説明

炭疽菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

【解決手段】 配列番号5から得られる核酸配列を持ち、炭疽菌に特徴的な核酸配列を増幅し得る部位を1つ以上含むオリゴヌクレオチド。配列番号1及び配列番号3から得られる核酸配列を持っていない該オリゴヌクレオチド。バチラスセレウス又はバチラスチュウリンジェンシスに由来する核酸配列を増幅し得る部位を持っていない該オリゴヌクレオチド。配列AATCGTAATATTAAACTGACG又は配列CCTTCATACGTGTGAATGTTGである該オリゴヌクレオチド。上記のいずれかを2種類組み合わせたプライマーセットを用いて、検体中に炭疽菌に特異的なgyrBが存在するか否かを決定して炭疽菌の検出を行う方法。
【効果】 炭疽菌のgyrB遺伝子を特異的に増幅して、他のバチラス属およびバチラス属以外の菌株から区別、同定できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭疸菌(Bacillus anthracis)に特徴的な核酸標的配列の増幅のためのオリゴヌクレオチドプライマーに関する。本発明は、DNAジャイレースサブユニットB遺伝子(gyrB)特異的プライマーを用いたポリメラーゼチェインリアクション(PCR)による炭疽菌の検出に関する。本発明は、検体中のバチラスセレウスをバチラスセレウスをバチラスチュウリンジエンシスおよび炭疽菌と遺伝子レベルで区別して検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭疸菌はグラム陽性桿菌で胞子を形成するため耐熱性を示す。また、炭疸菌は人畜共通感染症である炭疸の病原体であり、臨床的に重要である。
【0003】炭疸菌を単離、同定するには、通常、Mannitol Egg−yolkPolymyxin(MYP)寒天培地やNaCl Glycine Kimand Goepfert(NGKG)寒天培地に卵黄液を加えた選択培地を用い、卵黄反応を生じた集落を陽性とする。さらに、硝酸塩還元、クエン酸塩利用、ゼラチン分解性、VP反応、ブドウ糖分解は陽性で、マンニット、アラビノース、キシロース分解は陰性であることを確認しなければいけない。
【0004】上記確認試験での性状は、炭疸菌と類縁菌であるバチラスチュウリンジェンシス(Bacillu thuringiensis)、バチラスチュウセレウス(Bacillus cereus)、バチラスマイコイデス(Bacillus mycoides)でも同じである。バチラスセレウスと炭疸菌の区別は、前者が運動性を示すのが多いのに対し、後者は非運動性でガンマファージによる溶菌が起こる。前者が羊血球に対する溶血性、チロシン分解を示すのに対し、後者は示さない。
【0005】バチラスセレウスとバチラスマイコイデスは、バチラスマイコイデスが非運動性で溶血性、チロシン分解陰性で足根状集落を形成することで区別できる。これら確認試験は判定までに時間がかかり、多くの労力を要する。
【0006】類縁菌であるバチラスチュウリンジェンシスは、殺虫性タンパク質を産生する点でバチラスセレウスと区別されているが、その他の生化学的性状はバチラスセレウスと同一である。現在の分類では、この殺虫性タンパク質が顕微鏡で確認されたものをバチラスチュウリンジェンシスとすることとしているが、血清型での両者の区別も明確でない。また、バチラスチュウリンジェンシスの中には、バチルスセレウス様のエンテロトキシンを産生するという報告もある〔WorldJ.Microbiol.Biotechnol.10(1994)p406−409〕。バチラスセレウスとバチルスチュウリンジェンシスの間では、プラスミドの受け渡しが行われるという報告があることから〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA79(1982)p6951−6955〕、恐らく、もともとバチラスセレウスであったものに、殺虫性タンパク質をコードするプラスミドがなんらかの影響を受けて導入されたものと推測される。従って、殺虫性タンパク質の有無による現在の分類でバチラスチュウリンジェンシスとされているものの中にも、食中毒を起こす可能性のある菌が存在することが考えられる。また、バチラスチュウリンジェンシスは生物農薬として土壌に散布されており、上記の理由からも安全性が危惧される。このような背景のもと、殺虫性タンパク質とは別の観点から、バチラスセレウスとバチルスチュウリンジェンシスを区別する必要がでてきた。
【0007】一方、バチラスセレウスの毒素については、下痢性のエンテロトキシンはクローン化され塩基配列が決定されている〔Microbioligy,14(1995),p983−988〕。しかし、下痢性のエンテロトキシンはこれだけかどうかは明らかでない。このエンテロトキシンに対応するキットも市販されているが、バチラスセレウスのエンテロトキシンが全て明らかにされていないため、十分な評価は受けていない〔Appl.Environ.Microbiol.,60(1994),p4614−4616〕。一方、嘔吐型毒素はサイクリックペプチドという報告がある〔Int.J.Food Microbiology28(1995),p129−144〕。また、バチラスセレウスの中には毒素を産生しないものもあり、毒素のみを指標としたバチラスセレウスの検出は確実でない。
