説明

火花発生装置および火花発生装置を搭載した車両

【課題】火花の発生時に路面との接触により生じる応力を解放させて応力による破損の虞をなくし、しかも火花を発生させ続けるために路面との接触状態を調整する必要がなく、さらに車両を自走によりレース場に運ぶ場合であっても走行場所に応じて着脱する必要のない火花発生装置およびその火花発生装置を搭載した車両を提供する。
【解決手段】車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生装置において、車両の適所62に取り付けられる取付部材11と、車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生部41とを備え、この火花発生部41は取付部材11に第1のヒンジ32および第2のヒンジ33を介して支持されたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行中に火花を発生させることができる火花発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モータースポーツの人気は高く、その中でも、フォーミュラカーと呼ばれる車両を用いたレースが最も人気を集めている。このフォーミュラカーでは、高速走行時の空気の作用によって車両が浮き上がろうとするため、車両を地面に押さえつける働きをするダウンフォースを発生させることが必要となる。
【0003】
フォーミュラカーレースにおいて、車両にダウンフォースを発生させる一つの方法として、車両の最低地上高に位置する車台下面を地面すれすれまで低くする方法がある。これにより、レース中に車両がコーナーを曲がるときや、急加速するときなどには車台が傾くため、路面に接触した車台下面からは火花が発生する。この火花は、レースを観戦している観客に対して、スピ−ド感や迫力などを感じさせる視覚的効果を有しており、また、カーマニアにとっては、自らが運転する車においてレーシングカーの排気音とともに模したいアイテムの一つでもある。
【0004】
そこで、一部のカーマニアの間では、後述する高さ測定装置を装着させた車両をレース場などで走行させることにより、フォーミュラカーのように火花を発生させながら走行させることが流行りつつある。
【0005】
上記高さ測定装置は、車両の最低地上高を容易に測定するためのものであり、意匠性を高めることを目的として、一般車両の最低地上高を法律の規制範囲内で低く調整するときに使用されている。この高さ測定装置は、図12に示すように、所定の最低地上高に調整した車両の車台下面後部に取り付けられ、車両走行中に高さ測定装置の最下端が路面に接触すると摩擦により火花を発生し、この火花の発生の有無により、調整した車両の最低地上高が所定の高さになっているか否かを測定できるというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記高さ測定装置は、あくまで車両の最低地上高を測定するためのものであり、ドライバーの嗜好を満たすことを目的として火花を発生させるためのものではないことから、以下に示すような問題点を有する。
【0007】
まず、車両に取り付けられた高さ測定装置を路面に接触させた状態で、車両を走行させたり、さらに加速、減速または制動させたりすると、路面との接触によって高さ測定装置には応力が負荷される。しかし、高さ測定装置はこの応力を解放させる手段を有していないため、高さ測定装置が固定されている車台や高さ測定装置自体が応力により破損する可能性があった。
【0008】
また、上述したように高さ測定装置には応力を解放させる手段を有していないため、車両の走行中には、高さ測定装置は常に路面に接触し、応力が負荷され続ける状態になっている。このため、路面との摩擦で高さ測定装置が次第に擦り減っていき、やがて高さ測定装置は路面に接触しなくなってしまうことから、再び火花を発生させるためには高さ測定装置と路面との接触状態を調整し直さなければならなかった。
【0009】
さらに、高さ測定装置は、前述したように、火花の発生の有無により調整した車両の最低地上高が所定の高さになっているか否かを測定するものであり、路面との接触を一時的に回避させる手段は全く講じられていないものであるから、一般公道を走行させる場合には、車両からこの装置を取り外しておく必要がある。このため、車両を自走によりレース場に運ぶ場合、一般公道では高さ測定装置を取り外しておき、レース場に着いたらこの装置を取り付け、またレース場から出て一般公道を走行させる場合は再び取り外すといった作業を行っていた。この高さ測定装置の着脱作業は、その取り付け位置が前述したように最低地上高を限度まで下げた車両の下面に対して行われるものであることから、極めて煩瑣なものであった。
【0010】
本発明は係る実情に鑑みてなされたもので、その目的は、火花の発生時に路面との接触により生じる応力を解放させて応力による破損の虞をなくし、しかも火花を発生させ続けるために路面との接触状態を調整する必要がなく、さらに車両を自走によりレース場に運ぶ場合であっても走行場所に応じて着脱する必要のない火花発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の火花発生装置は、車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生装置において、前記車両の適所に取り付けられる取付部と、前記車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生部とを備え、この火花発生部は前記取付部に可動部を介して支持されたことを特徴とするものである。
【0012】
