説明

炎症性疾患および免疫疾患の処置に有用なアリールフェニルアミノ−およびアリールフェニルエーテル−スルフィド誘導体、およびそれらを含む医薬組成物

本発明は、一部式IおよびIII:
【化1】


の化合物、ならびにそれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグに関する。これらの化合物は、炎症性疾患および免疫疾患のような疾患の処置に有用であり得る。本発明はまたこれらの化合物を含む医薬組成物、および対象における炎症を阻害するまたは免疫応答を抑制する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2004年4月28日出願の米国仮出願番号60/565,838、および2004年10月20日出願の米国仮出願番号60/620,277の利益を請求し、それらの内容は、引用によりその全体を包含する。
【0002】
発明の分野
本発明は、炎症性疾患および免疫疾患の処置に有用な小分子LFA−1アンタゴニス、これらの化合物を含む医薬組成物、これらの化合物の製造法、および哺乳動物において炎症を阻害する、または免疫応答を調節もしくは抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
白血球機能関連抗原−1(本明細書では"LFA−1"と呼び、CD11a/CD18としてもまた既知)は、全白血球上に発現される、ヘテロ二量体細胞表面接着受容体である。LFA−1に対する既知のカウンター−受容体は、細胞内接着分子−1、2、および3(ICAM−1、ICAM−2、およびICAM−3)である。LFA−1/ICAMの機能的相互作用は、多くの炎症性過程としばしば関連する。LFA−1は、炎症反応において二重の役割を果たし得る:それは、T細胞の活性渦中の共刺激分枝として作用でき、そして、白血球の再循環と関連する接着相互作用に関与できる(レビューのために;T. A. Springer et al., Nature 1990, 346, 425-434およびM. Lub et al., Immunology Today 1995, 16, 479-483参照)。
【0004】
活性化T細胞はしばしば免疫応答における重要なメディエーターであり、他の免疫細胞を炎症の部位に引き寄せるサイトカインおよびケモカインの分泌を介して、またはエフェクター機能の獲得を介して機能する。T細胞活性化を導くシグナル伝達事象は、T細胞と抗原提示細胞(APC)の間の接着性相互作用の結果として発生し得る。T細胞は、APCの表面上の抗原/MHC(主要組織適合性複合体)複合体の一部として、それらの独特な同族抗原を認識する、特異的T細胞受容体(TCR)を発現する。TCR相互作用のアビディティーは弱く、LFA−1/ICAM−1によりもたらされるような付加的接着性相互作用が、細胞−細胞接触を安定化させ、そして同時刺激シグナルを提供するために必要であり得る。本接触部位内で、抗原受容体、接着分子および同時刺激分子は、空間時間的方法で協調して、T細胞活性化を達成するために必要な安定な"免疫学的シナプス"(IS)を形成する。Monks et al., Nature 395(6697): 82-86, 1998; S.-Y.Tseng et al., Curr Opin Cell Biol 14(5): 575-580, 2002; M. Krummel et al., Curr Opin Immunol 14(1): 66-74, 2002を参照。LFA−1特異的遮断抗体でのLFA−1/ICAM−1相互作用の阻害は、インビトロで(Calhoun et al., Transplantation 68: 1144, 1999)および多くの炎症の動物モデルによりT細胞活性化を阻害することが既知である。
【0005】
炎症は、典型的に血管透過性の増大ならびに流体および血漿タンパク質の浸出を伴う血管拡張を含む、事象のカスケードの結果である。この血管完全性の破壊は、炎症性細胞の浸潤に先立つか、または同時である。最初の病変の部位で産生された炎症メディエーターは、炎症性細胞を障害部位に動員するために働く。これらのメディエーター(ケモカイン、例えばIL−8、MCP−1、MIP−1、およびRANTES、補体フラグメントおよび脂質メディエーター)は、白血球に対して走化性活性を有し、炎症性細胞の炎症した病変に誘引する。循環している白血球の炎症部位への局在をもたらす、これらの走化性メディエーターは、細胞が正確な場所で血管内皮を横切ることを必要とする。この白血球動員は、細胞接着と呼ばれる過程により達成される。
【0006】
細胞接着は、白血球が最初に血管内皮の特異的領域に接着し、次いで内皮バリアを通過して炎症した組織に遊走させる、協調的に制御された一連の段階を介して起こる(T. A. Springer, Cell, 76: 301-314, 1994; M. B. Lawrence et al., Cell, 65: 859-873, 1991; U. von Adrian et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88: 7538-7542, 1991; およびK. Ley et al., Blood, 77: 2553-2555, 1991)。これらの段階は、インテグリン、Igスーパーファミリーメンバー、およびセレクチンのような接着分子のファミリーが介在し、これらは、循環している白血球の表面上および血管内皮細胞上に発現している。
【0007】
最初に、白血球は、炎症の領域を裏打ちする血管内皮細胞に沿って回転する。本回転工程は、白血球と炎症した内皮の管腔表面の間のセレクチン−炭水化物相互作用またはインテグリン−Igスーパーファミリーメンバー相互作用のいずれかが介在する。セレクチンおよびIgスーパーファミリーメンバーの両方を発現する内皮は、TNF−αおよびインターロイキン−1のような炎症性メディエーターの作用に対する応答が上方制御されている。回転は、循環している白血球の炎症領域中での速度を低下させ、細胞が内皮細胞により強固に接着することを可能にする。この堅固な接着は、回転している白血球の表面上に提示されたインテグリン分子と、内皮細胞の表面上のそれらのカウンター−受容体(Igスーパーファミリー分子)の相互作用により達成される。本Igスーパーファミリー分子または細胞接着分子(CAM)は、正常血管内皮細胞上では発現されないか、または低レベルで発現される。本接着過程は、白血球の回転および血管内皮への堅固な接着を介在するために、血管内皮細胞の表面上のセレクチンおよびCAMの誘発された発現に依存する。接着過程における最終事象は、内皮細胞バリアを通る白血球の管外遊出および炎症の部位への走化性勾配に沿った移動である。
【0008】
内皮細胞上のICAM−1(CD54)と白血球上のインテグリンLFA−1の相互作用は、内皮−白血球接触において重要な役割を果たす。高親和性LFA−1を担持する白血球は、ICAM−1との相互作用を介して内皮細胞に接着し、脈管構造から周囲組織への管外遊出の過程を開始させる。故に、ICAM−1/LFA−1相互作用を遮断する薬剤は、炎症反応におけるこの初期段階を抑制する。この背景と一致して、ICAM−1ノックアウトマウスは、炎症反応において多くの異常を有する。
【0009】
LFA−1の挿入ドメイン(I−ドメイン)に結合する化合物は、内皮細胞−白血球接着を、LFA−1とICAM−1およびICAM−3の相互作用の遮断により中断できる。これらの化合物は、急性および慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、腫瘍転移、同種移植片拒絶反応、および再灌流傷害のような白血球輸送またはT−細胞活性化が役割を有する疾患の処置または予防に有用であり得る。
【発明の開示】
【0010】
本発明は、新規化合物およびこれらの化合物を含む医薬組成物に関する。本発明の化合物は、LFA−1のI−ドメインに結合できる。
【0011】
一つの態様において、本発明の化合物は、シンナミド基で置換された、ジアリールスルフィドまたはアリール−ヘテロアリールスルフィドのような二芳香族性スルフィドである。本シンナミド官能性は、架橋している硫黄原子に対してオルト−またはパラ−位のいずれかに位置し得る。いずれかまたは両方の芳香環の適当な置換を使用して、種々の生化学、物理化学および薬物動力学特性を調節することができる。本シンナミド基は容易に修飾できる;種々の2級および3級アミドを活性にでき、そして、別法としてヘテロ環式環をその位置で結合できる。このシンナミド官能性は物理化学および薬物動力学特性の調節に有用であり得る。
【0012】
一つの態様において、本発明の化合物は、一方のアリールがシンナミド基で、そして、他方のアリールまたはヘテロアリールが2級アミンで置換されたジアリールスルフィドおよびアリール−ヘテロアリールスルフィドである。本発明は、さらにジアリールスルフィドおよびアリール−ヘテロアリールスルフィドの製造法に関する。
【0013】
本発明の化合物は、急性および慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、腫瘍転移、同種移植片拒絶反応、および再灌流傷害のような疾患の処置に使用できる。故に、本発明のある態様は、哺乳動物における、炎症性疾患および免疫疾患を処置する方法、および炎症を阻害するまたは免疫応答を抑制する方法を含む。
【0014】
前記の一般的記載および下記の詳細な記載の両方共例示であり、説明のためだけであり、特許請求の範囲のように本発明の限定ではないことは理解すべきである。
【0015】
詳細な記載
特記されない限り、下記に同定する化学基は、置換されていないおよび置換された基の両方を言及する。
【0016】
本明細書で使用する用語"アルデヒド"は、ラジカル−CHOを意味する。
【0017】
本明細書で使用する用語"アルデヒドヒドラゾン"は、ラジカル−CH=N−NR1213(ここで、R12およびR13は、水素、アルキル、アリール、またはシクロアルキルから独立して選択される)を意味する。
【0018】
本明細書で使用する用語"アルカノイル"は、アルキル基に結合したカルボニル基を意味する。
【0019】
本明細書で使用する用語"アルカノイルアミノ"は、アミノ基に結合したアルカノイル基、例えば、−C(O)−アルキル−アミノ−を意味する。
【0020】
本明細書で使用する用語"アルカノイルアミノアルキル"は、アルキル基に結合したアルカノイルアミノ基、例えば、−C(O)−アルキル−アミノ−アルキル−を意味する。
【0021】
本明細書で使用する用語"アルカノイルオキシ"は、酸素に結合したアルカノイル基、例えば、−C(O)−アルキル−O−を意味する。
【0022】
本明細書で使用する用語"アルカノイルオキシアルキル"は、アルキル基に結合したアルカノイルオキシ基、例えば、−C(O)−アルキル−O−アルキル−を意味する。
【0023】
本明細書で使用する用語"アルケンオキシカルボニル"は、カルボニル基に結合したアルケンオキシ基、例えば、−O−アルケン−C(O)−を意味する。
【0024】
本明細書で使用する用語"アルケニル"は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する2−20個の炭素原子の不飽和直鎖または分枝鎖、例えば2−12個、2−10個、または2−6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖基を意味する。
【0025】
本明細書で使用する用語"アルコキシ"は、酸素に結合したアルキル基を意味する。"アルコキシ"基は、所望によりアルケニル("アルケンオキシ")基またはアルキニル("アルキンオキシ")基を含んでよい。
【0026】
本明細書で使用する用語"アルコキシアルカノイル"は、アルカノイル基に結合したアルコキシ基、例えば、−アルキル−O−C(O)−アルキル−を意味する。
【0027】
本明細書で使用する用語"アルコキシアルコキシ"は、別のアルコキシ基に結合したアルコキシ基、例えば、−O−アルキル−O−アルキル−を意味する。
【0028】
本明細書で使用する用語"アルコキシアルキル"は、アルキル基に結合したアルコキシ基、例えば、−アルキル−O−アルキル−を意味する。
【0029】
本明細書で使用する用語"アルコキシアルキルカルボニル"は、カルボニル基に結合したアルコキシアルキル基、例えば、−アルキル−O−アルキル−C(O)−を意味する。
【0030】
本明細書で使用する用語"アルコキシカルボニル"は、カルボニル基に結合したアルコキシ基、例えば、−C(O)−O−アルキル−を意味する。
【0031】
本明細書で使用する用語"アルコキシカルボニルアルキル"は、アルキル基に結合したアルコキシカルボニル基、例えば、−アルキル−C(O)−O−アルキル−を意味する。
【0032】
本明細書で使用する用語"アルコキシカルボニルアミド"は、アミド基に結合したアルコキシカルボニル基、例えば、−アミド−C(O)−O−アルキル−を意味する。
【0033】
本明細書で使用する用語"アルキル"は、1−20個の炭素原子の飽和直鎖または分枝鎖基、例えば1−12個、1−10個、または1−6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖基を意味する。
【0034】
本明細書で使用する用語"アルキル(アルコキシカルボニルアルキル)アミノ"は、1個のアルキル基および1個のアルコキシカルボニルアルキル基で置換されたアミノ基、例えば、−アルキル−C(O)−O−アルキル−アミノ−アルキル−を意味する。
【0035】
本明細書で使用する用語"アルキルスルホニル"は、スルホニル基に結合したアルキル基を意味する。"アルキルスルホニル"基は、所望によりアルケニル基またはアルキニル基を含んでよい。
【0036】
本明細書で使用する用語"アルキルスルホニルアミド"は、アミド基に結合したアルキルスルホニル基、例えば、−アルキル−SO−アミド−を意味する。
【0037】
本明細書で使用する用語"アルキルチオ"は、硫黄原子に結合したアルキル基を意味する。"アルキルチオ"基は、所望によりアルケニル基またはアルキニル基を含んでよい。
【0038】
本明細書で使用する用語"アルキニル"は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する、2−20個の炭素原子の不飽和直鎖または分枝鎖基、例えば2−12個、2−10個、または2−6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖基を意味する。
【0039】
本明細書で使用する用語"アミド"は、−R16C(O)N(R14)−、−R16C(O)N(R14)R15−、または−C(O)NR1415(ここで、R14およびR15は、各々独立して水素、アルキル、アルカノイル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、カルボキシ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、チオ、およびスルホニルから選択され、そしてR16は水素、アルキル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトン、およびチオから選択される)の形のラジカルを意味する。本アミドは、炭素、窒素、R14、R15、またはR16を介して他の基に結合できる。本アミドはまた環状であってよく、例えばR14とR15、R16とR14、またはR16とR15が一体となって3から12員環、例えば3から10員環を形成してよい。用語"アミド"は、アルカノイルアミノアルキル、アミドアルキル(親分子基にアルキルを介して結合)、アルキルアミド(親分子基にアミドを介して結合)、アリールアミド、アミドアリール、スルホンアミドなどの基を含む。用語"アミド"はまたウレア、カルバメート、およびそれらの環状形態も含む。
【0040】
本明細書で使用する用語"アミドアルコキシ"は、アルコキシ基に結合したアミド基、例えば、−アミド−アルキル−O−を意味する。
【0041】
本明細書で使用する用語"アミノ"は、−NR1718、−N(R17)R18−、または−R18N(R17)R19−(ここで、R17、R18、およびR19は水素、アルキル、アルケニル、アルカノイル、アルコキシ、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、チオ、およびスルホニルから独立して選択される)の形のラジカルを意味する。本アミノは、親分子基に窒素、R17、R18またはR19を介して結合できる。本アミノはまた環状であってよく、例えばR17、R18、およびR19の任意の2個が一体となって、またはNと共に3から12員環、例えば、モルホリノまたはピペリジニルを形成してよい。用語"アミノ"は、アミノアルキル(親分子基にアルキルを介して結合)、アルキルアミノ(親分子基にアミノを介して結合)、アリールアミノ、アミノアリール、スルホンアミノなどの基を含む。用語アミノはまた、任意のアミノ基の対応する4級アンモニウム塩、例えば、−[N(R17)(R18)(R19)]を含む。
【0042】
本明細書で使用する用語"アミノアルカノイル"は、アルカノイル基に結合したアミノ基、例えば、−C(O)−アルキル−アミノ−を意味する。
【0043】
本明細書で使用する用語"アミノアルコキシ"は、アルコキシ基に結合したアミノ基、例えば、−O−アルキル−アミノ−を意味する。
【0044】
本明細書で使用する用語"アミノカルボニル"は、カルボニル基に結合したアミノ基を意味する。
【0045】
本明細書で使用する用語"アミノスルホニル"は、スルホニル基に結合したアミノ基を意味する。
【0046】
本明細書で使用する用語"アリール"は、単、二、または他の多炭素環式、芳香環系を意味する。本アリール基は、所望により、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリルから選択される1個以上の環に縮合していてよい。本発明のアリール基は、所望により、アルキル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミノ、アミド、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、およびチオから選択される基で置換されていてよい。
【0047】
本明細書で使用する用語"アリールアルカノイル"は、アルカノイル基に結合したアリール基、例えば、−C(O)−アルキル−アリール−または−アルキル−C(O)−アリール−を意味する。
【0048】
本明細書で使用する用語"アリールアルコキシ"は、アルコキシ基に結合したアリール基、例えば、−O−アルキル−アリール−または−アリール−O−アルキル−を意味する。
【0049】
本明細書で使用する用語"アリールアルコキシカルボニル"は、カルボニル基に結合したアリールアルコキシ基を意味する。
【0050】
本明細書で使用する用語"アリールアルキル"は、アルキル基に結合したアリール基を意味する。
【0051】
本明細書で使用する用語"アリールアルキルアミド"は、アミド基に結合したアリールアルキル基、例えば、−アルキル−アリール−アミド−または−アリール−アルキル−アミド−を意味する。
【0052】
本明細書で使用する用語"アリールアルキルスルホニル"は、スルホニル基に結合したアリールアルキル基、例えば、−アルキル−アリール−スルホニル−または−アリール−アルキル−スルホニル−を意味する。
【0053】
本明細書で使用する用語"アリールカルボキシ"は、カルボキシ基に結合したアリール基、例えば、−アリール−COOHまたは−アリール−COONaのような塩を意味する。
【0054】
本明細書で使用する用語"アリールカルボキシアミド"は、アミド基に結合したアリールカルボキシ基、例えば、−アミド−アリール−COOHまたは−アミド−アリール−COONaのような塩を意味する。
【0055】
本明細書で使用する用語"アリールオキシ"は、酸素原子に結合したアリール基を意味する。
【0056】
本明細書で使用する用語"アリールオキシカルボニル"は、カルボニル基に結合したアリールオキシ基、例えば、−C(O)−O−アリール−または−O−アリール−C(O)−を意味する。
【0057】
本明細書で使用する用語"アリールスルホニル"は、スルホニル基に結合したアリール基、例えば、−S(O)−アリール−を意味する。
【0058】
本明細書で使用する用語"アリールスルホニルアミド"は、アミド基に結合したアリールスルホニル基、例えば、−アミド−S(O)−アリール−を意味する。
【0059】
本明細書で使用する用語"カルボニル"は、ラジカル−C(O)−を意味する。
【0060】
本明細書で使用する用語"カルボニル含有基"は、ラジカル−C(O)−を含む全ての基を意味する。
【0061】
本明細書で使用する用語"カルボキシ"は、ラジカル−COOHを意味する。用語"カルボキシ"はまた−COONaなどのような塩を含む。
【0062】
本明細書で使用する用語"カルボキシアルコキシ"は、カルボキシ基に結合したアルコキシ基、例えば、−O−アルキル−COOHまたは−O−アルキル−COONaなどのような塩を意味する。
【0063】
本明細書で使用する用語"カルボキシアルキル"は、アルキル基に結合したカルボキシ基、例えば、−アルキル−COOHまたは−アルキル−COONaなどのような塩を意味する。"カルボキシルアルキル"は、所望によりアルケニル基またはアルキニル基を含んでよい。
【0064】
本明細書で使用する用語"カルボキシアルキルカルボニル"は、カルボニル基に結合したカルボキシアルキル基、例えば、−C(O)−アルキル−COOHまたは−C(O)−アルキル−COONaなどのような塩を意味する。
【0065】
本明細書で使用する用語"カルボキシアルキルシクロアルキル"は、シクロアルキル基に結合したカルボキシアルキル基、例えば、−シクロアルキル−アルキル−COOHまたは−シクロアルキル−アルキル−COONaなどのような塩を意味する。
【0066】
本明細書で使用する用語"カルボキシアミド"は、カルボキシ基に結合したアミド基、例えば、−アミド−COOHまたは−アミド−COONaなどのような塩を意味する。
【0067】
本明細書で使用する用語"カルボキシアミノ"は、カルボキシ基に結合したアミノ基、例えば、−アミノ−COOHまたは−アミノ−COONaなどのような塩を意味する。
【0068】
本明細書で使用する用語"カルボキシアミノカルボニル"は、カルボニル基に結合したカルボキシアミノ基、例えば、−C(O)−アミノ−COOHまたは−C(O)−アミノ−COONaなどのような塩を意味する。
【0069】
本明細書で使用する用語"カルボキシカルボニル"は、カルボニル基に結合したカルボキシ基、例えば、−C(O)−COOHまたは−C(O)−COONaなどのような塩を意味する。
【0070】
本明細書で使用する用語"カルボキシシクロアルコキシ"は、カルボキシ基に結合したシクロアルコキシ基、例えば、−O−シクロアルキル−COOHまたは−C(O)−シクロアルキル−COONaなどのような塩を意味する。
【0071】
本明細書で使用する用語"カルボキシシクロアルキル"は、カルボキシ基に結合したシクロアルキル基、例えば、−シクロアルキル−COOHまたは−シクロアルキル−COONaなどのような塩を意味する。
【0072】
本明細書で使用する用語"カルボキシシクロアルキルアルキル"は、アルキル基に結合したカルボキシシクロアルキル基、例えば、−アルキル−シクロアルキル−COOHまたは−アルキル−シクロアルキル−COONaなどのような塩を意味する。
【0073】
本明細書で使用する用語"カルボキシチオアルコキシ"は、カルボキシ基に結合したチオアルコキシ基、例えば、−S−アルキル−COOHまたは−S−アルキル−COONaなどのような塩を意味する。
【0074】
本明細書で使用する用語"シアノ"は、ラジカル−CNを意味する。
【0075】
本明細書で使用する用語"シクロアルコキシ"は、酸素に結合したシクロアルキル基、例えば、−O−シクロアルキル−を意味する。
【0076】
本明細書で使用する用語"シクロアルキル"は、シクロアルカン、例えば、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、およびシクロペンテンから、1個の水素原子の除去により誘導された3−12個の炭素の一価飽和または不飽和環状、二環式、または架橋二環式炭化水素基を意味する。シクロアルキル基は、所望によりアルキル、アルキルチオ、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アミノチオカルボニル、アリール、アリールカルボニル、アリールチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、およびチオールで置換されていてよい。シクロアルキル基は、所望により親分子基にその置換基のいずれかを介して結合していてよい。シクロアルキル基は、所望により他のシクロアルキル、アリール、またはヘテロシクリル基に縮合していてよい。
【0077】
本明細書で使用する用語"シクロアルキルアルキル"は、アルキル基に結合したシクロアルキル基、例えば、−アルキル−シクロアルキル−を意味する。
【0078】
用語"エステル"は、−C(O)O−、−C(O)O−R20−、−R21C(O)O−R20−、または−R21C(O)O−(ここで、Oは水素に結合しておらず、そしてR20およびR21は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ケトン、およびチオであり得る)の構造式を有するラジカルを意味する。R21は水素であり得るが、R20は水素ではあり得ない。本エステルは環状であってよく、例えば炭素原子とR20、酸素原子とR21、またはR20とR21が一体となって3から12員環を形成し得る。エステルの例は、アルコキシアルカノイル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキルなどを含む。エステルはまたカルボン酸無水物および酸ハライドを含む。
【0079】
用語"エーテル"は、−R22O−R23−(ここで、R22およびR23は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり得る)の構造式を有するラジカルを意味する。本エーテルは、親分子基にR22またはR23を介して結合し得る。エーテルの例は、アルコキシアルキルおよびアルコキシアリール基を含む。エーテルはまた、例えば、R22およびR23の一方または両方がエーテルポリエーテルも含む。
【0080】
本明細書で使用する用語"ハロ"または"ハロゲン"は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0081】
本明細書で使用する用語"ハロアルキル"は、1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。"ハロアルキル"は、所望によりアルケニル基またはアルキニル基を含んでよい。
【0082】
本明細書で使用する用語"ヘテロアリール"は、1個、2個または3個の窒素、酸素、および硫黄のようなヘテロ原子を含む、単、二、または多環状、芳香環系を意味する。ヘテロアリールは、所望により、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルデヒド、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、およびチオを含む1個以上の置換基で置換されていてよい。ヘテロアリールはまた非芳香環に縮合してよい。
【0083】
本明細書で使用する用語"ヘテロ環"、"ヘテロシクリル"または"ヘテロ環式"は、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和3−、4−、5−、6−または7−員環を意味する。ヘテロ環は、芳香族性(ヘテロアリール)または非芳香族性であり得る。ヘテロ環は、所望により、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルデヒド、アルキルチオ、アルカノイル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アミノ、アミノチオカルボニル、アリール、アリールカルボニル、アリールチオ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、シクロアルキルカルボニル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシ、ケトン、オキソ、ニトロ、スルホネート、スルホニル、およびチオールを含む1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0084】
ヘテロ環はまた上記のヘテロ環式環のいずれか1個が、アリール、シクロアルキル、およびヘテロ環から独立して選択される1個または2個の環に縮合している二環式、三環式、および四環式基も含む。ヘテロ環の例は、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ビオチニル、シンノリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジチアゾリル、フリル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリジニル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリジン−2−オニル、ピロリニル、ピロリル、キノリニル、キノキサロイル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル、チオピラニル、およびトリアゾリルを含む。
【0085】
ヘテロ環はまた、
【化1】

