説明

炎症病態またはアレルギー病態を治療するための、アゼラスチンとコルチコステロイドとを含む医薬製剤

本発明は、式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される抗炎症性グルココルチコイド化合物またはそれらの溶媒和物と、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、を含む医薬製剤に関する。本発明はまた、特定的には炎症病態およびアレルギー病態、より特定的には鼻炎を治療するための、その治療的使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンドロスタン系の抗炎症性グルココルチコイド化合物とH1アンタゴニスト/抗アレルギー剤のアゼラスチンとを含有する医薬製剤に関する。本発明はまた、特定的には炎症病態およびアレルギー病態、より特定的には鼻炎を治療するための、その治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
抗炎症性を有するグルココルチコイドは、公知であり、喘息や鼻炎のような炎症性の障害または疾患を治療するために広く使用されている。たとえば、米国特許第4,335,121号には、6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(プロピオン酸フルチカゾンという一般名で知られている)およびその誘導体が開示されている。グルココルチコイドの使用は、一般に、とくに子供では、副作用の可能性があるという懸念から一部の地域では制限されてきた。グルココルチコイドを用いた場合に心配される副作用としては、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の抑制、子供における骨成長および高齢者における骨密度に対する作用、眼合併症(白内障形成および緑内障)、ならびに皮膚萎縮が挙げられる。特定のグルココルチコイド化合物はまた、活性代謝物の産生によりそのような化合物の薬力学的挙動および薬動学的挙動の理解が困難になる可能性のある複雑な代謝経路を有する。最新のグルココルチコイドは最初に導入されたものよりも非常に安全であるが、優れた抗炎症性を有するとともに予測可能な薬動学的性質および薬力学的性質、魅力的な副作用プロファイル、および便利な治療レジメンをも有する新しい分子および新旧分子の製剤を作製することが、依然として研究の対象になっている。
【0003】
次の出願WO02/12265、WO02/12266、WO05/005452、WO05/005451、およびWO02/088167において、我々は、これらの目的を実質的に満足する新規なグルココルチコイド化合物を同定した。
【0004】
H1アンタゴニスト/抗アレルギー剤は、公知であり、アレルギー関連病態を治療するために経鼻スプレー剤および点眼剤に組み込んで使用可能である。たとえばUS 3,813,384に開示されるようなH1アンタゴニスト/抗アレルギー剤のアゼラスチン(通常は塩酸塩として)は、そのような病態たとえば鼻炎を治療するために経鼻スプレー剤として投与可能であることが知られている。
【0005】
アゼラスチンまたはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体と、ステロイドまたはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体と、を含む製剤は、たとえば、WO03/105856に開示されている。
【0006】
我々は、このたび、特定のコルチコステロイド系化合物またはその溶媒和物とアゼラスチンとを含む製剤を同定した。この製剤は、鼻内投与に好適であり、かつ既知の製剤よりも優れた利点を有しうる。
【0007】
何百万もの人々が、全世界で季節性および通年性のアレルギー性鼻炎を患っている。季節性および通年性のアレルギー性鼻炎の症状としては、鼻掻痒、鼻閉、鼻汁、くしゃみ、および流涙が挙げられる。季節性アレルギー性鼻炎は、一般に「枯草熱」として知られている。それは、一年の特定の時期に空気中に存在するアレルゲン、たとえば、春季および夏季の樹木花粉により引き起こされる。通年性アレルギー性鼻炎は、一年全体を通して環境中に存在するアレルゲン、たとえば、チリダニ、糸状菌、白黴、およびペットの鱗屑により引き起こされる。
【0008】
有効な医薬経鼻組成物を製剤化するために、医薬は、その薬理学的機能が発揮される鼻腔(標的組織)のすべて部分に容易に送達されなければならない。このほかに、医薬は、比較的長期間にわたり標的組織に接触した状態を保持することが望ましい。医薬が標的組織に接触した状態を保持する期間が長いほど効力は大きいので、医薬は、鼻から粒子を除去するように機能する鼻道内の力に耐えることができなければならない。「粘液線毛クリアランス」と呼ばれるそのような力は、迅速に、たとえば、粒子が鼻に進入した時点から10〜30分以内に、鼻から粒子を除去するのにきわめて有効であると認識されている。
【0009】
経鼻組成物の他の所望の特性は、使用者に不快感を与える成分を含有してはならないこと、満足すべき安定性および貯蔵寿命性を有すること、ならびに環境に有害であると考えられる成分たとえばオゾン枯渇剤を含まないことである。グルココルチコイドを投与する場合、好ましくは、いかなる望ましくない副作用の可能性をも最小限に抑えるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO02/12265
【特許文献2】WO02/12266
【特許文献3】WO05/005452
【特許文献4】WO05/005451
【特許文献5】WO02/088167
【特許文献6】WO03/105856
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明の一態様によれば、式(I)
【化1】