このような本発明によれば、火花発生部は取付部に可動部を介して支持されたものであるから、路面との接触時に火花発生部に生じる応力を可動部により解放させることができ、火花発生装置が取り付けられている車両や火花発生装置自体が応力により破損する虞をなくすことができる。さらに、火花発生部が路面との接触で擦り減っても、火花発生部は取付部に対して可動とされているので路面と常に接触することとなり、路面との接触状態を火花発生部の摩耗状況に応じて逐一調整する必要がない。
【0013】
さらに、前記火花発生部が路面に接触する接触状態または路面に接触しない退避状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段を備えたものであってもよい。
【0014】
この場合、状態選択手段により接触状態または退避状態のいずれか一方を容易に選択することができるので、走行場所に応じて火花発生装置を着脱しなくてもよい。
【0015】
また、前記状態選択手段は、その操作部が車両の室内に設けられたものであってもよい。
【0016】
この場合、状態選択手段の操作が、車両の室内から行うことができる。
【0017】
さらに、前記火花発生部が前記接触状態にあるとき該火花発生部を路面に所定の圧力で付勢する付勢手段を備えたものであってもよい。
【0018】
この場合、路面との接触で火花発生部に生じる応力が可動部により解放され、火花発生部が路面から跳ね上がろうとしても、付勢手段により阻止される。このため、火花発生部が必要以上に路面から離れず、火花発生部を極力路面に接触させ続けることができる。
【0019】
さらに、火花発生部が路面と接触した状態において車両が後退したとき路面から受ける応力により火花発生部を路面から車両の後退方向とは反対方向へ回避させる後退時接触回避手段を備えたものであってもよい。
【0020】
この場合、車両が後退走行したとき、路面との接触時に火花発生部に生じる応力を後退時接触回避手段により解放させることができ、火花発生装置が取り付けられている車両や火花発生装置自体が破損しないようにすることができる。
【0021】
また、本発明の火花発生装置は、車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生装置において、前記車両の適所に取り付けられる取付部材と、この取付部材に一端部が第1のヒンジを介して前記車両の進行方向と直交する軸周りに回動可能に設けられた連結部材と、この連結部材の他端部と第2のヒンジを介して前記車両の進行方向と直交する軸周りに回動可能に設けられた火花発生部と、前記第1のヒンジに設けられ、前記連結部材を前記車両の頭部方向へ付勢することで前記火花発生部を路面に接触させる付勢部材と、前記連結部材に設けられ、前記火花発生部が前記第2のヒンジの軸周りに前記車両の尾部方向へ回転するのを規制する規制部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
このような本発明によれば、火花発生部を路面に接触させた状態で車両を前進走行させたとき、第1のヒンジによって連結部材が車両の尾部方向へ回動可能であるため、路面から受ける応力で火花発生部とともに連結部材が車両の尾部方向へ回動し、これによって路面との接触時に火花発生部に生じる応力を可動部により解放させることができ、火花発生装置が取り付けられている車両や火花発生装置自体が応力により破損する虞をなくすことができる。さらに、火花発生部が路面との接触で擦り減っても、火花発生部は取付部に対し連結部材を介して可動とされているので路面と常に接触することとなり、路面との接触状態を火花発生部の摩耗状況に応じて逐一調整する必要がない。また、火花発生部を路面と接触させた状態で車両を後退走行させたとき、第1のヒンジと第2のヒンジによって火花発生部を車両の頭部方向へ回避させることが可能であるため、車両や火花発生装置自体が応力により破損しないようにすることができる。
【0023】
さらに、一端部が連結部材に接続される一方他端部が車両の室内に配され、火花発生部が路面に接触する接触状態または路面に接触しない退避状態のいずれか一方を選択するための策体を備えたものであってもよい。
【0024】
この場合、一般公道や火花の発生が禁じられているレース場などを走行する場合は、室内で策体を引っ張り、火花発生部を路面から退避させ、目的のレース場を走行する場合は、策体を戻して火花発生部を路面に接触させる。このように、接触状態または退避状態のいずれか一方を策体によって容易に選択することができるので、走行場所に応じて火花発生装置を着脱しなくてもよい。
【0025】
また、本発明の車両は、上記したような火花発生装置を搭載したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の火花発生装置は、火花の発生時に路面との接触により生じる応力を解放させて応力による破損の虞をなくすことができ、しかも火花を発生させ続けるために路面との接触状態を調整する必要がなく、さらに車両を自走によりレース場に運ぶ場合であっても走行場所に応じて着脱する必要がないので、耐久性および取扱性に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
[実施の形態1]
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る火花発生装置の概略図であり、(a)は、接触状態を示し、(b)は、退避状態をそれぞれ示すものである。
【0030】
