説明

災害対処システム、災害対処方法、災害対処装置、及び災害対処プログラム

【課題】 災害が発生した場合に、ユーザを適切に保護することを可能とする。
【解決手段】 災害検知装置を内蔵及び/又は接続した一又は二以上の災害対処装置10と、当該災害対処装置10にネットワークを介して接続された災害受付センタサーバ20とを有する災害対処システムであって、災害対処装置10は、災害検知装置10Aにより検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定し、災害受付センタサーバ20に災害が発生したことを示す情報を送信するとともに、災害受付センタサーバ20との接続を常時接続した状態とし、災害受付センタサーバ20は、災害が発生したことを示す情報を受信すると、災害対処装置10との接続を常時接続した状態とする災害対処システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害が発生した場合に、これを適切に検知し、ユーザを保護するための各種手段を提供する災害対処システム、災害対処方法、災害対処装置、及び災害対処プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人は、地震や、火事、ガス漏れ、犯罪などによる予期せぬ災害に出くわすと、パニック状態に陥り、適切に対処できない場合が多い。例えば、災害発生時に、警察署や消防署などへの通報を行うことができなかったり、通報は行えても正確に災害状況を伝えることができない場合が多い。すなわち、人は、このような緊急事態に際して、自分で災害を適切に回避することが困難な状況になってしまうという問題があった。
【0003】
このような災害発生時の問題の解決を支援する先行技術としては、例えば特許文献1に記載の携帯電話ホームコントロールシステムなどを挙げることができる。このシステムによれば、センサにより火災やガス漏れ等が検出されたとき、対応する警報情報をメモリから読み出して、携帯電話機や、消防署,警察署などの非常通報システムへ、警報情報を通知することができる。
したがって、このような従来のシステムによれば、当該システムのユーザは自ら警察署などに通報しなくとも、災害時にはシステムにより自動的に通報を行うことができる。このため、ユーザが災害に出くわしてパニック状態に陥った場合でも、所定の通報先へ通報でき、その通報先によって災害に対処することが可能なものとなっている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−127897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、災害が検知された場合に、単に消防署などへの自動通報を可能とするのみでは、消防署などからの救助が到着するまでの間、パニック状態に陥ったユーザをパニックから救い出すことはできない。すなわち、従来の技術によれば、災害発生時に消防署等への通報を行うことはできるが、ユーザに対して、パニックから救い出すための何らかのサポートを与えることはできず、ユーザを安全な状況に導くことができなかった。
【0006】
さらに、災害には地震や火事、ガス漏れ、犯罪によるものなど種々のものが存在するが、いずれの場合にも、ユーザ自らに適切な行動を促せることが望ましく、また火事が発生した場合には消火活動を実行したり、周囲の協力を促せることが望ましい。
また、地震が発生した場合には広域災害対策の支援、強盗などの犯罪による災害が発生した場合には犯人の撃退、その他災害の発生にもとづく保険会社への保償請求等を可能とすることで、ユーザの保護を向上させることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、災害が発生した場合に、ユーザに対して適切な指示や、その他各種災害対処手段を提供することで、ユーザを適切に保護することが可能な災害対処システム、災害対処方法、災害対処装置、及び災害対処プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の災害対処システムは、災害検知装置を内蔵及び/又は接続した一又は二以上の災害対処装置と、当該災害対処装置にネットワークを介して接続された災害受付センタサーバとを有する災害対処システムであって、災害対処装置が、災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定し、災害受付センタサーバに災害が発生したことを示す情報を送信するとともに、災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とし、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信すると、災害対処装置との接続を常時接続した状態とする構成としてある。
【0009】
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害が発生した緊急時において、災害対処装置から災害受付センタサーバへ各種情報を送信可能な状態としておくことができるとともに、災害受付センタサーバから災害対処装置へ各種情報を送信可能な状態としておくことができる。
これにより、災害受付センタサーバが設置されたセンタ側は、災害対処装置が設置されたユーザ側に対する緊急監視体制をとることができ、必要に応じて即情報の送受信を実行することが可能となる。
なお、「災害基準」とは、具体的には震度数、温度、ガス濃度などの値等とすることができるものであり、災害が発生したと判定するための条件を意味する。
【0010】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置が、災害が発生したと判定すると、災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次災害受付センタサーバに送信する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害受付センタサーバにおいて、災害対処装置側に発生している災害の状況の推移を的確に把握することが可能となる。
【0011】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置が、災害が発生したと判定すると、入力された音声情報を災害受付センタサーバに送信するとともに、災害受付センタサーバから受信した音声情報を出力し、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信すると、入力された音声情報を災害対処装置に送信するとともに、災害対処装置から受信した音声情報を出力する構成としてある。
【0012】
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害受付センタサーバは、災害対処装置側で生じている音声を受信することができるため、災害対処装置側における状況を把握しやすくなるとともに、ユーザがパニックに陥っているような場合であっても、災害受付センタサーバ側から音声によりユーザに対して適切な呼びかけを行うことができる。
このため、ユーザがパニック状態に陥っていても、これを回復させることができ、ユーザに適切な災害回避対策をとらせることも可能となる。
また、災害対処装置の近辺にユーザがいないような場合でも、その周囲に人がいる場合には、声を上げてもらうように案内することができ、適切な災害回避行動をとってもらうようにすることも可能となる。
【0013】
また、本発明の災害対処システムは、ネットワークに接続された保険会社における関連部門装置を有するとともに、災害受付センタサーバが、災害対処装置と当該災害対処装置のユーザの個人情報との対応関係を記憶した記憶装置を備え、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信すると、記憶装置から災害対処装置に対応する個人情報を取得して、当該個人情報と、災害が発生したことを示す情報とを関係部門装置に送信する構成としてある。
【0014】
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害対処装置のユーザは、災害により発生した損害についての保償金の請求手続きを、早期に自動的に開始することができる。
このため、ユーザは、保険証書の保管場所や保償の内容を忘却しているような場合でも、保償金請求手続きを早期に開始でき、保険会社は、災害被災者に対して、タイムリーに適切な支援を行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置のユーザの携帯電話機を有するとともに、個人情報に当該携帯電話機の電話番号が含まれ、災害受付センタサーバは、災害が発生したことを示す情報を受信すると、当該災害が発生したことを示す情報を携帯電話機に送信する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害対処装置のユーザが外出している場合など、災害対処装置が設置されている場所の近辺にいない場合でも、ユーザに対して確実に災害の発生を伝達することができ、早期に災害に対する対応をとることを可能とすることができる。
【0016】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置が、災害が発生したと判定すると、当該災害対処装置に備えられたライトを点滅させる構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害が発生した場合に、災害対処装置の周辺において、災害の発生を明示することができる。
また、強盗などによる災害の場合には、犯人に対して、犯行が災害対処システムにより把握されていることを明示でき、撃退することも可能となる。
【0017】
また、本発明の災害対処システムは、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信すると、当該災害が発生したことを示す情報を、少なくとも警察署における電話機若しくはネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された警察署における関係部門装置、消防署における電話機若しくはネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された消防署における関係部門装置、又は、ガス会社における電話機若しくはネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続されたガス会社における関係部門装置のいずれかに送信する構成としてある。
【0018】
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害対処装置及び災害受付センタサーバを常時接続状態とすることに加え、災害の発生を、警察署、消防署、ガス会社等に早期に通報することができる。
このため、災害による被害を最小限に食い止めることが可能になるとともに、災害が解消した場合には、災害対処装置から災害受付センタサーバを通じて、すぐにこれを伝達することが可能となる。
【0019】
また、本発明の災害対処システムは、災害受付センタサーバが、警察署、消防署、及び/又はガス会社における電話機及び/又は関係部門装置への災害が発生したことを示す情報の送信に際し、当該送信を行うこと又は行ったことを示す音声情報を災害対処装置に送信する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害対処装置から例えば「警察署通報中」などと、警察署等への通報状況を音声出力することができるため、ユーザに安心感を与えることができ、パニック状態から救い出すことが可能になるとともに、強盗などによる災害の場合には、犯人を撃退することも可能となる。
【0020】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置に災害が発生したとする判定をキャンセルする入力が、当該判定から所定の時間内になかった場合に、災害受付センタサーバは、警察署、消防署、及び/又はガス会社における電話機及び/又は関係部門装置への災害が発生したことを示す情報の送信を行い、災害対処装置に災害が発生したとする判定をキャンセルする入力が、当該判定から所定の時間内にあった場合、災害対処装置は、キャンセル要求を災害受付センタサーバに送信して、当該災害受付センタサーバとの接続を解除し、災害受付センタサーバは、キャンセル要求を受信すると、災害対処装置との接続を解除する構成としてある。
【0021】
災害対処システムをこのような構成にすれば、所定の災害検知条件にもとづき災害対処装置と災害受付センタサーバとの接続状態を確立し、所定時間内に災害発生の判定がキャンセルされない場合にのみ、警察署等への通報を行うことができる。
このため、ユーザ自身が重傷を負って通報ができない場合や、ユーザが不在の場合に、ユーザに代わって通報することが可能となる。
また、このように所定時間キャンセル待ちを行った後に通報することで、不必要な場合の通報を防止することが可能となる。
【0022】
また、本発明の災害対処システムは、災害検知装置に地震検地装置が含まれ、災害対処装置が、地震検地装置により検知された震度が所定値以上の場合に、災害が発生したと判定する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、例えば震度3以上の地震が発生した場合に、災害対処装置を緊急監視状態とすることで、万一の場合にユーザを保護することが可能となる。
【0023】
また、本発明の災害対処システムは、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信し、かつ、災害対処装置が設置された所定範囲の地域と同じ地域に設置された他の災害対処装置からも災害が発生したことを示す情報を受信すると、この地域における全ての災害対処装置から、地震、火事、ガス漏れについての全ての検知情報を受信する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、広域で発生した地震災害の被害状況等を収集することが可能となる。
【0024】
また、本発明の災害対処システムは、災害受付センタサーバが、全ての災害対処装置から受信した検知情報にもとづいて、少なくとも当該検知情報を備えた広域支援情報を所定範囲の地区ごとに作成する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、被害総額や必要支援物資量の見積もりを早期に行うことができ、この広域支援情報を保険会社などに提供することで、タイムリーな物資の支援、保償金調達等を行うことが可能となる。
【0025】
また、本発明の災害対処システムは、災害検知装置に火事検地装置が含まれ、災害対処装置が、火事検地装置により検知された温度が設定温度以上の場合に、災害が発生したと判定する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害検知装置周辺において、設定温度を超えるような危険な状況が生じた場合に、災害対処装置を緊急監視状態とすることで、万一の場合にユーザを保護することが可能となる。
【0026】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置が、二以上の火事検知装置から検知された温度が、設定温度以上である場合、当該災害対処装置におけるスピーカから緊急避難をすべきことを示す所定の音声を繰り返し出力する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、火災が広がっている場合や広い範囲で発生する可能性がある場合に、ユーザに早期避難を促すことが可能となる。