【0012】
で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(II)
【化2】

【0013】
で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤が提供される。
【0014】
本発明の他の態様によれば、式(I)
【化3】

【0015】
で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(III)
【化4】

【0016】
で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤が提供される。
【0017】
本発明の他の態様によれば、式(I)
【化5】

【0018】
で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(IV)
【化6】

【0019】
で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤が提供される。
【0020】
本発明の他の態様によれば、式(I)
【化7】

【0021】
で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(V)
【化8】

【0022】
で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤が提供される。
【0023】
本発明に係る製剤の利点としては、製剤が良好な抗炎症性、良好な抗アレルギー性を示すとともに、魅力的な副作用プロファイル、作用の迅速な発現、作用の長い持続期間、およびヒト患者における便利な治療レジメンとの適合性をも有すること、ならびに1日1回の投与で改善された効力を示すように変更可能であることが挙げられうる。そのほかに、組み合わせることにより、使用される成分の一方もしくは両方の用量を低減させて改善された安全性プロファイルを得ることが可能である。さらなる利点としては、即座の製造および貯蔵を可能にする望ましい物理的・化学的性質を製剤が有しているという事実が挙げられうる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一実施形態では、式(II)で示される化合物は、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである。
【0025】
他の実施形態では、式(III)で示される化合物は、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-(1-メチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである。
【0026】
他の実施形態では、式(IV)で示される化合物は、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-シアノメチルエステルである。
【0027】
他の実施形態では、式(V)で示される化合物は、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである。
【0028】
一実施形態では、式(I)で示される化合物は、ラセミ形のアゼラスチンまたは単一のエナンチオマーとしてのアゼラスチンのいずれかである。
【0029】
いくつかの実施形態では、アゼラスチンは、塩酸アゼラスチンとして製剤中に存在する。
【0030】
本発明のいくつかの態様では、コルチコステロイドが懸濁粒子の形態で存在しかつアゼラスチンが溶解形態で存在する医薬製剤が提供される。
【0031】
本発明のいくつかの態様では、水性医薬製剤である医薬製剤が提供される。
【0032】
本発明のいくつかの態様では、鼻腔内送達に好適な医薬製剤が提供される。
【0033】
いくつかの実施形態では、製剤は、1種以上の懸濁化剤を含有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、製剤は、1種以上の保存剤を含有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、製剤は、1種以上の湿潤剤を含有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、製剤は、1種以上の等張性調整剤を含有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、製剤は、緩衝剤を含有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、製剤は、1種以上の味マスキング剤を含有する。
【0039】
本発明の一態様によれば、我々は、
(i)式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の水溶液と、
(ii)式(II)で示される化合物、式(III)で示される化合物、式(IV)で示される化合物、および式(V)で示される化合物よりなる群から選択されるコルチコステロイドの水性懸濁物と、
(iii)1種以上の懸濁化剤と、
(iv)1種以上の保存剤と、
(v)1種以上の湿潤剤と、
(vi)緩衝剤と、
(vii)1種以上の等張性調整剤と、場合により
(viii)1種以上の味マスキング剤と、
を含む医薬製剤を提供する。
【0040】
本発明の他の態様では、保存剤を含まない医薬製剤が提供される。
【0041】