本発明の火花発生装置は、車両の適所62に取り付けられる取付部材11と、この取付部材11に一端部が第1のヒンジ32を介して車両の進行方向と直交する軸周りに回動可能に設けられた連結部材21と、この連結部材21の他端部と第2のヒンジ33を介して車両の進行方向と直交する軸周りに回動可能に設けられた火花発生部41と、第1のヒンジ32に設けられ、連結部材21を車両の頭部方向へ付勢することで火花発生部41を路面に接触させる付勢部材34と、連結部材21に設けられ、火花発生部41が第2のヒンジ33の軸周りに車両の尾部方向へ回転するのを規制する規制部材24と、一端部が連結部材21に接続される一方他端部が車両の室内に配され、火花発生部41が路面に接触する接触状態または路面に接触しない退避状態のいずれか一方を選択するための策体51とを備えている。
【0031】
上記取付部材11は、車両の適所62に火花発生装置を取り付けるためのものである。取付部材11の車両への取り付け方法としては、特に限定せず、例えば、車両に予め取り付けられている螺子を利用して固定する方法や、車両の一部分を挟んで固定する方法などがあげられる。取付部材11には、火花発生部41が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。
【0032】
上記連結部材21は、取付部材11に火花発生部41を連結するためのものであり、形状については、特に限定しない。本実施の形態においては、連結部材21の形状をコ字状とし、連結部材21の車両頭部側の面に火花発生部41の上端部が入り込める凹部を設けることにより、図2(d)に示すように、第2のヒンジ33を中心とした火花発生部41の車両頭部方向への回転範囲を大きくとれるようにしている。連結部材21には、火花発生部41が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。また、火花発生部41が第2のヒンジ33の軸周りに車両の尾部方向へ回転するのを規制するために、連結部材21に規制部材24が設けられている。
【0033】
上記火花発生部41は、車両走行中に路面に接触することにより、火花を発生させる部分である。この火花発生部41は、路面に接触して火花を発生させる路面接触部42と、この路面接触部42を着脱自在に支持するとともに第2のヒンジ33を介して連結部材21と回動自在に軸支された支持部43とを備えたものである。路面接触部42は、上述したように、支持部43に着脱可能に支持されていることにより、路面との接触で摩耗した場合、あるいは後述するように火花の発光色を変更したい場合などに交換できるようになっている。なお、上記の実施の形態では、火花発生部41は路面接触部42と支持部43の2部材から構成しているが、これに限らず、火花発生部41は一体の構造としてもよい。但し、火花発生部41の中でも路面に接触する部分は磨耗が著しいため、この接触部分(上記路面接触部42)を交換可能な構造とするのが好ましい。
【0034】
上記路面接触部42の材質としては、金属であれば特に限定しないが、例えば、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金、マグネシウム、またはマグネシウム合金などを用いると、発光色および発生量において良好な火花を発生させることができる。
【0035】
上記支持部43には、路面接触部42が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。
【0036】
上記規制部材24は、火花発生部41が第2のヒンジ33の軸周りに車両の尾部方向へ回転するのを規制するためのものである。本実施の形態においては、連結部材21の他端部から突設された切片を規制部材24としている。この規制部材24により、付勢部材34の圧力が連結部材21を介して火花発生部41に伝達されるため、火花発生部41は付勢部材34から受ける所定の圧力で路面に接触される。一方、火花発生装置が退避状態のときには、規制部材24により火花発生部41がその位置から上方に回動するのが阻止されるため、車両本体に火花発生部41が衝突しない。
【0037】
上記付勢部材34は、前述したように、連結部材21を車両頭部方向に付勢するためのものであり、本実施の形態では、第1のヒンジ32のピンに外嵌されたコイルスプリングが付勢部材34として用いられている。なお、この付勢部材34としては、コイルスプリングに限らず、連結部材21を車両頭部方向に付勢させ得るものであれば、例えば板バネなど他の弾性材料であってもよい。
【0038】
上記策体51は、火花発生部41が路面に接触する状態または路面から退避した状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段として設けられたものである。本実施の形態では、策体51は、その一端が、第1のヒンジ32に連結部材21と一体となって回動するプーリ35の外周部に接続され、図示しない他端が車両の室内の運転席に配されている。この策体51としては、例えば、ワイヤや鎖状のものなどがあげられるが、特に限定しない。この策体51を運転席から引っ張ることでプーリ35が、図面において反時計回りに回転し、このプーリ35と一体化されている第1のヒンジ32も同様に回転することで連結部材21が車両尾部方向に前記付勢部材34の付勢力に抗して回転する。この一連の動作により火花発生部41が路面から退避されることとなる。また、火花発生部41を再び路面に接触させる場合は、これと逆の操作が行われる。ここで、上記プーリ35には、連結部材21の車両尾部方向への回動範囲を制限する目的で、取付部材の側部12下面と当接するストッパ36が設けられている。このストッパ36により連結部材21の車両尾部方向への回転が所定位置で止まる構造になっているため、火花発生装置が退避状態のときには、ストッパ36により連結部材21がその位置から上方向に回動するのが阻止されることとなり、その結果、車両本体に連結部材21や火花発生部41が衝突しない。ここで、火花発生部41が路面に接触する状態または路面から退避した状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段としては、上記したような策体51によるものである必要はなく、例えば、電動モーターなどの駆動源を用いて連結部材21を回動させるものであってもよい。
