説明

灰化玄米製品および玄米ミネラル飲料とその製造方法

【課題】灰化した玄米からミネラル分を損なう事無くすばやく吸収できる粉状または粒状製品や飲料を得る方法と製品を実現する。
【課題を解決するための手段】玄米を550℃から600℃で5〜6時間灰化した粉状、または粒状の玄米ミネラル食品として製品化し摂取できる。また、灰化して得た玄米のミネラル分を水にて溶解し、アミノ酸、乳酸、クエン酸又はその他有機酸を含む果汁または食酢やヨーグルトにて味つけした、玄米ミネラル飲料として製品化し摂取できる。病人食や高齢者、子供、植物ミネラル不足の現代人向け玄米ミネラル飲料として販売できる。
【図面の簡単な説明】 本発明による灰化玄米ミネラル製品並びに玄米ミネラル飲料の製造方法を工程順に示すフローチャートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灰化した玄米から固形または液状の玄米ミネラル製品を得る方法と形状の異なる2種以上の製品に関する。
【背景技術】
【0002】
玄米は、白米よりビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含むため、健康食品として用いられている。ところが、玄米を家庭で適度に煮るには技術的に困難で、たとえ煮えたとしても硬過ぎて、高齢者には食べづらい。粥状に煮て提供すれば、食べやすくなるが、消化の悪い玄米が入っているので体力が弱っていたり、胃腸が弱かったり、また好き嫌いの多い高齢者には必ずしも好適とは言えない。
玄米からミネラル分だけを取り出した製品または飲料を製造できると、高齢者や病人でも、各人の好みの飲料を選択して玄米のミネラル分を摂取できるし、飲用方法の違い、粒の有無、風味の違いなどの2種以上を楽しむことができ、植物の必須微量元素を効率的に補給したい場合には大変助かる。従って、高齢化社会の到来やバランスの取れた栄養補給による医療費の負担軽減を考慮すると、実用化が望まれる。
【0003】
ところで、特許文献1のように、誰でも手軽に、玄米の栄養素を摂取できるようにするために、玄米の栄養素を含んだ玄米スープと果実成分を含んだ、玄米飲料物の製造方法を提供するために、玄米をキツネ色になるまで熱を加え煎る加熱工程と、当該煎った玄米1重量部に対して水10重量部とを共に煮る、煮込み工程と、煮込み工程の後、ザル又はさらしで濾して玄米汁を取出す搾り工程と、前記搾り工程により取り出した玄米汁と同重量部になるように、少なくとも1種以上の天然果汁100%の果汁を煮込み濃縮させる果汁濃縮工程と、当該玄米汁と濃縮した果汁が1:1の同重量部の割合で撹拌混合されて生成される濃縮玄米スープの製造方法と濃縮玄米スープが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−265125
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような製造方法では、玄米汁しか有効利用できず、栄養価に富んでいる折角の玄米を充分に生かしきれないので、大変勿体ない使い方である。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、玄米を灰化する製法において、玄米の搾り汁以外も完全に利用でき、かつより美味しく積極的に玄米のミネラル成分全部を摂取可能な製品とその製造方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、灰化した玄米を粉状又は粒状の製品とすることを特徴とする灰化玄米ミネラル製品の製造方法である。
このように、灰化した玄米を粉状の玄米ミネラルまたは打錠して製品化することで、消化吸収の早い段階で玄米に含まれる植物ミネラルをすばやく摂取できる。また、日常の食事に添加する玄米ミネラル製品として、病人食や高齢者向けに販売できる。従って、原料の玄米ミネラルを100%有効利用でき、無駄にしないので、資源の有効利用が可能となる。
通常の食事だとミネラル分を吸収するために玄米を腸内で消化する必要があるし、腸内微生物による同化により、人間が吸収できるミネラル分の割合は少なくなり、効率の良い玄米ミネラル摂取法とはいえない。
【0007】
請求項2は、灰化した玄米を粉状の玄米ミネラルまたは打錠して製品化し、食べ物を消化吸収する早い段階で、玄米に含まれる植物ミネラルをすばやく摂取できる。また、日常の食事に添加する玄米ミネラル製品である。灰化した玄米は、原料の玄米ミネラルを100%有効利用でき、無駄にしないので、資源の有効利用が可能となり、しかも効率的に玄米ミネラルを吸収できるので、日ごろの食生活では不足しがちな植物性の必須微量元素を消化吸収能力が衰えた病人や高齢者、または、食生活が偏りがちな子供や大人向け玄米ミネラル製品として販売できる。
【0008】
請求項3は、灰化した玄米に水分を加え水溶液とし、そのまま又は味つけして製品化することを特徴とする灰化玄米ミネラル飲料の製造方法である。
