説明

炎症性インターロイキン産生抑制剤

【課題】
安全性が高く、しかもIL-6など炎症性インターロイキンの産生抑制作用が十分に強く、抗炎症剤等として有用な新規な薬剤を提供する。
【解決手段】
以下の一般式(1)の化合物を活性成分として含有する炎症性インターロイキン産生抑制剤。
【化1】


(ただし、式1中、R1は水素原子(H)又は分岐状不飽和脂肪族炭化水素基を表し、R、R及びR5はそれぞれ水素(H)又は水酸基を表し、R3は水素原子(H)又はアルコキシ基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬品及び健康食品において有用な、炎症性サイトカインIL-6およびIL-1β等の産生を抑制し、抗炎症作用を有する薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインは、病原菌の侵入に対して免疫機能を賦活するなど本来は合目的な機能を有しているが、何らかの原因によって過剰に生産され続けるとリウマチ性関節炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、2型糖尿病などさまざまな疾病を引き起こす。
【0003】
そのため、このような病態においてTNF-α、IL-6など炎症性サイトカインの生産を抑制する薬剤が開発されており、イブプロフェンやインドメタシン等既存の抗炎症剤の他、サリドマイド誘導体(非特許文献1参照)、ピラゾロン誘導体(非特許文献2参照)、合成クロメン誘導体(非特許文献3参照)、スベリヒユ科植物のアルカロイド(特許文献1参照)、クロモン誘導体(特許文献2参照)、肝実質細胞増殖因子(特許文献3参照)などがあるが、これらの疾病は慢性的な経過をたどることが多く治療は長期化することから、経口摂取が可能で副作用がなく安全な化合物が特に求められている。このような観点から、乳蛋白の断片ペプチド(特許文献4参照)、甘草やショウガの抽出物(特許文献5)、ドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸(特許文献6,7参照)など食品成分が注目されているが、より活性の強い化合物や当該活性のさらなる増強が必要である。
【0004】
【特許文献1】特開2003-26586号公報
【特許文献2】特開2005-247762号公報
【特許文献3】特開2000-239182号公報
【特許文献4】特開2004-196707号公報
【特許文献5】WO2003/007974
【特許文献6】特表2006-511514号公報
【特許文献7】特開2000-159667号公報
【非特許文献1】S. Niwayama et al., J. Med. Chem., 39, 3044-3045, 1996
【非特許文献2】M.P. Clark et al., J. Med. Chem., 47, 2724-2727, 2004
【非特許文献3】J-F. Cheng et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 13, 3647-3650, 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上記現状に鑑み、安全性が高く、IL-6、IL-1βおよびIL-8等の炎症性インターロイキンの産生抑制作用が十分に強く、抗炎症剤等として有用な新規な薬剤を開発する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討の結果、一般式(1)で示される化合物がマクロファージ様に分化した単球系培養細胞(急性単球性白血病細胞、THP-1)を大腸菌のリポ多糖(LPS)で刺激した時のIL-6、IL-1βおよびIL-8等の炎症性インターロイキンの産生を抑制し得ることを見いだし、該化合物が抗炎症剤として有用であると確信し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1)カルコン又は下記一般式(1)で示される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、動物細胞における炎症性インターロイキン産生抑制剤。
【化1】

