説明

炉心溶融物保持装置

【課題】従来よりも、原子炉格納容器に生じ得る熱損傷の程度を緩和し、原子炉格納容器の健全性低下を抑止する炉心溶融物保持装置を提供する。
【解決手段】第1の炉心溶融物保持装置30Aは、原子炉圧力容器1の下方に位置し、原子炉圧力容器1を支える円筒状のペデスタル側壁5とペデスタル床9によって囲まれるペデスタル領域に形成される炉心溶融物保持装置であり、前記ペデスタル領域で炉心溶融物を保持する耐熱材8と、耐熱材8とペデスタル床9との間に設けられ、冷却材を供給する冷却流路と、を具備し、前記冷却流路は、冷却材が供給される給水ヘッダ7と、ペデスタル側壁5の内周面に沿って周方向に形成されたライザー流路32と、給水ヘッダ7と一端が接続され、他端がライザー流路32と接続される複数の並行流路である冷却チャンネル31とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉心溶融物保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来の炉心溶融物保持装置(コアキャッチャー)4を備えた原子炉格納容器2の立断面図である。
【0003】
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器1内への給水の停止や、原子炉圧力容器1に接続された配管の破断により冷却水が喪失すると、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。
【0004】
しかし、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。
【0005】
炉心溶融に至った場合、高温の炉心溶融物(コリウム)が、原子炉格納容器2内のペデスタル側壁5によって支持される原子炉圧力容器1の下部に溶け落ち、さらに、原子炉圧力容器下部ヘッド3を溶融貫通して、原子炉格納容器2内の床上に落下するに至る。床に落下したコリウムは原子炉格納容器2の床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを大量に発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。
【0006】
発生した非凝縮性ガスは原子炉格納容器2内の圧力を高め、原子炉格納容器2を破損させる可能性があり、また、コンクリートの溶融浸食により、格納容器バウンダリを破損させたり、格納容器構造強度を低下させたりする可能性がある。結果的に、コリウムとコンクリートの反応が継続すると原子炉格納容器2の破損に至り、原子炉格納容器2内の放射性物質が外部環境へ放出させる恐れがある。
【0007】
このコリウムとコンクリートの反応を抑制するためには、コリウムを冷却し、コリウム底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下(一般的なコンクリートで1500K以下)に冷却するか、コリウムとコンクリートが直接接触しないようにする必要がある。そのため、炉心溶融物が落下した場合に備えて様々な対策が提案されている。代表的なものが炉心溶融物保持装置4と呼ばれるもので、落下した炉心溶融物を耐熱材で受けとめて、注水手段と組み合わせて炉心溶融物の冷却を図る設備である。
【0008】
原子炉格納容器2の床に落下した炉心溶融物の上面に冷却水を注水しても、炉心溶融物の底部での除熱量が小さいと、崩壊熱によって炉心溶融物底部の温度が高温のまま維持され、原子炉格納容器2の床のコンクリート侵食を停止することができない。このような事情に鑑みて、例えば、非特許文献1,2に記載されるように、コリウム堆積床面の下方に設けた冷却水流路に冷却水を導くことによってコリウムを底面から除熱する装置および方法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Rick Wachowiak,“Management of Severe Accident Phenomena in the ESBWR Design,”Regulatory Information Conference 2006, Severe Accident Research Session T2BC, Mar. 7, 2006
【非特許文献2】M.Jahn and H. H. Reineke,“Free convection heat transfer with internal heat sources calculations and measurements,”Proc. 5th Int. Heat Transfer Conf., Tokyo Japan, Paper NC2.8, pp.74−78, 1974
