説明

炎症性障害の処置のためのヒダントイン誘導体

本発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体に関し、これは、MMP、ADAM、TACE、アグリカナーゼ、TNF−αまたはそれらの組み合わせによって媒介される疾患または状態の処置に有用である。本発明は、そのような化合物を調製する方法、1つ以上のそのような化合物を含む医薬組成物、1つ以上のそのような化合物を含む医薬処方物を調製する方法、ならびにそのような化合物または医薬組成物を用いてTACE、アグリカナーゼ、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する1つ以上の疾患を処置、予防、阻害または寛解する方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、概して、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、ディスインテグリン・メタロプロテアーゼ(ADAM)および/または腫瘍壊死因子α−変換酵素(TACE)を阻害することができ、およびその際に腫瘍壊死因子α(TNF−α)の放出を妨げることのできる新規なヒダントイン誘導体、そのような化合物を含む医薬的組成物、およびそのような化合物を使用する処置の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(説明)
変形性関節症および関節リウマチ(それぞれ、OAおよびRA)は、軟骨表面の限局性侵食を特徴とする関節軟骨の破壊性疾患である。OAを有する患者の大腿骨頭に由来する関節軟骨は、例えば、対照群よりも放射標識された硫酸塩の取り込みが少ないという知見が示されており、これは、OAにおいて軟骨の分解速度が増強されているに違いないことを示唆している(非特許文献1)。哺乳動物細胞では、タンパク質分解酵素について4つのクラス:セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼおよびメタロプロテアーゼが存在する。利用可能な証拠は、OAおよびRAにおける関節軟骨の細胞外マトリックスの分解を担うものがメタロプロテアーゼであるという考えを支持する。コラゲナーゼおよびストロメリシンの活性の増加は、OAの軟骨で見出されており、この活性は、病変の重篤度と相関する(非特許文献2、非特許文献3および同上、27,1984,305−312)。さらに、アグリカナーゼ(aggrecanase)(新たに同定されたメタロプロテアーゼ)は、RA患者およびOA患者に見出されるプロテオグリカンの特定の切断産物を提供するものと同定されている(非特許文献4)。
【0003】
メタロプロテアーゼ(MP)は、哺乳動物の軟骨および骨の破壊における重要な酵素として関与している。そのような疾患の病原を、MPインヒビターの投与によって有利な様式で改変できることが予期され得る(非特許文献5を参照のこと)。
【0004】
MMPは、20を超える様々な酵素のファミリーであり、これらの酵素は、結合組織(プロテオグリカンおよびコラーゲンを含む)の制御されない崩壊において重要な種々の生物学的プロセスに関与し、細胞外マトリックスの再吸収をもたらす。これは、多くの病理状態(例えば、RAおよびOA、角膜潰瘍形成、表皮潰瘍形成もしくは胃潰瘍形成;腫瘍転移もしくは腫瘍浸潤;歯周病および骨疾患)の特徴である。通常、これらの異化酵素は、MMPと不活性な複合体を形成する特異的インヒビター(例えば、α−2−マクログロブリンおよびTIMP(MPの組織インヒビター))の作用により、その酵素の合成レベルならびに細胞外活性のレベルにて厳密に調節されている。
【0005】
腫瘍壊死因子α(TNF−α)は、26kDaの前駆形態から17kdの活性形態へとプロセシングされる細胞関連サイトカインである。非特許文献6および非特許文献7(それらの各々は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと。
【0006】
TNF−αは、免疫応答および炎症応答において極めて重要な役割を果たすことが示されている。TNF−αの不適切な発現または過剰発現は、多くの疾患(RA、クローン病、多発性硬化症、乾癬および敗血症が挙げられる)の特徴である。TNF−α産生の阻害は、炎症性疾患の多くの前臨床モデルで有益であり、TNF−α産生またはシグナル伝達の阻害をなす新規な抗炎症性薬物の開発は魅力的な標的となることが示されている。
【0007】
TNF−αは、ヒトおよび動物の炎症、熱および急性期反応の一次メディエータであり、急性感染およびショックの過程で観察されるものと類似する。過剰なTNF−αは致死性であることが示されている。TNF−αの効果を特異的抗体でブロックすることは、種々の状態(自己免疫疾患(例えば、RA(非特許文献8)、インスリン非依存性糖尿病(非特許文献4)およびクローン病(非特許文献9)で有利であり得る。
【0008】
TNF−αの産生を阻害する化合物は、それゆえ、炎症性障害の処置にとって治療的に重要である。最近、メタロプロテアーゼ(例えば、TACE)が、TNF−αをその不活性型から活性型に変換できることが示されている(非特許文献10)。過剰なTNF−α産生がMMP媒介性の組織分解によっても特徴付けられる数種の疾患で確認されているので、MMPおよびTNF−α産生の両方を阻害する化合物もまた、両方の機構が関与する疾患において特定の利点を有し得る。
【0009】
TNF−αの有害な効果を阻害するための1つのアプローチは、酵素TACEがTNF−αをその可溶性形態にプロセシングし得る前に、その酵素を阻害することである。TACEは、I型膜タンパク質のADAMファミリーのメンバーであり、種々の膜にアンカーされたシグナル伝達タンパク質および接着タンパク質の細胞外ドメイン切断を媒介する。TACEは、炎症性疾患を含む数種の疾患の研究において次第に重要になってきている。なぜなら、TACEは、TNF−αをその「ストーク(stalk)」配列から切断し、したがってTNF−αタンパク質の可溶性形態を放出する能力を有するからである(非特許文献11)。
【0010】
ヒドロキサマート、スルホンアミド、ヒダントイン、カルボキシラートおよび/またはラクタム系MMPインヒビターを開示する多くの特許および刊行物が存在する。
【0011】
特許文献1および特許文献2(B2)は、ヒドロキサム酸誘導体およびMMPインヒビターである化合物を記載する。
【0012】
特許文献3は、MMPおよび/またはTNF−αの潜在的なインヒビターであるラクタム誘導体を開示する。
【0013】
PCT国際公開の特許文献4、特許文献5、WO20040067996、特許文献6、WO200274750および特許文献7は、MMPの潜在的なインヒビターであるヒダントイン誘導体を開示する。
【0014】
PCT国際公開の特許文献8および特許文献9は、MMPの潜在的なインヒビターであるスルホンアミド誘導体を開示する。
【0015】
PCT国際公開の特許文献10、特許文献11および特許文献12はまた、TACEおよびMMPの潜在的なインヒビターを記載する。
【0016】
PCT国際公開の特許文献13は、TACEインヒビターであるヒダントイン誘導体に言及している。
【特許文献1】米国特許第6,677,355号明細書
【特許文献2】米国特許第6,534,491号明細書
【特許文献3】米国特許第6,495,565号明細書
【特許文献4】国際公開第02/074750号パンフレット
【特許文献5】国際公開第02/096426号パンフレット
【特許文献6】国際公開第04/012663号パンフレット
【特許文献7】国際公開第04/024721号パンフレット
【特許文献8】国際公開第04/024698号パンフレット
【特許文献9】国際公開第04/024715号パンフレット
【特許文献10】国際公開第04/056766号パンフレット
【特許文献11】国際公開第03/053940号パンフレット
【特許文献12】国際公開第03/053941号パンフレット
【特許文献13】国際公開第06/019768号パンフレット
【非特許文献1】Mankinら、J.Bone Joint Surg.、1970年、52A、p.424−434
【非特許文献2】Mankinら、Arthritis Rheum.、1978年、第21巻,p.761−766
【非特許文献3】Woessnerら、Arthritis Rheum.、1983年、第26巻、p.63−68
【非特許文献4】Lohmander L.S.ら、Arthritis Rheum.、1993年、第36巻、p.1214−22
【非特許文献5】Wahlら、Ann.Rep.Med.Chem.、AP,San Diego、1990年、第25巻、p.175−184
【非特許文献6】Black R.A.、「Tumor necrosis factor−alpha converting enzyme」、Int J Biochem Cell Biol.、2002年1月、第34巻、第1号、p.1−5
【非特許文献7】Moss ML、White JM、Lambert MH、Andrews RC.、「TACE and other ADAM proteases as targets for drug discovery」、Drug Discov Today.、2001年4月1日、第6巻、第8号、p.417−426
【非特許文献8】Feldmanら、Lancet、1994年、第344巻、p.1105
【非特許文献9】Macdonald T.ら、Clin.Exp.Immunol.、1990年、第81巻、p.301
【非特許文献10】Gearingら、Nature、1994年、第370巻、p.555
【非特許文献11】Black R.A.Int J Biochem Cell Biol.、2002年、第34巻、第1号、p.1−5
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
当該分野において、抗炎症化合物および軟骨を保護する治療剤として有用であり得るMMP、ADAM、TACEおよびTNF−αのインヒビターに対する必要性が存在する。TNF−α、TACEおよび/または他のMMPの阻害は、これらの酵素による軟骨の分解を防ぐことができ、それによって、OAおよびRAの病理状態、ならびに多くの他の自己免疫疾患を緩和する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の要旨)
その多くの実施形態において、本発明は、TACE、TNF−αの産生、MMP、ADAM、アグリカナーゼ、またはそれら任意の組み合せのインヒビターとしての新規クラスの化合物、そのような化合物を調製する方法、1つ以上のそのような化合物を含む医薬組成物、1つ以上のそのような化合物を含む医薬処方物を調製する方法、ならびにそのような化合物または医薬組成物を用いてTACE、アグリカナーゼ、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する1つ以上の疾患を処置、予防、阻害または寛解する方法を提供する。
【0019】
1実施形態では、本出願は、式(I):
【0020】
【化97】

で表わされる化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体を開示し、式中、
環Aは、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、その各々は、示されるように−Y−Rおよび−Z−Rで置換されており;
Xは、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)−、−(C(R−および−N(R)−からなる群から選択され;
Tは、アルキニルであり;
Vは、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および前記ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのN−オキシド類からなる群から選択され、式中、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および前記ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのN−オキシド類の各々が同一かまたは隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、必要に応じて前記5員から8員のシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールとともに、独立して非置換であるか、または1個から4個の同一であっても異なっていてもよいR10部分で置換されており;
Yは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Zは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
mは、1から3であり;
nは、1から3であり;
は、H、シアノ、アルキニル、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、式中、前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じて、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、Rのアルキル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、必要に応じて5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR20部分で独立して置換されているが;但し、Yが−N(R)−、−S−または−O−である場合、Rはハロゲンまたはシアノではなく;
は、H、シアノ、アルキニル、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、式中、前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、Rのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、必要に応じて5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR20部分で独立して置換されているが;但し、Yが−N(R)−、−S−または−O−である場合、Rはハロゲンまたはシアノではなく;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、およびアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、−アルキルシクロアルキル、−アルキル−N(アルキル)、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
10は、水素、シアノ、ニトロ、−C(R)=N−OR、−OR、−SR、−N(R、−S(O)R、−S(O)、−N(R)S(O)、−N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)−S(O)、−S(O)N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)C(O)R、−C(O)N(R)C(O)NR、−S(O)N(R、−N(R)−C(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)N(R、−S(O)N(R、−S(O)N(R)−C(O)−R、−N(R)−C(=NR)−N(R、−N(R)−C(=N−CN)−N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、式中、R10のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR30部分で独立して置換されているか;
または、式中、2つのR10部分は、同一かまたは隣接する炭素原子に結合するとき、必要に応じて、それらが結合する該炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成してもよく;
20は、シアノ、ニトロ、−C(R)=N−OR、−OR、−SR、−N(R、−S(O)R、−S(O)、−N(R)S(O)、−N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)−S(O)、−S(O)N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)C(O)R、−C(O)N(R)C(O)NR、−S(O)N(R、−N(R)−C(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)N(R、−S(O)N(R、−S(O)N(R)−C(O)−R、−N(R)−C(=NR)−N(R、−N(R)−C(=N−CN)−N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;式中、前記R20のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、前記R20のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルの各々は、必要に応じて前記5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、またはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、−NH、−NH(アルキル)、および−N(アルキル)からなる群から独立して選択される1個から4個の部分で置換されているか;
または、2つのR20部分が、同一かまたは隣接する炭素原子に結合するとき、それらが結合する炭素原子と必要に応じて一緒になって、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成してもよく;
30は、シアノ、ニトロ、−C(R)=N−OR、−OR、−SR、−N(R、−S(O)R、−S(O)、−N(R)S(O)、−N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)−S(O)、−S(O)N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)C(O)R、−C(O)N(R)C(O)NR、−S(O)N(R、−N(R)−C(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)N(R、−S(O)N(R、−S(O)N(R)−C(O)−R、−N(R)−C(=NR)−N(R、−N(R)−C(=N−CN)−N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;式中、前記R30のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、前記R30のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルの各々は、必要に応じて前記5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、またはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、−NH、−NH(アルキル)、および−N(アルキル)からなる群から独立して選択される1個から4個の部分で置換されているか;
または、2つのR30部分は、同一かまたは隣接する炭素原子に結合するとき、必要に応じて、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成してもよい。
【0021】
別の実施形態において、本出願は、式(II):
【0022】
【化98】

で示される一般構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体を開示し、式中、
Aで指示された環は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、その各々は、示されるように−Y−Rおよび−Z−Rで置換されており;
Xは、−S−、−O−、−C(R−または−N−(R)−からなる群から選択され;
Tは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Tは、H(UおよびVが存在しない場合)、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリール−およびアリールアルキル−からなる群から選択され、前記のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリール−およびアリールアルキル−は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群から選択される1個以上の部分と必要に応じて縮合しており、式中、Tの前記アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルの任意の各基は、非置換であるか、または必要に応じて同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR10部分で独立して置換され、各R10部分は、下記のR10部分の群から独立して選択され;
Uは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Uは、アルキニル、−C(O)−、−C(O)O−、および−C(O)NR−からなる群から選択され;
Vは、存在しないか、または存在し、存在する場合、Vは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル−、シクロアルキル、アルキルアリール−、およびアリールアルキル−からなる群から選択され、前記アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル−、シクロアルキル、アルキルアリール−およびアリールアルキル−は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群から選択される1個以上の部分と必要に応じて縮合しており、式中、前記のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルの任意の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR10部分で独立して置換され、各R10部分は、下記のR10部分の群から独立して選択され;
Yは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Zは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
nは、1から3であり;
は、H、−OR、シアノ、−C(O)OR、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキルからなる群から選択され、式中、Rのアルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキル基の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR20部分で独立して置換されており、各R20部分は、下記のR20部分の群から独立して選択されるが、但し、Yが存在し、そしてYがN,SまたはOであるとき、Rはハロゲンまたはシアノではなく;
は、H、−OR、シアノ、−C(O)OR、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキルからなる群から選択され、式中、Rのアルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールおよびアリールアルキル基の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR20部分で独立して置換されており、各R20部分は、下記のR20部分の群から独立して選択されるが、但し、Zが存在し、そしてZがN,SまたはOであるとき、Rはハロゲンではなく;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、およびアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
10は、シアノ、−OR、−SR、−N(R、−S(O)R、−S(O)−、−N(R)S(O)、−S(O)N(R、−O(フルオロアルキル)、−C(O)OR、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルからなる群から選択され、式中、R10のアルキル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキル基の各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR30部分で独立して置換されており、各R30部分は、下記のR30部分の群から独立して選択され;
20は、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−N(R、および−C(O)N(Rからなる群から選択され;そして
30は、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−N(R、および−C(O)N(Rからなる群から選択される。
【0023】
式Iの化合物は、TACEのインヒビターとして有用であり得、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する疾患の処置および予防に有用であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
そのいくつかの実施形態において、本発明は、TACE、アグリカナーゼ、TNF−αの産生、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合わせの新規なクラスのインヒビター、その化合物の1つ以上を含む医薬組成物、そのような化合物の1つ以上を含む医薬処方物を調製する方法、および炎症の1つ以上の症状を処置、予防または寛解する方法を提供する。
【0025】
1つの実施形態において、本発明は、上記の構造式(I)から(IV)で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体を提供し、種々の部分は、上記の通りである。
【0026】
別の実施形態において、先の段落で言及された異性体は、立体異性体である。
【0027】
1つの実施形態において、指示された環Aは、フェニル、チオフェニル、ピリジル、ピリミジル、および
【0028】
【化99】

