炎症促進性マーカー下方調節用組成物
【課題】インンターロイキン、腫瘍壊死因子−αなどの炎症促進性マーカーを下方調節するための組成物の提供。
【解決手段】インディアン・フランキンセンスなどのボスウェリア種のガム樹脂から得られる、β−ボスウェリア酸や11−ケト−β−ボスウェリア酸などを含むボスウェリア酸画分及びアラビノース、D−グルクロン酸などを含む多糖類画分を、濃度約60%のボスウェリア酸画分及び濃度約40%の多糖類画分の量で含む相乗的組成物。
【解決手段】インディアン・フランキンセンスなどのボスウェリア種のガム樹脂から得られる、β−ボスウェリア酸や11−ケト−β−ボスウェリア酸などを含むボスウェリア酸画分及びアラビノース、D−グルクロン酸などを含む多糖類画分を、濃度約60%のボスウェリア酸画分及び濃度約40%の多糖類画分の量で含む相乗的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年3月2日に出願された米国仮出願第61/309481の正規の出願である。
本発明は、ボスウェリア種(species)から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む組成物に関する。この組成物は、高められた生物活性、特に炎症促進性マーカーの下方調節を示すことにおいて相乗的である。
【0002】
本発明は、また、PGE2の抑制のために多糖類画分単独、又はボスウェリア酸画分との組合せの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
免疫システムの正確な調節無くして生存は不可能である。炎症促進性サイトカインの産生は、成長、組織再生、ヒーリング、損傷又は感染の間に免疫及び代謝応答を組織化するために、そして、われわれの体を出血、虚血、癌及び敗血症から守るために重要な生理学的プロセスである。インンターロイキン(IL)、腫瘍壊死因子−α(TNF−a)などの炎症促進性サイトカインの制御された産生は、感染及び組織障害を閉じこめるための局所凝集を促進する有益な炎症促進性応答をトリガーする(Ulloa及びTracey,2005)。しかし、これらのサイトカインの無制限の産生は、もとの障害よりも危険であり、ヒトの罹病率及び死亡率の主要な要因の一つである。このプロセスの最も劇的な例の一つは、集中治療室での死亡の主要な原因であり、そして、先進社会での死亡の主要な原因である「重篤な敗血症」である(Martin等,2003)。重篤な敗血症は、組織の炎症、心臓血管機能障害及び致死性多重臓器不良を引き起こす炎症促進性サイトカインの圧倒的な産生によって特徴づけられる(Van der Poll及びLowry,1995;Hotchkiss及びKarl,2003;Rice及びBernard,2005)。この効果は、中和炎症促進性サイトカイン(モノクローナル抗TNF抗体及びIL−1レセプターアンタゴニスト)が関節リュウマチ、クローン病、強直性脊椎症、乾癬等の炎症促進性状態の上首尾であると証明されたことを示す研究によって説明される(Feldmann,2002;Ulloa及びTracey,2005;Rutgeerts等,2006;Ulloa及びMessmer,2006)。
【0004】
サイトカインに加えて、ヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエン、ブラジキニン等の他のメディエーターもまた、炎症において役割を演じる。したがって、これらは、マーカーとして働き、そして、疾病状態、特に現在高いレベルにある疾病状態を診断するのに有用である。したがって、免疫システムを正確に制御するためのマーカーを調節することは必須である。
【0005】
「Dhup」、インディアン・フランキンセンス又はインディアン・オリバナムとして知られるボスウェリアセラータ(N.O.Burseraceae)のガム樹脂は、宗教的儀式や香料用途での長い使用の歴史を有する。アーユルヴェーダの伝統で長く知られるインディアン・フランキンセンスの健康用途は、過去30年以上、西側社会に焦点が置かれており、ガム樹脂浸出液の標準化抽出物の幅広い用途を生じている。そのような抽出物は、健康的な老化をサポートするために栄養補助食品や化粧品の原料として使用される。栄養補助食品の最も人気のある用途は、正常な関節機能や機動性をサポートするために関節の健康をサポートする製品においてである。
【0006】
最近の科学的証拠は、ボスウェリアセラータの健康に良い効果をますます支持する。典型的には、ボスウェリアセラータのガム含油樹脂浸出液は、セスキテルペノイド・エッセンシャルオイル(8〜12%w/w)、多糖類(45〜60%w/w)及び高級テルペノイド(25〜35%w/w)を含有することが報告される。このガム樹脂の抽出物中のバイオマーカー構成物質は、ボスウェリア酸として知られる一群の五環トリテルペン化合物である。
【0007】
ボスウェリア酸は、5−リポキシゲナーゼ酵素を抑制することが示され、この酵素は、アラキドン酸から炎症促進性ロイコトリエンの生成を触媒する。この機構に加えて、ボスウェリア酸は、また、酵素、ヒトの白血球エラスターゼ(HLE)の活性を減少させる。この二つの作用は、ボスウェリア酸に特有である(Safayhi,H等,1997)。数多くの炎症及び過敏症に基づくヒトの疾病においてロイコトリエン生成及びHLE放出が好中球刺激によって同時に増大するので、ボスウェリア酸による二つの炎症促進性酵素の報告された遮断と補体タンパク質及びマスト細胞安定化活性の有益な効果が、多くの前臨床及び臨床研究で実証化されている、ボスウェリア抽出物の健康によい効果の理屈であると一般に信じられている。ボスウェリアセラータガム樹脂の抽出物は、一般に、天然には樹脂質であり、バイオマーカーのボスウェリア酸(親油性化合物)は、水に不溶である。
【0008】
米国特許公開2003/0186932は、ボスウェリアセラータのガム樹脂浸出液から抽出された水溶性生物活性画分を記載する。それは、さらに、この画分とボスウェリア酸との等比(1:1)での組み合わせは、抗関節炎活性について相加効果を示し、相乗効果でないことを開示する。
【0009】
米国特許第7582314は、ボスウェリア酸及びセレン元素を含む組成物を投与することにより、乾癬に冒された個人を治療する方法を記載する。
【0010】
米国特許公開2008/0275117は、ボスウェリア酸及び/又はそのアセテートを65%超の量含む組成物の使用により関節炎を治療する方法を記載する。組成物は、また、さらに多糖類、及びn−オクチルアセテート、インセンソール、インセンソールアセテート、リナロール、ボルネオール、カンフェン、エレメン(elemene)、カリオフィレン、インセンソールオキサイド、インセンソールオキサイドアセテート又はこれらの組み合わせを含むと言われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含み、炎症促進性マーカーの下方調節(down−regulation)/抑制に増強作用を示す組成物を成就する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、TNF−α、IL−1β、酸化窒素、IFN−γ及びLTB4のような炎症促進性マーカーの下方調節のためにボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む組成物に関する。ボスウェリア酸画分は、濃度約60%存在し、そして多糖類画分は、濃度約40%存在する。
【0013】
ボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む該組成物は、個々の画分と対比して活性の増強作用を示す。
【0014】
本発明は、さらに、PGE2の抑制のための多糖類画分単独又はボスウェリア酸画分との組み合わせの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivo TNF−a及びIL−1β評価の効果。
【0016】
【図2】ボスウェリア種から得られる多糖類画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivo TNF−a及びIL−1β評価の効果。
【0017】
【図3】本組成物の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivo TNF−a及びIL−1β評価の効果。
【0018】
【図4】ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivoNO評価の効果。
【0019】
【図5】ボスウェリア種から得られる多糖類画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivoNO評価の効果。
【0020】
【図6】本組成物の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivoNO評価の効果。
【0021】
【図7】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物の、ラット(前足に注射した)のマイコバクテリウムツベルクリ(Mycobacterium tuberculli)誘発炎症促進性関節炎における抗関節炎活性(予防)の比較。
【0022】
【図8】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物を段階的用量レベルで処置したラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の関節炎の前足組織ホモジネートから取った上澄におけるTNF−αの発現。
【0023】
【図9】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物を段階的用量レベルで処置したラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の関節炎の前足組織ホモジネートから取った上澄におけるPGE2の発現。
【0024】
【図10】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物を段階的用量レベルで処置したラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の関節炎の前足組織ホモジネートから取った上澄におけるLTB4の発現。
【0025】
【図11】マイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の動物の脾臓胞(splenocytes)のフローサイトメトリーによる、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物の細胞内IFN−γ発現の効果。
【0026】
【図12】ラット(前足に注射した)のマイコバクテリウムツベルクリ誘発発症炎症促進性関節炎における、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物(効果用量)の抗関節炎活性(治療)。