(ただし、式1中、Rは水素原子(H)または分岐状不飽和脂肪族炭化水素基を表し、R、R及びR5はそれぞれ水素(H)又は水酸基を表し、R3は水素原子(H)またはアルコキシ基を表す。)
2)一般式(1)で示される化合物が4’−ヒドロキシカルコン、2−ヒドロキシカルコン、キサントフモール、キサントアンゲロールから選ばれたものであることを特徴とする、上記1)に記載の動物細胞における炎症性インターロイキン産生抑制剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明において一般式(1)で表される化合物は、動物の免疫細胞におけるIL-6、IL-1β等の炎症性インターロイキンの産生を抑制する。その結果、個体レベルでは関節リウマチや潰瘍性大腸炎等の慢性炎症疾患の症状を緩和させる効果を有する。
【0009】
一方、炎症性サイトカインの産生抑制物質として知られている前記したピラゾロン誘導体やクロモン誘導体等の物質は、安全性、副作用の問題を抱えているのに対し、本発明の一般式(1)で表される化合物は、従来から、園芸作物や漢方薬、プロポリス等健康増進剤の成分として、喫食あるいは服用されていたものが多く、本発明の薬剤は安全性が高いものといえる。
【0010】
炎症性インターロイキンはリウマチや大腸炎ばかりでなく、肥満や誤嚥など色々な局面で過剰生産され、潜在的な疾病原因となっている。従って、このような炎症性インターロイキンの恒常的なコントロールは健康維持にとり極めて重要な意義がある。本発明の薬剤は上述のように食品やそれに近縁する素材の成分で構成され安全性が高いため、日常的かつ長期の摂取が可能と考えられ、治療剤としてばかりでなく、健康維持機能性食品添加物としても有用な薬剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の動物細胞における炎症性インターロイキン産生抑制剤は、カルコン又は以下の一般式(1)で表されるカルコン誘導体を有効成分として含有するものである。
【化1】

(ただし、式1中、R1は水素原子(H)又は分岐状不飽和脂肪族炭化水素基を表し、R、R及びR5はそれぞれ水素(H)又は水酸基を表し、R3は水素原子(H)又はアルコキシ基を表す。)
本発明に使用する化合物のうち、好ましいものの化学構造を具体的に例示すると、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【0012】
カルコンおよび一般式(1)で表されるカルコン誘導体は、4’−ヒドロキシカルコンおよびその誘導体に属し、これらは、3〜10μM という低濃度で動物細胞において炎症を引き起こすインターロイキンであるインターロイキン6(IL−6)およびインターロイキン1β(IL−1β)等の産生を抑制する。
【0013】
カルコン類として、例えば、キサントフモールについての動物における安全性試験のデータ(100mg/Kg・dayの投与でも安全;R. Hussong et al., Mol. Nutr. Food Res., 49, 861-867, 2005)やカルコン自体について急性毒性を示すLD50が500mg/Kgの高濃度とされていること(MSDSに収録)から、本願発明で使用する一般式(1)の簡単な構造のモノヒドロキシカルコンも通常使用される濃度域では安全性は高いと考えられる。また、2-ヒドロキシカルコンが特にドコサヘキサノエン酸の共存下でインターロイキン8(IL−8)の産生を有効に抑制する点で注目される。
【0014】
さらに、本発明で使用する、カルコンあるいは式(1)で示される化合物は、IL−6,IL−1β等の炎症性インターロイキンの産生も抑制するほかTNF−αの産生も抑制し、さらに動物細胞における一酸化窒素(NO)の産生も抑制する。
【0015】
一方、これら化合物の炎症性インターロイキンあるいはTNF−αの産生抑制作用は、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸あるいはそのグリセリドまたは低級アルキルエステルと併用することにより全般的に顕著に増大し、又この併用は、上記一酸化窒素(NO)の産生抑制も顕著に向上させる。
【0016】
このような炭素数16〜22の不飽和脂肪酸は、2重結合の数が1〜6の天然に広く分布している脂肪酸であり、具体的には、
ドコサヘキサエン酸(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z-docosahexaenoic acid)、
