説明

灯器発光部、メンテナンス装置及びメンテナンスシステム

【課題】 LEDを使用した灯器発光部において、灯器発光部の記憶装置に当該灯器発光部の固定データと点灯時間データを記憶し、そのデータと当該灯器発光部の光量に基づいて保守点検を行うことにより、灯器発光部の寿命を正確に且つ迅速に把握することが可能な灯器発光部、メンテナンス装置、及びメンテナンスシステムを提供する。
【解決手段】 このメンテナンスシステム40は、例えば信号灯器30を構成する灯器発光部1と、図4のメンテナンス装置10と、メンテナンス装置10の情報出力部17から出力されたデータを無線により送信する通信機器20と、メンテナンス情報を集計する集計センタ32とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯器発光部、メンテナンス装置、及びメンテナンスシステムに関し、さらに詳しくは、灯器発光部の交換時期を正確に判定するメンテナンス装置及びそれを使用したメンテナンスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の交通信号機に装備される信号灯器は、緑(G)、黄(Y)、赤(R)の各色に着色したガラスをはめ込んだ各容器内に白熱電球を備え、白熱電球をガラス後方より照明することによりガラスの色に応じて発光させる灯器発光部を備えている。しかし、信号の視認性の改善、灯器発光部の信頼性の向上、及びエネルギー問題から、近年では白熱電球タイプの信号灯器から高発光タイプのLEDを使用したLED信号灯器に替わりつつある。このLED信号灯器は、図7(a)に示すように、外観的には従来の信号灯器と同じであるが、図7(b)に示すように灯器発光部51が縦横に配列された複数のLED53により構成されている点が異なっている。そして各LED53として、予め割り当てられた特定色の光を発光するLEDを使用するため、強い直射日光を受けた状況下においても発光しているか否かの視認性が優れており、また消費電力、寿命の点でも従来の方式に比べて有利となっている。またLEDは直進性が強く且つ指向性が強い光特性を有するため、特定の領域だけに光を強く照射することができる。このような特性を利用して信号灯器の灯器発光部のLEDにより可視光通信を行う試みが提案されている。
このようにLED信号灯器が従来の白熱電球による信号灯器に比べて信号の視認性の改善、灯器発光部の信頼性の向上、及びエネルギー問題の点で有利になったとはいえ、定期的な保守点検の必要性がなくなった訳ではない。即ち、LED信号灯器は上記の有利な点を有する反面、従来の白熱電球による信号灯器に比べて部品コストが圧倒的に高くなるといった問題を抱えている。従って、灯器発光部の交換間隔が長くなったことによるトータルコストの低減を実現するために、灯器発光部の寿命を正確に且つ迅速に把握する保守システムの必要性に迫られている。その点から可視光通信を保守点検に利用することは有利である。
可視光通信に関する従来例として特開平8−7193号公報には、データ設定部には、信号機本体から信号灯器G、Y、Rの現在の点灯、消灯、点滅を示すステータス情報が設定され、また、送信すべき交差点の地名や、地理情報(道路案内)、道路の渋滞状況等を示す道路交通情報が設定される。そして点灯又は点滅している信号灯器G、Y、Rの光がステータス情報と道路交通情報により変調される技術が開示されている。また特許文献2、3には路上を走行する車両に対して交通情報を信号機から送信する技術について開示されている。
【特許文献1】特開平8−7193号公報
【特許文献2】特開平10−214396号公報
【特許文献3】特開2004−13401公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし従来の白熱電球による信号灯器の場合は、白熱電球を定期的に寿命になる前に交換しており、各信号灯器ごとの使用状況や発光色ごとの使用時間を測定して交換時期を判断することは成されていなかった。
また特許文献1〜3に開示されている可視光通信を使用した機器では、通信内容が保守点検に関する内容ではなく、機器そのものを制御する通信内容であったり、信号機の場合は道路関連情報の通信内容であった。
本発明は、かかる課題に鑑み、LEDを使用した灯器発光部において、灯器発光部の記憶装置に当該灯器発光部の固定データと点灯時間データを記憶し、そのデータと当該灯器発光部の光量に基づいて保守点検を行うことにより、灯器発光部の寿命を正確に且つ迅速に把握することが可能な灯器発光部、メンテナンス装置、及びメンテナンスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、複数のLEDを備えた灯器発光部において、前記灯器発光部は前記LEDの点滅状態を変調する変調部と、該変調部を制御して変調すべき信号を入力する変調制御部と、当該灯器発光部に関する固定データを記憶する固定データ記憶部と、当該灯器発光部の点灯時間を積算する点灯時間積算部と、を備えたことを特徴とする。