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図11は従来の炉心溶融物保持装置4の上面図、図12は従来の炉心溶融物保持装置4のIII−III線(図11)における断面図、図13は従来の炉心溶融物保持装置4の矢印B(図11)の方向から見た矢視図である。
【0011】
炉心溶融物保持装置4は、ペデスタル側壁5とペデスタル床9に囲まれるペデスタル領域に設置される。冷却チャネル6および給水ヘッダ7は、ペデスタル床9の上部の基礎部材10に設置される。基礎部材10は、炉心溶融物保持装置4を構成する一部材であり、冷却チャネル6および給水ヘッダ7を支える部材である。
【0012】
炉心溶融物保持装置4は、冷却水等の冷却材を装置内に配置された冷却流路としての冷却チャンネル6および給水ヘッダ7に供給し、コリウムを保持する耐熱材8を冷却する。冷却材は上方から見た場合に現れる略円の中心部を通る水平直管の給水ヘッダ7に供給され、この給水ヘッダ7に傾斜を付けた冷却チャンネル6が並行に配置される。冷却チャンネル6は、例えば、円管等の配管で構成されており、一端が給水ヘッダ7に対し直角に接続され、他端がペデスタル側壁5に沿って垂直上向きに曲げられ、上方に開口して配置される。冷却チャンネル6の上面には冷却チャンネル6を炉心溶融物(コリウム)の熱から防護するための耐熱材8が敷設される。
【0013】
図11および12に示されるように、コリウムが接触する耐熱材8の直下には冷却チャンネル6が隙間なく配置されている一方で、図13に示されるように、コリウム側面と接触する面には部分的に冷却チャンネル6が配置されない領域(左右方向における中央近傍の領域)が存在する。
【0014】
図14は、従来の炉心溶融物保持装置4の半球殻内に堆積したコリウムから当該半球殻面への熱流束分布を示す図である。なお、右方の半円は炉心溶融物保持装置4の半球殻の断面を示しており、φ(0≦φ≦90)度(deg)は半円の中心oから下方に引いた直線との円周角である。
【0015】
一般に内部発熱を伴う自然対流熱伝達体系では、空間的に高い位置ほど(図14に示されるφが90度に近いほど)熱流束が高くなる傾向がある。すなわち、コリウム下側の面よりもコリウム側面の方が熱流束は高くなると予測される。
【0016】
しかしながら、従来の炉心溶融物保持装置4では、コリウム側面にあたる面において冷却チャンネル6が存在しない領域があり、当該部分の除熱が不十分となる場合がある。コリウムの除熱が不十分な場合、コリウムによって耐熱材8が溶融侵食され、耐熱材8の溶融侵食が進行すると、ペデスタル側壁5が損傷する可能性があり、その結果、原子炉格納容器2の健全性が低下し破損に至り得る。
【0017】
また、冷却チャンネル6が並行に配置された並行チャンネルを有する流路での沸騰二相流の流量安定性は、流量変化に対する流路圧力損失変化に依存することが知られている。
【0018】
図15は不均一流量配分が発生する系における流量と圧力損失との関係を表したグラフである。
【0019】
流量の増加に伴って圧力損失が増加する系では、多チャンネル流路への流量配分は安定する。ところが、流量の増加に伴って圧力損失が低下する系では、流量変動が発生し、並行チャンネル流路での流量配分が不安定となり不均一化する。すなわち、図15に示される領域xのように、流量の増加に伴って圧力損失が低下する領域は、流量配分が不安定となり不均一化する不均一流量発生領域となる。
【0020】
並行流路を有する炉心溶融物保持装置4において、流量の不安定化および不均一化が発生した場合、流量の低下した冷却チャンネル6でコリウムの除熱が十分に行われずにコリウムの熱でペデスタル側壁5が損傷する可能性があり、その結果、原子炉格納容器2の健全性が十分に維持できない可能性があった。
【0021】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、コリウム側面において冷却されない領域(非冷却領域)をなくし、並行チャンネルの流量不安定化を緩和することで、従来よりも、原子炉格納容器に生じ得る熱損傷の程度を緩和し、原子炉格納容器の健全性低下を抑止する炉心溶融物保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置は、上述した課題を解決するため、原子炉圧力容器の下方に位置し、前記原子炉圧力容器を支える円筒状のペデスタル側壁とペデスタル床によって囲まれるペデスタル領域に形成される炉心溶融保持装置において、前記ペデスタル領域で炉心溶融物を保持する耐熱材と、前記耐熱材と前記ペデスタル床との間に設けられ、冷却材を供給する冷却流路と、を具備し、前記冷却流路は、冷却材が供給される給水ヘッダと、前記ペデスタル側壁の内周面に沿って周方向に形成された中間ヘッダと、前記給水ヘッダと一端が接続され、他端が前記中間ヘッダと接続される複数の並行流路とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、従来よりも、原子炉格納容器に生じ得る熱損傷の程度を緩和し、原子炉格納容器の健全性低下を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の上面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置のI−I線(図1)における断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の1/4セクター(図1)の概略図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置(1/4セクター)の概略図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の上面図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置(1/4セクター)の概略図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置(1/4セクター)の概略図。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の上面図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る炉心溶融物保持装置のII−II線(図8)における断面図。
【図10】従来の炉心溶融物保持装置(コアキャッチャー)を備えた原子炉格納容器の立断面図。
【図11】従来の炉心溶融物保持装置の上面図。
【図12】従来の炉心溶融物保持装置のIII−III線(図11)における断面図。
【図13】従来の炉心溶融物保持装置の矢印B(図11)の方向から見た矢視図。
【図14】従来の炉心溶融物保持装置の半球殻内に堆積したコリウムから当該半球殻面への熱流束分布を示す図。
【図15】不均一流量配分が発生する系における流量と圧力損失との関係を表したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置について添付の図面を参照して説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第1の炉心溶融物保持装置30Aの上面図、図2は第1の炉心溶融物保持装置30AのI−I線(図1)における断面図、図3は第1の炉心溶融物保持装置30Aの1/4セクター(図1に示される破線で囲まれた符号A)の概略図である。なお、背景技術の説明の際に参照した図面(図10−15)に示される従来装置と実質的に同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
第1の炉心溶融物保持装置30Aは、従来の炉心溶融物保持装置4に対して、管状に構成される冷却チャンネル31の傾斜直管部分がペデスタル側壁5の内周側と接する箇所(傾斜直管部分の終端)でペデスタル側壁5の壁面に沿って上方へ立ち上げたライザー部分を、各冷却チャンネル31同士で連通させ、ペデスタル側壁5の内周に沿って一周させた流路であるライザー流路32として構成される点で相違する。
【0028】
すなわち、第1の炉心溶融物保持装置30Aは、原子炉圧力容器を支える略円筒状のペデスタル側壁5と原子炉圧力容器の下方のペデスタル床9とによって囲まれるペデスタル領域に形成されるものであって、このペデスタル領域において炉心溶融物を保持する耐熱材8と、この耐熱材8とペデスタル床9との間に設けられ、冷却材を供給する冷却流路と、を具備し、この冷却流路は、冷却材が供給される給水ヘッダ7と、ペデスタル側壁5の内周面に沿って周方向に形成された中間ヘッダとしてのライザー流路32と、給水ヘッダ7と一端が接続され、他端がライザー流路32と接続される複数の並行流路を構成する冷却チャンネル31と、を有する。
【0029】
なお、冷却チャネル31および給水ヘッダ7は、ペデスタル床9上部の基礎部材10に設置される。基礎部材10は、第1の炉心溶融物保持装置30Aを構成する一部材であり、冷却チャネル31および給水ヘッダ7を支える部材である。
【0030】
冷却チャンネル31は、例えば、図1に示されるように、略円形に形成されるコリウム保持面の中心部を通る略水平の直管で形成された給水ヘッダ7に並行に配置される。また、個々の冷却チャンネル31は、例えば、図1に示されるように、給水ヘッダ7からペデスタル側壁5へ向けて上昇する方向に傾斜を付けて配置される。
【0031】
ライザー流路32は、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端にペデスタル側壁5の内周に沿って一周する流路であり、例えば、図1等に示されるように、上方から見ると、略円環状に現れるように形成される。また、ライザー流路32は、炉心溶融物(コリウム)を保持する保持面の外周側の端部において立ち上げられたライザー部分を形成するように、ペデスタル側壁5に沿うように所定の高さをもって構成される。