【0027】
【図13】ボスウェリア酸画分及び本発明の組成物の水溶解性の比較を示す。
【0028】
【図14】本発明の組成物の調製工程を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物に関する。
【0030】
本発明の別の実施態様では、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる。
【0031】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む。
【0032】
本発明のさらに別の実施態様では、多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む。
【0033】
本発明のさらに別の実施態様では、薬学上許容可能な腑形剤は、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、増量剤及び希釈剤、芳香剤、着色剤、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、収着剤、甘味剤並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0034】
本発明のさらに別の実施態様では、本組成物は、液体、トローチ、ロゼンジ、粉体、顆粒、カプセル、タブレット、膏薬、ゲル、エマルション、クリーム、ローション、歯磨き剤、ドロップ、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、フィトシューティカル及びニュートラシューティカル(neutraceuticals)を含む群から選択される剤形に処方される。
【0035】
本発明は、また、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物を調製する方法であって、
ボスウェリア種からボスウェリア酸画分及び多糖類画分を得、
濃度約60%ボスウェリア酸画分、及び、濃度約40%多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに混合する工程を含む前記方法に関する。
【0036】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む。
【0037】
本発明のさらに別の実施態様では、多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む。
【0038】
本発明は、炎症促進性マーカーを下方調節/抑制するための方法であって、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法に関する。
【0039】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる。
【0040】
本発明の別の実施態様では、対象は、ヒトを含む動物である。
【0041】
本発明の別の実施態様では、炎症促進性マーカーは、TNF−α、IL−β、IFN−γ、酸化窒素及びLTB4を含む群から選択される。
【0042】
本発明は、PGE2を下方調節/抑制するための方法であって、多糖類単独、又は、ボスウェリア酸画分との組み合わせを適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法に関する。
【0043】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる。
【0044】
本発明の別の実施態様では、対象は、ヒトを含む動物である。
【0045】
本発明は、また、上記組成物を単独に又は組み合わせて含有する栄養補助食品に関する。
【0046】
本発明は、より水溶性のバージョンを関節の健康をサポートする高められた可能性(enhanced joint health support potential)をもって製造者に提供する既存の汎用のボスウェリア抽出物よりも改善を示す。この組成物は、有効成分について特異的な放出プロファイルを与える。ボスウェリア酸(ボスウェリア抽出物が従来標準化されている活性の基本)に加えて、ボスウェリアセラータのガム樹脂から取った多糖類画分は、また、生物活性を有し、そして水溶性である。多糖類画分は、in vitro及びin vivo試験で明らかにされるように、抽出物中のボスウェリア酸の健康によい役割を、単に加算される予想を超えたレベルで強化する。
【0047】
ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む本組成物は、炎症促進性マーカーの下方調節を示す。本組成物は、組成物の個々の画分と対比して炎症促進性サイトカイン又はメディエーターの下方調節で強化された活性を示し、したがって、性質が相乗的である。ボスウェリア種の多糖類画分は、水溶性が活性であり、したがって、 ボスウェリア酸の溶解性を増し(図13)、高濃度にてボスウェリア酸の毒性を下げ、そして、抗炎症促進性作用の持続を可能にする。
【0048】
ボスウェリアガムは、エタノールで抽出され、このエタノール抽出物は、酸塩基で処理され、続いて、水洗してボスウェリア酸画分を得る。この工程で得られたへキサン残留物(オイル画分)は廃棄される。エタノールを用いたボスウェリアガムの抽出後に残存する搾りかすは、蒸留水で抽出され、そして、アルコールで沈殿させて、多糖類画分を得る。ボスウェリア酸画分及び多糖類画分を、それぞれ濃度約60%及び40%で混合して、本発明の組成物に到達する(図14)。
【0049】
ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む。多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む。
【0050】
本組成物は、適宜、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、増量剤及び希釈剤、芳香剤、着色剤、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、収着剤、甘味剤並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される薬学上許容可能な腑形剤を含有してもよい。
【0051】
本発明の組成物は、液体、トローチ、ロゼンジ、粉体、顆粒、カプセル、タブレット、膏薬、ゲル、エマルション、クリーム、ローション、歯磨き剤、ドロップ、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、フィトシューティカル及びニュートラシューティカルを含む群から選択される剤形に処方される。
【0052】
組成物は、TNF−α、IL−β、酸化窒素、IFN−γ、PGE2、LTB4等の炎症促進性マーカーのレベルを抑制する/下方調節する/減少させる潜在能力が試験された。
【0053】
TNF−α(腫瘍壊死因子−α)は、組織の炎症に関与するサイトカインであり、急性相応答を刺激する。TNF産生の調節は、癌をはじめとするさまざまなヒトの疾病に関係している。それは、LPSによって誘発される敗血症ショックの発病学に重要な役割を演ずる。
【0054】
IL−1βは、生理学的免疫応答、及び、さまざまな免疫病理学的障害の発展の両方に関与する最も影響力の強い炎症促進性サイトカインである。IL−1βレベルをチェックすることは、炎症促進性、免疫学的及び骨の疾病を含むさまざまな疾病の管理及び診断に有用である。
【0055】
酸化窒素:酸化窒素産生の適当なレベルは、肝臓等の臓器を虚血性障害から守るのに重要である。しかし、NO産生の持続レベルは、直接の組織毒性を生じ、敗血症ショックを伴う血管虚脱に寄与する。NOの慢性の発現は、さまざまな癌腫、並びに若年性糖尿病、多発性硬化症、関節炎及び潰瘍性大腸炎を含む炎症促進性状態を伴う。
【0056】
サイトカインや他のメディエーターを下方調節/減少させることにより、組成物は、関節炎、潰瘍性大腸炎、炎症促進性腸症候群(IBD)、喘息(呼吸障害)のような高いレベルを示すさまざまな疾病/障害の管理に潜在的な用途を見出す。
【実施例】
【0057】
さらに、以下の実施例の助けを借りて本発明を詳述する。しかし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものと捉えてはならない。
実施例1:生物活性評価
急性安全性試験:
【0058】
急性経口毒性試験をマウスで以下のOECDガイドラインNo.423[経済協力開発機構、化合物を試験するためのOECDガイドライン、ガイドライン423、急性経口毒性−急性毒性クラス法、採択、1996年3月22日(Organization for Economic Cooperation and Development.OECD Guideline for testing of chemicals. Guideline 423, acute oral toxity−acute toxic class method,adopted,March 22,1996)]にしたがって行った。動物を個々に、最初の24時間は定期的に、最初の4時間は特別な注意をはらって観察し、その後は、毎日、全14日間同時に観察した。1回量2000mg/kg p.o.の本組成物を、雌性マウスの各群に経口投与したが、これらの試験動物の総全体挙動に変化はなかった。1回量5000mg/kg p.o.もまた評価した。実験動物のビヒクルコントロール群と比較した際、死亡率や正常挙動のいかなる変化もこの高い経口用量で観察されなかった。
In−vitro試験:
実施例1: マウスの好中球における細胞内In vitro TNF−a評価:
【0059】
テスト材料をin vitro試験に供し、ここでは、フローサイトメトリー試験を行って、ヒストパック勾配によって全血から分離したマウスの好中球における細胞内TNF−aサイトカイン発現のボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本発明の組成物の多回投与の効果を測定した。
【0060】
