞するサポート底壁部を有しており、前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通して前記サポート支持部の内部に連通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、前記ケース本体の下端部には、上下方向に沿って延在する排出管の上端部が接続され、この排出管の下端部に前記排出口が設けられており、前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に内側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に内側に折り返すように取り付けられて、前記フィルタサポートの外側に装着されており、前記フィルタケースは、前記締結部材をもって前記ケース本体の連結用フランジ部と前記上蓋の連結用フランジ部とを締結することにより前記ケース本体に前記上蓋を取り付けるとともに、前記ケース本体と前記上蓋との間を前記ガスケットでシールすることにより、濾過対象液を前記フィルタケースの内部に吸引可能に形成されており、前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを外側から内側に向かって通過するように形成されている点にある。
【0029】
そして、このような構成を採用したことにより、フィルタサポートの外側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの外側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの内側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの外側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができる。さらに、ケース本体と上蓋との間をガスケットでシールすることができるから、濾過対象液をフィルタケースの内部に吸引して濾液を強制的に流出させることができるので、濾過効率の向上を容易に図ることができる。
【0030】
請求項11に記載の本発明の濾過装置の特徴は、請求項9または10において、前記上蓋の下面と前記上取付リング部との間には、前記上蓋を前記ケース本体に取り付けたときに、前記フィルタサポートを下方に向かって付勢する付勢部材が配設されている点にある。
【0031】
そして、このような構成を採用したことにより、フィルタサポートが浮き上がるのを確実かつ容易に防止することができる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の本発明の濾過装置によれば、フィルタの交換頻度を少なくできるなどの優れた効果を奏する。
【0033】
請求項2に記載の本発明の濾過装置によれば、ケース本体に上蓋を取り付けた状態で、洗浄流体をフィルタケースの内部に供給して筒状フィルタの編み目に目詰まりした固体粒子を除去できるなどの優れた効果を奏する。
【0034】
請求項3に記載の本発明の濾過装置によれば、フィルタサポートの内側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの内側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの外側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの内側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0035】
請求項4に記載の本発明の濾過装置によれば、のぞき窓により筒状フィルタを外部から視認することができるので、筒状フィルタの目詰まりの具合が容易に分かるし、筒状フィルタで分離した固体粒子の排出時期が容易に分かるなどの優れた効果を奏する。
【0036】
請求項5に記載の本発明の濾過装置によれば、フィルタサポートの外側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの内側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの外側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの内側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0037】
請求項6に記載の本発明の濾過装置によれば、筒状フィルタの編み目が拡大して固体粒子が通過する状態になるのを防止することができるなどの優れた効果を奏する。
【0038】
請求項7に記載の本発明の濾過装置によれば、フィルタサポートの外側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの外側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの内側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの外側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0039】
請求項8に記載の本発明の濾過装置によれば、上蓋をケース本体に取り付けるという簡単な操作により、筒状フィルタを上取付リング部と押圧リングとの間で挟持することができるなどの優れた効果を奏する。
【0040】
請求項9に記載の本発明の濾過装置によれば、フィルタサポートの内側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの内側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの外側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの内側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができるし、2つの流入口を配管仕様により使い分けすることができるし、濾過対象液をフィルタケースの内部に吸引して濾液を強制的に流出させることができるので、濾過効率の向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0041】
請求項10に記載の本発明の濾過装置によれば、フィルタサポートの外側に筒状フィルタを容易に装着することができるし、濾過対象液を流入口から筒状フィルタの外側に導く流入経路と、筒状フィルタで濾過した後の濾液を筒状フィルタの内側を介して流出口に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した固体粒子を筒状フィルタの外側を介して排出口に導く排出径路とを確実に得ることができるし、濾過対象液をフィルタケースの内部に吸引して濾液を強制的に流出させることができるので、濾過効率の向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0042】
請求項11に記載の本発明の濾過装置によれば、上蓋をケース本体に取り付けるという簡単な操作により、フィルタサポートが浮き上がるのを防止することができるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る濾過装置の第1実施形態の要部を示す概略構成断面図
【図2】図1のフィルタサポートの要部を示す外観斜視図
【図3】図1のフィルタサポートの変形例を示す断面図
【図4】図1のフィルタサポートの他の変形例を示す外観斜視図
【図5】図1のフィルタサポートのさらに他の変形例を示す分解斜視図
【図6】図1のケース本体に対する上蓋の取付状態の要部を示す平面図
【図7】図1の上蓋取付構造の変形例の要部を示す分解外観図
【図8】図1のサポート位置決め部材の近傍を示す平面図
【図9】図1のサポート位置決め部材の変形例を示す図8と同様の図
【図10】図1の濾過装置を用いた濾過システムの一例の要部を示す模式図
【図11】本発明に係る濾過装置の第2実施形態の要部を示す図1と同様の図
【図12】図11のケース本体の要部を示す斜視図
【図13】本発明に係る濾過装置の第3実施形態の要部を示す図1と同様の図
【図14】図13の濾過装置を用いた濾過システムの一例の要部を示す図10と同様の図
【図15】本発明に係る濾過装置の第4実施形態の要部を示す図1と同様の図
【図16】図15の濾過装置を用いた濾過システムの一例の要部を示す図10と同様の図
【図17】本発明に係る濾過装置の第5実施形態の要部を示す図1と同様の図
【図18】図17の濾過装置を用いた濾過システムの一例の要部を示す図10と同様の図
【図19】本発明に係る濾過装置の第6実施形態の要部を示す図1と同様の図
【図20】図19の濾過装置を用いた濾過システムの一例の要部を示す図10と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0045】
(第1実施形態)
図1から図9は、本発明に係る濾過装置の第1実施形態を示すものである。
【0046】
本実施形態の濾過装置は、工作機械において循環使用されるクーラントの濾過に用いられるものを例示している。
【0047】
図1に示すように、本実施形態の濾過装置1は、濾過対象液としての工作機械における加工部分の冷却に使用されたクーラントである原液G(図10参照)に含まれる固体粒子としての加工粉K(図10参照)を分離するための濾材としての筒状フィルタ2と、この筒状フィルタ2が装着されるフィルタサポート3と、筒状フィルタ2が装着された状態のフィルタサポート3を、その長さ方向を上下方向に向けて収容するためのフィルタケース4とを有している。
【0048】
前記筒状フィルタ2は、編まれた伸縮性糸により伸縮自在に形成されている。この伸縮性糸は、弾性ソックスや弾性ストッキングなどに用いられるものであり、弾性繊維(エラストマー繊維)に合成繊維を組み合わせて形成されたものである。例えば、弾性繊維としてのポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)に、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステルなどの合成繊維のフィラメント数の多いハイマルチタイプ(1フィラメントが1.45デニールより細い糸)をカバーリングしたシングルカバーリングヤーン(SCY20 WN 70/48)を挙げることができる。また、ポリウレタン弾性繊維に、2本の合成繊維の糸をカバーリングしたダブルカバーリングヤーン(DCY)であってもよい。なお、ポリウレタン弾性繊維のかわりにポリエーテルエステル弾性繊維を用いてもよい。また、ポリウレタン弾性繊維の糸を合成繊維の糸で被覆することにより、加工粉Kによって編み目の破損や損傷が短時間で発生するのを防止することができるようになっている。さらに、伸縮性糸は、靴下編み機であるハイゲージ丸編み機(4インチ:400針)などにより筒状の編地とされ、この編地により筒状フィルタ2が形成されている。なお、編地は、天笠(無地)編み、針抜き編みなどを単独もしくは組み合わせて編まれている。
【0049】
前記筒状フィルタ2は、自由状態において円筒状あるいは扁平化されて2つ折り状態とされている。そして、筒状フィルタ2の自由状態における外径(外周)は、フィルタサポート3の内径(内周)より小さく形成されている。また、筒状フィルタ2の自由状態における長さは、フィルタサポート3の長さより若干長く形成されている。なお、筒状フィルタ2の外径としては、フィルタサポート3の内径と等しくても、大きくてもよいが、フィルタサポート3の内側に装着するのが容易であるという意味で、フィルタサポート3の内径より小さく形成するのが好ましい。また、筒状フィルタ2の自由状態における長さとしては、筒状フィルタ2の長さと等しくても、短くてもよいが、フィルタサポート3に対して、筒状フィルタ2の端部を外側あるいは内側に折り返すように取り付けることができる長さとすることが肝要である。
【0050】
前記フィルタサポート3は、筒状フィルタ2を装着するためのものであり、プラスチックあるいは金属などにより形成されている。このプラスチックとしては、塩化ビニル樹脂(PVC)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ABS樹脂、PET樹脂、アセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)や、FRPなどを挙げることができる。また、金属としては、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金などを挙げることができる。勿論、プラスチックと金属を組み合わせてもよい。
【0051】
図1および図2に示すように、前記フィルタサポート3は、上取付リング部7、下取付リング部8および上下接続部9を有しており、全体として円筒状に一体形成されている。なお、フィルタサポート3の形状としては、全体として筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。
【0052】
前記上取付リング部7は、円筒状に形成された上筒状基体11を有しており、この上筒状基体11の上端部外周には、上フランジ12が径方向外側に延出形成されている。すなわち、上取付リング部7の上端部外周には、環状に形成された上フランジ12が設けられている。また、上取付リング部7の内孔の上部には、上端に向かって徐々に拡径する上方から見て凹状の凹テーパ面13が形成されている。なお、上筒状基体11の外周面に、筒状フィルタ2の一端縁部がその弾性により装着される図示しない環状溝を設けることができる。この環状溝を設けることにより、筒状フィルタ2の一端縁部の位置決めと、抜け止めをより確実に行うことができる。この環状溝の形成位置としては、上筒状基体11の外周面の中央部を挙げることができる。
【0053】
前記下取付リング部8は、円筒状に形成された下筒状基体15を有しており、この下筒状基体15の外周面における長さ方向のほぼ中央部には、下フランジ16が径方向外側に延出形成されている。すなわち、下筒状基体15の外周面の長さ方向中央部には、環状に形成された下フランジ16が設けられている。なお、下筒状基体15の内外径、下フランジ16の外径は、上取付リング部7の上筒状基体11の内外径、上フランジ12の外径と同一サイズに形成されているが、異なるサイズとしてもよい。また、下筒状基体15の外周面に、筒状フィルタ2の他端縁部がその弾性により装着される図示しない環状溝を設けることができる。この環状溝を設けることにより、筒状フィルタ2の他端縁部の位置決めと、抜け止めをより確実に行うことができる。この環状溝の形成位置としては、下筒状基体15の外周面における下フランジ16の上面と上端との間を挙げることができる。
【0054】
前記上下接続部9は、上取付リング部7と下取付リング部8とを所定の間隔をおいて接続するためのものである。この上下接続部9は、フィルタサポート3の長さ方向である上下方向に沿って相互に平行に延在する複数本、本実施形態においては4本の縦柱19(図2に3本のみ図示)により形成されている。これらの縦柱19は、フィルタサポート3の軸線(中心線)から等距離位置において隣位する2つの縦柱19の間隔が等しくなるように等角度配置されている。そして、隣位する2本の縦柱19の相互間は、内外を連通する連通空間とされており、周方向に配列された4つの連通空間により、筒状フィルタ2で濾過した後のクーラントである濾液E(図10参照)を通過させる通過開口20が構成されている。なお、縦柱19の断面形状としては、扇形、矩形、円形、多角形などの各種の形状を用いることができる。
【0055】
図1に示すように、前記フィルタサポート3の上取付リング部7には、フィルタサポート3の内部に配置された筒状フィルタ2の一端部である上端部が拡開されて外側に折り返すように取り付けられ、また、下取付リング部8には、フィルタサポート3の内部に配置された筒状フィルタ2の他端部である下端部が拡開されて外側に折り返すように取り付けられており、これらにより、前記フィルタサポート3の内側に筒状フィルタ2が装着されている。