【0032】
第1の炉心溶融物保持装置30Aでは、給水ヘッダ7を流れる冷却水等の冷却材が、冷却チャンネル31に導かれ、さらに、ペデスタル側壁5の内周に沿う全周にわたって一様に存在する略円環状のライザー流路32に導かれる。ライザー流路32は、上方から見て、ペデスタル側壁5の内周に沿って略円環状であり、コリウム保持面の外周部において略垂直で所望の高さを有するライザー部を形成する。冷却材が導かれることによって冷却されたライザー流路32は、コリウム保持面上に落下したコリウムを側面から冷却する。
【0033】
また、第1の炉心溶融物保持装置30Aでは、従来の炉心溶融物保持装置4の冷却チャンネル6に対して、冷却チャンネル31の並行チャンネルの区間がライザー流路32の高さに相当する長さ分だけ短くなる。このことは、流量の増加に伴って圧力損失が低下する系の挙動が、流体物性値、伝熱量、伝熱面長さ、流路形状によって異なり、一般に並行チャンネル区間が長い方が不安定化しやすいという課題を解決し、並行チャンネルの流量変動が従来よりも抑制される。
【0034】
このように構成される第1の炉心溶融物保持装置30Aでは、コリウム保持面の外周に一様にライザー流路32が存在するので、コリウム保持面上のどこにコリウムが落下したとしても、コリウムの側面からの序熱がムラなく行うことができる。
【0035】
また、第1の炉心溶融物保持装置30Aは、二相圧損が大きくなる冷却チャンネル31の下流側に位置する傾斜直管部分の終端に、冷却チャンネル31よりも流路面積が拡大したライザー流路32を設けることで、流速を低下させ、圧力損失を緩和することができるので、冷却材の自然循環を促進することができる。
【0036】
さらに、ライザー流路32の下端部分、すなわち、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端が並行チャンネルの圧力境界になるため、従来の炉心溶融物保持装置4と比較して並行チャンネルの区間がライザー流路32の高さに相当する長さだけ短縮され、並行チャンネルの流量変動を従来よりも抑制することができる。
【0037】
第1の炉心溶融物保持装置30Aによれば、コリウム保持面上に落下したコリウムを均一かつ十分に冷却することができ、コリウムの除熱が不十分な場合に招来し得る耐熱材8の溶融侵食を回避し、原子炉格納容器に生じ得る熱損傷の程度を緩和および原子炉格納容器の健全性の低下を抑止することができる。
【0038】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第2の炉心溶融物保持装置30Bの(1/4セクター)の概略図である。
【0039】
第2の炉心溶融物保持装置30Bは、第1の炉心溶融物保持装置30Aに対して、ライザー流路32にリブ33をさらに設けた点で相違するが、その他の点については実質的に相違しない。そこで、第2の実施形態の説明では、第1の炉心溶融物保持装置30Aと相違する点を中心に説明し、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
第2の炉心溶融物保持装置30Bは、熱応力等の物理的な外力が加わることによってライザー流路32が変形するのを防止する変形防止部材としてのリブ33をライザー流路32に設ける。ライザー流路32に設けられたリブ33は、コリウムの熱を吸熱することによってライザー流路32に熱応力が加わった場合でも、ライザー流路32の変形量を抑制する。
【0041】
また、リブ33は、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端と接続されたライザー流路32が連通した一つの流路を形成したままライザー流路32の強度を補強するため、ライザー流路32の上部(冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端と接続される下端よりも上方の部分)に設ける。
【0042】
このように構成される第2の炉心溶融物保持装置30Bでは、ライザー流路32に設けられたリブ33がライザー流路32の強度を補強するので、ライザー流路32に熱応力が加わった場合でも、ライザー流路32の変形量が抑制される。また、第2の炉心溶融物保持装置30Bは、ライザー流路32に設けられたリブ33によっても、ライザー流路32の下端は連通しているので、当該部分が圧力境界になる。
【0043】
