説明

炎症性肺疾患の治療のためのHMG−CoAレダクターゼインヒビターとホスホジエステラーゼ4インヒビターとの組合せ物

【課題】喘息及びCOPDをより効果的に治療することができる組合せ物及び治療方法を提供する。
【解決手段】PDE4インヒビター又はそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、HMG−CoAレダクターゼインヒビター又はそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤とを含む医薬製剤を含む医薬組成物であって、第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的又は治療的な処置のための有効量を構成することを特徴とする医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療目的のための一定の公知の治療化合物の組合せ物に関する。本発明による組合せ物において使用される物質は、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)インヒビタークラスからの公知の活性剤及びHMG−CoAレダクターゼインヒビタークラスからの活性剤である。
【背景技術】
【0002】
スタチン類は、コレステロール降下性治療剤として広く知られている。それらは、コレステロール合成を調節する主要な酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼの競合阻害によってコレステロールレベルを下げる。また、スタチン類のコレステロール降下作用は、細胞内コレステロール枯渇の結果としての細胞によるコレステロール摂取の増加と、低密度リポタンパク質(LDL)受容体の高められた発現によるものである。
【0003】
しかしながら、スタチン類は、その脂質降下作用を超える特性を示す。これらの非脂質降下特性は、機能に変化をもたらす多くのタンパク質のプレニル化のために前駆体として必要とされるコレステロール前駆体のメバロン酸塩を含むイソプレノイド経路の阻害を必要とする[Drugs of Today;2004;40:975−990]。例えば、シンバスタチンは、ケモカインとケモカイン受容体の発現をヒトの内皮細胞及びマクロファージにおけるゲラニルゲラニルイソプレノイド経路によって調節する[Veillard NR et al;Simvastatin modulates chemokine and chemokine receptor expression by geranylgeranyl isoprenoid pathway in human endothelial cells and macrophages;Atherosclerosis;2005 Nov 28;Epub ahead of print]。スタチン類は、また、炎症の応答低下を引き起こす抗酸化剤としての潜在的な役割を有する[Drugs of Today;2004:40:975−990]。最近のリサーチデータによれば、スタチン類はインターフェロン−γ(IFN−γ)による主要組織適合(MHC)クラスII発現の誘導を阻害し、それがMHC IIに媒介されるT細胞活性化の抑制をもたらすことが裏付けられている。更に、スタチン類は、単球上の特定の細胞表面受容体の発現、接着分子の発現、またインテグリン依存性の白血球接着を阻害する[Timely Top Med Cardiovasc Dis;2005;9:E3]。スタチン類は、ヒトの血管平滑筋細胞(VSMC)においてインビボでIL−6、IL−8及びMCP−1が低下することによって炎症に対して付加的な作用を示す[Cardiovas Res;2003;59:755−66]。シンバスタチンは、成長因子の発現を阻害し、肺線維芽細胞における前線維形成誘導性マーカー(profibrogenic marker)を調節する[Am J Respir Cell Mol Biol.2005;32:290−300]。更に、スタチン類は、窒素酸化物の生物学的利用能を高める。セルバスタチンは、eNOS発現を高め、ヒト内皮細胞におけるNO放出を高める[J Physiol Pharmacol.2002;53:585−95]。インビボでスタチン類は、喘息及びCOPDなどの炎症性気道疾患の多くのモデルにおいて抗炎症作用を及ぼす。シンバスタチンは、マウスにおけるアレルゲン誘発後に、肺炎症細胞蓄積と腺胞腔へのIL−4とIL−5の放出を阻害することが示された[J Immunol.2004;172:2903−8]。シンバスタチンは、ラットの肺における喫煙誘発性の肺気腫と肺高血圧を阻害する[Am J Respir Crit Care Med.2005;172:987−93]。全体的に、スタチン類は、炎症及び免疫系に対する調節において阻害特性を示す。
【0004】
国際特許出願WO00/48626号(ワシントン大学)において、喘息、間質肺炎、肺気腫、慢性気管支炎、成人性呼吸促迫症候群(ARDS)及び嚢胞性線維症などの肺疾患と関連する炎症を阻害するための、HMG−CoAレダクターゼインヒビターのエーロゾル型組成物が記載されている。EP1275388(武田)においては、幾つかのスタチン類が、喘息及びCOPDを含む炎症性疾患などのTNFα関連疾患の治療のために有用であることが記載されている。US20050119330号においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターを、例えば肺高血圧及び肺線維症などの肺増殖性血管疾患の治療のために用いる使用が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO00/48626号
【特許文献2】EP1275388
【特許文献3】US20050119330
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Drugs of Today;2004;40:975−990
【非特許文献2】Veillard NR et al;Simvastatin modulates chemokine and chemokine receptor expression by geranylgeranyl isoprenoid pathway in human endothelial cells and macrophages;Atherosclerosis;2005 Nov 28;Epub ahead of print
【非特許文献3】Drugs of Today;2004:40:975−990
【非特許文献4】Timely Top Med Cardiovasc Dis;2005;9:E3
【非特許文献5】Cardiovas Res;2003;59:755−66
【非特許文献6】Am J Respir Cell Mol Biol.2005;32:290−300
【非特許文献7】J Physiol Pharmacol.2002;53:585−95
【非特許文献8】J Immunol.2004;172:2903−8
【非特許文献9】Am J Respir Crit Care Med.2005;172:987−93
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
喘息及びCOPDのような炎症性肺疾患の治療を改善するという切なる必要がある。これらの炎症性疾患は、多因子的病理学によって特徴付けられている。幾つかの炎症メディエーターが、様々な細胞型と同様に関与している。従って、例えば喘息及びCOPDの治療のための診療において、単独のメディエーターもしくは細胞型をターゲットとすることは、十分な結果をもたらさなかった。喘息とCOPDの両者のためには、現在では、組合せ療法が使用されているが、多くの事例において特にCOPDで限られた成功を収めているにすぎない。
【0008】
環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビター、特に4型(PDE4)のインヒビターは、様々なアレルギー疾患及び炎症疾患の治療において、例えば喘息及び慢性閉塞性肺疾患のような呼吸器疾患において有用である。
