説明

炎症性腸疾患患者におけるアザチオプリン(AZT)の血中濃度の安定性を予測するジェネティックバイオマーカー

【課題】アザチオプリンを投与した場合に、該薬剤の代謝物の血中濃度が高濃度で維持されるという表現型に関与するジェネティックバイオマーカーの提供。
【解決手段】アザチオプリンを投与された被験体において発現量に違いが生じる15種類の遺伝子における、発現量の違いを判定することができる遺伝子多型をin vitroで検出し、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性腸疾患患者におけるアザチオプリン(AZT)の血中濃度の安定性を予測するためのバイオマーカー及びその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲノムの同じ位置にある同じ遺伝子であっても、それが異なるアレル上にある場合にその遺伝子発現量に差がみられる現象は、近年報告されている比較的新しい概念である(非特許文献1を参照)。
【0003】
アレル間で異なる発現を示す遺伝子は、大きく分けて刷り込みを受ける遺伝子(imprinted gene)と刷り込みを受けない遺伝子(non-imprinted gene)の2種類がある。前者は、刷り込み(imprinting)といって、ある細胞若しくは組織において、両親から片アレルずつ受け継いだ場合にどちらか一方のアレルが生理的にメチル化などの修飾をうけることにより不活化され発現が抑制されるという現象である。後者、すなわち刷り込みを受けていない遺伝子(non-imprinted gene)においても、アレル間で異なる発現差が見られる場合がある。これは、遺伝子内若しくはそれに近接しているアレル間のゲノムの多型が、近接の遺伝子の発現を調節するシス作用領域(cis-acting element)として働き、アレル間の遺伝子発現量の差を生み出すと考えられている。後者に見られる、ゲノムDNAの配列の違いに起因するアレルごとの発現の変化は、世代を超えて引き継がれる性質と考えられ、個体間の遺伝子発現量の差、ひいては個人の体質の差、病態とそのリスク、また薬剤の応答性の違いに影響することが考えられる。従って、このようなアレル間で発現量が異なる遺伝子は疾患又は障害などの表現型と関係する可能性がある。
【0004】
一方、薬剤に応答する遺伝子の発現量多様性としては、4-β-phorbol-12-myristate-13-acetate(PMA)+ionomycin刺激の条件下において、TNF/LTAがアレル特異的な発現を示すことが報告されている(非特許文献2及び3を参照)。
【0005】
上述のように、薬剤に応答する遺伝子の発現量多様性の存在は、ファーマコゲノミクス(PGx: Pharmacogenomics)研究に応用できると考えられる。PGx研究とは、遺伝子解析から薬剤の動態・効果・副作用に影響を与える遺伝子多型(SNP: Single Nucleotide Polymorphisms)を探索し、これらのSNPで薬剤に好ましい反応を示す患者と、好ましくない反応を示す患者を層別化することを目的としている。PGx研究には候補を選ばず可能な限り網羅的にゲノムDNAを測定するUnbiased genome-wide approach、あるいは、候補を選択して検証するCandidate gene approachの2つの方法があり、SNPs地図、ハプロタイプマーカー、薬理学的機能や治療効果に関与している遺伝子発現、又は不活化における変異の個体間の多様性などが調査されている。そのため、創薬におけるPGx研究では薬剤に好ましい反応を示す患者と好ましくない反応を示す患者の層別化が試みられている。しかし、Unbiased genome-wide approachでは多数のサンプル・高額な費用が必要であり、Candidate gene approachでは薬剤作用に関わる可能性のある多数の遺伝子多型から事前に候補を選択する必要がある。
【0006】
そこで、最近では事前にex vivoで網羅的にゲノムを測定し、上記両アプローチを組み合わせて候補遺伝子を選択する方法が新たに考えられている。具体的にはex vivoでゲノムDNAとRNA発現を網羅的に測定し、薬剤によりRNA発現変動に影響を与えるSNPを探索する方法である。これまでの報告例はいずれも薬剤によるmRNA発現変動とSNPの関係を調べ、mRNA発現に影響を与えるSNPsを探索したものであり、Expression quantitative trait loci(eQTL)法と呼ばれている(非特許文献4及び5を参照)。
【0007】
一方、ExpressGenotyping法(特許文献1を参照)ではゲノムDNAのSNPs typingと同時にスプライシングを受けていないPremature RNAのアレルごとの発現量及び総量を網羅的に測定できるため、定性的なアレル頻度だけのデータに比べると信頼性も高く、少ないサンプル数でも発現に影響を与える有効なSNPsを探索できる。従って、このExpressGenotyping法を用いて、薬剤応答性の発現量多様性を有する遺伝子の同定ができれば、創薬において薬剤の副作用を回避し、有効な反応を示す患者と有効でない反応を示す患者を層別化できると考えられる。
【0008】
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)に対する薬物治療として、近年、アザチオプリン(AZT: Azathioprine)やタクロリムス(Tacrolimus)などの免疫調節剤がIBDの病勢コントロールにおける中心的な役割を果たすようになってきている。それらの免疫調節剤は白血球減少など時に重篤な副作用を認めることがある。例えば、アザチオプリンの血中濃度が高くなると、血小板抑制やリンパ球減少等の重篤な副作用が起こり薬剤投与による治療の継続が不可能になってしまう。従って、薬剤の血中濃度を定期的に測定することが必須である。実際に臨床現場において、IBD患者へのAZT及び高用量の5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤との併用により、AZTの血中濃度が予想以上に上昇したり、あるいは患者によって血中濃度が不安定であったりなど、その血中コントロールが困難な例も少なからず認められる。
【0009】
一方、この血中濃度を左右する分子としてチオプリンメチルトランスフェラーゼ (TPMT: thiopurine methyltransferase)やCYP3A4と呼ばれる薬物代謝酵素の存在が報告されており、それらの代謝酵素の遺伝子多型が薬物の血中濃度に影響を与えることが知られている。しかしながら、これらの遺伝子多型は、そのほとんどが白人を対象にした関連解析であり、さらに当該薬剤の投与量も日本人のそれと比較しても数倍高い現状がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4111985号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Knight JC., Trends Genet. Mar; 20 (3) : 113-6. PMID: 15049300, 2004年
【非特許文献2】Knight JC. et al., Nat Genet. Apr;33(4):469-75. PMID: 12627232, 2003年
【非特許文献3】Knight JC. et al, Nat Genet. Apr;36(4):394-9. PMID: 15052269, 2004年
【非特許文献4】Cheung VG. et al., Nature. Oct 27;437(7063):1365-9. PMID: 16251966, 2005年
【非特許文献5】Huang RS. et al., Proc Natl Acad Sci U S A. Jun 5;104(23):9758-63. PMID: 17537913, 2007年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、アザチオプリン(AZT)を被験体に投与した場合に、該薬剤の代謝物の血中濃度が治療有効濃度域より高い濃度で維持されるという表現型に関与するジェネティックバイオマーカーの提供及び該マーカーを利用したアザチオプリンを投与した被験体におけるアザチオプリン血中濃度の安定性を予測する方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のように、アザチオプリン(AZT)の体内動態と関連した薬物代謝酵素について報告されていたが、日本人におけるAZTの体内動態の把握に利用することはできなかった。本発明者は、日本人特異的なAZTの血中濃度の推移を予測するバイオマーカーが新たに存在する可能性を考えた。本発明者は、炎症性腸疾患(IBD)患者における免疫調節剤の代謝酵素を含む応答性遺伝子の多型を解析し、AZTの投与前に血中AZT濃度の推移を予測することのできる、臨床現場で実用可能なジェネティックバイオマーカーを同定し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] アザチオプリンを投与された被験体において発現量に違いが生じる以下の(1)〜(15)のいずれかの遺伝子における、発現量の違いを判定することができる遺伝子多型をin vitroで検出し、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法:
(1) Solute carrier family 38 member 9遺伝子;
(2) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子;
(3) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子;
(4) alkylation repair homolog 8遺伝子;
(5) Xylosyltransferase 1遺伝子;
(6) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子;
(7) Olfactory receptor 51B12遺伝子;
(8) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子;
(9) family with sequence similarity 162, member A遺伝子;
(10) KIAA1324-like遺伝子;
(11) nidogen 1遺伝子;
(12) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子;
(13) phosphatase and actin regulator 2遺伝子;
(14) tumor suppressor candidate 3遺伝子;及び
(15) junctional adhesion molecule 2遺伝子。
【0015】
[2] アザチオプリンを投与された被験体が、さらに5-アミノサリチル酸を併用投与された被験体である、[1]のアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法。
【0016】
[3] 遺伝子(1)〜(15)における、発現量の違いを判定できる遺伝子多型が以下のいずれかである、[1]又は[2]のアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【0017】
[4] 遺伝子(1)〜(15)における、発現量の違いを判定できる遺伝子多型が以下のいずれかである、[1]又は[2]のアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【0018】
[5] 以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物からなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するためのプローブ:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【0019】
[6] 以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物からなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するためのプローブ:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【0020】
[7] 以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物を固定化した、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための固定化基板:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【0021】
[8] 以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物を固定化した、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための固定化基板:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【0022】
[9] 以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片の増幅に用いる少なくとも一対のプライマーセットであって、以下の(a)〜(o)の遺伝子のDNA多型部位のうちの少なくとも1つの多型部位の3’側および5’側に存在する10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチドからなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための一対のプライマーセット:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【0023】
[10] 以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片の増幅に用いる少なくとも一対のプライマーセットであって、以下の(a)〜(o)の遺伝子のDNA多型部位のうちの少なくとも1つの多型部位の3’側および5’側に存在する10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチドからなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための一対のプライマーセット:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【0024】
[11] [5]若しくは[6]のプローブ、[7]若しくは[8]の固定化基板、又は[9]若しくは[10]の一対のプライマーセットを含むアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するためのキット。
【発明の効果】
【0025】
本発明のアザチオプリン(AZT)の血中濃度に影響を与える遺伝子をバイオマーカーとして、被験体に投与したアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測することができる。すなわち、アザチオプリンを投与して炎症性腸疾患の治療を行おうとする被験体の表現型(アザチオプリンの血中濃度の安定性)を予測し、評価し、判定することができ、アザチオプリンの血中濃度が高濃度域で維持されることによる副作用の発症を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】Solute carrier family 38 member 9遺伝子の塩基配列中の多型の位置を示す図である。
【図2】6-TGNの血中濃度Risk ratiosと候補SNPとの相関のあったいくつかのSNPの結果を示す図であり、rs6897117の結果を示す図である。
【図3】6-TGNの血中濃度Risk ratiosと候補SNPとの相関のあったいくつかのSNPの結果を示す図であり、rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503及びrs13165328の結果を示す図である。
【図4】6-TGNの血中濃度Risk ratiosと候補SNPとの相関のあったいくつかのSNPの結果を示す図であり、rs9687838、rs4865614及びrs3846502の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】
本発明は、炎症性腸疾患患者である被験体に投与したアザチオプリン(AZT)の血中濃度に影響を与える遺伝子、すなわちアザチオプリン刺激応答性に関与する遺伝子に関する。具体的には、投与したアザチオプリンの代謝物の血中濃度が高くなるというフェノタイプを発現する遺伝子に関する。アザチオプリンは単独で投与した場合であってもよく、5-アミノサリチル酸と併用投与した場合であってもよい。アザチオプリンを5-アミノサリチル酸と併用投与した場合に、アザチオプリンの血中濃度が不安定になり、アザチオプリンの血中濃度が予想以上に上昇してしまうという問題が生じ得る。本発明の遺伝子は、アザチオプリンを投与した被験体において、アザチオプリンの血中濃度が高くなるというフェノタイプを発現する遺伝子に関する。本発明の遺伝子は、アザチオプリンによる刺激に対してアレル間で発現量が異なる遺伝子である。ここで、「アレル間で発現量が異なる遺伝子」とは、一方のアレルからの遺伝子発現量ともう一方のアレルからの遺伝子発現量が異なる遺伝子を指す。各アレルからの遺伝子の発現は、特定の遺伝子多型を指標として区別できる。