(n-6)ドコサペンタエン酸(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z-docosapentaenoic acid)、
(n-3)ドコサペンタエン酸(7Z,10Z,13Z,16Z,19Z-docosapentaenoic acid)、
エイコサペンタエン酸(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z-eicosapentaenoic acid)、
アラキドン酸(5Z,8Z,11Z,14Z-eicosatetraenoic acid)、
ステアリドン酸(6Z,9Z,12Z,15Z-octadecatetraenoic acid)、
ホモ-γ-リノレン酸(8Z,11Z,14Z-eicosatrienoic acid)、
α-リノレン酸(9Z, 12Z, 15Z-octadecatrienoic acid)、
γ-リノレン酸(6Z, 9Z, 12Z-octadecatrienoic acid)、
リノール酸(9Z,12Z-octadecadienoic acid)、
オレイン酸(9Z-octadecenoic acid)、
共役リノレン酸(10E, 12Z-octadecadienoic acid
又は9Z, 11E-octadecadienoic acid)などが挙げられる。
【0017】
これらのうちでは、とりわけ魚油に含まれるドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸等の高度不飽和脂肪酸が、高いインターロイキン6、インターロイキンー1β、TNF−α等の炎症性サイトカイン産生抑制効果をもたらす。
【0018】
また、これらの不飽和脂肪酸はグリセリドであってもよく、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドのいずれでもよく、また、グリセロール中の不飽和脂肪酸の結合位置は1、2、3位のいずれでもよく、さらにジグリセリド、モノグリセリドの場合には当該不飽和脂肪酸以外の脂肪酸、例えばパルミチン酸やステアリン酸が結合していても良い、また、低級アルキルエステルとしてはエチルエステルの他に、メチル、プロピル、もしくはブチルエステルであってもても良い。
【0019】
一方、本発明に関わる式(1)で示される化合物は、それ自体公知であり、公知の方法で容易に得ることができる。
例えば特開平4-202126に記載される如く、保護基を有するヒドロキシベンズアルデヒド誘導体とアセトフェノンをアルカリで縮合させ、次いで保護基を酸性で除去して得ることができる。
【0020】
本発明の薬剤を用いる場合、式(1)の化合物の投与量は、化合物の種類、精製の方法や程度、求められる効果の程度により、生理的に安全な範囲で加減する。なお、安全性に関しては特開平4-202126記載の単純なカルコンではマウスの体重1Kg あたり500mg投与でも急性毒性は無いとされている。

次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
〔実施例1〕
ヒトTHP-1急性単球性白血病細胞(大日本製薬株式会社より購入)を10%の牛胎仔血清(FBS)を含むRPMI-1640培地で前培養後、1 x 105 cells/mlの懸濁液とし、0.1μMのphorbol 12-myristate 13-acetate (PMA) を添加してから0.1mlづつ96-wellプレートに分注した。2日間培養後、細胞がマクロファージ様に分化し底面に張り付いたことを検鏡・確認してから、各ウェルの培地を10μM のドコサヘキサエン酸を加えたかもしくは加えていない10%FBS入り新鮮培地の0.2mlづつに交換した。次いで各ウェルの培地に所定濃度(1〜10mM)のサンプルのエタノール溶液またはエタノールのみを2μl添加し、さらに3時間培養した。次いで、大腸菌細胞膜のリポ多糖(0127:B8、Sigma社製)を32μg/mlの濃度で含むリン酸緩衝液の6μlづつを各ウェルに添加し、20時間培養した。培地を回収し、ELISAキット(Endogen社製)でIL−6を測定した。