【0008】また、遺伝子レベルでの解析に用いられている16S rRNAでは、バチラスセレウスと炭疸菌は99%以上の相同性を示すため、これは同定の指標となり得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】いわゆるバチラスセレウスグループにはバチラスセレウスはじめバチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌、バチラスマイコイデスが含まれている。その際、人畜に対する危険性を考慮すると、バチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌は毒素を産出する好ましくない菌である。一方バチラスマイコイデスはそのような毒素を産出しないため、前述の3種とは安全性の面から区別してもよいと考えられ、上記のようにバチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌を検出できることは大きな意義があると思われる。例えば、セレウスグループの食中毒関連菌を食品から検出する場合、危険性を考慮してセレウス特異的なプライマーだけでなく、チュウリンジェンシスおよび炭疽菌特異的プライマーを用いて検出することにより、安全性を確実に確認できる。本発明は、炭疽菌を他の微生物と区別できる検査法の提供を目的とする。炭疽菌特異的プライマーにより、DNAの抽出操作をしなくても、菌から炭疽菌特異的な245bpのyrB遺伝子断片をPCR法により検出する方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、配列番号5から得られる核酸配列を持ち、炭疽菌に特徴的な核酸配列を増幅し得る少なくとも一つの部位を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチドであることを要旨としている。また本発明は、配列番号5から得られる核酸配列を持ち、配列番号1及び配列番号3から得られる核酸配列を持っていない、炭疽菌に特徴的な核酸配列を増幅し得る少なくとも一つの部位を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチドであることを要旨としている。さらにまた本発明は、配列番号5から得られる核酸配列を持ち、配列番号1及び配列番号3から得られる核酸配列を持っていない、炭疽菌に特徴的な核酸配列を増幅し得る少なくとも一つの部位を含むが、バチラスセレウスまたはバチラスチュウリンジェンシスに由来する核酸配列を増幅し得る部位を持っていないことを特徴とするオリゴヌクレオチドであることを要旨としている。好ましくは本発明は、配列番号11または配列番号12で示される核酸配列を持っているオリゴヌクレオチドであることを要旨としている。配列番号2のアミノ酸配列は、上記配列番号1の核酸配列がコードするアミノ酸配列であり、配列番号4のアミノ酸配列は、配列番号3の核酸配列がコードするアミノ酸配列であり、配列番号6のアミノ酸配列は、配列番号5の核酸配列がコードするアミノ酸配列である。
【0011】本発明は、上記のいずれかのオリゴヌクレオチドを2種類組合せたプライマーセットを用いて、検体中のDNAジャイレースサブユニットB遺伝子配列を標的とし、当該標的遺伝子を選択的に増幅させ、検体中に炭疽菌に特異的なgyrBが存在するか否かを決定することで、炭疽菌の検出を行う方法であることを要旨としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、炭疽菌に特異的な核酸標的配列の在否を決定するために有用なオリゴヌクレオチドプライマーを基礎とするが、そのような決定を行うための方法は、PCRを用いた遺伝子増幅法にとどまらず、従来技術であるサザンハイブリダイゼーション法等のプローブとしての使用も含む。
【0013】本発明において、「プライマー」は、標的核酸配列へのハイブリダイズを許す特異的ヌクレオチド配列をデザインまたは生物学的に生産されたオリゴヌクレオチドである。プライマーは、ポリメラーゼまたは同様な酵素により、伸長合成されて完全な標的核酸配列にハイブリダイズすることができる。プライマーは、核酸配列増幅法、例えばPCR法及び鎖置換増幅(SDA)において利用される。特定のプライマーに、特にSDA技術において有用なものは、標的核酸にハイブリダイズ可能な配列に加えて、制限エンドヌクレアーゼの認識配列、及びポリメラーゼまたはポリメラーゼ様活性を継続する他の酵素がそれ自身その鋳型特異的オリゴヌクレオチド合成の開始を指示するための任意の配列を含む。
【0014】本発明において、「ハイブリダイゼーション」は、予め決定された反応条件下にて、部分的または完全に相補的な核酸鎖が、逆平行(アンチパラレル)様式にて向かい合うようにして、特異的かつ安定な水素結合により、二本鎖の核酸を形成する工程である。