【0027】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置が、火事検知装置からの検知情報が、所定の温度以上の温度を所定の時間以上検知したことを示す場合、及び/又は災害対処装置に接続されている消火装置から異常温度信号を受信した場合、消火装置に消化剤を噴射させる構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、早期に自動的に消化活動を実行することができるため、火事よる被害を最小限に抑制することが可能となる。
【0028】
また、本発明の災害対処システムは、災害検知装置にガス漏れ検地装置が含まれ、災害対処装置が、ガス漏れ検地装置により検知されたガス濃度が設定濃度以上の場合に、災害が発生したと判定する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、ガスが一定以上漏れたことが検知された場合に、災害対処装置を緊急監視状態とすることで、万一の場合にユーザを保護することが可能となる。
【0029】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置が、二以上のガス漏れ検知装置から検知されたガス濃度が、設定濃度以上である場合、当該災害対処装置におけるスピーカから緊急避難をすべきことを示す所定の音声を繰り返し出力する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、複数箇所でガス漏れが発生している場合、ユーザに早期避難を促すことが可能となる。
【0030】
また、本発明の災害対処システムは、災害検知装置が音声を入力すると、当該入力音声が、所定の犯罪行為による災害が発生した場合に発せられる悲鳴として当該災害対処装置に登録されている所定の音声に存在するかどうかを検索し、存在する場合に、災害が発生したと判定する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、強盗や暴行などの犯罪行為にようる災害の発生を的確に判定することが可能となる。
このため、警察署への通報や、通報したことの音声出力などを適切に行うことができ、犯人を撃退することも可能となる。
【0031】
また、本発明の災害対処システムは、災害受付センタサーバが、当該災害受付センタサーバとネットワークを介して接続された気象庁のWebサイトから受信した地震速報における震度が所定の震度以上であり、かつ、災害対処装置から所定時間以内に災害が発生したことを示す情報を受信しなかった場合に、災害が発生したと判定する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害が発生するとともに、災害対処装置が損傷し、災害受付センタサーバに災害が発生したことを示す情報を送信できない場合でも、災害受付センタサーバ側は、災害対処装置が所定時間以上無通信であることにもとづいて、緊急監視体制をとることが可能となる。
【0032】
また、本発明の災害対処システムは、災害受付センタサーバが、災害が発生したと判定すると、災害対処装置に対応する個人情報における住所にもとづき当該災害対処装置が設置された地域と同じ地域に設置された他の災害対処装置と接続可能であるかを確認する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害受付センタサーバ側において、災害が実際にどの程度の範囲に及んだかを把握することが可能となる。
【0033】
また、本発明の災害対処システムは、災害対処装置が、災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たさない場合、検知情報を定期的に災害受付センタサーバに送信する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害が発生していない通常の状態であっても、災害受付センタサーバ側において、検知情報を把握することが可能となる。
【0034】
また、本発明の災害対処システムは、災害受付センタサーバが、定期的に受信した検知情報を当該災害受付センタサーバにおける履歴ファイルに記憶するとともに、当該検知情報にもとづきガス漏れ、地震、火事の危険性を分析する構成としてある。
災害対処システムをこのような構成にすれば、災害が発生していない場合でも、検知情報にもとづき災害発生の要因がないかどうかを調べることが可能となる。
【0035】
また、本発明の災害対処方法は、災害検知装置を内蔵及び/又は接続した一又は二以上の災害対処装置と、当該災害対処装置にネットワークを介して接続された災害受付センタサーバとを用いた災害対処方法であって、災害対処装置は、災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定し、災害受付センタサーバに災害が発生したことを示す情報を送信するとともに、災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とし、災害受付センタサーバは、災害が発生したことを示す情報を受信すると、災害対処装置との接続を常時接続した状態とする方法としてある。
【0036】
また、本発明の災害対処方法は、災害対処装置が、災害が発生したと判定すると、災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次災害受付センタサーバに送信する方法としてある。
また、本発明の災害対処方法は、災害対処装置が、災害が発生したと判定すると、入力された音声情報を災害受付センタサーバに送信するとともに、災害受付センタサーバから受信した音声情報を出力し、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信すると、入力された音声情報を災害対処装置に送信するとともに、災害対処装置から受信した音声情報を出力する方法としてある。
【0037】
また、本発明の災害対処方法は、災害受付センタサーバが、災害対処装置と当該災害対処装置のユーザの個人情報との対応関係を記憶した記憶装置を備えたものであり、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信すると、記憶装置から災害対処装置に対応する個人情報を取得して、当該個人情報と、災害が発生したことを示す情報とを、ネットワークに接続された保険会社における関係部門装置に送信する方法としてある。
【0038】
また、本発明の災害対処方法は、災害受付センタサーバが、災害が発生したことを示す情報を受信すると、当該災害が発生したことを示す情報を、個人情報に含まれるユーザの携帯電話機の電話番号にもとづいて、当該携帯電話機に送信し、及び/又は、少なくとも警察署における電話機若しくはネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された警察署における関係部門装置、消防署における電話機若しくはネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された消防署における関係部門装置、又は、ガス会社における電話機若しくはネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続されたガス会社における関係部門装置のいずれかに送信し、かつ、当該送信に際し、当該送信を行うこと又は行ったことを示す音声情報を災害対処装置に送信する方法としてある。
【0039】
また、本発明の災害対処方法は、災害検知装置に少なくとも地震検地装置、火事検地装置、ガス漏れ検地装置のいずれかが含まれ、災害対処装置が、地震検地装置により検知された震度が所定値以上の場合、火事検地装置により検知された温度が設定温度以上の場合、又はガス漏れ検地装置により検知されたガス濃度が設定濃度以上の場合に、災害が発生したと判定するとともに、災害検知装置が音声を入力すると、当該入力音声が、所定の犯罪行為による災害が発生した場合に発せられる悲鳴として当該災害対処装置に登録されている所定の音声に存在するかどうかを検索し、存在する場合に、災害が発生したと判定する方法としてある。
【0040】
また、本発明の災害対処装置は、災害検知装置を内蔵及び/又は接続してあり、当該災害検知装置により検知された検知情報を、ネットワークを介して災害受付センタサーバに送信する災害対処装置であって、災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定し、災害受付センタサーバに災害が発生したことを示す情報を送信するとともに、災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とする構成としてある。
【0041】
また、本発明の災害対処装置は、災害が発生したと判定した場合に、災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次災害受付センタサーバに送信する構成としてある。
また、本発明の災害対処装置は、災害が発生したと判定した場合に、入力された音声情報を災害受付センタサーバに送信するとともに、災害受付センタサーバから受信した音声情報を出力する構成としてある。
また、本発明の災害対処装置は、火事検知装置からの検知情報が、所定の温度以上の温度を所定の時間以上検知したことを示す場合、及び/又は当該災害対処装置に接続されている消火装置から異常温度信号を受信した場合、消火装置に消化剤を噴射させる構成としてある。
【0042】
また、本発明の災害対処プログラムは、災害検知装置を内蔵及び/又は接続する災害対処装置に、災害検知装置により検知された検知情報を、ネットワークを介して災害受付センタサーバに送信させる災害対処プログラムであって、災害対処装置に、災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定させ、災害受付センタサーバへ災害が発生したことを示す情報を送信させるとともに、災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とさせる構成としてある。
【0043】
また、本発明の災害対処プログラムは、災害対処装置に、災害が発生したと判定された場合に、災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次災害受付センタサーバに送信させる構成としてある。
また、本発明の災害対処プログラムは、災害対処装置に、入力された音声情報を災害受付センタサーバへ送信させるとともに、災害受付センタサーバから受信された音声情報を出力させる構成としてある。
また、本発明の災害対処プログラムは、災害対処装置に、火事検知装置からの検知情報が、所定の温度以上の温度を所定の時間以上検知したことを示す場合、及び/又は災害対処装置が、当該災害対処装置に接続されている消火装置から異常温度信号を受信した場合、消火装置に消化剤を噴射させる構成としてある。
【0044】
災害対処方法をこれらのような方法とし、災害対処装置及び災害対処プログラムをこれらのような構成にすれば、災害が発生し、ユーザがパニックに陥っている場合でも、災害受付センタサーバ側では災害の状況を的確に把握できるとともに、音声によりユーザに呼びかけを行うことができる。また、保険会社に対する第一報を自動送信できるとともに、災害が発生したことの判定が、所定時間内にキャンセルされない場合には、警察署などへの通報も自動的に行うことが可能となる。
このため、危険な状況にあるユーザを適切に保護することが可能となる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、災害が発生した緊急時において、災害対処装置と災害受付センタサーバ間において、各種情報を送信可能な状態としておくことができるとともに、災害対処装置から継続的に検知情報を災害受付センタサーバに送信することができる。
これにより、災害受付センタサーバが設置されたセンタ側は、災害対処装置が設置されたユーザ側に対する緊急監視体制をとることができ、災害対処装置側に発生している災害の状況の推移を的確に把握することも可能となる。
【0046】
また、災害受付センタサーバは、災害対処装置側で生じている音声を受信することができるため、災害対処装置側における状況を容易に把握でき、ユーザがパニックに陥っているような場合には、災害受付センタサーバ側から音声によりユーザに対して適切な呼びかけを行うことができる。
このため、ユーザがパニック状態に陥っていても、これを回復させることができ、ユーザに適切な災害回避対策をとらせることも可能となる。
また、災害対処装置の近辺にユーザがいないような場合でも、その周囲に人がいる場合には、声を上げてもらうように案内することができ、適切な災害回避行動をとってもらうようにすることも可能となる。
【0047】
さらに、災害対処装置のユーザは、災害により発生した損害についての保償金の請求手続きを、早期に自動的に開始することができる。
このため、ユーザは、保険証書の保管場所や保償の内容を忘却しているような場合でも、保償金請求手続きを早期に開始でき、保険会社は、災害被災者に対して、タイムリーに適切な支援を行うことが可能となる。
【0048】
また、災害対処装置のユーザが外出している場合など、災害対処装置が設置されている場所の近辺にいない場合でも、ユーザの携帯電話機に緊急事態が発生したことを示す情報を送信することができるため、ユーザに対して確実に災害の発生を伝達することができ、早期に災害に対する対応をとることを可能とすることができる。
【0049】
さらに、災害が発生した場合に、災害対処装置のライトを点滅させることで、その周辺において、災害の発生を明示することができる。
このため、強盗などによる災害の場合には、犯人に対して、犯行が災害対処システムにより把握されていることを明示でき、撃退することも可能となる。
また、災害の発生を、警察署、消防署、ガス会社等に早期に通報することができるとともに、災害発生後、所定時間キャンセル待ちをした後に、通報するようにすることもできる。このため、ユーザ自身が重傷を負って通報ができない場合や、ユーザが不在の場合に、ユーザに代わって通報することが可能となる。また、このように所定時間キャンセル待ちを行った後に通報することで、不必要な場合の通報を防止することが可能となる。
さらに、通報したことなどを災害対処装置から音声出力することもでき、ユーザに安心感を与え、強盗などを撃退することも可能となる。
【0050】
また、例えば震度3以上の地震が発生した場合、災害検知装置周辺において、設定温度を超えるような危険な状況が生じた場合、ガスが一定以上漏れたことが検知された場合などに、災害対処装置を緊急監視状態とすることで、万一の場合にユーザを保護することが可能となる。
さらに、例えば震度6以上の地震が発生した場合には、その地震が発生した地域における全ての災害対処装置から検知情報を受信するとともに、広域支援情報を作成することで、保険会社などに対して、保償金の準備や支援物資の適切な提供などを可能とすることができる。
【0051】
また、二カ所以上で火災やガス漏れが発生していることが検知された場合には、ユーザに緊急避難を促すことができるとともに、火事の危険性が極めて高まった場合には、消火装置を作動させることで、自動的に消火活動を行わせることが可能となる。
さらに、災害受付センタサーバは、所定の規模以上の地震が発生し、災害対処装置からの通信が途絶えた場合に、災害が発生したと判定することができるとともに、所定範囲内における他の災害対処装置が通信可能かどうかを確認することもできる。これによって、災害受付センタサーバ側は、災害対処装置が所定時間以上無通信であることにもとづいて、緊急監視体制をとることができ、災害が実際にどの程度の範囲に及んだかを把握することも可能となる。