本発明に係る製剤は、pHの適切な選択により安定化可能である。典型的には、pHは、保存剤の効力を最大化するために3.0〜8.0、一実施形態では4.0〜7.0、たとえば約4.5に調整される。
【0042】
製剤のpHを調整するために使用しうる製薬上許容される材料の例としては、塩酸および/または水酸化ナトリウムが挙げられる。一実施形態では、製剤のpHは、塩酸を用いて調整される。
【0043】
製剤のpH値を調整するために、クエン酸/硫酸水素ナトリウムホウ酸塩緩衝剤、クエン酸/クエン酸塩緩衝剤、リン酸塩(オルトリン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム)、トロメタモール、または等価な従来の緩衝剤のような緩衝物質を製剤に添加することも可能である。一実施形態では、緩衝剤は、クエン酸/クエン酸塩緩衝剤、たとえばクエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤を含む。
【0044】
一実施形態では、溶液100mlあたり、クエン酸の量は、0.1〜1.5gたとえば0.5〜1.0gであり、かつクエン酸ナトリウムの量は、0.5〜2.0gたとえば1.0〜2.0gである。所与の重量は、いずれの場合も無水物質を基準にする。
【0045】
水性成分は、望ましくは高グレード品質の水、たとえば精製水である。
【0046】
式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される活性化合物またはその溶媒和物は、好適には20μm未満、一実施形態では0.5〜10μmたとえば1〜5μmの質量平均直径(MMD)を有する。粒子サイズの減少が必要な場合、これは、マイクロナイゼーションおよび/またはマイクロ流動化のような技術により達成可能である。
【0047】
一実施形態では、MMDは2〜4μmである。
【0048】
いくつかの実施形態では、必要であれば、粒子サイズの減少は、マイクロナイゼーションにより達成可能である。
【0049】
他の実施形態では、粒子サイズの減少は、マイクロ流動化により達成可能である。
【0050】
一実施形態では、粒子は、たとえば、超音波照射の存在下の連続フローセル内で液体溶媒中の医薬としての式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される化合物またはその溶媒和物の流動溶液を該医薬に対する流動液体貧溶媒と混合することを含む方法により調製される結晶性のものである(たとえば、WO00/38811に記載されるとおりである)。
【0051】
本発明に係る医薬製剤では、式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される化合物またはその溶媒和物は、製剤の全重量を基準にして0.005%〜1%(w/w)、一実施形態では0.01%〜0.5%(w/w)、たとえば0.05〜0.1%(w/w)の量で製剤中に存在可能である。典型的には、50μlの懸濁物は、50μgの式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される化合物またはその溶媒和物を含有する。
【0052】
本発明に係る医薬製剤では、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、製剤の全重量を基準にして0.0005%〜2%(w/w)、一実施形態では0.01%〜0.6%(w/w)、たとえば0.1〜0.3%(w/w)の量で製剤中に存在可能である。
【0053】
懸濁化剤の例としては、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ビーガム、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロース、およびポリエチレングリコールが挙げられる。一実施形態では、懸濁化剤は、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、たとえば、ブランド製品のアビセル(Avicel)RC591(これは典型的には87〜91%の微結晶性セルロースと9〜13%のカルボキシメチルセルロースナトリウムとを含有する)またはアビセル(Avicel)CL611として使用されるものである。一実施形態では、微粒子状微結晶性セルロースは、1〜100μmの範囲内の粒子サイズを有する。我々の考えによれば、アビセル(Avicel)RC591は、製剤にチキソトロピー性を付与することにより懸濁化剤として作用する。この場合、製剤は、撹拌、振盪、または他の方法で撹乱すると安定な懸濁物になりうる。
【0054】
いくつかの実施形態では、懸濁化剤のチキソトロピー性により製剤が静止状態でゲル状外観を呈することは確実であろう。この場合、微粒子状医薬は、高粘度値により特徴付けられる実質的に均一に分散・懸濁された状態にある。スプレーする前に攪拌により生じるような剪断力を組成物が受けると、製剤の粘度は、それがスプレー装置を介して容易に流動してミスト中の微粒子のスプレーとして送出されうるようなレベルにまで低減される。次に、こうした粒子は、鼻の前部(前鼻腔)、前頭洞、上顎洞、および鼻腔の甲介骨上に位置するする鼻甲介の粘膜表面に浸潤しうる。堆積された後、製剤の粘度は、そのゲル状形態を呈して鼻腔内に存在する固有の粘液線毛力による鼻道からの排除に抵抗するのに十分なレベルにまで増大される。
【0055】
本発明に係る製剤が懸濁化剤を含む場合、望ましくは、この機能を達成するのに好適な量で添加される。いくつかの実施形態では、懸濁化剤は、製剤の全重量を基準にして0.1〜5%(w/w)、たとえば1.5%(w/w)の量で製剤中に存在する。
