説明

炎症性過程の治療のための3―ウレイド―ピリドフランおよび―ピリドチオフェン

3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェンは、適切に置換された3−アミノピリドフランもしくは−ピリドチオフェンを、イソシアナートもしくはイソチオシアナートと反応させることにより製造される。この3−ユリア−ピリドフランおよび−ピリドチオフェンは、医薬品、特に急性および慢性の炎症過程の治療のための医薬品中の有効成分として用いることができる。

【発明の詳細な説明】
炎症性過程の治療のための3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン 本発明は、3−ユリア−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン、それらの製造のための方法、および医薬品におけるそれらの使用に関する。
貪食細胞のNADPHオキシダーゼはスーパーオキシドラジカルアニオンおよびそこから生じる反応性酸素種の生理学的源であり、これらは病原体に対する防御の際に重要であることが知られている。それに加え、炎症性サイトカイン(例えばTNFα、IL−1、もしくはIL−6)、および抗−炎症性サイトカイン(例えばIL−10)の両方が宿主防御メカニズムにおける中枢となる役割を担っている。無制御状態で炎症伝達物質(inflammatory medicators)が産生されると急性および慢性の炎症、組織破壊、多臓器障害、および死がもたらされ得る。それに加え、貪食細胞のサイクリックAMPの上昇により、酸素ラジカル産生の阻害がもたらされること、およびこの細胞機能は、例えば凝集もしくは酵素放出のような他のものよりも一層感受性が高いことが知られている。
リポキシゲナーゼ阻害活性を有するベンゾフラン−およびベンゾチオフェン誘導体が欧州特許第146 243号(the publication EP 146 243)に記載されている。
本発明は、一般式(I)