第2の炉心溶融物保持装置30Bによれば、ライザー流路32の上部側にリブ33を設けることによって、ライザー流路32は補強されるので、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同様の効果を奏するのに加え、第1の炉心溶融物保持装置30Aよりも、ライザー流路32が変形しにくいので、ライザー流路32の変形に伴う局所的な圧力損失の増加を防止することができる。
【0044】
また、第2の炉心溶融物保持装置30Bによれば、ライザー流路32の下部側は、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端と接続されたライザー流路32の下端がリブ33によって分割されず、個々の冷却チャンネル31が連通した一つの流路を形成しているので、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同様に、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端が並行チャンネルの圧力境界になり、並行チャンネルの流量変動を従来よりも抑制することができる。
【0045】
[第3の実施形態]
図5は本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第3の炉心溶融物保持装置30Cの上面図、図6は第3の炉心溶融物保持装置30Cの(1/4セクター)の概略図である。
【0046】
第3の炉心溶融物保持装置30Cは、第1の炉心溶融物保持装置30Aに対して、ライザー流路32の代わりに、管状に形成された管状体としての中間流路34と、管状体としての個別ライザー流路35とを具備する点で相違するが、その他の点については実質的に相違しない。そこで、第3の実施形態の説明では、第1の炉心溶融物保持装置30Aと相違する点を中心に説明し、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
第3の炉心溶融物保持装置30Cは、冷却チャンネル31を炉心溶融物(コリウム)の熱から防護する耐熱材8を敷設した略円形に形成されるコリウム保持面の中心部を通る略水平の直管で形成された給水ヘッダ7に傾斜を付けた冷却チャンネル31が並行に配置され、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端にペデスタル側壁5の内周に沿って一周する中間流路34と、中間流路34から略垂直に立ち上げられたライザー部分となり、中間流路34に導かれた冷却材をさらに上方へと導く個別ライザー流路35と、を具備する。
【0048】
すなわち、第3の炉心溶融物保持装置30Cは、第1の炉心溶融物保持装置30Aのライザー流路32を、上面図において略円環状に現れる中間流路34と、この中間流路34から略垂直に立ち上げられた個別ライザー流路35とで構成したものである。個別ライザー流路35は、例えば、一端が中間流路34に、他端が上方に開口した配管の集合体として形成される。
【0049】
ここで、第3の炉心溶融物保持装置30Cにおいて、個別ライザー流路35を構成する配管数n(nは1以上の自然数)は、冷却チャンネル31を構成する並行チャンネル数m(mは1以上の自然数)に必ずしも対応させる必要はない。すなわち、個別ライザー流路35を構成する配管数nは、冷却チャンネル31を構成する並行チャンネル数mと同数であっても、異数であっても構わない。
【0050】
このように構成される第3の炉心溶融物保持装置30Cでは、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端となる位置で各冷却チャンネル31を連通する中間流路34が設けられることによって、中間流路34が、第2の炉心溶融物保持装置30Bのライザー流路32の下部側と同様に並行チャンネルの圧力境界になる。また、第3の炉心溶融物保持装置30Cでは、中間流路34と接続された個別ライザー流路35が設けられることによって、個別ライザー流路35が、補強されたライザー流路32(第2の炉心溶融物保持装置30Bのライザー流路32の上部側)と同様の役割を果たす。
【0051】
すなわち、第3の炉心溶融物保持装置30Cは、第2の炉心溶融物保持装置30Bのライザー流路32の下部側を中間流路34に、リブ33が設けられるライザー流路32の上部側を個別ライザー流路35に、代えて構成したものであり、第1の炉心溶融物保持装置30Aにおいてライザー流路32を補強した第2の炉心溶融物保持装置30Bと同様に作用する。
【0052】
第3の炉心溶融物保持装置30Cによれば、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同じ効果を奏するのに加え、ライザー流路32の上部側に相当する個別ライザー流路35が、例えば、個々の配管等の個別の流路を形成するので、第1の炉心溶融物保持装置30Aのライザー流路32よりも変形しにくく、ライザー流路32の変形に伴う局所的な圧力損失の増加を防止することができる。
【0053】