【0009】
HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、PDE4インヒビターとは異なる経路によって、炎症性疾患の治療においても有用である。
【0010】
PDE4インヒビター及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターの異なる治療経路を利用して、炎症性疾患、特に喘息及びCOPDをより効果的に治療することができる組合せ物及び治療方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の開示
ここで、PDE4インヒビターとHMG−CoAレダクターゼインヒビターとの組合せ使用は、各成分単独の抗炎症性作用を増強することが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、化合物Aによる、ラットにおけるLPSに誘発される(全身性)TNFα放出の阻害を示している。
【図2】図2は、アトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物による、ラットにおけるLPSに誘発される(全身性)TNFα放出の阻害を示している。
【図3】図3は、化合物Aとアトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物との組合せ物による、ラットにおけるLPSに誘発される(全身性)TNFα放出の阻害を示している。
【0013】
図面の説明:
図面において、アトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物は、単に"アトルバスタチンCa"として示している。
図1:化合物Aによる、ラットにおけるLPSに誘発される(全身性)TNFα放出の阻害
図2:アトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物による、ラットにおけるLPSに誘発される(全身性)TNFα放出の阻害
図3:化合物Aとアトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物との組合せ物による、ラットにおけるLPSに誘発される(全身性)TNFα放出の阻害
【発明を実施するための形態】
【0014】
従って、本発明の第一の態様によれば、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤とを含む医薬製剤を含み、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成する医薬組成物が提供される。
【0015】
前記の医薬組成物は、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と一緒にHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を投与することをもたらし、従って単独の製剤として存在する。
【0016】
選択的に、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩は、別々の製剤として存在してよく、その際、これらの製剤の少なくとも1つが、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を含有し、かつ少なくとも1つが、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を含有する。
【0017】
こうして更に以下のものが提供される:
構成材料:(A)PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩;(B)HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とを含む組合せ製品であって、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成し、かつ構成材料(A)及び(B)のそれぞれが、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で製剤化されている組合せ製品。
【0018】
構成材料:(A)PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量を、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で含む医薬製剤;(B)HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量を、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で含む医薬製剤を含むキットであって、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成するキット。
【0019】
本発明による組合せ物は、例えば喘息、COPD、硬化症、肺胞炎、類肉腫症、突発性肺線維症及び肺高血圧などの炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のために使用することができる。
【0020】
従って、本発明の更なる態様は、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩との、医薬品として使用するための組合せ物である。
【0021】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩との、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための組合せ物。
【0022】
医薬品として使用するための、前記段落に記載される医薬組成物、組合せ製品又はキット。
【0023】
炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための、前記段落に記載される医薬組成物、組合せ製品又はキット。
【0024】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を、特に本発明による医薬組成物を、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のために用いる使用。
【0025】
本発明のもう一つの態様は、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を、連続的にもしくは別々に同時投与可能な医薬品の製造のために、特に本発明による組合せ製品もしくはキットを、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のために用いる使用である。
【0026】
本発明の更にもう一つの態様は、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための方法において、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤とを含む医薬製剤を含む医薬組成物をそれを必要とする患者に投与することを含み、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成する方法である。
【0027】
本発明の更なる態様は、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための方法において、構成材料:
(A)PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量;
(B)HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量
