説明

火災対応支援装置、火災対応支援方法及びプログラム

【課題】火災発生地域を容易に特定することができるようにする。
【解決手段】管理サーバ20は、消防車1の現在の位置情報である消防車位置情報を取得し、消防車位置情報に基づいて消防車1の発動を検知し、発動を検知した消防車1から取得した消防車位置情報に基づいて、火災発生地域を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災対応支援装置、火災対応支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電所等の遠隔地化等に伴い送電線が長距離化の一途を辿っている。それに伴い、送電線が山地を通ることも多く、送電線の敷設地域が山火事にあうことも少なくない。山火事等の煙には、粉塵等の浮遊物が含まれているため、送電線へ煙が流れてくると浮遊物により電気的な絶縁が保てなくなり、短絡事故や地絡事故が発生することがある。したがって、山火事の発生地域に配されている送電線に関しては、系統切替等を準備し、現場に作業員を派遣して検査をさせる必要があるため、火災発生地域を早期に特定する必要がある。特許文献1には、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)機能を有する携帯端末からの緊急通報時に現在位置を自動的に通報先に通知するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−180685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、あくまで通報者の現在位置が通知されるのみであり、火災発生場所が通報者の現在位置と一致しないこともあり、山火事のような場合には、通報者の現在位置と山火事の発生場所とが離れていることも多い。
【0005】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、火災発生地域を容易に特定することのできる、火災対応支援装置、火災対応支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、火災への対応を支援する装置であって、消防車の現在の位置情報である消防車位置情報を取得する消防車位置取得部と、前記消防車位置情報に基づいて前記消防車の発動を検知する発動検知部と、前記発動を検知した前記消防車から取得した前記消防車位置情報に基づいて、前記火災の発生地域を推定する火災発生地域推定部と、を備えることとする。
【0007】
また、本発明の火災対応支援装置は、電力設備ごとに前記電力設備の設置位置を記憶する設備位置記憶部と、前記推定した発生地域に含まれる前記設置位置に対応する前記電力設備を検査対象設備として前記設備位置記憶部より特定する検査対象設備特定部と、前記検査対象設備を出力する検査対象設備出力部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の火災対応支援装置は、前記消防車ごとに前記消防車位置情報の履歴を記憶する消防車位置履歴記憶部をさらに備え、前記検査対象特定部は、前記履歴に基づいて前記消防車の進行方向を特定し、前記進行方向に応じて前記発生地域を絞り込むようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の火災対応支援装置では、前記消防車には警鐘が起動したことを検知する警鐘センサが取り付けられており、前記消防車から発信される前記警鐘センサが前記警鐘の起動を検知したことを示す警鐘開始情報を取得する警鐘検知部と、をさらに備え、前記発動検知部は、前記警鐘開始情報を取得した場合にのみ、前記消防車位置情報に基づき前記消防車が発動したことを検知するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の火災対応支援装置は、前記消防車ごとに、前記消防車が所属する消防署の管轄地域を記憶する管轄記憶部と、ユーザが注目する前記管轄地域である注目地域を記憶する注目地域記憶部と、前記消防車の発動を検知した場合に、前記警鐘開始情報を取得した前記消防車に対応する前記管轄地域を前記管轄記憶部から読み出し、前記読み出した管轄地域が前記注目地域に該当するときに、火災が発生したことを示すメッセージを前記ユーザが使用する端末に送信する火災報知部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の火災対応支援装置は、消防隊員の現在の位置情報である隊員位置情報を取得する隊員位置取得部をさらに備え、前記火災発生位置推定部は、前記消防車位置情報に基づいて推定した前記発生地域を、前記隊員位置情報に基づいて絞り込むようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の火災対応支援装置は、発動を検知した前記消防車の数に応じて前記火災の規模を特定する火災規模特定部と、前記火災の規模を出力する火災規模出力部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の火災対応支援装置では、前記消防車には放水を開始したことを検知する放水センサが取り付けられており、前記消防車から発信される前記放水が開始したことを示す放水開始情報を取得する放水検知部をさらに備え、前記火災発生位置推定部は、前記放水開始情報を取得した前記消防車を特定し、前記特定した消防車から取得した前記消防車