からなる群から選択され、それらの各々は、式(I)に示されているように−Y−Rおよび−Z−Rで置換されている。
【0029】
別の実施形態では、式(I)中、環Aは、示されているように−Y−Rおよび−Z−Rで置換されているフェニルである。
【0030】
別の実施形態では、式(I)中、Xは−(C(R−および−N(R)−からなる群から選択される。
【0031】
別の実施形態では、式(I)中、Xは−(C(R−であり、式中、mは1または2である。
【0032】
別の実施形態では、式(I)中、Xは−(C(R−であり、式中、mは1である。
【0033】
別の実施形態では、式(I)中、RはHである。
【0034】
別の実施形態では、式(I)中、Xは−(C(R−であり、式中、mは1であり、RはHである。
【0035】
別の実施形態では、式(I)中、Tは−C≡C−である。
【0036】
別の実施形態では、式(I)中、Vは、H、アリール、ヘテロアリール、および前記ヘテロアリールのN−オキシドからなる群から選択され;式中、前記アリール、およびヘテロアリールの各々が同一かまたは隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する炭素原子と一緒になって5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、前記アリールおよびヘテロアリールの各々は、必要に応じて前記5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR10部分で必要に応じて置換されている。
【0037】
別の実施形態では、式(I)中、Vはフェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、フラザニル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、プテリジニル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、
【0038】
【化100】

【0039】
【化101】

【0040】
【化102】

からなる群から選択され、それらの各々は、V基あたりR10部分の数が4を超えないように1以上のR10部分により必要に応じて置換されている。
【0041】
別の実施形態では、式(I)中、R10は、水素、シアノ、ニトロ、−OR、−SR、−N(R、−S(O)−、−S(O)N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、−C(O)N(R)−S(O)、−C(R)=N−OR、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、式中、そのアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR30部分で独立して置換されているか;
または、式中、2つのR10部分は、同一の炭素原子に結合する場合、それらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成し;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、−アルキルシクロアルキル、−アルキル−N(アルキル)、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立して選択され;そして
30は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヘテロシクリル、−C(R)=N−OR、−O−アルキル−シクロアルキル、−N(R、および−C(O)N(Rからなる群から選択され、式中、前記R30のアルキルは、−NHで置換されている。
【0042】
別の実施形態では、式(I)中、R10は、ニトロ、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、−S(O)−アルキル、−NH、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−アルキル−ヘテロシクリル、−シクロアルキル−NH、−S(O)−NH、−S(O)アルキル、−C(O)NH、ヒドロキシ、−C(O)N(H)(シクロアルキル)、−C(O)N(H)(アルキル)、−N(H)(シクロアルキル)、−C(O)O−アルキル、−C(O)OH、−S(O)N(H)(アルキル)、−S(O)OH、−S−ハロアルキル、−S(O)−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−O−アルキル−シクロアルキル、−アルキル−O−アルキル−シクロアルキル、−C(O)アルキル、アミノアルキル、−アルキル−NH(アルキル)、−アルキル−N(アルキル)、−CH=N−O−アルキル、−C(O)NH−アルキル−N(アルキル)、−C(O)−ヘテロシクリル、および−NH−C(O)−アルキルからなる群から選択され、式中、前記R10のアリールおよびヘテロアリールの各々は、必要に応じて、アルキル、−NH、−NH(アルキル)、および−N(アルキル)からなる群から選択される1個から2個の部分で置換されているか;
または、式中、同一の炭素原子に結合する2つのR10部分は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成する。
【0043】
別の実施形態では、式(I)中、R10は、水素、ニトロ、メチル、フッ素、臭素、トリフルオロメチル、塩素、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メトキシ、ヒドロキシ、シアノ、−S(O)CH、−NH、イソプロピル、シクロプロピル、−シクロプロピル−NH
【0044】
【化103】

−NH(シクロプロピル)、−NH(CH)、−S(O)−NH、−C(O)NH、−C(O)OCH、−C(O)OH、−S(O)N(H)CH、−C(O)NH(CH)、−C(O)NH(シクロプロピル)、−S(O)OH、−S−CF、−S(O)−CF、エトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、イソプロポキシ、−OCH−シクロプロピル、−CHO−CH−シクロプロピル、−C(O)CH、−C(O)CH、−CH(CH)OH、−CHNH、−CH(CH)NH、−CHNH−CH、−CH(CH)OH、−CHNHCH、−CH=N−OCH、−C(CH)=N−OCH、−C(O)OCHCH、−C(O)NHCHCHN(CH、−NH−C(O)CH
【0045】
【化104】

からなる群から選択されるか;
または、式中、2つのR10部分は、同一の炭素原子に結合する場合、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
【0046】
【化105】

を形成する。
【0047】
別の実施形態では、式(I)中、Yは、共有結合および−O−からなる群から選択される。
【0048】
別の実施形態では、式(I)中、Yは、共有結合である。
【0049】
別の実施形態では、式(I)中、Yは、−O−である。
【0050】
別の実施形態では、式(I)中、Zは、共有結合および−O−からなる群から選択される。
【0051】
別の実施形態では、式(I)中、Zは、−O−である。
【0052】
別の実施形態では、式(I)中、Rは、水素、シアノ、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、およびアルキニルからなる群から選択され;式中、前記Rのアルキルは非置換であるか、またはアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルで置換されており、式中、前記アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルが隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、前記Rアルキルの前記アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル置換基は、必要に応じて5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、1個から4個のR20部分で独立して置換されている。
【0053】
別の実施形態では、式(I)中、Rは、水素、シアノ、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、およびアルキニルからなる群から選択され;式中、前記Rのアルキルは非置換であるか、またはアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルで置換されており、式中、前記アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルが隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、前記Rアルキルの前記アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル置換基は、必要に応じて5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、1個から4個のR20部分で独立して置換されている。
【0054】
別の実施形態では、式(I)中、Rは、ハロゲンまたはシアノである。
【0055】
別の実施形態では、式(I)中、Rは、フッ素、塩素、またはシアノである。
【0056】
別の実施形態では、式(I)中、Yは、−O−であり、そしてRは、アルキル、ハロアルキル、およびアルキニルからなる群から選択され;式中、前記Rのアルキルは非置換であるか、またはヘテロアリールで置換されており、式中、前記ヘテロアリールが隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、前記のラジカルは、必要に応じてそれらが結合する炭素原子と一緒になって5員または6員のアリールを形成してもよく;式中、前記Rアルキルの前記ヘテロアリール置換基は、必要に応じて前記5員または6員のアリールとともに、必要に応じてアルキルで置換されている。
【0057】
別の実施形態では、式(I)中、Yは−O−であり、そしてRは、CH、−CH−C≡C−CH、ジフルオロメチル、および
【0058】
【化106】

からなる群から選択される。
【0059】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(III):
【0060】
【化107】

の化合物により表わされ、式(III)において、Xは−(CH1−2−であり、そしてT、V、Y、RおよびRは、式(I)で示した通りである。
【0061】
別の実施形態では、式(III)中、Xは−CH−である。
【0062】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV):
【0063】
【化108】

の化合物により表わされ、式(IV)において、Xは−(CH1−2−であり、そしてT、V、Y、RおよびRは、式(I)で示した通りである。
【0064】
別の実施形態では、式(IV)中、Xは−CH−である。
【0065】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、下記の表に列挙された化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体からなる群から選択される。この表はまた、各化合物に対する質量分析データおよびKi評価を列挙している。5nM未満(<5nM)のKi値を有する化合物は、文字「A」で示され;5から25nM未満(5から<25nM)のKi値を有する化合物は、文字「B」で示され;25から100nMのKi値を有する化合物は、文字「C」で示され;そして100nMより大きい(>100nM)Ki値を有する化合物は、文字「D」で示される。これらの化合物の合成および特性化は、本発明の実施例の部で以下に記載される。
【0066】
【化109】

【0067】
【化110】

【0068】
【化111】

【0069】
【化112】

【0070】
【化113】

【0071】
【化114】

【0072】
【化115】

【0073】
【化116】

【0074】
【化117】

【0075】
【化118】

【0076】
【化119】

【0077】
【化120】

【0078】
【化121】

【0079】
【化122】

【0080】
【化123】

【0081】
【化124】

【0082】
【化125】

【0083】
【化126】

【0084】
【化127】

【0085】
【化128】

【0086】
【化129】

【0087】
【化130】

【0088】
【化131】

【0089】
【化132】

【0090】
【化133】

【0091】
【化134】

【0092】
【化135】

【0093】
【化136】

【0094】
【化137】

【0095】
【化138】

【0096】
【化139】

【0097】
【化140】

【0098】
【化141】

【0099】
【化142】

【0100】
【化143】

【0101】
【化144】

【0102】
【化145】

【0103】
【化146】

【0104】
【化147】

【0105】
【化148】

【0106】
【化149】

【0107】
【化150】

【0108】
【化151】

【0109】
【化152】

【0110】
【化153】

【0111】
【化154】

【0112】
【化155】

【0113】
【化156】

【0114】
【化157】

【0115】
【化158】

【0116】
【化159】

【0117】
【化160】

【0118】
【化161】

【0119】
【化162】

【0120】
【化163】

【0121】
【化164】

【0122】
【化165】

【0123】
【化166】

【0124】
【化167】

【0125】
【化168】

【0126】
【化169】

【0127】
【化170】

【0128】
【化171】

【0129】
【化172】

【0130】
【化173】

【0131】
【化174】

【0132】
【化175】

【0133】
【化176】

【0134】
【化177】

【0135】
【化178】

【0136】
【化179】

【0137】
【化180】

【0138】
【化181】

【0139】
【化182】

別の実施形態では、式(I)の化合物は、
【0140】
【化183】

【0141】
【化184】

【0142】
【化185】

【0143】
【化186】

【0144】
【化187】

【0145】
【化188】

【0146】
【化189】

【0147】
【化190】

【0148】
【化191】

またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、もしくはエステルからなる群から選択される。
【0149】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、
【0150】
【化192】

【0151】
【化193】

またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、もしくはエステルからなる群から選択される。
【0152】
本発明のいくつかの代表的な化合物の特異的TACE阻害活性(Ki値)は、以下に示される。
【0153】
【化194】

【0154】
【化195】

【0155】
【化196】

【0156】
【化197】

上記および本開示の全体にわたって使用される場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有すると理解される:
「患者」は、ヒトおよび動物の両方を包含する。
【0157】
「哺乳動物」は、ヒトおよび他の哺乳類の動物を意味する。
【0158】
「アルキル」は、脂肪族炭化水素基を意味し、この基は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、その鎖中に約1個から約20個の炭素原子を含む。好ましいアルキル基は、その鎖中に約1個から約12個の炭素原子を含む。より好ましいアルキル基は、その鎖中に約1個から約6個の炭素原子を含む。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が直鎖状のアルキル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキル」は、その鎖中に約1個から約6個の炭素原子を有する基を意味し、その鎖は直鎖状であっても分枝状であってもよい。アルキル基は、1つ以上の置換基で置換されてもよく、その置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各置換基は独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群から選択される。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
【0159】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、この基は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、その鎖中に約2個から約15個の炭素原子を含む。好ましいアルケニル基は、その鎖中に約2個から約12個の炭素原子を有し;より好ましくは、その鎖中に約2から約6個の炭素原子を有する。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が直鎖状のアルケニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルケニル」は、その鎖中の約2個から約6個の炭素原子を意味し、その鎖は直鎖状であっても分枝状であってもよい。適切なアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブテ−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
【0160】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、この基は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、その鎖中に約2個から約15個の炭素原子を含む。好ましいアルキニル基は、その鎖中に約2個から約12個の炭素原子を有し;より好ましくは、その鎖中に約2個から約4個の炭素原子を有する。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が直鎖状のアルキニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキニル」は、その鎖中の約2個から約6個の炭素原子を意味し、その鎖は直鎖状であっても分枝状であってもよい。適切なアルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルが挙げられる。用語「置換アルキニル」は、そのアルキニル基が1以上の置換基によって置換され得ることを意味し、その置換基は同じであっても異なっていてもよく、各置換基は独立して、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0161】
「アリール」は、約6個から約14個の炭素原子、好ましくは約6個から約10個の炭素原子を含む芳香族単環式または芳香族多環式の環系を意味する。アリール基は必要に応じて、1つ以上の「環系置換基」で置換されることができ、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0162】
「ヘテロアリール」は、約5個から約14個の環原子、好ましくは約5個から約10個の環原子を含む芳香族単環式または芳香族多環式の環系を意味し、この環系において、その環原子のうちの1つ以上は、単独かまたは組み合せである炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄)である。好ましいヘテロアリールは、約5個から約6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は、必要に応じて、1つ以上の「環系置換基」によって置換されることができ、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。ヘテロアリールの語根名(root name)の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドへと酸化されることができる。適切なヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドン類を含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。用語「ヘテロアリール」はまた、例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなどのような部分的に飽和したヘテロアリール部分を指す。
【0163】
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリール−アルキル−基を意味し、そのアリールおよびアルキルは前述のとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルを介する。
【0164】
「アルキルアリール」は、アルキル−アリール−基を意味し、そのアルキルおよびアリールは、前述のとおりである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む。適切なアルキルアリール基の非限定的な例は、トリルである。親部分への結合は、アリールを介する。
【0165】
「シクロアルキル」は、約3個から約10個の炭素原子、好ましくは約5個から約10個の炭素原子を含む非芳香族単環式または非芳香族多環式の環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5個から約7個の環原子を含む。シクロアルキルは、必要に応じて、1つ以上の「環系置換基」で置換されることができ、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0166】
「シクロアルケニル」は、約3個から約10個の炭素原子、好ましくは約5個から約10個の炭素原子を含む非芳香族単環式または非芳香族多環式の環系を意味し、この環系は少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む。好ましいシクロアルケニル環は、約5個から約7個の環原子を含む。シクロアルケニルは、必要に応じて、1つ以上の「環系置換基」で置換されることができ、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。適切な単環式シクロアルケニルの非限定的な例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプタ−1,3−ジエニルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルケニルの非限定的な例としては、ノルボルニレニルが挙げられる。
【0167】
「ハロゲン」(または「ハロ」)は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。好ましいものは、フッ素、塩素および臭素である。
【0168】
「環系置換基」は、芳香族または非芳香族の環系に結合した置換基を意味し、例えば、その環系の利用可能な水素を置換する。環系置換基は同じであっても異なっていてもよく、各々は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、GN−、GN−アルキル−、GNC(O)−、GNSO−および−SONGからなる群から選択され、ここで、GおよびGは、同一であっても異なっていてもよく、GおよびGは、独立して、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、およびアラルキルからなる群から選択される。「環系置換基」はまた、環系の2つの隣接する炭素原子上の2つの利用可能な水素(各炭素上の1つのH)を同時に置換する単一の部分を意味する。そのような部分の例は、例えば:
【0169】
【化198】

のような部分を形成するメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−などである。
【0170】
「ヘテロシクリル」は、約3個から約10個の環原子、好ましくは約5から約10個の環原子を含む非芳香族の飽和単環式または飽和多環式の環系を意味し、その環系の原子のうちの1つ以上は、単独かまたは組み合わせである炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄)である。その環系には隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5個から約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルの語根名の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環中の任意の−NHは、例えば、−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基などのような保護された状態で存在してもよく;このような保護はまた、本発明の一部と考えられる。ヘテロシクリルは、必要に応じて、1つ以上の「環系置換基」によって置換されることができ、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義されるとおりである。ヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化されることができる。適切な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが挙げられる。「ヘテロシクリル」はまた、環系の同一の炭素原子上の2つの利用可能な水素を同時に置換する単一の部分(例えばカルボニル)をも意味する。そのような部分の例としては、ピロリドン:
【0171】
【化199】