細胞をLPSで刺激し、段階濃度(μg/ml)を持つテスト材料とともに3時間CO2インキュベータ内でインキュベートした。透過性溶液を細胞に添加し、その後、これらを10分間インキュベートした。細胞をその後、共役型抗マウスTNF−αモノクローナル抗体で標識化し、さらに30分間のインキュベーションを暗所で行った。リン酸緩衝生理食塩水で洗浄後、試料を直接、BD−CantoIIフローサイトメーター(Beckton−Dickinson Biosciences,CA,米国)上に重ねた。蛍光トリガーを好中球集団ゲートのFL1パラメーターの上にセットし(10,000イベント)、そして、蛍光補正、データ分析及びデータ表示をCell Quest Pro ソフトウエアを用いて行った。[Clara,B.,R.C. Arancha,G.M. Andre´s,P.Atanasio,A.Julia,及びO.Alberto.2003.直接免疫蛍光表面膜染色を用いるTNF−α−分泌細胞lを検出するための新規な方法(A new method for detecting TNF−α−secreting cell using direct immunofluorescence surface membrane stainings.)、J.Immuno.Methods 264:77−87.][Khurshid A.Bhat,Bhahwal A.Shah,Kuldeep K.Gupta,Anjali Pandey,Sarang Bani,Subhash C.Taneja、ヒト好中球におけるTNF−aサイトカイン発現の潜在的抑制としてのピニトールの半合成類似体(Semi−synthetic analogs of pinitol as potential inhibitions of TNF−a cytokine expression in humanneutrophils.)、Biorganic & Medicinal Chemistry Letters 19 2009, 1939−1943]。表1、2及び3(フローサイトメトリー試験)に挙げられた結果から、本組成物は、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分単独と比較したとき、LPS刺激剤に応答したマウスの分離した好中球中へのTNF−aサイトカイン分泌抑制効果が最大を示したことが明らかである。25、50、100、200、400及び800μg/ml濃度ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物でin vitroで処理した好中球は、200μg/mlの用量レベルにてそれぞれ、30.52%、29.31%及び59.83%のTNF−a抑制を示した。このデータから、個々の画分と対比して同じ用量の本組成物がTNF−aを抑制する高められた活性を示したことが明白である。
【表1】
【表2】
【表3】
In−vivo 試験:
実施例2: 処置マウスから取った血清における細胞外In vivo TNF−a、IL−1β 及び酸化窒素(NO)の評価
【0061】
6〜8週齢のBALB/c雄性マウスを22±2℃で12/12h明暗サイクルに保持した。マウスは、100、200、400 mg/kgの異なるテスト材料(w/v)すなわちボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本発明の組成物を6日間経口処置で受け付け、続いて、Brieva等,2001によって記載された方法にしたがって1mg/kgのLPSを静脈内注射された。[Brieva A,Guerrero A,Alonso−Lebrero JL及びPivel JP.2001.イムノフェロン、天然由来の複合糖質は、LPS誘発TNF−a産生及び炎症性応答を抑制する(Inmunoferon,a glycoconjugate of natural origin,inhibits LPS−induced TNF−a production and inflammatory responses)、International Immunopharmacology 1.1979−1987]。各群に6匹のマウスを採用し、実験を3通り行った。TNF−α、IL−1β及び酸化窒素産生を、LPS注射90分後の各実験群の処置マウスから取った血清で、市販のELISAキット(R&D system)により評価した。30 mg/kgのロリプラムを標準薬として使用した。血清採集及び測定により、血清TNF−α、IL−1β及びNOのレベルの有意な低下が明らかになり、これは、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物について、炎症促進性応答の制御に関する広い種非依存性in vivo効果を示唆する。ともに、これらのデータは、血液中のLPS濃度の増大の応答する際の組成物の制御作用は、TNF−a産生レベルにおいてだけではなく、さらに、LPS刺激マウスのIL−1β、別の炎症促進性サイトカイン及びNOのレベルの減少によっても確認され、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分単独について観測されたよりも顕著であった(図1〜6)ことを示唆する。30mg/kg用量レベルのロリプラムを標準薬として使用して、実験デザインの確実性及び再現性を観察した。
【0062】
本組成物が疾病状態で働くことを示すために、以下の試験を行った。試験のために選択した疾病状態は、関節炎である。
実施例3:アジュバント誘発進行中炎症促進性関節炎:
【0063】
6群の12〜14週齢、体重140〜160gのウイスターラットを試験に採用した。すべての動物を22±2℃のプラスチックケージ内で、12h明暗サイクルで保持し、ペレットフード及び水をフリーアクセスとした。テスト材料を、実験期間中、1日1回経口投与した。すべての実験で、コントロール群を保持し(ビヒクル投与)、一方、他の群は、比較及び試験の確実性/信憑性のために、1日1回投与された標準薬のアセチルサリチル酸(ASA)を受け付けた。すべての試験は、実験動物倫理委員会(Institutional Animal Ethics Committee)からの承認の後に行い、そして、実験で使用したすべての動物は、ヒトの世話を受けた。各群の中項(the mean)の平均及び標準誤差(S.E.)を計算し、その結果を、コントロール群に対する抑制%として表した。有意さを、スチューデントt検定を適用することにより統計的に測定した。
【0064】
アジュバント関節炎は、液体パラフィン中蒸気殺傷されたマイコバクテリウムツベルクリの新規調製懸濁液(5.0mg/ml)の0.05mlを足底下部(sub−plantar)注射することによって誘発した。[Newbould BB.マイコバクテリアアジュバントによりラットに誘発された関節炎の化学療法(Chemotherapy of arthritis induced in rats by mycobacterial adjuvant)、Br J Pharmacol 1963;21:127−36]。注射した前足の容積を、事前及びアジュバント注射14日目に定量化し、容積変化測定装置モデルLE 7500N,Panlab,スペインにより測定した。
【0065】
ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物は、経口200mg/kgの用量レベルにて、浮腫の抑制に依存する用量を示した(図7及び表4)。本組成物は、コントロールと比較して、ラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の浮腫の抑制48%という高く有意な活性を示した。
【表4】
実施例4: 14日目の前足組織の進行中炎症促進性関節炎の均質化
【0066】
各アッセイの均質化の前に、骨組織を含有する凍らせた前足の重量を計り、ドライアイス上で粉々に破砕した。1mMのフェニルメチルスルフォニルフルオライド、1mg/mlのアプロチニン及び0.05%Tween20のリン酸緩衝生理食塩水を含有する4ml/gの組織抽出バッファーに前足組織を添加した。組織を氷上でポリトロンで均質化し、ホモジネートを5000gで15分間遠心分離した。上澄を分析するまで−80℃で保存した[Anjali Pandey,Sarang Bani,Prabhu Dutt,Krishna Avtar Suri.アジュバント誘発関節炎組織におけるヒドロキシカビコールによるTh1/Th2サイトカイン及び炎症性メディエーターの調節(Modulation of Th1/Th2 cytokines and inflammatory mediators by hydroxychavicol in adjuvant induced arthritic tissues)、Cytokine 49 (2010) 114−121]。
組織ホモジネートから取った上澄中のTNF−α、PGE2及びLTB4の定量化:
【0067】
動物の異なる群から取った14日目の試料を、上記したサイトカインメディエーターの分析用に用意した。TNF−α、PGE2及びLTB4を、サンドイッチ及び競合ELISA技術に基づく市場で手に入るキット(R&D systems,MN,米国)を製造者インストラクションにしたがって用いて推定した。すべてのサイトカイン濃度は、ELISAプレートリーダー(Multiskan,Thermo Electron Corporation,MA,米国)上での450nmの測色測定を用いて標準曲線からの内挿により行った。[Anjali Pandey,Sarang Bani,Prabhu Dutt,Krishna Avtar Suri.アジュバント誘発関節炎組織におけるヒドロキシカビコールによるTh1/Th2サイトカイン及び炎症性メディエーターの調節(Modulation of Th1/Th2 cytokines and inflammatory mediators by hydroxychavicol in adjuvant induced arthritic tissues)、Cytokine 49 (2010) 114−121]。[Magari K,Miyata S,Ohkubo Y,Mutoh S.ラットコラーゲン誘発関節炎の進行中の前足組織中の炎症性サイトカインレベル、FK506の効果、T細胞活性化のインヒビター(Inflammatory cytokine levels in paw tissues during development of rat collagen−induced arthritis, effect of FK506, an inhibitor of T cell activation)、Inflamm Res 2004; 53:469−74]。ボスウェリア酸画分は、関節炎にかかった動物のTNF−α及びLTB4の有意な減少を示したが、PGE2には効果がなかった。多糖類画分は、TNF−α及びPGE2レベルの中庸の減少を示したが、LTB4に有意な抑制を示さなかった。一方、本組成物は、経口用量200mg/kg用量で最大の抑制を示す用量依存したやり方でTNF−α、PGE2及びLTB4レベルを有意に減少させた(図8、9及び10)。
【0068】
多糖類画分がPGE2の抑制効果を示したという発見は、本発明の驚くべき発見であり、したがって、新規である。多糖類画分単独、又は、ボスウェリア酸との組み合わせは、高レベルのPGE2抑制のせいで副作用を有する当業技術で知られている他の薬と違って中庸レベルにてPGE2を抑制するのに有用であることは、本試験から明らかである。
実施例5:フローサイトメトリーによる脾細胞中の細胞内IFN−γ検出:
【0069】