のような、単環式ヘテロ環式基がアルキレン基により架橋され得る、架橋二環式基も含む。
【0086】
ヘテロ環はまた式
【化2】

(式中、XおよびZは−CH−、−CHNH−、−CHO−、−NH−および−O−から独立して選択される。ただし、XおよびZの少なくとも一方が−CH−ではなく、そしてYは−C(O)−および−(C(R"))−から選択され、ここでR"は水素または1個から4個の炭素のアルキルであり、そしてvは1−3である)の化合物も含む。これらのヘテロ環は、1,3−ベンゾジオキソリル、1,4−ベンゾジオキサニル、および1,3−ベンズイミダゾル−2−オンを含む。
【0087】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルアルキル"は、アルキル基に結合したヘテロ環式基を意味する。"ヘテロシクリルアルキル"は、所望によりアルケニル基またはアルキニル基を含んでよい。
【0088】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルアルキルカルボニル"は、カルボニルに結合したヘテロシクリルアルキル基、例えば、−C(O)−アルキル−ヘテロシクリル−または−アルキル−ヘテロシクリル−C(O)−を意味する。
【0089】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルアルキルスルホニル"は、スルホニルに結合したヘテロシクリルアルキル基、例えば、−SO−アルキル−ヘテロシクリル−または−アルキル−ヘテロシクリル−SO−を意味する。
【0090】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルアミド"は、アミド基に結合したヘテロシクリル基を意味する。
【0091】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルアミノ"は、アミノ基に結合したヘテロシクリル基を意味する。
【0092】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルカルボニル"は、カルボニル基に結合したヘテロシクリル基を意味する。
【0093】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルスルホニル"は、−SO−基に結合したヘテロシクリル基を意味する。
【0094】
本明細書で使用する用語"ヘテロシクリルスルホニルアミド"は、アミド基に結合したヘテロシクリルスルホニル基を意味する。
【0095】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシル"は、ラジカル−OHを意味する。
【0096】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシアルカノイル"は、アルカノイル基に結合したヒドロキシラジカル、例えば、−C(O)−アルキル−OHを意味する。
【0097】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシアルコキシ"は、アルコキシ基に結合したヒドロキシラジカル、例えば、−O−アルキル−OHを意味する。
【0098】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシアルコキシアルキル"は、アルキル基に結合したヒドロキシアルコキシ基、例えば、−アルキル−O−アルキル−OHを意味する。
【0099】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシアルキル"は、アルキル基に結合したヒドロキシラジカルを意味する。
【0100】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシアルキルアミド"は、アミド基に結合したヒドロキシアルキル基、例えば、−アミド−アルキル−OHを意味する。
【0101】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシアミドは、ヒドロキシラジカルに結合したアミド基を意味する。
【0102】
本明細書で使用する用語"ヒドロキシアミノ"は、ヒドロキシラジカルに結合したアミノ基を意味する。
【0103】
用語"ケトン"は、−R24−C(O)−R25−の構造式を有するラジカルを意味する。本ケトンは、R24またはR25を介して他の基に結合できる。R24またはR25はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはアリールであってよく、またはR24またはR25は一体となって3から12員環を形成してよい。ケトンの例は、アルカノイルアルキル、アルキルアルカノイルなどを含む。
【0104】
本明細書で使用する用語"ニトロ"は、ラジカル−NOを意味する。
【0105】
本明細書で使用する用語"オキソ"は、他の原子への二重結合を有する酸素原子を意味する。例えば、カルボニルは、オキソ基を伴う炭素原子とである。
【0106】
本明細書で使用する用語"ペルフルオロアルキル"は、水素原子の全てがフッ素原子で置換されているアルキル基を意味する。
【0107】
本明細書で使用する用語"フェニル"は、1個の芳香環を有する単環式炭素環式環系を意味する。本フェニル基はまたシクロヘキサンまたはシクロペンタン環と縮合できる。本発明のフェニル基は、所望によりアルキル、アルケニル、アルキニル、アルデヒド、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、およびチオを含む1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0108】
本明細書で使用する用語"スルホンアミド"または"スルホンアミド"は、−(R27)−N−S(O)−R28−または−R26(R27)−N−S(O)−R28(ここで、R26、R27、およびR28は、例えば、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリルであり得る)の構造式を有するラジカルを意味する。スルホンアミドの例は、アルキルスルホンアミド(例えば、R28がアルキルである)、アリールスルホンアミド(例えば、R28がアリールである)、シクロアルキルスルホンアミド(例えば、R28がシクロアルキルである)、ヘテロシクリルスルホンアミド(例えば、R28がヘテロシクリルである)などを含む。
【0109】
本明細書で使用する用語"スルホネート"は、ラジカル−SOHを意味する。スルホネートはまたSONaなどの塩を含む。
【0110】
本明細書で使用する用語"スルホニル"は、R29SO−(式中、R29はアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、アミド、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリル、例えば、アルキルスルホニルであり得る)の構造式を有するラジカルを意味する。
【0111】
本明細書で使用する用語"スルホニルアルキルアミド"は、スルホニル基に結合したアルキルアミド基、例えば−アミド−アルキル−SO−を意味する。
【0112】
本明細書で使用する用語"スルホニルアルキルスルホニル"は、スルホニル基に結合したアルキルスルホニル基、例えば、−SO−アルキル−SO−を意味する。
【0113】
本明細書で使用する用語"チオ"は、R30S−(ここで、R30は水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、およびアミドであり得る)の構造式を有するラジカル、例えば、アルキルチオ、アリールチオ、チオールなどを意味する。"チオ"はまた、酸素が硫黄で置換されたラジカルも意味し得て、例えば、−N−C(S)−はチオアミドまたはアミノチオカルボニルであり、アルキル−S−はチオアルコキシ(アルキルチオと同義)である。
【0114】
まとめて"飽和および不飽和炭化水素"と呼ぶ"アルキル"、"アルケニル"、および"アルキニル"基は、所望により、アルデヒド、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、チオ、O、S、およびNから選択される少なくとも1個の基で置換されているか、中断されていてよい。
【0115】
本明細書で使用する用語"薬学的に許容されるプロドラッグ"は、論理的な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下等動物の組織に、過度の毒性、刺激、アレルギー反応がなく、釣り合った利益/危険比で、接触させて使用するのに適し、それらの意図する使用に有効である本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに、可能であれば、本発明の化合物の双性イオン形を意味する。
【0116】
本明細書で使用する用語"プロドラッグ"は、インビボで、例えば、血中の加水分解により、急速にここにlk委細の式の親化合物に変換する化合物を意味する。T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the ACS Symposium Series、およびEdward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に開示されており、これらの両方とも本明細書に引用により包含する。
【0117】
本発明の化合物は、不斉中心または立体中心が存在するとき、立体異性体として存在できる。これらの化合物は、不斉炭素原子の周りの置換基の立体配置に依存して"R"または"S"の記号により示される。本発明は、これらの化合物の種々の立体異性体およびそれらの混合物を包含する。立体異性体は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む。エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物は"(±)"で示す。本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉中心または立体中心を含む市販の出発物質から、または、ラセミ混合物の製造と、続く当業者に既知の分割により製造できる。これらの分割法は(1)エナンチオマー混合物のキラル補助基への結合、得られたジアステレオマー混合物の再結晶またはクロマトグラフィーによる分離、そして補助基からの光学的に純粋な生成物の遊離、(2)光学的活性な分割剤を用いた塩の形成、または(3)キラルクロマトグラフィーカラムでの光学的エナンチオマー混合物の直接分割により例示される。
【0118】
幾何異性体もまた本発明の化合物に存在し得る。本発明は、炭素−炭素二重結合の周りの置換基の配置または炭素環式環の周りの置換基の配置に由来する様々な幾何異性体およびそれらの混合物を包含する。炭素−炭素二重結合の周りの置換基は、"Z"または"E"立体配置であるとして示され、ここで、用語"Z"および"E"はIUPAC標準に従い使用する。炭素−炭素二重結合の周りの置換基は、別法として"cis"または"trans"とであるとしても示すことができ、ここで、"cis"は二重結合の同側の置換基を意味し、そして"trans"は二重結合の逆側の置換基を意味する。炭素環式環の周りの置換基の配置は、"cis"または"trans"であるとして示される。用語"cis"は、環の平面の同じ面上の置換基を意味し、そして用語"trans"は、環の平面の逆の面上の置換基を意味する。置換基が環の平面の同じ面および逆の面の両方に配置された化合物の混合物は、"cis/trans"と示す。
【0119】
本発明の一つの態様は、式I:
【化3】

〔式中、
、R、R、R、およびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択されるか、
または、R、R、R、R、R、およびRは独立してアミノチオカルボニルであってよく、
は非置換アルキル、非置換飽和シクロアルキル、非置換カルボキシアルキル、および非置換ヘテロシクリルアルキルから選択されるか、
または、Rは非置換飽和カルボキシシクロアルキルであってよく、
ここで、該非置換飽和シクロアルキル、非置換飽和カルボキシシクロアルキル、非置換カルボキシアルキル、および非置換ヘテロシクリルアルキルは、式IのNHに該アルキル基を介して結合している。
ただし、該ヘテロシクリルアルキルは
【化4】

ではなく、
およびRの少なくとも一方が

【化5】

(式中、RおよびRは各々独立して水素、アルデヒド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択され、
ここで、R10およびR11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択され、
10およびR11は、独立してアルカノイルであってもよく、または
10およびR11がNと一体となって、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基に結合したヘテロシクリル基を形成する)
として定義されるcis−シンナミドまたはtrans−シンナミドであり、そして
がシンナミドであるとき、RとR、およびRとRが一体となって5から7員シクロアルキルまたはヘテロシクリル環を形成でき、そしてRがシンナミドであるとき、RとR、RとR、およびRとRが一体となって5から7員環を形成でき、
Arは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリールである。〕
の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを提供する。
【0120】
一つの態様において、Rが:
− C1−6非置換アルキル、例えばメチル、エチル、およびプロピル;
− C2−7非置換カルボキシアルキル、例えば−CH(CH)−CH−CH−C(O)−OH;
− C3−7非置換飽和シクロアルキル、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびビシクロ[2.2.1]ヘプチル;
− ヘテロアリール、例えばイミダゾリル(C−C)アルキルおよびピリジル(C−C)アルキル;
および
− アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ビオチニル、シンノリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジチアゾリル、フリル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリジニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリジン−2−オニル、ピロリニル、ピロリル、キノリニル、キノキサロイル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル、トリアゾリル、架橋二環式基単環式ヘテロ環式基がアルキレン基により架橋している架橋二環式基、および式
【化6】

(式中、XおよびZは−CH−、−CHNH−、−CHO−、−NH−および−O−から独立して選択される。ただし、XおよびZの少なくとも一方は−CH−ではなく、そしてYは−C(O)−および−(C(R"))−から選択され、ここで、R"は水素または1個から4個の炭素のアルキルであり、そしてvは1−3である)の化合物から選択されるヘテロ環
から選択される。
【0121】
一つの態様において、RがC3−8非置換飽和シクロアルキルから選択される。別の態様において、Rがシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびビシクロ[2.2.1]ヘプチル、およびシクロオクチルから選択される。
【0122】
一つの態様において、Rが非置換ヘテロアリールから選択される。別の態様において、Rがイミダゾリル(C−C)アルキル、テトラヒドロピラニル(C−C)アルキル、ピペリジニル(C−C)アルキルおよびピリジル(C−C)アルキルから選択される。
【0123】
一つの態様において、R−Rのいずれかが下記から選択される:
− アルコキシアルキル、アリールアルキル、カルボキシアルキル、カルボキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、およびヒドロキシアルキルから選択され得るアルキル;
− アルカノイルオキシ、アミノアルカノイル、アリールアルカノイル、およびヒドロキシアルカノイルから選択され得るアルカノイル;
− カルボキシアルケニルであり得るアルケニル;
− アルコキシアルコキシ、アミドアルコキシ、アミノアルコキシ、カルボキシアルコキシ、カルボキシシクロアルコキシ、およびヒドロキシアルコキシから選択され得るアルコキシ;
− アルデヒドヒドラゾンであり得るアルデヒド;
− アルキルアミド、アルキルスルホニルアミド、アルコキシカルボニルアミド、アミノカルボニル、アリールカルボキシアミド、アリールスルホニルアミド、カルボキシアミド、カルボキシアミノカルボニル、およびヘテロシクリルアミド、ヘテロシクリルスルホニルアミド、ヒドロキシアミド、スルホニルアルキルアミドから選択され得るアミド;
− カルボキシアミノ、ヘテロシクリルアミノ、ヒドロキシアミノから選択され得るアミノ;
− アリールアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルケンオキシカルボニル、アルコキシカルボニル、カルボキシカルボニル、カルボキシアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニルから選択され得るカルボニル含有基;
− アルカノイルオキシアルキルから選択され得るエステル;
− トリフルオロメチルであり得るペルフルオロアルキル;
− アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルアルキルスルホニル、およびスルホニルアルキルスルホニルから選択され得るスルホニル;および
− アルキルチオ、チオアミド、およびカルボキシチオアルコキシから選択され得るチオ。
【0124】
一つの態様において、RおよびRが水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から選択される。
【0125】
別の態様において、RおよびRが水素、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、およびニトロから選択される。
【0126】
本発明の他の態様は、式I:
【化7】

〔式中、
、R、R、R、およびRは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アミノチオカルボニル、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択され、
は非置換アルキル、非置換飽和シクロアルキル、非置換飽和カルボキシシクロアルキル、非置換カルボキシアルキル、および非置換ヘテロシクリルアルキルから選択され、
ここで、該非置換飽和シクロアルキル、非置換飽和カルボキシシクロアルキル、非置換カルボキシアルキル、および非置換ヘテロシクリルアルキルは、式IのNHに該アルキル基を介して結合しいる。
ただし、該ヘテロシクリルアルキルは
【化8】

ではなく、
およびRの少なくとも一方が下記:
(A)式IVの置換基:
【化9】

(式中、D、B、YおよびZは各々独立して−CR31=、−CR3233−、−C(O)−、−O−、−SO−、−S−、−N=、および−NR34−から成る群から選択され;
nは0から3の整数であり;そして
31、R32、R33およびR34は各々独立して水素、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、ジアルキルアミノカルボニルアルキルおよびカルボキシアルキルから成る群から選択される);および
(B)
【化10】

(式中、R35およびR36は各々独立して水素、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキルおよびカルボキシアルキルから成る群から選択され、そして
37およびR38は各々独立して水素、アルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキルおよびジアルキルアミノカルボニルアルキルから成る群から選択される)
として定義されるcis−シクロプロパン酸、trans−シクロプロパン酸、cis−シクロプロパンアミドおよびtrans−シクロプロパンアミドから選択されるシクロプロピル誘導体
から選択され、そして
10およびR11は各々独立して水素、アルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択されるか、または
10およびR11がNと一体となって、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基に結合したヘテロシクリル基を形成し、そして
がシンナミドであるとき、RおよびR、および/またはRとRが一体となって5から7員シクロアルキルまたはヘテロシクリル環を形成でき、そしてRがシンナミドであるとき、RとR、RとR、および/またはRとRが一体となって5から7員環を形成でき、
Arが水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリールから選択される。〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを提供する。
【0127】
本発明の他の態様は、式I:
【化11】

〔式中、
、R、R、R、R、およびRは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アミノチオカルボニル、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される。
ただし、RおよびRの少なくとも一方が:
【化12】

(式中、RおよびRは各々独立して水素、アルデヒド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択され、
10およびR11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択され、
10およびR11は独立してアルカノイルであってよく、または
10およびR11がNと一体となって、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基に結合したヘテロシクリル基を形成する)
から選択され、
Arは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリールから選択され、
が式VIの置換基であるとき、RとR、およびRとRが一体となって5から7員シクロアルキルまたはヘテロシクリル環を形成でき、そしてRが式VIの置換基であるとき、RとR、RとR、およびRとRが一体となって5から7員環を形成できる。〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを提供する。
【0128】
本発明の他の態様は、式I:
【化13】

〔式中、
、R、R、R、R、およびRは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アミノチオカルボニル、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される。
ただし、RおよびRの少なくとも一方が式VIIのケイ皮酸:
【化14】

(式中、RおよびRは各々独立して水素、アルデヒド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択される)
から選択され、
10およびR11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択され、
10およびR11は独立してアルカノイルであってよく、または
10およびR11がNと一体となって、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基に結合したヘテロシクリル基を形成し、
Arは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリールから選択され、
が式VIIの置換基であるとき、RとR、およびRとRが一体となって5から7員シクロアルキルまたはヘテロシクリル環を形成でき、そしてRが式VIIの置換基であるとき、RとR、RとR、およびRとRが一体となって5から7員環を形成できる。〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを提供する。
【0129】
本発明の他の態様は、式III:
【化15】

〔式中、
、R、R、R、およびRは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択されるか、
または、R、R、R、R、R、およびRは独立してアミノチオカルボニルであってよく、
はカルボキシシクロアルキルである。
ただし、RおよびRの少なくとも一方が
【化16】