位置情報のみに基づいて前記発生位置を推定するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の火災対応支援装置は、前記電力設備の検査を行う作業員の位置情報である作業員位置情報を取得する作業員位置取得部と、前記発生位置に最も近い前記作業員を特定し、前記特定した作業員が操作する可搬端末に、前記検査対象設備の検査を行うように指示するメッセージを送信する指示送信部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の火災対応支援装置は、前記電力設備ごとに車両の目的地を記憶する目的地記憶部と、前記検査対象設備に対応する前記目的地を前記目的地記憶部から読み出し、読み出した前記目的地を前記作業員が運転する車両のナビゲーションシステムに対して送信する目的地送信部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の火災対応支援装置は、前記電力設備ごとに、前記目的地から前記電力設備の前記設置位置までの順路を説明するための順路情報を記憶する順路情報記憶部をさらに備え、前記指示送信部は、前記メッセージとともに、前記順路情報を前記可搬端末に送信するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の他の態様は、火災への対応を支援する方法であって、コンピュータが、消防車の現在の位置情報である消防車位置情報を取得し、前記消防車位置情報に基づいて前記消防車の発動を検知し、前記発動を検知した前記消防車から取得した前記消防車位置情報に基づいて、前記火災の発生地域を推定することとする。
【0018】
また、本発明の他の態様は、火災への対応を支援するためのプログラムであって、コンピュータに、消防車の現在の位置情報である消防車位置情報を取得するステップと、前記消防車位置情報に基づいて前記消防車の発動を検知するステップと、前記発動を検知した前記消防車から取得した前記消防車位置情報に基づいて、前記火災の発生地域を推定するステップと、を実行させることとする。
【0019】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、火災発生地域を容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】火災対応支援システムの全体構成を説明する図である。
【図2】管理サーバ20のハードウェア構成の一例を説明する図である。
【図3】管理サーバ20のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図4】消防署情報の構成例を示す図である。
【図5】消防車情報の構成例を示す図である。
【図6】隊員情報の構成例を示す図である。
【図7】制御所情報の構成例を示す図である。
【図8】設備情報の構成例を示す図である。
【図9】作業員情報の構成例を示す図である。
【図10】位置履歴記憶部237の構成例を示す図である。
【図11】管理サーバ20による処理の流れを説明する図である。
【図12】検査対象設備の通知処理の流れを説明する図である。
【図13】検査対象設備の特定処理の流れを説明する図である。
【図14】作業員4の検査対象設備への派遣処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
==システム概要==
以下、本発明の一実施形態に係る火災対応支援システムについて説明する。本実施形態の火災対応支援システムは、出動した消防車の現在位置などから火災の発生地点を推定し、火災発生地点近傍の送電線などの電力設備を特定して、その電力設備に作業員を派遣して対応させることを支援しようとするものである。
【0023】
図1は火災対応支援システムの全体構成を説明する図である。
消防車1には、消防車1の現在位置を取得するGPSセンサ11、消防車1の警鐘が鳴ったことを検知する警鐘センサ12、消火活動のための放水の開始を検知する放水センサ13が取り付けられる。GPSセンサ11は、GPSにより現在位置を測定する。なお、GPS以外にもジャイロ等を用いて位置を計測するようにしてもよいし、地図上の現在位置の入力を消防隊員2から受け付けるようにしてもよい。警鐘センサ12は、例えば警鐘のスイッチが入になったことを検知するセンサである。警鐘センサ12は、例えば警鐘の音の周波数を検知するセンサとしてもよい。放水センサ13は、例えば放水用のスイッチが押下されたことを検知したり、放水量を監視して、放水量が所定値(例えばゼロ「0」)を超えたかどうかを検知したりすることにより、放水が開始したことを検知するセンサである。消防車1は、消防無線通信網41を用いた無線通信を行うための無線通信機(不図示)を備えており、GSPセンサ11が測定した、消防車1の現在位置を示す情報(以下、消防車位置情報という。)を、消防無線通信網41を介して管理サーバ12に送信する。また、消防車1は、警鐘が鳴ったことを警鐘センサ12が検知した場合には警鐘が鳴り始めたことを示す情報(以下、警鐘検知情報という。)を管理サーバ20に送信し、放水が開始したことを放水センサ13が検知した場合には放水が開始したことを示す情報(以下、放水検知情報という。)を管理サーバ20に送信する。
【0024】