【0039】
なお、第2のヒンジ33に、火花発生部41を車両の尾部方向へ付勢するコイルスプリングを設けてもよい。この場合、火花発生部41が退避状態となったときに、退避状態にある連結部材21のレベルから火花発生部41が下方に垂れ下がらないため、その分車両の最低地上高をより低く設定することができる。
【0040】
次に、上記の火花発生装置の動作について図を用いて説明する。
【0041】
図1(a)は、火花発生装置の接触状態を示し、図1(b)は火花発生装置の退避状態をそれぞれ示している。火花発生装置を接触状態から退避状態へと変更するときには、車両内の運転席から策体51の他端部を引っ張ることで、策体51の一端部が接続されているプーリ35が、図面において反時計回りに回転し、このプーリ35と一体化されている第1のヒンジ32も同様に回転することで連結部材21が車両尾部方向に付勢部材34の付勢力に抗して回転する。このとき、第2のヒンジ33に設けられたコイルスプリングの付勢力により火花発生部41も連結部材21と一体となって車両尾部方向へと回転する。この回転はプーリ35に設けられているストッパ36が取付部材の側部12下面に当接することで停止し、この一連の動作により火花発生部41が路面から退避されることとなる。また、逆に火花発生装置を退避状態から接触状態へと変更するときには、車両内の運転席から策体51の他端部を緩める操作を行うことで、上述した逆の動作が行われる。
【0042】
次に、火花発生部41が路面に接触した状態で車両を前進走行させたときの火花発生装置の動作について図1(a)を用いて説明する。
【0043】
火花発生装置が図1(a)に示す接触状態で車両を前進走行させると、火花発生部41が付勢部材34の所定の圧力で路面に接触していることにより、火花発生部41が摩擦によって路面に削られていき、金属粉が生じる。この金属粉は摩擦熱で加熱されることから、空気中の酸素と反応し、この発火飛散した金属粉が火花となる。一方、火花を発生した火花発生部41には、摩擦によって進行方向とは逆方向の応力が負荷される。このとき、火花発生部41は第2のヒンジ33を軸として車両尾部側へ回転しようとするが、火花発生部41は連結部材21の他端部に存する規制部材24と当接するため、その回転力は規制部材24を介して連結部材21に伝達され、その結果、火花発生部41は連結部材21と一体的に第1のヒンジ32周りに付勢部材34の付勢力に抗して回転しようとし、路面と一時的に非接触状態となる。しかし、付勢部材34の付勢力は、連結部材21と火花発生部41とが一体的に第1のヒンジ32周りに回転しようとする回転力よりも遥かに勝っているため、連結部材21と火花発生部41とは付勢部材34の付勢力によってほぼ瞬時に元の姿勢に引き戻され、その結果、図1(a)に示すように、火花発生部41は路面に接触する状態に復帰する。以後、このようにして車両走行中火花発生部41が路面と断続的に接触し、火花発生装置は火花を発生し続けることとなる。
【0044】
次に、火花発生部41が路面に接触した状態で車両を後退させたときの、火花発生装置の動作について図2を用いて説明する。
【0045】
図2(a)に示すように、火花発生部41が路面に接触した状態から車両を後退させることにより、火花発生部41には路面との間に摩擦が生じるため、火花発生部41は路面によって進行方向とは逆方向の応力を受けることになる。
【0046】
その応力により、火花発生部41は、図2(b)に示すように、路面との接点を中心として車両の尾部方向へ起き上がり、この火花発生部41の動作に伴って連結部材21は第1のヒンジ32を中心に車両尾部方向へと付勢部材34の付勢力に抗して回転する。
【0047】
さらに車両が後退し続けると、図2(c)に示すように、火花発生部41は車両尾部側へ倒れ込み、これに伴い連結部材21は元の姿勢に復帰するようにして付勢部材34の付勢力により図中時計回りの方向に回転する。この状態になると火花発生部41は第2のヒンジ33を中心として車両頭部方向へ回動可能となるので、車両の後退時に路面から受ける応力により火花発生部41は第2のヒンジ33を中心として車両頭部方向へ回動し、火花発生部41にかかる負荷は解放されることとなる。
【0048】
さらに、車両が後退し続けると、前進の場合と同様、路面から受ける応力により火花発生部41が車両頭部方向へと跳ね上がり断続的に路面と非接触状態となるが、第2のヒンジ33に設けられたコイルスプリングの付勢力により、火花発生部41は路面に接触した状態に復帰する。ここで、連結部材21の車両頭部側の面には火花発生部41の上端部が入り込める凹部を設け、第2のヒンジ33を中心とした火花発生部41の車両頭部方向への回転範囲を大きくとれるようにしているため、図2(d)に示すように、火花発生部41が車両頭部方向へと跳ね上がり路面と非接触状態になったときでも、連結部材21が火花発生部41の上端部と干渉することがなく、火花発生部41を路面から十分な余裕をもって逃がすことができる。
【0049】
また、その後、車両を前進させたときには、これと逆の動作が行われ、図2(a)に示す状態に復帰する。
【0050】
[実施の形態2]
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
【0051】
図3は、本発明に係る火花発生装置の概略図であり、(a)は、接触状態を示し、(b)は、退避状態をそれぞれ示すものである。
