Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
炭素において置換されたメチルアミン誘導体およびレオロジー制御剤としてのその使用方法
説明

炭素において置換されたメチルアミン誘導体およびレオロジー制御剤としてのその使用方法

本発明は、1以上のポリイソシアネートと1以上の光学活性アミンとを反応させることによって、または1以上のポリアミンと1以上の光学活性イソシアネートとを反応させることによって得ることができるレオロジー制御剤を垂れ抑制剤(SCA)としてコーティング組成物に使用する方法に関する。本発明は、特定のポリイソシアネートまたはポリアミンを使用して本明細書に記載されたように得ることができるレオロジー制御剤にも関する。加えて、本発明はこれらのレオロジー制御剤を各種の用途に使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上のポリイソシアネートと1以上の光学活性(モノ)アミンとを反応させることによって、または1以上のポリアミンと1以上の光学活性(モノ)イソシアネートとを反応させることによって得ることができるレオロジー制御(control)剤を垂れ抑制剤(SCA)としてコーティング組成物に使用する方法に関する。本発明はそのようにして得ることができる特定のレオロジー制御剤にも関する。加えて、本発明はこれらの特定のレオロジー制御剤を各種の用途に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SCAをコーティング組成物に使用することは周知である。たとえば、米国特許第4,311,622号は、ジイソシアネートとモノアミンまたはヒドロキシモノアミンとの反応生成物である垂れ抑制剤と結合剤とから調製されたチクソトロピー性のコーティング組成物を開示する。同様に、欧州特許出願公開第0261863号は、塗料に適用されたときにコーティング膜にチクソトロピー特性を与え、そして厚いコーティング膜を形成するときにほとんどタレを起こさない塗料用の流動調節剤を開示する。
【特許文献1】米国特許第4,311,622号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第0261863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、慣用のレオロジー制御剤の性能は常に十分とは限らず、かつかなり多い量が所望のレオロジー特性、特に低せん断変形において高粘度を得るために必要であるかもしれない。したがって、使用されるべき量が低減されることができ、粘度が、特に低せん断変形において増加されることができ、増粘速度および/またはせん断応力若しくは希釈レベルへのその応答性が改善されることができて、塗布条件下に良好なタレの制御および良好なレベリング性を与えるように改善された性能を持つレオロジー制御剤の必要性が存在する。さらに、さまざまな種類のコーティング配合物に、特に好ましいポリオール−イソシアネート硬化系およびアクリロイル官能性樹脂に基づいた放射光硬化コーティング、およびその他の非ホルムアルデヒドに基づいたコーティング系のために、無色で完全に清澄で透明なクリアコートを与える垂れ抑制剤の必要性が存在する。これらの垂れ抑制剤が、100℃未満の温度で硬化する好まれるコーティング組成物に使用できることも必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、本発明者らは特定の種類の尿素化合物が、必要とされるレオロジー的および光学的性能を達成する能力があることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明は、1以上のポリイソシアネートと1以上のモノアミンとを反応させて、または1以上のポリアミンと1以上のモノイソシアネートとを反応させて、ポリ尿素化合物を生成することによって得ることができるレオロジー制御剤をコーティング組成物におけるSCAとして使用する方法において、モノ−若しくはポリ−アミンまたはモノ−若しくはポリ−イソシアネートのうちの少なくとも1が、アミンまたはイソシアネート基に隣接した不斉炭素原子を持って、ラセミ体混合物としてではなく光学活性であり、ただしアミンが光学活性アミノ酸でなくかつ光学活性アミノ酸エステルまたはそのイソシアネート誘導体でないことを条件とする上記方法に関する。
【0006】
本発明の好まれる第1の実施態様に従えば、本発明は、1以上のポリイソシアネートと式(I)

(ここで、R1、R2、およびR3のそれぞれは、置換若しくは非置換のフェニルまたはナフチルを包含する、水素、直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換の、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビルまたはヘテロ原子を含有する基から独立に選ばれ、それによってR1、R2、およびR3のそれぞれが、その炭素原子が不斉中心であるように相違している。)の1以上の光学活性な、炭素において置換された、ラセミ体混合物としてではないメチルアミンとを反応させることによって得ることができ、ただしアミンが光学活性アミノ酸でなくかつ光学活性アミノ酸エステルでないことを条件とする、レオロジー制御剤をコーティング組成物におけるSCAとして使用する方法に関する。
【0007】
本発明の第2の実施態様は、1以上のポリアミンと式(II)

(ここで、R1、R2、およびR3のそれぞれは、置換若しくは非置換のフェニルまたはナフチルを包含する、水素、直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換の、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビルまたはヘテロ原子を含有する基から独立に選ばれ、それによってR1、R2、およびR3のそれぞれが、その炭素原子が不斉中心であるように相違している。)の1以上の光学活性な、ラセミ体混合物としてではないモノイソシアネートとを反応させることによって得ることができるレオロジー制御剤をコーティング組成物におけるSCAとして使用する方法において、ただし得られたレオロジー調節剤がアミノ酸またはアミノ酸エステルのアミノ基から誘導されたモノイソシアネートに基づいていないことを条件とする上記方法に関する。
【0008】
(第1の実施態様のように)2のイソシアネート基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリイソシアネート(並びにウレトジオンとしてのその2量体誘導体、および対応する3量体のイソシアヌレートまたはビウレット)、置換または非置換のアリール、アラルキル、およびシクロヘキシレンのポリイソシアネートからなる群から選ばれた1以上のポリイソシアネートと、1以上の光学活性アミンとが反応させられるならば、また(第2の実施態様のように)2のアミノ基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリアミン及び置換または非置換のアリール、アラルキル、およびシクロヘキシレンのポリアミンからなる群から選ばれた1以上のポリアミンと、1以上の光学活性イソシアネートが反応させられるならば、本発明の第1または第2の実施態様に従う特に好まれるSCAが得られる。
【0009】
したがって、第3の実施態様において、本発明はさらに、
− 2のイソシアネート基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリイソシアネートまたはその2量体若しくは3量体誘導体(ウレトジオン、イソシアヌレートおよびビウレット同族体)及び置換または非置換のアリーレン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリイソシアネートからなる群から選ばれた1以上のポリイソシアネートと、式(I)