【0056】
安定性を得る目的で、保存剤を組み込むことにより本発明に係る製剤を微生物汚染および微生物増殖から保護することが可能である。製剤で使用しうる製薬上許容される抗微生物剤または保存剤の例としては、第四級アンモニウム化合物(たとえば、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、セトリミド、セチルピリジニウムクロリド、およびミリスチルピコリニウムクロリド)、アルコール剤(たとえば、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、およびベンジルアルコール)、抗細菌性エステル(たとえば、パラヒドロキシ安息香酸のエステル)、キレート化剤、たとえば、ジナトリウムエデテート(EDTA)、さらには他の抗微生物剤、たとえば、クロルヘキシジン(たとえば、酢酸塩またはグルコン酸塩の形態のもの)、カリウムソルベート、クロロクレゾール、ソルビン酸およびその塩、ポリミキシン、メチルパラベン、ならびにプロピルパラベンが挙げられる。
【0057】
いくつかの実施形態では、保存剤は、ジナトリウムエデテート(EDTA)を含みうる。これは、製剤の全重量を基準にして0.001〜1%(w/w)、たとえば約0.015%(w/w)の量で製剤中に存在しうる。
【0058】
いくつかの実施形態では、保存剤は、ベンザルコニウムクロリド(BKC)を含みうる。これは、製剤の全重量を基準にして0.001〜1%(w/w)、たとえば約0.015%(w/w)の量で製剤中に存在しうる。
【0059】
いくつかの実施形態では、保存剤は、ジナトリウムエデテート+ベンザルコニウムクロリドまたはジナトリウムエデテート+カリウムソルベートを含みうる。一実施形態では、塩化カリウムおよび/またはジナトリウムエデテートを含みうる。
【0060】
製剤、たとえば、懸濁医薬(たとえば、式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される化合物またはその溶媒和物)を含有する経鼻製剤は、組成物の水相中へのその分散を促進すべく医薬の粒子を湿潤するように機能する製薬上許容される湿潤剤を含有しうる。使用される湿潤剤の量は、混合時に分散液の起泡を引き起こさない量であることが望ましい。
【0061】
粒子を湿潤するのに有効でありかつ製薬上許容される任意の作用剤が使用可能であることはわかるであろう。使用可能な湿潤剤の例は、脂肪アルコール、脂肪エステル、および脂肪エーテルである。一実施形態では、湿潤剤は、親水性非イオン性界面活性剤、たとえば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80(Polysorbate 80)というブランド製品として供給される)である。
【0062】
本発明に係る製剤が湿潤剤を含む場合、望ましくは、この機能を達成するのに十分な量で添加される。一実施形態では、湿潤剤は、製剤の全重量を基準にして0.001〜0.05%(w/w)、たとえば0.025%(w/w)の量で製剤中に存在しうる。
【0063】
等張性調整剤を存在させるのは、体液たとえば鼻腔の液体との等張性を達成して多くの経鼻製剤に伴う刺激のレベルを低減させるためである。好適な等張性調整剤の例は、グルコース、グリセリン、ソルビトール、塩化ナトリウム、デキストロース、および塩化カルシウムである。一実施形態では、等張性調整剤は、デキストロースたとえば無水デキストロースである。
【0064】
本発明に係る製剤が等張性調整剤を含む場合、望ましくは、この機能を達成するのに十分な量で添加される。一実施形態では、等張性調整剤は、製剤の全重量を基準にして0.1〜10%(w/w)、たとえば5.0% w/wの量で製剤中に存在する。
【0065】
本発明に係る製剤に使用しうるさらなる補助物質は、たとえば、ポリビニルピロリドン、ソルビタン脂肪酸エステルたとえばソルビタントリオレエート、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル(たとえばポリエトキシル化ソルビタントリオレエート)、ソルビマクロゴールオレエート、合成両性界面活性剤(トリトン)、オクチルフェノールホルムアルデヒド縮合生成物のエチレンオキシドエーテル、ホスファチドたとえばレシチン、ポリエトキシル化脂肪、ポリエトキシル化オレオトリグリセリド、およびポリエトキシル化脂肪アルコールである。これに関連して、ポリエトキシル化とは、該当物質がポリオキシエチレン鎖を含有し、その重合度が一般的には2〜40、特定的には10〜20であることを意味する。これらの物質は、一般的には、アゼラスチン成分の溶解性を改善するために使用される。
【0066】
本発明に係る製剤は、後鼻漏の量の低減および/またはアゼラスチンを含む製剤の後鼻漏に伴う不快な苦味の最小化もしくはマスキングを行うさらなる賦形剤および/または担体、たとえば米国出願US2006/0110331に開示されるものをも含有しうる。
【0067】
味マスキング剤の例としては、スクラロース、スクロース、サッカリンまたはその塩、フルクトース、デキストロース、コーンシロップ、アスパルテーム、アセスルファーム-K、キシリトール、ソルビトール、エリトリトール、アンモニウムグリシルリジネート、タウマチン、ネオテーム、マンニトール、メントール、ユーカリ油、カンファー、天然風味剤、人工風味剤、およびそれらの組合せが挙げられる。一実施形態では、味マスキング剤は、スクラロースおよび/またはメントールである。