また、第3の炉心溶融物保持装置30Cによれば、ライザー流路32の下部側に相当する中間流路34が、個々の冷却チャンネル31を連通した一つの流路を形成するので、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同様に、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端が並行チャンネルの圧力境界になり、並行チャンネルの流量変動を従来よりも抑制することができる。
【0054】
[第4の実施形態]
図7は本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第4の炉心溶融物保持装置30D(1/4セクター)の概略図である。
【0055】
第4の炉心溶融物保持装置30Dは、第3の炉心溶融物保持装置30Cに対し、中間ヘッダとなる中間流路34を周方向に対して複数に分割した仕切壁36をさらに設けた点で相違するが、その他の点については実質的に相違しない。そこで、第4の実施形態の説明では、第3の炉心溶融物保持装置30Cと相違する点を中心に説明し、第3の炉心溶融物保持装置30Cと同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0056】
第4の炉心溶融物保持装置30Dは、第3の炉心溶融物保持装置30Cと同様に、中間流路34と、個別ライザー流路35と、を具備する。また、中間ヘッダを構成する中間流路34には、中間流路34の領域を周方向に対して複数に分割する仕切壁36が設けられる。
【0057】
このように構成される第4の炉心溶融物保持装置30Dでは、第3の炉心溶融物保持装置30Cと同様の作用に加え、最も長い冷却チャンネル31が接続している位置に集中する蒸気を緩和(分散)させる。
【0058】
より詳細に説明すれば、従来の炉心溶融物保持装置4を説明する際に参照した図13に示されるように、第4の炉心溶融物保持装置30Dにおいて中間流路34が形成される位置となる冷却チャンネル31(並行チャンネル)の終端位置の高さは、冷却チャンネル31の長さ、すなわち、給水ヘッダ7からの距離が、短いほど低く(図13に示される中央付近に位置する冷却チャンネル6)、長いほど高くなる(図13に示される左右の両端付近に位置する冷却チャンネル6)。この点は、第4の炉心溶融物保持装置30Dでも同様である。
【0059】
冷却材が気化することで発生した蒸気は、その性質上、より高い位置へと移行するため、より高い位置に終端がある冷却チャンネル31、すなわち、給水ヘッダ7からの距離が最も長くなる冷却チャンネル31に集中する傾向がある。当該傾向は、仕切壁36が設けられていない中間ヘッダとしてのライザー流路32,中間流路34を備える他の炉心溶融物保持装置30A,30B,30C,30Eに見られるものである。
【0060】
一方、第4の炉心溶融物保持装置30Dでは、中間流路34が仕切壁36で仕切られており、仕切壁36を超えて蒸気が移動することがないので、個別ライザー流路35に導かれる蒸気量が局所的に集中するのを抑止し、分散させた状態で個別ライザー流路35へ導いて排気する。
【0061】
仕切壁36を中間流路34に設ける間隔は、例えば、給水ヘッダ7を流れる冷却材の流量等を基準にして設定することができる。給水ヘッダ7を流れる冷却材の流量は、第4の炉心溶融物保持装置30Dを上方から見た場合に現れる略円の中心に近い位置程減少する。そこで、相対的に冷却材の流量が少ない当該略円の中心付近の位置では、給水ヘッダ7と接続される冷却チャンネル31の終端で接続される中間流路34の区間を大きく取る一方、相対的に冷却材の流量が多くなる当該略円の外周付近の位置では、給水ヘッダ7と接続される冷却チャンネル31の終端で接続される中間流路34の区間を小さく取る。
【0062】
このように給水ヘッダ7を流れる冷却材の流量を基準にして中間流路34の周方向における区間の大きさを設定することで、中間流路34を仕切壁36で分割して構成される各区間において、各冷却材の流量、すなわち、蒸気量をバランス良く配分することができ、各区間で接続される個別ライザー流路35へ蒸気をバランス良く導いて排気することができる。
【0063】
この他にも、仕切壁36を中間流路34に設ける間隔の設定基準として、例えば、冷却チャンネル31の本数や第4の炉心溶融物保持装置30Dを上方から見た場合に現れる略円の中心角等の基準を適宜設定することができる。
【0064】
第4の炉心溶融物保持装置30Dによれば、第3の炉心溶融物保持装置30Cが奏する効果に加え、蒸気の移動を制限する仕切壁36によって中間流路34が仕切られているので、中間流路34から個別ライザー流路35に導かれる蒸気が局所的に集中するのを抑止し、蒸気を分散させた状態で個別ライザー流路35へ導いて装置外へ排出することができる。
【0065】