従来からLEDの点滅状態を変調する変調部を備えた灯器発光部は存在した。しかし、灯器発光部の寿命を判定するためのデータを記憶した灯器発光部は存在しなかった。そこで本発明では、灯器発光部内にこの灯器発光部の製造番号や製造年月等の固定データを記憶するメモリと、各灯器発光部の点灯時間を積算する点灯時間積算部を設け、これらのデータを変調して灯器発光部から送信するようにした。
請求項2は、前記変調制御部は外部の制御装置からの点灯条件信号に基づいて前記灯器発光部を点滅制御すると共に、前記点灯時間積算部により積算した灯器発光部の点灯時間データと前記固定データ記憶部に記憶されている固定データとを前記変調部により変調し、前記LEDから可視光として送信することを特徴とする。
本発明では灯器発光部が点灯するたびに、その灯器発光部に関する点灯時間データと固定データを変調し、その変調データに従ってLEDが点滅する。即ち、固定データは不変であるが、点灯時間はリアルタイムに積算されて変動するデータである。
請求項3は、前記灯器発光部を構成するLEDに少なくとも1つ以上の近赤外線用LEDを直列に接続し、前記変調制御部は前記LEDを変調することにより、前記LEDによる可視光通信と共に前記近赤外線用LEDによる近赤外線通信を可能としたことを特徴とする。
灯器発光部にある複数のLEDは各グループ毎に所定の数単位に直列に接続して点灯される。この理由は直列に駆動することにより、同じ電流で駆動が可能となりLEDの輝度を一定に保つことができるためである。そこで本発明では、この直列回路の中に近赤外線用LEDを少なくとも1つ以上接続して、可視光通信以外に近赤外線による通信を同時に可能とするものである。
【0005】
請求項4は、前記固定データ記憶部には、少なくとも当該灯器発光部を製造した製造会社名、当該灯器発光部を製造した製造年月、当該灯器発光部の発光色、及び当該灯器発光部の製造番号を記憶することを特徴とする。
灯器発光部の固定データは、その灯器発光部を製造したときの不変的なデータであり、且つ遡及するために必要なデータである。例えば、製造会社名、製造年月、発光色、及び製造番号等がある。
請求項5は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の灯器発光部から照射される光を受光する受光部と、該受光部により受光した光量を測定する光量測定部と、前記受光部により受光した被変調光を復調する復調部と、前記光量測定部により測定された光量データ及び前記復調部により復調された復調データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された光量データ及び復調データに基づいて前記灯器発光部の交換の可否を判定する判定制御部と、該判定制御部による判定結果を表示するモニタと、該判定結果を外部機器に出力する情報出力部と、を備えたことを特徴とする。
灯器発光部の寿命を判定する1つの方法として、灯器発光部の光量の変化を検出することである。また、固定データから灯器発光部の交換時期を判断することも可能である。そこで本発明では、灯器発光部の光を受光する受光部と、その光の光量を測定する光量測定部と、変調光を復調する復調部と、復調したデータと光量から灯器発光部の寿命を判定する判定制御部と、判定結果を表示するモニタと、データと判定結果を外部に出力する情報出力部とを備える。
【0006】
請求項6は、前記判定制御部は、前記記憶手段に記憶された光量データ及び復調データを読み出し、前記固定データ記憶部に記憶された製造年月日に基づいて算出される交換時期に達しておらず、且つ前記点灯時間積算部が積算した点灯時間が所定の時間に到達しておらず、且つ前記光量測定部により測定した光量が所定の光量以上であると判定した場合、前記固定データ記憶部に記憶された製造番号の灯器発光部は正常であると判定し、その旨を前記モニタに表示することを特徴とする。
判定制御部が灯器発光部を正常であると判定する判定基準は、その灯器発光部の製造年月が設定した交換時期に到達していないこと、点灯時間が所定の時間に到達していないこと、および光量が所定の光量以上であることの全てを満足することである。その条件が満足されるとその旨をモニタに表示する。
請求項7は、前記判定制御部は、前記記憶手段に記憶された光量データ及び復調データから前記交換時期への到達、点灯時間の超過、及び光量不足の何れか1つ以上を判定した場合、前記固定データ記憶部に記憶された製造番号の灯器発光部は交換すべきであると判定し、その旨を前記モニタに表示することを特徴とする。
判定制御部が灯器発光部を寿命であると判定する判定基準は、その灯器発光部の製造年月が設定した交換時期に到達していること、点灯時間が所定の時間に到達していること、および光量が所定の光量以下であることの何れか1つ以上を満足することである。その条件が満足されるとその旨をモニタに表示する。
【0007】
請求項8は、前記判定制御部は、前記記憶手段に記憶された光量データ及び復調データに基づいて判定した判定結果と共に、前記固定データ記憶部及び点灯時間積算部のデータを前記情報出力部により送信することを特徴とする。