である。
【0172】
例えば、部分:
【0173】
【化200】

のような互変異性形態は、本発明の特定の実施形態では等価であると見做されることに留意すべきである。
【0174】
「アルキニルアルキル」は、アルキニル−アルキル−基を意味し、そのアルキニルおよびアルキルは前述のとおりである。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニルおよび低級アルキル基を含む。親部分への結合は、アルキルを介する。適切なアルキニルアルキル基の非限定的な例としては、プロパルギルメチルが挙げられる。
【0175】
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール−アルキル−基を意味し、そのヘテロアリールおよびアルキルは前述のとおりである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチル、およびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルを介する。
【0176】
「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル−基を意味し、そのアルキルは前述のとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含む。適切なヒドロキシアルキルの非限定的な例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0177】
「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、その基において、種々の基は前述のとおりである。親部分への結合は、カルボニルを介する。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。適切なアシルの非限定的な例としては、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが挙げられる。
【0178】
「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、そのアリール基は前述のとおりである。親部分への結合は、カルボニルを介する。適切な基の非限定的な例としては、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが挙げられる。
【0179】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、そのアルキル基は前述のとおりである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介する。
【0180】
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、そのアリール基は前述のとおりである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介する。
【0181】
「アラルキルオキシ」は、アラルキル−O−基を意味し、そのアラルキル基は前述のとおりである。適切なアラルキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよび1−ナフタレンメトキシまたは2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介する。
【0182】
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、そのアルキル基は前述のとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を介する。
【0183】
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、そのアリール基は前述のとおりである。適切なアリールチオの非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を介する。
【0184】
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、そのアラルキル基は前述のとおりである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分への結合は、硫黄を介する。
【0185】
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介する。
【0186】
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介する。
【0187】
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介する。
【0188】
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルである基である。親部分への結合は、スルホニルを介する。
【0189】
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分への結合は、スルホニルを介する。
【0190】
用語「置換(された)」は、指定された原子上の1つ以上の水素が、示された群からの選択により置換されることを意味するが、但し、既存の状況下において、指定された原子の通常の原子価を上回らず、そしてその置換により、安定な化合物を生ずることが条件である。置換基および/または変数の組み合せは、そのような組み合せが安定な化合物を生ずる場合にのみ許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」は、有用な程度の純度までの反応混合物からの単離および有効な治療剤への処方に耐えるために十分に強い化合物を意味する。
【0191】
用語「必要に応じて置換された」は、特定の基、ラジカルまたは部分による必要に応じた置換を意味する。
【0192】
用語「単離された」または「単離された形態の」は、化合物について用いられる場合、合成プロセスもしくは天然供給源またはそれらの組み合せから単離された後のその化合物の物理的状態をいう。化合物についての用語「精製された」または「精製された形態の」は、精製プロセスまたは本明細書中に記載されるかもしくは当業者に周知であるプロセスから入手された後の、本明細書中に記載されるかもしくは当業者に周知の標準的な分析技術によって特徴付けることができるほど十分に純粋なその化合物の物理的状態をいう。
【0193】
また、本明細書中の本文、スキーム、実施例および表中の原子価が満たされていない任意の炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たすのに十分な数の水素原子を有することが想定されることに、留意すべきである。
【0194】
化合物中の官能基が「保護(された)」と称される場合、これは、その化合物がある反応に供される場合に、その基が保護された部位における望ましくない副反応を防止するための修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者および標準的な教本(例えば、T.W.Greeneら,Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New Yorkなど)によって認識されるであろう。
【0195】
任意の変数(例えば、アリール、複素環、Rなど)が任意の構成もしくは式Iにおいて1より多く存在する場合、各存在に関する規定は、他のすべての存在における規定から独立している。
【0196】
本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、特定量で特定成分を含む生成物、および特定の量における特定の成分の組み合せから直接的もしくは間接的に生ずる任意の生成物を包含することを意図している。
【0197】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒化合物もまた、本明細書中で考慮される。用語「プロドラッグ」は、本明細書中で使用される場合、被験体への投与の際に、代謝的プロセスもしくは化学的プロセスにより化学変換を受けて式Iの化合物またはその塩および/もしくは溶媒化合物を生ずる薬物の前駆体である化合物を示す。プロドラッグの考察は、T.HiguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14,A.C.S.Symposium SeriesならびにBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに提供されており、これらは共に、それらに対する参考として本明細書中に援用される。用語「プロドラッグ」は、インビボで変換されて式(I)の化合物またはその化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒化合物を生成する化合物(例えば、薬物前駆体)を意味する。変換は、例えば、血液中での加水分解などの様々な機構(例えば、代謝的プロセスまたは化学的プロセス)により起こり得る。プロドラッグの使用についての考察は、T.HiguchiおよびW.Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」,第14巻,A.C.S.Symposium SeriesならびにBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987により提供される。
【0198】
例えば、式(I)の化合物またはその化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒化合物が、カルボン酸の官能基を含む場合、プロドラッグは、その酸性基の水素原子を、例えば、(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、4個から9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5個から10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3個から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4個から7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5個から8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3個から9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4個から10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ−(C−C)アルキルなどで置換して形成されるエステルを含み得る。
【0199】
同様に、式(I)の化合物が、アルコールの官能基を含む場合、プロドラッグは、そのアルコール基の水素原子を、例えば、(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(各α−アミノアシル基は、天然に存在するL−アミノ酸類から独立して選択される)、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態の水酸基の除去により生じるラジカル)などで置換することにより形成することができる。
【0200】
式(I)の化合物が、アミン官能基を取り込む場合は、プロドラッグは、アミン基中の水素原子を、例えば、R−カルボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニル(ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、(C−C10)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ベンジルであるか、またはR−カルボニルは、天然のα−アミノアシルまたは天然α−アミノアシル、−C(OH)C(O)OY(ここで、Yは、H、(C−C)アルキルまたはベンジルである)、−C(OY)Y(ここで、Yは、(C−C)アルキルであり、およびYは、(C−C)アルキル、カルボキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキルである)、−C(Y)Y(ここで、Yは、Hまたはメチルであり、Yは、モノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキルモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである)などである]などで置換することにより形成することができる。
【0201】
「溶媒化合物」は、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む、様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。特定の場合(例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性の固体の結晶格子に組み込まれている場合)において、この溶媒化合物は、単離され得る。「溶媒化合物」は、溶液相の溶媒化合物および単離可能な溶媒化合物の両方を包含する。適切な溶媒化合物の非限定的な例としては、エタノラート、メタノラートなどが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒化合物である。
【0202】
「有効量」または「治療有効量」は、TACE、TNF−αの産生、MMP、ADAMSまたはそれらの任意の組み合せを阻害することにおいて有効であり、したがって所望の治療効果、寛解効果、阻害効果もしくは予防効果を生ずることにおいて有効である本発明の化合物もしくは組成物の量を記載することを意味する。
【0203】
式Iの化合物は、同じく本発明の範囲にある塩を形成することができる。本明細書中の式Iの化合物への言及は、他に示さない限り、その塩への言及を含むことが理解される。用語「塩」は、本明細書中で使用される場合、無機酸および/または有機酸で形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基で形成される塩基性塩を示す。さらに、式Iの化合物が塩基性部分(例えば、これらに限定されないが、ピリジンまたはイミダゾール)および酸性部分(例えば、これに限定されないが、カルボン酸)の両方を含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され、これらは本明細書で使用される場合の用語「塩」に含まれる。他の塩も有用であるが、医薬的に許容される(例えば、非毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましい。式Iの化合物の塩は、例えば、式Iの化合物を、一定量(例えば、当量)の酸もしくは塩基と、媒体(例えば、そこで塩が沈殿する媒体)、または水性媒体において反応させ、次いで凍結乾燥することにより、生成され得る。
【0204】
例示的な酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシラートとしても知られる)などが挙げられる。さらに、塩基性医薬化合物由来の医薬的に有用な塩の形成に適切であると一般的に考えられる酸は、例えば、P.Stahlら,Camille G.(eds.)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.同局のウェブサイトにて)により考察されている。これらの開示内容は、それらに対する参考として本明細書中に援用される。
【0205】
例示的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン、例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)との塩、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)との塩などが挙げられる。塩基性の窒素含有基は、例えば、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化メチル、塩化エチルおよび塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチルおよび臭化ブチル、ならびにヨウ化メチル、ヨウ化エチルおよびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、塩化ラウリルおよび塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリルおよび臭化ステアリル、ならびにヨウ化デシル、ヨウ化ラウリルおよびヨウ化ステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などの薬剤で四級化することが可能である。
【0206】
全てのそのような酸性塩および塩基性塩が、本発明の範囲内の医薬的に許容される塩であることが意図され、そしてすべての酸性塩および塩基性塩が、本発明の目的のための対応する化合物の遊離型と等価であると考えられる。
【0207】
式Iの化合物、ならびにその塩、溶媒化合物およびプロドラッグは、それらの互変異性形態(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)で存在し得る。全てのそのような互変異性形態は、本発明の一部として本明細書中に企図される。
【0208】
種々の置換基上の不斉炭素に起因して存在し得る立体異性体などの、本発明の化合物(化合物の塩、溶媒化合物およびプロドラッグならびにプロドラッグの塩および溶媒化合物を含む)の鏡像異性形態(不斉炭素がない場合でも存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオ異性体を含む全ての立体異性体(幾何異性体、光学異性体など)は、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジルなど)の場合のように、本発明の範囲内であると考えられる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まないか、あるいは、例えばラセミ体として混合されるか、または全ての他の立体異性体もしくは他の選択された立体異性体と混合され得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより規定されるように、S配置もしくはR配置を有することができる。用語「塩」、「溶媒化合物」、「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒化合物およびプロドラッグに、同様に適用されることが意図される。
【0209】
式Iの化合物の多形、ならびに式Iの化合物の塩、溶媒化合物およびプロドラッグの多形は、本発明に含まれるものとする。
【0210】
本発明による化合物は、医薬的性質を有する;特に、式Iの化合物は、TACE、アグリカナーゼ、TNF−αおよび/またはMMP活性のインヒビターであり得る。
【0211】
1つの局面において、本発明は、式(I)の少なくとも1つの化合物を活性成分として含む、医薬組成物を提供する。
【0212】
別の局面において、本発明は、少なくとも1つの医薬的に許容されるキャリアをさらに含む、式(I)の医薬的組成物を提供する。
【0213】
別の局面において、本発明は、TACE、アグリカナーゼ、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する障害を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする患者に対し、式(I)の少なくとも1つの化合物の治療有効量を投与することを包含する。
【0214】
別の局面において、本発明は、TACE、アグリカナーゼ、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する障害を治療する医薬の製造のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0215】
式(I)の化合物は、抗炎症活性および/または免疫調節活性を有することができ、式(I)の化合物は、これらに限定されないが、敗血性ショック、血行力学的ショック(haemodynamic shock)、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、マイコバクテリア感染、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維症、悪液質、移植片拒絶反応(graft rejection)、皮膚T細胞性リンパ腫などの癌、血管新生に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎のような炎症性腸疾患、変形性関節症(OA)および関節リウマチ(RA)、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ウレイチス(ureitis)、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome)、放射線障害、高酸素症肺胞傷害、歯周病、HIV、インスリン非依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化性肺胞炎、乾癬、移植片拒絶反応(transplant rejection)、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および/または気管支炎を含む疾患の処置に有用であり得る。本発明の化合物は、列挙される1種以上の疾患を処置することにおいて有用であると考えられる。
【0216】
別の局面において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する障害を処置するための医薬組成物を調製する方法を提供し、この方法は、式(I)の少なくとも1つの化合物と少なくとも1つの医薬的に許容されるキャリアとを密接に接触させる工程を包含する。
【0217】
別の局面において、本発明は、TACE、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せの阻害活性を示す式(I)の化合物(この化合物の鏡像異性体、立体異性体および互変異性体ならびにこの化合物の医薬的に許容される塩または溶媒化合物を含む)を提供し、この化合物は、上に示された表1001に列挙される構造の化合物から選択される。
【0218】
別の局面において、本発明は、被験体におけるTACE、アグリカナーゼ、TNF−α、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する障害を処置するための医薬組成物を提供し、そのような処置を必要とする被験体に対し、式(I)の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0219】
別の局面において、本発明は、精製された形態にある、式(I)の化合物を提供する。
【0220】
別の局面において、本発明は、被験体におけるTACE、MMP、TNF−α、アグリカナーゼまたはそれらの任意の組み合せによって媒介される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に対し、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0221】
別の局面において、本発明は、被験体における、関節リウマチ、変形性関節症、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍形成、固形腫瘍増殖および二次転移による腫瘍浸潤、血管新生緑内障、炎症性腸疾患、多発性硬化症、ならびに乾癬からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0222】
別の局面において、本発明は、被験体における、発熱、心血管状態、出血、凝固、悪液質、食欲不振、アルコール症、急性期反応、急性感染、ショック、移植片対宿主反応、自己免疫疾患、およびHIV感染からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0223】
別の局面において、本発明は、被験体における、敗血性ショック、血行力学的ショック、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、マイコバクテリア感染、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維症、悪液質、移植片拒絶反応(graft rejection)、皮膚T細胞性リンパ腫などの癌、血管新生に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎のような炎症性腸疾患、変形性関節症および関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ウレイチス、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群、放射線障害、高酸素症肺胞傷害、歯周病、HIV、インスリン非依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化性肺胞炎、乾癬、移植片拒絶反応(transplant rejection)、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および気管支炎からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0224】
別の局面において、本発明は、COPDに関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0225】
別の局面において、本発明は、関節リウマチに関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0226】
別の局面において、本発明は、クローン病に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0227】
別の局面において、本発明は、乾癬に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0228】
別の局面において、本発明は、強直性脊椎炎に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0229】
別の局面において、本発明は、坐骨神経痛に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0230】
別の局面において、本発明は、複合性局所疼痛症候群に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0231】
別の局面において、本発明は、乾癬性関節炎に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を投与することを包含する。
【0232】
別の局面において、本発明は、多発性硬化症に関連する状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を、Avonex(登録商標)、ベタセロン(Betaseron)、コパクソン(Copaxone)または多発性硬化症の処置に適応がある他の化合物からなる群から選択される化合物と組み合せて投与することを包含する。
【0233】
さらに、本発明の化合物は、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)(例えば、メトトレキサート、アザチオプリン、レフルノミド、ペニシラミン、金塩、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、および他の類似した薬物)と同時投与され得るか、またはそれと組み合せて使用され得る。これらはまた、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、ピロキシカム、ナプロキセン、インドメタシン、イブプロフェンなど);シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)選択的インヒビター(例えば、Vioxx(登録商標)およびCelebrex(登録商標));免疫抑制薬(例えば、ステロイド、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシンなど);生物反応修飾物質(BRM)(例えば、Enbrel(登録商標)、Remicade(登録商標)、IL−1アンタゴニスト、抗CD40、抗CD28、IL−10、抗接着性分子など);および他の抗炎症剤(例えば、p38キナーゼインヒビター、PDE4インヒビター、他の化学的に異なるTACEインヒビター、ケモカインレセプターアンタゴニスト、サリドマイド、および他の炎症誘発性サイトカイン産生の低分子インヒビター)と同時投与され得るか、またはそれらと組み合せて使用され得る。
【0234】
また、本発明の化合物は、季節性アレルギー性鼻炎および/または喘息の処置のためのH1アンタゴニストと同時投与され得るか、またはそれと組み合せて使用され得る。適切なH1アンタゴニストは、例えば、Claritin(登録商標)、Clarinex(登録商標)、Allegra(登録商標)、またはZyrtec(登録商標)である。
【0235】
別の局面において、本発明は、被験体における、TACE、MMP、TNF−α、アグレカナーゼまたはそれらの任意の組み合せによって媒介される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、もしくは異性体の治療有効量を、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)、NSAID、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、生物反応修飾物質(BRM)、抗炎症剤、およびH1アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量と組み合せて投与することを包含する。
【0236】
別の局面において、本発明は、被験体における、関節リウマチ、変形性関節症、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍形成、固形腫瘍増殖および二次転移による腫瘍浸潤、血管新生緑内障、炎症性腸疾患、多発性硬化症、ならびに乾癬からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を、DMARDS、NSAID、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、BRM、抗炎症剤、およびH1アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量と組み合せて投与することを包含する。
【0237】
別の局面において、本発明は、被験体における、敗血性ショック、血行力学的ショック、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、マイコバクテリア感染、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維症、悪液質、移植片拒絶反応(graft rejection)、皮膚T細胞性リンパ腫などの癌、血管新生に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎などの炎症性腸疾患、変形性関節症および関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ウレイチス、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群、放射線障害、高酸素症肺胞傷害、歯周病、HIV、インスリン非依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化性肺胞炎、乾癬、移植片拒絶反応(transplant rejection)、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および気管支炎からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法を提供し、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体の治療有効量を、DMARDS、NSAID、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、BRM、抗炎症剤、およびH1アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量と組み合せて投与することを包含する。
【0238】
別の局面において、本発明は、RAを処置するための方法を提供し、この方法は、式Iの化合物を、COX−2インヒビター(例えば、Celebrex(登録商標)またはVioxx(登録商標));COX−1インヒビター(例えば、Feldene(登録商標));免疫抑制薬(例えば、メトトレキサートまたはシクロスポリン);ステロイド(例えば、β−メタゾン);および抗TNF−α化合物(例えば、Enbrel(登録商標)またはRemicade(登録商標));PDE IVインヒビターからなるクラス、あるいはRAの処置に適応がある化合物の他のクラスから選択される化合物と組み合せて投与することを包含する。
【0239】
別の局面において、本発明は、多発性硬化症を処置するための方法を提供し、この方法は、式(I)の化合物を、Avonex(登録商標)、ベタセロン、コパクソン、または多発性硬化症の処置に適応がある他の化合物からなる群から選択される化合物と組み合せて投与することを包含する。
【0240】
TACE活性は、内部クエンチされたペプチド基質(SPDL−3)のTACEで触媒される切断によって生ずる蛍光強度の上昇率を測定する速度アッセイにより決定される。組み換えヒトTACE(rhTACEc、2つの変異(S266AおよびN452Q)を有する残基215から残基477、および6×Hisテイル)の精製された触媒ドメインが、このアッセイで使用される。この触媒ドメインは、親和性クロマトグラフィーを使用し、バキュロウイルス/Hi5細胞発現系から精製される。基質SPDL−3は、内部クエンチされたペプチド(MCA−Pro−Leu−Ala−Gln−Ala−Val−Arg−Ser−Ser−Ser−Dpa−Arg−NH2)であり、その配列はpro−TNFα切断部位に由来する。MCAは、(7−メトキシクマリン−4−イル)アセチルである。Dpaは、N−3−(2,4−ジニトロフェニル)−L−2,3−ジアミノプロピオニルである。
【0241】
50μlのアッセイ混合物は、20mMのHEPES(pH7.3)、5mMのCaCl、100μMのZnCl、2%のDMSO、0.04%のメチルセルロース、30μMのSPDL−3、70pMのrhTACEcおよび試験化合物を含む。rhTACEは、試験化合物と一緒に、25℃にて90分間、プレインキュベートされる。反応は、基質の添加により開始される。蛍光強度(320nmにて励起、405nmにて発光)を、蛍光分光光度計(GEMINI XS,Molecular Devices)を使用して、45秒毎に30分間、測定した。酵素反応の速度は、1秒あたりの単位として示される。試験化合物の効果は、その化合物が非存在下におけるTACE活性の%として示される。
【0242】
上記活性成分を含む医薬組成物は、経口使用に適した形態(例えば、錠剤、ロゼンジ、水性懸濁剤もしくは油性懸濁剤、分散可能な散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤)にあり得る。経口使用について意図される組成物は、医薬組成物の製造についての分野に公知の任意の方法に従って調製され得、そのような組成物は、医薬的に見栄えがよく口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に適切である非毒性の医薬的に許容される賦形剤との混合物中に活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム);造粒剤(granulating agent)および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア)、ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)であり得る。錠剤は、コーティングされなくても、それらは、胃腸管内での分解および吸収を遅らせ、それにより、より長期に作用を持続させる公知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質が、使用され得る。錠剤はまた、米国特許第4,256,108号;同第4,166,452号;および同第4,265,874号に記載される技術によってコーティングされ、制御放出のための浸透圧性治療用錠剤を形成し得る。
【0243】
用語「医薬組成物」はまた、1種より多く(例えば、2種)の医薬的に活性な薬剤(例えば、本発明の化合物および本明細書中に記載される添加剤の一覧から選択される添加剤)、ならびに任意の医薬的に不活性な賦形剤から構成されるバルク組成物および個別の投薬単位の両方を包含することが意図される。バルク組成物および各々の個別の投薬単位は、前記「1種より多くの医薬的に活性な薬剤」の一定量を含むことを意図する。バルク組成物は、個別の投薬単位を依然として形成していない物質である。例示的な投薬単位は、錠剤、丸剤などのような経口投薬単位である。同様に、本発明の医薬組成物を投与することによって患者を処置する本明細書中に記載される方法はまた、前記バルク組成物および個別の投薬単位の投与を包含することも意図される。
【0244】
経口使用のための処方物はまた、活性成分が不活性な固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合される硬ゼラチンカプセル剤、あるいは活性成分が、水または油媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合される軟ゼラチンカプセル剤として与えられ得る。
【0245】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤との混合物中に活性物質を含む。そのような賦形剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴムなどの懸濁剤であり;分散剤または湿潤剤は、天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、もしくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレン−オキシセタノール)、もしくはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステル(partial ester)との縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、もしくはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)である。水性懸濁剤はまた、1種以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)、1種以上の着色剤、1種以上の矯味矯臭剤、および1種以上の甘味剤(例えば、スクロース、サッカリンまたはアスパルテーム)を含み得る。
【0246】
油性懸濁剤は、植物油(例えば、ピ−ナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油)、または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に活性成分を懸濁させることにより処方され得る。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコール)を含み得る。甘味剤(例えば、上記に提示された甘味剤)、および矯味矯臭剤は、口当たりの良い経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸)の添加により保存され得る。
【0247】
水の添加による水性懸濁剤の調製に適した分散可能な散剤および顆粒剤は、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁剤および1種以上の保存剤との混合物中に活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上述したものによって例示される。さらなる賦形剤(例えば、甘味剤、矯味矯臭剤および着色剤)もまた、存在し得る。
【0248】
本発明の医薬的組成物はまた、水中油型乳剤の形態であり得る。この油性相は、植物油(例えば、オリーブ油または落花生油)、もしくは鉱油(例えば、流動パラフィン)、またはそれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然に存在するリン脂質(例えば、ダイズ油、レシチン)、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルもしくは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、および前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。これらの乳剤はまた、甘味剤および矯味矯臭剤を含み得る。
【0249】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース)を用いて処方され得る。そのような処方物はまた、粘滑薬、保存剤、ならびに矯味矯臭剤および着色剤を含み得る。
【0250】
医薬組成物は、無菌注射用水溶液または無菌注射用油性懸濁液の形態を取り得る。この懸濁液は、上述した適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技術に従って処方され得る。この無菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口用として許容される希釈剤もしくは溶媒中の無菌注射用溶液であるか、または無菌注射用懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として)であってよい。とりわけ、使用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来どおりに使用される。この目的のために、任意の低刺激性の不揮発性油を使用することができ、その不揮発性油としては、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射剤の調製に使用される。
【0251】
本発明の化合物はまた、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。上記組成物は、上記薬物と、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、直腸内で融解して薬物を放出する適切な非刺激性の賦形剤とを混合することによって調製することができる。そのような物質は、カカオ脂およびポリエチレングリコール類である。
【0252】
局所使用には、本発明の化合物を含むクリーム剤、軟膏、ゼリー剤、液剤または懸濁剤などが使用される。(この適用の目的のために、局所適用物としては、口腔洗浄剤および含嗽剤が挙げられる。)
本発明に関する化合物は、適切な鼻腔内ビヒクルの局所使用により、鼻腔内形態で投与されても、当業者に周知である経皮用皮膚パッチの形態を使用し、経皮経路により投与されてもよい。経皮送達系の形態で投与するために、投薬量の投与は、当然ながら、投薬計画全体にわたって、間欠的よりむしろ継続的である。本発明の化合物はまた、基剤(例えば、カカオ脂、グリセリンゼラチン(glycerinated gelatin)、水素化植物油、多様な分子量のポリエチレングリコールの混合物、およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステル)を使用した坐薬として送達されるされ得る。
【0253】
本発明の化合物を利用した投薬計画は、種々の要因(患者のタイプ、種、体重、性別、および医学的状態;処置すべき状態の重篤度;投与経路;患者の腎機能および肝機能;ならびに使用されるその特定の化合物)に従って選択される。当業者の医師または獣医師は、状態の進行を予防、阻止、妨害、または逆転するために必要とされる薬物の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性を伴わずに効果を生じる範囲内の薬物の濃度を達成する際の最適精度は、標的部位への薬物の利用可能性の動態学に基づく投薬計画を必要とする。これは、薬物の分布、平衡、および排泄の検討を必要とする。本発明の方法において有用な式(I)の化合物の好ましい用量は、0.01mg/日から1000mg/日の範囲である。より好ましい投薬量は、0.1mg/日から1000mg/日の範囲である。最も好ましい投薬量は、0.1mg/日から500mg/日の範囲である。経口投与については、組成物が、0.01mgから1000mg、特に、処置される患者への投薬量の対症的調節のためには、0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.5mg、1.0mg、2.5mg、5.0mg、10.0mg、15.0mg、25.0mg、50.0mg、100mgおよび500mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供されることが好ましい。薬物の有効量は、通常、体重1kgあたり1日に、約0.0002mg/kgから約50mg/kgの用量で供給される。この範囲は、より好ましくは、体重1kgあたり1日に、約0.001mg/kgから1mg/kgである。
【0254】
有利なことに、本発明の活性薬剤は、毎日、単回投与されるか、または合計1日投与量が、1日2回分、1日3回分もしくは1日4回分に分割された用量で投与されてもよい。
【0255】
キャリア物質と組み合せて単回投与形態をもたらし得る活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与形式に応じて変化する。
【0256】
しかしながら、任意の特定の患者についての特定の用量レベルは、種々の要因(年齢、体重、全体の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の併用、および治療を受けている特定の疾患の重篤度を含む)に依存することが理解される。
【0257】
本発明の化合物は、当業者に公知であるプロセス、ならび以下の反応スキームおよび下記の調製および実施例に示されるようなプロセスによって製造することができる。
【実施例】
【0258】
以下の略語は、下記の手順およびスキームで使用され得る:
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
Aq 水性の
BOC tert−ブトキシカルボニル
BOCO BOC無水物
C 摂氏度
CBZCl クロロギ酸ベンジル
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
DCM ジクロロメタン
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
(DHQ)2PHAL ヒドロキニン1,4−フタラジンジイルジエーテル
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMPU 1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1h)−ピリミジノン
DMSO ジメチルスルホキシド
EDCl 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EI 電子衝撃
eq 当量
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
g グラム
h 時間
hr 時間
H プロトン
HATU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート
Hex ヘキサン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LDA リチウムジイソプロピルアミド
M モル
mmol ミリモル
mCPBA メタ−クロロ過安息香酸
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
mg ミリグラム
MHz メガヘルツ
mL ミリリットル
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
NMR 核磁気共鳴
MS 質量分析
NBS N−ブロモスクシンイミド
NMM N−メチルモルホリン
NMP 1−メチル−2−ピロリドン
ON 一晩
PCC クロロクロム酸ピリジニウム
PTLC 分取薄層クロマトグラフィー
PyBrOP ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
Pyr ピリジン
RT 室温
sgc シリカゲル60クロマトグラフィー
tBOC tert−ブトキシカルボニル
TACE 腫瘍壊死因子−α変換酵素
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
保持時間
(実施例300A)
【0259】
【化201】