【0029】
本発明においては、ExpressGenotyping法を用いて、アザチオプリン刺激でアレル間における発現量の違いを判定できる遺伝子多型を迅速かつ効率的に検索することにより、ソラフェニブ刺激に対してアレル間で発現量が異なる遺伝子を探索することができる。さらに、これらの遺伝子についてアレル間の遺伝子の発現の差を判別できる遺伝子多型(一塩基多型;SNP)を探索することができる。
【0030】
この探索は、例えば、培養細胞をin vitroの系においてアザチオプリンにより刺激し、コントロール物質で刺激したものを対照として、前記培養細胞における遺伝子発現を網羅的に解析し、アレル間で発現に差異が認められる遺伝子を選択すればよい。さらに、その遺伝子多型のアレル間の発現量の差異に関連したものを選択することもできる。
【0031】
これらの方法は、ExpressGenotyping法(特許第4111985号公報に記載の手法)により行うことができる。
【0032】
以下、遺伝子及び遺伝子多型を探索し、選択するための代表的な手法について説明する。
【0033】
細胞培養
細胞は、例えば不死化リンパ球細胞を用いることができる。細胞培養は当技術分野で公知の方法であり、例えば、細胞の培養培地(培地RPMI-1640+15%血清FBS)に細胞株を播種し、37℃、5%CO2の条件下にて細胞培養を行うことができる。
【0034】
薬剤刺激
薬剤刺激は当技術分野で公知の方法であり、例えば、対照群及び薬剤(アザチオプリン)の2群を培養細胞が播種された培養培地に添加し、薬剤刺激を行うことができる。この際、アザチオプリンと5-アミノサリチル酸の両方を用いて刺激してもよい。
【0035】
RNA抽出及び濃度測定
総RNAの抽出は、当技術分野で公知の方法であり、例えば、総RNAを抽出する場合には、AGPC(酸グアニジウム・フェノール・クロロホルム法など)又は市販キットを用いて行うことができる。抽出したRNAの濃度は当技術分野で公知の方法により測定することができる。
【0036】
DNA抽出及び濃度測定
ゲノムDNAの抽出は、当技術分野で公知の方法(フェノール・クロロホルム法など)又は市販キットを用いて行うことができる。抽出したDNAの濃度は当技術分野で公知の方法により測定することができる。
【0037】
ゲノムDNAにおける遺伝子多型のタイピング
ゲノムDNAにおける遺伝子多型(SNP又はハプロタイプなど)のタイピング(検出)は、当技術分野で公知の手法を用いて行うことができる。例えば、遺伝子多型のタイピングは、一つの遺伝子多型に特異的なプローブとのハイブリダイゼーションにより行うことができる。プローブは、必要に応じて、蛍光物質や放射性物質などの適当な手段により標識することができる。プローブは、遺伝子多型部位を含み、DNAと特異的にハイブリダイズするものである限りいかなるものでもよく、具体的なプローブの設計は当技術分野で公知である。また、ハイブリダイゼーションの条件も、遺伝子多型を区別するのに十分な条件であればよく、例えば一つの遺伝子多型の場合にはハイブリダイズするが、他の遺伝子多型の場合にはハイブリダイズしないような条件、例えばストリンジェントな条件であり、このような条件は当業者に公知である。
【0038】
プローブは、一端を基板に固定してDNAチップ(マイクロアレイ)として使用できる。この場合、DNAチップには、一つの遺伝子多型に対応するプローブのみが固定されていても、両方の遺伝子多型に対応するプローブが固定されていても良い。このようなDNAチップを用いた遺伝子多型の検出は、例えば「DNAマイクロアレイと最新PCR法」、村松正明及び那波浩之監修、秀潤社、2000年、第10章などに記載されている。
【0039】
DNAチップを用いた遺伝子多型の検出は、例えば、Affymetrix社製のGeneChip(登録商標)Genome-Wide Human SNP Nsp/Sty Assay Kit 6.0を用いて行うことができる。
【0040】
また、遺伝子多型は、上述した以外にも、当業者に公知のあらゆる方法によってタイピングすることができる。そのような方法としては、遺伝子多型に特異的なプライマーを用いる方法、制限断片長多型(RFLP)を利用する方法、直接配列決定法、変性勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、ミスマッチ部位の化学的切断を利用した方法(CCM)、プライマー伸長法(TaqMan法)などを用いることができる。
【0041】
本方法においては、簡便かつ迅速に遺伝子多型をタイピングすることができるDNAチップ(マイクロアレイ)を使用することが好ましい。
【0042】
ExpressGenotyping法のデータからアザチオプリンの血中濃度に影響を与える遺伝子を以下のステップで探索することができる。
(i)(イ)細胞に溶媒のみを曝露したExpressGenotyping法の結果と、(ロ)細胞にアザチオプリンを曝露したExpressGenotyping法の結果を比較することで、薬剤刺激に応答性のマーカー遺伝子を選び出す。
(ii)(イ)と(ロ)のEG法の結果を比較するコンピュータ上で特定のアルゴリズムを用いてデータ処理を行う。
【0043】
さらに、上記アザチオプリンの血中濃度に影響を与える遺伝子における、アザチオプリンの血中濃度に影響を与える多型を以下のステップで探索することができる。
(i)(イ)細胞に溶媒のみを曝露したExpressGenotyping法の結果と、(ロ)細胞に薬剤を曝露したExpressGenotyping法の結果を比較することで、アザチオプリン刺激に応答性のマーカー(薬剤曝露によって顕在化する遺伝子発現量のアレル間の違いを示すSNPs)を選び出す。
(ii)(イ)と(ロ)のEG法の結果を比較するコンピュータ上で特定のアルゴリズムを用いてデータ処理を行う。
【0044】
本発明のアザチオプリンの血中濃度に影響を与える遺伝子又はアザチオプリンの血中濃度に影響を与える遺伝子における、アザチオプリンの血中濃度に影響を与える多型を利用して、アザチオプリンを投与する被験体において投与したアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測することができる。ここで、アザチオプリンを投与する被験体において投与したアザチオプリンの血中濃度の安定性とは、アザチオプリンを投与した被験体において、一定時間アザチオプリンの血中濃度が上昇せず、一定の値を維持することをいう。
【0045】
さらに、アザチオプリンの血中濃度に影響を与える遺伝子における多型を利用して、アザチオプリン投与時の被験体におけるアザチオプリンの血中濃度と多型との関係を解析することができる。
【0046】
アレル間で発現量が異なる遺伝子を判定することができる遺伝子多型は、他の遺伝子多型よりも表現型と関係している可能性が高い。その遺伝子多型を検出することのみで、ある検体が発現量の多いアレルを有するか否かなどを調べることが可能となる。アレル間で発現量が異なる遺伝子は、アザチオプリン投与時の被験体におけるアザチオプリンの血中濃度という表現型と関係している。特定の遺伝子多型を有している頻度が、特定のフェノタイプ(アザチオプリン投与時の被験体におけるアザチオプリンの血中濃度が高いというフェノタイプ)を示す被験体において有意に高い。その遺伝子多型の差が、表現型に関与する遺伝子の発現量の量的調節に影響している。遺伝子多型は、例えば一塩基多型であり、該一塩基多型と連鎖不均衡にある一塩基多型を分析してもよい。上記一塩基多型と連鎖不均衡にある一塩基多型とは、上記遺伝子多型と関連性のある遺伝子多型であり、具体的には、上記遺伝子多型がXである場合には、常に別の遺伝子多型がYとなるという関係が成立するものである。
【0047】
上記の探索により、以下の15個の遺伝子が、アザチオプリン投与によりアレル間で発現量が異なる遺伝子、すなわちアザチオプリンの血中濃度に影響を与える遺伝子として選択された。
(1) Solute carrier family 38 member 9遺伝子
(2) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子
(3) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子
(4) alkylation repair homolog 8遺伝子
(5) Xylosyltransferase 1遺伝子
(6) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子
(7) Olfactory receptor 51B12遺伝子
(8) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子
(9) family with sequence similarity 162, member A遺伝子
(10) KIAA1324-like遺伝子
(11) nidogen 1遺伝子