受光部により受光したデータには、光量データと共に固定データ記憶部及び点灯時間積算部のデータが含まれている。そしてこれらのデータと共に判定制御部が判定した判定結果がある。そこで本発明では、これら全てのデータを外部に送信するものである。
請求項9は、前記情報出力部から出力されたデータを無線により送信する通信機器と、メンテナンス情報を集計する集計センタとを更に備え、請求項1乃至4の何れか一項に記載の灯器発光部のデータを請求項5乃至8の何れか一項に記載のメンテナンス装置により判定し、該判定結果及び前記灯器発光部のデータを前記通信機器を介して前記集計センタに送信することにより、複数個所に設置された灯器発光部のメンテナンス情報を統括管理することを特徴とする。
灯器発光部からメンテナンス装置が受光したデータを無線により集計センタに送信することにより、システムとしてメンテナンス管理を行うことができる。即ち、メンテナンス作業の漏れや、異常データによる判定の誤り等を集計センタにより管理してより正確なメンテナンスを実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、灯器発光部内に灯器発光部の製造番号や製造年月等の固定データを記憶するメモリと、各灯器発光部の点灯時間を積算する点灯時間積算部を設け、これらのデータを変調して灯器発光部から送信するので、灯器発光部が点灯したときに測定することにより、常に現状のデータを受信することができる。
また請求項2では、灯器発光部が点灯するたびに、その灯器発光部に関する点灯時間データと固定データを変調し、その変調データに従ってLEDが点滅するので、固定データとリアルタイムな点灯時間を受信することができる。
また請求項3では、直列回路の中に近赤外線用LEDを少なくとも1つ以上接続するので、可視光通信以外に近赤外線による通信を同時に行うことができ、状況により通信手段を選択することができる。
また請求項4では、固定データ記憶部には、少なくとも当該灯器発光部を製造した製造会社名、製造年月、発光色、及び製造番号を記憶するので、遡及するために必要なデータを得ることができる。
また請求項5では、メンテナンス装置には灯器発光部の光を受光する受光部と、その光の光量を測定する光量測定部と、変調光を復調する復調部と、復調したデータと光量から灯器発光部の寿命を判定する判定制御部と、判定結果を表示するモニタと、データと判定結果を外部に出力する情報出力部とを備えるので、メンテナンスに必要なデータの取得と、そのデータから灯器発光部が寿命になったか否かを判定して通知することができ、且つそのデータを外部に送信することができる。
また請求項6では、判定制御部が固定データ記憶部、点灯時間積算部及び復調データから総合的に判断して灯器発光部が正常であると判定するので、判定精度が向上する。
また請求項7では、判定制御部が固定データ記憶部、点灯時間積算部及び復調データから総合的に判断して灯器発光部が寿命であると判定するので、判定精度が向上する。
また請求項8では、光量データと共に固定データ記憶部及び点灯時間積算部のデータと共に判定制御部が判定した判定結果のデータを外部に送信するので、そのデータを基に正確なメンテナンスを行うことができる。
また請求項9では、灯器発光部からメンテナンス装置が受光したデータを無線により集計センタに送信するので、メンテナンス作業の漏れや、異常データによる判定の誤り等を集計センタにより管理してより正確なメンテナンスを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る灯器発光部の構成を示すブロック図である。この灯器発光部1はLED6の点滅状態を変調する変調部5と、この変調部5を制御して変調すべき信号を入力する変調制御部2と、当該灯器発光部1に関する固定データを記憶する固定データ記憶部3と、当該灯器発光部1の点灯時間を積算する点灯時間積算部4とを備えて構成される。尚LED6は1つでもよいし、複数のLEDの集合でも構わない。また点灯条件信号7は図示しない制御装置からの信号であり、灯器発光部1を点滅させるための信号である。
次にこの灯器発光部1の概略動作について説明する。図示しない制御装置が点灯のための点灯条件信号7を変調制御部2に入力すると、固定データ記憶部3に記憶された固定データと点灯時間積算部4に積算された積算値を変調部5により変調してLED6を点灯する。このとき点灯時間積算部4は点灯時間の積算を開始する。そして図示しない制御装置が消灯のための点灯条件信号7を変調制御部2に入力すると、変調制御部2はLED6を消灯すると同時に、点灯時間積算部4は点灯時間の積算を停止する。尚、変調制御部2はリアルタイムに積算値を変調してもよいし、消灯するまで積算してその積算値を記憶しておき、再び点灯したときにその積算値を更新するようにしてもよい。
【0010】