【0056】
なお、フィルタサポート3としては、上取付リング部7、下取付リング部8および縦柱19を個別に形成し、接着や溶着などにより接合して一体化する構成としてもよい。この場合、上下接続部9としては、円筒状に形成した基体に通過開口20を形成するようにしてもよい。この場合、通過開口20の形状としては、多種多様の形状を単独、もしくは組み合わせて用いることができる。また、フィルタサポート3としては、各種の形状を用いることができ、本実施形態に限定されるものではない。このフィルタサポート3の変形例を図3から図5に示す。
【0057】
(フィルタサポートの変形例)
図3はフィルタサポートの変形例を示すものである。このフィルタサポート3aは、長さ方向の両端部を除く部位を径方向外側に膨らませた縦柱19aにより、上下接続部9aのほとんどを径方向外側に膨らませた構成のものである。この場合、上下接続部9aの最大径を、上取付リング部7および下取付リング部8の最大径より小さくすることが、後述するフィルタサポート3aとフィルタケース4との間に濾液Eが通過する濾液通過空間50(図1参照)を確実に得ることができるという意味で好ましい。その他の構成については、図2に示すフィルタサポート3と同様とされているので、図中に同一の符号を付しその詳しい説明については省略する。
【0058】
このような構成からなるフィルタサポート3aによれば、筒状フィルタ2の内部の容積を増やすことができる。
【0059】
(フィルタサポートの他の変形例)
図4はフィルタサポートの他の変形例を示すものである。このフィルタサポート3bは、縦柱19に加えて縦柱19に交差する複数、本例においては3つの環状柱22を設けることにより上下接続部9bを形成し、総計16個の通過開口20bを上下方向に4つ、周方向に4つの格子状に配列したものである。その他の構成については、図2に示すフィルタサポート3と同様とされているので、図中に同一の符号を付しその詳しい説明については省略する。
【0060】
このような構成からなるフィルタサポート3bによれば、筒状フィルタ2が径方向外側に膨張する度合いを上下方向に延在する縦柱19および周方向に延在する環状柱22により規制することができる。
【0061】
(フィルタサポートのさらに他の変形例)
図5はフィルタサポートのさらに他の変形例を示すものである。このフィルタサポート3cは、上下方向に3分割した構成のものである。すなわち、このフィルタサポート3cは、上取付リング部7cと、下取付リング部8cと、上下接続部9cとに3分割形成されている。これらの上取付リング部7c、下取付リング部8cおよび上下接続部9cは、プラスチック、あるいは金属、あるいはプラスチックと金属とを組み合わせて形成することができる。
【0062】
前記上取付リング部7cは、円筒状に形成された上筒状基体11cを有している。また、下取付リング部8cは、円筒状に形成された下筒状基体15cを有しており、この下筒状基体15cの外周における下フランジ16と上端面との間に、径方向外側に向かって突出する複数の係止体としての円柱状に形成された2つの係止ピン24(一方のみ図示)が下取付リング部8cの軸線を中心として点対称に設けられている。これら2つの係止ピン24の先端を結ぶ仮想外径は、下フランジ16の外径より小径に形成されている。また、両係止ピン24のそれぞれは、後述する接続筒29に設けられた係止溝30に着脱自在に挿入可能とされている。なお、係止ピン24の数を3つ以上としてもよい。このように係止ピン24の数を3つ以上とする場合には、下取付リング部8cの軸線から等距離位置において隣位する2つの係止ピン24の中心間距離が等しくなるように等角度配置することが好ましい。また、係止ピン24としては、円筒状のものであってもよい。さらにまた、係止体としては、係止ピン24に限定されるものではなく、平板状の係止片であってもよい。またさらに、上取付リング部7cにおける上筒状基体11cの外径と、下取付リング部8cにおける下筒状基体15cの外径とは等しくされている。
【0063】
前記上下接続部9cは、図5の上下方向に示す長さ方向に間隔をおいて配置された複数の環体26と、これらの環体26を接続するための長さ方向に沿って配置された複数の連結棒27とにより円筒状のバスケット様に形成された接続胴部28と、この接続胴部28の下端部内面に接着あるいは溶着などにより固着された円筒状の接続筒29とを有している。そして、接続胴部28には、前述した各フィルタサポート3、3a、3bより多くの通過開口20cが格子状に配置されている。
【0064】
前記接続筒29には、下取付リング部8cに配設された2つの係止ピン24のそれぞれが挿入可能な2つの係止溝30が形成されている。これら2つの係止溝30は、接続筒29の軸線を中心として点対称に設けられている。また、2つの係止溝30のそれぞれは、接続筒29の下端面から上方に向かって形成され係止ピン24が挿入可能な内外を径方向に貫通する第1挿入溝31と、この第1挿入溝31の天部から接続筒29の周方向に沿って形成され係止ピン24が挿入可能な内外を径方向に貫通する第2挿入溝32とを有している。この第2挿入溝32の下面は、第1挿入溝31から離間した先端に向かって下方に傾斜するように形成されている。また、係止ピン24は、係止溝30の幅寸法より若干小さく形成されているとともに、フィルタサポート3cの下端が筒状フィルタ2を介して下フランジ16の上面に当接するように形成されている。この係止ピン24は、フィルタケース4からフィルタサポート3cを抜くときには、係止ピン24の外周面と第2挿入溝32の上面とが当接して上下接続部9cから下取付リング部8cが外れないように形成されている。なお、係止溝30の数としては、係止ピン24の数と同様に3つ以上としてもよい。このように係止溝30の数を3つ以上とする場合には、接続筒29の軸線から等距離位置において隣位する2つの係止溝30の中心間距離が等しくなるように等角度配置することが好ましい。また、接続胴部28としては、金属製あるいはプラスチック製の網を用いてもよい。そして、2つの係止ピン24および2つの係止溝30により、下取付リング部8cと上下接続部9cとを着脱自在に接続する接続手段33が構成されている。その他の構成については、図2に示すフィルタサポート3と同様とされているので、図中に同一の符号を付しその詳しい説明については省略する。
【0065】
このような構成からなるフィルタサポート3cによれば、上取付リング部7c、下取付リング部8c、および上下接続部9cを個別に形成することができるので、長尺のものを容易に形成することができる。また、接続手段33は、フィルタケース4からフィルタサポート3cを脱着する際に、下取付リング部8cと上下接続部9cとを接続状態に保持することができる。さらに、多くの通過開口20cが格子状に配置されている接続胴部28は、前述した各フィルタサポート3、3a、3bより、筒状フィルタ2が径方向外側に膨張する度合いをより規制することができる。
【0066】
(濾過装置の続き)
図1に示すように、前記フィルタケース4は、筒状フィルタ2が装着された状態のフィルタサポート3をその長さ方向を上下方向に向けて、すなわち、上取付リング部7を上、下取付リング部8を下にして収納するためのものであり、フィルタサポート3と同様に、プラスチックあるいは金属などにより形成されている。勿論、プラスチックと金属を組み合わせてもよい。
【0067】
前記フィルタケース4は、ケース本体41と、ケース底部42と、上蓋43と、サポート支持部44と、流入口45と、流出口46と、排出口47とを有している。そして、排出口47にはバルブ48が接続されている。
【0068】
前記ケース本体41は、フィルタサポート3が上部開口を介して挿脱されるものであり、濾液Eの流路を形成するために、少なくともフィルタサポート3の外周を囲繞するように、フィルタサポート3の外径より大径の円筒状に形成されている。そして、ケース本体41の内周面とフィルタサポート3の外周面との間は、濾液Eを容易に流下させるための濾液通過空間50とされている。さらに、ケース本体41の長さは、フィルタサポート3の長さより長く形成されている。なお、ケース本体41の形状としては、筒状であればよく、断面が四角形や多角形角筒状とすることができる。
【0069】
前記ケース本体41の外周面の上端部側には、蓋支持パイプ51が設けられている。この蓋支持パイプ51は、その長さ方向をケース本体41の長さ方向に沿って配置されている。また、蓋支持パイプ51は、溶着あるいは接着などによりケース本体41の外周面に固着されている。
【0070】
前記ケース底部42は、ケース本体41の下部開口を閉塞するためのものであり、ケース本体41の外径より大径の円環板状に形成されている。そして、ケース底部42のケース本体41より外側の周縁部の所定位置には、図6に示すように、濾過装置1を図示しない取付板や取付架台などの取付対象物に取り付けるための複数、本実施形態においては4つの取付孔52が形成されている。これらの取付孔52は、ケース底部42、ひいてはケース本体41の中心線から等距離位置において隣位する2つの取付孔52の中心間距離が等しくなるように等角度配置されている。なお、取付孔52の代わりに、取付ブラケットを設けてもよい。また、ケース底部42の下面におけるケース本体41より外側の外周近傍に、濾過装置1を自立させるための図示しない複数の脚部を設けてもよい。
【0071】
前記上蓋43は、ケース本体41の上部開口を覆うためのものであり、図1に示すように、円筒状に形成された蓋胴部53と、この蓋胴部53の上部開口を閉塞するようにほぼ円盤状に形成された蓋天板54とにより、全体として下部が開口の有底筒状に形成されている。そして、蓋胴部53の内孔は、ケース本体41の上端部の外周面を取り囲むことができるように、ケース本体41の外径より大径に形成されている。
【0072】
前記蓋天板54の中心部には、蓋天板54の厚さ方向である上下方向に沿って管継手の一種であるソケットなどからなる流入管55が配設されている。この流入管55は、上蓋43の図1の上下方向に示す長さより長く形成されており、上端が蓋天板54の上面より上方に突出し、下端が蓋胴部53の下端より下方に突出するように配置されている。また、流入管55は、その外周面における長さ方向の中央部より少し上方部分が蓋天板54の中心部に設けられた内孔であるパイプ用貫通孔56に挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、流入管55の上端部の開口は、フィルタケース4の内部に原液Gを導く流入口45とされている。また、流入管55の下部開口端は、フィルタサポート3の上取付リング部7の内側に配置されている。すなわち、本実施形態においては、筒状フィルタ2の内側に原液Gを導く流入口45が、上蓋43の中心部である中央部に形成されている。また、流入管55の内孔の少なくとも上端部には、後述する原液Gの供給配管104(図10参照)との接続に用いるための雌ねじ55aが形成されている。
【0073】
前記蓋天板54の下面の外周部分には、ケース本体41の上部開口端と上蓋43との間をシールするための固定用シールとしての円環状のゴム板などからなるガスケット57が配設されている。なお、ガスケット57としては、Oリングなどを用いてもよい。また、ガスケット57を配置せずに、ケース本体41に上蓋43を取り付けた状態で、蓋天板54がケース本体41の上部開口端面とわずかな隙間をもって対向するように形成したり、ケース本体41の上部開口端面と当接するように形成してもよい。さらに、蓋胴部53の形状としては、筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。
【0074】
前記蓋天板54の下面には、ケース本体41の上部開口端と上蓋43との間、すなわちガスケット57の配設位置に向かって濾液Eが流動するのを防止するための円筒状に形成された内壁58が設けられている。この内壁58の図1の上下方向に示す長さは、蓋胴部53の長さより長く形成されており、内壁58の下端面は、蓋胴部53の下端面より下方に突出されている。また、内壁58の内孔は、上取付リング部7の外径より大径に形成されており、内壁58の外径は、ケース本体41の内径より小径に形成されている。
【0075】
図1および図6に示すように、蓋胴部53の外周面には、ケース本体41の外周面に設けられた蓋支持パイプ51に着脱自在に挿入される蓋支持棒59の上部が溶着あるいは接着によって固着されている。そして、蓋支持パイプ51に蓋支持棒59を挿入することにより、ケース本体41に対する上蓋43の周方向における回転止めと、ケース本体41に対する上蓋43の周方向における回転方向の位置決めとがなされている。また、上蓋43をケース本体41から外すときに、上蓋43を上方に引き上げてから蓋支持パイプ51に蓋支持棒59の先端を挿入した状態で、上蓋43を蓋支持パイプ51を中心として回転させることにより、ケース本体41の上部開口を外部に露出させた状態で、上蓋43を蓋支持パイプ51の上端面、ひいてはケース本体41によって保持することができるようになっている。これにより、フィルタケース4に対する筒状フィルタ2を装着した状態のフィルタサポート3の着脱時に、ケース本体41から外した上蓋43を作業者が容易に視認することができるし、上蓋43がケース本体41から離れて探すのに時間を要することがないので、作業性を向上、すなわち、作業者による使い勝手の向上を図ることができる。
【0076】
図1に示すように、上蓋43の蓋天板54の下面には、熱可塑性エラストマやゴムなどのゴム弾性を呈するゴム様弾性体により、全体として環状に形成された押圧リング60が配設されている。この押圧リング60の内孔は、円筒状に形成されているとともに、流入管55の外径より若干小さく形成されており、流入管55を抱き締めするように形成されている。すなわち、押圧リング60は、流入管55の上蓋43の下方に配置された部分に挿脱自在とされており、これにより上蓋43に着脱自在に取り付けられている。また、押圧リング60は、図1の上下方向に示すその長さが蓋胴部53の長さより長く形成されており、その下端面は、流入管55の下端面と面一に配置されている。さらに、押圧リング60の外周面は、その下端から上方に向かって徐々に拡径する下方に凸の凸テーパ面61とされている。なお、押圧リング60の上面を蓋天板54の下面に接着によって接合することにより固着する構成としてもよい。また、押圧リング60は、上取付リング部7と対向配置されており、上蓋43をケース本体41に取り付けた状態では、押圧リング60の凸テーパ面61が上取付リング部7の内面の凹テーパ面13を押圧するようになっている。すなわち、凹テーパ面13および凸テーパ面61のそれぞれのテーパ角は等しくされている。
【0077】
したがって、上蓋43をケース本体41に取り付けた状態で、フィルタサポート3の上取付リング部7に取り付けられた筒状フィルタ2の上端部を凸テーパ面61と凹テーパ面13との間で挟持できるようになっている。つまり、上蓋43をケース本体41に取り付けたときに、上取付リング部7と押圧リング60との間で筒状フィルタ2を挟持するように形成されている。また、流入管55の下端部は、上取付リング部7の内側に配置されている。
【0078】
図1および図6に示すように、上蓋43とケース本体41とは、周知のスナップ錠としてのスナップキャッチ(キャッチクリップ)65によりワンタッチで着脱自在に取り付けられている。すなわち、ケース本体41の外周面には、周知の如く、2つで1組とされたスナップキャッチ65の一方、例えば掛合部、ばねおよび操作レバーを備えた操作側部材65aが取り付けられており、蓋胴部53の外周面には、スナップキャッチ65の他方、例えば、掛合部に掛けられる掛合片を備えた受け側部材65bが取り付けられている。
【0079】