(12) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子
(13) phosphatase and actin regulator 2遺伝子
(14) tumor suppressor candidate 3遺伝子、及び
(15) junctional adhesion molecule 2遺伝子
【0048】
本発明の方法においては、日本人である被験体からサンプルを採取し、該サンプルのDNAやRNAを分析する。染色体DNAを含むサンプルならばいずれも用いることができ、好適には、血液、皮膚、口腔粘膜、毛髪、尿、爪、細胞等を用いることができる。これらの、サンプルから染色体やDNAを単離し、分析すればよい。
【0049】
また、上記遺伝子において、以下の38の多型が、各々の遺伝子のアレル間での発現の違いを判定できる遺伝子多型、すなわちアザチオプリンの血中濃度への影響を評価することができる遺伝子多型として選択された。以下の一塩基多型はrs番号で示す。rs番号とは米国バイオテクノロジー情報センターSNPデータベースのrs番号をいう。図1に上記の(1)の遺伝子の一塩基多型の位置を示す。
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【0050】
ここで、上記遺伝子多型の近傍に存在する遺伝子多型とは、上記遺伝子多型から薬30,000kb以内、好ましくは約10,000kb以内に位置する遺伝子多型をいう。このような近傍に位置する遺伝子多型は、染色体組換え時に一緒に組換わる確立が高い。また、上記遺伝子多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型とは、上記遺伝子多型と関連性のある遺伝子多型であり、具体的には、上記遺伝子多型がXである場合には、常に別の遺伝子多型がYとなるという関係が成立するようなものである。
【0051】
一塩基多型の分析(タイピング)は、当技術分野で公知の手法を用いて行うことができる。例えば、一塩基多型に特異的なプローブとのハイブリダイゼーションにより行うことができる。プローブは、必要に応じて、蛍光物質や放射性物質などの適当な手段により標識することができる。プローブは、一塩基多型部位を含む配列と特異的にハイブリダイズするものである限りいかなるものでもよく、具体的なプローブの設計は当技術分野で公知である。また、ハイブリダイゼーションの条件も、遺伝子多型を区別するのに十分な条件であればよく、例えば一つの遺伝子多型の場合にはハイブリダイズするが、他の遺伝子多型の場合にはハイブリダイズしないような条件、例えばストリンジェントな条件であり、このような条件は当業者に公知である。
【0052】
プローブは、一端を基板に固定してDNAチップ(マイクロアレイ)として使用できる。この場合、DNAチップには、一つの遺伝子多型に対応するプローブのみが固定されていても、両方の遺伝子多型に対応するプローブが固定されていても良い。このようなDNAチップを用いた遺伝子多型の検出は、例えば「DNAマイクロアレイと最新PCR法」、村松正明及び那波浩之監修、秀潤社、2000年、第10章などに記載されている。
【0053】
また、上述した以外にも、当業者に公知のあらゆる方法によってタイピングすることができる。そのような方法としては、遺伝子多型に特異的なプライマーを用いる方法、制限断片長多型(RFLP)を利用する方法、直接配列決定法、変性勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、ミスマッチ部位の化学的切断を利用した方法(CCM)、プライマー伸長法(TaqMan(登録商標)法)、PCR-SSCP法、MADI-TOF/MS法などを用いることができる。
【0054】
さらに、本発明は上記の一塩基多型を検出するのに用いるオリゴヌクレオチド又はその標識物を包含し、該オリゴヌクレオチド又はその標識物はプローブ又はプライマーとして用いることができる。これらのオリゴヌクレオチドは、上記遺伝子の一塩基多型部位を含む塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA断片からなり、このようなオリゴヌクレオチドは一塩基多型を検出するためのプローブとして利用できる。また、上記遺伝子多型部位の近傍あるいは離れた部位の塩基配列を、遺伝子多型部位を含む塩基配列を増幅するためのプライマーとして用いることができる。この際、多型部位の3'側および5'側に存在する2種類の配列をプライマー対として用いることができる。多型の検出に用いるオリゴヌクレオチドを構成する塩基の数は5〜50、好ましくは10〜33、さらに好ましくは10〜30、特に好ましくは15〜25であり、上記遺伝子の塩基配列の多型部位を含む連続した塩基配列からなる。また、上記遺伝子の塩基配列の多型部位を含む連続した塩基配列において、数個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1個又は2個、特に好ましくは1個のミスマッチを有するオリゴヌクレオチドも用いることができる。多型の検出はプローブを用いたハイブリダイゼーションアッセイにより行うことができる。本発明のオリゴヌクレオチドは化学合成により作製することもできるし、上記プライマーを用いてPCRにより遺伝子を増幅させた増幅産物として作製することもできる。本発明のプローブは、検出のために蛍光物質、酵素、放射性同位体、化学発光物質等で標識されていても良い。標識に用いる標識物質は、公知のものを用い、公知の方法で標識することができる。蛍光物質としては、例えば、Cy3、Cy5、ローダミン、フルオレセイン等が挙げられる。
【0055】
さらに、本発明は上記オリゴヌクレオチドを固定化した固定化基板を含む。オリゴヌクレオチドを固定化する基板としては、スライドガラス、ニトロセルロース膜、マイクロビーズ等種々のものを用いることができる。固定化基板上に複数のオリゴヌクレオチドを整列固定化した場合、該固定化基板は、DNAマイクロアレイ又はDNAチップとして用いることができる。また、オリゴヌクレオチドは基板上で合成してもよいし、また合成したオリゴヌクレオチドを基板上に固定化してもよい。基板上への固定化は、例えば市販のスポッターやアレイヤーを用いて行うことができ、オリゴヌクレオチドの固定化は吸着や共有結合を介した結合により行うことができ、共有結合を介した結合により固定化する場合は、基板表面及びオリゴヌクレオチドに共有結合用のアミノ基、SH基等の官能基を導入すれば良い。
【0056】
オリゴヌクレオチドを固定化した固定化基板を用いる多型の検出は公知の方法で行うことができる。
【0057】
被験体の遺伝子多型を分析することにより、該被験体にアザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸を投与した場合に、血中のアザチオプリン濃度が高くならず安定するか否かを予測することができる。
【0058】
多型を利用してのアザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸を投与したときの被験体の血中のアザチオプリン濃度と多型との関係の解析は、例えば、予めアザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸を投与したときに血中濃度の変化に一定の傾向を有することがわかっている被験体における上記遺伝子の多型を調べれば良い。また、アザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸の投与を予定している被験体における上記遺伝子の多型を予め調べておき、アザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸を投与したときの血中アザチオプリン濃度を調べ、多型と血中濃度とを関連付けることもできる。これらは、in vivoで行うことができるが、被験体の細胞を採取、単離し、該単離細胞を用いてin vitroで関連付けを行うこともできる。さらに、入手可能な培養細胞におけるアザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸による刺激への応答性をin vitroで調べ、なおかつ、それぞれの培養細胞の多型を調べることにより関連付けすることもできる。
【0059】
本発明は、(イ)細胞に溶媒のみを曝露したExpressGenotyping法の結果と、(ロ)細胞に薬剤を曝露したExpressGenotyping法の結果を比較することで、薬剤刺激に応答性のマーカー(薬剤曝露によって顕在化する遺伝子発現量のアレル間の違いを示すSNPs)と応答性を関連付ける方法も包含する。
【0060】
