火災報知設備
【課題】各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を同一の信号線で収集する
こと。
【解決手段】信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示することを特徴とする。
こと。
【解決手段】信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災報知設備に関する。
【背景技術】
【0002】
信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、信号線とは別の映像線を介して、複数のカメラ端末と火災受信機とを接続し、各カメラ端末が撮影した画像を火災受信機で表示して、火災発生状況を火災受信機で確認できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−296836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の火災報知設備では、信号線とは別の映像線を配設する必要があり、施工が煩雑であった。また、映像線を不要として、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を同一の信号線で収集することが考えられるが、その場合、各カメラ端末の画像情報を収集する結果、各火災感知器の状態情報の収集が疎かになるという問題があってはならない。
【0005】
この発明は、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を同一の信号線で収集すること、さらに、その場合に、各火災感知器の状態情報の収集が疎かにならないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示することを特徴とする。
【0007】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器および各カメラ端末と前記火災受信機との間で、信号伝送が行われるR型の火災報知設備であり、前記火災受信機は、各火災感知器の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリングを行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリングを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行うことを特徴とする。
【0008】
また、前記カメラ情報収集ポーリングは、1つのカメラ端末の画像情報を収集するポーリングであり、前記火災受信機は、通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、各カメラ端末のいずれか1つを循環的に指定することによって、各カメラ端末の画像情報を収集し、火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末を指定することによって、前記火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集することを特徴とする。
【0009】
また、カメラ情報収集ポーリングは、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を収集する画像情報返送用フレームを有することを特徴とする。
【0010】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器が火災を検出したときにスイッチング動作を行って、火災信号を出力するP型の火災報知設備であり、前記信号線上には、各カメラ端末の画像情報が交流成分の画像信号として送出され、前記火災受信機が、前記火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集することを特徴とする。
【0011】
また、前記火災報知設備は、前記信号線に、前記複数のカメラ端末以外のオプション機器が前記火災受信機と通信可能に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示するものであり、これにより、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を同一の信号線で収集することができる。
【0013】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器および各カメラ端末と前記火災受信機との間で、信号伝送が行われるR型の火災報知設備であり、前記火災受信機は、各火災感知器の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリングを行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリングを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行うことを特徴とするものであり、これにより、R型の火災報知設備において、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を、効率的に収集することができる。
【0014】
また、前記カメラ情報収集ポーリングは、1つのカメラ端末の画像情報を収集するポーリングであり、前記火災受信機は、通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、各カメラ端末のいずれか1つを循環的に指定することによって、各カメラ端末の画像情報を収集し、火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末を指定することによって、前記火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集するものであるので、各火災感知器の状態情報の収集が疎かにならないようしながらも各カメラ端末の画像情報を収集できる。そして火災時は、火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集し、表示することができる。
【0015】
また、カメラ情報収集ポーリングは、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を収集する画像情報返送用フレームを有するものであるので、各火災感知器の状態情報の収集が疎かにならないようしながらも各カメラ端末の画像情報を収集することができる。そして、通常時は1枚の画像情報を収集して静止画像を表示でき、火災時は複数枚の画像情報を収集して連続画像を表示することができて、火災の発生状況を確認しやすい。
【0016】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器が火災を検出したときにスイッチング動作を行って、火災信号を出力するP型の火災報知設備であり、前記信号線上には、各カメラ端末の画像情報が交流成分の画像信号として送出され、前記火災受信機が、前記火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集するものであるので、P型の火災報知設備において、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を、効率的に収集することができる。
【0017】
前記火災報知設備は、前記信号線に、前記複数のカメラ端末以外のオプション機器が前記火災受信機と通信可能に接続されているので、他のオプション機器を前記火災受信機に接続するための配線を別途設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の第1の実施の形態における火災報知設備を示すブロック図。
【図2】この発明の第1の実施の形態における火災感知器を示すブロック図。
【図3】この発明の第1の実施の形態におけるカメラ端末を示すブロック図。
【図4】この発明の第1の実施の形態における伝送フォーマットの一例を示す図。
【図5】この発明の第1の実施の形態におけるPP伝送フレームの一例を示す図。
【図6】この発明の第1の実施の形態における火災受信機の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の第1の実施の形態における火災感知器の動作を示すフローチャートである。
【図8】この発明の第1の実施の形態におけるカメラ端末の動作を示すフローチャートである。
【図9】オプション機器が信号線に接続された火災報知設備の変形例を示すブロック図である。
【図10】マイク装置の構成を示すブロック図である。
【図11】スピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
[第1の実施の形態]
図1はこの発明の第1の実施の形態における火災報知設備のブロック図である。図1において、1は火災受信機であって、記憶装置11a、演算部11bおよびROM11cを含むCPU11と、伝送部12と、インターフェイス13と、表示部14と、操作部15とを有する。21〜2nは火災受信機1に信号線L1を介して接続された固有のアドレスを有する複数の火災感知器である。31〜3nは火災受信機1に信号線L1を介して接続された固有のアドレスを有する複数のカメラ端末である。各カメラ端末31〜3nは、各火災感知器21〜2nの感知器監視区域を撮影するために、各火災感知器21〜2nに対応して、それぞれ設けられている。この実施の形態において、火災報知設備は、各火災感知器2および各カメラ端末3と火災受信機1との間で信号伝送が行われるR型の火災報知設備である。また、カメラ端末31〜3nは、火災受信機1と通信を行う火災感知器21〜2n以外の機器であるオプション機器の一例である。本実施の形態では、火災受信機1との通信のための信号線L1が、火災感知器21〜2nとカメラ端末31〜3nとに共通して用いられる。なお、信号線Lを介して火災受信機1と接続される機器を、総称して端末機器ともいう。
【0020】
火災受信機1のROM11cには、各火災感知器21〜2nと各カメラ端末31〜3nとの感知器−カメラ対応テーブルが記憶されている。火災受信機1は、信号線L1を介して、複数の火災感知器2および複数のカメラ端末3を監視制御して、各火災感知器2の状態情報および各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示するものである。
図2はこの発明の第1の実施の形態における火災感知器を示すブロック図である。図2において、21は火災を検出する火災検出部、22は自己アドレスを格納している自己アドレス格納手段としてのアドレス部、23は演算処理を行うCPUである。CPU23は演算を行う演算部23a、伝送アドレスと自己アドレスを比較するアドレス確認手段としてのアドレス比較部23b、RAM23cおよびROM23dを有する。
【0021】
24は火災受信機1からの情報を受信し、CPU23へ供給する信号受信手段としての受信部、25はCPU23からの情報(一例として、状態情報)を火災受信機1へ送出する信号送信手段としての送信部、27は発光手段としての例えばLED、28はLED27を点灯させるLED駆動部、29は主にCPU23に安定な電圧を供給する定電圧部である。なお、LED27は、火災表示灯として、火災検出時にLED駆動部28により点灯される。