[式中、E、G、L、およびMは同一もしくは異なっており、そして窒素原子、もしくは式−C−A(ここで置換基E、G、L、もしくはMの内の少なくとも一つは窒素原子を表さなければならない)の残基を表し、そして ここで、 Aは、水素、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシルもしくはアルコキシカルボニル、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これらの基は場合によっては、カルボキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルもしくはアルコキシ、フェノキシ、ベンゾイルによるか、または式−O−CO−CH3の基により置換されているか、 あるいはハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、または式−OR5、−S(O)a6、−(O−CH2−CO)b−NR78、−CO−NR910、−SO2−NR1112もしくは−NH−SO213の基を表し、これらの式中、 R6、R8、R10およびR12は同一もしくは異なっており、そして水素、3〜6の炭素原子を有するシクロアルキル、ベンジル、またはN、SおよびOを含む群からの最高3までのヘテロ原子を有する5〜7員の飽和もしくは不飽和の複素環を表し、この複素環にフェニル環が融合することができ、そしてこれは場合によっては、ハロゲン、シアノ、ニトロを含む群からの同一もしくは異なる置換基によるか、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されているか、あるいは 各々が最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルケニルもしくはアシルを表すか、あるいは フェニルを表し、これはニトロ、ハロゲン、カルボキシまたは直鎖もしくは分岐鎖の最高6までの炭素原子を有するアルコキシカルボニルを含む群からの同一もしくは異なる置換基により場合によっては一置換〜二置換されており、 R7、R9およびR11は同一もしくは異なっており、そして 水素または最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは R7およびR8は窒素原子と一緒になって5〜6員の複素環を形成し、 R5は、R6、R8、R10もしくはR12の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なっているか、あるいは R5はヒドロキシル保護基または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルを表すか、あるいは最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはカルボキシル、ヒドロキシル、各々は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシル、オキシアシルもしくはアルコキシカルボニルにより置換されているか、あるいはN、Sおよび/またはOを含む群からの最高3までのヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和複素環により置換され、これは場合によってはハロゲン、シアノ、ニトロによるか、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されており、 そして/またはアルキルは式−(CO)c−NR1415の基により置換されており、 ここで、 R14およびR15は同一もしくは異なっており、そしてR7およびR8の上記の意味を有し、そして cは数0もしくは1を表すか、あるいは R5は式−SO2−R16の基を表し、 R16はフェニル、トリフルオロメチルまたは最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、 aは数0、1もしくは2を表し、 bは数0もしくは1を表し、 R13はR16の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なるか、 あるいは、 EおよびGはCH−基を表し、そして LおよびMが式−CDおよびCD’の残基を表し、 ここで、 DおよびD’は一緒にピリミジン環を形成し、R1は水素、最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アミノ保護基または式−CO−R17の基を表し、 ここで、 R17はヒドロキシル、最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニル、3〜6の炭素原子を有するシクロアルキル、ピリジル、ピロリジニルまたは最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはハロゲン、カルボキシル、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルにより置換されているか、あるいは フェニルを表し、これは場合によってはヒドロキシル、カルボキシルまたは各々は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシまたはアルコキシカルボニルにより置換されており、Tは、酸素もしくは硫黄原子を表し、R2およびR3は同一もしくは異なっており、そして水素、最高6までの炭素原子を有するシクロアルキル、各々が最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシカルボニルもしくはアルケニルを表すか、あるいは6〜10の炭素原子を有するベンゾイルもしくはアリールを表し、これらは場合によっては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシル、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルを含む群からの同一もしくは異なる置換基により一置換〜三置換されるか、あるいは式−P(O)(OR18(OR19)の基を表し、 ここで、 R18とR19は同一もしくは異なっており、そして水素、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、R2およびR3は窒素原子と一緒になって、更に別のO原子を場合によっては有する5〜7員の飽和複素環を形成し、そしてR4は6〜10の炭素原子を有するアリールを表すか、あるいは5〜7員の飽和もしくは不飽和な複素環を表し、そしてこの複素環はヘテロ原子として最高4までの酸素、硫黄、および/または窒素原子を含むことができ、そしてこの複素環には更に別のベンゼン環が融合することができ、そしてこの場合には両方の環は場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、1H−テトラゾリル、ピリジル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、シアノ、カルボキシ、各々が最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアシルを含む群からの同一もしくは異なる置換基によるか、あるいは最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルによって一置換〜三置換されており、これは場合によってはカルボキシル、または最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルによるか、あるいは式−NR2021、−SR22、SO223、もしくは−O−SO224の基により置換されており、 ここで、 R20とR21はR7およびR8について先に示される意味を有するか、あるいは、 R20は水素を表し、 そして R21は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシルを表し、 R22は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、 R23およびR24は同一もしくは異なり、そして最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ベンジルもしくはフェニルを表し、これらは場合によってはトリフルオロメチル、ハロゲンまたは最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されており、Qは酸素もしくは硫黄原子を表す]
の3−ユリア−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン、ならびにそれらの塩に関する。
本発明に従う3−ユリア−ピリドフランおよび−ピリドチオフェンは更にはそれらの塩およびピリジミウム塩の形態で存在することもできる。一般的には有機もしくは無機塩基もしくは酸との塩をここに挙げることができる。
生理学的に許容される塩が本発明の文脈では好ましい。3−ユリア−ピリドフランおよび−ピリドチオフェンの生理学的に許容される塩は、本発明に従う物質(これは遊離のカルボン酸基を含む)の金属もしくはアンモニウム塩であることができる。特に好ましいものは、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、もしくはカルシウム塩、および更にはアンモニアに由来するアンモニウム塩、もしくは有機アミン(例えば、一例ではエチルアミン、ジ−もしくはトリエチルアミン、ジ−もしくはトリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、アルギニン、リシン、またはエチレンジアミン)である。
生理学的に許容される塩は更には、本発明に従う化合物の、無機もしくは有機酸との塩であることもできる。ここで好ましい塩は、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、もしくは硫酸のような無機酸との塩、または例えば酢酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、もしくはナフタレンジスルホン酸のようなカルボン酸もしくはスルホン酸との塩である。好ましいピリジニウム塩は、ハロゲンと組合わされた塩である。
本発明に従う化合物は、像および鏡像として振る舞うか(エナンチオマー)、または像および鏡像としては振る舞わないか(ジアステレオマー)のいずれかの立体異性形態として存在し得る。本発明は、対掌体とラセミ形態の両方に加え、ジアステレオマー混合物にも関する。このラセミ形態はジアステレオマー同様、既知の方法で立体異性的に均一な構成成分に分離することができる。
複素環は一般的に5〜7員の飽和もしくは不飽和の、好ましくは5〜6員の飽和もしくは不飽和の環を表し、これらの複素環は最高4までの酸素、硫黄、および/または窒素原子をヘテロ原子として含むことができ、そして更に別の芳香族環がこれらの複素環に融合することができる。
以下のものが好ましいとして挙げられる:チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサゾリル、シンノリル、チアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、もしくはチアゾリル。
上記の定義の文脈におけるアミノ保護基は一般的には:ベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、第三級ブトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、シクロヘキソオキシカルボニル、1,1−ジメチルエトキシカルボニル、アダマンチルカルボニル、フタロイル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2ートリクロロ−第三級ブトキシカルボニル、メンチルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、2,2,2−トリフルオロアセチル、2,2,2−トリクロロアセチル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイル、フタルイミド、イソバレロイル、またはベンジルオキシメチレン、4−ニトロベンジル、2,4−ジニトロベンジル、もしくは4−ニトロフェニル、を含む群からの保護基を表す。
式(I)の好ましい化合物は、式中、E,G,L、およびMが同一もしくは異なり、そして窒素原子もしくは式−C−Aの残基を表し、この式中これらの置換基E、G、L、もしくはMの内の少なくとも一つは窒素原子を表さなければならず、そしてこの式中、 Aは、水素、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシルまたはアルコキシカルボニル、または最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によっては塩素、臭素、ヒドロキシル、カルボキシル、各々が最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルもしくはアルコキシ、フェノキシ、ベンゾイルによるか、あるいは式−O−CO−CH3の基により置換されているか、 あるいはフッ素、塩素、臭素、ニトロ、トリフルオロメチル、または式−OR5、−S(O)a6、(O−CH2−CO)b−NR78、−CO−NR910、−SO2−NR1112もしくは−NH−SO213の基を表し、 ここで、 R6、R8、R10およびR12は同一もしくは異なり、そして水素、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、キノリル(chinolyl)、ピリジル、イミダゾリル、1,3−チアゾリルもしくはチエニルを表し、これらは場合によっては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロからなる群からの同一もしくは異なる置換基によるか、あるいは最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されているか、 各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルケニル、もしくはアシルを表すか、あるいは フェニルを表し、これは場合によってはニトロ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシルまたは最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルを含む群からの同一もしくは異なる置換基により一置換〜二置換されており、 R7、R9およびR11は同一もしくは異なり、そして水素、または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、 R7およびR8と窒素原子とが一緒になってピロリジニルもしくはピペリジニル環を形成し、 R5は、R6、R8、R10もしくはR12の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なるか、あるいは、 R5は、ベンジル、アセチルもしくはテトラヒドロピラニル、または最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルを表すか、 最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはカルボキシル、ヒドロキシル、各々が最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシル、オキシアリル、もしくはアルコキシカルボニル、フェノキシ、ベンゾイルによるか、あるいはピリジル、イミダゾリル、チエニル(thenyl)もしくはフリルにより置換されており、これらは場合によってはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロによるか、または最高4までの直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されており、 そして/またはアルキルは式−(CO)c−NR1415の基により置換されており、 ここで、 R14およびR15は同一もしくは異なり、そしてR7およびR8の上記の意味を有し、 そして、 cは数0もしくは1を表すか、あるいは、 R5は、式−SO216の基を表し、 ここで、 R16は、フェニル、トリフルオロメチルまたは最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、 aは、数0、1もしくは2を表し、 bは、数0もしくは1を表し、 R13は、R16の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なるか、 あるいは EとGとはCH−基を表し、 そして LとMとは式−CDおよび−CD’の残基を表し、 ここで、 DとD’とは一緒になってピリジン環を形成し、R1は、水素、最高4の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、第三級ブトキシカルボニルまたは式−CO−R17の基を表し、 ここで、 R17は、ヒドロキシル、最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピリジル、ピロリジニルまたは最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはフッ素、塩素、臭素、カルボキシルまたは最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルにより置換されているか、あるいは フェニルを表し、これは場合によってはヒドロキシル、カルボキシルまたは各々が最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されており、Tは、酸素もしくは硫黄原子を表し、R2およびR3は同一もしくは異なり、そして水素、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、または各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシカルボニルもしくはアルケニルを表すか、あるいは、ベンゾイルもしくはフェニルを表し、これらは場合によってはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、シアノ、ニトロからなる群からの同一もしくは異なる置換基によるか、または各々最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシまたはアルコキシカルボニルにより一置換〜三置換されているか、あるいは式−P(O)(OR18)(OR19)の基を表し、 ここで、 R18およびR19は同一もしくは異なり、そして最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、R2およびR3は窒素原子と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、もしくはモルホリニル環を形成し、そして、R4はフェニルを表すか、あるいは、ピリジル、ピリミジル、ピリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、イソチアゾリル、ピラジニル、チアゾリル、もしくはベンゾ[b]チオフェニルを表し、この場合両方の環はヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、テトラゾリル、ピリジル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、シアノ、カルボキシ、各々最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルを含む群からの同一もしくは異なる置換基によるか、あるいは最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより場合によっては一置換〜三置換されており、これは場合によっては、カルボキシルまたは最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルカルボニルにより置換されており、そしてQは酸素もしくは硫黄原子を表す化合物、およびそれらの塩である。
一般式(I)の特に好ましい化合物は、式中、E、G、L、およびMは同一もしくは異なっており、そして窒素原子、もしくは式−C−Aの残基を表し、この式中、置換基E、G、L、もしくはMの内の少なくとも一つは窒素原子を表さなければならず、そして式中、 Aは水素、アセチル、最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシもしくはアルコキシカルボニル、最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によっては臭素によってか、もしくは式O−CO−CH3の基、メトキシ、もしくはヒドロキシルにより置換されているか、 あるいは、 フッ素、塩素、臭素、カルボキシル、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、トリフルオロメチル、または式−OSO2−CH3、−OCH2−CH=CH2、−O−CH2−CO−ピロリジン、−O(CH22−ピロリジン、−O(CH22−ピペリジン、−O−(CH24−O−C(O)−CH3もしくは−O−(CH22−O−C(O)−CH3の基を表すか、 あるいは、 EおよびGはCH−基を表し、 そして LおよびMは式−CDおよび−CD’の残基を表し、 この式中、 DおよびD’は一緒になってピリジン環を形成し、R1は水素、または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、Tは酸素もしくは硫黄原子を表し、R2およびR3は同一もしくは異なり、そして水素、最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、ベンゾイルもしくはフェニルを表すか、あるいは、式−P(O)(OC252の基を表し、そして、R4はフェニルを表すか、あるいはピリジル、ピリミジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルもしくはピラジニルを表し、これらは場合によっては同一もしくは異なるピリジル、ニトロ、フッ素、塩素、臭素、メトキシ、トリフルオロメチル、シアノによってか、あるいは最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより最高二置換まで(up to difold)され、これは場合によってはカルボキシル、または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルにより置換されており、そしてQは酸素もしくは硫黄原子を表す化合物、およびそれらの塩である。
非常に特別に好ましいのは一般式(I)、[式中、R1およびR2は水素を表し、R4はフェニル、ピリジル、もしくはチエニルを表し、これらは場合によっては塩素、臭素、フッ素、ニトロ、メトキシ、または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されている]
の化合物である。
一般式(I)の化合物の製造のための方法もさらに見いだされており、そして、一般式(II)