また、災害が発生していない通常の状態であっても、災害受付センタサーバにおいて、検知情報を把握することができ、この検知情報にもとづき災害発生の要因がないかどうかを調べることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、本発明に係る災害対処システムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示す本発明の災害対処システムにおける災害対処装置や、災害受付センタサーバは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。すなわち、災害対処装置や災害受付センタサーバにおけるCPUは、プログラムにもとづいてこれらのコンピュータの各構成要素に指令を送り、その動作に必要となる所定の処理、例えば、各種災害検知数値のセンタサーバへの送信処理、各種警告音声の連続出力処理等を行わせる。このように、本発明の災害対処システムにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0053】
まず、本発明の一実施形態の構成について、図1〜図12を参照して説明する。図1は、本実施形態の災害対処システムの構成を示すブロック図である。図2は、同システムにおける災害対処装置の構成を示すブロック図である。図3は、同システムにおける災害対処装置の外観構成例を示す図である。図4は、同システムにおける災害検知支局の構成を示すブロック図である。図5は、同システムにおける消火装置の構成を示すブロック図である。図6は、同システムにおける消火装置の内部構造を示す図である。図7は、同システムにおける災害検知支局及び消火装置の設置例を示す図である。図8は、同システムにおける災害受付センタサーバの構成を示すブロック図である。図9は、同システムにおける(a)災害定期点検報告情報,(b)警告指示例,(c)地震履歴ファイル,(d)火事履歴ファイル,(e)ガス漏れ履歴ファイル,(f)関係部門別ファイル,(g)個別情報ファイルを示す図である。図10は、同システムにおける(h)事前登録音声指示語例,(i)事前登録音声指示語に対する規定応答例,(j)現場把握のための質問例,(k)現場周囲にいる人への案内例を示す図である。図11は、同システムにおける広域支援情報を示す図である。図12は、同システムを用いた広域支援体制を示す図である。
【0054】
[災害対処システム]
図1に示すように、本実施形態の災害対処システムは、災害対処装置10(以下、端末10又はチュウ震ぐら君10と称する場合がある。),災害検知支局10A(以下、支局10Aと称する場合がある。),消火装置10B(以下、消火玉10Bと称する場合がある。),災害受付センタサーバ20(以下、センタ20と称する場合がある。),関係部門装置30,気象庁地震速報Webサーバ40,インターネット100,無線ネット150を有している。
【0055】
[災害対処装置(端末)10]
端末10は、地震検知器、火事検知器、ガス漏れ検知器等の各種災害検知器を備えた災害対処専用の情報処理装置であり、これらの内蔵の検知器や災害検知支局10Aから検知情報を入力して、災害が発生したかどうかを判定し、各種対処処理を実行する。この端末10は、防水耐火構造で、玄関内の踊り場、廊下等の天井に貼り付けができる薄型タイプとすることが好ましい。
【0056】
端末10は、図2に示すように、地震検知器10−1,火事検知器10−2,ガス検知器10−3,通信機10−4,電話機10−5,メモリ10−6,音声認識装置10−7,電池10−8,ラジオ10−9,ライト10−10,状態表示盤10−11,119ボタン10−12,110ボタン10−13,マイク10−14,スピーカ10−15,リセットボタン10−16,本体制御部10M,温度計10S,災害検知支局制御部10CONを有している。これらの各構成要素は、例えば図3に示すように、ねずみを象ったものとすることができる。そこで、このような端末10を、本実施形態では、「チュウ震ぐら君」と称する場合がある。
【0057】
地震検知器10−1は、地震を24時間監視し、地震の検知情報を出力する災害検知装置である。本体制御部10Mは、地震検知器10−1から出力された地震情報が、震度1以上を示している場合に、地震が発生したと判定する。
地震が発生すると、本体制御部10Mは、その発生日時と検知情報(この場合、震度数)を、所定のタイミングで後述する災害定期点検報告情報として災害受付センタサーバ20に通信機10−4を介して送信する。
災害受付センタサーバ20は、受信した発生日時と震度数を地震履歴として、地震履歴ファイル20−1に保存する。
【0058】
また、本体制御部10Mは、地震検知器10−1から出力された検知情報が、震度3以上を示している場合に、災害が発生したと判定する。そして、予め当該震度数の範囲に対応付けてメモリ10−6に記憶された音声、例えば、「地震発生!」、「ガス、風呂消せ!」等をスピーカ10−15から繰り返し出力するとともに、災害が発生したこと、災害発生日時、検知情報、及び端末10の端末番号を含む災害発生通知を災害受付センタサーバ20に送信する。
【0059】
災害受付センタサーバ20は、災害発生通知を受信すると、この災害発生通知における端末番号にもとづき個別情報ファイル20−Xを検索して、端末10のユーザの個人情報を取得し、この個人情報と、災害が発生したこと、災害発生日時、検知情報を警察署、消防署、ガス会社、保険会社等における関係部門装置30に自動的に送信することにより通報する。また、警察署、消防署、ガス会社、保険会社等における電話機に発信して、災害が発生したこと、災害発生日時、検知情報を音声により送信することもできる。本発明において「通報」とは、このような関係部門における関係部門端末30や電話機等に対する情報の送信処理を意味している。
【0060】
音声出力の解除は、「地震解除」等の音声指示により行うことができる。すなわち、音声認識装置10−7により入力音声が後述の事前登録音声指示語のうち、どの指示語に該当するかを特定し、この事前登録音声指示語に対応して記憶されている所定の処理、この場合は、音声出力の終了処理を本体制御部10Mにより実行する。その他、音声指示による処理は、メモリ10−6に音声指示語をテキストとして事前登録しておき、本体制御部10Mによって、マイク10−14からの入力音声をテキスト変換し、入力音声が事前登録音声指示語に存在するかどうかを検索して、当該テキストに対応して記憶されている所定の処理を実行することにより実現することもできる。
【0061】
火事検知器10−2は、熱、煙、炎を24時間監視する災害検知装置である。本体制御部10Mは、火事検知器10−2から出力された検知情報(この場合、温度,煙発生の有無等)とその検知日時を、所定のタイミングで後述する災害定期点検報告情報として災害受付センタサーバ20に通信機10−4を介して送信する。
災害受付センタサーバ20は、検知情報と検知日時を火事履歴として、火事履歴ファイル20−2に保存する。
【0062】
また、本体制御部10Mは、火事検知器10−2から出力された検知情報が、室温よりも所定の温度、例えば20℃以上高い温度を示す場合や、煙の発生を示す場合などに、地震検知器10−1についての場合と同様にして、「火事発生!」,「発煙!」等をスピーカ10−15から繰り返し出力する。室温は、後述する温度計により計測されたものを使用する。
音声出力の解除は、地震検知器10−1の場合と同様に行うことができるが、音声出力が開始されてから、所定時間、例えば30秒以上解除が行われず、かつ、上記検知が継続して行われている場合、本体制御部10Mは、災害受付センタサーバ20,消防署における関係部門装置30,ユーザ携帯電話機50に対して、当該端末10が設置された家において、火事が発生したことを示す情報を自動的に送信する。
【0063】
ガス検知器10−3は、ガス漏れを24時間監視する災害検知装置である。
本体制御部10Mは、ガス検知器10A−3から出力された検知情報(この場合、ガス濃度)とその検知日時を、所定のタイミングで後述する災害定期点検報告情報として災害受付センタサーバ20に通信機10−4を介して送信する。
災害受付センタサーバ20は、検知情報と検知日時をガス漏れ履歴として、ガス漏れ履歴ファイル20−3に保存する。
【0064】
また、本体制御部10Mは、ガス検知器10−3から出力された検知情報が、所定の濃度以上の濃度である場合に、地震検知器10−1についての場合と同様にして、「ガス漏れ!」等をスピーカ10−15から繰り返し出力する。
音声出力の解除は、地震検知器10−1の場合と同様に行うことができるが、音声出力が開始されてから、所定時間、例えば30秒以上解除が行われず、かつ、上記検知が継続して行われている場合、本体制御部10Mは、災害受付センタサーバ20,ガス会社における関係部門装置30,ユーザ携帯電話機50に対して、当該端末10が設置された家において、ガス漏れが発生したことを示す情報を自動的に送信する。
【0065】
通信機10−4は、インターネット100を介して、端末10と災害受付センタサーバ20、警察署,消防署,ガス会社,保険会社,親戚などにおける関係部門装置30、気象庁地震速報Webサーバ40とデータの送受信を行う。また、無線ネット150を介して、端末10の内蔵電話機10−5とユーザ携帯電話機50、警察署,消防署等における電話機、センタ20との電話交信を仲介する。
【0066】
電話機10−5は、端末10に内蔵された電話である。端末10及びセンタ20間の音声情報の送受信は、本体制御部10Mにより通信機10−4を介して実行されるが、例えばユーザ携帯電話機50や関連部門における電話機と直接連絡を取りたい場合などに使用することができる。
【0067】
メモリ10−6は、端末10における記憶装置であり、RAMやROMなどにより構成する他、ハードディスクなどの記憶装置を含むものとすることができる。このメモリ10−6には、本発明の災害対処システムにおいて使用される種々の情報が記憶される。例えば、災害定期点検報告情報を災害受付センタサーバ20に送信するにあたっては、当該災害定期点検報告情報が当該メモリ10−6において作成され、記憶される。また、事前登録指示語やこの指示語に対する規定反応例等を記憶する。
【0068】
音声認識装置10−7は、ユーザが発する音声又は奇声を認識する機能を有する。すなわち、この音声認識装置10−7により入力音声が事前登録音声指示語のうち、どの指示語に該当するかを特定することができ、本体制御部10Mは、この事前登録音声指示語に対応して記憶されている所定の処理を実行することができる。例えば、警察署などにおける電話機に、電話機10−5により電話接続をするようにすることも可能である。このようにすれば、パニック状態に陥ったユーザが、自分で電話をすることができない状況であっても、指定の奇声などを発することで、端末10により電話をすることが可能となる。
【0069】
電池10−8は、端末10を交流電源を用いて使用できない場合、例えば停電等の不測事態でも端末10を使用可能とするためのバッテリである。
ラジオ10−9は、地震による災害が発生した場合に、自動的に受信を開始することができる。すなわち、本体制御部10Mは、地震検知器10−1から出力された検知情報が所定の震度、例えば震度3以上であると判定すると、ラジオ10−9をオン状態にすることができる。
【0070】
また、音声により起動及び停止を制御することも好ましい。例えば、音声認識装置10−7により「ラジオオン」が認識されると、音声認識装置10−7がこれを本体制御部10Mに出力し、本体制御部10Mがラジオ10−9をオン状態にすることができる。同様にして、音声認識装置10−7により「ラジオオフ」が認識された場合に、ラジオ10−9をオフ状態にすることができる。これによって、ユーザは、緊急時に即座に災害情報を収集することができる。
【0071】
ライト10−10は、地震による災害が発生した場合に、自動的に点灯することができる。すなわち、本体制御部10Mは、地震検知器10−1から出力された検知情報が所定の震度、例えば震度3以上であると判定すると、ラジオ10−9を点灯することができる。また、停電した場合に点灯するようにすることもできる。さらに、ラジオ10−9の場合と同様にして、音声指示により、点灯と消灯を切り替えるようにすることもできる。
【0072】
状態表示盤10−11は、ディスプレイなどの表示装置であり、端末10の状態を表示する。具体的な表示方法については、後述するが、例えば、「ただ今、xxxに通報中」,「通報完了」,「電話通話中」,「ガス漏れ発生中」,「ガス漏れ検知中」,「消防車出動中」等を表示する。この表示を見ることにより、ユーザは、次にとるべき行動の指針を得ることができる。
【0073】
119ボタン10−12は、これを押下することで、自動的に電話機10−5から消防署へ電話をかけることができるボタンである。110ボタン10−13は、これを押下することで、自動的に警察署へ電話をかけることができるボタンである。
図3に示すように、119番、及び110番に電話するためのこれらの短縮ダイヤルボタンを、大きく目立つ構成とすることで、自宅や周辺の家屋等が火事になった場合や、その他緊急時におけるとっさの通報にあたり、ボタンを押しやすくすることができ、比較的容易に消防署等との電話接続を行うことが可能となっている。
なお、ユーザが、これらのボタンを押すことさえ困難な状況下にある場合に備えて、本発明では、所定の音声や奇声によっても、警察署等との電話接続を可能としている。
【0074】
マイク10−14は、音声などを災害対処装置10に入力し、スピーカ10−15は、災害対処装置10から音声などを出力する。このマイク10−14及びスピーカ10−15は、災害発生処理時においては常時起動状態とし、ユーザは、端末10に対していつでも音声指示を出すことができるとともに、端末10又は災害受付センタサーバ20からの警告や指示をユーザに通知することができる。これらを用いることで、ユーザは、端末10により、地震,火事,ガス漏れ等の異常が検知されたことを知ることができるとともに、音声によって災害受付センタサーバ20側や、災害受付センタサーバ20を介して関係部門装置30側と交信することが可能となる。
【0075】
リセットボタン10−16は、災害対処システムにおける処理を初期状態に戻すためのボタンである。このリセットボタン10−16が押下されると、本体制御部10Mは、各検知器をリセットするとともに、状態表示盤10−11による表示、スピーカ10−15からの出力、ライト10−10による照明等を停止する。さらに、既に災害受付センタサーバ20から関係部門への災害発生の通報が行われていた場合には、端末10からセンタ20を経由して、関係部門における電話機、及び/又は関係部門装置30に対し、災害が解消したことの通知を送信する。
【0076】
本体制御部10Mは、CPUなどにより構成され、端末10における各構成要素を制御する。
温度計10Sは、室内温度(以下、室温と称する場合がある。)を測る温度計である。本体制御部10Mは、この室内温度についても検知情報として、災害受付センタサーバ20へ送信する。
災害検知支局制御部10CONは、一又は二以上の災害検知支局10Aを制御して、火事やガス漏れの検知情報を収集する。この災害検知支局10Aにより検知された検知情報も、端末10に内蔵された検知器と同様に、災害発生の判定や災害定期点検報告のために使用される。
【0077】
[災害検知支局10A]
災害検知支局10Aは、火災及びガス漏れを検知するための災害検知装置である。災害検知の精度を上げるため、家の広さに応じて、これを複数個配備することが好ましく、これによって、屋内の様々な場所における災害の発生を検知することが可能となる。この災害検知支局10Aは、例えば図4に示すようなものとすることができる。
同図において、災害検知支局10Aは、LCD表示盤(リキッドクリスタルディスプレイ)10A−1,火事検知器10A−2,ガス検知器10A−3,操作選択キー10A−4,状態表示ランプ10A−5,マイク10A−6,スピーカ10A−7を有している。
【0078】
LCD表示盤10A−1は、災害検知支局10Aにおける表示装置であり、災害受付センタサーバ20から端末10を介して入力された警告や指示内容を表示することにより、その内容をユーザに通知する。
火事検知器10A−2は、火災を検知し、ガス検知器10A−3は、ガス漏れを検知する。これらの検知情報は、端末10を経由して、災害受付センタサーバ20に送信される。災害受付センタサーバ20においては、後述するように火災又はガス漏れの危険度の判定が行われる。そして、その判定結果にもとづき災害受付センタサーバ20から端末10を経由して入力された警告等が、LCD表示盤10A−1に表示されるようになっている。