【0022】
T1、T2は火災受信機1に信号線L1を介して接続されている外部端子であって、外部端子T1(+側)は内部の定電圧部29に接続され、外部端子T2(−側)は各回路のグランド側に接続されている。
【0023】
図3は、この発明の第1の実施の形態におけるカメラ端末を示すブロック図である。図3において、31は感知器監視区域を撮影するカメラ部、32は自己アドレスを格納している自己アドレス格納手段としてのアドレス部、33は演算処理を行うCPUである。CPU33は演算を行う演算部33a、伝送アドレスと自己アドレスを比較するアドレス確認手段としてのアドレス比較部33b、カメラ部31が撮影した感知器監視区域の画像情報などを一時的に格納するRAM33cおよびROM33dを有する。なお、画像情報は、RAM33cに限らず、その他のメモリに記憶するようにしてもよい。その場合に、フラッシュメモリなどにして、着脱可能に構成してもよい。
【0024】
34は火災受信機1からの情報を受信し、CPU33へ供給する信号受信手段としての受信部、35はCPU33からの情報(一例として、画像情報)を火災受信機1へ送出する信号送信手段としての送信部、39は主にCPU33に安定な電圧を供給する定電圧部である。
【0025】
T3、T4は火災受信機1に信号線L1を介して接続されている外部端子であって、外部端子T3(+側)は内部の定電圧部39に接続され、外部端子T4(−側)は各回路のグランド側に接続されている。
【0026】
ここで、本実施の形態で用いられる伝送フォーマットについて図4および図5を参照して説明する。本伝送システムはシステムポーリング(以下、SPと称する)、ポイントポーリング(以下、PPと称する)、セレクティング(以下、SLと称する)の3種類からなる。PPは、感知器情報収集ポーリングとしてのアナログポイントポーリング(以下、APPと称する)と、カメラ情報収集ポーリングとしてのカメラポイントポーリング(以下、KPPと称する)の2種類となる。なお、SPは、火災受信機1が複数の端末機器に対して所定の制御命令を送信し、複数の端末機器を制御するものであり、SPにより送信される制御命令には、例えば、火災感知器の火災復旧命令や地区音響装置(警報ベルや後述するスピーカ装置など)の停止命令等がある。また、SLは、個別の端末機器に対してアドレスを指定して所定の制御命令を送信し、その端末機器を制御したり、また、個々に端末機器から状態情報等を収集する動作であり、SLにより送信される制御命令には、例えば、端末機器としての防排煙機器や地区音響装置の起動命令や状態情報収集命令等がある。
【0027】
火災受信機1は、火災感知器2の状態情報およびカメラ端末3の画像情報の返送要求を行うが、通常は火災感知器2およびカメラ端末3に対して、例えば図4に示すような順序で、PPのみを実施している。また、各SLおよび各SPは、必要に応じてPPの間に実施される。
【0028】
ここで、PPについて説明する。まず、APPについて説明する。火災感知器2は個々にアドレスとクラスタを持っている。例えば、図1の火災感知器のアドレス21〜2nが1〜16の場合には、これらのアドレスを1〜4、5〜8、9〜12および13〜16と4つの組にグループ化し、これらにクラスタ1、2、3および4がそれぞれ対応するようになされている。このクラスタ単位に火災感知器2の状態情報の返送要求を行い、状態情報を収集するのがAPPである。尚、各火災感知器2のクラスタは、例えば、各火災感知器2のアドレス部22にアドレスと共に格納されてよい。
【0029】
そして、火災受信機1は、火災感知器2に対して例えば図4に示すような順序で、クラスタ単位でAPPを実施し、クラスタ単位に火災感知器2の状態情報の返送要求を行う。火災感知器2は火災受信機1からの送信信号即ち返送要求信号(APP)を受信して解析し、返送要求信号によって指定されるクラスタとアドレス部22に格納されたクラスタとが一致した場合に、図5に示すようなPP伝送フレーム(APP)で、アドレスで決められた位置即ちPP伝送フレーム(APP)内の各自の該当する返送フレームにおいて返送データを火災受信機1に送る。
【0030】
つぎに、KPPについて説明する。火災受信機1は、カメラ端末3に対して例えば図4に示すような順序で、アドレス単位で、1台のカメラ端末3に対して、KPPを実施し、アドレス単位で、1台のカメラ端末3に対して、カメラ端末3の画像情報の返送要求を行う。このアドレス単位にカメラ端末3の1台毎に画像情報の返送要求を行い、画像情報を収集するのがKPPである。カメラ端末3は火災受信機1からの送信信号即ち返送要求信号(KPP)を受信して解析し、返送要求信号によって指定されるアドレスとアドレス部32に格納されたアドレスとが一致した場合に、図5に示すようなPP伝送フレーム(KPP)の画像情報返送用フレームにおいて返送データを火災受信機1に送る。尚、伝送フレームの割り当てによる信号の伝送は、時間領域の多重化による伝送の一例である。
【0031】
上記のようなAPPおよびKPPを用い、火災受信機1は、各火災感知器2の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリング(APPクラスタ1からAPPクラスタ4まで)を行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末3の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリング(KPP)を行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行う。ここで、カメラ情報収集ポーリング(KPP)は、1つのカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングであり、APPのように複数のカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングではないため、KPP用の伝送フレームの長さが大きくならず、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならない。
【0032】
ここで、KPPは、通常時と火災時とで、カメラ端末3の画像情報の収集方法が相違するので、以下に説明する。まず、火災受信機1は、通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎(つまり、図4に示す例では、APPクラスタ4の後)に、各カメラ端末3のいずれか1つを循環的に指定してKPPを行うことによって、各カメラ端末3の画像情報を収集する。つまり、図1のカメラ端末31〜3nのアドレスが、例えば17〜32の場合には、図4に示す例では、KPP1ではアドレス17、KPP2ではアドレス18、…、KPP16ではアドレス32のカメラ端末3というように、各カメラ端末3のアドレスを循環的に指定して、アドレスを指定したカメラ端末3の画像情報を収集する。これにより、火災受信機1は、通常時は、各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示できる。
【0033】
一方、火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎(つまり、図4に示す例では、APPクラスタ4の後)に、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3を指定してKPPを行うことによって、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の画像情報を継続して収集する。火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の指定は、ROM11c内の、感知器−カメラ対応テーブルに基づいて決定される。これにより、火災受信機1は、火災時は、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の画像情報を継続して収集し、表示部14に表示することができる。
【0034】
また、図4の画像情報返送用フレームは、通常時は1枚の画像情報を返送できる長さであり、火災時は複数枚の画像情報を返送できる長さである。そして、カメラ端末3は、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を返送する。これにより、火災受信機1は、通常時は一度のKPPで1枚の画像情報を収集して静止画像を表示部14に表示でき、火災時は一度のKPPで複数枚の画像情報を収集して、動画のような連続画像を表示部14に表示することができて、火災の発生状況を確認しやすい。
【0035】
次に、動作について図6〜図8を参照して説明する。まず、火災受信機1の動作について説明する。図6は、火災受信機1の動作を示すフローチャートである。まず、電源投入時にCPU11が起動され、イニシャル処理がなされ火災受信機1は動作状態になる(ステップS1)。この動作状態でCPU11は送受信の準備等を行う(ステップS2)。この期間中、信号線L1に電源供給され、各火災感知器2およびカメラ端末3も起動して同時に作動準備を行う。この作業終了後、CPU11は、信号伝送により、図4に示すように、PPを循環的に実施する動作を継続する(ステップS3)。PPにおいて、火災受信機1は、各火災感知器2から収集した状態情報に基づいて火災を判別し、火災を判別した場合は、火災を感知した火災感知器2のアドレスとともに火災が発生した旨を示す画像を表示部14に表示する(火災表示)。火災表示は、火災を感知した火災感知器2の位置を所定のシンボルで示す地図情報(フロアマップ)を含むものであってよい。また、上記で図4を用いて説明した通りに、通常時は、各カメラ端末3の静止画像が定期的に更新されて表示部14に表示される。そして、火災時は、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の連続画像が継続して表示部14に表示される。
【0036】
図7は、火災感知器2の動作を示すフローチャートである。まず、電源投入時に火災受信機1より火災感知器2に電源が供給されてCPU23がリセットされ(イニシャル処理)、動作状態になる(ステップS11)。この動作状態でCPU23はポートの設定や送受信の準備等を行う(ステップS12)。この作業終了後、CPU23は火災受信機1からの信号の受信待ち状態となる(ステップS23)。
【0037】
この受信待ち状態で、火災受信機1から信号を受信すると、その受信信号がAPPの返送要求信号であるか否かを判別し、APPの返送要求信号でなければステップS13に戻って受信待ち状態に入り、APPの返送要求信号であればステップS15に進む(ステップS14)。ステップS15で受信データ内のクラスタが自己のクラスタと一致しているか否かを判別する。つまり、実質的にその受信アドレス部分に該当するクラスタと自己アドレスに基づく自己のクラスタをアドレス比較部23bで比較する(ステップS15)。
【0038】
そして、クラスタが一致してなければステップS13に戻って受信待ち状態になり、また、クラスタが一致したときには、返信タイミング待ちとなる(ステップS16)。そして、ステップS16において、返送タイミングがくると、送信部25へ返送データを送り、送信部25から火災受信機1へ返送データを送信する。(ステップS17)。
【0039】