パートA:
化合物300(20.0g、81.61mmol)、トリメチルボロキシン(13.36mL、97.93mmol)、Pd(dppf)Cl(1.0g、1.36mmol)、ジオキサン(350mL)、水(50mL)および炭酸セシウム(22.5g、163mmol)を、110℃(油浴)で窒素雰囲気下において16時間攪拌した。冷却後、固体を濾過して除去した。溶液を濃縮し、sgc(10:1のEtOAc/ヘキサン)により精製して301(12.1g、80%)を得た。
【0260】
パートB:
化合物301(4.4g、24.2mmol)を四塩化炭素(80mL)に溶解し、N−ブロモスクシンイミド(4.48g、24.2mmol)および過酸化ベンゾイル(276mg、1.13mmol)を添加した。反応混合物を還流下で3時間攪拌し、次いで固体を濾過し、エーテルで洗浄した。合わせた有機層を水によって洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して所望の生成物302(6.1g、98%)を得た。
【0261】
パートC:
化合物302(32.0g、124.0mmol)をMeOH(150mL)中の7Mアンモニアに溶解し、60℃で一晩、密封された圧力フラスコ内で攪拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下、除去した。残渣を酢酸エチルに懸濁し、30分間攪拌した。固体を濾過し、塩化メチレンに溶解した。塩化メチレンを水によって洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して所望の生成物303(13.5g、67%)を得た。
【0262】
パートD:
化合物303(2.2g、13.4mmol)を、THF(250mL)およびDMPU(40mL)に溶解した。ナトリウムt−ブトキシド(1.55g、16.13mmol)を添加し、5時間攪拌した。ピバル酸クロロメチル(3.0mL、20.1mmol)を滴下して添加し、一晩攪拌した。反応物を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、25%酢酸エチル/ヘキサン)による精製は、所望の生成物304(2.5g、67%)を与えた。
【0263】
パートE:
化合物304(288mg、1.04mmol)を塩化メチレン(5mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。ブロモトリメチルシラン(0.3mL、2.08mmol)を滴下して添加し、氷浴中で30分間攪拌し、続いて室温で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、塩化メチレン(2mL)に再溶解した。ヘキサン(8mL)を添加し、固体を濾過して所望の生成物305(218mg、83%)を得た。
【0264】
(実施例300B)
【0265】
【化202】

パートA:
化合物307は、Tetrahedron 1975、31、863−866に見られる手順を使用して化合物306から製造された。
【0266】
パートB:
化合物308は、J.Med.Chem.1981、24、16−20で見られる手順を使用して化合物307から製造された。HPLC−MS t=1.839分(ELSD);式C1017NOSiに対して計算された質量243.09、実測されたLCMS m/z 244.1(M+H)。
【0267】
パートC:
ジイソプロピルアミン(0.80mL、5.8mmol)およびHMPA(2.3mL)をTHF(10mL)に溶解し、−78℃に冷却した。n−BuLi(2.5M、2.0mL、5mmol)の溶液を反応物に滴下して添加し、20分間攪拌した。化合物308(425mg、1.66mmol)をTHF(5mL)に溶解し、滴下して添加した。20分後に、THF(10mL)中の化合物305(470mg、1.83mmol)を滴下して添加し、同じ温度で反応物を2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム溶液をゆっくりと添加し、反応物を室温まで温めた。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、33%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製は、所望の生成物309(0.360g、52%)を与えた。HPLC−MS t= 1.904分(UV254 nm);式C2026Siに対して計算された質量418.15、実測されたLCMS m/z 419.2(M+H)。
【0268】
パートD:
化合物309(100mg、0.23mmol)をTHF(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中の1M、0.3mL,0.3mmol)を滴下して添加し、反応物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を水、飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して化合物310(70mg、88%)を得た。この生成物を精製することなく使用した。
【0269】
パートE:
化合物310(627mg、1.87mmol)を、アセトニトリル(20mL)中の、3−ヨードピリジン(561mg、2.8mmol)、Pd(dppf)Cl(76mg、0.093mmol)、X−PHOS(88mg、0.186mmol)、ピペリジン(321mg、3.74mmol)と混合し、80℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチルから2%メタノール/酢酸エチル)による精製は、所望の生成物311(0.630g、80%)を与えた。HPLC−MS t= 1.389分(UV254 nm);式C2221に対して計算された質量423.14、実測されたLCMS m/z 424.1(M+H)。
【0270】
パートF:
化合物311(60mg、0.14mmol)をメタノール溶液(5mL)中の7Mアンモニアに溶解し、密封された圧力管中で90℃にて一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。酢酸エチルによる粉砕は、所望の生成物312(49.5mg、93%)を与えた。HPLC−MS t=1.086分(UV254 nm);式C2016に対して計算された質量376.11、実測されたLCMS m/z 377.0(M+H)。
【0271】
(実施例300C)
【0272】
【化203】