[式中、E、G、L、M、R1、およびR4は上記の意味を有する]
の化合物を、一般式(III)
25−N=C=T (III)
[式中、Tは上記の意味を有し、そしてR25はR2およびR3の上記の意味を有する]
の化合物と、不活性溶媒中、適切である場合には塩基の存在下および/または補助剤の存在下で反応させること、そしてR2/R3=HおよびT=Oの場合には、一般式(II)の化合物を、一般式(IIIa)
V−SO2−N=C=O (IIIa)
[式中、Vは水素、好ましくは塩素を表す]
の化合物と反応させ、そしてR2/R3=HおよびT=Sの場合には、一般式(II)の化合物をNH4SCNと反応させ、そしてR1、R2、および/またはR3≠Hの場合には、アミノ基を場合によっては通常の方法により誘導化し、そしてA=O−SO216の場合には、対応するヒドロキシル化合物をK2CO3の存在下で塩化スルホニル誘導体と反応させることを特徴とする。
本発明に従う方法は、以下の化学式:

による例により詳細に説明され得る。
適切な溶媒は一般的には、反応条件下で変化を生じない通常の有機溶媒である。これらにはエーテル(一例ではジエチルエーテル、ジオキサン)またはテトラヒドロフラン、エチルアセテート、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルミアミドまたはアルコール(一例ではメタノール、エタノール、プロパノール)またはハロゲン化炭化水素(一例ではジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロメタンもしくはテトラクロロメタン)を含む。ジクロロメタンが好ましい。
適切な塩基は一般的には無機もしくは有機塩基である。これらは好ましくはアルカリ金属の水酸化物(一例では例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば一例では水酸化バリウム)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ土類金属の炭酸塩(例えば炭酸カルシウム)、またはアルカリ性金属もしくは有機アミン(トリアルキル(C1−C6
アミン)(例えばトリエチルアミン)または複素環(例えば1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU))、またはアミド(例えばナトリウムアミド、ブチルリチウムアミド)、またはブチルリチウム、ピリジンまたはメチルピペリジンを含む。アルカリ金属(例えばナトリウム)もしくはその水素化物(例えば水素化ナトリウム)を塩基として利用することもできる。炭酸カリウム、トリエチルアミン、炭酸水素ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが好ましい。
この方法は一般的には−30℃〜+100℃、好ましくは−10℃〜+50℃の温度範囲で実施される。
この方法は一般的には常圧下で実施される。しかしながらこれは更には高圧下もしくは減圧下で実施することもできる(例えば0.5〜5バールの範囲)。
塩基は、一般式(III)もしくは(IIIa)の化合物の1モルとの比では、1モル〜10モル、好ましくは1.0モル〜4モルの量で用いられる。
一般式(II)の化合物は、E=Nの場合には新規であるか、あるいは一般式(IV)


[式中、E、G、L、およびMは上記の意味を有する]
の化合物を、一般式(V)
4−CO−CH2−Y (V)
[式中、R4は上記の意味を有し、そしてYは典型的な遊離基(例えば一例では塩素、臭素、ヨウ素、トシレート、もしくはメシレート)、好ましくは臭素を表す]
の化合物とまず最初に反応させて、一般式(VI)


[式中、E、G、L、M、およびR4は上記の意味を有する]
の化合物を形成し、そしてその後に、上記の溶媒の内の一つ、および塩基、好ましくは炭酸カリウム、ならびにジメチルホルムアミドもしくはアセトン中で環化を行うことにより製造され、そしてR1≠Hの場合には上記の置換基は通常の方法により導入される。
この方法は一般的には+10℃〜+150℃、好ましくは+50℃〜+100℃の温度範囲内で実施される。
この方法は一般的には常圧で実施される。しかしながらこれは更には高圧下もしくは減圧下で実施することもできる(例えば0.5〜5バールの範囲)。
適切な塩基は通常の無機塩である。これらは好ましくはアルカリ金属の水酸化物もしくはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば一例では水酸化ナトリウム、水酸化カリウムもしくは水酸化バリウム)、またはアルカリ金属の炭酸塩(例えば一例では炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム、もしくは炭酸水素ナトリウム)
、またはアルカリ金属のアルコキシド(例えば一例ではナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドもしくはカリウム第三級ブトキシド)を含む。ナトリウムの水酸化物もしくはカリウムの水酸化物が利用されることが特に好ましい。
適切な溶媒は、水もしくは加水分解のための通常の有機溶媒である。これらは好ましくはアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールもしくはブタノール)またはエーテル(例えばテトラヒドロフランもしくはジオキサン)、またはジメチルホルムアミド、またはジメチルスルホキシドを含む。アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールもしくはブタノール、またはエーテル(例えばテトラヒドロフランもしくはジオキサン)またはジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドを含む。アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノールもしくはイソプロパノール)が用いられることが特に好ましい。更には記載された溶媒の混合物を用いることもできる。
反応は更には例えば一例ではトリフルオロ酢酸、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、硫酸もしくは過塩酸のような酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を用いて実施することもできる。
この反応は一般的には0℃〜+180℃、好ましくは+20℃〜+160℃の温度範囲内で実施される。
一般的にはこの反応は常圧で実施される。しかしながらこれは更には高圧下もしくは減圧下で実施することもできる(例えば0.5〜5バールの範囲)。
この反応を実施する際には、塩基は一般的には1モルのエステルとの比では、1〜3モル、好ましくは1〜1.5モルの量で用いられる。反応物の1モル量(molar amount)が用いられることが特に好ましい。
式中Mが窒素原子を表す一般式(II)の化合物は、一般式(IVa)