関節炎の原因論的な理由は、明白に評価されていないが、累積する証拠は、T細胞−媒介自己免疫応答が発病学に重要な役割を演じることを示唆する。[Panayi GS.関節リュウマチにおけるT細胞−依存性パスウエイ(T cell−dependent pathways in rheumatoid arthrtitis)、Cur Opin Rheumatol 1977;9:236−40]。関節炎の治療の特殊特異性を増すために、サイトカインをターゲットにすることに重点が移行している。IFN−産生Th1細胞は、ヒト及びモデル動物の両方で関節炎の進行に重要なようである。[Garra O.サイトカインは、機能的に不均質なTヘルパー細胞亜集団の発達を誘発する(Cytokines induce the development of functionally heterogeneous T helper cell subsets)。Immunity 1998;8:275−83]。したがって、最近の治療戦略は、Th1細胞の応答を調節することに焦点が置かれている。薬力学的試験は、多くの疾病状態のサイトカイン治療のための作用のありえる機構としてTh1/Th2調節を指摘する。[Lissoni P,Malugani F,Malysheva O.皮下低用量のインターロイキン−2、メラトニン及びナルトレキソンを用いた処置不能な転移性固型癌の神経免疫療法、オピオイドシステムをブロックすることによるインターロイキン−2誘発抗腫瘍免疫の調節(Neuroimmunotherapy of untreatable metastatic solid tumors with subcutaneous low−dose, interleukin−2, melatonin and naltrexone, modulation of interleukin−2−induced antitumor immunity by blocking the opoid system)、Neuroendocrinol Lett 2002;23: 341−4.]、[Tabata N,Tagami H,Terui T.デヒドロエピアンドロステロンは、アトピー性皮膚炎においてサイトカイン産生のレギュレーターの一つである(Dehydroepiandrosterone may be one of the regulators of cytokine production in atopic dermatitis)、 Arch Dermatol Res 1997;289: 410−4.]。細胞媒介免疫応答は、関節炎の進行の間の重要な役割を演じ[Waksman BH,Pearson CM,Sharp JT. マイコバクテリアアジュバント−IIの注射によりラットに誘発された関節炎及びもう一つの障害の研究:疾病は、外因性抗原に対するは種性免疫応答であるという証拠(Studies of arthritis and another lesions induced in rats by injection of mycobacterial adjuvant−II: evidence that the disease is a disseminated immunologic response to exogenous antigen)、J Immunol 1960;85:403−17]、そして、この応答の抑制、特にCD4+T細胞によって産生されるIFN−γの抑制は、抗関節炎の活性を有する組成物と強い相関を示す。本組成物は、CD4+T細胞により産生されるIFN−γの用量に関連する抑制を作った。
【0070】
すべての試験群の動物から脾臓を無菌状態下でハンクス平衡塩類溶液(HBSS,Sigma)内に採取し、均質な細胞懸濁液を得、そして、赤血球をFACS溶血用試薬(Lysing solution)で溶解した。遠心分離(380g、4℃、10分間)後、ペレット化した細胞を、PBSで3回洗浄し、そして、完全培地[12mMのHepes(pH7.1)、0.05mMの2−メルカプトメタノール、100IU/mlのペニシリン、100lg/mlのスプレプトマイシン及び10%FCSを補充したRPMI 1640]に再懸濁した。細胞数を、トリパンブルー色素排除試験法により血球数計算器でカウントした。細胞の生存度は95%を越えた。詳細には、脾細胞を96ウエル平底マイクロタイタープレート(Nunc)に2X106細胞/mlシードした。3日後、脾臓のリンパ球を、5μlのPE結合抗マウスIFN−γ抗体で染色し、1μlのFACS透過化溶液の存在下、4℃で30分インキュベートした。分析をCell Quest Proソフトウエアを使用したフローサイトメーター(BD,LSR)で行った。[Anjali Pandey,Sarang Bani,Prabhu Dutt,Krishna Avtar Suri.アジュバント誘発関節炎組織におけるヒドロキシカビコールによるTh1/Th2サイトカイン及び炎症性メディエーターの調節(Modulation of Th1/Th2 cytokines and inflammatory mediators by hydroxychavicol in adjuvant induced arthritic tissues)、Cytokine 49 (2010) 114−121]。細胞内サイトカイン含量を査定するため、蛍光色素とともに脾細胞を培養した。予想どおり、コントロール群の関節炎には、IFNγ発現26.74%という高いパーセンテージを記録した。サイトカイン−産生リンパ球サブセットに関連したIFNγの特徴を明確にするために、CD4+T細胞の中でもIFNγ産生細胞を試験した。ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物処理した脾細胞からは、段階的用量にて、かなり低いレベルの細胞内IFNγを記録した。最大の抑制は、200mg/kg p.o.用量での本組成物処置群で観察された(図11)。
実施例6:アジュバント誘発の発症した炎症促進性関節炎:
【0071】
関節炎は、上記したように、死んだマイコバクテリウムツベルクリの油を左後足の足底下部に注射することによって誘発される。疾病は、最初の14日間で進行する。この期間は、薬を与えない。15日目から、薬を28日目まで動物に経口投与する。これは、発症した関節炎で試験材料の治療能力を示す試験である。[Newbould,B.B.,1969.フェンクロジン酸、2−(−4−クロロフェニル)テラゾール−4−イラクティック酸の薬理学(The pharmacology of fenclozic acid 2−(−4−chlorophenyl)theazol−4−ylactic acid):I.C.I.54,450;Myalex:抗炎症性、鎮痛及び解熱作用をもった新規化合物(a new compound with anti−inflammatory,analgesic and anti−pyretic activity)、British Journal of Pharmacology. 35,189−197]。絶対浮腫抑制を、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本発明の組成物で処置した動物に観察された。しかし、本組成物が、発症した関節炎のラットにおいて最も優位な効果(絶対浮腫の抑制)を示した。
【0072】
したがって、全体の結果は、本発明の組成物は、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分よりもターゲットの有意な抑制を示すことを示している。in vitroの最大効果は、100及び200μg/mlであり、in vivoの最大効果は、実験動物において100及び200mg/kg動物体重/p.o./日処置の用量であった。
【0073】
本組成物は、それを必要とする個人に対して1日に2〜3回、最高500mgまでの投薬が提案される。
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年3月2日に出願された米国仮出願第61/309481の正規の出願である。
本発明は、ボスウェリア種(species)から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む組成物に関する。この組成物は、高められた生物活性、特に炎症促進性マーカーの下方調節を示すことにおいて相乗的である。
【0002】
本発明は、また、PGE2の抑制のために多糖類画分単独、又はボスウェリア酸画分との組合せの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
免疫システムの正確な調節無くして生存は不可能である。炎症促進性サイトカインの産生は、成長、組織再生、ヒーリング、損傷又は感染の間に免疫及び代謝応答を組織化するために、そして、われわれの体を出血、虚血、癌及び敗血症から守るために重要な生理学的プロセスである。インンターロイキン(IL)、腫瘍壊死因子−α(TNF−a)などの炎症促進性サイトカインの制御された産生は、感染及び組織障害を閉じこめるための局所凝集を促進する有益な炎症促進性応答をトリガーする(Ulloa及びTracey,2005)。しかし、これらのサイトカインの無制限の産生は、もとの障害よりも危険であり、ヒトの罹病率及び死亡率の主要な要因の一つである。このプロセスの最も劇的な例の一つは、集中治療室での死亡の主要な原因であり、そして、先進社会での死亡の主要な原因である「重篤な敗血症」である(Martin等,2003)。重篤な敗血症は、組織の炎症、心臓血管機能障害及び致死性多重臓器不良を引き起こす炎症促進性サイトカインの圧倒的な産生によって特徴づけられる(Van der Poll及びLowry,1995;Hotchkiss及びKarl,2003;Rice及びBernard,2005)。この効果は、中和炎症促進性サイトカイン(モノクローナル抗TNF抗体及びIL−1レセプターアンタゴニスト)が関節リュウマチ、クローン病、強直性脊椎症、乾癬等の炎症促進性状態の上首尾であると証明されたことを示す研究によって説明される(Feldmann,2002;Ulloa及びTracey,2005;Rutgeerts等,2006;Ulloa及びMessmer,2006)。
【0004】
サイトカインに加えて、ヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエン、ブラジキニン等の他のメディエーターもまた、炎症において役割を演じる。したがって、これらは、マーカーとして働き、そして、疾病状態、特に現在高いレベルにある疾病状態を診断するのに有用である。したがって、免疫システムを正確に制御するためのマーカーを調節することは必須である。
【0005】
「Dhup」、インディアン・フランキンセンス又はインディアン・オリバナムとして知られるボスウェリアセラータ(N.O.Burseraceae)のガム樹脂は、宗教的儀式や香料用途での長い使用の歴史を有する。アーユルヴェーダの伝統で長く知られるインディアン・フランキンセンスの健康用途は、過去30年以上、西側社会に焦点が置かれており、ガム樹脂浸出液の標準化抽出物の幅広い用途を生じている。そのような抽出物は、健康的な老化をサポートするために栄養補助食品や化粧品の原料として使用される。栄養補助食品の最も人気のある用途は、正常な関節機能や機動性をサポートするために関節の健康をサポートする製品においてである。
【0006】