【0052】
なお、この実施の形態に係る火花発生装置は、上記した実施の形態1のものと基本的に同じ構成であるので、同一部材には同一符号を付してその説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0053】
上記した実施の形態1では、取付部材11、連結部材21、火花発生部41、付勢部材34、規制部材24、および策体51を備えた構造としていたが、本実施の形態においては、取付部材11に弾性材料を採用することで連結部材21と規制部材24とを省いた構造とした。以下、詳述する。
【0054】
取付部材11は、例えば弾性を有する板片からなり、その一端部は車両の適所62に取り付けられている。取付部材11の他端部には、ヒンジ31を介して火花発生部41が取り付けられており、火花発生部41は、取付部材11が弾性を有するものであるため、取付部材11の一端部を中心として上下方向に揺動自在とされている。また、この火花発生部41は、ヒンジ31に設けられた、例えばコイルスプリングからなる付勢部材34により、車両頭部側へ回動する方向に付勢されているとともに、上記実施の形態1と同様、プーリ35および策体51により接触状態と退避状態のいずれかの状態を選択できるようになっている。
【0055】
上記取付部材11としては、火花発生部41が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する弾性材料を用いるのが望ましい。
【0056】
次に、上記構成の火花発生部41の動作について説明する。なお、接触状態と退避状態の選択時の動作、および、車両前進時の動作については、基本的に上記実施の形態1の場合と同様であるのでそれらの説明は省略し、ここでは路面に接触した状態で車両を後退させたときの動作について図4を用いて説明する。
【0057】
図4(a)に示す状態から車両を後退走行させることにより、火花発生部41には路面との間に摩擦が生じるため、火花発生部41は路面によって進行方向とは逆方向の応力を受ける。
【0058】
その応力により、火花発生部41は、図4(b)に示すように、路面との接点を中心として車両の尾部方向へ起き上がり、これによって取付部材11の他端部は上方へ大きく揺動する。
【0059】
さらに車両が後退し続けると、路面から受ける応力と取付部材11の弾性復元力とにより、図4(c)に示すように、火花発生部41は車両尾部側へ倒れ込み、これに伴い取付部材11は元の姿勢に復帰する。この状態になると火花発生部41はヒンジ31を中心として車両頭部方向へ回動可能となるので、火花発生部41は、付勢部材34の付勢力により、プーリ35に設けられたストッパ36が取付部材11に当接する位置までヒンジ31を中心として回転し、路面から浮上する。この結果、車両後退時に火花発生部41にかかる負荷は解放されることとなる。
【0060】
また、その後、車両を前進させたときには、これと逆の動作が行われ、図4(a)に示す状態に復帰する。
【0061】
[実施の形態3]
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
【0062】
図5は、本発明に係る火花発生装置の斜視図である。
【0063】
なお、この実施の形態に係る火花発生装置は、上記した実施の形態1のものと基本的に同じ構成であるので、同一部材には同一符号を付してその説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0064】
本実施の形態においては、取付部材11と、この取付部材11にヒンジ31を介して車両の進行方向と直交する軸周りに回動自在に設けられた第1の連結部材22と、この第1の連結部材22に第1のワイヤ25を介して枢動可能に設けられた第2の連結部材23と、この第2の連結部材23に第2のワイヤ26を介して枢動可能に設けられた火花発生部41と、付勢部材34とを備えた構造とした。以下、詳述する。
【0065】
上記第1の連結部材22は、取付部材11に第2の連結部材23を連結するためのものであり、形状については、特に限定しない。本実施の形態においては、第1の連結部材22の形状を略円柱状とすることにより、第1のワイヤ25を基点として第2の連結部材23が第1の連結部材22の径方向に枢動可能な構造となっている。第1の連結部材22には、火花発生部41が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。
【0066】
上記第1のワイヤ25は、第2の連結部材23を第1の連結部材22の径方向に枢動可能に支持するためのものである。第1のワイヤ25には、第1の連結部材22に対して枢動した後の第2の連結部材23を復帰させる第1の復帰手段を有する。この第1の復帰手段としては、例えば、コイルスプリングを第1の連結部材22内に埋設してその張力を利用するものや、第1のワイヤ25自体に弾性材料を用いるものなどがあげられるが、特に限定しない。なお、第1のワイヤ25に係る部分の全てを、コイルスプリングなどの弾性を有する部品に代替してもよい。
【0067】
上記第2の連結部材23は、第1の連結部材22に火花発生部41を連結するためのものであり、形状については、特に限定しない。本実施の形態においては、第2の連結部材23の形状を略円柱状とすることにより、第1のワイヤ25を基点として第2の連結部材23が第1の連結部材22の径方向に枢動可能な構造となるとともに、第2のワイヤ26を基点として火花発生部41が第2の連結部材23の径方向に枢動可能な構造となっている。第2の連結部材23には、火花発生部41が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。