(ここで、R1、R2、およびR3のそれぞれは、置換若しくは非置換のフェニルまたはナフチルを包含する、水素、直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換の、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビルまたはヘテロ原子を含有する基から独立に選ばれ、それによってR1、R2、およびR3のそれぞれが、その炭素原子が不斉中心であるように相違している。)の1以上の光学活性な、炭素において置換された、ラセミ体混合物としてではないメチルアミンとを反応させ、ただしアミンが光学活性アミノ酸でなくかつ光学活性アミノ酸エステルでないことを条件とし、かつさらに、得られたレオロジー調節剤が、L.A.EstroffおよびA.D.HamiltonによってAngew.Chem.Int.Ed.誌、2000年、第39巻、No.19、3447〜3450ページに記載されている式(III)

の化合物でないことを条件とすること
によって得ることができるポリ尿素誘導体に、および
− 2のアミノ基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリアミン及び置換または非置換のアリーレン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリアミンからなる群から選ばれた1以上のポリアミンと、式(II)

(ここで、R1、R2、およびR3のそれぞれは、置換若しくは非置換のフェニルまたはナフチルを包含する、水素、直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換のヒドロカルビルから独立に選ばれ、それによってR1、R2、およびR3のそれぞれが、その炭素原子が不斉中心であるように相違している。)の1以上の光学活性な、ラセミ体混合物としてではないモノイソシアネートとを反応させ、ただし得られたレオロジー調節剤が光学活性アミノ酸または光学活性アミノ酸エステルのアミノ基から誘導されたモノイソシアネートに基づいていないことを条件とし、かつさらに、得られたポリ尿素誘導体が式(III)の化合物でないことを条件とすること
によって得ることができるポリ尿素誘導体に関する。
【0010】
さらに、該第3の実施態様のポリ尿素誘導体は一般に、以下にもっと詳細に記載されるように、レオロジー制御剤としてさまざまな用途に使用されるのに適していることが見い出された。したがって、第4の実施態様では、本発明は第3の実施態様のポリ尿素誘導体をレオロジー制御剤として使用する方法に関する。
【0011】
第5の実施態様は、イソシアネートと反応させられた光学活性ポリアミンの反応生成物をSCAとしてコーティング用途に使用する方法に関する。
【0012】
第1、第2、若しくは第5の実施態様においてSCAとして使用されるレオロジー制御剤を調製する反応の間に、または第3の実施態様のポリ尿素誘導体を調製する反応の間に、最終生成物の結晶化特性に影響を与えることができる少量の1以上の追加の化合物が、任意的に存在してもよい。このような追加の化合物の例は、SCA中の主要なアミンおよび/またはイソシアネート化合物とは異なる、反応性の(単または多官能性)アミンおよび/またはイソシアネートである。
【0013】
ポリイソシアネートおよびポリアミンの接頭辞「ポリ」の使用は、少なくとも2の言及された官能基がそれぞれの「ポリ」化合物中に存在することを示す。ポリ尿素生成物、すなわちアミンとポリイソシアネートとの反応生成物またはイソシアネートとポリアミンとの反応生成物が調製されるときは、二尿素生成物または三尿素生成物を調製することが好まれることは注記される。
【0014】
ポリ尿素生成物が調製される本発明の好まれる実施態様では、一般式X−[尿素−不斉中心]n(Xは該分子の連結基であり、かつnは[尿素−不斉中心]部分の数である(nは2以上である))、または[尿素部分]−[不斉中心]−[尿素部分](たとえば、第5の実施態様におけるように2のモノイソシアネートと1の光学活性ジアミンとの反応によって得られるような)を持つポリ尿素生成物を調製することが可能である。一般式X−[尿素−不斉中心]nで好ましくはnが2〜5、より好ましくはnが2または3、もっとも好ましくはnが2である二尿素生成物を調製することが好まれる。
【0015】
少なくとも1の光学活性アミンまたはイソシアネートは、5つの実施態様のどれにも使用されるけれども、得られる最終反応生成物は必ずしも光学活性ではないことも注記される。最終生成物はd−、l−、および/またはメソ体であることができる。
【0016】
本発明の第1または第2、または第5の実施態様に従うSCAとして使用される任意のレオロジー制御剤を示すために、および本発明の第3の実施態様に従う任意のポリ尿素誘導体を示すために、一般的な語「レオロジー調節剤」が以後使用されることも注記される。
【0017】
1、R2、および/またはR3が、第1、第2、および第3の実施態様について上で定義されたヒドロカルビルである場合には、直鎖、環状または分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の、任意的にヘテロ原子を含有してもよい、C1〜C25のアルキル、アリール、アラルキル、およびアルケニルからなる群から、上述のただし書を満たして、好ましくは独立にそれは選ばれる。
【0018】
好まれる実施態様では、R1、R2、およびR3のうちの1は水素であり、かつ他の2は上に示されたC1〜C25の基のうちの1から独立に選ばれる。任意的に、R1、R2、およびR3のうちの2は、それらが結合している炭素原子とともに一緒になって、4〜8の炭素原子を含有する置換または非置換の環を形成することができる。もし存在するならば、R1、R2、および/またはR3上の置換基は、好ましくはアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、(好ましくは第1級でない)アミン、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、ケト、ケチミン、ウレタン、アロファン酸エステル、アミド、および尿素の基からなる群から選ばれ、もっとも好ましくは該置換基はアルキルまたはアルコキシ基から選ばれる。R1、R2、およびR3の1以上がヘテロ原子を含有するC1〜C25の基であれば、それは好ましくはエーテル単位の形態をしている。
【0019】
1の好まれる実施態様では、本発明に従うレオロジー調節剤は、1以上のポリイソシアネートと、式IV)

および式V)