最近の科学的証拠は、ボスウェリアセラータの健康に良い効果をますます支持する。典型的には、ボスウェリアセラータのガム含油樹脂浸出液は、セスキテルペノイド・エッセンシャルオイル(8〜12%w/w)、多糖類(45〜60%w/w)及び高級テルペノイド(25〜35%w/w)を含有することが報告される。このガム樹脂の抽出物中のバイオマーカー構成物質は、ボスウェリア酸として知られる一群の五環トリテルペン化合物である。
【0007】
ボスウェリア酸は、5−リポキシゲナーゼ酵素を抑制することが示され、この酵素は、アラキドン酸から炎症促進性ロイコトリエンの生成を触媒する。この機構に加えて、ボスウェリア酸は、また、酵素、ヒトの白血球エラスターゼ(HLE)の活性を減少させる。この二つの作用は、ボスウェリア酸に特有である(Safayhi,H等,1997)。数多くの炎症及び過敏症に基づくヒトの疾病においてロイコトリエン生成及びHLE放出が好中球刺激によって同時に増大するので、ボスウェリア酸による二つの炎症促進性酵素の報告された遮断と補体タンパク質及びマスト細胞安定化活性の有益な効果が、多くの前臨床及び臨床研究で実証化されている、ボスウェリア抽出物の健康によい効果の理屈であると一般に信じられている。ボスウェリアセラータガム樹脂の抽出物は、一般に、天然には樹脂質であり、バイオマーカーのボスウェリア酸(親油性化合物)は、水に不溶である。
【0008】
米国特許公開2003/0186932は、ボスウェリアセラータのガム樹脂浸出液から抽出された水溶性生物活性画分を記載する。それは、さらに、この画分とボスウェリア酸との等比(1:1)での組み合わせは、抗関節炎活性について相加効果を示し、相乗効果でないことを開示する。
【0009】
米国特許第7582314は、ボスウェリア酸及びセレン元素を含む組成物を投与することにより、乾癬に冒された個人を治療する方法を記載する。
【0010】
米国特許公開2008/0275117は、ボスウェリア酸及び/又はそのアセテートを65%超の量含む組成物の使用により関節炎を治療する方法を記載する。組成物は、また、さらに多糖類、及びn−オクチルアセテート、インセンソール、インセンソールアセテート、リナロール、ボルネオール、カンフェン、エレメン(elemene)、カリオフィレン、インセンソールオキサイド、インセンソールオキサイドアセテート又はこれらの組み合わせを含むと言われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含み、炎症促進性マーカーの下方調節(down−regulation)/抑制に増強作用を示す組成物を成就する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、TNF−α、IL−1β、酸化窒素、IFN−γ及びLTB4のような炎症促進性マーカーの下方調節のためにボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む組成物に関する。ボスウェリア酸画分は、濃度約60%存在し、そして多糖類画分は、濃度約40%存在する。
【0013】
ボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む該組成物は、個々の画分と対比して活性の増強作用を示す。
【0014】
本発明は、さらに、PGE2の抑制のための多糖類画分単独又はボスウェリア酸画分との組み合わせの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivo TNF−a及びIL−1β評価の効果。
【0016】
【図2】ボスウェリア種から得られる多糖類画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivo TNF−a及びIL−1β評価の効果。
【0017】
【図3】本組成物の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivo TNF−a及びIL−1β評価の効果。
【0018】
【図4】ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivoNO評価の効果。
【0019】
【図5】ボスウェリア種から得られる多糖類画分の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivoNO評価の効果。
【0020】
【図6】本組成物の多回投与の処置balb/cマウスから取った血清における細胞外in vivoNO評価の効果。
【0021】
【図7】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物の、ラット(前足に注射した)のマイコバクテリウムツベルクリ(Mycobacterium tuberculli)誘発炎症促進性関節炎における抗関節炎活性(予防)の比較。
【0022】
【図8】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物を段階的用量レベルで処置したラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の関節炎の前足組織ホモジネートから取った上澄におけるTNF−αの発現。
【0023】
【図9】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物を段階的用量レベルで処置したラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の関節炎の前足組織ホモジネートから取った上澄におけるPGE2の発現。
【0024】
【図10】ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物を段階的用量レベルで処置したラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の関節炎の前足組織ホモジネートから取った上澄におけるLTB4の発現。
【0025】
【図11】マイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の動物の脾臓胞(splenocytes)のフローサイトメトリーによる、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物の細胞内IFN−γ発現の効果。
【0026】
【図12】ラット(前足に注射した)のマイコバクテリウムツベルクリ誘発発症炎症促進性関節炎における、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物(効果用量)の抗関節炎活性(治療)。
【0027】
【図13】ボスウェリア酸画分及び本発明の組成物の水溶解性の比較を示す。
【0028】
【図14】本発明の組成物の調製工程を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物に関する。
【0030】
本発明の別の実施態様では、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる。
【0031】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む。
【0032】
本発明のさらに別の実施態様では、多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む。
【0033】
本発明のさらに別の実施態様では、薬学上許容可能な腑形剤は、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、増量剤及び希釈剤、芳香剤、着色剤、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、収着剤、甘味剤並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0034】
本発明のさらに別の実施態様では、本組成物は、液体、トローチ、ロゼンジ、粉体、顆粒、カプセル、タブレット、膏薬、ゲル、エマルション、クリーム、ローション、歯磨き剤、ドロップ、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、フィトシューティカル及びニュートラシューティカル(neutraceuticals)を含む群から選択される剤形に処方される。
【0035】
本発明は、また、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物を調製する方法であって、
ボスウェリア種からボスウェリア酸画分及び多糖類画分を得、
濃度約60%ボスウェリア酸画分、及び、濃度約40%多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに混合する工程を含む前記方法に関する。
【0036】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む。
【0037】
本発明のさらに別の実施態様では、多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む。
【0038】
本発明は、炎症促進性マーカーを下方調節/抑制するための方法であって、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法に関する。
【0039】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる。
【0040】
本発明の別の実施態様では、対象は、ヒトを含む動物である。
【0041】
本発明の別の実施態様では、炎症促進性マーカーは、TNF−α、IL−β、IFN−γ、酸化窒素及びLTB4を含む群から選択される。
【0042】
本発明は、PGE2を下方調節/抑制するための方法であって、多糖類単独、又は、ボスウェリア酸画分との組み合わせを適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法に関する。
【0043】
本発明のさらに別の実施態様では、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる。
【0044】
本発明の別の実施態様では、対象は、ヒトを含む動物である。
【0045】
本発明は、また、上記組成物を単独に又は組み合わせて含有する栄養補助食品に関する。
【0046】
本発明は、より水溶性のバージョンを関節の健康をサポートする高められた可能性(enhanced joint health support potential)をもって製造者に提供する既存の汎用のボスウェリア抽出物よりも改善を示す。この組成物は、有効成分について特異的な放出プロファイルを与える。ボスウェリア酸(ボスウェリア抽出物が従来標準化されている活性の基本)に加えて、ボスウェリアセラータのガム樹脂から取った多糖類画分は、また、生物活性を有し、そして水溶性である。多糖類画分は、in vitro及びin vivo試験で明らかにされるように、抽出物中のボスウェリア酸の健康によい役割を、単に加算される予想を超えたレベルで強化する。