【0068】
上記第2のワイヤ26は、火花発生部41を第2の連結部材23の径方向に枢動可能に支持するためのものである。第2のワイヤ26には、第2の連結部材23に対して枢動した後の火花発生部41を復帰させる第2の復帰手段を有する。この第2の復帰手段としては、例えば、コイルスプリングを第2の連結部材23内に埋設してその張力を利用するものや、第2のワイヤ26自体に弾性材料を用いるものなどがあげられるが、特に限定しない。なお、第1のワイヤ25に係る部分の全てを、コイルスプリングなどの弾性を有する部品に代替してもよい。
【0069】
上記火花発生部41は、車両走行中に路面に接触することにより、火花を発生させる部分である。また、本実施の形態では、火花発生部41の形状を略円柱状とすることにより、第2のワイヤ26を基点として火花発生部41が第2の連結部材23の径方向に枢動可能な構造としている。この火花発生部41は、路面に接触して火花を発生させる路面接触部42と、この路面接触部42を着脱自在に支持するとともに第2のワイヤ26を介して第2の連結部材23と枢動自在に支持された支持部43とを備えたものである。路面接触部42は、上述したように、支持部43に着脱可能に支持されていることにより、路面との接触で摩耗した場合、あるいは後述するように火花の発光色を変更したい場合などに交換できるようになっている。なお、上記の実施の形態では、火花発生部41は路面接触部42と支持部43の2部材から構成しているが、これに限らず、火花発生部41は一体の構造としてもよい。但し、火花発生部41の中でも路面に接触する部分は磨耗が著しいため、この接触部分(上記路面接触部42)を交換可能な構造とするのが好ましい。
【0070】
上記路面接触部42の材質としては、金属であれば、特に限定しないが、例えば、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金、マグネシウム、またはマグネシウム合金などを用いると、発光色および発生量において良好な火花を発生させることができる。
【0071】
上記支持部43には、路面接触部42が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。
【0072】
上記策体51は、火花発生部41が路面に接触する状態または路面から退避した状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段として設けられたものである。本実施の形態では、策体51は、その一端が、第1の連結部材22の上端部に接続され、図示しない他端が車両の室内の運転席に配されている。この策体51としては、例えば、ワイヤや鎖状のものなどがあげられるが、特に限定しない。この策体51を運転席から引っ張ることで第1の連結部材22が、車両尾部方向に付勢部材34の付勢力に抗して回転する。この一連の動作により火花発生部41が路面から退避されることとなる。また、火花発生部41を再び路面に接触させる場合は、これと逆の操作が行われる。なお、火花発生部41が路面に接触する状態または路面から退避した状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段としては、上記したような策体51によるものである必要はなく、例えば、電動モーターなどの駆動源を用いて第1の連結部材22を回動させるものであってもよい。
【0073】
次に、車両前進時における上記構成の火花発生装置の動作について図6を用いて説明する。
【0074】
図6(a)は、火花発生装置の接触状態を示し、図6(b)は火花発生装置の退避状態をそれぞれ示している。
【0075】
火花発生装置が図6(a)に示す接触状態で車両を前進走行させると、火花発生部41が付勢部材34の所定の圧力で路面に接触していることにより、火花発生部41が摩擦で路面に削られていき、金属粉が生じる。この金属粉は摩擦熱によって加熱されることから、空気中の酸素と反応し、この発火飛散した金属粉が火花となる。一方、火花を発生した火花発生部41には、摩擦によって進行方向とは逆方向の応力が負荷される。この応力によって火花発生部41は第2の連結部材23に対して車両尾部方向へと大きく屈曲し、火花発生部41は路面と非接触状態になる。その後、第2の復帰手段の付勢力とによって、図6(a)に示すように、火花発生部41は路面に接触する状態に復帰する。
【0076】
また、火花発生装置を退避状態とするときは、車両の運転席から策体51を引っ張ることで第1の連結部材22がヒンジ31周りに回動し、これに伴って第2の連結部材および火花発生部41が一体的に回動し、図6(b)に示すように、退避状態となる。
【0077】
次に、火花発生部41が路面に接触した状態で車両を後退させたときの、火花発生装置の動作について図7を用いて説明する。
【0078】
図7(a)に示す状態から車両を後退走行させることにより、火花発生部41には路面との間に摩擦が生じるため、火花発生部41は路面によって進行方向とは逆方向の応力を受ける。
【0079】
この応力によって、第2の連結部材23は、図7(b)に示すように、車両頭部方向へ屈曲し、また、火花発生部41は路面との接点を中心として車両尾部方向へと傾倒する。このため、図7(c)に示すように、火花発生部41は車両頭部方向へと屈曲した状態となり、火花発生部41に負荷されていた応力が解放される。さらに、路面から受ける応力により火花発生部41が車両頭部方向へと跳ね上がり、路面と非接触状態となっても、第2の復帰手段の付勢力により、火花発生部41は路面に接触した状態に復帰する。また、その後、車両を前進させたときには、これと逆の動作が行われ、図7(a)に示す状態に復帰する。
【0080】
[実施の形態4]