として定義されるcis−シンナミドまたはtrans−シンナミドであるか、または、RおよびRの少なくとも一方が(A)式IVの置換基、および(B)上記で定義のcis−シクロプロパン酸、trans−シクロプロパン酸、cis−シクロプロパンアミドおよびtrans−シクロプロパンアミドから選択されるシクロプロピル誘導体から選択されるか、
または、RおよびRの少なくとも一方が上記で定義の式VIの置換基から選択されるか、
または、RおよびRの少なくとも一方が上記で定義の式VIIの置換基から選択され、
およびRは、各々独立して水素、アルデヒド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、および他のカルボニル含有基から選択され、
10およびR11は、各々独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、および他のカルボニル含有基から選択され、
10およびR11は、独立してアルカノイルであってよく、または
10およびR11がNと一体となって、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基に結合したヘテロシクリル基を形成しそして、
Arは水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリールから選択される。〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを提供する。
【0130】
一つの態様において、本カルボキシシクロアルキルは、C1−6アルキルを有する。別の態様において、本カルボキシシクロアルキルのシクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルから選択される。さらに別の態様において、Rはカルボキシシクロヘキシルである。
【0131】
化合物の製造
本発明の化合物の製造は、下記スキームおよび反応により例示できる。
【0132】
一つの態様において、式IIの化合物の合成は、下記に図示する通り、種々の構成要素A−Gが合わさったものと見なすことができる:
【化17】

【0133】
当業者は、構成要素A−Gが任意の順番で集合できることを認識するであろう。構成要素Bは、例えば、NHまたはOであり得る。構成要素FおよびGは、例えば、スキーム1に示す通り、アクリルアミドbを得るために、保護されたアクリル酸aを−NR1011含有試薬で活性化することにより製造できる。
【化18】

スキーム1はアクリルアミドbのtrans形態しか記載していないが、当業者は、記載のスキームの全てで、cisまたはtrans形態を製造できることを認識しよう。
【0134】
構成要素Eは、bの官能化末端のシンナミドcへの続く変換により製造できる。アリール基を、bと反応させる前または後に置換基R、R、R、R、およびLのいずれか一つで置換できる。L基の例は、フリル、水素、トリフラート、およびハロゲンである(例えば、有機金属カップリング反応)。L基の例は、ヒドロキシ、スルホネートエステル、ハロゲン、およびアリールスルフィドを含む。
【0135】
逆に、アリール基(またはアリールジスルフィド)を、スキーム2に示す通り、dにおけるようにアクリル酸で官能化し、続いて反応させてシンナミドeを形成できる。
【化19】

【0136】
当業者は、構成要素Fを構成要素Eと同時に、例えば、ベンズアルデヒドと他のカルボニル含有分子の縮合により、形成できることを認識しよう(例えば、アルドールまたはクネーベナーゲルタイプの縮合)。
【0137】
構成要素CおよびD、アリールまたはヘテロアリールスルフィドは、アリール基に、アリール基とチオールまたはチオラートを反応させることにより結合できる。アリールスルフィド形成反応の例は、WO00/59880、71−90頁に開示され、その内容は引用により本明細書にその全体を包含する。あるいは、下記スキーム3に示す通り、フェノールのようなアリール基を、スルホン酸またはスルホネート含有種と反応させ、対応するアリールスルホン酸エステルを産生できる。
【化20】

はヒドロキシ基、または−SO−L単位を含む試薬と反応できる任意の基であり得る。−SO−L単位を含む試薬の例は、トリフルオロメタンスルホン酸を含む。Lはケイ皮酸またはcisもしくはtransシンナミドまたはケイ皮酸もしくはシンナミドの任意の前駆体であり得る。
【0138】
スキーム3のスルホン酸エステルgを、アリール基に、例えば、置換または非置換アリールチオール、またはgと反応できる任意の他の試薬との反応により結合できる。スキーム3は3−アミノフェニルスルファニル単位、hを産生するための、スルホン酸エステルgと3−アミノチオフェノールの反応を説明する。
【0139】
一つの態様において、Rは、NH−誘導体、h(例えば、スキーム3により製造)とR含有試薬、またはR前駆体との反応により結合できる。例えば、Rは、hとR含有ハライド、カルボニルハライド、オキソまたはケトン、アルデヒド、スルホニルハライド(例えばR含有スルホニルクロライド)、イソシアネート、イソチオシアネート、ハロホルメート(例えばクロロホルメート)、エステル、ヒドロキシまたはアルコール、カルボン酸、および無水物との反応により結合できる。
【0140】
一つの態様において、誘導体h上のNH基を保護基Pで保護して、保護されたアミンNHPを形成できる。本NHP誘導体を、次いで、R含有試薬または前駆体と反応させて、NRP誘導体を形成し、続いて脱保護してNHR誘導体を形成できる。
【0141】
一つの態様において、hをR含有試薬と反応できる他の出発物質に変えることができる。
【0142】
一つの態様において、ジアリールスルフィドの形成前に、Rを構成要素Bに結合できる。例えば、試薬g(例えば、スキーム3により製造)をR−N(H)−チオフェノールと反応させ得る。
【0143】
ピリミジン誘導体(式IIの構成要素F)の合成をスキーム4に示す。Lは上記の通りである。メチルケトンiとジエチルカーボネートの塩基触媒下の反応は、ベータ−ケトエステルjに至る。jとホルムアミジンの縮合は4−ヒドロキシピリミジンkを提供し、それを4−クロロピリミジンlに変換できる。次いで、lのクロライドのアミンによる除去により、ピリミジンmを得る。
【化21】

【0144】
4,6−二置換ピリミジンmへの別経路をスキーム5に説明する。nのn−BuLi/ZnClでの金属交換反応、続く4,6−ジヨードピリミジンとのPd触媒クロスカップリングにより、ヨードピリミジンoに至る。oと選択したアミンとの反応により、ピリミジンmを得る。
【化22】

【0145】
ピリジン誘導体(式IIの構成要素F)は、スキーム6に示す通りに達成できる。適切に置換された1−ブロモ−4−フルオロベンゼンpと4−ピリジンボロン酸のパラジウム触媒クロスカップリングによりピリジンqを得る。qの酸化により、ピリジニウムオキシドrを得る。rのアリールチオールでのフッ素置換により、ジアリールスルフィドを得る。sのPOClでの処理により2−クロロピリジンtに至る。最後に、tと選択したアミンの反応により、2−アミノピリジンuを得る。
【化23】

【0146】
シクロプロピル誘導体(式IIの構成要素F)は、スキーム7に示す工程により得ることができ、ここで、Lは上記の通りである。アルデヒドvを酢酸等価体(acetate equivalent)と塩基性条件下で処理し、エステルwを得る。wとトリメチルスルフォキソニウムアイオダイドの塩基(例えば、NaH)存在下での反応、続く中間体エステルの加水分解(例えば、NaOHのアルコール溶液使用)により、シクロプロパン酸xを得る。xのアミンでの処理により、シクロプロパンアミドyを得る。
【化24】

【0147】
シクロプロピル誘導体はまたハロ−またはトリフルオロスルホニル−置換ジアリールスルフィドと適切に置換されたアルケンのパラジウム介在カップリングにより製造できる。カップリングは、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、Pd(dba)などを使用して達成できる。次いで、シクロプロパン化(例えば、エチルジアゾアセテートおよびロジウム触媒使用)によりジアリールスルフィドシクロプロパン誘導体を得る。置換シクロプロパンとハロ−またはトリフルオロスルホニル置換ジアリールスルフィドの直接カップリングもまたジアリールスルフィドシクロプロパン誘導体を提供する。
【0148】
シクロプロピル、ピリジン、およびピリミジン誘導体を下記表1に示す。
【化25】

【0149】
他の置換も、公開番号WO00/39081、WO00/59880、WO02/02522、およびWO02/02539の教示に従い行うことができ、これらの開示は引用により本明細書に包含させる。
【0150】
式IVの基の非限定的例は、
【化26】