の化合物から選ばれた1以上の光学活性な置換ベンジルアミンとを反応させることによって得られ、ここで、Rは直鎖または分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和のヒドロカルビルである。もし存在するならば、R上の置換基は好ましくは、ヒドロキシ、アミン、カルボン酸、ホスホン酸、ケト、ケチミン、アミン、エーテル、ウレタン、アロファン酸エステル、尿素およびイソシアヌレートの基からなる群から選ばれる。好ましくはRは、直鎖または分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和のC1〜C25のアルキル、アリール、アラルキル、およびアルケニルからなる群から選ばれる。より好ましくはRは、直鎖または分岐のC1〜C25のアルキルである。さらにより好ましくはRは、直鎖または分岐のC1〜C5のアルキルである。もっとも好ましくはRは、メチルまたはエチル基である。
【0020】
他の好まれる実施態様では、本発明に従うレオロジー調節剤は、1以上のポリイソシアネートと、式



の化合物、および
(S/R)−2−アミノ−ヘキサンおよび(S/R)−1−フェニルプロピルアミン
からなる群から選ばれた1以上の光学活性な(RあるいはS対掌体のどちらかが支配的な)アミンとを反応させることによって得られる。
【0021】
どのような好適なポリイソシアネートがレオロジー調節剤の調製に使用されることができるかは、本発明のレオロジー調節剤の特定の使用方法に、すなわちコーティング組成物中のSCAとして使用されるのか、またはもっと一般的に、以下に特定されるようなさまざまな用途におけるレオロジー制御剤として使用されるのかに依存する。ポリイソシアネートは、好ましくは脂肪族、脂環式、アラルキレン、およびアリーレンのポリイソシアネートからなる群から、より好ましくは2のイソシアネート基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ、置換または非置換の直鎖の脂肪族ポリイソシアネート(およびそのイソシアヌレート、ビウレット、ウレトジオン)及び置換または非置換のアリーレン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリイソシアネートからなる群から選ばれる。ポリイソシアネートは、通常2〜40、また好ましくは4〜8の炭素原子を含有する。ポリイソシアネートは、好ましくは最大でも4のイソシアネート基、より好ましくは最大でも3のイソシアネート基、またもっとも好ましくは2のイソシアネート基を含有する。対称形の脂肪族またはシクロヘキシレンのジイソシアネートを使用することは、さらにより好まれる。ジイソシアネートの好適な例は、好ましくはテトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HMDI)、ω,ω’−ジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、トランス−シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ジメチル−(2,4−ω−ジイソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−ジメチル(2,4−ω−ジイソシアナトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル(2,4−ω−ジイソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル(2,4−ω−ジイソシアナトメチル)ベンゼン、メタ−キシリレンジイソシアネート、パラ−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシル−ジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、およびジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)からなる群から選ばれる。さらに好適なポリイソシアネートは、好ましくはHMDIに基づいたポリイソシアネート、例としてHMDIの縮合誘導体、たとえばウレトジオン、ビウレット、イソシアヌレート(3量体)、および非対称の3量体、等からなる群から選ばれ、これらの多くはDesmodur(商標)NおよびTolonate(商標)HDBおよびTolonate(商標)HDT、並びに「重合体MDI」として知られるポリイソシアネートとして市販されている。重合体MDIは、典型的には純粋なMDIとMDIのオリゴマーとの混合物である。特に好まれるポリイソシアネートは、HMDI、そのイソシアヌレート3量体、そのビウレット、トランス−シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、メタ−キシリレンジイソシアネート、およびトルエンジイソシアネートからなる群から選ばれる。もっとも好ましくは、HMDIが選ばれる。
【0022】
当業者には理解されるであろうように、2以上のイソシアネートを現場(インシチュー)で生成する、慣用的に封止されたポリイソシアネートを、該封止剤が分離した後で本発明に従うレオロジー調節剤の生成を妨げない限り、使用することもできる。本明細書を通して、「ポリイソシアネート」の語は、ポリイソシアネートおよびポリイソシアネートを生成する化合物のすべてを表すのに使用される。
【0023】
本発明のさらに他の好まれる実施態様に従って、レオロジー調節剤は1以上のポリアミンと、式VI)

および式VII)