このように、灰化した玄米と水又は湯を混合してから、ろ過して得た灰化玄米ミネラル湯又は灰化玄米ミネラル水を、そのまま又は味つけした製品は、灰化玄米ミネラルの水溶性成分を抽出し含有した飲料であるため、灰化玄米ミネラル成分を必要とする人々の栄養補給飲料として付加価値の高い製品を実現できる。また、固形物を噛めない高齢者や病人食として好適であり、高齢化社会における必需品となる。
【0009】
請求項4は、灰化した玄米に水を加え、そのまま又は味つけして製品化することを特徴とする灰化玄米ミネラル飲料である。
このように、灰化した玄米と水又は湯を混合してから、ろ過して得た灰化玄米ミネラル湯又は灰化玄米ミネラル水を、そのまま又は味つけした飲料は、灰化玄米ミネラルの水溶性成分を抽出し含有した飲料であるため、玄米に含まれるすべてのミネラルを含んでおり、病人や高齢者、要介護者などの栄養補給に最適である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のように、灰化した玄米を粉状の玄米ミネラルまたは打錠して製品化し、体内における消化吸収の早い段階で、玄米に含まれる植物ミネラルをすばやく摂取できる。また、日常の食事に添加する玄米ミネラル製品として、食べ物を消化吸収する能力が低下した病人や高齢者向けとして、または食生活が偏りがちで、植物性の必須微量元素の不足している子供や大人のための玄米ミネラル製品として販売できる。従って、原料の玄米ミネラルを100%有効利用でき、無駄にしないので、栄養資源の有効利用も可能となる。
【0011】
請求項2のように、灰化した玄米を粉状の玄米ミネラルまたは打錠して製品化し、体内における消化吸収する早い段階で、玄米に含まれる植物ミネラルを摂取でき、日常の食事に添加する玄米ミネラル製品であるため、玄米ミネラル成分を必要とする人々の栄養補給飲料として付加価値の高い製品を実現できる。また、効率的に玄米ミネラルを吸収できるので、日ごろの食生活では不足しがちな植物性の必須微量元素補給食品として、消化吸収能力が衰えた病人や高齢者、または、食生活が偏りがちな子供や大人向け玄米ミネラル製品として好適であり、高齢化、食生活の西洋化した現代社会における必需品となる。
【0012】
請求項3のように、灰化した玄米に水を加え、そのまま又は味つけして製品化することを特徴とする灰化玄米ミネラル飲料の製造方法は、灰化した玄米と水又は湯を混合してから、ろ過して得た灰化玄米ミネラル湯又は灰化玄米ミネラル水を、そのまま又は味つけした製品であるから、灰化玄米ミネラルの水溶性成分を抽出し含有した飲料であるため、灰化玄米ミネラル成分を必要とする人々の栄養補給飲料として付加価値の高い製品を実現できる。また、固形物を噛めない高齢者や病人食として好適であり、高齢化社会における必需品となる。
【0013】
請求項4のように、灰化した玄米に水を加え、そのまま又は味つけして製品化することを特徴とする灰化玄米ミネラル飲料は、灰化した玄米と水又は湯を混合してから、ろ過して得た灰化玄米ミネラル湯又は灰化玄米ミネラル水を、そのまま又は味つけした飲料であるから、灰化玄米ミネラルの水溶性成分を抽出し含有した飲料であるため、玄米に含まれるすべてのミネラルを含んでおり、日ごろの食生活では不足しがちな植物性の必須微量元素補給食品として、消化吸収能力が衰えた病人や高齢者、または、食生活が偏りがちな子供や大人向け玄米ミネラル製品として好適であり、高齢化、食生活の西洋化した現代社会における必需品となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による灰化玄米ミネラル製品並びに玄米ミネラル飲料の製造方法を工程順に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明による灰化玄米ミネラル製品並びに玄米ミネラル飲料とその製造方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による灰化玄米ミネラル製品とその製造方法を工程順に示すフローチャートである。
ステップS1に示すように原料は玄米であるが、副原料として米ぬかや籾を併用することもできる。
主原料の玄米は、ステップS2のように灰化するが、550℃〜600℃で5〜6時間をかけて徐々に加熱するのがよく、灰白色に変色する程度が適している。急に加熱して引火しないように、常に監視する必要がある。米ぬかや籾と一緒に灰化することで灰化効率が向上する。
【0016】
適度に灰化したら、ステップS3のように、60μメッシュ篩にてきめを整えることにより、粉状の灰化ミネラル原料を取り出すことができる。その後、金属探知機や目視により、不純物を取り除く工程で安全性を確保する。
【0017】