(式中、R10およびR11は上記で定義の通りである)
を含む。
【0151】
医薬組成物
本発明はまた、1個以上の薬学的に許容される担体と製剤された、本発明の化合物を含む医薬組成物も提供する。本医薬組成物は、特に局所投与用に製剤され得る。あるいは、本医薬組成物は、固体または液体形態で経口投与用に、非経腸注射用に、直腸投与用に、または膣内投与のために製剤し得る。本医薬組成物は、血漿および無定形形態の活性成分を包含し得る。
【0152】
本明細書で使用する句"薬学的に許容される担体"は、医薬投与と適合できる、任意のかつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを意味する。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当分野で既知である。本組成物は、また補足的、追加的、または強化的治療機能を提供する、他の活性化合物も含み得る。本医薬組成物はまた容器、包装またはディスペンサー中に、投与の指示書と共に含まれ得る。
【0153】
本発明の医薬組成物は、ヒトおよび他の動物に経口で、直腸に、非経腸的に、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(粉末、軟膏、または滴剤として)、頬側に、または経口もしくは経鼻スプレーとして投与できる。本組成物はまた吸入により肺を通って投与できる。本明細書で使用する用語"非経腸投与"は、静脈内、筋肉内、腹腔内、大槽内皮下および関節内注射および輸液を含む、投与の形態を意味する。
【0154】
非経腸注射用の本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される水性または非水性溶液、分散、懸濁液またはエマルジョンならびに滅菌注射用溶液または分散に使用直前に再構成するための滅菌粉末を含む。適当な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または媒体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコール)、および適当なそれらの混合物、植物油(例えばオリーブ油)、ならびに、オレイン酸エチルのような注射可能有機エステルを含む。適当な流動性が、例えば、レシチンのような適当なコーティング物質の使用により、分散の場合必要な粒子サイズの維持により、および、界面活性剤の使用により維持できる。
【0155】
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤のようなアジュバントも含み得る。それらはまたタガントまたは他の偽造対策のための試薬も含んでよく、それらは当分野で既知である。微生物の作用の予防は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、およびフェノールソルビン酸の包含により確実にし得る。糖、および塩化ナトリウムのような等張剤の包含も望ましいことがある。注射可能な医薬形態の持続した吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような吸収を遅延させる薬剤の包含によりもたらされ得る。
【0156】
ある場合、薬剤の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射に続き、薬剤の吸収を遅延させることが望まれることがある。これは、低い水溶性の結晶または無定形物質の液体懸濁液の使用により達成できる。無定形物質は、単独でまたは必要に応じて安定化剤と共に使用できる。次いで、薬剤の吸収速度はその溶解速度に依存し、これは、次に結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。
【0157】
あるいは、非経腸投与薬剤形態の遅い吸収は、油性媒体に薬剤を溶解または懸濁することにより達成できる。
【0158】
注射用デポ剤を、ポリラクチド−ポリグリコリドのような生物分解性ポリマー中に薬剤のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより製造できる。薬剤対ポリマーの比率および用いる特定のポリマーの性質に依存して、薬剤放出の速度を制御できる。他の生物分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)である。デポー注射製剤はまた薬剤を体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョンに取り込むことにより製造できる。
【0159】
注射用製剤は、例えば、細菌を保持するフィルターを通した濾過により、または滅菌水または他の滅菌注射可能媒体に使用直前に溶解または分散できる滅菌固体組成物の形において滅菌剤を取り込むことにより滅菌できる。
【0160】
経口投与用の固体投与形態はカプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒を含む。このような形態は、口内環境において素早く溶解または崩壊する形態を含み得る。このような固体投与形態において、活性化合物を少なくとも1個の不活性な、薬学的に許容される賦形剤または担体と混合できる。適当な賦形剤は、例えば、(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸のような増量剤またはエクステンダー;(b)セルロースおよびセルロース誘導体(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース)、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴムのような結合剤;(c)グリセロールのような湿潤剤;(d)グリコールデンプンナトリウム、クロスカルメロース、寒天−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤;(e)パラフィンのような溶解維持剤;(f)4級アンモニウム化合物のような吸収加速剤;(g)セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、ソルビタンの脂肪酸エステル、ポロキサマー、およびポリエチレングリコールのような湿潤剤;(h)カオリンおよびベントナイト粘土のような吸収剤;(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物のような滑剤;および(j)タルク、および二酸化シリコンのような流動促進剤を含む。他の適当な賦形剤は、例えば、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウムを含む。本投与形態はまた緩衝化剤も含み得る。
【0161】
ラクトースまたは乳糖のような賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコールのような賦形剤を使用して、類似のタイプの固体または半固体組成物を、軟および硬充填ゼラチンカプセルにおける増量剤として用いることができる。
【0162】
錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒を含む固体投与形態は、機能的および美的腸溶性コーティングおよび医薬製剤分野で既知の他のコーティングのような、コーティングおよび殻と共に製造できる。それらは、所望により不透明化剤および着色剤も含んでよい。それらはまた制御されたまたは持続性の放出のカプセルの形態でもあり得る。このような目的で使用できる包埋組成物の例は、重合物質および蝋を含む。
【0163】
活性化合物はまた適当であれば、1個以上の上記の賦形剤と共に、マイクロカプセルに入れることができる。
【0164】
液体投与形態は、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルを含む。活性化合物に加えて、本液体投与形態は、水または他の溶媒のような当分野で一般的に使用される不活性希釈剤、シクロデキストリン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物のような可溶化剤および乳化剤を含み得る。
【0165】
不活性希釈剤以外に、経口組成物はまた湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、および香料のようなアジュバントも含み得る。他の成分は、経口またはバッカル形態の溶解または崩壊のための香味剤(flavorant)を含み得る。
【0166】
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、セルロースまたはセルロース誘導体(例えば微結晶セルロース)、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天−寒天、およびトラガカント、およびそれらの混合物のような懸濁化剤を含み得る。
【0167】
直腸または膣内投与用組成物は、本発明の化合物と、室温では固体であるが、体温では液体であり、故に、直腸または膣腔で融解し、活性化合物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐薬蝋のような適当な非刺激性賦形剤または担体の混合により製造できる、坐薬であり得る。
【0168】
本発明の化合物はまたリポソームの形で投与できる。当分野で既知の通り、リポソームは、一般にリン脂質または他の脂質物質から製造される。リポソームは、脂質単層、二層、または水性媒体に分散する他の層状または多層状系により形成できる。リポソームを形成できる全ての非毒性の、生理学的に許容されるおよび代謝可能な脂質を使用できる。リポソーム形態中の本組成物は、本発明の化合物に加えて、安定化剤、防腐剤、および賦形剤を含み得る。脂質の例は、天然および合成両方の、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)を含む。
【0169】
リポソームの形成法は当分野で既知である。例えば、Prescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York(1976), p. 33 et seqを参照のこと。
【0170】
本発明の化合物は、無機または有機酸からの薬学的に許容される塩の形で使用できる。"薬学的に許容される塩"は、論理的な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下等動物の組織に、過度の毒性、刺激、アレルギー反応がなく、そして釣り合った利益/危険比で、接触させて使用するのに適する塩を意味する。薬学的に許容される塩は当分野で既知である。例えば、S. M. Berge, et al. は、J Pharm Sci, 1977, 66: 1-19で薬学的に許容される塩を開示している。本塩は、本発明の化合物の最終の単離および精製中にその場で、または、別々に、遊離塩基官能基と適当な酸を反応させることにより製造できる。代表的酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩を含む。また、塩基性窒素含有基を、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような低級アルキルハライド;ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルスルフェートのようなジアルキルスルフェート;デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような長鎖ハライド;またはベンジルおよびフェネチルの臭化物のようなアリールアルキルハライドおよびその他の試薬で4級化できる。水または油に溶解可能または分散可能な製品がそれにより得られる。
【0171】
薬学的に許容される酸付加塩の形成のために用い得る酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸のような無機酸およびシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸のような有機酸を含む。
【0172】
本発明は、全ての塩およびこのような塩の全ての結晶形を含む。塩基付加塩は、本発明の化合物の最終の単離および精製中に、その場で、カルボン酸含有基と、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩を、またはアンモニアもしくは有機1級、2級、または3級アミンを合わせることにより、製造できる。薬学的に許容される塩基付加塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属、およびアルミニウム塩、およびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、およびエチルアミンを含む非毒性4級アンモニアおよびアミンカチオンに基づくものを含む。塩基付加塩の形成に有用な有機アミンの他の代表例は、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンを含む。
【0173】
本医薬組成物はまた経鼻的に、局所的に、または吸入を介して投与できる。本発明の化合物の局所、肺、および経鼻投与のための投与形態は、粉末、スプレー、軟膏、ゲル、クリーム、および吸入剤を含む。活性化合物を滅菌条件下または非滅菌条件下で、薬学的に許容される担体および、必要であり得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合する。眼用製剤、眼軟膏、粉末および溶液も本発明の範囲内であるとまた考えられる。
【0174】
処置法
本発明の一つの態様は、急性および慢性炎症性疾患のような炎症性疾患、および自己免疫疾患から選択される疾患を有する対象の処置法を提供する。
【0175】
一つの態様において、本方法は、処置を必要とする対象に、ここに記載の化合物の少なくとも1個を含む医薬組成物を投与することを含む。一つの態様において、本医薬組成物は、ここに記載の化合物のいずれか一つを唯一の活性成分として、または、他の化合物、組成物、もしくは生物学的物質と組み合わせて含み得る。
【0176】
一つの態様において、本発明は、炎症の阻害または免疫応答の抑制が望ましいものである、処置または予防法を提供する。別の態様において、本方法は、対象に本医薬組成物を投与することを含む、免疫応答の抑制を含む。
【0177】
本発明の他の態様は、ここに記載の任意の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、少なくとも一部がLFA−1により介在される疾患の処置法を提供する。一つの態様において、本明細書で使用する"少なくとも一部がLFA−1により介在される疾患"は、LFA−1結合から一部または全てもたらされるものを意味する。
【0178】
本発明の他の態様は、ここに記載の任意の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、LFA−1阻害剤に応答する疾患の処置法を提供する。
【0179】
一つの態様において、本明細書で使用する"対象"は、ヒトのような哺乳動物である。一つの態様において、対象は炎症性疾患または自己免疫疾患を有することが疑われる、例えば、炎症性疾患または自己免疫疾患に関連する少なくとも1個の症状を示す。別の態様において、対象は炎症性疾患または自己免疫疾患を有しやすい、例えば、遺伝的に該疾患を有する傾向がある対象である。
【0180】
用語"処置"、"治療法"、およびそれらの同族言語は、治療的処置および予防的/防止的手段の両方を意味する。処置の必要性のある者は、特定の疾患を既に有する個体ならびに該疾患の危険性のある者(すなわち、最終的に該障害を獲得しそうな者)を含み得る。治療法は症状の予防もしくは改善または他の望ましい生物学的結果をもたらし、臨床的徴候の改善、疾患の発症遅延、リンパ球および/または抗体の低下/上昇した濃度などにより評価できる
【0181】
用語"免疫疾患"は、免疫応答が異常である障害または状態を意味する。この異常な応答は、例えば、TまたはB細胞のような免疫細胞の異常な増殖、成熟、生存、分化、または機能によりもたらされ得る。
【0182】
本発明の方法で処置できる適応症の例は、下記を含むがこれらに限定されない:肺再灌流傷害のような虚血性−再灌流傷害;卒中;喘息;心筋梗塞;慢性斑状乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬、および乾癬性紅皮症のような乾癬;アテローム性動脈硬化症;アトピー性皮膚炎;肝炎;成人呼吸窮迫症候群;慢性潰瘍;肺線維症;移植片対宿主病;慢性閉塞性肺疾患;シェーグレン症候群;多発性硬化症;自己免疫性甲状腺炎;糸球体腎炎;全身性エリテマトーデス;糖尿病;原発性胆汁性肝硬変;自己免疫性ぶどう膜網膜炎;強皮症;乾癬性関節炎およびライム病関節炎のような関節炎;劇症肝炎;炎症性肝臓傷害;グレーブス病のような甲状腺疾患;移植拒絶反応(島、肝臓、腎臓、心臓など);炎症性肺傷害;放射性肺炎;クローン病および潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患;炎症性糸球体傷害;放射線誘発腸炎;末梢動脈閉塞;グラフト拒絶反応;および癌。
【0183】
一つの態様において、本発明は、下記の適応症の全ての処置法を提供する。
【0184】