【0047】
ボスウェリア種から得られるボスウェリア酸画分及び多糖類画分を含む本組成物は、炎症促進性マーカーの下方調節を示す。本組成物は、組成物の個々の画分と対比して炎症促進性サイトカイン又はメディエーターの下方調節で強化された活性を示し、したがって、性質が相乗的である。ボスウェリア種の多糖類画分は、水溶性が活性であり、したがって、 ボスウェリア酸の溶解性を増し(図13)、高濃度にてボスウェリア酸の毒性を下げ、そして、抗炎症促進性作用の持続を可能にする。
【0048】
ボスウェリアガムは、エタノールで抽出され、このエタノール抽出物は、酸塩基で処理され、続いて、水洗してボスウェリア酸画分を得る。この工程で得られたへキサン残留物(オイル画分)は廃棄される。エタノールを用いたボスウェリアガムの抽出後に残存する搾りかすは、蒸留水で抽出され、そして、アルコールで沈殿させて、多糖類画分を得る。ボスウェリア酸画分及び多糖類画分を、それぞれ濃度約60%及び40%で混合して、本発明の組成物に到達する(図14)。
【0049】
ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む。多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む。
【0050】
本組成物は、適宜、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、増量剤及び希釈剤、芳香剤、着色剤、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、収着剤、甘味剤並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される薬学上許容可能な腑形剤を含有してもよい。
【0051】
本発明の組成物は、液体、トローチ、ロゼンジ、粉体、顆粒、カプセル、タブレット、膏薬、ゲル、エマルション、クリーム、ローション、歯磨き剤、ドロップ、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、フィトシューティカル及びニュートラシューティカルを含む群から選択される剤形に処方される。
【0052】
組成物は、TNF−α、IL−β、酸化窒素、IFN−γ、PGE2、LTB4等の炎症促進性マーカーのレベルを抑制する/下方調節する/減少させる潜在能力が試験された。
【0053】
TNF−α(腫瘍壊死因子−α)は、組織の炎症に関与するサイトカインであり、急性相応答を刺激する。TNF産生の調節は、癌をはじめとするさまざまなヒトの疾病に関係している。それは、LPSによって誘発される敗血症ショックの発病学に重要な役割を演ずる。
【0054】
IL−1βは、生理学的免疫応答、及び、さまざまな免疫病理学的障害の発展の両方に関与する最も影響力の強い炎症促進性サイトカインである。IL−1βレベルをチェックすることは、炎症促進性、免疫学的及び骨の疾病を含むさまざまな疾病の管理及び診断に有用である。
【0055】
酸化窒素:酸化窒素産生の適当なレベルは、肝臓等の臓器を虚血性障害から守るのに重要である。しかし、NO産生の持続レベルは、直接の組織毒性を生じ、敗血症ショックを伴う血管虚脱に寄与する。NOの慢性の発現は、さまざまな癌腫、並びに若年性糖尿病、多発性硬化症、関節炎及び潰瘍性大腸炎を含む炎症促進性状態を伴う。
【0056】
サイトカインや他のメディエーターを下方調節/減少させることにより、組成物は、関節炎、潰瘍性大腸炎、炎症促進性腸症候群(IBD)、喘息(呼吸障害)のような高いレベルを示すさまざまな疾病/障害の管理に潜在的な用途を見出す。
【実施例】
【0057】
さらに、以下の実施例の助けを借りて本発明を詳述する。しかし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものと捉えてはならない。
実施例1:生物活性評価
急性安全性試験:
【0058】
急性経口毒性試験をマウスで以下のOECDガイドラインNo.423[経済協力開発機構、化合物を試験するためのOECDガイドライン、ガイドライン423、急性経口毒性−急性毒性クラス法、採択、1996年3月22日(Organization for Economic Cooperation and Development.OECD Guideline for testing of chemicals. Guideline 423, acute oral toxity−acute toxic class method,adopted,March 22,1996)]にしたがって行った。動物を個々に、最初の24時間は定期的に、最初の4時間は特別な注意をはらって観察し、その後は、毎日、全14日間同時に観察した。1回量2000mg/kg p.o.の本組成物を、雌性マウスの各群に経口投与したが、これらの試験動物の総全体挙動に変化はなかった。1回量5000mg/kg p.o.もまた評価した。実験動物のビヒクルコントロール群と比較した際、死亡率や正常挙動のいかなる変化もこの高い経口用量で観察されなかった。
In−vitro試験:
実施例1: マウスの好中球における細胞内In vitro TNF−a評価:
【0059】
テスト材料をin vitro試験に供し、ここでは、フローサイトメトリー試験を行って、ヒストパック勾配によって全血から分離したマウスの好中球における細胞内TNF−aサイトカイン発現のボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本発明の組成物の多回投与の効果を測定した。
【0060】
細胞をLPSで刺激し、段階濃度(μg/ml)を持つテスト材料とともに3時間CO2インキュベータ内でインキュベートした。透過性溶液を細胞に添加し、その後、これらを10分間インキュベートした。細胞をその後、共役型抗マウスTNF−αモノクローナル抗体で標識化し、さらに30分間のインキュベーションを暗所で行った。リン酸緩衝生理食塩水で洗浄後、試料を直接、BD−CantoIIフローサイトメーター(Beckton−Dickinson Biosciences,CA,米国)上に重ねた。蛍光トリガーを好中球集団ゲートのFL1パラメーターの上にセットし(10,000イベント)、そして、蛍光補正、データ分析及びデータ表示をCell Quest Pro ソフトウエアを用いて行った。[Clara,B.,R.C. Arancha,G.M. Andre´s,P.Atanasio,A.Julia,及びO.Alberto.2003.直接免疫蛍光表面膜染色を用いるTNF−α−分泌細胞lを検出するための新規な方法(A new method for detecting TNF−α−secreting cell using direct immunofluorescence surface membrane stainings.)、J.Immuno.Methods 264:77−87.][Khurshid A.Bhat,Bhahwal A.Shah,Kuldeep K.Gupta,Anjali Pandey,Sarang Bani,Subhash C.Taneja、ヒト好中球におけるTNF−aサイトカイン発現の潜在的抑制としてのピニトールの半合成類似体(Semi−synthetic analogs of pinitol as potential inhibitions of TNF−a cytokine expression in humanneutrophils.)、Biorganic & Medicinal Chemistry Letters 19 2009, 1939−1943]。表1、2及び3(フローサイトメトリー試験)に挙げられた結果から、本組成物は、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分単独と比較したとき、LPS刺激剤に応答したマウスの分離した好中球中へのTNF−aサイトカイン分泌抑制効果が最大を示したことが明らかである。25、50、100、200、400及び800μg/ml濃度ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物でin vitroで処理した好中球は、200μg/mlの用量レベルにてそれぞれ、30.52%、29.31%及び59.83%のTNF−a抑制を示した。このデータから、個々の画分と対比して同じ用量の本組成物がTNF−aを抑制する高められた活性を示したことが明白である。
【表1】
【表2】
【表3】
In−vivo 試験:
実施例2: 処置マウスから取った血清における細胞外In vivo TNF−a、IL−1β 及び酸化窒素(NO)の評価
【0061】
6〜8週齢のBALB/c雄性マウスを22±2℃で12/12h明暗サイクルに保持した。マウスは、100、200、400 mg/kgの異なるテスト材料(w/v)すなわちボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本発明の組成物を6日間経口処置で受け付け、続いて、Brieva等,2001によって記載された方法にしたがって1mg/kgのLPSを静脈内注射された。[Brieva A,Guerrero A,Alonso−Lebrero JL及びPivel JP.2001.イムノフェロン、天然由来の複合糖質は、LPS誘発TNF−a産生及び炎症性応答を抑制する(Inmunoferon,a glycoconjugate of natural origin,inhibits LPS−induced TNF−a production and inflammatory responses)、International Immunopharmacology 1.1979−1987]。各群に6匹のマウスを採用し、実験を3通り行った。TNF−α、IL−1β及び酸化窒素産生を、LPS注射90分後の各実験群の処置マウスから取った血清で、市販のELISAキット(R&D system)により評価した。30 mg/kgのロリプラムを標準薬として使用した。血清採集及び測定により、血清TNF−α、IL−1β及びNOのレベルの有意な低下が明らかになり、これは、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物について、炎症促進性応答の制御に関する広い種非依存性in vivo効果を示唆する。ともに、これらのデータは、血液中のLPS濃度の増大の応答する際の組成物の制御作用は、TNF−a産生レベルにおいてだけではなく、さらに、LPS刺激マウスのIL−1β、別の炎症促進性サイトカイン及びNOのレベルの減少によっても確認され、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分単独について観測されたよりも顕著であった(図1〜6)ことを示唆する。30mg/kg用量レベルのロリプラムを標準薬として使用して、実験デザインの確実性及び再現性を観察した。
【0062】
本組成物が疾病状態で働くことを示すために、以下の試験を行った。試験のために選択した疾病状態は、関節炎である。