図2は固定データ記憶部3の記憶内容を示す図である。固定データ記憶部3には、図2のように少なくとも当該灯器発光部1を製造した製造会社名3a、当該灯器発光部1を製造した製造年月3b、当該灯器発光部1の発光色3c、及び当該灯器発光部1の製造番号3dを記憶する。例えば、製造会社名3aには「ABC株式会社」、製造年月3bには「1990年4月」、発光色3cには「緑」、製造番号3dには「123456」のデータが対応付けて記憶されている。これにより、何か灯器発光部1に問題が発生した場合に、これらのデータから遡及するために必要な情報を得ることができる。
図3は本発明の他の実施形態に係る1つの灯器発光部のブロック図である。図3のように灯器発光部1を構成するLED6に少なくとも1つ以上の近赤外線用LED9を直列に接続し、変調制御部2はLED6を変調することにより、LED6から発光する光8による可視光通信と共に、近赤外線用LED9から発光する近赤外線9aによる近赤外線通信を可能とする。これにより、状況により可視光通信が不可能な場合に近赤外線通信を選択することができる。
図4は本発明の実施形態に係るメンテナンス装置の構成を示すブロック図である。このメンテナンス装置10は図1で説明した灯器発光部1から発光される光8を受光する受光部11と、この受光部11により受光した光量を測定する光量測定部12と、受光部11により受光した被変調光を復調する復調部13と、光量測定部12により測定された光量データ及び復調部13により復調された復調データを記憶するメモリ(記憶手段)18と、このメモリ18に記憶された光量データ及び復調データに基づいて灯器発光部1の交換の可否を判定する判定制御部14と、この判定制御部14による判定結果を表示するモニタ15と、操作指示を行う操作部16と、判定結果を通信機器20に出力する情報出力部17とを備えて構成される。尚、図4では受光部11をメンテナンス装置10の内部にあるように構成されているが、別体にして図1の灯器発光部1に近接できるように分離した構成にしてもよい。また受光部11は図3の近赤外線9aも併せて受光できるようにするのが好ましい。
【0011】
図5はメンテナンス装置10の動作を説明するフローチャートである。図4を参照して動作を説明する。メンテナンス装置10の受光部11を図1の灯器発光部1に近接して光量測定部12により光量を測定する(S1)。そしてその光量データをメモリ18に記憶する(S2)。それと並行して受光部11により受光した可視光データを復調部13により復調し(S3)、メモリ18に復調データを記憶する(S4)。そして判定制御部14はメモリ18に記憶した固定データから製造年月3bと交換指定期日を比較し(S5)、交換指定期日を過ぎていると(S5でYESのルート)、交換指定期日が過ぎている旨をモニタ15に表示する(S10)。ステップS5で交換指定期日が過ぎていなければ(S5でNOのルート)、判定制御部14はメモリ18に記憶した図1の点灯時間積算部4により積算された点灯時間と寿命の基準となる基準時間とを比較し(S6)、点灯時間が基準時間を過ぎていれば(S6でYESのルート)、点灯時間が基準時間を過ぎている旨をモニタ15に表示する(S11)。ステップS6で点灯時間が基準時間を過ぎていなければ(S6でNOのルート)、メモリ18に記憶されている光量と基準光量とを比較し(S7)、光量が基準光量以下であると(S7でYESのルート)、光量が基準光量以下である旨をモニタ15に表示する(S12)。ステップS7で光量が基準光量以下でなければ(S7でNOのルート)、灯器発光器1は正常である旨をモニタ15に表示して(S8)、判定結果とメモリ18に記憶したデータを情報出力部17により通信機器20に出力する(S9)。
【0012】
図6は本発明のメンテナンスシステムの構成を示す図である。このメンテナンスシステム40は、例えば信号灯器30を構成する灯器発光部1と、図4のナンス装置10と、メンテナンス装置10の情報出力部17から出力されたデータを無線により送信する通信機器20と、メンテナンス情報を集計する集計センタ32とを備えて構成され、図1の灯器発光部1のデータを図4のメンテナンス装置10により判定し、この判定結果及び灯器発光部1のデータを通信機器20を介してアンテナ19から集計センタ32のアンテナ31に送信することにより、複数個所に設置された灯器発光部1のメンテナンス情報を統括管理するものである。
このように灯器発光部1からメンテナンス装置10が受光したデータを通信機器20により無線で集計センタ32に送信することにより、システムとしてメンテナンスを管理することができる。即ち、メンテナンス作業の漏れや、異常データによる判定の誤り等を集計センタ32により管理してより正確なメンテナンスを実現することができる。
以上のように本発明はLEDによる可視光通信が可能な照明機器一般に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る灯器発光部の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の固定データ記憶部3の記憶内容を示す図。
【図3】本発明の他の実施形態に係る1つの灯器発光部のブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係るメンテナンス装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明のメンテナンス装置10の動作を説明するフローチャート。