【0079】
操作選択キー10A−4は、ユーザが端末10に対して音声指示を与えたり、音声指示の追加、又は削除を行うときに使用するものであり、図4の例では図形により表示された移動キー,登録キー,クリアキー,メモリキー,接続キー等が備えられたものとなっている。
状態表示ランプ10A−5は、災害検知支局10Aの各種状態、例えば「ガス漏れ検知中」,「センタ20に通報中」等の状態をランプ表示によりユーザに通知するものである。
マイク10A−6及びスピーカ10A−7は、ユーザとセンタ20側との間の端末10を介した通信のために使用される。また、スピーカ10A−7は、火災又はガス漏れを検知したときに、その旨をユーザに対して音声により通知するために使用される。
【0080】
[消火装置(消火玉)10B]
消火玉10Bは、火災が発生した場合に、端末10からの要求にもとづいて、消化剤を噴射する装置である。図5は、この消火玉10Bの概略構成図である。この消火玉10Bは、災害対処システムに一又は二以上備えることができるが、部屋数などに応じて複数個配備することが好ましい。
同図に示すように、消火玉10Bは、消火剤搬送パイプ10B−Xに接続されている。消化剤搬送パイプ10B−Xの中は、通常は空であるが、消火活動の時には、消火剤ボンベ10B−Yに充填されている消火剤が噴出機10B−Zにより高圧力でパイプ内に噴出される。このとき、消化剤噴出機10B−Zは、端末10から消化剤の噴出要求を入力した場合に、当該動作を実行する。
消化剤噴出機10B−Zから消化剤搬送パイプ10B−Xの内部にかけての管内には、逆流防止弁が備えられているため、消化剤噴出機10B−Zから高速で噴出された消化剤は、消化剤搬送パイプ10B−X内を一方向に高速で循環する。そして、端末10から消化剤の噴出要求を入力した消火玉10Bは、消化剤をこの消化剤搬送パイプ10B−Xから取り込んで、火災に対して噴射する。
【0081】
次に、図6を参照して、消火玉10Bの詳細な内部構成につき説明する。同図に示すように、消火玉10Bは、制御部10B−1,操作盤10B−2,熱感知センサ10B−3,電磁開閉弁兼ストッパ10B−4,吸入ファン10B−5,消化剤タンク10B−6,消化剤噴射板10B−7,噴射ノズル弁10B−8,電磁開閉スイッチ10B−9,満タンスイッチ10B−A,消化剤搬送パイプ10B−X,消化剤ボンベ10B−Y,消化剤噴出機10B−Zを備えている。
【0082】
制御部10B−1は、端末10との通信、及び消火玉10Bにおける各構成要素の制御を行う。この制御としては、熱感知センサ10B−3からの感知温度の入力、電磁開閉弁兼ストッパ10B−4,吸入ファン10B−5,噴射ノズル弁10B−8の起動と停止、満タンスイッチ10B−Aからの信号の検出、操作盤のキー入力制御等を挙げることができる。なお、制御部10B−1において、感知温度と設定温度との比較を行って異常温度であるかどうかを判定し、及びこの判定結果を、感知時間とともに、端末10に出力するようにすることもできる。
【0083】
操作盤10B−2は、異常温度とその感知時間の閾値を設定するための、入力装置である。
熱感知センサ10B−3は、常時温度を測定して、制御部10B−1に出力する。そして、測定された温度は、制御部10B−1により端末10に送信される。
【0084】
電磁開閉弁兼ストッパ−10B−4は、通常は、弁が閉じた状態となっており、消化剤が消化剤タンク10B−6に入れない状態となっている。
消火活動時には、この電磁開閉弁兼ストッパ10B−4が電磁開閉スイッチ10B−9により開き、消化剤タンク10B−6への消化剤の吸入口となる。また、消化剤を消化剤搬送パイプ10B−Xから迅速に消化剤タンク10B−6に吸入させるため、垂直に開いた弁がパイプ内をまわる消化剤をせき止めるストッパとなる。
【0085】
吸入ファン10B−5は、パイプ内の消火剤を高速で消火剤タンク10B−6の内部に取り込むために用いられる。
消化剤タンク10B−6は、パイプ内から取り込んだ消火剤を蓄積する。この消化剤タンク10B−6は、図6に示すように二重構造になっており、内側は伸縮自在の袋で構成され、外側は耐火性を備えた素材で構成されている。二重構造の間には、満タンスイッチ10B−Aが備えられ、消化剤タンク10B−6に消化剤がどんどん蓄積されて、内側の袋が満杯となり、満タンスイッチ10B−Aに一定の圧力がかかると、当該スイッチが作動して、制御部10B−1に消化剤タンク10B−6が消化剤で満タンになったことを示す信号を出力する。
【0086】
消化剤噴射板10B−7は、図6に示すような側面から見て扇形を形成する噴射板により構成されている。噴射板は、密集してあけられた多数の小さな穴を備えており、消化剤タンク10B−6に蓄積された消火剤を外部に向かって放出する。
噴射ノズル弁10B−8は、消火剤タンク10B−6と消火剤噴射板10B−7の中間にある弁であり、同タンクに消火剤が十分に蓄積され、端末10から消化剤噴出指示があると、噴射ノズル弁10B−8が開き、消化剤タンク10B−6から消化剤噴射板10B−7へ消化剤が高速移動する。
【0087】
電磁開閉スイッチ10B−9は、電磁開閉弁兼ストッパ−10B−4の弁が90度開いた時点で作動するスイッチである。この電磁開閉スイッチ10B−9の作動が制御部10B−1を介して端末10に通知されると、端末10は、消化剤噴出機10B−Zに対して、消化剤の噴出要求を出力し、消化剤噴出機10B−Zは、消化剤搬送パイプ10B−X内に消化剤を噴出する。
【0088】
次に、図6を参照しながら、消火玉10Bの作動手順の一例について説明する。
まず、熱感知センサ10B−3が、異常温度、すなわち設定温度(例えば、60℃)以上の温度を検知して、制御部10B−1に出力する。制御部10B−1は、端末10に異常温度信号を送信する。
次に、端末10は、制御部10B−1から異常温度信号を受信すると、制御部10B−1に対して、消化剤噴出要求を送信する。制御部10B−1は、電磁開閉弁兼ストッパ10B−4に対して、開閉部を開く指示の信号を出力する。電磁開閉弁兼ストッパ10B−4により開かれた弁が、垂直に立ち、消化剤搬送パイプ10B−X内においてストッパとして働く。
【0089】
弁が垂直に立った時点で、電磁開閉スイッチ10B−9が作動し、制御部10B−1へ弁が垂直に立ったことを示す信号を出力する。
制御部10B−1は、電磁開閉スイッチ10B−9から弁が垂直に立ったことを示す信号を入力すると、消化剤噴出機10B−Zに消火剤の噴出指示の信号を出力する。消化剤噴出機10B−Zは、消化剤ボンベ10B−Yの消火剤を消化剤搬送パイプ10B−Xに噴出する。
【0090】
さらに、制御部10B−1は、吸入ファン10B−5に対して、これを起動させるための信号を出力する。この信号により吸入ファン10B−5は起動し、消化剤を消化剤タンク10B−6内に高速で取り込む。
消化剤タンク10B−6が満タンになると、当該タンク内の満タンスイッチ10B−Aが作動し、この作動を示す信号を制御部10B−1に出力する。
【0091】
制御部10B−1は、上記作動を示す信号を入力すると、噴射ノズル弁10B−8に、弁を開く指示の信号を出力する。噴射ノズル弁10B−8は、この信号を入力すると、弁を開き、消化剤タンク10B−6に溜まった消化剤は一気に消化剤噴射板10B−7から噴出される。
消化剤は、消化剤ボンベ10B−Yが空になるまで噴出される。
消化剤噴出要求の受信から一定時間経過後、すなわち消化剤が全て噴射されると見込まれる時間の経過後、端末10から制御部10B−1に消化剤噴出停止要求が送信され、制御部10B−1は、消化剤噴出機10B−Z及び吸入ファン10B−5の停止信号を出力して、これらを停止させる。
【0092】
なお、災害受付センタサーバ20から端末10に消化剤噴出要求が送信された場合や、ユーザから端末10に消化剤噴出要求が入力された場合にも、端末10は、全ての又は一部の消火玉10Bに消化剤噴出要求を送信して、上記と同様に消火玉10Bによる消化活動が行われる。また、端末10は、火事検知器10−2及び/又は災害検知支局10Aからの検知情報が所定温度(例えば60℃)以上である場合に、同様に消火玉10Bに消化剤噴出要求を送信し、消化活動を行わせるようにすることもできる。
【0093】
以上説明したチュウ震ぐら君10、災害検知支局10A、及び消火玉10Bは、例えば図7に示すように配置することができる。同図は、天井側から見たこれらの装置の配置例を示している。
【0094】
[災害受付センタサーバ(センタ)20]
センタ20は、端末10から災害発生通知を受信すると、端末10と常時接続状態をとって、端末10から継続的に検知情報を受信するとともに、端末10と音声通話可能状態をとる。また、警察署や消防署等の関係部門における電話機や関係部門装置30に対して、災害発生の連絡を自動送信して通報する。また、通常時においても、定期的に端末10から検知情報を受信することにより、災害発生の危険度を判定し、必要に応じて端末10に警告、注意勧告、調査依頼、検知器交換指示等を送信する。
【0095】
このセンタ20は、図8に示すように、制御部20−4,通信機20−5,災害危険因子判定処理部20−6,情報ファイル20−7,保償請求処理部20−8,音声入出力処理部20−9,災害緊急処理部20−A,キャンセル受付処理部20−B,無通信処理部20−C,広域支援処理部20−Dを有している。
さらに、同図に示すように、情報ファイル20−7は、地震履歴ファイル20−1,火事履歴ファイル20−2,ガス漏れ履歴ファイル20−3,関係部門別ファイル20−Z,個別情報ファイル20−Xを備えている。
【0096】
制御部20−4は、CPUなどにより構成され、災害受付センタサーバ20における各構成要素を制御する。
通信機20−5は、インターネット100を介して、災害受付センタサーバ20を、端末10,関係部門装置30,気象庁地震速報Webサーバ40等と接続する。また、無線ネット150を介して、災害受付センタサーバ20を、端末10内蔵の電話機10−5や、ユーザ携帯電話機50等と接続する。
【0097】
災害危険因子判定処理部20−6は、端末10から送信されてくる災害定期点検報告情報における検知情報を分析して、災害危険因子の有無を調べることで災害の危険度を判定する。すなわち、この災害危険因子判定処理部20−6は、後述する通常処理において稼働し、ガス漏れ判定処理、地震判定処理、火事判定処理を実行する。災害定期点検報告情報は、例えば図9(a)に示すようなデータ構造のものとすることができる。
【0098】
地震検知器、ガス漏れ検知器、火事検知器が、それぞれ常時地震、ガス漏れ、火事を検知している場合は、検知器自身が誤作動している可能性がある。このため、災害危険因子判定処理部20−6は、端末10からの検知情報が、所定以上の長時間にわたり連続して上記各検知を行っている場合、通信機20−5を介して、端末10に当該検知器の調査や交換の指示を送信する。
また、特定の検知器のみ作動する場合は、それぞれの検知器の種類に応じた警告指示等を端末10に送信する。これによって、ユーザは、適切に対処することが可能となる。
【0099】
特定の検知器のみ作動する場合、その原因としては、建物の構造上の問題、ガス管ひび割れ、ガス開閉レバーの劣化、電気コードの被覆劣化、コンセント腐食による漏電等が推定されることから、警告指示としては、これらをユーザに連絡するもの(警告注意、早急調査指示、検知器交換指示、ガス会社による調査要請指示等)とすることが好ましい。図9(b)は、このような端末10に対する警告指示例を示すものである。
【0100】
情報ファイル20−7は、災害受付センタサーバ20における記憶装置であり、図8に示すように地震履歴ファイル20−1,火事履歴ファイル20−2,ガス漏れ履歴ファイル20−3,関係部門別ファイル20−Z,個別情報ファイル20−X等を記憶する。
【0101】
地震履歴ファイル20−1は、端末10からの地震検知情報を逐次履歴として保存するファイルであり、例えば図9(c)のようなデータ構造とすることができる。
火事履歴ファイル20−2は、端末10からの火事検知情報を逐次履歴として保存するファイルであり、例えば図9(d)のようなデータ構造とすることができる。
【0102】
ガス漏れ履歴ファイル20−3は、端末10からのガス漏れ検知情報を逐次履歴として保存するファイルであり、例えば図9(e)のようなデータ構造とすることができる。
関係部門別ファイル20−Zは、災害時にセンタ20がユーザに代わって警察署、消防署、ガス会社、保険会社、ユーザの親戚に対して、災害等の発生を連絡等する際に必要な電話番号や、担当者名等を記憶するファイルであり、例えば図9(f)のようなデータ構造とすることができる。
【0103】
個別情報ファイル20−Xは、ユーザの氏名、住所、電話番号(緊急連絡先,携帯電話番号,職場連絡番号等)、災害履歴、家族構成、保険会社名、担当者名、契約者名、保償内容等を記憶する。この個別情報ファイル20−Xは、災害発生時に災害受付センタサーバ20から関係部門装置30に送信される災害が発生したことの通知に添付して送信される。この個別情報ファイル20−Xは、例えば、図9(g)のようなデータ構造とすることができる。
【0104】
保償請求処理部20−8は、端末10から災害が発生したことを示す情報(災害発生通知)を受信すると、保険会社における関係部門装置30に、災害第一報と、当該端末10に対応する個別情報ファイル20−Xにおける個人情報を送信することで、保償請求行為を開始する。また、同時に当該ユーザの携帯電話機50に保険会社へ保償請求行為を開始した旨を送信する。このユーザ携帯電話機50への送信は、端末10経由で行うようにすることもできる。
【0105】
音声入出力処理部20−9は、端末10から送信されてきた音声を認識して、これに対応する音声を端末10に送信する。また、災害受付センタサーバ20において、端末10から送信されてきた音声をスピーカなどから出力して、センタにおける担当者に通知することもできる。
端末10から送信されてくる音声としては、例えば図10(h)に示すような事前登録音声指示語とすることができ、これらをセンタ20においてもその記憶装置に予め登録しておくようにすることができる。そして、音声入出力処理部20−9は、それぞれに対応する音声を端末10に出力する。
【0106】
その具体的方法については、特に限定されないが、例えばこれらの音声の対応付けテーブルをセンタ20における図示しない記憶装置に備え、これを用いて実現するようにすることなどが可能である。
端末10に送信する音声の具体例としては、例えば図10(i)に示すような事前登録音声指示語に対する規定応答例、図10(j)に示すような現場把握のための質問例、図10(k)に示すような現場周囲にいる人への案内例を挙げることができる。
【0107】
災害緊急処理部20−Aは、端末10から災害受付センタサーバ20に災害発生通知が送信されてくると、災害が発生したことを示す情報を関連部門における電話機や、関係部門装置30、ユーザ携帯電話機50等に送信する。これによって、関係部門へ緊急連絡、電気・ガスの停止依頼、保険会社から現地直行の要請等を行う。また、端末10に消火玉の作動指示、すなわち消化剤噴出要求を送信したり、災害受付センタサーバ20におけるスピーカから災害発生中であることを繰り返し音声出力することができる。
【0108】
キャンセル受付処理部20−Bは、端末10やユーザ携帯電話機50からセンタ20に災害対処処理のキャンセルを指示する情報が送信されてくると、センタ20は、災害対処処理を解除して、通常処理に切り換える。これらの災害対処処理及び通常処理手順ついては、いずれも後述する。
また、キャンセル受付処理部20−Bは、関係部門装置30に災害対処処理がキャンセルになった旨を送信する。さらに、キャンセル受付処理部20−Bは、このキャンセル履歴をそれぞれ対応する履歴ファイル20−1〜20−3に記録する。
これによって、災害が大事に至らなかった場合などに、関係部門への通知を含めて、全て取り消すことができる。
【0109】