粉状の灰化玄米ミネラルは、直接食品としての利用または、他の食品に添加するための食材として販売可能な製品にする。あるいは、ステップS4のように、直接飲みやすいように増量剤を加え、味付けを行い、打錠することにより、お年寄りでもむせることなく飲み込むことができる製品または、口の中で噛み砕き飲み込むことも可能となる製品にする。例えば、沖縄産のシークヮーサー(ヒラミレモン)のピューレを適量添加するだけで、香りと酸味づけが可能である。灰化玄米ミネラルは、アルカリ性なので、果汁酸と中和して飲みやすい清涼感が得られる。沖縄のもろみや玄米黒酢エキスなど、またはアミノ酸を含むうまみ成分や乳酸を含むヨーグルト類を添加することも「味つけ」に含まれるものとする。
【0018】
適度に灰化したら、ステップS5のように、充分な湯(又は水)を加えて10〜30分間、好ましくは20分間程度の間、弱火で加熱し煮詰める。湯(又は水)の分量(重量比)は、灰化した玄米の200〜300倍程度の分量が適している。このように、20分前後の長時間かけて弱火でじっくり煮つめるので、灰化玄米中の水溶性の成分を水中に溶出すことができる。
次に、フィルター濾過すことによって、不純物を分離する。より透明度が高く、より粘度の低い玄米ミネラル水溶液だけを取り出すためである。
【0019】
こうしてフィルター濾過すると、透明度の高い灰化玄米ミネラル汁を得ることができる。灰化玄米汁は、そのまま自然冷却して、灰化玄米ミネラル水、又は灰化玄米ミネラル汁として、販売可能な製品にする。あるいは、飲みやすいように味つけしてから製品にする。例えば、沖縄産のシークヮーサー(ヒラミレモン)、パインアップル、アセロラ、パッションフルーツなどの丸搾りジュースを少量添加するだけで、香りと酸味づけが可能である。灰化玄米汁は、アルカリ性なので、果汁酸と中和して飲みやすい清涼感が得られる。沖縄のもろみ酢や玄米黒酢などの健康酢またはアミノ酸を含むうまみ成分や乳酸を含むヨーグルト類を添加することも「味つけ」に含まれるものとする。
【0020】
灰化した玄米ミネラルの第3の製品は、ステップS6のように、粉状の素材、またはその水溶液に保湿、美肌、美白、育毛、抗炎症、口臭予防効果を目的とした有効成分を加えることにより製品化できる、灰化玄米ミネラル化粧品である。
【0021】
灰化した玄米ミネラルは、分子量も小さく、水溶液の状態で細胞膜からの吸収が行われるが、有機酸と水溶液中でキレートを作る性質があり、果汁やアミノ酸などと混合することで、さらに肌の表面から吸収しやすくなると考えられる。
【0022】
玄米の固形部分をそのまま煮つめただけでは玄米の粒が残っていてその歯触りを嫌う人もいるので、ステップS2のように灰化して、ミネラル分を取り出すことにより、完全に分解されたミネラル分となるので、その後にステップS3、S4のように味付けして、粉状、粒上、液状に仕上げると、高齢者や胃腸の弱っている人でも、食べやすくなる。また、病人食としても適している。
この場合、灰化した玄米ミネラルを粉状のまま一般の食材に加えると、玄米ミネラルを強化した健康食品ができる。予め粉末化してあるので、料理の後に添加してもよい。
【0023】
五大栄養素であるミネラルは、植物から得られるバランスのとれた過不足のないミネラル分を日常的に摂取することにより、細胞の働きを担う酵素やホルモンなどの部品となる必須微量元素として、人間にはなくてはならない栄養素である。特に玄米はミネラル分が豊富で、健康長寿の食品として有名である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上のように、本発明によると、玄米の灰化製法において、玄米のミネラル分を完全に利用でき、無駄の無い、植物ミネラル資源を有効利用できる製法と製品を実現できる。しかも、病人や高齢者でも美味しく積極的に玄米のミネラル分を摂取可能な製品とその製造方法である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灰化した玄米を粉状または粒状のミネラル食品または添加物として製品化することを特徴とする玄米ミネラル製品の製造方法。
【請求項2】
灰化した玄米を粉状または粒状のミネラル食品または食品添加物として製品化することを特徴とする玄米ミネラル製品
【請求項3】
灰化した玄米を、水または、果汁を加え味付けして製品化することを特徴とする玄米ミネラル飲料の製造方法。
【請求項4】
灰化した玄米を、水または、果汁を加え味付けして製品化することを特徴とする玄米ミネラル飲料。
【請求項5】
灰化した玄米と保湿、美肌、美白、育毛、抗炎症、口臭予防効果を目的とした有効成分を加えることにより製品化することを特長とする玄米ミネラル化粧品。

【図1】
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【公開番号】特開2013−3(P2013−3A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130758(P2011−130758)
【出願日】平成23年6月12日(2011.6.12)
【出願人】(709002347)
【Fターム(参考)】