パートA:
化合物313は、J.Org.Chem.1990、55、4657−4663で見られる手順を使用して調製された。
【0273】
パートB:
化合物314は、実施例300BのパートCで見られる手順を使用して調製された。
パートC:
化合物314(100mg、0.23mmol)を、メタノール溶液(5mL)中の7Mアンモニアに溶解し、密封された圧力管中で90℃にて一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。酢酸エチルによる粉砕は、所望の生成物(57mg、63%)を与えた。HPLC−MS t=1.533分(UV254 nm);式C2116Fに対して計算された質量393.1、実測されたLCMS m/z 394.1(M+H)。
【0274】
(実施例400)
【0275】
【化204】

パートA:
グリオキシル酸1水和物(20.0g、218mmol)とカルバミン酸メチル(16.3g、218mmol)をジエチルエーテル(200mL)に溶解し、一晩攪拌した。固体を濾過して所望の生成物306B(32.0g、98%)を得た。
【0276】
パートB:
化合物306B(32.0g、214mmol)をMeOH(200mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。濃硫酸(8mL)を滴下して添加し、反応物を一晩攪拌した。反応混合物は、酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して化合物306Cを得た(27.0g、71%)。これを精製することなく使用した。
【0277】
パートC:
化合物は306C(27.0g、152mmol)を四塩化炭素(700mL)に溶解した。五塩化リン(50g、240mmol)を添加し、懸濁液を18時間攪拌した(溶液は、時間経過とともに透明になった)。溶媒を減圧下で除去し、残渣を石油エーテル(500mL)中で一晩攪拌した。固体を濾過し、精製する必要のない化合物307を得た(26.5g、96%)。質量収率が高すぎる場合には、粉砕の工程を繰り返した。
【0278】
パートD:
化合物307(15.0g、82.7mmol)を塩化メチレン(140mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。ビス(トリメチルシリル)アセチレン(15.0g、88.2mmol)を塩化メチレン(20mL)の中に添加した。新たに破砕した塩化アルミニウム(11.0g、82.7mmol)を20分間かけて少しずつ添加した。反応混合物をゆっくりと室温まで温め、一晩攪拌した。反応物を氷浴中で冷却し、水でゆっくりとクエンチした。有機層を水で数回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサンから粉砕/再結晶して所望の生成物308(14.8g、69%)を得た。HPLC−MS t=1.84分(ELSD);式C1017NOSiに対して計算された質量243.09、実測されたLCMS m/z 244.1(M+H)。
【0279】
パートE:
化合物308(24.0g、98.7mmol)および化合物305(25.1g、99.0mmol)をTHF(300mL)に溶解し、−78℃に冷却した。LiHMDS(198mL、198mmol)の1M溶液を30分間かけて、滴下して添加し、反応混合物を2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム溶液をゆっくりと添加し、反応物を室温まで温めた。水層を、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、33%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製は、所望の生成物309(26.0g、63%)を与えた。HPLC−MS t=1.90分(UV254 nm);式C2026Siに対して計算された質量418.15、実測されたLCMS m/z 419.2(M+H)。
【0280】
化合物305についての合成は、実施例300Aに記載された。
【0281】
パートF:
2つの異性体を、キラルODカラムを使って分離した。試料1グラムをカラムに注入し、2つのピークが85%ヘキサン/エタノールの溶媒混合物を用いて分離された。2番目の異性体は、所望の化合物309B(400mg、80%)であった。
【0282】
パートG:
化合物309B(8.0g、19.1mmol)をTHF(250mL)に溶解し、0℃に冷却した。フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中の1M、22.9mL、22.9mmol)を滴下して添加し、反応物を1時間室温で攪拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を水、飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して化合物400(5.8g、88%)を得た。生成物を、精製することなく使用した。
【0283】
パートH:
化合物400(500mg、1.45mmol)を、DMF(5mL)中の、3−ヨードピリジン(434mg、2.16mmol)、Pd(PPhCl(50mg、0.072mmol)、CuI(14mg、0.072mmol)、ジイソプロピルアミン(0.4mL、2.9mmol)と混合し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチルから2%メタノール/酢酸エチル)による精製は、所望の生成物400A(0.520g、84%)を与えた。HPLC−MS t=1.39分(UV254 nm);式C2221に対して計算された質量423.14、実測されたLCMS m/z 424.1(M+H)。
【0284】
パートI:
化合物400A(480mg、1.13mmol)を7Mアンモニア溶液(5mL)に溶解し、密封された圧力管中で90℃にて一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣を1MのHCl(2mL)で処理し、次いでアセトニトリル(10mL)および水(3mL)で希釈した。溶媒を凍結乾燥によって除去して、化合物400BをHCl塩として得た(437.4mg、93%)。HPLC−MS t=1.09分(UV254 nm);式C2016に対して計算された質量376.11、実測されたLCMS m/z 377.0(M+H)。
【0285】
(実施例401)
【0286】
【化205】

パートA:
7Mアンモニア/メタノール(20mL)中の化合物309B(1.26g、3.0mmol)を圧力瓶中で一晩85℃に加熱した。反応混合物を濃縮して401(900mg、100%)を得た。これをさらに精製することなく使用した。HPLC−MS t=1.00分(UV254 nm);式C1513に対して計算された質量299.09、実測されたLCMS m/z 300.1(M+H)。
【0287】
(実施例402)
【0288】
【化206】

パートA:
THF(50mL)中の6−ブロモインダゾール(402A)(5.0g、25.4mmol)に、水素化ナトリウム(95%、672mg、26.6mmol)を氷浴中で冷却しながら添加した。混合物を30分間攪拌した。ヨウ化メチル(6.36mL、102mmol)を室温で添加した。反応混合物を塩化アンモニウム溶液でクエンチし、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル/ヘキサン勾配)による精製は、1−メチル−6−ブロモインダゾール(402B)(2.71g、51%)を黄色の油状物として与え、そして2−メチル−6−ブロモインダゾール(402C)(2.28g、43%)を黄色の結晶性固体として与えた。
【0289】
402B:HPLC−MS t=1.69分(UV254 nm);式CBrNに対して計算された質量209.98、実測されたLCMS m/z 211.0(M+H)。
【0290】
402C:HPLC−MS t=1.54分(UV254 nm);式CBrNに対して計算された質量209.98、実測されたLCMS m/z 211.0(M+H)。
【0291】
(実施例403)
【0292】
【化207】

パートA:
実施例402に記載された手順を使用して、403B(53%)および403C(39%)を調製した。
【0293】
403B:HPLC−MS t=1.69分(UV254 nm);式CBrNに対して計算された質量209.98、実測されたLCMS m/z 211.0(M+H)。
【0294】
403C:HPLC−MS t=1.46分(UV254 nm);式CBrNに対して計算された質量209.98、実測されたLCMS m/z 211.0(M+H)。
【0295】
(実施例409)
【0296】
【化208】

パートA:
化合物409(545mg、2.3mmol)を、1,4−ジオキサン(10mL)中の、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(526mg、2.53mmol)、PdCldppf・CHCl(94mg、0.11mmol)およびKPO(1.46g、6.9mmol)と混合し、80℃で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈して、セライトで濾過した。有機濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO、50%から80%の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して所望の生成物409A(0.250g、46%)を黄色固体として得た。HPLC−MS t=1.24分(UV254 nm);式CBrNに対して計算された質量236.99、実測されたLCMS m/z 238.1、240.0(M+H、Br同位元素)。
【0297】
パートB:
化合物409Bは、実施例400のパートHに記載された手順を使用して調製された。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチルから5%メタノール/酢酸エチル)による精製は、所望の生成物409B(0.1g、59%)を与えた。HPLC−MS t=1.38分(UV254 nm);式C2625に対して計算された質量503.18、実測されたLCMS m/z 504.2(M+H)。
【0298】
パートC:
化合物409Cは、実施例400のパートIに記載された手順を使用して調製された。逆相分取LCによる精製により、所望の生成物409C(46mg、50%)を得た。HPLC−MS t=1.14分(UV254 nm);式C2420に対して計算された質量456.15、実測されたLCMS m/z 457.1(M+H)。
【0299】
(実施例410)
【0300】
【化209】

パートA:
Xue C−Bら(WO2006/004741)の手順の変法に従い、イソプロパノール(10mL)中の、化合物410(1.0g、3.52mmol)、ピロリジン(0.31mL、3.7mmol)、CuI(67mg、0.35mmol)、KPO(1.57g、7.4mmol)およびエチレングリコール(0.4mL、7.04mmol)の混合物を、密封管中で85℃にて60時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトで濾過した。有機濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO、10%から30%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して白色固体として所望の生成物410A(0.39g、49%)を得た。HPLC−MS t=1.26分(UV254 nm);式C11BrNに対して計算された質量226.01、実測されたLCMS m/z 227.1、229.1(M+H、Br同位元素)。
【0301】
パートB:
化合物410Bは、実施例400、パートHに記載された手順を使用して調製された。そして、逆相分取LCによる精製は、所望の生成物410B(54mg、24%)を与えた。HPLC−MS t=1.11分(UV254 nm);式C2423に対して計算された質量445.18、実測されたLCMS m/z 446.2(M+H)。
【0302】
実施例412:
【0303】
【化210】

パートA:
化合物412(500mg、1.92mmol)を塩化メチレン(15mL)およびトリエチルアミン(0.53mL、3.84mmol)に溶解した。メチルアミン塩酸塩(186mg、2.3mmol)を添加し、溶液を2時間攪拌した。反応混合物を水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して412A(430mg、77%)を得た。
【0304】
パートB:
化合物412A(430mg、1.47mmol)を酢酸(10mL)に溶解し、臭素(0.091mL、1.76mmol)を滴下して添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルおよび水に溶解した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して所望の生成物(230mg、43%)を得た。HPLC−MS t=1.53分(UV254 nm);式CINSに対して計算された質量290.12、実測されたLCMS m/z 291.0(M+H)。
【0305】
パートC:
類似した実験手順に関しては、実施例400のパートHを参照されたい。HPLC−MS t=1.47分(UV254 nm);式C2524Sに対して計算された質量508.55、実測されたLCMS m/z 509.1(M+H)。
【0306】
パートD:
類似した実験手順に関しては、実施例400のパートIを参照されたい。HPLC−MS t=1.19分(UV254 nm);式C2319Sに対して計算された質量461.49、実測されたLCMS m/z 462.1(M+H)。
【0307】
(実施例413)
【0308】
【化211】

パートA:
化合物413(3.5g、20.7mmol)を塩化メチレン(100mL)に溶解し、m−CPBA(4.95g、28.9mmol)を添加した。反応混合物を2時間攪拌し、次いで飽和炭酸ナトリウムでクエンチし、一晩攪拌した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して黄色の固体(3.8g)を得た。固体を、アルゴン雰囲気下におき、無水トリフルオロ酢酸(15mL)をゆっくりと添加した。反応物を室温で30分間攪拌し、次いで30分間還流した。反応物を室温まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウムでゆっくりとクエンチした。塩化メチレンを添加し、有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(2:1の酢酸エチル/ヘキサン)により、所望の生成物(3.0g、78%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)σ8.65(d,1H),7.8(m,1H),7.2(d,1H),4.7(s,2H)。
【0309】
パートB:
化合物413A(500mg、2.7mmol)を塩化メチレン(5mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。塩化チオニル(480mg、4.05mmol)を滴下して添加し、室温で3時間攪拌した。反応物を、飽和重炭酸ナトリウムでクエンチした。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して所望の生成物(510mg、92%)を得た。
【0310】
パートC:
化合物413B(255mg、1.25mmol)をDMF(8mL)に溶解し、炭酸セシウム(812mg、2.5mmol)およびピロリジン(108mg、1.5mmol)を添加した。反応混合物を80℃で1時間攪拌した。反応物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して所望の生成物(250mg、81%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)σ8.6(d,1H),7.8(m,1H),7.35(d,1H),3.75(s,2H),2.55(m,2H),1.8(m,2H)。
【0311】
パートD:
化合物401(100mg、0.334mmol)、413C(104mg、0.43mmol)、Pd(PPhCl(15mg、0.021mmol)、CuI(8mg、0.041mmol)、ジイソプロピルアミン(0.1mL)およびDMF(1mL)を、80℃で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルおよび水で洗浄した。残存する残渣を逆相HPLCにより精製して所望の生成物(50mg、32%)を得た。HPLC−MS t=0.981分(UV254 nm);式C2525に対して計算された質量459.50、実測されたLCMS m/z 460.2(M+H)。
【0312】
(実施例414)
【0313】
【化212】

パートA:
化合物414(1.0g、5.46mmol)をジエチルエーテル(30mL)に懸濁し、−78℃に冷却した。チタン(IV)イソプロポキシド(1.7mL、6.01mmol)を滴下して添加し、5分間攪拌した。臭化エチルマグネシウム(ジエチルエーテル中の3M、4.0mL)を滴下して添加し、同じ温度で30分間攪拌し、そして室温で1時間攪拌した。三フッ化ホウ素ジエーテル錯体(1.55g、10.92mmol)を滴下して添加し、反応物を2時間攪拌した。反応物を1Mの塩酸でクエンチし、水層をジエチルエーテルで洗浄した。水層を塩基性(pH=10)にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン/酢酸エチル)により所望の生成物(350mg、30%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)σ8.5(d,1H),7.7(m,1H),7.3(d,1H),1.25(m,2H),1.15(m,2H)。
【0314】
パートB:
類似の実験に関しては、実施例413のパートDを参照されたい。HPLC−MS t=0.85分(UV254 nm);式C2321に対して計算された質量431.44、実測されたLCMS m/z 432.1(M+H)。
【0315】
(実施例555)
【0316】
【化213】

パートA:
化合物555Bは、WO9846609に記載された手順の改変によって調製された。水(70mL)中の、2−ヒドロキシ−4−メチルピリジン555A(1.50g、13.7mmol)、ヨウ素(3.68g、13.7mmol)および炭酸ナトリウム(3.06g、28.9mmol)の混合物を70℃で一晩加熱した。混合物を濃HClでpH=3の酸性にし、得られた褐色の固体残渣を酢酸エチルで2回洗浄し、次いで熱エタノールに取り込んだ。溶解しなかった固体(二ヨウ素化副産物)を濾過して除去し、エタノール濾液を濃縮して所望の生成物555Bを白色固体(0.67g、21%)として得た;HPLC−MS t=1分(UV254 nm);式CINOに対して計算された質量234.95、実測されたLCMS m/z 236.0。
【0317】
(実施例1039)
【0318】
【化214】

工程1
mCPBA(3.49g、77%、15.6mmol)を、化合物1039A(1g、3.9mmol)の氷冷CHCl(19mL)溶液に添加した。反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。混合物をCHClで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで連続して洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物をsgc(0から50%のEtOAc−ヘキサン勾配)によって精製して化合物1039B(787mg、70%)を得た。
【0319】
工程2
化合物1039Bおよび400は、実施例300Aと300Bに記載された手順を適用することによって、化合物1039に変換された。
【0320】
(実施例1055)
【0321】
【化215】