図8は、カメラ端末3の動作を示すフローチャートである。まず、電源投入時に火災受信機1よりカメラ端末3に電源が供給されてCPU33がリセットされ(イニシャル処理)、動作状態になる(ステップS21)。この動作状態でCPU33はポートの設定や送受信の準備等を行う(ステップS22)。この作業終了後、CPU33は火災受信機1からの信号の受信待ち状態となる(ステップS23)。
【0040】
この受信待ち状態で、火災受信機1から信号を受信すると、その受信信号がKPPの返送要求信号であるか否かを判別し、KPPの返送要求信号でなければステップS23に戻って受信待ち状態に入り、KPPの返送要求信号であればステップS25に進む(ステップS24)。ステップS25では、受信信号に含まれるアドレスと自己アドレスとをアドレス比較部33bで比較する(ステップS25)。そして、アドレスが一致してなければステップS23に戻って受信待ち状態になり、また、アドレスが一致したときには、送信部35へ返送データを送り、送信部35から火災受信機1へ返送データを送信する。(ステップS26)。
【0041】
前記第1の実施の形態において、APPは、各火災感知器21〜2nの状態情報を収集する感知器状態情報収集ポーリングであるものとして説明したが、各カメラ端末31〜3nの状態情報も収集するポーリング、すなわち、各端末機器21〜2n、31〜3nの状態情報を収集する端末機器状態情報収集ポーリングとしてもよく、これにより、火災受信機1がカメラ端末3の状態監視を行えるので、火災時にカメラ端末3が作動しないということがなくなる。
【0042】
また、前記第1の実施の形態において、KPPは、画像情報返送用フレームの長さを、火災時は複数枚の画像情報を収集できる長さとするものとして説明したが、表示部14に連続画像を表示できればよく、画像情報を収集するカメラ端末3を固定して連続収集することもあり、1枚の画像情報を収集できる長さであってもよい。また、上記とは逆に、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならないようであれば、画像情報返送用フレームの長さを、通常時も、複数枚の画像情報を収集できる長さとするものとしてもよい。
【0043】
また、前記第1の実施の形態において、各火災感知器2の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリング(APPクラスタ1からAPPクラスタ4まで)を行い、該感知器情報収集ポーリング後に、KPPを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行うものとして説明したが、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならないようであれば、KPPの頻度を増加させてもよく、例えばAPPクラスタ間にKPPを行うようにしてもよい。
【0044】
また、前記第1の実施の形態において、KPPは、1つのカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングであるものとして説明したが、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならないようであれば、APPと同様に、複数のカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングとすることもできる。
【0045】
[第2の実施形態]
以下に、第2の実施の形態について説明するが、第1の実施の形態との相違点は、火災報知設備が、各火災感知器2が火災を検出したときにスイッチング動作を行って火災信号を出力するP型の火災報知設備であることである。
【0046】
そのため、火災感知器2は、図2の構成に追加して、外部端子T1、T2間にスイッチング回路が設けられる。スイッチング回路は、火災を検出したときにスイッチング動作を行って火災信号を出力する回路であり、スイッチング動作により、信号線L1を略短絡させて電圧レベルを低下させて火災信号を出力する。このように、火災であるか否かの状態情報は、信号線L1の直流成分の電圧レベル(信号成分)により、火災受信機1に出力される。
【0047】
一方、火災受信機1は、図1の構成に追加して、信号線L1に接続される火災信号受信回路が設けられる。火災信号受信回路は、火災感知器2のスイッチング回路のスイッチング動作に基づく信号線L1の直流電圧レベルの低下を検出して、火災信号を受信する。
【0048】
そして、各カメラ端末3は、送信部35において、画像情報を交流成分の画像信号として送出する。火災受信機1は、伝送部12において、交流成分の画像信号を受信することで、画像情報を収集する。なお、交流成分の画像信号は、火災受信機1の火災信号受信回路におけるスイッチングのレベル判別に邪魔にならない程度の幅(電圧レベルの幅)で送出すればよく、アナログ信号、パルスを作って信号伝送するデジタル信号のいずれであってもよい。
【0049】
そして、動作フローとしては、火災受信機1は、通常時は、各カメラ端末3を循環的に指定して、定期的に画像送出命令を送出し、これを対応するカメラ端末3が受信して、信号線L1上に、画像情報を交流成分の画像信号として送出する。そして、火災受信機1は、各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示する。
【0050】
一方、火災信号受信回路によって火災信号を検出したら、APPの様なポーリングにより、火災感知器2を順に特定する感知器特定ポーリングを行って各火災感知器2の状態情報を取得し、火災を検出した火災感知器2のアドレスを特定し、特定した火災感知器2のアドレスとともに火災が発生した旨を示す画像を表示部14に表示する(火災表示)。その後、火災受信機1は、特定したアドレスの火災感知器2に対応するカメラ端末3を指定して、画像送出命令を送出し、これを対応するカメラ端末3が受信して、信号線L1上に、画像情報を交流成分の画像信号として送出する。そして、火災受信機1は、当該カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示する。このように、火災受信機1が、火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器2の状態情報および各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示することができる。
【0051】
なお、火災受信機1は、通常時は、各火災感知器2に対して、APPのような点検ポーリングを定期的に実施して、各火災感知器2の点検情報(火災感知器2が正常であるか否かの情報)を収集して、表示部14に表示する。点検ポーリングは、各カメラ端末3に対しても実施してよいが、通常時に各カメラ端末3から画像情報を収集することもあり、不要とすることができる。
【0052】
前記第2の実施の形態において、火災感知器2が直流成分の火災信号を出力し、これと区別できるようにするために、カメラ端末3が画像情報を交流成分の画像信号として出力するものとして説明したが、火災受信機1が火災感知器2の状態情報(火災信号)とカメラ端末3の画像情報(画像信号)とを区別できればよく、その他の様々な形態も、本実施の形態の発明に含まれる。
【0053】
前記全ての実施の形態において、各カメラ端末31〜3nは、各火災感知器21〜2nの感知器監視区域を撮影するために、各火災感知器21〜2nに対応して、それぞれ設けられているものとして説明したが、対応関係がとれていれば、1対1で対応している必要はない。例えば、1つのカメラ端末3と複数の火災感知器2とで対応させてもよく、その場合、感知器―カメラ対応テーブルとして、火災感知器2毎にカメラ端末3の仰角および俯角の設定データを記憶するなどして、火災時に、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3を旋回させるようにしてもよい。
【0054】
また、前記全ての実施の形態において、各カメラ端末31〜3nと各火災感知器21〜2nとは別体であるものとして説明したが、一体であってもよい。
【0055】
また、上記実施の形態において、カメラ端末31〜3nの代わりに、または、それらに加えて、マイクロフォン装置(以下、マイク装置と言う)、スピーカ装置などの他のオプション機器を、火災感知器21〜2nと火災受信機1とを結ぶ信号線L1に接続してもよい。
【0056】
図9は、オプション機器が信号線L1に接続された火災報知設備の変形例を示すブロック図である。図9に示した火災報知設備では、カメラ端末31〜3nに加えて、マイク装置41〜4i及びスピーカ装置51〜5jが、火災感知器21〜2nと火災受信機1とを結ぶ信号線L1に接続されている点が、図1に示した火災報知設備と異なる。以下の説明において、個々のマイク装置またはスピーカ装置を区別する必要がない場合、まとめてマイク装置4またはスピーカ装置5と言う。マイク装置4は、火災報知設備の監視対象の施設(例えば、老人ホームや工場など)の様々な場所に設置され、火災発生が検知されたとき、周囲の音を収音して電気信号(音信号と言う)に変換し、火災受信機1に伝送する。火災受信機1では、各マイク装置4から送信されてきた音信号に基づいて、公知の技術を用いて、逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を例えば表示部14に表示する。スピーカ装置5は、施設内の適所に配置され、火災が感知されたときに、火災受信機1からの指令に応じて警報音や警報メッセージを出力する。
【0057】
図10は、マイク装置4の構成を示すブロック図である。図10に示すように、マイク装置4は、CPU41、アドレス部42、通信部44、マイク45、及びA/Dコンバータ46を有し、これら各部はバス47を介して通信可能に接続されている。
【0058】
CPU41は、演算部、ROM及びRAMを備え、演算部が、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、マイク装置4の各部を制御し、マイク装置4の様々な機能を実現する。アドレス部42は、火災感知器2のアドレス部22と同様に、マイク装置4のアドレスを設定するものであり、各マイク装置4毎に個々のアドレスが設定される。設定されたアドレスは各マイク装置4を識別する情報として用いることができる。通信部44は、信号線L1を介して、火災受信機1と各種信号の送受信を行う。マイク45は、マイク装置4の周囲の音をアナログの電気信号(音信号と言う)に変換する。A/Dコンバータ46は、マイク45から出力されたアナログの音信号をデジタルの音信号に変換する。
【0059】
図11は、スピーカ装置5の構成を示すブロック図である。図11に示すように、スピーカ装置5は、CPU51、アドレス部52、通信部54、スピーカ55、及びD/Aコンバータ56を有し、これら各部はバス57を介して通信可能に接続されている。
【0060】
CPU51は、演算部、ROM及びRAMを備え、演算部が、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、スピーカ装置5の各部を制御し、スピーカ装置5の様々な機能を実現する。アドレス設定部52は、スピーカ装置5のアドレスを設定するものである。通信部54は、信号線L1を介して、火災受信機1と各種信号の送受信を行う。D/Aコンバータ56は、CPU51のROMに記憶された警報音データまたは警報メッセージデータをアナログの音信号に変換し、スピーカ55に供給する。スピーカ55は、D/Aコンバータ56から供給されるアナログ音信号に応じた音を出力する。
【0061】