【0015】本発明の炭疽菌に特徴的な核酸標的配列の増幅のためのオリゴヌクレオチドプライマーは、好ましくは配列番号11および配列番号12を含み、そしてこれらはプライマーセットとして、炭疽菌に特徴的な核酸標的配列の在否の決定に関する方法に使用する。炭疽菌特異的プライマーにより、DNAの抽出等の操作なしで、菌からの炭疽菌特異的な245bpのgyrB遺伝子断片が、PCR法により検出できる。本発明のプライマーは、バチラスセレウスのgyrB遺伝子配列に特異的である。プローブは、プライマー増幅産物内の内部コンセンサス配列に特異的である。
【0016】上記配列番号11または配列番号12で示される核酸配列を持つオリゴヌクレオチドを組み合わせたプライマーセットの製造方法について説明する。高特異性プローブとして、DNAジャイレース(トポイソメラーゼII)のBサブユニットタンパク質をコードするgyrB遺伝子を用いる。gyrB遺伝子を直接塩基配列を決定したユニバーサルプライマーでPseudomonasputidaを検出、分類する方法が報告されている〔Appl.Environ.Microbiol.,61(1995),p1104−1109〕。これらのユニバーサルプライマーは、種々のグラム陽性菌、陰性菌に共通であり、gyrB遺伝子の一部がPCR法により増幅された。
【0017】これら既存のプライマーを用いて、バチラスセレウスJCM2152、バチラスチュリンジエンシスIAM12077、炭疸菌Pasteur no.2−H〔Journal of General Microbiology,131(1985),p363〕の塩基配列を示した。
【0018】更に、バチラスセレウスのgyrB遺伝子のみを増幅し、同定できるPCRプライマーを作製した。これらバチスルセレウス特異的プライマーの感度を調べるため、15株のバチラスセレウスとバチラスチュウリンジエンシス、炭疸菌、バチラスマイコイデス、枯草菌、バチラスブレビス、大腸菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオについて検討した。
【0019】山本、原山〔Appl.Environ.Microbiol.,61(1995),p1104−1109〕らは、DNAジャイレースBサブユニットの保存された部位2箇所から、gyrB遺伝子の一部を増幅させるPCRプライマーを作製した。これらのプライマーを用いて、種々の細菌から約1.2kbのgyr遺伝子部分が増幅された。
【0020】バチラスセレウスJCM2152、バチラスチュウリンジエンシスIAM12077と炭疸菌Pasteur no.2−Hから増幅された1.2kbのgyrB遺伝子を、遺伝子組換えの常法(Sambrook et al.,Molecular cloning: a laboratorymanual,2nd ed.,Cold Spring Harbour,New York.1989)に従って、適当なベクターにクローン化した。
【0021】好ましいベクターとしてpGEMzf(+)があげられるが、一般的なベクターであれば適宜選択して用いることができる。
【0022】有効なプライマーを作製するため、PCR法により増幅した1.2kbのバチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシスと炭疸菌のgyrB遺伝子を、pGEMzf(+)にクローン化し、gyrB遺伝子領域をDNAシーケンサーを用いて、常法に従って決定した。
【0023】gyrB遺伝子の塩基配列を決定するため、増幅断片の5′、3′部分をUP−1S、UP−2Srプライマー〔山本、原山Appl. Environ.Microbiol.,61(1995),p1104−1109〕を用いて、決定した。この場合、これらプライマーから決定できる塩基配列の領域は限られているため、得られた配列をもとに新たなプライマーを作製し、更に別の領域の塩基配列を決定した。配列番号1にバチラスセレウスJCM2152を、配列番号3にバチラスチュウリンジエンシスを、配列番号5に炭疸菌Pasteurno.2−HのgyrB遺伝子の塩基配列を示す。
【0024】この塩基配列の情報を用いて、バチラスセレウスを他の細菌から検出、同定する21merのプライマーを作製した。このプライマーは配列番号7及び配列番号8で示される核酸配列を持つオリゴヌクレオチドであり、プライマーセットとして利用可能である。
【0025】これらの新規のプライマーは、既存のPCRを用いたアッセイ法〔Saikiet al.,Science239(1988),p487−491〕において有用である。このプライマーは、サンプル中の目的とするDNAを増幅するのに用いる。増幅段階に続いて検出段階は、DNA検出に有効な方法であればどんな方法でもよい。例えばアガロースゲル電気泳動し、エチジュウムブロマイド染色する方法もある。
【0026】目的とするDNAはテンペレートとして機能する。サンプル中のテンペレートDNAの増幅は、プライマーがテンペレートの相補的な領域に結合し、そこからテンペレートを鋳型にDNA伸長が起こる。この伸長したDNAは、さらにプライマーのテンペレートとして機能する。このプロセスはDNAの変性、プライマーとテンペレートとのアニーリング、DNAポリメラーゼ(例、Taqポリメラーゼ)によるプライマーからの伸長のサイクルを繰り返し、2組のプライマーを用いることで最終的には、ある一定の長さの2本鎖のDNAが検出に必要な量まで増幅される。