工程1
化合物1055A(300mg、1.28mmol)のDMF(4.3mL)溶液を固形の炭酸セシウム(835mg、2.56mmol)処理し、次いでヨードメタン(0.09mL、218mg、1.54mmol)で処理した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、次いで水(3回)およびブラインで連続して洗浄した。有機層を、無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をsgc(0%から50%のEtOAc−ヘキサン勾配)によって精製して化合物1055B(150mg)を得た。
【0322】
工程2
化合物1055Bおよび400は、実施例300Aと300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1055に変換された。
【0323】
化合物1046、1050、1057、1058および1059は、化合物1055に対するものと同様の手順を使用して調製された。
【0324】
(実施例1061)
【0325】
【化216】

工程1
化合物1061A(620mg、3.02mmol)をメタノール(30mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。固形の水素化ホウ素ナトリウム(230mg、6.04mmol)を少量ずつ添加した。得られた濁った反応混合物を、0℃で40分間攪拌した。反応物を、氷酢酸(0.4mL)を滴下して添加してクエンチした。溶媒を減圧下で除去し、得られた白色固体をEtOAc(100mL)と水(50mL)との間で分配した。水層をEtOAc(約25mL)で1度抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して無色の油状物を得た。この粗生成物をsgc(10%から40%のEtOAc−ヘキサン勾配)によって精製して化合物1061B(591mg、95%)を無色透明な油状物として得た。
【0326】
工程2
化合物1061Bおよび400は、実施例300Aおよび300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1061に変換された。
【0327】
同様の手順が、化合物1075、1078および1079の調製のために使用された。
【0328】
(実施例1070)
【0329】
【化217】

工程1
HCl(17mL、ジオキサン中の4M、68mmol)を化合物1070Aの氷冷CH2Cl2(27mL)溶液に添加した。反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、そして室温で18時間攪拌した。溶媒を濃縮乾固して化合物1070Bをオフホワイト色の固体(1.51g)として得た。
【0330】
工程2
化合物1070Bおよび400は、実施例300Aおよび300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1070に変換された。
【0331】
(実施例1071)
【0332】
【化218】

工程1
高純度の臭素(1.4mL、28mmol、1.1当量)を化合物1071A(3.0g、26mmol)のジオキサン(8mL)撹拌溶液に、0℃で滴下して添加した。添加終了後、反応混合物を60℃で18時間加熱した。反応混合物をEtO(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)およびブライン(約50mL)で連続して洗浄した。有機相を無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。所望の生成物(化合物1071B)を、sgc(0%から10%のEtOAc−ヘキサン)によって、粗生成物から分離した。収量:0.987g、15%の収率。
【0333】
工程2
化合物1071Bおよび400は、実施例300Aおよび300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1071に変換された。
【0334】
(実施例1077)
【0335】
【化219】

工程1
化合物1077A(200mg、0.68mmol)のDMF(3mL)溶液を水素化ナトリウム(41mg、油中の60%分散液;0.82mmol)で処理し、次いでヨウ化メタン(0.05mL、117mmol)で処理した。反応混合物を3日間攪拌した。反応混合物は、EtOAcで希釈し、連続して水およびブラインで洗浄した。有機層を無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して中間体(191mg)を得た。この中間体をCHClに再溶解し、HCl溶液(0.78mL)で処理した。溶液を室温で一晩攪拌し、次いで濃縮して所望の生成物(152mg、100%の収率(HCl塩))を得た。これをさらに精製することなく使用した。
【0336】
工程2
化合物1077Bおよび400は、実施例300Aおよび300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1077Aに変換された。
【0337】
(実施例1080)
【0338】
【化220】

高純度の臭素(0.8mL、24mmol、0.9当量)を0℃で1080A(2.00g、0.026mmol)の四塩化炭素(4mL)攪拌溶液に約20分間かけて滴下して添加した。添加終了後、反応混合物を60℃で18時間加熱した。反応混合物をEtO(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)およびブライン(約50mL)で連続して洗浄した。有機相を、無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。所望の生成物1080Bは、sgc(100%ヘキサン、無勾配)により精製して化合物1080Bを透明な無色の液体(1.78g、53%)として得た。
【0339】
工程2
化合物1080Bおよび400は、実施例300Aおよび300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1080に変換された。
【0340】
(実施例1081)
【0341】
【化221】

工程1
化合物1081A(500mg、2.7mmol)、塩酸ヒドロキシルアミン(375mg、5.40mmol)、および酢酸ナトリウム(443g、5.6mmol)の無水エタノール(10mL)中の混合物を含む圧力管を80℃で18時間攪拌しながら加熱した。混合物を冷却し、その後、溶媒を除去した。残渣をEtOAcに再溶解し、水およびブラインで洗浄した。有機層を無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を、PTLC(5%EtOAc−ヘキサン)によって精製して化合物1081B(504mg、93%)を得た。
【0342】
工程2
化合物1081Bおよび400は、実施例300Aおよび300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1081に変換された。
【0343】
同様の手順が、化合物1082、1083、1084、1085、1086、1089、1090および1091の調製のために使用された。
【0344】
(実施例1095)
【0345】
【化222】

工程1
化合物1095AのDMF(2mL)溶液を、水素化ナトリウム(28mg、油中の60%分散液、0.70mmol)およびヨードメタン(0.04mL、80mg、0.56mmol)で連続して処理した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAcで希釈し、水およびブラインで連続して洗浄した。有機相を無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して粗化合物1095B(37mg、68%)を得た。これをさらに精製することなく使用した。
【0346】
工程2
化合物1095Bおよび400は、実施例300Aおよび300Bに関して記載された手順を適用することによって、化合物1095に変換された。
【0347】
(実施例973)
【0348】
【化223】

工程1
973A(320mg、1.62mmol)のCHCl(10mL)溶液に室温でEtN(0.45mL、3.2mmol)、973B(375mg、1.78mmol)およびDMAP(触媒量)を添加した。30分後に、溶媒を除去し、粗製物質をカラムクロマトグラフィー(SiO、40% EtOAc/ヘキサン)により精製して973C(520mg、43%)を得た。
【0349】
工程2
化合物400(100mg、0.29mmol)を、DMF(1mL)中の、化合物973C(133mg、0.34mmol)、Pd(PPhCl(2.2mg、0.003mmol)、CuI(5.5mg、0.03mmol)、ジイソプロピルアミン(0.05mL、0.36mmol)と混合し、85℃で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、粗製物質をTLCプレート(SiO、メタノール/CHCl中、10%の7N−NH)で精製して所望の生成物973D(20mg、15%)と973E(20mg、14%)を得た。
【0350】
工程3
化合物973D(20mg、0.042mmol)を7MのNH/MeOH溶液(2mL)に溶解し、密封された圧力管中で90℃にて一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却して、濃縮した。残渣を分取TLC(SiO、メタノール/CHCl中10%の7N−NH)で精製して所望の生成物962(12mg、67%)を得た。
【0351】
工程4
化合物973E(20mg、0.04mmol)を7Mアンモニア溶液(2mL)に溶解し、密封された圧力管中で90℃にて一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残渣を分取TLC(SiO、メタノール/CHCl中10%の7N−NH)で精製して所望の生成物973(12mg、60%)を得た。
【0352】
(実施例1221)
【0353】
【化224】

化合物1221A(1.0g、4.22mmol)、シクロプロピルボロン酸(326mg、3.80mmol)および[PdCl(dppf)]CHCl(150、0.21mmol)をCHCN(15mL)中、炭酸カリウム(5mL、5mmol、HO中の1M)で処理した。混合物を真空に供し、窒素を3回再充填した。反応混合物を80℃(油浴)で3日間攪拌した。追加の[PdCl(dppf)]CHCl(150mg)を2日目に添加した。冷却した後に、水層を分離し、EtOAc(20mL)で1回抽出した。有機層を合わせ、セライトパッドで濾過し、濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、1:0→1:10→5:1)によって精製して1221B(280mg、33.5%)を得た。
【0354】
(実施例1250)
【0355】
【化225】

化合物1250A(5.0g、20.3mmol)を塩化チオニル(40mL)に溶解し、2時間還流しながら攪拌した。冷却後、塩化チオニルをロータリーエバポレータで除去した。残渣をCHClに溶解し、攪拌しながらゆっくりとNH−HO(濃、50mL)に添加した。固体を濾過して収集し、水によって洗浄し、真空下で一晩乾燥して化合物1250Bを得た。
【0356】
(実施例1251)
【0357】
【化226】

工程1
化合物1251A(2.0g)、MeOH(20mL)とHSO(濃、2mL)を室温で3日間攪拌した。ヘキサン(50mL)を添加した。有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した。生成物をsgc(ヘキサン/EtOAc、10:1)により精製して化合物1251B(1.219g)を得た。
【0358】
工程2
化合物1251B(1.219g、5.32mmol)をCCl(30mL)に溶解した。NBS(947mg、5.32mmol)と過酸化ベンゾイル(66mg、0.27mmol)を添加した。その溶液を2時間85℃で攪拌した。冷却後に、固体を濾過し、有機層を水(10mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮し、真空下で乾燥した。次いで、残渣をNH−MeOH(7N、10mL)に溶解し、75mLの圧力瓶に移した。溶液は、90℃で一晩攪拌した。生成物をC18クロマトグラフィー(CHCN/水:5%から90%、0.1%HCOHの添加)により精製して化合物1251C(800mg、71%)を得た。
【0359】
(実施例1254)
【0360】
【化227】

化合物1254A(5.0g、17.61mmol)、4−ピリジンボロン酸(2.06g、16.73mmol)、およびPd(dppf)Cl−CHCl(644mg、0.88mmol)を500mLのフラスコに入れた。フラスコを1分間真空とし、次いでNで満たした。このプロセスを、二回繰り返した。CHCN(200mL)およびKCO(1M、100mL)を添加した。溶液を35℃で2日間攪拌した。さらなるPd(dppf)Cl−CHCl(400mg)を2日目に添加した。水層を分離し、EtOAc(50mL)で1回抽出した。有機層を合わせ、ブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶液を濃縮し、sgc(ヘキサン/EtOAc、3:1から2:1)により精製して化合物1254B(3.1g、74.9%)を得た。
【0361】
(実施例1256)
【0362】
【化228】

化合物1256A(5.00g、20.3mmol)、KCN(1.59g、24.4mmol)、および(NHCO(7.80g、81.3mmol)を150mlの圧力瓶に入れた。EtOH(30mL)および水(30mL)を添加した。瓶を密封し、80℃油浴中で一晩攪拌した。白色固体が出現した。冷却後、30mLの水を添加し、固体を濾過して集めた。固体を水(20mL)で2回洗浄し,50℃にて真空下で一晩乾燥して化合物1256B(6.18g、96.2%)を得た。
【0363】
(実施例1555)
【0364】
【化229】

化合物1555A(1.0g、3.16mmol)を無水DMF(20mL)に溶解した。ヨウ化メチル(0.236mL、3.80mL)およびDIPEA(1.1mL、6.32mL)を添加し、溶液を2日間、室温で攪拌した。2日目に、さらにヨウ化メチル(0.472mL、7.6mL)を添加した。溶媒をロータリーエバポレータで除去した。生成物を、sgc(ヘキサン/EtOAc:3:1から1:1)により精製して化合物1555B(766mg、73.4%)を得た。
【0365】
(実施例1566)
【0366】
【化230】

化合物1566A(200mg、1.02mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU、459μl、3.06mmol)を2頸フラスコ中、DMF(2mL)に溶解した。混合物は真空にし、雰囲気はドライアイスの分離フラスコ中の23℃における蒸発により、真空アダプターによって供給されるCOで再充填された。混合物を23℃で一晩攪拌し、COの空気を、中隔のピンホールを通して徐々に漏れるようにした。溶媒を除去し、残留する黄色油状物をTHF(2mL)に再溶解した。2MのHCl(5mL)を攪拌しながら滴下して添加した。短時間の超音波処理により曇った白色沈殿物が形成した。固体を濾過し、THF(10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥して化合物1566B(206.3mg、84.0%)を白色固体として得た。
【0367】
(実施例925)
【0368】
【化231】

工程1
化合物401(130mg、0.43mmol)を、DMF(1mL)中の、化合物925B(112mg、0.52mmol)、Pd(PPhCl(6mg、0.009mmol)、CuI(12mg、0.06mmol)、ジイソプロピルアミン(0.1mL、0.71mmol)と混合し、85℃で2時間攪拌した。反応混合物を、Gilson逆相HPLC(ギ酸0.01%を含む水中の、ギ酸0.01%を含む0から40%アセトニトリル)で精製して所望の生成物924(107mg、57%)を得た。
【0369】
工程2
化合物924(100mg、0.23mmol)をMeOH(5mL)中で攪拌し、LiOH(1N、水溶液、5mL)を添加した。反応は、室温で2時間攪拌して行われた。溶媒を除去し、粗製物質をGilson逆相HPLC(0.1%ギ酸を含む水中の0から40%アセトニトリル)で精製して所望の生成物925(40mg、41%)を得た。
【0370】
(実施例2000)
【0371】
【化232】

工程1
2000A(1g、4.6mmol)のEtOH(12mL)溶液に、ヒドラジン(0.22mL、6.9mmol)を25℃で添加し、混合物を加熱して3時間還流した。反応混合物を0℃に冷却し、得られた沈殿を濾過し、冷EtOHで洗浄して2000B(0.86g、86%の収率)を得た。
【0372】
工程2
2000B(300mg、1.39mmol)およびトリエチルアミン(0.39mL、2.78mmol)のCHCl(9mL)懸濁液に、無水酢酸(0.15mL、1.53mmol)を25℃で添加した。同じ温度で1.5時間攪拌した後、混合物を冷水に注ぎ、得られた沈殿を濾過して集めた。白色固体を水によって洗浄し、減圧下で乾燥して2000C(323mg、90%の収率)を得た。
【0373】
工程3
CHCN(3mL)およびCHCl(3mL)における2000C(120mg、0.47mmol)の懸濁液を、25℃においてトリエチルアミン(0.39mL、2.82mmol)およびTsCl(94mg、0.49mmol)で処理した。混合物を同じ温度で5時間攪拌し、NaHCO水溶液に添加した。有機層をCHClで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。粗生成物をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl中の0から5%MeOH)により精製して2000D(80mg、71%の収率)を得た。
【0374】
工程4
MeOH(3mL)および1,4−ジオキサン(1.5mL)における2000B(100mg、0.46mmol)の懸濁液を、BrCN(CHCl中の3M溶液、0.17mL、0.51mmol)によって25℃で滴下して処理した。同じ温度で1時間攪拌後、NaHCO(80mg、0.95mmol)を添加し、得られた懸濁液の攪拌を18時間継続した。形成された白色沈殿を濾過し、水によって洗浄し、風乾して2000E(95mg、86%の収率)を得た。
【0375】
工程5
2000B(100mg、0.46mmol)のCHCl(6mL)懸濁液を0℃でエチルイソシアナート(0.04mL、0.50mmol)で処理し、混合物を25℃で6時間攪拌した。この懸濁液にトリエチルアミン(0.32mL、2.2mmol)とTsCl(95mg、0.50mmol)を添加し、混合物を同じ温度で18時間攪拌し、続いてNaHCO水溶液を添加した。有機層をCHClで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl中の0から5%MeOH)により精製して2000F(102mg、82%の収率)を得た。
【0376】
(実施例2001)
【0377】
【化233】