本実施形態において、スナップキャッチ65の操作側部材65aと蓋支持パイプ51とは、ケース本体41の中心線を中心として対向するようにケース本体41の外周面に配置されている。また、スナップキャッチ65の受け側部材65bと蓋支持棒59とは上蓋43の中心線を中心として対向するように蓋胴部53の外周面に配置されている。なお、スナップキャッチ65の組数を2組以上の複数とする構成としてもよい。このような複数組のスナップキャッチ65を設ける場合には、ケース本体41の中心線から等距離位置において隣位する2つのスナップキャッチ65の中心間距離が等しくなるように等角度配置する構成が好ましい。勿論、スナップキャッチ65の組数が多くなるほど操作に要する労力および時間が増加することになる。
【0080】
したがって、上蓋43とケース本体41とは、少なくとも1つのスナップキャッチ65によりワンタッチで着脱自在に形成されている。なお、上蓋43は、ケース本体41の上部開口を覆うために、ケース本体41に着脱自在に取り付けられていればよい。また、上蓋43とケース本体41とは、スナップキャッチ65の代わりに、ワンタッチジョイントなどの他の構成によりワンタッチで着脱自在に取り付けられていてもよい。なお、ワンタッチジョイントとしては、バイヨネット式、クランプ式、スライド式などの各種の構成のものから設計コンセプトなどの必要に応じて選択することができる。このケース本体41に上蓋43を着脱自在に取り付けるための上蓋取付構造の変形例を図7に示す。
【0081】
(上蓋取付構造の変形例)
図7は上蓋取付構造の変形例を示すものである。この上蓋取付構造70は、図5に示すフィルタサポート3cにおける下取付リング部8cと上下接続部9cの接続筒29との取り付け構造と同様に形成されている。すなわち、図7に示すように、ケース本体41の外周面の上部には、径方向外側に向かって突出する複数の係止体としての円柱状に形成された2つの係止ピン71(一方のみ図示)がケース本体41の中心線を中心として点対称に設けられている。また、上蓋43の蓋胴部53には、2つの係止ピン71のそれぞれが挿入可能な2つの係止溝72(一方のみ符号を付してある)が形成されている。これら2つの係止溝72は、蓋胴部53の中心線を中心として点対称に設けられている。
【0082】
前記2つの係止溝72のそれぞれは、蓋胴部53の下端面から上方に向かって形成され係止ピン71が挿入可能な内外を径方向に貫通する第1挿入溝72aと、この第1挿入溝72aの天部から蓋胴部53の周方向に沿って形成され係止ピン71が挿入可能な内外を径方向に貫通する第2挿入溝72bとを有している。この第2挿入溝72bの下面は、第1挿入溝72aから離間した先端に向かって下方に傾斜するように形成されている。
【0083】
前記係止ピン71は、係止溝72の幅寸法より小さく形成されているとともに、上蓋43の下面がガスケット57を介してケース本体41の上端面に当接するように形成されている。さらに、流入管55の蓋天板54の上方に突出した上部には回転自在な回転リング73が取り付けられており、この回転リング73の外周面には、蓋支持棒59aの基端部が固着されている。この蓋支持棒59aは、回転リング73の外周面から径方向外側に向かって延出され水平部59aaと、この水平部59aaの先端から蓋胴部53の外周に沿って下方に延出された垂直部59abとにより、全体として倒立L字状の棒状に形成されている。そして、垂直部59abの図9の下方に示す先端部が蓋支持パイプ51に挿入されるようになっている。その他の構成については、前述したスナップキャッチ65を用いた構成と同様とされているので、図中に同一の符号を付しその詳しい説明については省略する。
【0084】
このような構成からなる上蓋取付構造70によれば、図1に示すスナップキャッチ65を用いた場合と同様に、ケース本体41に対して上蓋43をワンタッチで着脱することができる。
【0085】
(濾過装置の続き)
図1に示すように、ケース本体41の下部には、ケース本体41を径方向に貫通する流出管81が設けられている。この流出管81は、管継手の一種であるソケットなどから形成されており、ケース本体41の下部に設けられた流出用貫通孔82に基端部が挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、流出管81の図1の右方に示す先端部の開口は、濾液Eを外部に流出させるための流出口46とされている。すなわち、本実施形態においては、流入口45より下方に流出口46が設けられている。また、流出管81の内孔の少なくとも先端部には、後述する濾液Eの流出配管105(図10参照)との接続に用いるための雌ねじ81aが形成されている。
【0086】
前記サポート支持部44は、フィルタサポート3を下方から支持するためのものであり、図1に示すように、図1上方に示す円筒状に形成された大径筒部85と、図1下方に示す円筒状の小径筒部86とが、上部が大径で下部が小径とされた接続筒部87により同軸状に接続された段付き筒状に形成されている。そして、サポート支持部44は、大径筒部85を上方にしてその長さ方向を上下方向に向けて配置されている。
【0087】
前記大径筒部85の外径は、ケース本体41の内径より小さく形成されている。また、大径筒部85の内径は、下取付リング部8の外径より大きく形成されており、大径筒部85の開口部には、筒状フィルタ2を装着したフィルタサポート3の下取付リング部8の下部が挿入されているとともに、大径筒部85の上端面に、下フランジ16の下面が筒状フィルタ2を介して当接されている。さらに、大径筒部85は、ケース本体41の内部に配置されており、大径筒部85の下端部は、ケース底部42の中心部に設けられたサポート支持用貫通孔89に挿入された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。すなわち、サポート支持部44は、その下部である接続筒部87および小径筒部86がケース底部42を貫通してケース本体41の下方に突出されており、その下端部である小径筒部86の下端部の開口は、筒状フィルタ2で分離されてサポート支持部44の内部および筒状フィルタ2の内部に堆積した加工粉Kである濾塊R(図10参照)を排出するための排出口47とされている。したがって、排出口47は、流出口46よりも下方に配置されている。つまり、フィルタケース4の最も上部に流入口45が形成され、フィルタケース4の外周面下部に流出口46が形成され、フィルタケース4の最も下部に排出口47が形成されている。
【0088】
なお、サポート支持部44とケース底部42との接続位置は、大径筒部85に限らず、接続筒部87であってもよいし、小径筒部86であってもよい。また、サポート支持部44としては、全体を一様な円筒状に形成してもよい。さらに、サポート支持部44としては、大径筒部85の上端部に図示しない筒状小径部を段部によって接続し、この筒状小径部を下取付リング部8の内面に挿入するとともに、段部に下取付リング部8の下端面を当接するようにして、フィルタサポート3を下方から支持するように形成してもよい。
【0089】
前記排出口47には、常時は閉状態とされたバルブ48の入口が接続されている。この排出口47とバルブ48との接続は、螺着などによって直接接続する構成であってもよいし、ニップルやソケットなどの管継手を介して接続する構成であってもよい。
【0090】
前記バルブ48としては、ゲートバルブ(仕切弁)やグローブバルブ(玉形弁)、バタフライバルブ(蝶形弁)、ボールバルブ、ピンチバルブなどのストップバルブ(止め弁)を用いることができるが、流路径が大きく濾塊Rとしての加工粉Kの流動を円滑に行うことができるという意味でボールバルブあるいはピンチバルブを用いることが好ましい。本実施形態においては、手動式のボールバルブが用いられている。勿論、電気信号により開閉操作可能な自動操作形であってもよい。なお、バルブ48のかわりにシャッタを用いてもよい。但し、シャッタの閉状態において外部への漏洩防止を確実に行うことが肝要である。
【0091】
前記大径筒部85の外周面とケース本体41の内面との間には、ケース本体41の中心に対する大径筒部85の中心の位置決めを行うためのサポート位置決め部材91が配設されている。このサポート位置決め部材91は、大径筒部85の外周面および/またはケース本体41の内面に溶着あるいは接着などにより固着されている。また、サポート位置決め部材91は、図8に示すように、円環状に形成されたリング本体91aを有しており、このリング本体91aには、濾液通過空間50を流下した濾液Eを下方に通過させるための厚さ方向に貫通する複数の透孔からなる下部通過口91bが設けられている。なお、サポート位置決め部材91は、必ず設ける必要はない。また、サポート位置決め部材91としては、ケース本体41の内部に大径筒部85を固定できるものであればよい。このサポート位置決め部材91の変形例を図9に示す。
【0092】
(サポート位置決め部材の変形例)
図9はサポート位置決め部材の変形例を示すものである。このサポート位置決め部材92は、複数、本例においては4つの連結棒92aを有している。これら4つの連結棒92aは、その長さ方向をケース本体41の図1の上下方向に示す長さ方向に対して直交する左右方向(水平方向)とするとともに、大径筒部85の軸線、ひいてはケース本体41の軸線から等距離位置において隣位する2つの連結棒92aの距離が等しくなるように90度で等角度配置されている。そして、隣位する連結棒92aの相互間の平面扇形をなす隙間が、下部通過口92bとされている。このような構成からなるサポート位置決め部材92によれば、下部通過口92bの平面面積、すなわち、濾液Eが通過する流路面積を大きくすることができるので、濾液Eの流動をより円滑にできる。
【0093】
(濾過システム)
ここで、本実施形態の濾過装置を用いた濾過システムの一例について図10により説明する。
【0094】
図10に示すように、本実施形態の濾過システム100は、前述した本実施形態の濾過装置1と、クーラントタンク101と、回収コンテナ102と、ポンプ103とを有している。また、クーラントタンク101は、工作機械に供給するクーラントとしての濾過した後のクーラントである濾液E(未使用のクーラントを含む)を貯留する供給液貯留部101aと、濾過対象液としての工作機械から回収した使用後のクーラントである原液Gを貯留する原液貯留部101bとを有している。そして、原液貯留部101bには、供給配管104の一部を構成する吸込配管104aの一端が液面下に配置されており、吸込配管104aの他端は、ポンプ103の図示しない吸込口に接続されている。また、ポンプ103の図示しない吐出口には、供給配管104の他部を構成する送出配管104bの一端が接続されており、送出配管104bの他端は、濾過装置1の流入口45に接続されており、原液貯留部101bに貯留されている原液Gを濾過装置1に圧送することができるようになっている。また、濾過装置1の流出口46には、濾液Eを供給液貯留部101aに導くための流出配管105の一端が接続されている。なお、供給配管104および流出配管105としては、ホースなどの可撓性を有する配管部材を用いることができる。特に、送出配管104bを可撓性を有する配管とすることにより、上蓋43から送出配管104b、ひいては供給配管104を外すことなく、上蓋43をケース本体41から容易に着脱することができる。
【0095】
前記回収コンテナ102は、濾過装置1の筒状フィルタ2により分離されて堆積した加工粉Kである濾塊Rを回収するためのものであり、濾過装置1の排出口47(図1参照)に接続されたバルブ48の出口の下方に配置されている。なお、バルブ48の出口には、濾塊Rを回収コンテナ102に導くための図示しない排出配管の一端を接続する構成としてもよい。さらに、バルブ48の下方に、濾塊Rをクーラントタンク101から離れた位置に配置された回収コンテナ102に運搬するためのベルトコンベアを配置する構成としてもよい。なお、バルブ48を自動操作弁とすることにより、予め設定された使用時間毎に濾塊Rの排出を自動的に行うことができる。
【0096】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0097】
まず、本実施形態の濾過装置1を用いた濾過システム100による濾過動作について説明する。
【0098】
本実施形態の濾過装置1を用いた濾過システム100において、クーラントタンク101の原液貯留部101bに貯留された原液Gは、ポンプ103の駆動により吸込配管104aから吸い込まれ、送出配管104bの内部を圧送されて濾過装置1の流入口45に供給される。そして、濾過装置1の流入口45に供給された原液Gは、流入管55の内部を上方から下方に通過して筒状フィルタ2の内部に流入する。すなわち、本実施形態の濾過装置1には、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の内側に導くように流入経路が設けられている。
【0099】
ついで、筒状フィルタ2の内部に流入した原液Gは、筒状フィルタ2を内側から外側に向かって通過する。この原液Gが筒状フィルタ2を通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ以上の加工粉Kが濾過作用によって分離される。すなわち、原液Gが筒状フィルタ2を径方向に沿って内側から外側に通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ、例えば20μm以上の加工粉Kが筒状フィルタ2の編み目によって捕捉され分離されることになる。そして、筒状フィルタ2を通過した濾液Eは、通過開口20、濾液通過空間50、下部通過口91bをこの順に通過して流出口46から流出する。すなわち、本実施形態の濾過装置1には、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを筒状フィルタ2の外側を介して流出口46に導くように流出経路が設けられている。そして、流出口46から流出する濾液Eは、流出配管105を通過してクーラントタンク101の供給液貯留部101aに送られる。
【0100】
一方、筒状フィルタ2により分離された加工粉Kは、サポート支持部44の排出口47が設けられた下端部、詳しくはバルブ48の図示しない流路遮断位置を先頭にして順次堆積して濾塊Rとなり、筒状フィルタ2の内部に至ることになる。すなわち、本実施形態の濾過装置1には、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の内側を介して排出口47に導くように排出径路が設けられている。そして、排出口47の上方、ひいては筒状フィルタ2の内部に堆積した濾塊Rは、排出口47に接続されたバルブ48を開状態とすることで、回収コンテナ102に回収される。勿論、バルブ48の操作は、ポンプ103による流入口45への原液Gの供給を停止した状態で行う。また、濾塊Rを排出する際には、サポート支持部44に濾塊Rとともに原液Gが存在するので、濾塊Rの排出を円滑に行うことができる。
【0101】
ここで、本実施形態の濾過装置1における筒状フィルタ2の交換方法について説明する。
【0102】
本実施形態の濾過装置1における筒状フィルタ2を交換する際には、スナップキャッチ65の操作レバーを操作して操作側部材65aを受け側部材65bから取り外してケース本体41への上蓋43の締結状態を解除した後、上蓋43を上方に移動する。そして、上蓋43の上方への移動の途中、すなわち、流入管55の下端がケース本体41の上方に露出したら、上蓋43を180度程度回転させてから下方に移動する。すると、ケース本体41の上部開口が外部に露出した状態で上蓋43が蓋支持パイプ51の上端部によって下方から支持される。これにより、上蓋43がケース本体41に支持された状態が保持され、作業者の両手が自由になる。
【0103】
ついで、筒状フィルタ2が装着された状態のフィルタサポート3を上方に向かって移動させることにより、ケース本体41、ひいてはフィルタケース4からフィルタサポート3を引き抜くように取り外す。
【0104】