実施例3:アジュバント誘発進行中炎症促進性関節炎:
【0063】
6群の12〜14週齢、体重140〜160gのウイスターラットを試験に採用した。すべての動物を22±2℃のプラスチックケージ内で、12h明暗サイクルで保持し、ペレットフード及び水をフリーアクセスとした。テスト材料を、実験期間中、1日1回経口投与した。すべての実験で、コントロール群を保持し(ビヒクル投与)、一方、他の群は、比較及び試験の確実性/信憑性のために、1日1回投与された標準薬のアセチルサリチル酸(ASA)を受け付けた。すべての試験は、実験動物倫理委員会(Institutional Animal Ethics Committee)からの承認の後に行い、そして、実験で使用したすべての動物は、ヒトの世話を受けた。各群の中項(the mean)の平均及び標準誤差(S.E.)を計算し、その結果を、コントロール群に対する抑制%として表した。有意さを、スチューデントt検定を適用することにより統計的に測定した。
【0064】
アジュバント関節炎は、液体パラフィン中蒸気殺傷されたマイコバクテリウムツベルクリの新規調製懸濁液(5.0mg/ml)の0.05mlを足底下部(sub−plantar)注射することによって誘発した。[Newbould BB.マイコバクテリアアジュバントによりラットに誘発された関節炎の化学療法(Chemotherapy of arthritis induced in rats by mycobacterial adjuvant)、Br J Pharmacol 1963;21:127−36]。注射した前足の容積を、事前及びアジュバント注射14日目に定量化し、容積変化測定装置モデルLE 7500N,Panlab,スペインにより測定した。
【0065】
ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物は、経口200mg/kgの用量レベルにて、浮腫の抑制に依存する用量を示した(図7及び表4)。本組成物は、コントロールと比較して、ラットのマイコバクテリウムツベルクリ誘発炎症促進性関節炎の浮腫の抑制48%という高く有意な活性を示した。
【表4】
実施例4: 14日目の前足組織の進行中炎症促進性関節炎の均質化
【0066】
各アッセイの均質化の前に、骨組織を含有する凍らせた前足の重量を計り、ドライアイス上で粉々に破砕した。1mMのフェニルメチルスルフォニルフルオライド、1mg/mlのアプロチニン及び0.05%Tween20のリン酸緩衝生理食塩水を含有する4ml/gの組織抽出バッファーに前足組織を添加した。組織を氷上でポリトロンで均質化し、ホモジネートを5000gで15分間遠心分離した。上澄を分析するまで−80℃で保存した[Anjali Pandey,Sarang Bani,Prabhu Dutt,Krishna Avtar Suri.アジュバント誘発関節炎組織におけるヒドロキシカビコールによるTh1/Th2サイトカイン及び炎症性メディエーターの調節(Modulation of Th1/Th2 cytokines and inflammatory mediators by hydroxychavicol in adjuvant induced arthritic tissues)、Cytokine 49 (2010) 114−121]。
組織ホモジネートから取った上澄中のTNF−α、PGE2及びLTB4の定量化:
【0067】
動物の異なる群から取った14日目の試料を、上記したサイトカインメディエーターの分析用に用意した。TNF−α、PGE2及びLTB4を、サンドイッチ及び競合ELISA技術に基づく市場で手に入るキット(R&D systems,MN,米国)を製造者インストラクションにしたがって用いて推定した。すべてのサイトカイン濃度は、ELISAプレートリーダー(Multiskan,Thermo Electron Corporation,MA,米国)上での450nmの測色測定を用いて標準曲線からの内挿により行った。[Anjali Pandey,Sarang Bani,Prabhu Dutt,Krishna Avtar Suri.アジュバント誘発関節炎組織におけるヒドロキシカビコールによるTh1/Th2サイトカイン及び炎症性メディエーターの調節(Modulation of Th1/Th2 cytokines and inflammatory mediators by hydroxychavicol in adjuvant induced arthritic tissues)、Cytokine 49 (2010) 114−121]。[Magari K,Miyata S,Ohkubo Y,Mutoh S.ラットコラーゲン誘発関節炎の進行中の前足組織中の炎症性サイトカインレベル、FK506の効果、T細胞活性化のインヒビター(Inflammatory cytokine levels in paw tissues during development of rat collagen−induced arthritis, effect of FK506, an inhibitor of T cell activation)、Inflamm Res 2004; 53:469−74]。ボスウェリア酸画分は、関節炎にかかった動物のTNF−α及びLTB4の有意な減少を示したが、PGE2には効果がなかった。多糖類画分は、TNF−α及びPGE2レベルの中庸の減少を示したが、LTB4に有意な抑制を示さなかった。一方、本組成物は、経口用量200mg/kg用量で最大の抑制を示す用量依存したやり方でTNF−α、PGE2及びLTB4レベルを有意に減少させた(図8、9及び10)。
【0068】
多糖類画分がPGE2の抑制効果を示したという発見は、本発明の驚くべき発見であり、したがって、新規である。多糖類画分単独、又は、ボスウェリア酸との組み合わせは、高レベルのPGE2抑制のせいで副作用を有する当業技術で知られている他の薬と違って中庸レベルにてPGE2を抑制するのに有用であることは、本試験から明らかである。
実施例5:フローサイトメトリーによる脾細胞中の細胞内IFN−γ検出:
【0069】
関節炎の原因論的な理由は、明白に評価されていないが、累積する証拠は、T細胞−媒介自己免疫応答が発病学に重要な役割を演じることを示唆する。[Panayi GS.関節リュウマチにおけるT細胞−依存性パスウエイ(T cell−dependent pathways in rheumatoid arthrtitis)、Cur Opin Rheumatol 1977;9:236−40]。関節炎の治療の特殊特異性を増すために、サイトカインをターゲットにすることに重点が移行している。IFN−産生Th1細胞は、ヒト及びモデル動物の両方で関節炎の進行に重要なようである。[Garra O.サイトカインは、機能的に不均質なTヘルパー細胞亜集団の発達を誘発する(Cytokines induce the development of functionally heterogeneous T helper cell subsets)。Immunity 1998;8:275−83]。したがって、最近の治療戦略は、Th1細胞の応答を調節することに焦点が置かれている。薬力学的試験は、多くの疾病状態のサイトカイン治療のための作用のありえる機構としてTh1/Th2調節を指摘する。[Lissoni P,Malugani F,Malysheva O.皮下低用量のインターロイキン−2、メラトニン及びナルトレキソンを用いた処置不能な転移性固型癌の神経免疫療法、オピオイドシステムをブロックすることによるインターロイキン−2誘発抗腫瘍免疫の調節(Neuroimmunotherapy of untreatable metastatic solid tumors with subcutaneous low−dose, interleukin−2, melatonin and naltrexone, modulation of interleukin−2−induced antitumor immunity by blocking the opoid system)、Neuroendocrinol Lett 2002;23: 341−4.]、[Tabata N,Tagami H,Terui T.デヒドロエピアンドロステロンは、アトピー性皮膚炎においてサイトカイン産生のレギュレーターの一つである(Dehydroepiandrosterone may be one of the regulators of cytokine production in atopic dermatitis)、 Arch Dermatol Res 1997;289: 410−4.]。細胞媒介免疫応答は、関節炎の進行の間の重要な役割を演じ[Waksman BH,Pearson CM,Sharp JT. マイコバクテリアアジュバント−IIの注射によりラットに誘発された関節炎及びもう一つの障害の研究:疾病は、外因性抗原に対するは種性免疫応答であるという証拠(Studies of arthritis and another lesions induced in rats by injection of mycobacterial adjuvant−II: evidence that the disease is a disseminated immunologic response to exogenous antigen)、J Immunol 1960;85:403−17]、そして、この応答の抑制、特にCD4+T細胞によって産生されるIFN−γの抑制は、抗関節炎の活性を有する組成物と強い相関を示す。本組成物は、CD4+T細胞により産生されるIFN−γの用量に関連する抑制を作った。
【0070】
すべての試験群の動物から脾臓を無菌状態下でハンクス平衡塩類溶液(HBSS,Sigma)内に採取し、均質な細胞懸濁液を得、そして、赤血球をFACS溶血用試薬(Lysing solution)で溶解した。遠心分離(380g、4℃、10分間)後、ペレット化した細胞を、PBSで3回洗浄し、そして、完全培地[12mMのHepes(pH7.1)、0.05mMの2−メルカプトメタノール、100IU/mlのペニシリン、100lg/mlのスプレプトマイシン及び10%FCSを補充したRPMI 1640]に再懸濁した。細胞数を、トリパンブルー色素排除試験法により血球数計算器でカウントした。細胞の生存度は95%を越えた。詳細には、脾細胞を96ウエル平底マイクロタイタープレート(Nunc)に2X106細胞/mlシードした。3日後、脾臓のリンパ球を、5μlのPE結合抗マウスIFN−γ抗体で染色し、1μlのFACS透過化溶液の存在下、4℃で30分インキュベートした。分析をCell Quest Proソフトウエアを使用したフローサイトメーター(BD,LSR)で行った。[Anjali Pandey,Sarang Bani,Prabhu Dutt,Krishna Avtar Suri.アジュバント誘発関節炎組織におけるヒドロキシカビコールによるTh1/Th2サイトカイン及び炎症性メディエーターの調節(Modulation of Th1/Th2 cytokines and inflammatory mediators by hydroxychavicol in adjuvant induced arthritic tissues)、Cytokine 49 (2010) 114−121]。細胞内サイトカイン含量を査定するため、蛍光色素とともに脾細胞を培養した。予想どおり、コントロール群の関節炎には、IFNγ発現26.74%という高いパーセンテージを記録した。サイトカイン−産生リンパ球サブセットに関連したIFNγの特徴を明確にするために、CD4+T細胞の中でもIFNγ産生細胞を試験した。ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本組成物処理した脾細胞からは、段階的用量にて、かなり低いレベルの細胞内IFNγを記録した。最大の抑制は、200mg/kg p.o.用量での本組成物処置群で観察された(図11)。