本発明においては、上記の15種類の遺伝子の少なくとも1種類の遺伝子を利用する。一度に複数の遺伝子を利用してもよく、例えば、上記の15種類の遺伝子のうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15種類を利用すればよい。また、遺伝子の多型に関しては、15種類の遺伝子の38の多型の少なくとも1つの多型を利用して判定することができ、一度に複数の多型を利用しても良い。例えば、38の多型のうち、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、15以上、20以上、25以上、30以上、35以上、36以上、37以上又は38個を利用して判定することができる。
【0061】
上記15種類の遺伝子の中でも、(1) Solute carrier family 38 member 9遺伝子がマーカーとして好適に用いることができ、該遺伝子の13の多型の少なくとも1つ、すなわち1個、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上又は13個を利用して判定することができる。
【0062】
遺伝子及びその多型を利用して判定するとは、アザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸を投与しようとする被験体における上記遺伝子の多型を予め測定し、多型部位の塩基の種類により、アザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸を投与した場合のアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測し又は評価し、判定することをいう。
【0063】
すなわち、上記遺伝子の多型は、アザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸を投与する前の被験体のアザチオプリン又はアザチオプリンと5-アミノサリチル酸への応答性を判定するためのバイオマーカーとして用いることができる。
【0064】
多型の検出は、1対の染色体上の一方の染色体について検出する場合も両方の染色体について検出する場合も包含され、両方の染色体について検出する場合にも、一塩基多型部位においてホモ接合性かヘテロ接合性かの検出を含む。
【実施例】
【0065】
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0066】
全ゲノムでのアレル毎に遺伝子発現の変化を薬剤誘導性EAI(Expression Allelic-Imbalance)として検出できるExpressGenotyping(EG)法解析を用いて、5-ASA(5-アミノサリチル酸)併用下におけるアザチオプリン(AZT)誘導性SNPsの探索を行った。具体的には、日本人由来のHapMapに登録されてある30細胞株のリンパ球をAZTおよび5-ASA併用下でEG刺激し、EG法解析を行った。さらに、AZT及び5-ASAを投与されている患者(38名)由来のDNAを用いてSNP typingを実施し、EG法解析及び患者由来のSNP typingの結果に基づいて本両薬剤が血中濃度に影響を与える薬剤誘導性SNPを絞り込んだ。
【0067】
細胞株
細胞株は、HapMapプロジェクトでも使用された日本人由来ヒト不死化リンパ球細胞をCoriell(Haddon Avenue Camden, NJ, USA)から入手して使用した。細胞株は3日以上培養してから試験に使用した。
【0068】
臨床血液サンプル
臨床血液サンプルは、京都府立医科大学から提供を受けた。当該薬剤を投与治療中の患者由来の血液を採取し、その血液よりDNAを採取した。
【0069】
EG法解析の群構成及び曝露方法
EG法解析の群構成は、上述のmRNA発現解析の結果に基づいて、1)Vehicle、2)100μM AZT+10 mM 5-ASAの2群とした。
【0070】
EG法解析の曝露方法
リンパ球細胞株の培養は、15% ウシ胎児血清(FBS)(Invitrogen)を添加したRPMI培地1640(Invitrogen)培地で行った(37℃、5% CO2の条件下)。試験に使用できる細胞数に達したら、8ウェルマイクロプレート(Nalge Nunc International)に、それぞれの組み合せの薬剤を4.5mL(0.5 mL AZT及び4 mL 5-ASA)ずつ添加し、その後、細胞懸濁液を1ウェルあたりが2.5×106cellsになるように0.5 mLずつ播種した。37℃、5% CO2条件下で24時間培養した後、RNAを抽出した。また、未処理の細胞株からもDNAを抽出した。
【0071】
RNA抽出及び濃度測定
細胞株のRNAは、TRIzol Reagent(Invitrogen)で抽出した。抽出RNAの濃度はNanoDrop ND-1000(NanoDrop Technologies, Wilmington, DE, USA)で測定し、Agilent 2100 バイオアナライザー(Agilent Technologies, Santa Clara, CA,USA)でクオリティーを評価した。測定結果を記録し、抽出RNAは-80℃で保管した。
【0072】
臨床血液サンプルのRNAは、FALCO Biosystems(Kyoto, Japan)にて抽出及び濃度測定を行った。また、RNA濃縮は、RNeasy MinElute Cleanup Kit(QIAGEN, Hilden,Germany)で行った。
【0073】
DNA抽出及び濃度測定
細胞株のDNAは、QIAamp DNA Mini Kit(QIAGEN)で抽出した。抽出DNAの濃度は、NanoDrop ND-1000(NanoDrop Technologies)で測定した。測定結果を記録し、抽出DNAは-80℃で保管した。
【0074】
臨床血液サンプルのDNAは、FALCO Biosystems(Kyoto, Japan)にて抽出及び濃度測定を行った。
【0075】
SNP 6.0 Array測定
DNA(500 ng)の処理は、GeneChip(登録商標) Genome-Wide Human SNP Nsp/Sty Assay Kit 6.0(Affymetrix)で行った。その後、処理サンプルをGeneChip(登録商標) Genome-Wide Human SNP Array 6.0(Affymetrix)にハイブリダイゼーションし、Affymetrix GeneChip(登録商標) Instrument System(Affymetrix)で測定した。Affymetrix GeneChip(登録商標) Command Console(AGCC)及びAffymetrix Genotyping ConsoleでSNPタイピングを行った。測定結果はEG法解析にも使用した。また、このSNPタイピングの結果と臨床データ(6-TGN(concentration)/AZT(dose):Risk ratios )を使用して、相関解析とカイ二乗独立性の検定を行った。相関解析は、それぞれのSNPsのAA、AB及びBBジェノタイプを0、1及び2(又は2、1及び0)に振り分けて、6-TGNのRisk ratiosとの相関解析を行い、その相関係数が>0.4(p-値は0.01以下)のSNPsを得た。カイ二乗独立性の検定は、帰無仮説により観察度数と期待度数との偏りを検討する方法であり、6-TGNが著しく高かった患者と通常患者の2群で解析を行い、p値が0.01以下のSNPsを得た。
【0076】
図1にSolute carrier family 38 member 9遺伝子における一塩基多型の位置を示す。また、図2から図4に6-TGNのRisk ratiosとの相関のあったSNPのいくつかを例として示す。図2から図4中、各シンボルは各患者を示す。
【0077】
EG法解析
EG法解析のEAI(Expression Allelic Imbalance、アレル間の発現レベルがアンバランスであること/異なっていること)データは、EG Reactor及びEG Analyzerを使用して収得した。EGReactorは、RNAからプレマチュアRNAを精製する方法であり、その精製したプレマチュアRNAのSNPタイピングはSNP 6.0 Array測定と同様の方法である(プレマチュアRNAをSNPsタイピングするとDNAの場合と異なるArray signalを収得できる)。一方、EG Analyzerは、DNA及びプレマチュアRNAによるSNP 6.0 Arrayのデータをアレル毎に解析可能なアルゴリズムである。
【0078】
EG法解析による薬剤誘導性EAIの検出
(i) SNPsレベルのEAIの検出
薬剤誘導性EAIをSNPsレベルで検出するため、薬剤曝露によるプレマチュアRNAの発現比をそれぞれのプローブ部位でアレル毎に解析し、その発現比が2倍以上のプローブを収得した。詳細は下記の1)〜7)に示した。
1) EG Analyzerで解析した(a)Vehicle file及び(b)Drugs fileをtxt fileに変換した。
2) (a)及び(b)のfileをMicrosoft Office Access 2010(Microsoft, One Microsoft Way, Redmond, WA, USA)で統合した(以下のデータ解析は、全てMicrosoft Office Access 2010で行った)。
3) Vehicle-Drugs fileでGenome callがHeterozygous(AB call)のプローブを収得した。
4) Vehicle-Drugs fileで遺伝子領域「5UTR(上流10kbp)、3UTR(下流10kbp)、CDS、exon及びintron」のプローブを収得した。
5) Vehicle-Drugs fileで「Vehicle (Aアレル/Bアレル) or Vehicle (Bアレル/Aアレル) [Vehicle EAI (max)]及びDrugs(Aアレル/Bアレル) or Drugs(Bアレル/Aアレル) [Drugs EAI (max)]」を計算し、[Drugs EAI (max) / Vehicle EAI (max)]が≧2のProbeを収得した。これらのProbeをSNPsレベルでの薬剤誘導性EAIとした。計算にはlog2から自然対数に変換したシグナル値を使用した。
6) 30細胞株分の薬剤誘導性EAIを集計した。
7) 生物学的な機能が報告されている遺伝子をアノテーション解析(http://www.pharmgkb.org/を使用)により選び出した。
【0079】
(ii) 遺伝子レベルでのEAIの検出
薬剤誘導性EAIを遺伝子レベルで検出するため、薬剤曝露によるプレマチュアRNAの発現比をそれぞれのプローブ部位でアレル毎に解析し、遺伝子単位で画像化した。詳細は下記の1)〜11)に示した。
1) EG Analyzerで解析した(a)Vehicle file及び(b)Drugs fileをtxt fileに変換した。
2) (a)及び(b)のfileを新規のGene livel analyzerを使用して解析した(以下のデータ解析は全てGene livel analyzer内で行った)。
3) (a)及び(b)のfileでGenome callがHeterozygous(AB call)のプローブを収得した。
4) (a)及び(b)のfileで遺伝子領域「5’UTR(上流10kbp)、3’UTR(下流10kbp)、CDS、exon及びintron」のプローブを収得した。また、この領域で少なくともAB callが3個以上検出できる遺伝子を収得した。
5) (a)及び(b)のfileで「Drugs(A アレル)、Drugs(B アレル)、(Vehicle (A アレル)、Vehicle (B アレル)」で必ず1個がGIM Log Ratioが≧2(log2 value ≧1)のプローブを収得した。
6) (a)及び(b)のfileで「Drugs(A アレル /B アレル)/Vehicle (A アレル /B アレル)」でEAI≧1.5のプローブをEAI-SNPとして収得した。EAIが1以下の場合は、1/EAIの値を使用した。
7) 1つの細胞株中の特定の遺伝子で検出したAB callにおいて、EAI-SNPが少なくとも40%以上存在するプローブを収得した。
8) 30細胞株中、5細胞株以上でEAIを検出できた遺伝子、又は、30細胞株中、1細胞株であってもEAIを10個以上検出できた遺伝子を収得した。
9) Array特有のシグナルノイズを排除するため、画像データを目視で確認した。画像データのシグナル値の確認には生データも使用した。
10) この画像データに基づいて、遺伝子レベルで薬剤誘導EAIを示す遺伝子を収得した。
11) 生物学的な機能が報告されている遺伝子をアノテーション解析(NCBI Entrez、GeneCards、UniProt)で選び出した。
【0080】
治療患者のデータとEG法解析のEAIとの比較解析
相関解析及びカイ二乗独立性の検定を行った治療患者の臨床データとEG法解析のEAIデータ(SNPs及び遺伝子レベル)との間で比較解析を行い、結果が一致するSNP及び遺伝子を同定した。
【0081】
結果
5-ASA併用下におけるAZTの血中濃度に影響するバイオマーカー候補遺伝子として以下の遺伝子を選択した。また、解析により選択された各遺伝子におけるアザチオプリンの血中濃度に関与している一塩基多型を遺伝子名の後にrs番号で示す。
(1) Solute carrier family 38 member 9;
rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117
(2) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子;
rs3812126、rs6931421及びrs978814
(3) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子;
rs1202184
(4) alkylation repair homolog 8遺伝子;
rs631376
(5) Xylosyltransferase 1遺伝子;
rs2125192
(6) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子;
rs1118936
(7) Olfactory receptor 51B12遺伝子;
rs11036815
(8) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子;
rs16897948及びrs7752880
(9) family with sequence similarity 162, member A遺伝子;
rs6767140
(10) KIAA1324-like遺伝子;
rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434
(11) nidogen 1遺伝子;
rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075
(12) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子;
rs12630073
(13) phosphatase and actin regulator 2遺伝子;
rs7760144、rs9496704及びrs9496703
(14) tumor suppressor candidate 3遺伝子;
rs1421240
並びに
(15) junctional adhesion molecule 2遺伝子;
rs2829841
【0082】
上記の一塩基多型の配列情報は下記のとおりである。下記配列においては括弧内が一塩基多型部位であり、各遺伝子の一塩基多型部位を中央(17番目の塩基の位置)に有する33塩基の配列を示してある。例えば、配列番号1に表される配列において17番目の[A/G]はその位置でA又はGであることを意味する。
【0083】
(1) Solute carrier family 38 member 9
rs4242056:GTAAGCACTGCTTTAA[A/G]TAAACTCAAAGTAGTT(配列番号1)
rs2408030:AAAATACTGGGCTGGA[C/T]GGTATTTGGTCTTATT(配列番号2)
rs13177722:CCTAGGGCAATGATTA[A/T]GCAAATACAATAGAGC(配列番号3)
rs3846503:TCAAAACAAGTCACCA[C/T]TAACTGACAGGAAGCA(配列番号4)
rs13165328:AATTTATAGGCCAGTA[C/T]GGTGACTCTTGCCTTT(配列番号5)
rs9687838:TTTATTTTTAGGTGAA[A/G]GAGTCCTAATATTCCT(配列番号6)
rs4865614:GAGACACCAAGGAGAA[A/G]AGGAGACTCGACCACT(配列番号7)
rs3846502:CCAGAATTTGTAGATA[C/T]GAGTAGAGGTAAGGTG(配列番号8)
rs16884434:TCCTAGCCTTCTTTTC[C/T]ATGACGTTTTTAGGTG(配列番号9)
rs7704138:TACATTAAATAACAGA[C/T]TCCTTCACAAAATGGT(配列番号10)
rs16884436:TAATAAGACAATGTAG[A/T]ATACCGAGGTCTAAAT(配列番号11)
rs3761769:CAGGAAAAATGAGTCC[A/G]AATAGCCTAATCTGTT(配列番号12)
rs6897117:CTCTCTCCTAAGACCT[C/T]AAGTACCAAAAAGAGT(配列番号13)
(2) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子
rs3812126:ATAGAATCCTTTGCCC[A/G]ATCGAGAGATGTCAAC(配列番号14)
rs6931421:ATCTAATGTTGACTTA[A/C]ATCACAAACTTTGTCT(配列番号15)
rs978814:GTTATCTCCTCAACCA[G/T]AATATCAAGAATATTG(配列番号16)
(3) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子
rs1202184:GAATATGTATGTTACA[C/T]CCAGATTATTTCTGTA(配列番号17)
(4) alkylation repair homolog 8遺伝子
rs631376:AGGCGGGATTAAATCA[C/T]ACTTTTCTTAGTTACC(配列番号18)
(5) Xylosyltransferase 1遺伝子
rs2125192:TCAAATACAATATTTA[C/T]GCAGTCATCTCCAAAA(配列番号19)
(6) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子
rs1118936:GCTCAAATTTTATTGG[C/T]AACAATCACTGTCAAT(配列番号20)
(7) Olfactory receptor 51B12遺伝子
rs11036815:ACAGGGTTCATTAAAG[A/G]AGGAAAGAGGAAGTAG(配列番号21)
(8) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子
rs16897948:TCCTACTATCATGATC[C/T]ACCTGGAAGACAGACA(配列番号22)
rs7752880:TCACTTTGTTCCTGCA[A/G]TCAAGGCTAGCTAGAG(配列番号23)
(9) family with sequence similarity 162, member A遺伝子
rs6767140:TGGAAGGACTCCTCCA[C/T]TCTGTTTTAAAAATCA(配列番号24)
(10) KIAA1324-like遺伝子
rs11979332:CAAAGGTGGGGCCTCA[A/G]AGAAAATTCAGTTCAA(配列番号25)
rs17697894:GTTGTATGCTAAAAAA[A/G]CTGAATGAAAATAGTA(配列番号26)
rs1557665:TGATTGTGCCACACTC[A/T]AACGAAAGCCTTTCAA(配列番号27)
rs767434:CAGGACTAGATGCAGA[A/G]GTTAGGAAGCCCTGGA(配列番号28)
(11) nidogen 1遺伝子
rs10754824:ACAACAACAAAAGAAC[C/T]GATCAAAAAATAGGCA(配列番号29)
rs3738533:GAACCTGCTATGGTAC[A/G]GCCTTTGATTCTGACT(配列番号30)
rs16833108:CTTGACAGCTCCTGAG[G/T]CACCTCCAAGAGCTCC(配列番号31)
rs12411075:CGTGTATGTGTAAGCC[A/G]GCATGGAGGTGGAGGT(配列番号32)
(12) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子
rs12630073:ATAATACACAATTTCA[A/G]TATCTGCATAATGTAG(配列番号33)
(13) phosphatase and actin regulator 2遺伝子
rs7760144:ACCACATGGGGATCTG[C/G]AAATTCTACCTGTGCC(配列番号34)
rs9496704:GTTCAAAACCTTAGCA[G/T]CCCAGGTTGTCATGCC(配列番号35)
rs9496703:AGCCTGGCCTTTACCC[C/T]AATTATTGCAATGCTT(配列番号36)
(14) tumor suppressor candidate 3遺伝子
rs1421240:TGATTTTACACCTATG[C/T]AGTAATATCAATGTAT(配列番号37)
(15) junctional adhesion molecule 2遺伝子
rs2829841:ATTAATAATACACTAA[C/T]GGGGCAGAAATGAAGT(配列番号38)
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の方法、プローブ、基板、プライマーを利用して、炎症性腸疾患患者におけるアザチオプリン(AZT)の血中濃度の安定性を予測することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アザチオプリンを投与された被験体において発現量に違いが生じる以下の(1)〜(15)のいずれかの遺伝子における、発現量の違いを判定することができる遺伝子多型をin vitroで検出し、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法:
(1) Solute carrier family 38 member 9遺伝子;
(2) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子;
(3) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子;
(4) alkylation repair homolog 8遺伝子;
(5) Xylosyltransferase 1遺伝子;
(6) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子;
(7) Olfactory receptor 51B12遺伝子;
(8) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子;
(9) family with sequence similarity 162, member A遺伝子;
(10) KIAA1324-like遺伝子;
(11) nidogen 1遺伝子;
(12) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子;
(13) phosphatase and actin regulator 2遺伝子;
(14) tumor suppressor candidate 3遺伝子;及び
(15) junctional adhesion molecule 2遺伝子。
【請求項2】
アザチオプリンを投与された被験体が、さらに5-アミノサリチル酸を併用投与された被験体である、請求項1記載のアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法。
【請求項3】
遺伝子(1)〜(15)における、発現量の違いを判定できる遺伝子多型が以下のいずれかである、請求項1又は2に記載のアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【請求項4】
遺伝子(1)〜(15)における、発現量の違いを判定できる遺伝子多型が以下のいずれかである、請求項1又は2に記載のアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測する方法:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【請求項5】
以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物からなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するためのプローブ:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【請求項6】
以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物からなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するためのプローブ:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【請求項7】
以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物を固定化した、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための固定化基板:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【請求項8】
以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片からなるオリゴヌクレオチドのいずれかであって、以下の(a)〜(o)に記載の遺伝子の10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド又はその標識物を固定化した、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための固定化基板:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【請求項9】
以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片の増幅に用いる少なくとも一対のプライマーセットであって、以下の(a)〜(o)の遺伝子のDNA多型部位のうちの少なくとも1つの多型部位の3’側および5’側に存在する10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチドからなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための一対のプライマーセット:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、配列番号1〜13のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、配列番号14〜16のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、配列番号17で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、配列番号18で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、配列番号19で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、配列番号20で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、配列番号21で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、配列番号22又は23かで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、配列番号24で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、配列番号25〜28のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(k) nidogen 1遺伝子における、配列番号29〜32のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、配列番号33で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、配列番号34〜36のいずれかで表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、配列番号37で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、配列番号38で表される部分配列中の17番目の塩基の位置に存在する一塩基多型部位。
【請求項10】
以下の(a)〜(o)の一塩基多型部位を含むDNA断片の増幅に用いる少なくとも一対のプライマーセットであって、以下の(a)〜(o)の遺伝子のDNA多型部位のうちの少なくとも1つの多型部位の3’側および5’側に存在する10〜30塩基からなる部分配列若しくはその部分配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレオチドからなる、アザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するための一対のプライマーセット:
(a) Solute carrier family 38 member 9遺伝子における、一塩基多型rs4242056、rs2408030、rs13177722、rs3846503、rs13165328、rs9687838、rs4865614、rs3846502、rs16884434、rs7704138、rs16884436、rs3761769及びrs6897117、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(b) branced chain keto acid dehydrogenase E1 beta遺伝子における、一塩基多型rs3812126、rs6931421及びrs978814、並びに一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(c) ATP-binding cassette, sub-family A (ABC1)遺伝子における、一塩基多型rs1202184、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(d) alkylation repair homolog 8遺伝子における、一塩基多型rs631376、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(e) Xylosyltransferase 1遺伝子における、一塩基多型rs2125192、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(f) membrane-assciated guanylate kinase inverted 2遺伝子における、一塩基多型rs1118936、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(g) Olfactory receptor 51B12遺伝子における、一塩基多型rs11036815、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(h) cGMP 3’,5’-cyclic phosphodiesterase 10A遺伝子における、一塩基多型rs16897948及びrs7752880、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(i) family with sequence similarity 162, member A遺伝子における、一塩基多型rs6767140、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(j) KIAA1324-like遺伝子における、一塩基多型rs11979332、rs17697894、rs1557665及びrs767434、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(k) nidogen 1遺伝子における、一塩基多型rs10754824、rs3738533、rs16833108及びrs12411075、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(l) special AT-rich sequence-binding protein 1遺伝子における、一塩基多型rs12630073、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(m) phosphatase and actin regulator 2遺伝子における、一塩基多型rs7760144、rs9496704及びrs9496703、並びに該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;
(n) tumor suppressor candidate 3遺伝子における、一塩基多型rs1421240、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型;並びに
(o) junctional adhesion molecule 2遺伝子における、一塩基多型rs2829841、該一塩基多型の近傍に存在する遺伝子多型、及び該一塩基多型と連鎖不均衡にある遺伝子多型からなる群より選択される少なくとも1つの多型。
【請求項11】
請求項5若しくは6に記載のプローブ、請求項7若しくは8に記載の固定化基板、又は請求項9若しくは10に記載の一対のプライマーセットを含むアザチオプリンを投与する被験体におけるアザチオプリンの血中濃度の安定性を予測するためのキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−231752(P2012−231752A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103133(P2011−103133)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(504464966)株式会社 ハプロファーマ (6)
【出願人】(504046142)
【出願人】(511109490)
【Fターム(参考)】