また、消防隊員2はGPSによる現在位置を計測する機能を備える携帯端末21を携帯する。携帯端末21からは、消防隊員2の現在位置を示す情報(以下、隊員位置情報という。)が通信回線42を介して管理サーバ20に送信される。携帯端末21は例えば携帯電話やスマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブック型コンピュータなどを想定するが、これに限らずGPSによる現在位置の計測機能と隊員位置情報を送信するための通信機能とを備えていればよい。通信回線42は例えば携帯電話回線網や無線通信網、インターネットなどとすることができる。通信回線42に代えて消防無線通信網41を用いて隊員位置情報を送信するようにしてもよい。
【0025】
管理サーバ20は、火災対応を支援するための、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータである。管理サーバ20は、各制御所に設置される制御所端末31、電力設備の作業員4が携帯する携帯端末32、作業員4が使用する車両に搭載されているナビゲーション装置33と、通信ネットワーク43を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク43はインターネットを想定しており、例えばイーサネット(登録商標)や公衆電話回線、専用電話回線、携帯電話回線、無線通信路などにより構築される。
【0026】
管理サーバ20は、警鐘検知情報を受信した場合に、消防車1の現在位置が消防署10における所定の配備位置であるか否かにより消防車1が出動したことを検知し、出動した消防車1が所属する消防署10の管轄地区に対応する制御所の制御所端末31にその旨を通知することにより、制御所において系統切替等の対応の準備を行うことを可能とする。
【0027】
また、管理サーバ20は、消防車位置情報や隊員位置情報に基づいて管轄地区の中から、火災が発生した可能性のある地図上の範囲である火災発生地域を絞り込んでいき、放水検知情報を受信したことにより、放水を行っている消防車1の現在位置の付近に火災発生地域を絞り込むとともに、当該消防車1に乗車している消防隊員2の現在位置の付近にさらに火災発生地域を絞り込む。
【0028】
さらに、管理サーバ20は、火災発生地域にある電力設備を検査の必要な設備(以下、検査対象設備という。)として特定し、検査対象設備の位置を目的地としてナビゲーション装置33に送信することで、作業員4の乗車している車両を検査対象設備の近くまで誘導するとともに、車両を降りた地点から当該検査対象設備までの徒歩のルートについての情報(以下、徒歩ルート情報という。)を携帯端末32に送信することで、作業員4が容易に検査対象設備まで辿り着けるようにする。
以下、詳細について説明する。
【0029】
==管理サーバ20の構成==
図2は管理サーバ20のハードウェア構成の一例を説明する図である。管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206、無線通信機207を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク43に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。無線通信機207は、消防車1や消防隊員2との間の無線通信を行うための装置である。
【0030】
図3は管理サーバ20のソフトウェア構成の一例を示す図である。消防情報受信部211、出動検知部212、履歴登録部213、火災情報送信部214、火災発生地域特定部215、検査対象設備特定部216、検査対象設備送信部217、作業可否問合せ要求送信部218、作業可否応答受信部219、作業員特定部220、目的地情報送信部221の各機能部と、消防署情報記憶部231、消防車情報記憶部232、隊員情報記憶部233、制御所情報記憶部234、設備情報記憶部235、作業員情報記憶部236、位置履歴記憶部237の各記憶部とを備える。なお、上記各機能部は管理サーバ20が備えるCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、上記各記憶部は、管理サーバ20が備えるメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域として実現される。
【0031】
==記憶部の構成==
消防署情報記憶部231は、消防署10に関する情報(以下、消防署情報という。)を記憶する。図4は消防署情報の構成例を示す図である。消防署情報には、消防署10を特定する消防署IDに対応付けて、当該消防署10が管轄している地区(管轄地区)と、当該管轄地区に対応する地図上の地域を特定する情報(以下、地区領域情報という。)とを記憶する。地区領域情報は、例えば管轄地区の境界線を表す点又は線を示す情報とすることができる。消防車1が出動した場合、地区領域情報が示す地域全体を火災発生地域として推定し、消防車1の進行方向に応じて火災発生地域が絞り込まれる。
【0032】
消防車情報記憶部232は、消防車1に関する情報(以下、消防車情報という。)を記憶する。図5は消防車情報の構成例を示す図である。消防車情報には、消防車1を特定する消防車IDに対応付けて、消防車1が所属する消防署10を示す消防署IDと、平常時において消防車1が配備される地図上の範囲(以下、配備領域情報という。)とを記憶している。配備領域情報には、例えば消防署10の駐車場、消防訓練場、車検場など、火災が発生していない平常時において消防車1が存在しうる範囲を設定する。消防車1が警鐘を鳴らして配備領域情報により特定される範囲を出た場合に、消防車1が出動したものと判断される。
【0033】