の化合物から選ばれた1以上の光学活性イソシアネートとを反応させることによって得られ、ここでRは直鎖または分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和のヒドロカルビルである。好ましくはRは、直鎖または分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和のC1〜C25のアルキル、アリール、アラルキル、およびアルケニルからなる群から選ばれる。より好ましくはRは、直鎖または分岐のC1〜C25のアルキルからなる群から選ばれる。さらにより好ましくはRは、直鎖または分岐のC1〜C5のアルキルからなる群から選ばれる。もっとも好ましくはRはメチルまたはエチル基である。
【0024】
ここでも、どのような好適なポリアミンがレオロジー調節剤の調製に使用されることができるかは、本発明のレオロジー調節剤の特定の使用方法に、すなわちコーティング組成物におけるSCA剤として使用されるのか、またはもっと一般的にレオロジー制御剤として以下に特定されるようなさまざまな用途に使用されるのかに依存する。ポリアミンは、好ましくは脂肪族、脂環式、アラルキレン、およびアリーレンのポリアミンからなる群から、より好ましくは2のアミノ基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ、置換または非置換の直鎖の脂肪族ポリアミン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリアミンからなる群から選ばれる。ポリアミンは通常40まで、また好ましくは4〜8の炭素原子を含有する。ポリアミンは好ましくは最大でも4の第1級アミノ基、より好ましくは最大でも3の第1級アミノ基、またもっとも好ましくは2の第1級アミノ基を含有する。以後、2の第1級アミノ基を持つ化合物は「ジ第1級アミン」と呼ばれる。対称形の脂肪族またはシクロヘキシレンのジ第1級アミンを使用することが好まれる。ジ第1級アミンの好適な例は、ヒドラジン、エチレン−1,2−ジアミン、テトラメチレン−1,4−ジアミン、ヘキサメチレン−1,6−ジアミン、ω,ω’−ジプロピルエーテルジアミン、チオジプロピルジアミン、トランス−シクロヘキシレン−1,4−ジアミン、およびジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンからなる群から選ばれる。芳香族アミンは、しばしば最終生成物の変色を起こすので、いくつかの用途には芳香族アミンの使用はより低度に好まれることが注記される。「芳香族アミン」の語は、芳香族部分に結合された少なくとも1のアミノ基があることを示すのに使用される。もっとも好まれるジ第1級アミンはヘキサメチレン−1,6−ジアミンである。
【0025】
1以上の光学活性な(ポリ)アミンと1以上の光学活性な(ポリ)イソシアネートとを反応させることも可能であることは注記される。しかし、経済的な理由のため、そのような方法および得られるレオロジー調節剤は、より低度に好まれる。
【0026】
レオロジー調節剤の調製のためのイソシアネートとアミンとの間の反応では、化学量論的な量を使用する代わりに、イソシアネートかあるいはアミンのどちらかが過剰に使用されることが好まれる。たとえば、アミンのアミノ基の数と(生成された)イソシアネート基の数との比は、0.7〜1.5の範囲にあることができる。好ましくは、該比は約0.9〜1.1である。
【0027】
不斉アミンの任意の非ラセミ体の対掌体混合物が、本発明に従うレオロジー調節剤をつくるのに使用されることができ、または不斉イソシアネートの任意の混合物が、本発明に従うレオロジー調節剤をつくるのに使用されることができることは理解されるべきであるが、ただしこれらの混合物の少なくとも1が、本発明に従う光学活性アミンまたはイソシアネートを含有することを条件とする。この明細書では「対掌体的な過剰」の語は、以後「対掌体過剰」(ee)とも呼ばれ、不斉化合物の両対掌体を含むサンプル中で、ラセミ体物質におけるよりも1の対掌体が過剰であることを示すのに使用される。対掌体的な過剰は、パーセンテージで表される。つまり、ラセミ体サンプル、すなわち両対掌体の50:50混合物は0%の対掌体過剰を持ち、また対掌体的に純粋なサンプルは100%の対掌体過剰を持つ。50:50比の2の対掌体の使用はされてはいけないけれども、最適な結果は2の対掌体の比が100:0ではないときに非常によく得られることができる。言い換えれば、対掌体混合物の対掌体過剰は0%であってはならない。対掌体過剰は好ましくは少なくとも10%(55:45比のように)、より好ましくは少なくとも20%(60:40比のように)、さらにより好ましくは少なくとも40%(70:30比のように)、またもっとも好ましくは少なくとも50%(75:25比のように)である。
【0028】
本発明の1の実施態様では、好ましくは少なくとも55%、もっとも好ましくは少なくとも75%の対掌体過剰を持つ対掌体の混合物が使用される。というのは、この実施態様では、1の対掌体だけの有意な対掌体的な過剰、すなわち少なくとも55%の対掌体過剰の使用は、改善されたレオロジー制御特性を持つレオロジー制御剤を提供するレオロジー調節剤をもたらすからである。
【0029】
イソシアネートとアミンとの間の反応は、当業者には明白であろうように、任意的に高められた温度で、反応成分を一緒にすることによって任意の自由裁量的に選ばれた様式で実施されることができる。該反応は、不活性ガスの雰囲気中で0℃〜150℃の範囲、より特には20℃〜80℃の範囲の温度で実施されることが好まれる。一般に反応成分は、任意の自由裁量的に選ばれた様式で一緒にされ、好ましくはイソシアネートがアミンに加えられ、これは所望であれば数段階でなされることができる。任意的に、たとえばアセトン、メチルイソブチルケトン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエン、キシレン、または脂肪族炭化水素、たとえば石油エーテル、アルコール、および水、またはこれらの混合物のような不活性溶媒の存在下に、該反応は実施されることができる。本明細書では「不活性」の語は、該溶媒がポリ尿素生成の過程に関与しないことを示し、これは溶媒が存在するときに生成されたポリ尿素の量が、溶媒が存在しないときに製造された量の少なくとも80%であることを意味する。
【0030】
レオロジー調節剤の調製は、任意的に結合剤の存在下に実施されることもできる。結合剤とイソシアネートとの混合物をアミンと混合することによって、またはイソシアネートを結合剤とアミンとの混合物と混合することによって、または結合剤とアミンおよび結合剤とイソシアネートの2の混合物を混合することによって、これは可能である。結合剤がアミンあるいはイソシアネートのどちらかと非常に反応性であれば、結合剤とその特定の敏感な化合物は予混合されることができないことは明らかであろう。「非常に反応性」の語は、本明細書ではアミンおよびイソシアネートがレオロジー調節剤を調製するために混合される前に、敏感なアミンまたはイソシアネートの30%超が、結合剤と反応することを意味する。混合操作は、反応物質が激しく撹拌される任意の都合のよい様式で実施されることができる。アミンがイソシアネートに加えられることができ、またはイソシアネートがアミンに加えられることができ、どちらでももっとも都合のよい方でされることができる。結合剤が使用され、かつアミンあるいはイソシアネートのどちらかが結合剤と非常に反応性である場合には、結合剤ともっとも反応性である化合物は、好ましくは結合剤ともっとも低度に反応性である化合物と結合剤との混合物に加えられる。
【0031】
本発明の1の実施態様では、レオロジー調節剤は、最終コーティング組成物の結合剤または硬化成分中で、好ましくは0.1〜8%という低い濃度で製造されるので、結合剤の分散物は依然として流体として扱われることができ、そしてその後、任意的にさらなる結合剤、硬化成分、および/または他の(慣用の)添加剤を用いて、コーティング組成物に使用されることができる。レオロジー調節剤が結合剤中で製造されるときは、好ましくは20〜80℃の範囲の温度で十分な撹拌下に調製される。
【0032】
レオロジー調節剤を調製する他の実施態様では、反応の完了後に混合物が固体様の物質として得られるような量のイソシアネートおよびアミンと、結合剤とが混合され、該固体様の物質は、95〜1、好ましくは94〜50、より好ましくは93〜75重量部の結合剤に対して5〜99、好ましくは6〜50、より好ましくは7〜25重量部のレオロジー調節剤からなるレオロジー調節剤のマスターバッチとして使用されることができる。任意的に希釈剤または助剤が存在してもよい。最終コーティング組成物中の結合剤と、レオロジー調節剤のマスターバッチ中の結合剤とは、同じまたは異なった組成のものであることができる。不活性ガスの雰囲気中で20〜80℃の範囲の温度で、撹拌とともにアミンが最初に結合剤物質に加えられ、そして混合物が均質化された後にイソシアネートがゆっくりと該混合物に加えられて、好まれる濃厚物が好適に調製される。