[式中、E、GおよびLは上記の意味を有する]
の化合物を、上記の方法に類似の様式で反応させることにより製造される。
一般式(IV)の化合物は新しいものであるか、もしくは一般式(VII)


[式中、E、G、LおよびMは上記の意味を有し、そしてZはC1−C4−アルキルを表す]
の化合物を、MnO2とまず最初に反応させ、そしてその後にBCl3/ジメチルアミノピリジンと反応させて一般式(VIII)


[式中、E、G、LおよびMは上記の意味を有する]
の化合物を形成し、そして最終段階ではNH2OH/HCl/HCOOHと反応させることにより製造することができる。
この反応は一般的には0℃〜+180℃、好ましくは+20℃〜+160℃の温度範囲内で実施される。
一般的にはこの反応は常圧で実施される。しかしながらこれは更には減圧下もしくは高圧下で実施することもできる(例えば0.5〜5バールの範囲内)。
一般式(VII)の化合物は新規であるか、または例えば対応するカルボキシル基の、上記のエーテルの内の一つのものの中でのLiAlH4による還元のような通常の方法により製造される。
一般式(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)および(V)
の化合物は既知のものであるか、または通常の方法により製造することができる。
一般式(VI)および(VIII)の化合物は新規であるか、または上記の方法に類似の様式で製造することができる。
驚いたことに、一般式(I)により与えられる化合物は酸素ラディカル形成、ならびにTNFα(腫瘍壊死因子)産生を阻害することを我々は見いだした。これらの化合物は、恐らく食食細胞のホスホジエステラーゼ活性により細胞性サイクリックAMPを上昇させたものと思われる。
本発明に従う化合物は、多形核白血球(PMN)によるスーパーオキシドの産生を特異的に阻害する。それに加え、これらの化合物は、細菌のリポ多糖(LPS)、補体−オプソニン化ザイモザン(ZymC3b)、およびIL−1βを初めとする多種多様の刺激に応答してヒト単球中におけるTNFαの放出を阻害する。記載される効果は恐らく、細胞性cAMPの上昇により介在されており、そしてその細胞性cAMPの上昇は恐らくcAMPの分解の原因となるIV型ホスホジエステラーゼの阻害に起因するのであろう。
従ってそれらの化合物を、急性および慢性の炎症過程の治療のための医薬品に利用することができる。
本発明に従う化合物は好ましくは、急性および慢性炎症、ならびに自己免疫疾患(例えば、肺気腫、肺胞炎、ショック肺)、全種類の慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸不全症候群(ARDS)、喘息、および気管支炎、嚢胞性繊維症、好酸性肉芽腫、動脈硬化、関節症、胃腸管の炎症、心筋炎、骨吸収障害、再灌流性創傷、クローン病(Crohn’s disease)、潰瘍性大腸炎、全身性エリスマトーデス、I型糖尿病、乾癬、過敏症様紫斑病、腎炎、慢性糸球体腎炎、炎症性腸疾患、他の良性および悪性増殖性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、春季結膜炎、動脈再狭窄、敗血症および敗血症ショック、トキシックショック症候群、宿主対移植片反応、同種異系移植片拒絶の治療および予防、サイトカイン媒介性慢性組織変性、リューマチ性関節炎、関節炎、リューマチ性脊椎炎および変形性関節症、ならびに冠状動脈機能不全症、筋肉痛、多発性硬化症、マラリア、AIDS、カケクシーの治療、腫瘍増殖および組織への浸潤、白血病、鬱病、記憶障害、ならびに急性脳卒中の予防に適する。本発明に従う化合物は追加的には再酸素化の後の梗塞組織に対する障害を低減するのに適する。この場合にはキサンチンオキシダーゼを阻害するためのアロプリノールの同時投与が有利となる。スーパーオキシドジスムターゼとの組み合わせ両方も利用される。
検査の説明1. ヒトPMNの調製 血液を静脈穿刺により健常被検体から採取し、そして好中球をデキストラン沈降および緩衝化させた培地中への再懸濁により精製した。
2. スーパーオキシドラディカルアニオンのFMLP刺激化産生の阻害。
好中球(2.5×105ml-1)をチトクロームC(1.2mg/ml)と共にマイクロタイタープレートのウエル内で混合した。本発明に従う化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に添加した。化合物の濃度は2.5nM〜10μMの範囲にわたり、DMSOの濃度は全てのウエル中、0.1% v/vであった。サイトカラシンb(5μg×ml-1)の添加後にはプレートを5分間、37℃でインキュベートした。その後に4×10-8MのFMLPの添加により好中球を刺激し、そしてスーパーオキシド産生をチトクロームCのスーパーオキシドジスムターゼ阻害性還元として、サーモマックス(Thermomax)マイクロタイタープレート用分光光度計内でOD550をモニターすることにより測定した。初速はソフトマックス(Softmax)キネティックカルキュレーションプログラム(kinetic calculation programme)を用いて算出した。ブランク用のウエルは200単位のスーパーオキシドジスムターゼを含んでいた。
スーパーオキシド産生の阻害は以下の要領で算出した:

Rx=本発明に従う化合物を含むウエルの速度。
Ro=対照用ウエルの速度。
Rb=スーパーオキシドジスムターゼを含むブランク用ウエル内の速度。
本発明に従う化合物は0.07μM−10μMの範囲内のIC50値を有する。
3. PMNサイクリックAMP濃度の測定 本発明に従う化合物を3.7×106のPMNと共に5分間、37℃でインキュベートしてから、4×10-8MのFMLPを添加した。6分後には、0.1mM EDTAを含む96% v/vエタノール中の1% v/vの濃厚なHClの添加により蛋白質を沈殿させた。遠心分離後にエタノール性抽出物をN2下で乾燥するまで蒸発させ、そして4mMのDTAを含む50mM Tris/HCl pH7.4中に再懸濁させた。この抽出物中のサイクリックAMP濃度は、Amersham International plc.社により供給されたサイクリックAMP結合性蛋白質アッセイを用いて決定した。サイクリックAMP濃度は、賦形剤含有性対照用インキュベーション物のパーセンテージとして表示した。
化合物は、1μM化合物ではcAMPレベルを対照値の0〜400%にまで上昇させた。
4. PMNホスホジエステラーゼのアッセイ このアッセイは、SounessおよびScott(BiochemJ.291、389−395、1993)により記載された要領を主としてヒトPMNからの粒子分画として実施した。粒子分画は、ホスホジエステラーゼ酵素に関する分離した立体特異的部位(descrete stereospecific site)を表すためにそれらの著者により記載される要領でバナジン酸ナトリウム/グルタチオンで処理した。本発明に従う化合物は、0.001μM〜10μMの範囲にわたるIC50値を有した。
5. ヒト血小板ホスホジエステラーゼのアッセイ このアッセイは、Schmidtら(Biochem.Pharmacol.
42、153−162、1991)により記載される要領を主として実施し、例外はホモジネートを先の要領で処理したことであった。本発明の化合物は100μMを上回るIC50値を有していた。
6. ラット脳膜内でのロリプラム(rolipram)結合部位への結合アッセイ このアッセイはSchneiderら(Eur.J.Pharmacol.127、105−115、1986)により記載された要領を主として実施した。
本発明に従う化合物は0.01〜10μMの範囲内にIC50値を有していた。
7. ヒト単球の調製 血液は健常ドナーから採取した。単球は、密度遠心分離、およびその後の遠心分離による水簸法(centrifugal elutriation)により末梢血から単離した。
8. エンドトキシンにより誘導されるTNF放出 単球(1×106ml-1)をLPS(2μg ml-1)で刺激し、そして様々な濃度(10-4〜10μg ml-1)の化合物と共に同時インキュベートした。
化合物をDMSO/培地(2% v/v)中に溶解した。細胞を、グルタミン/FCSを補足したRPMI−1640培地中、37℃、5% CO2で湿潤化させた大気中でインキュベートした。18〜24時間後にはTNFを、ヒトTNF特異的ELISA(メジェニックス(medgenix))により上清中で決定した。対照はいずれも化合物抜きの状態で、刺激化しなかった単球およびLPS刺激した単球であった。実施例2、13、および16は、ヒト単球内におけるLPSにより誘導されるTNF活性の阻害を誘導した(IC50:10-3〜1μg ml-1)。
9. マウスにおけるエンドトキシン誘導性ショックによる致死率 B6D2F1マウス(n=10)をガラクトサミン(600mg/kg)で感作し、そしてショックおよび致死性をLPS(0.01μg/マウス)により誘発した。化合物をLPS投与前1時間目に静注投与した。対照は、化合物なしでLPSの攻撃誘発を生じさせたマウスであった。マウスはLPS攻撃誘発後8〜24時間目に死亡した。実施例1および9は、3〜30mg/kgの投与量ではエンドトキシンにより媒介される死亡率を約70%〜100%減少させた。
ガラクトサミン/LPSにより媒介される死亡率は減少した。
10. 好酸球増加症浸潤モデル 本発明の化合物を、感作させたモルモットに対し、抗原での攻撃誘発前−20、−1、および+6時間目に経口投与した。抗原による攻撃誘発後24時間目には肺を洗浄し、そして炎症性細胞を遠心分離により単離した。得られるペレットを溶解し、そしてその溶解物を、好酸球数についてのマーカーとして用いられる好酸球パーオキシダーゼ活性についてアッセイした。処置を施した動物内の溶解物中好酸球パーオキシダーゼを、賦形剤で処理した対照物と比較した。
11. 気管支収縮モデル 気管支収縮は、機械呼吸を行わせているモルモットにおいて、0.001% w/v ロイコトリエンD4のエアロゾルを30呼吸回数分投与することにより誘発させた。気管支収縮は最大限にまで進行させることができた。本発明の化合物を静注投与し、そして気管支収縮の減少を測定し、そして賦形剤で処理した対照物と比較した。
これら新規活性化合物を既知の方法で通常の製剤、例えば錠剤、コーティング錠、ピル剤、顆粒剤、エアロゾル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、および水剤へと、不活性で無毒性な薬剤学的に許容される賦形剤もしくは溶剤を用いて転換させることができる。これに関係し、この治療学的に活性な化合物は各場合において、全混合物の約0.5〜90重量%の濃度で存在する、すなわち示される用量範囲に達するに十分な量で存在するべきである。
これらの製剤は例えば、活性化合物を溶媒および/または賦形剤で、適切であれば乳化剤および/または分散剤を用いて増量することにより調製され、この際例えば水を稀釈剤として用いる場合には、適切であれば有機溶媒を補助溶剤として用いることができる。
投与は通常の方法、好ましくは経口投与もしくは非経口投与、特に経舌投与もしくは静脈内投与で実施される。
非経口投与の場合には、活性化合物の水剤を、適切な液体賦形剤を用いて利用することができる。
一般的には静脈内投与については、有効な成果を達成するためには約0.001〜10mg/kg、好ましくは約0.01〜5mg/kg(体重)の量を投与することが有利であり、そして経口投与については、この用量は約0.01〜25mg/kg、好ましくは0.1〜10mg/kg(体重)となることが実証されている。
これにもかかわらず、記載される量からの逸脱が、特に体重もしくは適用経路の種類、医薬品に対する個体の動態、医薬品の製剤様式、および投与が行われる時期もしくは間隔に依存して必要となってよい。従って場合によっては、記述の最低量を下回る量で管理することで十分であってもよい一方で、別の事例では、記載される上限量を上回らなければならないこともある。比較的大量の投与を行う場合には、これらの量を、一日の内に投与される幾つかの個別の用量に分割することが推奨される。
溶媒I ガソリンエーテル:酢酸エチル 1:1II ガソリンエーテル:酢酸エチル 5:1III ガソリンエーテル:酢酸エチル 5:2IV 酢酸エチルV ジクロロメタン:メタノール 5:1VI ジクロロメタンVII シクロヘキサン:酢酸エチル 3:1VIII ジクロロメタン:メタノール 50:1IX ジクロロメタン:メタノール 20:1X シクロヘキサン:酢酸エチル 2:1出発化合物実施例I 3−アミノ−2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−メチル−7−ピリドフラン

1.34g(10mモル)の3−シアノ−6−メチルピリドン、4.14g(30mモル)のK2CO3、および3.21g(12mモル)のω−ブロム−2,4−ジクロロアセトフェノンを50mlのアセトン中に懸濁した。48時間の還流の後にこれを濾過した。溶媒を留去し、そして残渣を酢酸エチルから再結晶し、そして乾燥させた。
収率:0.7g(21.8%)、融点:237℃。
実施例II 2−ヒドロキシ−6−メトキシ−ニコチンアルデヒド