隊員情報記憶部233は、消防隊員2に関する情報(以下、隊員情報という。)を記憶する。図6は隊員情報の構成例を示す図である。隊員情報には、消防隊員2を特定する隊員IDに対応付けて、当該消防隊員2が所属する消防署10を示す消防署IDと、当該消防隊員2が乗車する消防車1を示す消防車IDとを記憶している。なお、本実施形態では、消防隊員2が乗車する消防車1は固定されているものとするが、出動ごとに異なる消防車1になる場合であっても、割り当てが決定されたところで隊員情報が更新されるものとする。
【0034】
制御所情報記憶部234は、電力設備の監視や制御を行う制御所に関する情報(以下、制御所情報という。)を記憶する。図7は制御所情報の構成例を示す図である。制御所情報には、制御所を特定する制御所IDに対応付けて、当該制御所が管理する電力設備が存在する、消防署10の管轄地区を記憶する。消防車1が出動した場合、その消防車1が所属する消防署10に管轄地区に対応する制御所に対して、火災発生の通知が行われる。
【0035】
設備情報記憶部235は、電力設備に関する情報(以下、設備情報という。)を記憶する。図8は設備情報の構成例を示す図である。設備情報には、当該電力設備を管理する制御所を示す制御所ID及び電力設備を特定する設備名に対応付けて、設置位置、車両目標位置、徒歩ルート情報が含まれている。設置位置は、電力設備が設置されている地図上の位置である。車両目標位置は、作業員4が電力設備の設置位置にたどり着くために車両に乗って向かうべき目標となる地図上の位置である。車両目標位置は、作業員4が運転している車両に搭載されているナビゲーション装置33に送信され、ナビゲーション装置33により車両目標位置までの経路が提示される。徒歩ルート情報は、車両目標位置において作業員4が降車してから電力設備までの徒歩のルートを説明する情報である。送電線などのように、車道から電力設備までの間を徒歩で移動しなくてはいけない場合があり、このような場合に作業員4を誘導するための情報である。
【0036】
作業員情報記憶部236は、制御所の作業員4に関する情報(以下、作業員情報という。)を記憶する。図9は作業員情報の構成例を示す図である。作業員情報には、作業員4を示す作業員IDに対応付けて、作業員4が所属する制御所を示す制御所ID、作業員4が携帯する携帯端末32にメッセージを送信するための携帯メールアドレス、作業員4が運転する車両に搭載されているナビゲーション装置33に情報を送信するためのナビゲーションアドレスが含まれている。本実施形態では携帯メールアドレス及びナビゲーションアドレスの両方とも電子メールのアドレスであるものとし、ナビゲーション装置33は、受信した電子メールを表示することができるものとする。
【0037】
位置履歴記憶部237は、消防車1から受信した消防車位置情報及び消防隊員2から受信した隊員位置情報(以下、消防車位置情報及び隊員位置情報をまとめて位置情報と略記する。)の履歴を記憶する。図10は位置履歴記憶部237の構成例を示す図である。位置履歴記憶部237は、消防車1又は消防隊員2が所属する消防署10を示す消防署ID、消防車位置情報又は隊員位置情報の区別、消防車ID又は隊員IDであるID、及び位置情報が含まれる。なお、区別には「消防車」又は「消防隊員」が設定される。
【0038】
==機能部の説明==
消防情報受信部211は、消防無線通信網41を介して消防車1から消防車位置情報、警鐘検知情報及び放水検知情報(以下、これらをまとめて消防情報という。)を受信し、通信回線42を介して消防隊員2から隊員位置情報を受信する。
【0039】
出動検知部212は、消防車1の出動を検知する。出動検知部212は、消防車1から警鐘検知情報を受信した場合に、当該消防車1に対応する消防車位置情報が、当該消防車1に対応する配備領域情報が示す範囲を超えた場合に、当該消防車1が出動したと判定する。なお、出動検知部212は、警鐘検知情報にかかわらず、現在位置が配備領域情報の示す範囲を超えか否かに応じて出動を判定するようにしてもよい。
【0040】
履歴登録部213は、位置情報を位置履歴記憶部237に登録する。履歴登録部213は、出動検知部212が消防車1の出動を検知した後、出動した消防車1及び当該消防車1に乗車している消防隊員2からの位置情報のみを位置履歴記憶部237に登録する。履歴登録部213は、消防車1又は消防隊員2に対応する消防署IDを消防車情報記憶部232又は隊員情報記憶部233から読み出し、読み出した消防署IDと、位置情報の送信元が消防車1であるか消防隊員2であるかを示す区別と、位置情報の送信元である消防車1又は消防隊員2を示す消防車ID又は隊員IDと、受信した位置情報とを位置履歴記憶部237に登録する。なお、区別には、消防車1からの消防車位置情報については「消防車」、消防隊員2からの隊員位置情報については「隊員」が設定されることとする。
【0041】
火災情報送信部214は、火災に関する情報(以下、火災情報という。)を制御所端末31に送信する。火災情報には各種の情報を含めることができる。制御所端末31では、火災情報がディスプレイなどの出力装置に出力される。
【0042】
火災情報送信部214は、出動検知部212が消防車1の出動を検知した場合、出動した消防車1が所属する消防署10の管轄地区に対応する制御所(以下、通知先制御所という。)の制御所端末31に対して、火災が発生したことを示すメッセージを火災情報として制御所端末31に送信する。また、火災情報送信部214は、出動検知部212が消防車1の出動を検知した後は、出動した消防車1から消防車位置情報を受信する度に、通知先制御所の制御所端末31に対して消防車位置情報を送信する。火災情報送信部214は、出動した消防車1に対応する消防隊員2からの隊員位置情報も上記制御所端末31に送信するようにしてもよい。