【0068】
本発明に係る医薬製剤は、1種以上の賦形剤をさらに含みうる。本明細書中で用いられる「賦形剤」という用語は、非毒性でありかつ有害な形で組成物の他の成分と相互作用しない実質的に不活性な材料を意味するものとし、たとえば、限定されるものではないが、医薬グレードの次の物質:炭水化物、有機塩および無機塩、ポリマー、アミノ酸、リン脂質、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤、ポロキサマー、プルロニック、ならびにイオン交換樹脂、さらにはそれらの組合せを包含し、その具体例のリストは、網羅されるものではないが、以下に提供されるとおりである。
【0069】
炭水化物、たとえば、モノサッカリド、具体的には、限定されるものではないが、フルクトース;ジサッカリド、具体的には、限定されるものではないが、ラクトース、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;ポリサッカリド、具体的には、限定されるものではないが、セルロース、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;オリゴサッカリド、具体的には、限定されるものではないが、デキストリン、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;ポリオール、具体的には、限定されるものではないが、ソルビトール、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
有機塩および無機塩、たとえば、限定されるものではないが、リン酸ナトリウムまたはリン酸カルシウム、マグネシウムステアレート、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
ポリマー、たとえば、天然生分解性タンパク質ポリマー、たとえば、限定されるものではないが、ゼラチン、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
天然生分解性ポリサッカリドポリマー、たとえば、限定されるものではないが、キチンおよびデンプン、架橋型デンプン、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
半合成生分解性ポリマー、たとえば、限定されるものではないが、キトサンの誘導体;
合成生分解性ポリマー、たとえば、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)、合成ポリマー、たとえば、限定されるものではないが、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
アミノ酸、たとえば、限定されるものではないが、非極性アミノ酸、具体的には、ロイシン、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
リン脂質、たとえば、レシチン、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
湿潤剤/界面活性剤/乳化剤、たとえば、限定されるものではないが、アカシアガム、コレステロール、脂肪酸、さらにはそれらの組合せおよび誘導体;
ポロキサマー/プルロニック、たとえば、限定されるものではないが、ポロキサマー188、プルロニック(登録商標)F-108、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
イオン交換樹脂、たとえば、限定されるものではないが、アンバーライトIR120、ならびにそれらの組合せおよび誘導体;
さらには記載の賦形剤の組合せ。
【0070】
本発明に係る医薬製剤において、一実施形態では、懸濁化剤は、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムであり、保存剤は、EDTAおよびカリウムソルベートであり、湿潤剤は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートであり、かつ等張性調整剤は、デキストロースおよび/またはグルコースである。
【0071】
本発明に係る製剤を鼻道に適用するための好ましい手段は、予圧ポンプ、たとえば、バロアSA(Valois SA)社により製造されているVP3型、VP7型、または改良型のポンプを用いることである。このタイプのポンプの利点が役立つのは、十分な力が加わるまで製剤の放出やアトマイズが行われないことが保証されるからであり、さもなければより低い用量が適用される可能性がある。典型的には、これらの予圧ポンプは、8〜50mlの製剤を収容可能なボトル(ガラス製またはプラスチック製)と併用可能である。各スプレーは、典型的には、50〜100μlのそのような製剤を送達する。したがって、装置は、少なくとも100回の計量用量を提供しうる。好適には、製剤は、1回の作動あたり50μlまたは100μl、好ましくは50μlを分配するように適合化された、好適な予圧ポンプと経鼻用アクチュエーターとを備えた容器から分配される。したがって、本発明に係る医薬製剤を含む医薬製剤を鼻腔内送達するように適合化された装置が提供される。
【0072】
鼻に投与する場合の本発明に係る製剤に好適な投与レジメンは、鼻腔を清浄化した後で鼻を介して患者が徐々に吸入することである。吸入時、製剤は、他方の鼻孔を手で押さえながら一方の鼻孔に適用される。次に、この手順が他方の鼻孔に対して反復される。
【0073】