図10に示した火災報知設備において、火災受信機1とマイク装置4との間の信号の送受信は、例えば、火災発生時、図4に示した伝送フォーマットにおいて、各KPPの後に、マイク装置4に対し音信号の火災受信機1への送信を要求するマイクポイントポーリング(MPP)を行う(即ち、音信号返送用フレームを設ける)ことにより行ってよい。MPPも、KPPと同様に、1サイクル毎に各マイク装置4の一つを循環的に指定して行われる。マイク装置4の指定は、MPPにおいて火災受信機1から送信される音信号返送要求に指定するマイク装置4のアドレスを含ませることによりなされる。各マイク装置4は音信号返送要求に含まれるアドレスとアドレス部42に格納された自信のアドレスが一致するか判定し、一致した場合に、火災受信機1に音信号を返送する。これにより、各マイク装置4が収音した音を表す音信号は、順次火災受信機1に送信される。そして、火災受信機1は、各マイク装置4から送信されてきた音信号に基づいて、たとえば音信号に人の音声を示す信号が含まれているか判別することで、逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を例えば表示部14に表示する。マイク装置4から送信されてきた音信号に基づく逃げ遅れた人がいるかの判定は、他の公知の技術を用いて行ってもよい。尚、各マイク装置5は、収音した音を表す音信号を火災受信機1に送信した後、次の火災受信機1への送信タイミングがくるまで、収音した音を表す音信号を例えばRAMや他のハードディスク等の記憶装置(図示せず)に格納してよい。
【0062】
また、火災発生時における火災受信機1からスピーカ装置5への警報出力の指令は、例えば、図4に示した伝送フォーマットにおける適当なPP間に送信されるものとしてよい。一例として、火災受信機1は、システムポーリング(SP)により、全てのスピーカ装置5に対して警報出力の指令を送信する。火災受信機1から警報出力の指令を受信したスピーカ装置5は、例えば、ROMに格納された警報音データまたは警報メッセージデータに基づいて、警報音または警報メッセージを音として出力する。これにより、監視対象の施設に対して、全館鳴動がなされる。なお、警報音は例えばベル音でよく、警報メッセージは例えば「火災が発生しました。至急避難して下さい」といった内容のものであってよい。
【0063】
更に、スピーカ装置5の用途は警報音や警報メッセージの生成に限定されず、施設内の放送(館内放送)に用いてもよい。例えば、火災受信機1にマイク装置を設け、所定のスイッチ(業務放送スイッチ)の操作に応じてマイク装置を信号線L1に接続可能とし、マイク装置が信号線L1に接続された状態でマイク装置に向かって発せられた音声をマイク装置で収音し、収音した音声を表す音声信号を信号線L1を介してスピーカ装置5に送り、対応する音声をスピーカ装置5から出力してもよい。また、地域防災システムからの地震警報、津波警報、避難警報や、全国瞬時警報システム(通称:J-ALERT)からの警報等の緊急警報を受信する受信機装置(図示せず)を火災受信機1に接続し、受信した緊急警報を火災受信機1経由でスピーカ装置5に送り、出力(館内放送)するようにしてもよい。これらの音声出力先としては、例えば、システムポーリング(SP)により、火災受信機1が全てのスピーカ装置5を指定する。尚、緊急警報に基づく館内放送を行っている際に、火災が感知された場合は、緊急警報に基づく館内放送を優先し、放送終了後に、火災警報を行ってよい。業務放送中に火災が感知された場合は、直ちに業務放送を中断して(即ち、火災受信機1に設けたマイク装置からスピーカ装置5への信号を遮断して)、火災警報動作を行ってよい。
【0064】
また、火災発生時に、火災受信機1の管理人と監視対象の施設内の避難者との間とで通話ができる構成としてもよい。その場合の構成として、例えば、火災受信機1には、マイク装置の他にスピーカ装置を設け、また、火災受信機1のROM11cには、感知器−カメラ対応テーブルの他に、マイク装置41〜4iとスピーカ装置51〜5jとの対応を示すマイク装置−スピーカ装置対応テーブルを記憶する。尚、マイク装置41〜4iとスピーカ装置51〜5jとの対応は必ずしも一体一でなくてもよく、例えば、複数のマイク装置に一つのスピーカ装置が対応していてもよい。
【0065】
そして、火災時において、火災受信機1は、感知器−カメラ対応テーブルに基づいて、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3を指定してKPPを行うことによって、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の画像情報を継続して収集して、表示部14に表示する。また、火災受信機1は、マイクポイントポーリング(MPP)により、各マイク装置4から送信されてきた音信号に基づいて、逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を例えば表示部14に表示する。
このとき、逃げ遅れた人がいる場合は、火災受信機1は、逃げ遅れた人がいると判定された音信号を出力したマイク装置4を特定するとともに、マイク装置−スピーカ装置対応テーブルに基づいて、逃げ遅れた人がいると判定された音信号を出力したマイク装置4に対応するスピーカ装置5を特定する。火災受信機1は、自身のマイク装置により収音された音を表す音信号を特定されたスピーカ装置5へと送信し、特定されたマイク装置2から受信した音を表す音信号を自身のスピーカ装置で音に変換して出力する。これにより、火災受信機1のマイク装置、スピーカ装置と、指定されたマイク装置4、スピーカ装置5との間で、信号線L1を介して通話路が形成され、火災受信機1の近傍の管理人と特定されたマイク装置4及びスピーカ装置5の近傍の避難者との間の通話が可能となる。尚、火災検知時に、特定されたスピーカ装置5が火災受信機1からの警報出力指令に基づいて警報音等の出力をしている場合、火災受信機1は、自身のマイク装置により収音された音を表す音信号を当該特定されたスピーカ装置5へと送信する前に、そのスピーカ装置5に警報出力停止指令を送って、警報出力を停止させるとよい。
【0066】
または、火災受信機1のROM11cに、各火災感知器21〜2nとマイク装置41〜4iとの対応を示す感知器−マイク装置対応テーブル、及び、各火災感知器21〜2nとスピーカ装置51〜5jとの対応を示す感知器−スピーカ装置対応テーブルを記憶し、火災時に、火災受信機1は、感知器−マイク装置対応テーブル及び感知器−スピーカ装置対応テーブルに基づいて、火災を検出した火災感知器2に対応したマイク装置4と、それに対応するスピーカ装置5とを特定するようにしてもよい。この場合も火災受信機1は、上述したのと同様に、火災受信機1のマイク装置、スピーカ装置と、特定されたマイク装置4、スピーカ装置5との間で、信号線L1を介して通話路を形成して、管理人と避難者との間で通話が可能となるようにしてもよい。
【0067】
このように、マイク装置4やスピーカ装置5を、火災感知器2と火災受信機1とを結ぶ信号線L1に接続することで、マイク装置4やスピーカ装置5を火災受信機1と接続するための配線を別途設ける場合と比べて、配線の手間が軽減される。また、スピーカ装置5を放送にも用いることにより、別途放送用のスピーカを設ける必要がなくなる。
なお、本変形例は、実施の形態に限定されず、例えば、各火災感知器21〜2nとカメラ端末31〜3nとマイク装置41〜4iとスピーカ装置51〜5jとに関して、必要なものを一体とするなども含めて、前記全ての実施の形態と同様に、様々な様態とすることができる。
【0068】
また、上記実施形態及び変形例において、信号線L1を介して伝送される信号はデジタル信号とし、割り当てられた伝送フレームで伝送されるものとしたが、時間領域の多重化による伝送として、時分割多重化による伝送やパケット通信(統計多重化による伝送)を用いてもよい。また、時間領域での多重化以外の多重化方式を採用してもよい。例えば、これら信号をアナログ信号とし周波数分割などにより多重化して伝送されるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…火災受信機、2…火災感知器、3…カメラ端末、4…マイク装置、5…スピーカ装置、11…CPU、11a…記憶装置、11b…演算部、11c…ROM、12…伝送部、13…インターフェイス、14…表示部、21…火災検出部、22…アドレス部、23…CPU、23a…演算部、23b…アドレス比較部、23c…RAM、23d…ROM、24…受信部、25…送信部、27…LED、28…LED駆動部、29…定電圧部、31…カメラ部、32…アドレス部、33a…演算部、33b…アドレス比較部、33c…RAM、33d…ROM、34…受信部、35…送信部、39…定電圧部、41…CPU、42…アドレス部、44…通信部、45…マイク、46…A/Dコンバータ、47…バス、51…CPU、52…アドレス部、54…通信部、55…スピーカ、56…D/Aコンバータ、57…バス、L1…信号線
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災報知設備に関する。
【背景技術】
【0002】
信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、信号線とは別の映像線を介して、複数のカメラ端末と火災受信機とを接続し、各カメラ端末が撮影した画像を火災受信機で表示して、火災発生状況を火災受信機で確認できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−296836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の火災報知設備では、信号線とは別の映像線を配設する必要があり、施工が煩雑であった。また、映像線を不要として、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を同一の信号線で収集することが考えられるが、その場合、各カメラ端末の画像情報を収集する結果、各火災感知器の状態情報の収集が疎かになるという問題があってはならない。
【0005】
この発明は、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を同一の信号線で収集すること、さらに、その場合に、各火災感知器の状態情報の収集が疎かにならないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示することを特徴とする。
【0007】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器および各カメラ端末と前記火災受信機との間で、信号伝送が行われるR型の火災報知設備であり、前記火災受信機は、各火災感知器の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリングを行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリングを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行うことを特徴とする。
【0008】
また、前記カメラ情報収集ポーリングは、1つのカメラ端末の画像情報を収集するポーリングであり、前記火災受信機は、通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、各カメラ端末のいずれか1つを循環的に指定することによって、各カメラ端末の画像情報を収集し、火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末を指定することによって、前記火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集することを特徴とする。
【0009】
また、カメラ情報収集ポーリングは、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を収集する画像情報返送用フレームを有することを特徴とする。
【0010】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器が火災を検出したときにスイッチング動作を行って、火災信号を出力するP型の火災報知設備であり、前記信号線上には、各カメラ端末の画像情報が交流成分の画像信号として送出され、前記火災受信機が、前記火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集することを特徴とする。
【0011】
また、前記火災報知設備は、前記信号線に、前記複数のカメラ端末以外のオプション機器が前記火災受信機と通信可能に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示するものであり、これにより、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を同一の信号線で収集することができる。
【0013】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器および各カメラ端末と前記火災受信機との間で、信号伝送が行われるR型の火災報知設備であり、前記火災受信機は、各火災感知器の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリングを行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリングを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行うことを特徴とするものであり、これにより、R型の火災報知設備において、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を、効率的に収集することができる。
【0014】
また、前記カメラ情報収集ポーリングは、1つのカメラ端末の画像情報を収集するポーリングであり、前記火災受信機は、通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、各カメラ端末のいずれか1つを循環的に指定することによって、各カメラ端末の画像情報を収集し、火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末を指定することによって、前記火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集するものであるので、各火災感知器の状態情報の収集が疎かにならないようしながらも各カメラ端末の画像情報を収集できる。そして火災時は、火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集し、表示することができる。
【0015】
また、カメラ情報収集ポーリングは、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を収集する画像情報返送用フレームを有するものであるので、各火災感知器の状態情報の収集が疎かにならないようしながらも各カメラ端末の画像情報を収集することができる。そして、通常時は1枚の画像情報を収集して静止画像を表示でき、火災時は複数枚の画像情報を収集して連続画像を表示することができて、火災の発生状況を確認しやすい。
【0016】
また、前記火災報知設備は、各火災感知器が火災を検出したときにスイッチング動作を行って、火災信号を出力するP型の火災報知設備であり、前記信号線上には、各カメラ端末の画像情報が交流成分の画像信号として送出され、前記火災受信機が、前記火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集するものであるので、P型の火災報知設備において、各火災感知器の状態情報と各カメラ端末の画像情報を、効率的に収集することができる。
【0017】
前記火災報知設備は、前記信号線に、前記複数のカメラ端末以外のオプション機器が前記火災受信機と通信可能に接続されているので、他のオプション機器を前記火災受信機に接続するための配線を別途設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の第1の実施の形態における火災報知設備を示すブロック図。
【図2】この発明の第1の実施の形態における火災感知器を示すブロック図。
【図3】この発明の第1の実施の形態におけるカメラ端末を示すブロック図。
【図4】この発明の第1の実施の形態における伝送フォーマットの一例を示す図。
【図5】この発明の第1の実施の形態におけるPP伝送フレームの一例を示す図。
【図6】この発明の第1の実施の形態における火災受信機の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の第1の実施の形態における火災感知器の動作を示すフローチャートである。
【図8】この発明の第1の実施の形態におけるカメラ端末の動作を示すフローチャートである。
【図9】オプション機器が信号線に接続された火災報知設備の変形例を示すブロック図である。
【図10】マイク装置の構成を示すブロック図である。
【図11】スピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
[第1の実施の形態]
図1はこの発明の第1の実施の形態における火災報知設備のブロック図である。図1において、1は火災受信機であって、記憶装置11a、演算部11bおよびROM11cを含むCPU11と、伝送部12と、インターフェイス13と、表示部14と、操作部15とを有する。21〜2nは火災受信機1に信号線L1を介して接続された固有のアドレスを有する複数の火災感知器である。31〜3nは火災受信機1に信号線L1を介して接続された固有のアドレスを有する複数のカメラ端末である。各カメラ端末31〜3nは、各火災感知器21〜2nの感知器監視区域を撮影するために、各火災感知器21〜2nに対応して、それぞれ設けられている。この実施の形態において、火災報知設備は、各火災感知器2および各カメラ端末3と火災受信機1との間で信号伝送が行われるR型の火災報知設備である。また、カメラ端末31〜3nは、火災受信機1と通信を行う火災感知器21〜2n以外の機器であるオプション機器の一例である。本実施の形態では、火災受信機1との通信のための信号線L1が、火災感知器21〜2nとカメラ端末31〜3nとに共通して用いられる。なお、信号線Lを介して火災受信機1と接続される機器を、総称して端末機器ともいう。
【0020】
火災受信機1のROM11cには、各火災感知器21〜2nと各カメラ端末31〜3nとの感知器−カメラ対応テーブルが記憶されている。火災受信機1は、信号線L1を介して、複数の火災感知器2および複数のカメラ端末3を監視制御して、各火災感知器2の状態情報および各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示するものである。
図2はこの発明の第1の実施の形態における火災感知器を示すブロック図である。図2において、21は火災を検出する火災検出部、22は自己アドレスを格納している自己アドレス格納手段としてのアドレス部、23は演算処理を行うCPUである。CPU23は演算を行う演算部23a、伝送アドレスと自己アドレスを比較するアドレス確認手段としてのアドレス比較部23b、RAM23cおよびROM23dを有する。
【0021】
24は火災受信機1からの情報を受信し、CPU23へ供給する信号受信手段としての受信部、25はCPU23からの情報(一例として、状態情報)を火災受信機1へ送出する信号送信手段としての送信部、27は発光手段としての例えばLED、28はLED27を点灯させるLED駆動部、29は主にCPU23に安定な電圧を供給する定電圧部である。なお、LED27は、火災表示灯として、火災検出時にLED駆動部28により点灯される。
【0022】
T1、T2は火災受信機1に信号線L1を介して接続されている外部端子であって、外部端子T1(+側)は内部の定電圧部29に接続され、外部端子T2(−側)は各回路のグランド側に接続されている。
【0023】
図3は、この発明の第1の実施の形態におけるカメラ端末を示すブロック図である。図3において、31は感知器監視区域を撮影するカメラ部、32は自己アドレスを格納している自己アドレス格納手段としてのアドレス部、33は演算処理を行うCPUである。CPU33は演算を行う演算部33a、伝送アドレスと自己アドレスを比較するアドレス確認手段としてのアドレス比較部33b、カメラ部31が撮影した感知器監視区域の画像情報などを一時的に格納するRAM33cおよびROM33dを有する。なお、画像情報は、RAM33cに限らず、その他のメモリに記憶するようにしてもよい。その場合に、フラッシュメモリなどにして、着脱可能に構成してもよい。
【0024】
34は火災受信機1からの情報を受信し、CPU33へ供給する信号受信手段としての受信部、35はCPU33からの情報(一例として、画像情報)を火災受信機1へ送出する信号送信手段としての送信部、39は主にCPU33に安定な電圧を供給する定電圧部である。
【0025】
T3、T4は火災受信機1に信号線L1を介して接続されている外部端子であって、外部端子T3(+側)は内部の定電圧部39に接続され、外部端子T4(−側)は各回路のグランド側に接続されている。
【0026】
ここで、本実施の形態で用いられる伝送フォーマットについて図4および図5を参照して説明する。本伝送システムはシステムポーリング(以下、SPと称する)、ポイントポーリング(以下、PPと称する)、セレクティング(以下、SLと称する)の3種類からなる。PPは、感知器情報収集ポーリングとしてのアナログポイントポーリング(以下、APPと称する)と、カメラ情報収集ポーリングとしてのカメラポイントポーリング(以下、KPPと称する)の2種類となる。なお、SPは、火災受信機1が複数の端末機器に対して所定の制御命令を送信し、複数の端末機器を制御するものであり、SPにより送信される制御命令には、例えば、火災感知器の火災復旧命令や地区音響装置(警報ベルや後述するスピーカ装置など)の停止命令等がある。また、SLは、個別の端末機器に対してアドレスを指定して所定の制御命令を送信し、その端末機器を制御したり、また、個々に端末機器から状態情報等を収集する動作であり、SLにより送信される制御命令には、例えば、端末機器としての防排煙機器や地区音響装置の起動命令や状態情報収集命令等がある。
【0027】
火災受信機1は、火災感知器2の状態情報およびカメラ端末3の画像情報の返送要求を行うが、通常は火災感知器2およびカメラ端末3に対して、例えば図4に示すような順序で、PPのみを実施している。また、各SLおよび各SPは、必要に応じてPPの間に実施される。
【0028】