【0043】
また、火災情報送信部214は、出動した消防車1の台数や消防隊員2の人数に応じて火災の規模を決定し、この火災の規模を火災情報として制御所端末31に送信する。火災情報送信部214は、出動した消防車1の種類なども考慮して火災の規模を決定するようにしてもよい。
【0044】
火災発生地域特定部215は、火災発生地域を推定する。火災発生地域特定部215は、出動検知部212が消防車1の出動を検知すると、出動した消防車1が所属する消防署10の地区領域情報の示す範囲を火災発生地域として推定する。
【0045】
また、火災発生地域特定部215は、出動した消防車1からの消防車位置情報の履歴を位置履歴記憶部237から読み出し、読み出した消防車位置情報に基づいて消防車1の進行方向を特定し、消防車1の進行方向に応じて火災発生地域を絞り込む。例えば火災発生地域特定部215は、出動した消防車1について読み出した上記消防車位置情報のそれぞれについて、消防署10の地図上の位置から消防車位置情報が示す位置へのベクトルを求め、これらのベクトルをすべて加算したベクトルの方向を進行方向と判断することができる。また、火災発生地域特定部215は、上記地区領域情報の示す範囲のうち、当該進行方向から時計回り及び反時計回りに所定角度(あるいは上記進行方向から各ベクトルまでの角度の最大値)の間に含まれる範囲を火災発生地域として絞り込むことができる。火災発生地域特定部215は、各消防車位置情報のうち消防署10までの距離が最も近いものを特定し、消防署10から当該距離の範囲を、上記火災発生地域から除外することで、火災発生地域をさらに絞り込むこともできる。
【0046】
また、火災発生地域特定部215は、放水検知情報を受信した後(放水を検知した後)には、放水を検知した消防車1の消防車位置情報のみに基づいて火災発生地域を推定する。例えば火災発生地域特定部215は、放水検知情報の送信元の消防車1を示す消防車IDに対応する最新の位置情報のみを位置履歴記憶部237から読み出し、当該位置情報から第1の所定距離内の範囲を火災発生地域として推定する。複数の消防車1の放水を検知した場合には、火災発生地域特定部215は複数の消防車1の位置情報のそれぞれから第2の所定距離(上記第1の所定距離よりも短いものとする。)内の範囲を合成した範囲を火災発生地域として推定する。なお、火災発生地域特定部215は、火災の規模に応じて、第1の所定距離を変化させるようにしてもよい。例えば、火災の規模が大きい程、第1の所定距離を長くしてもよい。
【0047】
また、火災発生地域特定部215は、放水を検知した後は、隊員位置情報に基づいてさらに火災発生地域を絞り込む。火災発生地域特定部215は、放水を検知した消防車1に乗車する消防隊員2の隊員位置情報の最深値を位置履歴記憶部237から読み出し、このうち上記放水を検知した消防車1の消防車位置情報から推定した火災発生地域に含まれている隊員位置情報のみを抽出し、抽出した隊員位置情報が示す位置から所定距離内の範囲に火災発生地域を絞り込むことができる。
【0048】
検査対象設備特定部216は、検査対象設備を特定する。本実施形態では、検査対象設備特定部216は、火災発生地域に含まれる設置位置の電力設備を特定するものとする。
【0049】
検査対象設備送信部217は、検査対象設備を火災情報として制御所端末31に送信する。
【0050】
作業可否問合せ要求送信部218は、通知先制御所の作業員4に対して、検査対象設備の検査作業を行うことができるか否かを問い合わせる。作業可否問合せ要求送信部218は、検査対象設備に対応する制御所IDを設備情報記憶部235から取得し、取得した制御所IDに対応する作業員情報を作業員情報記憶部236から読み出し、読み出した作業員情報のそれぞれについて、携帯メールアドレスを宛先として、検査作業を行うことができるか否かを問い合わせるメッセージ(以下、作業可否問合せ要求という。)を電子メールとして送信するとともに、ナビゲーションアドレスを宛先としても作業可否問合せ要求を電子メールで送信する。
【0051】
作業可否応答受信部219は、作業可否問合せ要求に対する作業員4からの応答(以下、作業可否応答という。)を受信する。本実施形態では、作業員4は、携帯端末32又はナビゲーション装置33から、作業員4を特定する作業員IDと、作業ができるか否かを示す可否情報と、携帯端末32又はナビゲーション装置33が測定した現在位置とを所定の形式で記載した電子メールを、作業可否応答として管理サーバ20に送信するものとする。
【0052】
作業員特定部220は、検査対象設備の検査を行う作業員4(以下、指示作業員という。)を決定する。作業員特定部220は、作業可否応答のうち、作業ができる旨の可否情報を含み、かつ推定した火災発生地域に最も近い現在位置を含むものを特定し、特定した作業可否応答に含まれる作業員IDが示す作業員4を指示作業員として特定する。
【0053】
目的地情報送信部221は、検査対象設備までの順路に関する情報を作業員4に通知する。目的地情報送信部221は、検査対象設備に対応する設備情報の車両目標位置を記載した電子メールを指示作業員に対応する作業員情報のナビゲーションアドレスに送信し、設備情報の徒歩ルート情報を記載した電子メールを作業員情報の携帯メールアドレスに送信する。
【0054】
==処理==