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
【0081】
図8は、本発明に係る火花発生装置の斜視図である。
【0082】
なお、この実施の形態に係る火花発生装置は、上記した実施の形態1のものと基本的に同じ構成であるので、同一部材には同一符号を付してその説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0083】
本実施の形態においては、取付部材11と、この取付部材11にヒンジ31を介して車両の進行方向と直交する軸周りに回動自在に設けられた連結部材21と、この連結部材21に内接し、上下に摺動可能に設けられた火花発生部41と、連結部材21の内部に設けられ、火花発生部41を下方に付勢する押圧手段27と、付勢部材34とを備えた構造とした。以下、詳述する。
【0084】
上記連結部材21は、取付部材11に火花発生部41を連結するためのものであり、形状については、特に限定しない。本実施の形態では、連結部材21は上部を閉口した筒体からなり、内部には火花発生部41を下方に付勢するための押圧手段27を有している。この押圧手段27としては、例えば、コイルスプリングや流体圧によるものなどがあげられるが、特に限定しない。また、火花発生部41が連結部材21から抜脱しないように抜脱防止手段を設けてもよい。連結部材21には、火花発生部41が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。
【0085】
上記火花発生部41は、車両走行中に路面に接触することにより、火花を発生させる部分である。また、火花発生部41は連結部材21に内接し上下に摺動可能に設けられているとともに、押圧手段27によって下方に付勢されている。そのため、車両走行中に車両の傾斜によって火花発生装置が取り付けられている車両部分が上下動することによって、その車両部分と一体化している取付部材11と連結部材21とが同様に上下動した場合、火花発生部41は連結部材21に対して上下に摺動することができる。また、この火花発生部41は、形状を連結部材21の内部の形状に対応するように全体を円柱形状にし、その下端部を半球形状にすることによって、路面に存在するわずかな凸部を越えるときに火花発生部41に生じる横方向の応力を、火花発生部41に対して上方向の応力に変えることができる。なお、上記実施の形態では、火花発生部41の形状は全体を円柱形状、下端部を半球形状としているが、これに限るものではない。また、この火花発生部41の材質としては、金属であれば、特に限定しないが、例えば、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金、マグネシウム、またはマグネシウム合金などを用いると、発光色および発生量において良好な火花を発生させることができる。また、火花発生部41が路面に接触する際に発生する振動、摩擦熱、および火花に耐え得るように、高強度、耐疲労性、および耐熱性を有する材料を用いるとよい。
【0086】
上記策体51は、火花発生部41が路面に接触する状態または路面から退避した状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段として設けられたものである。本実施の形態では、策体51は、その一端が、連結部材21の上端部に接続され、図示しない他端が車両の室内の運転席に配されている。この策体51としては、例えば、ワイヤや鎖状のものなどがあげられるが、特に限定しない。この策体51を運転席から引っ張ることで連結部材21が、車両尾部方向に付勢部材34の付勢力に抗して回転する。この一連の動作により火花発生部41が路面から退避されることとなる。また、火花発生部41を再び路面に接触させる場合は、これと逆の操作が行われる。なお、火花発生部41が路面に接触する状態または路面から退避した状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段としては、上記したような策体51によるものである必要はなく、例えば、電動モーターなどの駆動源を用いて連結部材21を回動させるものであってもよい。
【0087】
次に、火花発生装置の動作について図10を用いて説明する。
【0088】
図10は、火花発生装置が接触状態で車両を走行させたときの火花発生装置の状態の変化を示す概略図である。
【0089】
火花発生装置が図10(a)に示す状態で車両を走行させると、火花発生部41は押圧手段27の所定の圧力で路面に接触していることにより、火花発生部41が摩擦によって路面に削られていき、金属粉が生じる。この金属粉は摩擦熱によって加熱されることから、空気中の酸素と反応し、この発火飛散した金属粉が火花となる。
【0090】
また、車両走行中に加速、減速、または制動させると、車両が傾斜することにより、火花発生装置が取り付けられている車両部分は路面に対して上下動し、その車両部分と一体化している取付部材11と連結部材21も同様に上下動する。ここで、連結部材21が下方に動いたときには、火花発生部41は路面から上方向の応力を受けるが、火花発生部41は連結部材21に対して上下方向に摺動可能に設けられているため、火花発生部41は上方向に摺動し、路面から受けた応力は解放される。また、逆に連結部材21が上方に動いたときには、火花発生部41は押圧手段27によって下方に付勢されているため、火花発生部41は路面と常に接触状態を保つことができ、火花を発生させることができる。
【0091】
本発明は、図11に示すように、上記した各実施の形態に示されるような火花発生装置71を取り付けた車両61もその技術範囲に含むものである。この図示例では、火花発生装置71は車両61の尾部寄り下面に取り付けられているが、これに限るものではなく、例えば頭部寄りの下面であってもよく、あるいは、例えば後部バンパーの適所の下部に取り付けられていてもよい。