【0033】
より低度に望まれるけれども、当該レオロジー調節剤の存在下に当該結合剤若しくは硬化化合物を調製することによって、または結合剤若しくは硬化化合物並びにレオロジー調節剤を同時に調製することによって、レオロジー調節剤を含む結合剤または硬化組成物を調製することもできる。当業者は、レオロジー調節剤またはレオロジー調節剤の出発物質を結合剤または硬化化合物の出発物質と一緒にし、その後の反応でレオロジー調節剤を含有する結合剤または硬化組成物を形成することに何の問題も持たないだろう。
【0034】
レオロジー調節剤が、結合剤または硬化化合物中で調製されないならば、それは好ましくは濃い溶液として、コーティング組成物の1以上の成分、好ましくは結合剤または任意の他の液状成分と混合されることができ、その結果、微細な分散物が得られる。該好まれる実施態様の混合物は、好ましくは液状成分、たとえば結合剤(これは溶媒に基づいたものまたは水に基づいたものであることができる)中のレオロジー調節剤の分散物を形成する。コーティング組成物を処方するのに使用されたときは、得られたコーティング組成物は、本明細書ではチクソトロピー性と呼ばれる改善されたレオロジーを示し、分散されたレオロジー調節剤粒子の大きさおよび屈折率に応じて、不透明な、乳白色の、または透明でさえある外観を持つことができる。
【0035】
上述のように本発明は、第3の実施態様のポリ尿素誘導体をレオロジー制御剤として各種の用途に使用する方法にも関する。たとえば、レオロジー制御剤は、
−接着剤
−印刷インキ、たとえばスクリーン印刷用途または曇り止め用途への印刷インキ
−洗剤および洗浄用途
−紙および板紙産業
−繊維、皮革、およびカーペット用途
−建設用コンパウンド
−顔料組成物
−採鉱
−化粧品、および/または
−コーティング組成物
において使用されることができる。特に好まれる実施態様では、第3の実施態様のポリ尿素誘導体は、コーティング組成物においてSCAとして使用される。
【0036】
任意的に、慣用の添加剤、たとえば溶媒および/または分散添加剤、顔料分散剤、染料、顔料、紫外線硬化添加剤、流動添加剤、他のレオロジー調整添加剤、硬化反応用の溶媒および促進剤、例として酸性化合物、たとえばパラ−トルエンスルホン酸若しくはその封止された製品が、本発明のコーティング組成物のどれにも存在することができる。コーティング組成物は、溶媒または水に基づくことができる他の慣用のレオロジー制御剤を含んでもよい。
【0037】
該チクソトロピー性のコーティング組成物は、任意の所望の様式で、たとえばローラー塗装、エアーまたは静電スプレー塗装、刷毛塗り、散布塗装、流延塗装、浸漬塗装によって基体に塗布されることができる。
【0038】
本レオロジー制御剤が使用されている組成物のレオロジーが変えられる程度は、とりわけレオロジー調節剤の割合およびレオロジー調節剤の性質および該組成物の成分に依存する。概して、チクソトロピーの所望の程度は、組成物の全重量に基づいて好ましくは少なくとも0.01%、より好ましくは少なくとも0.05%、さらにより好ましくは少なくとも0.10%、またもっとも好ましくは少なくとも0.15%、かつ好ましくは最大でも30%、より好ましくは最大でも10%、さらにより好ましくは最大でも3%、またもっとも好ましくは最大でも1.5%の量でレオロジー調節剤を使用することによって得られることができる。
【0039】
本発明に従うチクソトロピー性組成物は、極性および/または非極性の溶媒を含有することができる。好ましくは、該チクソトロピーは室温だけでなく、高められた温度でも存在し、その結果、本発明に従うレオロジー調節剤は、室温での、および塗料のベーキング(硬化)における、たとえば2〜120分間にわたって50℃〜250℃の範囲での使用に適している。
【0040】
本発明に従うレオロジー調節剤はさらに、特にSCAとして使用されたときに組成物、とりわけクリアコート用の組成物の光沢または輝きを減少しないかあるいはほとんど減少しないという重要な利点を持つ。
【0041】
採用される結合剤および硬化系に応じて、任意の慣用の化合物が、結合剤および硬化剤として使用されることができる。ポリイソシアネート化合物を用いて25℃〜150℃の温度で硬化される慣用のポリオールに基づいた2成分(2K)コーティング系並びに慣用の様式で、たとえばほとんどの紫外線または電子線硬化配合物の場合のようにラジカル機構を介して硬化されるアクリロイル官能性化合物に基づいた配合物のレオロジーを改善するのに、本レオロジー調節剤は特に適しているのが見出された。
【0042】
本発明は、以下の実施例によって詳細に説明される。
【実施例】
【0043】
実施例1および比較例A
1−フェニルー1−アミノエタン(α−メチルベンジルアミン、「アルファMe BA」または「AMBA」と略される。Aldrich社から)。アルファMe BAのラセミ体混合物およびS対掌体の各1.73gが、Akzo Nobel社からの、2Kコーティング用途に使用するのに適したポリエステルポリオールであるSetal(商標)166 SS 80(酢酸ブチル中80%)100gと別々に混合され、そしてその後1.21gのヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートと20℃で反応させられた。反応生成物は、さらなるSetal(商標)166 SS 80、架橋剤としてのTolonate HDT−LV(1のNCO/OH比となるように)および追加の酢酸ブチルで0.8Pa秒の高せん断粘度まで希釈されて、100重量部の「固形成分(ポリオールおよび架橋剤)」当り1.2重量部のレオロジー調節剤を持つ配合物が得られた。レオロジーのデータは、以下の流動曲線(図1)(高せん断−低せん断−高せん断の測定)に提示される。
【0044】
明らかに、高い対掌体過剰(アルファMe BA(−))に基づいたレオロジー調節剤は、ラセミ体(アルファMe BA(d、l))のレオロジー調節剤から調製された改質剤と比較して、低せん断においてはるかに高い粘度を与え、一方で高せん断応力においては同等の粘度を与える。
【0045】
SEM写真から、対掌体として純粋なアミンに基づいた二尿素は、非常に微細な繊維様の構造を形成することが判る。ラセミ体混合物からの生成物の対応する構造はより粗大であり、これは該配合物のより高いレベルの不透明性にも反映されている。
【0046】
該光学活性対掌体は、この物質に基づいた慣用の2Kイソシアネート系における非常に良好なSCAであり、この系は塗布および60℃での硬化後に完全に透明な膜を与えることが見出された。SCAとして使用された、アミンのラセミ体混合物に基づいたレオロジー調節剤は、未硬化コーティング膜のタレを制御するのにより低度に効果的であり、かつ慣用のSCAのタレと同等であった。これは、より高いレベルの曇り度も膜に残した。
【0047】
比較例B
同じようなSCAを含有する配合物が、今回はHMDIおよび(不斉でない)ベンジルアミンから形成された典型的な慣用の二尿素SCAに基づいて、Setal(商標)166 SS 80中でつくられた。このSCAは、多くのコーティング配合に慣用的に使用されている。図2において、レオロジー構造の程度が、同等の2K配合物において、(実施例1におけるような)(高い対掌体過剰の)メチル置換された不斉同族体のAMBAから調製された類似したSCAによって与えられる構造の量よりも明らかに劣っていることが判る。60℃で硬化されたときに、形成された膜はクリアコート用途には許容できないレベルの曇り度を依然として有する。
【0048】
実施例2〜4および比較例C〜F
実施例1に記載されたのと同じような手順に従って、S−AMBA−HDMI SCA(S−α−メチルベンジルアミン ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート 垂れ抑制剤)を含有する配合物が、Setalux(商標)1767(Akzo Nobel Resins社から)中でつくられた。以下の2成分イソシアネートクリアコート配合物が調製された。固形分に基づいて配合物が、HMDIおよびS−アルファ−メチルベンジルアミンに基づいたいろいろな量の二尿素(配合1〜3)、およびラセミ体のアルファ−メチルベンジルアミンに基づいた同等量の同族体SCA(比較例C〜Fとしての配合4〜6)を含有するように、該クリアコートは処方された。配合7はSCAを全く含有しなかった。すべての配合において、シンナーSolvesso(商標)100/酢酸メトキシプロピル(1:1)が、23℃DINフローカップNo.4で28秒まで加えられた。表1に従う一連のクリアコートが、増加する膜厚さで1.0cm直径の13の孔を持つ垂直なスズ板上にスプレーされ、そして60℃で60分間垂直に強制乾燥された。タレの限界が、タレが生じる孔とその前の孔との間の膜厚さとして測定された。タレを測定するもう1つの方法は、滴状固まりの長さが1cmである点での層厚さを測定することである。
【0049】
【表1】