を含む組合せ製品をそれを必要とする患者に投与することを含み、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成し、構成材料(A)と(B)のそれぞれが少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で製剤化されており、かつ構成材料(A)と(B)が同時に、連続的にもしくは別々に投与される方法である。
【0028】
本発明による医薬組成物は、第一の活性剤と第二の活性剤とを混合することによって製造できる。
【0029】
前記の混合方法においては、第一の活性剤と第二の活性剤とは、
a)第一工程でそれ自体混合し、次いで少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤と一緒に加工し、最後に、例えばタブレットもしくはカプレットへと加工してよく、又は
b)第一工程で別々に少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤と共に加工して、それぞれ2つの活性剤の1つだけを含有する顆粒もしくはペレットを得て、該ペレットもしくは顆粒をその一部について好適な比率で混合し、そして場合により他の製剤学的に認容性の助剤と共に圧縮して、例えばタブレットもしくはカプレットを得るか、もしくはカプセル中に緩い形で充填してよい。
【0030】
従って、本発明のなおも更なる一態様においては、医薬組成物の製造方法において、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩である第一の活性剤と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩である第二の活性剤とを混合することを含む方法が提供される。
【0031】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩との同時の投与は、好ましくは、炎症性肺疾患の治療を必要とする患者に、本発明による医薬組成物を1つの剤形で、例えば単独のカプセル、タブレットもしくは注射薬において投与することによって達成できる。
【0032】
組合せ製品並びにキットの構成材料(A)及び(B)は、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置の経過において連続的にもしくは別々に投与することができる。
【0033】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩との連続的なもしくは別々の投与は、好ましくは、炎症性肺疾患の治療を必要とする患者に、本発明による組合せ製品もしくはキットの構成材料(A)及び(B)を、(複数の)別々の剤形において、例えば別々のカプセル、タブレットもしくは注射薬において投与することによって達成できる。本発明による組合せ製品もしくはキットの構成材料(A)及び(B)は、また、同時に、例えば両方の活性剤を含有する2つのタブレットを同時に飲み込むことによるか、又は両方の活性剤を別々の容器中に含むが、それらを一緒に送達する吸入システムを用いることによって投与することもできる。
【0034】
選択的に、成分(A)と(B)の一方を、錠剤又はカプセル剤として製剤化し、そして他方の成分を、例えば注射又は吸入による投与のために製剤化することができる。
【0035】
連続的な投与は、本発明による組み合わせ製品もしくはキットの成分(A)と(B)の投与の間に短期間(例えば、一方の錠剤をもう一方の後に飲み込むのに必要な時間)を含む。
【0036】
別々の投与は、本発明による組み合わせ製品もしくはキットの成分(A)と(B)の投与の間に比較的短期間と比較的長時間の両者を含む。しかしながら、本発明の目的のためには、少なくとも1種の成分は、他の成分が治療される患者に依然として作用を有する間に投与される。本発明の好ましい一実施態様においては、治療される患者に対する作用は、相乗作用である。
【0037】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を、本発明による医薬組成物、組合せ製品もしくはキットのいずれかの形で組合せ投与することによって、効果的な炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置がもたらされ、かつ好ましい一実施態様では、各活性剤単独での使用よりも優れている。更に、特に好ましい一実施態様においては、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の組合せ投与によって、炎症性肺疾患の治療のために相乗効果が示される。
【0038】
本願で使用される場合に、用語"相乗効果"とは、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とを、本発明による医薬組成物、組合せ製品もしくはキットのいずれかの形で組合せると、それぞれの個々の作用の合計から期待されるよりも高い炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置についての効果を有することを指す。本発明の実施態様の相乗的作用は、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置に予測されない付加的な利点を含む。係る付加的な利点は、これらに制限されないが、組合せ物の1種以上の有効化合物に必要な用量の低下、組合せ物の1種以上の有効化合物の副作用の軽減、又は炎症性肺疾患の治療が必要な患者に対する1種以上の有効化合物のより高い許容性の付与を含む。PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩との組合せ投与は、また、別々の投与に必要な回数を減らすために有用であり、こうして炎症性肺疾患の治療を必要とする患者のコンプライアンスを潜在的に改善する。
【0039】
本発明による組合せ物の治療効果は、また、COPDの際だった特徴である肺機能の迅速な衰退に関して観察することもでき、それらの効果は、COPDの特徴でもある全身性炎症に関しても観察できる。本発明による組合せ物の長期効果は、肺機能の保全と、並存疾患(全身性炎症に対する作用に基づく)が推定上ほとんどないことである。
【0040】
本願で使用される"有効化合物"という用語は、疾患の予防的もしくは治療的な処置に有用な化合物を指す。
【0041】
本願で使用される"有効量"という用語は、炎症性肺疾患の治療のための治療学的に有効な量を指す。組合せ療法の場合には、用語"有効量"は、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置についての治療学的に有効である組み合わせ相手同士の量の合計を指す。
【0042】
用語"患者"は、ヒトと他の哺乳動物の両方を含む。本発明の好ましい一実施態様においては、"患者"という用語は、ヒトを意味する。
【0043】
本願で使用される"PDE4インヒビター"という用語は、ホスホジエステラーゼの他のイソ酵素に対して優先的にホスホジエステラーゼのPDE4イソ酵素の生理学的効果を低下できる有効化合物を指す。
【0044】
本発明による医薬組成物、組合せ製品もしくはキットで有効に使用できるPDE4インヒビターの制限されない例を、第1表に列記する。
【0045】
本発明の一実施態様においては、PDE4インヒビターは、ロフルミラスト(CAS番号162401−32−3)、ロフルミラスト−N−オキシド(CAS番号292135−78−5)、シロミラスト(CAS番号153259−65−5)、AWD−12−281(CAS番号257892−33−4)、トフィミラスト(CAS番号185954−27−2)、テトミラスト(CAS番号145739−56−6)、リリミラスト(CAS番号329306−27−6)、L−869298(CAS番号362718−73−8)、オグレミラスト(CAS番号778576−62−8)、2−{4−[(4aS,8aR)−4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1−オキソ−4a,5,8,8a−テトラヒドロ−1H−フタラジン−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトアミド(以下に、化合物Aと呼ぶ;CAS番号449760−58−1)及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択される。