【0092】
なお、上記いずれの実施の形態にあっても、状態選択手段としての策体51を設けているが、これに限らず、策体51を省いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態1における火花発生装置の接触状態と退避状態とを示す概略図である。
【図2】後退走行時に本発明の実施の形態1における火花発生装置の状態の変化を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態2における火花発生装置の接触状態と退避状態とを示す概略図である。
【図4】後退走行時に本発明の実施の形態2における火花発生装置の状態の変化を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態3における火花発生装置の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態3における火花発生装置の接触状態と退避状態とを示す概略図である。
【図7】後退走行時に本発明の実施の形態3における火花発生装置の状態の変化を示す概略図である。
【図8】本発明の実施の形態4における火花発生装置の斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態4における火花発生装置の接触状態と退避状態とを示す概略図である。
【図10】路面から応力を受けた時の本発明の実施の形態4における火花発生装置の状態の変化を示す概略図である。
【図11】本発明の火花発生装置を搭載した車両の概略図である。
【図12】高さ測定装置の概略図である。
【符号の説明】
【0094】
11 取付部材
12 取付部材の側部
21 連結部材
22 第1の連結部材
23 第2の連結部材
24 規制部材
25 第1のワイヤ
26 第2のワイヤ
27 押圧手段
31 ヒンジ
32 第1のヒンジ
33 第2のヒンジ
34 付勢部材
35 プーリ
36 ストッパ
41 火花発生部
42 路面接触部
43 支持部
51 策体
61 車両
62 車両の適所
71 火花発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生装置において、
前記車両の適所に取り付けられる取付部と、
前記車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生部とを備え、
この火花発生部は前記取付部に可動部を介して支持されたことを特徴とする火花発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の火花発生装置において、
さらに、前記火花発生部が路面に接触する接触状態または路面に接触しない退避状態のいずれか一方を選択するための状態選択手段を備えたことを特徴とする火花発生装置。
【請求項3】
前記状態選択手段は、その操作部が前記車両の室内に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の火花発生装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の火花発生装置において、
さらに、前記火花発生部が前記接触状態にあるとき該火花発生部を路面に所定の圧力で付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする火花発生装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の火花発生装置において、
さらに、前記接触状態において前記車両が後退したとき路面から受ける応力により前記火花発生部を路面から車両の後退方向とは反対方向へ回避させる後退時接触回避手段を備えたことを特徴とする火花発生装置。
【請求項6】
車両の走行時に路面と接触して火花を発生させる火花発生装置において、
前記車両の適所に取り付けられる取付部材と、
この取付部材に一端部が第1のヒンジを介して前記車両の進行方向と直交する軸周りに回動可能に設けられた連結部材と、
この連結部材の他端部と第2のヒンジを介して前記車両の進行方向と直交する軸周りに回動可能に設けられた火花発生部と、
前記第1のヒンジに設けられ、前記連結部材を前記車両の頭部方向へ付勢することで前記火花発生部を路面に接触させる付勢部材と、
前記連結部材に設けられ、前記火花発生部が前記第2のヒンジの軸周りに前記車両の尾部方向へ回転するのを規制する規制部材とを備えたことを特徴とする火花発生装置。
【請求項7】
請求項6に記載の火花発生装置において、
さらに、一端部が前記連結部材に接続される一方他端部が前記車両の室内に配され、前記火花発生部が路面に接触する接触状態または路面に接触しない退避状態のいずれか一方を選択するための策体を備えたことを特徴とする火花発生装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載の火花発生装置を搭載したことを特徴とする車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−193065(P2006−193065A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7559(P2005−7559)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(505018533)株式会社ヒライオートサービス (1)
【Fターム(参考)】