また、第4の炉心溶融物保持装置30Dによれば、個別ライザー流路35に導かれる蒸気が局所的に集中するのを抑止することができるので、局所的な蒸気の集中により生じ得る個別ライザー流路35の局所的な冷却能力の低下を解消することができる。
【0066】
なお、複数の並行流路が接続されることが求められるのは図11のような管長の異なる並行流路の中で特に管長の長い部分である。管長が短い並行流路に接続するライザーにおいては、分割されたライザー流路に対し、並行流路が1本だけ接続する場合もあり得る。
【0067】
なお、図7に示される第4の炉心溶融物保持装置30Dは、第3の炉心溶融物保持装置30Cに対して、中間ヘッダとなる中間流路34に仕切壁36を設けて構成したものであるが、仕切壁36を設ける対象は、必ずしも第3の炉心溶融物保持装置30Cの中間ヘッダに限定されず、他の炉心溶融物保持装置30A,30B,30Eの中間ヘッダでも良い。
【0068】
すなわち、第1の炉心溶融物保持装置30Aおよび第5の炉心溶融物保持装置30Eでは、中間ヘッダとなるライザー流路32に、第2の炉心溶融物保持装置30Bでは、中間ヘッダとなるライザー流路32の下部側に、仕切壁36を設けて第4の炉心溶融物保持装置30Dを構成しても良い。なお、第2の炉心溶融物保持装置30Bに適用する場合には、リブ33と仕切壁36とを一体的に構成しても良い。
【0069】
[第5の実施形態]
図8は本発明の第5の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第5の炉心溶融物保持装置30Eの上面図、図9は第5の炉心溶融物保持装置30EのII−II線(図8)における断面図である。
【0070】
第5の炉心溶融物保持装置30Eは、第1の炉心溶融物保持装置30Aに対して、一部の冷却チャンネル31が隣接する冷却チャンネル31と傾斜直管部分において連通するように構成される点で相違するが、その他の点については実質的に相違しない。そこで、第5の実施形態の説明では、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0071】
第5の炉心溶融物保持装置30Eは、第1の炉心溶融物保持装置30Aと同様に、耐熱材8を敷設した略円形に形成されるコリウム保持面の中心部を通る略水平の直管で形成された給水ヘッダ7に傾斜を付けた冷却チャンネル31が並行に配置され、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端にペデスタル側壁5の内周に沿って一周するライザー流路32を具備する。
【0072】
さらに、第5の炉心溶融物保持装置30Eは、冷却チャンネル31の中で流路長が相対的に長くなる並行流路を有する冷却チャンネル31、すなわち、コリウム保持面の中央付近に位置する冷却チャンネル31に連通孔37を設け、隣接する冷却チャンネル31を連通させる。連通孔37は、冷却チャンネル31の圧力境界位置を効果的に分散させる観点から、並行流路の全長に対する中点付近とするのが好ましい。
【0073】
第5の炉心溶融物保持装置30Eでは、並行流路区間の長い冷却チャンネル31の中間付近に隣接する冷却チャンネル31との連通孔37を設けることにより、冷却チャンネル31に導かれた冷却材は連通孔37を通過できるようになり、連通孔37を並行流路の圧力境界としてさらに設定することができる。すなわち、第5の炉心溶融物保持装置30Eでは、連通孔37によって連通する冷却チャンネル31において、並行流路区間の流路長を短縮したのと同様に作用し、冷却チャンネル31の流量変動を安定化させることができる。
【0074】
第5の炉心溶融物保持装置30Eによれば、並行流路の流路長が相対的に長くなる冷却チャンネル31において、冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端、すなわち、ライザー流路32の下端部分に位置する圧力境界だけでなく、当該冷却チャンネル31の傾斜直管部分の途中にも圧力境界が設定されるので、第1の炉心溶融物保持装置30Aよりも冷却チャンネル31の流量変動を安定化させることができる。
【0075】
なお、図9に示される第5の炉心溶融物保持装置30Eは、第1の炉心溶融物保持装置30Aの冷却チャンネル31に連通孔37を設けた例であるが、第1の炉心溶融物保持装置30Aの代わりに、他の炉心溶融物保持装置30B,30C,30Dの冷却チャンネル31に連通孔37を設けても良い。
【0076】
以上、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置によれば、コリウム保持面の外周に一様にライザー流路32が存在するので、コリウム保持面上のどこにコリウムが落下したとしても、コリウムの側面からの序熱がムラなく行うことができる。また、二相圧損が大きくなる冷却チャンネル31の下流側に位置する傾斜直管部分の終端に、冷却チャンネル31よりも流路面積が拡大したライザー流路32を設けることで、流速を低下させ、圧力損失を緩和することができるので、冷却材の自然循環を促進することができる。