図11は、管理サーバ20による処理の流れを説明する図である。
消防情報受信部211が警鐘検知情報を受信し(S401:YES)、出動検知部212が、警鐘検知情報を送信した消防車1の消防車IDに対応する消防車情報を消防車情報記憶部232から読み出し、読み出した消防車情報の配備領域情報が示す範囲に、当該消防車1からの位置情報が示す位置が含まれていなければ(S402:YES)、当該消防車1が出動したと判断される。火災情報送信部214は、出動した消防車1の台数に応じて火災の規模を推定し(S403)、出動した消防車1が所属する消防署IDを消防車情報記憶部232から読み出し、当該消防署IDに対応する管轄地区を消防署情報記憶部231から読み出し、当該管轄地区に対応する制御所IDを制御所情報記憶部234から取得し、取得した制御所IDが示す制御所の制御所端末31に、火災が発生したことを示すメッセージと、推定した火災の規模とを火災情報として送信する(S404)。
【0055】
次に図12に示す検査対象設備の通知処理を行う(S405)。火災発生地域特定部215は、出動した消防車1からの消防車位置情報の履歴を位置履歴記憶部237から読み出し、読み出した消防車位置情報に基づいて消防車1の進行方向を特定し、進行方向に応じて、出動した消防車1が所属する消防署10の管轄地区領域を絞り込んで火災発生地域とする(S422)。各制御所について、検査対象設備特定部216は、当該制御所を示す制御所IDに対応する設備情報のうち、設置位置が火災発生地域に含まれているものを、検査対象設備の設備情報として読み出し(S423)、設備情報の設備名を当該制御所の制御所端末31に送信する(S424)。
【0056】
図11に戻り、放水検知情報が受信されていなければ(S406:NO)、ステップS404の処理(図12の処理)を繰り返す。放水検知情報が受信された場合(S406:YES)、図13に示す検査対象設備を絞り込んで通知する処理を行う(S407)。
【0057】
火災発生地域特定部215は、放水検知情報を送信した消防車1(以下、放水消防車という。)のそれぞれについて、放水消防車を示す消防車IDに対応する最新の位置情報を位置履歴記憶部237から読み出し(S441)、各位置情報から第1の所定距離の範囲を合成した領域を火災発生地域とする(S442)。火災発生地域特定部215は、放水消防車の消防車IDのいずれかに対応する隊員IDを隊員情報記憶部233から取得し、取得した隊員IDに対応する最新の位置情報を位置履歴記憶部237から読み出し(S443)、上記火災発生地域に含まれない位置情報を除外し(S444)、各位置情報から第2の所定距離の範囲を合成した領域を火災発生地域として絞り込みを行う(S445)。各制御所について、検査対象設備特定部216は、当該制御所を示す制御所IDに対応する設備情報記憶部235の設備情報のうち、設置位置が火災発生地域に含まれているものを検査対象設備に対応するものとして特定し(S446)、検査対象設備送信部217は、検査対象設備に対応する設備情報の設備名の一覧を、当該制御所の制御所端末31に送信する(S447)。
【0058】
図11に戻り、検査対象設備の設備情報を特定できた場合には(S408:YES)、図14に示す作業員4の検査対象設備への派遣処理を行う(S409)。
【0059】
上記検査対象設備に対応する設備情報に含まれる制御所IDが示す制御所のそれぞれについて以下の処理を行う。作業可否問合せ要求送信部218は、当該制御所の制御所IDに対応する作業員情報を作業員情報記憶部236から読み出し、読み出した各作業員情報ついて、作業可否問合せ要求を、携帯メールアドレス及びナビゲーションアドレスのそれぞれを宛先とした電子メールとして送信する(S461)。作業可否応答受信部219は、作業員4からの作業可否応答を受信する(S462)。当該制御所の制御所IDに対応する検査対象設備の設備情報のそれぞれについて、作業員特定部220は、設備情報の設置位置に最も近い現在位置が作業可否応答に含まれている作業員4を特定する(S463)。目的地情報送信部221は、特定した作業員4の作業員情報を作業員情報記憶部236から読み出して、作業員情報のナビゲーションアドレスを宛先として設備情報の車両目標位置を電子メールで送信し(S464)、作業員情報の携帯メールアドレスを宛先として設備情報の徒歩ルート情報を電子メールで送信する(S465)。
【0060】
以上のようにして、本実施形態の管理サーバ20によれば、消防車1の現在位置に基づいて火災発生地域を推定することができる。一般に消防車1の向かう先が火災発生位置である可能性は非常に高いので、精度良く火災発生地域を推定することができる。また、消防車1の位置から火災発生地域が推定されることから、消防署10から火災発生地域の連絡がなかったとしても、火災の発生地域を特定することができる。
【0061】
また、本実施形態の管理サーバ20によれば、警鐘が鳴り、かつ、消防車1が所定の場所(配備領域情報が示す範囲)を出たことで消防車1が出動したと判断しているので、確実に火災に向けて消防車1が出発していることを検知することができる。また、これに応じて火災の発生が制御所に通知される。したがって、制御所では事前に系統切替の準備などの火災対策を講じることができる。さらに、本実施形態の管理サーバ20によれば、消防車1の数に応じて火災の規模を判定し、これが制御所に通知されるので、制御所では火災の規模も考慮して事前の対策を講じることができる。
【0062】