無通信処理部20−Cは、地震災害により端末10が破壊され、システムとして機能しない場合の災害対処処理を実行する。すなわち、無通信処理部20−Cは、常時気象庁地震速報Webサーバ40に接続して、当該サーバにおけるWebサイトから気象庁発表の地震速報を取り込んでセンタ20における図示しない記憶装置に記憶させる。そして、この地震速報における震度が規定の大きさ、例えば震度6を超えていないかを監視する。
震度が規定の大きさを超えると、無通信処理部20−Cは、端末10からセンタ20に災害第一報が送信されてくるのを待つ。
【0110】
そして、災害第一報が地震発生から30分を経過してもセンタ20に送信されてこない場合は、無通信処理部20−Cは、通信機20−5を介して端末10に所定の送信処理を実行して、端末10の状況を確認する。そして、端末10との通信ができない場合は、ユーザ自身にも被害が及んだ可能性が高いと判定して、センタ20は、ユーザ携帯電話機50、関係部門装置30等に災害の発生を通報する。
【0111】
広域支援処理部20−Dは、震度3以上を検知してセンタ20に災害発生通知を送信してきた端末10と同じ地域内の全ての端末10を対象に、地震、火事、ガス漏れの各検知情報を強制的に受信して収集し、地区ごとに図11に示すような広域支援情報を作成する。これらの地域や地区については、任意の基準とすることができる。
この広域支援情報を参照することで、支援物資の早期供給、及び保険会社に対する被害見積額を提示することが可能となっている。同図では、一台の端末10についての情報しか表示していないが、同地区に二以上の端末10が設置されている場合は、二以上の端末10についての情報を表示することができる。
【0112】
なお、支援物資の手配及び配給については、センタ20側により、地震被害を受けた地区全域のユーザに対し、契約に従って行うようにすることが好ましい。また、センタ20側において、地震被害を受けた地区全域のユーザに対して、どれだけの保償金が必要か見積もるようにすることも好ましい。図12は、このような広域支援体制の例を示す図である。
【0113】
[関係部門装置30]
関係部門装置30は、警察署、消防署、ガス会社、保険会社、端末10の使用者の親戚などが使用する情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータ等とすることができる。この関係部門装置30は、センタ20から災害が発生したことを示す情報やキャンセル情報などを受信する。
また、関係部門装置30を、IP電話機やFAX等とすることもできる。勿論、関係部門別ファイル20−Zにおける登録データは、電話番号のみならず、関係部門装置30を特定するためのアドレス情報であってもよい。
【0114】
[気象庁地震速報Webサーバ40]
気象庁地震速報Webサーバ40は、気象庁において地震情報を提供するWebサイトを備えたサーバであり、センタ20は、この気象庁地震速報Webサイト40に常時アクセスして、地震情報を受信する。
【0115】
[災害対処システムにおける処理手順]
次に、図13〜図24を参照して、災害対処システムにおける処理手順について説明する。図13は、本実施形態の災害対処システムにおける災害対処端末への初期設定手順を示すフローチャートである。図14は、同システムにおける災害対処処理手順を示すフローチャートである。図15は、同システムにおける通常処理手順を示すフローチャートである。図16は、同システムにおける地震判定処理手順を示すフローチャートである。図17は、同システムにおける火事判定処理手順を示すフローチャートである。図18は、同システムにおける地震発生対処処理手順(前半)を示すフローチャートである。図19は、同システムにおける地震発生対処処理手順(後半)を示すフローチャートである。図20は、同システムにおける火災発生対処処理手順を示すフローチャートである。図21は、同システムにおけるガス漏れ発生対処処理手順を示すフローチャートである。図22は、システムにおける犯罪対処処理手順を示すフローチャートである。図23は、同システムにおける端末無通信対処処理手順を示すフローチャートである。図24は、同システムにおけるキャンセル受付処理手順を示すフローチャートである。なお、これらの図面において、点線にて囲まれたステップは、人手により行われる動作を含むものであり、この人手により行われる動作の部分については、本発明の災害対処システムによる処理を構成するものではない。このような人手により行われる動作については、「端末側」又は「センタ側」の動作として示している。ただし、このように「端末側」又は「センタ側」として点線にて囲まれたステップにおける動作であっても、端末10又はセンタ20により実行される処理は、本発明の災害対処システムによる処理を構成する。
【0116】
<1.端末10への初期設定>
まず、図13に示すように、災害検知支局10Aの#1を用いて、端末10にユーザ本人、及びその家族の声で、図10(h)に示すような音声指示語を登録する(ステップ10)。また、警察署、消防署、ガス会社、親戚のそれぞれについて、災害発生情報等を送信する相手先名や電話番号等を事前に登録する。これらの登録データは、メモリ10−6に記憶される。
【0117】
また、この端末10における音声登録は、端末10におけるマイク10−14から入力して、メモリ10−6に記憶させることにより登録するようにすることも可能である。
これらの登録データは、本体制御部10Mにより通信機10−4を介して、センタ20に送信され、関係部門の情報は、情報ファイル20−7における関係部門別ファイル20−Zに記憶され、音声データは、その他の図示しない記憶装置に記憶させておくことができる。
【0118】
さらに、端末10と、家の広さなどに応じて、一又は二以上の支局10A及び消火玉10Bを家内に配置する(ステップ11)。端末10の配置場所としては、玄関内でどの部屋からも最短距離にあるところ、声が通るところ、火災警報等が部屋から良く聞える位置の天井又は壁とすることが好ましい。また、支局10A及び消火玉10Bを台所、風呂場、その他ガス使用予定箇所等に取り付ける。
【0119】
<2.災害対処処理>
次に、災害対処システムは、図14に示すような災害対処処理を実行する。災害対処処理とは、地震、火事、ガス漏れの少なくともいずれかが起きた場合、又は、ユーザが強盗等に遭遇した場合に、端末10とセンタ20を常時接続状態にして、端末10からセンタ20に検知情報を連続的に送信し続けるとともに、端末10側とセンタ20側との音声連絡等を可能とし、ユーザを適切に保護するために実行される処理である。さらに、センタ20により、パニック下のユーザに代わって警察署、消防署、ガス会社等の関連部署への連絡等を可能とし、被害の最小限化及び保険会社による保償を適時に受けられるようにするために実行される処理である。
【0120】
まず、災害対処装置10における本体制御部10Mは、地震検知器10−1,火事検知器10−2,ガス検知器10−3から入力された検知情報、及び支局10Aから入力された検知情報を24時間監視し、検知情報における震度が3以上か、温度が設定温度以上か、ガス濃度が設定濃度以上かを判定する。また、音声認識装置10−7から入力された音声が、メモリ10−6に登録された所定の音声、奇声、悲鳴音であるかを判定する(ステップ20)。
そして、これらいずれかの条件が満たされている場合、端末10は、センタ20に災害発生通知を送信し、端末10及びセンタ20は緊急監視体制に入る(ステップ21)。すなわち、以下のステップを実行する。
【0121】
まず、センタ20と端末10とは、常時接続状態を保つ(ステップ22)。そして、端末10は、地震検知器10−1,火事検知器10−2,ガス検知器10A−3により検知された全ての検知情報をセンタ20へ継続的に送信する(ステップ23)。すなわち、災害対処装置において、災害が発生したと判定された場合、以後、処理の終了又はキャンセルに至るまで、災害検知装置により検知された全ての検知情報をセンタ20に順次送信し続ける。以下、このような全ての検知情報の継続的な送信を常時送信と称する場合がある。
【0122】
さらに、端末10内蔵のマイク10−14,スピーカ10−15をオンにし、マイク10−14から入力した音声情報をセンタ20に送信するとともに、センタ20から受信した音声情報をスピーカ10−15から出力し、センタ20側においても同様に端末10から受信した音声を図示しないスピーカから出力するとともに、センタ20側の音声情報をマイクから入力して、これを端末10へ送信することで、端末10側とセンタ20側との音声通信を可能とする。また、音声通信が可能となったことをスピーカ10−15から音声出力して、ユーザ等に対して案内する(ステップ24)。
これによって、センタ20側では、刻々と変化する災害状況を的確に把握できるとともに、ユーザに対して音声により適切な指示を与えることが可能となる。
【0123】
センタ20は、災害発生通知にもとづいて、保険会社における関係部門装置30に第一報を送信して、保証金などの保償請求の手続きを開始する(ステップ25)。これによって、保償請求手続きを漏れなくタイムリーに始めることが可能となる。
なお、災害発生通知としては、各検知器において検知された検知情報や、災害判定結果、すなわち災害が発生したことを示す情報を保有させたものとすることができる。また、第一報は、検知情報や判定結果に加えて、災害発生通知にあたり、端末10からセンタ20に送信される端末10の端末番号にもとづきセンタ20における個別情報ファイル20−Xを検索して得られた個人情報を添付したものとすることができる。
【0124】
また、災害の種類に応じて、それぞれ対応する処理が実行される(ステップ26)。すなわち、地震が検知された場合は、地震発生対処処理、火事が検知された場合は、火事発生対処処理、ガス漏れが検知された場合は、ガス漏れ発生対処処理、強盗などと遭遇したと検知された場合は、犯罪対処処理、端末無通信が発生した場合は、端末無通信発生対処処理がそれぞれ実行される。
一方、本体制御部10Mによって、災害でないと判定された場合であって、キャンセル受付がされていない場合は、通常処理S40へ進む(ステップ20のNO,ステップ27のNO)。
【0125】
本体制御部10Mによって、災害が発生したと判定された場合であっても、その後、キャンセル受付がされた場合は、キャンセル受付処理S200へ進む(ステップ27)。すなわち、実際には災害が発生していないのに検知器が誤作動して、端末10が災害発生通知をセンタ20に送信し、センタ20が警察署、消防署等への緊急通報を行った場合や、災害は実際にあったけれどユーザの適切な処置で災害が治まったときは、ユーザ又はセンタ20により、災害が発生したとする判定をキャンセルするためのキャンセル要求を端末10に入力する。そして、端末10及びセンタ20を初期の監視状態に戻すとともに、警察署、消防署等へ、キャンセルの旨を連絡し、緊急監視体制による端末10とセンタ20との常時接続状態を解除して、その後、通常処理S40へと進むことになる。
【0126】
このキャンセル受付は、音声により行うことができる。例えば、端末10のマイク10−14又は支局10Aのマイク10A−6から「地震解除」の音声入力がされた場合、音声認識装置10−7がこれを認識すると、対応する処理として登録されている後述のキャンセル受付処理を実行する。また、上述のようにセンタ20から端末10に送信されるキャンセル要求にもとづきキャンセル受付を行うこともできる。このキャンセル受付は、ステップ20の判定が行われた直後のみならず、ステップ21以降のいずれのタイミングで行ってもかまわない。
【0127】
<3.通常処理>
通常処理は、全検知器からの検知情報に、災害と判定されるような異常が検知されない場合に実行される処理である。この場合、端末10は、定期的にセンタ20に全検知器の検知数値を送信する。すなわち、通常処理は、地震や火事、ガス漏れがない平和な一日であっても、災害が起きていない段階で、災害対処システムが危険因子の早期発見、早期処置のために実行される。
【0128】
まず、端末10の本体制御部10Mは、所定のタイミングで、地震検知器10−1,火事検知器10−2,ガス検知器10A−3,各支局10Aの検知器により検知された検知情報にもとづいて、図9(a)に示すような災害定期点検報告情報を作成し、これをセンタ20に送信する(ステップ40)。そして、この災害定期点検報告情報に含まれる検知情報にもとづいて、センタ20において、以下に説明するように、各種災害の危険性の分析が行われる。また、このように所定のタイミングで災害定期点検報告情報を端末10からセンタ20に送信することで、端末10が正常に稼働していることを確認することもできる。なお、その送信は、毎日複数回行うようにすることが好ましい。
【0129】
センタ20は、端末10から災害定期点検報告情報を受信すると、警戒注意の対象とすべき内容であるかどうかをガス漏れから順番に判定する(ステップ41)。当該判定において、災害危険因子判定処理部20−6は、ガス漏れの存否、頻度、場所について判定する。
まず、災害定期点検報告情報からガス漏れが皆無と判定される場合、次に地震判定処理S60に進む(ステップ42)。
【0130】
一方、所定のガス漏れ濃度の基準値に至らなくとも、ガス漏れが1秒以上連続して検知された場合は、ユーザに対するガス元栓の確認の指示や、状況によってはガス会社による調査の要請が必要な場合もある。
このため、災害危険因子判定処理部20−6は、ガス漏れがある場合、まず、ガス漏れ時間が、1秒未満でかつ単発であるか、連続かつ特定場所で検知されたものか、あるいは連続かつ不特定場所で検知されたものであるかを判定する(ステップ43)。
1秒未満でかつ単発である場合は、検知器の誤作動であるとみなし、次に地震判定処理へ進む(ステップ44)。
【0131】
連続かつ特定場所で検知されたものである場合は、ガス漏れが発生したと判定して、即ガス会社における関係部門装置30等にガス漏れが発生した旨を送信する。また、ガス器具の点検依頼を行うとともに、ガス検知器の点検を実行する。そして、端末10に警戒注意の指示情報を送信し、監視体制下にはいる(ステップ45)。
端末10は、受信した警戒注意の指示情報にもとづいて、支局10Aの#1に警告表示を要求するとともに、全てのガス漏れ検知情報を災害定期点検報告によってセンタ20に送信する。支局10Aの#1は、警告及び漏れ場所(検知器の場所)を表示する(ステップ46)。
【0132】
ユーザは、この警告を認識すると、支局10Aに設けられた「点検実施中」ボタン(図示していない)を押下し、点検を始める(ステップ47)。当該ボタンの押下により支局10Aは、端末10にガス器具やガス検知器を点検中であることを示す情報を送信し、端末10は、これを受信するとともに、センタ20に送信する。
センタ20は、点検中であることを示す情報を受信すると、ガス漏れ履歴ファイル20−3に点検が開始されたこと及び開始日時を記録する(ステップ48)。
【0133】
そして、ガス器具等に不具合が見つかった場合には、即対処してガス漏れの防止を行う。また、ガス器具等に不具合がない場合は、ガス検知器の交換や室内の換気改善を行う(ステップ49)。点検者は、点検結果を端末10に入力し、端末10は、入力された点検結果をセンタ20に送信して、センタ20は、この点検結果をガス漏れ履歴ファイル20−3に保存する。次に、地震判定処理S60に進む(ステップ50)。
【0134】
ステップ43において、ガス漏れが、連続かつ不特定場所で検知されたものであると判定された場合は、災害危険因子判定処理部20−6は、ガス漏れが発生したと判定する。また、この場合は、ガスが部屋中に流され、部分的に充満している可能性があり、爆発の危険性があるため、ガス会社における関係部門装置30等及び端末10に緊急通報を行い、監視体制下にはいる(ステップ51)。
端末10は、緊急通報を受けると、所定の警戒緊急メッセージをスピーカ10−15から音声出力する。また、これによって、ユーザ等に対して、ガス管割れ等の危険性があるため、早急に対応すべきことを依頼する。そして、全ての検知情報について災害定期点検報告をセンタ20に順次送信する。これによって、端末10からセンタ20に常時災害定期点検報告情報の送信が行われ、センタ20側において端末10の状況変化を適切に監視することが可能となる。次に、地震判定処理S60に進む(ステップ52)。