【0050】
同様な配合において、HMDIと(不斉でない)ベンジルアミンとに基づいたSCAが使用されたときは、全固形分に基づいて1.0重量%の塗布は、45ミクロンのタレ限界および79ミクロンの1cm滴での層厚さを与え、HMDI−S−AMBAに基づいた配合物のそれよりも明らかに小さかった。その上、この後者の配合物のクリアコートの輝きは、対応するHMDI−BAに基づいたコーティングのそれよりも有意に高かった(より低い曇り度であった)。
【0051】
実施例5
S−α−メチルベンジルアミン(S−AMBA)とR−α−メチルベンジルアミン(R−AMBA)との90−10混合物1.73グラムが、100グラムのポリエステルポリオール(Akzo Nobel Resins社からのSetal(商標)166 SS 80、固形分含有量80%、酢酸ブチル中)に溶解された。溶液は速く撹拌され、そして1.24グラムのヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HMDI)が加えられた。粘度の急速な高まりが続いて生じ、そしてチクソトロピー性のペースト様外観の最終液体が、非常に微細な結晶とともに得られた。追加のSetal(商標)166 SS 80、および架橋剤としてのTolonate(商標)HDTを配合されたときに、全固形分に基づいて1.12重量%の二尿素を含有する得られた低曇り度の配合物は、低せん断応力において非常に強固かつ急速な構造の形成を持つことが判った(図3)。
【0052】
実施例6
S−α−メチルベンジルアミン(S−AMBA)とR−α−メチルベンジルアミン(R−AMBA)との80−20混合物1.72グラムが、100グラムのポリエステルポリオール(Akzo Nobel Resins社からのSetal(商標)166 SS 80、固形分含有量80%、酢酸ブチル中)に溶解された。溶液は激しく撹拌され、そして1.23グラムのヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HMDI)が加えられた。粘度の急速な高まりが続いて生じ、そしてチクソトロピー性のペースト様外観の最終液体が得られた。追加のSetal(商標)166 SS 80、および架橋剤としてのTolonate(商標)HDTを配合されたときに、全固形分に基づいて1.12重量%の二尿素を含有する得られた配合物は、低せん断応力において強固かつ急速な構造の形成を持つことが判った(図4)。
【0053】
実施例7
1.70グラムのHMDIが、100グラムのアクリロイル官能性樹脂(Akzo Nobel Resins社からのActilane 890)中に溶解された。溶液は速く撹拌され、そして2.34グラムのS−α−メチルベンジルアミン(S−AMBA)(Aldrich Chemicals社)が加えられた。粘度の急速な高まりが続いて生じ、そしてチクソトロピー性のペースト様外観の最終液体が得られた。Actilane 424(Akzo Nobel Resins社から)で0.75重量%の二尿素を含有する配合物に希釈されたときに、低せん断応力における高粘度の急速な高まりを持つ透明な配合物が得られた(レオロジー測定)。光開始剤を配合され、そしてドクターブレードを使用して薄い膜を調製した後に室温で紫外線照射に露光されたときに、非常に低い曇り度を持つクリアなコーティングが得られることができた(図5)。
【0054】
実施例8
1.79グラムのS−α−メチルベンジルアミン(S−AMBA)(Aldrich社)および0.21グラムのR−α−メチルベンジルアミン(Aldrich社)が、100グラムのポリエステルポリオール(Akzo Nobel Resins社からのSetal(商標)166 SS 80、固形分含有量80%、酢酸ブチル中)に溶解された。溶液は速く撹拌され、そして3.71グラムの酢酸ブチル中の1.85グラムのトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネートの溶液が加えられた。粘度の急速な高まりが直ちに続いて生じ、そしてチクソトロピー性のペースト様で低曇り度の外観の最終液体が得られた。追加のSetal(商標)166 SS 80、酢酸ブチルおよび架橋剤としてのTolonate(商標)HDTを配合されたときに、全固形分に基づいて1.2重量%の二尿素を含有する得られた配合物は、低せん断応力において非常に強固かつ急速な構造の形成を持つことが判った(レオロジー測定)(図6)。
【0055】
実施例9
0.99グラムのメタ−キシリレンジアミンが、100グラムのポリエステルポリオール(Akzo Nobel Resins社からのSetal(商標)166 SS 80、固形分含有量80%、酢酸ブチル中)に溶解された。溶液は速く撹拌され、そして2.19グラムのS−α−メチルベンジルイソシアネート(Aldrich Chemicals社)が加えられた。粘度の急速な高まりが続いて生じ、そしてチクソトロピー性の高粘度の液体が得られた。追加のSetal(商標)166 SS 80、およびNCO架橋剤としてのTolonate(商標)HDT LVを配合されたときに、全固形分に基づいて1.2重量%の二尿素を含有する得られた配合物は、低せん断応力において非常に強固な構造の形成を持つことが判った(レオロジー測定)(図7)。
【0056】
実施例10〜20
実施例10〜20は、レオロジー調節剤として(表2)、およびもっと特定すると垂れ抑制剤として有用な本発明に従う生成物に関する。
【0057】
【表2】