また、本実施形態の管理サーバ20によれば、消防車1の位置情報の履歴に基づいて消防車1の進行方向を特定し、地区領域情報が示す範囲(すなわち管轄地区の全域)のうち進行方向に応じた範囲に火災発生地域を絞り込むことができる。したがって、消防車1が出動した初期の段階でも、火災発生の可能性の高い範囲に火災発生地域を絞り込むことができる。
【0063】
また、本実施形態の管理サーバ20によれば、放水が検知された場合には、放水を行っている消防車1の現在位置に基づいて火災発生地域を推定することで、火災発生地域をより絞り込んで特定することができる。放水を開始した消防車1の近くで火災が発生している可能性は非常に高いため、精度よく火災発生地域を絞り込むことができる。
【0064】
また、本実施形態の管理サーバ20によれば、放水を開始した消防車1の位置に基づいて推定された火災発生地域の中に居る消防隊員2の位置に基づいて火災発生地域を推定している。放水を開始した消防車1の近くに現在する消防隊員2は消火活動を行っている可能性が非常に高いので、この消防隊員2の位置に基づいて火災発生地域を推定することで、より精度高く火災発生地域を絞り込むことができる。
【0065】
また、本実施形態の管理サーバ20によれば、検査対象設備に対する作業ができるか否かを作業員4に問い合わせ、作業可能な作業員4のうち検査対象設備に最も近い者に作業を依頼することができる。これにより、迅速な検査等の作業を開始することができる。
【0066】
また、本実施形態の管理サーバ20によれば、検査対象設備ごとに予め設定されている車両の目標位置を、作業者4が運転する車両に搭載されたナビゲーション装置33に対して送信することができる。これにより作業者4は、送られてきた車両目標位置をナビゲーション装置33の目的地として設定することにより、検査対象設備までの車両の順路を容易に把握することができる。したがって、例えば作業内容は熟知していても通常の所轄地域の異なる作業員4がたまたま検査対象設備の近くにいたような場合に、当該作業員4を検査対象設備まで確実かつ容易に誘導することができる。
【0067】
また、本実施形態の管理サーバ20によれば、ナビゲーション装置33に対して車両目標位置を送信するのみでなく、作業者4の携帯端末32に対して徒歩ルート情報を送信することもできる。送電線のように車両で検査対象設備の近くまでたどり着けないような場合には、作業者4は徒歩で検査対象設備まで行く必要があるが、徒歩ルート情報を参考にすることで作業者4は確実かつ容易に検査対象設備までの順路を把握することができる。したがって、慣れない地域に検査対象設備がある場合でも、作業者4は安心して徒歩で向かうことができる。
【0068】
なお、本実施形態では管理サーバ20が火災発生地域の推定や検査対象設備の特定、作業員4の誘導などを行うものとしたが、制御所端末31がこれらの処理を行うようにしてもよい。この場合、管理サーバ20は消防車1や消防隊員2から受信した消防情報を、消防署10と同じ管轄地区の制御所の制御所端末31に転送するようにし、制御所端末31が出動検知部212、履歴登録部213、火災発生地域特定部215、検査対象設備特定部216、検査対象設備送信部217、作業可否問合せ要求送信部218、作業可否応答受信部219、作業員特定部220、目的地情報送信部221などを備えるようにすることができる。また、制御所端末31が消防無線31を介して消防車1及び消防隊員2から消防情報を受信するようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、作業員4の検査対象設備への誘導は放水開始後としたが、これに限らず、制御所ごとの検査対象設備が所定数以下となったところで行うようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、車両目標位置は電子メールでナビゲーション装置33に送信され、作業員4がナビゲーション装置33に目的地を設定するものとしたが、目的地情報送信部221が送信した車両目標位置をナビゲーション装置33が自動的に目的地として設定して経路案内を行うようにしてもよい。
【0071】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0072】
211 消防情報受信部
212 出動検知部
213 履歴登録部
214 火災情報送信部
215 火災発生地域特定部
216 検査対象設備特定部
217 検査対象設備送信部
218 作業可否問合せ要求送信部
219 作業可否応答受信部
220 作業員特定部
221 目的地情報送信部
231 消防署情報記憶部
232 消防車情報記憶部
233 隊員情報記憶部
234 制御所情報記憶部
235 設備情報記憶部
236 作業員情報記憶部
237 位置履歴記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災への対応を支援する装置であって、
消防車の現在の位置情報である消防車位置情報を取得する消防車位置取得部と、
前記消防車位置情報に基づいて前記消防車の発動を検知する発動検知部と、
前記発動を検知した前記消防車から取得した前記消防車位置情報に基づいて、前記火災の発生地域を推定する火災発生地域推定部と、
を備えることを特徴とする火災対応支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の火災対応支援装置であって、
電力設備ごとに前記電力設備の設置位置を記憶する設備位置記憶部と、
前記推定した発生地域に含まれる前記設置位置に対応する前記電力設備を検査対象設備として前記設備位置記憶部より特定する検査対象設備特定部と、