典型的には、以上の手順により、1日3回まで、可能であれば1日2回、理想的には1日1回、各鼻孔に対して一度もしくは二度の吸入が行われる。
【0074】
患者の年齢、体重、および/または症状の重症度に応じて以上の投与レジメンを調整すべきであることはわかるであろう。
【0075】
本発明に係る製剤は、とくに鼻への局所投与を行ったときに、有益な抗炎症作用または抗アレルギー作用を有する可能性がある。したがって、本発明に係る製剤は、鼻の炎症性障害および/またはアレルギー性障害の治療とくに1日1回の治療に有用である。
【0076】
本発明に係る製剤は、水中で成分を組み合わせることにより調製可能である。必要であれば、最終工程としてpHを調整することが可能である。次に、そのように調製された製剤を容器に充填することが可能である。
【0077】
本発明に係る水性製剤はまた、他の局所炎症病態(たとえば、皮膚炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など)を治療するために、経直腸投与、経鼻投与、経耳投与、経口投与、局所投与、または吸入による非経口投与に利用可能である。たとえば、本発明に係る製剤は、ネブライゼーションにより肺に投与可能である。そのような製剤では、投与経路に適合する賦形剤(たとえば、保存剤、緩衝剤など)を利用可能である。
【0078】
本発明に係る製剤が有用性を有する疾患病態の例としては、鼻道の炎症病態および/またはアレルギー病態、具体的には鼻炎、たとえば季節性および通年性の鼻炎、さらには他の局所炎症病態、具体的には、喘息、COPD、および皮膚炎が挙げられる。
【0079】
当業者であればわかるであろうが、本明細書中で治療が言及されている場合、既定の病態の治療だけでなくその予防にまで拡張解釈される。
【0080】
以上で述べたように、本発明に係る製剤は、とくに抗炎症剤および抗アレルギー剤として、人間医学または獣医学に有用である。
【0081】
したがって、本発明のさらなる態様として、人間医学または獣医学で使用するための、とくに炎症病態および/またはアレルギー病態を有する患者の治療における、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(II)で示される化合物、式(III)で示される化合物、式(IV)で示される化合物、式(V)で示される化合物、ならびにそれらの溶媒和物よりなる群から選択されるコルチコステロイドと、を含む医薬製剤が提供される。
【0082】
本発明の他の態様によれば、炎症病態および/またはアレルギー病態を有する患者を治療するための医薬を製造するための、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(II)で示される化合物、式(III)で示される化合物、式(IV)で示される化合物、式(V)で示される化合物、ならびにそれらの溶媒和物よりなる群から選択されるコルチコステロイドと、を含む製剤の使用が提供される。
【0083】
さらなる態様または他の選択肢の態様では、炎症病態および/またはアレルギー病態を有するヒトまたは動物の被験体を治療する方法が提供される。この方法は、該ヒトまたは動物の被験体に、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(II)で示される化合物、式(III)で示される化合物、式(IV)で示される化合物、式(V)で示される化合物、およびそれらの溶媒和物よりなる群から選択されるコルチコステロイドと、を含む有効量の製剤を投与することを含む。
【0084】
他の選択肢の態様では、製薬上許容される量の本発明に係る医薬製剤を患者に投与することを含むアレルギー性鼻炎の治療方法が提供される。一実施形態では、投与は1日1回である。
【0085】
本発明に係る製剤は、長時間作用可能であり、したがって、製剤は、1日1回の投与が可能であり、かつ用量は、化合物が24時間以上にわたり呼吸器障害(たとえば鼻炎)の治療で治療効果を有するように選択可能である。
【0086】
化合物(II)、(III)、(IV)、および(V)の調製方法は、公知であり、それぞれ、WO02/12265、WO02/088167、WO05/005452、およびWO02/12266に開示されている。式(I)で示される化合物の調製方法も、公知であり、たとえば、US3,813,384に開示されている。
【0087】
本明細書および以下の特許請求の範囲の全体を通して、文脈上とくに必要とされないかぎり、「含む(comprise)」という単語および「comprises」や「comprising」のようなその変化形は、指定の整数もしくは工程または整数の群を包含することを示唆するものとみなされるものとするが、任意の他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を除外することを示唆するものとみなされるものではない。
【0088】
本出願に記載の特許および特許出願は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0089】
以下の実施例により本発明を例示するが、これらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0090】
6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-シアノメチルエステルと塩酸アゼラスチンとを含有する経鼻製剤
鼻腔内送達用の製剤は、以下の成分を用いて調製可能である。
【表1】