ここで、PPについて説明する。まず、APPについて説明する。火災感知器2は個々にアドレスとクラスタを持っている。例えば、図1の火災感知器のアドレス21〜2nが1〜16の場合には、これらのアドレスを1〜4、5〜8、9〜12および13〜16と4つの組にグループ化し、これらにクラスタ1、2、3および4がそれぞれ対応するようになされている。このクラスタ単位に火災感知器2の状態情報の返送要求を行い、状態情報を収集するのがAPPである。尚、各火災感知器2のクラスタは、例えば、各火災感知器2のアドレス部22にアドレスと共に格納されてよい。
【0029】
そして、火災受信機1は、火災感知器2に対して例えば図4に示すような順序で、クラスタ単位でAPPを実施し、クラスタ単位に火災感知器2の状態情報の返送要求を行う。火災感知器2は火災受信機1からの送信信号即ち返送要求信号(APP)を受信して解析し、返送要求信号によって指定されるクラスタとアドレス部22に格納されたクラスタとが一致した場合に、図5に示すようなPP伝送フレーム(APP)で、アドレスで決められた位置即ちPP伝送フレーム(APP)内の各自の該当する返送フレームにおいて返送データを火災受信機1に送る。
【0030】
つぎに、KPPについて説明する。火災受信機1は、カメラ端末3に対して例えば図4に示すような順序で、アドレス単位で、1台のカメラ端末3に対して、KPPを実施し、アドレス単位で、1台のカメラ端末3に対して、カメラ端末3の画像情報の返送要求を行う。このアドレス単位にカメラ端末3の1台毎に画像情報の返送要求を行い、画像情報を収集するのがKPPである。カメラ端末3は火災受信機1からの送信信号即ち返送要求信号(KPP)を受信して解析し、返送要求信号によって指定されるアドレスとアドレス部32に格納されたアドレスとが一致した場合に、図5に示すようなPP伝送フレーム(KPP)の画像情報返送用フレームにおいて返送データを火災受信機1に送る。尚、伝送フレームの割り当てによる信号の伝送は、時間領域の多重化による伝送の一例である。
【0031】
上記のようなAPPおよびKPPを用い、火災受信機1は、各火災感知器2の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリング(APPクラスタ1からAPPクラスタ4まで)を行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末3の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリング(KPP)を行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行う。ここで、カメラ情報収集ポーリング(KPP)は、1つのカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングであり、APPのように複数のカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングではないため、KPP用の伝送フレームの長さが大きくならず、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならない。
【0032】
ここで、KPPは、通常時と火災時とで、カメラ端末3の画像情報の収集方法が相違するので、以下に説明する。まず、火災受信機1は、通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎(つまり、図4に示す例では、APPクラスタ4の後)に、各カメラ端末3のいずれか1つを循環的に指定してKPPを行うことによって、各カメラ端末3の画像情報を収集する。つまり、図1のカメラ端末31〜3nのアドレスが、例えば17〜32の場合には、図4に示す例では、KPP1ではアドレス17、KPP2ではアドレス18、…、KPP16ではアドレス32のカメラ端末3というように、各カメラ端末3のアドレスを循環的に指定して、アドレスを指定したカメラ端末3の画像情報を収集する。これにより、火災受信機1は、通常時は、各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示できる。
【0033】
一方、火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎(つまり、図4に示す例では、APPクラスタ4の後)に、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3を指定してKPPを行うことによって、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の画像情報を継続して収集する。火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の指定は、ROM11c内の、感知器−カメラ対応テーブルに基づいて決定される。これにより、火災受信機1は、火災時は、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の画像情報を継続して収集し、表示部14に表示することができる。
【0034】
また、図4の画像情報返送用フレームは、通常時は1枚の画像情報を返送できる長さであり、火災時は複数枚の画像情報を返送できる長さである。そして、カメラ端末3は、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を返送する。これにより、火災受信機1は、通常時は一度のKPPで1枚の画像情報を収集して静止画像を表示部14に表示でき、火災時は一度のKPPで複数枚の画像情報を収集して、動画のような連続画像を表示部14に表示することができて、火災の発生状況を確認しやすい。
【0035】
次に、動作について図6〜図8を参照して説明する。まず、火災受信機1の動作について説明する。図6は、火災受信機1の動作を示すフローチャートである。まず、電源投入時にCPU11が起動され、イニシャル処理がなされ火災受信機1は動作状態になる(ステップS1)。この動作状態でCPU11は送受信の準備等を行う(ステップS2)。この期間中、信号線L1に電源供給され、各火災感知器2およびカメラ端末3も起動して同時に作動準備を行う。この作業終了後、CPU11は、信号伝送により、図4に示すように、PPを循環的に実施する動作を継続する(ステップS3)。PPにおいて、火災受信機1は、各火災感知器2から収集した状態情報に基づいて火災を判別し、火災を判別した場合は、火災を感知した火災感知器2のアドレスとともに火災が発生した旨を示す画像を表示部14に表示する(火災表示)。火災表示は、火災を感知した火災感知器2の位置を所定のシンボルで示す地図情報(フロアマップ)を含むものであってよい。また、上記で図4を用いて説明した通りに、通常時は、各カメラ端末3の静止画像が定期的に更新されて表示部14に表示される。そして、火災時は、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の連続画像が継続して表示部14に表示される。
【0036】
図7は、火災感知器2の動作を示すフローチャートである。まず、電源投入時に火災受信機1より火災感知器2に電源が供給されてCPU23がリセットされ(イニシャル処理)、動作状態になる(ステップS11)。この動作状態でCPU23はポートの設定や送受信の準備等を行う(ステップS12)。この作業終了後、CPU23は火災受信機1からの信号の受信待ち状態となる(ステップS23)。
【0037】
この受信待ち状態で、火災受信機1から信号を受信すると、その受信信号がAPPの返送要求信号であるか否かを判別し、APPの返送要求信号でなければステップS13に戻って受信待ち状態に入り、APPの返送要求信号であればステップS15に進む(ステップS14)。ステップS15で受信データ内のクラスタが自己のクラスタと一致しているか否かを判別する。つまり、実質的にその受信アドレス部分に該当するクラスタと自己アドレスに基づく自己のクラスタをアドレス比較部23bで比較する(ステップS15)。
【0038】
そして、クラスタが一致してなければステップS13に戻って受信待ち状態になり、また、クラスタが一致したときには、返信タイミング待ちとなる(ステップS16)。そして、ステップS16において、返送タイミングがくると、送信部25へ返送データを送り、送信部25から火災受信機1へ返送データを送信する。(ステップS17)。
【0039】
図8は、カメラ端末3の動作を示すフローチャートである。まず、電源投入時に火災受信機1よりカメラ端末3に電源が供給されてCPU33がリセットされ(イニシャル処理)、動作状態になる(ステップS21)。この動作状態でCPU33はポートの設定や送受信の準備等を行う(ステップS22)。この作業終了後、CPU33は火災受信機1からの信号の受信待ち状態となる(ステップS23)。
【0040】
この受信待ち状態で、火災受信機1から信号を受信すると、その受信信号がKPPの返送要求信号であるか否かを判別し、KPPの返送要求信号でなければステップS23に戻って受信待ち状態に入り、KPPの返送要求信号であればステップS25に進む(ステップS24)。ステップS25では、受信信号に含まれるアドレスと自己アドレスとをアドレス比較部33bで比較する(ステップS25)。そして、アドレスが一致してなければステップS23に戻って受信待ち状態になり、また、アドレスが一致したときには、送信部35へ返送データを送り、送信部35から火災受信機1へ返送データを送信する。(ステップS26)。
【0041】
前記第1の実施の形態において、APPは、各火災感知器21〜2nの状態情報を収集する感知器状態情報収集ポーリングであるものとして説明したが、各カメラ端末31〜3nの状態情報も収集するポーリング、すなわち、各端末機器21〜2n、31〜3nの状態情報を収集する端末機器状態情報収集ポーリングとしてもよく、これにより、火災受信機1がカメラ端末3の状態監視を行えるので、火災時にカメラ端末3が作動しないということがなくなる。
【0042】
また、前記第1の実施の形態において、KPPは、画像情報返送用フレームの長さを、火災時は複数枚の画像情報を収集できる長さとするものとして説明したが、表示部14に連続画像を表示できればよく、画像情報を収集するカメラ端末3を固定して連続収集することもあり、1枚の画像情報を収集できる長さであってもよい。また、上記とは逆に、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならないようであれば、画像情報返送用フレームの長さを、通常時も、複数枚の画像情報を収集できる長さとするものとしてもよい。
【0043】
また、前記第1の実施の形態において、各火災感知器2の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリング(APPクラスタ1からAPPクラスタ4まで)を行い、該感知器情報収集ポーリング後に、KPPを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行うものとして説明したが、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならないようであれば、KPPの頻度を増加させてもよく、例えばAPPクラスタ間にKPPを行うようにしてもよい。
【0044】
また、前記第1の実施の形態において、KPPは、1つのカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングであるものとして説明したが、各火災感知器2の状態情報の収集が疎かにならないようであれば、APPと同様に、複数のカメラ端末3の画像情報を収集するポーリングとすることもできる。
【0045】
[第2の実施形態]
以下に、第2の実施の形態について説明するが、第1の実施の形態との相違点は、火災報知設備が、各火災感知器2が火災を検出したときにスイッチング動作を行って火災信号を出力するP型の火災報知設備であることである。
【0046】
そのため、火災感知器2は、図2の構成に追加して、外部端子T1、T2間にスイッチング回路が設けられる。スイッチング回路は、火災を検出したときにスイッチング動作を行って火災信号を出力する回路であり、スイッチング動作により、信号線L1を略短絡させて電圧レベルを低下させて火災信号を出力する。このように、火災であるか否かの状態情報は、信号線L1の直流成分の電圧レベル(信号成分)により、火災受信機1に出力される。
【0047】
一方、火災受信機1は、図1の構成に追加して、信号線L1に接続される火災信号受信回路が設けられる。火災信号受信回路は、火災感知器2のスイッチング回路のスイッチング動作に基づく信号線L1の直流電圧レベルの低下を検出して、火災信号を受信する。
【0048】
そして、各カメラ端末3は、送信部35において、画像情報を交流成分の画像信号として送出する。火災受信機1は、伝送部12において、交流成分の画像信号を受信することで、画像情報を収集する。なお、交流成分の画像信号は、火災受信機1の火災信号受信回路におけるスイッチングのレベル判別に邪魔にならない程度の幅(電圧レベルの幅)で送出すればよく、アナログ信号、パルスを作って信号伝送するデジタル信号のいずれであってもよい。
【0049】
そして、動作フローとしては、火災受信機1は、通常時は、各カメラ端末3を循環的に指定して、定期的に画像送出命令を送出し、これを対応するカメラ端末3が受信して、信号線L1上に、画像情報を交流成分の画像信号として送出する。そして、火災受信機1は、各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示する。
【0050】
一方、火災信号受信回路によって火災信号を検出したら、APPの様なポーリングにより、火災感知器2を順に特定する感知器特定ポーリングを行って各火災感知器2の状態情報を取得し、火災を検出した火災感知器2のアドレスを特定し、特定した火災感知器2のアドレスとともに火災が発生した旨を示す画像を表示部14に表示する(火災表示)。その後、火災受信機1は、特定したアドレスの火災感知器2に対応するカメラ端末3を指定して、画像送出命令を送出し、これを対応するカメラ端末3が受信して、信号線L1上に、画像情報を交流成分の画像信号として送出する。そして、火災受信機1は、当該カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示する。このように、火災受信機1が、火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器2の状態情報および各カメラ端末3の画像情報を収集して、表示部14に表示することができる。
【0051】
なお、火災受信機1は、通常時は、各火災感知器2に対して、APPのような点検ポーリングを定期的に実施して、各火災感知器2の点検情報(火災感知器2が正常であるか否かの情報)を収集して、表示部14に表示する。点検ポーリングは、各カメラ端末3に対しても実施してよいが、通常時に各カメラ端末3から画像情報を収集することもあり、不要とすることができる。
【0052】
前記第2の実施の形態において、火災感知器2が直流成分の火災信号を出力し、これと区別できるようにするために、カメラ端末3が画像情報を交流成分の画像信号として出力するものとして説明したが、火災受信機1が火災感知器2の状態情報(火災信号)とカメラ端末3の画像情報(画像信号)とを区別できればよく、その他の様々な形態も、本実施の形態の発明に含まれる。
【0053】
前記全ての実施の形態において、各カメラ端末31〜3nは、各火災感知器21〜2nの感知器監視区域を撮影するために、各火災感知器21〜2nに対応して、それぞれ設けられているものとして説明したが、対応関係がとれていれば、1対1で対応している必要はない。例えば、1つのカメラ端末3と複数の火災感知器2とで対応させてもよく、その場合、感知器―カメラ対応テーブルとして、火災感知器2毎にカメラ端末3の仰角および俯角の設定データを記憶するなどして、火災時に、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3を旋回させるようにしてもよい。
【0054】
また、前記全ての実施の形態において、各カメラ端末31〜3nと各火災感知器21〜2nとは別体であるものとして説明したが、一体であってもよい。
【0055】
また、上記実施の形態において、カメラ端末31〜3nの代わりに、または、それらに加えて、マイクロフォン装置(以下、マイク装置と言う)、スピーカ装置などの他のオプション機器を、火災感知器21〜2nと火災受信機1とを結ぶ信号線L1に接続してもよい。
【0056】
図9は、オプション機器が信号線L1に接続された火災報知設備の変形例を示すブロック図である。図9に示した火災報知設備では、カメラ端末31〜3nに加えて、マイク装置41〜4i及びスピーカ装置51〜5jが、火災感知器21〜2nと火災受信機1とを結ぶ信号線L1に接続されている点が、図1に示した火災報知設備と異なる。以下の説明において、個々のマイク装置またはスピーカ装置を区別する必要がない場合、まとめてマイク装置4またはスピーカ装置5と言う。マイク装置4は、火災報知設備の監視対象の施設(例えば、老人ホームや工場など)の様々な場所に設置され、火災発生が検知されたとき、周囲の音を収音して電気信号(音信号と言う)に変換し、火災受信機1に伝送する。火災受信機1では、各マイク装置4から送信されてきた音信号に基づいて、公知の技術を用いて、逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を例えば表示部14に表示する。スピーカ装置5は、施設内の適所に配置され、火災が感知されたときに、火災受信機1からの指令に応じて警報音や警報メッセージを出力する。
【0057】
図10は、マイク装置4の構成を示すブロック図である。図10に示すように、マイク装置4は、CPU41、アドレス部42、通信部44、マイク45、及びA/Dコンバータ46を有し、これら各部はバス47を介して通信可能に接続されている。
【0058】
CPU41は、演算部、ROM及びRAMを備え、演算部が、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、マイク装置4の各部を制御し、マイク装置4の様々な機能を実現する。アドレス部42は、火災感知器2のアドレス部22と同様に、マイク装置4のアドレスを設定するものであり、各マイク装置4毎に個々のアドレスが設定される。設定されたアドレスは各マイク装置4を識別する情報として用いることができる。通信部44は、信号線L1を介して、火災受信機1と各種信号の送受信を行う。マイク45は、マイク装置4の周囲の音をアナログの電気信号(音信号と言う)に変換する。A/Dコンバータ46は、マイク45から出力されたアナログの音信号をデジタルの音信号に変換する。
【0059】
図11は、スピーカ装置5の構成を示すブロック図である。図11に示すように、スピーカ装置5は、CPU51、アドレス部52、通信部54、スピーカ55、及びD/Aコンバータ56を有し、これら各部はバス57を介して通信可能に接続されている。
【0060】
CPU51は、演算部、ROM及びRAMを備え、演算部が、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、スピーカ装置5の各部を制御し、スピーカ装置5の様々な機能を実現する。アドレス設定部52は、スピーカ装置5のアドレスを設定するものである。通信部54は、信号線L1を介して、火災受信機1と各種信号の送受信を行う。D/Aコンバータ56は、CPU51のROMに記憶された警報音データまたは警報メッセージデータをアナログの音信号に変換し、スピーカ55に供給する。スピーカ55は、D/Aコンバータ56から供給されるアナログ音信号に応じた音を出力する。
【0061】
図10に示した火災報知設備において、火災受信機1とマイク装置4との間の信号の送受信は、例えば、火災発生時、図4に示した伝送フォーマットにおいて、各KPPの後に、マイク装置4に対し音信号の火災受信機1への送信を要求するマイクポイントポーリング(MPP)を行う(即ち、音信号返送用フレームを設ける)ことにより行ってよい。MPPも、KPPと同様に、1サイクル毎に各マイク装置4の一つを循環的に指定して行われる。マイク装置4の指定は、MPPにおいて火災受信機1から送信される音信号返送要求に指定するマイク装置4のアドレスを含ませることによりなされる。各マイク装置4は音信号返送要求に含まれるアドレスとアドレス部42に格納された自信のアドレスが一致するか判定し、一致した場合に、火災受信機1に音信号を返送する。これにより、各マイク装置4が収音した音を表す音信号は、順次火災受信機1に送信される。そして、火災受信機1は、各マイク装置4から送信されてきた音信号に基づいて、たとえば音信号に人の音声を示す信号が含まれているか判別することで、逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を例えば表示部14に表示する。マイク装置4から送信されてきた音信号に基づく逃げ遅れた人がいるかの判定は、他の公知の技術を用いて行ってもよい。尚、各マイク装置5は、収音した音を表す音信号を火災受信機1に送信した後、次の火災受信機1への送信タイミングがくるまで、収音した音を表す音信号を例えばRAMや他のハードディスク等の記憶装置(図示せず)に格納してよい。
【0062】
また、火災発生時における火災受信機1からスピーカ装置5への警報出力の指令は、例えば、図4に示した伝送フォーマットにおける適当なPP間に送信されるものとしてよい。一例として、火災受信機1は、システムポーリング(SP)により、全てのスピーカ装置5に対して警報出力の指令を送信する。火災受信機1から警報出力の指令を受信したスピーカ装置5は、例えば、ROMに格納された警報音データまたは警報メッセージデータに基づいて、警報音または警報メッセージを音として出力する。これにより、監視対象の施設に対して、全館鳴動がなされる。なお、警報音は例えばベル音でよく、警報メッセージは例えば「火災が発生しました。至急避難して下さい」といった内容のものであってよい。
【0063】
更に、スピーカ装置5の用途は警報音や警報メッセージの生成に限定されず、施設内の放送(館内放送)に用いてもよい。例えば、火災受信機1にマイク装置を設け、所定のスイッチ(業務放送スイッチ)の操作に応じてマイク装置を信号線L1に接続可能とし、マイク装置が信号線L1に接続された状態でマイク装置に向かって発せられた音声をマイク装置で収音し、収音した音声を表す音声信号を信号線L1を介してスピーカ装置5に送り、対応する音声をスピーカ装置5から出力してもよい。また、地域防災システムからの地震警報、津波警報、避難警報や、全国瞬時警報システム(通称:J-ALERT)からの警報等の緊急警報を受信する受信機装置(図示せず)を火災受信機1に接続し、受信した緊急警報を火災受信機1経由でスピーカ装置5に送り、出力(館内放送)するようにしてもよい。これらの音声出力先としては、例えば、システムポーリング(SP)により、火災受信機1が全てのスピーカ装置5を指定する。尚、緊急警報に基づく館内放送を行っている際に、火災が感知された場合は、緊急警報に基づく館内放送を優先し、放送終了後に、火災警報を行ってよい。業務放送中に火災が感知された場合は、直ちに業務放送を中断して(即ち、火災受信機1に設けたマイク装置からスピーカ装置5への信号を遮断して)、火災警報動作を行ってよい。