一つの態様において、本発明は乾癬の処置法を提供する。乾癬は4種の形態の一つとして発症し得る:慢性斑状乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬、および乾癬性紅皮症。例えば、LFA−1拮抗作用の役割は、中程度から重度慢性斑状乾癬の処置としてのモノクローナル抗体エファリズマブ(RaptivaTM)の使用により臨床的に支持され得る(Lebwohl et al., N Engl J Med, 349(21): 2004-2013, 2003)。同様に、LFA−1の小分子アンタゴニストは、乾癬ならびに他の炎症性疾患および自己免疫疾患の有効な処置であり得る(Liu, G., Expert Opinion, 11: 1383, 2001)。
【0185】
関節炎の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は:Kakimoto et al., Cell Immunol 142: 326-337, 1992の方法に従ったマウスコラーゲン誘発関節炎モデル;Knoerzer et al., Toxicol Pathol 25: 13-19, 1997の方法に従ったラットコラーゲン誘発関節炎モデル;Halloran et al., Arthritis Rheum 39: 810-819, 1996の方法に従ったラットアジュバント関節炎モデル;Schimmer et al., J Immunol, 160: 1466-1477, 1998の方法に従ったラットストレプトコッカス細胞壁誘発関節炎モデル;およびOppenheimer-Marks et al., J Clin Invest 101: 1261-1272, 1998の方法に従ったSCIDマウスヒトリウマチ性関節炎モデルにより証明できる。
【0186】
劇症肝炎の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、ConA誘発急性肝障害のマウスモデルにより証明できる(G. Matsumoto et al., J Immunol 169(12): 7087-7096, 2002)。
【0187】
炎症性肝臓傷害の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Tanaka et al., J Immunol 151: 5088-5095, 1993の方法に従ったマウス肝臓傷害モデルにより証明できる。
【0188】
シェーグレン症候群の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Mikulowska-Mennis et al., Am J Pathol 159(2): 671-681, 2001の研究により証明できる。炎症した涙腺へのリンパ球遊走は、血管細胞接着分子−1/アルファ(4)ベータ(1)インテグリン、末梢結節(peripheral node)アドレシン/l−セレクチン、およびリンパ球機能関連抗原−1接着経路が介在する。
【0189】
グレーブス病のような自己免疫性甲状腺疾患の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Arao et al., J Clin Endocrinol Metab, 85(1): 382-389, 2000の研究により証明できる。
【0190】
多発性硬化症の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、LFA−1に対する抗体による実験的自己免疫性実験的脳脊髄炎の阻害を証明する、数種の動物モデルにより証明できる(E. J. Gordon et al., J Neuroimmunol 62(2): 153-160, 1995)。Piccio et al. はまた、Tリンパ球の炎症した脳細静脈への堅固なインビボ拘束が、LFA−1依存性であることを証明した(L. Piccio et al., J Immunol, 168(4): 1940-1949, 2002)。
【0191】
自己免疫性糖尿病の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Fabien et al., Diabetes 45(9): 1181-1186, 1996の方法により証明できる。自己免疫性糖尿病の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Hasagawa et al., Int Immunol 6: 831-838, 1994の方法に従ったNODマウスモデルにより、およびHerrold et al., Cell Immunol 157: 489-500, 1994の方法に従ったマウスストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルにより証明できる。さらに、いくつかの試験が、LFA−1アンタゴニスト投与により移植した当の生存率が改善することを証明している(M. Nishihara et al., Transplant Proc 27(1): 372, 1995;L. Buhler et al., Transplant Proc 26(3): 1360-1361, 1994もまた参照)。
【0192】
ライム病関節炎の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Gross et al., Science 281: 703-706, 1998の方法により証明できる。
【0193】
喘息の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Wegner et al., Science 247: 456-459, 1990の方法に従ったマウスアレルギー性喘息モデルにより、またはBloemen et al., Am J Respir Crit Care Med 153: 521-529, 1996の方法に従ったマウス非アレルギー性喘息モデルにより証明できる。
【0194】
炎症性肺傷害の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は:Wegner et al., Lung 170: 267-279, 1992の方法に従ったマウス酸素誘発肺傷害モデル;Mulligan et al., J Immunol 154: 1350-1363, 1995の方法に従ったマウス免疫複合体誘発肺傷害モデル;およびNagase, et al., Am J Respir Crit Care Med 154: 504-510, 1996の方法に従ったマウス酸誘発肺傷害モデルにより証明できる。
【0195】
放射性肺炎の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Hallahan et al., Proc Natl Acad Sci USA, 94: 6432-6437, 1997の方法に従ったマウス肺放射線照射モデルにより証明できる。
【0196】
炎症性腸疾患の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Bennet et al., J Pharmacol Exp Ther, 280: 988-1000, 1997の方法に従ったウサギ化学物質誘発大腸炎モデルにより証明できる。
【0197】
炎症性糸球体傷害の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Kawasaki, et al., J Immunol, 150: 1074-1083, 1993の方法に従ったラット腎毒性血清腎炎モデルにより証明できる。
【0198】
放射線誘発腸炎の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Panes et al., Gastroenterology 108: 1761-1769, 1995の方法に従ったラット腹部放射線照射モデルにより証明できる。
【0199】
再灌流傷害の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Tamiya et al., Immunopharmacology 29(1): 53-63, 1995の方法に従った単離したラット心臓で、またはHartman et al., Cardiovasc Res 30(1): 47-54, 1995のモデルに従う麻酔したイヌで証明できる。
【0200】
肺再灌流傷害の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、DeMeester et al., Transplantation 62(10): 1477-1485, 1996の方法に従ったラット肺異種移植片再灌流傷害モデルにより、およびHorgan et al., Am J Physiol 261(5): H1578-H1584, 1991の方法に従ったウサギ肺浮腫モデルにより証明できる。
【0201】
卒中の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は:Bowes et al., Exp Neurol 119(2): 215-219, 1993の方法に従ったウサギ脳塞栓卒中モデルにより;Chopp et al., Stroke 25(4): 869-875, 1994の方法に従ったラット中大脳動脈虚血−再灌流モデルにより;およびClark et al., Neurosurg 75(4): 623-627, 1991の方法に従ったウサギ可逆性脊髄虚血モデルにより証明できる。
【0202】
末梢動脈閉塞の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Gute et al., Mol Cell Biochem 179: 169-187, 1998の方法に従ったラット骨格筋虚血/再灌流モデルにより証明できる。
【0203】
グラフト拒絶反応の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は:Isobe et al., Science 255: 1125-1127, 1992の方法に従ったマウス心臓同種移植片拒絶反応モデル;Talento et al., 移植 55: 418-422, 1993の方法に従ったマウス甲状腺腎臓被膜モデル;Cosimi et al., J Immunol 144: 4604-4612, 1990の方法に従ったカニクイザル腎臓同種移植片モデル;Nakao et al., Muscle Nerve, 18: 93-102, 1995の方法に従ったラット神経同種移植片モデル;Gorczynski et al., J Immunol 152: 2011-2019, 1994の方法に従ったマウス皮膚同種移植片モデル;He et al., Opthalmol. Vis Sci 35: 3218-3225, 1994の方法に従ったマウス角膜同種移植片モデル;およびZeng et al., Transplantation 58: 681-689, 1994の方法に従った異種膵臓島細胞移植モデルにより証明できる。
【0204】
移植片対宿主病(GVHD)の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Haming et al., Transplantation 52: 842-845, 1991の方法に従ったマウス致死的GVHDモデルにより証明できる。
【0205】
癌の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、Aoudjit et al., J Immunol 161: 2333-2338, 1998の方法に従った、ヒトリンパ腫転移モデル(マウス内)により証明できる。
【0206】
アトピー性皮膚炎の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、M. Murayama et al., Arch Dermatol Res 289(2): 98-103, 1997およびS. Kondo et al., Br J Dermatol 131(3): 354-9, 1994の報告により支持される。
【0207】
自己免疫性ぶどう膜網膜炎の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、E. Uchio et al., Invest Ophthalmol Vis Sci 35(5): 2626-2631, 1994およびH. Xu et al., J Immunol 172(5): 3215-3224, 2004の報告により支持される。
【0208】
移植拒絶反応の処置におけるLFA−1拮抗作用の役割は、E. K. Nakakura et al., Tlansplantation 62(5): 547-52, 1996およびR. L. Dedrick et al., Transpl Immunol 9(2-4): 181-186, 2002の報告により支持される。
【0209】
投与
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与レベルは、特定の患者、組成物、および投与の形態について所望の治療的応答を達成するのに有効な活性化合物の量を得るために変化し得る。用語"治療的有効投与量"および"治療的有効量"は、患者における症状の予防または軽減もしくは所望の生物学的結果、例えば、臨床的徴候の改善、疾患の発症遅延、リンパ球および/または抗体などの低下/上昇した濃度をもたらす、化合物の量を意味する。有効量は、ここに記載の通りに決定できる。選択した投与レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、処置する状態の重症度、ならびに処置する患者の状態および過去の病歴に依存する。しかしながら、所望の治療的効果を達成するのに必要なレベルよりも低い化合物の用量で開始し、投与量を所望の効果が達成されるまで漸増するのは当業者の技術の範囲内である。一つの態様において、アッセイから得られたデータを、ヒトにおいて使用するための用量の範囲の計算に使用できる。
【0210】
一般に、活性化合物約5から約20mg/体重kg/日の範囲のレベルのような、約0.1μg/kgから約50mgの投与量レベルを、哺乳動物患者に局所的に、経口的にまたは静脈内に投与できる。他の投与量レベルは、1日あたり約1μg/kgから約20mg/kg、約1μg/kgから約10mg/kg、約1μg/kgから約1mg/kg、10μg/kgから1mg/kg、10μg/kgから100μg/kg、100μgから1mg/kg、および約500μg/kg約5mg/kgの範囲である。望ましいならば、有効な1日投与量を、投与の目的で複数用量に、例えば、1日あたり2回から4回の別々の投与量に分割してよい。一つの態様において、本医薬組成物は1日1回投与できる。
【0211】
下記アッセイは本発明の化合物の測定に使用できる。特記されない限り、下記実験で使用する試薬は市販されており、Sigma-Aldrich Company, Inc. (Milwaukee, WI, USA)またはAlfa Aesar(Ward Hill, MA, USA)から購入できる。
【0212】
アッセイ
ICAM−1/LFA−1生化学相互作用アッセイ
生化学アッセイを使用して、化合物がインテグリンLFA−1とその接着パートナーICAM−1の間の相互作用を阻害する能力を測定できる。他社からの別の機能的に類似の試薬および成分を、ここに記載のものと置き換え得る。
【0213】
50mM NaHCO/NaCO(pH9.6)プレートコーティング緩衝液中、5μg/mLの濃度のブロッキングしていない抗LFA−1抗体(命名TS2/4.1.1(ATCC))百マイクロリットル(100μL)を使用して、Porvair黒色96ウェルマイクロタイタープレートのウェルを一晩、4℃でコートした。次いでウェルを3回洗浄緩衝液(Ca++またはMg++なしのダルベッコのリン酸塩緩衝食塩水(D−PBS)、0.05%TweenTM 20)で洗浄し、200μLのSuperblock(登録商標)(Pierce Biotechnology, Rockford, IL)の添加によりブロックし、1時間、室温でさらにインキュベートした。ウェルを次いで3回洗浄緩衝液で洗浄した。D−PBS中の組み換えLFA−1(100μLの1.0μg/mL、Lupher et al., J Immunol 167: 1431-1439, 2001)を次いで各ウェルに添加した。インキュベーションをさらに1時間、室温で続け、その後ウェルを3回洗浄緩衝液で洗浄した。ジメチルスルホキシド(DMSO)中の10mM 貯蔵溶液から調製した、ICAM−1/LFA−1アンタゴニストとしてアッセイされる化合物の連続希釈をD−PBSに希釈し、2mM MgCl、1%Superblock(登録商標)、0.05%TweenTM 20、および50μLの各希釈物をそれぞれ2個のウェルに添加した。五十マイクロリットル(50μL)の6.0μg/mL ビオチニル化組み換えICAM−1/Ig(R & D Systems, Minneapolis, MN)をウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。ウェルを次いで3回洗浄緩衝液で洗浄し、Delfiaアッセイ緩衝液(Wallac Oy)中1:1,500に希釈した100μLのユーロピウム標識ストレプトアビジン(Wallac Oy)をウェルに添加する。インキュベーションを1時間、室温進行させた。ウェルを8回洗浄緩衝液で洗浄し、100μLの強化溶液(Wallac Oy, cat. No. 1244-105)を各ウェルに添加した。インキュベーションを、5分間、一定に混合しながら進行させた。時間分解蛍光定量測定を、Victor 1420 Multilabel Counter(Wallac Oy)を使用して行った。各候補化合物の阻害%を、式(1):
【数1】