【0077】
さらに、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置によれば、ライザー流路32の下端部分(冷却チャンネル31の傾斜直管部分の終端)が並行チャンネルの圧力境界になるため、従来の炉心溶融物保持装置4と比較して並行チャンネルの区間がライザー流路32の高さに相当する長さだけ短縮され、並行チャンネルの流量変動を従来よりも抑制することができる。
【0078】
故に、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置によれば、コリウム保持面上に落下したコリウムを十分に冷却することができ、コリウムの除熱が不十分な場合に招来し得る耐熱材8の溶融侵食を回避し、原子炉格納容器に生じ得る熱損傷の程度を緩和および原子炉格納容器の健全性の低下を抑止することができる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1 原子炉圧力容器
2 原子炉格納容器
3 原子炉圧力容器下部ヘッド
4 (従来の)炉心溶融物保持装置(コアキャッチャー)
5 ペデスタル側壁
6 冷却チャンネル
7 給水ヘッダ
8 耐熱材
9 ペデスタル床
10 基礎部材
30(30A,30B,30C,30D,30E) 炉心溶融物保持装置
31 冷却チャンネル
32 ライザー流路(中間ヘッダ)
33 リブ(変形防止部材)
34 中間流路(中間ヘッダ)
35 個別ライザー流路
36 仕切壁
37 連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器の下方に位置し、前記原子炉圧力容器を支える円筒状のペデスタル側壁とペデスタル床によって囲まれるペデスタル領域に形成される炉心溶融保持装置において、
前記ペデスタル領域で炉心溶融物を保持する耐熱材と、
前記耐熱材と前記ペデスタル床との間に設けられ、冷却材を供給する冷却流路と、を具備し、
前記冷却流路は、冷却材が供給される給水ヘッダと、前記ペデスタル側壁の内周面に沿って周方向に形成された中間ヘッダと、前記給水ヘッダと一端が接続され、他端が前記中間ヘッダと接続される複数の並行流路とを有することを特徴とする炉心溶融物保持装置。
【請求項2】
前記中間ヘッダは、上方から投影した際に現れる円の周方向に分割された複数区間を有することを特徴とする請求項1記載の炉心溶融物保持装置。
【請求項3】
前記中間ヘッダの分割された複数区間は、少なくとも、前記給水ヘッダ上の二点のうち、前記円の中心に近い方の点である第1の点と一端が接続される並行流路の他端で接続される中間ヘッダの一部区分である第1の区分と、前記円の中心から遠い方の点である第2の点と一端が接続される並行流路の他端で接続される中間ヘッダの一部区分である第2の区分と、を有し、前記第1の区間は、前記第2の区間よりも大きく構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の炉心溶融物保持装置。
【請求項4】
前記並行流路の少なくとも一部は、当該流路の途中で隣接する他の並行流路と連通する連通孔が設けられた流路であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
【請求項5】
前記連通孔は、少なくとも、並行流路の流路長が最長となる並行流路と当該並行流路と隣接する何れか一方の並行流路とを連通する連通孔を含むことを特徴とする請求項4に記載の炉心溶融物保持装置。
【請求項6】
前記中間ヘッダは、上方が開口した所定長の高さを有する流路であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
【請求項7】
前記中間ヘッダは、前記並行流路と接続される接続部よりも上方の位置に、変形防止部材を設けたことを特徴とする請求項6に記載の炉心溶融物保持装置。
【請求項8】
前記中間ヘッダは、前記ペデスタルの内壁に沿って周方向に形成された管状体の中間流路と、一端が前記中間流路と接続される一方、他端が上方に開口する管状体を前記中間流路に沿って複数配設した個別ライザー流路とを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−251894(P2012−251894A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125124(P2011−125124)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】