【0064】
また、火災発生時に、火災受信機1の管理人と監視対象の施設内の避難者との間とで通話ができる構成としてもよい。その場合の構成として、例えば、火災受信機1には、マイク装置の他にスピーカ装置を設け、また、火災受信機1のROM11cには、感知器−カメラ対応テーブルの他に、マイク装置41〜4iとスピーカ装置51〜5jとの対応を示すマイク装置−スピーカ装置対応テーブルを記憶する。尚、マイク装置41〜4iとスピーカ装置51〜5jとの対応は必ずしも一体一でなくてもよく、例えば、複数のマイク装置に一つのスピーカ装置が対応していてもよい。
【0065】
そして、火災時において、火災受信機1は、感知器−カメラ対応テーブルに基づいて、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3を指定してKPPを行うことによって、火災を検出した火災感知器2に対応したカメラ端末3の画像情報を継続して収集して、表示部14に表示する。また、火災受信機1は、マイクポイントポーリング(MPP)により、各マイク装置4から送信されてきた音信号に基づいて、逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を例えば表示部14に表示する。
このとき、逃げ遅れた人がいる場合は、火災受信機1は、逃げ遅れた人がいると判定された音信号を出力したマイク装置4を特定するとともに、マイク装置−スピーカ装置対応テーブルに基づいて、逃げ遅れた人がいると判定された音信号を出力したマイク装置4に対応するスピーカ装置5を特定する。火災受信機1は、自身のマイク装置により収音された音を表す音信号を特定されたスピーカ装置5へと送信し、特定されたマイク装置2から受信した音を表す音信号を自身のスピーカ装置で音に変換して出力する。これにより、火災受信機1のマイク装置、スピーカ装置と、指定されたマイク装置4、スピーカ装置5との間で、信号線L1を介して通話路が形成され、火災受信機1の近傍の管理人と特定されたマイク装置4及びスピーカ装置5の近傍の避難者との間の通話が可能となる。尚、火災検知時に、特定されたスピーカ装置5が火災受信機1からの警報出力指令に基づいて警報音等の出力をしている場合、火災受信機1は、自身のマイク装置により収音された音を表す音信号を当該特定されたスピーカ装置5へと送信する前に、そのスピーカ装置5に警報出力停止指令を送って、警報出力を停止させるとよい。
【0066】
または、火災受信機1のROM11cに、各火災感知器21〜2nとマイク装置41〜4iとの対応を示す感知器−マイク装置対応テーブル、及び、各火災感知器21〜2nとスピーカ装置51〜5jとの対応を示す感知器−スピーカ装置対応テーブルを記憶し、火災時に、火災受信機1は、感知器−マイク装置対応テーブル及び感知器−スピーカ装置対応テーブルに基づいて、火災を検出した火災感知器2に対応したマイク装置4と、それに対応するスピーカ装置5とを特定するようにしてもよい。この場合も火災受信機1は、上述したのと同様に、火災受信機1のマイク装置、スピーカ装置と、特定されたマイク装置4、スピーカ装置5との間で、信号線L1を介して通話路を形成して、管理人と避難者との間で通話が可能となるようにしてもよい。
【0067】
このように、マイク装置4やスピーカ装置5を、火災感知器2と火災受信機1とを結ぶ信号線L1に接続することで、マイク装置4やスピーカ装置5を火災受信機1と接続するための配線を別途設ける場合と比べて、配線の手間が軽減される。また、スピーカ装置5を放送にも用いることにより、別途放送用のスピーカを設ける必要がなくなる。
なお、本変形例は、実施の形態に限定されず、例えば、各火災感知器21〜2nとカメラ端末31〜3nとマイク装置41〜4iとスピーカ装置51〜5jとに関して、必要なものを一体とするなども含めて、前記全ての実施の形態と同様に、様々な様態とすることができる。
【0068】
また、上記実施形態及び変形例において、信号線L1を介して伝送される信号はデジタル信号とし、割り当てられた伝送フレームで伝送されるものとしたが、時間領域の多重化による伝送として、時分割多重化による伝送やパケット通信(統計多重化による伝送)を用いてもよい。また、時間領域での多重化以外の多重化方式を採用してもよい。例えば、これら信号をアナログ信号とし周波数分割などにより多重化して伝送されるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…火災受信機、2…火災感知器、3…カメラ端末、4…マイク装置、5…スピーカ装置、11…CPU、11a…記憶装置、11b…演算部、11c…ROM、12…伝送部、13…インターフェイス、14…表示部、21…火災検出部、22…アドレス部、23…CPU、23a…演算部、23b…アドレス比較部、23c…RAM、23d…ROM、24…受信部、25…送信部、27…LED、28…LED駆動部、29…定電圧部、31…カメラ部、32…アドレス部、33a…演算部、33b…アドレス比較部、33c…RAM、33d…ROM、34…受信部、35…送信部、39…定電圧部、41…CPU、42…アドレス部、44…通信部、45…マイク、46…A/Dコンバータ、47…バス、51…CPU、52…アドレス部、54…通信部、55…スピーカ、56…D/Aコンバータ、57…バス、L1…信号線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、
前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、
前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示する
ことを特徴とする火災報知設備。
【請求項2】
前記火災報知設備は、各火災感知器および各カメラ端末と前記火災受信機との間で、信号伝送が行われるR型の火災報知設備であり、
前記火災受信機は、各火災感知器の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリングを行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリングを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行う
ことを特徴とする請求項1記載の火災報知設備。
【請求項3】
前記カメラ情報収集ポーリングは、1つのカメラ端末の画像情報を収集するポーリングであり、
前記火災受信機は、
通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、各カメラ端末のいずれか1つを循環的に指定することによって、各カメラ端末の画像情報を収集し、
火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末を指定することによって、前記火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集する
ことを特徴とする請求項2記載の火災報知設備。
【請求項4】
前記カメラ情報収集ポーリングは、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を収集する画像情報返送用フレームを有する
ことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の火災報知設備。
【請求項5】
前記火災報知設備は、各火災感知器が火災を検出したときにスイッチング動作を行って、火災信号を出力するP型の火災報知設備であり、
前記信号線上には、各カメラ端末の画像情報が交流成分の画像信号として送出され、
前記火災受信機が、前記火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集する
ことを特徴とする請求項1記載の火災報知設備。
【請求項6】
前記信号線に、前記複数のカメラ端末以外のオプション機器が前記火災受信機と通信可能に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の火災報知設備。
【請求項1】
信号線を介して、複数の火災感知器と火災受信機とが接続された火災報知設備において、
前記信号線を介して、複数のカメラ端末が前記火災受信機と接続され、
前記火災受信機が、前記複数の火災感知器および複数のカメラ端末を監視制御して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集して表示する
ことを特徴とする火災報知設備。
【請求項2】
前記火災報知設備は、各火災感知器および各カメラ端末と前記火災受信機との間で、信号伝送が行われるR型の火災報知設備であり、
前記火災受信機は、各火災感知器の状態情報を一通り収集する感知器情報収集ポーリングを行い、該感知器情報収集ポーリング後に、各カメラ端末の画像情報を収集するカメラ情報収集ポーリングを行う信号伝送を1サイクルとして、該1サイクル分の信号伝送を循環的に行う
ことを特徴とする請求項1記載の火災報知設備。
【請求項3】
前記カメラ情報収集ポーリングは、1つのカメラ端末の画像情報を収集するポーリングであり、
前記火災受信機は、
通常時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、各カメラ端末のいずれか1つを循環的に指定することによって、各カメラ端末の画像情報を収集し、
火災時は、前記1サイクル分の信号伝送毎に、火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末を指定することによって、前記火災を検出した火災感知器に対応したカメラ端末の画像情報を継続して収集する
ことを特徴とする請求項2記載の火災報知設備。
【請求項4】
前記カメラ情報収集ポーリングは、通常時は1枚の画像情報を、火災時は複数枚の画像情報を収集する画像情報返送用フレームを有する
ことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の火災報知設備。
【請求項5】
前記火災報知設備は、各火災感知器が火災を検出したときにスイッチング動作を行って、火災信号を出力するP型の火災報知設備であり、
前記信号線上には、各カメラ端末の画像情報が交流成分の画像信号として送出され、
前記火災受信機が、前記火災信号、画像信号を受信して、各火災感知器の状態情報および各カメラ端末の画像情報を収集する
ことを特徴とする請求項1記載の火災報知設備。
【請求項6】
前記信号線に、前記複数のカメラ端末以外のオプション機器が前記火災受信機と通信可能に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の火災報知設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−101586(P2013−101586A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−29410(P2012−29410)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】
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