培地を回収後ウェルに残った細胞は0.2%クリスタルバイオレット−20%メタノール液で染色し、十分水洗後、1%SDS水溶液の0.1mlづつを各ウェルに加えて色素を溶出させプレートリーダー(595nm)で吸光度を測定して細胞数の指標とした。なお、使用したサンプルのうち、Ibp(イブプロフェン、東京化成製)、Cpz,(クロルプロマジン、和光純薬製)、2’-OH-Chal(2’-ヒドロキシカルコン、東京化成製)、4’-OH-Chal(4’−ヒドロキシカルコン、東京化成製)、2-OH-Chal(2-ヒドロキシカルコン、和光純薬製)、4-OH-Chal(4-ヒドロキシカルコン、東京化成製)、Isoliq(イソリキリチゲニン、Extrasynthese社製)、Xhum(キサントフモール、Alexis社製) はそれぞれ記載したメーカーから購入した。Xang(キサントアンゲロール)は明日葉の茎、根から文献(小澤 貢ら、薬学雑誌、98、210-214、1978)の方法で抽出、精製、結晶化し、機器分析で構造を確認したものを使用した。

結果を図1Aに示す。培養液中のサンプルの濃度(μM)は図中に示してある。これらの結果から、カルコン類がIL−6の産生を抑制し、さらに、培地にドコサヘキサエン酸が同時に添加されていると一層強く抑制することがわかる。なお、図1Bに示すように、細胞数の指標となる色素濃度は実験終了後にコントロールとサンプル間で通常10%程度しか違いがなかったことから、IL−6の低下は細胞の逸失によるものではないことが確認された。
【0022】
〔実施例2〕
Xhum、Xangおよび4’-OH-Chalを用いて実施例1と同様の実験を行ない、回収した培地中のインターロイキン1β(IL-1β)の濃度をELISAキット(Endogen社製)で測定した。
結果を図2に示す。IL-1βの産生はXhum等の上記化合物で抑制されることが明らかである。
【0023】
〔実施例3〕
実施例1と同様にしてTHP-1細胞を培養し、サンプルを添加後、リポ多糖(0127:B8)で刺激しさらに22時間培養した。回収した培地中のインターロイキン8(IL-8)の濃度をELISAキット(Endogen社製)で測定した。結果を図3に示すが2−ヒドロキシカルコンなどのカルコン類によりIL-8の産生が抑制され、10μMの2-ヒドロキシカルコンの場合にはドコサヘキサエン酸の添加で抑制が強化されることがわかる。
【0024】
〔参考例1〕
Chal(trans-カルコン)、2’-OH-Chal(2’-ヒドロキシカルコン)、4’-OH-Chal(4’-ヒドロキシカルコン)、4-OH-Chal(4-ヒドロキシカルコン)、2-OH-Chal(2-ヒドロキシカルコン)、Xhum(キサントフモール)、Isoliq(イソリキリチゲニン)、Xang(キサントアンゲロール)を用いて、実施例1と同様な実験を行ない、回収した培地中のTNF-αの濃度をELISAキット(Endogen社製)で測定した。結果を図4〜図5に示す。
これによればカルコン類が図中に表示された範囲で濃度依存的にTNF-αの産生を抑制し、さらに、培地にドコサヘキサエン酸が同時に添加されていると一層強く抑制することがわかる。
【0025】
〔参考例2〕
ドコサヘキサエン酸の代わりにエイコサペンタエン酸とα−リノレン酸を用いて実施例1と同様の実験を行なった。結果を図6に示す。この結果から、カルコン類によるTNF-α産生抑制作用がエイコサペンタエン酸やリノレン酸でも増強されることが確認された。
【0026】
〔参考例3〕
炎症反応のシグナル分子として一酸化窒素(NO)も重要な役割を果たしており、NOの産生抑制は炎症の抑制につながる。マウスRAW264マクロファージ細胞株(理化学研究所から購入)を10%FBS入りのDMEM培地で前培養し、トリプシン処理で回収して2 x 105 cells/mlの懸濁液とし、0.2mlづつ96-ウェルプレートに植え込んだ。2日間培養後、各ウェルの培地を10μM のドコサヘキサエン酸を加えたかもしくは加えていない10%FBS入り新鮮培地の0.2mlづつに交換した。次いで各ウェルの培地に所定濃度(1〜10mM)のサンプルのエタノール溶液またはエタノールのみを2μl添加し、さらに3時間培養した。次いで、330μg/mlの大腸菌細胞膜リポ多糖(0127:B8、Sigma社製)、3.2μg/mlのアルギニン、及び0.32μg/mlのIFN-γを含む水溶液を6μlづつ各ウェルに添加し、20時間培養した。