【0027】しかしながら、プライマーに相補的な配列をテンペレートDNAが持っていない場合は、この一定の長さの2本鎖のDNAが生成されず、サンプル中に目的とするテンペレートがないと判定できる。すなわち、サンプル中に対象とする微生物の存在を否定できる。プライマーセット<BC1(配列番号7)、BC2(配列番号8)>はgyrB遺伝子の一部365bpの配列を増幅する。JCM、IAM、IFO、ATCCのコレクションから得たバチラスセレウス15株に365bpの増幅断片が確認された。
【0028】一方、炭疽菌と生化学的性状が極めて類似している、バチラスセレウス、バチラスチュリンジエンシス、バチラスマイコイデスでは増幅断片が確認されなかった。これらの知見から、本発明のプライマーは、炭疽菌に特異的であり、この食中毒菌を検出するのに用いることができる。
【0029】同様に、大腸菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオの標準株についても、gyrBの存在は認められたが、バチラスセレウス特異的365bpの増幅断片は確認されなかった。
【0030】バチラスセレウス株の中にはバチラスセレウス特異的プライマーを用いても、PCR後の電気泳動で365bpのバンドは検出されないものもあった。
【0031】それらの株について、gryB遺伝子を指標として、新たにバチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌にそれぞれ特異的な21〜24merのプライマーを作成した。バチラスチュウリンジエンシス特異的プライマーは配列番号9及び配列番号10で示される核酸配列を持つオリゴヌクレオチドであり、炭疽菌特異的プライマーは配列番号11及び配列番号12で示される核酸配列を持つオリゴヌクレオチドである。PCR後、ゲル電気泳動しエチジウムブロマイド染色すると、バチラスチュウリンジエンシスは368bp、炭疽菌は245bpのバンドが検出できる。
【0032】バチラスセレウス特異的プライマーで検出できなかったバチラスセレウス株について、バチラスチュウリンジエンシスないし炭疽菌特異的プライマーでPCRを行ったところ、いずれかのプライマーで検出できた。つまりはgryB遺伝子を指標に、バチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌を遺伝子レベルで区別できた。バチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌を検出できることは大きな意義があると思われる。
【0033】
【実施例】本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0034】実施例1プライマーセット<BC1(配列番号7)、BC2(配列番号8)>はgyrB遺伝子の一部365bpの配列を増幅する。このプライマーセットの感度を調べるため、表1に示したJCM、IAM、IFO、ATCCのコレクションから得た15株のバチラスセレウスとバチラスチュウリンジエンシス、炭疸菌、バチラスマイコイデス、枯草菌、バチラスブレビス、大腸菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオについて検討した。
【0035】《PCR法によるアッセイ》
サンプル調製DNAを抽出しない、菌をテンペレートに用いた場合を試験した。この場合NaCl Glycine Kim and Goepfert(NGKG)寒天培地(日水製薬製)に卵黄液を加えた選択培地か、トリプトソイブイヨン寒天培地(栄研化学製)で、35℃1晩培養した新鮮な菌を試験に供した。液体培地で生育した菌を用いる場合には、遠心分離等により菌を分離し、PBS緩衝液(pH7.5)に一度洗浄し、適当な菌数を用いた。滅菌水50μlに菌量1コロニー程度懸濁し、95℃で10分間熱処理を行う。
【0036】PCRの増幅条件PCRアッセイは、DNA Thermal Cycler(PerkinElmer)で行った。上記熱処理菌液5μlに、反応液10μl(Tris−HCl 100mM,MgCl2 15mM,KCl 500mM,pH 8.3、濃度は最終濃度を示す。)を加える。この液はゲノムDNA100ng以上、200μMのdNTP、1μMのプライマーを含む。DNA変性は94℃、60秒、アニーリングは58℃、60秒、DNA伸長反応は72℃、120秒間で30サイクル繰り返した。
【0037】PCR産物の検出増幅に次いで、検出はゲル電気泳動によって行った。PCRサンプル12μlをアガロースゲル(3%アガロース、Nusieve GTG Agarose,FMC Bioproducts,Rockland)に供した。DNAのバンドは、エチジウムブロマイド溶液で10分間染色後、紫外線照射して観察し、確認した。結果を表1に示す。表1中、菌株番号(Strain number)の寄託機関の略称は以下の通りである。
ATCC:American Type CultureCollectionJCM:Japan Collection ofMicrorganismsIFO:Institute for Fermentation,OsakaIAM:Institute of AppliedMicrobiology
【0038】
【表1】


【0039】表1に示すとおり、これらバチラスセレウスの15株全てに、365bpの増幅断片が確認された。一方、バチラスセレウスと生化学的性状が極めて類似している、バチラスチュリンジエンシス、炭疸菌、バチラスマイコイデスでは増幅断片が確認されなかった。同じバチラス属の枯草菌、バチラスブレビスについても増幅断片が確認されなかった。これらの知見から、本発明のプライマーは、バチラスセレウスに特異的であり、この食中毒菌を検出するのに用いることができる。同様に、大腸菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオの標準株についても、gyrBとバチラスセレウス特異的な365bpの検出を行った。結果を表1に示した。表1に示したように、いずれの株においても、gyrBの存在は認められたが、バチラスセレウス特異的365bpの増幅断片は確認されなかった。
【0040】実施例2バチラスセレウス株の中にはバチラスセレウス特異的プライマーを用いても、PCR後の電気泳動で365bpのバンドは検出されないものもあった。
【0041】それらの株について、gryB遺伝子を指標として、新たにバチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌にそれぞれ特異的な21〜24merのプライマーを作成した。バチラスチュウリンジエンシス特異的プライマーは配列番号9及び配列番号10で示される核酸配列を持つオリゴヌクレオチドであり、炭疽菌特異的プライマーは配列番号11及び配列番号12で示される核酸配列を持つオリゴヌクレオチドである。PCR後、ゲル電気泳動しエチジウムブロマイド染色すると、バチラスチュウリンジエンシスは368bp、炭疽菌は245bpのバンドが検出できる。
【0042】バチラスセレウス特異的プライマーで検出できなかったバチラスセレウス株について、バチラスチュウリンジエンシスないし炭疽菌特異的プライマーでPCRを行ったところ、いずれかのプライマーで検出できた。つまりはgryB遺伝子を指標に、バチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌を遺伝子レベルで区別できた。表2に、gryBを指標としたバチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌特異的プライマーを用いたPCRの結果を示す。供試株は、バチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌、バチラスマイコイデスの標準株およびバチラスセレウス特異的プライマーで検出できなかった株を含むバチラスセレウス血清型、野生株である。
【0043】
【表2】


【0044】ただし、この遺伝子レベルでの分類は、現状の生化学分類と必ずしも一致しない。生化学分類では、バチラスセレウスとバチラスチュウリンジエンシスとの相違点は、殺菌性タンパク質生産の有無のみであり、バチラスチュウリンジエンシスが殺菌性タンパク質を生産する。炭疽菌のみが、γファージによって溶菌するのが特徴である。今回の試験のように、遺伝子レベルでの結果と生化学レベルでの結果が必ずしも一致しない場合は、現状では、生化学的指標の方が優先され、遺伝子レベルで炭疽菌になったからといって、その株が即病原菌性の非常に強い炭疽菌になるとは限らない。いわゆるバチラスセレウスグループにはバチラスセレウスはじめバチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌、バチラスマイコイデスが含まれている。その際、人畜に対する危険性を考慮すると、バチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌は毒素を産出する好ましくない菌である。一方バチラスマイコイデスはそのような毒素を産出しないため、前述の3種とは安全性の面から区別してもよいと考えられ、上記のようにバチラスセレウス、バチラスチュウリンジエンシス、炭疽菌を検出できることは大きな意義があると思われる。
【0045】
【発明の効果】炭疽菌のgyrB遺伝子に特異的に反応して、他のバチラス属やバチラス属以外の菌株から区別、同定できるようなプライマーを提供することができた。炭疽菌特異的プライマーにより、DNAの抽出等の操作なしに、菌から炭疽菌特異的な245bpのgyr遺伝子断片をPCR法により検出できる。検体中の炭疽菌をバチラスセレウスおよびバチラスチュウリンジエンシスと遺伝子レベルで区別して検出することができる。
【配列表】
配列番号:1配列の長さ:1212配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列 CATGCAGGAG GCAAATTTGA CGGTGGCGGT TATAAAGTTT CTGGTGGTTT ACATGGTGTT 60 GGGGCATCGG TTGTAAATGC TCTATCAACA GAATTAGAAG TATTTGTACA TCGTGAAGGT 120 AAAATCCATT ACCAAAAATA CGAAAGAGGT ATTCCGGTTG CGGATTTAAA AGTCATTGGT 180 GACACCGATC AAACAGGAAC AATAACTCGA TTTAAACCAG ATCCGGAAAT TTTCCAAGAA 240 ACAACAGTAT ACGATTTTGA TACGCTAGCA ACTCGTATGC GTGAATTAGC GTTTTTAAAT 300 CGTAATATTA AATTAACAAT TGAAGATAAA CGTGAACGTA AGCAAAAGAA AGAATTCCAT 360 TACGAAGGTG GAATTAAATC ATACGTTGAG CATTTAAATC GCTCAAAACA ACCGATTCAT 420 GAAGAGCCTG TGTACGTAGA AGGTTCAAAA GATGGTATTC AGGTTGAGGT TTCTCTTCAA 480 TATAACGAAG GATACACAAA TAATATTTAC TCATTTACGA ATAACATCCA TACGTATGAA 540 GGTGGTACAC ATGAGGTAGG TTTTAAAACA GCTTTAACTC GTGTAATCAA CGACTATGGT 600 CGTAAAAATA GCATTTTAAA AGATGCGGAC AGTAATTTAA CTGGTGAGGA TGTTCGTGAA 660 GGTTTAACAG CAATTGTATC AATCAAGCAT CCAAATCCAC AATTTGAAGG ACAAACGAAG 720 ACAAAACTTG GGAATAGTGA AGCGAGAACA ATTACAGAGT CTGTATTCTC AGAGGCATTT 780 GAAAAGTTCT TACTAGAAAA TCCTAATGTA GCGCGAAAAA TTGTAGAAAA AGGTACGATG 840 GCTGCACGTG CACGTGTAGC TGCGAAAAAA GCGCGTGAAT TGACACGTCG AAAGAGTGCG 900 TTAGAAGTTT CAAGTTTACC TGGTAAATTA GCTGATTGCT CTTCGAAAGA TCCAGCAATT 960 AGTGAAATTT ACATCGTAGA GGGTGACTCT GCGGGTGGAT CTGCAAAACA AGGACGCGAT 1020 CGTCATTTCC AAGCAATTTT ACCGCTGAAG GGTAAAATTA TTAATGTGGA AAAGGCGCGC 1080 TTAGATAAGA TTTTATCAAA TGATGAAGTT CGTACAATTA TTACGGCAAT CGGTACAAAT 1140 ATTGGTGGAG ACTTCGATAT TGAAAAAGCA CGCTATCATA AAGTTATTAT CATGACAGAT 1200 GCAGACGTGG AC 1212配列番号:2配列の長さ:404配列の型:アミノ酸トポロジー:直鎖状配列の種類:配列 HAGGKFDGGG YKVSGGLHGV GASVVNALST ELEVFVHREG KIHYQKYERG IPVADLKVIG 60 DTDQTGTITR FKPDPEIFQE TTVYDFDTLA TRMRELAFLN RNIKLTIEDK RERKQKKEFH 120 YEGGIKSYVE HLNRSKQPIH EEPVYVEGSK DGIQVEVSLQ YNEGYTNNIY SFTNNIHTYE 180 GGTHEVGFKT ALTRVINDYG RKNSILKDAD SNLTGEDVRE GLTAIVSIKH PNPQFEGQTK 240 TKLGNSEART ITESVFSEAF EKFLLENPNV ARKIVEKGTM AARARVAAKK ARELTRRKSA 300 LEVSSLPGKL ADCSSKDPAI SEIYIVEGDS AGGSAKQGRD RHFQAILPLK GKIINVEKAR 360 LDKILSNDEV RTIITAIGTN IGGDFDIEKA RYHKVIIMTD ADVD 404配列番号:3配列の長さ:1212配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列 CATGCTGGTG GGAAATTCGA CGGTGGCGGT TATAAAGTTT CTGGTGGTTT GCACGGTGTT 60 GGTGCATCTG TTGTAAATGC CTTATCAACA GAATTAGAAG TATTTGTACA TCGTGATGGC 120 AAAATCCATT ACCAAAAATA CCAAAGAGGT ATTCCGGTTG CAGATTTAAA AGTCATCGGT 180 GATACAGATA AGACTGGAAC AATAACTCGC TTTAAACCGG ATCCAGAAAT TTTTAAAGAG 240 ACGACAGAAT ATGAATTCGA TACGCTCGCG ACTCGTGTGC GTGAGTTGGC GTTTTTAAAT 300 CGTAATATTA AATTAACAAT TGAAGATAAA CGTGAACATA AGCAAAAGAA AGAGTTCCAC 360 TATGAAGGTG GAATTAAATC ATATGTTGAA CATTTAAATC GTTCAAAACA ACCAATTCAT 420 GAAGAGCCTG TATATGTAGA AGGTTCAAAA GATGGTATTC AAGTTGAAGT TGCGCTTCAA 480 TATAACGAAG GATATACAAA TCATATTTAC TCATTTACAA ATAATATTCA TACGTATGAA 540 GGTGGTACAC ATGAGGTAGG ATTTAAAACT GCCTTAACAC GTGTTATTAA CGATTATGGT 600 CGTAAAAATA ACATTTTAAA AGATGCGGAT AGTAATTTGA CTGGTGAAGA TGTTCGTGAA 660 GGTTTAACAG CAATCGTGTC AATTAAACAT CCAAATCCAC AATTTGAAGG GCAAACGAAG 720 ACGAAACTTG GAAATAGTGA AGCGAGAACG ATTACGGAGT CAGTATTCTC TGAGGCTTTT 780 GAAAAATTCT TACTGGAAAA TCCCAATGTT GCACGTAAGG TTGTAGATAA AGGGACGATG 840 GCAGCACGTG CGCGTGTAGC AGCTAAAAAG GCTCGTGAGC TAACTCGCCG AAAGAGTGCT 900 TTAGAAGTTT CAAGTTTACC AGGGAAATTG GCAGATTGTT CTTCTAAAGA TCCAGCAATT 960 AGTGAAATTT ATATCGTAGA GGGTGACTCT GCGGGTGGAT CTGCAAAACA AGGACGCGAT 1020 CGTCATTTTC AAGCAATTTT ACCGCTGAAG GGTAAAATTA TTAATGTTGA AAAGGCACGC 1080 TTAGATAAGA TTTTATCAAA TGATGAAGTT CGTACAATTA TTACGGCGAT TGGTACAAAT 1140 ATTGGTGGGG ACTTCGATAT CGAAAAAGCA CGCTATCATA AAGTTATTAT TATGACCGAC 1200 GCCGACGTTG AT 1212配列番号:4配列の長さ:404配列の型:アミノ酸トポロジー:直鎖状配列の種類:配列 HAGGKFDGGG YKVSGGLHGV GASVVNALST ELEVFVHRDG KIHYQKYQRG IPVADLKVIG 60 DTDKTGTITR FKPDPEIFKE TTEYEFDTLA TRVRELAFLN RNIKLTIEDK REHKQKKEFH 120 YEGGIKSYVE HLNRSKQPIH EEPVYVEGSK DGIQVEVALQ YNEGYTNHIY SFTNNIHTYE 180 GGTHEVGFKT ALTRVINDYG RKNNILKDAD SNLTGEDVRE GLTAIVSIKH PNPQFEGQTK 240 TKLGNSEART ITESVFSEAF EKFLLENPNV ARKVVDKGTM AARARVAAKK ARELTRRKSA 300 LEVSSLPGKL ADCSSKDPAI SEIYIVEGDS AGGSAKQGRD RHFQAILPLK GKIINVEKAR 360 LDKILSNDEV RTIITAIGTN IGGDFDIEKA RYHKVIIMTD ADVD 404配列番号:5配列の長さ:1212配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列 CATGCTGGGG GAAAATTTGA CGGCGGCGGT TATAAAGTTT CTGGTGGTTT GCATGGTGTT 60 GGGGCATCTG TAGTAAATGC TCTATCAACA GAACTAGAGG TATTTGTACA TCGTGAAGGT 120 AAAATCCATT ATCAAAAATA CGAAAGAGGT ATTCCGGTTG CGGATTTAAA AGTCATTGGT 180 GATACAGATC AAACGGGAAC GATAACTCGA TTTAAACCAG ATCCAGAAAT TTTTCAGGAA 240 ACAACAGTAT ACGAATTTGA TACACTAGCA ACTCGTATGC GTGAATTAGC ATTTTTAAAT 300 CGTAATATTA AACTGACGAT TGAAGATAAA CGTGAACATA AGCAAAAAAA AGAATTCCAT 360 TGTGAAGGTG GAATTAAATC ATATGTTGAG CATTTAAACC GCTCAAAACA ACCAATCCAT 420 GAAGAGCCTG TATATGTAGA AGGATCAAAA GATGGTATTC AAGTTGAAGT TTCCTTACAG 480 TATAACGAAG GATATACAAA TAATATTTAC TCATTTACGA ACAACATTCA CACGTATGAA 540 GGTGGAACAC ATGAAGTAGG GTTTAAAACA GCTTTAACTC GTGTGATTAA CGATTATGGG 600 CGTAAAAATA GTATTCTAAA AGATGCAGAC AGTAATTTAA CTGGTGAGGA CGTTCGTGAA 660 GGTTTAACTG CAATTGTATC AATTAAACAT CCAGATCCAC AATTTGAAGG ACAAACGAAG 720 ACGAAACTTG GGAATAGTGA AGCGAGAACG ATTACAGAGT CTGTGTTTTC AGAGGCATTT 780 GAAAAGTTCT TACTAGAAAA CCCGAACGTT GCACGAAAAA TCGTAGAAAA AGGTACGATG 840 GCAGCGCGTG CACGTGTTGC AGCGAAAAAA GCACGTGAAT TGACACGTCG TAAGAGCGCG 900 TTAGAAGTTT CAAGTTTACC TGGTAGATTA GCAGATTGCT CTTCAAAAGA TCCAGCAATT 960 AGTGAAATTT ACATTGTAGA GGGTGACTCT GCCGGTGGAT CAGCAAAGCA AGGGCGTGAT 1020 CGTCACTTCC AAGCGATTTT ACCACTGAAA GGTAAAATTA TTAACGTTGA AAAGGCAAGA 1080 TTAGATAAAA TCTTATCTAA CGATGAAGTG CGTACAATTA TTACTGCAAT TGGTACGAAC 1140 ATTGGCGGAG ATTTTGATAT TGAGAAAGCT CGTTATCATA AAGTTATTAT TATGACGGAT 1200 GCCGACGTCG AC 1212配列番号:6配列の長さ:404配列の型:アミノ酸トポロジー:直鎖状配列の種類:配列 HAGGKFDGGG YKVSGGLHGV GASVVNALST ELEVFVHREG KIHYQKYERG IPVADLKVIG 60 DTDQTGTITR FKPDPEIFQE TTVYEFDTLA TRMRELAFLN RNIKLTIEDK REHKQKKEFH 120 CEGGIKSYVE HLNRSKQPIH EEPVYVEGSK DGIQVEVSLQ YNEGYTNNIY SFTNNIHTYE 180 GGTHEVGFKT ALTRVINDYG RKNSILKDAD SNLTGEDVRE GLTAIVSIKH PDPQFEGQTK 240 TKLGNSEART ITESVFSEAF EKFLLENPNV ARKIVEKGTM AARARVAAKK ARELTRRKSA 300 LEVSSLPGRL ADCSSKDPAI SEIYIVEGDS AGGSAKQGRD RHFQAILPLK GKIINVEKAR 360 LDKILSNDEV RTIITAIGTN IGGDFDIEKA RYHKVIIMTD ADVD 404配列番号:7配列の長さ:21配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列 ATTGGTGACA CCGATCAAAC A 21配列番号:8配列の長さ:21配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列 TCATACGTAT GGATGTTATT C 21配列番号:9配列の長さ:21配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列ATCGGTGATA CAGATAAGAC T 21配列番号:10配列の長さ:24配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列CCTTCATACG TATGAATATT ATTT 24配列番号:11配列の長さ:21配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列AATCGTAATA TTAAACTGAC G 21配列番号:12配列の長さ:21配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:ゲノミックDNA配列CCTTCATACG TGTGAATGTT G 21

【特許請求の範囲】
【請求項1】 配列番号5から得られる核酸配列を持ち、炭疽菌に特徴的な核酸配列を増幅し得る少なくとも一つの部位を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチド。
【請求項2】 配列番号1及び配列番号3から得られる核酸配列を持っていない請求項1のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】 バチラスセレウスまたはバチラスチュウリンジェンシスに由来する核酸配列を増幅し得る部位を持っていない請求項1または2のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】 配列番号11または配列番号12で示される核酸配列を持っている請求項1、2または3のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかのオリゴヌクレオチドを2種類組合せたプライマーセットを用いて、検体中のDNAジャイレースサブユニットB遺伝子配列を標的とし、当該標的遺伝子を選択的に増幅させ検体中に炭疽菌に特異的なgyrBが存在するか否かを決定することで炭疽菌の検出を行う方法。