実施例6:アジュバント誘発の発症した炎症促進性関節炎:
【0071】
関節炎は、上記したように、死んだマイコバクテリウムツベルクリの油を左後足の足底下部に注射することによって誘発される。疾病は、最初の14日間で進行する。この期間は、薬を与えない。15日目から、薬を28日目まで動物に経口投与する。これは、発症した関節炎で試験材料の治療能力を示す試験である。[Newbould,B.B.,1969.フェンクロジン酸、2−(−4−クロロフェニル)テラゾール−4−イラクティック酸の薬理学(The pharmacology of fenclozic acid 2−(−4−chlorophenyl)theazol−4−ylactic acid):I.C.I.54,450;Myalex:抗炎症性、鎮痛及び解熱作用をもった新規化合物(a new compound with anti−inflammatory,analgesic and anti−pyretic activity)、British Journal of Pharmacology. 35,189−197]。絶対浮腫抑制を、ボスウェリア酸画分、多糖類画分及び本発明の組成物で処置した動物に観察された。しかし、本組成物が、発症した関節炎のラットにおいて最も優位な効果(絶対浮腫の抑制)を示した。
【0072】
したがって、全体の結果は、本発明の組成物は、ボスウェリア酸画分及び多糖類画分よりもターゲットの有意な抑制を示すことを示している。in vitroの最大効果は、100及び200μg/mlであり、in vivoの最大効果は、実験動物において100及び200mg/kg動物体重/p.o./日処置の用量であった。
【0073】
本組成物は、それを必要とする個人に対して1日に2〜3回、最高500mgまでの投薬が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物。
【請求項2】
該ボスウェリア酸画分及び該多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
該多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
該薬学上許容可能な腑形剤は、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、増量剤及び希釈剤、芳香剤、着色剤、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、収着剤、甘味剤並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
組成物は、液体、トローチ、ロゼンジ、粉体、顆粒、カプセル、タブレット、膏薬、ゲル、エマルション、クリーム、ローション、歯磨き剤、ドロップ、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、フィトシューティカル及びニュートラシューティカルを含む群から選択される剤形に処方される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物を調製する方法であって、
ボスウェリア種からボスウェリア酸画分及び多糖類画分を得、
濃度約60%ボスウェリア酸画分、及び、濃度約40%多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに混合する工程を含む前記方法。
【請求項8】
該ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
該多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
炎症促進性マーカーを下方調節/抑制するための方法であって、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法。
【請求項11】
ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
対象は、ヒトを含む動物である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
該炎症促進性マーカーは、TNF−α、IL−β、IFN−γ、酸化窒素及びLTB4を含む群から選択される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
PGE2を下方調節/抑制するための方法であって、多糖類単独、又は、ボスウェリア酸画分との組み合わせを適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法。
【請求項15】
該ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
対象は、ヒトを含む動物である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
請求項1及び/又は14に記載の組成物を含有する栄養補助食品。
【請求項1】
濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物。
【請求項2】
該ボスウェリア酸画分及び該多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
該多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
該薬学上許容可能な腑形剤は、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、増量剤及び希釈剤、芳香剤、着色剤、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、収着剤、甘味剤並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
組成物は、液体、トローチ、ロゼンジ、粉体、顆粒、カプセル、タブレット、膏薬、ゲル、エマルション、クリーム、ローション、歯磨き剤、ドロップ、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、フィトシューティカル及びニュートラシューティカルを含む群から選択される剤形に処方される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む相乗的組成物を調製する方法であって、
ボスウェリア種からボスウェリア酸画分及び多糖類画分を得、
濃度約60%ボスウェリア酸画分、及び、濃度約40%多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに混合する工程を含む前記方法。
【請求項8】
該ボスウェリア酸画分は、β−ボスウェリア酸、アセチル−β−ボスウェリア酸、11−ケト−β−ボスウェリア酸及びアセチル−11−ケト−β−ボスウェリア酸を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
該多糖類画分は、ガラクトース、アラビノース、D−グルクロン酸及び4−O−メチル−グルクロノアラビノ−ガラクタンを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
炎症促進性マーカーを下方調節/抑制するための方法であって、濃度約60%のボスウェリア酸画分を及び濃度約40%の多糖類画分を適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法。
【請求項11】
ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
対象は、ヒトを含む動物である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
該炎症促進性マーカーは、TNF−α、IL−β、IFN−γ、酸化窒素及びLTB4を含む群から選択される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
PGE2を下方調節/抑制するための方法であって、多糖類単独、又は、ボスウェリア酸画分との組み合わせを適宜の薬学上許容可能な腑形剤とともに含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む前記方法。
【請求項15】
該ボスウェリア酸画分及び多糖類画分は、ボスウェリア種から得られる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
対象は、ヒトを含む動物である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
請求項1及び/又は14に記載の組成物を含有する栄養補助食品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−178773(P2011−178773A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−193348(P2010−193348)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年3月1日 http://www.npicenter.com/anm/templates/newsATemp.aspx?articleid=26439&zoneid=3を通じて発表
【出願人】(510234973)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193348(P2010−193348)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年3月1日 http://www.npicenter.com/anm/templates/newsATemp.aspx?articleid=26439&zoneid=3を通じて発表
【出願人】(510234973)
【Fターム(参考)】
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