【0135】
<4.地震判定処理>
通常処理における地震判定処理では、震度2を基準としている。震度3以上であれば、ステップ20において、自動的に災害発生とみなされる。センタ20の災害危険因子判定処理部20−6は、災害定期点検報告情報における検知情報にもとづいて、地震の存否、単発か連続か、頻繁かを順次判定する。
センタ20の災害危険因子判定処理部20−6は、災害定期点検報告情報における検知情報に、震度2以下の地震を1回も検知していない場合、次に火事判定処理S80へ進む(ステップ60)。
【0136】
また、震度2以下の地震が1回でも検知されている場合、その検知が、特定の場所でされたものであって、かつ気象庁地震速報Webサーバ40から受信した地震速報に記録があるものであるかどうかを判定する(ステップ61)。
特定の場所でされたものであるかどうかは、例えば当該端末10以外の端末10であって、当該端末10と同一地域に存在するものから送信されてきた災害定期点検報告情報に、同一時間に同一震度の情報が記録されているかどうかにもとづき判定することができる。すなわち、同一時間に同一震度の情報が当該端末10と同一地域に存在する他の端末10から送信されてきた災害定期点検報告情報に記録されていない場合には、特定の場所でのみ検知されたものであると判定することができる。この同一地域の端末10については、災害定期点検報告情報に地域情報を保有させて、これを検索することで特定できるようにすることができる。また、災害定期点検報告情報の送信元の端末情報にもとづいて、個別情報ファイル20−Xを検索し、その住所情報にもとづき特定するようにすることなども可能である。
さらに、地震速報に記録があるかどうかは、検知時間、端末10が設置された地域、検知された震度をキーとして、当該地震速報を検索することにより特定するようにすることができる。
【0137】
特定の場所で検知され、気象庁の地震速報にない場合は、端末10が設置された建物の構造上の問題であると考えられる。このため、災害危険因子判定処理部20−6は、端末10の設置場所が容易に揺れる場所でないかどうかの調査依頼や、設置場所の変更依頼を送信する(ステップ62)。
端末10は、上記依頼が送信されてくると、そのディスプレイやスピーカ10−15等からユーザに対する調査依頼を出力する(ステップ63)。これに対して、ユーザは、端末10の設定場所などを調査して、調査結果を端末10に入力する。
端末10は、入力された調査結果をセンタ20に送信する(ステップ64)。
センタ20は、調査結果を地震履歴ファイル20−1に保存する。そして、処置が必要な場合は、センタ20側とユーザ間で共同して対処していく(ステップ65)。
【0138】
ステップ61において、特定の場所で検知され、かつ気象庁の地震速報にないものでない場合は、検知情報における地震検知回数と、気象庁地震速報における地震回数が一致しているかどうかを判定する(ステップ66)。そして、一致している場合は、検知器は正常であり、問題はないため、災害定期点検報告情報における地震検知情報等を地震情報として、地震履歴ファイル20−1に保存する。そして、次に火事判定処理S80に進む。
【0139】
一方、検知情報における地震検知回数と、気象庁地震速報における地震回数が一致していない場合は、地震検知器の誤作動か、あるいは部屋の構造に問題があると考えられるため、端末10に対してこれらの調査依頼を送信する。
端末10は、上記依頼が送信されてくると、そのディスプレイやスピーカ10−15等からユーザに対する調査依頼を出力する(ステップ67)。これに対して、ユーザは、端末10の設定場所に揺れがないかを調査したり、あるいは地震検知器に故障がないかを確認する。この場合もステップ63〜ステップ65における場合と同様に、端末10から調査結果をセンタ20に送信して、地震履歴ファイル20−1に保存するようにすることができる。次に、火事判定処理S80に進む。
【0140】
<5.火事判定処理>
次に、センタ20の災害危険因子判定処理部20−6は、災害定期点検報告情報における検知情報にもとづいて、検知温度が室温+5℃以下であるかどうかを判定する(ステップ80)。
検知温度が室温+5℃以下である場合、災害危険因子判定処理部20−6は、室温との温度差、時間帯、検知場所等を火事履歴ファイル20−2に保存する。また、室内が換気不良であることを伝える警告通知を送信するようにすることもできる(ステップ81)。
端末10は、この警告通知をそのディスプレイやスピーカ10−15等から出力する(ステップ82)。ユーザは、この内容を把握して、換気等を行うことができる。
【0141】
検知温度が室温+5℃以下でない場合、災害危険因子判定処理部20−6は、その状態が所定時間以上継続しており、かつ特定場所であるかどうかを判定する(ステップ83)。特定場所であるかどうかの判定は、その検知が特定の災害検知支局10A又は火事検知器10−2により行われたものであるかどうかなどにより判定することができる。
【0142】
その状態が所定時間以上継続しており、かつ特定場所である場合、センタ20は、日当たり調査、暖房器具調査、電気配線の押しつぶしやコンセントの被覆外形損傷による発熱、焦げ等の形状調査などを早急に実施すべきことを指示する調査依頼を、端末10に送信する。この際、センタ20から判定結果及び温度異常場所などの指摘やコメント等も送信する。以降、センタ20側では当該端末10の監視体制をしくとともに、端末10はセンタ20へ全ての検知情報を順次送信する。そして、センタ20は、端末10から送信されてきた調査結果を火事履歴ファイル20−2に保存する。このセンタ20側における監視体制は、センタ20に端末10からキャンセル要求が送信されるまで継続する(ステップ84)。
【0143】
その状態が所定時間以上継続しており、かつ複数場所である場合等においては、センタ20は、電気配線の押しつぶしや、暖房器具調査依頼を端末10に送信する。また、温度差の変動数値、変動周期が異常に変化している場合、センタ20は、その調査依頼及び警告注意を端末10に送信する。さらに、変動時間、変動場所から考えられる要因をセンタ20側で判断し、これを端末10及び必要な関係部門装置30に送信する(ステップ85)。次に、災害対処処理S20へ進む。
【0144】
<6.地震発生対処処理>
次に、図14のステップ20において、震度3以上の地震が検知された場合について説明する。
まず、センタ20は、震度3以上を検知した端末10が、一定の地域内に他にもあるかを判定する(ステップ100)。すなわち、当該端末10以外の他の端末10から受信した災害発生通知に、震度3以上の地震検知情報が含まれているかどうかを判定する。地域については、災害発生通知に添付される個人情報における住所にもとづき判定することができる。
そして、震度3以上を検知した端末10が、他にもあると判定した場合(ステップ100のYES)、地域全体に被害が及んでいると推定されるため、センタ20側においては、広域災害に対処するための以下のような各種動作を実行する。
【0145】
(i)震度3以上を検知した端末10と同じ地域に設置されている全ての端末10に対し、地震・火事・ガス漏れについての検知情報をセンタ20に送信するための要求を送信し、全ての端末10からこれらの検知情報を受信する。
(ii)地区別に広域支援情報ファイルを作成する(図11)。
(iii)同ファイルが示す地震,火事,ガス漏れ検知情報と、ユーザからの連絡の有無と保険契約を総合的に判定し、支援する地区の順番を決める。
(iv)必要な支援物資を調達するとともに、地区別トラックを手配する。
(v)全地域の被害総見積もり額を算出(ユーザからの申告通知+地震,火事,ガス漏れ検知情報+保険契約)して、保険会社に通知する。
(vi)支援物資の搬送を開始する。
(vii)ユーザ携帯電話機50に搬送日を送信する。
【0146】
また、震度3以上を検知した当該端末10は、全ての地震検知情報を継続的にセンタ20へ送信するとともに、「ガス元栓切れ」,「転倒物注意」,「にげろ!」などを、ユーザ又はセンタ20から停止指示が端末10に入力されるまで繰り返し音声出力(連呼)する(ステップ101)。
【0147】
このように、地震災害の場合は、一ユーザにとどまらず多数のユーザが同時に被害を受けていると考えられるため、センタ20は、震度3以上を検知した端末10が複数存在することを確認するとともに、発生規模を調査すべく震度3以上を検知した全端末10から地震、火事、ガス漏れの各検知情報を吸い上げる。
そして、これらの検知情報と対応するユーザの個別情報にもとづいて、地区別に広域支援情報を作成する。また、必要な支援物資量と被害総額を見積もり計算して、保険会社に通知する。さらに、支援物資の準備及び各ユーザへの配給を所定機関に要請する。なお、通信できない端末10については、設置されていた家が全壊したと推定し、その検知情報については最悪の値であったものと見なして計算する。
【0148】
一方、端末10は、支局10Aから火災検知情報を入力すると、「XXXに火災発生!消化器で消せ!」などの音声を停止指示がくるまで繰り返し出力する(ステップ102)。
また、端末10は、支局10Aからガス漏れ検知情報を入力すると、「XXXにガス漏れ!ガス元栓切れ!」などの音声を停止指示がくるまで繰り返し出力する(ステップ103)。
【0149】
次に、センタ20は、地震、火災、ガス漏れのいずれかについての災害発生通知を端末10から受信した後、キャンセルされることなく、かつ順次送信されてくる検知情報が災害発生基準を満たすものである状況が一定時間以上継続した場合、ユーザ自身が重傷を負ったか、留守で不在と考えられるため、ユーザに代わって警察署、消防署、ユーザ携帯電話機50等に自動通報を実行する(ステップ104)。住所、氏名、災害内容等の通報内容については、事前に登録された情報を使用することができる。災害内容については、上記条件に対応付けて記憶された最悪の例などを用いる。なお、このような自動通報を端末10から行うようにすることも可能である。
また、端末10の内蔵スピーカ10−15から出力している音声の音量については、停止指示がくるまで、少しずつ上げていくことができる。
【0150】
また、センタ20は、ユーザ携帯電話機50に災害の発生を通報した際に、接続ができず、所定時間(例えば10分)経過後も連絡できない場合、関係部門別ファイル20−Zにもとづいて、ユーザの緊急連絡先へ、ユーザの家において災害が発生し、ユーザとの連絡がとれない旨を緊急通報する(ステップ105)。
外出中のユーザと電話が通じると、ユーザは、家の中の様子を、端末10内蔵のマイク10−14及びスピーカ10−15を通じて把握することができる。また、端末10,センタ20,ユーザ携帯電話機50を介して、現場周辺にいる人と話をすることもできる(ステップ106)。
【0151】
さらに、端末10は、ライト10−10を赤く点滅させることにより、警察署、消防署に接続中であることを表示する。また、スピーカ10−15から警察署、消防署に接続中であることを音声により出力する。さらに、ユーザ又は周囲の人などが、家にいる場合は、声をあげるように案内する(ステップ107)。
このように、端末10は、どのような災害が発生した場合でも、その災害の種類に応じて予めメモリ10−6に登録された音声をスピーカ10−15から繰り返し出力(連呼)することができるとともに、センタ20から送信されてきた音声を出力することができる。例えば、「ガス栓切れ」,「消火器で消せ」,「落下物注意」等を連呼することができるとともに、センタ20側の担当者からユーザに対して適切な指示を伝えることができ、パニック下のユーザに平常心を回復させることも可能となる。
また、端末10のライト10−10を赤く点滅させるとともに、状態表示盤10−11に「警察署と接続中」,「警察署出動中」,「ガス会社出動要請中」等を出力する。これによって、ユーザに安心感を与えることも可能となる。
【0152】
また、端末10は、スピーカ10−15から所定のサイレンを鳴らすとともに、「現在、センタと電話がつながっています。どうぞお話ください。不要の時はマイクオフを二回以上言ってください。」などの音声案内を流し続けることもできる。
また、端末10は、センタ20に対して、引き続き各検知情報を送信し続ける(ステップ108)。
【0153】
センタ20は、端末10から支局10Aと正常に交信できているかどうかを受信し、正常に交信できていない場合は、端末10と支局間の信号ケーブル10C断線、短絡等の相当の被害が想定されるため、消防署への緊急通報する。また、センタ20側から緊急出動する。そして、処理を終了する(ステップ109)。
一方、センタ20は、端末10と支局10Aが正常に交信できていると判定した場合、以降のサポートは、センタ20側で行い、処理を終了する(ステップ110)。
【0154】
<7.火災発生対処処理>
端末10は、「XXXに火災発生!」,「消化器で消せ!」,「ガス栓切れ!」を連呼し、その音量を少しずつ上げていく。また、端末10からセンタ20への検知情報の送信を継続するが、このような、端末10からセンタ20に送信される検知情報のうち、火災検知情報を特に火災速報と称する(ステップ120)。
センタ20は、火災発生後、3分以内に停止指示がなく、かつ火災検知が継続している場合、消防署及び警察署へ自動緊急通報する(ステップ121)。
【0155】
また、センタ20は、火災発生後、人の声や音声指示が端末10から送信されてこない場合、ユーザが不在又は被害を受けたものとして、ユーザ携帯電話機50に通報する。このとき、10分間ユーザと連絡が取れない場合は、ユーザにとって非常時とみなし、緊急連絡先に通報する。この場合も、ユーザ携帯電話機50には、引き続き発信を継続する(ステップ122)。
これによって、外出中のユーザのユーザ携帯電話機50と接続ができると、ユーザは、家の中の様子を、センタ20及び端末10におけるマイク10−14及びスピーカ10−15を介して把握することができる。さらに、ユーザの音信不通が継続する場合は、家にいるかもしれない第三者に対して、センタ20側から呼びかけを行う(ステップ123)。
【0156】
さらに、端末10は、ライト10−10を赤く点滅させて、消防署、警察署に接続中であることを表示するとともに、その旨をスピーカ10−15から音声出力する。また、ユーザ又は周辺の人が、もし家にいるならば、声を出すように音声案内する(ステップ124)。
また、端末10は、二カ所以上の支局10Aから火災検知情報を入力すると、「緊急避難!」を連呼する。
一方、センタ20は、端末10から受信した検知情報を参照して、二カ所以上の支局10Aから火災している場合は、関係部門に緊急通報を行う。また、センタ20側から緊急出動する(ステップ125)。
【0157】
端末10は、火災温度が設定温度に達した場合、具体的には検知器からの検知情報により、例えば60℃以上の温度が3分間以上連続して検知されている場合や、あるいは災害検知支局10Aから60℃以上を検知したことを示す異常温度信号を受信した場合などに、部屋に設置している消火玉10Bから消化剤を一面に噴射する(ステップ126)。この消化剤の噴射条件や噴射方法については、消火玉10Bについての説明において詳細に説明している。
以降のサポートは、センタ20側が行い、処理を終了する(ステップ127)。
【0158】
<8.ガス漏れ発生対処処理>
端末10は、「XXXにガス漏れ発生!」,「ガス栓切れ!」を連呼する。また、端末10からセンタ20への検知情報の送信を継続するが、このような、端末10からセンタ20に送信される検知情報のうち、ガス漏れ情報を特にガス漏れ速報と称する(ステップ140)。
【0159】
さらに、端末10は、支局10Aからの検知情報及び内蔵する火事検知器10−2からの検知情報にもとづき火災の発生がないかどうかを判定する。
そして、火災が発生していると判定した場合、「XXXXに火災発生!」,「消化器で消せ!」を連呼する。また、センタ20に火災速報を送信する(ステップ141)。
【0160】