8.4g(0.05モル)の2,6−ジメトキシ−ニコチンアルデヒドを75mlの塩化メチレン中に溶解した。0℃にて、塩化メチレン200ml中の1モル等量溶液(1molar solution)としての(0.2モル)のBCl3を添加し、そして室温で20時間撹拌した。この混合物を氷/水中に注ぎいれ、中和し、そしてCH2Cl2で抽出した。溶媒留去により5.7g(75%)
の表題化合物が得られる。
実施例III 2−ヒドロキシ−6−メトキシ−ニコチノニトリル

50mlの葉酸中の、5.7g(37mモル)の実施例III、3.1g(44mモル)の水酸化ヒドロキシルアミン、および5.1g(74mモル)の( )を還流下で15時間撹拌した。冷ました後には、この混合物を30mlの氷/水中に注ぎいれた。酢酸エチルでの抽出、溶媒の留去、およびエタノールでの再結晶により1.2(22%)の表題化合物が得られた。
融点:232℃。
実施例IV (3−アミノ−6−メトキシ−3a,7a−ジヒドロ−フロ(2,3−b)−ピリジン−2−イル)−(2,4−ジクロロフェニル)−メタノール

実施例3から出発し、この表題化合物を実施例Iに類似の様式で製造した。
収率:94%、融点:259−60℃。
実施例V (3−アミノ−6−ヒドロキシ−3a,7a−ジヒドローフロ(2,3−b)
ピリジン−2−イル)−(2,4−ジクロロフェニル)メタノン

1g(3mモル)の実施例IVを25mlのトルエン中に溶解した。2.8g(21mモル)のAlCl3を数回に分けて25℃下で添加した。その後にこの混合物を還流下で1時間撹拌した。冷ました後に、この混合物を氷上に注いだ。
酢酸エチルでの抽出、溶媒の留去、および酢酸エチルでの再結晶により0.73g(75.3%)の表題化合物が得られた。
融点>305℃. 表I、II、III、およびIVに示される化合物は実施例Iに類似の様式で製造される。
表I:



表II:



表III:



表IV:







実施例XXXII 4,6−ジメトキシニコチノアルデヒド

0.63g(3.72mモル)の2,4−ジメチル−5−ヒドロキシ メチル−ピリジンを15mlの塩化メチレン中に溶解した。1.3g(14.
9mモル)のMnO2の添加後、この混合物を3時間還流した。冷ました後に、この混合物を濾過した。溶媒の留去により0.48g(96.7%)の表題化合物(融点:97〜8℃)を取得する。
実施例XXXIII 6−ヒドロキシ−4−メトキシ−ニコチンアルデヒド

実施例XXXIIから出発し、この表題化合物を実施例IIに類似の様式で製造した。
収率:43%、Rf0.83(IX)。
実施例XXXIV 6−ヒドロキシ−4−メトキシ−ニコチノニトリル

実施例XXXIIIから出発し、この表題化合物を実施例IIIに類似の様式で製造した。
収率:26%、Rf=0.16(IX)。
2,4−ジメチル−6−ヒドロキシ−ニコチノニトリル、2,4−ジメトキシ−5−ヒドロキシメチル−ピリジン、は刊行物に従って製造した。
実施例XXXV 4−クロロ−6−ヒドロキシ−ピコリノニトリル

脱水アセトニトリル(20ml)中の3−クロロ−5−ヒドロキシ−N−オキシド(30%のH22および酢酸を用いて対応するピリジンから製造した)に対してトリエチルアミン(8.3ml、62.5mモル)およびシアン化トリメチルシリル(11ml、87.5mモル)を室温下での滴下により添加した。得られる混合物を100〜110℃で8時間加熱した。室温にまで冷ました後に、溶媒および非反応試薬を留去し、残渣を0.5時間、ヘキサメチルジシラザンと共に還流した。これを再度減圧濃縮し、そしてこの粗精製生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して1.25g(32%の収率)の所望される生成物を取得した。
表Vに示される化合物は実施例Iに類似の様式で製造した。
表V:



製造法の実施例実施例1[2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−メチル−7−ピリドフラン−3−イル]ユリア

0.321g(1mモル)の実施例Iを酢酸エチル中に溶解し、そして0.163g/0.1ml(1.15mモル)のクロロスルホニルイソシアナートを添加した。室温での2時間の撹拌の後、5mlのHClを添加し、そして生成物が沈殿物として形成されるまで撹拌した。10mlの水を添加し、そしてこの沈降物を濾過して取り出した。この化合物を水およびエタノールで洗浄し、そして乾燥させた。
収率:0.25g(68.9%)
融点:217℃。
実施例2[2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−ヒドロキシ−3a,7a−ジヒドロフロ[2,3b]ピリジン−3−イル]−ユリア

この表題化合物は、実施例Vから開始して実施例Iに類似の様式で製造した。
収率:86%、融点:200℃。
実施例3[6−アロイルオキシ−2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−3a,7a−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−ユリア

1.1g(3mモル)の実施例2、0.42g(3.45mモル)の3−ブロモプロペン、および0.41g(3mモル)のK2CO3を30mlのアセトン中に混合し、そして3時間還流した。冷ました後に、この混合物を20mlの水中に注ぎいれた。酢酸エチルでの抽出、溶媒の留去、およびエタノールでの再結晶により0.12g(9.8%)の表題化合物を取得した。
融点:222℃。
表1、2、3、4、5、および6に示される化合物は、実施例1に類似の様式で製造され、例外は表3および6の中の*を付記した化合物で、これらは実施例3に類似の様式で製造される。
表1:



表2:



表3:







* 実施例33に類似の様式で製造された表4:



表5:



* この化合物は、実施例1から出発して、アセトン中のメチルイオダイド(methyliodid)との還流下での反応により合成された。
実施例27[2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−メトキシ−7−ピリドフラン−3−イル]ユリアのリン酸(phorphoric acid)ジエチルエーテル

0.5g(0.148mモル)の実施例IVを、10mlの塩化メチレン、5mlのTHF、および4mlのDMFの混合物中に懸濁した。0℃で、1.3ml(8.88mモル)のジエトキシホスフィニルイソシアナートを添加した。この反応物(the reaction)を48時間還流した。40mlの塩化メチレンを添加し、そしてこの有機層を5%のNaHCO3−溶液で二度洗浄し、乾燥させ、そして単離した。この沈降物をジエチルエーテルで洗浄し、そして更にクロマトグラフィー(塩化メチレン/エタノール 40/1)により精製した。
収率:0.625g(81.8%)
f=0.40(塩化メチレン/エタノール 40:1)。
表6:



* この化合物は実施例2から出発して、DMF中の塩化スルホニルおよびK2CO3との、80℃、8時間、還流下での反応により合成した。
表7:



方法A:対応するアルキルハロゲン化化合物(alkylhalogenide)および出発物質としての実施例2を用いる実施例33に類似の様式方法B:実施例1に類似の方法表8:



【特許請求の範囲】
1. 一般式(I)


[式中、E、G、LおよびMは同一もしくは異なっており、そして窒素原子、もしくは式−C−A(ここで置換基E)G、L、もしくはMの内の少なくとも一つは窒素原子を表さなければならない)の基を表し、そして ここで、 Aは、水素、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシルもしくはアルコキシカルボニル、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これらの基は場合によっては、カルボキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルもしくはアルコキシ、フェノキシ、ベンゾイルによるか、または式−O−CO−CH3の基により置換されているか、 あるいはハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、または式−OR5、−S(O)a6、−(O−CH2−CO)b−NR78、−CO−NR910、−SO2−NR1112、もしくは−NH−SO213の基を表し、これらの式中、 R6、R8、R10およびR12は同一もしくは異なっており、そして水素、3〜6の炭素原子を有するシクロアルキル、ベンジル、またはN、S、およびOを含む群からの最高3までのヘテロ原子を有する5〜7員の飽和もしくは不飽和の複素環を表し、この複素環にフェニル環が融合することができ、そしてこれは場合によっては、ハロゲン、シアノ、ニトロを含む群からの同一もしくは異なる置換基によるか、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されているか、あるいは 各々が最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルケニルもしくはアシルを表すか、あるいは フェニルを表し、これはニトロ、ハロゲン、カルボキシまたは直鎖もしくは分岐鎖の最高6までの炭素原子を有するアルコキシカルボニルを含む群からの同一もしくは異なる置換基により場合によっては一置換〜二置換されており、 R7、R9およびR11は同一もしくは異なっており、そして 水素、または最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは R7およびR8は窒素原子と一緒になって5〜6員の複素環を形成し、 R5は、R6、R8、R10もしくはR12の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なっているか、あるいは R5はヒドロキシル保護基または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルを表すか、あるいは最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはカルボキシル、ヒドロキシル、各々は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシルまたはアルコキシカルボニルにより置換されているか、あるいはN、Sおよび/またはOを含む群からの最高3までのヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和複素環により置換されており、これは場合によってはハロゲン、シアノ、ニトロによるか、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されており、 そして/またはアルキルは式−(CO)c−NR1415の基により置換されており、 ここで、 R14およびR15は同一もしくは異なっており、そしてR7およびR8の上記の意味を有し、そして cは数0もしくは1を表すか、あるいは R5は式−SO2−R16の基を表し、 R16はフェニル、トリフルオロメチルまたは最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、 aは数0、1もしくは2を表し、 bは数0もしくは1を表し、 R13はR16の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なるか、 あるいは、 EおよびGはCH−基を表し、そして LおよびMが式−CDおよびCD’の残基を表し、 ここで、 DおよびD’は一緒にピリミジン環を形成し、R1は水素、最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アミノ保護基または式−CO−R17の基を表し、 ここで、 R17はヒドロキシル、最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニル、3〜6の炭素原子を有するシクロアルキル、ピリジル、ピロリジニルまたは最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはハロゲン、カルボキシルまたは最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルにより置換されているか、あるいは フェニルを表し、これは場合によってはヒドロキシル、カルボキシルまたは各々は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシまたはアルコキシカルボニルにより置換されており、Tは、酸素もしくは硫黄原子を表し、R2およびR3は同一もしくは異なっており、そして水素、最高6までの炭素原子を有するシクロアルキル、各々が最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシカルボニルもしくはアルケニルを表すか、あるいは6〜10の炭素原子を有するベンゾイルもしくはアリールを表し、これらは場合によっては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシル、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルを含む群からの同一もしくは異なる置換基により一置換〜三置換されているか、あるいは式−P(O)(OR18(OR19)の基を表し、 ここで、 R18とR19は同一もしくは異なっており、そして水素、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、R2およびR3は窒素原子と一緒になって、更に別のO原子を場合によっては有する5〜7員の飽和複素環を形成し、そしてR4は6〜10の炭素原子を有するアリールを表すか、あるいは5〜7員の飽和もしくは不飽和な複素環を表し、そしてこの複素環はヘテロ原子として最高4までの酸素、硫黄および/または窒素原子を含むことができ、そしてこの複素環には更に別のベンゼン環が融合することができ、そしてこの場合には両方の環は場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、1H−テトラゾリル、ピリジル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、シアノ、カルボキシ、各々が最高8までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ、アルコキシカルボニルまたはアシルを含む群からの同一もしくは異なる置換基によるか、あるいは最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルによって一置換〜三置換されており、これは場合によってはカルボキシルまたは最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルによるか、あるいは式−NR2021、−SR22、SO223もしくは−O−SO224の基により置換されており、 ここで、 R20とR21はR7およびR8について先に示される意味を有するか、あるいは、 R20は水素を表し、 そして R21は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシルを表し、 R22は最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、 R23およびR24は同一もしくは異なり、そして最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ベンジルもしくはフェニルを表し、これらは場合によってはトリフルオロメチル、ハロゲン、または最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されており、Qは酸素もしくは硫黄原子を表す]
の3−ユリア−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン、ならびにそれらの塩。
2. 式中、E,G,L、およびMが同一もしくは異なり、そして窒素原子もしくは式−C−Aの残基を表し、この式中これらの置換基E、G、L、もしくはMの内の少なくとも一つは窒素原子を表さなければならず、そしてこの式中、 Aは、水素、各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシルまたはアルコキシカルボニル、または最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によっては塩素、臭素、ヒドロキシル、カルボキシル、各々が最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルもしくはアルコキシ、フェノキシ、ベンゾイルによるか、あるいは式−O−CO−CH3の基により置換されているか、 あるいはフッ素、塩素、臭素、ニトロ、トリフルオロメチルまたは式−OR5、−S(O)a6、(O−CH2−CO)b-NR78、−CO−NR910、−SO2−NR1112もしくは−NH−SO213の基を表し、 ここで、 R6、R8、R10およびR12は同一もしくは異なり、そして水素、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、チノリル(chinolyl)、ピリジル、イミダゾリル、1,3−チアゾリル、もしくはチエニルを表し、これらは場合によっては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロからなる群からの同一もしくは異なる置換基によるか、あるいは最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されているか、 各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルケニルもしくはアシルを表すか、あるいは フェニルを表し、これは場合によってはニトロ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシルまたは最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルを含む群からの同一もしくは異なる置換基により一置換〜二置換されており、 R7、R9およびR11は同一もしくは異なり、そして水素または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、 R7およびR8と窒素原子とが一緒になってピロリジニルもしくはピペリジニル環を形成し、 R5は、R6、R8、R10もしくはR12の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なるか、あるいは、 R5は、ベンジル、アセチルもしくはテトラヒドロピラニル、または最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルを表すか、 最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはカルボキシル、ヒドロキシル、各々が最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアシル、オキシアリル、もしくはアルコキシカルボニル、フェノキシ、ベンゾイルによるか、あるいはピリジル、イミダゾリル、チエニル、もしくはフリルにより置換され、これらは場合によってはフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロによるか、または最高4までの直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されており、 そして/またはアルキルは式−(CO)c−NR1415の基により置換されており、 ここで、 R14およびR15は同一もしくは異なり、そしてR7およびR8の上記の意味を有し、 そして、 cは数0もしくは1を表すか、あるいは、 R5は、式−SO216の基を表し、 式中、 R16は、フェニル、トリフルオロメチルまたは最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、 aは、数0、1もしくは2を表し、 bは、数0もしくは1を表し、 R13は、R16の上記の意味を有し、そして後述のものと同一もしくは異なるか、 あるいは EとGとはCH−基を表し、 そして LとMとは式−CDおよび−CD’の残基を表し、 この式中、 DとD’とは一緒になってピリジン環を形成し、R1は、水素、最高4の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、第三級ブトキシカルボニルまたは式−CO−R17の基を表し、 ここで、 R17は、ヒドロキシル、最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピリジル、ピロリジニルまたは最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によってはフッ素、塩素、臭素、カルボキシルまたは最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルにより置換されているか、あるいは フェニルを表し、これは場合によってはヒドロキシル、カルボキシルまたは各々が最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されており、Tは、酸素もしくは硫黄原子を表し、R2およびR3は同一もしくは異なり、そして水素、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたは各々が最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシカルボニルもしくはアルケニルを表すか、あるいは、ベンゾイルもしくはフェニルを表し、これらは場合によってはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、シアノ、ニトロからなる群からの同一もしくは異なる置換基によるか、または各々最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルコキシ、またはアルコキシカルボニルにより一置換〜三置換されているか、あるいは式−P(O)(OR18)(OR19)の基を表し、 ここで、 R18およびR19は同一もしくは異なり、そして最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、R2およびR3は窒素原子と一緒になってピロリジニル、ピペリジニルもしくはモルホリニル環を形成し、そして、R4はフェニルを表すか、あるいは、ピリジル、ピリミジル、ピリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、イソチアゾリル、ピラジニル、チアゾリルもしくはベンゾ[b]チオフェニルを表し、この場合両方の環はヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、テトラゾリル、ピリジル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、シアノ、カルボキシ、各々最高6までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルを含む群からの同一もしくは異なる置換基によるか、あるいは最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより場合によっては一置換〜三置換されており、これは場合によっては、カルボキシル、または最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルカルボニルにより置換されており、そしてQは酸素もしくは硫黄原子を表す、請求の範囲1に記載の3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン、ならびにそれらの塩である。
3. 式中、E、G、L、およびMは同一もしくは異なっており、そして窒素原子もしくは式−C−Aの残基を表し、この式中、置換基E、G、LもしくはMの内の少なくとも一つは窒素原子を表さなければならず、そして式中、 Aは水素、アセチル、最高4までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシもしくはアルコキシカルボニル、最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、これは場合によっては臭素によってか、もしくは式O−CO−CH3の基、メトキシ、もしくはヒドロキシルにより置換されるか、 あるいは、 フッ素、塩素、臭素、カルボキシル、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、トリフルオロメチルまたは式−OSO2−CH3、−OCH2−CH=CH2、−O−CH2−CO−ピロリジン、−O(CH22−ピロリジン、−O(CH22−ピペリジン、−O−(CH24−O−C(O)−CH3もしくは−O−(CH22−O−C(O)−CH3の基を表すか、 あるいは、 EおよびGはCH−基を表し、 そして LおよびMは式−CDおよび−CD’の残基を表し、 この式中、 DおよびD’は一緒になってピリジン環を形成し、R1は水素、または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、Tは酸素もしくは硫黄原子を表し、R2およびR3は同一もしくは異なり、そして水素、最高5までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表すか、あるいは、ベンゾイルもしくはフェニルを表すか、あるいは、式−P(O)(OC252の基を表し、そして、R4はフェニルを表すか、あるいはピリジル、ピリミジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルもしくはピラジニルを表し、これらは場合によっては同一もしくは異なるピリジル、ニトロ、フッ素、塩素、臭素、メトキシ、トリフルオロメチル、シアノによってか、あるいは最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより最高二置換までされ、これは場合によってはカルボキシル、または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシカルボニルにより置換されており、そしてQは酸素もしくは硫黄原子を表す、請求の範囲1に記載の3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン、ならびにそれらの塩である。
4. 式中、R1およびR2は水素を表し、R4はフェニル、ピリジルもしくはチエニルを表し、これらは場合によっては塩素、臭素、フッ素、ニトロ、メトキシ、または最高3までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルにより置換されている、請求の範囲1に記載の3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン。
5. 医薬品としての請求の範囲1〜4に記載の3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン。
6. 一般式(II)