培地を回収し、培地中でNOから転換生成した亜硝酸イオンをグリース試薬(Sigma社製)で定量した。図7に示した結果から、カルコン類がLPSで刺激されたマクロファージ細胞におけるNO産生を抑制すること、さらに、ドコサヘキサエン酸が同時に添加されると一層強く抑制することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】Aは本発明の使用化合物、及び該化合物とドコサヘキサエン酸の組合せによりTHP-1細胞におけるIL-6産生が抑制されることを示すグラフである。縦軸の値は培地中のIL-6濃度(2つのウェルの平均と標準偏差)であり、横軸に付した数字はサンプルの濃度(μM)である。Bは各ウェルの細胞をクリスタルバイオレットで染色し、洗浄後、色素を抽出して測定した吸光度の相対値(2つのウェルの平均と標準偏差)である。
【図2】本発明の使用化合物、および該化合物とドコサヘキサエン酸の組合せによりTHP-1細胞におけるIL-1β産生が抑制されることを示すグラフである。縦軸の値はコントロールウェルにおけるIL-1β濃度を100としたときの各ウェルにおけるIL-1β濃度の相対値(2つのウェルの平均と標準偏差)であり、横軸に付した数字はサンプルの濃度(μM)である。
【図3】カルコン類及びそれらとドコサヘキサエン酸の組合せによりTHP-1細胞におけるIL-8産生が抑制されることを示すグラフである。縦軸の値は培地中のIL-8濃度(2つのウェルの平均と標準偏差)であり、横軸に付した数字はサンプルの濃度(μM)である。
【図4】カルコン類とドコサヘキサエン酸の組合せによりTHP-1細胞におけるTNF-α産生が抑制されることを示すグラフである。縦軸の値はTNF-α濃度(2つのウェルの平均と標準偏差)であり、横軸に付した数字はサンプルの濃度(μM)である。
【図5】カルコン類及びドコサヘキサエン酸の組合せによりTHP-1細胞におけるTNF-α産生が抑制されることを示すグラフである。縦軸の値はコントロールウェルにおけるTNF-α濃度を100としたときのサンプルウェルにおけるTNF-α濃度の相対値(2つのウェルの平均と標準偏差)であり、横軸に付した数字はサンプルの濃度(μM)である。
【図6】カルコン類とエイコサペンタエン酸(EPA)又はα-リノレン酸の組合せによりTHP-1細胞におけるTNF-α産生が抑制されることを示すグラフである。縦軸の値は培地中のTNF-α濃度(2つのウェルの平均と標準偏差)であり、横軸に付した数字はサンプルの濃度(μM)である。図中でPUFAなしとはエイコサペンタエン酸もα-リノレン酸も添加されていないことを示す。
【図7】カルコン類及びそれらとドコサヘキサエン酸の組合せによりマウスマクロファージRAW264細胞におけるNO産生が抑制されることを示すグラフである。縦軸の値はグリース試薬による発色の吸光度から求めたNOの相対生産量(LPSを加えたコントロールウェルの値を100%とする。各サンプルの各濃度について4ウェルの平均と標準偏差)であり、横軸に付した数字はサンプルの濃度(μM)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルコン又は下記一般式(1)で示される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、動物細胞における炎症性インターロイキン産生抑制剤。
【化1】

(ただし、式1中、R1は水素原子(H)又は分岐状不飽和脂肪族炭化水素基を表し、R、R及びR5はそれぞれ水素(H)又は水酸基を表し、R3は水素原子(H)又はアルコキシ基を表す。)
【請求項2】
一般式(1)で示される化合物が4’−ヒドロキシカルコン、2−ヒドロキシカルコン、キサントフモール、キサントアンゲロールから選ばれたものであることを特徴とする、請求項1に記載の動物細胞における炎症性インターロイキン産生抑制剤。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−120720(P2008−120720A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305591(P2006−305591)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】