ついで、フィルタサポート3から使用した筒状フィルタ2を取り外し、その後、新たな筒状フィルタ2をフィルタサポート3に取り付けるか、あるいは、新たな筒状フィルタ2を取り付けた状態の新たなフィルタサポート3を、フィルタサポート3を引き抜く操作と逆の操作を行うことにより筒状フィルタ2の交換が終了する。この時、上蓋43がケース本体41に支持されているので、上蓋43の取り付けを容易に行うことができる。なお、濾塊Rの排出時期は、予め設定された使用時間に到達したか否かにより判定することができる。
【0105】
このように、本実施形態の濾過装置1によれば、筒状フィルタ2は、その編み目によって原液Gに含まれる所定の大きさ以上の固体である加工粉Kを分離することができる。
【0106】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、筒状フィルタ2の目詰まりの進行にともなって筒状フィルタ2が径方向外側に膨張するので、筒状フィルタ2の編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。なお、筒状フィルタ2の最大伸長は、筒状フィルタ2の最大伸びおよびフィルタサポート3の上下接続部9により規制される。
【0107】
さらに、本実施形態の濾過装置1によれば、筒状フィルタ2の編み目が拡大した場合であっても、筒状フィルタ2の内部に堆積した濾塊Rがフィルタとして機能するので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。
【0108】
さらにまた、本実施形態の濾過装置1によれば、原液Gに含まれる加工粉Kは、筒状フィルタ2の内部において下端側から順に堆積するので、加工粉Kの堆積にしたがって筒状フィルタ2が上下方向に伸長し、その後下部側から径方向に広がって編み目が拡大するので、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができるし、筒状フィルタ2の下部に目詰まりが生じても、筒状フィルタ2の目詰まりしていない上部側により濾過機能が保持されるので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。
【0109】
したがって、本実施形態の濾過装置1によれば、安定した濾過機能を長期間に亘って発揮することができる。
【0110】
さらに、本実施形態の濾過装置1によれば、排出口47に常時閉状態とされたバルブ48が接続されているから、バルブ48を開操作するという簡便な方法で、筒状フィルタ2を取り外すことなく、サポート支持部44および筒状フィルタ2のそれぞれの内部に堆積した濾塊Rを容易かつ確実に外部に排出することができる。その結果、筒状フィルタ2を取り外すことなく濾塊Rを外部に排出することができるので、筒状フィルタ2の交換頻度を確実に少なくすることができる。なお、バルブ48を開いて濾塊Rを排出する場合、濾塊Rの排出初期には、濾塊Rとともにサポート支持部44の内部に存在する原液Gもともに排出されるので、円滑な流動性を確保することができる。
【0111】
よって、本実施形態の濾過装置1によれば、筒状フィルタ2の寿命を袋状フィルタを用いる従来に比べてより長くすることができる。すなわち、本実施形態の濾過装置1によれば、従来のものよりフィルタの交換頻度をさらに少なくすることができる。
【0112】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、流入口45が上蓋43に形成されているので、筒状フィルタ2の内部に原液Gを円滑かつ確実に流入させることができる。
【0113】
またさらに、本実施形態の濾過装置1によれば、流出口46がケース本体41の下端部とサポート位置決め部材91の配設位置との間に形成されているので、筒状フィルタ2を通過した濾液Eを外部に円滑かつ確実に流出させることができる。
【0114】
さらに、本実施形態の濾過装置1によれば、上蓋43の下面に、上取付リング部7の内面との間で筒状フィルタ2を挟持するゴム様弾性体により形成された押圧リング60が設けられているから、筒状フィルタ2を確実に固定することができる。
【0115】
さらにまた、本実施形態の濾過装置1によれば、排出口47が流出口46より下方に設けられているから、濾塊Rを円滑かつ確実に排出させることができる。
【0116】
したがって、本実施形態の濾過装置1によれば、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができる。
【0117】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、流入口45が上蓋43に設けられた流入管55の上端に設けられ、流出口46がケース本体41の下端部とサポート位置決め部材91の配設位置との間に配置されており、排出口47がサポート支持部44の下端に設けられているから、原液Gを筒状フィルタ2の内部に導く流入経路と、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを外部に流出させる流出経路と、筒状フィルタ2の内部に堆積した濾塊Rを外部に排出する排出径路とを確実に区分することができる。
【0118】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、上蓋43とケース本体41とが、スナップキャッチ65によりワンタッチで着脱自在に形成されているから、上蓋43とケース本体41との着脱を容易かつ確実に行うことができる。
【0119】
さらにまた、本実施形態の濾過装置1によれば、蓋支持パイプ51および蓋支持棒59が設けられているので、上蓋43をケース本体41に取り付ける際に、蓋支持パイプ51に蓋支持棒59を挿入することにより、ケース本体41に対する上蓋43の周方向に沿った回転を阻止することができる。その結果、スナップキャッチ65の操作側部材65aと受け側部材65bとの相互間の周方向における位置合わせを容易かつ確実に適正にすることができる。これにより、スナップキャッチ65の操作性が向上する。
【0120】
またさらに、本実施形態の濾過装置1によれば、筒状フィルタ2を構成する伸縮性糸が弾性ソックスや弾性ストッキングなどに使用されるものであるから、既存の糸を使用することができるので、筒状フィルタ2の低コスト化を容易に図ることができる。
【0121】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、フィルタサポート3の上取付リング部7の上端部外周には、環状に形成された上フランジ12が設けられ、下取付リング部8の外周の長さ方向中央部には、環状に形成された下フランジ16が設けられ、下フランジ16の下面がサポート支持部44の大径筒部85の上端部により下方から支持されているから、筒状フィルタ2が装着された状態のフィルタサポート3を、その長さ方向を上下方向に向けてフィルタケース4の内部に確実に支持収容することができる。
【0122】
さらにまた、本実施形態の濾過装置1によれば、筒状フィルタ2の上部がフィルタサポート3の凹テーパ面13と押圧リング60の凸テーパ面61との間に挟持され、筒状フィルタ2の下部がフィルタサポート3の下フランジ16の下面とサポート支持部44の上端部との間で挟持されているので、筒状フィルタ2がフィルタサポート3から脱落するのを防止できる。
【0123】
(第2実施形態)
図11および図12は、本発明に係る濾過装置の第2実施形態を示すものである。本実施形態の濾過装置120は、筒状フィルタ2を外部から視認できるようにしたものである。
【0124】
すなわち、本実施形態の濾過装置120のフィルタケース121は、のぞき窓122を具備するケース本体123と、このケース本体123の内側に装着される内ケース124とを有している。
【0125】
前記ケース本体123は、金属により円筒状に形成された下筒部125と、金属により円筒状に形成された上筒部126と、下筒部125と上筒部126とを予め設定された間隔をもって接続するための金属により断面矩形状の角棒状に形成された複数の接続部材127とを有している。そして、各接続部材127は、下端部が下筒部125の外周面の上部側に接着あるいは溶着などにより固着されており、上端部が上筒部126の外周面の下端部側に接着あるいは溶着などにより固着されている。すなわち、接続部材127は、図11および図12の上下方向に示すその長さ方向がケース本体123の中心線に沿って平行に配置されている。本実施形態においては、6本の接続部材127が相互に平行に延在するように用いられている。これら6本の接続部材127は、ケース本体123の中心線から等距離位置において隣位する2本の接続部材127の距離が等しくなるように間隔をおいて等角度配置されている。
【0126】
そして、下筒部125と上筒部126との相互間で、接続部材127が配置されていない箇所は、内外を連通する連通空間とされており、この連通空間により、本実施形態における内ケース124を通して筒状フィルタ2を外部から視認できるのぞき窓122が構成されている。すなわち、透明な内ケース124を通して筒状フィルタ2を外部から視認できる内外を連通するのぞき窓122がケース本体123の胴部に設けられている。勿論、外部とは濾過装置120の外側である。したがって、のぞき窓122は、筒状フィルタ2を容易に可視化することができるものである。なお、接続部材127としては、丸棒状のものであってもよい。また、接続部材127としては、内外を径方向(厚さ方向)に貫通する複数の孔を備えた筒であってもよい。この場合、孔のサイズを、内部を容易に視認することのできるサイズとすることが肝要である。さらに、ケース本体123をプラスチックにより形成してもよい。
【0127】
前記フィルタケース121は、上蓋43とケース本体123とが2組のスナップキャッチ65(図12に1つのみ図示)によりワンタッチで着脱自在に取り付けられている。これら2組のスナップキャッチ65は、ケース本体123の中心線を中心として点対称に設けられている。また、蓋支持パイプ51および蓋支持棒59は、上方から見て2つのスナップキャッチ65の配列方向に対して直交する方向に配置されている。
【0128】
前記内ケース124は、アクリル樹脂(アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂などの透明なプラスチックにより、フィルタサポート3の外径より大径の円筒状に形成されている。そして、内ケース124の内周面とフィルタサポート3の外周面との間は、濾液Eが通過する濾液通過空間128とされている。また、内ケース124は、サポート位置決め部材91の上面によって下方から支持されている。また、内ケース124の長さは、フィルタサポート3の長さより長く形成されている。なお、内ケース124の形状としては、筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。なお、内ケース124の外周面には、濾塊Rの排出時期を認識させるための目印となる図示しないマークを設けることができる。このマークとしては、内ケース124の予め設定した位置に、周方向に沿って赤色テープを環状に貼着する構成を挙げることができる。
【0129】
その他の構成については、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。また、本実施形態の濾過装置120を用いた濾過システムは、前述した濾過システム100(図10参照)と同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0130】
このような構成からなる本実施形態の濾過装置120によれば、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様の効果を奏することができるとともに、のぞき窓122により、筒状フィルタ2を外部から容易かつ確実に視認することができるので、筒状フィルタ2の目詰まりの具合が容易に分かるし、筒状フィルタ2で分離して堆積した濾塊Rの排出時期が容易に分かる。
【0131】
(第3実施形態)
図13は、本発明に係る濾過装置の第3実施形態を示すものである。本実施形態の濾過装置140は、筒状フィルタ2をフィルタサポート3の外側に装着したものである。また、本実施形態の濾過装置140は、フィルタケース141のケース本体142に、筒状フィルタ2の目詰まりを除去する洗浄流体Cを内部に導くための供給口143を流出口46よりも上方に設けたものである。この洗浄流体Cとしては、空気(圧縮空気)や各種の洗浄液を挙げることができる。
【0132】
すなわち、本実施形態の濾過装置140において、フィルタサポート3の上取付リング部7には、フィルタサポート3の外部に配置された筒状フィルタ2の一端部である上端部が内側に折り返すように取り付けられ、また、下取付リング部8には、フィルタサポート3の外部に配置された筒状フィルタ2の他端部である下端部が内側に折り返すように取り付けられており、これらにより、フィルタサポート3の外側に筒状フィルタ2が装着されている。また、フィルタサポート3の隣位する2本の縦柱19の相互間に設けられた内外を連通する4つの連通空間(図2参照)は、それぞれ原液Gを通過させる通過開口144(図13に2つのみ図示)とされている。そして、ケース本体142の内周面と筒状フィルタ2の外周面との間は、濾液Eを容易に流下させるための濾液通過空間145とされている。
【0133】
前記ケース本体142の内周面と筒状フィルタ2の外周面との間には、筒状フィルタ2が径方向外側に膨張するのを規制するための金属あるいはプラスチックにより円筒状に形成された筒状網体146が配設されている。この筒状網体146は、その下端がサポート位置決め部材91(図8参照)によって下方から支持されている。また、筒状網体146の上端部を内壁58の内側に配置することで、ケース本体142に対して筒状網体146がほぼ同軸になるように位置決めがなされている。
【0134】
前記ケース本体142の上部には、ケース本体142を径方向に貫通する供給管147が設けられている。この供給管147は、管継手の一種であるソケットなどから形成されており、ケース本体142の上部に設けられた供給用貫通孔148に基端部が挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、供給管147の図13の右方に示す先端部の開口は、筒状フィルタ2の目詰まりを除去、すなわち筒状フィルタ2の編み目に引っ掛かった加工粉Kを下方に落下させるための洗浄流体Cを内部に導くための供給口143とされている。つまり、本実施形態においては、流入口45より下方で、かつ流出口46よりも上方に供給口143が設けられている。また、供給管147の内孔の少なくとも先端部には、洗浄流体Cを供給するための洗浄用配管151(図14参照)との接続に用いるための雌ねじ147aが形成されている。なお、洗浄流体Cとしては、空気、各種の洗浄液を挙げることができる。
【0135】
本実施形態の濾過装置140において、上蓋43とケース本体142とは、図13の紙面垂直方向においてケース本体142の中心線を中心として点対称に配置された図13には示されていない2組のスナップキャッチ65(図1参照)により着脱自在とされている。また、蓋支持パイプ51および蓋支持棒59は、2組のスナップキャッチ65の配列方向に対して直交する方向、すなわち、フィルタケース141の中心線を中心に90度回転した位置に配置されている。
【0136】
その他の構成については、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0137】
(濾過システム)
ここで、本実施形態の濾過装置を用いた濾過システムの一例について図14により説明する。
【0138】
図14に示すように、本実施形態の濾過システム150は、前述した本実施形態の濾過装置140と、クーラントタンク101と、回収コンテナ102と、ポンプ103とを有している。また、濾過装置140の供給口143には、空気、洗浄液などの洗浄流体Cをフィルタケース141の内部に導くための洗浄用配管151の一端が常時閉とされた洗浄用開閉弁152を介して接続されている。そして、洗浄用配管151の他端は、洗浄流体Cの供給源155に接続されている。なお、洗浄流体として、空気(圧縮空気)を用いる場合には、工場に設置されているエアー配管が供給源155となり、洗浄液を用いる場合には、洗浄液を吸い込んで吐出する図示しない洗浄用ポンプの吐出口となる。また、送出配管104bは、常時開とされた流入用開閉弁153を介して流入口45と接続されており、流出配管105は、常時開とされた流出用開閉弁154を介して流出口46と接続されている。
【0139】
その他の構成については、前述した図10に示す濾過システム100と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0140】
本実施形態の濾過装置140を用いた濾過システム150によれば、クーラントタンク101の原液貯留部101bに貯留された原液Gは、ポンプ103の駆動により吸込配管104aから吸い込まれ、送出配管104bの内部を圧送されて常時開とされた流入用開閉弁153を介して濾過装置140の流入口45に供給される。そして、濾過装置140の流入口45に供給された原液Gは、流入管55の内部を上方から下方に通過してフィルタサポート3、ひいては筒状フィルタ2の内部に流入する。そして、濾過装置140の流入口45に供給された原液Gは、流入管55の内部を上方から下方に通過して筒状フィルタ2の内部に流入する。すなわち、本実施形態の濾過装置1には、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の内側に導くように流入経路が設けられている。
【0141】
ついで、筒状フィルタ2の内部に流入した原液Gは、通過開口144を通過した後、筒状フィルタ2を内側から外側に向かって通過する。この原液Gが筒状フィルタ2を通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ以上の加工粉Kが濾過作用によって分離される。すなわち、原液Gが筒状フィルタ2を径方向に沿って内側から外側に通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ、例えば20μm以上の加工粉Kが筒状フィルタ2の編み目によって捕捉され分離されることになる。
【0142】
そして、筒状フィルタ2を通過した濾液Eは、濾液通過空間145、サポート位置決め部材91の下部通過口91b(図8参照)をこの順に通過して流出口46から流出する。すなわち、本実施形態の濾過装置140には、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを筒状フィルタ2の外側を介して流出口46に導くように流出経路が設けられている。そして、流出口46から流出する濾液Eは、常時開とされた流出用開閉弁154を介して流出配管105を通過してクーラントタンク101の供給液貯留部101aに送られる(図14参照)。
【0143】
一方、筒状フィルタ2により分離された加工粉Kは、サポート支持部44の排出口47が設けられた下端部、詳しくはバルブ48の図示しない流路遮断位置を先頭にして順次堆積して濾塊Rとなり、筒状フィルタ2の内部に至ることになる。すなわち、本実施形態の濾過装置140には、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の内側を介して排出口47に導くように排出径路が設けられている。そして、排出口47の上方、ひいては筒状フィルタ2の内部に堆積した濾塊Rは、排出口47に接続されたバルブ48を開状態とすることで、回収コンテナ102に回収される(図14参照)。
【0144】
また、濾塊Rを排出すると同時、もしくは濾塊Rを排出した後に、供給口143を介して洗浄流体Cをフィルタケース141の内部に供給することにより、筒状フィルタ2の洗浄を行うことができる。すなわち、洗浄流体Cをフィルタケース141の内部に供給すると、筒状フィルタ2が振動して編み目に引っ掛かった加工粉Kが下方に落下し、洗浄流体Cとともに回収コンテナ102に回収される。勿論、洗浄流体Cとして、空気を用いた場合には、加工粉Kのみが回収コンテナ102に回収され、洗浄液を用いた場合には、加工粉とともに洗浄液が回収コンテナ102に回収されることになる。このとき、洗浄用開閉弁152を開状態とし、流入用開閉弁153および流出用開閉弁154を閉状態とすることで、洗浄流体Cが送出配管104bおよび流出配管105に流入するのを防止することができる。勿論、洗浄液を用いることにより、筒状フィルタ2の汚れを除去することができる。
【0145】
このような構成からなる本実施形態の濾過装置140によれば、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様の効果を奏することができるとともに、供給口143を介して洗浄流体Cをフィルタケース141に供給するという簡便な方法により、筒状フィルタ2を取り外すことなく、筒状フィルタ2の編み目に目詰まりした加工粉Kを除去することができるので、筒状フィルタ2の交換頻度をより少なくすることができる。その結果、フィルタの寿命をより長くすることができるし、作業者による使い勝手をより向上することができる。また、本実施形態の濾過装置140によれば、フィルタサポート3の外側に筒状フィルタ2を容易に装着することができるし、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の内側に導く流入経路と、濾液Eを筒状フィルタ2の外側を介して流出口46に導く流出経路と、筒状フィルタで分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の内側を介して排出口47に導く排出径路とを確実に得ることができる。さらに、本実施形態の濾過装置140の筒状網体146は、筒状フィルタ2の編み目が拡大して加工粉Kが通過する状態になるのを防止することができる。
【0146】
(第4実施形態)
図15は、本発明に係る濾過装置の第4実施形態を示すものである。本実施形態の濾過装置160は、筒状フィルタ2をフィルタサポート3の外側に装着したものである。また、本実施形態の濾過装置160は、フィルタケース161のケース本体162の上部に流入口45を設けるとともに、上蓋43に筒状フィルタ2の目詰まりを除去する洗浄流体Cを内部に導くための供給口143を設けたものである。
【0147】
すなわち、本実施形態の濾過装置160は、前述した第3実施形態の濾過装置140と同様に、フィルタサポート3の上取付リング部7には、フィルタサポート3の外部に配置された筒状フィルタ2の一端部である上端部が内側に折り返すように取り付けられており、下取付リング部8には、フィルタサポート3の外部に配置された筒状フィルタ2の他端部である下端部が内側に折り返すように取り付けられており、これらにより、フィルタサポート3の外側に筒状フィルタ2が装着されている。また、フィルタサポート3の隣位する2本の縦柱19の相互間に設けられた内外を連通する4つの連通空間(図2参照)は、それぞれ濾液Eを通過させる通過開口144(図15に2つのみ図示)とされている。そして、フィルタサポート3の内部は、濾液Eを容易に流下させるための濾液通過空間165とされている。また、ケース本体162の内周面と筒状フィルタ2の外周面との間は、少なくとも原液Gから分離した加工粉Kを下方に向かって導くための粉通過空間166とされている。
【0148】
前記ケース本体162の上部には、ケース本体162を径方向に貫通する流入管55が設けられている。この流入管55は、管継手の一種であるソケットなどから形成されており、ケース本体162の上部に設けられた上貫通孔167に基端部が挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、流入管55の図15の右方に示す先端部の開口は、原液Gをフィルタケース161の内部に導くための流入口45とされている。
【0149】
前記フィルタケース161のサポート支持部170は、その下部開口を閉塞するサポート底壁部171を有しており、上部が開口の有底筒状に形成されている。そして、ケース本体162の下部には、ケース本体162を径方向に貫通する流出管81が設けられている。この流出管81は、管継手の一種であるソケットなどから形成されており、ケース本体162の下部に設けられた下貫通孔173にその長さ方向のほぼ中央部分が挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。また、流出管81の基端部は、サポート支持部170の下部に設けられた流出用貫通孔174に挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、流出管81の図15の右方に示す先端部の開口は、濾液Eを外部に流出させるための流出口46とされている。すなわち、本実施形態において、流入口45よりも下方に流出口46が設けられている。
【0150】
前記ケース本体162の下端部には、上下方向に沿って延在する排出管176が設けられている。この排出管176は、上端部がケース本体162の下端部に接続されているとともに、上部が大径で下部が小径とされたテーパ筒状の接続排出筒部177と、この接続排出筒部177の下端から下方に延出された円筒状の小径排出筒部178とを有している。そして、小径排出筒部178の下部開口、すなわち、排出管176の図15の下方に示す下端部の開口は、濾塊Rを外部に排出させるための排出口47とされている。すなわち、本実施形態において、流出口46よりも下方に排出口47が設けられている。
【0151】
前記ケース本体162に着脱自在に取り付けられる上蓋43の蓋天板54の中心部には、蓋天板54の厚さ方向である上下方向に沿って管継手の一種であるソケットなどからなる供給管147が配設されている。この供給管147は、上蓋43の図15の上下方向に示す長さより長く形成されており、上端が蓋天板54の上面より上方に突出し、下端が蓋胴部53の下部開口端より下方に突出するように配置されている。また、供給管147は、その外周面における長さ方向の中央部より少し上方部分が蓋天板54の中心部に設けられた内孔であるパイプ用貫通孔56に挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、供給管147の上端部の開口は、筒状フィルタ2の目詰まりを除去、すなわち筒状フィルタ2の編み目に引っ掛かった加工粉Kを下方に落下させるための洗浄流体Cを内部に導くための供給口143とされている。つまり、本実施形態において、流入口45より上方に供給口143が設けられている。また、供給管147の内孔の少なくとも上端部には、洗浄流体Cの洗浄用配管151(図16参照)との接続に用いるための雌ねじ147aが形成されている。
【0152】
したがって、本実施形態の濾過装置160においては、フィルタケース161の最も上部に供給口143が設けられ、フィルタケース161の側面上部に流入口45が設けられ、フィルタケース161の側面下部に流出口46が設けられ、フィルタケース161の最も下部に排出口47が設けられている。
【0153】
本実施形態の濾過装置160においては、複数の連結棒92aを有しているサポート位置決め部材92が用いられている(図9参照)。この場合、下部通過口92b(図9参照)は、筒状フィルタ2により分離された加工粉Kを下方に通過させるものとなる。
【0154】
本実施形態の濾過装置160において、上蓋43とケース本体162とは、前述した第3実施形態の濾過装置140と同様に、図15の紙面垂直方向においてケース本体162の中心線を中心として点対称に配置された図15には示されていない2組のスナップキャッチ65(図1参照)により着脱自在とされている。また、蓋支持パイプ51および蓋支持棒59は、2組のスナップキャッチ65の配列方向に対して直交する方向、すなわち、フィルタケース141の中心線を中心に90度回転した位置に配置されている。
【0155】
前記ケース本体162の下端部の外周には、その外径がケース本体162の外径より大径の円環状に形成されたケース取付板179が溶着あるいは接着などにより固着されている。そして、ケース取付板179には、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様に、濾過装置160を図示しない取付板や取付架台などの取付対象物に取り付けるための複数の取付孔52(図6参照)が形成されている。なお、取付孔52の代わりに、取付ブラケットを設けてもよい。また、ケース取付板179の下面に、濾過装置160を自立させるための図示しない複数の脚部を設けてもよい。
【0156】
その他の構成については、前述した第1実施形態の濾過装置1および第3実施形態の濾過装置140と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0157】
(濾過システム)
ここで、本実施形態の濾過装置を用いた濾過システムの一例について図16により説明する。
【0158】
図16に示すように、本実施形態の濾過システム180は、前述した本実施形態の濾過装置160と、クーラントタンク101と、回収コンテナ102と、ポンプ103とを有している。また、濾過装置160の供給口143には、空気、洗浄液などの洗浄流体Cをフィルタケース161の内部に導くための洗浄用配管151の一端が洗浄用開閉弁152を介して接続されている。そして、洗浄用配管151の他端は、洗浄流体Cの供給源155に接続されている。
【0159】
その他の構成については、前述した図14に示す濾過システム150と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0160】
本実施形態の濾過装置160を用いた濾過システム180によれば、ポンプ103の駆動により濾過装置160の流入口45に供給された原液Gは、流入管55の内部を径方向外側から中心側に通過して筒状フィルタ2の外側に流入する。すなわち、本実施形態の濾過装置160には、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の外側に導くように流入経路が設けられている。そして、筒状フィルタ2の外側に供給された原液Gは、筒状フィルタ2を外側から内側に向かって通過する。この原液Gが筒状フィルタ2を通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ以上の加工粉Kが濾過作用によって分離される。すなわち、原液Gが筒状フィルタ2を外側から内側に通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ、例えば20μm以上の加工粉Kが筒状フィルタ2の編み目によって捕捉され分離されることになる。
【0161】
そして、筒状フィルタ2を通過した濾液Eは、通過開口144、濾液通過空間165をこの順に通過して流出口46から流出する。すなわち、本実施形態の濾過装置160には、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを筒状フィルタ2の内側を介して流出口46に導くように流出経路が設けられている。そして、流出口46から流出する濾液Eは、常時開とされた流出用開閉弁154を介して流出配管105を通過してクーラントタンク101の供給液貯留部101aに送られる(図16参照)。
【0162】
一方、筒状フィルタ2により分離された加工粉Kは、排出管176の下端部、詳しくはバルブ48の図示しない流路遮断位置を先頭にして順次堆積して濾塊Rとなり、ケース本体162の内部に至ることになる。すなわち、本実施形態の濾過装置160には、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の外側を介して排出口47に導くように排出径路が設けられている。そして、排出口47の上方、ひいては筒状フィルタ2の内部に堆積した濾塊Rは、排出口47に接続されたバルブ48を開状態とすることで、回収コンテナ102に回収される(図16参照)。
【0163】
また、濾塊Rを排出すると同時、もしくは濾塊Rを排出した後で、供給口143を介して洗浄流体Cをフィルタケース141の内部に供給することにより、筒状フィルタ2の洗浄を行うことができる。すなわち、洗浄流体Cをフィルタケース141の内部に供給すると、筒状フィルタ2が振動したりして編み目に引っ掛かった加工粉Kが下方に落下し、洗浄流体Cとともに回収コンテナ102に回収される。勿論、洗浄流体Cとして、空気を用いた場合には、加工粉Kのみが回収コンテナ102に回収され、洗浄液を用いた場合には、加工粉とともに洗浄液が回収コンテナ102に回収されることになる。このとき、洗浄用開閉弁152を開状態とし、流入用開閉弁153および流出用開閉弁154を閉状態とすることで、洗浄流体Cが送出配管104bおよび流出配管105に流入するのを防止することができる。なお、筒状フィルタ2の目詰まりの進行にともなって筒状フィルタ2が上下方向に伸長し、下部から径方向内側に収縮するので、筒状フィルタ2の編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。
【0164】
このような構成からなる本実施形態の濾過装置160によれば、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様の効果を奏することができるとともに、供給口143を介して洗浄流体Cをフィルタケース161に供給するという簡便な方法により、筒状フィルタ2を取り外すことなく、筒状フィルタ2の編み目に目詰まりした加工粉Kを除去することができるので、筒状フィルタ2の交換頻度をより少なくすることができる。その結果、フィルタの寿命をより長くすることができるし、作業者による使い勝手をより向上することができる。また、本実施形態の濾過装置160によれば、フィルタサポート3の外側に筒状フィルタ2を容易に装着することができるし、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の外側に導く流入経路と、濾液Eを筒状フィルタ2の内側を介して流出口46に導く流出経路と、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の外側を介して排出口47に導く排出径路とを確実に得ることができる。
【0165】
(第5実施形態)
図17は、本発明に係る濾過装置の第5実施形態を示すものである。本実施形態の濾過装置200は、筒状フィルタ2をフィルタサポート203の内側に装着したものである。また、本実施形態の濾過装置200は、原液Gをフィルタケース204の内部に吸引可能としたものである。さらに、本実施形態の濾過装置200は、フィルタケース204の上蓋230およびケース本体205の上部にそれぞれ流入口45設けて選択使用可能とするとともに、使用されない流入口45を筒状フィルタ2の目詰まりを除去する洗浄流体Cを内部に導くための供給口143としたものである。
【0166】
すなわち、本実施形態の濾過装置200のフィルタサポート203は、上取付リング部7に設けられた上フランジ12が下取付リング部8に設けられた下フランジ16より大径に形成されている。また、上取付リング部7の内孔には、前述したフィルタサポート3の上取付リング部7の内孔に設けられた凹テーパ面13は形成されておらず、上筒状基体11および下筒状基体15は、ともに円筒状に形成されている。そして、上筒状基体11と下筒状基体15とが4本の縦柱19からなる上下接続部9によって接続されており、隣位する2本の縦柱19の相互間は内外を連通する連通空間とされており、周方向に配列された4つの連通空間により、本図には示さない濾液Eを通過させる通過開口が構成されている(図2の符号20参照)。
【0167】
そして、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様に、フィルタサポート203の上取付リング部7には、フィルタサポート203の外部に配置された筒状フィルタ2の一端部である上端部が外側に折り返すように取り付けられており、下取付リング部8には、フィルタサポート203の外部に配置された筒状フィルタ2の他端部である下端部が外側に折り返すように取り付けられており、これらにより、フィルタサポート203の内側に筒状フィルタ2が装着されている。そして、ケース本体205の内周面と筒状フィルタ2の外周面との間は、濾液Eを容易に流下させるための濾液通過空間206とされている。
【0168】
本実施形態のケース本体205の内面には、ケース本体205の上部開口端から予め設定された間隔、例えば30mm程度の間隔をおいて環状に形成された上支持リング211が溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。この上支持リング211の内孔は、上フランジ12の外径より小径で、下フランジ16の外径より大径にされている。また、上支持リング211の上面の内孔側には、内孔に連通する断面矩形状の環状受け溝212が形成されており、この環状受け溝212には、フランジ受けリング213が着脱自在に装着されている。
【0169】
前記フランジ受けリング213の外径は、環状受け溝212の外径より若干小径とされており、内径は、上支持リング211の内径とほぼ等しくされている。そして、フランジ受けリング213の上面の内孔側には、内孔に連通する断面矩形状の環状支持溝214が形成されており、この環状支持溝214には、フィルタサポート203の上フランジ12の外周部分(下フランジ16より大径部分)が着脱自在に装着されている。この環状支持溝214の外径は、上フランジ12の外径より少なくとも筒状フィルタ2の厚みの分だけ大径に形成されている。そして、上フランジ12の外周部分を環状支持溝214により下方から支持するように装着することで、上フランジ12の径方向の位置決めを行うことができるとともに、上取付リング部7に対して外側に折り返すように取り付けられている筒状フィルタ2の折返し部分を上フランジ12の下面と環状支持溝214の底面との間で挟持できるようになっている。
【0170】
前記フランジ受けリング213の環状受け溝212の上面とこれに対向するフランジ受けリング213の下面との間には、ガスケットとしてのOリング215が配設されている。このOリング215は、環状受け溝212の下面に設けられた断面矩形状のシール装着溝216に取り付けられている。なお、ガスケットとしては、角リングなどの各種のものを使用することができる。
【0171】
前記上支持リング211およびフランジ受けリング213により、本実施形態のケース本体205の上部開口側に設けられた上取付リング部7を位置決め支持するための環状上支持部217が構成されている。なお、環状上支持部217としては、上支持リング211とフランジ受けリング213とを一体化したものであってもよい。
【0172】
前記ケース本体205の上部開口と環状上支持部217の配設位置との間には、 ケース本体205を径方向に貫通する第2流入管218が設けられている。この第2流入管218は、管継手の一種であるソケットなどから形成されており、ケース本体205の上部に設けられた上貫通孔167に基端部が挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、第2流入管218の図17の右方に示す先端部の開口は、流入口45あるいは供給口143とされている。また、第2流入管218の内孔の少なくとも先端部には、供給配管104あるいは洗浄用配管151(図18参照)との接続に用いるための雌ねじ218aが形成されている。
【0173】
前記ケース本体205の上部開口端部には、径方向外側に延出する連結用フランジ部としてのケースフランジ220が設けられており、このケースフランジ220の外周下角部には、ケーステーパ面221が形成されている。また、ケースフランジ220の上面には、ガスケットとしてのOリング222が配設されている。このOリング222は、ケースフランジ220の下面に設けられたシール装着溝223に取り付けられている。
【0174】
本実施形態の上蓋230は、金属により円盤状に形成されており、上蓋230の外周部分は、ケースフランジ220に対向配置される連結用フランジ部としてのカバーフランジ231とされている。そして、カバーフランジ231の外周上角部には、カバーテーパ面232が形成されている。このカバーテーパ面232と、ケーステーパ面221とは、カバーフランジ231とケースフランジ220との対向面を中心として面対称に設けられている。また、上蓋230の下面には、ケース本体205の上部開口に嵌合される嵌合凸部233が設けられている。さらに、カバーフランジ231の外径は、ケースフランジ220の外径と等しく形成されている。
【0175】
さらにまた、上蓋230の中心部には、上蓋230の厚さ方向である上下方向に沿って管継手の一種であるソケットなどからなる第1流入管234が配設されている。この第1流入管234は、その長さが上蓋230の図17の上下方向に示す厚さより長く形成されており、上端が上蓋230の上面より上方に突出し、下端が上蓋230の下面より下方に突出するように配置されている。また、第1流入管234は、その外周面における長さ方向の中央部分が上蓋230の中心部に設けられた内孔であるパイプ用貫通孔235に挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。
【0176】
そして、第1流入管234の上端部の開口は、原液Gをフィルタケース204の内部に導くための流入口45、あるいは筒状フィルタ2の目詰まりを除去する洗浄流体Cをフィルタケース204の内部に導くための供給口143とされている。また、第1流入管234の内孔の少なくとも先端部には、原液Gの供給配管104、または洗浄流体Cの洗浄用配管151(図18参照)との接続に用いるための雌ねじ234aが形成されている。またさらに、第1流入管234の下端部は、上取付リング部7の開口の形成されている領域と対向するように配置されている。
【0177】
したがって、本実施形態の濾過装置200においては、フィルタケース204の最も上部に流入口45または供給口143が設けられ、フィルタケース204の側面上部に流入口45または供給口143が設けられ、フィルタケース204の側面下部に流出口46が設けられ、フィルタケース204の最も下部に排出口47が設けられている。
【0178】
前記ケース本体205と上蓋230とは、前述した第1実施形態の濾過装置1におけるスナップキャッチ65ではなく、配管を軸方向に着脱自在に接続することのできる周知の締結具であるVバンド軸継手236により着脱自在に取り付けられている。このVバンド軸継手236としては、Vバンドカップリング(横浜ゴム株式会社製商品名)を挙げることができる。
【0179】
前記上蓋230の下面と上フランジ12との間には、ケース本体205の上部開口端に上蓋230を取り付けた状態で、フィルタサポート203を下方に向かって付勢する付勢部材としての圧縮ばね237が配設されている。そして、ケース本体205の上部開口端に上蓋230を取り付けた状態で、圧縮ばね237のばね力(付勢力)によってフィルタサポート203を下方に向かって付勢することにより、筒状フィルタ2の上部を上取付リング部7との間で挟持するとともに、筒状フィルタ2の下部を下フランジ16とサポート支持部44の上部開口端との間に挟持することができるようになっている。なお、付勢部材としては、複数の圧縮ばねあるいはゴムなどの弾性体を上フランジ12の上面に同心円状に並ぶように配置する構成としてもよい。また、付勢部材は、筒状フィルタ2を上取付リング部7との間で挟持するという意味で、前述した第1実施形態の濾過装置1における押圧リング60と同様の機能を有している。
【0180】
なお、ケース本体205および上蓋230をプラスチックにより形成することもできるが、フィルタケース204の内部を減圧したときのフィルタケース204の耐圧性を容易かつ確実に得ることができるという意味で、ケース本体205および上蓋230を金属により形成することが好ましい。
【0181】
その他の構成については、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0182】
(濾過システム)
ここで、本実施形態の濾過装置を用いた濾過システムの一例について図18により説明する。
【0183】
図18に示すように、本実施形態の濾過システム240は、前述した本実施形態の濾過装置200と、クーラントタンク101と、回収コンテナ102と、ポンプ103とを有している。そして、原液貯留部101bには、供給配管104の一端が液面下に配置されており、供給配管104の他端は、濾過装置200の流入口45に接続されている。また、濾過装置200の流出口46には、流出配管105の一部を構成する吸引配管105aの一端が接続されており、吸引配管105aの他端は、ポンプ103の図示しない吸込口に接続されている。また、ポンプ103の図示しない吐出口には、流出配管105の他部を構成する吐出配管105bの一端が接続されており、吐出配管105bの他端は、原液貯留部101bの上方に配置されている。
【0184】
そして、ポンプ103を駆動することにより、吸引配管105aを介して濾過装置200のフィルタケース204の内部を減圧することができるので、供給配管104を介して原液Gを濾過装置200に吸引するとともに、流出配管105を介して濾液Eを供給液貯留部101aに導くことができるようになっている。また、濾過装置200の供給口143には、洗浄流体Cをフィルタケース204の内部に導くための洗浄用配管151の一端が常時閉とされた洗浄用開閉弁152を介して接続されている。
【0185】
ここで、配管仕様により第1流入管234の開口と第2流入管218の開口とのどちらを流入口45とするか選択される。そして、第1流入管234の開口を流入口45として選択した場合には、図18(a)に示すように、第1流入管234に供給配管104が接続され、第2流入管218に洗浄用配管151が接続されることになる。また、第2流入管218の開口を流入口45として選択した場合には、図18(b)に示すように、第1流入管234に洗浄用配管151が接続され、第2流入管218に供給配管104が接続されることになる。
【0186】
その他の構成については、前述した図14および図16に示す濾過システム150、180と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0187】
本実施形態の濾過装置200を用いた濾過システム240によれば、ポンプ103を駆動することにより、吸引配管105aを介して濾過装置200のフィルタケース204の内部が減圧されるので、供給配管104を介して原液Gが濾過装置200に吸引される。そして、濾過装置200の流入口45に供給された原液Gは、第1流入管234の内部を上方から下方に通過、または第2流入管218の内部を径方向外側から中心側に通過して筒状フィルタ2の内側に流入する。すなわち、本実施形態の濾過装置200には、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の内側に導くように流入経路が設けられている。そして、筒状フィルタ2の内側に供給された原液Gは、筒状フィルタ2を内側から外側に向かって通過する。この原液Gが筒状フィルタ2を通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ以上の加工粉Kが濾過作用によって分離される。すなわち、原液Gが筒状フィルタ2を内側から外側に通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ、例えば20μm以上の加工粉Kが筒状フィルタ2の編み目によって捕捉され分離されることになる。
【0188】
そして、筒状フィルタ2を通過した濾液Eは、通過開口(図2の符号20参照)、濾液通過空間206、下部通過口(図8の符号91bまたは図9の符号92b参照)、および流出管81の内部をこの順に通過して流出口46から流出する。すなわち、本実施形態の濾過装置200には、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを筒状フィルタ2の外側を介して流出口46に導くように流出経路が設けられている。そして、流出口46から流出する濾液Eは、吸引配管105a、ポンプ103および吐出配管105bを通過してクーラントタンク101の供給液貯留部101aに送られる(図18参照)。
【0189】
一方、筒状フィルタ2により分離された加工粉Kは、サポート支持部44の排出口47が設けられた下端部、詳しくはバルブ48の図示しない流路遮断位置を先頭にして順次堆積して濾塊Rとなり、筒状フィルタ2の内部に至ることになる。すなわち、本実施形態の濾過装置200には、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の内側を介して排出口47に導くように排出径路が設けられている。そして、排出口47の上方、ひいては筒状フィルタ2の内部に堆積した濾塊Rは、排出口47に接続されたバルブ48を開状態とすることで、回収コンテナ102に回収される(図18参照)。
【0190】
また、濾塊Rを排出すると同時、もしくは濾塊Rを排出した後で、供給口143を介して洗浄流体Cをフィルタケース204の内部に供給することにより、筒状フィルタ2の洗浄を行うことができる。すなわち、洗浄流体Cをフィルタケース204の内部に供給すると、筒状フィルタ2が振動して編み目に引っ掛かった加工粉Kが下方に落下し、回収コンテナ102に回収される。勿論、洗浄流体Cとして、空気を用いた場合には、加工粉Kのみが回収コンテナ102に回収されることになる。このとき、洗浄用開閉弁152を開状態とし、流入用開閉弁153および流出用開閉弁154を閉状態とすることで、洗浄流体Cが供給配管104および吸引配管105aに流入するのを防止することができる。
【0191】
このような構成からなる本実施形態の濾過装置200によれば、前述した第1実施形態の濾過装置1と同様の効果を奏することができるとともに、フィルタサポート203の内側に筒状フィルタ2を容易に装着することができるし、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の内側に導く流入経路と、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを筒状フィルタ2の外側を介して流出口46に導く流出経路と、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の内側を介して排出口47に導く排出径路とを確実に得ることができる。さらに、実施形態の濾過装置200によれば、上蓋230とケース本体205との2箇所に流入口45が設けられているので、2つの流入口45を配管仕様により使い分けすることができる。例えば、流入口45に接続する配管である吸引配管105aが可撓性を有していない場合には、ケース本体205に設けられた流入口45を使用することで、上蓋230の着脱を容易にできる。さらにまた、実施形態の濾過装置200によれば、ケース本体205と上蓋230との間をOリング222でシールすることができるから、原液Gをフィルタケース204の内部に吸引して濾液Eを強制的に流出させることができるので、濾過効率の向上を容易に図ることができる。
【0192】
(第6実施形態)
図19は、本発明に係る濾過装置の第6実施形態を示すものである。本実施形態の濾過装置250は、筒状フィルタ2をフィルタサポート203の外側に装着したものである。また、本実施形態の濾過装置250は、原液Gをフィルタケース254の内部に吸引可能としたものである。さらに、本実施形態の濾過装置250は、ケース本体255に流入口45を設け、上蓋256に供給口143を設けたものである。
【0193】
すなわち、本実施形態の濾過装置250は、前述した第5実施形態の濾過装置200におけるフィルタサポート203を有している。そして、前述した第4実施形態の濾過装置160と同様に、フィルタサポート203の上取付リング部7には、フィルタサポート203の外部に配置された筒状フィルタ2の一端部である上端部が内側に折り返すように取り付けられ、また、下取付リング部8には、フィルタサポート203の外部に配置された筒状フィルタ2の他端部である下端部が内側に折り返すように取り付けられており、これらにより、フィルタサポート203の外側に筒状フィルタ2が装着されている。また、フィルタサポート203の隣位する2本の縦柱19の相互間は内外を連通する連通空間とされており、周方向に配列された4つの連通空間は、それぞれ濾液Eを通過させる通過開口257(図19に2つのみ図示)とされている。そして、フィルタサポート203の内部は、濾液Eを容易に流下させるための濾液通過空間258とされている。また、ケース本体255の内周面と筒状フィルタ2の外周面との間は、少なくとも原液Gから分離した加工粉Kを下方に向かって導くための粉通過空間259とされている。
【0194】
本実施形態のケース本体255の内面には、ケース本体255の上部開口端から予め設定された間隔、例えば30mm程度の間隔をおいて環状に形成された上支持リング261が溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。この上支持リング261の内孔は、上フランジ12の外径より小径で、下フランジ16の外径より大径にされている。また、上支持リング261の上面の内孔側には、内孔に連通する断面矩形状の環状受け溝262が形成されており、この環状受け溝262には、フランジ受けリング263が着脱自在に装着されている。
【0195】
前記フランジ受けリング263の外径は、環状受け溝262の外径より若干小径とされており、内径は、上支持リング261の内径とほぼ等しくされている。そして、フランジ受けリング263の上面の内孔側には、内孔に連通する断面矩形状の環状支持溝264が形成されており、この環状支持溝264には、フィルタサポート203の上フランジ12の外周部分(下フランジ16より大径部分)が着脱自在に装着されている。この環状支持溝264の外径は、上フランジ12の外径より少なくとも筒状フィルタ2の厚みの分だけ大径に形成されている。そして、上フランジ12の外周部分を環状支持溝264により下方から支持するように装着することで、上フランジ12の径方向の位置決めを行うことができるとともに、上取付リング部7に対して外側に折り返すように取り付けられている筒状フィルタ2の折返し部分を上フランジ12の下面と環状支持溝264の底面との間で挟持できるようになっている。
【0196】
前記フランジ受けリング263の環状受け溝262の上面とこれに対向するフランジ受けリング263の下面との間には、ガスケットとしてのOリング265が配設されている。このOリング265は、環状受け溝262の下面に設けられた断面矩形状のシール装着溝266に取り付けられている。なお、ガスケットとしては、角リングなどの各種のものを使用することができる。
【0197】
前記上支持リング261およびフランジ受けリング263により、本実施形態のケース本体255の上部開口側に設けられた上取付リング部7を位置決め支持するための環状上支持部267が構成されている。なお、環状上支持部267としては、上支持リング261とフランジ受けリング263とを一体化したものであってもよい。
【0198】
前記ケース本体255の上部で、環状上支持部267より下方には、ケース本体255を径方向に貫通する流入管55が設けられている。この流入管55は、管継手の一種であるソケットなどから形成されており、ケース本体255の上部に設けられた上貫通孔167に基端部が挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。そして、流入管55の図19の右方に示す先端部の開口は、流入口45とされている。また、流入管55の内孔の少なくとも先端部には、供給配管104(図20参照)との接続に用いるための雌ねじ55aが形成されている。
【0199】
前記ケース本体255の上部開口端部には、径方向外側に延出する連結用フランジ部としてのケースフランジ270が設けられており、このケースフランジ270の外周下角部には、ケーステーパ面271が形成されている。また、ケースフランジ270の上面には、ガスケットとしてのOリング272が配設されている。このOリング272は、ケースフランジ270の下面に設けられたシール装着溝273に取り付けられている。
【0200】
本実施形態の上蓋256は、金属により円盤状に形成されており、上蓋256の外周部分は、ケースフランジ270に対向配置される連結用フランジ部としてのカバーフランジ275とされている。そして、カバーフランジ275の外周上角部には、カバーテーパ面276が形成されている。このカバーテーパ面276と、ケーステーパ面271とは、カバーフランジ275とケースフランジ270との対向面を中心として面対称に設けられている。また、上蓋256の下面には、ケース本体255の上部開口に嵌合される嵌合凸部277が設けられている。さらに、カバーフランジ275の外径は、ケースフランジ270の外径と等しく形成されている。
【0201】
さらにまた、上蓋256の中心部には、上蓋256の厚さ方向である上下方向に沿って管継手の一種であるソケットなどからなる供給管147が配設されている。この供給管147は、その長さが上蓋256の図19の上下方向に示す厚さより長く形成されており、上端が上蓋256の上面より上方に突出し、下端が上蓋256の下面より下方に突出するように配置されている。また、供給管147は、その外周面における長さ方向の中央部分が上蓋256の中心部に設けられた内孔であるパイプ用貫通孔278に挿通された状態で溶着あるいは接着などにより隙間なく固着されている。
【0202】
そして、供給管147の上端部の開口は、筒状フィルタ2の目詰まりを除去する洗浄流体Cをフィルタケース254の内部に導くための供給口143とされている。また、供給管147の内孔の少なくとも先端部には、洗浄流体Cの洗浄用配管151(図20参照)との接続に用いるための雌ねじ147aが形成されている。またさらに、供給管147の下端部は、上取付リング部7の開口の形成されている領域と対向するように配置されている。
【0203】
したがって、本実施形態の濾過装置250においては、フィルタケース254の最も上部に供給口143が設けられ、フィルタケース254の側面上部に流入口45が設けられ、フィルタケース254の側面下部に流出口46が設けられ、フィルタケース254の最も下部に排出口47が設けられている。
【0204】
前記ケース本体255と上蓋256とは、前述した第5実施形態の濾過装置200(図17)と同様に、第1実施形態の濾過装置1におけるスナップキャッチ65ではなく、配管を軸方向に着脱自在に接続することのできる周知の締結具であるVバンド軸継手279により着脱自在に取り付けられている。このVバンド軸継手279としては、Vバンドカップリング(横浜ゴム株式会社製商品名)を挙げることができる。
【0205】
前記上蓋256の下面と上フランジ12との間には、ケース本体255の上部開口端に上蓋256を取り付けた状態で、フィルタサポート203を下方に向かって付勢する付勢部材としての円筒状に形成されたゴム筒280が配設されている。このゴム筒280の内孔は、供給管147の外径より若干小さく形成されており、供給管147を抱き締めするように形成されている。すなわち、ゴム筒280は、供給管147の上蓋256の下方に配置された部分に挿脱自在とされており、これにより上蓋256に着脱自在に取り付けられている。
【0206】
そして、ケース本体255の上部開口端に上蓋256を取り付けた状態で、ゴム筒280のゴム弾性(付勢力)によってフィルタサポート203を下方に向かって付勢することにより、筒状フィルタ2の上部を上取付リング部7との間で挟持するとともに、筒状フィルタ2の下部を下フランジ16とサポート支持部170の上部開口端との間で挟持することができるようになっている。なお、付勢部材としては、圧縮ばねなどの弾性体を用いてもよい。また、付勢部材は、筒状フィルタ2を上取付リング部7との間で挟持するという意味で、前述した第1実施形態の濾過装置1における押圧リング60と同様の機能を有している。
【0207】
なお、ケース本体255および上蓋256をプラスチックにより形成することもできるが、フィルタケース254の内部を減圧したときのフィルタケース25の耐圧性を容易かつ確実に得ることができるという意味で、ケース本体255および上蓋256を金属により形成することが好ましい。
【0208】
その他の構成については、前述した第4実施形態の濾過装置160と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0209】
(濾過システム)
ここで、本実施形態の濾過装置を用いた濾過システムの一例について図20により説明する。
【0210】
図20に示すように、本実施形態の濾過システム290は、前述した本実施形態の濾過装置250と、クーラントタンク101と、回収コンテナ102と、ポンプ103とを有している。そして、原液貯留部101bには、供給配管104の一端が液面下に配置されており、供給配管104の他端は、濾過装置250の流入口45に接続されている。また、濾過装置250の流出口46には、流出配管105の一部を構成する吸引配管105aの一端が接続されており、吸引配管105aの他端は、ポンプ103の図示しない吸込口に接続されている。また、ポンプ103の図示しない吐出口には、流出配管105の他部を構成する吐出配管105bの一端が接続されており、吐出配管105bの他端は、原液貯留部101bの上方に配置されている。
【0211】
そして、ポンプ103を駆動することにより、吸引配管105aを介して濾過装置250のフィルタケース254の内部を減圧することができるので、供給配管104を介して原液Gを濾過装置250に吸引するとともに、流出配管105を介して濾液Eを供給液貯留部101aに導くことができるようになっている。また、濾過装置250の供給口143には、洗浄流体Cをフィルタケース254の内部に導くための洗浄用配管151の一端が常時閉とされた洗浄用開閉弁152を介して接続されている。
【0212】
その他の構成については、前述した図18(b)に示す濾過システム240と同様とされているので、図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0213】
本実施形態の濾過装置250を用いた濾過システム290によれば、ポンプ103を駆動することにより、吸引配管105aを介して濾過装置250のフィルタケース254の内部が減圧されるので、供給配管104を介して原液Gが濾過装置250に吸引される。そして、濾過装置250の流入口45に供給された原液Gは、流入管55の内部を径方向外側から内側に通過して筒状フィルタ2の外側に流入する。すなわち、本実施形態の濾過装置250には、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の外側に導くように流入経路が設けられている。そして、筒状フィルタ2の外側に供給された原液Gは、筒状フィルタ2を外側から内側に向かって通過する。この原液Gが筒状フィルタ2を通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ以上の加工粉Kが濾過作用によって分離される。すなわち、原液Gが筒状フィルタ2を外側から内側に通過する際に、原液Gに含まれる所定の大きさ、例えば20μm以上の加工粉Kが筒状フィルタ2の編み目によって捕捉され分離されることになる。
【0214】
そして、筒状フィルタ2を通過した濾液Eは、通過開口257、濾液通過空間258をこの順に通過して流出口46から流出する。すなわち、本実施形態の濾過装置250には、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを筒状フィルタ2の内側を介して流出口46に導くように流出経路が設けられている。そして、流出口46から流出する濾液Eは、流出配管105を通過してクーラントタンク101の供給液貯留部101aに送られる(図20参照)。
【0215】
一方、筒状フィルタ2により分離された加工粉Kは、排出管176の下端部、詳しくはバルブ48の図示しない流路遮断位置を先頭にして順次堆積して濾塊Rとなり、ケース本体255の内部に至ることになる。すなわち、本実施形態の濾過装置250には、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の外側を介して排出口47に導くように排出径路が設けられている。そして、排出口47の上方、ひいては筒状フィルタ2の内部に堆積した濾塊Rは、排出口47に接続されたバルブ48を開状態とすることで、回収コンテナ102に回収される(図20参照)。
【0216】
また、濾塊Rを排出すると同時、もしくは濾塊Rを排出した後で、供給口143を介して洗浄流体Cをフィルタケース254の内部に供給することにより、筒状フィルタ2の洗浄を行うことができる。すなわち、洗浄流体Cをフィルタケース254の内部に供給すると、筒状フィルタ2が振動したりして編み目に引っ掛かった加工粉Kが下方に落下し、回収コンテナ102に回収される。勿論、洗浄流体Cとして、空気を用いた場合には、加工粉Kのみが回収コンテナ102に回収されることになる。このとき、洗浄用開閉弁152を開状態とし、流入用開閉弁153および流出用開閉弁154を閉状態とすることで、洗浄流体Cが供給配管104および吸引配管105aに流入するのを防止することができる。
【0217】
このような構成からなる本実施形態の濾過装置250によれば、前述した第4実施形態の濾過装置160と同様の効果を奏することができるとともに、フィルタサポート203の外側に筒状フィルタ2を容易に装着することができるし、原液Gを流入口45から筒状フィルタ2の外側に導く流入経路と、筒状フィルタ2で濾過した後の濾液Eを筒状フィルタ2の内側を介して流出口46に導く流出経路と、筒状フィルタ2で分離した加工粉Kを筒状フィルタ2の外側を介して排出口47に導く排出径路とを確実に得ることができる。さらにまた、実施形態の濾過装置250によれば、ケース本体255と上蓋256との間をOリング272でシールすることができるから、原液Gをフィルタケース254の内部に吸引して濾液Eを強制的に流出させることができるので、濾過効率の向上を容易に図ることができる。
【0218】
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、1つのフィルタケースの内部に複数の筒状フィルタを配置することができる。また、ケース本体41を透明なプラスチックにより形成して、筒状フィルタ2を外部から視認するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0219】
1、120、140、160、200、250 濾過装置
2 筒状フィルタ
3、3a、3b、3c、203 フィルタサポート
4、121、141、161、204、254 フィルタケース
7、7c 上取付リング部
8、8c 下取付リング部
9、9a、9b、9c 上下接続部
12 上フランジ
13 凹テーパ面
16 下フランジ
20、20b、20c、144、164、257 通過開口
41、123、142、162、205、255 ケース本体
42 ケース底部
43、230、256 上蓋
44、170 サポート支持部
45 流入口
46 流出口
47 排出口
48 バルブ
50、128、145、165、206、258 濾液通過空間
51 蓋支持パイプ
55 流入管
59、59a 蓋支持棒
60 押圧リング
61 凸テーパ面
65 スナップキャッチ
81 流出管
91、92 サポート位置決め部材
91a リング本体
91b、92b 下部通過口
92a 連結棒
100、150、180、240、290 濾過システム
122 のぞき窓
124 内ケース
143 供給口
147 供給管
171 サポート底壁部
176 排出管
211、261 上支持リング
213、263 フランジ受けリング
215、265、222、272 Oリング(ガスケット)
217、267 環状上支持部
218 第2流入管
220、270 ケースフランジ(連結用フランジ部)
221、271 ケーステーパ面
231、275 カバーフランジ(連結用フランジ部)
232、276 カバーテーパ面
234 第1流入管
236、279 Vバンド軸継手(締結部材)
C 洗浄流体
E 濾液
G 原液(濾過対象液)
K 加工粉(固体粒子)
R 濾塊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編まれた伸縮性糸により伸縮自在に形成され、濾過対象液に含まれる固体粒子を分離するための筒状フィルタと、
前記筒状フィルタが装着される筒状に形成されたフィルタサポートと、
前記筒状フィルタが装着された状態の前記フィルタサポートを、その長さ方向を上下方向に向けて収容するためのフィルタケースとを有しており、
前記フィルタサポートは、前記筒状フィルタの一端部が折り返すように取り付けられる上取付リング部と、前記筒状フィルタの他端部が折り返すように取り付けられる下取付リング部と、前記上取付リング部と前記下取付リング部とを接続するとともに、前記筒状フィルタで濾過した後の濾液あるいは濾過対象液を通過させる複数の通過開口を具備する上下接続部とを有しており、
前記フィルタケースは、前記フィルタサポートが上部開口を介して挿脱される筒状に形成されたケース本体と、前記ケース本体の上部開口を覆うために前記ケース本体に着脱自在に取り付けられる上蓋と、前記フィルタサポートを下方から支持するためにその長さ方向を上下方向に向けて前記ケース本体の内部に配設され筒状に形成されたサポート支持部と、濾過対象液を内部に導くための流入口と、前記流入口よりも下方に設けられ、前記筒状フィルタにより濾過した後の濾液を外部に流出させるための流出口と、前記流出口よりも下方に設けられ、常時は閉状態とされたバルブが接続され、前記筒状フィルタにより分離した固体粒子を外部に排出させるための排出口とを有していることを特徴とする濾過装置。
【請求項2】
前記フィルタケースは、前記流出口よりも上方に設けられ、前記筒状フィルタの目詰まりを除去する洗浄流体を内部に導くための供給口を有していることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項3】
前記上蓋には、前記上蓋を上下方向に貫通する流入管が設けられ、この流入管の上端部に前記流入口が設けられ、前記流入管の下端部は、前記上取付リング部の内側に配置されており、
前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通する流出管が設けられており、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、
前記フィルタケースは、前記ケース本体の下部開口を閉塞するケース底部を有しており、
前記サポート支持部は、その下部が前記ケース底部を貫通して前記ケース本体の下方に突出され、その下端部に前記排出口が設けられており、
前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に外側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に外側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの内側に装着されており、
前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを内側から外側に向かって通過するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の濾過装置。
【請求項4】
前記フィルタケースは、前記ケース本体の内側に装着される透明なプラスチックにより筒状に形成された内ケースを有しており、
前記ケース本体には、前記内ケースを通して前記筒状フィルタを外部から視認できる内外を連通するのぞき窓が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の濾過装置。
【請求項5】
前記上蓋には、前記上蓋を上下方向に貫通する流入管が設けられており、この流入管の上端部に前記流入口が設けられ、前記流入管の下端部は、前記上取付リング部の内側に配置されており、
前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、
前記フィルタケースは、前記ケース本体の下部開口を閉塞するケース底部を有しており、
前記サポート支持部は、その下部が前記ケース底部を貫通して前記ケース本体の下方に突出され、その下端部に前記排出口が設けられており、
前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に内側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に内側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの外側に装着されており、
前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを内側から外側に向かって通過するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の濾過装置。
【請求項6】
前記ケース本体の内部には、前記筒状フィルタの膨張を規制するための筒状網体が少なくとも前記上下接続部を囲うように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の濾過装置。
【請求項7】
前記ケース本体の上部には、前記ケース本体を貫通する流入管が設けられ、この流出管の先端に前記流入口が設けられており、
前記サポート支持部は、その下部開口を閉塞するサポート底壁部を有しており、
前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通して前記サポート支持部の内部に連通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、
前記ケース本体の下端部には、上下方向に沿って延在する排出管の上端部が接続され、この排出管の下端部に前記排出口が設けられており、
前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に内側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に内側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの外側に装着されており、
前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを外側から内側に向かって通過するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の濾過装置。
【請求項8】
前記上蓋の下面には、前記上蓋を前記ケース本体に取り付けたときに、前記上取付リング部との間で前記筒状フィルタを挟持するゴム様弾性体により形成された押圧リングが設けられていることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項9】
前記フィルタケースは、前記ケース本体の上端部および前記上蓋の外周部のそれぞれに設けられた連結用フランジ部と、前記両連結フランジ部の対向面間に配置されたガスケットと、前記両連結フランジ部を着脱自在に締結するための締結部材とを有しており、
前記上蓋には、前記上蓋を上下方向に貫通する第1流入管がその下部開口を前記フィルタサポートの上部開口と対向するように設けられ、この第1流入管の上端部に前記流入口が設けられており、
前記ケース本体は、その内面の開口端側に、前記上取付リング部を位置決め支持するための環状上支持部を有しており、
前記ケース本体の上部開口と前記環状上支持部との間には、前記ケース本体を貫通する第2流入管が設けられ、この第2流入管の上端部にも前記流入口が設けられており、
前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、
前記ケース本体は、その下部開口を閉塞するケース底部を有しており、
前記サポート支持部は、その下部が前記ケース底部を貫通して前記ケース本体の下方に突出され、その下端部に前記排出口が設けられており、
前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に外側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に外側に折り返すように取り付けられていることにより、前記フィルタサポートの内側に装着されており、
前記第1流入管に設けられた前記流入口および前記第2流入管に設けられた前記流入口の一方が選択使用可能とされており、
前記フィルタケースは、前記締結部材をもって前記ケース本体の連結用フランジ部と前記上蓋の連結用フランジ部とを締結することにより前記ケース本体に前記上蓋を取り付けるとともに、前記ケース本体と前記上蓋との間を前記ガスケットでシールすることにより、濾過対象液を前記フィルタケースの内部に吸引可能に形成されており、
前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを内側から外側に向かって通過するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の濾過装置。
【請求項10】
前記フィルタケースは、前記ケース本体の上端部および前記上蓋の外周部のそれぞれに設けられた連結用フランジ部と、前記両連結フランジ部の対向面間に配置されたガスケットと、前記両連結フランジ部を着脱自在に締結するための締結部材とを有しており、
前記ケース本体は、その内面の上部開口側に、前記上取付リング部を位置決め支持するための環状上支持部を有しており、
前記ケース本体の前記環状上支持部より下方には、前記ケース本体を貫通する流入管が設けられ、この流出管の先端部に前記流入口が設けられており、
前記サポート支持部は、その下部開口を閉塞するサポート底壁部を有しており、
前記ケース本体の下部には、前記ケース本体を貫通して前記サポート支持部の内部に連通する流出管が設けられ、この流出管の先端部に前記流出口が設けられており、
前記ケース本体の下端部には、上下方向に沿って延在する排出管の上端部が接続され、この排出管の下端部に前記排出口が設けられており、
前記筒状フィルタは、その一端部が前記上取付リング部に内側に折り返すように取り付けられ、他端部が前記下取付リング部に内側に折り返すように取り付けられて、前記フィルタサポートの外側に装着されており、
前記フィルタケースは、前記締結部材をもって前記ケース本体の連結用フランジ部と前記上蓋の連結用フランジ部とを締結することにより前記ケース本体に前記上蓋を取り付けるとともに、前記ケース本体と前記上蓋との間を前記ガスケットでシールすることにより、濾過対象液を前記フィルタケースの内部に吸引可能に形成されており、
前記流入口から前記フィルタケースの内部に流入した濾過対象液は、前記筒状フィルタを外側から内側に向かって通過するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の濾過装置。
【請求項11】
前記上蓋の下面と前記上取付リング部との間には、前記上蓋を前記ケース本体に取り付けたときに、前記フィルタサポートを下方に向かって付勢する付勢部材が配設されていることを特徴とする請求項9または10に記載の濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−13872(P2013−13872A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149782(P2011−149782)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(502224814)株式会社 ユメックス (7)
【Fターム(参考)】