さらに、ガス漏れ発生から5分間、ユーザ又はセンタ20から解除指示が端末10に入力されず、かつガス漏れが続いている場合は、センタ20へ緊急通報する。解除指示が入力されたか、又はガス漏れがストップした場合は、災害対処処理ステップ20から実行する(ステップ142)。
緊急通報を受けたセンタ20は、ガス会社へガス停止緊急依頼を通報する。また、消防署へ緊急通報する(ステップ143)。
【0161】
さらに、センタ20は、端末10から受信した検知情報を参照して、二カ所以上の支局10Aからガス漏れが検知されている場合は、端末10から「緊急避難!」を連呼させるとともに、消防署、警察署に緊急通報する。また、センタ20側から緊急出動する。そして、以降は、センタ20側がサポートする(ステップ144)。
なお、端末10が、二カ所以上の支局10Aから火災検知情報を入力した場合に、端末10が「緊急避難!」を連呼するようにすることも好ましい。また、上述した火災発生対処処理のステップ125における動作を、ステップ144と同様にセンタ20における処理により実行するものとすることもできる。
【0162】
以上のようにすることで、不注意によるガス漏れ発生の場合は、「ガス漏れ発生!」などの連呼により、ユーザはガス漏れに気づくことができ、大事に至る前にガス元栓を切る等の対処を行うことが可能となる。また、それ以外場合は、ガス管、ガス器具の障害であって、ユーザが不在中の事故であと考えられるため、ガス会社による緊急復旧等が必要である。このため、センタ20からガス会社及び消防署、警察署に緊急通報するものとしている。
なお、ガス漏れ発生対処処理においても、図20に示す火災発生対処処理におけるステップ122〜ステップ124と同様に、ユーザの携帯電話機50への通報、センタ20側からの端末10を介したユーザへの呼びかけ及び周囲の人への呼びかけを行うようすることも好ましい。
【0163】
<9.犯罪対処処理>
まず、端末10は、ステップ20において、認識した悲鳴音が、強盗によるものかどうかを判定する(ステップ160)。すなわち、端末10は、入力した悲鳴音が、強盗による場合の悲鳴として事前に登録された所定の音声であるかどうかを判定する。例えば、その悲鳴音が、「あなたは誰、誰、誰!」であるかどうかを判定する。
強盗であると判定された場合、端末10は、当該判定結果に対応して事前に登録された内容を警察署に緊急通報する。この事前登録内容としては、強盗による不法侵入が発生したこと、非常に危険であること、即出動を依頼すること、及びユーザの氏名、住所等とすることができる。さらに、端末10は、センタ20に強盗の発生を緊急通報するとともに、ステップ163を実行する。
【0164】
次に、端末10は、認識した悲鳴音が、暴行(例えば、強姦等)によるものかどうかを判定する(ステップ161)。すなわち、端末10は、入力した悲鳴音が、暴行による場合の悲鳴として事前に登録された所定の音声であるかどうかを判定する。例えば、その悲鳴音が、「あなたは誰、助けて、助けて!」であるかどうかを判定する。
暴行であると判定された場合、端末10は、当該判定結果に対応して事前に登録された内容を警察署に緊急通報する。この事前登録内容としては、犯人が暴行目的で不法侵入したこと、非常に危険であること、即出動を依頼すること、及びユーザの氏名、住所等とすることができる。さらに、端末10は、センタ20に暴行の発生を緊急通報するとともに、ステップ163を実行する。
【0165】
次に、端末10は、認識した悲鳴音が、その他の犯罪によるものかどうかを判定する(ステップ162)。すなわち、端末10は、入力した悲鳴音が、その他の犯罪、例えば、泥棒、不法侵入、脅迫、強引セールス等による場合の悲鳴として事前に登録された所定の音声であるかどうかを判定する。例えば、その悲鳴音が、「あなたは誰、帰って、帰って!」であるかどうかを判定する。
その他の犯罪であると判定された場合、端末10は、当該判定結果に対応して事前に登録された内容を警察署に緊急通報する。この事前登録内容としては、不法侵入が発生しユーザが脅迫されていること、非常に危険であること、即出動を依頼すること、及びユーザの氏名、住所等とすることができる。さらに、端末10は、センタ20にその他の犯罪の発生を緊急通報するとともに、ステップ163を実行する。
【0166】
端末10は、認識した悲鳴音が、強盗、暴行、その他の犯罪のいずれにも該当しないと判定した場合であっても、一定時間内にキャンセル要求の入力がない場合には、ユーザが犯人から一撃を受けて気を失っている可能性があるため、予め登録されたその旨の音声により警察署に緊急通報する。さらに、端末10は、所定のサイレンを鳴らすことで、周囲に緊急事態の発生を通知する。また、予め登録された所定の音声を出力することで、ユーザへの呼びかけを続ける。以降は、センタ20側がサポートし、処理を終了する。
【0167】
強盗、暴行、その他の犯罪のいずれかが発生し、警察署への通報を行った端末10は、ライト10−10を赤く点滅させて、警察署通報中であることを周囲に明示する。警察署への通報が終了すると、通報完了を示すサイレンをけたたましく鳴らす。引き続き「警察署通報中」,「救急車要請中」,「消防車要請中」などの音声を大音量によりスピーカ10−15から出力し、ユーザ、犯人、及びその他周辺にいる人に通知する(ステップ163)。
【0168】
端末10による警察署通報後、ユーザは警察署と話ができる状態であれば、そのまま警察署に事情説明を行う。また、ユーザが警察署に事情説明できる状況でなく、「ダメだ、ダメ」等の音声を端末10が認識した場合は、事前に登録された所定の緊急パニック追加メッセージを警察署に送信する。
以降のサポートはセンタ20側が行い、処理を終了する(ステップ164)。
【0169】
<10.端末無通信発生対処処理>
センタ20は、気象庁による地震速報において、地震が震度6以上であったかどうかを常時監視し、地震が震度6以上である場合は、端末10からの通信が予め登録された所定時間内に行われるかどうかを監視する(ステップ180)。すなわち、大規模な地震が発生した場合、端末10が破壊されて、災害検知が行えず、端末10からセンタ20への災害発生通知の送信もできず、端末10とセンタ20間が無通信状態となり得る。このため、センタ20は、気象庁地震速報Webサーバ40における地震速報を常時監視し、地震が発生した場合に、端末10からの地震検知第一報が所定時間内に届かないときは、端末10が地震により損傷して端末無通信が発生したものとみなして、他の災害が検知された場合と同様に、緊急監視体制下における各処理を実行する。
【0170】
また、地震が震度6以上であった場合、センタ20は、地域内の他の端末10との通信が可能かどうかを確認する。そして、地震が震度6以上であって、他の端末10も無通信である場合は、地域全体が打撃を受けていると考えられるため、ユーザ携帯電話機50及び関係部門に緊急通報を行う。以降は、センタ20側で対処し、処理を終了する(ステップ181)。
【0171】
地震が震度6以上であって、他の端末10は通信可能である場合は、無通信が発生した端末10の故障、家の崩壊、ネットワークの断線等が発生した可能性があるため、センタ20は、ユーザ携帯電話機50及び関係部門に緊急通報を行う。以降は、センタ20側で対処し、処理を終了する(ステップ182)。
【0172】
また、センタ20では、地震の震度にかかわらず、端末10からの無通信時間を監視することもできる。地震が震度6以上でなかった場合であって、所定時間以上端末10からの通信がセンタ20に行われない場合は、端末10の故障、ネットワークの断線等が発生した可能性があるため、センタ20は、ユーザ携帯電話機50に確認要請を送信して、処理を終了する(ステップ183)。
なお、ステップ180において、他の地域の端末10と通信できるかどうかを判定することもできる。また、ステップ180〜ステップ183については、図2に示す災害対処処理において、端末10からセンタ20への災害発生通知の送信が実行できない場合においても、実行することができる。さらに、端末10からセンタ20に地震第一報が送信された後に、端末10が無通信状態となった場合にも当該無通信発生対処処理を適用することができる。
【0173】
<11.キャンセル受付処理>
端末10、センタ20は、監視体制を解く。すなわち、端末10とセンタ20は、接続を解除し、端末10からセンタ20への検知情報の常時送信を終了する。また、端末10とセンタ20との音声通信可能状態を解除する。端末10は、音声入出力機能、サイレン出力機能、スピーカ及びマイクの各機能をオフにする(ステップ200)。
なお、センタ20においては、それまでに端末10から受信した検知情報にもとづく各種履歴データが、情報ファイル20−7に保存されている。
【0174】
以上説明したように、本実施形態の災害対処システムによれば、ユーザが、日常経験することのない特殊事態に遭遇したときに、最善の処置を行うことが可能となる。特に、亭主一人で留守番するときや、子供、友人、近所の人、親兄弟だけに留守番をお願いしたときなどに、地震、火災、ガス漏れなどが発生した場合は、家の様子が分からない分、通常よりパニック度が大きくなってしまう。本実施形態の災害対処システムによれば、このような場合に、最善の対処方法、音声でアナウンス、関係部門への自動通報などを実行することができ、被害を最小限に押さえることが可能となる。
また、地震災害のように広域に被害をもたらす災害が発生した場合、保険会社や災害対策機関にとっては、被害総額、必要支援物資量の見積が、本実施形態の災害対処システムによって早期に算出されため、早めの保償金や支援物資の調達を行うことが可能となる。
【0175】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態の通常処理において、ガス漏れ、地震、火事の順に判定しているが、この順序を変更したり、あるいは並行して処理するなど適宜変更することが可能である。
また、災害受付センタサーバが災害対処装置から緊急事態が発生したことを示す情報を受信した後に、即警察署や消防署、ガス会社等における電話機や関係部門装置に、これを通報するようにすることも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の一実施形態の災害対処システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける災害対処装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける災害対処装置の外観構成例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける災害検知支局の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける消火装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける消火装置の内部構造を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける災害検知支局及び消火装置の設置例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける災害受付センタサーバの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける(a)災害定期点検報告情報,(b)警告指示例,(c)地震履歴ファイル,(d)火事履歴ファイル,(e)ガス漏れ履歴ファイル,(f)関係部門別ファイル,(g)個別情報ファイルを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける(h)事前登録音声指示語例,(i)事前登録音声指示語に対する規定応答例,(j)現場把握のための質問例,(k)現場周囲にいる人への案内例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける広域支援情報を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態の災害対処システムを用いた広域支援体制を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける災害対処端末への初期設定手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける災害対処処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける通常処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける地震判定処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける火事判定処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける地震発生対処処理手順(前半)を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける地震発生対処処理手順(後半)を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける火災発生対処処理手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態の災害対処システムにおけるガス漏れ発生対処処理手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける犯罪対処処理手順を示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態の災害対処システムにおける端末無通信発生対処処理手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施形態の災害対処システムにおけるキャンセル受付処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0177】
10 災害対処装置(チュウ震ぐら君)
10−1 地震検知器
10−2 火事検知器
10−3 ガス検知器
10−4 通信機
10−5 電話機
10−6 メモリ
10−7 音声認識装置
10−8 電池
10−9 ラジオ
10−10 ライト
10−11 状態表示盤
10−12 119ボタン
10−13 110ボタン
10−14 マイク
10−15 スピーカ
10−16 リセットボタン
10M 本体制御部
10S 温度計
10CON 災害検知支局制御部
10A 災害検知支局
10A−1 LCD表示盤
10A−2 火事検知器
10A−3 ガス検知器
10A−4 操作選択キー
10A−5 状態表示ランプ
10A−6 マイク
10A−7 スピーカ
10B 消火装置(消化玉)
10B−1 制御部
10B−2 操作盤
10B−3 熱感知センサ
10B−4 電磁開閉弁兼ストッパ
10B−5 吸入ファン
10B−6 消化剤タンク
10B−7 消化剤噴射板
10B−8 噴射ノズル弁
10B−A 満タンスイッチ
10B−X 消化剤搬送パイプ
10B−Y 消化剤ボンベ
10B−Z 消化剤噴出機
10C 信号ケーブル
20 災害受付センタサーバ
20−1 地震履歴ファイル
20−2 火事履歴ファイル
20−3 ガス漏れ履歴ファイル
20−4 制御部
20−5 通信機
20−6 災害危険因子判定処理部
20−7 情報ファイル
20−8 保償請求処理部
20−9 音声入出力処理部
20−A 災害緊急処理部
20−B キャンセル受付処理部
20−C 無通信処理部
20−D 広域支援処理部
20−X 個別情報ファイル
20−Z 関係部門別ファイル
30 関係部門装置
40 気象庁地震速報Webサーバ
50 ユーザ携帯電話機
100 インターネット
150 無線ネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害検知装置を内蔵及び/又は接続した一又は二以上の災害対処装置と、当該災害対処装置にネットワークを介して接続された災害受付センタサーバとを有する災害対処システムであって、