前記検査対象設備を出力する検査対象設備出力部と、
をさらに備えることを特徴とする火災対応支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の火災対応支援装置であって、
前記消防車ごとに前記消防車位置情報の履歴を記憶する消防車位置履歴記憶部をさらに備え、
前記検査対象特定部は、前記履歴に基づいて前記消防車の進行方向を特定し、前記進行方向に応じて前記発生地域を絞り込むこと、
をさらに備えることを特徴とする火災対応支援装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の火災対応支援装置であって、
前記消防車には警鐘が起動したことを検知する警鐘センサが取り付けられており、
前記消防車から発信される前記警鐘センサが前記警鐘の起動を検知したことを示す警鐘開始情報を取得する警鐘検知部と、
をさらに備え、
前記発動検知部は、前記警鐘開始情報を取得した場合にのみ、前記消防車位置情報に基づき前記消防車が発動したことを検知すること、
を特徴とする火災対応支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の火災対応支援装置であって、
前記消防車ごとに、前記消防車が所属する消防署の管轄地域を記憶する管轄記憶部と、
ユーザが注目する前記管轄地域である注目地域を記憶する注目地域記憶部と、
前記消防車の発動を検知した場合に、前記警鐘開始情報を取得した前記消防車に対応する前記管轄地域を前記管轄記憶部から読み出し、前記読み出した管轄地域が前記注目地域に該当するときに、火災が発生したことを示すメッセージを前記ユーザが使用する端末に送信する火災報知部と、
をさらに備えることを特徴とする火災対応支援装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の火災対応支援装置であって、
消防隊員の現在の位置情報である隊員位置情報を取得する隊員位置取得部をさらに備え、
前記火災発生位置推定部は、前記消防車位置情報に基づいて推定した前記発生地域を、前記隊員位置情報に基づいて絞り込むこと、
を特徴とする火災対応支援装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の火災対応支援装置であって、
発動を検知した前記消防車の数に応じて前記火災の規模を特定する火災規模特定部と、
前記火災の規模を出力する火災規模出力部と、
をさらに備えることを特徴とする火災対応支援装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の火災対応支援装置であって、
前記消防車には放水を開始したことを検知する放水センサが取り付けられており、
前記消防車から発信される前記放水が開始したことを示す放水開始情報を取得する放水検知部をさらに備え、
前記火災発生位置推定部は、前記放水開始情報を取得した前記消防車を特定し、前記特定した消防車から取得した前記消防車位置情報のみに基づいて前記発生位置を推定すること、
を特徴とする火災対応支援装置。
【請求項9】
請求項2に記載の火災対応支援装置であって、
前記電力設備の検査を行う作業員の位置情報である作業員位置情報を取得する作業員位置取得部と、
前記発生位置に最も近い前記作業員を特定し、前記特定した作業員が操作する可搬端末に、前記検査対象設備の検査を行うように指示するメッセージを送信する指示送信部と、
をさらに備えることを特徴とする火災対応支援装置。
【請求項10】
請求項9に記載の火災対応支援装置であって、
前記電力設備ごとに車両の目的地を記憶する目的地記憶部と、
前記検査対象設備に対応する前記目的地を前記目的地記憶部から読み出し、読み出した前記目的地を前記作業員が運転する車両のナビゲーションシステムに対して送信する目的地送信部と、
をさらに備えることを特徴とする火災対応支援装置。
【請求項11】
請求項9に記載の火災対応支援装置であって、
前記電力設備ごとに、前記目的地から前記電力設備の前記設置位置までの順路を説明するための順路情報を記憶する順路情報記憶部をさらに備え、
前記指示送信部は、前記メッセージとともに、前記順路情報を前記可搬端末に送信すること、
を特徴とする火災対応支援装置。
【請求項12】
火災への対応を支援する方法であって、
コンピュータが、
消防車の現在の位置情報である消防車位置情報を取得し、
前記消防車位置情報に基づいて前記消防車の発動を検知し、
前記発動を検知した前記消防車から取得した前記消防車位置情報に基づいて、前記火災の発生地域を推定すること、
を特徴とする火災対応支援方法。
【請求項13】
火災への対応を支援するためのプログラムであって、
コンピュータに、
消防車の現在の位置情報である消防車位置情報を取得するステップと、
前記消防車位置情報に基づいて前記消防車の発動を検知するステップと、
前記発動を検知した前記消防車から取得した前記消防車位置情報に基づいて、前記火災の発生地域を推定するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−105262(P2013−105262A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247789(P2011−247789)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】