[式中、E、G、L、M、R1、およびR4は上記の意味を有する]
の化合物を、一般式(III)
25−N=C=T (III)
[式中、Tは上記の意味を有し、そしてR25はR2およびR3の上記の意味を有する]
の化合物と、不活性溶媒中、適切である場合には塩基の存在下および/または補助剤の存在下で反応させること、そしてR2/R3=HおよびT=Oの場合には、一般式(II)の化合物を、一般式(IIIa)
V−SO2−N=C=O (IIIa)
[式中、Vは水素、好ましくは塩素を表す]
の化合物と反応させ、そしてR2/R3=HおよびT=Sの場合には、一般式(II)の化合物をNH4SCNと反応させ、そしてR1、R2、および/またはR3≠Hの場合には、アミノ基を場合によっては通常の方法により誘導化し、そしてA=O−SO216の場合には、対応するヒドロキシル化合物をK2CO3の存在下で塩化スルホニル誘導体と反応させることを特徴とする、請求の範囲1〜4に記載の3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェンの調製のための方法。
7. 請求の範囲1〜4に記載の3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェン、ならびに薬剤学的に許容される稀釈剤を含む組成物。
8. 急性および慢性の炎症過程の治療のための、請求の範囲7に記載の組成物。
9. 医薬品の調製のための、請求の範囲1〜4に記載の3−ウレイド−ピリドフランおよび−ピリドチオフェンの使用。
10. 急性および慢性の炎症過程の治療のための医薬品の調製のための、請求の範囲9に記載の使用。

【公表番号】特表2000−514804(P2000−514804A)
【公表日】平成12年11月7日(2000.11.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−505555
【出願日】平成9年7月1日(1997.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP97/03432
【国際公開番号】WO98/02440
【国際公開日】平成10年1月22日(1998.1.22)
【出願人】
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト