説明

炭化水素油の混入検知装置及び炭化水素油の混入検知方法

【課題】従来の装置に比べて、炭化水素油中に異種の炭化水素油が混入しているか否かを、迅速かつ高精度に検知でき、さらに、炭化水素油の性状を常時監視することで、異種の炭化水素油の混入を迅速に検知することを目的とする。
【解決手段】炭化水素油中に浸した電極に交流電圧を印加し、前記炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定部10と、屈折率測定部30を備え、測定した電気抵抗値、あるいは、屈折率に対する電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより、異種の炭化水素油の混入を検知するデータ処理部20とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素油の混入検知装置及び炭化水素油の混入検知方法、特に、炭化水素油中に異なる油(重質炭化水素油など)が混入しているかどうかを、迅速かつ高精度に検知できる炭化水素油の混入検知装置及び炭化水素油の混入検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、石油精製などの油を処理するプラントでは、数種類の原料を混合して処理を行っていることから、異種の油が混合することに伴う運転変動を回避するべく、異なる油の混入を検知する方法や装置が求められている。
【0003】
一般的には、異なる油の混入を検知する方法として、誘電率や油の透過光の変化を利用した方法が知られている。
例えば特許文献1では、油中に異なる油が混入することを検出する装置として、油の注入口の途中に誘電率センサ及び比重センサを設け、油液の誘電率と比重を検出し、貯蔵タンクの油液と同一の液種であるかどうかを判定し、同一の液種のみ油液を貯蔵タンクへ供給するものが開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、対象油と異種の油についての、誘電率及び比重がいずれも近い値を示すことが多いため、測定精度が低くなり、異種の油の混入を検出できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−89599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異種の油が混入する問題については、特に、軽質な炭化水素油中に重質炭化水素油が混入した場合に、貯蔵用タンク内にスラッジが発生することで貯蔵安定性が悪化し、重質炭化水素油が混入した軽質な炭化水素油を水素化精製処理するためには反応温度を高くする必要があり、経済性が悪化することから、特に改善が望まれている。また、重質炭化水素油は、0.5%程度の微量な混入であっても、上述した貯蔵安定性や経済性の悪化を招くため、できる限り迅速に、例えばタンク入り口の配管において重質炭化水素油の混入の有無を検出することが望まれている。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、炭化水素油中に重質炭化水素油などの異種の炭化水素油が混入しているか否かを、迅速かつ高精度に検知できる装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、炭化水素油中に浸した電極に交流電圧を印加し、前記炭化水素油の電気抵抗を測定し、該電気抵抗値に基づき異種の炭化水素油(重質炭化水素油など)の混入の有無についての検出を行うことで、わずかな混入であっても高精度かつ迅速に検知できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明のガソリン基材の製造方法は、次のとおりのものである。
(1)炭化水素油中に浸した電極に交流電圧を印加し、前記炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定部と、測定した電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより、異種の炭化水素油の混入を検知するデータ処理部と、を備えることを特徴とする炭化水素油の混入検知装置。
【0010】
(2)前記炭化水素油の屈折率を測定する屈折率測定部をさらに備え、前記データ処理部は、前記電気抵抗値が設定した閾値以下であるかに加えて、測定した屈折率に対する前記電気抵抗値の比が、設定した閾値以下であるか否かで、異種の炭化水素油の混入を検知することを特徴とする上記(1)に記載の炭化水素油の混入検知装置。
【0011】
(3)前記交流電圧の印加周波数は、1Hz〜1kHzの範囲であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の炭化水素油の混入検知装置。
【0012】
(4)前記炭化水素油は、天然ガスコンデンセートであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の炭化水素油の混入検知装置。
【0013】
(5)炭化水素油に交流電圧を印加して該炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定工程と、測定した電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより、異種の炭化水素油の混入を検知するデータ処理工程と、を備えることを特徴とする炭化水素油の混入検知方法。
【0014】
(6)前記炭化水素油の屈折率をさらに測定する屈折率測定工程をさらに備え、前記データ処理工程は、前記電気抵抗値が設定した閾値以下であるかに加えて、測定した屈折率に対する前記電気抵抗値の比が、設定した閾値以下であるか否かで、異種の炭化水素油の混入を検知することを特徴とする上記(5)に記載の炭化水素油の混入検知方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の装置に比べて、炭化水素油中に、該炭化水素油とは異なる炭化水素油、特に該炭化水素油よりも重質な炭化水素油が混入しているか否かを、迅速かつ高精度に検知でき、さらに、炭化水素油の性状を常時監視することで、異種の炭化水素油の混入を迅速に検知することができるという、格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による炭化水素油の混入検知装置を説明するためのフロー図である。
【図2】データ処理部による演算の流れを説明するための図であり、(a)は電気抵抗値を用いた演算、(b)は電気抵抗値及び屈折率を用いた演算を示す。
【図3】インピーダンス測定部の一実施形態を模式的に示した断面図である。
【図4】屈折率測定部の一実施形態を模式的に示した断面図である。
【図5】炭化水素油中の重質炭化水素油の濃度と電気抵抗値との関係を示したグラフである。
【図6】炭化水素油中の重質炭化水素油の濃度と、屈折率に対する電気抵抗値の比との関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明による異種の炭化水素油の混入検知の流れを示したものであり、図2は、異種の炭化水素油として重質炭化水素油が混入したときの、データ処理部による演算の流れを示したものである。また、図3及び図4は、それぞれ、インピーダンス測定部及び屈折率測定部の断面を模式的に示したものである。
【0018】
<炭化水素油の混入検知装置>
本発明による炭化水素油の混入検知装置は、炭化水素油中に浸した電極に交流電圧を印加し、前記炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定部と、測定した電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより、異種の炭化水素油の混入を検知するデータ処理部とを備えることを特徴とする。
【0019】
上記構成を具えることで、電気抵抗値を把握することによって、従来の誘電率や比重等に基づく異種の炭化水素油の検出装置と比較して高精度に検知できることに加え、電気抵抗値が設定閾値以下であるか否かで判断しているため、迅速な検知が可能となる。
【0020】
(インピーダンス測定部)
本発明による炭化水素油の混入検知装置は、図1に示すように、前記炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定部10を備える。異種の炭化水素油、例えば重質炭化水素油が混入すると、分極電流が流れることによって、炭化水素油の電気抵抗は重質炭化水素油混入前よりも低くなり、同様に軽質の炭化水素油が混入した場合でも分極電流が流れることによって、前記電気抵抗は低くなる。そのため、本発明による装置では、電気抵抗値を異種の炭化水素油の混入検知の指標として用いることができる。
【0021】
インピーダンス測定部では、図3に示すように、検出対象の炭化水素油1は配管2を通してインピーダンス測定部10の電極部12へと流入され、電気抵抗の測定が行われる。前記インピーダンス測定部10の構成については、例えば図3に示すように、電極11を有する電極部12と、前記電極へ交流電圧を印加するための電気回路13を有する電気回路部14とからなる。前記インピーダンス測定部10では、炭化水素油の電気抵抗値の他に、印加する交流電圧に対する電圧値と位相を算出することにより、インピーダンス、誘電率、tanδなどを測定することもできる。
【0022】
インピーダンス測定部で測定した電気抵抗値については、信号ケーブル(図示せず)を介して、データ処理装置部20へと送信される。インピーダンス測定部10を通過した検出対象の炭化水素油1については、その後、配管2を通じて屈折率測定部30へと流入する。
【0023】
(屈折率測定部)
本発明による炭化水素油の混入検知装置は、図1に示すように、前記炭化水素油の屈折率を測定する屈折率測定部30を備える。屈折率は、炭化水素油ごとに一定の値(温度等の測定条件一定下で)であり、本発明が着目している異種の炭化水素油の微量な混入では大きくは変化しない。例えば、重質炭化水素油が1vol%混入しても、屈折率は0.3%程度しか変化しない。しかし、重質炭化水素油などの異種の炭化水素油が混入されると、その性状が変化することにより、屈折率もわずかに変化する。例えば重質炭化水素油が混入した場合、重質炭化水素油の屈折率は前記炭化水素油より高いため、重質炭化水素油が混入した前記炭化水素油の屈折率がわずかに高くなる。一方、電気抵抗値は、異種の炭化水素油の混入に対して鋭敏に変化するが、屈折率で電気抵抗値を割り返す(ノーマライズする)ことで、炭化水素油の違いや異種の炭化水素油の混入による炭化水素油の微妙な性状変化の影響を補正できるので、電気抵抗値だけよりも、異種の炭化水素油の混入量について精度がより高くなる。そのため、本発明による装置では、屈折率を前記電気抵抗値とともに、異種の炭化水素油の混入検知の指標として用いることが好ましい。
【0024】
屈折率測定部30では、図4に示すように、検出対象の炭化水素油1は前記インピーダンス測定部10から流入され、プリズムガラス31を用いて全反射角を測定することにより、屈折率の測定が行われる。前記屈折率測定部30の構成については、例えば図4に示すように、プリズムガラス31、光源32、温度制御手段33及びCCD34を備える。
【0025】
(データ処理部)
本発明による炭化水素油の混入検知装置は、図1に示すように、測定した前記電気抵抗値及び前記屈折率から、異種の炭化水素油の混入の有無を検知するためのデータ処理部20を備える。
【0026】
例えば異種の炭化水素油として重質炭化水素が混入した場合、前記データ処理部20は、図2(a)に示すように、前記インピーダンス測定部10で測定した電気抵抗値Rが、予め設定した閾値Ra以下である場合には重質炭化水素油の混入があったと判断し、一方、前記測定した電気抵抗値Rが閾値Raを超える場合には、重質炭化水素油の混入はないと判断する演算21(第1の演算)が行われる。
同様に、異種の炭化水素油として軽質な炭化水素油が混入した場合にも、閾値Ra以下である場合に、混入があったと判断される。
【0027】
さらに、図2(b)に示すように、第1の演算21において、前記インピーダンス測定部10で測定した電気抵抗値Rが予め設定した閾値Raよりも小さい場合、前記屈折率を用いた第2の演算22へと進むことが好ましい。第2の演算22では、例えば異種の炭化水素油として重質炭化水素が混入した場合、前記屈折率nに対する前記電気抵抗値R(R/n)が、屈折率の閾値naに対する前記電気抵抗の閾値Ra(Ra/na)以下である場合には、重質炭化水素油の混入があったと判断してデータ処理部から外部へアラームなどを出力する。一方、前記屈折率nに対する前記電気抵抗値R(R/n)が屈折率の閾値naに対する前記電気抵抗の閾値Raの比(Ra/na)を超える場合には、重質炭化水素油の混入はないと判定する。
同様に、異種の炭化水素油として軽質な炭化水素油が混入した場合にも、閾値の比(Ra/na)以下である場合に、混入があったと判断される。
【0028】
<炭化水素油>
本発明の装置による検知の対象となる炭化水素油としては、特に限定はされない。例えば、10容量%留出温度が35〜80℃、好ましくは36〜72℃、95容量%留出温度が230〜350℃、好ましくは200〜350℃、97容量%留出温度が250〜420℃、好ましくは250〜400℃の蒸留性状の炭化水素油を用いることができる。
【0029】
さらに、前記炭化水素油は、天然ガスコンデンセートであることが好ましい。前記天然ガスコンデンセートとは、天然ガス田より天然ガスの採取、精製を行う過程で得られる常温、常圧で液体の炭化水素油のことであり、油田から得られる一般の原油に比べて極めて軽質でナフサに近い性状である。前記天然ガスコンデンセートは、石油類の比重として欧米諸国で広く使われているAPI比重で50以上の軽質油で、かつ硫黄分が少ないことから、API比重20〜50で硫黄分0〜3%程度である原油よりもガソリンなどの軽質の石油製品を多く精製できる原料油である。ここで、API比重とは、APIが制定した比重表示方法(ボーメ度)であり、例えば、JIS K 2249(原油および石油製品の比重試験方法並びに比重・質量・容積換算表)の換算表に基づいて算出するか、必要に応じて比重 15/4℃から求めることができる。前記天然ガスコンデンセート中に異種の炭化水素油が混入した場合、貯蔵安定性や経済性が著しく悪化することから、本発明の作用(異種の炭化水素油の迅速かつ高精度な検知)によって大きな効果を奏する。なお、前記天然ガスコンデンセートとしては、例えば、中東産のサウスパースコンデンセート、ノースフィールドコンデンセートを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
また、前記炭化水素油については、1種類の炭化水素油を用いることもできるし、異なる性状を有する複数の炭化水素油を混合して、上記蒸留性状および硫黄分を有する炭化水素油としたものを用いることもできる。
【0031】
<異種の炭化水素油>
異種の炭化水素油とは、検知の対象となる炭化水素油中に混入し、該炭化水素油とは性状が異なる炭化水素油のことである。また、前記異種の炭化水素油の一例である重質炭化水素油については、前記炭化水素油よりもAPI比重が小さい炭化水素油のことをいう。
【0032】
<炭化水素油の混入検知方法>
次に、本発明による炭化水素油の混入検知方法について説明する。
本発明の炭化水素油の混入検知方法は、炭化水素油に交流電圧を印加して該炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定工程と、測定した電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより、異種の炭化水素油の混入を検知するデータ処理工程とを備えることを特徴とする。
【0033】
上記構成を具えることで、電気抵抗値を把握するによって、従来の誘電率や比重等に基づく炭化水素油の検出に比べて、高精度に検知できることに加えて、電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより判断しているため、迅速な検知が可能となる。
【0034】
また、本発明による炭化水素油の混入検知方法は、より高精度に検知を行える点から、前記炭化水素油の屈折率をさらに測定する屈折率測定工程をさらに備え、前記データ処理工程は、前記電気抵抗値が設定した閾値以下であるかに加えて、測定した屈折率に対する前記電気抵抗値の比が、設定した閾値以下であるか否かで、異種の炭化水素油の混入を検知することが好ましい。
【0035】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲の記載内容に応じて種々の変更を加えることができる。
【実施例】
【0036】
(実施例1)
試験用の炭化水素油(天然ガスコンデンセート、密度:0.7566g/cm3、屈折率:1.4161、電気抵抗値:20MΩ以上)に対して、種々の混入量(vol%)の原油(アラビアンヘビー、密度0.891 g/cm3、硫黄分2.8mass%)を加えた後に電気抵抗値の測定を行った。なお、交流電圧の印加周波数は100Hzとした。
そして、重質炭化水素油の混入量(vol%)と、電気抵抗値(Ω)との関係について、グラフを作成した(図5)。
【0037】
図5の結果から、重質炭化水素油が混入していない炭化水素油は電気抵抗が20MΩ以上であるのに対し、重質炭化水素油が混入すると分極電流が流れ、0.2vol%の混入で電気抵抗値が17.2MΩとなり、さらに、重質炭化水素油の混入量が27vol%で電気抵抗値が99kΩとなった。
従って、本発明で測定される電気抵抗値は、重質炭化水素の混入量によってオーダー単位で鋭敏に大きく変化するので、電気抵抗値を測定することは、重質炭化水素油の混入の有無を判断する指標として有効である。予め電気抵抗値の閾値Raを設定しておけば、電気抵抗値Rが、予め設定した閾値Ra以下である場合には重質炭化水素油の混入があったと判断することができる。例えば、実施例1の場合、閾値Raを17.2MΩに設定しておけば、重質炭化水素油が0.2vol%混入したとき、重質炭化水素油の混入を検知できる。
本発明によれば、炭化水素油中に、該炭化水素油とは異なる炭化水素油、特に該炭化水素油よりも重質炭化水素油が混入しているか否かを、迅速かつ高精度に検知でき、さらに、該炭化水素油の特定の特性を常時監視することで、重質炭化水素油の混入を迅速に検知することができる。例えば、0.2vol%程度の混入でも、検知することができる。
【0038】
(実施例2)
次に、実施例1と同じ条件で、試験用の炭化水素油に対して、種々の混入量(vol%)の原油を加え、電気抵抗値の測定に加えて、屈折率の測定を行った。そして、重質炭化水素油の混入量(vol%)と、屈折率に対する電気抵抗値の比(屈折率nに対する前記電気抵抗値Rの比(R/n))との関係について、グラフを作成した(図6)。
【0039】
図6の結果から、重質炭化水素油が0.2vol%混入すると、R/nは12×106であり、1.0vol%混入するとR/nは2.7×106であった。例えば、屈折率の閾値naに対する前記電気抵抗の閾値Raの比(Ra/na)を、12×106に設定しておけば、0.2vol%の混入であっても重質炭化水素油の混入を確実に検知できる。
さらに低い混入量を検知したい場合は、検知したい混入量に応じたRa/naをあらかじめ設定しておくことで、さらに微量な混入量を検知できる。本発明によれば、電気抵抗値と屈折率の測定とR/nの算定を連続的に行える(モニタできる)ので、例えば検知したい混入量に応じたRa/naを設定しておくことで、微量な混入量であっても瞬時に精度よく検知できる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、炭化水素油中に、該炭化水素油とは異なる炭化水素油、特に該炭化水素油よりも重質な炭化水素油が混入しているか否かを、迅速かつ高精度に検知できる。
【符号の説明】
【0041】
1 炭化水素油
2 配管
10 インピーダンス測定部
11 電極
12 電極部
13 電気回路
14 電気回路部
20 データ処理部
21 第1の演算
22 第2の演算
30 屈折率測定部
31 プリズムガラス
32 光源
33 温度制御手段
34 CCD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素油中に浸した電極に交流電圧を印加し、前記炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定部と、
測定した電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより、異種の炭化水素油の混入を検知するデータ処理部と、
を備えることを特徴とする炭化水素油の混入検知装置。
【請求項2】
前記炭化水素油の屈折率を測定する屈折率測定部をさらに備え、
前記データ処理部は、前記電気抵抗値が設定した閾値以下であるかに加えて、測定した屈折率に対する前記電気抵抗値の比が、設定した閾値以下であるか否かで、異種の炭化水素油の混入を検知することを特徴とする請求項1に記載の炭化水素油の混入検知装置。
【請求項3】
前記交流電圧の印加周波数は、1Hz〜1kHzの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化水素油の混入検知装置。
【請求項4】
前記炭化水素油は、天然ガスコンデンセートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化水素油の混入検知装置。
【請求項5】
炭化水素油に交流電圧を印加して該炭化水素油の電気抵抗を測定するインピーダンス測定工程と、
測定した電気抵抗値が設定した閾値以下であるか否かにより、異種の炭化水素油の混入を検知するデータ処理工程と、
を備えることを特徴とする炭化水素油の混入検知方法。
【請求項6】
前記炭化水素油の屈折率をさらに測定する屈折率測定工程をさらに備え、
前記データ処理工程は、前記電気抵抗値が設定した閾値以下であるかに加えて、測定した屈折率に対する前記電気抵抗値の比が、設定した閾値以下であるか否かで、異種の炭化水素油の混入を検知することを特徴とする請求項5に記載の炭化水素油の混入検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−215453(P2012−215453A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80450(P2011−80450)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】