前記災害対処装置は、前記災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定し、前記災害受付センタサーバに災害が発生したことを示す情報を送信するとともに、前記災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とし、
前記災害受付センタサーバは、前記災害が発生したことを示す情報を受信すると、前記災害対処装置との接続を常時接続した状態とする
ことを特徴とする災害対処システム。
【請求項2】
前記災害対処装置は、災害が発生したと判定すると、前記災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次前記災害受付センタサーバに送信する
ことを特徴とする請求項1記載の災害対処システム。
【請求項3】
前記災害対処装置は、災害が発生したと判定すると、入力された音声情報を前記災害受付センタサーバに送信するとともに、前記災害受付センタサーバから受信した音声情報を出力し、
前記災害受付センタサーバは、前記災害が発生したことを示す情報を受信すると、入力された音声情報を前記災害対処装置に送信するとともに、前記災害対処装置から受信した音声情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の災害対処システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の災害対処システムが、前記ネットワークに接続された保険会社における関連部門装置を有するとともに、前記災害受付センタサーバが、前記災害対処装置と当該災害対処装置のユーザの個人情報との対応関係を記憶した記憶装置を備え、
前記災害受付センタサーバは、災害が発生したことを示す情報を受信すると、前記記憶装置から前記災害対処装置に対応する個人情報を取得して、当該個人情報と、前記災害が発生したことを示す情報とを前記関係部門装置に送信する
ことを特徴とする災害対処システム。
【請求項5】
請求項4記載の災害対処システムが、前記災害対処装置のユーザの携帯電話機を有するとともに、前記個人情報に当該携帯電話機の電話番号が含まれ、
前記災害受付センタサーバは、災害が発生したことを示す情報を受信すると、当該災害が発生したことを示す情報を前記携帯電話機に送信する
ことを特徴とする災害対処システム。
【請求項6】
前記災害対処装置は、災害が発生したと判定すると、当該災害対処装置に備えられたライトを点滅させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項7】
前記災害受付センタサーバは、災害が発生したことを示す情報を受信すると、当該災害が発生したことを示す情報を、少なくとも警察署における電話機若しくは前記ネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された警察署における関係部門装置、消防署における電話機若しくは前記ネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された消防署における関係部門装置、又は、ガス会社における電話機若しくは前記ネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続されたガス会社における関係部門装置のいずれかに送信する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項8】
前記災害受付センタサーバは、警察署、消防署、及び/又はガス会社における電話機及び/又は関係部門装置への前記災害が発生したことを示す情報の送信に際し、当該送信を行うこと又は行ったことを示す音声情報を前記災害対処装置に送信する
ことを特徴とする請求項7記載の災害対処システム。
【請求項9】
前記災害対処装置に災害が発生したとする判定をキャンセルする入力が、当該判定から所定の時間内になかった場合に、前記災害受付センタサーバは、警察署、消防署、及び/又はガス会社における電話機及び/又は関係部門装置への前記災害が発生したことを示す情報の送信を行い、
前記災害対処装置に災害が発生したとする判定をキャンセルする入力が、当該判定から所定の時間内にあった場合、前記災害対処装置は、キャンセル要求を前記災害受付センタサーバに送信して、当該災害受付センタサーバとの接続を解除し、前記災害受付センタサーバは、前記キャンセル要求を受信すると、前記災害対処装置との接続を解除する
ことを特徴とする請求項7又は8記載の災害対処システム。
【請求項10】
前記災害検知装置に地震検地装置が含まれ、
前記災害対処装置は、前記地震検地装置により検知された震度が所定値以上の場合に、災害が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項11】
前記災害受付センタサーバは、前記災害が発生したことを示す情報を受信し、かつ、前記災害対処装置が設置された所定範囲の地域と同じ地域に設置された他の災害対処装置からも前記災害が発生したことを示す情報を受信すると、この地域における全ての災害対処装置から、地震、火事、ガス漏れについての全ての検知情報を受信する
ことを特徴とする請求項10記載の災害対処システム。
【請求項12】
前記災害受付センタサーバは、前記全ての災害対処装置から受信した前記検知情報にもとづいて、少なくとも当該検知情報を備えた広域支援情報を所定範囲の地区ごとに作成する
ことを特徴とする請求項11記載の災害対処システム。
【請求項13】
前記災害検知装置に火事検地装置が含まれ、
前記災害対処装置は、前記火事検地装置により検知された温度が設定温度以上の場合に、災害が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項14】
前記災害対処装置は、二以上の前記火事検知装置から検知された温度が、設定温度以上である場合、当該災害対処装置におけるスピーカから緊急避難をすべきことを示す所定の音声を繰り返し出力する
ことを特徴とする請求項13記載の災害対処システム。
【請求項15】
前記災害対処装置は、前記火事検知装置からの検知情報が、所定の温度以上の温度を所定の時間以上検知したことを示す場合、及び/又は前記災害対処装置に接続されている消火装置から異常温度信号を受信した場合、前記消火装置に消化剤を噴射させる
ことを特徴とする請求項13又は14記載の災害対処システム。
【請求項16】
前記災害検知装置にガス漏れ検地装置が含まれ、
前記災害対処装置は、前記ガス漏れ検地装置により検知されたガス濃度が設定濃度以上の場合に、災害が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項17】
前記災害対処装置は、二以上の前記ガス漏れ検知装置から検知されたガス濃度が、設定濃度以上である場合、当該災害対処装置におけるスピーカから緊急避難をすべきことを示す所定の音声を繰り返し出力する
ことを特徴とする請求項16記載の災害対処システム。
【請求項18】
前記災害検知装置が音声を入力すると、当該入力音声が、所定の犯罪行為による災害が発生した場合に発せられる悲鳴として当該災害対処装置に登録されている所定の音声に存在するかどうかを検索し、存在する場合に、災害が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項19】
前記災害受付センタサーバは、当該災害受付センタサーバとネットワークを介して接続された気象庁のWebサイトから受信した地震速報における震度が所定の震度以上であり、かつ、前記災害対処装置から所定時間以内に災害が発生したことを示す情報を受信しなかった場合に、災害が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項20】
前記災害受付センタサーバは、災害が発生したと判定すると、前記災害対処装置に対応する個人情報における住所にもとづき当該災害対処装置が設置された地域と同じ地域に設置された他の災害対処装置と接続可能であるかを確認する
ことを特徴とする請求項19記載の災害対処システム。
【請求項21】
前記災害対処装置は、前記災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たさない場合、前記検知情報を定期的に前記災害受付センタサーバに送信する
ことを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の災害対処システム。
【請求項22】
前記災害受付センタサーバは、定期的に受信した前記検知情報を当該災害受付センタサーバにおける履歴ファイルに記憶するとともに、当該検知情報にもとづきガス漏れ、地震、火事の危険性を分析する
ことを特徴とする請求項21記載の災害対処システム。
【請求項23】
災害検知装置を内蔵及び/又は接続した一又は二以上の災害対処装置と、当該災害対処装置にネットワークを介して接続された災害受付センタサーバとを用いた災害対処方法であって、
前記災害対処装置は、前記災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定し、前記災害受付センタサーバに災害が発生したことを示す情報を送信するとともに、前記災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とし、
前記災害受付センタサーバは、前記災害が発生したことを示す情報を受信すると、前記災害対処装置との接続を常時接続した状態とする
ことを特徴とする災害対処方法。
【請求項24】
前記災害対処装置は、災害が発生したと判定すると、前記災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次前記災害受付センタサーバに送信する
ことを特徴とする請求項23記載の災害対処方法。
【請求項25】
前記災害対処装置は、災害が発生したと判定すると、入力された音声情報を前記災害受付センタサーバに送信するとともに、前記災害受付センタサーバから受信した音声情報を出力し、
前記災害受付センタサーバは、前記災害が発生したことを示す情報を受信すると、入力された音声情報を前記災害対処装置に送信するとともに、前記災害対処装置から受信した音声情報を出力する
ことを特徴とする請求項23又は24記載の災害対処方法。
【請求項26】
前記災害受付センタサーバが、前記災害対処装置と当該災害対処装置のユーザの個人情報との対応関係を記憶した記憶装置を備えたものであり、
前記災害受付センタサーバは、災害が発生したことを示す情報を受信すると、前記記憶装置から前記災害対処装置に対応する個人情報を取得して、当該個人情報と、前記災害が発生したことを示す情報とを、前記ネットワークに接続された保険会社における関係部門装置に送信する
ことを特徴とする請求項23〜25のいずれかに記載の災害対処方法。
【請求項27】
前記災害受付センタサーバは、災害が発生したことを示す情報を受信すると、当該災害が発生したことを示す情報を、前記個人情報に含まれるユーザの携帯電話機の電話番号にもとづいて、当該携帯電話機に送信し、及び/又は、少なくとも警察署における電話機若しくは前記ネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された警察署における関係部門装置、消防署における電話機若しくは前記ネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続された消防署における関係部門装置、又は、ガス会社における電話機若しくは前記ネットワークを介して当該災害受付センタサーバに接続されたガス会社における関係部門装置のいずれかに送信し、かつ、当該送信に際し、当該送信を行うこと又は行ったことを示す音声情報を前記災害対処装置に送信する
ことを特徴とする請求項23〜26のいずれかに記載の災害対処方法。
【請求項28】
前記災害検知装置に少なくとも地震検地装置、火事検地装置、ガス漏れ検地装置のいずれかが含まれ、
前記災害対処装置は、前記地震検地装置により検知された震度が所定値以上の場合、前記火事検地装置により検知された温度が設定温度以上の場合、又は前記ガス漏れ検地装置により検知されたガス濃度が設定濃度以上の場合に、災害が発生したと判定するとともに、
前記災害検知装置が音声を入力すると、当該入力音声が、所定の犯罪行為による災害が発生した場合に発せられる悲鳴として当該災害対処装置に登録されている所定の音声に存在するかどうかを検索し、存在する場合に、災害が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項23〜27のいずれかに記載の災害対処方法。
【請求項29】
災害検知装置を内蔵及び/又は接続してあり、当該災害検知装置により検知された検知情報を、ネットワークを介して災害受付センタサーバに送信する災害対処装置であって、
前記災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定し、前記災害受付センタサーバに災害が発生したことを示す情報を送信するとともに、前記災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とする
ことを特徴とする災害対処装置。
【請求項30】
災害が発生したと判定した場合に、前記災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次前記災害受付センタサーバに送信することを特徴とする請求項29記載の災害対処装置。
【請求項31】
災害が発生したと判定した場合に、入力された音声情報を前記災害受付センタサーバに送信するとともに、前記災害受付センタサーバから受信した音声情報を出力することを特徴とする請求項29又は30記載の災害対処装置。
【請求項32】
請求項29〜31のいずれかに記載の災害対処装置は、
前記火事検知装置からの検知情報が、所定の温度以上の温度を所定の時間以上検知したことを示す場合、及び/又は当該災害対処装置に接続されている消火装置から異常温度信号を受信した場合、前記消火装置に消化剤を噴射させることを特徴とする災害対処装置。
【請求項33】
災害検知装置を内蔵及び/又は接続する災害対処装置に、前記災害検知装置により検知された検知情報を、ネットワークを介して災害受付センタサーバに送信させる災害対処プログラムであって、
前記災害対処装置に、
前記災害検知装置により検知された検知情報が、所定の災害基準を満たす場合に、災害が発生したと判定させ、前記災害受付センタサーバへ災害が発生したことを示す情報を送信させるとともに、前記災害受付センタサーバとの接続を常時接続した状態とさせる
ことを実行させるための災害対処プログラム。
【請求項34】
前記災害対処装置に、
災害が発生したと判定された場合に、前記災害検知装置から入力した全ての検知情報を順次前記災害受付センタサーバに送信させる
ことを実行させるための請求項33記載の災害対処プログラム。
【請求項35】
前記災害対処装置に、
入力された音声情報を前記災害受付センタサーバへ送信させるとともに、前記災害受付センタサーバから受信された音声情報を出力させる
ことを実行させるための請求項33又は34記載の災害対処プログラム。
【請求項36】
前記災害対処装置に、
前記火事検知装置からの検知情報が、所定の温度以上の温度を所定の時間以上検知したことを示す場合、及び/又は前記災害対処装置が、当該災害対処装置に接続されている消火装置から異常温度信号を受信した場合、前記消火装置に消化剤を噴射させる
ことを実行させるための請求項33〜35のいずれかに記載の災害対処プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−67030(P2006−67030A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244478(P2004−244478)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】