工程1
2001A(11.7g、48mmol)および2001B(10.3g、40mmol)のTHF(400mL)溶液を−7℃から8℃に冷却し、NaH(60%分散液、6g、150mmol)で少しずつ処理した。反応混合物を同じ温度で2時間攪拌し、酢酸(15mL)をゆっくりと添加してクエンチした。混合物を冷NaHCO水溶液とEtOAcとの混合物に注いだ。0.5時間攪拌した後に、有機層をEtOAcによって抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。油状残渣をEtOAc/ヘキサン(1:1の混合物)中で固化させてラセミ体の2001C(8.5g)を、濾過後、白色の固形物質として得た。濾液を濃縮し、残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:2)により精製して2001C(1.5g、60%の合わせた収率)を得た。活性なキラル異性体2001C(1負荷当たりラセミ体0.8gからの0.32g)を、分取キラルODカラムを使用するHPLC(EtOH:ヘキサン=1:4)分離によって得た。
【0378】
工程2
2001C(3g、7.16mmol)のTHF(30mL)溶液をTBAF(THF中の1M溶液、10mL、10mmol)で0℃において処理した。混合物を同じ温度で1.5時間攪拌し、氷水とEtOAcとの混合物に注いだ。有機層をEtOAcで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮して粗製の400を得た。粗製の400を耐圧容器に入れ、メタノール中のアンモニア(7N溶液、60mL)に溶解した。溶液を80℃に14時間加熱し、25℃に冷却後、濃縮した。残渣を氷浴中CHClで処理し、得られた固体を濾過して2001E(1.38g)を得、そして濾液を濃縮し、残渣をCHClおよびヘキサン中で固化させて2001E(0.24g、76%の合わせた収率)を得た。
【0379】
(実施例2002)
【0380】
【化234】

工程1
2001E(52mg、0.17mmol)、2000F(68mg、0.26mmol)、Pd(PPhCl(2.4mg、3.4μmol)、CuI(3.2mg、17μmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(65μL、0.37mmol)のDMF(1.5ml)中の混合物をNでパージし、70℃に加熱した。17時間加熱した後、混合物を25℃に冷却し、逆相C−18カラムクロマトグラフィー(水中の0.01%HCOH/CHCN中の0.01%HCOH)によって精製して化合物1502(47mg、57%の収率)を得た。
【0381】
(実施例2003)
【0382】
【化235】

化合物2003A(400mg、2.0mmol)をTHF10mLに溶解し、ナトリウムメトキシド(4mL、2.0mmol)と反応させた。30分後に、ヨードメタン(0.5mL、8.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間攪拌し、次いで酢酸エチルおよび水に添加した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。すべての有機層を合わせ、ブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレータで除去し、さらにSiOのカラムクロマトグラフィーによって精製して2003B(105mg、25%の収率)、2003C(110mg、26%の収率)および2003D(106mg、25%の収率)を得た。
【0383】
(実施例2004)
【0384】
【化236】

化合物2004A(1g、5.07mmol)をTHF20mLに溶解し、ナトリウムメトキシド(10mL、5.07mmol)と反応させた。30分後に、ヨードメタン(1.3mL、20.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間攪拌し、次いで酢酸エチルおよび水に添加した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。すべての有機層を合わせ、ブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレータで除去し、さらにSiOのカラムクロマトグラフィーによって精製して2004B(470mg、44%の収率)および2004C(450mg、42%の収率)を得た。
【0385】
(実施例2005)
【0386】
【化237】

化合物2005A(400mg、2.03mmol)を10mLのTHFに溶解し、ナトリウムメトキシド(4mL、2.03mmol)と反応させた。30分後に、ヨードメタン(0.5mL、8.12mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、次いで酢酸エチルおよび水に添加した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。すべての有機層を合わせ、ブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレータで除去し、さらにSiOのカラムクロマトグラフィーによって精製して2005B(200mg、47%の収率)、2005C(150mg、35%の収率)を得た。
【0387】
(実施例2007)
【0388】
【化238】

化合物2007A(200mg、1.01mmol)を10mLのCHClに溶解し、DIPEA(0.5ml、3.04mmol)と反応させ、次いでMEMCl(0.15mL、1.31mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間攪拌し、次いでCHClおよび重炭酸ナトリウム水溶液に添加した。有機層をCHClで抽出し、抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレータで除去して化合物2007B(205mg、71%の収率)を得た。
【0389】
(実施例2008)
【0390】
【化239】

化合物2008A(200mg、1.02mmol)をCHClの10mLに溶解し、DIPEA(0.53ml、3.03mmol)と反応させ、次いでMEMCl(0.15mL、1.31mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌し、次いでCHClおよび重炭酸ナトリウム水溶液に添加した。有機層をCHClで抽出し、抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレータで除去して化合物2008B(210mg、72%の収率)を得た。
【0391】
(実施例2009)
【0392】
【化240】

化合物2009A(20mg、0.04mmol)をMeOH−CHCl(1:1混合物)の2mLに溶解し、トリフルオロ酢酸(0.4ml)と反応させた。反応混合物を室温で3日間攪拌し、次いで40℃で20時間攪拌した。溶媒をロータリーエバポレータで除去し、残渣を分取TLCにより精製して化合物1522(2mg、12%の収率)を得た。
【0393】
(実施例943)
【0394】
【化241】

工程1
5mLのNMP中の、943A(0.35g、2.35mmol)を、CsCO(1.15g、3.5mmol)で処理した。フラスコは、ドライアイスアセトントラップを備えており、ジフルオロクロロメタンガスを2時間吹き込み、さらにCsCO(2.68g、8.2mmol)を添加して、泡立ちが止まる前に過剰のジフルオロクロロメタンガスを吹き込み、反応物を一晩攪拌した。CsCO(2.68g、8.2mmol)の別の分を添加して、過剰のジフルオロクロロメタンガスを吹き込み、反応物を室温で3時間攪拌した。反応物を15mLのCHClで希釈し、水(2×15mL)とブライン(1×15mL)で洗浄した。有機相を乾燥し、濃縮して粗製物を得た。この粗製物を3:1の酢酸エチル:ヘキサンを使用するシリカゲルの分取プレートクロマトグラフィーにより精製して230mgの純粋な生成物943Bを得た。
【0395】
工程2
化合物943B(600mg、3.01mmol)をTHF(40mL)およびDMPU(6mL)に溶解し、カリウムt−ブトキシド(406mg、3.61mmol)を添加し、室温で2時間攪拌した。クロロピバレート(0.656mL、4.52mmol)を滴下して添加し、室温で2時間攪拌した。反応物を、NHCl−HOでクエンチし、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して粗製物を得た。この粗製物は、1:3の酢酸エチル:ヘキサンを使用するシリカゲルの分取プレートクロマトグラフィーにより精製して700mgの純粋な生成物943Cを得た。
【0396】
工程3
化合物943C(1.4g、4.47mmol)をCHCl(20mL)に溶解し、0℃に冷却した。臭化TMS(1.13mL、8.58mmol)を滴下して添加した。反応を0℃で2時間攪拌し、室温にゆっくりと温めた。溶媒を除去し、真空下で乾燥して化合物943D(1.2g、92%)を得た。
【0397】
工程4
化合物308(1.05g、4.3mmol)および化合物943D(1.1g、3.76mmol)をTHF(40mL)に溶解し、−30℃に冷却した。NaH(518mg、12.95mmol)を少しずつ添加し、反応混合物を−12℃で2時間攪拌した。酢酸をゆっくりと添加し、反応物を室温に温めた。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、30%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製は、所望の生成物943E(1.3g、76%)を与えた。
【0398】
工程5
キラルADカラムを使用して2つの異性体を分離した。1gの材料をカラムに注入し、90%ヘキサン/2−プロパノールの溶媒混合物を用いて2つのピークを分離した。最初の異性体は、所望の化合物である943F(400mg、80%)であった。
【0399】
工程6:
化合物943F(450mg、1mmol)をTHF(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中の1M、1.5mL、1.5mmol)を滴下して添加し、反応物を0℃で20分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を水、飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して化合物943G(380g、99%)を得た。生成物を精製することなく使用した。
【0400】
工程7
化合物943G(50mg、0.13mmol)を、DMF(5mL)中の、3−ヨードピリジン(40mg、2.0mmol)、Pd(PPhCl(1mg、触媒量)、CuI(2.5mg、触媒量)、ジイソプロピルアミン(0.04mL、0.29mmol)と混合し、70℃で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、66%EtOAc/ヘキサン)による精製は、所望の生成物943H(46mg、77%)を与えた。
【0401】
工程8
化合物943H(46mg、0.1mmol)を7Mアンモニア溶液(2mL)に溶解し、密封された圧力管中で90℃にて一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。粗製物質をEtOEtで処理し、固体を吸引濾過して回収して化合物943(28mg、68%)を得た。
【0402】
(実施例2014)
【0403】
【化242】

工程1
2001A(515mg、2.12mmol)および2014A(730mg、2.54mmol)のTHF(15mL)溶液を−5℃に冷却し、NaH(60%分散液、370mg、9.25mmol)で少しずつ処理した。混合物を同じ温度で8時間攪拌し、冷NHCl水溶液とEtOAcの混合物に注いだ。0.5時間攪拌した後に、有機層をEtOAcによって抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl中の1から7%MeOH)によって精製して2014B(600mg、72%の収率)を得た。
【0404】
工程2
2014B(600mg、1.51mmol)のTHF(10mL)溶液を、0℃においてTBAF(THF中の1M溶液、1.8mL、1.8mmol)で処理した。混合物を同じ温度で3時間攪拌し、氷水とEtOAcとの混合物に注いだ。有機層をEtOAcで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30%EtOAc)によって精製して2014C(329mg、73%の収率)を得た。
【0405】
工程3
2014C(168mg、0.56mmol)、2005C(124mg、0.58mmol)、Pd(PPhCl(4.0mg、6μmol)、CuI(21mg、110μmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.39mL、0.24mmol)のDMF(4ml)混合物をNでパージし、70℃に加熱した。17時間加熱した後、混合物を25℃に冷却し、混合物を氷水に注いだ。有機層をEtOAcで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl中の1から5%MeOH)によって精製してラセミ体の2014D(183mg、76%の収率)を得た。2014Dの活性エナンチオマーを、キラルODカラム(IPA/ヘキサン=1:3)でのキラルHPLCにより分離して活性異性体2014D(50mg)を得た。
【0406】
工程4
2014D(49mg、0.11mmol)を圧力容器に入れて、MeOH中のアンモニア(7N溶液、7mL)に溶解した。溶液を80℃に18時間加熱し、25℃に冷却し、次いで濃縮した。残渣を分取TLC(CHCl中の7%MeOH)により精製してヒダントイン2014E(図示されていない、35mg、84%の収率)を得た。2014E(34mg、0.089mmol)をCHCl(3mL)中の10%MeOHに溶解し、ジオキサン(0.3mL)中の4N HClで処理した。混合物を25℃で18時間攪拌し、減圧濃縮して2014F(34mg、定量的)を得た。
【0407】
工程5
DMF(0.5mL)中、2014F(18mg、0.055mmol)、2014G(18mg、0.06mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(48μL、0.28mmol)の混合物を60℃に加熱した。混合物を同じ温度で16時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、水、ブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣を分取TLC(CHCl中の10%MeOH)により精製して1533(7mg、28%の収率)を得た。
【0408】
(実施例2015)
【0409】
【化243】

工程1
2014B(193mg、0.52mmol)のCHCl(3mL)溶液を25℃でトリフルオロ酢酸(0.3mL)によって処理した。混合物を同じ温度で2時間攪拌し、減圧濃縮して2015A(280mg、定量的)を得た。
【0410】
工程2
DMF(7mL)中の、2015A(580mg、1.2mmol)、2015B(435mg、1.22mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.85mL、4.88mmol)の混合物を80℃に加熱した。混合物を同じ温度で48時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、水、ブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl中の0から5%MeOH)により精製してラセミ体の2015C(180mg、28%の収率)を得た。2015Cの活性エナンチオマーは、キラルODカラム(IPA/ヘキサン=1:3)でのキラルHPLCにより分離して活性異性体2015C(68mg)を得た。
【0411】
工程3
2015C(68mg、0.12mmol)のTHF(2mL)溶液をTBAF(THF中の1M溶液、0.16mL、0.16mmol)で0℃において処理した。混合物を同じ温度で1.5時間攪拌し、氷水とEtOAcとの混合物に注いだ。有機層をEtOAcで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮し、SiOカラム分離(CHCl中の0から5%MeOH)の後、脱シリル化された化合物を得た。脱シリル化された化合物(48mg、0.098mmol)を圧力容器に入れて、MeOH中のアンモニア(7N溶液、10mL)に溶解した。溶液を70℃で18時間加熱し、25℃に冷却し、濃縮して粗製の2015D(39mg、2工程において82%の収率)を得た。
【0412】
工程4
DMF(1ml)中の、2015D(39mg、0.089mmol)、3−ヨードピリジン(37mg、0.18mmol)、Pd(PPhCl(1.4mg、9μmol)、CuI(1.4mg、2μmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.027mL、0.20mmol)の混合物をNでパージし、70℃に加熱した。3時間の加熱後、混合物を25℃に冷却し、逆相C−18カラム(水中の0.01%HCOH/CHCN中の0.01%HCOH)のカラムクロマトグラフィーによって精製して1534(27mg、59%の収率)を得た。
【0413】
(実施例2016)
【0414】
【化244】

工程1
ドライアイス冷却器を備えた3頸100mLフラスコ中の2016A(1.46g、9.73mmol)およびKCO(4.03g、29.2mmol)のDMF(35mL)懸濁液に、CFClHガスを吹き込み、混合物を70℃に加熱した。同じ温度で16時間攪拌した後、混合物を25℃に冷却し、EtOAcで希釈した。有機溶液を水、ブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製して2016B(900mg、46%の収率)を得た。
【0415】
工程2
水(2.5mL)中の2016B(428mg、2.14mmol)の懸濁液を1NのNaOH溶液(2.14mL、2.14mmol)で処理し、混合物を100℃で2時間攪拌した。混合物を冷却し、減圧濃縮した。残渣の固体をトルエンとの共沸蒸留によって乾燥し、DMF(2.5mL)に溶解した。溶液を、ヨードメタン(0.4mL、6.42mmol)によって25℃で4時間処理し、その後氷水に添加した。有機層をEtOAcで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製して2016C(326mg、66%の収率)を得た。
【0416】
工程3
2016C(50mg、0.22mmol)のTHF(1mL)溶液を25℃でトリブロモホスフィン(20μL、0.22mmol)により処理した。反応混合物を同じ温度で20時間攪拌し、NaHCO水溶液に添加した。有機層をCHClで抽出し、合わせた有機溶液をブライン溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl/ヘキサン=1:1)により精製して2016D(16mg、25%の収率)を得た。
【0417】
(実施例2017)
【0418】
【化245】

工程1
2014C(73mg、0.24mmol)を圧力容器に入れて、MeOH中のアンモニア(7N溶液、5mL)に溶解した。溶液を80℃に18時間加熱し、25℃に冷却し、濃縮した。残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl中の1から10%MeOH)により精製して2017A(20mg、33%の収率)を得た。
【0419】
工程2
MeOH(2mL)中の2017A(20mg、0.08mmol)を25℃でジオキサン(1mL)中の4N HClで処理した。混合物を同じ温度で20時間攪拌し、減圧濃縮して、粗製の2017B(19.6mg)を得た。
【0420】
工程3
DMF(0.5mL)中の、2017B(19.6mg、0.103mmol)、2016B(37mg、0.12mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.6mmol)の混合物を60℃に加熱した。混合物を同じ温度で48時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を分取TLC(CHCl中の5%MeOH)により精製して2017C(11mg、32%の収率)を得た。
【0421】
(実施例1087)
【0422】
【化246】

