説明

灌漑システムを制御する方法および装置

【課題】灌漑システムを制御する方法および装置を提供する。
【解決手段】灌漑システムを制御する方法400は、通信インターフェース経由で、公益事業者からの制御信号を受信するステップ(402)を含む。本方法はまた、灌漑システムの動作を該制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するステップ(404)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般に、配電網による送電および配電に関し、より詳細には、灌漑システムの制御に用いる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
増加する世界人口と電気自動車の使用とがあいまって、電気エネルギー需要の増大がもたらされた。また、エネルギー需要は、建造物での使用、および/または電気自動車で使用されるバッテリもしくは他のエネルギー源を充電するために増大している。送電網に対する需要が、燃料コストが上昇するにつれて増大している。そのような需要は、送電網から供給されるエネルギーの価格の上昇を引き起こす可能性がある。特に少なくとも最初には、エネルギー価格は高需要のピーク時間中に上昇する可能性がある。
【0003】
現在、少なくともいくつかの既知の公益事業者が、顧客を少なくとも1つのデマンドレスポンスプログラムに登録させて、供給状況に応答して顧客によるエネルギー消費を管理することを可能にするデマンドレスポンスシステムを用いている。そのような既知のデマンドレスポンスシステムは、一般に、例えば空調装置、電気温水器、洗濯機、プールポンプ等の電力消費デバイスに適用される。既知のデマンドレスポンスプログラムの例には、直接制御プログラム、ピーク制料金(critical peak pricing)プログラム、および時間帯別料金(time−of−use)プログラムが含まれる。公益事業者がデマンドレスポンスプログラムを開始および/または実施することは、デマンドレスポンスイベントとして知られている。デマンドレスポンスイベントは、公益事業者がその顧客に複数の信号を送信することにより開始される。例えば、家庭内スマートデバイスおよび/またはスマートサーモスタットなど、公益事業者が該建造物内部のエネルギー消費機械の使用を直接制御することを可能にする建造物内部のデバイスに公益事業者が信号を送信すると、直接負荷制御プログラムを表すデマンドレスポンスイベントが開始される。ピーク需要時間に公共事業者がその顧客に料金信号を送信すると、ピーク制料金プログラムを表すデマンドレスポンスイベントが発生する。料金信号により公共事業者は、ピーク需要時間帯にエネルギー価格が上昇したことを顧客に知らせることができ、その結果、顧客は、そのようなピーク需要時間帯のエネルギー消費を制限することができる。公共事業者が顧客に時間範囲に対応するエネルギー価格を表す信号を送信すると、時間帯別料金プログラムを表すデマンドレスポンスイベントが発生し、その結果、顧客は、エネルギーを消費するのに最適な時刻および/または曜日を特定し、低いエネルギー価格を確保することができる。
【0004】
電気エネルギーと同様に、水の需要がしばしば水道事業者から使用可能な水の供給を超過または圧迫する。特に渇水時および/または高気温時には、消費者の水使用を低減することがしばしば望ましい。より具体的には、水が顧客により使用される時間をずらすことが望ましい可能性がある。多くの自治体、都市等が、水を節約するために水の使用を制限する法律および/または規則を有する。具体的には、灌漑用水の使用、例えば芝への水やりが、ある時刻および/またはある曜日に制限されることが多い。さらに、場合によっては、そのような鑑賞用灌漑のための水の使用が、完全に禁止されることがある。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、灌漑システムを制御する方法が、通信インターフェース経由で、公益事業者からの制御信号を受信するステップを含む。本方法はまた、灌漑システムの動作を該制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するステップを含む。
【0006】
別の態様では、灌漑システムを制御する灌漑コントローラが開示されている。灌漑コントローラは、公益事業会社から信号を受信する通信インターフェースと、前記通信インターフェースと通信可能に結合されているプロセッサとを含む。プロセッサは、通信インターフェース経由で、公益事業者からの制御信号を受信し、灌漑システムの動作を該制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するようにプログラムされている。
【0007】
さらに別の態様では、ホームオートメーションシステムが提供されている。ホームオートメーションシステムは、灌漑システムと、灌漑システムの動作を制御するように結合されている灌漑コントローラとを含む。灌漑コントローラは、公益事業会社から信号を受信する通信インターフェースと、前記通信インターフェースと通信可能に結合されているプロセッサとを含む。プロセッサは、通信インターフェース経由で、公益事業者からの制御信号を受信し、灌漑システムの動作を該制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するようにプログラムされている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】例示的デマンドレスポンスシステムのブロック図である。
【図2】図1に示されているデマンドレスポンスシステムと共に使用され得る例示的コンピュータデバイスのブロック図である。
【図3】図1に示されているデマンドレスポンスシステムにおいて使用するための例示的灌漑システムのブロック図である。
【図4】灌漑システムを制御する例示的方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載されている例示的なシステムおよび方法は、デマンドレスポンス信号に対して応答性の灌漑システムを実現することにより、既知のエネルギーデマンドレスポンスシステムの少なくともいくつかの既知の欠点および水の使用制限を克服する。さらに具体的には、本明細書に記載されているいくつかの実施形態では、灌漑システムを制御する灌漑コントローラが提供されている。灌漑コントローラは、公益事業者から信号を受信する通信インターフェースと、該通信インターフェースと通信可能に結合されているプロセッサとを含む。プロセッサは、通信インターフェース経由で、公益事業者からの制御信号を受信し、灌漑システムの動作を該制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するようにプログラムされている。
【0010】
本明細書に記載されている方法および装置の技術的効果には、(a)公益事業会社からの信号を受信するステップ、および(b)灌漑システムの動作を該制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するステップの少なくとも1つが含まれる。
【0011】
図1は、例示的デマンドレスポンスシステム100を示す。本例示的実施形態では、デマンドレスポンスシステム100は、公益事業者102により制御されるように結合されている。公益事業者102は、発電システム104とコンピュータデバイス106とを含む。コンピュータデバイス106は、公益事業者102が顧客と通信することを可能にし、発電システム104は、電気ネットワーク108経由で、顧客に電力を供給する。発電システム104は、例えばガスタービンエンジン、水力発電タービン、風力タービン、1つまたは複数のソーラパネル、および/または別の適切な生成システムにより駆動される発電機を含むことができる。他の実施形態では、発電システム104は、コンピュータデバイス106とは異なる位置にあってもよく、かつ/またはコンピュータデバイス106は、公共事業者102内に配置されていなくてもよく、公共事業者102の外部にあってもよい。
【0012】
本例示的実施形態では、コンピュータデバイス106は複数の建造物110に通信可能に結合されており、該複数の建造物は、複数の顧客により占有されていてもよい。本明細書に用いられる場合、用語「結合する」は構成要素間の直接の機械的接続、電気的接続、および/または通信接続に限定されないだけでなく、複数の個性要素の間接的な機械的接続、電気的接続および/または通信接続を含むことに留意されたい。
【0013】
発電システム104は、電気ネットワーク108を介して建造物110に結合されており、建造物110に電力を供給する。さらに具体的には、本例示的実施形態では、各建造物は、発電システム104により供給される電力を使用する灌漑システム112を含む。建造物110は、他の電力消費デバイス114を含むことができる。電力消費デバイス114は、例えば電気温水器、空調装置、プールポンプ等を含む、電力を消費する任意のタイプのデバイスであってもよい。
【0014】
本例示的実施形態では、電気ネットワーク108は、単線結線図に示されている。しかし、電気ネットワーク108は、複数の位相の電力を送る複数の電線を含むことができ、建造物110は、異なる位相の電力に接続されていてもよい。さらに、電気ネットワーク108は、例えば変圧器、変電所、開閉器、ノード等を含む付加的要素を含むことができる。
【0015】
コンピュータデバイス106は、コンピュータデバイス106がユーザ通知デバイス116と通信することを可能にする電気ネットワーク118を介して、各建造物110内にある少なくとも1つのユーザ通知デバイス116に結合されている。ネットワーク118は、私的ネットワーク、公衆網、インターネット等を含むことができる。本例示的実施形態では、ユーザ通知デバイス116は、コンピュータ、携帯電話、ならびに/またはスマートボックスおよび/もしくはスマートサーモスタットを含むスマートデバイスであってもよい。あるいは、ユーザ通知デバイス116は、コンピュータデバイス106と通信するように構成されている任意の他のデバイスであってもよい。さらに、本例示的実施形態では、ユーザ通知デバイス116は、ホームオートメーションシステムであってもよい。ユーザ通知デバイス116は、公益事業者102の顧客などのユーザから少なくとも1つの入力を受け取るユーザインターフェース120を含む。他の例示的実施形態では、ユーザ通知デバイス116は、ユーザインターフェース120を含まなくてもよい。本例示的実施形態では、ユーザインターフェース120は、例えば、ユーザが関連情報を入力することを可能にするキーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラスペン、タッチパネル(例えば、タッチパッドまたはタッチスクリーン)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器、および/または音声入力インターフェース(例えば、マイクロホンを含む)を含むことができる。