【0058】
実施例25
S−α−メチルベンジルアミン(S−AMBA)、R−α−メチルベンジルアミン(R−AMBA)の90−10混合物1.37グラムおよび0.33グラムのヘキサメチレン−1,6−ジアミンが、100グラムのポリエステルポリオール(Akzo Nobel Resins社からのSetal(商標)166 SS 80、固形分含有量80%、酢酸ブチル中)に溶液を30℃に加熱することによって溶解された。溶液は速く(4000rpm)撹拌され、そして1.42グラムのヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HMDI)が加えられた。粘度の急速な高まりが続いて生じ、そしてチクソトロピー性のペースト様の外観の最終液体が、非常に微細な結晶とともに得られた。追加のSetal(商標)166 SS 80、および架橋剤としてのTolonate(商標)HDTを配合されたときに、全固形分に基づいて1.2重量%の有機ポリ尿素化合物を含有する得られた低曇り度の配合物は、低せん断応力において強固かつ急速な構造の形成を持つことが判った(図8)。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】流動曲線、配合樹脂 2K SETAL 166、1.2%SCAのグラフ
【図2】流動曲線、配合樹脂 2K SETAL 166、1.2%SCAのグラフ
【図3】2−K配合物の流動曲線:1.12%SCA、固形分含有量76%のグラフ
【図4】2−K配合物の流動曲線:1.12%SCA、固形分含有量76%のグラフ
【図5】Actilane 890/Actilane 424中のSCAのグラフ
【図6】流動曲線 2−K配合物:1.2%SCA、76%固形分含有量のグラフ
【図7】流動曲線 2−K配合物:1.2%SCA、76%固形分含有量のグラフ
【図8】2−K配合物の流動曲線、固形分含有量76%、1.2%SCAのグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のポリイソシアネートと1以上のモノアミンとを反応させて、または1以上のポリアミンと1以上のモノイソシアネートとを反応させて、ポリ尿素化合物を生成することによって得ることができるレオロジー制御剤をコーティング組成物におけるSCA(垂れ抑制剤)として使用する方法において、モノ−若しくはポリ−アミンまたはモノ−若しくはポリ−イソシアネートのうち少なくとも1が、アミンまたはイソシアネート基に隣接した不斉炭素原子を持って、ラセミ体混合物としてではなく光学活性であり、ただしアミンが光学活性アミノ酸でなくかつ光学活性アミノ酸エステルまたはそのイソシアネート誘導体でないことを条件とする上記方法。
【請求項2】
1以上のポリイソシアネートと式(I)