工程1
高純度のクロロギ酸エチル(12.5mL、14.3g、132mmol)を化合物1087A(18.9g、125mmol)およびトリエチルアミン(18.2mL、13.3g、132mmol)の氷で冷却したCHCl(400mL)攪拌溶液に、約10分間かけて滴下して添加した。溶液を0℃で1.5時間攪拌し、その後、溶媒を蒸発させて除去した。得られた液体をEtOAc(約400mL)に溶解し、得られた溶液を水(2×100mL)およびブライン(約100mL)で連続して洗浄した。有機層を無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して淡黄色の液体として化合物1087Bを得た(26.9g、96%)。
【0423】
工程2
化合物1087Bから化合物1087Cへの変換は、Sall,D.J.;Grunewald,G.L.J.Med.Chem.1987,30,2208−2216におけるSallおよびGrunewaldの手順に従って実施された。
【0424】
工程3
化合物1087Cから化合物1087Dへの変換は、実施例300Aの工程Dの手順に従って実施された。
工程4
化合物1087Dから化合物1087Eへの変換は、実施例300Aの工程Eの手順に従って実施された。
【0425】
工程5
化合物1087F(2.45g、10.1mmol)および1087E(2.86g、10.6mmol)を混合した。乾燥THF(80mL)を添加し、得られた懸濁液を−78℃に冷却し、30分間攪拌した。LHMDS溶液(20mL、THF中の1M、20mmol)を15分間かけて滴下して添加した。反応混合物を−78℃で2時間攪拌した。その攪拌混合物に、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を添加し、続いてEtOAc(250mL)を添加し、温度を室温まで上昇させた。有機層を分離し、水層をEtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物をsgc(10から100%のEtOAc−ヘキサン勾配)により精製してベージュ色の固体として化合物1087G(2.70g、62%)を得た。
【0426】
工程6、7、8
化合物1087Gは、実施例300B、工程DからFに記載の手順に従い3段階で化合物1087に変換された。
【0427】
(実施例1099)
【0428】
【化247】

化合物1099は、実施例1087に記載された手順に従って調製されたが、3−メトキシフェネチルアミン(化合物1087A)の代わりに市販の4−メトキシフェネチルアミン(1099A)を出発原料に使用した。
【0429】
(実施例1570)
【0430】
【化248】

化合物1570Aは、実施例400のパートHおよびIに記載された手順を逐次適用して、化合物400および4−ヨード安息香酸から調製された。固形のカルボニルジイミダゾール(19mg、0.12mmol)を一度に、化合物1570AのTHF(200μL)攪拌溶液に添加した。溶液を70℃で1.5時間攪拌し、次いで室温まで冷却した。固形のシクロプロパンスルホンアミド(17mg、0.14mmol)およびDBU(43μL、43mg、0.29mmol)を連続して添加し、反応混合物を室温で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM(50mL)に溶解した。溶液を0.1Nの塩酸水溶液(約25mL)、水(約25mL)とブライン(約25mL)で連続して洗浄した。有機相を無水MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮してオフホワイト色の固体を得た。粗生成物をPTLC(EtOAc−ヘキサン(3:1)+1% HCOH)により精製してベージュ色の固体として所望の化合物1570(24mg、48%の収率)を得た。
【0431】
【化249】

【0432】
【化250】

【0433】
【化251】

【0434】
【化252】

【0435】
【化253】

【0436】
【化254】

【0437】
【化255】

【0438】
【化256】

【0439】
【化257】

それらの広範な発明概念から逸脱することなく上記の実施形態に対し変更がなされ得ることは、当業者に理解されるであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるのではないことが理解され、添付の特許請求の範囲により規定されるような本発明の精神および範囲を超えない改変を網羅することが意図される。
【0440】
本明細書で言及された文献は、あらゆる目的のためにその全体が参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

で表わされる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体であって、
環Aは、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、その各々は、示されるように−Y−Rおよび−Z−Rで置換されており;
Xは、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)−、−(C(R−および−N(R)−からなる群から選択され;
Tは、アルキニルであり;
Vは、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および該ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのN−オキシド類からなる群から選択され、式中、該シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および該ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのN−オキシド類の各々が、同一かまたは隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって、5員から8員のシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、必要に応じて該5員から8員のシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールとともに、独立して非置換であるか、または同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR10部分で置換されており;
Yは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Zは、共有結合、−(C(R−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、−N(R)−S(O)−、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
mは、1から3であり;
nは、1から3であり;
は、H、シアノ、アルキニル、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、式中、該シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じて、それらが結合する該炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該Rのアルキル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、必要に応じて5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR20部分で独立して置換されているが;但し、Yが−N(R)−、−S−または−O−である場合、Rはハロゲンまたはシアノではなく;
は、H、シアノ、アルキニル、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、式中、該シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該Rのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、必要に応じて5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR20部分で独立して置換されているが;但し、Yが−N(R)−、−S−または−O−である場合、Rはハロゲンまたはシアノではなく;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、およびアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、−アルキルシクロアルキル、−アルキル−N(アルキル)、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
10は、水素、シアノ、ニトロ、−C(R)=N−OR、−OR、−SR、−N(R、−S(O)R、−S(O)、−N(R)S(O)、−N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)−S(O)、−S(O)N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)C(O)R、−C(O)N(R)C(O)NR、−S(O)N(R、−N(R)−C(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)N(R、−S(O)N(R、−S(O)N(R)−C(O)−R、−N(R)−C(=NR)−N(R、−N(R)−C(=N−CN)−N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、式中、該R10のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR30部分で独立して置換されているか;
または、式中、2つのR10部分は、同一かまたは隣接する炭素原子に結合するとき、必要に応じて、それらが結合する該炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成してもよく;
20は、シアノ、ニトロ、−C(R)=N−OR、−OR、−SR、−N(R、−S(O)R、−S(O)、−N(R)S(O)、−N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)−S(O)、−S(O)N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)C(O)R、−C(O)N(R)C(O)NR、−S(O)N(R、−N(R)−C(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)N(R、−S(O)N(R、−S(O)N(R)−C(O)−R、−N(R)−C(=NR)−N(R、−N(R)−C(=N−CN)−N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;式中、該R20のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該R20のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルの各々は、必要に応じて該5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、またはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、−NH、−NH(アルキル)、および−N(アルキル)からなる群から独立して選択される1個から4個の部分で置換されているか;
または、2つのR20部分が、同一かまたは隣接する炭素原子に結合するとき、それらが結合する該炭素原子と必要に応じて一緒になって、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成してもよく;
30は、シアノ、ニトロ、−C(R)=N−OR、−OR、−SR、−N(R、−S(O)R、−S(O)、−N(R)S(O)、−N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)−S(O)、−S(O)N(R)−C(O)−R、−C(O)N(R)C(O)R、−C(O)N(R)C(O)NR、−S(O)N(R、−N(R)−C(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)N(R、−S(O)N(R、−S(O)N(R)−C(O)−R、−N(R)−C(=NR)−N(R、−N(R)−C(=N−CN)−N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;式中、該R30のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルの各々が、隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該R30のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルの各々は、必要に応じて該5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、またはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、−NH、−NH(アルキル)、および−N(アルキル)からなる群から独立して選択される1個から4個の部分で置換されているか;
または、2つのR30部分は、同一かまたは隣接する炭素原子に結合するとき、必要に応じて、それらが結合する該炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成してもよい;
化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、エステルもしくは異性体。
【請求項2】
前記異性体が、立体異性体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが、フェニル、チオフェニル、ピリジル、ピリミジル、および
【化2】

からなる群から選択され、それらの各々は、示されるように−Y−Rおよび−Z−Rで置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記環Aが、示されるように−Y−Rおよび−Z−Rで置換されているフェニルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、−(C(R−および−N(R)−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Xが、−(C(R−であり、式中、mが、1または2である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
mが、1である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が、Hである、請求項1、6または7に記載の化合物。
【請求項9】
Tが、−C≡C−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Vが、H、アリール、ヘテロアリール、および該ヘテロアリールのN−オキシドからなる群から選択され;式中、該アリール、およびヘテロアリールの各々が同一かまたは隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該アリール、およびヘテロアリールは、必要に応じて該5員または6員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール環とともに、非置換であるかまたは同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR10部分で必要に応じて置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Vが、フェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、フラザニル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、プテリジニル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、
【化3】

【化4】

【化5】

からなる群から選択され、それらの各々は、V基あたりR10部分の数が4を超えないように、1以上のR10部分により必要に応じて置換されている、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
10が、水素、シアノ、ニトロ、−OR、−SR、−N(R、−S(O)−、−S(O)N(R、−ハロアルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R、−C(O)N(R)−S(O)、−C(R)=N−OR、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、式中、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルの各々は、非置換であるか、または必要に応じて、同一であっても異なっていてもよい1個から4個のR30部分で独立して置換されているか;
または、式中、2つのR10部分は、同一かまたは隣接する炭素原子に結合する場合、それらが結合する該炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成し;
各Rは、同一であるかまたは異なり、そしてH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、−アルキルシクロアルキル、−アルキル−N(アルキル)、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立して選択され;そして
30は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヘテロシクリル、−C(R)=N−OR、−O−アルキル−シクロアルキル、−N(R、および−C(O)N(Rからなる群から選択され、式中、該R30のアルキルは、−NHで置換されている;
請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
10は、ニトロ、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、−S(O)−アルキル、−NH、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−アルキル−ヘテロシクリル、−シクロアルキル−NH、−S(O)−NH、−S(O)アルキル、−C(O)NH、ヒドロキシ、−C(O)N(H)(シクロアルキル)、−C(O)N(H)(アルキル)、−N(H)(シクロアルキル)、−C(O)O−アルキル、−C(O)OH、−S(O)N(H)(アルキル)、−S(O)OH、−S−ハロアルキル、−S(O)−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−O−アルキル−シクロアルキル、−アルキル−O−アルキル−シクロアルキル、−C(O)アルキル、アミノアルキル、−アルキル−NH(アルキル)、−アルキル−N(アルキル)、−CH=N−O−アルキル、−C(O)NH−アルキル−N(アルキル)、−C(O)−ヘテロシクリル、および−NH−C(O)−アルキルからなる群から選択され、式中、該R10のアリールおよびヘテロアリールの各々は、必要に応じて、アルキル、−NH、−NH(アルキル)、および−N(アルキル)からなる群から選択される1個から2個の部分で置換されているか;
または、式中、同一の炭素原子に結合する2つのR10部分は、それらが結合する該炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成する;
請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
10が、水素、ニトロ、メチル、フッ素、臭素、トリフルオロメチル、塩素、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メトキシ、ヒドロキシ、シアノ、−S(O)CH、−NH、イソプロピル、シクロプロピル、−シクロプロピル−NH
【化6】

−NH(シクロプロピル)、−NH(CH)、−S(O)−NH、−C(O)NH、−C(O)OCH、−C(O)OH、−S(O)N(H)CH、−C(O)NH(CH)、−C(O)NH(シクロプロピル)、−S(O)OH、−S−CF、−S(O)−CF、エトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、イソプロポキシ、−OCH−シクロプロピル、−CHO−CH−シクロプロピル、−C(O)CH、−C(O)CH、−CH(CH)OH、−CHNH、−CH(CH)NH、−CHNH−CH、−CH(CH)OH、−CHNHCH、−CH=N−OCH、−C(CH)=N−OCH、−C(O)OCHCH、−C(O)NHCHCHN(CH、−NH−C(O)CH
【化7】

からなる群から選択されるか;
または、式中、2つのR10部分は、同一の炭素原子に結合する場合、それらが結合する該炭素原子と一緒になって、
【化8】

を形成する;
請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Yが、共有結合および−O−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Yが、共有結合である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Yが、−O−である、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
Zが、共有結合および−O−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Zが、−O−である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、水素、シアノ、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、およびアルキニルからなる群から選択され;式中、該Rのアルキルは非置換であるか、またはアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルで置換されており、式中、該アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルが隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該Rアルキルの該アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル置換基は、必要に応じて5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、1個から4個のR20部分で独立して置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
が、水素、シアノ、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、およびアルキニルからなる群から選択され;式中、前記Rのアルキルは非置換であるか、またはアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルで置換されており、式中、該アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルが隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく;式中、該Rアルキルの該アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル置換基は、必要に応じて5員から8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環とともに、非置換であるか、または必要に応じて、1個から4個のR20部分で独立して置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
が、ハロゲンまたはシアノである、請求項16に記載の化合物。
【請求項23】
が、フッ素、塩素、またはシアノである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
が、アルキル、ハロアルキル、およびアルキニルからなる群から選択され;式中、該Rのアルキルは非置換であるか、またはヘテロアリールで置換されており、式中、該ヘテロアリールが隣接する炭素原子上に2つのラジカルを含む場合、該ラジカルは、必要に応じてそれらが結合する該炭素原子と一緒になって5員または6員のアリールを形成してもよく;式中、該Rアルキルの該ヘテロアリール置換基は、必要に応じて該5員または6員のアリールとともに、必要に応じてアルキルで置換されている、請求項17に記載の化合物。
【請求項25】
が、CH、−CH−C≡C−CH、ジフルオロメチル、および
【化9】

からなる群から選択される、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
式(I)の化合物が、式(III):
【化10】

の化合物により表わされ、式(III)において、Xは、−(CH1−2−であり、そしてT、V、Y、RおよびRは、式(I)で示した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
Xが、−CH−である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
式(I)の化合物が、式(IV):
【化11】

の化合物により表わされ、式(IV)において、Xは、−(CH1−2−であり、T、V、Y、RおよびRは、式(I)で示した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
Xが、−CH−である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

【化80】

【化81】

【化82】

【化83】

からなる群から選択される、化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、もしくはエステル。
【請求項31】
【化84】

【化85】

【化86】

【化87】

【化88】

【化89】

【化90】

【化91】

【化92】

【化93】

からなる群から選択される、請求項30に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、もしくはエステル。
【請求項32】
【化94】

【化95】

【化96】

からなる群から選択される、請求項31に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、もしくはエステル。
【請求項33】
精製された形態にある、請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルと、少なくとも1つの医薬的に許容されるキャリアとを含む、医薬組成物。
【請求項35】
TACE、TNF−α、MMP、アグリカナーゼ、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する障害を処置する方法であって、該方法は、そのような処置を必要とする患者に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項36】
TACE、TNF−α、アグリカナーゼ、MMP、ADAMまたはそれらの任意の組み合せに関連する障害を処置する方法であって、該方法は、そのような処置を必要とする患者に、請求項33に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項37】
被験体における、関節リウマチ、変形性関節症、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍形成、固形腫瘍増殖および二次転移による腫瘍浸潤、血管新生緑内障、炎症性腸疾患、多発性硬化症ならびに乾癬からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項38】
被験体における、発熱、心血管状態、出血、凝固、悪液質、食欲不振、アルコール症、急性期反応、急性感染、ショック、移植片対宿主反応、自己免疫疾患およびHIV感染からなる群から選択される状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項39】
被験体における、敗血性ショック、血行力学的ショック、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、マイコバクテリア感染、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維症、悪液質、移植片拒絶反応、皮膚T細胞性リンパ腫などの癌、血管新生に関する疾患、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、クローン病および大腸炎などの炎症性腸疾患、変形性関節症および関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、成人スティル病、ウレイチス、ウェゲナー肉芽腫症、Behcehe病、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、坐骨神経痛、複合性局所疼痛症候群、放射線障害、高酸素症肺胞傷害、歯周疾患、HIV、インスリン非依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、緑内障、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺形成異常、網膜疾患、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化肺胞炎、乾癬、移植片拒絶反応、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、可逆性気道閉塞、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)ならびに気管支炎からなる群より選択される状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項40】
COPDに関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項41】
関節リウマチに関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項42】
クローン病に関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項43】
乾癬に関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項44】
強直性脊椎炎に関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項45】
坐骨神経痛に関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項46】
複合性局所疼痛症候群に関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項47】
乾癬性関節炎に関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物もしくはエステルの治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項48】
多発性硬化症に関連した状態または疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒化合物、もしくは異性体の治療有効量を、Avonex(登録商標)、ベタセロン、コパクソンまたは多発性硬化症の処置に適応がある他の化合物からなる群から選択される化合物と組み合せて投与する工程を含む、方法。
【請求項49】
前記被験体に、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)選択的インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、生物反応修飾物質(BRM)、抗炎症剤およびH1アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量を投与する工程をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項50】
前記被験体に、DMARDS、NSAID、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、BRM、抗炎症剤およびH1アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量を投与することをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項51】
前記被験体に、DMARDS、NSAID、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制薬、BRM、抗炎症剤およびH1アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの医薬の治療有効量を投与することをさらに含む、請求項38に記載の方法。

【公表番号】特表2009−523796(P2009−523796A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551310(P2008−551310)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/001025
【国際公開番号】WO2007/084451
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】