【0016】
さらに、本例示的実施形態では、ユーザ通知デバイス116は、デマンドレスポンスプログラムおよび/もしくは公益事業者102から受信されるデマンドレスポンスイベントに関する情報、入力イベント、ならびに/または検証結果などの情報をユーザに提示するプレゼンテーションインターフェース122を含む。本例示的実施形態では、プレゼンテーションインターフェース122は、少なくとも1つのディスプレイデバイス(図示せず)に結合されているディスプレイアダプタ(図示せず)を含む。さらに具体的には、本例示的実施形態では、ディスプレイデバイスは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、および/または「電子インク」ディスプレイなどの視覚的ディスプレイデバイスである。あるいは、プレゼンテーションインターフェース122は、音声出力デバイス(例えば、音声アダプタおよび/もしくはスピーカ)ならびに/またはプリンタを含むことができる。他の実施形態では、ユーザ通知デバイス116は、プレゼンテーションインターフェース122を含まなくてもよい。
【0017】
コンピュータデバイス106が、有線ネットワーク接続(例えば、イーサネット(登録商標)、インターネット、光ファイバ、電力線通信)、無線周波数(RF)(例えば、FMラジオおよび/もしくはデジタル音声放送)、電気電子技術者協会(IEEE(登録商標))802.11規格(例えば、802.11(g)もしくは802.11(n))、IEEE(登録商標)802.15.4規格、ワイマックス(WIMAX(登録商標))規格、携帯電話技術(例えば、GSM:Global Standard for Mobile Communication(GSMは登録商標))、衛星通信リンクなどの無線通信手段、ならびに/あるいは任意の他の適切な通信手段を用いて、ユーザ通知デバイス116と通信することができる。さらに具体的には、本例示的実施形態では、ユーザ通知デバイス116は、少なくとも1つのデマンドレスポンスイベントを表す、コンピュータデバイス106からの少なくとも1つの信号を受信するように構成されている。本例示的実施形態では、デマンドレスポンスイベントは、直接負荷制御プログラム、ピーク制料金プログラム、および/または時間帯別料金プログラムを含むことができるデマンドレスポンスプログラムの実施を開始する。
【0018】
本例示的実施形態では、公益事業者102はまた、コンピュータデバイス106に結合されているデータ管理システム124を含む。データ管理システム124は、限定されないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、または他のウェブベースの接続可能な機器などのネットワーク118にアクセスすることができる任意のデバイスであってもよい。さらに具体的には、本例示的実施形態では、データ管理システム124は、公益事業者102の各顧客に関する顧客データを含むデータベース126を含む。本例示的実施形態では、顧客データは、少なくとも1つのデマンドレスポンスプログラムに加入している各顧客の加入期間および/または加入状況を含むことができる。例えば、データは、加入に当たり少なくとも1つのデマンドレスポンスプログラムに関して各顧客が行った選択を含むことができる。顧客データはまた、各顧客の関与履歴を含むことができる。関与履歴は、例えば、各顧客が以前に関与したデマンドレスポンスイベントを含むことができる。顧客データはまた、各顧客が居住する地理的領域などの、各顧客の地理的領域を含むことができる。顧客データは、各顧客により使用されている電力の位相を含むことができる。顧客データは、各顧客が商業顧客か家庭顧客かなどのどんな種類の顧客か指示してもよい。顧客データは、例えば電気温水器、空調装置、プールポンプ、灌漑システム112等を含む、各顧客により使用されている電力消費デバイスのタイプを指示してもよい。
【0019】
データ管理システム124は、公益事業者102のオペレータおよび/または従業員などのユーザからの少なくとも1つの入力を受け取るユーザインターフェース128を含む。本例示的実施形態では、データ管理システムのユーザインターフェース128は、例えば、ユーザが関連情報を入力することを可能にするキーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラスペン、タッチパネル(例えば、タッチパッドまたはタッチスクリーン)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器、および/または音声入力インターフェース(例えば、マイクロホンを含む)を含むことができる。