(式中"背景"は、抗LFA−1抗体でコーティングしなかったウェルを意味する)。
を使用して計算した。
【0214】
本発明の化合物は上記アッセイにおいて阻害活性を示した。一つの態様において、阻害活性は、ICAM−1/LFA−1相互作用が50%阻害される化合物濃度(IC50)の決定により示された。ある態様において、本発明の化合物は、約1.0μM未満またはそれに等しいIC50、例えば約0.1μM未満またはそれに等しいIC50、または約0.01μM未満またはそれに等しいIC50、または約0.001μM未満またはそれに等しいIC50を有する。
【0215】
細胞接着アッセイ
この発明における化合物の生物学的に関連する活性は、細胞ベースの接着アッセイおよび混合リンパ球反応アッセイを使用して、確認できる。
【0216】
細胞ベースの接着アッセイにおける阻害活性の測定のために、96ウェルマイクロタイタープレートを、50mM カーボネート/ビカーボネート緩衝液、pH9.6中5.0μg/mLの濃度で、50μLの組み換えICAM−1/Ig(R & D Systems, Minneapolis, MN)で、一晩、4℃でコーティングした。あるいは、96ウェルマイクロタイタープレートを、他の既知のLFA−1リガンドに対する本発明の化合物の効果を決定するために、ICAM−2/Ig(R & D Systems, Minneapolis, MN)またはICAM−3/Ig(R & D Systems, Minneapolis, MN)でコーティングできる。ウェルを次いでD−PBSで2回200μL/ウェルで洗浄し、100μLのD−PBS中のウシ血清アルブミンの1%溶液の添加によりブロックした。1時間、室温でインキュベーション後、ウェルを50%熱不活性化胎児ウシ血清含有RPMI−1640培地(接着培地)で1回洗浄した。
【0217】
細胞接着が50%阻害される化合物濃度(IC50)を決定するために、化合物を最初にDMSOで希釈し、一定範囲の化合物濃度を達成した。各希釈したDMSO貯蔵液を次いで〜0.8mLの接着培地に、最終の所望の化合物濃度より1.5倍高い濃度で添加した。ICAM−1/Ig被覆プレート中のDMSOの最終濃度は0.1%を超えなかった。接着培地で希釈した化合物の二百マイクロリットル(200μL)を、マイクロタイタープレート中の複数のウェル(各化合物濃度についてN=3)に添加した。マイクロタイタープレートの外端に隣接したウェルは細胞接着アッセイには使用せず、その代わり0.3mLの接着培地で満たした。プレートを次いで37℃で5%COを含む加湿雰囲気下貯蔵した。
【0218】
JY−8細胞(IL−8受容体を発現するLFA−1ヒトEBV形質転換B細胞系;Sadhu et al., J Immunol 160: 5622-5628, 1998)の懸濁液を、接着培地中0.75×10細胞/mL+90ng/mLのケモカインIL−8(Peprotech, No. 200-08M)を含むように調製した。百マイクロリットル(100μL)の細胞懸濁液を次いで、接着培地の200μLの希釈化合物を含むマイクロタイタープレートの各ウェルに添加した。マイクロタイタープレートを30分、5%COを含む加湿37℃インキュベーターでインキュベートした。反応を次いで50μLの14%グルタルアルデヒド/D−PBSの添加により停止させ、プレートをシーリング・テープ(PerkinElmer, Inc., No. 1450-461)で覆い、さらに90分、室温でインキュベートした。
【0219】
マイクロタイタープレートから接着していない細胞を除去するために、ウェルの内容物を穏やかに傾捨し、ウェルを穏やかにdHOで洗浄した。接着した細胞は、50μL/ウェルの0.5%クリスタルバイオレット溶液の添加により染色した。5分後、プレートをdHOに鎮めることにより洗浄し、過剰のクリスタルバイオレット溶液を除去した。次いで70μLのdHOおよび200μLの95%EtOHを各ウェルに添加して、クリスタルバイオレットを細胞から抽出した。吸光度を、15−60分後に、570nmでELISAプレートリーダーで測定した。候補化合物の阻害%を、上記式(1)を使用して計算した。
【0220】
全ての本発明の化合物は、このアッセイで、10μM未満のIC50を示した。
【0221】
T細胞増殖アッセイ
混合リンパ球反応(MLR)を使用して、T細胞増殖および活性化に対するLFA−1の小分子アンタゴニストの効果を決定できる。一方向MLRは、1個体からのTリンパ球の第二の個体の細胞上に存在する同種抗原に対する分裂促進的応答の指標を、それらが組織適合性座位においてミスマッチであるならば、提供する。この増殖性応答は、T細胞受容体と、Tリンパ球上に存在する同時刺激受容体の会合により開始できる。LFA−1は、同時刺激受容体の一つである。(M. C. Wacholtz et al., J Exp Med 170(2): 431-448, 1989参照;G. A. Van Seventer et al., J Immunol 144(12): 4579-4586, 1990もまた参照)。LFA−1リガンドICAM−1は、休止T細胞のT細胞受容体介在活性化のための同時刺激性シグナルを提供できる。(Blockade of LFA-1 by antibodies to CD11a blocks T cell activation and proliferation in a MLR. K. Inaba et al., J Exp Med 1; 165(5): 1403-17, 1987; G. A. Van Seventer et al., J Immunol 149(12): 3872-80, 1992)。休止ヒトCD4+T細胞の、LFA−1リガンドICAM−1によるT細胞受容体/CD3介在活性化の共刺激は、延長したイノシトールリン脂質加水分解および細胞内Ca2+濃度の持続した上昇を含み得る。
【0222】
MLRの実験デザインは、十分に確立されている。(例えば、Current Protocols in Immunology, Ed. John E. Colligan et al., John Wiley & Sons, 1999参照)。ヒト末梢血単核細胞を、2名の異なるドナーからの〜60mLの血液から、ヘパリンを抗凝血剤として使用して単離した(20U/mL、最終濃度)。血液を25mM Hepes(pH7.4)、2mM L−グルタミン、2g/L 重炭酸ナトリウム、10U/mL ペニシリンG、および10μg/mL ストレプトマイシン含有RPMI−1640で3倍に希釈した。50mL ポリプロピレン遠心管において、約25mLの希釈血液の一定量を12.5mLのHistopaque(登録商標)-1077(Sigma Corp., No. 1077)上に重層し、ブレーキをかけずに514×gで30分、室温で遠心分離した。遠心分離後、末梢血単核細胞を含むバフィーコートを新しい50mL 試験管に移し、RPM−1640で約5倍に希釈し、穏やかな倒置により混合した。次いで試験管を、910×gで10分、室温で遠心分離した。上清を吸引し、細胞をMLR培地(50%胎児ウシ血清(HyClone)、25mM Hepes(pH7.4)、2mM L−グルタミン、2g/L 重炭酸ナトリウム、10U/mL ペニシリンG、および10μg/mL ストレプトマイシン含有RPMI−1640)に再懸濁し、2×10細胞/mLの最終濃度に調節した。
【0223】
一方向増殖性応答を可能にするために、第一のドナーからの細胞("ドナー"と呼ぶ)を、137Cs線源から放出される約1500radで照射した(Mark I Irradiator, Shepard and Associates)。照射した細胞はMLRの間生存はできるか、同種抗原に応答して増殖はしない。第二の血液ドナーからの細胞("レスポンダー"と呼ぶ)を、ドナー由来の照射した細胞と1:1(50μL:50μL)で、96ウェル丸底マイクロタイタープレートに添加した。各ウェルはまた100μLのLFA−1阻害剤またはポジティブコントロールの場合MLR培地単独を含んだ。50μLの照射したレスポンダー細胞および50μLの照射していないレスポンダー細胞の、自己抗原応答を表すために設計したネガティブコントロールも、各MLRプレート上に存在した。
【0224】
LFA−1阻害剤、例えば、抗CD11a抗体または小分子アンタゴニストを、MLR培地中でそれらの所望の最終濃度の2倍で調製した。小分子アンタゴニストは、典型的に10から0.002μMの範囲の最終濃度で試験した。抗CD11aモノクローナル抗体は、典型的に2,000から16ng/mLの範囲の最終濃度で試験した。LFA−1阻害剤の各濃度について6個の反復ウェルを使用した。マイクロタイタープレートの外端に隣接したウェルはMLRには使用せず、その代わり200μLのMLR培地で満たした。アッセイプレートを、次いで5%CO雰囲気中、37℃でインキュベートした。
【0225】
試験した各阻害剤について、3個の同一のMLRプレートを調製した。2個のプレートからの上清を、サイトカイン分析のためにMLR開始後3日目および5日目に回収した。3日目または5日目に回収した6個の反復ウェルの各々からの上清をシリコンガスケットで覆った96深ウェルポリプロピレンプレートに集め、−70℃で貯蔵した。第3のMLRプレート上でのT細胞増殖を評価するために、20μLのMLR培地中の1μCiのH−チミジン(New England Nuclear, No. NET-027)を、MLRマイクロタイタープレートのウェルあたりに4日目に添加した。24時間後、各ウェルからの細胞を、Packard FilterMate Harvester(Packard Instrument Co.)を使用して、ガラスファイバーフィルタープレート(PerkinElmer Unifilter-96 GF/Cプレート, No. 6005147)上に回収した。H−チミジン取り込みを、シンチレーションカウンター(Packard TopCount-NXTTM)で、1分あたりのカウント(cpm)として測定した。
【0226】
6個の反復ウェルからの平均cpmを、各阻害剤について、ならびにポジティブ(同種MLR)およびネガティブ(自己MLR)コントロールについて決定した。自己MLRから得た平均cpmを背景カウントと名付け、ポジティブコントロールおよびLFA−1阻害剤サンプルから得たcpmから減算した。増殖%を、式(2)の使用により、阻害剤非存在下で得た平均cpmに対して、すなわち、同種MLRに対して標準化した:
【数2】