【図6】本発明のメンテナンスシステムの構成を示す図。
【図7】従来の信号灯器と灯器発光部の可視光通信を説明する図。
【符号の説明】
【0014】
1 灯器発光部、2 変調制御部、3 固定データ記憶部、4 点灯時間積算部、5 変調部、6 LED、8 光、10 メンテナンス装置、11 受光部、12 光量測定部、13 復調部、14 判定制御部、15 モニタ、16 操作部、17 情報出力部、18 メモリ(記憶手段)、20 通信機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDを備えた灯器発光部において、
前記灯器発光部は前記LEDの点滅状態を変調する変調部と、該変調部を制御して変調すべき信号を入力する変調制御部と、当該灯器発光部に関する固定データを記憶する固定データ記憶部と、当該灯器発光部の点灯時間を積算する点灯時間積算部と、を備えたことを特徴とする灯器発光部。
【請求項2】
前記変調制御部は外部の制御装置からの点灯条件信号に基づいて前記灯器発光部を点滅制御すると共に、前記点灯時間積算部により積算した灯器発光部の点灯時間データと前記固定データ記憶部に記憶されている固定データとを前記変調部により変調し、前記LEDから可視光として送信することを特徴とする請求項1に記載の灯器発光部。
【請求項3】
前記灯器発光部を構成するLEDに少なくとも1つ以上の近赤外線用LEDを直列に接続し、前記変調制御部は前記LEDを変調することにより、前記LEDによる可視光通信と共に前記近赤外線用LEDによる近赤外線通信を可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の灯器発光部。
【請求項4】
前記固定データ記憶部には、少なくとも当該灯器発光部を製造した製造会社名、当該灯器発光部を製造した製造年月、当該灯器発光部の発光色、及び当該灯器発光部の製造番号を記憶することを特徴とする請求項1、2または3に記載の灯器発光部。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の灯器発光部から照射される光を受光する受光部と、該受光部により受光した光量を測定する光量測定部と、前記受光部により受光した被変調光を復調する復調部と、前記光量測定部により測定された光量データ及び前記復調部により復調された復調データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された光量データ及び復調データに基づいて前記灯器発光部の交換の可否を判定する判定制御部と、該判定制御部による判定結果を表示するモニタと、該判定結果を外部機器に出力する情報出力部と、を備えたことを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項6】
前記判定制御部は、前記記憶手段に記憶された光量データ及び復調データを読み出し、前記固定データ記憶部に記憶された製造年月日に基づいて算出される交換時期に達しておらず、且つ前記点灯時間積算部が積算した点灯時間が所定の時間に到達しておらず、且つ前記光量測定部により測定した光量が所定の光量以上であると判定した場合、前記固定データ記憶部に記憶された製造番号の灯器発光部は正常であると判定し、その旨を前記モニタに表示することを特徴とする請求項5に記載のメンテナンス装置。
【請求項7】
前記判定制御部は、前記記憶手段に記憶された光量データ及び復調データから前記交換時期への到達、点灯時間の超過、及び光量不足の何れか1つ以上を判定した場合、前記固定データ記憶部に記憶された製造番号の灯器発光部は交換すべきであると判定し、その旨を前記モニタに表示することを特徴とする請求項5に記載のメンテナンス装置。
【請求項8】
前記判定制御部は、前記記憶手段に記憶された光量データ及び復調データに基づいて判定した判定結果と共に、前記固定データ記憶部及び点灯時間積算部のデータを前記情報出力部により送信することを特徴とする請求項5に記載のメンテナンス装置。
【請求項9】
前記情報出力部から出力されたデータを無線により送信する通信機器と、メンテナンス情報を集計する集計センタとを更に備え、請求項1乃至4の何れか一項に記載の灯器発光部のデータを請求項5乃至8の何れか一項に記載のメンテナンス装置により判定し、該判定結果及び前記灯器発光部のデータを前記通信機器を介して前記集計センタに送信することにより、複数個所に設置された灯器発光部のメンテナンス情報を統括管理することを特徴とするメンテナンスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−107823(P2006−107823A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290279(P2004−290279)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】