【0020】
データ管理システム124は、有線ネットワーク接続(例えば、イーサネット(登録商標)もしくは光ファイバ)、無線周波数(RF)(例えばFMラジオおよび/もしくはデジタル音声放送)、電気電子技術者協会(IEEE(登録商標))802.11規格(例えば、802.11(g)もしくは802.11(n))、ワイマックス(WIMAX(登録商標))規格、携帯電話技術(例えば、GSM:Global Standard for Mobile Communication(GSMは登録商標))、衛星通信リンクなどの無線通信手段、ならびに/あるいは任意の他の適切な通信手段を用いて、コンピュータデバイス106と通信することができる。さらに具体的には、本例示的実施形態では、データ管理システム124は、コンピュータデバイス106に顧客データを送信する。本例示的実施形態では、顧客データはデータ管理システム124内のデータベース126内に格納されているように示されているが、顧客データは別のシステムおよび/またはデバイス内に格納されてもよいことに留意されたい。例えば、コンピュータデバイス106は、その中に顧客データを格納してもよい。
【0021】
本例示的実施形態では、システム100は、先端メータリングインフラストラクチャ(AMI:advanced metering infrastructure)サブシステム130を含む。AMIサブシステム130は、ゲートウェイ132とリピータ134とAMIメータ136とを含む。リピータ134は、データを繰り返すかまたは中継して、例えばコンピュータデバイス106、ゲートウェイ132、AMIメータ136、ユーザ通知デバイス116等のデバイス間でデータを転送する。AMIメータ136は、AMIメータ136に結合されている1つまたは複数の負荷(例えば電力消費デバイス114、灌漑システム112等)により受け取られたかつ/またはそれに供給された電気量を測定しかつ/または検出する。メータ136は、ネットワーク118および/またはAMIサブシステム130内の他のデバイスまたはシステムへ、電気測定データなどのデータを送信し、かつ/またはそれらからデータを受信する。
【0022】
本例示的実施形態では、システム100は、水道事業者138を含む。水道事業者138は、建造物110に水を供給するように結合されている。さらに具体的には、水道事業者138は、送水管140経由で、灌漑システム112に水を供給する。
【0023】
図2は、コンピュータデバイス106のブロック図である。本例示的実施形態では、コンピュータデバイス106は、(図1に示されている)公益事業者102の従業員などユーザから少なくとも1つの入力を受け取るユーザインターフェース204を含む。本例示的実施形態では、ユーザインターフェース204は、ユーザが関連情報を入力することを可能にするキーボード206を含む。あるいは、ユーザインターフェース204は、例えば、ポインティングデバイス、マウス、スタイラスペン、タッチパネル(例えば、タッチパッドもしくはタッチスクリーン)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器、および/または音声入力インターフェース(例えば、マイクロホンを含む)を含むことができる。
【0024】
さらに、本例示的実施形態では、コンピュータデバイス106は、ユーザに対して入力イベントおよび/または検証結果などの情報を提示するプレゼンテーションインターフェース207を含む。本例示的実施形態では、プレゼンテーションインターフェース207は、少なくとも1つのディスプレイデバイス210に結合されているディスプレイアダプタ208を含む。さらに具体的には、本例示的実施形態では、ディスプレイデバイス210は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、および/または「電子インク」ディスプレイなどの視覚的ディスプレイデバイスである。あるいは、プレゼンテーションインターフェース207は、音声出力デバイス(例えば、音声アダプタおよび/もしくはスピーカ)ならびに/またはプリンタを含むことができる。
【0025】
コンピュータデバイス106はまた、プロセッサ214とメモリデバイス218とを含む。本例示的実施形態では、プロセッサ214は、システムバス220経由で、ユーザインターフェース204と、プレゼンテーションインターフェース207と、メモリデバイス218とに結合されている。本例示的実施形態では、プロセッサ214は、プレゼンテーションインターフェース207経由でユーザに促すことおよび/またはユーザインターフェース204経由でユーザ入力を受け取ることによるなど、ユーザと通信する。さらに、本例示的実施形態では、プロセッサ214は、1つまたは複数の実行可能な命令を用いてかつメモリデバイス218内に実行可能な命令を供給して、あるオペレーションを符号化することによりプログラムされている。
【0026】
用語「プロセッサ」は、全般的に、システムおよびマイクロコントローラと、縮小命令セット回路(RISC)と、特定用途向け集積回路(ASIC)と、プログラマブル論理回路(PLC)と、本明細書に記載されている機能を実行することができる任意の他の回路またはプロセッサとを含む、任意のプログラム可能なシステムを指す。上記例は例示的なものに過ぎず、したがって、用語「プロセッサ」の定義および/または意味をいかなる形でも限定するものではない。
【0027】
本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、実行可能な命令および/または他のデータなどの情報が格納され、取り出されることを可能にする1つまたは複数のデバイスを含む。さらに、本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、ソリッドステートディスク、および/またはハードディスクなどの1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含むが、それらに限定されない。本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、アプリケーションソースコード、アプリケーションオブジェクトコード、構成データ、付加的入力イベント、アプリケーション状態、アサーションステートメント、検証結果、および/または任意の他の種類のデータを格納するが、それらに限定されない。さらに具体的には、本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、ユーザインターフェース204経由でユーザから受け取られた入力データ、および/または(図1に示されている)デマンドレスポンスシステム100の他のコンポーネントから受信された情報を格納する。
【0028】
コンピュータデバイス106はまた、本例示的実施形態では、システムバス220経由で、プロセッサ214に結合されている通信インターフェース230を含む。さらに、本例示的実施形態では、(図1に示されている)ネットワーク118を介して、通信インターフェース230がユーザ通知デバイス116に通信可能に結合されている。本例示的実施形態では、通信インターフェース230が、ユーザ通知デバイス116、および/またはシステム100内の他のコンポーネントと通信する。
【0029】
図3は、灌漑システム112のブロック図である。灌漑システム112は、源泉301と、ポンプ302と、送水管303と、弁304と、灌漑構成要素306、308および310と、灌漑コントローラ312とを含む。灌漑システム112は、送水管140経由で、水道事業者138から水を受け取るように結合されている。本例示的実施形態では、ポンプ302は、源泉301から水を受け取るように結合されている。本例示的実施形態では、ポンプ302は、源泉301から受け取った水を灌漑構成要素306〜310へポンプで圧送するのに使用される電気モータ駆動型の送水ポンプである。他の実施形態では、さらにまたはあるいは、ポンプ302は、公益事業者138から受け取った水を灌漑構成要素306〜310へポンプで圧送するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、灌漑システムは、公益事業者138から水を受け取らなくてもよく、源泉301およびポンプ302を含むだけでもよい。さらに他の実施形態では、灌漑システム112は、もっぱら公益事業者138から水を受け取るように結合されていてもよく、源泉301および/またはポンプ302を含まなくてもよい。
【0030】
灌漑コントローラ312は、灌漑システム112の動作を制御する。さらに具体的には、灌漑コントローラ312は、ポンプ302および/または弁304の動作を制御して、灌漑構成要素306〜310への水の送達を制御する。灌漑構成要素306〜310は、例えばスプリンクラ、注入器、噴霧器等を含むことができる。本例示的実施形態では、弁304は電子制御型の送水弁である。灌漑コントローラ312は、有線または無線の通信リンク320経由で、弁304に結合されており、したがって、灌漑コントローラ312が弁304を作動させて、該送水弁を通る水流を選択的に可能にするかまたは制限することを可能にする。灌漑コントローラ312は、スタンドアロンのコントローラであってもよく、別のコントローラの一部であってもよく、またはスタンドアロンのコントローラと別のコントローラの一部との組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、灌漑コントローラ312は、通知デバイス116の一部である。灌漑コントローラは、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せで実施されてもよい。本例示的実施形態では、灌漑コントローラ312は、プロセッサ314と、メモリデバイス316と、通信インターフェースとを含む。メモリデバイスは、動作パラメータ、スケジュール、アルゴリズム等を格納する。本例示的実施形態では、メモリデバイスは、灌漑システム112の動作の定められたスケジュールを格納する。
【0031】
本例示的実施形態では、灌漑コントローラ312は、通信インターフェース318経由で、公益事業者102により送信された制御信号を受信するように結合されている。いくつかの実施形態では、公益事業者により送信される制御信号は、デマンドレスポンス制御信号であってもよい。プロセッサ314は、灌漑システムの動作を受信した制御信号に基づくものにするか否かを判定する。灌漑システムの動作をその制御信号に基づくものにするか否かの判定は、多数の要因に基づくことができる。例えば、デマンドレスポンス信号は、強制制御信号または自主制御信号である可能性がある。
【0032】
強制制御信号は、灌漑コントローラに、該制御信号に指示された通りに動作するよう要求することができる。これは、水使用制限の強制機構として特に有用となり得る。そのような例では、気温が一定の温度を超えた場合、または週の一定の曜日等に、現地法、規則等で特定の時間の間、灌漑システムの使用を禁止または制限することができる。このように、制御信号は、適用法、規則等に従うために、灌漑コントローラ312に灌漑システム112を動作させないように命令してもよい。あるいは、またはさらに、灌漑システム112を動作させることが許容される場合、制御信号は灌漑コントローラに命令してもよい。強制制御信号は、許可信号(灌漑システムは今動作してもよい)、禁止信号(灌漑システムは今は動作してはならない)、または記述信号(descriptive signal)(灌漑システムは以下の時間に使用されてもよい)であってもよい。したがって、プロセッサ314は、受信した制御信号を無視し既存の動作スケジュールに従って動作すること、既存の動作スケジュールではなく制御信号に指示された通りに動作すること、受信した制御信号に従って既存の動作スケジュールを修正すること、または前述の動作の任意の組合せ、を決定してもよい。
【0033】
自主制御信号は、例えば、デマンドレスポンスイベント信号を含むことができる。そのような自主制御信号は、デマンドレスポンスイベントの発生を示すことができる。顧客が加入している単数または複数のプログラム、および顧客により設定された関与パラメータに応じて、灌漑コントローラ312は、そのデマンドレスポンスイベントに関与するか否か、および制御信号に従って動作するか否かを判定することができる。例えば、デマンドレスポンス制御信号は、電力価格を示してもよく、灌漑コントローラ312は、電力が一定の価格を超えた場合、灌漑システム112を動作させないようにプログラムされていてもよい。
【0034】
いくつかの例では、灌漑コントローラ312は、定められたパラメータにかなう強制信号または自主信号どちらかの、従うべき制御信号を受信してもよいが、既存の動作スケジュールは、受信した制御信号に従って動作するように修正されなくてもよい(すなわち、既存の動作スケジュールは制御信号と矛盾しない)可能性がある。そのような状況では、たとえ灌漑コントローラ112が既存の動作スケジュールを変えなくても、該灌漑コントローラは、制御信号に少なくとも部分的に基づいて動作していると見なされる可能性がある。
【0035】
図4は、灌漑システム、例えば(図1および図3に示されている)灌漑システム112、を制御する例示的方法400の流れ図である。本例示的実施形態では、公益事業者、例えば(図1に示されている)公益事業者102、からの制御信号が受信される402。該制御信号は、(図3に示されている)通信インターフェース318などの通信インターフェース経由で受信される402。方法400は、灌漑システムの動作を該制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するステップ404を含む。
【0036】
本明細書に記載されている方法および装置は、顧客による電気エネルギー使用および/または水使用の低減を促進する。本明細書に記載されている方法および装置は、灌漑システムが電気エネルギーデマンドレスポンスプログラムに加入することを可能にし得る。本明細書に記載されている方法および装置はまた、灌漑システムが動作してもよい場合、水道事業者または他の公益事業者もしくは規制当局が灌漑システムに直接命令することを可能にすることにより、水使用制限の強制を可能にし得る。さらに、本明細書に記載されている方法および装置は、デマンドレスポンス制御信号に応答性の灌漑システムおよび灌漑コントローラを実現することにより、水道事業者に基づくデマンドレスポンスプログラムを可能にするように促進し得る。
【0037】
方法、システムおよび装置の例示的実施形態が、本明細書に詳細に記載されかつ/または例示されている。本方法、システムおよび装置は、本明細書に記載されている特定の実施形態に限定されないが、むしろ、各システムの構成要素、および各方法のステップは、本明細書に記載されている他の構成要素およびステップから独立して、それらとは別個に利用されてもよい。また、各構成要素、および各方法ステップは、他の構成要素および/または方法ステップと組み合わせて使用することができる。
【0038】
本発明の種々の実施形態の特定の特徴がいくつかの図面に示されており、他の図面に示されていない場合があるが、これは便宜上のことに過ぎない。本発明の原理に従って、ある図面の任意の特徴が、任意の他の図面の任意の特徴との組合せで言及されかつ/または特許請求される可能性がある。
【0039】
情報および信号は、種々の異なる技術および技法のいずれかを用いて表されてもよい(例えばデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、符号、およびチップが、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子、またはそれらの任意の組合せにより表されてもよい)ことを、当業者なら理解するであろう。同様に、本明細書に記載されている種々の例示的論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、用途および機能性に応じて、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施されてもよい。さらに、本明細書に記載されている種々の論理ブロック、モジュール、および回路が、汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、従来プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械またはコンピュータデバイスの組合せ)、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェアコンポーネント、または本明細書に記載されている機能を実施するように設計されているそれらの任意の組合せを用いて、実施され(be implemented or performed)てもよい。同様に、本明細書に記載されている方法またはプロセス(method or process)のステップは、直接、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュール、またはその2つの組合せにおいて実施されてもよい。ソフトウェアモジュールが、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当該技術分野で既知の記憶媒体の任意の他の形で常駐していてもよい。本開示の好適な実施形態を詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲において定められている本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の修正をそこに施すことができることを、当業者なら理解するであろう。
【0040】
本明細書に記載されているものなどのコントローラ、コンピュータ、またはコンピュータデバイスが、少なくとも1つのプロセッサまたは処理ユニットと、システムメモリとを含む。コントローラは、通常、少なくとも1つの何らかの形のコンピュータ可読媒体を有する。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体と通信媒体とを含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術において実施される、揮発性および非揮発性媒体、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体が含まれる。通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波などの変調されたデータ信号または他の移送機構の形で実施し、任意の情報配信媒体を含む。当業者は変調されたデータ信号に精通しており、該変調されたデータ信号は、情報をその信号内で符号化するようにその特性の1つまたは複数が設定または変更されている。上記のいずれかの組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0041】
本開示の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスにより実行されるプログラムコンポーネントまたはモジュールなどの、コンピュータ実行可能命令の一般的状況において記載されている可能性がある。本開示の態様が、任意の数および構成のコンポーネントまたはモジュールで実施されてもよい。例えば、本開示の態様は、本明細書に例示され記載されている特定のコンピュータ実行可能命令または特定のコンポーネントもしくはモジュールに限定されない。本開示の代替的実施形態が、本明細書に例示され記載されているものより多くのもしくはより少ない機能性を有する、様々なコンピュータ実行可能命令またはコンポーネントを含むことができる。
【0042】
本明細書に記載されているかつ/または例示されている方法、システム、および装置の要素/構成要素/等を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、要素(複数可)/構成要素(複数可)/等の1つまたは複数が存在することを意味するものとする。用語「comprising(備える、含む)」、「including(含む)」および「having(有する)」は包括的であり、列挙された要素(複数可)/構成要素(複数可)/等の他に、付加的な要素(複数可)/構成要素(複数可)/等が存在し得ることを意味するものとする。
【0043】
本書は、例を使用し、最良の形態を含めて本発明を開示し、また、任意のデバイスまたはシステムを作製することおよび使用することならびに任意の援用された方法を実施することを含めて、当業者が誰でも本発明を実践することを可能にしている。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲により定められており、当業者に思い付く他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言と僅かしか異ならない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内に入るものとする。
【符号の説明】
【0044】
100 デマンドレスポンスシステム
102、138 公益事業者
104 発電システム
106 コンピュータデバイス
108 電気ネットワーク
110 建造物
112 灌漑システム
114 電力消費デバイス
116 ユーザ通知デバイス
118 ネットワーク
120、128、204 ユーザインターフェース
122、207 プレゼンテーションインターフェース
124 データ管理システム
126 データベース
130 AMIサブシステム
132 ゲートウェイ
134 リピータ
136 AMIメータ
140、303 送水管
206 キーボード
208 ディスプレイアダプタ
210 ディスプレイデバイス
214、314 プロセッサ
218、316 メモリデバイス
220 システムバス
230、318 通信インターフェース
301 源泉
302 ポンプ
304 弁
306、308、310 灌漑構成要素
312 灌漑コントローラ
320 通信リンク
400 方法
402 制御信号が受信される(ステップ)
404 判定するステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灌漑システム(112)を制御する方法(400)であって、
通信インターフェース(318)経由で、公益事業者(102)からの制御信号を受信するステップと、
前記灌漑システム(112)の動作を前記制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記判定するステップが、前記制御信号が強制制御信号であるかどうかを判定することを含む、請求項1記載の方法(400)。
【請求項3】
前記制御信号が前記強制制御信号である場合、前記制御信号に少なくとも部分的に基づいて前記灌漑システム(112)を動作させるステップをさらに含む、請求項2記載の方法(400)。
【請求項4】
前記判定するステップが、前記灌漑システム(112)の既存の動作スケジュールが前記制御信号と矛盾しているかどうかを判定することを含む、請求項1記載の方法(400)。
【請求項5】
公益事業者からの制御信号を受信する前記ステップが、
ある時間帯に前記灌漑システム(112)の動作を禁止する強制制御信号、
ある時間帯に前記灌漑システム(112)の動作を可能にする強制制御信号、および
公益事業者価格データを含む自主制御信号
のうちの1つである、前記公益事業者(102)からの前記制御信号を受信することを含む、請求項1記載の方法(400)。
【請求項6】
灌漑システム(112)を制御するのに使用するための灌漑コントローラ(312)であって、
公益事業会社(102)から信号を受信する通信インターフェース(318)と、
前記通信インターフェース(318)と通信可能に結合されているプロセッサ(314)と
を含み、前記プロセッサ(314)が、
前記通信インターフェース(318)経由で、前記公益事業者(102)からの制御信号を受信し、
前記灌漑システム(112)の動作を前記制御信号に少なくとも部分的に基づくものにするか否かを判定する
ようにプログラムされている、灌漑コントローラ(312)。
【請求項7】
前記プロセッサ(314)が、前記制御信号が強制制御信号であるかどうかを判定するようにプログラムされている、請求項6記載の灌漑コントローラ(312)。
【請求項8】
前記プロセッサ(314)が、前記制御信号が前記強制制御信号である場合、前記制御信号に少なくとも部分的に基づいて前記灌漑システム(112)を動作させるようにさらにプログラムされている、請求項7記載の灌漑コントローラ(312)。
【請求項9】
前記灌漑システム(112)の動作スケジュールを格納するメモリデバイス(316)をさらに含み、前記プロセッサ(314)が、前記灌漑システム(112)の前記動作スケジュールが前記制御信号と矛盾しているかどうかを判定するようにプログラムされている、請求項6記載の灌漑コントローラ(312)。
【請求項10】
前記制御信号は、
ある時間帯に前記灌漑システム(112)の動作を禁止する強制制御信号、
ある時間帯に前記灌漑システム(112)の動作を可能にする強制制御信号、
前記灌漑システム(112)が動作してもよい場合の特定を含む記述制御信号、および
公益事業者価格データを含む自主制御信号
のうちの1つである、請求項6記載の灌漑コントローラ(312)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−69271(P2013−69271A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−185066(P2012−185066)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)