【0227】
一つの態様において、化合物の効力は、細胞増殖が80%阻害される化合物濃度(EC80)の決定により示される。一つの態様において、化合物がT細胞増殖アッセイに付されると、本化合物は約3.0μM未満またはそれに等しいEC80、例えば約0.3μM未満またはそれに等しいEC80または約0.03μM未満またはそれに等しいEC80を示す。
【0228】
サイトカイン、例えば、IL−2、IFN−γ、およびTNF−α量もまた、3日目(IL−2)および5日目(IFN−αおよびTNF−α)に回収したMLR上清で決定した。サイトカイン濃度は、MLR培地で希釈した精製サイトカイン標準で産生した標準曲線に基づき、ELISAキット(Biosource International)を使用して決定した。サイトカイン産生の背景濃度は、自己MLRの平均サイトカイン濃度として確率された。阻害剤非存在下での同種MLRの平均サイトカイン濃度をポジティブコントロールとして使用した。ポジティブコントロールと比較して阻害剤処置MLRに存在するサイトカイン濃度は最大応答%を示し、式(3)を使用して計算した:
【数3】

【実施例】
【0229】
実施例1
3−フラン−2−イル−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
フリルアクリル酸(25g、181mmol)を200mLの塩化メチレンに添加し、反応物を0℃に冷却した。塩化チオニル(19.8mL、272mmol)を次いで15分にわたり添加した。溶液を一晩室温に温め、濁っていた反応物は翌朝透明になった。別のフラスコに150mLの塩化メチレンおよびモルホリン(47.5mL、545mmol)を添加し、フラスコを0℃にした。フラン含有溶液を、次いで添加用漏斗を介して、冷却したモルホリン含有溶液に滴下した。添加後溶液を室温に温め、1.5時間撹拌した。反応物を次いで1N HClで2回、塩水で2回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を次いで炭素により脱色し、濃縮乾固した。これにより淡黄色固体を得た(87%、32.5g、156mmol)。1H NMR(CDCl3, 300 MHz)δ 3.60-3.78(m, 8H), 6.48(q, J=2 Hz, 1H), 6.58(d, J=3 Hz, 1H), 6.78(d, J=16 Hz, 1H), 7.45-7.53(m, 2H); MS(ESI(+))m/z 208.1(M+H+)。
【0230】
実施例2
3−(4−ヒドロキシ−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
3−フラン−2−イル−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(32g、106mmol)の80mLのジクロロエタン溶液を調製し、Parr撹拌反応器に入れた。反応器を−78℃に冷却し、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブチン(50g、219mmol)ガスを添加した。これを2時間にわたり室温にし、次いで反応物を115℃で23時間加熱した。HPLC分析は出発物質の消失を示した。ジクロロエタン溶液を次いで濃縮し、180mLのジクロロエタンに入れた。トリフルオロほう素・ジエチルエーテル(29.65mL、234mmol)を反応物に添加し、3時間還流した。粗物質を濃縮し、2:3 酢酸エチル/ヘキサンを使用したカラムクロマトグラフィーで精製した(47%、27g、73mmol)。1H NMR(CDCl3, 300 MHz)δ 3.60-3.78(m, 8H), 6.47(d, J=15 Hz, 1H), 7.08(d, J=8 Hz, 1H), 7.44(d, J=8 Hz, 1H), 7.73-7.84(m, 1H)。
【0231】
実施例3
トリフルオロ−メタンスルホン酸4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルエステル
3−(4−ヒドロキシ−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(8.8g、23.8mmol)を100mLのジクロロメタンに溶解し、6mLのピリジンを添加した。反応物を0℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物をゆっくり添加した。室温に温めた後、反応物を2回冷1N HCl、2回冷飽和重炭酸塩溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。(80%、9.2g)。1H NMR(CDCl3, 300 MHz)δ 3.57-3.78(m, 8H), 6.66(d, J = 15 Hz, 1H), 7.65(d, J=8 Hz, 1H), 7.78(d, J = 8 Hz, 1H), 7.85-7.93(m, 1H)。
【0232】
実施例4
3−[4−(3−アミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
3−アミノチオフェノール(2.75mL、25.7mmol)を86mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、−17℃に置いた。リチウムt−ブトキシド(2.0g、25.7mmol)を添加し、反応物を室温に温め、その後0℃に戻した。別の丸底フラスコ中、トリフルオロ−メタンスルホン酸4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルエステルを53mLのTHFに溶解し、−78℃に置いた。脱プロトン化3−アミノ−チオフェノールを次いでトリフルオロ−メタンスルホン酸4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルエステルを含む丸底フラスコに−78℃でカニューレを介して添加した。1時間、−78℃の後、出発物質は消費された。反応物を濃縮し、2%MeOH/98%ジクロロメタン(DCM)を使用するカラムクロマトグラフィーで精製した(61%、5.21g)。1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 3.57-3.75(m, 8H), 5.45(s, 2H), 6.70-6.74(m, 3H), 7.18(t, J=8 Hz, 1H), 7.23(d, J=15 Hz, 1H), 7.36(d, J=9 Hz, 1H), 7.65-7.75(m, 1H), 8.05(d, J=9 Hz, 1H); MS(ESI(+))m/z 477.3(M+H+)。
【0233】
実施例5
3−[4−(3−メチルアミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
実施例4の生成物、3−[4−(3−アミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(25mg、0.052mmol)を240μLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、次いでヨウ化メチル(10.61μL、0.26mmol)および炭酸カリウム(14mg、0.10mmol)を添加した。反応は室温で非常にゆっくり進行し、3日間かけて約50%変換した。40%がモノメチル化および10%がジメチル化された。粗反応物をDMFで希釈し、分取HPLCで精製して、純粋モノメチル化生成物を得た。MS(ESI(+))m/z 491.1(M+H+)。
【0234】
実施例6
Cis−4−{3−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェニルアミノ}−シクロヘキサンカルボン酸
実施例4の生成物、3−[4−(3−アミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(1.5g、3.15mmol)を27mLのジクロロエタンに溶解し、1.1mLの酢酸を添加した。4−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチル(1.6mL、9.45mmol)、次いでナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(2.67g、12.6mmol)を添加し、反応物を一晩撹拌した。HPLC分析は、3:7比での2個の生成物のピークの出現を示した。反応生成物を2回重炭酸ナトリウムおよび2回塩水で抽出し、その後硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、黄色油状物を得た。油状物をDMSOに溶解し、分取HPLCを利用して2個の異性体を分離した。各異性体を次いで塩基性になるまで2N LiOHを添加することにより、2:1 THF/HO中で加水分解した。個々の溶液を次いで濃縮し、水に入れた。1N HCLを次いでpHが約4になるまで添加し、これは生成物の沈殿をもたらした。生成物を次いで濾過し、数回水で洗浄した。異性体生成物を、LFA−1でのX線共結晶構造解析により、シクロヘキサン環についてcisおよびtransと同定した。cis化合物はHPLCで最後に溶出し、主生成物であった。Cis: 1H NMR(CDCl3, 300 MHz)δ 1.56-2.07(m, 8H), 2.59(m, 1H), 3.45(m, 1H), 3.52-3.78(m, 8H), 6.57(d, J=16 Hz, 1H), 6.63-6.86(m, 2H), 7.17-7.27(m, 2H), 7.41(d, J=9 Hz, 1H), 7.80-7.89(m, 1H); MS(ESI(+))m/z 603.5(M+H+)。
【0235】
実施例7
Trans−4−{3−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェニルアミノ}−シクロヘキサンカルボン酸
実施例6の方法を繰り返し、Trans異性体を製造し、これはHPLCで少ない生成物として溶出した。Trans: 1H NMR(CDCl3, 300 MHz)δ 1.26(m, 2H), 1.56(m, 2H), 2.15(m, 4H), 2.35(m, 1H), 3.25(m, 1H), 3.57-3.78(m, 8H), 6.57(d, J=15 Hz, 1H), 6.80-6.99(m, 2H), 7.24-7.32(m, 2H), 7.41(d, J=9 Hz, 1H), 7.80-7.89(m, 1H); MS(ESI(+))m/z 603.5(M+H+)。
【0236】
実施例8
3−[4−(3−シクロブチルアミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
実施例4の生成物、3−[4−(3−アミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(25mg、0.052mmol)を450μLのジクロロエタンに溶解し、19μLの酢酸を添加した。シクロブタノン(11.6μL、0.16mmol)、次いでナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(44mg、0.208mmol)を添加し、反応物を一晩撹拌した。粗反応混合物をDMSOで希釈し、分取HPLCでトリフルオロアセトアミド(TFA)塩として精製した。1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 1.65-1.85(m, 4H), 2.26-2.35(m, 2H), 3.53-3.71(m, 8H), 3.82(m, 1H), 6.59-6.65(m, 2H), 6.68(d, J = 8 Hz, 1H), 7.17-7.23(m, 2H), 7.68(m, 1H), 8.03(d, J = 8 Hz, 1H); MS(ESI(+))m/z 531.3(M+H+)。
【0237】
実施例9
4−{3−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェニルアミノ}−ペンタン酸
出発ケトンとして4−オキソ−ペンタン酸エチルエステルを使用して、実施例6の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 591.6(M+H+)。
【0238】
実施例10
3−(4−{3−[(1H−イミダゾル−2−イルメチル)−アミノ]−フェニルスルファニル}−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
出発アルデヒドとして(1H−イミダゾル−2−イル)−アセトアルデヒドを使用して、実施例8の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 557.1(M+H+)。
【0239】
実施例11
1−モルホリン−4−イル−3−(4−{3−[(ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−フェニルスルファニル}−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−プロペノン
出発アルデヒドとしてピリジン−4−イル−アセトアルデヒドを使用して、実施例8の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 568.5(M+H+)。
【0240】
実施例12
1−モルホリン−4−イル−3−(4−{3−[(ピリジン−3−イルメチル)−アミノ]−フェニルスルファニル}−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−プロペノン
を使用して、実施例8の方法に従ったピリジン−3−イル−アセトアルデヒド出発アルデヒドとして。MS(ESI(+))m/z 568.4(M+H+)。
【0241】
実施例13
1−モルホリン−4−イル−3−(4−{3−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−フェニルスルファニル}−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−プロペノン
出発アルデヒドとしてピリジン−2−イル−アセトアルデヒドを使用して、実施例8の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 568.4(M+H+)。
【0242】
実施例14
3−[4−(3−シクロペンチルアミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
出発ケトンとしてシクロペンタノンを使用して、実施例8の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 545.3(M+H+)。
【0243】
実施例15
3−{4−[3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアミノ)−フェニルスルファニル]−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル}−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
出発ケトンとしてビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オンを使用して、実施例8の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 571.4(M+H+)。
【0244】
実施例16
3−[4−(3−シクロヘキシルアミノ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
出発ケトンとしてシクロヘキサノンを使用して、実施例8の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 545.3(M+H+)。
【0245】
実施例17
3−[4−(2−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
トリフルオロ−メタンスルホン酸4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルエステル(0.96g、1.9mmol、実施例3)をトルエンと2回共沸し、次いで5mLのアセトンに溶解した。炭酸カリウム(0.37g、2.7mmol)を真空下での加熱により乾燥させ、次いで2−ヒドロキシチオフェノール(0.35g、5mLのアセトン中2.8mmol)のアセトン溶液に添加した。この混合物にトリフラート溶液を添加し、続いて還流温度で一晩加熱した。反応物を濃縮し、次いで酢酸エチルおよび1N 水性塩酸に分配した。有機層を飽和水性塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を1:3−3:1 酢酸エチル/ヘキサンを使用したカラムクロマトグラフィーで精製した(18%、161mg)。1H NMR(CDCl3, 300 MHz)δ 3.55-3.71(m, 8H), 6.53(d, J=15.4Hz, 1H), 6.99(d, J=8.5Hz, 1H), 7.02(td, J=7.8,1.2Hz), 7.11(dd, J=1.3,8.4Hz, 1H), 7.40(d, J=8.5Hz, 1H), 7.47(ddd, J=1.8,7.5,8.4Hz, 1H), 7.52(dd, J=1.8,7.5Hz, 1H), 7.83(dq, J=14.3,4.2Hz, 1H); MS(ESI(+))m/z 478.0(M+H+)。
【0246】
実施例18
3−[4−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン
出発チオフェノールとして3−ヒドロキシチオフェノールを使用して、実施例17の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 478.0(M+H+)
【0247】
実施例19
trans−4−{2−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェノキシ}−シクロヘキサンカルボン酸
3−[4−(2−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(51mg、0.11mmol、実施例17)、cis−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル(68mg、0.43mmol)、およびトリフェニルホスフィン(117mg、0.45mmol)をTHF(1.25mL)に溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.084mL、0.43mmol)を添加し、溶液を一晩、80℃で密封試験管中撹拌した。反応物を蒸発乾固し、分取HPLCで精製してエーテルを得た。この物質(48mg、0.078mmol)をTHF(1.5mL)およびMeOH(1.5mL)に溶解した。LiOH(1.5mL、2N)を添加し、反応物を3時間撹拌した。反応物を蒸発乾固し、次いで酢酸エチルおよび1N 塩酸に分配した。有機層を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を分取HPLCで精製して、生成物を得た(36%、24mg)。1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 1.00(m, 2H), 1.41(m, 2H), 1.72(m, 4H), 2.03(m, 1H), 3.50-3.70(m, 8H), 4.30(m, 1H), 7.02(t, J=7.7Hz, 1H), 7.15(d, J=15.0Hz, 1H), 7.16(d, J=8.3Hz, 1H), 7.22(d, J=8.3Hz, 1H), 7.45(td, J=8.0,1.8Hz, 1H), 7.58(dd, J=1.7,8.0Hz, 1H), 7.66(dq, J=15.1,4.4Hz, 1H), 7.95(d, J=8.4Hz, 1H)。
【0248】
実施例20
trans−4−{3−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェノキシ}−シクロヘキサンカルボン酸
出発フェノールとして3−[4−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(実施例18)を使用して、実施例19の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 603.9(M+H+)。
【0249】
実施例21
4−{3−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェノキシ}−シクロヘキサンカルボン酸
出発フェノールとして3−[4−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(実施例18)および出発アルコールとして4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステルを使用して、実施例19の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 604.2(M+H+)。
【0250】
実施例22
4−{2−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェノキシ}−シクロヘキサンカルボン酸
出発アルコールとして4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステルを使用して、実施例19の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 604.0(M+H+)。
【0251】
実施例23
cis−4−{2−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェノキシ}−シクロヘキサンカルボン酸
Cis−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸(1.04g、7.2mmol)およびジメチルホルムアミドジ−tert−ブチルアセタール(5.0mL、20.9mmol)をベンゼン(6mL)に溶解し、一晩、80℃で加熱した。水性後処理による単離により、cis−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチルエステルを得た。tert−ブチルエステル(0.51g、2.5mmol)、p−ニトロ安息香酸(1.94g、11.6mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.33g、12.7mmol)をベンゼン(30mL)に溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.5mL、12.7mmol)を添加し、溶液を一晩、80℃で撹拌した。反応物を蒸発乾固し、分取HPLCで精製して、ジエステル、4−ニトロ−安息香酸trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキシルエステル(32%、283mg)を得た。ジエステル(142mg、0.41mmol)をTHF(2mL)およびMeOH(2mL)に溶解した。LiOH(2mL、2N)を添加し、反応物を30分撹拌した。反応物を蒸発乾固し、次いで酢酸エチルおよび5%クエン酸に分配した。有機層を2回飽和重炭酸ナトリウムで、次いで飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を分取HPLCで精製して、trans−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチルエステル(105%、85mg)を得た。3−[4−(2−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(50mg、0.10mmol、実施例17)、trans−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸tert−ブチルエステル(42mg、0.21mmol)、およびトリフェニルホスフィン(70mg、0.27mmol)をTHF(1.5mL)に溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.042mL、0.21mmol)を添加し、溶液を一晩、80℃で密封試験管中撹拌した。HPLCでほとんど変換していないことが示された。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.042mL、0.21mmol)を添加し、溶液を一晩、80℃で撹拌した。反応物を蒸発乾固し、分取HPLCで精製した。この物質(34mg、0.052mmol)を塩化メチレン(1mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、反応物を1.5時間撹拌した。反応物を蒸発乾固し、残渣を分取HPLCで精製して、生成物を得た(24%、7.4mg)。1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 1.32-1.61(m, 8H), 2.19(m, 1H), 3.49-3.70(m, 8H), 4.52(m, 1H), 7.03(td, J=7.3,0.9Hz, 1H), 7.10-7.18(m, 2H), 7.12(d, J=14.9Hz, 1H), 7.47(td, J=7.8,1.5Hz, 1H), 7.56(dd, J=1.8,7.7Hz, 1H), 7.66(dq, J=15.2,4.4Hz, 1H), 7.92(d, J=8.7Hz, 1H); MS(ESI(+))m/z 604.3(M+H+)。
【0252】
実施例24
cis−4−{3−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェノキシ}−シクロヘキサンカルボン酸
出発フェノールとして3−[4−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−1−モルホリン−4−イル−プロペノン(実施例18)を使用して、実施例23の方法に従った。MS(ESI(+))m/z 604.4(M+H+)。
【0253】
実施例25
1−モルホリン−4−イル−3−(4−{3−[(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミノ]−フェニルスルファニル}−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−プロペノン
実施例4の生成物を、シクロブタノンの代わりに4−テトラヒドロ−ピラン−4−カルバルデヒドを使用して、実施例8に記載の方法に付し、最終生成物を得た。MS(ESI(+))m/z 575(M+H+)。
【0254】
実施例26
1−モルホリン−4−イル−3−(4−{3−[(ピペリジン−4−イルメチル)−アミノ]−フェニルスルファニル}−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−プロペノン
シクロブタノンを4−ホルミル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに置き換えて、実施例8の方法に従った。生成物をジクロロメタンに溶解し、それにトリフルオロ酢酸をモル過剰で添加した。1時間後、反応物を濃縮して最終生成物を得た。MS(ESI(+))m/z 574(M+H+)。
【0255】
実施例27
{3−[4−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロペニル)−2,3−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−フェニルアミノ}−酢酸
実施例4の生成物をブロモ−酢酸とジオキサン−水(5:2)溶媒中、80℃で3時間反応させ、最終生成物を得て、それをHPLCで精製した。MS ESI(+)m/z 535(M+H+)。
【0256】
各実施例で得た生成化合物の構造式を下記に示す。
【化27】

【化28】

【化29】

【0257】
本発明の他の態様が、本明細書の考察およびここに記載の発明の実施により、当業者には明白となろう。本明細書および実施例は例示としてのみ考慮すべきであり、本発明の真の範囲は添付の特許請求の範囲により示されると解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中、
、R、R、R、およびRは、各々独立して水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から選択され、
は非置換アルキル、非置換飽和シクロアルキル、非置換カルボキシアルキル、および非置換ヘテロシクリルアルキルから選択され、
ここで、該非置換飽和シクロアルキル、非置換カルボキシアルキル、および非置換ヘテロシクリルアルキルは、式IのNHに該アルキル基を介して結合しており、
ここで、非置換カルボキシアルキルは分枝アルキル鎖から選択される。
ただし、該ヘテロシクリルアルキルは
【化2】

ではなく、
およびRの少なくとも一方が下記:
A.
【化3】

(式中、RおよびRは各々独立して水素、アルデヒド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホネート、スルホニル、チオ、および他のカルボニル含有基から選択される)
として定義されるcis−シンナミドまたはtrans−シンナミドから選択されるシンナミド;
B. 式IVの置換基:
【化4】

(式中、D、B、YおよびZは各々独立して−CR31=、−CR3233−、−C(O)−、−O−、−SO−、−S−、−N=、および−NR34−から成る群から選択され;
nは0から3の整数であり;そして
31、R32、R33およびR34は各々独立して水素、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、モノアルキルアミノカルボニルアルキル、ジアルキルアミノカルボニルアルキルおよびカルボキシアルキルから成る群から選択される);
C.
【化5】

(式中、R35およびR36は各々独立して水素、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、およびカルボキシアルキルから成る群から選択され、そして
37およびR38は各々独立して水素、アルキル、カルボキシアルキル、モノアルキルアミノカルボニルアルキル、およびジアルキルアミノカルボニルアルキルから成る群から選択される)
として定義されるcis−シクロプロパン酸、trans−シクロプロパン酸、cis−シクロプロパンアミドおよびtrans−シクロプロパンアミドから選択されるシクロプロピル誘導体;
D. 式VIの置換基:
【化6】

(式中、RおよびRは上記で定義の通りである);
E. 式VIIのケイ皮酸:
【化7】

(式中、RおよびRは上記で定義の通りである);
から選択され:
10およびR11は各々独立して水素、アルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、スルホニルチオ、および他のカルボニル含有基から選択されるか、または
10およびR11がNと一体となって、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基に結合したヘテロシクリル基を形成し、そして
が上記で定義のシンナミド、式IVの置換基、式VIの置換基、およびシクロプロピル誘導体であるとき、RとR、およびRとRは、一体となって5から7員シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリル環を形成でき、そしてRが上記で定義のシンナミド、式IVの置換基、式VIの置換基、およびシクロプロピル誘導体から選択されるとき、RとR、RとR、およびRとRは一体となって5から7員シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリル環を形成でき、
Arは、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリールである。〕
の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグ。
【請求項2】
がC1−6非置換アルキルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がメチルである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
がC2−7非置換カルボキシアルキルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
が−CH(CH)−CH−CH−C(O)−OHである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
がC3−8非置換飽和シクロアルキルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
がシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびビシクロ[2.2.1]ヘプチル、およびシクロオクチルから選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
が非置換ヘテロシクリルアルキルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
がイミダゾリル(C−C)アルキル、テトラヒドロピラニル(C−C)アルキル、ピペリジニル(C−C)アルキルおよびピリジル(C−C)アルキルから選択される、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
非置換ヘテロシクリルアルキルが、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ビオチニル、シンノリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジチアゾリル、フリル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリジニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリジン−2−オニル、ピロリニル、ピロリル、キノリニル、キノキサロイル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル、トリアゾリル、単環式ヘテロ環式基がアルキレン基により架橋している架橋二環式基、および式
【化8】

(式中、XおよびZは−CH−、−CHNH−、−CHO−、−NH−および−O−から独立して選択される。ただし、XおよびZの少なくとも一方は−CH−ではなく、そしてYは−C(O)−および−(C(R”))−から選択され、ここで、R”は水素または1個から4個の炭素のアルキルであり、そしてvは1−3である)から選択されるヘテロ環を含む、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
式III:
【化9】

〔式中、
、R、R、R、およびRは各々独立して水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から選択され、
が上記で定義のシンナミド、式IVの置換基、式VIの置換基、およびシクロプロピル誘導体から選択されるとき、RとR、およびRとRは一体となって5から7員シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリル環を形成でき、そしてRが上記で定義のシンナミド、式IVの置換基、式VIの置換基、およびシクロプロピル誘導体から選択されるとき、RとR、RとR、およびRとRは、一体となって5から7員シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリル環を形成でき、
はカルボキシシクロアルキルである。
ただし、RおよびRの少なくとも一方が下記:
A.
【化10】

(式中、RおよびRは各々独立して水素、アルデヒド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、および他のカルボニル含有基から選択されから選択される)
として定義されるcis−シンナミドまたはtrans−シンナミドから選択されるシンナミド;
B. 式IVの置換基:
【化11】

(式中、D、B、YおよびZは各々独立して−CR31=、−CR3233−、−C(O)−、−O−、−SO−、−S−、−N=、および−NR34−から成る群から選択され;
nは0から3の整数であり;そして
31、R32、R33およびR34は各々独立して水素、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、モノアルキルアミノカルボニルアルキル、ジアルキルアミノカルボニルアルキルおよびカルボキシアルキルから成る群から選択される);
C.
【化12】

(式中、R35およびR36は各々独立して水素、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、およびカルボキシアルキルから成る群から選択され、そして
37およびR38は各々独立して水素、アルキル、カルボキシアルキル、モノアルキルアミノカルボニルアルキル、およびジアルキルアミノカルボニルアルキルから成る群から選択される)
として定義されるcis−シクロプロパン酸、trans−シクロプロパン酸、cis−シクロプロパンアミドおよびtrans−シクロプロパンアミドから選択されるシクロプロピル誘導体;
D. 式VIの置換基:
【化13】

(式中、RおよびRは上記で定義の通りである);および
E. 式VIIのケイ皮酸:
【化14】

(式中、RおよびRは上記で定義の通りである);
から選択され:
10およびR11は各々独立して水素、アルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、および他のカルボニル含有基から選択されるか、または
10およびR11がNと一体となって、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基に結合したヘテロシクリル基を形成し、そして
Arは、水素、アルキル、アルケニル、アルケンオキシ、アルキニル、アルデヒド、アルカノイル、アルコキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エーテル、エステル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、オキソ、ペルフルオロアルキル、スルホニル、スルホネート、チオ、および他のカルボニル含有基から独立して選択される少なくとも1個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリールである。〕
の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグ。
【請求項12】
のカルボキシシクロアルキルが、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルから選択されるシクロアルキル基を含む、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
がカルボキシシクロヘキシルである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
およびRが水素、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、およびニトロから選択される、請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
が“cis−シンナミド”または“trans−シンナミド”であり、そしてRが“cis−シンナミド”または“trans−シンナミド”ではない、請求項1から14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
が式IVの置換基であり、そしてRが式IVの置換基ではない、請求項1から15のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
がシクロプロピル誘導体であり、そしてRがシクロプロピル誘導体ではない、請求項1から16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
が式VIの置換基であり、そしてRが式VIの置換基の置換基ではない、請求項1から17のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
が式VIIの置換基であり、そしてRが式VIIの置換基ではない、請求項1から18のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
化合物が、ICAM−1/LFA−1生化学的相互作用アッセイにより測定して、約1.0μM未満またはそれに等しいIC50を有する、請求項1から19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
化合物が、ICAM−1/LFA−1生化学的相互作用アッセイにより測定して、約0.1μM未満またはそれに等しいIC50を有する、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
化合物が、ICAM−1/LFA−1生化学的相互作用アッセイにより測定して、約0.01μM未満またはそれに等しいIC50を有する、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
化合物が、ICAM−1/LFA−1生化学的相互作用アッセイにより測定して、約0.001μM未満またはそれに等しいIC50を有する、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
化合物が、T細胞増殖アッセイにより測定して、約3.0μM未満またはそれに等しいEC80を有する、請求項1から23のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
化合物が、T細胞増殖アッセイにより測定して、約0.3μM未満またはそれに等しいEC80を有する、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
化合物が、T細胞増殖アッセイにより測定して、約0.03μM未満またはそれに等しいEC80を有する、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項28】
薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、炎症性疾患の処置法。
【請求項30】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、免疫疾患の処置法。
【請求項31】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、炎症を阻害する方法。
【請求項32】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、免疫応答を抑制する方法。
【請求項33】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、ICAM−1とLFA−1の相互作用が関連する疾患の処置法。
【請求項34】
化合物がLFA−1の相互作用ドメインに結合する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、少なくとも一部がLFA−1により介在される疾患の処置法。
【請求項36】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、LFA−1阻害剤に応答する疾患の処置法。
【請求項37】
請求項1から26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、乾癬の処置法。
【請求項38】
乾癬が慢性斑状乾癬である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
乾癬が膿疱性乾癬である、請求項37記載の方法。
【請求項40】
乾癬が滴状乾癬である、請求項37記載の方法。
【請求項41】
乾癬が乾癬性紅皮症である、請求項37記載の方法。

【公表番号】特表2007−535555(P2007−535555A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511006(P2007−511006)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/014802
【国際公開番号】WO2005/105766
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(501384702)イコス・コーポレイション (2)
【氏名又は名称原語表記】ICOS CORPORATION
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】