の1以上の光学活性な、炭素において置換された、ラセミ体混合物としてではないメチルアミンとを反応させることによって、または1以上のポリアミンと式(II)

の1以上の光学活性な、ラセミ体混合物としてではないイソシアネートとを反応させることによって得ることができ(ここで、R1、R2、およびR3のそれぞれは、水素、および直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換の、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビルまたはヘテロ原子を含有する基を含む群から独立に選ばれ、それによってR1、R2、およびR3のそれぞれが、その炭素原子が不斉中心であるように相違している。)、ただし式(I)のアミンが光学活性アミノ酸でなくかつ光学活性アミノ酸エステルまたは式(II)に従うそのイソシアネート誘導体でないことを条件とする、請求項1に従うレオロジー制御剤をコーティング組成物におけるSCAとして使用する方法。
【請求項3】
− 1以上のポリイソシアネートが、式(I)の1以上の光学活性な、炭素において置換されたメチルアミンと反応させられるならば、該ポリイソシアネートが、2のイソシアネート基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリイソシアネート(並びにウレトジオン、イソシアヌレートまたはビウレット3量体のような縮合2量体および3量体)及び置換または非置換のアリーレン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリイソシアネートからなる群から選ばれ、および
− 1以上のポリアミンが、式(II)の1以上の光学活性モノイソシアネートと反応させられるならば、該ポリアミンが、2のアミノ基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリアミン及び置換または非置換のアリーレン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリアミンからなる群から選ばれる、
請求項2に従う使用方法。
【請求項4】
レオロジー制御剤が、一般式X−[尿素−不斉中心]nを持ち、Xが該分子の連結基であり、かつnが[尿素−不斉中心]部分の数である(nは2以上である。)、請求項1〜3のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項5】
レオロジー制御剤が、モノイソシアネートと反応された光学活性ポリアミンの反応生成物である、請求項1〜4のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項6】
イソシアネート−ポリオールに基づいたコーティング組成物における、請求項1〜5のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項7】
アクリロイルに基づいたコーティング組成物における、請求項1〜6のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項8】
2のイソシアネート基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリイソシアネート及び置換または非置換のアリーレン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリイソシアネートからなる群から選ばれた1以上のポリイソシアネートと、式(I)

の1以上の光学活性な、炭素において置換された、ラセミ混合物としてではないメチルアミンとを反応させることによって、または2のアミノ基間の鎖中に偶数の炭素原子を持つ置換または非置換の直鎖脂肪族ポリアミン及び置換または非置換のアリーレン、アラルキレン、およびシクロヘキシレンのポリアミンからなる群から選ばれた1以上のポリアミンと、式(II)

の1以上の光学活性な、ラセミ混合物としてではないモノイソシアネートとを反応させることによって得ることができ、ここで、R1、R2、およびR3のそれぞれは、水素及び直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換の、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビルまたはヘテロ原子を含有する基からなる群から独立に選ばれ、それによってR1、R2、およびR3のそれぞれが、その炭素原子が不斉中心であるように相違していて、ただし式(I)のアミンが光学活性アミノ酸でなくかつ光学活性アミノ酸エステルでなく、かつ式(II)のイソシアネートが光学活性アミノ酸または光学活性アミノ酸エステルのアミノ基から誘導されたものではないことを条件とし、かつさらに、得られたレオロジー調節剤が式(III)

の化合物でないことを条件としているレオロジー調節剤。
【請求項9】
一般式X−[尿素−不斉中心]nを持ち、Xが該分子の連結基であり、かつnが[尿素−不斉中心]部分の数である(nは2以上である。)、請求項8に従うレオロジー調節剤。
【請求項10】
式(I)の光学活性アミンが、式IV)

および式V)

の化合物から選ばれ、ここでRが直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換の、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビルまたはヘテロ原子を含有する基である、請求項8〜9のいずれか1項に従うレオロジー剤または請求項1〜7のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項11】
式(I)の光学活性アミンが、式




の化合物、および
(S/R)−2−アミノ−ヘキサンおよび(S/R)−1−フェニルプロピルアミン
から選ばれている、請求項8〜9のいずれか1項に従うレオロジー剤または請求項1〜6のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項12】
式(II)の光学活性イソシアネートが、式VI)

および式VII)

の化合物から選ばれ、ここでRが直鎖若しくは分岐の、置換若しくは非置換の、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビルである、請求項8〜9のいずれか1項に従うレオロジー剤または請求項1〜7のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項13】
ヒドロカルビルが、直鎖、環状または分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和のC1〜C25のアルキル、アリール、アラルキル、およびアルケニルからなる群から選ばれ、好ましくは直鎖または分岐のC1〜C25のアルキルからなる群から選ばれ、さらにより好ましくは直鎖または分岐のC1〜C5のアルキルからなる群から選ばれ、またもっとも好ましくはRがメチルまたはエチル基である、請求項8〜12のいずれか1項に従うレオロジー剤または使用方法。
【請求項14】
式(I)の光学活性アミンがα−メチルベンジルアミンであり、かつポリイソシアネートがヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートである、請求項8〜9のいずれか1項に従うレオロジー剤または請求項1〜7のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項15】
−接着剤
−印刷インキ
−洗剤および洗浄用途
−紙および板紙産業
−繊維、皮革、およびカーペット用途
−建設用コンパウンド
−顔料組成物
−採鉱
−化粧品、および/または
−コーティング組成物
において、請求項8〜14のいずれか1項に従うレオロジー調節剤をレオロジー制御剤として使用する方法。
【請求項16】
レオロジー制御剤が、ポリイソシアネート化合物を用いて25℃〜150℃の温度で硬化される慣用のポリオールに基づいた2成分(2K)コーティング系に使用される、請求項15に従う使用方法。
【請求項17】
レオロジー制御剤が、慣用の様式で硬化されるアクリロイル官能性化合物に基づいた配合物に使用される、請求項15に従う使用方法。
【請求項18】
本コーティング組成物のコーティング膜を、当該コーティング膜が硬化される前に基体上に施与する段階をさらに含む、請求項1〜7および15〜17のいずれか1項に従う使用方法。
【請求項19】
結合剤または不活性な希釈剤中にある、請求項8〜14のいずれか1項に従うレオロジー剤の濃厚物。
【請求項20】
請求項8〜14のいずれか1項に従うレオロジー剤を含んでいる、改善されたレオロジーを持つ組成物。
【請求項21】
コーティング、印刷インキまたは接着剤の組成物である、請求項20に従う組成物。

【公表番号】特表2009−513739(P2009−513739A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518166(P2006−518166)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007597
【国際公開番号】WO2005/005557
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(505396349)ヌプレクス レジンズ ビー.ブイ. (13)
【Fターム(参考)】