【0046】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、ロフルミラスト、ロフルミラストの製剤学的に認容性の塩、ロフルミラスト−N−オキシド及びロフルミラスト−N−オキシドの製剤学的に認容性の塩からなる群から選択される。
【0047】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、ロフルミラストである。本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、ロフルミラスト−N−オキシドである。
【0048】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、シロミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0049】
本発明のもう一つの実施態様においては、シロミラストの好ましい製剤学的に認容性の塩は、シロミラストのリチウム塩、ナトリウム塩、エチレンジアミン塩及びトロメタミン塩である。シロミラストの特に好ましい製剤学的に認容性の塩は、シロミラストのナトリウム塩である。シロミラストのもう一つの特に好ましい製剤学的に認容性の塩は、シロミラストのリチウム塩である。シロミラストの水和物のための一例としては、シロミラストのリチウム塩の一水和物を挙げることができる。
【0050】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、AWD−12−281もしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0051】
本発明のもう一つの実施態様においては、AWD−12−281の好ましい製剤学的に認容性の塩は、AWD−12−281のナトリウム塩である。
【0052】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、トフィミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0053】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、テトミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0054】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、リリミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0055】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、L−869298もしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0056】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、オグレミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0057】
本発明のもう一つの実施態様においては、オグレミラストの好ましい製剤学的に認容性の塩は、オグレミラストの一ナトリウム塩及び二ナトリウム塩である。
【0058】
本発明のもう一つの実施態様においては、PDE4インヒビターは、化合物Aもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0059】
第1表
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
PDE4インヒビターのロフルミラスト、ロフルミラスト−N−オキシド及びそれらの製剤学的に認容性の塩の製造、好適な剤形及び投与量範囲に関する付加的な情報は、以下の特許/特許出願:WO9501338号、WO03070279号及びWO2006032676号に見出すことができる。
【0063】
PDE4インヒビターのシロミラスト、AWD−12−281、トフィミラスト、テトミラスト、リリミラスト、L−869298、オグレミラスト、化合物A及びそれらの製剤学的に認容性の塩の製造、好適な剤形及び投与量範囲に関する付加的な情報は、以下の特許/特許出願:WO9319749号、WO9809946号、WO9955696号、WO9639408号、WO9209586号、EP0731099号、WO0170738号、WO04089940号及びWO02064584号に見出すことができる。
【0064】
本願で使用される"HMG−CoAレダクターゼインヒビター"という用語は、コレステロール生合成における早期律速段階を触媒し、それにより高脂血症患者におけるコレステロール及びトリグリセリドのレベルを低下させる、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼの競合的インヒビターを指す。
【0065】
本発明による医薬組成物、組合せ製品もしくはキットで有効に使用できるHMG−CoAレダクターゼインヒビターの制限されない例を、第2表に列記する。
【0066】
本発明の一実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、ロバスタチン(CAS番号75330−75−5)、プラバスタチン(CAS番号081093−37−0)、シンバスタチン(CASb暗号079902−63−9)、アトルバスタチン(CAS番号134523−00−5)、フルバスタチン(093957−54−1)、ロスバスタチン(CAS番号287714−41−4)、ピタバスタチン(CAS番号147511−69−1)、ベルバスタチン(CAS番号132017−01−7)、ダルバスタチン(CAS番号132100−55−1)、グレンバスタチン(CAS番号122254−45−9)及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択される。
【0067】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、ロバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0068】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、プラバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0069】
本発明のもう一つの実施態様においては、プラバスタチンの好ましい製剤学的に認容性の塩は、プラバスタチンのカリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩及びヘミカルシウム塩である。プラバスタチンの特に好ましい製剤学的に認容性の塩は、プラバスタチンのナトリウム塩である。
【0070】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、シンバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0071】
本発明のもう一つの実施態様においては、シンバスタチンの製剤学的に認容性の塩は、シンバスタチンのナトリウム塩である。
【0072】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、アトルバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0073】
本発明のもう一つの実施態様においては、アトルバスタチンの好ましい製剤学的に認容性の塩は、アトルバスタチンのカリウム塩、ナトリウム塩及びヘミカルシウム塩である。アトルバスタチンの特に好ましい製剤学的に認容性の塩は、アトルバスタチンのヘミカルシウム塩である。アトルバスタチンの水和物のための一例としては、アトルバスタチンのヘミカルシウム塩の三水和物及びセスキ水和物を挙げることができる。