【0091】
所要により、pHを5.5〜6.5に調整するために、塩酸または水酸化ナトリウムを添加することが可能である。
【実施例2】
【0092】
実施例1の製剤の調製方法
製剤は、以下のフロー図に従って調製可能である。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(II)
【化2】

で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤。
【請求項2】
式(I)
【化3】

で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(III)
【化4】

で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤。
【請求項3】
式(I)
【化5】

で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(IV)
【化6】

で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤。
【請求項4】
式(I)
【化7】

で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、式(V)
【化8】

で示されるコルチコステロイドまたはその溶媒和物と、を含む医薬製剤。
【請求項5】
式(II)で示される化合物が6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキ-シ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項6】
式(III)で示される化合物が6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-(1-メチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである、請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項7】
式(IV)で示される化合物が6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-シアノメチルエステルである、請求項3に記載の医薬製剤。
【請求項8】
式(V)で示される化合物が6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである、請求項4に記載の医薬製剤。
【請求項9】
式(I)で示される化合物がラセミ形または単一のエナンチオマーのいずれかのアゼラスチンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記アゼラスチンが塩酸塩として存在する、請求項9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記コルチコステロイドが懸濁粒子の形態で存在し、かつ前記アゼラスチンが溶解形態で存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
水性医薬製剤である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
鼻腔内送達に好適である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
1種以上の懸濁化剤をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記懸濁化剤が微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項14に記載の医薬製剤。
【請求項16】
1種以上の保存剤を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記保存剤がカリウムソルベートおよび/またはジ-ナトリウムエデテート(EDTA)を含む、請求項16に記載の医薬製剤。
【請求項18】
1種以上の湿潤剤を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記湿潤剤がポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを含む、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項20】
1種以上の等張性調整剤を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記等張性調整剤がデキストロースおよび/またはグルコースを含む、請求項20に記載の医薬製剤。
【請求項22】
鼻腔の液体と等張であることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項23】
緩衝剤を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記緩衝剤がクエン酸/クエン酸塩緩衝剤を含む、請求項24に記載の医薬製剤。
【請求項25】
4〜7に調整されたpHである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項26】
塩酸および/または水酸化ナトリウムを用いて調整されたpHである、請求項25に記載の医薬製剤。
【請求項27】
1種以上の味マスキング剤を含む、請求項1〜26のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記味マスキング剤がスクラロースおよび/またはメントールから選択される、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項29】
式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される化合物またはそれらの溶媒和物が、製剤の全重量を基準にして0.005%〜1%(w/w)の量で製剤中に存在する、請求項1〜28のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項30】
式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物が、製剤の全重量を基準にして0.0005%〜2%(w/w)の量で製剤中に存在する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項31】
(i)式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物の水溶液と、
(ii)式(II)で示される化合物、式(III)で示される化合物、式(IV)で示される化合物、および式(V)で示される化合物よりなる群から選択されるコルチコステロイドの水性懸濁物と、
(iii)1種以上の懸濁化剤と、
(iv)1種以上の保存剤と、
(v)1種以上の湿潤剤と、
(vi)緩衝剤と、
(vii)1種以上の等張性調整剤と、場合により
(viii)1種以上の味マスキング剤と、
を含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項32】
保存剤を含有していない、請求項31に記載の医薬製剤。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか1項に記載の医薬製剤を含む医薬製剤を鼻腔内送達するように適合化された装置。
【請求項34】
製薬上許容される量の請求項1〜32のいずれか1項に記載の医薬製剤を患者に投与することを含む、アレルギー性鼻炎の治療方法。
【請求項35】
前記投与が1日1回である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
人間医学または獣医学において炎症病態および/またはアレルギー病態を有する患者の治療で使用するための、請求項1〜32のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項37】
炎症病態および/またはアレルギー病態を有する患者を治療するための医薬を製造するための、請求項1〜32のいずれか1項に記載の医薬製剤の使用。
【請求項38】
炎症病態および/またはアレルギー病態を有するヒトまたは動物の被験体を治療する方法であって、有効量の請求項1〜32のいずれか1項に記載の医薬製剤を該ヒトまたは動物の被験体に投与することを含む、上記方法。

【公表番号】特表2009−544665(P2009−544665A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521271(P2009−521271)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057695
【国際公開番号】WO2008/012338
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】