【0074】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、フルバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0075】
本発明のもう一つの実施態様においては、フルバスタチンの製剤学的に認容性の塩は、フルバスタチンのナトリウム塩である。
【0076】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、ロスバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0077】
本発明のもう一つの実施態様においては、ロスバスタチンの好ましい製剤学的に認容性の塩は、ロスバスタチンのカリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、ヘミマグネシウム塩及びヘミカルシウム塩である。ロスバスタチンの特に好ましい製剤学的に認容性の塩は、ロスバスタチンのヘミカルシウム塩である。ロスバスタチンのもう一つの特に好ましい製剤学的に認容性の塩は、ロスバスタチンのナトリウム塩である。
【0078】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、ピタバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0079】
本発明のもう一つの実施態様においては、ピタバスタチンの好ましい製剤学的に認容性の塩は、ピタバスタチンのカリウム塩、ナトリウム塩及びヘミカルシウム塩である。ピタバスタチンの特に好ましい製剤学的に認容性の塩は、ピタバスタチンのヘミカルシウム塩である。
【0080】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、ベルバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0081】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、ダルバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0082】
本発明のもう一つの実施態様においては、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、グレンバスタチンもしくはその製剤学的に認容性の塩である。
【0083】
第2表:
【表4】

【0084】
【表5】

【0085】
【表6】

【0086】
第2表に列記されているHMG−CoAレダクターゼインヒビターであるロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン及びピタバスタチンは、市販されている。当業者は、これらの化合物の好適な製剤及び用量範囲に精通している。これらのHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の製造、好適な剤形及び投与量範囲に関する付加的な情報は、以下の特許/特許出願:EP022478号、DE3122499号、EP033538号、EP0247633号、EP0114027号、EP0521471号及びEP0304063号に見出すことができる。
【0087】
HMG−CoAレダクターゼインヒビターのベルバスタチン、ダルバスタチン、グレンバスタチン及びそれらの製剤学的に認容性の塩の製造、好適な剤形及び投与量範囲に関する付加的な情報は、以下の特許/特許出願:EP0380392号、W08905639号及びEP0307342号に見出すことができる。
【0088】
用語"製剤学的に認容性の塩"の範囲内に含まれる塩は、上述の特定の例に制限されない。前記の用語は、PDE4インヒビターもしくはHMG−CoAレダクターゼインヒビターの無毒の塩を指し、それらは、一般に遊離塩基と好適な有機もしくは無機の酸とを反応させることによって(酸付加塩)、又は遊離酸と好適な有機もしくは無機の塩基とを反応させることによって製造される。酸付加塩は、これらに制限されないが、塩酸塩、臭化水素塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、D−グルコン酸塩、安息香酸塩、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、酪酸塩、スルホサリチル酸塩、マレイン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、ステアリン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩及びトリフルオロ酢酸塩を含む。塩基との塩の例は、これらの制限されないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、チタン塩、アンモニウム塩、メグルミン塩及びグアニジニウム塩を含む。
【0089】
PDE4インヒビター、HMG−CoAレダクターゼインヒビター並びにそれらの製剤学的に認容性の塩は、それらの製剤学的に認容性の溶媒和物の形で、特にそれらの製剤学的に認容性の水和物の形で存在してもよいと理解される。
【0090】
本発明による組合せ物は、任意の好適な経路によって、例えば経口、舌下、頬内、静脈内、動脈内、筋内、皮下、皮内、局所、経皮、鼻内、腹腔内、直腸内又は膣内の投与によって、吸入又は吹込によって投与することができる。
【0091】
経口投与のためには、錠剤、被覆錠剤(糖剤)、丸剤、カシェ剤、カプセル剤(カプレット剤)、顆粒剤、液剤、エマルジョン剤及び懸濁液剤が、例えば適している。特に、前記の製剤は、例えば腸溶形、速放形、遅延放出形、反復投与放出形、持続放出形又は徐放形であるように適合させることができる。前記の剤形は、例えば錠剤の被覆によって、異なる条件(例えばpH条件)下に崩壊する層により分離された幾つかのコンパートメントに錠剤を分けることによって、又は有効化合物と生分解性ポリマーとを組み合わせることによって得ることができる。
【0092】
吸入による投与は、有利にはエーロゾルを用いることによってなされる。エーロゾルは、液体−気体分散物、固体−気体分散物又は液体/固体混合物−気体分散物である。
【0093】
エーロゾルは、エーロゾル生成装置、例えば乾燥粉末吸入器(DPI)、加圧式定量噴霧式吸入器(PMDI)及びネブライザーを用いることによって生成させることができる。投与されるべき有効化合物の種類に応じて、エーロゾル生成装置は、有効化合物を、粉末、溶液又は分散液の形で含有してよい。粉末は、例えば以下の助剤:担体、安定剤及び充填剤の1種以上を含有してよい。溶液は、溶剤の他に、例えば以下の助剤:噴射剤、溶解剤(助溶剤)、界面活性剤、安定剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、保存剤及びフレーバーの1種以上を含有してよい。分散液は、分散剤の他に、たとえば以下の助剤:噴射剤、界面活性剤、安定剤、緩衝剤、保存剤及びフレーバーの1種以上を含有してよい。担体の例は、これらに制限されないが、糖類、例えばラクトース及びグルコースを含む。噴射剤の例は、これらに制限されないが、フルオロハイドロカーボン、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン及び1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを含む。
【0094】
エーロゾル粒子(固体、液体又は固体/液体粒子)の粒径は、有利には100μm未満、より有利にはその粒径は、0.5〜10μmの範囲、特に2〜6μmの範囲にある(D50値、レーザ回折により測定される)。
【0095】
非経口の投与様式、例えば静脈内、動脈内、筋内、皮下、皮内及び腹腔内の投与のためには、有利には液剤(例えば滅菌溶液、等張溶液)が使用される。これらは、有利には、注射又は点滴の技術によって投与される。
【0096】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩及び/又はHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤を含む医薬組成物(製剤)は、当業者に公知のようにして、例えば溶解、混合、造粒、糖剤製造、湿式粉砕、乳化、カプセル化、閉じ込め又は凍結乾燥の方法によって製造することができる。製剤学的に認容性の助剤として、医薬組成物(製剤)の製造に適していることが知られる任意の助剤を使用することができる。その例は、これらに制限されないが、溶剤、賦形剤、分散剤、乳化剤、溶解剤、ゲル形成剤、軟膏基剤、酸化防止剤、保存剤、安定剤、担体、充填剤、結合剤、増粘剤、錯形成剤、崩壊剤、緩衝剤、透過促進剤、ポリマー、滑沢剤、被覆剤、噴射剤、浸透圧調整剤、界面活性剤、着色剤、フレーバー、甘味料及び色素を含む。特に、所望の配合及び所望の投与様式に適した型の助剤が使用される。
【0097】
ロフルミラスト、ロフルミラスト−N−オキシド又はいずれかの製剤学的に認容性の塩の最も好ましい投与様式は、経口である。もう一つの好ましい実施態様においては、ロフルミラスト、ロフルミラスト−N−オキシド又はいずれかの製剤学的に認容性の塩は、静脈内注入又は注射によって投与される。更なる一実施態様においては、ロフルミラスト、ロフルミラスト−N−オキシド又はいずれかの製剤学的に認容性の塩は、筋内又は皮下注射によって投与される。他の投与経路、例えば経鼻経路及び経皮経路及び吸入も検討される。
【0098】
PDE4インヒビターであるシロミラスト、テトミラスト、リリミラスト、L−869298、オグレミラスト及び化合物Aの投与の好ましい様式は経口であるが、一方でPDE4インヒビターであるAWD−12−281及びトフィミラストの投与の好ましい様式は、吸入による投与である。
【0099】
HMG−CoAレダクターゼインヒビターであるロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、ベルバスタチン、ダルバスタチン及びグレンバスタチンの投与の好ましい様式は、経口である。
【0100】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩をHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と組み合わせて投与するための厳密な投与量及び投与計画は、必然的に、使用される有効化合物の効力と作用期間、治療されるべき炎症性肺疾患の性質及び重症度並びに治療されるべき患者の性別、年齢、体重、身体全体の健康及び個体応答性並びに他の関連の状況に依存している。
【0101】
本発明による組合せ療法の一部として、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を、単独療法について慣用の規模において投与することで、より高い見込みで、相互に有効に影響しかつ強化する個々の作用のため、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とを組み合わせて投与するにあたり、それぞれの用量を減らすことも可能である。
【0102】
限定することを意図することなく、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の経口投与される日用量(成人患者について)は、一般に、約0.05mg〜約200mgであり、限定することを意図することなく、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の吸入による投与のための日用量(成人患者について)は、一般に、0.05mg〜約100mgの範囲である。
【0103】
3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシ−N−(3,5−ジクロロピリジ−4−イル)ベンザミド(ロフルミラスト)を経口投与する場合に、単独療法のための日用量(成人患者について)は、1日あたり50〜1000μgの範囲で、有利には1日あたり50〜500μgの範囲で、好ましくは1日1回の投与である。3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシ−N−(3,5−ジクロロピリジ−4−イル)ベンザミド(ロフルミラスト)を静脈内投与する場合に、単独療法のための日用量(成人患者について)は、1日あたり50〜500μgの範囲で、有利には1日あたり150〜300μgの範囲である。
【0104】
シロミラストを経口投与する場合に、単独療法のための日用量(成人患者について)は、大抵は、1日あたり10〜40mg、好ましくは1日あたり20〜30mgの範囲で、有利には1日2回の投与である。
【0105】
AWD−12−281を吸入によって投与する場合に、単独療法のための日用量(成人患者について)は、大抵は、1日あたり500〜2000μgの範囲であるべきである。
【0106】
リリミラストを経口投与する場合に、単独療法のための日用量(成人患者について)は、大抵は、1日あたり1〜10mgの範囲であるべきである。
【0107】
オグレミラストを経口投与する場合に、単独療法のための日用量(成人患者について)は、大抵は、1日あたり1〜10mgの範囲であるべきである。
【0108】
化合物Aを経口投与する場合に、単独療法のための日用量(成人患者について)は、大抵は、1日あたり0.1〜10mgの範囲、好ましくは1日1回で0.1〜2mgであるべきである。
【0109】
HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の経口投与される日用量(成人患者について)は、一般に、約0.01mg〜約200mgであり、好ましくは10〜80mgであり、より好ましくは5〜40mgであり、吸入により投与する場合には、0.001mg〜約25mgの投与量範囲が好ましく、更に0.1〜25mgの投与量が好ましい。
【0110】
第3表:好ましい組合せ物
【表7】

【0111】
【表8】

【0112】
【表9】

【0113】
【表10】

【実施例】
【0114】
薬理学:
アトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物と2−{4−[(4aS,8aR)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−4a,5,8,8a−テトラヒドロ−1H−フタラジン−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトアミド(化合物A)との組合せ物による、ラットにおけるLPSに誘発される全身性のTNFα放出の相乗的阻害
動物:雄のスプラグ・ダウレイラット200〜280g
薬剤:アトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物(Alexis Pharmaceuticals,San Diego,CA,USA)及び化合物A(ALTANA Pharma,Konstanz, Germany)
方法:薬剤は、LPS(0.1mg/kg)の静脈内投与の1時間前に、メトセル(methocel)/ポリエチレングリコール400懸濁液として胃管栄養によって投与した。90分後に、ペントバルビタール(48mg/kg)及びヘパリン(1000U/kg)の注射によって安楽死を誘発させた。ヘパリン化された血液を心臓穿刺によって得た。血液を遠心分離(21000×g、4℃、15分)し、血漿サンプルを、TNFαレベルを市販のELISA(Quantakine(登録商標)M,ラットTNFαイムノアッセイ、R&D,MN,USA)により決定するまで、−80℃で凍結させ続けた。
【0115】
統計学:全てのデータは平均±SEMとして示す。有意性は、ANOVAに引き続き、GraphPadPrismソフトウェアパッケージによって提供されるダネットの検定を用いて、LPS誘発された対照群と比較して、一次TNFα濃度で計算した。p<0.05での差は、有意と見なした。用量−応答曲線を、0%〜100%阻害の固定限界の範囲内で非線形回帰分析によって計算した。50%阻害用量(ED50)値は、用量−応答曲線から得た。
【0116】
結果:LPSに誘発される全身性のTNFα放出は、化合物Aとアトルバスタチンカルシウムによって、それぞれ0.14mg/kg(図1)及び23mg/kg(図2)のED50値で用量依存的に阻害された。化合物Aを0.013mg/kg(プラセボに対して1%増加)の用量と、アトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物を0.5mg/kg(プラセボに対して11%減少)の用量は、有意な効果を示さなかった。しかしながら、化合物A(0.13mg/kg)とアトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物(0.5mg/kg)の組合せ物は、予期されず、50%より大きい有意な阻害をもたらした(P<0.01)。
【0117】
結論:PDE4インヒビターである化合物AとHMG−CoAレダクターゼインヒビターであるアトルバスタチンのヘミカルシウムセスキ水和物との有効用量以下の用量の組合せ物は、予期されず、強力な(相乗的な)かつ効果的な炎症プロセスの阻害を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤とを含む医薬製剤を含む医薬組成物であって、第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成することを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
構成材料:(A)PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量;(B)HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量とを含む組合せ製品であって、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成し、かつ構成材料(A)及び(B)のそれぞれが、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で製剤化されていることを特徴とする組合せ製品。
【請求項3】
構成材料:(A)PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量を、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で含む医薬製剤;(B)HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量を、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で含む医薬製剤を含むキットであって、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成することを特徴とするキット。
【請求項4】
請求項1、2もしくは3のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、PDE4インヒビターが、ロフルミラスト、ロフルミラスト−N−オキシド、シロミラスト、AWD−12−281、トフィミラスト、テトミラスト、リリミラスト、L−869298、オグレミラスト、2−{4−[(4aS,8aR)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−4a,5,8,8a−テトラ−ヒドロ−1H−フタラジン−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトアミド及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項5】
請求項1、2もしくは3のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、PDE4インヒビターが、ロフルミラスト、ロフルミラストの製剤学的に認容性の塩、ロフルミラスト−N−オキシド及びロフルミラスト−N−オキシドの製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項6】
請求項1、2、3もしくは5のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品又はキットであって、PDE4インヒビターがロフルミラストであることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品又はキット。
【請求項7】
請求項1、2、3もしくは5のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品又はキットであって、PDE4インヒビターがロフルミラスト−N−オキシドであることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品又はキット。
【請求項8】
請求項1、2もしくは3のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、PDE4インヒビターがシロミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項9】
請求項1、2もしくは3のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、PDE4インヒビターがAWD−12−281もしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項10】
請求項1、2もしくは3のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、PDE4インヒビターがトフィミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項11】
請求項1、2もしくは3のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、PDE4インヒビターがテトミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項12】
請求項1、2もしくは3のいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、PDE4インヒビターがオグレミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、HMG−CoAレダクターゼインヒビターが、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、ベルバスタチン、ダルバスタチン、グレンバスタチン及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、HMG−CoAレダクターゼインヒビターが、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の医薬組成物、組合せ製品もしくはキットであって、炎症性肺疾患が、喘息、COPD、硬化症、肺胞炎、類肉腫症、突発性肺線維症及び肺高血圧からなる群から選択されることを特徴とする医薬組成物、組合せ製品もしくはキット。
【請求項16】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための医薬品、特に本発明による医薬組成物の製造のために用いる使用。
【請求項17】
PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩を、連続的にもしくは別々に同時投与可能な炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための医薬品、特に本発明による組合せ製品もしくはキットの製造のために用いる使用。
【請求項18】
炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための方法において、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量と、少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤とを含む医薬製剤を含む医薬組成物をそれを必要とする患者に投与することを含み、前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成することを特徴とする方法。
【請求項19】
炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための方法において、構成材料:
(A)PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量;
(B)HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩の量
を含む組合せ製品をそれを必要とする患者に投与することを含み、
前記の第一の量と第二の量とが、一緒になって、炎症性肺疾患の予防的もしくは治療的な処置のための有効量を構成し、
構成材料(A)と(B)のそれぞれが少なくとも1つの製剤学的に認容性の助剤との混合物で製剤化されており、かつ
構成材料(A)と(B)が同時に、連続的にもしくは別々に投与されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項16から19までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターが、ロフルミラスト、ロフルミラスト−N−オキシド、シロミラスト、AWD−12−281、トフィミラスト、テトミラスト、リリミラスト、L−869298、オグレミラスト、2−{4−[(4aS,8aR)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−4a,5,8,8a−テトラヒドロ−1H−フタラジン−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトアミド及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項21】
請求項16から19までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターが、ロフルミラスト、ロフルミラストの製剤学的に認容性の塩、ロフルミラスト−N−オキシド及びロフルミラスト−N−オキシドの製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項22】
請求項16から19もしくは21のいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターがロフルミラストであることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項23】
請求項16から19もしくは21のいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターがロフルミラスト−N−オキシドであることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項24】
請求項16から19までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターがシロミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項25】
請求項16から19までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターがAWD−12−281もしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項26】
請求項16から19までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターがトフィミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項27】
請求項16から19までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターがテトミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項28】
請求項16から19までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、PDE4インヒビターがオグレミラストもしくはその製剤学的に認容性の塩であることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項29】
請求項16から28までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、HMG−CoAレダクターゼインヒビターが、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、ベルバスタチン、ダルバスタチン、グレンバスタチン及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項30】
請求項16から28までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、HMG−CoAレダクターゼインヒビターが、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン及びこれらの化合物の製剤学的に認容性の塩からなる群から選択されることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項31】
請求項19から30までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、炎症性肺疾患が、喘息、COPD、硬化症、肺胞炎、類肉腫症、突発性肺線維症及び肺高血圧からなる群から選択されることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項32】
請求項19から30までのいずれか1項に記載の使用もしくは方法であって、炎症性肺疾患がCOPDであることを特徴とする使用もしくは方法。
【請求項33】
請求項1及び4から15のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法において、PDE4インヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩と、HMG−CoAレダクターゼインヒビターもしくはそれらの製剤学的に認容性の塩とを混合することを含む製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−35871(P2013−35871A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225892(P2012−225892)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【分割の表示】特願2009−517256(P2009−517256)の分割
【原出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(507229021)ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (90)
【氏名又は名称原語表記】Nycomed GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2, D−78467 Konstanz, Germany
【Fターム(参考)】